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2013年11月18日 薬事・食品衛生審議会 医薬品第二部会 議事録

○日時

平成25年11月18日(月)13:00〜


○場所

厚生労働省専用第23会議室


○出席者

出席委員(13名) 五十音順

○新 井 洋 由、 奥 田 真 弘、 川 崎 ナ ナ、 清 田     浩、
  佐 藤 俊 哉、 関 水 和 久、 田 島 優 子、 田 村 友 秀、
  豊 見 雅 文、 中 島 恵 美、 半 田    誠、 福 山    哲、
◎吉 田 茂 昭
(注)◎部会長 ○部会長代理

欠席委員(8名)

庵 原 俊 昭、 大槻 マミ太郎、 菊 池   嘉、 鈴 木 邦 彦、
濱 口    功、 前 崎 繁 文、 増 井   徹、 山 本 一 彦

行政機関出席者

成 田 昌 稔 (大臣官房審議官)
佐 藤 岳 幸 (審査管理課長)
森 口    裕 (安全対策課長)
矢 守 隆 夫 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構審査センター長)
山 本 弘 史 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全管理監)
山 田 雅 信 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構審議役)
中 野    惠 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構審議役)

○議事

○審査管理課長 定刻になりましたので、ただ今より「薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会」を開催させていただきます。本日はお忙しい中、御参集いただきましてありがとうございます。

 本日の委員の出席状況ですが、庵原委員、大槻委員、菊池委員、鈴木委員、濱口委員、前崎委員、増井委員、山本委員より御欠席との御連絡をいただいております。また、清田委員と関水委員より遅れて御到着との御連絡をいただいております。現在のところ、当部会委員数21名のうち11名の先生の御出席をいただいていますので、定足数に達しておりますことを御報告申し上げます。

 それでは吉田部会長、以後の進行をよろしくお願いいたします。

○吉田部会長 本日の審議に入ります。まず、事務局から配布資料の確認と、審議事項に関する競合品目・競合企業リストについての報告をお願いいたします。

○事務局 それでは、資料の確認をさせていただきます。本日、席上に議事次第、座席表、当部会委員の名簿を配布しております。議事次第に記載されている資料1〜15をあらかじめお送りしています。このほか資料16「審議品目の薬事分科会における取扱い等の案」、資料17「専門委員リスト」、資料18「競合品目・競合企業リスト」を配布しています。また、当日配布資料として、資料19「佐藤委員からの御質問」を配布しています。また、資料13「審査報告書」に差し替えがありましたので、資料13-1〜資料13-6まで、修正部分の抜粋を配布しています。また、資料番号を付しておりませんが、川崎委員からの御質問の一枚紙をお配りしています。

 続きまして、本日の審議事項に関する競合品目・競合企業リストについて御報告します。各品目の競合品目選定理由については次のとおりです。

 資料18の1ページ、「アレグラドライシロップ5%」です。本品目は「アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、皮膚疾患に伴うそう痒」を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。

 2ページ、「イナビル吸入粉末剤20mg」です。本品目は「A型又はB型インフルエンザウイルス感染症の予防」を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。

 3ページ、「ジオトリフ錠20mg、ジオトリフ錠30mg、ジオトリフ錠40mg、ジオトリフ錠50mg」です。本品目は「EGFR遺伝子変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺癌」を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。

 4ページ、「シダトレンスギ花粉舌下液2,000JAU/mLボトル、シダトレンスギ花粉舌下液200JAU/mLボトル、シダトレンスギ花粉舌下液2,000JAU/mLパック」です。本品目は「スギ花粉症減感作療法」を効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤はないことから競合品目は、なしとしております。

 5ページ、「ノボエイト静注用250、同500、同1000、同1500、同2000、同3000」です。本品目は「血液凝固第VIII因子欠乏患者における出血傾向の抑制」を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。

 6ページ、「メロペン点滴用バイアル0.25g、メロペン点滴用バイアル0.5g、メロペン点滴用キット0.5g」です。本品目は「化膿性髄膜炎」の効能・効果に係る用法・用量の変更の申請であり、同様の効能・効果を有する薬剤として資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。

 7ページ、「ザイザルシロップ0.05%」です。本品目は「アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、湿疹、皮膚炎、痒疹、皮膚そう痒症」を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。

 8ページ、「アドセトリス点滴静注用50mg」です。本品目は「再発又は難治性のCD30陽性のホジキンリンパ腫及び未分化大細胞リンパ腫」を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。

 9ページ、「バンデタニブ」です。本品目は「甲状腺癌」を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。

10ページ、「MEK162」です。本品目は「NRAS又はBRAF V600 遺伝子変異陽性の悪性黒色腫」を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。

11ページ、「LGX818」です。本品目は「BRAF V600 遺伝子変異陽性の悪性黒色腫」を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。

12ページ、「ボスチニブ水和物」です。本品目は「前治療薬に抵抗性又は不耐容の慢性骨髄性白血病」を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。

13ページ、「ヒトC1インヒビター」です。本品目は「ヒトC1インヒビター欠損症患者における血管性浮腫発作の長期予防及び発作の治療」を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。説明は以上です。

○吉田部会長 ありがとうございました。今の事務局からの説明に特段の御意見等はございますか。

 ないようですので、本部会の審議事項に関する競合品目・競合企業リストにつきましては皆さんの了解を得たものといたします。それでは、委員からの申出状況について報告をお願いします。

○事務局 各委員からの申出状況については次のとおりです。

 議題1「アレグラドライシロップ」、退室委員はなし、議決に参加しない委員は奥田委員です。

 議題2「イナビル吸入粉末剤」、退室委員は関水委員、議決に参加しない委員は清田委員、田村委員です。

 議題3「ジオトリフ錠」、退室委員は田村委員、議決に参加しない委員は清田委員、です。

 議題4「シダトレンスギ花粉舌下液」、退室委員はなし、議決に参加しない委員は奥田委員です。

 議題5「ノボエイト静注用」、退室委員はなし、議決には参加しない委員はなしです。 

 議題6「メロペン点滴用」、退室委員は奥田委員、関水委員、議決には参加しない委員は清田委員、田村委員です。

 議題7「ザイザルシロップ」、退室委員は関水委員、議決に参加しない委員は奥田委員、清田委員です。

 議題8「アドセトリス点滴静注用」、退室委員は関水委員、議決に参加しない委員は清田委員です。

 議題9「バンデタニブ」、退室委員は田村委員、議決に参加しない委員は清田委員です。

 議題10MEK162」、退室委員は関水委員、議決に参加しない委員は奥田委員、清田委員です。

 議題11LGX818」、退室委員は関水委員、議決に参加しない委員は奥田委員、清田委員です。

 議題12「ボスチニブ水和物」、退室委員は田村委員、議決に参加しない委員は奥田委員、清田委員です。

 議題13「ヒトC1インヒビター」、退室委員はなし、議決に参加しない委員もなしです。以上です。

○吉田部会長 本日は審議事項が13題、報告事項が2題となっています。今お聞きのように、各委員からの申出状況がかなり錯綜しておりますので、それを踏まえ、議事の進行を議題8、2、6、7、1011、1、3、4、5、9、1213の順で進めていきたいと思います。なお、利益相反の申出に基づき、関水委員におかれましては議題8〜議題11まで事前に別室での待機をお願いしています。

 それでは、審議事項議題8に移ります。審議事項8につきまして、医薬品医療機器総合機構からの概要説明をお願いします。

○機構 審議事項議題8、資料8「医薬品アドセトリス点滴静注用50mgの生物由来製品及び特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否、再審査期間の指定並びに毒薬又は劇薬の指定の要否について」、医薬品医療機器総合機構より御説明いたします。

 本剤の有効成分であるブレンツキシマブベドチン(遺伝子組換え)はCD30を標的とするキメラ型モノクローナル抗体と、チューブリン重合阻害作用を有するモノメチルアウリスタチン(以下、MMAEと略す)が、プロテアーゼにより開裂するリンカーを介して共有結合している抗体薬物複合体です。本剤は、腫瘍細胞の膜上に発現するCD30と結合し、細胞内に取り込まれた後に、プロテアーゼにより分解され、遊離したMMAEが細胞周期の停止及びアポトーシスを誘導することにより、腫瘍の増殖を抑制すると考えられております。

 今般、本剤は、ホジキンリンパ腫及び未分化大細胞リンパ腫(以下、それぞれHL及びALCLと略す)に対して効果を示す薬剤として承認申請されました。なお、本剤は平成24年2月に開催されました当医薬品第二部会での審議結果を踏まえて、希少疾病用医薬品に指定されております。本剤は審査報告書6ページに記載しておりますように、平成25年8月時点においてHL及び全身性のALCLに関する適応にて、五つの国又は地域で承認されております。

 本品目の専門協議に御参加いただいた専門委員は、資料17にございますとおり9名の委員です。

 以下、本剤の承認審査の概要を説明いたします。今般の承認申請では、主な臨床試験成績として、本邦で実施された一つの第I/II相試験成績、及び海外で実施された二つの第II相試験成績が提出されました。

 有効性については、審査報告書53ページ下から7行目以降にお示ししますように、再発又は難治性のCD30陽性のHL患者及び全身性のALCL患者を対象に本剤の有効性及び安全性を検討した国内第I/II相試験成績、及び海外第II相試験における、中央判定による奏効率の結果から、当該患者に対する本剤の一定の有効性は示されたと判断いたしました。

 安全性については、本剤の使用において注意すべき有害事象としては、審査報告書85ページ上から22行目以降に示しますように、infusion reaction、末梢性ニューロパチー、骨髄抑制、感染症、進行性多巣性白質脳症、腫瘍崩壊症候群、Stevens-Johnson症候群、肺障害、急性膵炎及び肝機能障害が認められております。これらの有害事象については、造血器腫瘍に対する化学療法に十分な知識と経験を有する医師による慎重な観察と、適切な処置により、忍容が可能と判断いたしました。ただし、日本人における検討症例は限られており、審査報告書89ページ下から2行目以降にお示ししますように、製造販売後には、本剤を使用した全例を対象として目標症例数140例、観察期間を投与開始から16サイクルとする調査の実施が必要であると判断し、申請者に指示しております。

 以上のような審査の結果、機構は、「再発又は難治性のCD30陽性の下記疾患:ホジキンリンパ腫、未分化大細胞リンパ腫」を効能・効果として、本剤を承認することは可能と判断いたしました。本剤は希少疾病用医薬品に指定された新有効成分含有医薬品であることから、再審査期間を10年とすることが適当であると判断しました。また、原体及び製剤はいずれも劇薬に該当し、本剤は生物由来製品に該当すると判断いたしました。本剤の製造販売承認の可否等について、御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○吉田部会長 ありがとうございました。委員の先生方からの御質問、御意見をお願いします。

 特によろしいでしょうか。昨年の3月に希少疾病用医薬品に指定していることもありますし、特段のことがなければ、よろしいですか。

 御意見がないようですので、議決に入ります。なお、清田委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくことといたします。本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。

 ご異議がないようですので承認を可とし、薬事分科会に報告とさせていただきます。

 議題2に移ります。議題2について、医薬品医療機器総合機構から概要説明をお願いします。

○機構 審議事項議題2、資料2「医薬品イナビル吸入粉末剤20mgの製造販売承認事項一部変更承認の可否及び再審査期間の指定について」、医薬品医療機器総合機構より御説明いたします。

 本剤の有効成分である、ラニナミビルオクタン酸エステル水和物は、活性代謝物へと代謝され、A型又はB型インフルエンザウイルスのノイラミニダーゼを阻害することにより、インフルエンザウイルスの増殖を抑制します。本剤はA型又はB型インフルエンザウイルス感染症患者を対象とした臨床試験成績に基づき、2010年9月、「A型又はB型インフルエンザウイルス感染症の治療」を効能・効果として承認されています。今般、本剤の「A型又はB型インフルエンザウイルス感染症の予防」に対する有効性及び安全性が示されたとして、製造販売承認事項一部変更承認申請が行われました。なお、本剤は2013年7月時点で、海外では承認されておりません。

 本申請の専門委員としては、資料17に記載されております5名の委員を指名しました。

 審査内容について、臨床試験成績を中心に説明させていただきます。本開発では、A型又はB型インフルエンザウイルス感染症患者と同居する家族又は共同生活者を対象に、インフルエンザウイルス感染症の予防に対する本剤の有効性及び安全性を検討することを目的として、プラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験が2試験実施されました。

 審査報告書9ページ表8を御覧ください。2009年〜2010年にかけて実施されたJ306試験では、本剤20mg40mg又はプラセボを投与開始1及び8日目の計2回吸入投与することとされました。有効性の主要評価項目である臨床的インフルエンザウイルス感染症の発症割合は、本剤20mg群で4.8%、本剤40mg群で4.9%及びプラセボ群で8.6%であり、プラセボ群と比較して本剤20mg群、40mg群のいずれも統計学的に有意な差は認められず、プラセボに対する本剤20mg又は40mgの週1回計2回投与の優越性は検証されませんでした。

J306試験で優越性が検証されなかった理由として、初発患者からのウイルス排出量が発症後数日間に多いことが、これまでの本剤の開発や公表文献において明らかになっていることから、初発患者と接触後の数日間がインフルエンザウイルスの感染に重要な期間であると考察されました。そこで、投与開始初期に標的組織中薬物濃度を維持させることで本剤の予防効果は期待できると考えられたこと、J306試験において、本剤20及び40mgの臨床的インフルエンザウイルス感染症の発症割合が同程度であり、投与量の増加は必ずしも予防効果の改善には寄与しないと考えられたことから、本剤20mgを連日吸入投与とした際のインフルエンザウイルス感染症の予防効果が検討されました。

 審査報告書11ページ表10を御覧ください。2011年〜2012年にかけて実施されたJ307試験では、本剤20mg又はプラセボを1日1回3日間吸入投与することとされました。各投与群における投与方法は、本剤20mg2回投与群では1及び2日目に本剤、3日目にプラセボを、本剤20mg3回投与群では、本剤を3日間、プラセボ群ではプラセボを3日間吸入投与しています。有効性の主要評価項目である臨床的インフルエンザ感染症の発症割合は、本剤20mg2回投与群で3.9%、本剤20mg3回投与群で3.7%及びプラセボ群で16.9%であり、いずれの本剤投与群においても、プラセボ群と比較して統計学的に有意な差が認められ、プラセボに対する本剤20mg連日2回及び3回投与の優越性が検証されました。

 審査報告書14ページ表12を御覧ください。J306試験では本剤の有効性が示されなかったことから、J307試験を実施するに際して用法・用量以外にも試験デザインの変更が認められています。これらの変更点については、J306試験において本剤のインフルエンザウイルス感染症の予防効果が検証されなかったことを踏まえたものと判断し、J307試験において本剤の有効性が示されたことから、A型又はB型インフルエンザウイルス感染症の予防における本剤の有効性は期待できると判断いたしました。なお、J307試験では10歳未満の小児における本剤の有効性及び安全性は検討されていませんが、10歳未満の小児においてもインフルエンザウイルス感染症のハイリスク者が存在すると考えられることから、10歳未満の小児に対する開発を早急に開始することで申請者と合意に至っております。

 次に安全性についてですが、審査報告書20ページ表16を御覧ください。J306試験及びJ307試験における有害事象の発現率は、本剤群全体で13.4%及びプラセボ群で12.5%でした。また、上気道の炎症及び頭痛は、プラセボ群と比較して本剤群全体で発現率が高い傾向が認められましたが、本剤各投与群での発現割合に一定の傾向は認められておらず、多くの事象が軽度〜中等度であることから、本剤の安全性に大きな問題はないと判断いたしました。なお、実施された臨床試験では、本剤の投与対象となるハイリスク集団に投与された情報が限られていることから、製造販売後調査において、ハイリスク者における安全性及び有効性についても情報を収集することとしております。

 以上の審査を踏まえ、本剤20mgの連日2回投与を用法・用量とし、「A型又はB型インフルエンザウイルス感染症の予防」の効能を承認して差し支えないとの結論に達し、本医薬品第二部会で御審議いただくことが適当と判断いたしました。本申請は新効能及び新用量医薬品としての申請であり、追加される効能・効果及び用法・用量に対する再審査期間は、インフルエンザウイルス感染症の治療の効能・効果における残余期間である平成30年9月9日までとすることが適切と判断しております。なお、薬事分科会には報告を予定しております。

 また、佐藤委員から事前に御意見をいただいておりますので、回答させていただきます。J306試験とJ307試験の結果について、J306試験では1週間隔2回投与で本剤20mg40mgともにプラセボ群よりも発症割合は低かったものの、統計的に有意な結果ではなく、J307試験では本剤20mg2回投与群、3回投与群ともにプラセボ群に比べ10%以上発症割合が低く、統計的にも有意な結果となっています。J306試験、J307試験ではサンプルサイズ、投与間隔、対象集団の違いはあるものの、J306試験のFASの結果とJ307試験のITT、FASの結果の本剤群の発症割合はいずれも5%程度と変化はなく、大きく変わっているのはプラセボ群の発症割合がJ306試験では8.6%、J307試験では約20%と、J307試験で2倍以上高かったことです。本剤群では用法・用量に関わらずほぼ一定の発症割合となっているのに、なぜプラセボ群では両試験で2倍以上も発症割合が異なるのかについて十分な理由がなければ、J307試験1試験のみの結果から本剤の有効性を論じるのは難しいのではないかと思います、との御意見でございます。

 頂いた御意見について確認させていただいたところ、J306試験を実施した2009年〜2010年では、流行したインフルエンザウイルスは新型インフルエンザウイルスと呼ばれていたA型H1N1株であり、当該ウイルス株の特徴が二つの試験間でのプラセボ群の発症割合が2倍以上異なったことに大きく関与していたと考えております。本ウイルス株の特徴として、親世代の発症は少ない一方、10歳代の発症は多いことが文献等により報告されております。また、J306試験のプラセボ群における年齢別の発症割合は、10歳代で13.8(29例中4例)であったのに対し、30歳〜39歳で5.5(73例中4例)40歳以上で0%(45例中0例)と親世代では発症率が低い傾向が認められました。J306試験では、親世代である30歳以上の組み入れが全体の約7割を占めており、親世代での発症率が低かったことにより、プラセボ群での発症割合が、J307試験と大きく異なったものと考えております。

 以上、御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○吉田部会長 ありがとうございました。佐藤先生、いかがですか。

○佐藤委員 やはり、プラセボ群の反応が大分違うのが気になりました。今の御説明でウイルス株の違いだということで、それはよく分かりました。

 ただ、そうだとすると、J307試験の方は投与方法も2日連続にしていますね。そうすると、本当に1週間隔2回と、2日連続と、どちらが良いのかということに関しては、J307試験の結果だけから2日連続にして承認可となっていますけれども、本当にそれでいいのでしょうか。

○機構 用法・用量につきましては、申請者の方とも議論いたしました。週1回計2回吸入投与というのも、実は有効なのではないかという議論をしておりまして、その点につきましては、申請者も今後開発をするということで、合意に至っております。

○佐藤委員 ありがとうございます。

○吉田部会長 確かに適応を予防にしているので、そうするとウイルス株によっては、予防効果が明確でない場合もあり得るのですね。その辺がどのぐらい許されるのかということになるのでしょうが、かなりの信頼性があるので認めようという方向なのだろうとは思います。しかし、外れることもあり得ると。そういうことは織り込み済みで、ウイルス株によって明確でない場合もあり得るというのは許されることなのか、それともそれはあってはいけないことなのかとなると、ある程度仕方のないことだと解釈するものなのでしょうか。

○機構 専門協議の際、専門委員から今回のB型に対する成績に関して、少し効果が弱いのではないかというコメントをいただいておりました。ただ、B型に対しては、今回の開発では症例数が十分ではなかったことから、このような結果になったことも理由の一つとして考えられるということでした。また、in vitroの結果にはなるのですが、B型のウイルス株に対しても効果を示しており、作用機序であるノイラミニダーゼ阻害によって、A型とB型に対して有効性は期待できるだろうというところで、効能・効果から外すことまでは必要ないという点で、専門委員からも了解をいただいているところでございます。

○吉田部会長 その辺のB型を含めた疑問点に関しては、製販後の調査でやろうということで一応解決したいということですね。

○機構 はい。製造販売後の調査で、検討させていただこうと考えております。

○吉田部会長 そこをしっかりやっていただくしかないと思います、よろしくお願いします。ほかの委員の先生方から御質問、御意見はございますか。

○清田委員 現実的に患者が予防を希望されてくる時、病名というのはどういう病名になるのでしょうか。レセプトに挙げる病名のイメージが湧かないです。それから、ワクチンを投与されている方はどのような扱いをされるのか、ワクチンを打った期間との関係は細かく規定があるのか教えてください。

○機構 1点目の御質問ですが、類薬では、インフルエンザの予防に関しては、保険の適用にはなっておりません。2点目のワクチンを打ってからの期間の点は、特に規定はございません。発症することでハイリスクになるであろうと思われる患者に対しては、処方ができるものと考えております。

○清田委員 それは了解しました。ワクチンを打った時期についての話は、なくなるわけですね。全然関係なく処方できるという感じの理解ですね。

○機構 はい。

○清田委員 ありがとうございます。

○吉田部会長 そうすると、ワクチンも打って、予防薬も飲むということですか。

○機構 はい。投与可能と考えています。

○吉田部会長 その先、保険局がどうするか知らないので、今は分からない話ということになりますが。ほかにございますか。

 よろしいでしょうか。これは海外未承認になっているのですが、海外での申請の動きみたいなものは分かりますか。

○機構 今年現在の情報では、米国で第II相試験を開始したという情報がございます。

○吉田部会長 それは予防でということですか、治療ですか。

○機構 そこまで細かいことは確認しておりません。

○吉田部会長 分かりました。よろしいでしょうか。

 それでは、御意見もないようですので、議決に入ります。なお清田委員、田村委員におかれましては利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくことといたします。本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。

 御異議がないようですので、承認を可とし、薬事分科会に報告とさせていただきます。

 議題6に移ります。奥田委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議題6の審議の間、別室で御待機いただくことといたします。

── 奥田委員退室 ──

○吉田部会長 それでは、議題6について、医薬品医療機器総合機構からの概要説明をお願いします。

○機構 審議事項議題6、資料6「医薬品メロペン点滴用バイアル0.25g、同点滴用バイアル0.5g及び同点滴用キット0.5gの製造販売承認事項一部変更承認の可否及び再審査期間の指定について」、医薬品医療機器総合機構より御説明いたします。

 本剤の有効成分であるメロペネム水和物は、カルバペネム系抗菌薬であり、細菌の細胞壁合成酵素であるペニシリン結合タンパクに作用することで抗菌活性を示します。本剤は1995年6月に各種適応菌種及び適応症を効能・効果として承認を取得した後、2004年4月に小児の用法・用量、化膿性髄膜炎及び髄膜炎菌の効能追加、2010年1月に発熱性好中球減少症の効能追加及び2011年3月に一般感染症の重症・難治性感染症における上限用量の変更に係る承認を取得しております。今回申請された化膿性髄膜炎に対して、海外では1日6gが推奨用量とされています。一方、本邦では、2011年3月に化膿性髄膜炎を含む一般感染症の重症・難治性感染症に対し1日3gが承認されていますが、国内外における承認用量の差異や、本邦においても1日6gの投与が必要と判断されていることを踏まえ、申請者は、日本人健康成人男性を対象とした第I相試験、及び成人の化膿性髄膜炎患者を対象とした第III相試験を実施し、化膿性髄膜炎に対し本剤1日6g投与の有効性及び安全性が確認されたことから、今般、製造販売承認事項一部変更承認申請を行いました。なお、本剤は2013年9月現在、米国、EU等、100以上の国又は地域で承認されています。

 本申請の専門委員としては、資料17に記載されている3名の委員を指名しました。

 審査内容について、臨床試験成績を中心に説明いたします。審査報告書27ページ表16です。成人化膿性髄膜炎患者を対象に、本剤2gを1日3回投与した国内第III相試験及び海外第III相試験における投与終了又は中止時及び事後観察時の臨床効果並びに細菌学的効果を示しています。いずれの試験においても投与終了時の臨床効果は全例で「有効」であり、国内第III相試験の事後観察時の臨床効果は全例で「治癒又は改善」と判定されました。また、いずれの試験においても投与終了時の細菌学的効果は、全例で「消失」と判定されました。

 審査報告書13ページ表8を御覧ください。本剤1日6g投与は、薬力学的効果の指標とされている%T>MICを1日3g投与よりも増大させ、化膿性髄膜炎の原因菌のMIC範囲において%T>MIC達成確率が上昇することを確認しました。以上より、化膿性髄膜炎に対する本剤1日6g投与の有効性は示されたと判断しました。

 安全性については、審査報告書30ページ表18です。本剤1日6gが投与された国内外臨床試験における有害事象及び副作用のうち、国内第III相試験では、肝機能異常が4例に認められていますが、当該試験で認められた事象の重症度は軽度から中等度であり、無処置又は対症療法により本剤の投与を中止することなく回復していること、現在の添付文書においても、肝機能検査の実施等に関する注意喚起が行われていること等から、特に新たな注意喚起を行う必要性は高くないと判断しました。

 また、製造販売後には、肝機能障害の発現状況に加え、日本人健康成人を対象に実施した第I相試験で発現の認められた消化器症状、及び化膿性髄膜炎の経過中又は治療によって発現する可能性のある神経学的症状の発現状況について、引き続き情報収集する必要があると考えております。

 以上の審査を踏まえ、本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、本医薬品第二部会で御審議いただくことが適当と判断いたしました。本申請は、新用量医薬品としての申請であり、今回追加される化膿性髄膜炎に対する1日6gの用法・用量に対する再審査期間は4年とすることが適切と判断しております。なお、薬事分科会には報告を予定しております。

 以上、御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○吉田部会長 ありがとうございました。委員の先生方からの御質問、御意見をお願いいたします。

 よろしいでしょうか。肝機能ですが、5例中4例に異常があった、その中身についてなのですが、程度については先ほど中程度と言ったのですか。

○機構 軽度から中等度ということです。

○吉田部会長 軽度から中等度というのは、どのぐらいの障害なのでしょうか。

○機構 例えばですが、AST値として、100IU/L、ALT値として、200IU/Lが最高に上がっている症例です。

○吉田部会長 ビリルビンやγ-GTPとか調べていませんか。伺いたいのは、これが薬剤性肝障害という形で認定されるような肝障害だったのか、何か偶然にインシデンタルなものを考えさせるものなのか、因果関係についてどういう判断をしたのかを、聞きたいのです。

○機構 認められた事象ですが、実際には処置は特に行わずに、回復等が認められていることから、特に大きな問題はないと思います。

○吉田部会長 では、薬を使っているうちに消えたということですか。

○機構 はい。

○吉田部会長 そうすると、薬剤性肝障害ではないですね。

○機構 約14日間投与されていますが、その間には回復してきているという状況でした。

○吉田部会長 海外が0例で日本は4例で、これは何か日本人の肝臓で代謝し切れないものがあるのかと思ったのですが。そうすると、特段の心配をしなくてもよさそうですね。分かりました。ほかにありますか。

○清田委員 いきなり6gというのが出てきて驚いているのですが、こういったカルバペネムなどの場合は、AUCだとかではなくて、%T>MICの長さが有効性を規定するということなので、1gの4回投与とか、そちらの方にいくべき薬かと前から思っていたのです。というのは、3gを承認されて、結構3gを歯止めなく使われていて、6gを化膿性髄膜炎で認可すると、6gを歯止めなく、なし崩し的に6gでいく人が増えるのではないかと私自身は思っているのですが、その辺の心配を国としてはしていないのですか。結局、メロペネムの感受性が落ちていくというような危惧があるのですが、この辺はどうなのでしょうか。

○機構 今回、6gの必要性が高いと冒頭で説明させていただきましたが、化膿性髄膜炎の炎症が起こっている時期に、髄液中に薬剤を早期に到達させるために、複数回投与よりは1回目に多く、早期に多めに投与する必要があると考えられること、また、今回の1回2gの3回投与が、海外のガイドライン等でも推奨されていることを踏まえて、適当ではないかと考えています。

○清田委員 先ほどの御説明を伺って、それは理解しています。ですが、漠然とした質問で恐縮なのですが、最近、割と歯止めなく増えていくのです。国としては、耐性菌を適正使用と言いまして、何が適正かというのは、少し分からないのですが、耐性菌の蔓延を予防する意味で、なるべく必要最小限の使用が好ましいのではないかと思います。例えば、期間の制限とか、そういうのはここにはあるのでしょうか。効かなくても、歯止めなく2週間、3週間といってしまう可能性が大いにあるのですよ。ですから、その辺の何か縛りがあって然るべきではないかと、感染症をやっている立場としては思っています。そういった考え方というのは示した方がいいのではないかと思いますが、いかがでしょう。

○機構 本剤については、当然、先生御指摘のとおりで、化膿性髄膜炎以外の一般感染症というのは、6gは考えておりませんので、まずは、化膿性髄膜炎に限ってということで6gの必要性を認めさせていただいております。

○吉田部会長 よろしいですか。話が若干違うような気がしますが。

○清田委員 質問の論点がずれて本当に恐縮しているのですが、化膿性髄膜炎という病名が付いた場合、効きもしないのに、継続的に投与されるケースが出てくるのです。ですから、そこに関する歯止めを将来的に考えておいた方がいいのではないかという質問です。

○機構 おっしゃるとおり、耐性菌を増やさないということは重要だと考えております。資料1.8の添付文書に、適正使用のための注意喚起として、2ページ「使用上の注意」の、「2.重要な基本的注意」の項があって、()()()の細かいところですが、継続投与の可否等に関して注意喚起をさせていただいています。あと、用法・用量にも冒頭に、「本剤の使用に際しては、投与開始後3日を目安としてさらに継続投与が必要か判定し、」というような注意喚起もなされているところです。おっしゃるとおり、長期投与をすることによる耐性化ということは懸念されるところですが、現時点でできる注意喚起はされているかと考えています。

○清田委員 そうなることを期待しています。

○機構 はい。

○清田委員 ただ、MDRPの教訓があるので、もう後がないですね。ですから、とても恐ろしい世の中がくるのではないかと、とても心配です。

○機構 申請者に対しても、その適正使用の推進というところは指示させていただこうと思います。

○吉田部会長 5日間反復点滴投与して、効かなければ効かないという判断をしなさいということでもいいのではないかという気がします。ところで、適正使用の範疇も我々の仕事なのでしょうか。ガイドラインを作ってください、というような話は感染症学会とか、部会事務局にお願いするものでしょうか。また、どういう根拠で増量してトライアルを始めるのかという質問も裏を返せば、無制限にこれをやっていていいのかということにもなりますが。

○審査管理課長 審査管理課からお答えします。一応一義的には、企業に、本日先生方から御指摘いただいた点は、添付文書にも書かれておりますので、そこの徹底をいたします。実際に、場合によっては学会の協力を企業からさせたいと思います。それでも不十分な場合は、今、先生が御指摘のように、学会にもっと積極的に私どもも働き掛けていきたいと、その2段階で、もしよろしければやらせていただきたいと思います。

○清田委員 支払い側の方からストップがかかると思います。ですから、それはそれで歯止めの利く働きがあるのではないかと理解はしていますが、ただ、だらだらと使う人が多くなることは確かです。これも御理解いただいて、承認されたらいいと思います。

○吉田部会長 分かりました。ほかにございますか。

 よろしいですか。御意見がないようですので、議決に入ります。なお、清田委員、田村委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくことといたします。お諮りします。本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。

 御異議がないようですので、承認を可とし、薬事分科会に報告とさせていただきます。 では、別室で待機されている奥田委員をお呼びください。

── 奥田委員入室 ──

○吉田部会長 それでは議題7について、医薬品医療機器総合機構から概要説明をお願いします。

○機構 審議事項議題7、資料7「医薬品ザイザルシロップ0.05%の生物由来製品及び特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否、再審査期間の指定並びに毒薬又は劇薬の指定の要否について」、医薬品医療機器総合機構より御説明いたします。

 本剤は、抗ヒスタミン薬であるレボセチリジン塩酸塩を有効成分とするシロップ剤です。本邦において、本薬の錠剤(ザイザル錠5mg、以下、「レボセチリジン錠5mg)がアレルギー性鼻炎、蕁麻疹、皮膚疾患等を効能・効果として、成人に対して1回5mgを1日1回、7歳以上の小児に対して1回2.5mgを1日2回の用法・用量で承認されています。本剤は、乳幼児を含む7歳未満の小児に対して適用可能な剤形として、また、7歳以上15歳未満の小児に対して、レボセチリジン錠5mgを適用する場合には半割する必要があることから、当該年齢の小児に対しても、より適用し易い剤形として開発が行われました。海外において、本薬の錠剤は100以上の国で承認されており、本剤は、このうち30か国以上で小児を含む適応で承認されています。

 本申請の専門委員としては、資料17に記載されている5名の委員を指名いたしました。

 主な審査内容について、臨床試験成績を中心に簡単に説明いたします。審査報告書6ページ上段、「()2歳以上7歳未満の小児における用法・用量の設定根拠について」の項を御覧ください。本薬は、既承認の抗ヒスタミン薬でラセミ体であるセチリジン塩酸塩(以下、「セチリジン」)の光学異性体(R-エナンチオマー)であり、レボセチリジン錠5mgの申請時には、セチリジンのヒスタミンH受容体拮抗作用に基づく臨床効果の大部分はレボセチリジンに依存していることが示されたこと、臨床薬理試験において、レボセチリジン錠5mgとセチリジン錠10mg間でレボセチリジンの薬物動態が生物学的同等性の基準を満たしていたことに基づき、セチリジン錠10mgの国内臨床試験成績をレボセチリジン錠5mgに外挿することにより、レボセチリジン錠5mgはセチリジン錠10mgの半量の用量にて承認されています。本剤も同様のコンセプトにて開発が行われており、4ページ下段のとおり、日本人健康成人を対象とした臨床薬理試験(LOC116459試験)において、本剤5mgとセチリジンドライシロップ10mg製剤間でレボセチリジンの薬物動態が生物学的同等性の基準を満たしていました。したがって、2歳以上7歳未満の患児における本剤の用法・用量について、セチリジンの承認用量である2.5mg1日2回投与の半量の1.25mg1日2回投与とすることは妥当であると判断いたしました。

 また、有効性及び安全性についても、10ページ下段、「()2歳以上7歳未満の小児における有効性及び安全性について」の項に記載していますように、セチリジンの国内臨床試験成績及びこれまでに集積された製造販売後の安全性情報等に基づき担保可能と判断いたしました。

 次に、審査報告書6ページ中段、「()2歳未満の小児における用法・用量の設定根拠について」の項を御覧ください。セチリジンでは2歳未満の小児に対する用量は承認されていないことから、6か月以上2歳未満の患児を対象とした本剤の用法・用量は、「小児集団における医薬品の臨床試験に関するガイダンス」を参考に、成人及び7歳以上の年長患児と類似の血中濃度を示す用量において、年少患児においても同様の有効性が期待できるとの考え方に基づき、主に薬物動態の観点から設定されております。その結果、7ページの図1及び表2、8ページの表3に示しておりますように、6か月以上1歳未満の患児に本剤1回1.25mgを1日1回投与した場合及び1歳以上2歳未満の患児に本剤1回1.25mgを1日2回投与した場合に、成人又は7歳以上の患児に承認用量を投与した場合と同程度の血中濃度が得られることが示唆されています。次に、審査報告書9ページ下段、「1)アレルギー性鼻炎又は皮膚疾患に伴うそう痒を有する患児を対象とした臨床試験(LOC116455試験)」の項を御覧ください。主な臨床試験として、6か月以上2歳未満のアレルギー性鼻炎患児20例及び皮膚疾患に伴うそう痒を有する患児40例を対象に、6か月以上1歳未満の患児に対しては本剤1回1.25mgを1日1回、1歳以上2歳未満の患児に対しては本剤1回1.25mgを1日2回、2週間投与する非盲検非対照試験が実施されています。本試験における安全性の成績については、審査報告書11ページ上段、「1)安全性について」の項を御覧ください。12ページの表5及び13ページの表6に記載していますように、年少患児における本剤の安全性プロファイルは、国内のセチリジンドライシロップ製剤並びに海外のレボセチリジン製剤の安全性プロファイルと異なる傾向は認められませんでした。また、本試験において補足的に検討された有効性の成績についても、15ページ中段、「2)有効性について」の項に記載していますように、セチリジンの国内臨床試験成績と大きく異なる傾向は認められておりません。以上より、機構は、6か月以上1歳未満の患児に対する本剤1回1.25mg1日1回投与、並びに1歳以上2歳未満の患児に対する本剤1.25mg1日2回投与において、本剤の有効性は期待ができ、安全性についても許容可能と判断いたしました。

 次に、18ページ「()製造販売後調査等について」の項を御覧ください。製造販売後には表8に記載している使用成績調査が予定されており、使用実態下での安全性、特に年少小児では抗ヒスタミン薬の副作用としても知られている痙攣やてんかん等を発現しやすいため、本剤投与時のこれらの神経系事象の発現状況等について、更に検討する予定です。

 以上の審査を踏まえ、本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、本第二部会で御審議いただくことが適当と判断いたしました。本申請に係る再審査期間はザイザル錠の残余期間(平成301026日まで)、また、製剤は毒薬及び劇薬のいずれにも該当せず、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当しないと判断しています。

 なお、事前に川崎委員より御質問をいただいております。新添加剤マルチトール液の品質管理について、「本添加剤はデンプンを一部加水分解したもので、製剤1mL□□ mg添加されます。液中の□□□□□□%、マルチトール及びソルビトール含量はそれぞれ□□%及び□□%以下であり、この二つの糖に対する□□□□が設定されています。一方、安全性試験(遺伝毒性、がん原性)はマルチトール□□%の□□のものが使用されているようです。本添加剤は□□□□が高いと予想されますが、マルチトール及びソルビトール以外の分子種について、また、それらの安全性と管理の必要性又は管理方法を教えてください。」との御質問です。

 本品は欧州薬局方適合品であり、既に海外においても、使用実績があることから、不純物も含めた本剤の安全性については特段の問題はないと考えております。本品と同じ商品を用いた復帰突然変異試験、ラット2年間混水投与試験、多世代生殖・発生毒性試験、胚・胎児発生に関する試験が実施されており、これらの試験結果からも安全性は担保されていると考えております。なお、マルチトール、ソルビトール以外の分子種としては、□□□の含量が規格として設定され、管理されております。

 説明は以上になります。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○吉田部会長 ありがとうございました。川崎先生、いかがでしょうか。

○川崎委員 御説明ありがとうございました。了解いたしました。

○吉田部会長 ほかの先生方からの御質問、御意見をお願いいたします。

 既承認薬の小児への適応拡大ということで、薬理学的な同等性が問題になろうかと思いますが、どなたかコメントはありませんか。

 特段問題はないということでよろしいですね。それでは議決に入ります。なお、奥田委員、清田委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくことといたします。本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。

 御異議がないようですので、承認を可とし、薬事分科会に報告とさせていただきます。

 次の議題1011については、併用して使用される薬剤についてですので、併せて審議することといたします。議題10及び11について、事務局から概要説明をお願いします。

○事務局 審議事項議題10、資料10MEK162を希少疾病用医薬品として指定することの可否について」、審議事項議題11、資料11LGX818を希少疾病用医薬品として指定することの可否について」ですが、これら2剤の予定される効能・効果はいずれも悪性黒色腫で、併用して用いられることも予定されており、機構からの評価報告書もほぼ同様の内容となっておりますので、両剤を併せて資料10MEK162の評価報告書に沿って事務局より御説明いたします。

 申請者は、ノバルティスファーマ株式会社です。予定される効能・効果はMEK162が「NRAS又はBRAF V600 遺伝子変異を有する悪性黒色腫」、LGX818が「BRAF V600 遺伝子変異を有する悪性黒色腫」となります。希少疾病用医薬品の指定要件である対象患者数、医療上の必要性、開発の可能性の3点について、順に御説明いたします。

 まず、「対象患者数」です。本邦における悪性黒色腫の患者数は、日本皮膚悪性腫瘍学会が実施したアンケート調査では約1,000人です。厚生労働省による2011年の患者調査では約5,000人と報告されており、そのうちNRAS又はBRAF V600 遺伝子変異陽性の患者数は更に絞られることから、患者数が5万人未満という希少疾病用医薬品の指定基準を満たしているものと考えます。

 「医療上の必要性」についてです。悪性黒色腫は皮膚癌による死亡の約45%を占め、極めて予後不良な疾患です。悪性黒色腫に対する治療は、根治切除可能な場合には外科的切除等が行われますが、根治切除不能な場合には化学療法が行われます。本邦では、化学療法としてダカルバジン単剤投与が主に用いられておりますが、現時点で予後を有意に改善する薬剤は存在しないため、本剤の医療上の必要性は高いと考えています。

 「開発の可能性」についてです。NRAS遺伝子変異陽性の悪性黒色腫患者を対象に、MEK162単剤による国際共同第III相試験が実施されており、また、BRAF V600 遺伝子変異陽性の悪性黒色腫患者を対象に、LGX818の単剤投与とMEK162及びLGX818の併用投与による国際共同第III相試験が実施されていることから、本剤の開発の可能性は高いと考えております。

 以上から、本剤は希少疾病用医薬品の指定要件を満たすものと判断しております。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○吉田部会長 ありがとうございました。委員の先生方からの御質問、御意見をお願いします。

 頻度的にかなり少ない病気であり、悪性疾患で予後が悪い。開発の可能性もあるということですので、条件はすべてクリアしているように思いますが、いかがですか。

 特に御意見はないようですので、議決に入ります。なお、奥田委員、清田委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくことといたします。本議題について、指定を可としてよろしいでしょうか。

 御異議がないようですので、指定を可とし、薬事分科会に報告とさせていただきます。

 それでは別室で待機されている関水委員をお呼びください。

── 関水委員入室 ──

○吉田部会長 続きまして、議題1に入ります。医薬品医療機器総合機構から概要説明をお願いします。

○機構 審議事項議題1、資料1「医薬品アレグラドライシロップ5%の生物由来製品及び特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否、再審査期間の指定並びに毒薬又は劇薬の指定の要否について」、医薬品医療機器総合機構より御説明いたします。

 本剤は、抗ヒスタミン薬であるフェキソフェナジン塩酸塩を有効成分とするドライシロップ剤です。本邦において、本薬の錠剤(アレグラ錠30mg及び60mg)及び口腔内崩壊錠(アレグラOD錠60mg)が、アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、皮膚疾患に伴うそう痒を効能・効果として、成人及び12歳以上の小児に対して1回60mgを1日2回、7歳以上12歳未満の小児に対して1回30mgを1日2回の用法・用量で承認されています。本剤は、乳幼児を含む7歳未満の小児においても適用可能な剤形として開発が行われました。海外においては、本剤は開発されていませんが、小児に適用可能な製剤として経口懸濁液が承認されております。

 本申請の専門委員としては、資料17に記載されている4名の委員を指名いたしました。

 主な審査内容について、臨床試験成績を中心に簡単に説明いたします。審査報告書8ページ「審査の概略」の項です。6か月以上7歳未満の年少小児を対象とした本剤の用法・用量は、「小児集団における医薬品の臨床試験に関するガイダンス」を参考に、成人及び7歳以上の年長小児と類似の血中濃度を示す用量において、年少小児においても同様の有効性が期待できるとの考え方に基づき、主に薬物動態の観点から設定されております。その結果、10ページの表3に示しているように、6か月以上2歳未満の小児に本剤15mg、2歳以上7歳未満の小児に本剤30mgを投与した場合に、成人に承認用量である60mgを投与した場合と同程度の血中濃度が得られることが示唆されております。

 次に、主な臨床試験成績について説明いたします。11ページ「()通年性アレルギー性鼻炎患児を対象とした第III相試験(SFY10717試験)」の項を御覧ください。6か月以上12歳未満の通年性アレルギー性鼻炎患児109例を対象に、6か月以上2歳未満に対しては1回15mgを1日2回、2歳以上12歳未満に対しては1回30mgを1日2回、4週間投与する非盲検非対照試験が実施されております。また、アトピー性皮膚炎患児については、12ページ「()アトピー性皮膚炎患児を対象とした第III相試験(SFY10718試験)」の項に記載しているように、6か月以上12歳未満のアトピー性皮膚炎患児103例を対象に、SFY10717試験と同じ用法・用量、投与期間を設定した、非盲検非対照試験が実施されております。

 両試験における安全性の成績については、13ページ「()安全性について」の項を御覧ください。14ページの表6に示すように、本剤投与時の安全性プロファイルを既承認のアレグラ錠投与時の年長小児及び成人の安全性プロファイルと比較した結果、年齢層により異なる傾向は認められませんでした。また、両試験において補足的に検討された有効性の成績についても、15ページ最終行「()有効性について」の項に記載しているように、アレグラ錠の申請時に年長小児を対象として実施された二重盲検比較試験成績と比較して大きく異なる傾向は認められておりません。以上より、機構は、6か月以上2歳未満においては1回15mgの1日2回、2歳以上7歳未満においては1回30mgの1日2回投与により、本剤の有効性は期待でき、安全性についても許容可能と判断いたしました。

 次に、19ページ「()製造販売後調査等について」の項を御覧ください。製造販売後には表7に記載している使用成績調査が予定されており、使用実態下での安全性、特に年少小児では抗ヒスタミン薬の副作用としても知られている痙攣やてんかん等を発現しやすいため、本剤投与時のこれらの神経系事象の発現状況等について更に検討する予定です。

 以上の審査を踏まえ、本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、本部会で御審議いただくことが適当と判断いたしました。本申請に係る再審査期間は4年、また、製剤は毒薬及び劇薬のいずれにも該当せず、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当しないと判断しております。薬事分科会では報告を予定しています。

 なお、佐藤委員より、審査報告書について誤記の御指摘を頂いております。審査報告書16ページ上から8行目後半、「6か月以上」との記載は、正しくは「2歳以上」ですので、適切に修正させていただきます。御指摘ありがとうございました。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○吉田部会長 ありがとうございました。佐藤先生、よろしいですか。

 はい。では、御質問、御意見をお願いします。

 これも既承認薬の小児への適応拡大ということで、薬理学的、薬物動態学的な比較、同等性が問題になるところだと思います。

○佐藤委員 市販後調査についての質問です。先ほど承認した、議題7のザイザルシロップが、ほとんど同じ効能・効果で、重点調査項目もほとんど同じになっています。ザイザルシロップは6か月以上1歳未満が300名、1歳以上7歳未満で300名、合計600名の市販後調査を予定しているのですが、こちらは6か月以上7歳未満で300名と半分になっていますが、特段の理由はあるのでしょうか。

○機構 ザイザルシロップについては、セチリジンドライシロップとの間で生物学的同等性の基準を満たしたことを踏まえて有効性及び安全性を評価しており、臨床試験におけるザイザルシロップ投与時の成績が少ないことから、製造販売後調査では少し多めの症例数で検討する計画となっておりますが、アレグラドライシロップについては、臨床試験における副作用の発現率を考慮し、症例数が設定されています。

○佐藤委員 ザイザルシロップは、何歳以上の使用成績が少ないからということですか。

○機構 ザイザルにつきましては、先ほど御説明させていただきましたが、2歳以上はセチリジンドライシロップとの比較により、2歳未満はザイザルシロップを用いた臨床試験成績に基づき評価しており、製造販売後調査は、それぞれの年齢層に対して300例ずつは最低限集めるという設定になっております。

○佐藤委員 ただ、ザイザルシロップの方は6か月以上1歳未満でも300名集めて、1歳以上7歳未満でも300名集めるというやり方で、年齢の高いところを多く集めるというのは分かるのですが、アレグラの方は2歳未満の小児が100例という設定になっています。ザイザルシロップに比べて、アレグラは2歳未満の小児の使用経験はたくさんあるということですか。

○機構 ザイザルシロップもアレグラも、臨床試験における2歳未満の小児の投与経験は同程度です。両品目の症例数の設定根拠に関して、臨床試験で認められている副作用が何%の確率で拾えるようにという点については担保された症例数設定となっております。

○関水委員 これは有効性については特段データがないように私には思われます。それについて出さなくても、問題はないという論拠がありますか。

○機構 抗ヒスタミン薬については、類薬も含めて血中濃度と有効性がある程度相関することが示唆されており、これまでの抗ヒスタミン薬の小児用量の承認においても、既承認の成人、年長小児と同程度の血中濃度が得られる用法・用量を設定し、有効性に関しては補足的な情報を得るという試験で、これまでも許容してきています。

○関水委員 これまで許容してきたからいいというのは、納得できることではありません。安全性に関しては動態に関する情報で推論できるという考え方は、理解できます。しかしながら、効くか効かないかについて、はっきり効用があると審査書に書いてあるのに、それを示すデータが全くないというのは、納得できることではありません。

○機構 抗ヒスタミン薬に関しては、有効性を主観的な指標により評価せざるを得ないため、低年齢の小児に関しては適切な評価ができないところがあります。ですので、血中濃度について先ほど説明させていただきましたが、これらの薬剤に関しては血中濃度と有効性の関係がある程度分かっていることから、成人に承認用法・用量で投与したときと同様の血中濃度が小児においても得られれば、有効性は担保できるだろうという考え方に基づいています。ですので、血中濃度に関して、ほぼ同じ範囲であることを示すことによって承認しているところです。

○関水委員 成人で効くことが示唆されている場合には、小児に対して効くか効かないかは認可の段階では問題にしないということなのですね。

○機構 もう一度よろしいでしょうか。

○関水委員 一般的なことなのですが、成人で効能がエスタブリッシュされている場合は、もしかしたら乳幼児には効かないという議論もあり得るけれども、それは承認には関係ないと考えるべきだということですね。

○機構 血中濃度で評価する前提として、血中濃度と有効性がある程度相関していることが必要になると思います。

○関水委員 全く論理的な観点から伺っているのですが、血中濃度が分かりさえすれば、治療有効性については小児においても問題なくあると考えるとおっしゃっているのだと思います。それはどのような論理から導かれるのかを伺っているのです。

○事務局 審査報告書8ページ下の「審査の概略」にもお示ししておりますが、「小児集団における医薬品の臨床試験に関するガイダンス」という通知が出ています。この中で、今申し上げましたとおり、アレルギーの症状というのは鼻閉とか、子供では鼻が詰まっている、詰まっていないという違いを示しにくいということもあり、臨床試験が難しいような場合においては、大人と子供での疾患の類似性、また薬物の濃度と有効性に関する関係性などが示されている場合には、承認審査における臨床のデータとしては、必ずしも小児での有効性が示されていなくても、その他のデータから推認するということを、これまで行ってきています。確かに、できる限り小児集団でのきちんとした有効性が示されるべきだと思いますが、承認段階では、このようなデータに基づいて御審議いただき、今後調査が行われますので、そういった中で、この承認に問題がなかったかということを、事後的に御検討いただくことにしております。

○吉田部会長 改善度ぐらいは見ているのですね。先ほどの佐藤先生の御質問で、いまだに私もよく分からないのですが、300とか1,000とかというのは、ガイドラインがあってやれというのではなくて、企業側が、自分で「1,000やります」というのか「300で勘弁してください」という話なのかは、聞いておいた方がいいような気がするのですが。

○機構 通常、臨床試験成績の有害事象の発現率等に基づき、一定の有害事象が捕捉できる例数として目標症例数が設定されており、設定方法は多少企業の考えにより異なりますが、適切な検討が可能な例数が設定されていれば、提示されたもので許容しています。

○吉田部会長 ほとんど似たような薬で同じ対照を設定しているのに、1,000300では全然違う。例えば、本当は300でやってくれれば大体分かるという場合に、こちらの会社は5,000例しっかりやりたいと言ってやっているのであれば、それは仕方がない話だと思いますし、その辺の事情を教えてほしいのですが。

○機構 ザイザルにシロップに関しては、類薬のセチリジンドライシロップのデータも利用して承認申請をしていて、ザイザルシロップ自体のデータが少ないところもあるので、少し多めの設計になっていると理解しています。

○吉田部会長 そういう事情ですね、分かりました。ほかにございますか。

 よろしいでしょうか。御意見がないようですので、議決に入ります。なお、奥田委員におかれましては利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくことといたします。お諮りします。本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。

 御異議がないようですので、承認を可とし、薬事分科会に報告とさせていただきます。

 議題3に移ります。なお、田村委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議題3の審議の間、別室でご待機していただくこととします。

── 田村委員退室 ──

○吉田部会長 議題3について、医薬品医療機器総合機構から概要説明をお願いします。

○機構 審議事項議題3、資料3「医薬品ジオトリフ錠20mg、同錠30mg、同錠40mg及び同錠50mgの生物由来製品及び特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否、再審査期間の指定並びに毒薬又は劇薬の指定の要否について」、医薬品医療機器総合機構より御説明いたします。

 本剤の有効成分であるアファチニブマレイン酸塩は、上皮細胞増殖因子受容体(以下、EGFRと略す)のチロシンキナーゼに加えて、EGFRファミリーに属するヒトEGFR-2型及び4型のチロシンキナーゼのリン酸化を阻害することにより、腫瘍の増殖を抑制すると考えられております。今般、本剤は、EGFR遺伝子変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺癌に対して効果を示す薬剤として承認申請されました。

 本剤は審査報告書4ページに記載しておりますように、EGFR遺伝子変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺癌に関する適応にて、平成25年8月末時点では米国と台湾で承認されており、その後、EUにおいても承認されております。

 本品目の専門協議に御参加いただいた専門委員は、資料17にあるとおり9名の委員です。

 以下、本剤の承認審査の概要を説明いたします。今般の承認申請では、主な臨床試験成績として、本邦を含む国際共同第III相試験として実施された1200.32試験の成績が提出されました。

 有効性については、審査報告書56ページ上から10行目以降及び101ページ上から13行目以降に示しますように、化学療法未治療のEGFR遺伝子変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺癌患者における有効性及び安全性を検討した1200.32試験において、主要評価項目とされた独立判定委員会評価による無増悪生存期間について、対照群として設定されたシスプラチンとペメトレキセドナトリウム水和物の併用療法群に対する本剤群の優越性が検証されたこと等から、当該患者における本剤の有効性は示されたと判断いたしました。

 安全性については、本剤の使用時において注意すべき有害事象は、審査報告書59ページ上から4行目以降及び102ページ本文上から3行目以降に示しますように、間質性肺疾患、肝障害、下痢、発疹/ざ瘡、口内炎、爪の異常、眼障害、心不全、消化管裂孔、急性膵炎であると判断いたしました。これらの有害事象については、がん薬物療法に十分な知識と経験を持つ医師によって、有害事象の観察や管理、休薬・減量・投与中止等の適正使用及び安全対策により忍容可能と判断いたしました。

 ただし、本剤の日本人における検討症例は限られており、審査報告書79ページ本文上から12行目以降及び104ページ下から12行目以降に示しますように、製造販売後には、目標症例数1,500例、観察期間12か月の使用成績調査の実施が必要であると判断し、申請者に指示しております。

 以上のような審査の結果、「EGFR遺伝子変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺癌」を効能・効果として、本剤を承認して差し支えないと判断いたしました。本剤は新有効成分含有医薬品であることから、再審査期間を8年とすることが適当であり、原体及び製剤はいずれも劇薬に該当すると判断いたしました。また、本剤は生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当しないと判断いたしました。薬事分科会には報告を予定しております。

 なお、事前に佐藤委員から御質問を2点いただいております。

 1点目は効能・効果に関する内容です。評価資料として提出された臨床試験の中に、化学療法未治療であるEGFR遺伝子変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺癌患者を対象とした1200.32試験と、1又は2レジメンの化学療法歴及びEGFRチロシンキナーゼ阻害薬による治療歴のある手術不能又は再発非小細胞肺癌患者を対象とした1200.23試験の二つの第III相試験が含まれております。このうち1200.32試験の結果から機構は、「化学療法未治療であるEGFR遺伝子変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺癌患者」に対して、本剤の有効性は示されたと判断したとしています。しかしながら、効能・効果には「化学療法未治療である」旨の記載はなく、化学療法歴等について、臨床成績の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に考慮した上で、適応患者の選択を行うことを効能・効果に関連する使用上の注意の項に記載した上で、効能・効果を申請どおり「EGFR遺伝子変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺癌」と設定することは可能と判断しています。この判断は、化学療法未治療患者を対象とした1200.32試験のみが実施されていて、当該試験成績に基づく判断であれば適切だと思います。しかし、今回の承認申請では、化学療法既治療患者を対象とした1200.23試験が実施されていて、審査報告書50ページの図に示すように、本剤群の生存曲線がプラセボ群と全く変わらない結果となっています。このような臨床試験成績がある以上、効能・効果は「化学療法未治療であるEGFR遺伝子変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺癌」とせざるを得ないのではないか、との御趣旨でした。

 御指摘のとおり、化学療法既治療の患者を対象とした1200.23試験において、プラセボ群と比較して、本剤群で全生存期間の延長は認められておりません。一方で、審査報告書74ページ下から20行目以降に記載しておりますように、当該試験にはEGFR遺伝子変異陰性の患者も組み入れられており、機構としては、今般の承認審査で効能・効果に設定するEGFR遺伝子変異陽性の患者における本剤の有効性については、1200.23試験成績を基に結論付けることはできないと考えました。また、この点について専門協議でも議論させていただき、その議論も踏まえて、機構の判断としましては、効能・効果において化学療法未治療の患者に限定するのではなく、効能・効果に関連する使用上の注意の項と臨床試験成績の項を併せて、本剤の有効性が示された患者集団を注意喚起することを考えました。ただし、佐藤委員の御懸念にもありますように、1200.23試験成績において、本剤の有効性が示されなかったという情報につきましては、専門協議における議論も踏まえて重要と考えており、資材を用いて情報提供するよう、申請者に指示しております。

 2点目は、臨床的位置付けに関する内容です。もともとの本剤の開発コンセプトでは、EGFRファミリーのチロシンキナーゼのリン酸化を阻害すること等により、ゲフィチニブやエルロチニブに不応となった患者への有効性を期待されていました。しかしながら、現時点では1200.23試験の結果からこの点は否定されています。国際共同試験である1200.32試験では、米国でEGFRチロシンキナーゼ阻害剤が承認されていなかったこと等から、CDDP/PEMの併用療法が対照群となっていますが、本剤の臨床的位置付けとしては、既存のEGFRチロシンキナーゼ阻害剤であるゲフィチニブ、エルロチニブと比較してどうなのかが問題になると思います。特に本邦では、ゲフィチニブが使用できていたわけですから、ゲフィチニブ、エルロチニブと比べた本剤の臨床的位置付けについて教えてほしい、との御趣旨でございました。

 御指摘のゲフィチニブ及びエルロチニブと比較した臨床的位置付けについて、現在までにその点が明確となる臨床試験成績は得られておらず、明らかではありません。しかしながら佐藤委員の御指摘のとおり、機構としましてもこれらの情報は重要であると考えており、現在海外においてゲフィチニブを対照群として設定した臨床試験等を実施中ですので、結果が得られ次第、臨床現場に当該試験成績を情報提供するよう申請者に指示したいと考えております。

 また、佐藤委員から、審査報告書40ページに()の項が二つあること、審査報告書46ページのKaplan-Meier曲線において、12か月の所からずれた所に、点線が引かれていることについて御指摘いただいております。これらについて、適切な記載となるよう修正いたします。御指摘ありがとうございました。説明は以上になります。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○吉田部会長 ありがとうございました。佐藤先生、いかがですか。

○佐藤委員 最初の効能・効果の質問で、化学療法未治療を効能・効果に付けなかった理由がよく分からなかったのですが、もう1回説明してください。

○機構 御指摘の点は、1200.23試験、既治療の患者を対象とした試験において有効性が示されなかった点であると思います。今回、効能・効果としてはEGFR遺伝子変異陽性の患者に限定することを考えておりますが、1200.23試験は遺伝子変異陽性の方、陰性の方、不明の方が含まれた臨床試験となっており、今回適応となるEGFR遺伝子変異陽性の方における有効性というのは、この試験からは明らかではない、この試験においてEGFR遺伝子変異陽性の方における有効性が否定されたとは結論付けられないのではないかと考えているところです。したがいまして、1200.32試験未治療の患者を対象とした試験において有効性が示されたところから、特に限定することなくEGFR遺伝子変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺癌という効能・効果にすることでよいのではないかと考えているところです。

○佐藤委員 1200.23試験はEGFR-TKIの治療歴もあるわけですね。

○機構 そのとおりです。

○佐藤委員 それが、少なくとも奏効していたということはEGFR遺伝子に変異があったと考える方が自然だと思うのです。もちろん、すべての人の遺伝子が陽性かどうかは測っていないとは思いますが。

○機構 実際に不明な患者も多数含まれており、陽性96名、陰性45名、不明45名という中で行われた試験であって、これを基に、陽性に対しての既治療における有効性が否定されたとまでは結論付けることはできないと考えたものです。

○佐藤委員 分かりました。

○吉田部会長 どうして1200.23試験をやろうと思ったかというと、開発側の戦略としてはEGFR-TKIを使っている患者が世の中にたくさん出てきて、化学療法も進んでいると。その人たちの集団に対して、もしプラセボ群に対して有意差があれば、耐性克服ではないですが、そういうことが可能ではないか、というようなことを考えて、この試験をやったと。だけれども、結局それで差が出なかったので、仕方がないからTKIを調べてある変異例だけについて、これから試験をしていこうというステップに変わっていったのではないかと思うのですが、そういうことではないのですか。

○機構 先に1200.23試験が実施されており、その後に1200.32試験が開始されておりますので、御指摘の点のとおりかと思います。

○吉田部会長 EGFR-TKIの治療歴のある人というのは全部調べてあって、変異例だと思ったらそうではなくて、全然調べてない人が入っていたり、変異例でも治療歴のある人がいたりしますから、転移がなくても希望すると入ってしまうので、そういう仕切りではうまく切れなかった、失敗でしたという話ではないかと思うのです。ほかはよろしいですか。

○関水委員 EGFRに、変異が入っているか入っていないかで、効くと効かないという違いがあるということでした。この点に関して、がん細胞に対する基礎試験というのは、何かデータはあるのですか。つまり、EGFRが変異していると、ほかのものは効かなくなるけれども、この薬は効くのだという基礎試験に関して、何かデータがあるのですか。

○機構 実施された薬理試験については、審査報告書5ページ以降に記載しています。EGFR遺伝子変異を有する非小細胞肺癌由来細胞に対する増殖抑制作用の検討やチロシンキナーゼのリン酸化阻害作用の検討が行われております。また、各種腫瘍細胞株に対する増殖抑制作用の検討として、8ページにありますように、A431、NCI-N87、FaDuといった、非小細胞肺癌に関連する腫瘍を用いた検討が実施されております。これらの試験から、腫瘍増殖の抑制効果や変異型のEGFRに対する作用が確認されています。

○関水委員 論文をよく読まないで質問するのは失礼なのかもしれないけれども、効く効かないが、その遺伝子の変異が原因となっているという証明がなされている論文なのですか。それとも、単にパラレリズムで、変異したものについて薬が効かなかったということを報告しただけの論文なのですか。

○機構 御指摘いただいたとおり、EGFR遺伝子変異となることによって腫瘍の増殖を示したものに対する有効性を確認した非臨床試験はないかと思います。

○関水委員 そのようなことでよろしいのですか。この薬剤について、非臨床試験で従来の薬剤が効かなくなるのは、レセプターが変異しているためであって、そのような変異が起こっても、この薬剤は有効であることが非臨床試験で証明されている必要があると思います。

○機構 実施された薬理試験においては、EGFR変異陽性の腫瘍に対する有効性が示唆される結果が一定程度得られたわけですが、最終的に本剤の有効性が示されたのは1200.32試験であり、当該試験に基づいて有効性等々を判断したということです。

○関水委員 私が知りたいのは、臨床試験についてではありません。培養細胞を用いたin vitroの実験でそれが示されているかという点です。

○吉田部会長 それはgeneのレベルで解析が済んでいると思います。

○機構 本剤はEGFRチロシンキナーゼの阻害剤でありまして、また適応もT790M等の耐性型変異を獲得したものに対しての薬剤ではなく、活性型変異等に対する薬剤ですので、変異のあるなし等というより、チロシンキナーゼの阻害剤ということが本剤の薬効としては重要と考えております。

○関水委員 今、出されている議論は、変異があると従来の薬に対して耐性になるがその耐性を克服するためとして、この薬は非常に有用だということになっているので私は質問しております。

○吉田部会長 逆です。一般的には変異を獲得すると耐性になるのですが、この場合は変異することで感受性を得るのです。普通の場合の機序と違うのです。ですから、変異例というのは感受性があるということになるので、どうしてそういう普通と違うことが起こっているかということに関しては、いろいろな研究がされていて、詳しい話は田村先生がよく御存知だと思うので、田村先生が戻ってきてから、その辺を少し解説してもらいます。

○機構 補足します。審査報告書6ページが分かりやすいと思うのですが、変異型のL858Rは、活性型変異と呼ばれるもので、がん細胞の増殖に関係する変異といわれていまして、それに対しては、本剤は効果があるというデータが示されています。

 また、その下の行ですが、活性型変異とT790Mという耐性型変異と呼ばれているものを有するものに対しても、非臨床の観点からは本剤は効果があるということが示されています。いずれにしても本剤の薬効というのは、L858Rという活性型変異を持つものに対して、有効性が期待できるという申請者の説明になっています。

○関水委員 分かりました。

○吉田部会長 後で解説してもらいます。ほかにございますか。

 よろしいでしょうか。標準的な治療としてということだと思いますが、普通はこういう薬が出て、比較試験をする場合、対照群は標準的な治療になりますから、標準的な分子標的薬はイレッサで、イレッサと比べるのが本当ではないかと思ったのですが、イレッサはそのときには初回治療例しか使えなかったのですか。

○機構 この臨床試験が開始された時点で、本邦においてイレッサが承認されていたのですが、当時イレッサは未治療における有効性、安全性は確立していないという注意喚起がなされていたので、当時としては標準治療とは言えませんでした。

○吉田部会長 ファーストラインで使える分子標的治療はなかったのですか。

○機構 当時としては、白金含有レジメンが標準とされておりましたので、設定された対照群は適切と考えたものです。

○吉田部会長 標準的な化学療法と、この分子標的治療の比較になったのですか。

○機構 1200.32試験においては、標準的な白金レジメンとの比較が適切と考え、この試験が行われたということです。

○吉田部会長 先ほどの佐藤先生の質問に絡むのですが、既治療例に対する成績はこれから出すことになるのですか。

○機構 既治療というか、今、正にイレッサとの臨床的位置付けはどうなのかという御指摘については、化学療法歴のないEGFR遺伝子変異陽性、再発非小細胞肺癌患者を対象として、イレッサとの探索的な比較試験が行われていますので、そういった情報も注視しながら。

○吉田部会長 既に動いているのですか。

○機構 現在実施中の状況ですので、注視して適切に対応していきたいと思います。

○吉田部会長 分かりました。ありがとうございます。ほかにございますか。

 ないようですので、議決に入ります。なお、清田委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくこととします。本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。

 御異議がないようですので、承認を可とし、薬事分科会に報告とさせていただきます。

 別室で待機されている田村委員をお呼びください。

── 田村委員入室 ──

○吉田部会長 これは審議とは直接関係ないのですが、先ほどのジオトリフの審議のときに、EGFRの活性型変異に対して、こういう分子標的薬が1対1で効くという機序に関して、例えば分子標的薬が直接そこに関わることによって、腫瘍を死滅させるという基礎的な証明はあるのかという質問があって、その辺は答えられないので、先生が戻ってきたらお聞きしましょうという話になっていたのですが、いかがですか。

○田村委員 基礎的な証明ですか。

○吉田部会長 抑えることによって死滅するのだけれども、変異株ではどういう変異が起こっていて、それ故にこの薬が効くのだという説明が付いているのかということです。

○田村委員 EGFRの変異のある肺癌細胞では外部からの刺激がなくともEGFRシグナルが恒常的に活性化しており、発癌自体の原因にもなっているといわれています。細胞の増殖や生存がEGFRシグナルに全く依存した状態です。TKIでなくともこのEGFR下流のシグナルと遮断すればアポトーシスを起こすことが確認されています。それでよろしいでしょうか。

○吉田部会長 その遮断する仕事を、この標的治療薬がやっているということですか。

○田村委員 はい。

○関水委員 私が質問したのは、そこのことについて証明したという論文が、遺伝子の変異が原因であることについて遺伝学的にしっかり証明していると言えるのかという点です。パラレリズムではなくて、今説明があったレセプターの遺伝子が、変異によって活性化することによって薬が効くようになっているということが、証明されているのかということです。癌細胞に関する薬の基礎試験では薬と作用の因果関係がしっかり示されていることが大切であると思います。ここで問題となっている遺伝子変異は、どのような変異ですか。

○田村委員 活性化変異です。

○関水委員 ここで問題となっている変異が活性化変異であって、この薬が効くか効かないかをその遺伝子の変異が決定していることが明らかになっているのですか。

○田村委員 活性化遺伝子変異で、その下流のすべてのシグナルが活性化の状態にあってその遮断により効果が現れます。

○関水委員 そのことは存じております。Rasやその他の細胞増殖因子について、分子標的薬というのがありますが、それらは活性化されたシグナルを抑えるという作用がありますね。私が問題にしているのは今、出された論文について、遺伝子の変異の有無と薬の効く効かないの因果関係が立証されているかを伺っているのです。

○審査センター長 お答えしますが、EGFRの阻害剤で最初に出てきた低分子薬はゲフィチニブで、これは御存知のようにATP binding siteへの拮抗阻害です。そのATP binding siteに特殊の遺伝子変異が入ると、そのがん細胞は、ますますEGFR依存型になっていって、そのようなgain of functionmutationがあると、ゲフィチニブは効くのであるということは、はっきり証明されています。ゲフィチニブが効く癌のEGFRのATP binding siteに、更に変異が入って、耐性化して効かなくなってしまうmutationが起こるということが問題になっていて、この薬は、そういったmutationにも効くということ、vitroのデータが6ページに書いてあるので、遺伝子レベルで、モデルを使った非臨床試験で、この活性が、きちんとがん細胞の増殖阻害につながるかというのは、はっきりしています。その背景にある遺伝学的なEGFRのmutationとその阻害剤に対するレスポンスというのも、少なくともゲフィチニブとタルセバについては、論文で証明されています。ですから、最初に先生がおっしゃった基礎的なデータがあるのかないのかについては、「ある」と答えればそれで済むと思います。

○吉田部会長 結局、今の変異例というのは女性に多くて、非喫煙者に多いという、普通の肺癌のリスクと違う人たちです。大腸癌にもこれに似たような薬があって、感受性を区別しているのですが、それはポリープ由来の癌か、非ポリープ由来の癌かの違いによるのではないかということで、変異の有無が癌の成り立ちとも絡んでいるのではないかという想像はあります。先生が正におっしゃったように、発癌の母地がたくさんあって、それをこういった変異が反映している可能性はあると私も思っています。つまり、こうした違いは癌の生まれ育ちを表している一つの指標なのではないかと。

 議題4に移ります。議題4について、医薬品医療機器総合機構から概要説明をお願いします。

○機構 審議事項議題4、資料4「シダトレンスギ花粉舌下液200JAU/mLボトル、同舌下液2,000JAU/mLボトル及び同舌下液2,000JAU/mLパックの生物由来製品及び特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否、再審査期間の指定並びに毒薬又は劇薬の指定の要否について」、医薬品医療機器総合機構より御説明いたします。

 本剤は、スギ花粉から抽出し、調製した標準化スギ花粉エキス原液10,000JAU/mLを含有する舌下液剤であり、スギ花粉症患者を対象とした減感作療法に用いられる薬剤として開発されたものです。減感作療法は、詳細な作用機序は明らかでないものの、感作された患者にアレルゲンを投与することにより、アレルゲンに対する免疫反応が抑制され、アレルギー疾患を根治又は長期寛解させることが可能な治療法とされています。従来、皮下注射による免疫療法(以下、SCIT)が行われてきましたが、アナフィラキシー等の重篤な副作用が発現する可能性があること、長期間定期的な通院が必要であること等の問題点があることから、本邦においては普及しておらず、治療例は限られています。一方、近年、SCITの問題点を解決する投与方法として、欧州を中心に、舌下投与による免疫療法(以下、SLIT)の開発が進められており、海外ではスギ花粉に対するSLIT用製剤は開発されておりませんが、イネ科植物花粉、ダニ等に対するSLIT用製剤が既に承認されています。本邦においても、既承認の皮下注用のスギ花粉エキス製剤を用いて、スギ花粉症に対するSLITの臨床研究がこれまでに複数実施されており、有効性を示唆する結果が報告されています。以上のような背景を踏まえ、既存スギ花粉エキス製剤の製造方法を改良した舌下投与用製剤として本剤が開発されました。

 本申請の専門委員としては、資料17に記載されております8名の委員を指名いたしました。

 主な審査内容について、臨床試験成績を中心に簡単に説明します。審査報告書16ページ、「()スギ花粉症患者を対象とした第III相臨床試験」の項を御覧ください。日本人スギ花粉症患者を対象に、本剤の有効性及び安全性を検討するプラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験が実施されております。用法・用量は、複数の国内臨床研究を参考に設定され、表4のとおり、投与1〜2週目を増量期として、本剤200JAU/mL0.2mL1日1回から漸増し、投与3週目から維持期として、本剤2,000JAU/mLmLを1日1回、最長81週間舌下投与することと設定されました。

 有効性の主要評価項目である投与開始から2シーズン目(スギ花粉飛散期の少し前及び飛散期間に当たる2012年1月8日〜4月30)の症状ピーク期1週間とその前後の1週間の計3週間における総合鼻症状薬物スコア(TNSMS)は、17ページの表5のとおり、本剤群4.00プラスマイナス2.99、プラセボ群5.71プラスマイナス3.70、群間差-1.71であり、本剤のプラセボに対する優越性が検証されております。以上より、スギ花粉症患者における本剤の有効性は示されたと判断しました。

 安全性については、審査報告書24ページ以降、「()安全性及び製造販売後の安全対策等について」の項を御覧ください。国内第III相試験において発現した主な有害事象は、審査報告書19ページ表7のとおりであり、局所性のアレルギー症状と考えられる口腔浮腫及び口腔内所見に関連した事象が増量期を含む投与開始4週間以内に比較的多く認められましたが、死亡例及びアナフィラキシーは認められず、重篤な有害事象の発現率は本剤群とプラセボ群で同程度であり、臨床上大きな問題は認められませんでした。しかしながら、臨床試験における検討例数は限られていること、減感作療法はアレルゲンを投与する治療法であり、SCITと同様に、SLITにおいてもアナフィラキシーの発現リスクはあると捉えるべきと考えること、また、本剤は本邦で初めてのSLIT用製剤であり、医療現場では投与の簡便性やSCITによる減感作療法よりも安全性が高いとの期待から、投与を希望する患者の増加や、これまでに減感作療法の治療経験のない医師により投与されることが想定されることも踏まえ、本剤の販売までにアナフィラキシーに対する万全の安全管理体制を整備しておく必要があると考えております。

 具体的な対策としては、引用メモの次ページの図を御覧ください。本剤の投与医師は、減感作療法に関する講習及び適正使用に関するe-learningを受講し、減感作療法、アナフィラキシー等への対処方法並びに本剤の適正使用に関する十分な知識を有することが確認され、さらにアナフィラキシー等の発現に対して、迅速かつ適切な対応が可能な医療機関に所属している医師に限定する予定です。また、薬局においても、本剤が処方可能な医師による処方であることを薬剤師が確認した上で調剤される体制を構築する予定です。また、本剤は患者の自宅等で投与されるため、医療機関以外でアナフィラキシーが発現する可能性があり、前兆症状の早期把握や発現時の対応について患者及び家族への教育が非常に重要と考えることから、医師や薬剤師による指導に加え、患者向け資材等において注意事項を周知徹底する予定です。なお、当該安全管理体制については、審査報告書3ページに記載のとおり、承認条件とする予定です。

 以上の審査を踏まえ、本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、本部会で御審議いただくことが適当と判断いたしました。本申請に係る再審査期間は6年、製剤は毒薬及び劇薬のいずれにも該当せず、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当しないと判断しております。薬事分科会では報告を予定しております。

 本品目について、豊見委員、佐藤委員より事前に御意見を頂いております。

 まず、豊見委員より、2点御意見を頂いております。1点目は、本剤について、薬局においてメーカーホームページで処方した医師が、その研修を終え、登録した医師であることを確認した後、調剤をすることになっています。同様の措置が取られている薬品がありますが、それぞれ別メーカーで医師リストを閲覧できる薬剤師として、それなりの登録が必要であり、また、パスワードは半年で変更する必要があります。日常業務の中で処方箋を受け取ってこの作業をしなければならない薬剤が増えていくと、アドレス、ID、パスワード等の管理も容易ではなく、かなりの時間を要する作業です。PMDAで共通のホームページを作成し、一律で検索できるシステムが必要です。その確認に時間を取られないよう、工夫が必要です。処方箋の備考欄に登録番号を記載して、それを確認できるとか、工夫の余地はあるように思います。また、薬剤師が確認できなかった場合の責任という問題も重要かもしれません、との御意見です。

 本剤の確認サイトについてですが、パスワード、ID等の登録が必要な仕様にはなっておりませんので、他の薬剤で行われているほど、確認作業の手間はかからないものと考えております。御提案いただきましたPMDAで共通のホームページを作成することについては、今後の検討課題とさせていただきたいと考えておりますが、処方箋の備考欄に医師の登録番号を記載していただき、その番号で検索するという方法については、申請者に検討を指示しております。そのほかの改善策も含め、薬剤師の先生方がより使用しやすいものになるよう、製造販売後も引き続き検討することを指示したいと思います。また、薬剤師の先生が医師を確認できなかった場合ですが、本剤の調剤をせず、処方医へ疑義照会していただき、申請者が準備する管理窓口にも御一報いただくことを、薬剤師向けの資材等にて周知する予定としております。

 2点目ですが、初回投与時は、投与後30分、医師の観察下に置く必要があるようですが、院外処方の場合、薬局で調剤を受けた後、医師のもとに戻り、初回の使用を行うことになります。これでは、そのまま継続使用する場合も、投与中止にしなくてはならない場合にも無駄の多い方法となります。初回投与用で、院内で使用するために、200JAU/mL0.2mLの包装か、実包装品を単回使用する制度を作るべきと考えます、との御意見です。

 初回投与用の製剤についてですが、0.2mLという少量を適切に投与可能な包装形体とすることが困難であること、また、低容量とした場合及び低濃度に希釈した場合には、製剤の中の安定性等に問題があることから、現時点において当該製剤の開発は難しい旨の説明を申請者より受けております。また、専門協議等でも初回投与は院内処方とすること又は診療内の処置として実施すること等を検討できないかとの議論がありましたが、院外処方のみとされている病院があること、保険償還等の問題があるため実施は困難と考えております。一案として、院内処方ができない場合は、1回目の診察では、本剤の投与が可能な患者様であることの確認のみ実施して処方箋を交付し、調剤していただき、2回目の受診時に本剤を持参して投与を開始することも考えておりますが、引き続き対策を検討したいと考えております。

 続いて、佐藤委員から2点御意見を頂いております。1点目ですが、審査報告書17ページの脚注16に、「申請者は、GCP実地調査を踏まえ、手書き紙患者日記により収集したデータについて、電子患者日記により収集したデータと同等の質を担保することは難しいと判断し、手書き紙患者日記に基づいてEDCに入力されたすべてのデータを有効性解析対象から除外した上で、再解析結果を提出した。」と書かれていますが、どのような状況であったのか、もう少し説明が必要だと思います。また、手書き紙患者日記のデータをすべて有効性解析から除外することは、有効性の結果に大きな影響を与えなかったのでしょうか、との御意見です。

 第III相臨床試験では、電子患者日記システムを用いてデータ収集することとされていましたが、システムの障害が2012年3月19日〜23日にかけて発生し、データの入力修正ができない又は誤ったデータが保存された期間が存在することとなったため、申請者は本障害回避のためにすべての被験者に手書き紙患者日記の作成を依頼しております。そのため、電子患者日記システムのデータと手書き紙患者データが存在することになりました。しかし、機構の適合性調査において、これらの手書き紙患者日記の中に思い出して記載したデータが存在すること、また、治験期間中の手書き紙患者日記の一部に、記載日が不明であるため、来院時に思い出して記載されたことが否定できないデータが潜む可能性があることが確認されました。当該指摘を踏まえ、申請者は、採用した手書き紙患者日記データについて電子患者日記データと同等の質を担保することは難しいと判断し、手書き紙患者日記に基づいたすべてのデータを有効性解析対象から除外し、確実にデータの質を担保することができる電子患者日記システムに基づいたデータのみを用いて、有効性解析を再度実施しました。結果として、手書き紙患者日記データのすべてを除くことにより、本剤群の3例が評価日不足のためFAS解析対象集団から除外されております。当該手書き紙患者日記データの除外及びそれに伴う症例の除外の有無に関わらず、有効性評価項目においてはプラセボに対する優越性が示されており、副次評価項目においても本剤群がプラセボを上回る結果が認められておりますので、紙患者日記データの除外は有効性評価には大きな影響を及ぼしていないものと考えております。

 2点目ですが、審査報告書29ページ上部のとおり、WHOのPosition paper、日本鼻科学会アレルギー鼻炎に対する免疫療法の指針では、減感作療法終了後に効果を長期間持続させるためには、3年間以上の投与期間が推奨されており、報告書31ページですが、機構の指示を受け、申請者は製造販売後に3シーズン以上の臨床試験を実施する予定としていますが、3年以上の投与期間が推奨されている治療法を2年間の臨床試験で承認してもよいものなのでしょうか。プラセボの長期使用には問題があることは理解できますが、減感作療法の有効性を評価できるバイオマーカーなどはないのでしょうか。そういったものがなければ、減感作療法群のみ市販後臨床試験を実施しても意味がないように思われます、との御意見です。

 減感作療法の最終的な治療目標は、アレルギー症状の治癒又は寛解であり、一般に3年以上が投与期間の目安とされていますが、現時点で必要な投与期間について明確なエビデンスは得られておらず、減感作療法を用いる薬剤の薬効評価は通常半年から1年半程度の投与期間で行われております。また、国内第III相試験において、本剤の2年間投与により、プラセボ群に対して統計学的に有意な症状の改善効果が認められており、その改善効果は既承認の薬剤の臨床試験成績と比較した場合にも、より高い有効性が得られていると考えられたことから、承認に当たる有効性は示されているものと考えております。寛解の達成及び寛解を維持するために必要な投与期間に関しては、今後の重要な検討課題と考えておりますので、製造販売後に臨床試験を実施して検討することを予定しております。現在、詳細な計画は検討中ですが、一案として、本剤投与により寛解した患者を対象にプラセボ群と継続投与群に無作為化し、寛解達成率や中止後に効果維持できる期間等を検討できるような計画とする予定です。以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○吉田部会長 ありがとうございました。豊見先生、いかがですか。

○豊見委員 この薬剤は、患者数の多さから考えて非常に期待ができるというか、大量の流通もあろうかと思うのですが、先ほどあったように、1回目の診療で処方箋だけ出して、どこかに取りに行って、2回目にそれを医師の所に持っていって使い始めるということは、現実的にはあり得ないですね。患者は、あそこに行けば減感作療法を内服でやってくれる、舌下でやってくれると思って行ったのに、という状況を作るのは非常につらい状態です。聞いてみると、1回開封すると、今のところ10日ぐらいしか力価試験をしていないらしいのですが、これが1か月や2か月もつものだとしたら、ドクターの所に1瓶、薄いものを置いておいて、ワンプッシュそこで試してみると。保険のことは別にして、現実に1回目の投与だけはドクターの所にある薬剤で行うことが不可能ではないと考えるのですが、何とかそこを実現させていただけないだろうかと思っています。

 また、確認の問題ですが、今コンサータの確認について、もちろん薬剤師がe-learningを受けなければいけないというのも分かりますが、なぜドクターの確認のところでIDやパスワードをメーカーに求められ、しなくてはいけないのか。調剤はあるかもしれませんが、この調剤も問題で、e-learningを受けて申請しても、2週間から3週間、薬剤師が調剤できるまでにかかってしまうのです。そういう状態で、調剤拒否せざるを得ない状況もあるわけです。今回の場合、確認できなかったらお知らせくださいとおっしゃっていますが、患者に、このドクターの処方では調剤できませんからと言うことが薬剤師に許されるものかどうか、この辺りが責任の問題として出てくるだろうと思うのです。調剤拒否は基本的にできないことになっているにもかかわらず、メーカーの制度、あるいは機構の制度の中で調剤拒否をせざるを得なくなるということが、益々増えていく状況にあると思うのですが、その辺りはいかがでしょうか。

○機構 現時点では、製剤の安定性や、保険の制度的な問題もございまして、1瓶置いておいて、試すということは難しいと考えております。薬局と病院との往復が煩雑だということは認識しておりますが、アナフィラキシー等のことを考えると、海外でも初回投与時には30分観察することになっておりますし、その部分は徹底していただきたいと考えております。より無駄のないような方策は、引き続き検討したいと思います。

 調剤拒否に関しては、登録医師であるか確認できない場合には調剤拒否の事由に当たると考えており、警告欄でも、医師の確認をいただいた上で処方いただくよう注意喚起しております。確認できない場合は患者への調剤を一度待っていただくようにお願いしたいと思っています。

○吉田部会長 少し分かりにくいのですが、例えば私がe-learningをして、試験に受かったとすると、多分番号をくれて、その番号を処方箋に書いて、薬局に行って薬をもらってきなさいということになる。患者が薬局で薬をもらって戻ってきた段階で、舌下投与するということになると思うのですが、薬局はこの人が正しい使い手かどうかを判断するのはどうするのですか。その都度、ホームページを見るのは大変ではないかという話もありましたね。

○豊見委員 今は、それぞれメーカーごとのホームページでID、パスワードで入って、件名と医療機関名、あるいはドクターの片仮名半角での名前とか、メーカーによって違ってくると思うのです。今はコンサータとリタリンがあるのですが、このように省略できると書いてありますが、ホームページをばらばらに作っているものですから、今度はID、パスワードが要らないと。どうやって検索をするのかというと、入って、今おっしゃった例の処方箋の備考欄に書いてある番号で検索できれば、件名も入れる必要がない、医療機関も入れる必要がない。番号を入れたら医療機関名とドクター名が出てくるのなら、非常に簡単に調べられます。そのような形に何とかならないものか。ほかの、今そういう制度を持っている所も、できればそのような形にならないものかと思っています。

○機構 事前にいただいたコメントを踏まえまして、登録番号による検索も可能となるよう検討するように申請者に指示しておりまして、現在、検討中でございます。

○吉田部会長 副作用救済も機構の仕事ですね。そういう意味では、機構が仲介して副作用が出ないようにしようという仕事をしていただくことが、一番すっきりするような気がします。例えば、そこに入ればその類の薬がみんな分かるような形にしてくれると、ユーザーとしてはフレンドリーですね。是非、検討をお願いしたいと思います。

 初回治療の場合は、院外処方だったら仕方がない。行って買ってということになるし、開業医の先生の場合で院外処方を使われるとなると、大体すぐ近くに薬局がありますから、取ってきなさいで済むのかもしれませんね。

○豊見委員 院外処方も、これは舌下ですから、特殊な場合等は院外と院内を併用してもいい規則にはなっているのです。ある部分は院内で投薬しておいて、あるいは院外処方も出す場合も保険的には許可をされています。もう1点、処置でこの間のペンレスなど院内でしか出せない薬、薬と言っても、あれは処置ですが、そういうものもあります。そうすると、これを院内で出すことにそれほど大きいハードルがあるとは、法律的には思えません。

○吉田部会長 そこがクリアできれば、一番簡単ですね。大きな病院は院内処方を持っていますから、どちらでも出せますが、院外だけしか持っていない診療所や病院の話ですね問題は。

○豊見委員 考え方としては、これを処置用の薬として置いておいていただければいいのです。最初にアレルギーを検査する薬として持っておいていただければ、0.2ほど投薬して、30分様子を見る。アナフィラキシーを避けるための検査として、持っておいていただければいいのではないかと思います。

○吉田部会長 院内処方扱いにしてしまうのが一番簡単だろうと思いますが、また薬剤師がいないから駄目だとか、そういう話になるのでしょうね。

○豊見委員 もう一つの問題は、これで何か起こった場合、10mlで幾らするかは分かりませんが、1回駄目になったら、あとは投薬した後に全部捨てることになるのです。そんなに安くないだろうと予想しているのですが、だとしたら、1回分だけやって駄目だったら、投薬をやめてしまえば無駄が起こらないし、医療経済的にも非常に良いのではないかと思います。

○機構 1瓶を院内で繰り返し使うことについて、保険償還の問題に加え、品質等に係るデータが得られていないことと、1回ごとの製剤についても、低容量製剤は安定性の問題等から難しいところがありまして、今回の製剤については開発が難しいところがございます。現在、申請者が別製剤の開発も進めていますので、申請者に、初回投与がより煩雑ではない投与方法となるよう、別製剤について更に工夫できないかということも指示したいと思います。

○吉田部会長 よろしいですか。

○豊見委員 この薬も、ドクターが舌下に投薬するのはそんなに難しくないのです。汚れもしないし、別に口を付けるわけでもないので、それも考慮していただければと思います。

○吉田部会長 使い勝手が悪過ぎると、いろいろ文句を言われて、承認後に、また工夫をせまられるようなことになるのではないかと思いますが、確かになかなか良い考えは浮かばないですね。少量に分けられないとなると大変かと思います。いずれにしても重要なところだろうと思うので、積極的に、前向きに答えを出していただくようにお願いしてください。佐藤先生はいかがですか。

○佐藤委員 手書きの入力と電子日記の入力というのは、一応理解はしましたが、評価期間が13日間しかないところで5日間システム障害があったというのは問題だと思いますので、厳重に注意をお願いしたいと思います。市販後臨床試験のときには、日記はどうするのですか。電子日記でするということですか。

○機構 現在、検討中です。いただいたコメントについては申請者に伝えたいと思います。

○佐藤委員 それから、今は2年の試験成績しかないわけです。これから継続したら、更に良くなるだろうということは分かりますが、懸念するのは、今2年で良い結果が出ているので、2年でやめてしまわないかということです。そこの情報提供というか、2年でいいとは限らないということをきちんと情報提供していただいたらいいのではないかと思います。

○機構 分かりました。ありがとうございます。

○吉田部会長 よろしくお願いします。ほかにありますか。

○関水委員 これは私の誤解かもしれませんが、1718ページのデータでは有効性が非常に僅かだと思うのです。そのときに、どうして血液中のIgE濃度といった客観的な指標でなくて、主観的な指標しかないのですか。血液中のIgEを測るのは意味がないのですか。

○機構 現時点で、アレルギー性鼻炎については、有効性の臨床評価として使用可能な客観的な指標は見いだされておらず、症状スコアで評価されております。

○関水委員 血中のIgEは、バイオマーカーとして認識されていないのですか。

○機構 データとして、IgEは臨床試験で取られています。

○関水委員 データがあるのですか。

○機構 はい。本剤群では本剤投与後にIgEが増加し、プラセボ群では増加しないことが示されています。

○関水委員 分かりました。もう一つ質問します。アナフィラキシーが懸念されると書かれています。言葉が乱暴かもしれませんが、もしこの製剤で、アナフィラキシーで死亡患者、あるいは類似の重篤な問題が起きたときに、何例に1個ぐらいだったらそれは許されるとお考えですか。

○機構 許容できるアナフィラキシーの発現頻度を明確にするのは難しいですが、本剤は感作されている患者さんに抗原を投与するものですので、アナフィラキシー自体が起きる可能性がありますが、重篤な症状が発現する事態は回避する必要があります。そのために本剤を投与いただく際にはアナフィラキシーが起こるという前提の下で使っていただいて、もしアナフィラキシーが起こった場合にも必ず対処できる体制を構築していくことで、本剤の安全性を管理する必要があると考えています。

○関水委員 スギ花粉症でこの製剤を服用したときに、アナフィラキシーが起きるかもしれない。それに対して、医師は適切に対処するべきであると、そんなことを命じることができるのですか。

○機構 減感作療法に精通し、かつアナフィラキシーにも対応できる医師及び医療機関で本剤を使用するよう、警告欄に記載させていただいております。

○関水委員 そうすると、もう1回戻りますが、17ページに出ている、本剤群とプラセボで、2シーズン目で5.628.1とか、少し違うと思いますが、これでスギ花粉症に有効だったというものについて、多少アナフィラキシーの危険はあるかもしれないけれども、使ってみてくださいというのはよろしいのですか。

○機構 臨床試験でのスコアについて、既承認の薬剤との比較を踏まえても、臨床的に十分有効性が示されているスコアと考えております。

○関水委員 261例とか256と書いてありますが、スコアは何名の人がポジティブだと回答したのですか。

○機構 それは寛解という意味でしょうか。

○関水委員 寛解でなくても、治っても治らなくてもいいのですが、特に知りたいのは、プラセボで何%の人が花粉症になったのですか。本来花粉症患者だから、100%なるはずですね。

○機構 スギ花粉に対する抗体の有無についてはIgEの発現等で確認しております。

○関水委員 そうではなくて、表6で回答した人がいますね。そのときに、自分は花粉症患者だと言ってこの治験に参加した人の何名が、実際に花粉症になったと報告したのですか。少ないのではないですか。

○機構 スギ花紛症患者として症状があるということも選択基準として設定されております。

○関水委員 その症状が出たのは何例かというのは、この数字を足すのでは駄目なのですね。どうしたら分かるのですか。本当にこの母集団が花粉症の患者で、プラセボでは効かないと。ただし、こちらでやると効いたというプレゼンテーションにはなっていないので質問しているのです。

○機構 17ページの表6の下を御覧ください。患者の実感する症状に近い評価もしておりまして、患者の実感としても、プラセボ群よりも本剤群の方が改善していたと考えております。

○関水委員 Well dayの日数が2日と解釈したとします。そうすると、1年間のうちで2日だけWell dayだったということですか。この人は全く駄目な日が多かったという意味ですか。

○機構 審査報告書20ページを御覧ください。表9の下にすべてWell dayだった患者の割合が示してあり、1シーズン目は1%か2%ぐらい、2シーズン目は本剤群が17%、プラセボ群が8%ですので、Well day の評価においても、プラセボ群より本剤群の方が上回っております。

○関水委員 そうすると、統計学的に有意な差があるというのは分かりました。花粉症患者に関して、統計学的に有意に治るものがあるけれども、アナフィラキシーの可能性があるという、そんな薬があり得るのですか。

○事務局 補足しますと、国内の臨床試験において、実際にアナフィラキシーが起こっているわけではありません。また、海外でもSLITという舌下投与のものは既に臨床導入されていますが、アナフィラキシーが起きたという報告はありません。しかし、SCITという皮下注射の場合では、海外でも実際にアナフィラキシーが起きたという、死亡例も含めて報告があって、論理上は否定はし切れないだろうということで、先ほど来アナフィラキシーの恐れもと申し上げています。

 本剤に関しては、このように臨床試験や国外の使用実態に関してアナフィラキシー自体は報告されていませんが、大事を取って臨床現場できちんと注意して使っていただきたいということで、アナフィラキシーの恐れもありと御説明しております。

○吉田部会長 最初に関水先生が言われた発売中止する基準は何%なのか。イレッサのときも何%にするかとかいうことがいろいろありましたが、そういう決まりはないのでしょうか。

○審査管理課長 特にはありません。多分、疾患と薬剤と代替薬があるかないかとか、そういうことによっているので、一律に、例えば1例出ればいいのか、10例出ればいいのかという議論ではなくて、発生自体の重大さを考えて公表すべきと考えております。

○吉田部会長 ということは、アナフィラキシーが頻発したとしたら、承認取消しみたいなことも起こり得るという想定はするわけですね。

○審査管理課長 理論的には考えられますが、先ほども事務局から御説明したように、現時点で日本での治験データ等にはないということですが、念のためにということと、くどいようですが、適正使用管理体制を、豊見先生にも使い勝手が悪いという御指摘を頂いていますが、これで、初めにかからせていただき、徐々にその後の状況に応じて管理体制、あるいは安全対策のやり方は順次変わっていくのではないかと考えております。

○新井部会長代理 またアナフィラキシーのことが問題になっていますが、27ページの所で、どういう定期報告か分かりませんが、実際に欧州ではアナフィラキシーになっている人はいるわけですよね。ゼロではないのですね。

○機構 SLITでもアナフィラキシーの発現がゼロではありませんが、死亡例の報告はございません。

○新井部会長代理 死亡例がゼロで、重篤なアナフィラキシーは起きているということで、問題になっているのは、ほかの副作用と違って、アナフィラキシーの副作用は用量依存性がないのではないかということが大きな問題だと思います。また、徐々に起きてくるのではなくて、突然起こるということが一番大きな問題なので、その辺りはかなり慎重な対応をしておいた方がよろしいのではないかと思います。

○審査管理課長 その点も含めて、ハイシーズンからこの薬剤を使わないとか、その辺りは添付文書でも十分手当をしておりますので、御指摘の点を含めて、もう一度万全な体制について、取り組むようにしたいと思います。

○豊見委員 注射では、皮下では結構長い間使われていますね。それでアナフィラキシーはどの程度起こっていますか。

○機構 先ほどの審査報告書の2627ページになりますが、海外の情報ですが、SCITでは200250万回当たり1件、致死的なものについては1年当たり4.7件、100万回当たり1件と推測されており、SLITでは約1億回投与あたり1件程度と推定されております。また、27ページに示しております海外臨床試験のメタ解析では、エピネフリン投与を必要とした比較的重篤なアナフィラキシーの発現は、SCITでは1.07%、SLITでは0.05%という報告がございます。

○吉田部会長 造影剤のヨード過敏によるアナフィラキシーショックはどのぐらいの頻度ですか。もう少し低いですか。頻度的に言うとどうなりますか。

○機構 今、手元にデータがございません。

○吉田部会長 頻度の比較ができれば、イメージがつかみやすいかと思うので、今調べてくれているようですが、ほかにはいかがでしょうか。

○福山委員 薬ではないのですが、かなり前に、健康食品を食べてアナフィラキシーが起こった事例があるので、こういった状態のものでも起きる場合がないとは言えないと思います。欲を言えば、健康食品等でもどういったものを摂取しているかという情報も集めていただければと思います。

○機構 御指摘ありがとうございます。食品で過去にアナフィラキシーが起こったことも踏まえて、添付文書でも本剤だけではなく、関連するものに対してショックを受けた患者にも注意を促すことを考えております。

○福山委員 それ以降、大分、数は激減しているのですが、まだ細々と花粉自体を使った健康食品みたいなものが販売されているので、一応その辺りの使用状況を、推定患者数が多いので、注意していただければと思います。

○吉田部会長 ほかにありますか。よろしいでしょうか。

 それでは、議決に入ります。なお、奥田委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくこととします。本議題について承認を可としてよろしいでしょうか。

 御異議がないようですので、承認を可とし、薬事分科会に報告とさせていただきます。頻度は出ましたか。

○審査管理課長 添付文書では0.1%未満しか出ていません。具体的な数字は分かりません。

○吉田部会長 でも、ヨードの方がはるかに厳しい感じですね。ありがとうございました。

 それでは、議題5に移ります。議題5について、医薬品医療機器総合機構から概要説明をお願いします。

○機構 審議事項議題5、資料5「医薬品ノボエイト静注用250、同静注用500、同静注用1000、同静注用1500、同静注用2000及び同静注用3000の生物由来製品及び特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否、再審査期間の指定並びに毒薬又は劇薬の指定の要否について」、医薬品医療機器総合機構より御説明します。

 本剤は、ツロクトコグアルファ(遺伝子組換え)を有効成分とする遺伝子組換え血液凝固第VIII因子製剤です。本剤の適応とされる血友病を初めとした血液凝固第VIII因子欠乏症は、血液凝固第VIII因子の量的低下あるいは質的異常によって引き起こされる出血性疾患であり、基本的な治療としては、止血に必要十分量の血液凝固第VIII因子の投与が行われています。ツロクトコグアルファ(遺伝子組換え)は、血液凝固第VIII因子のBドメインの大部分を除去した遺伝子組換え蛋白質であり、血中でトロンビンによる活性化を受けることにより、内因性の血液凝固第VIII因子と同様の分子形態・薬理作用を示します。なお、本剤は20131015日に米国で承認されています。

 本剤の専門協議に御参加いただいた専門委員は、資料17にお示しした6名の委員です。

 以下、審査の概略について、臨床試験成績を中心に御説明いたします。有効性については、審査報告書26ページ表4-3を御覧ください。臨床薬理試験の結果から、薬理作用及び薬物動態に関して、本剤と既承認の遺伝子組換え第VIII因子製剤であるアドベイトとの間に明らかな差異は認められないと考えられ、同様の有効性が期待できるものと判断しました。また、提出された第III相試験において、本剤の有効性を支持する結果が示されたものと判断しました。

 安全性については、審査報告書4142ページを御覧ください。これまでに得られた情報から、小児も含め、本剤は忍容可能と判断いたしました。ただし、血液凝固第VIII因子に対する中和抗体の発現の可能性に関する情報は重要であることから、申請者が現在実施している外国人小児血友病A患者を対象とした臨床試験や製造販売後において得られた情報について、必要に応じ速やかに情報提供を行う必要があると考えています。

 製造販売後の検討については、審査報告書50ページからの「医薬品リスク管理計画書()について」の項を御覧ください。審査報告書51ページ、表3に特定使用成績調査(長期使用)計画()の骨子をお示ししております。本剤の長期使用における安全性を検討することを目的とした調査であり、予定症例数は30例、このうち小児は6例程度含まれることが想定されています。

 最後に、審査報告書に訂正がありますので御説明します。審査報告書9ページ、表2-2を御覧ください。本剤の原薬製造工程におけるウイルスクリアランス能を評価するために、モデルウイルスを用いて実施されたウイルスクリアランス試験の結果をお示ししております。この表2-2の中で、数値の訂正が2点あります。1点目は右から2列目のレオウイルス3型を用いた結果のうち、下から2段目のウイルスろ過工程について記載されたウイルスクリアランス指数「□□」の訂正です。この「□□」という数値は、その左隣のマウス微小ウイルスを用いた試験結果を外挿できるものとして記載された値ですが、実際には、レオウイルス3型については□□□□□□□□□□□□でした。したがって、レオウイルス3型のウイルスろ過工程におけるウイルスクリアランス指数を、現在記載している「□□」から「□□」に訂正します。また、2点目ですが、その下の総ウイルスクリアランス指数「12.9」の訂正です。1点目の変更に伴い、総ウイルスクリアランス指数は「12.9」から「□□」を□□□□□6.6」に訂正します。なお、訂正された結果においても、本剤の製造工程はウイルスクリアランス能を有していると評価でき、審査結果の変更はありません。審査報告書の訂正に関する説明は以上です。

 以上の審査の結果、機構は、本剤を承認して差し支えないものと判断しました。また、本剤は、新有効成分含有医薬品であることから、再審査期間は8年、原体及び製剤は毒薬及び劇薬のいずれにも該当せず、生物由来製品に該当すると判断いたしました。なお、薬事分科会には報告を予定しています。

 また、事前に川崎委員より、御質問を頂いておりますので御紹介いたします。

 御質問内容をお読みします。本品は、H鎖とL鎖が2価金属イオンを介した非共有結合性相互作用で結び付いたポリペプチドであり、翻訳後修飾として糖鎖付加とチロシン硫酸化などがあります。1点目として、金属イオン及びチロシン硫酸化について、変動したときの有効性、安全性への影響と、影響があるならば、その管理方法について教えてください。

 2点目として、糖鎖について、シアル酸以外の糖鎖構造とシアル酸結合数が変動したときの有効性、安全性に及ぼす影響と、影響があるならば、その管理方法について教えてください。なお、規格及び試験方法として、糖鎖総ピーク面積に対するシアロ糖鎖総ピーク面積の割合が設定されていますが、各糖鎖のピーク面積が合計されるので、シアル酸以外の糖鎖構造も、シアル酸結合数(モノ、ジ、トリシアロ糖鎖)も、シアロ糖鎖のプロファイルも管理されません。委員は、少なくとも、試験項目名「糖鎖電荷プロファイル」は不適切と考えます。また、アシアロ糖鎖構造やシアル酸分布が有効性、安全性に影響する場合、若しくはその情報が不十分である場合は、標準物質の糖鎖プロファイルと同等であることを判定基準とすることも一つの対応策と考えます、との御質問を頂いております。

 まず、1点目については、本剤の審査の過程において、金属イオン及びチロシン硫酸化の影響について申請者に確認しています。その中で、これらの変動が、本剤の血液凝固第VIII因子活性に影響があるという回答を頂いています。この点については本剤の規格及び試験方法で、第VIII因子の力価を試験項目として挙げていますので、適切に管理しているものと判断しています。

 2点目については、本剤と同様の他の遺伝子組換え血液凝固第VIII因子製剤において、御指摘のシアル酸以外の糖鎖構造やシアル酸結合数の変動による有効性、安全性に及ぼす影響に関する知見というのは今までに報告されていません。さらに、本剤についても、これまでの開発において、御指摘の糖鎖構造の影響に関する知見は得られていません。以上から、現時点ではこれらの糖鎖構造が有効性、安全性に及ぼす影響はないと判断しています。もし、今後これらの糖鎖構造について影響があるとの知見が得られた場合には、適切な管理方法の必要性について検討させていただきたいと考えています。また、試験項目名についての御指摘については、変更の要否について検討したいと考えています。川崎先生からの御質問に対する回答は以上です。

○吉田部会長 ありがとうございました。川崎先生いかがですか。

○川崎委員 金属イオンとチロシン硫酸化に関しては、生物活性を管理することで担保しているというお話でしたが、資料には、チロシン硫酸化はVon Willebrand因子との結合に関与していると書かれています。生物活性試験は合成基質との反応性を見ていると思うのですが、Von Willebrand因子との反応性も反映した試験であるのかをお聞きしたいと思います。また、金属イオンに関してもこの試験で担保できているのかどうかというのを確認したいと思います。糖鎖についてはシアル酸以外は有効性、安全性に影響がないので、この規格及び試験方法でよいと判断されたことについては理解しましたが、プロファイリングはしていませんので、試験項目名については御検討よろしくお願いいたします。

○審査管理課長 確認に時間がかかっているようですので、よろしければほかの先生方にお願いいたします。

○吉田部会長 ほかの委員の先生方、どうぞ。

○半田委員 この製剤は既に遺伝子組換え全長型が二つありますね。そして今回は三つ目で、これはBドメインを除去しているということで、やはり治療の場合、一番の問題点は、インヒビターの発生だと思うのですが、一応治療歴がある重症患者においては国内の第III相でもインヒビターは発生していないと。ただし、41ページ「()安全性について」の1)の2段落の一番下のところ、現在実施中の3809試験においては、治療歴がない重症血友病患者A、小児でしょうが、インヒビターが1件報告されているという記載があるのですが、添付文書を見ると、臨床成績のところでは治療歴のあるということで、インヒビターは認めないと書いてあるのですが、この辺は注意喚起ということではどうでしょうか。血友病の患者で、初回治療で使うことはなかなかないと思うのですが、この辺は注意喚起とか、そういうところは記載の追加等は必要ないのでしょうか。

○機構 機構よりお答えいたします。インヒビター発生のリスクについては、添付文書の2ページ「2.重要な基本的注意」というところで、インヒビターが発生する恐れがあるということで注意喚起しているところです。先ほど御指摘いただきましたインヒビター発生例については、まだ実施中の試験における報告ということですので、事実関係として審査報告書には記載していますが、当該症例の評価はまだ完了していないことから、添付文書の臨床成績への反映までには至っていないというのが現状です。

 それから先ほど川崎委員からの御質問を頂きました件についてですが、規格としての力価試験については合成基質法で実施されています。これについては御指摘のとおり、Von Willebrand因子との関係については、反映されていないという試験です。ただ、そのほかの特性解析の開発段階のデータですとか、薬理試験のところでは、Von Willebrand因子との関係も含めた成績が提出されており、そのデータから見ている限りでは、規格及び試験方法として追加の試験方法を設定しなければいけないという状況ではないというのが機構の判断です。

 また、金属イオンの影響については合成基質法でも検討できるものと考えています。

○川崎委員 工程で管理されているので、金属イオンやチロシン硫酸化に関しては恒常性が担保されていると考えておられるということでよろしいでしょうか。

○機構 はい、そのように判断しております。

○吉田部会長 ありがとうございました。半田先生の方はいかがですか。

○機構 半田委員からいただいた御質問に対する回答は、先ほど御説明したとおりです。

○吉田部会長 それならいいのです。ほかにございますか。

○新井部会長代理 先ほど川崎先生が、糖鎖の方の質問をされていたと思うのですが、3ページに出ている糖鎖構造は、主な糖鎖であって、しかもさらに推定構造となっていて、一般的に糖鎖自身は、血中蛋白に関しては、それほど生物活性に影響がないことが多いかとは思うのですが。ただ一つ、シアル酸がとれてしまうと、ガラクトースが露出して、すぐに肝臓に取り込まれてしまうという性質があると思うので、今回の蛋白に関してだけということではないのですが、今後、品質という観点から、それだったら血中の有効濃度はなくなってしまうと思いますので、何かその辺は将来的には糖鎖も少し血中の半減期という、定常状態における生理活性ではなくて、そういうのも考慮して、品質の維持というのは、なかなか難しいと思うのです。これはもう分布になってしまっているという様々なヘテロジェネイティがあると思うので、それを同じ品質にしろというのは、少し難しいかという感じがします。唯一、気になるのは川崎先生にもあったシアル酸の数とか、露出しているかというのは、結構蛋白に影響すると思いますので、今後はこういう血液製剤、そういう意味で考えると先ほどに戻ってしまうのですが、資料8のときの武田の作られている抗体は、糖鎖構造が、最後にガラクトースが末端に付いている糖鎖構造を出しているのですが、本当に間違いないのか後で確認してほしいと思うのです。あっという間に、わざとなくならせようとしてガラクトースを付けているのかと思うくらい、末端に普通はガラクトースを付けないのではないかと思うのですが、これは確認してもらいたいです。

○機構 まず、ノボエイトに関しては現在の規格及び試験方法等の検討において、恒常性が維持できているものと考えていますが、今の先生の御指摘については、今後の検討課題として申請者にもお伝えしたいと考えております。

○吉田部会長 よろしくお願いします。それでは、ほかに御意見、御質問はございますか。

 御意見もないようですので、議決に入ります。本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。

 御異議がないようですので、承認を可とし、薬事分科会に報告とさせていただきます。

 それでは議題9に移ります。田村委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議題9と12の間、別室で御待機いただくことといたします。

                           ── 田村委員退室 ──

○吉田部会長 それでは議題9について、事務局から概要説明をお願いします。

○事務局 審議事項議題9、資料9「バンデタニブを希少疾病用医薬品として指定することの可否について」、機構からの評価報告書に沿って事務局より御説明します。

 申請者はアストラゼネカ株式会社、予定される効能・効果は「甲状腺癌」となります。希少疾病用医薬品の指定要件である対象患者数、医療上の必要性、開発の可能性の3点について順に御説明します。

 まず、「対象患者数」について、厚生労働省の平成23年患者調査によると、本邦における甲状腺癌の総患者数は29,000人と推計されていることから、患者数が5万人未満という希少疾病用医薬品の指定基準を満たしているものと考えています。

 次に、「医療上の必要性」についてですが、甲状腺癌の治療法は一般に手術が第1選択とされており、組織型によっては全身化学療法と放射線外照射の集学的治療、また、一部の患者では放射性ヨウ素内用療法が行われますが、それ以外では確立した標準的な治療法はなく、治療選択肢が極めて限られていることから、本剤の医療上の必要性は高いと考えています。

 最後に、開発の可能性については、甲状腺髄様癌患者を対象とした海外第III相試験が実施されていることから、本剤の甲状腺癌に対する開発の可能性は高いと考えています。

 以上から、本剤は希少疾病用医薬品の指定要件を満たすものと判断をしています。御審議のほど、よろしくお願いします。

○吉田部会長 ありがとうございました。それでは御意見、御質問をお願いします。甲状腺分化型の癌は比較的緩徐な進行をしますが、髄様癌は極めて悪性度が高いということもありますし、頻度も少ない。今後の介入は、フェーズ1、2試験がもう既に実施中であることもあって開発の目処が立っているということですね。

 よろしいですか。では、議決に入ります。清田委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくことといたします。お諮りします。本議題について、指定を可としてよろしいでしょうか。

 御異議がないようですので、指定を可とし、薬事分科会に報告とさせていただきます。 それでは議題12に移ります。

○事務局 審議事項議題12、資料12「ボスチニブ水和物を希少疾病用医薬品として指定することの可否について」、機構からの評価報告書に沿って事務局より御説明します。申請者はファイザー株式会社、予定される効能・効果は「前治療薬に抵抗性又は不耐容の慢性骨髄性白血病」となります。

 まず、「対象患者数」については、厚生労働省における2011年度の患者調査では、白血病の総患者数は約3万人と報告されており、慢性骨髄性白血病の患者数はその20%の6,000人程度と推測されていることから、希少疾病用医薬品の指定基準を満たしているものと考えています。

 次に、「医療上の必要性」についてですが、本剤は慢性骨髄性白血病に対する一次治療薬又は二次治療薬として、イマチニブ、ダサチニブ又はニロチニブが使用されていますが、これらの薬剤に抵抗性又は不耐容の患者に対しては、有効な薬剤がなく、新たな治療薬の開発が望まれていることから、本剤の医療用の必要性は高いと考えております。

 最後に、開発の可能性については、イマチニブに抵抗性又は不耐容の慢性骨髄性白血病患者を対象とした海外第I/II相試験が実施されており、本邦でもイマチニブに抵抗性又は不耐容の慢性骨髄性白血病患者を対象とした国内第I/II相試験が実施されていることから、本剤の開発の可能性は高いと考えています。

 以上より、本剤は希少疾病用医薬品の指定要件を満たすものと判断しています。御審議のほど、よろしくお願いします。

○吉田部会長 ありがとうございました。慢性骨髄性白血病の患者は頻度が少ないし、標準的治療に抵抗性あるいは不耐容の患者ということで臨床的な意義も非常に高いです。臨床試験も一部は始まっているということで、これもよろしいですね。

○新井部会長代理 この議題ではないのですが、先ほどの議題1011のときに感じたのですが、医療上の必要性についての文章を見ていただきたいのですが、この文章ですと、悪性黒色腫に対してこういう製剤が使われているが、全然効果がないので新しい治療薬の開発が望まれるみたいな文言に聞こえてしまうのです。そうすると、今までこれを使っていたのが、有効性がないものを使っていたのかという文章に見えてしまうので、少し書き方を変えた方がいいのではないかと思ったのです。

○吉田部会長 認可した責任もありますからね。

○新井部会長代理 そうなのです。

○吉田部会長 効かない薬を認可していたのかという話になるので。

○新井部会長代理 そういうような文章に見えてしまうので、どうなのかと気になったのです。

○吉田部会長 気を付けてください。確かに悪性黒色腫に薬物療法はほとんど効かないですが、それを効かないと言ってしまうと、認めたのはあなたたちではないのと言われてしまう。それは舌を噛むことになりますから。

○審査管理課長 すみません。誤解のないように、もう一度表現を点検させていただいて、必要な対応を取らせていただきます。ありがとうございました。

○吉田部会長 それでは議決に入ります。なお奥田委員、清田委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくことといたします。本議題について、指定を可としてよろしいでしょうか。

 御異議がないようですので、指定を可とし、薬事分科会に報告とさせていただきます。

 それでは別室で待機されている田村委員をお呼びください。

── 田村委員入室 ──

○吉田部会長 それでは議題13について、事務局からの概要説明をお願いします。

○事務局 審議事項議題13、資料15「ヒトC1インヒビターを希少疾病用医薬品として指定することの可否について」、事務局より御説明します。

 申請者はViroPharma Incorporated、予定される効能・効果は「遺伝性及び自然突然変異によるヒトC1インヒビター欠損症患者における血管性浮腫発作の予防及び治療」となります。

 まず、「対象者患者数」は、2008年度の全国疫学調査の結果及び2009年度厚生労働科学研究費補助金による調査研究結果によると、総補体欠損症患者はおよそ90例弱とされ、先天性のC1インヒビター欠損症患者数は、それ以下と推定されています。また、2009年の国内病院を対象に実施した全国調査では、遺伝性血管性浮腫患者は52例との報告が、さらに、1969年〜2010年までの医学文献を調査した結果、国内遺伝性血管性浮腫患者は132例との報告があり、いずれにしても患者数が5万人未満という希少疾病用医薬品の指定基準を満たしているものと考えています。

 次に、「医療上の必要性」について御説明します。血管性浮腫発作は外傷や医学的処置、精神的ストレスなどにより生じる疾患であり、特に浮腫が喉頭に及ぶ場合には呼吸困難をきたし、適切な治療がなされなかった場合の死亡率は3040%と報告されています。本邦では、「遺伝性血管性浮腫の急性発作」を効能・効果にしたベリナートP静注用が承認されていますが、補充療法による血管性浮腫発作の予防や補充療法中の発作治療を目的とした適応は有していないため、本剤の医療上の必要性は高いと考えております。

 最後に、「開発の可能性」については、海外において先天性ヒトC1インヒビター欠損症患者における血管性浮腫発作の治療効果又は予防効果に係る第III相試験がそれぞれ実施され、発作回数の減少等が示されており、本邦でも、国内の先天性ヒトC1インヒビター欠損症患者における血管性浮腫発作の予防効果又は治療効果を検討する臨床試験を実施する予定であることから、本剤の開発の可能性は高いと考えています。

 以上から、本剤は希少疾病用医薬品の指定要件を満たすものと判断しています。御審議のほど、よろしくお願いします。

○吉田部会長 ありがとうございました。症例数は本邦で多くて100人少しということと、臨床的な有用性として疾病の重篤性が挙げられていて、喉頭浮腫で亡くなる場合もあるということ。幾つか既に臨床試験が実施されているということがありますので、一応、3条件をクリアしていると思われますが、いかがですか。

 よろしいですか。それでは議決に入ります。お諮りします。本議題について、指定を可としてよろしいでしょうか。

 御異議がないようですので、指定を可とし、薬事分科会に報告とさせていただきます。

 それでは報告事項に移ります。報告事項について、事務局から概要説明をお願いします。

○事務局 報告事項議題1、資料13-113-6「医薬品エルプラット点滴静注液50mg、同点滴静注液100mg及び同点滴静注液200mg、カンプト点滴静注40mg及び同点滴静注100mg、トポテシン点滴静注40mg及び同点滴静注100mg、アイソボリン点滴静注用25mg及び同点滴静注用100mg、レボホリナート点滴静注用25mg『ヤクルト』及び同点滴静注用100mg『ヤクルト』並びに5−FU注250mg及び同注1000mgの製造販売承認事項一部変更承認について」、事務局より御報告いたします。

 なお、資料13-113-6については、それぞれ審査報告書の一部差し替え資料がありますので、併せて御覧ください。現在、これらの医薬品は、それぞれの資料の冒頭に付した別紙様式1に記載の効能・効果でそれぞれ承認されています。今般、これらの医薬品に、治癒切除不能な膵癌に対して併用投与する「FOLFIRINOX療法」に関する効能・効果及び用法・用量を追加する、製造販売承認事項一部変更承認の申請がなされました。医薬品医療機器総合機構における審査の結果、これらの医薬品を承認して差し支えないと判断しました。

 なお、事前に佐藤委員から御意見を頂いておりますので、機構より説明させていただきます。

○機構 機構から回答させていただきます。事前に佐藤委員から、例えば資料13-1の審査報告書16ページ〜17ページにかけてになりますが、中間解析結果においては第一種の過誤確率が増大している可能性が考えられるとの記載があるが、ACCORD11試験の公表論文のSupplementary Appendixには、中間解析の延期等に関して、中間解析等の実施前に決定された旨が記載されており、第一種の過誤確率の増大はないと思います、との御意見を頂きました。

 この点に関して機構の考えとしては、CSRには仮説設定根拠が脆弱であり、症例数の変更等がIDMCにより指示された旨は記載がありましたが、IDMCがどの情報に基づき仮説の設定や中間解析の実施時期等を決定したのかについての記載はありませんでした。そのため、審査の過程において、申請者との照会事項でのやり取りにおいて、この点に関して確認し、またIDMCの報告書も確認しましたが、引用していただいた公表論文における記載のように、中間解析の延期等に関して、他の試験成績等を根拠として、中間解析の実施前に決定された旨の説明は確認できませんでした。そのため、ACCORD11試験が非盲検試験であることも踏まえ、より慎重な判断が必要と考え、審査報告書のような記載をさせていただきました。

 また、佐藤委員からは審査報告書13ページの記載について、「OSの3か月延長」ではなく、「OSの中央値の3か月延長」が適切な表現である旨の御指摘がありましたので修正させていただきます。御指摘どうもありがとうございました。説明は以上です。

○事務局 続いて報告事項議題2、資料14-114-2「医療用医薬品の再審査結果について」、事務局より御報告します。

 資料は、いずれも「医薬品再審査確認等結果通知書」です。資料14-1は、一般的名称は「モンテルカストナトリウム」、販売名は「シングレア錠10mg、同チュアブル錠5mg、キプレス錠10mg及び同チュアブル錠5mg」に係る報告書。資料14-2は、一般的名称は「アジスロマイシン水和物」、販売名は「ジスロマック錠600mg」に係る報告書です。

 こちらの品目について製造販売後の使用成績調査、特定使用成績調査、製造販売後臨床試験等に基づいて再審査申請が行われ、審査の結果、薬事法第14条第2項第3号に掲げられている承認拒否事由のいずれにも該当しないこと、すなわち効能・効果、用法・用量等の承認事項について変更の必要はない「カテゴリー1」と判定したものです。説明は以上です。

○吉田部会長 ありがとうございました。膵癌に対するFOLFIRINOXの適用ということでの一部変更承認、「カテゴリー1」の再審査結果ということです。報告事項議題1について佐藤先生、いかがですか。

 よろしいですか。ほかの先生方から何か御意見、御質問等はございますか。

 ないようですので、報告事項については御確認いただけたものとします。本日の議題は以上ですが、事務局から何か報告はありますでしょうか。

○事務局 次回の部会ですが、平成26年2月3日()午後3時から開催させていただく予定です。よろしくお願いします。

○吉田部会長 今日は議題がたくさんあったので、早く進めたつもりですが、3時間を超えてしまいました。本当に長丁場、御苦労様でした。本日はこれにて終了させていただきます。ご協力ありがとうございました。


(了)

備考
 本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。

連絡先:医薬食品局 審査管理課 課長補佐 益山(内線2746)

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