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2013年11月29日 薬事・食品衛生審議会 医薬第一部会 議事録

○日時

平成25年11月29日(金)15:00〜


○場所

厚生労働省専用第12会議室


○出席者

出席委員(11名) 五十音順

  小 川     聡、 奥 田 晴 宏、 加 藤 総 夫、  神 田 敏 子、
  佐 藤 田鶴子、 豊 見 雅 文、 野 田 光 彦、  古 川    漸、
○松 木 則  夫、 増 井    徹、 山 田 清 文
(注)◎部会長 ○部会長代理

欠席委員(10名) 五十音順

木 村    剛、 佐 藤 雄一郎、 鈴 木 邦 彦、  武 田 正 之、
手 島 玲 子、 林    邦 彦、  平 石 秀 幸、◎松 井    陽、
村 田 美 穂、 本 橋 伸 高

行政機関出席者

成 田 昌 稔 (大臣官房審議官)
佐 藤 岳 幸 (審査管理課長)
森 口    裕 (安全対策課長)
山 本 弘 史 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全管理監)
山 田 雅 信 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構審議役)
中 野    惠 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構審議役)

○議事

○審査管理課長 それでは定刻になりましたので、「薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会」を開催させていただきます。

 本日はお忙しい中、御参集いただきありがとうございます。本日の委員の出席については、木村委員、佐藤雄一郎委員、鈴木委員、武田委員、手島委員、林委員、平石委員、松井部会長、村田委員、本橋委員より御欠席との御連絡を頂いております。

 現在、当部会の委員数21名のうち11名の委員の御出席をいただいておりますので、定足数に達していることを御報告いたします。また、本日は、松井部会長が都合により御欠席ですので、部会長代理の松木先生に座長をお願いしております。

 それでは、松木先生、以降の進行をよろしくお願いいたします。

○松木部会長代理 よろしくお願いいたします。松井部会長が御欠席ということで、不慣れですが、座長を務めさせていただきます。

 それでは、本日の審議に入ります。まず、事務局から配布資料の確認と、審議事項に関する競合品目・競合企業リストについて報告を行ってください。

○事務局 それでは、資料の確認をさせていただきます。本日、席上に議事次第、座席表、当部会委員の名簿を配布しています。議事次第に記載されている資料1〜13をあらかじめお送りしています。このほか、資料14「審議品目の薬事分科会における取扱い等の案」、資料15「専門委員リスト」、資料16「競合品目・競合企業リスト」を配布しています。

 本日の審議事項に関する競合品目・競合企業リストについて御報告します。各品目の競合品目選定理由については次のとおりです。

 資料16の1ページ、「ワンデュロパッチ0.84mg、同1.7mg、同3.4mg、同5mg、同6.7mg」です。本品目は「中等度から高度の慢性疼痛における鎮痛」を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として、資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。

 2ページ、「サビーン点滴静注用500mg」です。本品目は「アントラサイクリン系抗悪性腫瘍剤の血管外漏出」を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤はないことから、競合品目はなしとしております。

 3ページ、「ザルティア錠5mg、ザルティア錠2.5mg」です。本品目は「前立腺肥大症に伴う排尿障害」を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として、資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。

 4ページ、「スーグラ錠25mg、スーグラ錠50mg」です。本品目は「2型糖尿病」を予定効能・効果としており、同様の作用機序を有し同様の効能・効果を予定する薬剤として、資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。

 5ページ、「コンサータ錠18mg、同27mg、同36mg」です。本品目は「成人期における注意欠陥/多動性障害」を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として、資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。

 6ページ、「サイスタダン原末」です。本品目は「ホモシスチン尿症」を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤はないことから、競合品目はなしとしております。

 7ページ、「アデムパス錠0.5mg、アデムパス錠1.0mg、アデムパス錠2.5mg」です。本品目は「慢性血栓塞栓性肺高血圧症」を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤はないことから、競合品目はなしとしております。

 8ページ、「NPR-01」です。本品目は「クローン病性瘻孔」を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として、資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。

 9ページ、「JR-031」です。本品目は「急性移植片対宿主病」を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として、資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。

10ページ、「モダフィニル」です。本品目は「特発性過眠症に伴う日中の過度の眠気」を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として、資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。以上でございます。

○松木部会長代理 今の事務局からの説明に、特段の御意見等ありますでしょうか。

 それでは、本部会の審議事項に関する競合品目・競合企業リストについては、皆さんの了解を得たものといたします。

 それでは、委員からの申出状況について報告してください。

○事務局 各委員からの申出状況については、次のとおりです。なお、今回、退席委員はいらっしゃいません。

 議題1「ワンデュロパッチ」、議決に参加しない委員は、小川委員、野田委員です。

 議題2「サビーン点滴静注用」、議決に参加しない委員は、なしです。

 議題3「ザルティア錠」、議決に参加しない委員は、小川委員、野田委員です。

 議題4「スーグラ錠」、議決に参加しない委員は、野田委員、山田委員です。

 議題5「コンサータ錠」、議決に参加しない委員は、なしです。

 議題6「サイスタダン原末」、議決に参加しない委員は、なしです。

 議題7「アデムパス錠」、議決に参加しない委員は、なしです。

 議題8「NPR-01」、議決に参加しない委員は、野田委員です。

 議題9「JR-031」、議決に参加しない委員は、野田委員です。

 議題10「モダフィニル」、議決に参加しない委員は、なしです。以上でございます。

○松木部会長代理 本日は、審議事項10議題、報告事項が3議題となっております。

 それでは、審議事項議題1に移ります。議題1について、医薬品医療機器総合機構から概要を説明してください。

○機構 審議事項議題1、資料1「医薬品ワンデュロパッチ0.84mg、同パッチ1.7mg、同パッチ3.4mg、同パッチ5mg及び同パッチ6.7mgの製造販売承認事項一部変更承認の可否及び再審査期間の指定について」、医薬品医療機器総合機構より御説明いたします。

 本剤は、選択的μオピオイド受容体作動性の強オピオイドである、フェンタニルを有効成分として含有する1日用経皮吸収型製剤であり、201010月に「中等度から高度の疼痛を伴う各種癌における鎮痛」に係る効能・効果で承認されております。中等度から高度の慢性疼痛については、本邦において200811月から臨床試験が開始され、今般、本剤の有効性及び安全性が確認されたとして、製造販売承認事項一部変更承認申請が行われました。

 本申請の専門委員としては、資料15に記載されております4名の委員を指名いたしました。

 審査内容について、臨床試験成績を中心に説明いたします。本剤の有効性について、審査報告書7ページ、上から5行目以降を御覧ください。オピオイド鎮痛剤の定時投与により疼痛コントロールが得られている日本人慢性疼痛患者を対象とした第III相試験(以下、「N04試験」)において、主要評価項目である貼付4週後における、疼痛強度及びレスキュー投与回数に基づく疼痛コントロール維持率とその95%信頼区間は92.6%[96.4,98.9]であり、95%信頼区間の下限値はフェンタニル3日用経皮吸収型製剤である「デュロテップMTパッチ」の第III相試験成績に基づき設定した閾値である77.4%を上回ったことから、本剤は「デュロテップMTパッチ」と同様に、非がん性慢性疼痛患者において先行オピオイド鎮痛剤から切り替えて使用した場合に有効であることが確認されました。

 安全性について、審査報告書17ページの表9及び18ページの表10を御覧ください。N04試験及び長期投与試験であるN03試験では、主にオピオイド鎮痛剤に特徴的な有害事象である傾眠、便秘、悪心、嘔吐、浮動性めまいが認められました。また、オピオイド鎮痛剤に特徴的な有害事象の発現割合は本剤への切り替え後に増加したものの、貼付期間に伴う発現割合の増加傾向は認められませんでした。

 最後に、適正使用推進のための方策について、審査報告書2829ページを御覧ください。現在、「デュロテップMTパッチ」では、「慢性疼痛の診断、治療に精通した医師によってのみ処方・使用されるとともに、本剤のリスク等についても十分に管理・説明できる医師・医療機関・管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられ、それら薬局においては調剤前に当該医師・医療機関を確認した上で調剤がなされるよう、製造販売にあたって必要な措置を講じること」との承認条件が付されており、本剤についても、同じ承認条件を付し、同様の管理体制で使用することが適切であると判断いたしました。

 以上の審査を踏まえ、本剤の「中等度から高度の慢性疼痛」に係る効能・効果を承認して差し支えないとの結論に達し、本第一部会で御審議いただくことが適当と判断いたしました。本申請は新効能医薬品としての申請であることから、再審査期間は4年とすることが適切と判断しております。なお、薬事分科会には報告を予定しております。以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○松木部会長代理 ありがとうございました。委員の先生方からの御質問、御意見をお願いいたします。いかがでしょうか。

○佐藤()委員 患者の許での残薬について、それから、使用した後1日1枚貼り替えるということなので、剥がしたものの薬効が全くゼロになるわけではないと思います。裏返して貼り合わせて戻すと書いてありますが、先ほど比較する類薬があるということを伺いましたが、報告書25ページに、流通の方のe-learningとドクター側へのe-learningをした上で、それを許可されたドクターが出すということですが、患者側への指導がきちんとできて、もちろんファーマシーの方もそうですが、患者のもとでどのように残薬が扱われて、それをフィードバックして返していくのかは、類薬の例でもうまくいっているのでしょうか。教えてください。

○機構 まず、残薬については、e-learningにおいても、医療機関へ返還してくださいというお願いを記載しており、医師から患者にその旨が情報提供されております。返還されたものについては、適切に破棄していただけるように、その方法についてもe-learningや、適正使用ガイドに含めております。また、患者が使用された後の薬剤ですが、これについては、医療機関に渡すまでのお願いをしているわけではありませんが、ほかの方に付いてしまうことによるトラブル等が起きないように、きちんと薬剤の面を内側にして捨ててくださいというお願いをしております。

○松木部会長代理 よろしいでしょうか。

○佐藤()委員 気になるところは、こういう慢性疼痛があって、効いてきたが、また痛くなったときのために、自分に投与されて残ったものを取っておきたいという心理があると思うのです。そういうのが残っているとして、麻薬扱いではないので、伝票でいちいち員数を合わせるというようなことはないと思うのですが、その辺はうまくしないと、盗難であったり、横流れとかいうことが起こってくる可能性もあるので、少し気になりました。

○機構 ありがとうございます。新しい薬をお出しするときには、数も確認しておりますので、そちらの方は管理ができていると思いますが、貼った後については、その薬はもう一度使わないでくださいというお願いをしますが、御指摘のとおり、心配なところがあるかもしれませんので、そちらについては申請者に伝達いたします。

○松木部会長代理 よろしいでしょうか。ほかにいかがでしょうか。

○山田委員 慢性疼痛ということで、従来のがん性疼痛に比べて使用期間が長くなる可能性が考えられて、それに伴って、その依存性の問題の懸念があるかと思います。添付文書()の1、2ページに、薬物依存の既往歴のある患者には慎重投与ということになっていますが、もう少し具体的に可能性の高い、例えば、アルコールの乱用者や、嗜好品にはなりますが、喫煙者等々に対する使用上の注意というか、適正使用に関連する方策等は、何か立てられるのでしょうか。

○機構 添付文書のところには余り具体的にはないのですが、e-learningにおいては、依存性の項を設けており、注意喚起や情報提供をさせていただいております。再度確認をし、そちらの充実を図るように申請者には伝えさせていただきます。

○松木部会長代理 ほかにいかがでしょうか。

○加藤委員 16ページのデータについてお伺いしたいのですが、説明が込み入っていて分かりにくいのですが、N04試験というのは、既にほかの製剤でVAS値が下がっている患者を対象にしているということですが、非がん性慢性疼痛の場合に、例えば、この患者は最初の時点で既にVAS値が30と、余り疼痛をもっているという状態ではないような感じがするのですが、この時点で慢性疼痛の症状そのものは完全に軽減していて、ある意味では治療している患者だけを集めて投与しているということなのかと思いました。このデータからはよく読み取れなかったのですが、VAS30ぐらいの患者をずっと集めて、30ぐらいで変わらないというデータですが、薬物が本当に、この患者の疼痛を抑えているというエビデンスがどこから読み取れるのかを、もう少し詳しく説明していただきたいと思います。

○機構 N04試験については、御指摘いただいたとおり、安定している患者を集めて同じように効いたということを確認しています。この薬に変えたことによるメリットがどこまで確認できるのかという御指摘だと思いますが、長期投与試験においては、疼痛コントロールができていない患者を対象とした試験を実施しております。そちらの結果については、審査報告書16ページにN03試験の結果を載せておりますが、こちらについては、かなり疼痛強度の高い方が、本剤に切り替えることによってVAS値が低下したというデータを示しており、痛みが改善されるというようなデータが示されているのではないかと思っております。

○松木部会長代理 このN04試験では、切り替えても疼痛コントロールがされているからということですね。上がらないということで、下がればもっといいのでしょうけど。そういうことだと思います。

○加藤委員 この効能・効果のところで、新しい使い方としては、ほかのオピオイド鎮痛剤から切り替えて使用する場合に限るということになっているので、N03試験のような使い方は、実際にはここで有効性が出ているようですが、効能・効果通りの使用法だとそれを確認しないで、N04よりも、既に下がっているような場合も含めて投与の対象とするということになるのでしょうか。30と言ったら、患者によってはほとんど痛みを感じないという、特に慢性疼痛の場合は、80とか、90の患者がたくさんいらっしゃると思いますが、30になっていて、そこで漫然と使うという使い方にならないのかと思いました。N04試験がフェーズ3だということで、実際、市場に出して使われる使い方に関しての有用性は、どれだけ証明されているのかということが、理解ができなかったのです。

○機構 御指摘のとおり、NO4試験では痛みが安定している患者に対して本剤へ切り替えています。基本的には効いていない方に使っていただくのが、この薬の持っている特性上ふさわしいと思いますが、他の薬剤でコントロールされている患者において、本剤に切り替えてはいけないということではなく、副作用によって使えない場合に使うという使い方も考えられると思いますので、効能・効果として、どちらの場合も使用可能としております。

○松木部会長代理 よろしいでしょうか。ほかにいかがでしょうか。

○神田委員 承認条件というのが付いておりますが、この承認条件については、きちんと現場に伝わるようになされるのだと思いますが、こういったことはどのような形で伝わるのか。議題5の、後のものを見ると、同じ内容の承認条件でも、添付文書の冒頭の警告で赤い字で書かれておりますので、そういった扱いの違いというのはあるのでしょうか。

○機構 まず、承認条件のところですが、今の添付文書()には入っておりませんが、承認条件が付された後、実際に製品が流通する際の添付文書については、最後の承認条件の項に、今回の承認条件が記載されることになります。

 もう一つ、医師の先生方にその情報がどのように伝わるかということですが、「デュロテップMTパッチ」のときには、厚生労働省より通知が出され、こういった流通管理体制の下で使用していただくということを広く現場に情報提供しており、本品目についても同様の通知を発出し情報提供することを考えております。

○松木部会長代理 よろしいでしょうか。

○機構 少し補足をさせていただきます。まず、添付文書の中で承認条件が書かれるのかという点については、実際にこの場で御審議をいただき、最終的に承認をされた段階で、添付文書に、こういった承認条件の下で承認されたことが反映されることになっておりますので、実際、流通する段階で付されている添付文書には承認条件が記載されることになります。

 もう1点は、承認条件が付された上での承認について、添付文書以外で、どういった形で周知されるかという点は、先ほどの繰り返しになりますが、医師会や関連する学会等も含めた形で、本品目がこういった承認条件、かつ、こういった流通管理体制の下で承認され、慢性疼痛患者に対して使用されることになりますという通知が発出される予定になっていますので、そこで周知していただくということになっております。

○松木部会長代理 承認状況の周知は重要なことですので、よろしくお願いいたします。そのほかいかがでしょうか。よろしいですか。

 それでは、議決に入ります。なお、小川委員、野田委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくことといたします。本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。

 御異議がないようですので、承認を可とし、薬事分科会に報告とさせていただきます。

 それでは、議題2に移ります。医薬品医療機器総合機構から概要を説明してください。

○機構 審議事項議題2、資料2-1及び2-2「医薬品サビーン点滴静注用500mgの生物由来製品及び特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否、再審査期間の指定並びに毒薬又は劇薬の指定の要否について」、医薬品医療機器総合機構より御説明いたします。

 アントラサイクリン系抗悪性腫瘍剤の多くは血管外漏出時に難治性の潰瘍を形成する可能性があるため、起壊死性抗悪性腫瘍剤に分類されています。現在、抗悪性腫瘍剤の血管外漏出に対する効能・効果を有する医薬品はなく、必要に応じて外科的処置等が実施されています。デクスラゾキサン(以下、「本薬」)は、トポイソメラーゼIIの作用を阻害することにより、アントラサイクリン系抗悪性腫瘍剤の血管外漏出による組織障害を抑制するとされ、2013年8月現在、欧米等32か国で承認されています。

 本邦においては、本薬は医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議での検討を経て、平成22年5月に開発企業の公募が行われ、申請者が開発するに至りました。

 本品目の専門協議では、本日の配布資料15にお示しする専門委員が指名されています。

 以下、本薬の有効性及び安全性について、臨床試験成績を中心に御説明させていただきます。主な臨床試験成績として、海外臨床試験2試験及び国内臨床試験1試験の成績が提出されています。

 有効性に関してですが、報告書28ページ、「1)主要評価項目について」の項を御覧ください。アントラサイクリン系抗悪性腫瘍剤の血管外漏出患者を対象とした海外TT01及びTT02試験において、「本薬投与後90日目までの血管外漏出に対する外科的処置率」は0%及び2.8%であり、その95%信頼区間の上限値は事前に規定した有効性判定基準を達成しました。さらに、国内臨床試験の2例でも外科的処置は実施されていないことを確認しました。

 安全性に関しては、報告書31ページ表17を御覧ください。海外臨床試験2試験の併合解析及び国内臨床試験における有害事象の発現状況をお示ししています。臨床試験で認められた有害事象の多くは、アントラサイクリン系抗悪性腫瘍剤の副作用として一般的に認められている事象であり、本薬との因果関係の評価は困難であるものの、本薬は細胞増殖抑制作用を有する薬剤であり、骨髄抑制等の細胞増殖抑制作用に起因する有害事象を発現又は増悪させる可能性が否定できないことから、これらの事象に関する適切な注意喚起を行うことで本薬の安全性は許容可能と考えました。ただし、本薬を投与した経験は極めて限られていることから、製造販売後調査では、全例を対象として本薬投与時の安全性情報を収集していく必要があると考えました。

 以上のような機構での審査の結果、アントラサイクリン系抗悪性腫瘍剤の血管外漏出に対する本薬の有効性は示唆され、安全性は適正な注意喚起を行うことで許容可能と考えられたことから、再審査期間中の全症例を対象とした製造販売後調査に係る承認条件を付した上で、本薬を承認して差し支えないと判断し、医薬品第一部会で審議されることが適当と判断いたしました。なお、本薬は新有効成分含有医薬品であることから、再審査期間は8年、原体及び製剤はいずれも劇薬に該当し、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当しないとすることが適当であると判断しております。薬事分科会では報告を予定しております。

 以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○松木部会長代理 ありがとうございました。委員の先生方から御質問、御意見をお願いいたします。いかがでしょうか。

 特段の御意見がなければ、本日は議題数が多いので、議決に入りたいと思いますが、よろしいでしょうか。

 それでは、議決に入ります。本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。

 御異議がないようですので、承認を可とし、薬事分科会に報告とさせていただきます。

議題3に移ります。議題3について、医薬品医療機器総合機構から概要を説明してください。

○機構 審議事項議題3、資料3「医薬品ザルティア錠2.5mg及び同錠5mgの生物由来製品及び特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否、再審査期間の指定並びに毒薬又は劇薬の指定の要否について」、医薬品医療機器総合機構より御説明いたします。

 審査報告書3ページです。タダラフィルは米国Eli Lilly and company社において開発されたホスホジエステラーゼ5の選択的阻害薬であり、国内においては勃起不全に係る効能で、「シアリス錠5mg、同錠10mg、同錠20mg」として2007年7月に承認されています。また、肺動脈性肺高血圧症の効能で、「アドシルカ錠20mg」として200910月に承認されています。今回の対象疾患である前立腺肥大症については、海外では、欧米を含む20か国において承認されています。

 本邦においては、日本イーライリリー株式会社により前立腺肥大症に係る開発が行われ、タダラフィルを有効成分とする既承認の品目とは別の販売名で本剤の承認申請がなされました。

 本剤の審査に関して、専門委員として、資料15に記載されている委員が指名されました。

 本剤の審査の概略について、臨床試験成績を中心に説明させていただきます。なお、本申請に当たり、国内第II相試験とアジア共同第III相試験の成績から本剤の有効性を説明する予定でしたが、国内第II相試験において有効性が十分に示されなかったことから、追加でアジア共同第III相試験が実施されています。

 まず、審査報告書17ページの下から6行目、「1)アジア共同第III相試験(H6D-MC-LVHB試験)」の項を御覧ください。本試験は、当初実施された第III相試験であり、前立腺肥大症に伴う排尿障害を有する日本人、韓国人及び台湾人患者を対象として、本剤2.5及び5mg、また、既承認の「前立腺肥大症に伴う排尿障害」の効能・効果を有するタムスロシン0.2mg、さらにプラセボを1日1回12週間経口投与したときの有効性及び安全性が検討されました。審査報告書18ページ表5に、全集団における主要評価項目の結果を示しております。主要評価項目は、国際前立腺症状スコア(以下、「IPSS」)のトータルスコアとされ、投与12週時のベースラインからの変化量について、本剤5mg群とプラセボ群との間に有意差が認められました。

 また、審査報告書20ページの中段、「2)アジア共同第III相試験(H6D-JE-LVJF試験)」の項を御覧ください。本試験は追加で実施された第III相試験であり、同じく前立腺肥大症に伴う排尿障害を有する日本人患者及び韓国人患者を対象として、本剤5mg又はプラセボを1日1回12週間経口投与したときの有効性及び安全性が検討されました。次ページ表9において、全集団における主要評価項目の結果を示しています。先ほどと同じく、投与12週時のIPSSトータルスコアのベースラインからの変化量について、本剤5mg群とプラセボ群との間に有意差が認められています。なお、両試験ではともに、全集団と日本人集団において一貫した成績が得られています。

 続いて、安全性について御説明いたします。審査報告書42ページです。「()PDE5阻害剤に認められる有害事象について」の説明をしています。ホスホジエステラーゼ5阻害剤である本剤では、既承認時の効能・効果で既に知られている副作用として、低血圧、出血、心血管障害、聴覚障害、眼障害等が認められました。また、今回、特に日本人患者を対象とした臨床試験において、本剤投与により因果関係が否定できない突発性難聴を含め、それぞれの発現状況を添付文書で適切に情報提供する必要があると判断いたしました。また、既承認時の効能・効果の添付文書と同じく注意喚気を徹底することが必要であると判断しております。

 最後に、製造販売後の検討事項について、審査報告書44ページの中段、「8.医薬品リスク管理計画()について」の項を御覧ください。表にお示ししたリスク管理計画()が提出され、妥当と判断しました。また、使用成績調査として予定症例数を1,000例、調査期間を18か月とした調査を実施し、前立腺肥大症に用いる薬剤として既に承認されているα遮断剤及び5α還元酵素阻害剤、並びに相互作用が懸念されるCYP3A4阻害剤との併用時の安全性、長期投与時の安全性及び有効性等についても情報収集する予定です。

 以上のような検討を行った結果、「前立腺肥大症に伴う排尿障害」の効能・効果で、本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、医薬品第一部会において御審議いただくことが適当であると判断いたしました。本剤は、新効能・新用量医薬品としての申請であることから、再審査期間は4年とすることが妥当であり、製剤は毒薬及び劇薬に該当せず、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当しないと判断しております。薬事分科会では報告を予定しております。

 説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○松木部会長代理 ありがとうございました。委員の先生方から御質問、御意見をお願いいたします。いかがでしょうか。

○加藤委員 商品の名前について伺いたいのですが、1.6の「外国における使用状況等に関する資料」というタブが付いている所で、「外国における使用状況等」の1ページを見ると、すべての国において、勃起不全及び前立腺肥大症のどちらの適応に対しても「シアリス」という販売名で売っているということなのですが、先ほどお話があったように、日本では勃起不全治療で「シアリス錠」、肺動脈性肺高血圧症治療剤としては「アドシルカ錠」、今回の申請にある排尿障害に関してのタダラフィルは「ザルティア錠」です。ほかの国の資料を見ると、有効成分が同じであるものは全部同じ製剤名として販売しているのに、どうして日本はこうやって名前を変えているのかということ。また、ある意味では安全性などに関しては、かなり同じようなデータが蓄積されているのではないかと考えるのですが、それが、こうやって名前を変えることによって、もちろん適応症が違うとは言いながら、特にフェーズ1や2に関してはかなり近いものがあるとは思うのですが、販売名を、剤形や適応などに応じて違うものを使うという、日本ならではの事情、理由はどういうことがあるのかを教えていただきたいのです。

○機構 御指摘ありがとうございます。今回、本邦でシアリス錠がED治療薬として使われているということが論点となっております。今回の前立腺肥大症に関する適応では65歳以上の患者が多く、ED治療薬の投与対象でない今回の前立腺肥大症の患者が、シアリス錠として処方されて、ED治療薬の名称のまま服用することによる精神的苦痛等を避ける配慮がなされ、販売名が変更された経緯があります。

○加藤委員 そのことについては、今の説明で一定の理解はできるかと思うのです。ただし、販売名が異なることによって、安全性などの情報に関して、例えば全然違う薬のように取られて、こうやって資料が出てくるわけですので、何かそういうことをもう少し有機的にする方法はないかということをお願いしたいと思います。

○機構 御指摘のとおりで、二重処方等の懸念もあるかとは思うのですが、情報提供資材等で、剤の特徴などといったところを情報提供する予定となっております。

○松木部会長代理 多分、二重処方ではなくて、安全性情報が蓄積されるかどうか、要するにばらばらになってしまわないかということですね。

○機構 今回は、幸いにしてすべて同じ会社が出していますので、もちろん報告を受ける機構側もそうなのですが、会社側が、同じ成分ということで安全使用の情報を取り扱っていくとのことです。先生に最初に御指摘いただいた日本ならではの事情ということですが、こういったものについては、非常に特異な例で、やはり同じような勃起不全で最初に出てきた薬剤が、幾つか既に肺動脈性肺高血圧症の効能・効果で承認されています。そのときもやはり、お子さんが、勃起不全として認知されている薬を飲む、それでいじめられるというような、勃起不全の薬が適応外で使用されていた時期が結構長くありまして、その中でお子さんがいじめられたということもあり、メーカーの方も配慮して、販売名の変更をし始めたということもあって、今回もその流れの中で扱っているということです。

○松木部会長代理 よろしいでしょうか。ほかにはいかがでしょうか。

○山田委員 資料15ページに、最初に言われた国内の試験では、効果が認められなかったというのがあり、アジアの共同試験の結果のデータが19ページに紹介されて、有意差はあるということなのですが、効果自体は既存薬のタムスロシンに比べると弱くて、しかも2.5mgと5mg投与群で、用量依存性もないように見受けられるのです。資料19ページの表7です。ほかの資料を見ても用量依存性が余りないように思われて、これで2.5mgと5mgの2用量を承認するというのですが、どういうことからこの2用量が必要になるのかがよく分からないのです。いかがでしょうか。

○機構 御質問ありがとうございます。まず、今回承認を考えている用法・用量は、2用量ではありません。添付文書の用法・用量の項に記載していますように、5mgが適切と判断しております。ただし、中等度の腎機能障害や強力なCYP3A4を阻害する薬剤を併用中の患者、そういったスペシャルポピュレーションの方に対して安全性に配慮して2.5mgを一時的に使うということになっております。

○山田委員 19ページのアジアの共同試験の結果を見ると、むしろ2.5mgの方が、効果があるようにも見えますが、5mgが通常用量となるのはどういうことなのでしょうか。

○機構 用量選択に関しては、審査報告書28ページの中段で議論をさせていただいております。御指摘のとおり、明確な用量反応傾向が認められない試験もありますが、先ほど御指摘いただいた、審査報告書19ページに関しては、主要評価項目のみの結果をお示ししておりますが、副次評価項目で置いた結果等も含めると、5mg群の方が一貫して有効性がすぐれていたというデータがありましたので、総合的に判断して、5mgを承認用量とする方向で進めさせていただいております。

○山田委員 分かりました。

○松木部会長代理 よろしいでしょうか。

 それでは議決に入ります。なお、小川委員、野田委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくことといたします。本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。

 御異議がないようですので、承認を可とし、薬事分科会に報告とさせていただきます。

議題4に移ります。議題4について、医薬品医療機器総合機構から概要を説明してください。

○機構 審議事項議題4、資料4「医薬品スーグラ錠25mg及び同錠50mgの生物由来製品及び特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否、再審査期間の指定並びに毒薬又は劇薬の指定の要否について」、医薬品医療機器総合機構より御説明いたします。

 本剤はアステラス製薬株式会社及び寿製薬株式会社による共同研究により開発された、Na /グルコース共輸送担体(以下、「SGLT」)2の選択的阻害薬であるイプラグリフロジンL-プロリンを新規有効成分として含有する糖尿病治療薬です。SGLT2は、腎近位尿細管におけるグルコース再吸収を担っており、SGLT2を阻害することで尿糖排泄を促進し、インスリン非依存性に血糖降下作用を発現するため、本剤は低血糖症を起こしにくいことが期待されています。

2013年8月現在、本剤は海外のいずれの国・地域においても承認されていません。

 本品目の専門協議では、資料15に示す先生方を専門委員として指名させていただいております。

 以下、本剤の有効性及び安全性について、臨床試験成績を中心に説明させていただきます。有効性については、本剤単独療法に関して第III相試験が実施され、審査報告書55ページ表18に示したように、主要評価項目とされたベースラインから治療期最終時点のHbA1c変化量において、プラセボ群に対する本剤群の優越性が検証されています。また、単独療法の長期投与試験が実施され、57ページ図1に示したように、効果の持続性も示されています。さらに、本剤とビグアナイド剤、本剤とチアゾリジン系薬剤、本剤とスルホニルウレア剤との併用療法に関しても、それぞれ第III相試験が実施され、62ページ表2265ページ表2569ページ表28に示したように、主要評価項目とされたベースラインから二重盲検期最終時点のHbA1c変化量において、プラセボ群に対する本剤群の優越性が検証されています。そのほか、本剤とα-グルコシダーゼ阻害剤、本剤とジペプチジルペプチダーゼ-4阻害剤、本剤と速効型インスリン分泌促進薬との併用療法についても長期投与試験が実施されています。

 安全性については85ページ〜94ページの「()安全性について」の項に記載しましたように、低血糖、尿路感染症及び性器感染症に関連する有害事象、頻尿及び多尿に関連する有害事象等の個別の事象について検討した結果、適切な注意喚起等がなされることを前提とすれば、本剤の安全性は許容可能と判断しました。

 製造販売後調査については、107ページ「()医薬品リスク管理計画()について」の項に記載したように、調査症例数1万例、観察期間3年間の長期特定使用成績調査と発売開始後3か月間に本剤が投与された高齢者を対象とした特定使用成績調査が計画されており、108ページ表55に示した検討事項に関して情報収集される予定です。

 以上のとおり、機構での審査の結果、本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、医薬品第一部会で審議されることが適当と判断いたしました。本剤は新有効成分含有医薬品であることから、再審査期間は8年が適当であると判断しております。なお、原体及び製剤はいずれも毒薬又は劇薬に該当せず、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当しないと判断しております。薬事分科会では報告を予定しております。

 御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○松木部会長代理 ありがとうございました。委員の先生方から御質問、御意見をお願いいたします。

○佐藤()委員 報告書87ページの表41あたりで、本剤は、今まで低血糖を起こしにくい薬だということを見ているので、ここに発現時期別の低血糖に関する有害事象の発現状況というのを見ておられますが、この表で見ると、期間が一番長期であっても337日、要するに1年以内ぐらいです。この疾病が、急性期の疾患ではなくて、長期にかかっている疾病に対して、低血糖を見ているからこの表でいいのかもしれませんが、1年未満であっても、この調査のときにn数が811という数で、スタートは1,017ですから、約20%が脱落しているのです。その20%も脱落している中で、一番右側の一番長期であったところで、非常に低血糖の有害事象が低かったということは、この薬は有効であったかどうか分かりませんが、1年ぐらい服用してくれた症例の中で、低血糖が少なかったということは分かって、初期の頃は結構低血糖が起こってきて、徐々に減っている。ただ、母集団がかなりの数、減っているところを低血糖についてだけ見ていますが、それ以外の有害事象を含めると、安全性としては大丈夫なのでしょうか。

○機構 先生からの御指摘のところですが、機構としては、本剤に関して低血糖リスクが必ずしも低いという判断をしているわけではありません。先ほど冒頭で御説明させていただいたのは、一般的なSGLT2阻害薬として期待をされているということです。結果としては、先生から御指摘いただいたように、87ページの表41にお示ししていますが、初期にはそれなりに低血糖を発現されている患者さんもいらっしゃる。かつ、本剤は特に他の経口血糖降下薬との併用の制限はしませんので、それらとの併用によって上乗せ効果で低血糖が見られる可能性もありますので、経口血糖降下薬の一つであるということも踏まえて、低血糖リスクについては、注意喚起、及び今後の情報収集等もしていただく予定です。ただ、他剤と比べて、低血糖のリスクがこれだけ格段に高いなどということでもありませんし、その他の有害事象を含めても、本剤の安全性に関しては、適切な注意喚起等をしていただければ許容可能だという判断をしております。

○松木部会長代理 よろしいでしょうか。

○佐藤()委員 はい。

○松木部会長代理 ほかにはいかがでしょうか。新しい作用機序の薬ということですが、よろしいですか。

○奥田委員 1点教えていただきたいのですが、他剤との併用を最初から認めるケースと、そうではなくて、後から一つ一つ検証してそれが認められるケースと、二通り糖尿病の治療薬にはあると思うのですが、それはどういったことで二つの道が分かれるのかを教えていただければと思います。

○機構 経口血糖降下薬については、経口血糖降下薬の臨床評価方法に関するガイドラインというものが発出されまして、現在はそれが施行されている状況です。その中では、今回の剤のように、併用が想定されるすべての経口血糖降下薬との併用試験を初回申請のデータパッケージに加えてくださいというお願いをさせていただいております。そういう品目に関しては、このようなデータパッケージ、かつ、効能・効果は2型糖尿病との記載のみになります。このガイドラインの適用前に承認された品目に関しては、それぞれの臨床現場での要望に応じて効能を追加していった経緯があります。本部会でも幾つか御報告させていただいておりますが、そのような剤においても、現在適用されている臨床評価ガイドラインに基づいて、効能・効果を2型糖尿病と変更するような申請も増えてきていますので、今後はある程度、剤の中では統一していくような形になっていくのではないかと思われます。

○奥田委員 ありがとうございます。

○山田委員 この糖尿病治療薬の中での本剤の位置付けを教えていただきたいのですが、軽症の方から重症の方、どういう方にこの薬は使われることになると想定をされるのでしょうか。糖尿病と診断されて、初めての方もこの新しい作用機序の薬が最初の治療薬として用いられることになるのでしょうか。あるいは、なかなか治療が難しい患者さんに対して、これが最後に使われるのでしょうか。

○機構 国内の糖尿病治療においては、第一選択薬というものが特に示されているわけではありません。各患者さんの病態に応じた最も適切な薬剤を選択していただくことになっています。ですので、本剤を糖尿病と診断された後に、第一選択として使われる可能性自体は否定できないと考えております。それから、本剤は特徴として尿糖を出すことで血糖を下げるという薬剤になっていますので、腎機能が悪化してくると、なかなか効果が出なくなるというところもあります。そちらに関しては添付文書等で注意喚起はさせていただいておりますが、糖尿病の病態が進んで、腎機能が悪化したような患者さんでは余り効かないということになりますので、比較的早期の患者さんの方が有効性は期待できるのではないかと思われます。

○山田委員 ありがとうございました。

○松木部会長代理 ほかにはいかがでしょうか。

 よろしいでしょうか。それでは議決に入ります。なお、野田委員、山田委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくこととします。本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。

 御異議がないようですので、承認を可とし、薬事分科会に報告とさせていただきます。議題5に移ります。議題5について、医薬品医療機器総合機構から概要を説明してください。

○機構 審議事項議題5、資料5「医薬品コンサータ錠18mg及び同錠27mgの製造販売承認事項一部変更承認の可否及び再審査期間の指定について、並びにコンサータ錠36mgの生物由来製品及び特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否、再審査期間の指定並びに毒薬又は劇薬の指定の要否について」、医薬品医療機器総合機構より御説明いたします。

 本剤は、ドパミン及びノルエピネフリン再取り込み阻害作用を有する中枢刺激薬であるメチルフェニデート塩酸塩を有効成分とする徐放性製剤であり、本邦では200710月に「小児期における注意欠陥/多動性障害(以下、「AD/HD」)の効能・効果で承認されています。今回の申請効能・効果である成人期のAD/HDについては、2011年2月から成人期AD/HD患者を対象に臨床試験が開始され、有効性及び安全性が確認されたとして、製造販売承認事項一部変更申請等が行われました。なお、海外では201210月現在、小児期のAD/HDに対して90の国又は地域で承認されており、今回の申請効能・効果である成人期を含めたAD/HDについては、そのうち38の国又は地域で承認されています。

 本申請の専門委員としては、資料15に記載されている4名の委員を指名しております。

 審査内容について、臨床試験成績を中心に説明させていただきます。まず、有効性についてですが、審査報告書7ページの表2を御覧ください。DSM-IV-TRに基づき、成人期におけるAD/HD診断基準を満たし、過去、小児期においてもAD/HD診断基準を満たしていたことが確認された18歳以上のAD/HD患者を対象に、国内第III相試験が実施されました。本試験における主要評価項目である、医師により評価されたコナーズ成人期注意欠陥/多動性障害評価尺度において、本剤1872mg群のプラセボ群に対する優越性が検証されました。

 安全性についてですが、審査報告書14ページの表8を御覧ください。成人期の患者では、動悸、頻脈、悪心、口渇の発現割合がプラセボ群と比較して高く、小児期の患者と比較しても高い傾向が認められました。特に動悸、頻脈については、服用期間中長期間にわたり継続することが確認されていますが、添付文書では既に、定期的に脈拍数・血圧を測定し、心疾患の合併又は家族歴のある患者等については投与開始前に心電図を測定するよう注意喚起を行っていますので、引き続き注意喚起を行うとともに、詳細なデータを適正使用ガイドに記載し、十分に情報提供・注意喚起をさせていただく予定です。また、本剤の依存性や濫用については、国内外臨床試験において関連する有害事象は認められませんでしたが、本剤は依存性形成の潜在的なリスクを有することから、小児期に引き続き、適正使用の徹底を目的とした流通管理を維持することを求めております。

 以上の審査を踏まえ、適正使用の徹底を目的とした流通管理の実施を承認条件として付した上で、本剤の成人期AD/HDに対する効能・効果を承認して差し支えないとの結論に達し、本第一部会で御審議いただくことが適当と判断いたしました。本申請は、コンサータ錠18及び27mgについては新効能医薬品及び新用量医薬品、コンサータ錠36mgについては新効能医薬品、新用量医薬品及び剤形追加に係る医薬品であり、再審査期間は4年とすることが適当と判断しております。また、コンサータ錠36mgについて、製剤は劇薬に該当し、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当しないと判断しております。なお、薬事分科会には報告を予定しております。

 以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○松木部会長代理 ありがとうございました。小児ではなくて、成人の方のAD/HDにもということですが、委員の先生方から御質問、御意見をお願いいたします。

○佐藤()委員 今回、報告書2ページで、「小児期における」というのを削除して、18歳未満の者と18歳以上ということに変えたいということだと思います。ということは、今まで小児期のAD/HDに投与していて効果があって、その子どもが治っていればいいのですが、治らないで、まだ投与を続けて18歳以上になった人たちに対して、次の用法・用量で18歳未満の患者とするのか、新たな子どもも入るのかもしれません。それから、18歳以上というのは、その頃からAD/HDが、子どもの頃ではなくて大人になってから多動性障害などが分かってきて、治療薬として使えるからという2本立てでいくのか。元に戻りますと、小児に投与していて効果があったので大人まで対応しようということなのでしょうか。理解の仕方を教えてください。

○機構 今回追加になっている18歳以上の患者さんについては、先生の御指摘のとおり、18歳未満の小児期において発症されて、薬を続けていらっしゃる患者と、18歳以上になって、過去の小児期の症状と、成人期において症状があって薬剤治療が必要と判断されている状況にあって、今回新しくコンサータ錠が処方されることになった患者との両方が含まれるという形で、今回、効能を付させていただいております。

○佐藤()委員 意味とすると、最初に使っていた、「小児期における」というのを今回削除してしまうということなのですね。

○機構 その理解で結構です。

○松木部会長代理 ほかにはいかがでしょうか。

 よろしいでしょうか。依存性形成や体重管理のコントロールの悪用が懸念されるのですが、流通管理のことについてもう一回説明していただけますか。

○機構 本剤の流通管理については、処方する医師と、調剤を行う薬局、調剤責任者を登録していただくこと、その関係者に対してしっかり教育を行っていただくことの2本が大きな柱になっております。

 まず、本剤を処方される医師と調剤を行う薬局、調剤責任者については、今回の承認申請者であるヤンセンファーマと本剤の流通管理を監視している第三者委員会のほうに処方の申請をいただいて、その後、AD/HDの診断に関する教育と本剤の適正使用に関する教育、それから、先生からも今、御指摘いただいた依存性・乱用性に関する教育を受けていただきます。その教育を受けた後、その先生方のところに登録証が発行されて、その先生方が処方、調剤ができるようになるという仕組みです。それから、医師の方で処方いただいた処方箋が薬局に届いたときに、薬局の方で、その医師が既に第三者委員会の方で教育を受けて登録されているかどうかをリストで御確認いただいて、登録されていることが確認できたことをもって調剤いただくという、二重のブロックをかける形で流通管理を行っております。

○松木部会長代理 ありがとうございます。

○豊見委員 他剤でもこういうことがあって、先日ほかの会議で申し上げたのですが、今の流通管理の、医師に資格があるかどうかを確認するページなのですが、コンサータとリタリンに関しては、薬局の薬剤師がホームページに入って確認をするのに、6か月に1回パスワードを変更するように強制されるのです。銀行でさえパスワードを変えてくださいという推奨で終わっているのに、このページに関しては、オンライン請求と同じように6か月に1回、必ず別々の会社の別々のページで強烈なセキュリティをかけておられる。なぜ、医師の名前の確認で薬剤師が入るのに、それほど強烈なセキュリティをかけなければいけないのか、理由が分からないのです。1回変えると、また薬局でそれをすべて管理しなくてはいけない。こういう薬が益々増えていくと、それが別個のメーカーのホームページになっていきますので、前にも言ったのですが、PMDAで管理をしていただいて、セキュリティも単一のセキュリティでそれぞれ分かるようにしていただけたらと思うのです。それぞれのホームページがばらばらなので、見る方法も違いますし、大変です。今度の新しい薬はアレルギーの薬なので、セキュリティがかかっていないという話なのですが、もう少し工夫をしていただけたらと考えます。よろしくお願いいたします。

○松木部会長代理 いかがでしょうか。これはPMDAか厚労省、どちらですか。

○事務局 それでは審査管理課の方から申し上げます。豊見委員から、先日の医薬品第二部会において、シダトレンの審議のときに同様の御意見を承っております。検討に時間が掛かるかもしれませんが、先生の御意見を踏まえて、可能かどうかも含めて検討させていただきたいと思います。使い勝手に関しては、やはりセキュリティ上、なかなか難しいところもあると思いますが、御意見があったことはメーカーの方に伝えさせていただきます。

○松木部会長代理 よろしいでしょうか。

 それでは、議決に入ります。本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。

 御異議がないようですので、承認を可とし、薬事分科会に報告とさせていただきます。

議題6に移ります。議題6について、医薬品医療機器総合機構から概要を説明してください。

○機構 審議事項議題6、資料6-16-2「医薬品サイスタダン原末の生物由来製品及び特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否、再審査期間の指定並びに毒薬又は劇薬の指定の要否について」、医薬品医療機器総合機構より御説明いたします。

 本剤の効能・効果であるホモシスチン尿症は、先天的な酵素欠損又は代謝異常のためにメチオニンの代謝産物であるホモシステイン及びホモシスチンが血中に蓄積し、尿中に大量のホモシスチンが排泄される疾患です。知能障害、骨格異常等を引き起こすとされ、血栓症や塞栓症により死亡するリスクが高まるとされています。本邦における累積患者数は200人程度と推定されています。本剤は、メチオニン代謝経路においてベタイン-ホモシステインメチル基転移酵素の基質として、ホモシステインにメチル基を供与することによりホモシステインの再メチル化を促進し、ホモシステインをメチオニンにすることによって、体液中のホモシステインを低下させる薬剤であり、ホモシスチン尿症の標準的治療薬として教科書等に記載されています。

 以上の背景から、「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」において国内開発企業が公募されるとともに、未承認薬等開発支援事業による開発支援品目に選定されました。また、本剤は希少疾病用医薬品に指定されています。2013年9月現在、本剤は、米国及び欧州をはじめ、34か国で承認されています。

 本品目の専門協議では、資料15に示す先生方を専門委員として指名させていただいております。

 以下、本剤の有効性及び安全性について、臨床試験成績を中心に説明させていただきます。有効性については、国内第III相試験が実施され、審査報告書28ページ表13に示しましたように、血漿中総ホモシステイン値の推移において、1例の新規患者では投与16週及び24週において血漿中総ホモシステイン値が基準値内まで減少したこと、治験開始前からベタインが投与されていた切り替え患者では投与前値からおおむね変化しなかったことが確認されたこと等を踏まえ、本剤の有効性が示されたと解釈して差し支えないと考えます。

 安全性については、33ページ〜34ページ「()安全性について」の項に記載しましたように、国内第III相試験において安全性に特段の懸念は認められておらず、また、欧米における使用経験及び公表文献から得られた情報からは、脳浮腫及び高メチオニン血症を除いて特段の懸念は認められていないことから、安全性は許容可能と判断しました。

 製造販売後調査については、39ページ「()製造販売後の検討事項について」の項に記載しましたように、脳浮腫及び高メチオニン血症の発現状況、腎機能障害及び肝機能障害を有する患者における安全性及び有効性等について情報収集される予定です。なお、40ページの「承認条件」の項に記載しましたように、国内での治験症例が極めて限られていることから、製造販売後、一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は、全投与症例を対象に使用成績調査を実施して本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講じる旨の承認条件を付けました。

 以上のとおり、機構での審査の結果、本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、医薬品第一部会で審議されることが適当と判断いたしました。本剤は希少疾病用医薬品であることから、再審査期間は10年が適当であると判断しております。なお、原体及び製剤はいずれも毒薬又は劇薬に該当せず、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当しないと判断しております。薬事分科会では報告を予定しております。

 審査報告書に誤記がございましたので修正させていただきます。21ページ()健康成人における検討の1)において、試験期間が「□□年」とされていますが、「□□年」の誤りです。申し訳ございませんでした。

 以上、御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○松木部会長代理 ありがとうございました。委員の先生方から御質問、御意見をお願いいたします。いかがでしょうか。

○古川委員 これは、不活性な葉酸が活性化するとき、メチル基を渡してホモシステインがメチオニンに変わる経路だと思うのですが、そこに関する酵素の薬だと思います。いろいろなデータを見ても葉酸の変動が書いていないのですが、これは余り考えなくていいものなのかということ、これは一つ目の質問です。

 また、メチオニンが高いと脳浮腫と、外国の論文のメチオニンの値は書いてあるのですが、日本のデータではメチオニンはどこまで測られたのかということが、二つ目の質問です。

○機構 葉酸については測定をしていない、国内臨床試験で検討されていないかと思います。

○松木部会長代理 二つ目の質問の、メチオニンについては、いかがですか。

○機構 メチオニンは、少々お待ちください。

 国内の臨床試験ではメチオニン自体が測られていなかったかと思います。手元のデータでは確認ができません。

○古川委員 葉酸も、これは食事に頻繁に入っているものですから、その変動が、たくさん取った方がいいのかどうかということが、少し気になりますから、そういうものも是非この後の調査で追跡していただきたいというのと、それから、メチオニンはそのように外国の論文にあるわけですから、このようなデータを出すに当たって是非測るべき指導をすべきではないかと思います。

○機構 機構から再度御回答させていただきます。葉酸につきましては、先ほど申し上げたとおり、取っていなかったかと思いますので、先生の御指摘も踏まえまして、製造販売後の情報収集等を申請者に伝達したいと思います。

 それから、血漿中メチオニンにつきましては訂正させていただきます。血漿中メチオニン値は、患者ごとに測ってはおりました。ただ、それほど大きな変動をしているわけではないということを確認しておりましたので、今回、審査報告書では、特段記載しておりませんでした。

○古川委員 分かりました。分かりましたが、メチオニンで浮腫が来ると書いてある論文がある以上、是非この資料に載せていただきたいと思います。

○機構 はい。

○松木部会長代理 今回は変動がないということですが、次回からはよろしくお願いいたします。ほかにはいかがでしょうか。

 よろしいでしょうか。それでは議決に入ります。本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。

 御異議がないようですので、承認を可とし、薬事分科会に報告とさせていただきます。

それでは議題7に移ります。議題7について、医薬品医療機器総合機構から概要を説明してください。

○機構 審議事項議題7、資料7「医薬品アデムパス錠0.5mg、同錠1.0mg及び同錠2.5mgの生物由来製品及び特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否、再審査期間の指定並びに毒薬又は劇薬の指定の要否について」、医薬品医療機器総合機構より御説明いたします。

 まず、審査報告書3ページ下を御覧ください。本剤は、可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激薬であるリオシグアトを新規有効成分として含有する慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)の治療薬です。CTEPHは、器質化した血栓により肺動脈内腔が慢性的に狭窄・閉塞し、肺動脈圧の上昇を呈する疾患であり、慢性的な肺血管障害によりcGMP濃度が低下していることが報告されていますが、本剤は、可溶性グアニル酸シクラーゼを直接刺激し活性化することでcGMP濃度を上昇させ、CTEPHに対する有効性を示すことが期待され、開発がなされました。

201311月現在、本剤は、カナダ及び米国において承認されています。本邦では、本剤は希少疾病用医薬品に指定されており、今般、日本も参加した国際共同治験の成績を基に、「手術不適応又は術後に残存・再発した慢性血栓塞栓性肺高血圧症」を申請効能・効果として製造販売承認申請がなされました。なお、本剤は、CTEPHと同様の臨床的特徴を有する肺動脈性肺高血圧症の治療薬としても開発が行われ、当該疾患に対しても申請がなされる予定です。

 本品目の審査に関しまして、専門委員として、資料15に記載されております委員が指名されました。

 本品目の審査の概略について、国際共同治験の成績を中心に御説明いたします。審査報告書55ページを御覧ください。本試験では、CTEPHの治療として推奨されている肺動脈血栓内膜摘除術(PEA)が実施不能な患者又は術後に肺高血圧症の持続又は再発が認められた患者が対象とされました。

 有効性については、審査報告書56ページ表9にお示ししますように、全体集団において主要評価項目とされたベースラインから16週時までの6分間歩行距離の変化量で、プラセボ群に対する本剤群の優越性が検証されました。また、日本人集団での有効性は審査報告書58ページ表12にお示ししております。6分間歩行距離の変化量の平均値では、プラセボ群と本剤群で差は認められませんでしたが、一番下の中央値による評価では、本剤群でプラセボを上回る改善が示されております。平均値で差が認められなかった理由としては、少数例の日本人集団の中に、臨床的悪化によって中止来院時の測定が実施されなかったため、最悪値として0mという値が補完された症例が解析に存在したことによる影響が考えられました。日本人に対する本剤の有効性については、中央値の成績に着目した場合には全体集団と日本人集団の成績に齟齬はなかったこと、また、副次評価項目である肺血管抵抗等において日本人集団でも改善傾向が認められていることに加え、日本人の個別症例ごとの有効性の成績も含め、総合的に評価した結果、日本人においても本剤の有効性が期待できる結果が得られていると判断しました。

 続いて、安全性について説明いたします。審査報告書57ページ表11あるいは審査報告書75ページからの「安全性について」という項でお示ししておりますように、本剤の作用機序から想定される低血圧に関連する有害事象、上部消化管運動障害に関する有害事象等が比較的高い頻度で認められましたが、これらのリスクに対して適切な注意喚起がなされることを前提とすれば、本剤の安全性は許容可能と判断しました。

 用法・用量について御説明いたします。国際共同治験で用いられた開始用量、漸増方法、最高用量において、日本人集団も含めて有効性及び安全性が確認されたことから、治験で用いられた用法・用量、すなわち、1回1mg1日3回から開始し、血圧や忍容性に注意しながら1回0.5mgずつ漸増し、最大1回2.5mgまでの範囲で維持用量を定める用法・用量は妥当と判断しました。なお、臨床試験での投与経験がない投与前の血圧が低い患者、あるいは、腎障害、肝障害等、本剤の血中濃度が増加する背景を有する患者では、より慎重な投与が必要であると考え、添付文書()の「用法・用量に関連する使用上の注意」に記載していますように、患者の状態に応じて、より低用量からの開始を考慮するよう注意喚起する必要があると判断いたしました。用法・用量とそれに関連する使用上の注意につきましては、審査報告書95ページの辺りにも記載しております。

 製造販売後調査については、審査報告書9596ページの「医薬品リスク管理計画()について」の項に記載しましたように、予定症例数を420例、観察期間最長8年間の使用成績調査が計画されており、96ページ表31に示した検討事項に関して情報収集を行う予定です。また、国内での治験症例が限られているため、本調査は全例調査とし、使用患者の背景情報の把握と、安全性及び有効性に関するデータの早期収集を行い、本剤の適正使用に必要な措置を講じることを承認条件とすることが適切と判断しております。

 以上のような検討を行った結果、本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、医薬品第一部会において御審議いただくことが適当であると判断いたしました。本剤の再審査期間は10年、原体及び製剤はいずれも劇薬に該当し、生物由来製品又は特定生物由来製品のいずれにも該当しないと判断しております。薬事分科会では報告を予定しております。

 御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○松木部会長代理 ありがとうございました。委員の先生方から御質問、御意見をお願いいたします。いかがでしょうか。

○神田委員 適切な安全管理をする必要があるという御説明がありました。添付文書にも、重要な基本的注意という所に、めまい等が認められているので、危険を伴う操作の際には注意することというようなことが書かれております。これを書いた理由は、めまいとか失神の有害事象が比較的高頻度で認められていることから設定したという説明になっておりますが、特に自動車の運転について、しても構わないのでしょうか。禁止というところまでしなくても大丈夫なものなのかということと、それから、重要な基本的注意の表現ですが、「めまい等」という形で表現しておりますが、私は「失神」という言葉を強烈に受け止めるわけです。「失神」という表現がなくて「めまい等」ということですと、厳しさが少し足りないのかと思ったのです。「失神」という言葉を使わなかったということと、自動車についての、禁止するほどのことではないということなのか、その辺を確認させてください。

○機構 まず、自動車運転につきまして、禁止とするかどうかというところは、御指摘のとおり、一律に、全く運転してはいけないというわけではないと思われます。高血圧の薬、あるいはやはり血圧低下を有するような薬に関しましては、めまい、ふらつき、失神等が発現するおそれがあるので、同様にこうした機械操作に関する注意喚起をしております。実際、患者さんにどこまで行っていただくことを可能とするかは、医師と患者さんとの相談の上と、この注意喚起を踏まえて御判断していただくことになると思います。

 ここに「めまい等」と記載した理由です。まず、試験において御指摘のとおり失神が認められておりますが、こちら、プラセボ群と比べて本剤群で発現割合が増加するという傾向は認められておりませんでした。もともと肺高血圧症を有する患者は疾患の影響によって失神を発現することが知られているので、失神に関しては、診られている先生、あるいは患者さんについても注意が促されていると考えておりますので、明確に本剤の影響として、副作用として見られた「めまい」をここでは記載しております。

○松木部会長代理 よろしいでしょうか。ほかにはいかがでしょうか。

 御意見がなければ、議決に入ります。本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。

 御異議がないようですので、承認を可とし、薬事分科会に報告とさせていただきます。

それでは議題8に移ります。議題8について、事務局から概要を説明してください。

○事務局 審議事項議題8、資料8「NPR-01を希少疾病用医薬品として指定することの可否について」、事務局より御説明いたします。

 資料8のタブの二つ目、事前評価報告書を基に説明させていただきます。申請者は、日本製薬株式会社、予定効能・効果は、「クローン病性瘻孔(外瘻(痔瘻を含む))」となります。クローン病性瘻孔は、クローン病に特徴的な腸管合併症であり、腸管と隣接臓器の内腔や体表とが交通を来たした、いわゆる穴がつながったような状態を言います。特に腸管が体表等と交通したものを外瘻と言い、外瘻のうち、肛門と肛門周囲皮膚とが交通したものを痔瘻といいます。クローン病は、いわゆる難病に指定されており、平成23年度には34,721名の患者が確認されております。そのうち、国内において痔瘻を含む瘻孔を合併する患者数については、海外の文献や国内の研究報告により、15,00016,000人程度と考えられ、5万人未満の要件を満たすと考えられます。

 クローン病性瘻孔に対する治療選択肢は限られております。ガイドライン等におきまして、内科的治療としてインフリキシマブが用いられ、また、内科的治療で改善が得られない場合には外科的治療も行われますが、痔瘻における外科的治療においては生活の質を低下させることが知られております。今回申請されたNPR-01は自己由来脂肪幹細胞であり、瘻孔壁に接種することで新たな肉芽形成を促進し、組織の再生、瘻管の閉鎖が期待され、従来とは異なる作用機序による新たな治療法を提供するものであり、医療上の必要性は高いと考えられます。

 本薬は海外において、技術導入元である韓国にありますアンテロジェン社が、韓国において同様の細胞治療薬でクローン病性瘻孔の効能・効果の承認を取得しております。また、国内では、申請者が平成月頃より国内第相試験を開始することとしており、開発の可能性は高いと考えております。

 以上から、本薬は希少疾病用医薬品の指定要件を満たすものと判断しております。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○松木部会長代理 ありがとうございます。委員の先生方から御質問、御意見をお願いしたいと思います。いかがでしょうか。

○加藤委員 参考までに教えていただきたいのですが。現在、ここの薬事・食品衛生審議会で審議している以外に、自己細胞由来の幹細胞加工製品の品質管理のようなことについてのレギュレーションはどのようになっているか、簡単に教えていただけると有り難いと思います。

○事務局 平成24年度だったと思うのですが、自己又は同種由来の幹細胞に関する品質管理等の指針を厚生労働省で発出しておりまして、それに基づいて管理されているものと考えております。

○松木部会長代理 よろしいでしょうか。

○加藤委員 では、それに関しての管理は、また、別の所できちんと審査するということでよろしいのですか。

○事務局 はい。

○松木部会長代理 よろしいですか。

 ほかに御意見がなければ、議決に入ります。なお、野田委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくことといたします。本議題について、指定を可としてよろしいでしょうか。

 御異議がないようですので、指定を可とし、薬事分科会に報告とさせていただきます。

 それでは議題9に移ります。議題9について、事務局から概要を説明してください。

○事務局 審議事項議題9、資料9「JR-031を希少疾病用医薬品として指定することの可否について」、事務局より御説明いたします。

 3枚めくっていただいて、機構におけます希少疾病用医薬品該当性事前評価報告書に基づき説明させていただきます。

 申請者は、日本ケミカルリサーチ株式会社、予定効能・効果は、「急性移植片対宿主病(急性GVHD)」となります。急性GVHDは移植片の宿主に対する免疫反応によるもので、移植後早期に見られる皮疹・黄疸・下痢を特徴とする症候群です。同種造血幹細胞移植の場合、予防措置を講じても約半数の患者が発症すると言われ、日本造血細胞移植学会の報告書により、国内の急性GVHDの年間発症者数は約1,900名と推測され、5万人未満の要件を満たすと考えられます。急性GVHDの初期治療としてはステロイドの投与が推奨されていますが、投与を受けた患者の約半数は反応せず、また、二次治療として抗ヒト胸腺細胞ウサギ免疫グロブリンなどが用いられておりますが、過度の免疫抑制による感染症の併発なども多く、非再発死亡率は70%に上ると言われており、重篤な疾患と考えられます。

 今回申請されたJR-031は同種間葉系幹細胞であり、当該細胞が持つとされる免疫抑制能及び炎症部位への集積性によって、過剰な免疫反応である急性GVHDに治療効果があると考えられております。以上より、医療上の必要性は高いと判断しております。

 本薬は、海外においては技術開発元のオサイリス社が、同様の細胞治療薬をカナダ、ニュージーランドで小児の急性GVHD治療薬として承認を取得しており、国内でも第III相試験を実施中であることなどから、開発の可能性は高いと考えております。

 以上から、本薬は希少疾病用医薬品の指定要件を満たすものと判断しております。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○松木部会長代理 ありがとうございました。委員の先生方から御質問、御意見をお願いいたします。いかがでしょうか。

 御意見がなければ、議決に入ります。なお、野田委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくことといたします。本議題について、指定を可としてよろしいでしょうか。

 御異議がないようですので、指定を可とし、薬事分科会に報告とさせていただきます。

 それでは議題10に移ります。議題10について、事務局から概要を説明してください。

○事務局 審議事項議題10、資料10「モダフィニルを希少疾病用医薬品として指定することの可否について」、事務局より御説明いたします。

 資料中の事前評価報告書を基に御説明します。事前評価報告書のタブをお開きください。予定される効能・効果は、「特発性過眠症に伴う日中の過度の眠気」、申請者は、アルフレッサファーマ株式会社です。希少疾病用医薬品の指定要件の対象患者数、医療上の必要性、開発の可能性の3点について順に説明いたします。

 まず、「対象者数」ですが、1ページの下方において、平成23年度の厚生労働省による患者調査から1万人未満と推定され、また、国内専門医を対象とした調査の報告等を勘案すると、患者数は1,100人〜1,500/年程度と推定されることから、本剤の予定される効能又は効果における患者数は、指定要件の5万人未満を満たすと考えられます。

 次に、「医療上の必要性」についてです。2ページの中程を御覧ください。特発性過眠症は中枢性過眠症群に分類される疾患の一つであり、日中の過度の眠気が認められ、昼寝及び夜間睡眠の後の覚醒が困難であり、覚醒後に錯乱状態が認められることが多いため、職場及び学校での能力低下、収入の減少、失業等の社会的問題を伴うとされています。また、本邦において特発性過眠症に適応を有する医薬品としてペモリンがありますが、ペモリンは、海外で重篤な肝障害による死亡例が報告されたことに伴い、米国においては使用制限勧告が発出され、本邦においても添付文書の警告欄に注意喚起が記載され、定期的に血液検査が必要であるなど、使用に当たって特に注意が必要な薬剤です。本剤は、覚醒促進作用を有し、「ナルコレプシーに伴う日中の過度の眠気」等の効能で、本邦においても既に医薬品として承認されており、特発性過眠症患者において本剤の有効性及び安全性が検証された場合、医療現場に新たな治療選択肢を提供するものと期待されます。以上より、本剤の医療上の必要性は高いと考えられます。

 最後に、開発の可能性です。平成26年1月より国内第III相試験等が実施予定であることから、本剤の開発の可能性は高いと考えられます。これらのことから、希少疾病用医薬品の指定要件を満たすと考えています。

 御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○松木部会長代理 ありがとうございました。委員の先生方から御質問、御意見をお願いいたします。特発性過眠症という、ナルコレプシーとはまた異なる疾病の治療ということですが、いかがでしょうか。

 よろしいでしょうか。それでは議決に入ります。本議題について、指定を可としてよろしいでしょうか。

 御異議がないようですので、指定を可とし、薬事分科会に報告とさせていただきます。

 以上で審議事項を終わりまして、今度は報告事項に入ります。事務局より説明をお願いいたします。

○事務局 報告事項議題1、資料11「医薬品ドルミカム注射液10mgの製造販売承認事項一部変更承認について」、事務局より御報告いたします。

 本剤は、ミダゾラムを有効成分とする注射剤であり、現在、「麻酔前投薬」、「全身麻酔の導入及び維持」、「集中治療における人工呼吸中の鎮静」の効能・効果で承認されております。今般、アステラス製薬株式会社から、「歯科・口腔外科領域における手術及び処置時の鎮静」に関する効能・効果を追加する製造販売承認事項一部変更承認の申請がなされました。

 医薬品医療機器総合機構における審査の結果、「歯科・口腔外科領域における手術及び処置時の鎮静」に対して本剤を使用することの有用性は医学薬学上公知に該当すると判断し、申請された効能・効果を承認して差し支えないと判断いたしました。

 続きまして、報告事項議題2、資料12-112-5「医療用医薬品の再審査結果について」、事務局より御報告いたします。

 資料12-112-5は、いずれも医薬品再審査確認等結果通知書となっております。資料12-1は、一般的名称は「オルメサルタンメドキソミル」、販売名は「オルメテック錠5mg、同錠10mg、同錠20mg及び同錠40mg」に関するものです。資料12-2は、一般的名称は「プラミペキソール塩酸塩水和物」、販売名は「ビ・シフロール錠0.125mg及び同錠0.5mg」に関するものです。資料12-3は、一般的名称は「ピタバスタチンカルシウム」、販売名は「リバロ錠1mg、同錠2mg」に関するものです。資料12-4は、一般的名称は「パロキセチン塩酸塩水和物」、販売名は「パキシル錠10mg、同錠20mg及び同錠5mg」に関するものです。資料12-5は、一般的名称は「スルホ化人免疫グロブリンG」、販売名は「献血ベニロン-I静注用500mg、同静注用1000mg、同静注用2500mg及び同静注用5000mg」に関するものです。

 こちらの品目につきまして、製造販売後の使用成績調査、特定使用成績調査、製造販売後臨床試験等に基づいて再審査申請が行われ、審査の結果、薬事法第14条第2項第3号に掲げられている承認拒否事由のいずれにも該当しないこと、すなわち、効能・効果、用法・用量等の承認事項について変更の必要はない「カテゴリー1」と判定したものです。

 続きまして、報告事項議題3、資料13「医薬品テネリア錠20mgの製造販売承認事項一部変更承認について」、事務局より御報告いたします。

 本剤は、テネリグリプチン臭化水素酸塩水和物を有効成分とする経口血糖降下薬であり、既に本剤の単独使用、スルホニルウレア系薬剤との併用療法、チアゾリジン系薬剤との併用療法について承認されています。

 今般、田辺三菱製薬株式会社から、本剤と他の経口血糖降下薬との併用が追加され、効能・効果を2型糖尿病へ変更する製造販売承認事項一部変更承認の申請がなされたものです。

 医薬品医療機器総合機構における審査の結果、本剤と他の経口血糖降下薬を併用した際の有効性及び安全性が確認されたことから、本剤を承認して差し支えないと判断いたしました。説明は以上です。

○松木部会長代理 先生方から御質問等がありましたらお願いいたします。いかがでしょうか。

 よろしいでしょうか。それでは、三つの議題については御確認いただいたものといたします。ありがとうございました。

 本日の議題は以上ですが、事務局から何か報告はありますか。

○事務局 次回の部会は、平成26年1月24()午後5時から開催させていただく予定です。当初御連絡した日程から予定を変更いたしまして恐縮ですが、どうぞよろしくお願いいたします。

○松木部会長代理 それでは、本日はこれで終了させていただきます。どうもありがとうございました。


(了)

備  考
 本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。

連絡先:医薬食品局 審査管理課 課長補佐 益山(内線2746)

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