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2014年1月16日 第98回労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会議事録

職業安定局雇用保険課

○日時

平成26年1月16日(木) 9:00~10:00


○場所

中央合同庁舎第5号館(厚生労働省)12階 職業安定局第1・2会議室


○議題

・雇用保険法の一部を改正する法律案要綱について
・労働保険の保険料の徴収等に関する法律の規定に基づき雇用保険率を変更する告示案要綱について

○議事

○岩村部会長 ただいまから、「第 98 回雇用保険部会」を開催します。皆様、今日は朝早くからお忙しいところを御参集いただきまして、誠にありがとうございます。本日の出欠状況ですが、浅見委員が御欠席です。早速、議事に移ります。本日の議題は、お手元の議事次第にありますように、「雇用保険法の一部を改正する法律案要綱」についてと「労働保険の保険料の徴収等に関する法律の規定に基づき雇用保険率を変更する告示案要綱」についてです。

 昨年 12 26 日に取りまとめられました雇用保険部会報告については、同日の職業安定分科会に報告されまして、了承されたところです。法律案要綱と告示案要綱については、この報告を踏まえまして事務局で作成し、本日、厚生労働大臣から労働政策審議会に諮問が行われたものです。昨年 12 26 日の職業安定分科会において、あらかじめ当部会において審議するとされたことに伴いまして、本日、当部会で御議論を頂戴するものです。

 事務局から資料について御説明を頂きまして、その後質疑にしたいと思います。よろしくお願いします。

○高島雇用保険課長補佐 私から資料について説明をさせていただきます。本日、資料 1 、資料 2 、参考資料があります。資料 1 と資料 2 については、いずれも労働政策審議会に諮問を行う要綱となっています。資料 1 が雇用保険法の一部を改正する法律案の要綱、資料 2 が労働保険の保険料の徴収等に関する法律の規定に基づき雇用保険率を変更する告示案、料率を定める告示の要綱です。先ほど部会長からもお話を頂きましたとおり、この 2 つの諮問、その中身の要綱については、昨年、部会委員の皆様方に御議論いただいた内容を盛り込んだものとなっています。資料 1 から順番に説明をさせていただきます。

 資料 1 です。最初は諮問の頭紙となっていますので、もう 1 枚おめくりいただいた「雇用保険法の一部を改正する法律案要綱」から説明をさせていただきます。こちらの内容は、先ほど申し上げましたとおり、雇用保険部会報告で御議論いただいた内容を盛り込んでいるのですが、今般、労働政策審議会に諮問を行った後に、答申を頂けましたら、厚生労働省で法案の準備をさせていただきます。法律の一部を改正する法律案で法律事項となっている以外の部分もありまして、例えば教育訓練給付などが代表例ですが、その給付率の具体的な内容などが法律事項では必ずしもなく、省令で今後定めるものもあります。

 ですので、法律案の要綱にはなっていますが、今後、省令でこの法律改正に伴って定めることとなる内容についても、あらかじめこの要綱の中で注釈を入れる形で説明をさせていただければと思います。この要綱の本体と注釈を併せて御覧いただければ、昨年まで雇用保険部会で御議論いただいた内容が盛り込まれているとお考えをいただければと思います。

 順番に説明をさせていただきます。第一が就業促進手当の改正です。雇用保険部会の中では、再就職手当の見直しということで説明をさせていただいたものです。こちらは法律の順番にのっとって書いていますので、こちらが一番最初になっています。

 就業促進手当の改正ですが、安定した職業に就いて就業促進手当の支給を受けた者が、就職した日から引き続き 6 月以上雇用された方で要件に該当する方について、基本手当の残日数の十分の四を乗じて得た額を乗じて得た額を限度として、改めて支給をすると。

 注釈で補足をしますと、こちらのものは、安定した職業に就いて就業促進手当をもらえる再就職をされた方で、かつ、再就職時賃金が離職時賃金より低下するときに支給することを、省令で定めることとしています。

 さらにもう 1 つ、金額に関する内容の注 2 ですが、離職時賃金と再就職後賃金との差額の 6 月分の額を支給するということで考えている次第です。こちらが再就職時手当の見直し、就業促進手当の改正に関するものです。

2 つ目が、教育訓練給付の関係です。部会の中では、中長期的なキャリア形成支援のための措置ということで御議論いただいた内容です。教育訓練給付の改正及び教育訓練支援給付金の創設となっています。

 一が教育訓練給付の改正です。一般被保険者又は一般被保険者であった者、こちらの離職者とお考えください。離職者は離職後 1 年以内の方が、雇用の安定及び就職の促進を図るために必要な職業に関する教育訓練として、厚生労働大臣が指定する教育訓練を受け、当該教育訓練を修了した場合と。さらに、 ( 教育訓練を受けている場合であって、省令で定める場合も含みます ) ということで、こういった方が支給要件期間、被保険者期間が 3 年以上であるときに、その受講のために支払った費用の額に百分の二十以上、百分の六十以下の範囲内、ここが法律の改正を伴う部分ですが、これにおいて、厚生労働省令で定める率を乗じて得た額の教育訓練給付金を支給するものとすると。

 ただし、こちらは部会の中ではインターバルの期間ということで説明させていただいたものですが、当該教育訓練を開始した日前、厚生労働省令で定める期間内に教育訓練給付金を受けたことがあるときは、教育訓練給付金は支給しないものとする。最初の教育訓練の給付金から次の教育訓練の給付金まで、一定の期間を空けるという法律の内容です。

 こちらは注釈も併せて説明をさせていただきますと、注 5 から御覧いただけると分かりやすいかと思います。注 5 の内容が、今回の教育訓練給付の拡充の部分と、後、現行の部分を表にした形になっていまして、今後、省令でこういった内容を具体的に定めていくこととしています。

 支給要件期間、給付率、上限額と 3 つの項目があります。それぞれ左と右に分かれていますが、右側が現行の教育訓練給付の内容とお考えください。支給要件期間は 3 年以上。 ( 初回の方であれば 1 年でよい ) というのが現行です。その場合、給付率は百分の二十となっていまして、上限額は 10 万円となっています。

 今回の雇用保険部会で議論いただいた教育訓練給付の拡充、中長期的なキャリア形成支援に関する内容は、その左側でして、 10 年以上の支給要件期間であって、訓練の内容が変わります。専門的・実践的な教育訓練を受ける場合になります。こちらは初回の方に関してということですが、 ( 初回の受給に限り 2 年以上 ) とします。

 その場合の給付率ですが、ア、イと二本立てになっています。イがこれまで部会で正に説明させていただいた内容で、百分の六十、 6 割です。 ( 資格取得等の上で、一般被保険者として職に就いている場合 ) になります。逆に申し上げますと、こういった成果報酬に関する部分が入らないと、百分の四十になるとお考えください。

 上限額は、こちらもイから先に説明をさせていただきますが、イの場合にあっては年 48 万円になります。これはアの百分の二十が入らないケースになってきますと、 32 万円という計算になります。給付の額の後ろに ( 給付の期間に関する内容 ) 、こちらの部会で説明させていただく内容ですが、原則 2 年とした上で、資格につながる等の教育訓練に限り 3 年にしています。

 こちらに関するそのほかの部分ですが、注の内容を順番に説明させていただきます。注 3 ですが、これまでの教育訓練給付は訓練を修了した後にお支払いをしていたものですが、今回は訓練の修了だけではなくて、適切に受講していることが確認でき場合です。雇用保険部会の中では、その受講状況を確認して、定期的、例えば 6 月程度ごとに支払うものとするということで、部会で御議論いただいた内容です。

(4) については初回の方に関するもので、表の中にも盛り込んでいる内容です。新しい中長期的なキャリア形成に資する専門的・実践的な教育訓練の場合は、初めて受ける方であれば、 2 年間の被保険者期間、就業保険期間でよいとするものです。

 注 5 は、説明した内容で、注 6 はキャリア・コンサルティングに関するものです。こちらは教育訓練給付、新しいものを申請していただく、その前に更に教育訓練を受講していただくに当たっては、原則としてキャリア・コンサルティングを受けたことを確認するものとするということです。

 注 7 はインターバルの期間ですが、こちらについては現行の教育訓練を新しく受ける場合は、今度は 3 年必要になる。新しい教育訓練給付、専門的・実践的な教育訓練を開始する場合は、 10 年間空けていただく、そういった内容を今後省令で定めることとしています。

 二が教育訓練支援給付金の創設です。こちらの法律上の用語が記載していますが、部会の中では、 45 歳未満の離職者の方に関する特別の措置ということで御議論いただいてきた内容です。対象者は、まず同じ教育訓練給付の給付の対象者です。かつ、一般被保険者であった者、離職者であって、平成 31 3 31 日以前に、次のページになりますが、厚生労働省令で定める教育訓練、こちらは新しい専門的・実践的な訓練ですが、これを開始したもののうち、その開始日における年齢が 45 歳未満である方について、その失業している日についてお支払いをすると。お支払いする金額は、賃金日額に百分の五十から百分の八十までの範囲で厚労省令で定める率を乗じて得た金額。こちらは別の言い方をしますと、雇用保険の基本手当の金額です。基本手当の金額に百分の五十を乗じて得た額の教育訓練支援給付金を支給するものとします。

 ただし、こちらについては、基本手当が支給される期間とか、給付制限等により、基本手当を支給しないこととされる期間については、この支援給付金のお支払いはしないものです。 45 歳未満の離職者の方に関して、本文にも出てまいりましたが、平成 31 3 31 日まで、平成 30 年度末までの暫定的な措置として設けることとしている措置です。こちらの対象は、 45 歳未満の離職者で、かつ、専門的・実践的な教育訓練を初めて受ける方に限るものです。

 第三です。資料の提供等に関する規定の新設です。雇用保険部会ではこれまで御議論いただいてきた内容ではありませんが、こちらで説明をさせていただきます。行政庁は、関係行政機関又は公私と団体に対して、この法律の施行に関して必要な資料の提供その他の協力を求めることができるものとするもの。雇用保険制度では、これまで雇用保険が適用されている事業主の方とか、雇用保険の被保険者、あるいは受給者の方、そうした方については、給付事務の実施に当たって資料の提供といいますか、そういったことができるようになっていたのですが、行政機関からの連携に関する部分がなかったことがあります。

 ただ、雇用保険については、健康保険とか労災保険とか、そうした他の保険制度などと業務上の接点は様々ある部分があります。そうした他法令では関係行政機関への資料の提供等に関する依頼の規定がありますので、こちらは他法並びで今回の改正に併せて設けさせていただければと考えているものです。

 第四に移らせていただきます。基本手当の支給に関する暫定措置です。今回の雇用保険部会で御議論いただいた個別延長給付、後は雇止めによる離職者に対する給付日数の充実、その 2 つの内容に関する措置です。

 本文の部分は、シンプルです。給付日数の延長に関する暫定措置等の期限を 3 年間、平成 29 3 31 日まで延長することです。今年度末で基本手当の支給に関する暫定措置は期限を迎えることになりますので、来年度からの 3 年間、平成 26 年度、平成 27 年度、平成 28 年度延長するものです。こちらは雇用保険部会の昨年末までの議論の中では、その期間については盛り込まれていませんでしたが、今般、 3 年間とすることで諮問させていただければと考えている次第です。

 注の部分については、雇用保険部会報告書でも盛り込みました個別延長給付に関する厳格化の内容を注釈で記載しています。こちらも今後省令で定める内容になっていますので、注の中に記載をしています。

 注 10 、個別延長給付に関しては、以下の見直しを行う。1が、年齢に関する 45 歳未満の方についての部分です。 45 歳未満である者について、安定した職業に就いた経験が少なく、離職又は転職を繰り返している者とする。年長フリーターの方々に重点化をしていくという内容です。

 2雇用機会が不足する地域を指定する基準について、当該地域の求職者の数に対する当該地域内の事業所に係る求人の数の比率が「一を下回ること」から、全国における当該比率であることに見直すとともに、ほかの基準、地域の指定に関する基準も含め個別延長給付創設時の全国実績、こちらは平成 21 1 月時点の実績で見てやっていましたが、その実績に照らして判定するものとするものです。

 こちらの個別延長給付については、1の一定の年齢未満の方に加えて、また、別の基準として、求人倍率等が悪い地域に居住する方々が個別延長給付の対象になっていました。その地域については、それぞれ求人倍率とか求職者数とか、基本手当受給者の数、そうした指標に基づいて個別に指定を行っていました。

 今般、求人倍率について、これまで「一を下回ること」を要件にしていましたが、「全国における求人倍率の実績以下にすること」に見直すことと併せて、個別延長給付創設時の全国の実績に照らして、地域の判定を行っています。こちらが、個別延長給付と特定理由離職者に関する暫定措置の内容です。

 第五が、育児休業給付金に関する暫定措置です。暫定措置の部分ですから、規定の順番としては大分後ろのほうに来ています。こちらの内容ですが、育児休業給付金の額については、休業を開始した日から起算して当該育児休業給付金の支給に係る休業日数が通算して 180 日、 6 か月間に達するまでの間に限って、被保険者が休業を開始した日に、受給資格者となったものとみなしたときに算定されることとなる賃金日額に、支給日数を乗じて得た数の百分の六十七に相当する額に引き上げるものとする。こちらは休業開始から 6 か月の間、これまでは一律ずっと百分の五十でしたが、それを 6 か月間に限っては百分の六十七に引き上げるという改正を法律上行うものです。こちらも雇用保険部会で議論させていただいたとおりです。

 最後ですが、附則で施行期日について、説明させていただきます。この法律は、平成 26 4 1 日から施行する。基本的には 4 月から早々に施行させていただきたいと考えています。ただし、第四は交付の日から。技術的な問題ですが、基本手当の暫定措置の施行の期限ですが、こちらはちょうどその期限が今年度末で終わってしまいますので、期限の延長は今年度中に行うという意味で、交付の日からとなっています。

 第二、教育訓練給付の拡充に関する部分、中長期的なキャリア形成支援に関する部分ですが、こちらは平成 26 10 1 日から施行するものとする。こちらは、今後、訓練の指定について様々準備が必要になりますので、そちらについては一定の時間を頂いた上で 10 月から始めさせていただきたいと思います。ただ、残りの規定、再就職手当とか、育児休業給付、そうしたものについては 4 月から開始をいたしますし、暫定措置についても、法律の規定としては切れ目なく延長するという形で改正をできればと考えていまして、その旨諮問の要綱の中に盛り込んでいる次第です。こちらが資料 1 に関する内容です。

 資料 2 についても、説明をさせていただきます。諮問が 2 件に分かれていますが、先ほどのものは、法律改正を伴うものが全て資料 1 の諮問の中に含まれていました。今回の資料 2 の料率については、昨年、雇用保険部会で御議論いただいた中で失業等給付については、現行の料率の仕組みを基にした上で弾力倍率を発動して、今年度と同じく千分の十とするということで委員の皆様におまとめをいただきましたので、その内容を現行法律をベースとした告示案ということで諮問しているものです。

3 枚目です。労働保険の保険料の徴収等に関する法律の規定に基づき、雇用保険率を変更する告示案。平成 26 4 1 日から平成 27 3 31 日まで、来年度の雇用保険率を千分の十三・五、こちらは失業等給付千分の十、二事業千分の三・五の合計の千分の十三・五です。農林水産業及び清酒製造業については千分の十五・五、建設業については千分の十六・五、こちらはどちらも今年度と同じとするものとする。こちらの告示についても併せて諮問させていただきまして、答申を頂けましたら、こちらも速やかに料率を定めさせていただければと考えています。

 参考資料については、昨年おまとめいただいた雇用保険部会報告のほか、財政状況等に対する資料で、これまで部会で御議論いただいているものですので、説明は省略させていただきます。よろしくお願いします。

○岩村部会長 雇用保険法の一部を改正する法律案要綱に関して、御意見あるいは御質問がありましたら、お願いいたします。

○亀崎委員  2 点ほど確認したいのですが、 1 つは、 1 ページの第二の一の教育訓練給付の改正に関してです。雇用保険部会報告では、中長期的キャリア形成支援措置の中で、中長期的なキャリア形成に資する教育訓練を受講する場合には、給付率を引き上げることに加えて、当該給付は、教育訓練の受講状況を確認の上で定期的に支払うこととすべきであるとされています。そこで、「受講状況を確認の上で定期的に支払う」という報告書の記載は要綱案のどの部分で担保されているのか。先ほどの御説明ですと、それは注 3 にあるように、省令の中で示すことでいいのかどうかの再確認です。省令の中で 6 月ごとに支払うというふうに示されるのかどうかを含めての確認です。

2 つ目には、 3 ページの最後から 2 行目以降の第二の二の教育訓練支援給付金の創設に関してです。教育訓練支援給付金の支給対象となる者の要件がここに書かれているわけですが、この支給対象者の要件については、教育訓練給付の対象者とした上で、括弧書きの中で「さらに、教育訓練給付金の支給を受けたことがない者」という条件が付されています。ここで言う「教育訓練給付金の支給を受けたことがない者」というのは、今回の改正法の施行日以降、すなわち、本年 10 1 日以降に教育訓練給付金の支給を受けたことがない者という理解でよいのかどうか。つまり、改正法の施行前に教育訓練給付を受けたことがある場合であっても、改正法の施行後に給付を受けていなければ、教育訓練支援給付金の対象になるという理解でよいのかを、念のために確認をしたいと思います。お願いします。

○岩村部会長 御質問が 2 点ですので、事務局でお願いします。

○高島雇用保険課長補佐 説明させていただきます。亀崎委員から御質問いただいた 2 件について、お答えとしましては、お見込みの御質問のとおりになります。 1 つ目ですが、支給の期間、タイミングです。注 3 の中で説明をさせていただきましたとおり、今般、修了、全て終わった後だけではなくて、適切に受講していることが確認できれば、その中で定期的にお支払いをしていくことになりますので、注 3 は省令の事項になっていますので、今後、また法律が成立しましたら、省令についても改めて雇用保険部会の中で御議論をお願いすることになります。

2 つ目の御質問ですが、教育訓練支援給付金、暫定措置に関するものです。こちらについては、昨年、雇用保険部会の中でインターバル期間などを議論する際にも説明させていただいた部分ですが、今回、制度改正がされましたら、当然、従来型の教育訓練給付を受けている方はいらしたと思うのですが、今回、新しい教育訓練給付の仕組みが加わりますので、そういった場合については、従来、古い昔のタイプの教育訓練給付を受けておられた方であっても、新しい制度がスタートされた時点で、それは一旦見ないこととして、その施行後に新しく教育訓練給付を受けるかどうかで判定をしていく。

 ですので、教育訓練給付支援給付金についても、これまで括弧書きで「教育訓練給付金の支給を受けことがない者」と書いていますが、こちらは飽くまでも、この制度がスタートした 10 1 日以降に教育訓練給付の支給を受けたことがない者、別の言い方を申し上げれば、 10 1 日以降、初めて受ける方であり、かつ、 45 歳未満とか、離職されているとか、そういった要件を満たす方であれば、こちらの教育訓練支援給付金については対象になるということです。

○岩村部会長 亀崎委員、よろしいですか。

○亀崎委員 はい。

○古川委員  3 ページの表のイで、給付率が百分の六十になるケースについて、括弧書きの中で「資格取得等の上で」となっています。先般の雇用保険部会報告でも、資格取得をした場合、 20 %上乗せとなっています。この中長期的なキャリア形成支援措置の対象となる訓練は、これからいろいろ詰めていくところだと思いますが、この訓練の中には、受講しても別途試験を受けて合格しなければ資格を取得できないものも多いと思います。資格取得を目的とした訓練であれば、試験に合格して資格を取得した場合を支給要件とするのは当然だと思うのです。

 一方で、例えば法科大学院の場合ですが、大学院の課程を修了後、弁護士資格を取得しないで企業の法務部門に就職するケースもあると思います。こうしたケースでは、資格を取得しなくても大学院の課程を修了することが、本人の中長期的なキャリア形成に資するとも考えられますので、このような個別の訓練の認定基準については、今後、さらに詰めていく必要があることを指摘させていただきたいと思います。

○岩村部会長 事務局、今の点についてはいかがですか。

○吉永雇用保険課長 今ほど古川委員から御意見を頂きましたが、具体的にどういう訓練を指定していくのかは、これから詰めさせていただきますので、法律の施行のタイミングまでの間にいろいろ調整をした上で、御指摘の点も踏まえまして対応していきたいと考えています。

○岩村部会長 そのほか、いかがですか。よろしいですか。それでは労側からで、新谷委員、どうぞ。

○新谷委員 今、労働側委員から、昨年末に取りまとめましたこの部会の報告の内容が、法律案要綱に反映されているかどうかということも含めて確認をさせていただいたところです。ただ、今回の要綱には、事務局の御説明にもあったように注釈が 10 個付いていまして、法律成立後に省令の審議を行うということですので、省令案要綱についても、この部会報告をきっちりと正確に反映していただく。もちろん、条文についても正確な内容にしていただくことをお願いしておきたいと思います。

 それと、今、古川委員からも申し上げたように、法案が成立した後 10 1 日から施行を予定されています教育訓練給付の拡充については、職業能力開発分科会で指定基準をこれから詰めていくということですが、昨年末にかけて職業能力開発分科会の審議がばたばたという感じで行われていますので、指定基準の検討を本当に急ぐ必要があると思います。また、先ほども注釈 3 でありましたように、雇用保険部会の関係では、教育訓練給付金の支払いの仕方について、これは訓練と非常に関係する部分がありますので、職業能力開発分科会と雇用保険部会の連携を更に密にしていく必要があると思っています。お願いを幾つか申し上げましたが、この法律案要綱については、労働側として了承を申し上げたいと思っています。

 また、もう 1 つ、雇用保険料率の変更に関する告示案も出ていますが。

○岩村部会長 それは後ほどやります。

○新谷委員 分かりました。

○遠藤委員 本件については、使用者側としても了承することといたしたく存じます。ただ今、労働側委員から意見やお願いがありましたが、使側としましても、中長期的なキャリア形成支援について、一言お願いをさせていただければと思います。今般の法律改正に伴いまして、雇用保険制度の枠組みの中に位置付けられることを今一度十分踏まえていただく形で、是非、関係審議会において、可能な限り早期に適切な教育訓練の指定ができるように議論を深めていただきたく思っています。使側からは以上です。

○岩村部会長 そのほかにありますか。よろしいですか。それでは、ないようですので、当部会としては、雇用保険法の一部を改正する法律案要綱について、おおむね妥当と認めることとしまして、その旨を職業安定分科会長宛てに報告したいと思います。それでよろしいですか。

                                     ( 了承 )

○岩村部会長 ありがとうございました。それでは、報告文 ( ) の配布をいただきたいと思います。よろしくお願いします。

                             ( 報告文 ( ) 配布 )

○岩村部会長 ただいまお手元に配布させていただいたとおりですが、この形で職業安定分科会に報告させていただくことでよろしいですか。

                                     ( 了承 )

○岩村部会長 ありがとうございました。それでは、雇用保険法の一部を改成する法律案要綱については、本日、この後開催されます職業安定分科会に報告をしたいと思います。

 次に、労働保険の保険料の徴収等に関する法律の規定に基づき雇用保険率を変更する告示案要綱に関して、御意見、御質問を頂きたいと思います。いかがですか。

○新谷委員 労働側として告示の要綱案についても妥当と受け止めています。そのうえで要望を何点か申し上げたいと思っています。これは毎回毎回申し上げていますが、財政に関する資料、収支状況をこの雇用保険部会で毎回お示しいただいており、毎回毎回、非常に固め固めの予算の策定がされています。前回もシミュレーションの内容が出ていまして、平成 26 年度予算案では、 1,400 億円強の赤字になるという見通しをお示しいただいたわけです。従来ですと、その赤字の予算に対して毎回締めてみると、予算より収支がプラスの結果になったというのがずっと続いていますので、そのギャップが非常に大きい状況になっています。

 その結果、積立金の残高が 6 兆円を超すか超さないかという非常に巨額な金額になっているわけで、財政当局との関係もありましょうし、また、雇用保険制度を適切に運用するという責任から、こういうシミュレーションをされているのだと思いますが、今回の改正に伴って巨額な支出項目が新たに追加をされるわけです。

 ですから、そういった意味では、今後の財政の検証についてはもう少し精度を上げて、固め固めもいいのですが、もう少し適切な検証をしておかないと、これは告示案にありますように、保険料率に跳ね反ってくる問題でもありますので、適切なシミュレーションをお願いしたいと思います。

 以上の要望を申し上げて、この告示案については了承申し上げたいと思っています。以上です。

○岩村部会長 ほかにいかがでしょうか。特にないようですので、当部会としては、労働保険の保険料徴収等に関する法律の規定に基づき、雇用保険率を変更する告示案要綱について妥当と認めることにしまして、その旨を職業安定分科会長宛てに報告したいと思います。それでよろしいでしょうか。

                            (了承)

○岩村部会長 ありがとうございます。それでは、報告文(案)の配布をお願いいたします。

                       (報告文(案)配布)

○岩村部会長 ただ今、お手元に配布させていただいたとおりですが、このような形で職業安定分科会に報告させていただくことにしたいと思います。それでよろしいでしょうか。

                            (了承)

○岩村部会長 ありがとうございます。それでは、こちらについても、本日このあと開催されます職業安定分科会に報告したいと存じます。

 最後に事務局から何かありますか。

○岡崎局長 雇用保険法及びその徴収等に基づく告示ですが、熱心に御議論いただきまして、御了承いただくということです。部会長からありましたように、これから開かれます職業安定分科会のほうに報告して、御了承いただいたうえで、法律案については速かに国会に提出していきたいと思っています。

4 1 日からの施行分もありますので、私どもとしてはできるだけ速かに国会で御審議をいただきたいと思っていますし、先ほど来、労使の皆さんからもありましたように、法律で定めた以外の部分が相当部分あります。これらについても 4 1 日を目指して審議会、部会で御議論いただいて、しっかりと昨年末にまとめていきました部会報告に沿った形で 4 月から施行できるように努力していきたいと思っています。

 また、御指摘いただきましたように、職業能力分科会の所管の部分があります。これについては、分科会の運営にかかることでもありますが、担当の能開局のほうにも、今日いただきました御意見を伝えて、そちらのほうの議論もしっかりと間に合うように進めていくように私のほうからも対応していきたいと思っています。

 いずれにしても、この雇用保険法の改正について、これまでの御理解と今後の御協力をお願いして、一言御挨拶とさせていただきました。ありがとうございました。

○岩村部会長 ありがとうございました。以上をもちまして本日の議事は終了です。

 署名委員は、雇用主代表については青山委員、労働者代表については古川委員にそれぞれお願いいたします。

 委員の皆様方におかれては、今日、朝早くからお忙しい中お集まりいただき、どうもありがとうございました。

 次回の日程については、事務局において改めて各委員に御連絡をお願いいたします。今日は、これで閉会とします。ありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省職業安定局雇用保険課企画係
(TEL)03-5253-1111(内線5763)

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