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2014年5月20日 平成26年第2回遺伝毒性評価ワーキンググループ 議事録

労働基準局安全衛生部化学物質対策課化学物質評価室

○日時

平成26年5月20日(火)
13:30~


○場所

厚生労働省仮設第3会議室


○議事

○大淵環境改善室長補佐 定刻となりましたので、ただいまから第2回遺伝毒性評価ワーキンググループを開催いたします。本日はお忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございました。

 本日の出席者の先生方は、ワーキンググループのもともとの5名の先生と、それに加えまして、食薬センターの田中先生、国立衛研の西川先生、静岡県立大の若林先生が御出席です。西川先生は少し遅れているようですけれども、時間ですので会議を始めさせていただきたいと思います。これ以降の進行は座長の清水先生にお願いいたします。

○清水座長 今日はどうもお忙しいところ、また暑くなった中、お集まりいただきましてありがとうございます。議事に入る前に、まず事務局から議事次第と資料の確認をお願いいたします。

○大淵環境改善室長補佐 まず、議事次第を確認させていただきます。本日は大きな項目としまして3つを予定しています。(1)は、平成25年度にエームス試験を実施した物質に関する遺伝毒性の総合評価について。(2)は、平成26年度の既存情報による遺伝毒性評価についてということで、本日はどのように評価を進めるかという進め方について御議論を頂きます。(3)は、Bhas42細胞を用いる形質転換試験の試験基準についてです。前回第1回でいろいろ御議論いただきましたが、その後の修正について御報告させていただき、本日、できれば最終的な確定とさせていただきたいと思います。議題は以上です。

 関係する資料は、大きく分けて資料1、資料2、資料3、資料4、それから参考資料の5つのグループに分かれています。資料はそれぞれのグループごとにまとめておりまして、ページは通しページで右下に打ち出しています。大きな資料1のグループですが、資料1-11-3までありまして、資料1-11ページ、資料1-23ページ、資料1-35ページからとなっています。資料2は、資料2-175ページ、2-281ページからとなっています。資料の3A41枚で、85ページからです。資料4A41枚で、87ページです。参考資料は、参考資料189ページ、参考資料291ページ、参考資料393ページ、参考資料497ページからとなっています。以上です。

○清水座長 資料の足りない方はいらっしゃいますか、大丈夫ですか。それでは、これから議題(1)平成25年度にエームス試験を実施した物質に関する遺伝毒性の総合評価について、事務局から御説明をお願いいたします。

○大淵環境改善室長補佐 まず、全体的な確認ということで、参考資料を御覧いただければと思います。参考資料3-1、通しの93ページです。遺伝毒性評価ワーキンググループの検討事項(概要)の横の図です。今回の議題の確認ですが、1つ目の議題の関係が、この図の太い点線で囲っています「エームス試験実施(25年度)」で33物質です。こちらは第1回のワーキングでエームス試験のデータそれぞれについて御評価いただき、陽性4物質、陰性29物質となっていますが、本日は国が委託した試験結果に加え、それ以前に文献調査を既にしていましたので、その文献調査の結果との総合評価をしていただくことになっています。それから、今日の議題の3つ目は、その横の形質転換試験の試験基準の関係です。

 議題の2つ目に関連しては、次の参考資料3-2のフロー図ですが、平成25年度にいろいろな文献調査をしまして、それに基づいて作業をしていくという流れです。大もとの物質は化審法スクリーニングで一般化学物質の届出に基づいてスクリーニングをしたところ、ばく露クラスが、クラス5ないしはクラス外の物質というので、トータルで12,920物質の調査をしています。それをいろいろな観点でふるい分けをしていく中で、本日の作業は何らかの遺伝情報ありの物質について評価をしていただくということで、評価の進め方について御議論していただきます。

 次の参考資料4-197ページが、平成25年度のワーキンググループで御議論いただいた遺伝毒性の判断基準のフロー図です。遺伝毒性について、この図では、一番上はin vivoの変異原性試験があるかどうかで、そこであった場合について陽性であればというところから始まって、それ以外の情報も加えていろいろ整理をしていくという考え方で25年度の評価をしていただきましたので、26年度はこれに基づいてやっていくということで、本日もこれから33物質の総合評価をしていただきますけれども、その際には、基本的にはこちらに基づいてやっていただく形になります。次の99ページはこのフロー図に基づいて評価していくときの細部事項です。

 資料1-1、通しページの1ページに戻ります。平成25年度にエームス試験を実施した物質に関する遺伝毒性の総合評価についてです。これまでの経緯としてまず、(1)ワーキンググループでの評価及び試験の実施です。25年度のワーキンググループで、遺伝毒性については文献調査を基にいろいろ評価をしていただいたのですが、そこでエームス試験が実施されていないので判断保留、あるいはエームス試験は実施されているけれどもデータに不備があったりして遺伝毒性の有無の判断が難しいというように評価された物質については、国の委託試験を行い、33物質についてエームス試験を行っています。(2)エームス試験の結果の評価は、先月418日に開催しました26年度の第1回遺伝毒性評価ワーキンググループで評価を行っています。評価の概要ですが、試験方法はいずれも妥当で、33物質のうち29物質が陰性、4物質が陽性という判断でした。試験のラボ(試験機関)で計算した最大比活性値も妥当との判断を頂いています。

 大きな2として、本日第2回の作業ですが、前回のエームス試験の結果の評価と25年度に実施した文献調査の結果を踏まえ、33物質それぞれについて、遺伝毒性の総合評価をしていただきます。具体的には(丸数字1遺伝毒性なし、丸数字2弱い遺伝毒性あり、丸数字3強い遺伝毒性あり、丸数字4遺伝毒性はあるが強弱の判断不能、丸数字5遺伝毒性の有無の判断困難)、この丸数字1~丸数字5のいずれかに該当するかを御判断いただきたいと思います。先生方に御担当いただく物質は次の3ページから資料1-2がありますけれども、33物質について評価をしていただくのですが、前回エームス試験結果の評価をお一人当たり6ないし7物質をやっていただきましたが、それぞれの物質について今回、総合評価をやっていただくということで、5人の先生方にあらかじめ資料を御覧いただくようにお願いをしておりました。見ていただく際の材料として、エームス試験の結果は表の右から3つ目に陽性・陰性の判断と、陽性の場合については比活性値を記載しています。

 文献調査の関係ですが、次の5ページから資料1-3ですが、文献調査のことも含めた形で、1物質についてA41枚ないしは2枚の資料を付けています。資料1-3で、右肩に手書きですが丸数字1や丸数字2と書いてあるのが、5ページにあるリストの1番から33番の番号に該当します。例えば、7ページの1)の物質は、以前のとき作業用番号ということで35番と言っていた物質で、文献調査は過去にしてありまして、その結果として、この物質の場合にはエームス試験だけですけれども、されたものがあります。それと、3に前回のワーキングでの評価をしていただいたエームス試験の結果を記載していますので、それと併せて評価を頂きます。同じような形で次の9ページ以降も物質ごと、上に文献調査の結果、下に実際に25年度に実施した試験の結果を書いていますので、以降については順番に各先生方から審査結果を御説明いただければと思います。よろしくお願いします。

○清水座長 ただいまの御説明のとおり、各委員にあらかじめ審査をお願いしておりますので、御担当いただいた物質の総合評価について順番に、簡潔に御説明を頂きたいと思います。まず、物質番号1を荒木委員からお願いいたします。

○荒木委員 私は1番から7番までになります。最初に1番の2,2,2-トリフルオロエタノールです。これはガスばく露法で3菌株だけのデータということで、通常の試験がやられていないので、その分を追加のデータという形で前回、試験をお願いしています。結果はいずれも陰性です。遺伝毒性はなしという判断でよろしいのではないかと考えています。

○清水座長 何か御意見はありますか。よろしいでしょうか。それでは、次の2番をお願いします。

○荒木委員 次は作業番号の40になります。りん酸トリエチルです。ここに書かれているエームス試験とHPRTV79の試験、これはいずれも陰性ですが、SIDSのデータが基になっていまして、SIDSのデータを見たところ、UDS試験、マウスのサイトジェネティック・アッセイ、ドミナント・リーサルがありまして、これは全て陰性になっています。ただ、発がんデータもないという状況ですが、評価としてはこれも陰性、遺伝毒性なしでよろしいのではないかと思います。

○清水座長 これも特に問題なしということで、丸数字1遺伝毒性なしでよろしいでしょうか。はい、これも丸数字1ということで。次をお願いいたします。

○荒木委員 次は47番イソブチルアルデヒドになります。これはスタンダード菌株のデータが100だけでほかがなかったので、一応、追加の試験となっています。これは文献を見ると、食品安全委員会とあります。データを見るとほかにもエームス試験のデータがかなり入っていました。いずれも陰性です。ここに染色体異常試験の疑陽性というのが1つありますけれども、in vivoの染色体異常試験の陽性と小核試験の2つをやられていまして、これで再現性は見られないという評価が食品安全委員会のレポートにも出ています。バクテリアの系では一応これは陰性。染色体異常のin vitroの系では陽性の判断になっているかと思います。ただ、これはNTPのデータを見ると、マウスリンフォーマのミューテーション・フリークエンシーが、判断基準でいくと4倍を超えている場合は確か強い陽性になるということなので、結果としては強い陽性にしてもいいかと思います。ただ、これは食品安全委員会のレポートによるとNTPで試験がされていまして、発がん性試験ともにノーエビデンスになっています。発がん性ということでは多分、吸入実験で鼻腔の過形成以外、前がん病変の可能性があると書かれているのですが、がんまでは移行していないということなので、これは評価としては、最終的な指導はいらないのではないかと考えています。

○清水座長 そうすると最終判断は。

○荒木委員 強い遺伝毒性ありという形の判断です。

○清水座長 3番は昨年度のボゾのエームス試験がフルセットで行われたのですが、これは陰性だったと。しかし、in vitroの試験で陽性で、強い遺伝毒性ありではないかということですが、何か御意見はありますか、いかがでしょうか。

○本間委員 エームス試験以外の結果の扱いですけれども、例えばこういった場合にはほかのデータがありますけれども、先ほど最初にあった例ではエームス試験しかないですよね。こうした場合には遺伝毒性なしとして、マウスリンフォーマのデータがかなり古いけれどもあって、それが陽性だからそれを更に強い陽性とするというのは、全体としては非常にアンバランスな気がするのですが。エームス試験以外の扱いはどういう形にすることにしたのでしたか。

○荒木委員 前回はどうでしたか。in vivoの試験系で陽性の場合は強い陽性という形にしたのでしたか。

○大淵環境改善室長補佐 参考資料の4-1で、先ほども簡単に触れました97ページの資料で、いろいろな試験があるのでそれをどう組み合わせて判断するか。一応、in vivoの変異原性の試験があればそれを最重要でまずは見て、それが陽性であれば強い陽性のグループに入れると。vivoがない場合にはvitroで見ていくということで、エームス試験なり染色体、あるいはマウスリンフォーマ、この辺で強い結果が出ていればそういう評価ですが、そうでないときには、何らかのものが陽性であれば、一応陽性とは評価しますけれども、強いとまでは言わないというような整理にさせていただいていて、物質によって、今、本間先生がおっしゃったように、エームス試験だけしかないようなものや、いろいろなデータがあるものとあるので、確かに判断のバランスに欠けると言えば欠けてしまうところがありますけれども、今回のワーキングの中では今現在文献で得られている情報プラス国として必要があればやるのは、エームス試験のところまでと割り切って作業の判断をしていただいているところです。

○清水座長 参考資料4-2にもいろいろ書かれていますが。

○大淵環境改善室長補佐 全部の物質について同じようにデータがたくさんあればそれが一番いいですけれども、ちょっとない中では、バランス的にはどうかと言われると、確かにおっしゃるとおりです。なかなか全部こちらで足りないデータをそろえてというわけにもいかないものですから、今のような形でやらせていただいています。

○清水座長 なかなか強さまで出てないので、最終的にはエキスパートジャッジということになっていますが、ここでもMLAは陽性、in vivo染色体異常試験は陽性とありますけれども、エームス試験は明らかに陰性であると。いかがしましょうか。

○田中委員 これはvivoの染色体異常試験は陽性になっているのですよね。それで、小核試験をやってネガティブだから、最終的にはこれはネガとしようということですか。

○荒木委員 最終的にはネガティブという判断をしていると。食品安全委員会の結果としてはそういう結論が出たということです。

○田中委員 1回目はどうして。

○荒木委員 1用量しかないのと、毒性が非常に強いところで出ているということで、そういう評価をしています。

○清水座長 そうすると、最終的には遺伝毒性はあるが、むしろ強弱が分からないと。その辺はどうでしょうか。前回の判断がどうだったのか、あまりはっきり覚えてないのですが、エームス試験は明らかにネガティブで、in vivoは陽性であると。強い遺伝毒性ありという判断の根拠は何でしたか。

○荒木委員 マウスリンフォーマアッセイのミューテーション・フリークエンシーが4倍という、それがカテゴリーになっています。

○太田委員 これは確かに、参考資料4-1のスキームに従って機械的にやると、強いになるのですが、このパターンは全部の試験があるとは限らないので、例えばin vivoの小核試験がなくて、マウスリンフォーマが強かったからと、そういう場合に取りあえず強い遺伝毒性というのもいいかと思うのですが、今回は小核試験があって陰性ですよね。そういう場合にはもっとデータがあるわけなので、評価ができるということで、強い遺伝毒性ではなくても遺伝毒性なしというような評価をしていいのではないでしょうか。足りない場合にはこのスキームでやるのは仕方ないと思います。少なくてもこれだけデータがあって、強い遺伝毒性ありというのは、すごい違和感があるのですね。

○荒木委員 一応、in vivoが出ていないという判断をすれば、弱い変異原性という判断にしていいのかなという気もしています。

○田中委員 でも、vitroのミューテーションが出ているけれども、vivoでミューテーションの系はまだやっていないから。

○荒木委員 vivoのミューテーションの系はないですね。

○田中委員 だから、本当のところは分からないような気もするのです。

○荒木委員 ただ、もともとこれはアルデヒド類なので、多分ミューテーションの形の検出よりは染色体異常のほうが強く出るとは思います。だから、エームス試験も完全なネガティブではなくて、実はG40ですか、ほかのデータもあるのですが、古いデータですけれども、そういうのを見ると、リペアがある系ですけれども、そちらのほうが感度がいいと思います。それは陽性の報告もあります。調べきれていないのですね、こちらの最初の文献調査で。発がん性試験の結果自体は一応、ノーエビデンスになっているので、強いというのは確かに違和感はあるかもしれません。

○清水座長 一応これは遺伝毒性はあるということに対しては問題ないと。ただ、強いか弱いということですけれども、MLA4倍ということではありますけれども、ほかのいろいろな、総合的に見て、弱い遺伝毒性ありでよろしいですか。それでは、丸数字2と判断したいと思います。次をお願いします。

○荒木委員 次が55番ですが、2,2-ジメチル-3-メチレンビシクロ[2.2.1]ヘプタンです。これも、ここに一部「エームス試験(3)陽性」と書いてありますが、元のデータがUSEPAHPVのチャレンジの評価で、一応原文を見たのですが、この文献が見当たらなかったのです。試験の報告は1つしかないので、多分この上に書いてあるUSEPAHPV2番がそれに該当していて、3番は見つからなかったので、これは評価としては陽性ではなくて陰性のデータだけなのだと判断しています。今回やった実験についても陰性の結果なので、遺伝毒性なしの結果でいいのではないかと思われます。

○清水座長 何か御意見はありますか。特になければ、遺伝毒性なし、丸数字1としたいと思います。次をお願いします。

○荒木委員 69番は2,4-ジヒドロキシアセトフェノン。これは今回のエームス試験の結果共々陰性ということですので、遺伝毒性なしという判断でよろしいかと思います。

○清水座長 これに関しては、平成25年度のエームス試験では、102 オーダーの陽性という。

○荒木委員 ごめんなさい、そうですね。1.76×102 オーダーですので、これは一応陽性でした。私は間違えていました。陽性の結果ということです。ただ、3乗はないので、弱いと判断できます。

○清水座長 弱いということで、丸数字2ということですね。

○荒木委員 はい。

○清水座長 いかがですか。それでは、これは丸数字2ということで、次をお願いします。

○荒木委員 次が198番です。n-オクタンです。今回、実験した結果は、一応陰性です。あと、上に書いてあるデータですが、出所がOECDSIDSレポートですが、これはカテゴリーの評価がされています。C79までのグループという形で、試験もその形でやられていまして、直鎖のものですが、オクタンに関しては陰性という判断ですから、遺伝毒性なしでよろしいのではないかと思います。

○清水座長 遺伝毒性なしということですが、御意見はありますか。特になければ、丸数字1遺伝毒性なしにしたいと思います。次をお願いします。

○荒木委員 次は207番です。ヘキサデシルトリメチルアンモニウム=クロリドです。染色体異常試験のV79のデータですが、陰性と。今回のエームス試験の結果も陰性です。遺伝毒性なしで判断はいいのではないかと思います。

○清水座長 遺伝毒性なし、丸数字1ということですが、御意見はありますか。よろしいですか。なければ、次に参ります。8番からは、太田委員、お願いします。

○太田委員 814番、エームス試験を今回やった結果は、全て陰性です。ということで、文献調査で他にどのようなデータがあるかということで見ていけばよろしいかと思いまして、8番は小核試験陰性ということで、遺伝毒性なし。9番も染色体異常試験とHPRT試験が行われていますが、陰性ということで、全て陰性で遺伝毒性なし。10番に行きます。これはマウスリンフォーマは陽性になっていますが、データの詳細が分かりません。モリタさんがやっている染色体異常試験は論文が出ていて、陰性となっておりますので、これと総合評価で遺伝毒性なしでいいのではないかと思っています。

○清水座長 8番は遺伝毒性なし、丸数字1でいいということで、これは御意見はありませんね。次の9番、これも同じように遺伝毒性なし、丸数字1であるということで、これも御意見はありませんね。10番はMLAで陽性が出ているけれども、昨年度のエームス試験ではネガティブであるということで。

○太田委員 染色体異常試験が陰性という論文が出ていますので、総合評価で陰性で、遺伝毒性なしでいいのではないかと思っていますが。

○清水座長 総合評価として丸数字1の遺伝毒性なしということで、御意見はありますか。よろしいでしょうか。その次をお願いします。

○太田委員 11番も、これは試験名は分かりませんが、陽性のデータはありませんので、陰性で、遺伝毒性なしでいいかと思います。

○清水座長 これは遺伝毒性なしということですが、丸数字1でよろしいですか。次をお願いします。

○太田委員 12番もSCEUDS、いずれも陰性で、遺伝毒性なしと。

○清水座長 12番も遺伝毒性なしということですが、特に御意見はありますか。よろしいですか。それでは、これも丸数字1の遺伝毒性なしとします。次の13番。

○太田委員 これはエームス試験の菌株が足りないということでやり直しをしていますが、陰性ということで、エームス試験のデータだけですが、遺伝毒性なしです。

○清水座長 これも特に問題なしということで、エームスしかありませんが、遺伝毒性なし、丸数字1ということで、御意見はありますか。なければ、丸数字1とします。

○太田委員 14番もエームス試験の詳細は分からなかったので、やり直しをして陰性ということで、遺伝毒性なしということで、丸数字1の結果です。

○清水座長 これもエームスしかなかったのですが、平性25年度では陰性ということで、これも遺伝毒性なし、丸数字1ということで、御意見はありますか。よろしいですか。それでは、これは丸数字1にします。

 次の15番から私の分担ですが、司会者がそのままやっていいのですか。

○大淵環境改善室長補佐 はい。

○清水座長 15番は、トリフェニルホスフィンオキサイドということで、文献調査ではエームス試験しかありませんが、昨年度のエームス試験では古い菌株を使ってやったボゾの試験では陰性であったということで、今までの例から丸数字1の陰性であると判断したいと思いますが、いかがですか。よろしいですか。それでは、これは丸数字1とします。

 次に16番です。デカン酸ナトリウムも文献調査ではエームス試験。ただ、菌株が十分そろっているかどうか分からない。昨年度の試験で陰性ですので、これも一応エームスはネガティブということで、丸数字1の変異原性なし、遺伝毒性なしにしたいと思いますが、いかがですか。よろしいですか。

 次は17番、2-[[(2-エチルヘキシル)オキシ]メチル]-オキシランという物質ですが、これは文献調査ではエームス試験で陽性が報告されていて、これは102 オーダーのもので、大腸菌が菌株としては成されていないということですが、昨年度のエームスではネガティブだったということで、この辺が一応102 オーダーということから、弱い陽性と出ていますが、この辺が悩ましいところでして、いかがしようかということですが、一応、私としては弱い遺伝毒性があるのではないかと。ただ、ほかの染色体異常試験等では陰性なものですから判断が難しいのですが、その辺はいかがでしょうか。何か御意見はありますか。

 この陽性の報告はNTPのデータなのです、ほとんど見ていないのですが。条件は、プレート法かプレインキュベーション法かが分かってはいないのですが、一応、報告では1つの報告で102 オーダーだということから、弱い陽性ではないかと私は判断しますが、何か御意見はありますか。では陰性。

○太田委員 84年の古いデータですね。今回やったのが一番信頼できるデータだと私は思うのです。

○清水座長 適応していないですね。

○太田委員 はい。それで、3番の今回やった試験がきれいに陰性だったので、エームス試験ではということで。

○清水座長 ネガティブでいいという御意見ですが、いかがですか。では、これはネガティブ、丸数字1にしたいと思います。次の19番、作業用番号では416番の物質です。2-プロペンスルホン酸ナトリウムはエームス試験、文献調査では1番、1報告のみと。昨年度の試験では陰性ですが、両方ともネガティブということで、これは遺伝毒性なしと判定したいと思いますが、いかがですか。特に御異存はないですか。それでは、一応、これはネガティブということです。

 次は19番の2-[[3-(トリメトキシシリル)プロポキシ]メチル]オキシランです。これはエームス試験で文献調査では陽性が3つ。1つはダブっている報告があるようです。in vivoの小核試験で陽性の報告がある。陰性も報告がある。MLAで陽性の報告があるということ。昨年度のエームス試験で5.74×102 ということから、これは弱い遺伝毒性ありと判定したいと思いますが、いかがですか。特に御異存はないですか。それでは、これは丸数字2の弱い遺伝毒性ありと判定します。

 次は20番の塩化チオホスホリルという物質です。これは文献調査では、in vivoの染色体異常試験いずれも陰性、昨年度の試験でもエームスは陰性ですので、これも遺伝毒性なし、丸数字1としたいと思いますが、いかがですか。よろしいですね。

 次は21番アクリル酸=2-ボルニルです。MLAで陽性ということで、しかし、昨年度のエームス試験ではネガティブです。これも先ほどと同じケースになるわけですが、いろいろな条件が余りはっきりしていないということと、NIHTOXNETによる報告であるということですが、これも先ほどの例から言いますと、MLAは陽性ではあるけれども、その強さが分からないということです。先ほどの例から言えば、弱い遺伝毒性ありといったことになるのではないかと思うのですが、これはもう少し皆さんの御意見をお伺いしたいと思います。MLAが何倍になっているかは分かりません。この辺は何か御意見はありますか。

○本間委員 全て不明という形のデータは、存在しないと考えてもよろしいのではないかと思いますがね、これは評価のしようが何もないですから。

○清水座長 という意見もあります。

○若林委員 何か証拠となる書類みたいなものはあるのですか。全部不明。リライアビリティの問題ですね。

○清水座長 そうですね。

○太田委員 NIHの文献ですね。

○清水座長 TOXNETで調べたものしかないのですね。

○太田委員 化合物名だけが書いてある状況なのでしょうね。

○田中委員 あとはネガポジのプラスマイナスだけがあるのですね。そういうのは使えないですよね。

○清水座長 では、エームスだけで判断するということで、一応、これは丸数字1の遺伝毒性なしと判定してよろしいですか。では、そういうことにします。次の22番、これは本間委員からですね。

○本間委員 2227番まで私の担当です。22番、塩素酸ナトリウム。これは見て分かるように、様々な報告があります。その中でもエームス試験に関しては陰性・陽性の報告が半々ずつありますが、昨年の事業で陽性が出ていますので、エームス試験に関しては陽性で問題ないと思います。ただし、比活性としては8.95と弱い陽性です。他の染色体異常試験、小核試験等に関しては、ほとんど陰性の結果が出ていますので、これは最終的には弱い陰性ということで、2番が妥当かと思います。

○清水座長 丸数字1ですね。

○本間委員 丸数字2です。エームスが出ていますので、弱い陽性です。

○清水座長 弱い陽性という判断ですが、いかがですか。特に御意見がなければ、これは丸数字2にしたいと思います。

○本間委員 23番、フッ化カリウムです。こちらは昨年の事業ではエームス試験は陰性ですが、報告としては、マウスリンフォーマで陽性の結果が出ています。(1)のマウスリンフォーマの試験に関しては、文献がありましたので、見たところ約2倍程度の陽性で、しかも強い毒性のみで陽性と考えますので、私としてはエームス試験の結果と考えて、このマウスリンフォーマの陽性は、高い細胞毒性に伴う非特異的な影響と考えて、マウスリンフォーマ全体の評価としては陰性と考えます。したがって、こちらも遺伝毒性なし、陰性の判断でよろしいかと思います。

○清水座長 丸数字1の遺伝毒性なしということですが、いかがですか。よろしいですか。

○若林委員 NLP(2)NTPも同じような。

○本間委員 こちらは分かりません。先ほどと同じように結果しかないです。

○清水座長 では、これは丸数字1の遺伝毒性なしと判定します。

○本間委員 24番、三塩化シラン、こちらはエームス試験陰性の報告がありますが、データが不十分だということで、昨年エームス試験を行い、陰性の結果が出ていますので、こちらも丸数字1でよろしいかと思います。

○清水座長 こちらも遺伝毒性なし、丸数字1ということですが、御意見は特にありませんか。それでは、丸数字1とします。

○本間委員 25番、四塩化ケイ素は、こちらのも報告では全てエームス試験、マウスリンフォーマ、陰性の結果が出て、昨年の試験結果においても陰性の結果が出ていますので、遺伝毒性なしの丸数字1の判断でよろしいかと思います。

○清水座長 丸数字1遺伝毒性なしという判定ですが、いかがですか。よろしいですか。それでは、26番をお願いします。

○本間委員 26番、硫酸アルミニウム、こちらはエームス試験で陰性、染色体異常試験で陽性の結果が出ています。昨年のエームス試験の事業では、陰性の結果が出ています。染色体異常の結果については不明ですので、中身を見ることができません。したがって、こちらに関しても遺伝毒性なしの陰性の判断でよろしいかと思います。

○清水座長 これも遺伝毒性なしという判断ですが、いかがですか。よろしいですか。

○太田委員 不明だから仕方がないです。

○田中委員 論文を調べれば詳しいことが分かるかもしれませんね。

○清水座長 どういう文献ですか。

○田中委員 Cytobiosです。

○本間委員 特にこの文献は詳しく見てないです。化合物が硫酸アルミニウムということで、特に構造を考えて遺伝毒性があるように思えませんので、文献を当たらなかったのは私のミスですが、遺伝毒性に関しては大きな問題はないのではないかと思います。

○清水座長 化学構造から想定されるところでは、遺伝毒性はないのではないかということですが、それでよろしいですか。

○若林委員 議長預りでいいのかと思います。構造から考えてひょっとするとということもないと思いますが。

○清水座長 いつ頃のですか。何年とは書いてないですね。66か。

○太田委員 聞いたことのないジャーナルですし、vivoで結構いい加減なのがありますからね。

○大淵環境改善室長補佐 これも文献自体は委託事業で収集はしていますので、念のため本間先生にそちらを御確認いただく形でもよろしいですか。

○清水座長 では、本間先生に一応中を見ていただいて、最終判断を頂くと。座長預りということでよろしいでしょうか。それでは、次の27番。

○本間委員 27番は、これまでの報告ではエームス試験、染色体異常試験、SCE、マウスリンフォーマで陰性の報告ですが、中身がよく分からない、不明という内容です。昨年の事業では、エームス試験で陰性の結果が出ていますので、全て陰性の結果と考えて、遺伝毒性なしと判断してよろしいかと思います。

○清水座長 遺伝毒性なし、丸数字1ということで、御意見はありますか。よろしいですか。なければ、次に参りたいと思います。28番からは、山田委員、お願いします。

○山田委員 あと6物質は私の担当です。最初の28番は炭酸銅です。昨年の試験結果は陰性で、文献調査でもエームスが陰性で、vivoの小核が陰性という結果になっていますので、これは陰性ということでいいと思います。

○清水座長 丸数字1に該当で、遺伝毒性なしという判断ですが、よろしいですか。御意見がなければ、次の29番をお願いします。

○山田委員 29番は、2-メルカプトピリジンN-オキシド亜鉛で、昨年の試験結果は陰性で、得られている文献検索の結果も、エームス試験は4件あるのですが、いずれも陰性でvitroの染色体異常も陰性、vivoの小核も陰性という結果になっています。内容が不明なデータも多いのですが、陽性の結果はありませんし、昨年陰性でしたので、これも遺伝毒性なし、丸数字1でいいと思います。

○清水座長 これも遺伝毒性なし、丸数字1ということですが、いかがですか。よろしいですか。では、その次をお願いします。

○山田委員 次は30番で、少し長い名前のものですが(注:読み上げ省略)、これも昨年の試験結果は陰性で、得られている文献検索の結果でも、エームス試験も染色体異常、vivoの染色体異常と優性致死試験まであるのですが、いずれも陰性の報告ですので、遺伝毒性はないということでいいと思います。

○清水座長 これも遺伝毒性なし、丸数字1に該当ということですが、よろしいですか。御意見はないようですので、次をお願いします。

○山田委員 次は硫化水素ナトリウムです。昨年の試験結果は陽性で、比活性値は176個で強いものではありません。1つ、これも文献がECHAレポートですが、データはなくて文章だけで、TA100プラスS9のみの余り強くない陽性結果だという報告がありますので、これは弱い遺伝毒性という判定でいいと思います。

○清水座長 弱い遺伝毒性、丸数字2ということですが、いかがですか。よろしいですか。

○若林委員 データとしては全く問題ないと思います。硫化水素はどういうメカニズムで遺伝毒性を示すのですか。

○山田委員 それは。。。

○若林委員 分からないですか。

○山田委員 そのレポートには特に何も書いていなかったのです。陽性だとだけ。しかもS9があるときに。

○若林委員 S9があって。

○山田委員 あって、TA100でのみで、ほかの株では陽性にはなっていないです。

○若林委員 これ以上は結構です。

○清水座長 このようなものも出るのですね。それでは、これは弱い遺伝毒性ありという判断にします。次をお願いします。

○山田委員 次は32番トリプロピレングリコールモノメチルエーテルで、昨年の試験結果は陰性です。エームスが2件あります。これはどちらも陰性という結果で、OECDSIDSのレポートに書いてあったので、実際のデータを詳しく見たわけではないのですが、陰性、遺伝毒性なしということでよろしいかと思います。

○清水座長 これも丸数字1の遺伝毒性なしという判断ですが、よろしいでしょうか。その次をお願いいたします。

○山田委員 最後の33番は1-ヘキサデカノールという物質で、昨年の試験結果は陰性で、文献は一応、陰性と書いてあったのですが、中身は全く分からないものでしたので、判断はできませんが、陰性ということで、遺伝毒性なしでいいと思います。

○清水座長 これも遺伝毒性なし、丸数字1ということですが、特に御意見ありませんか。これは遺伝毒性なし、丸数字1といたします。以上で33物質に関して判定を頂いたわけですが、もう一度繰り返しますか。見直しますか。

○大淵環境改善室長補佐 一応メモは取らせていただいたので、まとめとしては26番の本間先生の硫酸アルミニウムだけ、また後ほど文献を見ていただくということでペンディングで、ほかは遺伝毒性なし、あるいは弱い陽性ということで整理していただいたかと理解しております。

○清水座長 そうですね。26番だけ、もう一度、原著に当たっていただいて、あと私のほうで判断ですね。

○大淵環境改善室長補佐 弱い陽性だったものだけ申し上げますと、3番、5番、19番、22番、31番でしょうか。弱い陽性が5つですね。それ以外はなしで、1物質だけがペンディングということです。

○清水座長 全体的に何か御質問はありますか。

○田中委員 荒木先生の報告で、2番目の検体に関しては、エームスとHPRTのデータがあってネガティブなのですが、ほかにもUDSとかドミナント・リーサルをやったとおっしゃったような気がするのですが、それはここには出てこないですか。

○荒木委員 それはSIDSのデータ。ここには出ていないです。SIDSのデータを引くと、SIDSのデータの中にはあるのです。

○清水座長 一応これで報告は終わりたいと思います。

 議題2に移りますが、「平成26年度の既存情報による遺伝毒性評価について」ということで、事務局から御説明をお願いいたします。

○大淵環境改善室長補佐 資料2-1、資料2-2を使って説明いたします。資料2-1は、前回、第1回でも説明させていただいた資料で、平成25年度の文献調査結果を踏まえたワーキングでの整理をどのようにやったかという資料です。昨年度こういう形でやらせていただきましたので、そのやり方を踏まえた形で、平成26年度どう進めていくかというところが資料2-281ページの資料です。本日は資料2-281ページからの資料で説明いたします。

 あらかじめ申し上げておかないといけないのが、これからのワーキングの作業については、平成25年度に委託調査をしたデータ等を使って作業をするのですが、平成25年度の委託事業の報告書が3月末で一旦、報告はもらっていたのですが、その後、データにミス等が見つかりまして、今日の会議では物質の件数等についてまだ明確に説明できないところが若干残っておりますが、御容赦いただければと思います。

 資料2を説明します。1の「事前準備」で、事務局においての作業ですが、平成25年度の労働基準局の委託事業で化学物質に係る情報基盤整備事業を行って、ここで計12,920物質について、発がん性の分類、これはIARCとかACGIHというところの発がん性分類、それから遺伝毒性情報の調査及び整理を行っております。(1)として調査対象物質は、どういった物質を調査したかというと、平成22年度の化審法での一般化学物質の届出という制度がありまして、そこで製造・輸入量が届け出られて、そこからスクリーニング評価ということで、ヒトのばく露がどのぐらいあるかという推計を行って、そこでクラス分けがなされております。その中で、ばく露が一番高いのはクラス1のグループなのですが、順にクラス1、クラス2というようになっております。その中で、ばく露の低い側のクラス5、それからクラス外と評価された物質。化審法の整理番号などの単位でいくと5,892物質ですが、これを1つの物質でも包括名称、グループ名称みたいになっているものもありましたので、もう少し区分けしていって、こちらの委託事業ではトータル12,920物質について調査をしております。このうち、国際機関等による発がん性分類については情報がなくて、かつ遺伝毒性に関して何らかの情報がある、そういった物質、計628物質について遺伝毒性の整理を行っております。

 補足ですが、発がん性分類がもう既にある物質については、こちらの遺伝毒性のワーキングには掛けずに、発がん性評価のワーキンググループにおいて検討していただく予定としております。

(2)の調査範囲、調査方法ですが、文献調査委託事業においては、いろいろな遺伝毒性試験がありますが、陰性とか陽性といった概要を、化審法のスクリーニング評価で、こういう文献が信頼できるものということで、信頼性基準がありますので、それにのっとって、主として20文献を中心に調査をしました。ただ、このワーキングでは定量評価をかなり重視していますので、エームス試験とか染色体異常試験については陰性・陽性の情報だけではなくて、比活性値、あるいはD20値などの定量的な評価についても、必要なものは一次文献まで遡って確認をしております。

2としてエームス試験情報の有無の確認ということで、これは昨年度のワーキンググループの中で、文献調査の結果を踏まえて、まずエームス試験があるかないかを事務局で整理して、その後で委員に見ていただきましょうということになりましたので、それの整理です。ここではまだ具体的な数字ではなくて、●なり○を書いてありますが、エームス試験情報の有無を事務局で確認して、まだ1回しか見ておりませんので、もう1回確認が必要ですが、628のうち約450物質がエームス試験がありで、残りがエームス試験がないような物質ということで、情報がないのが約180ぐらいという状況です。

 エームス試験情報がありの物質、約450ぐらいについて今後の作業なのですが、昨年の場合、これを丸々委員の先生方に分担して評価をしていただきました。昨年はそれがトータル619物質あったのですが、それですと1人当たり見ていただく件数も非常に多かったので、今年は若干やり方を変えさせていただこうかという提案が次のアンダーラインの所です。ただし、エームス試験を含めた全ての試験の結果が陰性の物質については、事務局で陰性と判断して、このような物質については委員の分担評価からは除外する。また、特定化学物質障害予防規則によって、発がん予防の観点からも規制がなされている物質とか、あるいは変異原性が認められる化学物質ということで、既に行政指導の対象となっている物質についても、委員の評価からは除外させていただきたいということで、このアンダーラインの所が今年の新たな提案です。こういった物質を除いてみると、今の仮の状況ですが、約180物質ぐらいを先生方に分担していただいてはどうかというところです。

82ページですが、エームス試験情報がない物質について、約80物質ぐらいありますが、こちらは遺伝毒性の評価を一旦保留して、構造活性相関予測の候補にし、あるいは可能であれば、そのうち遺伝毒性のある可能性が高そうだという物質については、エームス試験も実施するという方向を考えたいと思っております。

3です。委員の分担による評価ということで、最終的には全体の会合で審査いただくのですが、途中の段階では委員の先生方に去年と同じようにDVDなどでデータをお送りして、それで審査をしていただきたいという考えです。エームス試験情報ありの物質で、試験結果が全て陰性であるような物質を除くと約180物質ありますが、これについて5名の先生方で分担して、遺伝毒性の評価をしていただきたいと考えております。

(1)の評価基準は、平成25年度のワーキングで作った基準ということで、本日の資料で参考資料の4-14-2で、先ほども御覧いただいた資料です。(2)の評価区分についても、昨年と同様に5段階評価、ここに書いてある丸数字1から丸数字5の評価を予定しております。

(3)として、評価の留意点ですが、委員の先生方に約30物質ずつ見ていただくのですが、最初にデータはあっても、エームス試験のデータが内容的にそのまま使えるかどうか、不備があるかどうかという点を見ていただきます。アとして、エームス試験に不備がある物質。菌株が不足しているとか、用量不足があるといった物質については、遺伝毒性の有無の判断が困難というように評価いただいて、エームス試験の候補物質とさせていただきたいと存じます。イとして、エームス試験に不備がない物質については、得られている情報の範囲で遺伝毒性について評価していただきたいと存じます。評価の基本的な考え方については細かいお話なので省略して、これも昨年度このようにやったということの実績です。

 次の83ページですが、委員の合議による評価ということで、こちらが書面審査をした後のワーキンググループでの審査です。委員の分担で丸数字1から丸数字5までに振り分けていただきますが、丸数字1の遺伝毒性なし、あるいは丸数字2の弱い遺伝毒性ありについては、御担当の先生の意見をそのまま採用して、委員の先生の合議でやったほうがいい事項、丸数字3の強い遺伝毒性あり、丸数字4の遺伝毒性の強弱判断困難、丸数字5の遺伝毒性の有無の判断困難については、ワーキンググループで合議制で1物質ずつ検討していただきたいと考えております。このうち、特に丸数字3の強い遺伝毒性ありについては、変異原性物質としての行政指導が必要かどうかといったことについても、検討していただきたいと考えております。この辺も昨年度の進め方と同じです。

5として、評価結果を踏まえた対応ということで、最終的な流れです。(1)分担評価、合議による評価を経た物質で、丸数字1から丸数字5の分類に応じて対応します。丸数字1の遺伝毒性なしについては、一応、遺伝毒性の評価としては終了して、Bhas42の試験の候補物質の選定作業へということです。丸数字2の弱い遺伝毒性ありは、これで評価終了です。丸数字3の強い遺伝毒性ありについては、基本的には行政指導の対象物質ということで、かつ中期の発がん性試験の候補物質にもなります。丸数字4の遺伝毒性はあるが、強弱の判断不能の物質については、エームス試験の候補物質になります。丸数字5遺伝毒性の有無の判断困難についても、エームス試験の候補物質です。

(2)として、エームス試験情報がないために評価を一旦保留した物質、先ほども書きましたが、こちらは構造活性相関に持っていったり、あるいはエームス試験も実施したりといった対応をさせていただきたいと考えております。以上、平成25年度の進め方を踏まえて、平成26年度はどうするかといったところです。こちらは特に昨年度と変更する点、81ページのアンダーラインを引いてある辺りについて、中心に御意見をいただきたいと思っており、本日、その進め方について御同意いただければ、ワーキンググループが終わって以降、私どものほうで必要なデータを先生方にメール、あるいはDVD等でお渡しして、また昨年と同じような形で審査をしていただきたいと考えております。以上です。

○清水座長 ただいま御説明いただいたわけですが、何か御質問、御意見はありますでしょうか。昨年度は1人当たりの負担がかなり大変だったと思うのですが、今回は事務局のほうでかなり整理してくださることになるので、1人当たりの負担は大分楽になると思うのですが、いかがでしょうか。特に何か注文はありますか。

○本間委員 昨年度の事業の化学物質はどこから出てきたのでしたか。今年度は平成23年度の結果から出てきたと。

○大淵環境改善室長補佐 今年度は経済産業省から物質リストをもらいまして、ばく露クラスがクラス5、クラス外という物質についてリストをもらいまして、それがリスト上では5,892で、その中には包括名で炭素の長さが510といったグループ名みたいな形で入っている物質もありましたので、そういうものをもう少し細かくCAS番号単位に振り分けたりして整理して、一応トータル12,920、こちらが全体的な文献調査の対象となっておりました。ただ、実際上はデータ、情報がない物質も相当多くて、およそ1,000物質しか情報としては得られていません。

○本間委員 クラス5までですか。

○大淵環境改善室長補佐 クラス5とその下のクラス外までです。

○本間委員 クラス外まで全てということですか。

○大淵環境改善室長補佐 そうです。こういった物質は化審法の今のスクリーニング評価では、ばく露の評価まではして有害性情報は集めないという整理でやっていると聞いております。その部分は、私どもは労働分野の評価なので、化審法で言っているところよりももう少し量の少ない物質も評価しようということで、今回取り組ませていただいております。クラス5、クラス外については、化審法ではばく露クラスだけ評価してしまえば、今の段階では作業は一旦終了という整理になっているかと思います。

○本間委員 これは昨年度やったものには入らないですか。

○大淵環境改善室長補佐 物質として重複があるかどうかですか。

○本間委員 はい。

○大淵環境改善室長補佐 物質は一部、重複があったので、重複がある物質は昨年度で評価していますので、今年の評価作業には入れないような形でやっております。12,920の中には、そういった重複物質もあって、その前の段階ではもっと多く重複物質があったのですが、重複物質を除いて、正味、ネットで数えて12,920です。

○本間委員 似たような事業がほかにあるような気がするのですけれども。

○大淵環境改善室長補佐 そうですか。

○本間委員 NITEでやっているのとか、同じことを聞いたような気がするのですけれどもね。

○大淵環境改善室長補佐 有害性ですか。

○本間委員 はい。あそこは自主的にやっているだけだと思いますけれどもね。

○大淵環境改善室長補佐 私どもが医薬食品局などにも聞いていた話では、スクリーニング評価の段階では、当面はばく露クラスの1から4までの範囲でやって、クラス5なりクラス外は当分、有害性の評価はしないと伺っていたのですけれども。

○本間委員 分かりました。

○清水座長 NITEというのは委託事業ではないのですね。

○本間委員 自主的にやっていると思います。

○大淵環境改善室長補佐 そうですか。経済産業省には、「私どもはこういう評価を行政の検討会なり委託事業でやっていきたいので、物質のリストをください」ということでお話をしており、その際にはNITEでそういった情報収集しているというお話は特段頂いていなかったかと思います。

○本間委員 切り分けとしては向こうは優先順位が高い、多分クラス3までやるのではないかと思いますから。

○大淵環境改善室長補佐 そうですね。

○本間委員 こちらは全てですね。そこが違うのかもしれないですね。

○大淵環境改善室長補佐 一応、最終目標としては、国内で1t以上の取扱いのある物質については、何らかの整理はしましょうということでやっておりまして、今年がこのクラス外までで、実は今年の委託事業ではクラス外よりも更に量が小さい、正味の製造輸入量の、国内合計が10t以下のものまで文献調査をやる予定にしております。情報がある物質は限られているかと思うのですが、一応目は通すという形で、国内の量が1tから10tのものも、一応目は通させていただきます。

○本間委員 すごく大事だね。

○清水座長 ほかに何か御意見、御質問はありますか。特にありませんでしたら、平成26年度はこの手順で遺伝毒性評価を進めていただきたいと思います。

 次に移りたいと思います。議題3、「Bhas42細胞を用いる形質転換試験の試験基準について」、事務局から御説明をお願いいたします。

○大淵環境改善室長補佐 資料3Bhasの試験の試験基準で、第1回目のワーキングでいろいろ御議論いただきまして、それの修正版です。修正のポイントの大きなところですが、第1回の案では、イニシエーション試験とプロモーション試験、両方について書いてある基準となっておりましたが、この試験基準の目的としては、平成26年度から始まる委託事業のための試験基準として使うということでしたので、委託事業ではプロモーション試験だけをやることになりましたので、それに合わせて試験基準もプロモーション法だけに限定した内容に改めております。資料3の上ではその辺りを書いておりまして、一般的にはイニシエーション、プロモーションがあるけれども、この基準ではプロモーションだけ書きますということと、試験基準の位置付けとしては、こちらは委託事業で使うもので、新規化学物質の届出事業者が使う試験基準などとは位置付けが違うものですということを、注意書きで書かせていただきました。それ以降の中身については、今申し上げたようにプロモーション試験に特化した中身に修正したということで、2に書いてある図もプロモーションの試験だけの図になっております。

 大きなところでは、次の86ページですが、項目6の仕様ウェルの数では、前回の基準では6ウェルプレートの場合と96ウェルの場合と、両方とも記載しておりましたが、基本的には機械で測定ではなくて手で測定していく方法でということで、今回の基準では6ウェルプレートの方法のみ書いております。大きな修正は以上です。

 まだこれで必ずしも十分でないところがありまして、例えば事務局としてもう少し修正が必要かなと思っているところでは、4(2)の用量設定の関係です。例えば(2)のアの真ん中辺りですが、「可能な限り次のように」とか、あるいはイの1行目の真ん中辺りですが、「可能な限り」という言葉がありまして、試験基準としては必ずしも適切でない表現になっているところもあろうかと思いますので、場合によっては例えば「原則として」とか、必要があればもう少し基準的な表現の仕方に直させていただきたいと思っております。

 試験の状況をもう少し補足しておきますと、今年は全部で16物質をやる予定でということを、前回のワーキングで報告させていただきまして、前回のワーキング以降、事業の入札広告とか、実際の入札の手続がありまして、2つの試験機関が落札いただいております。1つは田中先生がいらっしゃいます食薬センター、もう1つは日本バイオアッセイ研究センターが落札しており、それぞれ8物質ずつ、計16物質の試験をやっていただく予定になっておりますので、こちらの試験基準について若干の修正を加えた上で、実際の委託事業の試験の根拠としていただきたいと考えております。説明は以上です。

○本間委員 前回この資料は入札のための仕様書の形で使われると聞いたのですが、もう入札は終わっているということですね。

○大淵環境改善室長補佐 仕様書本体には試験基準を付けていなくて、仕様書上は、「別途、厚生労働省が示す試験基準に従って」ということです。入札の作業は終わったのですが、入札説明会の際には、試験基準を修正版のこの形で示して、「今後も修正があるかもしれませんが、とりあえずこんな中身です」ということを、関係の業者の方に説明いたしました。

○清水座長 田中先生、何か補足説明はありますか。

○田中委員 特にありません。

○清水座長 ほかの委員の先生方、何か御質問、御意見はありますか。

○田中委員 この前の会議で御指摘いただいたところは直したつもりなのですが、ほかにまた出てきましたら言っていただければ、直してもよろしいのではないかと思います。これは私が直すものかどうか分かりません。

○本間委員 計画書の確認などというのは、そちらでやられるのですか。

○大淵環境改善室長補佐 計画書の確認は、こちらでさせていただこうと思っていまして、あとは可能であれば食薬センター、バイオ、私どもと一緒に、計画書を立てる前の事前打合せなどもさせていただいて、試験の細かいところもすり合わせをしてから、計画書作成をしたほうがいいかなと思ってます。

○本間委員 基本的には、これまで食薬がやってこられた論文に書かれたような方法でやるという認識ですか。

○田中委員 そうですね。

○本間委員 これは飽くまでもダイジェスト版だと。

○田中委員 そういうことです。

○大淵環境改善室長補佐 一応、試験としてはGLP試験になりますので、それぞれのラボでGLP対応の標準操作手順書を作っていただいて、それに則って試験計画も立てていただくことになります。

○清水座長 特にほかに御意見がなければ、こういう形で今年度、16物質について2つの機関で実施していただくことになるかと思います。

 特にありませんでしたら、その他に移りたいと思います。事務局からお願いいたします。

○大淵環境改善室長補佐 その他ということで、今後の予定について説明いたします。資料4、通しページの87ページ、1枚紙です。今後の予定として、前回も書いているものですが、1の行政検討会で、先生方と以前に調整させていただいたものとしては第3回を613日、第4回を74日ということで、具体的には遺伝毒性の評価を既存情報、文献の結果に基づいて評価していただくという作業で計画しておりました。ただ、先ほど今年度の進め方について説明させていただいたところで、これから約30物質ぐらいずつを担当して見ていただくということですので、次回第3回が613日ですと、事務局として少し時間としては短いかなと思っておりまして、もし御賛同いただければこの613日は中止にして、74日の分を第3回に繰り上げるという感じでさせていただければと思います。見込みとしては、今月の終わりか来月の頭ぐらいに先生方にデータをお渡しして、約1か月で30物質程度を見ていただくようなイメージで、可能であれば次回は6月ではなくて74日を第3回にさせていただければと思いますが、いかがでしょうか。

○清水座長 いかがでしょうか。時間的に613日はかなりタイトになる。事務局もタイトになると思うのです。ということで、613日は中止にして74日にしたいということで、よろしいでしょうか。

○山田委員 第4回はもうないのですか。

○清水座長 第4回はないということですね。

○大淵環境改善室長補佐 今のところはない形になります。もし7月で御議論が終わらなかった場合は、必要に応じてまた次の日程を調整するか、あるいはメールなりのやり取りでやるかというところは、次に開いたところでまた調整をさせていただければと思います。

○清水座長 よろしいですか。資料の下のほうはよろしいですか、委託事業。

○大淵環境改善室長補佐 こちらは前回の資料にも書いた事項ですので、説明は省略いたします。

○本間委員 これはもう既に聞いた話なのかもしれないのですが、昨年の事業でエームス試験がないものに関してQSARでやりましたよね。あの結果と、その後の扱いはどうなっているのですか。

○大淵環境改善室長補佐 前回、第1回に説明させていただいたのですが、今日の資料でも参考資料にあります。

○角田化学物質評価室長 参考資料3-1です。

○大淵環境改善室長補佐 93ページ、参考資料3-1で、構造活性相関の関係はこの図の左側に出てまいります。整理とすると、遺伝毒性情報がないもので979物質で、エームス試験のデータがないものを構造活性相関に持っていこうということだったのです。ただ、全部については構造活性相関できませんで、構造式が入手可能なものだけということでやりましたのが、トータル763物質で、そのうちの内訳で、総合判定としてプラスになったものが計39物質で、うち3つともプラスのもの、2つがプラスのものがそこに書いてあるとおりです。総合判定でプラスになったものについては、本年度、平成26年度に委託事業でエームス試験を実施するということで、もう既に委託先で試薬の入手が可能かどうかということを確認してもらっているところです。その結果、39物質全部を試験することは難しい状況ですが、試薬が入手できるものは試験をということで予定しております。

○本間委員 そのための評価会議は今年度中はやらないということですか。

○大淵環境改善室長補佐 それ自体の評価ですか。

○本間委員 はい、結果の。

○大淵環境改善室長補佐 結果の評価は、評価を1個ずつ詳細にということは、基本的には予定はしておりませんで、評価の資料はデータの再計算などもあったりして、まだ全部をホームページには載せていないのですが、厚生労働省のホームページなどに載せて、どなたでも見ていただく形にはする予定です。あとは構造活性相関の関係は、国立衛研のコンピューターをお貸しいただいて、広瀬先生を通じて衛研で使っているプログラムのメーカーにもこの計算結果なども提供して、いろいろコメントも頂いたりということはしているのです。このワーキングの中で、1物質ずつの結果について細かく議論ということは、今のところ予定しておりません。

○本間委員 QSARの結果ではなくて、実際に今年、委託でエームス試験をやった39に関しては、前回エームス試験の結果をここで評価しましたよね。

○大淵環境改善室長補佐 同じようなことは、今のところは平成27年度にこのワーキングで評価していただく予定です。試験は平成26年度にして、評価は平成27年度に予定しております。

○本間委員 分かりました。

○大淵環境改善室長補佐 ですから、今年エームス試験をやるのは、このグループの構造活性相関から引っ張ってきたグループと、本日の議論でいくと12,000云々の中、あるいは628の中で、全然エームス試験の情報がない物質が約180物質ほどありますので、その中から選んだものです。今年の委託事業の試験の枠が50物質程度なので、その180全部はできないので、これも恐らくはQSARなりを最初に掛けてから、エームス試験に持っていくという流れにするかと思うのですが、そういったものを今年の試験対象として予定しており、評価は平成27年度、来年度に行っていただく予定です。

○清水座長 ほかに何か御意見、御質問はありませんか。特になければ以上で本日のワーキンググループを終了します。どうもありがとうございました。


(了)

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