ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 健康局が実施する検討会等 > 新型インフルエンザ専門家会議 > 第18回新型インフルエンザ専門家会議議事録(2014年7月23日)




2014年7月23日 第18回新型インフルエンザ専門家会議議事録

健康局結核感染症課新型インフルエンザ対策推進室

○日時

平成26年7月23日 17:00〜19:00


○場所

東京交通会館 第一会議室B(3階)
 (東京都千代田区有楽町2−10−1)


○出席者

伊藤構成員 宇田構成員 大石構成員 岡部構成員 小田切構成員
川名構成員 吉川構成員 小森構成員 坂元構成員 田代構成員

○議題

(1)平成26年度のH5N1プレパンデミックワクチンの備蓄株について
(2)今後のH5N1プレパンデミックワクチンの備蓄戦略について
(3)その他

○議事

 

○高城室長 第 18 回厚生労働省新型インフルエンザ専門家会議を開催いたします。構成員の皆様方には、御多忙の折お集まりをいただきまして御礼を申し上げます。まず初めに、厚生労働省健康局新村局長より御挨拶をいただきます。

○新村健康局長  7 11 日付けで健康局長を拝命いたしました新村でございます、よろしくお願いいたします。本日はお忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございます。御承知のことでございますが、新型インフルエンザ対策につきましては、新型インフルエンザ等対策特別措置法が平成 24 4 月に成立いたしまして、昨年 4 月に施行されております。そして、平成 25 6 月に政府行動計画並びにガイドラインが策定されております。また、タミフルなどの抗インフルエンザウイルス薬や H5N1 のプレパンデミックワクチンの備蓄、更には新型インフルエンザワクチンの生産に関する細胞培養法の開発なども含めて総合的に進めております。

 本日の新型インフルエンザ専門家会議ですが、平成 26 年度の H5N1 のプレパンデミックワクチンの備蓄株の選定について、御議論いただきたいと考えております。また、併せて今後のプレパンデミックワクチンの備蓄の方向性についても、御議論いただきたいと考えております。簡単でございますけれども、冒頭の御挨拶とさせていただきます。よろしくお願いいたします。

○高城室長 構成員の出欠状況を確認したいと思います。本日は、構成員 15 名中 10 名の方から御出席というお返事を頂いております。ただいま 3 名ほど遅れておりますが、追って到着すると伺っております。なお、庵原構成員、押谷構成員、櫻井構成員、永井構成員、丸井構成員からそれぞれ欠席の御連絡を頂いております。

 また、本日は 3 名の参考人に出席していただいております。初めに、国立感染症研究所インフルエンザウイルス研究センター室第 4 室長の信澤参考人です。同センター第 3 室長の板村参行人です。独立行政法人国立病院機構本部総合研究センター臨床研究統括部長の伊藤参考人です。それでは、以降の議事進行を岡部議長にお願いいたします。

○岡部議長 第 18 回新型インフルエンザ専門家会議を開催したいと思います。暑いところ御苦労様です。熱心な御議論をお願いしたいと思います。議事に入る前に事務局から、本日配付された資料の確認をお願いします。

○岡主査 配付資料の確認をいたします。議事次第、構成員名簿、資料 1 H5N1 プレパンデミックワクチンの備蓄戦略について」、参考資料 1 H26 年度 H5N1 備蓄ワクチン株選定資料」、参考資料 2 「沈降インフルエンザワクチン H5N1 における臨床研究」です。不足している資料がありましたら、事務局にお申し付けください。カメラ撮影は、ここまでとさせていただきます。

○岡部議長 それでは、議題 1 2 3 、その他も含めて 3 つの議題が本日の予定です。「平成 26 年度のプレパンデミックワクチンの備蓄株について」、事務局から説明をお願いします。

○井上課長 まずは、資料 1 H5N1 プレパンデミックワクチンの備蓄戦略について ( ) 」の中から議題 1 に相当する部分、 2 「備蓄戦略における今後の方針」の 1 の株の選定の所まで説明いたします。

 資料 1 を最初から説明をいたしますと、 1 「現状・背景」です。 1 点目として、平成 15 年に初めて H5N1 による感染確定者が報告をされて以来、病原性の高さから、 H5N1 ウイルス由来の新型インフルエンザが発生した場合に被害が起きることを想定し、プレパンデミックワクチンの備蓄をするということになりました。

2 点目として、 H5N1 ウイルス由来の新型インフルエンザ発生後に、備蓄されているプレパンデミックワクチンの中から最も有効性が期待されるウイルス株を選択して接種をすることにしております。現在複数株を備蓄しております。

3 点目として、プレパンデミックワクチンは、医療従事者それから国民生活や経済の安定に寄与する者に対して接種をするという定めです。おおむね 1,000 万人を想定しており、原則として 3 週間間隔で 2 回接種です。

4 点目として、実際に備蓄が始まったのが平成 18 年以降で、毎年約 1,000 万人分ずつ原液を備蓄しています。一部を製剤化しています。毎年異なる株を選択して合計 4 株、ベトナム株、インドネシア株、アンフィ株、チンハイ株の備蓄をしております。有効期限が 3 年で、 3 年経過後に廃棄します。その結果、現時点ではアンフィ株、チンハイ株がそれぞれ 1,000 万人分、インドネシア株及びベトナム株がそれぞれ 500 万人分を備蓄しているのが、現状とそれに至るまでの背景です。

2 番は備蓄方針に至る今後の方針です。まずは、ワクチン作業班会議の議論を踏まえ、以下のとおりに提案したいと事務局では考えております。説明するのは 1 の部分までですが、 3 点ある本日の論点のうち 1 つ目として、今年度どの株を備蓄するかということがあります。提案としては、アンフィ株を備蓄してはどうかと考えております。

 理由としては 1 点目として、近年も散発的に Clade2.3 がヒトや家畜から分離されていること。 2 点目が、平成 23 年に製造したアンフィ株の有効期限が今年度中に切れます。 3 点目が、他方、当該 Clade の最近のウイルスを用いたワクチン株は、まだ開発中であるという現状です。 4 点目が、現行のアンフィ株の更新株への変更は可能です。しかし反面、両者の抗原性が一致しており、置き換えることに大きな意義は認められない。また、更新株への変更は臨床研究の必要性を検討する必要があり、時間的な制約も考慮すると、臨床研究による知見が既に定まっている従来の備蓄株であるアンフィ株 (A/Anhui/1/2005(IBCDC-RG5)) を再備蓄することが望ましいのではないかと考えております。

 次のページに移りますが、最後のポイントとして今申し上げたアンフィ株は臨床研究の結果から、 H5N1 のほかの Clade に対して比較的幅広く免疫記憶を誘導する可能性が示唆されていることもあります。まず事務局の説明は、ここまでです。

○岡部議長 大きいタイトルとしては「備蓄戦略における今後の方針」とありますが、 123 3 つに分かれているので、まず、平成 26 年度は備蓄するということは前提になっているので、候補株をどうしましょうかというのが今事務局から説明いただいたところになると思います。ただ、これについては既にワクチン作業班で専門的な見地から議論を毎回いただいているわけなので、議題 1 については田代先生が作業班長なので、田代先生から補足的な説明があれば、よろしくお願いいたします。

○田代構成員 私から説明するのですか、事務局ではなくて。

○井上課長 今議長がおっしゃったことというのは、既に事務局から説明したことに加えて、作業班の班長である田代構成員から、もし補足説明があればと、そういう趣旨だと理解しております。

○田代構成員 分かりました。

○岡部議長 すみませんでした、説明がうまくなくて。前提としてはアンフィが今、事務局から提言されていますが、それについて技術的な補足説明があれば田代先生からお願いいたします、ということです。

○田代構成員 今、課長から説明があったとおりで、今年度のアンフィ株の備蓄、 1,000 万人分の 3 年の有効期限が切れて更新するということなのですが、それに代わる株の選定として作業班で検討いたしました。その結果、今説明がありましたように、アンフィ株がワクチンとして、現行の全粒子を卵で作ってアルミアジュバントを加えたワクチンを接種されたヒトの臨床試験の結果、現在かなりの抗原性が大きく変化してきている H5N1 の株のかなりのものと交叉性の免疫を誘導することができるということで、再びアンフィ株を備蓄するのが備蓄戦略の目的にかなっているのではないかということで、これを推奨することにしました。以上です。

○岡部議長 ありがとうございました。それでは、これについて御意見ありますか。小田切先生も何か補足があればお願いします。

○小田切構成員 それでは、少し今の御説明について更に補足したいと思います。現行の H5N1 ウイルスの流行状況、それからアンフィ株の開発のところで抗原性のことについても少し説明したいと思いますので、参考資料 1 を御覧ください。「 H26 年度 H5N1 備蓄ワクチン株選定資料」がありますが、それに沿って説明したいと思います。

 まず現在、世界的に流行している H5N1 の流行状況について簡単に説明します。スライドの番号が右下に書いてあります。 3 番のスライドを見ていただければ分かると思いますが、 2003 年以降現時点までの H5N1 ウイルスの HA 遺伝子の系統的なクラス分けで、どういう地域でどういう Clade のウイルスがはやっているかを簡単に図したものです。主に黄緑色で書いた Clade2.2 がアフリカ中東、モンゴル辺りを中心にはやっている。東南アジアを見ますと、 Clade1 という茶色のサークルで囲ったものと、中国を中心に Clade2.3 というグループ、インドネシアを中心に Clade2.1 と、大きく分けてそういうグループがサーキュレートしている状況です。

 右側の所に系統樹である程度大まかに遺伝子のグループ分けをしているのですが、更にそれぞれの Clade にはもう少し細分化されたように、遺伝的にはかなり細分化されてきています。

 その下のスライドの 4 は、 2003 年以降ヒトに感染した事例と死亡例、どの国でどれぐらいの数が出ているかを簡単にまとめております。

5 番目のスライドが、それぞれ色分けして国別に表わしています。

 引き続き 2003 年以降 2014 年までヒトの感染事例があったわけなのですが、スライドの 6 番で最近の感染事例として 2013 年以降現時点までのものをまとめています。エジプト、バングラデシュ、カンボジア、インドネシア、ベトナム、中国と異なる Clade H5N1 ウイルスにヒトが感染しております。最近の新しい事例としては、 H5N1 ではありませんが、 H5N6 というウイルスが今年の 5 月に中国の四川省で感染して、感染したヒトが亡くなっている事例。それから、韓国、日本、これはヒトの感染事例ではありませんが家禽でアウトブレイクが起こったのは、 H5N8 というウイルスも今年の 4 月にはやったという形式があります。

7 ページ目が、もう少し詳しく文章でまとめたものです。ヒトの感染事例としまして、去年の 9 月から現時点までのところのウイルスの分離状況として、まず、 Clade1.1.2 、これはカンボジア、ベトナムでヒト感染事例があった例です。これらのウイルスは、既存のワクチン株とは抗原性が少し異なるようになってきています。一部、内部遺伝子というのは同時に近傍の地域ではやっています Clade2.3.2.1 、このウイルスと重感染したと思われて、遺伝子の差替えが起こっている状況です。新しいウイルスとしてワクチンの候補株を現在開発中であるというのが、 Clade1.1.2

 それから、インドネシアを中心に流行している Clade2.1.3.2a がありますが、これもインドネシアで持続的にヒト及び家禽で流行しています。エジプト近傍での流行としては Clade2.2.1 で、ヒトの感染事例は最近では報告がありませんが、家禽での分離株が見られています。

 下のパネルのスライドの 8 番です。 Clade2.3.2.1 は、更に遺伝的に a グループ、 b グループ、 c グループと 3 つに分かれまして、 a グループはバングラデシュで家禽から分離されています。代表的なものとして新たなワクチン株を現在開発中です。グループの 2 は、中国で環境から分離されているウイルスがあります。これは既存のワクチン株と抗原性はある程度似ています。グループの 3 は、中国、インドネシア、ベトナムの家禽及び環境中から分離されたウイルスです。これは 2012 年の分離株と抗原的には似ています。新しいワクチン株としては今現在開発中です。

 それから Clade2.3.4 についてですが、本日議論になります備蓄ワクチンに入っているアンフィの入るグループがこれに当たりますが、最近の事例としては中国で環境中及びヒトからの分離報告があります。いずれのウイルスの HA 遺伝子も、備蓄していますアンフィと類似しています。遺伝的には類似しているのですが、抗原性については現在解析が進められております。変わった Clade として、 Clade7.2 も中国で環境中からウイルスが出ています。

 次のページのスライド 9 を見ていただきますと、今ワクチンの候補株として開発が既に完了していて、 WHO Web サイトに載っているのをまとめたものです。本日議論になりますアンフィが入る Clade2.3.4 が、右側の表の真ん中辺りの所に幾つかありますが、アベイラブルなのが数株。 10 ページは、現在、更に新しい株として開発中というのを幾つか挙げられているのをまとめた表です。

 次のページを御覧いただきまして、本日の本題になると思うのですが、ワクチンの備蓄状況です。下のスライド 12 番ですが、平成 18 年以降、備蓄が進められてきているわけですが、今回議論になっていますのがアンフィという株 Clade2.3 に入るウイルスがちょうど有効期限が切れまして、今年度これをどう再備蓄に向かってどのようにしていくかが本日の議論だと思います。

13 ページは、アンフィが入る Clade2.3 というグループは、最近では少し遺伝的に更にダイバージしていまして、緑の矢印で示しているのがアンフィというワクチン備畜している株なのですが、そこから更に枝分かれした Clade2.3.4.2 という所が、新しい分岐しているウイルスがヒト及び家禽から取れています。

 備蓄ワクチン株の検討として、今申し上げましたようにアンフィ株が有効期限が過ぎましたので、これに代わる備蓄株としてどれが適当かという議論をワクチンの作業班でしたわけであります。今現在アベイラブルなものとしては、アンフィの備蓄に使っています括弧内に書いていますが、 IBCDC-RG5 が備蓄に使っていたウイルスなのですが、それを更にアップデートしたものとして IBCDC-RG6 が今アベイラブルになっています。この IBCDC-RG5 IBCDC-RG6 の違いは、 HA 遺伝子の開裂部位の所の遺伝子に IBCDC-RG6 は新たに 2 つ異なる塩基を入れることによって、強毒型に復帰するような危険性をできるだけ妨げて、そうならないようにという細工をしたものであります。

 これが今のところ WHO Web サイトに載っているわけですが、 15 ページを見ていただきますと、新たにアップデートしました IBCDC-RG6 は今まで使っていました IBCDC-RG5 と抗原性が違うかどうかを感染研で検討したのが、以下の円グラフなどになっております。これは、アンフィ IBCDC-RG5 をワクチン接種を 2 回したヒトの血清に対して、アップデートした IBCDC-RG6 を反応させて抗原性がずれているかどうかを検討しました。

 その結果をまとめたものが円グラフで 2 つありますが、基本的には IBCDC-RG5 IBCDC-RG6 は抗原性は全く違っていない。もちろん、遺伝子をいじった所はアミノ酸の変化はありませんので、抗原性には全く反映していません。それもこの結果と符合しているということで、基本的には今申し上げたように、 IBCDC-RG5 IBCDC-RG6 は抗原性は一致している状況が確認できました。

 したがいまして、今、事務局、田代班長から報告のありましたように、実績としては IBCDC-RG5 は今備蓄に使われています。 IBCDC-RG6 は新しいアップデートしたウイルスですが、抗原的にも違いがないし、 IBCDC-RG6 を採用するとすれば新たにまた臨床試験をしないといけないという状況もありますし、製造の実績もないということで、 IBCDC-RG5 のほうがいいのではないかという作業班の結論です。以上です。

○岡部議長 どうもありがとうございました。作業班で詳細に検討されていた結果を持ってきていただいているのですが、これについて何か御意見、御質問、あるいは追加がありましたらお願いします。特にないでしょうか。

 毎回、この件については、ここ何年か作業班でかなり専門的なことを検討されているので、特に大きい質問がなければリーズナブルであるということで、この委員会ではそれを承認するという形になっております。今回も特別な御質問がなければ、事務局で提言されましたが、作業班で作っていただいた平成 26 年度のプレパンワクチンの備蓄株は、アンフィ株 A/Anhui/1/2005(IBCDC-RG5) を備蓄するということで御異論ないでしょうか。では、これはこの委員会で了承したということですので、その後の手続等よろしくお願いいたします。

 議題 2 に入ります。議題 2 というのは、この中の今後の H5N1 のプレパンデミックワクチンをどのようにしていくかという戦略についてですが、これも今までの検討事項で、毎年、毎年オートマティックにいくといくことではなくて、今年の分は製造ということは前提になっているわけですが、今後の製造やワクチン株、ワクチン戦略。基本的なワクチンの接種は内閣府で行動計画等であるので、それに沿った形でありますが、それに使う道具としてのプレパンデミックワクチンをどうするかというのは、この委員会での議論になります。それでは、今後の方針として事務局でまとめたものの説明をお願いいたします。

○井上課長 事務局です。議題 2 は「今後の H5N1 プレバンデミックワクチンの備蓄戦略について」です。資料 1 2 ページの 23 の部分がそれに相当する部分で、資料に沿って御説明いたします。

 まず、今後の備蓄戦略をどうするかということの 1 つ目として、現状、 4 株備蓄をしているものを従来どおりの方針でいいのかどうかという点があります。これについては、現時点では、まだそれを判断するのに十分な知見がないというのが作業班会議での議論でした。

 それを踏まえ、平成 27 年度以降の備蓄戦略について検討するため、今後、交叉免疫性に関する知見を集積してはどうかというのが論点です。 2 1 つ目として、これまでに実施された臨床試験によると、ベトナム株、インドネシア株、アンフィ株、チンハイ株、現在備蓄をしているもの、それぞれについて 3 週間間隔で 2 回接種した者から、 3 週間後に採取した血清にベトナム株、インドネシア株、アンフィ株、チンハイ株を反応させたところ、接種した株に対して、それぞれ抗体が上昇したという臨床試験結果があります。更に一部、インドネシア株 2 回接種において、アンフィ株に対する抗体が一定程度上昇したということもあります。

 参考資料 2 は、お手元の参考資料 2 2 枚目、右下に 1 番と小さく文字が打ってある上のスライドです。これは左側縦のコラム、インドネシア株、ベトナム株、アンフィ株、チンハイ株をそれぞれ 3 週間間隔で 2 回打ったものに対して、それぞれベトナム株、インドネシア株、アンフィ株、チンハイ株を反応させたところ、グリーンで濃く塗ってある所に関しては、然るべく抗体が一定程度上昇したということがあります。また、 3 週間間隔 2 回接種ではありませんが、インドネシア株とアンフィ株において、そのほかの株に対し、比較的広い交叉免疫性が示唆されているということがあります。

2 点目として、これ以上の更なる知見を集積するために、近年発生しているウイルス株等との交叉免疫性を確認する試験を実施してはどうか。具体的にはベトナム株、インドネシア株、アンフィ株、チンハイ株を 3 週間間隔で 2 回接種した者から、 3 週間後に接種した血清を、近年発生しているウイルス株等にそれぞれ反応させた場合の抗体変化率・抗体保有率を測定したらどうかと考えています。これは感染症研究所にて実施し、年内にはその結果が出る見込みだと担当の先生からは聞いております。

 そのほか、交叉免疫性を確認する試験についても検討を行い、こうした検討によって、今後平成 27 年度以降の備蓄戦略ついて検討するため、交叉免疫性に関する知見を集積してはどうかというのが 2 の提案です。

3 は、それに加えての検討事項です。既存備蓄及び新規備蓄分の原液について、現状の保存期間 3 年よりも長く備蓄をするための検討を行ってはどうか。具体的には、製造業者等と相談しながら、以下の点について検討を行ってはどうか。

1 つ目としては、有効期限等の延長です。そのために必要な経時的な力価試験を実施し、抗原量の増加等もできるかどうかを検討してはどうか。 2 つ目として、細胞培養法による製造においては、備蓄期間はどうなるかということも今後検討を加えてはどうか。こうした 23 の検討を今後の備蓄戦略を考える上で考えてはどうかというのが、作業班会議で議論したことを踏まえた上での事務局からの御提案です。以上です。

○岡部議長 どうもありがとうございました。ここも 2 つに分けてあって、 2 3 とおっしゃっていましたが、今あるものをもう少し長くもたせられるのではないかというのは、あとの議論にして、臨床治験をどのようにやっていくかを最初の議論にしたいと思います。これまででは臨床治験、臨床研究で得られた結果については、これのリーダーをされていて、今日おいでいただいている伊藤参考人より説明を頂きたいと思います。伊藤先生、よろしくお願いいたします。

○伊藤参考人 国立病院機構の伊藤でございます。庵原先生と一緒に仕事をさせていただいておりまして、本来、庵原構成員がお話をするべきだと思いますが、今日は御不在ですので、代わりに説明をさせていただきます。

 ワクチンの開発治験のときのデータも持っておりますが、それ以降、平成 20 年度、 22 年度、 23 年度、 24 年度、 25 年度、 26 年度に H5N1 の様々な株についての研究を行ってきています。詳細については、 1 ページに書かれています。

 これらの結果をまとめたスライドが 2 枚目で、複数の試験をまとめて、 1 回目接種をした株を縦のほうに並べています。 2 回接種後 3 週後の抗体価を、中和抗体価で測った結果を並べてみたものをここに載せております。 2.5 倍以上、抗体価が上昇していれば免疫原性があったと御理解いただき、 85.1 %と書いてあるのは、中和抗体 4 倍以上の抗体価を持ったヒトの割合を示しており、これが基本的に 7 割を超えてくれば、集団としてこのワクチンがある程度効いたと認識しています。

 これを御覧いただいて分かるとおり、ベトナム株のときはベトナム株しかありませんでしたので、インドネシア株、アンフィ株、チンハイ株を測っておりませんし、インドネシア株、アンフィ株が出てきたときはチンハイ株が出ておりませんので、チンハイ株の測定ができていないので空欄になっています。少なくともワクチン 2 回接種 3 週間後の状況では、インドネシア株接種後にアンフィ株に対する抗体価が 3.14 倍と高いことを除けば、接種した株に対する抗体価が高かったのですが、それ以外のところには余り抗体価が上がっていない結果だと御理解いただければと思います。

 安全性については、平成 20 年度に行った 5,761 人のデータだけをまとめて出しておりますが、どの株を用いても、この結果と大きく相違をするものではなかったと思っておりますので、この結果で対応をさせていただいております。

 平成 22 年度以降、様々な仮説に基づいて臨床研究をしております。具体的には平成 22 年度にはチンハイ株を 3 回接種しています。 2 回打ったあとの 3 回目の接種というのは、 3 回のワクチンで免疫原性を見ることも考えないわけではなかったのですが、それだけではなく、あとに打ったものについては、仮にそのウイルスが攻めてきたとしたら、どんな反応を示すのだろうかということを想定して行った試験です。

 このとき行ったのは、有効性の (2) の一番下を御覧いただいて分かるかと思いますが、チンハイ株を 6 か月後に打ちますと、チンハイ株だけではなく、インドネシア株、ベトナム株、アンフィ株にも同様に広い形で交叉免疫性が発生することが分かっております。

 もう 1 点は、ベトナム株、インドネシア株、アンフィ株を打って、 2 年後に別の株、インドネシア株とかアンフィ株とかチンハイ株を打ったときに、どんなレスポンスを示したのかと見ているのが、スライド 5 の結果です。これは御覧いただいて分かるとおり、ちゃんとプライミングがされて、 2 年後に別の株を打った場合は、大変高い交叉免疫性を示すことが、このデータから分かっています。

 こういったデータの積み重ねをしておりまして、平成 23 年度、 24 年度はもう少し変わった視点で試験をしています。もしかして時間を置くこと、若しくはクロスで別の株を打つことが、どんな効果を持つのかということを検討したのが平成 23 年度、 24 年度です。

9 枚目のスライドをざっと見ますと分かると思いますが、ベトナム株を打って 3 週間後にインドネシア株を打ちました。その結果、幅広にいろいろな免疫原性が得られるという期待は見事に打ち砕かれて、 3 週間間隔で別の株を打っても、余り効果がなかったことが分かっております。

 同時に、その年はベトナム株とインドネシア株を 1 回接種して、半年後にインドネシア株、ベトナム株をクロスで打つということを見ておりまして、その結果を示したのが 10 ページです。まだ 100 %の結論と言っていいかどうか分かりませんが、ベトナム株を 1 回打っただけでは、プライミングというか、免疫原性が付いてこないのですが、インドネシア株は 1 回打っただけで免疫が付きそうだといった結果も得られたりもしております。

 今までのデータの集積に基づいて、昨年度から今年度に掛けては、 13 で提示しているエジプト株を用いて接種間隔を 21 日だけではなく、少し変えて試験をしておりますが、その免疫原性の採血は、実は 5 月ぐらいに終わっているのですが、まだ結果が出てないので提示ができておらず、申し訳ないと思いますが、そういった研究についても鋭意進めているところです。説明は以上です。

○岡部議長 どうもありがとうございました。 2 回接種をして、最初のうちは 3 週間後、ブースターというか、もう 1 回やってみる。それが先行研究で、そのあとは間隔をもっと長くしてやってみたら、株間で差が出てきたという考え方ですね。

○伊藤参考人 はい。

○岡部議長 ということで、組合せによっては交叉免疫に差が出てきているということが、今回お示ししていただいたことになるのですが、これについは何か御意見、御質問がありましたらお願いします。

○田代構成員 これはいろいろな研究をやっていただいたのですが、大事なことは、必ずしも現行の備蓄ワクチンの使い方にのっとってやったということではなく、研究のためですから、いろいろなバリエーションでやられたわけですが、現行のワクチンの使用方法はパンデミックウイルスが実際に出現した場合に、そこから打ち始めるわけです。 3 週間の間隔を置いて 2 回接種します。それが原則です。今、伊藤先生からお話があったのは、 3 週間間隔で 2 回接種して、その後の抗体がどうなったかということと、それが 2 年後にどうなったのかという話だったと思います。

 もう 1 つコンフューズしているのは、 3 週間間隔で 2 回打つのではなくて、最初の 1 回だけ打って、それから半年後に追加接種をした。最後に話したことは、現行のプレパンデミックワクチンの備蓄ワクチンの接種方法にのっとっているわけではなく、別の方法を検討されたということだと思います。

 今の話で確認したいのですが、スライドの 2 番は 3 週間間隔で 2 回接種して、同じワクチンを 2 回接種しいるわけですよね。その後何日目の採血ですか。

○伊藤参考人  21 日目です。

○田代構成員  3 週間ですね。

○伊藤参考人 はい。

○田代構成員 そうすると、ベトナム株、インドネシア株、アンフィ株、チンハイ株のいずれについても 3 週間間隔で 2 回接種して、その後 3 週目の採血では接種に使ったワクチン株については抗体がよく上がるが、残りの 3 株についての交叉性はほとんど期待できないという結果だと思いますが、それでよろしいでしょうか。

○伊藤参考人 そのとおりだと思います。

○田代構成員 分かりました。そうしますと、現在のパンデミック、プレパンデミックワクチンの使用ということを考えると、実際に新型のウイルスが出てきて、それから打ち始めるわけです。それで 3 週間間隔を置いて 2 回接種して、その後、その防御免疫がちゃんとできていることが期待されるわけですが、少なくとも 2 回接種後、 3 週目においては、まだ交叉免疫が十分に期待できないことを示唆しているのだと思います。そういう解釈でよろしいでしょうか。

○伊藤参考人 そのとおりだろうと思います。

○田代構成員 それでは、実際にプレパンデミックワクチンを使った場合の効果が十分に期待できないということになるのではないかと思いますが、そこで 2 回接種したあと、 3 週後に採血したのではなくて、それを更に時間を置いて時間がたった場合に、どれだけ交叉性の免疫が誘導されるかということを検討していただく。これが大事な次の研究の目的の 1 つだと思いますが、そういうことでよろしいですか。

○伊藤参考人 少なくとも 6 か月置けば交叉免疫性が出ることは分かっておりますが、それがどこまで短い期間で交叉免疫性が出てくるのかについては知見がありませんので、それは何らかの形でデータを持っていることは大切なことではないかと私どもは思っております。

 それから、ベトナム株、インドネシア株、アンフィ株、チンハイ株という現在備蓄している株については、血清を保存しておりまして、感染研にお渡ししておりますので、もし仮にパンデミック株が出たときに、どの備蓄株を使うのが一番効果が高いのか、という点については、今でも分かる状況だと思っております。

○田代構成員 今のお話で、 3 週間間隔を置いて 2 回接種したあと、 3 週目ではまだ十分な交叉性の免疫が期待できない。しかし、半年たった場合には、どの株を使って免疫しても、残りの 3 株を含めた全ての現在の株について、実際にはワクチン株ですね、 10 年近く前に流行していた株ですが、それに対しては交叉性の幅広い免疫が誘導されている、少なくともその記憶が誘導されていることを示しているのだと思います。

 そうしますと、極端なことを言うと、どのウイルスを、どのワクチン株を使っても、時間さえたてば同じような交叉性の免疫が誘導されることが 1 つ期待されるだろう。それから、どのワクチン株を使っても、 2 回接種後、 3 週後ぐらい、接種直後、その状況においては幅広い交叉性の免疫は期待できないということなのではないかと思いますが、これをもう少し詳しく、細かく見ていくというのが、これからやらなければいけない研究ではないかと理解しましたが、そういうことでよろしいでしょうか。

○伊藤参考人 そう思います。

○岡部議長 ほかにはいかがですか。幾つか、これからのことということでの提案もあったのですが。

○坂元構成員  1 つ質問です。今これはプレパンデミックワクチンなのですが、仮にこのワクチンの型のウイルスがもしはやって、今、住民全員への接種を考えているときに、 1 回目と 2 回目の期間が 3 週間なのか 4 週間なのかというのは、かなり重要な問題です。例えば自治体側が医師にお願いして動員を頼んで計画を立てるときに、期間が結構短いと動員計画がかなり大変なのです。 3 週間以上では駄目なのか、 3 週間が最も適切なのか。以前だと 4 週間という話もあったのですが、 3 週間で決まったのかという質問です。

 それから、例えばはやった株とぴったり当たれば、 3 週間後に打ってもかなり免疫が上がるのですが、そうではない場合は半年後しか交叉免疫で効果が期待できない。そうすると、その辺の説明の仕方が難しいと思います。というのは、実際に起こったときに、自治体が住民に説明するときに説明の仕方が難しいと思うので、その辺はどう考えたらいいかを教えていただければと思います。

○岡部議長 坂元先生、今やっている議論はプレパンデミックワクチンなので、備蓄ワクチンですよね。ですから、飽くまで対象は最初の医療関係者とか、ライフラインの確保する人であって、もちろん延長としては住民への説明も要るのですが、住民に使うことが前提にはなっていないのです。

○坂元構成員 もちろん、それは分かっています。そうすると、 3 週間というのは、今後住民に使う場合も 3 週間という接種間隔で考えるのかというのが質問です。

○岡部議長 パンデミックワクチンが出てきた場合には、その方法になりますね。

○坂元構成員 そうです。 3 週間でいいのか、それともプレパンデミックワクチンだけが 3 週間なのか。今後多くの自治体が接種計画を立てていて、その間隔をどうするかによって医師等の動員計画が全然違ってくるので、プレパンデミックワクチンの接種間隔は別の話なのかということも、もし分かればということです。

○伊藤参考人 薬事法上の承認を取るための治験が 2 4 週の間で、大体その間を取って 3 週間で、ほぼ全てのワクチンの開発はそれで行われているので、 3 週間で 2 回という言い方をさせていただいています。ちなみに今回は提示をしていませんが、 1 回打った後の 3 週後、 2 回目接種前の抗体では、十分な抗体の上がり方をしておりませんので、過去の成績から考えると、 1 回の接種で十分と考えるのは難しいと思っています。

○坂元構成員 そうすると、薬事法上は 4 週間でも構わない。別に 3 週間でやったというだけで、 4 週間でもいいということですか。

○伊藤参考人 構わないと思います。

○坂元構成員  3 週間と 4 週間で医師等の動員計画がかなり違ってきてしまうと思います。

○伊藤参考人  2 4 週という書き方をしてあり、治験がその期間で行われたということだけですので。

○坂元構成員 ありがとうございました。

○岡部議長 ぴったり 2 週間である必要はない。そのほうが治験の主な所、山のここには一応しているが、そこから 1 日たりともずれてはいけないということではないという解釈ではないでしょうか。

○田代構成員 接種の間隔ですが、一応 3 週間というのは、なるべく短くするというのが 1 つのニードですよね。短くすると言っても、余り短くしても効かないわけで、 1 回目の接種によって、ある程度基礎免疫ができていることが必要なわけです。これが 3 週間がいいのか、 4 週間がいいのかというのは、いろいろな議論がありますし、そんなに大きな問題ではないと思います。ただし、この期間をいつまでも長くして、 2 か月、 3 か月などとやっていたら、パンデミックはすぐ来ているわけですから、間に合わないので、なるべく有効な免疫を早く誘導するためには、有効な免疫が期待できるための最短時間をセットするのがリーズナブルだと思います。そういう意味で現在では 3 週間と一応考えています。

○岡部議長 それは季節性インフルエンザでも 2 回のところがあって、 2 週間でやってもいいが、できれば 4 週間でやっていただいたほうが抗体の上がりとしてはいいですよと。もっと遅いほうがもっといいのだけれども、それでは流行時の感染予防に間に合わないからというので、この期間が設定されていると思います。ですから、 3 週間も全部が上がるわけではないが、最も上がりやすくて、なおかつ時間的に早いというところで設定されていると思います。

 ただ、これは交叉免疫が出てくるというのは、季節性インフルエンザだと余りそういう話は出てこないのに、 H5N1 の場合は交叉性というのは特殊な状況で出てくるのでしょうか。

○田代構成員  H5N1 の場合は、ほとんどのヒトが基礎免疫を持っていませんから、全くナイーブな状況で抗原を接種することになります。季節性のインフルエンザの場合は、特に成人の場合には、過去に同じサブタイプのウイルスを何 10 回も感染を受けたりワクチンを打ったりしているわけですから、そこが全然違うのだと思います。

○岡部議長 ありがとうございました。ほかに御質問はありますか。

○伊藤構成員 今のいわゆる備蓄ワクチンの選定の話と若干離れるのですが、関連性はあります。以前に内閣府で、細胞培養のワクチンとの動きでこの問題をどうしていくかというのは議論されたと思います。 1 つ教えてほしいのは、例の細胞培養の特別交付金でやったあの現況はどうなっているかということと、この H5N1 のワクチンの海外の備蓄状況はどうなっているか、その 2 つを質問したいのです。

○井上課長 事務局です。 2 点それぞれお答えいたします。 1 点目の細胞培養ですが、交付金事業で約 1,000 億円余りで交付しています。専門の担当からお答えいたします。

○滝室長補佐 細胞培養事業につきましては、 H5N1 について武田薬品、化血研、北里第一三協、 H5N1 について今年の 3 月に承認が得られております。事業のほうは順調に進んでおります。以上です。

○岡主査  2 点目の海外の備蓄状況ですが、諸外国の機密情報を含みますので、御提供できる範囲内で御説明させていただきます。今のところ、アメリカ政府、イギリス政府、カナダ政府、オーストラリア政府は保健省を中心に備蓄をしております。その規模については公表していないので、ここで御説明することはできませんが、事務局ではどのぐらいの規模なのかなど、情報を持っています。

○岡部議長 よろしいですか。

○伊藤構成員 はい。

○岡部議長 細胞培養用については、まだ備蓄というところまではいっていないというところだと思います。

○伊藤構成員 事業として、確か研究費を支援して、一応認可されて、今、具体的には製造日数というのはどのぐらいですか。

○滝室長補佐 全国民分用意するために事業をやらせていただいておりますので、それに向けて。

○伊藤構成員 そうではなくて、備蓄分を今は 1,000 万人分を備蓄するということで、ここで議論しているのです。それに同定するような形では具体的にはどのぐらいの時間、規模に今なっているのですか。

○滝室長補佐 細胞培養事業については、細胞培養法によって、インフルエンザのワクチンを製造するには 6 か月で製造できる体制を整えております。

○岡部議長 確認ですが、細胞培養用は、プレパンワクチンの製造で、備蓄ではなくて、パンデミックが起きたときに、住民に対して広く接種をするために早く製造するというところで承認が下りているワクチンという認識なのですが、それでいいですよね。

○滝室長補佐 はい。

○岡部議長 ほかはいかがでしょうか。話は違いますが、有効性、クロスについて議論をしているのですが、安全性のことはまだ言及していなかったと思いますが、安全性のほうはいかがですか。これについても説明をしていただいたほうがいいと思います。

○伊藤参考人 先ほど説明させていただくのが十分でなくて、申し訳ございません。 3 枚目のスライドは平成 20 年度に行った、インドネシア株とアンフィ株を使って、全部で 5,561 人に接種した成績です。年齢別に分けますと、若い人が発熱する方が多少いらっしゃいまして、 37.5 ℃以上の発熱をする方が 2 3 %はいらっしゃいました。局所反応等も、全体で起きる方が 7 割ぐらい。これは全部、筋注で行われておりますが、起きております。特段、ワクチンに絡んで特殊な有害事象の発現はなかったと認識しております。

 ほかの試験、全部総括しますと、今まで約 1 万人の方がこの H5N1 のワクチンを接種されておりますが、特段の大きな問題がないという認識をしております。また、ワクチン株ごとにも、この局所反応とか全身反応、とりわけ頭痛とか倦怠感が一定の頻度で出るワクチンだと認識しておりますが、それも株ごとの変わりがないという認識をしております。

○田代構成員 今の伊藤先生からの説明にちょっと補足しますと、小児の臨床試験が行われたというように理解していますが、そのときには発熱が予想以上に多かったということで、このまま小児にこのワクチンを接種するのはちょっと問題ではないかという議論があったと思うのですが、小児についてはいかがでしょうか。

○伊藤参考人 小児については、現在、薬事法上の投与量の設定がされておりませんが、 3 歳以下の小さなお子さんは投与量を下げても、 38 5 分以上の発熱が 50 %近くに出るということで、現行のワクチンのままでは厳しい。先ほどちょっとお話をさせていただきました若い人、とくに年齢が下がるにつれて、発熱はある一定の程度は見られます。基本的に 10 歳を超えれば、多少、発熱頻度は高いですが成人とほぼ同じぐらいの状態になりますが、それ以下の子供、特に 3 歳以下の子供については、現在まだ接種ができるようなワクチン投与量の設定ができていないのが現状です。

○岡部議長 プレパンワクチンを使うときに、小児は通常は念頭に入ってこないので、対象外ではあるけれども、これが応用問題として住民接種になった場合には、小児に対する発熱はある程度、承知しておかなければいけないこと。ただし、発熱が高いほうが、抗体が高いでしょうか。

○伊藤参考人 おっしゃるとおりで、発熱が出る方は、やはり免疫原性も高く出ております。

○坂元構成員 通常、今、自治体でやっている季節性のインフルエンザの予防接種に比べると、ちょっと高いような気がするのですが、季節性のインフルエンザの予防接種とこの予防接種の副作用の差ですよね。なぜ、これだけ多く出るのか、もしお分かりになればお教えいただきたいと思います。

○伊藤参考人 ワクチンは全粒子のアルミのアジュバントが入っておりますので、局所反応が大変強くあります。昔のワクチンが全粒子で、それプラス、アルミのアジュバントですので、局所反応が強いのは推して知るべし。通常の季節性のワクチンは皮下接種ですが、皮下接種にすると赤く腫れる人がたくさんいて。薬事法の承認上は皮下接種、筋肉内接種、両方とも持っておりますが、私どもはやはりあんなに腫れたり、赤くなるのは見たくないものですから、臨床試験は全て筋肉内接種でさせていただいております。過去の検討から、免疫原性についてはほとんど差がない。逆に筋肉内接種のほうが高いかもしれないぐらいの印象を持っているので、筋肉内接種にさせていただいております。

○岡部議長 筋注のほうが危ないとか、反応が強いのではないかと言われることがあるのですが、むしろ逆で、皮内でやると、もっともっと局所反応が強くなるので、そういう意味では筋注のほうが、安全性が高くなるという理解ではないかと思うのですが、それでよろしいですよね。

○田代構成員 小児のことも含めてなのですが、実際の住民接種に使用するワクチンの剤形は、プレパンデミックワクチンの備蓄ワクチンと同じものです。ですから、備蓄ワクチンで問題があったとすれば、実際に本格的なパンデミックワクチンでも同じ問題が起こる可能性が十分にあるわけです。ですから、プレパンデミックワクチンの臨床試験、若しくは臨床研究において、十分な安全性を確保しておく必要があると思います。特に小児における用量は、きちっと事前に決めておく必要があると思います。その研究を急いでやる必要があると。それについて計画はどのようになっていますでしょうか。

○岡部議長 それは確か以前にも提言はあって、小児はこのままではとても使えないし、しかし、抗体として高くなるので、緊急時はやむを得ない可能性もある。しかし、今、田代先生がおっしゃったような、小児に対する治験はやるべきではないかというのは、前にも議論があったと思うのです。ただ、そこまで余裕ができていないところがあると思うのです。小児を含めた将来的なものについては、事務局のほうでも何か意見がありますか。

○滝室長補佐 細胞培養法事業の中で小児の臨床試験を行うというところで、各 3 社とも今やっているところです。結果が出次第お知らせできるかと思います。

○岡部議長 そうですね。住民接種を前提にした場合に、小児も含めてやる可能性はもちろんあるわけで、それについての治験計画がスタートする可能性があるということですね。

○滝室長補佐 事業の中です。

○川名構成員 安全性についてですが、この表の中に特記すべき副反応とか、重篤な有害事象という部分がありますが、これは具体的にはどんなものがあったのでしょうか。

○伊藤参考人 特記すべき副反応というのは、ここに書きました全身反応をある程度決めて、全身倦怠感だとか、頭痛だとかを決めて、それ以外のものを表記として「特記すべき副反応」という書き方をしていますので、様々です。研究班の報告書の中には、詳細に全て記載しておりますので、必要でしたら、お届けさせていただきます。

○川名構成員 重篤な入院を要した人が 0.1 %ぐらいいらっしゃる様ですね。

○伊藤参考人  8 名いらっしゃいました。 8 名いらっしゃいましたが、接種開始から 49 日間のうちに入院をされた方を全て因果関係を問わず、重篤な有害事象として捕捉をしました。因果関係が否定できなかったのは、実は当日発熱をして、そのとき解熱剤を使われて、喘息の発作を誘発し入院された方。それから、ちょっとパニック状態になられて入院された方とか、様々な方がいらっしゃいましたが、発熱が 38.5 ℃とか 39 ℃とか出た方がいて、不安でという方が因果関係ありとして入院された方で、それ以外の方についてはいらっしゃいません。

 今までの研究において、一番心配しておりましたのは、例えばギランバレーみたいなものですが、そういった事例は検出されておりません。ただ、高々 1 万人で、そういったのが出てくるようでは困るのですが、幸いそういった事例は検出されておりません。

○川名構成員 分かりました。

○田代構成員 今の伊藤先生のお話で、今まで 1 万人接種して、 1 人くらいですね。

○伊藤参考人  3 人ぐらいは因果関係が否定できないという形でした。

○田代構成員 それで、この試験をやっていただいたときは、 2 株使って、それぞれについて 3,000 人で、これは一般医薬品の場合の第 4 相に相当するものですね。そうすると、 1,000 人に 1 人の割合で起こる有害事象を見つけ出すと、その感度だと思います。そうしますと、実際に接種する場合には何千万人という人に接種するわけで、 1,000 人でほとんど問題がなかったということで、これで一気にパンデミックが起こったときに、国民全員にやって大丈夫かというと、かなり不安があると思うのです。これは少しずつ膨らませて、安全性を確保しながら、一方でワクチンによる免疫、交叉性の免疫がどれだけ誘導できるかという治験を広げていく必要があると思います。

○伊藤参考人 御指摘のとおり、毎年、各研究班では抗体価を測ること以外で、約 1,000 人ずつの方には、安全性をきちんと補足する形での臨床試験を行っておりますので、毎年 1,000 人ぐらいずつは接種者のデータベースはビルドアップさせていただいていると思っております。

○岡部議長 そういう意味では、地道な治験の集積は非常に重要で、継続性を持ってやらなければいけないというところになろうかと思います。

○大石構成員 私が質問したいのは、異種株の連続投与によって、 3 週間と 6 か月の間隔を置くことで、全体的な中和抗体の体価のレベルが違うという点と、もう 1 つは株間の順番で、かなり交叉免疫性も違うと、 2 つのポイントがあると思うのです。プライミング後 6 か月をおくということで、交叉免疫性が誘導されることから、 2 回目の接種のタイミング 3 週間から 6 か月までの期間、最短の時期を見つけていくべきと思うのですが、この点については検討されているのでしょうか?

○伊藤参考人  13 ページの平成 25 年度の臨床研究の概要を御覧いただくと、今の大石先生の御指摘に相当する部分を、昨年度から今年度にかけてやっております。ただ、まだ結果が提示できておりません。この結果があれば、先生の御質問に対する後半の答えができると思います。

 前半のことですが、接種の順番によって効果が違っているのかについてはわかりません。この結論は私とか庵原先生の結論でしかないのですが、ベトナム株を 1 回打っただけでは、どうも余りプライミングの効果がないように思っておりますので、順番の違いのように見えているのではないかと考えております。これをもう 1 回ぐらい同じような試験デザインでやって確認しないと、株ごとにそういったことがあるかどうか何とも申し上げようがないのですが、この結果の解釈の 1 つの方法として、ベトナム株は 1 回ではプライミングが効きにくいけれども、インドネシアは 1 回でもプライミングが効いているのではないかという仮説を持っております。

○大石構成員 ウイルス免疫学的にも非常に興味深い知見だと思います。また短期間で高い免疫を誘導するための大事なノウハウになると思いますので、成果を期待しております。

○坂元構成員  3 ページの副作用で安全性についての所です。 1 回目と 2 回目で 2 回目のほうが少なく、いずれも全部少なくなっています。これは同一人物かどうかはちょっと分からないのですが、これは同一人物だと 2 回目になぜ少なくなるのですか。

○伊藤参考人  1 回目と 2 回目の接種を比べると、 2 回目の局所反応は圧倒的に小さくなります。ところが、 6 か月して打つと、またほぼ元に戻ります。それから、 2 年後の局所反応を見ると、実は局所反応としては 1 回目と同じように戻ります。ですから、時間が短いと、 3 週間後に接種すると、 2 回目の局所反応は余り起きませんが、半年すると局所反応の割合が元に戻るという結果が見えています。

○岡部議長 小児もそうでしたね。

○伊藤参考人 小児も局所反応とか、発熱の頻度とか、圧倒的に 2 回目は起きない。

○川名構成員 先ほどの岡部先生と、田代先生とのご議論の蒸し返しなのですが、半年経つと交叉免疫性が誘導されてくるという機序がよく分からなかったので、もう 1 回教えていただきたいのですが。

○田代構成員 全部が完全に解明されているわけではありませんが、全くナイーブの人に対して新たな抗原を接種すると、最初それに対する交叉性というか、どんぴしゃりの抗体があらかじめ準備されているわけではありませんので、比較的それと反応するものが導引されるわけです。その後、それにスペシフィックなものがどんどんソマティック・ミューテーションでセレクションされて、強く出てくるわけです。しかも、そのときにプラススイッチが起こってきますから、 IgM から IgG に移ってきますから、かなりスペシフィックティが高くなると同じに、ブロード・スペクトラムな交叉性のエピトープを強く認識する免疫が誘導されてくるわけです。

 それがきちっと記憶されれば、それは強い免疫記憶として恐らく終生残るわけです。それが幅広い免疫記憶がきちっと誘導されるために、ある程度の時間がかかると。ですから、 3 週間隔で 2 回接種して、その後 3 週目、トータル 6 週間の期間では十分な交叉性の免疫は余り期待できないということが、今までの庵原先生たちの成績から分かったことだと思います。

○川名構成員 分かりました。

○岡部議長 ほかはよろしいでしょうか。信澤先生、あるいは板村先生、小田切先生、何か追加してコメントしていただけることがありましたらお願いします。

○田代構成員 株の選定ですが、今のところは実際にヒトで臨床試験をやって、今、伊藤先生から説明があったようなことで、安全性とある程度の抗体のレスポンス、交叉性が分かっているのは、国内においても現在ここに書かれている 4 つの株しかないわけですね。海外においても、先ほど小田切さんから紹介がありました、幾つかの最近の株を基にしたワクチン候補株についても、臨床試験はほとんど行われていません。ですから、そういう成績はない。この 4 つの株を、 10 年ぐらい前に流行したウイルスに基づいたワクチン株を接種した場合に、最近、流行しているウイルス株、これは抗原性がかなり変わってはいるわけですが、それに対しても依然として交叉性の免疫が誘導されるのかどうかということを、きちっと確認しておく必要があると思います。

 古くなって効かないワクチンになってしまったということが起こった場合には、新たなワクチンを開発し直して、それを備蓄せざるを得ないという状況になる可能性もあるわけですから、今の 4 種類のワクチンを接種したボランティアのヒトの血清について、現在、流行しているウイルスに対してどれだけ交叉性の免疫が誘導されているかどうか。これは信澤先生のほうで多分、今年中に結果が出ると思いますが、それが今後のワクチン株、プレパンデミックワクチンの備蓄戦略に対して非常に大きな成績になると思います。

○岡部議長 それはここの所にも一部書いてあると思うのですが、血清はもうずっとストックしてあるわけなので、もし新しいものが出てくれば、それに対して状況に応じて当ててみるということも必要になってくるということです。

 意見は大体この辺で出尽くしたというところでよろしいでしょうか。現実を考えると、プレパンデミックワクチンを 3 週間隔で 2 回やって、半年後にやるということは、もう第 1 波は収まっている、収まって過ぎ去ってしまっているので、余り現実的ではないと思うのです。ただ、第 2 波に間に合う可能性があるということと、実際には交叉免疫をチェックしておくことが、仮に 6 か月の製造期間が今度は 5 か月か 4 か月になってくる可能性もあるし、そこは科学的にきちっと押さえておく必要があるというところが、今回の意味ではないかと思います。すぐに短期間にやっては間に合わないわけですから。

 そういうことで、今回、議論いただいたのは、今後の戦略として、交叉免疫性について、 1 つは試験管内での検査として、抗体変化率、抗体保有率といったものについて、これはやっていただくと。さらに、今、田代先生から出たような意見も含めて、交叉免疫性は引き続き確認していく必要があるということが、備蓄戦略としての今後、必要なことになると思うのです。事務局の提案が今申し上げたようなことだと思うのですが、それでよろしいでしょうか。これは委員会としては了承するということで、具体的などういう試験法があったりするかという細かいところは、臨床試験に関しては伊藤先生のほうで、 vitro の試験に関しては感染研のほうでやっていただくことになると思います。

3 番目として残してあるのは、既存の備蓄及びこれから作る分の備蓄分ですが、今のところ 1,000 万人分が 3 年で廃棄と、これは規定になっているわけです。これについて、どのような検討があるかということですが、事務局のほうから 3 番について、もう 1 回お願いします。

○井上課長 資料 1 2 ページ、 3 です。現状では薬事法上の有効期間 3 年という形で、プレパンデミックワクチンの承認をされております。 3 年たてば廃棄ということにしております。既存備蓄分、それから特に新規備蓄分については、より長く備蓄を継続することが可能かどうか検討を行ってまいりたいということです。具体的には、これは製造業者とも相談をしながらになりますが、有効期限の延長ができないかどうか、経時的な力価試験の測定により、あるいは 3 年たって抗原量が一定基準よりも少なくなったものは抗原量を増して使用することができないか、今後、製造が始まることが期待される細胞培養法においては、その有効期限はどうなるか。こうしたことを、関係者と相談しながら検討を行ってまいりたいと考えております。

○岡部議長 これは長持ちしたほうがいいに決まっているのですが、長持ちは確認しないといけないわけなので、そういうことも含めて備蓄の継続期間については更に検討を続けて、できるだけ長持ちをして、有効に使えるようにと。有効には使う機会がないほうがいいので、そうではないほうがいいのですが、できるだけきちんと取っておくことができるという方向に持ってきていただければと思うのですが、これについては何か異論がありますか。よろしいですか。

 これについては、検討を行っていただきたいと。ただ、これには実際には製造されているメーカーの方の協力も頂かなくてはいけないので、その辺について是非よろしくお願いいたします。

○田代構成員 これはこの会議でディスカッションするべきことかどうか分かりませんが、今の 2 の、来年度、平成 27 年度以降の備蓄戦略について検討するために研究を行う、これは今、皆さんが同意されたことだと思います。そうすると、平成 27 年度どうするかということは、いつ決めるのでしょうか。

○岡部議長 事務局のほうからお返事をお願いします。

○井上課長 治験の集積ができ、その結果につき議論する状況が整って以降というように理解しております。

○田代構成員 これはいつまで、例えば今年中に間に合わなくて、来年度まで持越しになるという可能性もあると思うのですが、そういう場合はどのように対処されますか。

○井上課長 平成 27 年度以降の備蓄戦略について、今、田代構成員がおっしゃったように、平成 27 年度の備蓄株を選定するタイミング、それは来年の今頃になると思うのですが、それまでに十分な治験が整う場合、整わない場合があると思います。いずれにしても、平成 27 年度の備蓄の量なり株をどうするかということを判断しなくてはいけない来年度の今頃のタイミングで、既に得られている治験を基に議論していただくことになると思います。

○岡部議長 このところ平成 20 年度からでしたか、毎年、毎年、製造は議論を続けながらやっているわけですが、果たしてこれをずっとやっていくのか、あるいは新しいものが出てきたときにどうやって切り替えるかということも必要なのです。ただ、治験の得られたタイミングと予算の獲得のタイミングがうまく噛み合わないときもあるので、今現在は、今年度はこのようにやりますよということなのです。その辺、長期的にきちんと考える場を、この委員会かどうか現実に分かりませんが、専門家会議としては今後の備蓄ということについても詰めて考えていく必要があるのではないかと思います。田代先生はそういう趣旨だと思うのですが。

○田代構成員 一番大事なことは、備蓄方針を変更する、若しくは量を変更することによって、どこかで隙間が生じることが一番危ないと思います。いずれ細胞培養ワクチンに切り替えていくことになると思いますが、それが実際にいつでもすぐに作れるような状況の準備はまだできていません。ですから、それが十分にできない限り、片一方で現行のワクチンの備蓄を一方的に減らすというのは非常に危ないと思います。

○岡部議長 いろいろな意見もあると思うので、そこも含めて、今後の備蓄戦略という中には今の治験のことだけではなくて、どのようにやっていくか、これについて継続して議論を進めていただきたいと思います。一応、今日の議題はこれでまとめることができたのではないかと思うのですが、そのほかで今日のワクチンに関して、何か御意見はありますか。

○伊藤構成員 先ほど海外の備蓄の状況をお尋ねしたのですが、余り詳細なデータは出てこなかったのですが、非常に重要なことなので国会でも質問されて、ある程度回答が出ているので、是非、構成員にもそれを配ってほしいと思います。

○岡部議長 私の聞いているところでは、国家機密というのは、日本の機密ではなくて、諸外国の機密情報のため出てこないので、それがあるならば少なくとも国会の質問で回答されたものなどについては、後で結構ですから、それは我々のほうに連絡をください。伊藤構成員だけではなくて、皆さんに委員会の情報としてお伝えいただきたいと思います。

○伊藤構成員 備蓄の問題に関係するのですが、海外製のワクチンは抗体価を相当比較された時期があったと思うのですが、要するに海外製のほうが非常に高いという話があって、その辺については事務局としては国内産についてどう考えていらっしゃるのか少しお聞きしたいと思います。

○岡部議長 プレパンワクチンについてですね。

○伊藤構成員 そうです。

○岡部議長 何かデータがありますか。あるいは田代先生、知っていますか。

○田代構成員 海外の H5N1 のワクチンについては、新しいアジュバントですね。日本ではアルミアジュバントという、古い実績のあるアジュバントを使っていますが、それと異なる新しいアジュバントを使ったワクチンが既に承認されています。それは臨床試験の結果では、日本のワクチンに比べて免疫の誘導が高いと、それは事実です。ただし、 5 年前の H1N1 のパンデミックのときに、そのアジュバントを使った海外のあるワクチンが非常に重篤な副作用を起こしたと。白黒は完全に付いていませんが、そういうことがありますので、免疫を高めることだけを見て、安全性をないがしろにするというのは非常に危険だと思っています。

 それから、今の伊藤先生のお話に関連しますが、実際にパンデミックが起こったときは、世界中の国がワクチンを必要としているわけですが、そのときに海外に供給を依存したという状況ですと、幾ら事前に契約をしておいても来なくなる可能性があります。ですから、これは国の安全保障という意味で、たとえ海外のワクチンと同じものを国内で使うにした場合にも、国内で製造する。国民全員分のワクチンを国内で製造できるようにしておくことは、絶対に必要だと思います。

○岡部議長  2009 年のときにも、真っ最中にワクチンをどうしようかという、似たような議論がいっぱい出てきたわけですが、新型インフルエンザ全体の行動計画にも、基本的には国内で生産して、万が一のときには海外のことも視点に置いてというような、ぼやっとしたような考え方ですが。そのために基本的にはプレパンワクチンも国産であり、パンデミックが起きたときに、製造法をいろいろやっていますが、現在の時点では住民接種に至るのも国産を使うことが一応、前提にはなっています。ただ、足りないとか、いろいろなことがあるので、それをリジッドに考えているのではなくて、その場合には海外のことも視点に入れてという 1 項が確か入っていたと思います。

○伊藤構成員 インフルエンザ対策検証会議の中で議論されて、私も覚えていますが、そのときに細胞培養しても、日本製のワクチンは製造に非常に時間がかかるということです。先ほどタームに関して 6 か月とおっしゃったのですが、そこはやはりちょっとかかりすぎている、そのお話だと。海外のものはもっと早い。その辺についても議論が必要ではないかと思います。

○岡部議長 時期についてはどうですか。しかし、最短でも 4 か月ぐらいまでではないかという話も出ていますね。余り縮めてしまうと。

○滝室長補佐 全国民分用意できるのが 6 か月ということで、日本では 3 か月ぐらいおいてから、最初の方々に供給できるという整理でおります。

○岡部議長 一遍に作れないということですね。

○滝室長補佐 そうです。順番にできていく。

○岡部技長 それは製造上のキャパシティから言っても無理。そこにおのずから行動計画のほうでも優先順位であるとか、接種のやり方が問題になってきている。ただ、優先順位を今の段階で全てクリアに作っておくのは無理だから、そんな議論も実際に起きそうな寸前にはやらなければいけないということになっていると思います。その他ということで、ほかに何かありましたらどうぞ。

 今日は少し早めの終了ではありますが、専門的なところも含めて、かなり御熱心に議論いただいたと思います。今年度の残した研究、それからあとの分の臨床治験、 in vitro の試験であったり、実際には製造に取りかかっていただくということが方針としてありますので、よろしくお願いします。では事務局にお返ししたいと思います。

○高城室長 御熱心に御議論いただきまして、誠にありがとうございました。本日、承諾を頂いた平成 26 年度のプレパンデミックワクチンはアンフィ株で製造・備蓄を進めてまいりたいと考えております。また、今後のプレパンデミックワクチン備蓄戦略については、検討を行うために必要な知見を集積してまいりたいと考えております。

 本日は長時間にわたり、ありがとうございました。これをもちまして第 18 回インフルエンザ専門家会議を閉会させていただきます。ありがとうございました。


(了)
<照会先>

健康局結核感染症課新型インフルエンザ対策推進室

電話: 03−5253−1111

ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 健康局が実施する検討会等 > 新型インフルエンザ専門家会議 > 第18回新型インフルエンザ専門家会議議事録(2014年7月23日)

ページの先頭へ戻る