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2014年6月24日 第2回医療等分野における番号制度の活用等に関する研究会議事録

政策統括官付情報政策担当参事官室

○日時

平成26年6月24日(火)18:00〜20:00


○場所

全日プレスセンタービル6階
フォーリン・プレスセンター会見室


○出席者

構成員

飯山幸雄構成員 石川広己構成員 大道道大構成員
大山永昭構成員 貝谷伸構成員 金子郁容座長
佐藤慶浩構成員 霜鳥一彦構成員代理 渡辺IT推進部長 土屋文人構成員
冨山雅史構成員 馬袋秀男構成員 樋口範雄構成員
南砂構成員 森田朗構成員 山口育子構成員
山本隆一構成員

事務局

唐澤剛 (政策統括官)
山沖義和 (政策評価審議官)
鯨井佳則 (政策統括官付情報政策担当参事官)
大場寛之 (政策統括官付情報政策担当参事官室政策企画官)
金崎健太郎 (参事官(内閣官房社会保障改革担当室))

○議題

(1)前回の主な意見及び具体的な利用場面に関する検討の視点について
(2)大山構成員プレゼンテーション「医療等IDとリンクコード」
(3)森田構成員プレゼンテーション「医療分野における番号制度の活用-医療保険制度と医療の質の改善-」
(4)山本構成員プレゼンテーション「医療・医学における番号の活用場面」
(5)意見交換

○配布資料

資料1 第1回 医療等分野における番号制度の活用等に関する研究会 構成員の主な意見(未定稿)
資料2 具体的な利用場面に関する検討の視点(案)
資料3 大山構成員提出資料「医療等ID」とリンクコード
資料4 森田構成員提出資料4 「医療等分野における番号制度の活用 −医療保険制度と医療の質の改善−」
資料5 マイナンバー制度の概要とマイナンバー等分科会の検討状況(内閣官房説明資料)
資料6 山本構成員提出資料「医療・医学における番号の活用場面」

○議事

○金子座長 それでは、定刻になりましたので、第2回「医療等分野における番号制度の活用等に関する研究会」を開催したいと思います。

 きょうは会場がよく外国記者の会見をやる場所ですね。かなり既に熱気がありますので、いい議論をしたいと思います。

 本日は新保構成員より御欠席との御連絡をいただいております。

 また、霜鳥構成員につきましても御欠席ですが、代理として渡辺さんが来ていらっしゃいますので、よろしくお願いいたします。健康保険組合連合会のIT推進部長ということでございます。

 なお、南構成員は途中から退席されるということでございますので、あらかじめ御承知おきください。

 それから、ちょっと気がついたのですが、このマイクはずっとオンになっているそうで、これは冗談ですが、まずいことを言うとそのまま流れてしまいます。多分、私が一番気をつけなければいけないのではないかと思っておりますけれども、よろしくお願いしたいと思います。

 それでは、まず初めに事務局より配付資料についての御説明がございますので、よろしくお願いします。

○大場企画官 お手元の資料を御確認いただきたいと思います。

 資料1「第1回医療等分野における番号制度の活用等に関する研究会構成員の主な意見(未定稿)」。

 資料2「具体的な利用場面に関する検討の視点(案)」。

 資料3といたしまして、大山構成員御提出「医療等IDとリンクコード」。

 資料4といたしまして、森田構成員御提出「医療分野における番号制度の活用―医療保険制度と医療の質の改善―」。

 資料5といたしまして、山本構成員御提出「医療・医学における番号の活用場面」。

 万一不足等がございましたら、事務局までお申しつけくださいますよう、よろしくお願いをいたします。

 以上でございます。

○金子座長 ありがとうございました。よろしいでしょうか。

 報道陣の皆様は、頭撮りはここまでとさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

(報道関係者退室)

○金子座長 それでは、本日の議題に入りたいと思います。

 きょうは事務局から資料の御説明があって、あと3人の専門家の方から発表をいただき、その後、多分かなり長い時間ディスカッションの時間があると思います。そのような形でもって進めたいと思います。

 まず1つ目でございますけれども、前回の主な意見及び具体的な利用場面に関する検討の視点について、事務局より資料1と資料2について御説明いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○鯨井参事官 まず資料1について御説明したいと思います。

 第1回で行われた議論の中で、構成員から出された意見について、主な意見は事務局の責任でまとめたものでございます。前回は内閣官房からのマイナンバー制度とパーソナルデータ検討会の検討状況について御説明をいただきました。

 マイナンバー制度については、マイガバメントの管理責任とかセキュリティのあり方。代理人のあり方についての御意見がございました。

 パーソナルデータ検討会につきましては、匿名化情報に一定の規制が設けられる方向で検討が進んでいるといった御意見がございました。

 3点目の今後の研究会の進め方につきましても、個人情報保護制度の検討状況を踏まえるべきとか、マイナンバー法の規制との関係を整理するとか、特にPIAの関係とか、そういった御意見がございました。

 見える番号、符号の関係をどうするかといった点についても議論の必要性が指摘されました。

 その他としまして、公共政策の観点から番号制の必要性とか、委託先とか小規模事業者に対する規制の問題等々の御意見をいただいたところでございます。

 以上が資料1でございます。

 資料2は第3回以降、具体的な利用場面を検討いたしますので、それについてどういった視点で議論をするかということについての案でございます。

 1点目は番号、符号のあり方でございまして、各利用場面についてどんな形態、例えば本人確認だけなのか、データを突合する、機関間で情報を連携するケースと、それぞれございます。どれに該当するのかという点。

 それから、目に見える番号と見えない電子的符号をどういうふうに使い分けていくのか。マイナンバー法でも使い分けがございます。こういったことをどうするのかという点。

 番号の生成とか管理を誰に任せるのか。初期突合をどうやってやっていくのか。これを活用できるような情報連携基盤、データベースとかネットワークとか、こういった情報連携基盤をどうやって構築するのかという点が1つございます。

 「2.メリット」についての考え方でございますが、番号制度の特徴は、1つは長期追跡性というものでございます。一生涯にわたって個人を特定できるという性質をどうやって有効に活用するのかという点。

 2点目はデータの突合性が高まるということでございます。これをどういうふうに有効活用するのかという点。

 こういったメリットを発揮するためには、どういった基盤が必要かという点。

 各主体、これは患者とか医療機関の保険者にそれぞれどのようなメリットが享受できるのかという観点がございます。

 「3.コスト」についてでございますが、マイナンバー法によって整備されるインフラがございます。いわゆるICカード等々、こういった既存インフラをどれだけ活用できるのかという点。

 イニシャルコスト、ランニングコストはどの程度になるのかという観点。

 各主体でどのようなコストが発生するのかという点でございます。

 「4.法規制」の問題でして、番号つきの個人情報をどのように扱うか、規制の関係でございます。

 裏面にマイナンバー法の規制と個人情報保護法による規制の対照表をつくっておきましたが、番号つき個人情報となりますと、マイナンバー法では個人情報保護法よりも一段厳しい規制を置いております。こういった関係からどういった規制があるべきかということが1つです。

 それから、番号つきの個人情報、閲覧できる者をどのようにするか。閲覧制限をどういうふうに設定するかという点がございます。

 個人情報の漏えいを防止するために、システム上のどういった技術的措置を講じるのかという点もあるかと思います。

 これらの観点から、次回以降、検討を進めたらどうかという提案でございます。

 以上でございます。

○金子座長 ありがとうございました。

 ただいまの事務局の説明に関して、何か御質問、御意見ございますでしょうか。資料2のほうは今後議論していくことになると思いますけれども、よろしいでしょうか。また後でもしなにかありましたら御質問いただければと思います。

 それでは、きょうは先ほど申し上げたとおり、3人の構成員、大山構成員、森田構成員、山本構成員のそれぞれの御専門の立場から資料を用意していただいたので、御説明をいただきたいと思います。

 進め方としましては、最初大山構成員からお話いただきます。大山構成員のお話が終わってから幾らか質疑などをしたいと思いますが、資料を見ますと3人の方の内容がいろいろ重なる部分がありますので、最後のほうにまた時間をとりたいと思いますので、御協力いただきたいと思います。

 それでは、まず大山構成員から「医療等IDとリンクコード」という、技術面で一番基本になる部分ですね。お話をいただければと思います。よろしくお願いいたします。

○大山構成員 東工大の大山でございます。

私からは医療等IDとリンクコードについて説明します。リンクコードは電磁的符号と日本語で訳しています。何かと何かをつなげるのがリンクコードの意味になりますが、これらの現実の運用すなわち紐付けシステムを構築する途中段階で、それぞれがどのように使われるかを説明させていただきたいと思います。

 1枚おめくりいただいて、番号法と個人番号について簡単に触れます。御案内のとおり、社会保障・税番号制度の根拠法は平成25年5月24日に成立して、2710月から個人番号の本人通知が開始される予定です。番号を本人に伝えるために、番号通知カードの発行が行われます。住基ネットのときははがきで送られてきましたが、今度は常時携帯できる紙ないしはプラスチックのカードになり、それなりの改ざん防止が施されたものになると聞いています。ただ、このカードには顔写真がついていませんので、言うまでもなく、番号制度の本質である社会保障・税の、特に後者の応用を考えると、改ざんしたい人が出てくる可能性があるので、改ざん防止が必要ということです。

 このとこから、顔写真がついていない通知カードだけでは不十分になります。個人の所得等を正確に捕捉することは重要な目的の一つです。具体的には、現金が誰に渡ったかを捕捉するため、その人の番号を確認することが必要です。そしてこの相手確認を確実なものにするために、改ざんが防止され、なおかつ顔写真がついている番号カードが通知カードの後に発行される予定です。改ざん防止機能および顔写真がついていることは非常に重要で、このカード1枚で間違いなくその人の番号が確認できるようになります。ですから番号通知カードと番号カードには、改ざん防止の程度と、写真の有無に違いがあります。

 個人番号の利用シーンを見てみます。一例ですが、給与や謝礼等を受け取る際に支配者は受取人の個人番号を確認し、源泉徴収票に記載することが想定されます。そのため支払者は個人番号の告知要求、すなわちあなたの番号は何番ですかと聞いて良いことになっています。

 これに対して住民票コードは、行政機関との1対1対応、すなわち個人と行政機関等との間でのやりとりに限定されるため、例えば私が誰かほかの方の住民票コードを聞くこと、言い換えると告知要求をすることは法律で禁止されています。そのため、住基カードの券面には、住民票コードは記載されていません。他方マイナンバーの場合は、告知要求できるので、必然的に番号の視認性が不可欠となり、券面に番号が記載されることになります。以上のことから理解される留意点は、IDに対する曖昧な記憶等に起因する番号の記録ミスを防ぐには、ここでは曖昧な記憶等に起因すると書いていますが、記録ミスを防ぐには、名前や住所を入れるとその人の番号や顔写真が出てくるID検索システムを構築する、あるいは写真つきのカードのようなものを発行することが必要になります。そして、この確認が正確でなければ、記録ミスを防げないとなります。ここで、この記録ミスにより、何が起きるかを考えると、医療分野ではほかの人の医療データを紐付けてしまう危険性が生じることがわかります。

 番号法におけるリンクコードの導入理由を簡単に説明します。従来、各種申請・申告等に必要とされる証明書は、本人経由で添付書類として提出されています。添付書類の削減は、われわれ利用者にとっての利便性向上に繋がるため、情報提供ネットワークシステムを介したいわゆるバックオフィス連携を実現することになっています。既に開発に着手していると思いますが、地方自治体や日本年金機構等の税・社会保障の分野における情報保有機関は、現在、それぞれの組織が独立して、物理的にも分離された状態で、個人情報を記録管理しています。このセキュリティーレベルをネットワーク化しても低下させないために、異なる情報保有機関に共通するマッチングキー、すなわちAの組織とBの組織で何らかの情報提供がされても、1人の人を特定する共通の番号が作られることを避けるために、リンクコードが導入されます。

 言い換えると、万が一、リンクコードを含む個人情報が漏れた場合には、リンクコードを入れかえます。こうすることで、他の情報保有機関の安全性を維持するわけです。この仕掛けは、世界に誇れるおもしろい技術になっているということを申し添えます。

 さらに、マイナンバーやリンクコードを付した個人情報を特定個人情報と定義して、その保護策を強化しています。

 以上のことをまとめると、リンクコードすなわち電磁的符号の機能は、個人情報を紐付けることと言えます。そのため、払い出しを間違えると、大変なことになります。そしてこのリンクコードの払い出し作業の正確性は、個人番号の導入だけで確保されるわけではないということです。

 医療分野における情報連携については、次の6ページをごらんください。後で2先生からもお話があると思いますが、健康情報の一元管理の必要性はさまざまなところで指摘されています。欧米等の先進国ではいわゆるEHRElectronic Health Record)やPHRに関する取り組みが開始されています。

 我が国でも地域医療の再生等を目的として、地域における医療コミュニティが創生され、コミュニティ内での共通診察券番号等を導入する事例が報告されています。

 これらの例では患者さんが個人番号を持っていて、実際に紐付けを確実に行う仕掛けがあるわけで、患者さんの関与なしで番号だけ配ればできるというわけではないということも理解されます。

 この紐付けの正確性の確保は必須要件です。しかしながら、医療等IDの視認性については、ユースケースを見て判断すべきと思います。

 そして医療等IDのあるべき姿は、マイナンバーの利用形態と利用制限等を参考にして、この研究会で検討すべきと考えます。

 視認性を別にしても、何らかの番号を発番するには多重付番を避けることが重要です。そのためには、対象者の悉皆性と、唯一無二性を満たす完備なデータベースが不可欠になります。

 医療分野では、1人に複数の番号を渡して、それぞれの情報を分けて管理したいという意見もありますが、少なくとも確実に誰のものかがわかるようにするためには、唯一無二性を満たした上で、その後の発番の仕方を工夫することで対応するのが良いのではないかと思います。

 この要件を満たすDBとしては、住民票コードあるいはマイナンバー、社会保障分野では健康保険組合がマイナンバーを使うことになっているので、さらにリンクコードが候補になります。リンクコードの利用については別途の検討が必要ですが、コアから新たに発番されるリンクコードの利用は多重付番を避けるのに非常に有効な方法になると期待されますそして何を使うかは、費用対効果を勘案して、現実的な導入策を策定すべきと思います

次の8ページをご覧下さい。右下に、医療等ID発番・管理組織を書いています。ここにIDコードからリンクコードのXを払出すと、このコアシステムに書いてあるIDコードが個人単位になっているので、リンクコードが1個来ると、その方はコアから見ると既に医療分野に出していることがわかるので、二重付番が確実に避けられます。

 そして医療等IDの発番・管理組織側は、リンクコードとは全く関係のないランダムな番号をここで発番することもできます。

 医療等IDの発番管理組織は、この図では一つになっていますが、現実には複数個所に分けて設置する方法もあります。この場合も、先ほど言った悉皆性と唯一無二性は確保できるので、地域医療との関係から、どういう管理組織をつくるのが一番良いかは今後の検討に委ねられます。

 この案では、リンクコードの発番ができるかどうかが一番重要な点になります。9ページをご覧下さい。右側にある官・民組織と書いてあるところです。医療等IDの発番・管理組織が官か民かは決まっていないので、あえて官・民組織にしています。さらに住民基本台帳ネットワークの参照も想定していません。それでも確実にリンクコードを提供できることが大事なことになりますので。具体的には、御本人等から4情報をもらっていただきます。分かりやすい例としては、医療情報を管理して紐付けてくださいというオプトインによる申請方式があがられます。別の可能性としてはオプトアウトもありますが、ここではオプトインの場合を説明します。この場合は、基本的に本人から取得した4情報(氏名、住所、生年月日、性別)を使ってリンクコードの払い出しを要求します。現実を見ると、この4情報は結構アナログな情報で、文字が全角だったり半角だったり、何丁目何番地何号という住所がハイフンであったりと、いろいろな書き方があるため、必ずしも一致しない場合があります。

 この問題を避ける一例としては、マイナンバーカードに記録されている4情報の利用があげられます。この4情報は個人を特定できるようにつくられるので、これを用いるのが一番簡単です。また、JPKIの署名を使うとすれば、本人からインターネット経由での申請を行うことで、必要な4情報を証明書から入手することもできます。JPKIは総務大臣の許可で民間も使えるようになるので、官・民組織と書いてあります。

 取得した4情報を使って、J-LISに対して、リンクコードの払出しを要求します。この容器夕を受けて、J-LISでは住基ネットの4情報と突合します。一人に特定される場合は、YESの回答が戻りますが、該当者なしあるいは複数人該当になる場合は、NOの回答が戻ります。ここで、複数人該当というのは、住所の粒度が十分でない場合に起きると予想されます。例としては、寮などの部屋番号を特定しない場合があげられます。そのため、NOの回答になった場合には、本人に照合し、正しい情報をもらっていただくことになります。

 回答がYESの場合には、J-LISにおいて4情報を住民票コードに変換し払出しを要求した組織に突合番号を返します。この図は以前のものなので情報連携基盤になっていますが、コアシステム側に投げるとリンクコードを払出し、突合番号と一緒に返します。こうすることで、官・民組織の側はリンクコードを受け取り、確実に紐付けができるようになります。

 これは参考ですが、このようなリンクコードを使うコアシステムと情報提供ネットワークの機能は、医療等IDの発番においても使えると思います。そして医療等IDを、見える番号あるいは見えない番号にするかは、別の話であり、どうするかはユースケースを見て決めるべきというのが私の意見です。

 以上です。

○金子座長 ありがとうございました。

 それでは、先ほど申し上げたとおり、本格的な議論は一番最後にしたいと思いますが、今のお話につきまして御質問、御意見ございましたらよろしくお願いいたします。

 山口構成員、お願いします。

○山口構成員 非常に基本的なことを教えていただきたいのですが、まず全員に番号通知カードが発行されるというのは、国民全員ですね。その後の、写真がついた改ざん防止してある番号というのは、これも国民全員なのでしょうか、それとも住基ネットのときに申請しないとチップつきのものがいただけなかったのと同じようなことになっているのでしょうか。

○大山構成員 これは金崎参事官から答えてもらうのが良いと思います。

○金崎参事官 申請した方に写真つきのものが行くことになります。全員ではないです。

○山口構成員 申請した人しか手に入らないというのは、何か理由があるのでしょうか。

○金崎参事官 これは住基ネットの制度と同じようなたてつけになっているのですけれども、まず個人の方に、皆さんに番号の通知が行きます。そのときにカードの申請書を一緒に同封させていただく予定にしています。その同封したものを送り返してきた方に対して新しい個人番号カードというものが交付されるという手続になります。

 最初から入れるということになりますと、写真を添付していただかなければいけないとか、最初に役場のところで対面で渡して、本人確認をした上でカードを渡すといった手続が必要なものですから、そういったことになっています。

○大山構成員 全員対象ですね。

○金崎参事官 一応、対象ですから全員に申請していただくことを目標に。

○金子座長 金崎参事官からは「全員」と言っていただかないと(笑い)。

○山口構成員 国民の側としては非常にわかりにくいと思うのです。わかりにくい上に、まず自分がこのICカードが必要かどうかという判断ができないとすれば、必要になった時点で、随時申請するしかないことになるのでしょうか。

○金崎参事官 そうです。

○金子座長 私から少し。マイナンバー分科会の取りまとめをしたとき、まさにそこが一番の問題という認識でした。全員に近い人が持てば大変便利になるし、不正も防げるし、例えば引っ越しをしたとき連絡が1回で全部手配ができるとか。しかし、それにはかなりたくさんの、ほとんど全員が番号を持つということが前提条件なので、鶏と卵みたいなことになる。みなさんに必要性を感じていただかないと申請をしない。でも、申請をしないと効率が生まれないということで、これをどうするかというのは大問題です。最初の通知が行く前に、どのようなメリットがあるかということを多くの方々にちゃんとお伝えできないといけない。という大変な作業が待っている。そこが大変本質的な問題です。

○大山構成員 御意見はそのとおりと私も思っています。ここから先は個人的な意見ということで言わせていただきたいのですが、まず全員対象ということなので、利便性が向上するかとコストが普及に大きく影響すると思います。他方で、1億枚を1年で発行するとカードの製造ラインは4年間以上も遊んでしまいます。これは無駄なやり方で、製造ラインを他のカードの製造等に流用することも考えられますが、どちらにしろ、かなりの設備投資が要るので、やはり数年はかけて発行するのが望ましいと思われます。顔写真の印刷もあるので、全員一気に発行というわけにはなかなかいかないのではないでしょうか。また、カードは10年有効なので誕生月に配るとかの工夫も必要になるかもしれません。

 カードの利便性を向上することが非常に重要と思っています。鯨井参事官にも出席いただき、総務省でICTまちづくりの検討が別途されています。あちらでは、現在、クレジットカードや健康保険証等の情報と紐付けるような、幾つかのトライアルができそうになっています。これらのことが実現できるかを実証する準備をしています。利便性を向上しなければならないということは御指摘のとおりで、それに対応をしようとしています。

 もう一つあるのは、家で見られるかどうかです。マイポータルの関係もありますが、現在、ケーブルテレビのセットトップボックスにそのカードをさすと、家のテレビにマイポータルの情報が出てくるような仕掛けができないかを検討しています。このようにカードの利便性が向上することを広く知っていただき、皆に数年かけて交付するのが最も効率的な進め方ではないかと思います。

 という意味で、御指摘いただいたように全員が持つというのを目指すべきだとは思っています。

○金子座長 よろしいでしょうか。ありがとうございます。

 ほかございますでしょうか。大道構成員、お願いします。

○大道構成員 ということは、保険証と1つになる、1カードというのは数年先だと考えればよろしいのでしょうか。

○大山構成員 それは私ですか。

○金子座長 金崎構成員いかがですか。

○金崎参事官 1カードというのは将来の理想像として、いろいろな機能をそこに集約させていきたいという目標と考えていただいたほうがいいと思います。最初から何もかもセットになったものが28年から来られるというのは、現時点では難しいのかなと思います。

○大道構成員 どうしてこういうことを言うかといいますと、医療機関側のメリットを考えるときに、いわゆる資格部分であるとか、保険証機能。そういうメリットがなければなかなか厳しい。

 それともう一つが、先ほどの2種類のカードが混在する中で、医療機関としては患者さんに応じてどう対応していけばいいのかというのが、非常に現場が混乱するのではないかという気がいたします。ということで、1カードはどうかなとお聞きした次第です。

○金子座長 鯨井参事官、何かありますか。

○鯨井参事官 経緯を御説明しますと、マイナンバー等分科会等で議論したときに、個人番号カードを普及するためにはメリットが要るのではないか。そのときにいろいろな機能をつける必要がある。そのときの候補の中に健康保険証ですとかほかのいろいろな資格、国家公務員の資格とかも表示したらどうかということ。そういったメリットの1つとして挙がっているということです。

 実際に健康保険証を個人番号カードに機能をつけるとなると、これはかなりいろいろな工夫が必要でして、例えばシステム対応ができていない医療機関の紙との並行運用をどうするかとか、いろいろな問題をクリアしないとこれは実現できないという感じはもちろん持っております。

○金子座長 ほかにございますでしょうか。山本構成員、お願いします。

○山本構成員 確認なのですけれども、ここで今、議論している医療等の番号制度で、多分、今後も話題になるのが、視認性のある番号を使うのか、あるいは電磁的な符号を使うのかという議論になるかと思うのですが、電磁的な符号を使うということは患者さん自身がその情報にアクセスする場合、ICカードがないとできないというふうに考えていいのでしょうか。

○金子座長 これはどなたにお答えいただけるでしょうか。

○大山構成員 済みません、質問の確認をしないといけないのですが、医療機関等には個人の情報が置かれていて、それを本人がネットワーク経由でアクセスするという意味で先生はおっしゃっていますか。それとも、ある病院に行ったときに、別の医療機関にある医療情報が見えるようにするときの話を言われているのでしょうか。医療機関の連携では、インターネットのようなオープン系のネットワークではなくて、完全にクローズ系と想定することもでき、安全性のレベルも違うので前提を確認させて下さい。

○山本構成員 安全か危険かという話ではなくて、異なる医療機関にある1人の患者さんのデータが散らばっているときに、その患者さんのデータだと知るためには電磁的符号を知る必要があります。我が国はフリーアクセスですから患者さんはどの医療機関に行くかわからないので、その電磁的符号を患者さんが持ち歩かないといけないわけです。

○大山構成員 済みません、ここで言っているリンクコードは、その絵を描いていないので申しわけありませんが、8ページの絵でごらんいただくとわかりやすいかと思います。この絵では、社会保障と税分野の関連組織はリンクコードAを使っています。次にBそしてXになっています。これが全部医療関係機関とすると、やはりそれぞれのところに情報があって、そこに対してどこにこの患者さんの情報が置かれているかはコアシステムに書かれています。

○山本構成員 この絵はそういう意味で先生は書かれているのですか。

○大山構成員 これは本当のコアシステムの意味ですが、ただ、今のような形の想定でリンクコードを使って紐付けることもできるということです。

○山本構成員 なるほど。そうするとリンクコードが20万種類要るということですね。

○大山構成員 20万種類ではなくて、医療等分野では1人の方が行く医療関連機関の数だけあることになります。これはまた設計の仕方ですが、コアシステムから見ると組織コードを使って記録することになります。

○山本構成員 ということは、医療機関は20万あるわけですから、介護機関も入れるともっとですが、それぞれがこのリンクコードとそれぞれのIDの突合をしなければいけないわけですか。

○大山構成員 そこは右側に示していますが、突合は必ずしなければなりません。患者さんが新たな医療関連機関に行くたびに、リンクコードを払出すことになります。この辺の細かいことは、もう少し議論を進めることになれば、別の機会に例示したいと思います。

○山本構成員 その医療等IDを仮に電磁的符号を使うとすると、人が容易に視覚できない、つまり視認性がないほうが不本意に突合される危険性は減りますから、見えない番号を使おうという議論は理解できますが、見えない番号で医療や介護の分野をやっていこうとすると、どうしても見えない番号を患者さんが持ち運ばないと、フリーアクセスではなかなか運用ができないと思うのですが、そうではないのか、やはりそうなのでしょうか。

○大山構成員 持ち歩かなくても可能というのが私の答えです。

○山本構成員 先の議論ということにしましょう。

○金子座長 基本的には診察券に何かしらの内部番号を書くことはあるわけですね。それは見える番号であるのですけれども、リンクコードはもちろん見えない。個人として自分の情報がどう使われるかを見るにはマイポータルに自分のカードを差し込めば、リンクコードを知らなくてもわかるというのがマイポータルですね。そういう意味ではそこのメカニズムは個人には「分からないもの」になっているわけです。個人にとってみればどういうふうにリンクされるかというのはわからない。

○山本構成員 そのマイポータルでわかるのはそのとおりですが、そのためにはICカードが要るわけですね。ですからそれが前提なのですかと確認しているわけです。

○大山構成員 個人が見るときには、そうなります。医療機関がその人の情報を当然本人の同意もあって見る状況が、チーム医療とはまた違う例がありますが、そういう場合には、リンクコードを持っていれば、情報提供してもらえると思います。ここに書いてあるそれぞれの組織は、地域の医師会さん等がおやりの地域医療を1つの単位として考える方法もあり得ます。

○山本構成員 はい、それはよくわかります。

○大山構成員 何らかの形でリンクコードを、先ほど言った言葉ですと共通診察券番号のようなものと電磁的に紐付ける必要があります。

○山本構成員 理解が私と同じでよかったです。

○金子座長 この辺はかなり専門的なものになり、まだ必ずしもしっかり決まっていないところもあると思います。我々が今、この研究会で医療番号といった場合には、どれを指すのかということについても、正直言って、まだ私はよくわかっておりません。いろいろな可能性がある。見える番号もあるし、付番のことを言っている場合もある。この先、議論が進まないと決まらない。というか、何をもって医療番号を呼ぶかということは、実は我々がこの研究会で決めればいいことだと思います。ということで、今の段階では私も実は余りよくわかっていないまま座長をやっているのですが、この辺は専門家の方々の意見を聞きながら、少しずつ理解を深めていくということだと。

 次回以降、ユースケースがあればそのときに具体的な話しになれば、もう少しクリアになるのではないかと思っております。ありがとうございました。議論に少し時間をとりましたけれども、基本的な問題ですので。ありがとうございました。

 それでは、次に、森田構成員から、医療分野における番号制度の活用―医療保険制度と医療の質の改善―ということで、これも15分ぐらいの御発表をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○森田構成員 森田でございます。

 今の大山先生のお話と、山本先生のレジュメを拝見していて、もうかなり技術的な話に踏み込んだ議論が進んでいて、番号制度は入れるのだけれども、どういう番号制度にしたらいいのか、技術的にどうするか、カードはどうするか、そういう議論なのかなと理解したところです。けれども、私自身は、前回もそうですが、そもそも番号制度は何のためにあって、何の役に立つのか。それが確認できないと導入することの意味がないのではないか。あるいはどこまで安全がそこで守られるかという、その辺の議論が重要だと思っておりました。私自身は医師の資格も持っておりませんし、ITの専門家でもないのですけれども、現在、中医協の公益委員を仰せつかっておりまして、診療報酬問題で日夜、頭を悩ましているところでございますので、そうした観点からこの番号制度というものがこれからの我が国における医療あるいは国民の健康にとってどういう意味を持つのか、どういう点で重要なのかということを述べさせていただきたいと思います。

 私自身、考え方としまして技術的にいろいろと制約があるかと思いますけれども、国民にとってわかりやすくて使いやすい番号にするということが重要であって、リスクとの兼ね合いをどうするかということについては、また技術的に考えていただきたいと思いますし、一時的にカードが二重化、三重化したとしても、それは経過措置として処理をしていって、長期的にどういう形でこれを収れんさせていくか。そういう視点からこの利便性について考えてく必要があるのではないかと思っています。

 時間がありませんので先に進ませていただきますけれども、まずどうしても中医協にかかわっていることから、こういう話からせざるを得なくなるわけですが、現在の医療財政とか医療費を考えたときに、どうして我が国の非常に高い水準の医療をこれからも継続していくことができるのか。その観点からこの番号制度というものが非常に重要だと思います。大山先生のスライドで言いますと6ページの上で生涯にわたる健康情報の一元的管理の必要性が指摘されていますが、私もその必要性を指摘させていただきたいと思います。

 言うまでもなく高齢化が進み、新しいお薬、かなり高額なものがどんどん出てきております。これによって病気が治るようになってきておりますけれども、医療保険の財政のほうは大変厳しくなっている。

 次のページ、厚労省の資料を借用しましたけれども、これは社会保障全体ですが、大体120兆近くに上っているわけでして、半分が年金で、3分の1が医療費、そして残りが介護その他福祉ということになっております。これはグラフの書き方によるかもしれませんけれども、こういう調子で増えていくだろう。そして2025年か2030年ぐらいには医療費だけでも60兆近くに、ニーズのほうから見た場合になるのではないか。現状で言いますと、保険者の代表の方もいらっしゃいますけれども、これを今のような形で保険財政の財源を調達していくことはかなり厳しいでしょう。受診制限をするとか、あるいは保険の対象を限定するとか、そういう議論も出てきておりますが、それは我が国の皆保険制度の観点からしても必ずしも望ましいことではない。

 したがって、現在の医療サービスの質を維持しつつ、どのような形で医療を提供していくか。そのためには医療の提供体制のかなりの効率化、コストダウンというものをしていかなければならないのではないか。そのためには医療資源の重複とか非効率な利用の部分があるとしたら、それを改善する必要があるのではないか。また、先ほどもお話に出ましたけれども、保険の審査支払いの関係で、現在では保険証に写真もないので本人確認として使われる割にはかなり危なっかしいものであって、実際にいろいろな問題も出てきているわけです。そして、伺ったところでは、支払基金だけでも返戻ですね。一度、最初請求して戻ってくるのが年間500億を超えるくらい。事務経費が数十億かかるということですから、国保が同じぐらいかどうか知りませんけれども、相当な金額の、医療の場合にはけたが違うのですが、上手にやれば使わなくて済む経費があるのではないか。

 実際、我々はその辺のレストランで食べるときでも、クレジットカードで支払うとき、簡単な装置といいますか、それで支払いの資格確認がされるわけですから、それと同じと言っていいかどうかわかりませんが、そうした方法の改善というものがもっと考えられてもいいのではないかと思います。

 社会保障の財政全般につきましては、厚労省の方を前にして言うのも失礼ですけれども、今のマイナンバーが入ったのは先ほども話がございましたように、収入がどれぐらいあるかという捕捉と、それに対して課税の問題です。それと年金をリンクさせていくということですが、基本的にお金を持っている、負担能力のある人にはたくさん払っていただいて、そうでない人には少なく、あるいは逆に給付をしていくという形で再配分を行って、それによって限られた財源を有効に使って、国民みんなが幸せで健康にいられるようにしよう。簡単に言うとそういうことだと思いますけれども、そのためには収入と給付をきめ細かく把握していかなければいけない。そこで重複だとか徴収漏れというのは極力避けなければいけないということだと思います。現在でもそういうことはされているわけですけれども、そのためにも莫大な人的能力が必要ですし、システムがばらばらなために、そのシステムをつなぐ、突合、ひもづけで大変困難な状態にあるということは申し上げるまでもないと思います。

 マイナンバー法の場合ですと、収入と年金と一部健康保険のひも付けができるそうですけれども、その健康保険の保険支出の場合で言いますと、医療の中身に応じた形で、どのような形で必要な支払いをしていくか。それもきちんと詰めていく必要があるでしょうということですし、介護も当然連動しております。さらに言いますと、これから高齢者で年金生活をしている人が多い場合には、フローだけではなくてストックもある意味であてにしないと、これからの財政がもたないということは、昨年の社会保障国民会議の報告でもなされたところだと思います。

 そうした観点から言いますと、いろいろな意味でのお金にかかわることをひもづけていく。そして、先ほど申しましたように負担能力と給付についてのきめ細かい調整をする。そのためのツールとしてマイナンバーというものが不可欠ではないかと思います。

 次のページを見ていただきたいと思いますけれども、これはその意味で私も何カ国か見て回りましたし、もっとよく御存じの方もいらっしゃると思いますが、私自身が見て一番進んでいるうちの1つであると思うエストニアのモデルです。これはインターネットベースでクロスロードという真ん中に番号のシステムがありまして、それから、さまざまなシステムがぶら下がっているか、乗っかっているわけです。健康保険は上のほうの左から2番目です。青いところがパブリックセクターで、緑色の右のほうはプライベートセクターということになっておりますし、こちらのほうは金融機関も、民間での利用も進んでおります。それ以外に位置情報であるとかいろいろな情報、これ以外にもあるのですけれども、もちろん税もそうですけれども、それらが結びついていて、国民はその右下に小さくて見にくいかと思いますが、こうしたカードを持っております。カードでなければ携帯電話のSIMカードも同じような機能を果たすということですが、これには明らかに見える番号が1つ書いてあるわけでして、運転免許証もないということで、このカードを示せばセンサーでもって読みとって免許証の内容は警察官が確認できる。したがって、違反歴が免許証に書かれることもない。それはともかくといたしまして、そういうシステムが採用されている。

 もちろんいろいろなリスクがあるわけですけれども、それに対する可能な限りのセキュリティの措置も講じているということです。実際問題としてエストニアのお医者さんにもお会いしましたし、一時、日本にも来ていただいて、デモンストレーションもやっていただきましたけれども、彼自身、担当している患者さんについてのカルテというのは、どこにいてもアクセスすることができる。それによって緊急時にかかりつけ医がその患者さんに対して処方することができるし、その電子処方によって患者さんはしかるべき調剤薬局に行けば、そのカードによって薬を受け取ることができる。そういう仕組みになっているわけでして、日本でこの話をしますといろいろなリスクの指摘があるわけですけれども、ただ、遠隔地に住んでいる、過疎地域に住んでいる患者さんにとっての利便性というものをどう考えるかということは、1つの問題点ではないかと思います。

 次からどういうメリットがあるかといいますか、どういう活用方法があるかということですけれども、次のページの2番目の医療の質の維持・向上と書きましたのは、これは御専門の方がいらっしゃると思うし、あえて申し上げるまでもないと思いますが、先ほどお話がございましたように、個人の生涯にわたる健康情報が一元的に管理されることによって、それを匿名化することによってマクロ的に、まさにビッグデータとして扱うことによっていろいろと病気の原因であるとか、治療方法についての知見というものをかなり正確に集めることができる。そうした疫学的な研究の成果というものが一段と進むということだと思いますし、副作用が起こった場合のトレーサビリティの問題であるとか、患者の特性についてもかなり把握することができるでしょう。

 さらに医療費のほうから申し上げますと、アウトカム指標、健康状態がどういう形で改善されたかということを把握することによって、医療機関の評価も行うことができる。そうしたメリットもあるということですし、個々の患者さんにとっては言うまでもないことですけれども、最近のように高齢化が進んできて、複数の診療科に受診していらっしゃる方、また、生活習慣病でずっとモニタリングが必要な方につきましては、そういうデータというものが一元的に蓄積されていくことになるわけです。それは複数の診療科の場合には、それぞれの先生がその情報を共有することができるということになりますし、下に書きました感染症というのは予防接種の話になりますけれども、最近任意化されて、御自身がどういう免疫を持っているかわからないというケースがあるわけですが、そのような場合においてきちんと記録しておくということは幾つかの国では既に進んでいるわけですし、私も外国で話をしたときに、なぜ日本ではそれが進まないのかと言われたぐらいであります。

 次のページをおめくりいただきますと、それを少しまとめて書いたものですが、医療機関と書きましたけれども、医療だけではなくて教育でも同じことなのですが、左下の個別事案といいますのは、個々の患者さん、個々の子供たちでありまして、それについてどういう教育をしたか、どういう治療をしたか。そして、その方たちのデータを蓄積することによって、その医療機関においてどういう形でその治療方法を改善していくかというような情報が蓄積され、それを共有することによって当然のことながら医療の質であるとか、お薬の効果であるとか、そういったことについてかなりきめ細かい対応というものが可能になるでしょう。そして、それを蓄積することによりまして、医療の提供のあり方、医療制度についての政策決定に大変重要な情報というものが得られるのではないかということです。

 具体的な例としまして、次と次で示したのが在宅の医療です。最近、前回というか今年度の診療報酬の改定から、地域包括ケアについて非常に手厚く進めるということが行われましたし、今般の法律によってそれがさらに推進されるということですけれども、病院の場合は1人の患者さんについていろんなコメディカルの方であるとか、医療関係の方がいわば近くにいて情報を共有することが可能です。それによって非常に密度の高いケアをすることができるわけですけれども、在宅になった場合にはそれぞれ医師、看護師さんもそうですし、薬剤師さんの方もそうですが、それぞれの作業の手順に従って訪問していく。そして、患者さんのほうは次から次へといろいろな方が来られるということになりますけれども、そうした医療関係者の間でどのようにして情報を共有していくかというのが、これからの在宅ケアの上で非常に重要になってくると思います。

 さらに申し上げますと、これは医療・介護だけではなくて、認知症の方がこれから400万とか800万とか言われておりますけれども、そうした方が単独で、暮らしていらっしゃるような場合には、生活面のケア。成年後見制度も含めてですが、そうした意味での全体のケアというものが必要になってくるわけで、そのための情報の共有というものが恐らくこれからの、特に都市部の高齢化が進む中では不可欠ではないかと思っております。

 下は地域包括ケアシステムの絵ですけれども、その場合に個人に情報を集積する、一元的に管理をしていくということは絶対的に必要ではないかと思っております。

 最後のページ、時間がまいりましたので急いで述べさせていただきますけれども、ここからはまさに中医協の話にもかかわるかもしれませんが、これからはそうした限られた資源のもとで非常に多様な形で発生する医療ニーズに対して、きめ細かく供給体制をコントロールしていかなければいけない。そのために需給調整を非常にきめ細かく行っていくためには、需要がどういう状態で発生するかということをきちんと把握し、逆に医療資源の配置がどうなっているか。それをどのような形で組み合わせて供給体制を組むことが望ましいのか。そうしたマッチングを大量に行っていかなければならない。医療の場合には関与する職種が非常に多数いるわけですし、しかも最近の医療の体制ですと高度医療から療養期、介護を含めて機能が非常に分化しておりますので、このマッチングというのは非常に大変な作業になると思います。

 これを合理的に行っていくためには言うまでもないことですけれども、きちんとしたニーズの把握と、それに応じた形での供給を、ITを使って制御していくということしかないのではないかと思っております。

 現在のところ、我が国の医療の供給体制については、世界の中では少ない方だと思いますけれども、基本的に規制という手段は余り使われておりません。安全性は別にいたしまして、経済的な医療サービスの提供に対しましては、診療報酬という経済的インセンティブを非常にきめ細かく設定することによって医療の供給を制御しているわけですが、まさに経済的インセンティブで医療機関の行動を変えていただくためには、かなりはっきりとしたエビデンスに基づいて価格設定をせざるを得ないということです。

 中医協でもかつてに比べますと格段エビデンスに基づく議論、エビデンス・ベースド・メディスンという形でさまざまな情報が出されております。現在のところ、かなりのコストをかけて調査をしておりますが、その調査そのものが余りにもきめ細かくなると回収率が下がってきますし、どうしてもサンプルバイアスが出てくる。その意味でエビデンス・ベースド・メディスンを目指すのはいいのですけれども、なかなか精度が上がらないというのが現実なわけです。そういうときに客観的で、全国民をカバーしたような仮にデータベースがあるとするならば、そこでの議論というものは相当変わってきて、かなり効率的に限られた医療資源というものが使われるのではないかと思っております。

 以上、申し上げたかったことというのはこれで終わりでございますけれども、先ほどから出ております番号にするか符号にするかとか、可視性はどうかということにつきましては、私自身、言いたいことはありますけれども、今はやめておきます。いろいろな可能性があって、これがベストかどうかというのはもう少し調べなければなりませんが、いずれにいたしましても、多くの国民の方にとって便利であって、役に立つものが必要であると思っています。

 最後に一例申し上げますと、これは先日来、認知症で行方不明になる方が1万人おられ、まだ見つからない方が何百人といらっしゃるということで、1年間どこかの施設でケアをして、見つかったときに家族に七百数十万円の請求があったというお話がございましたけれども、あの方も衣類にはちゃんと自分の名前が書いてあった。しかしながら、アイデンティファイできなかった。あそこに番号が書いてあって、番号でリストにアイデンティファイできれば、ああいうケースというのはかなり解決するのではないか。これはその方にICカードをきちんと持たせることが可能かどうかという話になるかと思います。

 以上でございます。

○金子座長 ありがとうございました。

 先ほどの大山構成員の話とは異なる政策的な観点からお話いただきました。ちょっと時間が押してきましたけれども、今のご発表に対して御質問、御意見がありましたらお願いいたします。

 それでは、樋口構成員、お願いします。

○樋口構成員 私も森田構成員と同じで医者でもないし、ITの専門家でもないわけなので、こういうような発表が物すごく大きな視点なのだけれども、やはりあるべきなのですが、結局この表題のところにある一番難しい話になるのかもしれないのだけれども、素人にとっては特に、医療分野における番号制度の活用が医療保険制度、我々が誇っているところの国民皆保険制度を今後も維持し、さらに医療の質についても一応、日本は一定の評価を得ているわけで、それを維持し、改善するためにどう結びつくのかという話で、何で番号を持ってくるとこういう話になるのかというところをうまくつなげてくださると、いいのですがという、その収入の把握とか何とかいうようなところは、これは番号で突合して何とかというのですけれども、こういう国民皆保険制度とか医療の質のところで番号を持ってこないといけないのだろうかという話があって、でも持ってこないといけないような気もするのです。

 それで、今、森田構成員のお話を聞いていて、ちょっと考えていたことなのですけれども、私の目の前には先週のパーソナルデータ検討会の大綱案の17ページというものが、これはなかなか読んでもすぐにはわからないということなのですが、何を言いたいかというと、一方で、はっきりこれはここでも森田構成員のところにも出てきましたけれども、ビックデータというような話があって、そういうものを活用することによって何か新しいものが出てくるのではないかという夢みたいな話がありますね。やはり夢は見ないといけないですからね。人間はね。だからいいと思うのですけれども、それで利活用の壁がある。そういうことをやるために。だからそれを取り払うんだと一方では言い、だからそのためにも、しかし、一方で個人情報を守るという一番の基本線は、だってそれは取っ払うわけにはいかないのだから、そうすると本人の同意がなくてもデータの利活用を可能とする枠組みの導入というので、例えば個人の特定性を提言したデータへの加工で本人の同意のかわりとしても取り扱いみたいな話が出てきているのです。

 それで今、森田構成員のお話を伺いながらの思いつきで恐縮なのだけれども、先ほどから、これからいろいろなデータの、番号の視認性であれ何であれという話が出ているから、これから本当にみんなで考えるべき問題なので、例えば次の2つの分類はどうかということを考えたのです。

 結局こういう医療保険制度と医療の質の改善というものには、例えば私がどういう医療を受けていて、どうなっていくかということも、この大きなビックデータの中の1つではあって、しかも追跡が可能でないといけないので、ある1点だけで評価はできないから、そうすると何かでひもづける必要があるわけです。

 一方で個人情報の保護というものがあって、先ほどの健康保険であれ何であれ、これだけでもういいですよという利便性というものがあって、つまり個人にとってすごい利便性が高くなる部分というのも強調してもらわないといけないけれども、大元は、つまり社会が倒れれば個人も倒れるので、結局、社会全体としてまさに森田構成員がおっしゃって、副題で言ってくださっているように、つまり医療とか介護とか社会保障の質あるいは制度を維持していくことが全体の利益なので、そのために情報を提供してもらう部分と、やはり2つあるのです。それはオーバーラップしていると思うのですけれども、個人の利益と社会の利益。社会の利益のところの番号は勝手につければいいのではないかと思うのです。それで番号は私ではないのです。結局。

 マイナンバー法はどういうわけかわからないけれども、マイナンバーが究極的な個人情報だなんていうことになっていて、つまり個人情報保護法のもとで何が、ちょっとしゃべり始めるととまらなくて申しわけないですけれども、どこの病院でも多くなったのは、会計であれ何であれ「樋口さん、薬ができましたよ」とは言わないのです。「3番さん」とか言われて、3番だったのかとか言いながらやっているような、もう自分を番号にしてしまうような話。でも、それはそれでもいいのです。私は実は3番ではないから。だからそういう社会的な利用のところは、しかしひもづけはしないといけないから、どういうような番号を振るという。

 それで、こちらの個人の情報で、個人の利用というところは、また別の番号を1つ振ってもらって、こちらは非常により厳格にと言ったらいいのでしょうか。もしかしたら頭がおかしくなっているかもしれないけれども、どちらだって厳格でないといけないと言われそうな気もするのだけれども、こちらは本当に言うと私のところへ帰ってこなくていいのです。結局は。個人の同定は必要なくて、ビックデータの中の一部分としてであればいいので、こういう人がこうなったということだけであればいいわけですね。こちらの個人にとっての利便というところは、結局、最後は私のところへ戻ってこないとだめだという、そういうような番号なのではないか。だからそういう使い分けみたいなものが医療とIDでできるようだと、20万種類というのはどうかなとは本当は思うのですけれども、余り複雑な制度をつくるととてもうまくできないような気がするので、ちょっとそういうようなことを考えました。

 だから一番初めに戻ると、番号を入れることによってこういうことがもっとたやすくなるんだよという話にならないといけないわけです。そういう点についてのお考えを森田構成員に補足していただけるとありがたい。

○金子座長 ありがとうございます。

 本質的な問題のご説明をいただきました。今のお話で何か加えていただけることがあればお願いします。

○森田構成員 いろいろと御意見といいましょうか、大変ありがたいお話を聞かせていただきました。何をおっしゃりたいのか充分に理解できた自信はありませんが、私が最終的に何を考えているかというと、先ほど大山先生のご指摘にもありましたが、生涯にわたる健康情報の一元的管理というのは、これは個人にとって非常に重要だと思います。過去に既往歴がどうであったか、どういう状態であったか、どういうお薬を飲んできたか。あるいはもっと言いますと最近では遺伝子の情報もあるかもしれません。それによってこれから重要になるのは、将来の病気のリスクというものがわかるでしょう。これはリスクを早目に発見して予防し医療費を削減しようという、そこまで私は単純化して言うつもりはありませんけれども、それも効いてくるし、御本人が病気の苦痛から将来、逃れることができるというのはかなり重要だと思うのです。

 ただし、ある状態の人たちが将来どういう確率でその病気になるかということは、これは大量のデータを分析してみないとわからないわけです。そのために個人の情報を生涯にわたって一元的に管理した情報を、しかもそれを大量に収集する。大量に収集するとき匿名化するというのは必要と思いますけれども、アンジェリーナ・ジョリーではありませんけれども、それをリスクの高い人にその情報を知らせることはどうなのか。

 これは保険制度ですから、1人の人が大量に医療費を使ってしまいますと、ほかの人の負担というものはそれだけ増えるわけです。そういうことも考えたときに、私自身は個人のデータというものと全体のデータというものを結びつけていく必要があると思います。

 もっと言いますと、このIT技術といいますか、ビックデータができて初めて、いわゆるこれまでの大学病院等での疫学的な調査が、いわば自動的に全数でかなりの精度でできるようになった。ヨーロッパの国等で見ますと、そちらを推進しているお医者さんなどは、だからこれを使って国民の健康を守ると同時に医療費を削減するということをおっしゃいまして、私自身も実際問題、日々医療費にかかわっているとそういう気がいたします。

 もう一点、個人情報は非常に重要です。特に必ずこの場合には本人の同意とかそういう議論が出ますけれども、先ほども申し上げましたが、これから認知症の方が、私も樋口構成員も可能性があるかもしれませんけれども、これがやはり数百万出てくるそうですが、その人たちに同意をとるというのは一体どういうことなのか。その人たちの健康というのは御本人に守れという話ではないのではないでしょうか。そういうことを考えたときに何をすべきかというのが今、この番号制度もそうですけれども、医療制度を考えるときに必要な視点ではないかと思います。

○金子座長 ありがとうございます。

 私の受け止め方としては、樋口構成員のおっしゃっていることは個人に返ってくる利便性と、全体の制度を維持する、ないしは日本の医療の質を保つという全体のところを分けて話したいということで、そのためにはリンクコードは必要ないというか、隠れているままでよいという話だったのではないかと思います。何か御意見ございませんか。

○大山構成員 樋口先生が20万は大変だという話があったので、ひょっとすると勘違いがあるといけないので申し上げます。

 医療関連機関の中でリンクコードを使うという話は別に決まっているわけではなく、そういう方法もありますというだけです。安全性を含めて皆さんが同意するのであれば、個別の医療機関の中だけではなくて、地域をまたいで紐付けるためのコードをIDと呼ぶこともできます。ただし、その番号が見えるか見えないかはまた別の話ということを申し上げたわけです。

 ですから患者さんが病院、医療機関に行く際に、本人がIDを知らなくても、適切な手続きをすればIDが自動的に振られてくるような仕掛けも可能ということを、申し上げています。そう御理解ください。

○金子座長 石川構成員、お願いします。

○石川構成員 山本先生のお話が後であるので、そのときにちょっとお話しようと思ったのですけれども、私は日本医師会で医療連携のIT化を進めております。そのかなりのいろいろな事業にも関与していますけれども、基本的にはそれは個人の医療情報をきちんと伝えてというのが一番大事なことでありまして、これは4年も前の話ですが、番号制の最初の段階のとき、番号があったほうが、付番されていたほうがどれだけ連携で楽なのではないかというものを厚労の副大臣に指摘されて、私はそのとおりだと言いました。しかし、実際には危ないことがいっぱいあるので、そんなことはできないんですよという話をしてずっと言ってきました。それが樋口先生が座長での会議で医療情報連携の中での個人情報保護を1年間ぐらい検討してきて結論が出ていますが、その議論をまた繰り返しているのです。

 私は今、必要な2025年問題なんて言っていますけれども、そこまでの間に医療連携は絶対にやらなければいけない。これは絶対必須だと思っています。ただ、そのときに悉皆性で唯一無二性の番号が必要かといったら、必ずしもそうではない。質を担保する、それから、保険制度を守るといったときに、別にマイナンバーで全部悉皆性、唯一無二性である必要はないと思っているのです。

 だから例えばパーソナルデータのところで出された大綱では、医療における個人情報のことが全く書いていないので、誰も安心してデータを預けられない。そういうふうな大綱が出た場合には、ますます私たち国民は守ると思うのです。自分の番号、個人情報をです。だからよけいやりにくくなったなと思っていまして、このマイナンバーのこの議論がどうなるのかわかりませんけれども、私たちは2025年問題も解決したいし、日本のそういう社会保障をやっていくためには、必要なものはそれではないのではないかという思いがしております。

○金子座長 ありがとうございます。

 それでは、山本構成員から御意見をいただいた後で、また議論を続けたいと思います。

 よろしくお願いいたします。

○山本構成員 それでは、資料5をごらんください。私の担当は医療・医学における番号の活用場面ということで、活用場面を具体的に示して、その中でどういったことが考えられるかということを御説明申し上げます。

 最初に1枚めくっていただくと前提と書いてあります。これは石川構成員もおっしゃいましたが、安全で安心して使える番号、患者さんのプライバシーも守られて、なおかつ医療機関にも余分な気苦労をかけないような番号があれば、便利であることは当たり前だと思っています。プライバシー保護や安全管理は机上の空論ではなく、具体的なユースケースで考えなければならない。それから、符号。これは私の言葉の定義ですが、符号とは電磁的符号で通常は見ることができないもので、番号とは本人が常識的認識できるもので、当然ながら番号のほうが他人にも見えますから、リスクは高いという前提でお話をさせていただきます。

 3ページ目は飛ばしてください。

 4ページ目にElectronic Health Recordsと書いた絵がありますが2006年に我々がつくった絵で、これをもとに5ページのように浦添市でEHRの実証事業を3年間やりました。これは3省と1つの自治体が共同してやるという、非常に珍しい事業で私はこれの実行委員長をやり、何とか成果をということで、お忍びで浦添市に視察に行くなど相当力を注いでやったのです。

 ステークホルダーの皆さんは本当に一生懸命やられていて、市役所の方は参加者を何万人ベースにしたいと、うちわをつくって配ったり努力されましたけれど、結果は、情報の統合が極めて不完全にしかできなかった。

 仕組みとしては6ページにあるように、いろいろやったのですけれども、十分なEHRとかPHRというものが実現できなかった。これはIDがなかったからなのです。浦添市の住民はほとんどが那覇市で勤務していて、那覇市の企業の労働安全衛生法上の検診はほぼ100%那覇市医師会が受注をしていて、那覇市医師会は全部データベース化しているのです。この事業の説明の際には、すばらしい事業なのでぜひ使ってほしいとデータは提供するとおっしゃっていただいたのですけれども、格納しようがなかったのです。つまり労働安全衛生法上の検診は社員番号が識別子で、住所さえ不正確な場合もあり、浦添市は4情報は持っていても突合ができない。違う人のところに入れてしまうと大変なことになり怖くてできないということで、御本人も同意をしているにもかかわらず、情報を入れることができない。

 結局は共通に識別する識別子がなかったということで、極めて不十分な格納しかできなかった。これを実現するためには医療・介護の共通のIDがないとPHRは多分実現不可能だろうなと、そのときに思っておりました。

 その後のいろいろな経験も踏まえ、次はいつも鯨井参事官が出されている絵を借用して、説明をしていきたいと思います。8ページはその絵そのもので、9ページは御本人と保険者のところを緑の輪でくくってあります。これは今でも保険の記号番号があって、ここは今でも識別ができているので、このためだけであれば別に共通IDは要らない。

10ページは、かかりつけ医から訪問看護ステーション等をブルーの輪でくくっております。これは要するに1人の患者さんを中心に特定の地域で行われている医療連携や、在宅医療なども含まれますが、こういったものにIDが必要かということですが、例えば11ページにありますように現在でも脳卒中連携パスや○○ネット、あるいは医療・介護連携ネットというように、現実に稼働している地域医療連携や医療介護連携があります。特に共通IDなしでもやれているわけで、これはこの先、増えていっても多分できるのだろうと思うのです。

 しかしながら、これらはトップダウンのネットワークで、患者さんの側からではなくサービス提供者側から見ているサービス提供でありまして、患者さんはいつも真ん中にいるとは限らない。患者さんは外側に出ることもあって、外側の患者さんをここに入れようとすると、そのたびに新しいIDの発行をしなければいけない。それぞれの地域ネットでのIDの発行をしなければいけないといった不便さをなくそうと思うと、共通のIDがあったほうが便利です。

 ただし、この場合は常に患者さんがそこにいらっしゃいますから、目に見える番号である必要は全くなくて、先ほどの大山先生の言われているようなリンクコードでもいいですし、それ以外の電磁的符号でも、患者さんがそれを持ち運ぶことができれば何の問題もないし、一定期間同意を与えることによって、それぞれの医療連携ネットワーク同士がその符号を交換できれば、御本人が持ち歩く必要はなく、見える番号を使わなくてもできるだろうと思います。

 その次は、政策の根拠のためのデータを集める、あるいは研究に医療情報を使うといった場合です。特に前向きの研究をするという状況では患者さんがそこにいないでデータだけがあるわけです。このデータだけがある状態で例えば10年間にわたってコホート研究をするといった場合に、その患者さんの存在なしで、符号だけで結びつけることができるかというとかなり難しいのだろうと思います。したがって、ここでは人が認識できる見えるような番号があるほうが極めて容易と思います。

14ページは浦添市で行ったPHREHRの実証事業の根拠に使ったような表ですが、実は今、人の人生の中でさまざまな医療、健康情報がほとんどが電子的に生じている。そして一定期間保存されてそのほとんどが消えていっている。これを消さずに御本人のもとに生涯にわたって蓄積するものが、いわゆるPHRです。PHRと言うからには常に御本人が活用するわけですから、その観点で言えば、目に見える番号はなくても符号を御本人が利用できればいい。これは要するにICカードの中にその電磁的符号に結びつくものが入っていて、マイポータルを使うのかどうかわかりませんが、見ることができればいいので、可視化された番号が要るわけではないとは思います。

 ただし、これはいつでも自分の情報を確認できるという仕組みが前提ですので、先ほど御質問申し上げたように、ある意味で権利を主張するわけですから、そのためのキーが必要になって、これはやはりITデバイスがないと、うまく動かないと思います。。

 次がまとめですが、単独のステークホルダーの運用では共通IDは全く必要ありません。他施設連携には共通IDが必要でしょう。もし、その連携ネットワークに入らない患者さんが入ってきても対応が、容易であろう。別に目に見える番号でなくても患者さんが中心にいる限りは運用できるが、ただ、電子化が不十分であると紙の情報に目に見えない番号を書くわけにはいかないので、そういう意味では紙の情報も含めて、連携をしようとする、PDFなどにしようとすれば目に見える番号のほうが便利かもしれません。

 それから、研究とか政策のための分析というのは、短期間であれば別に共通IDは必要ではありませんが、長期にわたる、あるいは非常に悉皆性の高い調査をする場合には、やはり共通IDが必要で、分析の段階で本人の関与が望めないということから、可視化された番号のほうがよいと考えました。

 最後に、PHRの場合ですが、本人が預かって、蓄積するだけだったら単純ですが、マイポータルのような仕組みでは直接PHRに蓄積するばかりではなくて、自分の情報が存在するところの情報の動きを追跡できるという、つまりログをとる機能が想定されています。全ての医療健康情報にログが必要だとは言わないまでも、例えば遺伝子情報であるとか、重要でキーになる情報に関しては、それを全部PHRに蓄積するのは大変でしょうから、その使われ方を監視することを考えると、共通IDが必須だと考えております。この場合は電子化が十分進めば別に目に見える番号である必要はなくて、符号さえ持っていればいいということになると思います。

 このように考えていきますと、番号または符号が安全で安心して使えるということが大前提ですけれども、まとめに示したような医療・介護の場面で使える、また必要と考えます。それから、資料には示していませんが、例えば、ナショナルデータベースにおいて、レセプトデータベースと特定健診情報が結びつかないことが多いと指摘されています。名前の表記が漢字と片仮名とか、もともと違うものを、あるいはハイフォンが半角なのか全角なのかで、現状ではキーに使われているハッシュでは全く違ってしまう。利用可能にするかどうかは別として、共通IDがあって、それを格納しておけば、間違いなく突合できるわけですし、極端な場合は御本人の情報を返すことができ、検討すべきではないかと思います。

 法律が成立し、準備を進めている「がん登録」に関しましても、法律では一定期間過ぎるとすべての識別子を消すとされています。しかし「がん」はそんなに短い病気では既になくて、二重がん、三重がんのことを考えると数十年以上、データを保持しないと十分には研究的な成果を上げることができない可能性があります。ここでも共通IDの導入を検討する必要があると思いますし、先日新聞報道された予防接種の記録のデータベース化に関して共通IDを使って、確実に免疫の記録がされ、ご本人が利用できるように、検討すべきではないか考えます。

 以上です。

○金子座長 ありがとうございました。

 きょうのこの会議は午後8時までということになっておりますので、まだ十分に時間がございます。

 まずは今の山本構成員の御発表に対して、なにかありましたらお願いします。 では、富山構成員、お願いいたします。

○富山構成員 3先生のお話を伺った感想なのですけれども、私も医療従事者の1人としまして、医療連携の推進のために医療情報連携ネットワークの構築が極めて重要で、そのための共通連携基盤が医療の研究も含めて価値があることは理解しています。

 森田先生の資料にマイナンバーの活用範囲を拡大しようという話が出ていましたし、先週のマスコミにもマイナンバーの拡大を検討するという話がありました。しかしながら、本研究会はもともと第1回の研究会で配られた資料の社会保障分野のサブワーキンググループ等で出た、報告書の経緯をもって、開かれていると理解しています。

 つまり前回の報告書では、医療・介護分野の特性を考えて、マイナンバーとは別途医療等ID(仮称)をつくるということで報告書がまとまっています。今回さまざまな考えがあるとは思いますが、我々としては、将来にわたって医療の分野の番号、医療等IDを税情報とつなげる必要は全くないと考えております。

○金子座長 残りの時間、自由に御発言・御議論いただきたいと思います。よろしくお願いします。

○大道構成員 もう一度確認しておきたいのですけれども、医療の質の向上も見込めるような情報というものを載せるということになってくると、これはメディカルレコードということになってしまうのですが、今、想定されている情報というのはどれぐらいの情報を共通化していこうとお考えなのでしょうか。

○金子座長 誰が答えていいかよくわかりませんが、どなたか。お役所的にはどういうことかというのは多分、これを私がということではないと思います。

○大道構成員 基本的にまずどこまでというボリュームがわからないと、次のステップに進まないような気がするのです。

○金子座長 では山本先生。

○山本構成員 やはりユースケースといいますか、目的に応じてどの情報と結びつくかということになろうかと思います。何と結びついてはいけないとか、何と必ず結びつかないといけないとかというのを、今ここで言い切ってしまうのは少し時期尚早かと思うのですが、何を目的に、例えば御本人が自分の情報がどうなっているか知りたいというような目的で共通IDを使う場合は、恐らくそれで引けない情報があるほうが奇異な感じがするでしょうし、そうではなくて例えば研究目的であるとか、政策のエビデンスとして集めるという場合には、目的が明確で必要な情報を限定されますので、当然ながら情報は制約されると思います。

○大道構成員 それによってシステム構築変わっていきませんか。

○山本構成員 システム構築自体は変わってこないと思います。むしろ情報の精度や標準化に対する手当は大いに変わってきますけれども、システム構築自体はそんなに変わってこないと思います。

○金子座長 ほかいかがでしょうか。山口構成員、お願いします。

○山口構成員 先ほどの山本構成員の御説明で、条件次第で共通番号の必要性がかなり変わるのかなと感じました。例えば患者個人としてこの番号がどうなのかということと、情報につながることに分けられる。その情報が社会として使われるときがあるというように、個人と社会が結構混乱しているような気がします。きちんと使い分けの理解が適切に進まないと、患者側として考えることがかなり難しいのかなと思いながらお聞きしました。

 それを前提にしまして、先ほど御説明をいただいた森田構成員にお聞きしたいのですけれども、先ほどエストニアの例を出されて、結構うまくいっている例として御紹介をいただいたのですが、なぜこれがうまくいったのかということと、このエストニアの例の中で医療の問題ということが今の個人と社会ということが混乱するようなことが実際に起きていないのかどうかということ、何かこのエストニアの中で共通の番号によって起きているマイナスの面というようなことがあるとすれば、御紹介をいただきたいと思います。

○森田構成員 私もエストニアに3日ぐらいしかいなかったので、詳しいことを知っているわけではありませんけれども、後で話を聞いたときには、この国の国民の場合には、要するに自分たちの生活をいかによくするか。130万ぐらいのさいたま市ぐらいの国ですので、隣国ロシアの脅威にさらされている中で、どうやってこの国の行政なりサービスというものの質を高めていくことができるか。そのときにITというのが一番有力なツールであるというふうに彼らは考えたということです。

 個人と社会との関連については、正直申し上げてお答えできません。彼らがそういう発想を持っているかどうかというのは、向こうで話をしたときに余り感じたことがないものですから。

 3番目は何でしたか。

○山口構成員 実際に起きている問題みたいなものがあれば。

○森田構成員 やはり個人情報その他については、問題にする人はいると言っていました。そのためにオプトアウトという仕組みはとっているということです。どうしても嫌な人は無理に入れとは言わない。しかし、彼らの考え方は、あくまでもこの番号にくっついているさまざまな個人情報というものは国民本人のものであって、それを言うなれば政府に預けて管理をしてもらっている。したがって、どのように管理者が管理をしているかということについては、先ほどのポータルサイトの事例ではありませんけれども、常に確認することができ、自分の個人情報に対して誰がいつアクセスしたかということは確認でき、そして、納得ができない場合にはそれをきちんとした形で究明を求めることができるし、違法であった場合には法的措置をとることができる。それによって担保されているということは言っておりました。

○山口構成員 ということは、今、130万人というお話だったのですけれども、日本の今、置かれている現状の複雑さや、例えば高齢化や地域包括ケアのような問題と比べると、もう少し単純な構造というふうに考えてよろしいのでしょうか。

○森田構成員 それは必ず出る疑問で、ヨーロッパの多くの国でもこういう制度を入れるときにエストニアは小さいからできる。北欧ですとデンマークのお話を聞きましたし、同じような仕組みが入っておりまして、フィンランドもそうですし、スウェーデンももちろんそうです。それぞれの国、1,000万もない国ですから小さいからできるだろうということですけれども、彼らが言うには必ずしも規模は余り関係ない。確かに導入のコストと完全に整備するまでには時間がかかるけれども、仕組みそのものとして規模が障害になるということはないのではないか。どうしてそれが言えるんだということは議論したのですけれども、そこから先は必ずしも納得のできる答えを言ったわけではないのですが、そう言うけれども、日本のお隣の韓国は同じようなことを目指しているのではないか。そういう答えが返ってきました。

○山口構成員 ありがとうございます。

 なかなかそのまま日本に即当てはめるということは、難しいかなという解釈でよろしいでしょうか。

○森田構成員 難しいという一番の要因は何かというと、やはり意識の問題があると思います。日本の場合は現状のシステムが非常にすぐれていて、このままで何が悪いんだという感覚をお持ちの方はかなりいらっしゃると思います。ただ、私のプレゼンで冒頭に申し上げましたけれども、医療保険制度が現状のままいった場合に、このままでいいんだということが言えるのかどうか。エストニアもそうですけれども、あの国の場合には、限られた資源のもとでどうやって、いわば低いレベルから高いところにキャッチアップしていくか。そのために一番いい方法は何かというので、かなり積極的に導入したということは言えると思います。

○山口構成員 ありがとうございます。

○金子座長 ほかございますでしょうか。どうぞよろしくお願いいたします。

○石川構成員 恐らく各国比較というのは次の回で出てくるというお話を聞いていますから、それにちょっと期待することになると思うのですけれども、そういう各国比較しても個人情報の問題で国民的な議論になったというのは結構あるようです。ですからそこでも参考になるのだと思うのですが、私たちは樋口座長のもとでずっと議論してきたところでは、例えば個益と公益というふうな医療情報だったとか、そういったものを分けて、やはり機微性のある医療情報についてすごく私たちは云々してきました。

 例えば森田構成員は、先ほど自分の一生涯履歴がわかるというのは大変有益だというふうにおっしゃいましたけれども、実は例えば私が大学時代に鬱病になって、鬱病の薬を飲んでいた。こういう事実は知りたくもない思い出したくもない事実かもしれないです。だから私は3年前にがんの手術をしましたけれども、これについてはがん登録もしてもいいし、大いにやってもいいと思うのですが、大学のときの鬱病だけは勘弁してくれよというふうなことはあるかもしれない。これが個人の、あるいは人間の機微性だと思うのです。

 それから、それを例えばほかの人が知って、いろいろなことでまた差別化が起こるのではないかとか、人権侵害までいくかどうかわかりませんけれども、それが私は医療情報ということで大変知られたくもないし、出したくもない。そういうものもいっぱいあるんだと思うのです。

 そこを例えばこの間、今回この会議は運用ということでいろいろとシミュレーションしていこうという話なのですけれども、第1回目のときに私が言いましたように、パーソナルデータの大綱の出方によっては運用だとかそういった話はできないのではないかというような話をしました。つまり、機微情報を守れるということが大前提でこの例えばいろいろな連携のときの個人情報の連携ですね。そういうことができるのであって、この間みたいなパーソナルデータの大綱が出て、これは自信がないなというのが率直なところです。ですから、もう一回パーソナルデータのところで、あれはどうやって厚労省が運営していくのかどうかということも含めて、議論を先行してもらわないとだめなのではないかと思います。

○金子座長 富山構成員、お願いします。

○富山構成員 私もパーソナルデータの大綱を見てがっかりしたのですけれども、海外、例えばEUの個人データ保護規則では、個人情報を逆にきちんと保護しようという流れになっています。つまり、事業者の罰則をより厳しくして、また、消去できる権利を入れる方向になっています。自分にとっては残してほしくない情報を消せる権利を入れようとしているのが世界の流れなのに、ここでは一切触れられていません。

 もう一つは、EUでは一番最初に個人の権利という章が入るのですが、日本では全く抜けていて、いわゆる事業者の義務から始まるということで、そこら辺も含めて海外から日本ではプライバシー保護が非常におくれていると言われているところもあると思います。今回の個人情報保護法の改正につきましては、今まで医療に関しては個別法をつくるという考えがずっとあったのが、ぽんと消えてしまっている状態なので、きちんとそこも含めて、また、国際的な整合性も含めた形でぜひ検討していただきたいと思います。

○金子座長 ありがとうございます。

 では、佐藤構成員、お願いします。

○佐藤構成員 次回以降の検討視点というものが資料2で配付されておりますので、それに関して確認とお願いがあります。1つには先ほどマイナンバーに関しまして通知カードと番号カードの話がありました。通知カードは全員に配付され、番号カードに関しては任意で希望者に順次配付するということでした。そうすると現状の情報だと番号カードは100%に配付されないわけですから、この研究会の前提としては、マインバー制度は通知カードのみで運用するという形の前提で話をしていかないとおかしくなると思うのです。

 もしそうでなくて、番号カードは例えば何年以内に100%にするんだということがピンどめされておれば、では何年間かはこの研究会でやる医療等IDに関しましてはやりましょうとか、あるいは併存させましょうというものがあると思うのです。そういう意味でここの部分に関しては、ある意味、内閣官房のほうにこの番号カードはそういうたてつけのままで、この研究会の検討は進めていいのかというところを確認したい。番号カードがいつ100%になるのかわからないということであれば、わからないようなマイナンバー制度なんだという前提で、こちらはどうするかというところを審議するしかないかなと思いました。

 それを今、確認したい理由は、資料2の3のコストの考え方で、マイナンバー制度により構築されるインフラ等の既存のインフラをどれだけ活用できるかといったときに、これがICカードで普及しているというふうに想定した上でどこを共用できるかと考えるのか、通知カードしかないものと割り切ってやるのかというところで変わるので、ここは明確にしていただきたい。これは内閣官房が明確にできないのであれば、残念ながらこれは通知カードしかない想定でやるしかありません。例えば10年間だということであればICカードを持っている人は、よりよい医療関係のサービスを受けられるかもしれないしという考え方もあると思うのですが、いずれにしてもここがふらふらしていて、あわよくばいつか将来100年後までに100%になったらいいなとか言われたら、こういった審議ができないのではないかというところが1つです。

 同様に、今回のご出席者とは御担当が違うと思うのですが、先ほどの御指摘とも絡みますが、資料2で言うと4番、法規制に関しての審議をするからには、これは現在、検討中の個人情報保護法改正がどうなるのかというところに関しても今以上の情報がいただけないと、ここは審議のしようがないのではないかと思っています。先ほども御指摘にあったように、当初の想定は現在出ている大綱案の検討会案がもう少し具体的になると思っていたわけですけれども、ほとんどのことは検討するとしか書かれておりません。それから、個人情報の対象に関してはほとんどが「等」とついていて、「等」の中身は今後考えますという話で事実上、これがどういうふうに法改正されるのかというのがわからない。この状態では困るので、この資料2以降に関しては、どちらかというと課題1と2と3は若干行ったり来たりしながら審議がされるのだと思いますが、課題4は切り離して審議できるのではないかと思います。そうであれば、この課題4を我々が審議する時点で、改めて内閣官房のほうからその時点での最新の法改正動向に関しては1回御説明いただきたい。結果的にはそこの法改正の内容がわからないと、ここでこの医療等に関してどういう法的措置をするのかというところが、個人情報保護法の基本法のところとの差分が検討のしようがないのではないかというような気もします。以上の2点を前提に加えて進めたらいいのではないかと思って発言をさせていただきました。

 以上です。

○金子座長 では、内閣官房からよろしくお願いいたします。

○金崎参事官 もうこの場におりますので、率直にお話させていただきますけれども、まずコストのところについては、今回マイナンバーの導入で再来年から始まる制度では、情報提供ネットワークというネットワークシステムを構築するというところは既にとりかかっておりますので、そのコストというのはもう見えております。約2,600億円ぐらいの投資をして今、やっていくつもりです。その投資に対してこれからランニングコストが一定程度かかってくるであろうということも見えております。これをどう使っていくか。当然使っていくメリットが大きければ大きいほど、費用対効果というのは上がるというふうになります。

 一方、カードにつきましては確かにおっしゃるとおり、普及率というものがコストにもそうですし、メリットにもかかってくるというところは明らかでありまして、我々としてはこの番号カードのコストは実は現在は出ておりません。どれだけ出るかわからないということでありますけれども、この情報提供ネットワーク2,600億を費やすこのシステムを活用することは、このカードの普及率によってその活用度合いが上がるわけでありますので、カードが普及し、そしてさらにこの利活用の範囲が増えることによって、費用対効果は上がっていくという前提で御議論をいただければと思います。それ以上でも以下でもないということです。

 個人情報保護の話は私は担当外でありますので、切り離して御議論するべきだというお話については、そのとおりかなと思います。

○佐藤構成員 念のためですが、資料2でいう3のコストというのは、恐らくマイナンバーシステムのコストのことを言っているのではなくて、こちらの医療等IDでやるためのコストのことを言っています。ですから、今、御回答いただいたことではなくて、マイナンバー制度で使われるインフラというものが、国民がICカードを持っているという想定をして、こちらの医療等のサービスを想定した場合に、追加的にこちらがどういうコストを振る必要があるのか。それを共用できるという想定で検討をすればよいのか、そうではなくて、国民は通知カードしか持っていないという想定で検討するのかということです。したがって、マイナンバーのコストが幾らかという話ではないので、基本的には先ほどの繰り返しですが、番号カードが100%普及するというところをどういうふうに考えるかというところに関してもう少し明確にしていただけないだろうかという確認です。

○金崎参事官 前提としては非常に偏った前提なのですね。

○金子座長 鯨井参事官、お願いします。

○鯨井参事官 御指摘ありがとうございます。

 この問題は1点目の個人番号カードですけれども、結局それはICカードにこの番号システムがどれだけ依存するか。ICカードがなければできないような仕組みをつくるのか、これは見える番号を使うのか、符号を使うのかということに直結するのですけれども、バックオフィス連携でやるという方法ももちろんありまして、まさにマイナンバーの仕組みというのはバックオフィス連携を前提にしていますから、個人番号カードがなくても番号を見せれば本人確認をして、バックオフィスで個人情報をひもづけるという形ですから、同じような仕組みであれば個人番号カードがなくても情報連携できる。ただ、個人番号カードにメリットをつけて、それによって普及を後押ししていくという方法も別途考えられます。要するにユースケースを何にして、それによってメリットをどう見つけていくかということの議論によって、また変わってくるのかなと思っています。

 もう一つの個人情報保護法の議論ですけれども、これは大変重要な論点でして、我々も今回の大綱だけではなくて、その後どう法制化が進むのかという点はきちんとウォッチして議論したいと思います。

 もちろん医療情報化を進める上では個人情報保護法はどうなるかというのは非常に重要な視点ですが、ただ、今ここで具体的に議論したいのは、番号のついた情報に対してどういう保護ルールをつくるかというもう一つ別の議論がありまして、それは今回の参考資料で資料2の裏側につけましたけれども、要するに個人情報保護法による措置と番号のついた情報に対する保護措置というのは別でして、番号のついた保護措置というのはかなり重いのです。直接罰もありますし、PIAの義務づけとかそういったものはありますので、かなり重い規制を置いているということですから、必ずしも個人情報保護法の議論だけを見ているわけではなくて、むしろ番号の議論をするにはむしろこちらを見て議論したらどうかということを提案したいと思います。

○金子座長 あと5分ぐらいになりました。一昨年に樋口構成員が座長の厚労省の当時の言い方だと「医療ID」についての検討会では、私は共同座長として樋口先生の隣にくっついていたのですけれども、そこでの取りまとめでは3つ結論があったと思います。

 1つはマイナンバーと医療IDというのは同じとは限らないということ。次に、マイナンバーの仕組みは国が作るので、効率化の観点から医療IDについてもその仕組みはできる限り利用しようということ。そして、最終的には連携DB、これが何かというのは私も共同座長のくせにはっきりとはわからなかったのですが、多分、今日の大山構成員がお話されたリンクコードのところとコアの部分ということではないかと私は勝手に想像しています。マイナンバーの仕組みを使うとしたら、どこをどう使うのか後で決めましょう。何かしらの連携が要るんだということだったと理解しています。一部に、マイナンバー=医療番号というふうに考えておられるむきもあるかと思いますが、それは前提ではないですね。ただ、何千億という国家予算を使うシステムについては、使える部分は使わないとという話しだと思っています。森田構成員のご発表にあったように、、国家的な課題として医療費の問題に対処するための仕組みをしっかりと作らないとならないことは明確なので、今後、どうするかを議論することになるのだと思っています。 あと数分でございますけれども、ぜひということがあれば・・・。樋口構成員、お願いします。

○樋口構成員 せっかく山本構成員から浦添市の話というものが出てきて、確認なのかもしれないのですけれども、その前に私も鯨井参事官のお話で反省したのは、やはりなかなか分離ができないのですが、個人情報の中身の話と、ここで番号をつけるという話は一応切り難いのだけれども、すぐこちらの話になってしまうというのが私自身も注意をして、結局ひもづけてどうするかという話だから、やはりなかなか区分はできないようなのだけれども、個人情報の中身のほうだけに引っ張られると、今、ここでやっているのはとにかく医療等の番号というものをつけるということに、一体どれだけの意味があるのかという話なのでということを反省しながら聞いていました。

 その上でですけれども、浦添市でせっかくこういうシステムを構築して、何らかのプランニングをして浦添市へ出かけていかれて、それから、こういう3省合同とか、浦添市も一緒になって、何かこういうことをやろうとした。実際に浦添市の医師会を中心としてデータもあったにもかかわらず、どうもうまくいかなかったという、この失敗のあれが本当はかえって役に立ちますね。うまくいったというのはそこだけでうまくいったのではないかという話だけであって、むしろここから学ぶことが多いような気がするので、これは本当はここにある既存の医師会さんが努力してくれたこういう何とかのデータをすぐ転用するような話が、番号があればひもづけができて、もっと本当はこういうことがやれたんだ。でもそれがやれなかったんだ。こういうお話だと思っていいのですか。

 だからもしかしたら浦添市民でずっといる限りは、それから、この健康ネットワークみたいなところで満足している限りは、それでいいのかもしれない。しかし、今の浦添市の状況でみんながずっと満足していられるのかどうかという話だってありますね。世界はどんどん進んでいて、浦添市だけが遅れるということはないと思いますけれども、何であれ、そういうことではなくてということを考えたり、新たに市民として入ってきたり何だりといういろいろなことを考えると、これだけでも満足していてはいけないのではないかという2つの面がありますか。私が言っていることがちょっとまたうまく伝わっていないかもしれないのだけれども、きっと山本構成員ならすぐわかってくださる。

○金子座長 では、山本構成員、お願いします。

○山本構成員 失敗経験というのはそのとおりで、ただ、部分的にはうまくいっているところもあるのですが、生涯にわたってデータを蓄積するというプロジェクトだったのです。それが例えば3年やっても3年間で健康や医療にかかわる情報が一人の参加者でどれぐらい生じるのかというと、通常は極めて僅かですし、人によっては生じないこともあります。ある人がちょっと太ってきて健康に関心を持ったときに、では自分が浦添市が提供しているPHRをのぞいたら、自分のこれまでの履歴がわかって、その情報を持って保健師さんに相談しようと思えば、価値があるのですけれども、最初に関心を持ってオプトインで参加するので、参加したときには白紙なのです。白紙のノートを見ても何もおもしろいことはありません。結局、せっかく関心を持ったのに関心に応えられないままでそのまま消えてしまうということが多かったのですが、これに対応するためには、プレポピュレーションと呼んでいるのですけれども、それまでに生じていた検診などの情報をあらかじめ入れておく必要があります。そうするためにはどうしてもIDが必要だったということです。

○金子座長 ありがとうございました。

 議論は尽きないところでございますけれども、いよいよ議論が始まったなというふうに思います。まだこれから何回もございますので、引き続き議論していただきたいと思います。

 最後に事務局局から、今後の予定などございましたらよろしくお願いします。

○大場企画官 次回の第3回につきましては、7月24日木曜日15時から開催を予定しております。詳細は追って御連絡をさせていただきたいと思います。

 以上でございます。

○金子座長 ありがとうございました。

 では、本日はこれで終了したいと思います。ありがとうございました。よろしくお願いします。



(了)
<照会先>

政策統括官付情報政策担当参事官室
室長補佐 芝(7671)
企画係 武田(7439)

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