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2014年5月30日 第12回「多様な正社員」の普及・拡大のための有識者懇談会議事録

労働基準局労働条件政策課

○日時

平成26年5月30日(金)16:00〜18:00


○場所

厚生労働省専用第12会議室(12階)


○出席者

委員

今野座長 神林委員 黒田委員 黒澤委員
佐藤委員 竹内(奥野)委員 野田委員 水町委員

事務局

中野労働基準局長
大西大臣官房審議官
村山労働条件政策課長
岡労働条件確保改善対策室長
代田職業安定局派遣・有期労働対策部企画課長
伊藤職業能力開発局能力評価課長
田中雇用均等・児童家庭局短時間・在宅労働課長

○議題

(1)転換制度と均衡処遇等について
(2)その他

○議事

○今野座長 それでは、皆さんおそろいですので、始めたいと思います。第12回「多様な正社員」の普及・拡大のための有識者懇談会を開催いたします。

 本日は、これまでの議論を踏まえて、転換制度と均衡処遇等について議論したいと考えています。

 まず、出欠状況、資料等について、お願いします。

○村山労働条件政策課長 本日は、櫻庭先生、山川先生から御欠席の御連絡をいただいております。

 あと、本日付で事務局の中で人事異動がございましたので、紹介します。派遣部の企画課長です。

○職業安定局派遣・有期労働対策部代田企画課長 代田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

○村山労働条件政策課長 続きまして、座長から御指示のございました配付資料でございますが、まず資料1−1、これまでの議論を踏まえました「転換制度と均衡処遇」についての論点メモでございます。10ページまで論点メモが続きまして、11ページの表紙以降が、転換と均衡処遇についての関連資料でございます。

30ページ、具体的な内容が31ページからが、前回集中的に御議論いただきまして、基本的に大きく幅寄せしていただいた「雇用保障と労働条件明示」に関しまして、最終的な整理の方向性ということで、前回、特にお話を詰めていただきました明示の促進策なども含めまして、37ページまでまとめているところでございます。

38ページから42ページまでが報告書の骨子というか、スタイルとしてどのような形にするかという御議論をいただければということでつけています。

43ページ以降は、参考資料でございます。

 資料等につきまして、不備等ございましたらお申しつけいただければと思います。どうぞよろしくお願いします。

○今野座長 よろしいですか。

 それでは議事に入りたいと思います。

 まず、事務局から資料の説明をお願いします。

○岡労働条件確保改善対策室長 それでは、資料の説明をさせていただきます。まず、資料の2ページをごらんいただきたいと存じます。

 前回、雇用終了と労働条件明示ということで御議論いただきましたけれども、前回と同様に、まずこれまでの御議論を踏まえた整理案ということで、ある程度委員の方々の中で幅寄せがなされたのではないかと思われる内容につきまして整理してございます。その後で論点ということで、さらに御議論を深めていただきたい点を書いてございます。また、さらにそれを促進していくために、法令等でどういうことをやっていけばよいかということについて記載してございます。

 まず、転換制度についてでございます。転換の仕組みの社内制度化の必要性についてということで、これまでの議論等を踏まえた整理案でございます。

 まず、これまで、この懇談会で何度も御意見がございましたけれども、多様な正社員については、非正規雇用のキャリアアップ、それからいわゆる正社員のワーク・ライフ・バランスの実現、それから企業にとっては多様な人材の活躍や能力発揮等の観点から、制度を普及させていったらどうかという話がございますけれども、そういった観点から、同一企業内で異なる働き方へ転換を進めていくことが望ましいという立場に立って、以下のとおり整理してはどうかということでございます。

 2ページ目の2つ目の○は、これまでの先行調査やヒアリングの結果を簡単にまとめてございます。非正規から「多様な正社員」、「多様な正社員」から「いわゆる正社員」、「いわゆる正社員」から「多様な正社員」と、転換にも大きく3つございますが、いずれもそういった制度あるいは慣行がある企業は4割から5割程度あって、いずれの場合も転換に当たっては試験を行ったり、あるいは選考を行ったりということを要件として課している場合が多い。また、勤務成績や勤続年数などを要件としている場合、あるいは転換の回数といったことを制限している企業も多いということでございます。

 また、アとイについては、キャリアアップあるいはワーク・ライフ・バランスのための転換ということになるのですが、制度があってもなかなか利用する者が少ないケースもあったということでございます。

 次に、3ページ目でございますが、転換の仕組みについては、就業規則等に定めて社内制度化している企業と、運用上、そういったことをやっている企業とがあるということで、社内制度化して明確化することによって労働者にそういった仕組みがあることが周知され、活用が進むと考えられるのではないか。また、あいまいにしていることによって労使双方の認識のそごが生じ、その結果として転勤などの場面で紛争が生じることもありますので、社内制度化によって、そうした紛争を未然に防止することができるのではないかということでございます。

 他方、2つ目の○でございますけれども、無制限に転換できるようにしますと、企業といたしましては、長期的な要員計画が立てられなくなったり、あるいは、これまである一定の目的といいますか、計画のもとに人材育成投資を行ってきたところ、その期待にそぐわない場合も出てくるのではないかということで、この懇談会でヒアリングした企業においても、年齢や役職による要件を課したり、あるいは転換の時期や回数について制限を設けたり、あるいは比較的自由に認める場合であっても、転換先のポストが確保されていることを条件とするなど、さまざまな要件とか制約を設けている企業もあったということでございます。

 こうしたことを参考に、企業ごとにいろいろ事情はあるかと思いますけれども、そういったことを雇用管理上の留意事項として定めていくことも考えられるのではないかということでございます。

 また、企業側の事情により転換させる場合につきまして、労働者にとっては負担になる場合もございますし、逆にいわゆる正社員から多様な正社員に変わる場合に賃金の低下などを伴う場合もございますので、そういった場合については本人の同意が必要ではないかということでございます。

 一番下でございますが、これは2月13日の第7回会議でホワイトボードを使って先生方に御議論いただいた話でございますけれども、いわゆる正社員から多様な正社員への転換については、何を限定するかによって、その転換がもたらす影響あるいは意味合いが異なるのではないか。例えば、「勤務時間限定正社員」といわゆる正社員の間の転換につきましては、所定労働時間を短縮したり、残業を免除したりということでございますので、それは「労働条件の変更」であって、必ずしも「キャリアの変更」を伴う必要はないのではないかということでございます。

 次の4ページに行きますが、また、今後、育児や介護のライフステージに応じて限定した働き方が必要となる労働者がふえてくるということで、企業にとっても労働者のキャリアを変更させることは必ずしも望ましくない場合がございますので、そういったことも考えていくべきじゃないかということでございます。ということで、「勤務時間限定正社員」との転換については、昇進等に与える影響をなるべく抑制的なものにすることが考えられるのではないかということでございます。

 次の○でございますが、他方、「職務限定正社員」との間の転換につきましては、職務の内容や範囲が変更されるということで、企業の人材育成投資や人材配置、労働者のキャリア形成に与える影響は大きいのではないか。

 特に、いわゆる正社員の職務の範囲が広い我が国においては、現状では「職務限定正社員」というのは資格が必要なものとか高度な専門性を必要とするもの、あるいは他の労働者の職務と明確に区分できるような場合に限られる傾向がございますので、どうしてもキャリアの変更を伴う場合が多いのではないかということで、「職務限定正社員」への転換については、企業がそれまで行ってきた人材育成投資が回収できなくなったりすることが考えられますし、逆に「職務限定正社員」からいわゆる正社員に転換する場合につきましては、職務の範囲が広がりますので、それに応じて教育訓練というのも必要となってまいります。また、人材の配置の計画も修正せざるを得なくなることも考えられます。

 ということで、勤務時間限定と比べますと、転換の要件や回数制限についてもある程度厳格に定める必要性も強くなってくるのかなということがございます。

 一番下の○でございますが、「勤務地限定正社員」につきましては、職務が従前と変わらない場合もございます。そういった場合については、先ほどの勤務時間限定と同じように、必ずしもそのキャリアへ影響させる必要はないのではないか。他方で、職務とリンクする場合もありますので、そういった場合については、先ほどの職務限定と同じようにキャリアへの影響もございます。ということで、それぞれの状況に応じて変わってくると思いますけれども、こうした特性に着目して、勤務地限定については検討することが必要ではないかということでございます。

 次の5ページでございますが、以上のように、限定の種類に応じていろいろなやり方を変えていくことが考えられるわけでございますけれども、これまでそうした限定の種類に応じた人事労務管理を行うノウハウがないために、例えば本来は労働条件の変更だけでよいかもしれない「勤務時間限定正社員」との転換につきましても、キャリアの変更を伴っている場合もあると考えられますので、そうではなくて、上記のような限定の種類に応じた転換が可能だということを情報発信していくことが必要ではないかということでございます。

 あわせまして、「勤務地限定正社員」がこれまで余り導入されていなかった、普及させていくためには、いわゆる正社員の働き方も変えていかないといけないという御議論がございましたけれども、あわせて、そういった働き方の見直しということも必要だということを書いてございます。

 それで、論点でございますけれども、最初の2つは、以上述べましたことの確認になりますけれども、ワーク・ライフ・バランスの実現、それから企業による優秀な人材の確保などのために、あるいは紛争の未然防止のために就業規則等に明記して社内制度化することが望ましいのではないか。

 それから、限定の種類に応じて、転換の要件や回数制限、それからキャリアへの影響を検討していくことが望ましいという上記の整理でよいかということでございます。

 3つ目でございますけれども、勤務時間限定の場合はキャリアに余り影響を与えないほうがいいのではないかということを申し上げましたが、ここで言うキャリアとは何かということで、昇進の上限を限定しないということなのか、あるいは処遇の体系とかキャリアラダーに影響を与えないといったことも含めるのかといった論点もあるのではないかということでございます。

 4つ目は、先ほど限定の種類が大きく3つあると述べましたけれども、それぞれの区分においてもいろいろな程度がございますので、それぞれの類型の中においても、要件や回数制限、キャリアへの影響等を設定していくことが望ましいのではないかということでございます。

 それから、その下も同様の趣旨でございまして、特に「職務限定正社員」からいわゆる正社員への転換につきましては、職務の範囲が変わるということでございますけれども、現在、職務限定正社員として従事している職務が高度な専門性を伴う場合につきましては、いわゆる正社員に転換することをそもそも余り想定していませんので、労働者のニーズから見ても転換制度というのはなかなか難しい場合が多いのではないかということでございます。

 それから、5ページの一番下から次のページにかけてでございますが、有期契約労働者の無期転換の場合でございます。無期転換後の職務の内容や範囲が有期契約のときと同じ、あるいは広がるとしても、それほど変化しないことも現時点では多いのではないかと考えられます。その場合には、いわゆる正社員の職務の内容や範囲との隔たりが非常に大きいということで、有期から無期転換した人がいわゆる正社員にいきなり転換することはなかなか難しいのではないかと思われます。

 ということで、これも以前、懇談会で御議論がありましたけれども、まず有期契約の更新を毎年していくときに、更新ごとに職務の範囲を徐々に広げていって、さらに無期転換後も能力や勤続年数に応じて職務の範囲、あるいはレベルをどんどん広げていくということで、一定のレベルに達した場合にはいわゆる正社員への転換も考えられるのではないかということでございます。

 また、そうした転換ができますように能力を客観的に評価することが必要でございますので、職業能力評価制度を活用することが考えられるのではないかということでございます。

 以上のようなことを、雇用管理上の留意事項としてまとめてはどうかということでございます。

 次に、2といたしまして、以上のような転換制度の導入の促進策でございます。これも前回の雇用終了と労働条件明示のところと類似した内容になりますけれども、転換制度を進めていく上で、次の(1)や(2)のような方策が考えられるのではないかということでございます。「また」というところは、前回、(3)として並列で書いておったのですけれども、個別の労使間だけではなくて、労働市場に情報を公開していくことによって、求職者とか潜在的な労働者にとっても役立ちますし、また企業にとっても、それが魅力としてアピールできるのではないかということで、促進策が別にあるのではないかということを書いてございます。

 まず、(1)でございますが、例えば、労働契約法において、いわゆる正社員と多様な正社員との間の転換制度について法定化する選択肢が考えられるのではないか。

 論点といたしましては、どういうふうに定めるかというのはいろいろなやり方があるのかもしれませんけれども、現行法では、労働契約法18条で有期から無期への転換の規定がございます。例えば、これと同じような規定を多様な正社員といわゆる正社員の間の転換制度についても設けた場合には、私法上、転換による形成権に位置づけることができると考えられます。

 しかし、先ほどいろいろ述べてきましたけれども、多様だということで、契約法18条につきましては、有期から無期への転換ということで、期間が有期から無期になるという比較的明瞭な形の話でございますけれども、多様な正社員といわゆる正社員につきましては、そもそも多様な正社員が非常に多様であるということで、一律の要件を法定化するのはなかなか難しいのではないかということでございます。

 また、先ほど申し上げたように、限定の種類に応じて転換の要件を変えたりするということも考えられますし、また相互転換ということで、両方の方向からの転換ということもございます。ということで、もともと多様な上に、いろいろな方向性もありますので、そういったことも考慮して、その転換要件というものが果たして定めることができるのかどうかということでございます。

 また、先ほど実態のところでも書いてございましたけれども、転換制度があっても責任が重くなるから転換を希望しない労働者がいるということで、転換を希望する労働者は必ずしも多くない場合もございます。そういった転換についての運用が定着していない状況下で、転換制度のルールというのを法定化して義務づけるよりも、むしろ何らかの推進策をやっていくことが考えられるのではないかということを書いてございます。

 次に(2)でございますけれども、現行の労働契約法第3条第3項には、仕事と生活の調和に配慮するという規定がございます。多様な正社員といわゆる正社員との間の転換も、必ずしもワーク・ライフ・バランスに限られる話ではないのかもしれませんけれども、重なる部分も多いかと思われます。ということで、現在の労働契約法第3条第3項の規定に、この多様な正社員といわゆる正社員との間の転換制度というのも趣旨としては含まれ得ることにつきまして、雇用管理上の留意事項等に示しまして労働契約法の解釈として明確化することも考えられるのではないかということでございます。

 以上が転換制度でございます。

 次に、8ページから均衡処遇でございます。こちらにつきましても、まずはこれまでの御議論を踏まえた整理ということでございまして、多様な正社員といわゆる正社員の間に不公平感を与えず、また、モチベーションを維持するために均衡処遇を図ることが望ましいという前提に立って、以下のように整理してはどうかということでございます。

 2つ目の○で、これまでの議論であった話といたしまして、賃金についてでございますけれども、勤務時間限定正社員のうち所定労働時間がいわゆる正社員よりも短い人の場合につきましては、時間比例で賃金を設定することが考えられるのではないか。また、残業が免除されている場合につきましては、勤務地限定正社員と同様に、これはいわゆる正社員の方にということになりますけれども、残業があることのリスクに対するプレミアムを付与することが考えられるのではないかということでございます。

 それから、職務限定正社員につきましては、より狭い範囲の職務限定とするのであれば、賃金というのは職務給に近いものとなりますけれども、その場合については、職能的要素の大きいいわゆる正社員との比較というのはなかなか難しいのではないか。

 それから、勤務地限定正社員につきましては、賃金テーブルを同じにした上で、いわゆる正社員について、転勤の可能性があるということで手当を払うことが考えられるのではないか。

 次のところでございますけれども、多様な正社員の形態は多様でありますので、差別的取扱いや不合理な取扱いの禁止における明確な禁止事由とすることは、なかなか難しいと考えられるのではないか。それから、昇進の上限やスピードの差異につきましても、それは企業の人事政策に当たりますので、何をもって不合理とするか、なかなか判断が難しいのではないかといった御議論があったかと思います。

 それで、論点でございますけれども、1つ目は上記の確認になりますが、いわゆる正社員と多様な正社員の間の不公平感を与えずに、また、モチベーションを維持するために処遇の均衡を図ることが望ましいという整理でよいかというのが1つ目でございます。

 2つ目は、これまでの調査などをもとに、賃金水準はいわゆる正社員の9割から8割ぐらいというのが多かったわけですけれども、これを義務づけるわけにはいかないのですが、一つの参考となるのではないかということが2つ目でございます。

 3つ目は、これも繰り返しになってしまいますけれども、勤務地や職務等の内容によって、多様な内容になりますので、均衡の判断は異なると考えるべきではないかということで、特にいわゆる正社員が一時的に勤務時間限定正社員や勤務地限定正社員に転換する場合と、それから、当初から限定のある多様な正社員として雇用される場合、それから先ほどもありましたけれども、有期契約の人が無期転換した場合、さまざまなパターンがございますので、均衡の判断もそれぞれ異なってくるのではないかということでございます。

 それから、限定の種類や限定の内容によって判断が異なってくるということでございますけれども、労働者にとってはどういったものが均衡かというのがなかなかわかりにくいので、企業は均衡を図る上でどのような点を重視するのかということを、能力評価制度や格付け制度を通じて従業員にメッセージを示していくことが望ましいのではないかということでございます。

 次の○は、これまでもあった話と同じような話でございますけれども、個別労使間の話だけではなくて、均衡処遇について、企業がどういうところを重視しているかといったことにつきまして、外部に公開することによって市場メカニズムが働き、魅力的な企業として優秀な人材の確保に資するのではないかということでございます。

 次に、2として、促進策でございます。これも先ほどと構造は同じでございます。

 (1)は、規制改革会議の意見書でも言われていたことでございますけれども、労働契約法に同法20条、有期と無期の間の不合理な労働条件の禁止に関する規定でございますけれども、これと同様な規定を設けるということが考えられるのではないかということでございます。

 論点といたしましては、今、申し上げた労働契約法20条というのもございますし、類似のものとしてパート法の規定などもございます。それで、有期の人が無期転換になりますと契約法20条の適用がなくなりますし、また短時間でなければパート法の適用もございませんので、その他のいわゆる正社員について、こういった規定を設けることによって、均衡処遇の根拠というか、規定ができるのではないか。

 次のページでございますけれども、その一方で、先ほどから繰り返しになってしまいますけれども、多様な正社員の形態というのは非常に多様でございますので、明確な禁止事由とすることはなかなか難しいのではないか。また、昇進の上限やスピードの差異は企業の人事政策に当たりますので、これについても何をもって不合理かというのがなかなか難しいのではないかということでございます。

 そのため、次の(2)でございますけれども、労働契約法3条第2項に、均衡を考慮して労働契約を締結し、又は変更すべきという規定がございますけれども、この中にいわゆる正社員と多様な正社員の間の処遇の均衡というのも含まれ得るということで、そうしたことについて、雇用管理上の留意事項等で明らかにして、それを周知していくということが考えられるのではないかということでございます。

 また、一番下でございますけれども、これも懇談会で御議論がありましたけれども、余りにも処遇の格差が著しい場合については、民法90条の公序良俗違反に該当しうる場合もあるのではないかということがございますので、例えばそういったことも雇用管理上の留意事項に示していくことも考えられるのではないかということでございます。

 以上が転換と均衡処遇についての論点ペーパーでございます。

 次に、飛びますが、31ページでございます。これは、前回御議論いただきました雇用保障と労働条件明示のペーパーでございます。前回、論点としていたものを本文といいますか、これまでの議論を踏まえた整理案の方の文章に溶け込ませまして、さらに前回御意見がありました点を幾つか加えてございます。

 まず、31ページの3つ目の○でございますけれども、多様な正社員関係の解雇の裁判例が非常に少ない中で、余り確定的に書いてはどうかということもございましたので、「裁判例が限られており確定的なことは言えないものの」という文言を加えてございます。

 以下、こういう「傾向が見られる」という形で、余り断定的ではないような書きぶりに修正してございます。

 次のページで下から3つ目の○でございますが、前回のペーパーでは、解雇回避努力には影響があり、また手続には影響がない。それ以外の人員削減の必要性や被解雇者選定の妥当性につきましても余り影響がないという書きぶりをしてございましたけれども、前回の御議論で、そうはいっても、JILPTの判例分析でも人員削減の必要性を裏付ける要素としている事例、あるいは人選の「合理性」を満たす上での考慮要素としている事例もあったということで、その影響がないとは言い切れないのではないかという御意見がございましたので、その点を修正してございます。

 それから、32ページと33ページに「(「雇用管理上の留意点」○○参照)」と書いてございますが、後で報告書のスケルトンといいますか、構造を御議論いただきますけれども、報告書でこのような形で本文を書いた上で、後ろのほうで留意すべき事項だけを抜き取った雇用管理上の留意点を別紙でつけまして、そこで一覧できるような形にしてはどうかということで、こういった記載を入れてございます。

 それから、少し飛びまして、35ページから36ページにかけてでございます。限定の明示の促進策のところで、前回、(1)で労働基準法、(2)で労働契約法、(3)で次世代育成支援法その他の手法ということで、3つ並列的に書いてございましたけれども、3つ目の(3)については、個別労使間の明示の話だけではなくて、外部への公開という側面もあるから、別に書いたほうがいいのではないかという御議論がございました。

 ということで、35ページの4の最初の○のところは、(1)、(2)と、それ以外ということで書き分けてございます。その上で、36ページの(2)でございますけれども、前回、労働契約法では、労働基準法と違って強制力はない規定だということで、他方でもうちょっと運用が普及してから法定化を検討してはどうかという書きぶりになっておりましたけれども、特に問題が今ないのであれば、状況を待ってというのもおかしいのではないかという御議論があったかと思います。そうではなくて、今の労働契約法4条の規定の中でも、そういったことが読み込めるのだということを言ったほうがいいという御議論があったかと思いますので、それを踏まえて修正してございます。

 以上が雇用終了と労働条件明示でございます。

 最後、39ページから40ページにかけてごらんいただきたいと思います。前回、雇用終了の論点ペーパーを御議論いただいた際にも、そもそも多様な正社員を普及させていく趣旨などが書いていないのではないかといった御意見もございました。その際に、この部分は雇用終了の部分であって、ほかの部分でそういった趣旨といったものも最終的には書いていくということを申し上げたかと思います。

 それで、全体像がそもそもどうなるかというのがわからないと、なかなかそういったことも議論しづらいだろうということで、骨子(案)をつくってみました。本当に項目だけ並べておるものでございます。

 まず、総論といたしまして、そもそも多様な正社員の普及を図る背景。それから、実際の活用状況について簡単にまとめる。

 その上で、大きな2(ローマ数字)として、各項目について使用者が留意すべき事項についてまとめてはどうかということでございます。ここで、並べ方はいろいろあるかと思いますけれども、一つのやり方としては、契約の締結から雇用終了という入口から出口という時系列的な並べ方も考えられるのですが、これまでの懇談会の議論では、配置転換ができるか、あるいは雇用慣行として、これまでそういうふうにやってきたかどうかということで、明示とか終了の判断、それから転換制度といったものがそれぞれ関連し合うということで御議論があったかと思います。

 そういった意味で、ここでは2(ローマ数字)の2から、限定の明確化、雇用終了、転換制度。それから、転換制度に関連するものとして処遇、均衡処遇。そして、この懇談会では余り議論してこなかった人材育成と能力評価、それから労使コミュニケーションを後ろのほうに並べてございます。

 それで、別紙として次のページにございますけれども、先ほど雇用終了のところのペーパーにございましたが、雇用管理上の留意事項だけを抜き取って、こちらについては時系列的に並べて、わかりやすくまとめたらどうかということでございます。

 最後、42ページに多様な正社員のモデルということで、これまでこの懇談会でも企業ヒアリング等で、就業規則や契約書等でどういった定めがされているかというのを、そんなに数はございませんけれども、幾つか例を見てきましたので、そういったものをここで示してはどうかということでございます。

 長くなりましたけれども、以上でございます。

○今野座長 ありがとうございました。

 それでは、きょうは、転換制度と均衡処遇と、一番最後にあった報告書の骨子(案)について、主に議論していただければと思います。それでは、まず転換制度について、いかがでしょうか。どうぞ。

○佐藤委員 もしかしたら、まとめ方にもかかわるのですけれども、雇用管理上の留意事項の点です。どうも多様な正社員を導入した後の雇用管理上の留意事項をイメージされているのかなと思っていて、実は大事なのは、導入する前に雇用管理上の見直しをやることだなと思って。例えば、勤務地限定制度も今の正社員のワーク・ライフ・バランス実現のために転勤できない事情がある人が出てきたり、そこで勤務地限定という議論が出てくるのだけれども、もともと居住地変更を伴う異動。現状の転勤を前提にして制度設計するのか、もうちょっと転勤を減らせるとか異動を減らせるとか、異動の頻度とかスパンとか、そういうものを見直した上でやることが大事かなと思っていて。

 ですから、広い意味でまず異動があって、その異動の中で居住地変更を必要とする転勤が出てくるわけですね。そういう意味で、現状の異動というのはなぜ起きているか。例えば能力開発もあれば、人材育成、あとは組織活性化とか事業の都合上。そういう異動がなぜ、どういう時期に起きていて、その中で居住地変更が伴うものがどのぐらいある。例えば、今、役所も非常に短い。3年だったのを5年にできると回数が減る。あるいは、本当に居住地変更が必要な異動なのか。つまり、通勤圏内で異動できるかどうか。こういう見直しをやった上で勤務地限定みたいなものを入れていく。

 そうすると、転勤のあるような正社員をもっと減らせるかもしれないということも出てきたり、もしかしたら導入しなくてもいいじゃないということになるかもしれない。ですから、雇用管理上の留意事項というのは、導入した後だけに限定するのはどうか。勤務時間限定もそうですけれども、今のフルタイムの残業とか労働時間をどう見直せるかみたいなものをやった後で、短時間勤務とか残業免除がどの程度必要かという議論をすることが大事だと思っている。

 そうしないと、フルタイムの人がかなり残業が多いような状況での短時間勤務にしてしまうと、短時間勤務の人に切り出せる仕事内容というのが限定されることにもなりかねないのです。ですから、今の普通の労働時間であれば、フルタイムの人の働き方を見直すということをやるというのもぜひ入れてほしいなと思いました。そういうことがあって、ほかのものを導入する多様な正社員のあり方とか、雇用管理上の留意点で出てくる課題もかなり減ってくる可能性があるかなと思います。

 例えば4ページの短時間との行き来も、短時間はなかなかフルタイムに戻れないわけです。ところが、そこはそんな過度な残業がないようになれば、今の育介法の短時間勤務もそんなに長くとらなくてもフルタイムに戻りやすいとか。期間が短くなればキャリアの影響も少なくなるわけです。もちろんキャリアの影響はないほうがいいのですけれども、例えば入社5年ぐらいまでの、つまり仕事を経験することが能力開発に必要な時期は確かにあるわけで、その時期に短時間勤務になると、8時間が6時間になれば経験できる仕事量は8分の6ですから、当然能力開発機会が減るのは間違いないですね。なので、それを全く同じにしろということにはならないと思う。

 だから、そこもフルタイムのほうの働き方が相当変わってくると、短時間勤務の必要性とか、長くとる期間が減ってくる。ですから、お話したかったことは、雇用管理の留意事項を、導入後の留意事項じゃなくて、実は導入前にやることがあるのではないかというのをぜひ御検討いただければというのが1つです。

○今野座長 今の佐藤さんの話は、私が整理した一番最後の骨子(案)の書き方の話で、私としてはまず転換制度について議論していただきたいのですが、今の佐藤さんの件については、極端なことを言うと、それを言い出すと大混乱に陥る。例えば賃金だって、今の賃金でいいのかということを始めなきゃいけなくなってしまうので、書き方としては、ある程度既存の状況を前提にして留意点を書いて、その後に既存のところがちょっと変わったら、もっとよくなるよなというのがあったら、最後にどう追加するかは別にして、そうやって加えるという書き方しかできないのではないか。佐藤さんが言う既存の制度を最初から真っ正面から、これでいいのかとやってしまうと、かなり難しくなってしまうので。

○佐藤委員 少し言わせていただくと、いわゆる正社員のワーク・ライフ・バランス実現のために、多様な正社員は必要だという議論を書いてくるときに、今のいわゆる正社員の働き方を見直すことも重要ですよということを書いておいてもらう。

○今野座長 今、佐藤さんが言われたのは私の提案と一緒で、現状を前提にするとこういう留意点があるけれども、現状がもうちょっと変わったら、もっと多様な正社員がよくなりますねという形で加えていくという書き方しかないですね。

○佐藤委員 つまり、いわゆる正社員の働き方をそのままにしておいて、そこに入れない人が乗れるところだけをつくるみたいになってしまうのは最悪なので、それは避けたい。そこだけ議論するとワーク・ライフ・バランスの議論になってしまうので、それは正面切って議論することをお願いしているわけではないのですけれども、注意を喚起しただけ。

○今野座長 では、私が言ったようなやり方でよろしいですね。

○佐藤委員 はい。

○今野座長 では、戻っていいですか。転換制度でどうですか。どうぞ。

○水町委員 必要性のところと論点とか促進策、両方にわたっていろいろあるのですけれども、もうまとめてでいいですか。

○今野座長 いいですね。

○水町委員 今、佐藤先生がおっしゃったところに近いところもあるかもしれませんが、既存の制度を前提にしていて、だと難しいとかというところが結構あったので、気になったところも含めてちょっとだけ申し上げます。

 まず、2ページの終わりから3ページのところですが、転換制度のところで、処遇の均衡度が高いほど利用者が多くて、希望がかなえられやすくなる傾向があるというのが、私が見た限りではあったので、それを1つ入れていただきたいなというところが1つ。

 そして、4ページに移りまして。

○今野座長 今のは、そういうデータがあったの。私が見聞きしている範囲内では。

○水町委員 10070のところではほとんど希望者がいないけれども、10091だったら結構希望して、1割ぐらい手を挙げているとか、そういうのは比較的顕著に見られたような気が私はしたので、それが合っているかどうかわかりませんが、もしそれが入れられる。

○今野座長 それはもう一度確認してもらって。

○水町委員 はい。

 それと、4ページでちょっと違和感があったのは、佐藤先生の認識と少し近いのかもしれません。真ん中の○の最後の段あたり、「また」から始まる段落とか「このため」という段落ですが、「また、勤務時間限定正社員のように……一般的には想定されない」。これは要らないのではないか。今の制度では想定されないかもしれないけれども、それが本当に望ましいのか、職務限定も職務限定なしも、もう少し中立的に考えながら、可能な範囲内でというので、「余儀なくされると考えられる」というよりも、「余儀なくされる場合がある」というふうな留保をつけていただいて。

 その次の「このため」から始まる段落の2行目、「影響は大きくなる」の次に「場合もある」を入れていただいたり、「転換の要件や回数制限についてより厳格に定める必要があることも考えられる」とか。「厳格に定める必要性の検討も強く求められる」と書いてあるのですけれども、今の制度だったらそうかもしれないけれども、場合によって、そういうところも残るかもしれないし、新しいステージに入っていけばもう少し中立化して運用できるところがあるかもしれない。もうちょっとまろやかに書いていただきたい。

 同じようなところですが、5ページの論点、下から3つ目の○だと、「要件や回数制限、キャリアへの影響等を設定することが望ましいのではないか」。これは大所高所から望ましいということよりも、むしろ企業が実態やニーズに合わせて決めることが望ましいというので、そういうふうに細かくするところもあるだろうし、もっとシンプルにする企業もあってしかるべきですし。

 下から2番目のところも、「いわゆる正社員へ転換することはそもそも想定されておらず」というのも、今の制度だったら想定されていないところが多いのかもしれませんが、そもそも想定されていないことが多く、なので、企業が実態やニーズに合わせて柔軟に設定するとか、決めることが考えられるのではないか。労働者のニーズから難しいというのは、今のニーズ、今の制度でとなるかもしれません。余り決めつけないほうがいいのかな。

 この辺までが実態にかかわるところで、6ページ、7ページの促進策のところですが、結論を大きく変えていただきたいということは思っていないのですが、説明の(1)の論点で、労働契約法18条が参考として挙げられていますが、18条とここの転換というのは制度が違って、18条は有期を5年も使っているのに、それでも有期だという契約を使い続けるというのは実態に合わないからというところなのですが、この転換制度は、今ある形態から違う形態に希望する人がどこまで転換がかなえられるかというところの調整の問題で、むしろここで参考になるのは、育児介護休業法上の短時間勤務制度が現行法であるけれども、それと同じような制度がつくれるかというのが(1)の論点で検討すべきことかなと思います。

 ただ、それと同じような制度が今回できるかというところで、これは私の提案で、皆さん、はい、そうですねというよりかは、いろいろ御議論いただきたいのですが、育児介護休業法については、時期的な範囲とか転換の要件が比較的明確に設定できるのに対して、今、議論されているような多様な正社員の転換に当たっては考慮すべき事項も多い。どういう場合に転換を認めるか、どういう要件で、どういう時期で、どういうふうに行ったり来たりさせるかというので考慮すべき事項も多いですし、現在の形では、まだ定型的な形で制度が運用されたり、定着するには至っていない。

 というので、最後の7ページの上から3行目、4行目あたりの「転換制度のルールを法定化して義務付けるよりも、転換制度の導入や活用を推進することが必要ではないか」というところで、そこから前のところを今みたいにちょっと組み直していただくほうが、より法律的にはぴんとくるかなと思います。

 それと、(2)ですが、前回議論して、今回の31ページ以降にも若干かかわるところですが、労働契約法の解釈として明確化するというところと、雇用管理上の留意点の中に入れるというのを少し分けて御対応いただくことが、私はありがたいかなと思います。労働契約法上の解釈というのは、例えば労契法4条に含まれるのか、労契法3条3項に含まれるか、3条2項に含まれるかという問題で、労契法については解釈通達が出ていますので、その解釈通達の中で、これは含まれますよ、多様な正社員に関する議論をした労契法上の位置づけというのを通達等できちんと示して、それはそれでいいと思います。

 雇用管理上の留意点というのは、労契法の解釈だけではなくて、もっと一般にいろいろなことを具体的に説明するものなので、雇用管理上の留意点等に契約法の解釈ではなくて、契約法の解釈は契約法の解釈で、1つ、労働契約法を改正することも考えられるかもしれませんが、諸般の事情から今すぐ労働契約法の解釈が難しいというのであれば、もっと労働契約法に則した形で通達の中に明記することを行った上で、雇用管理上の留意点は留意点で、よりいろいろなことを含めて書いてもらうものとすると、ここで「雇用管理上の留意点等に労働契約法の解釈として明確化する選択肢」という書き方ではなくて、きょうの36ページの(2)の2番目の*の2行目。

 1行目から言うと、労働契約法4条の規定でも、○○に含まれ得ることから、その旨を解釈として示すとともにというところで、これは労契法4条の中に含まれますよということを解釈として示すとともに、雇用管理上の留意点等に定めという、この2つ、それぞれ別にきちんとやりますよということで、こっちの文章でいいと思います。こっちの文章で言わんとしていることは、今、言っているようなことを4条についても、3条3項についても、3条2項についてもきちんと示して明確な形で、法律的にも、雇用管理上の留意点としても、それぞれの人がわかるような形で明確に示してほしいというのが私の希望です。

 そういうところで、今の7ページに戻ると、(2)の表現とか*の中の表現も少し変えていただければなと思います。転換については以上です。

○今野座長 今の点に関連して、職務限定のところですけれども、これで書いているのは、高度な専門職を想定した職務限定。多分、水町さんは、広いいろいろな職務限定を考えている。ほかの勤務地限定とか短時間は、これは非常に定義が明確なのでいいのだけれども、職務限定は全体的にどういう状況を想定したらいいのかというのが、多分余り統一できていないのではないかと思います。だから、どうしてもあいまいになってくる。このように高度専門職しか考えませんとやってしまえば、非常にすっきりするのですけれどもね。

○佐藤委員 今やっている仕事を5年後も10年後もやるみたいな限定と、仕事を変わっていくというある程度広い、今後経験する仕事の範囲の限定まで、極端にあるわけね。両方入っているのですね。だから、それによっていろいろな議論をしたら違ってくるので、このジョブで雇いましたというジョブ限定、業務限定と、経理職といって、その中でいろいろな仕事をやらせるというのもある得るわけですね。今の研究職など、そうですね。

○今野座長 これが想定しているのは、医師とかが典型的。そういう人たちを想定して書いているのです。だから、書き方をどうしようかなと思っているのです。

○水町委員 雇用管理上の問題だけだったらいいのですけれども、政策としてどうして、法律との関係を見るというときに、これは医者だけを想定していますよというわけではなくて、タクシー運転手さんとか、いろいろな形の職務限定の人も入ってくるので、それを少し幅広に、政策的に文章を書く場合には、外すなら明確に外しますと書かないといけない。そういう意味では、企業の実態とか運用に合わせて、いろいろなものがあるけれども、こういう傾向にあるとか、少し幅広に射程を見て考えなきゃいけない。

 ただ、専門性の高い職務であっても、専門性が陳腐化してしまって専門性がなくなることも時間の経過の中であり得るので、余り決め打ちして何か書くよりかは、少し幅を持たせたような書き方をして、そこでの政策的な方向性とか法律上の位置づけを考えなきゃいけないのではないかと思います。

○神林委員 話を混乱させてしまうかもしれないのですけれども、今のお話を聞いていて、今、議論しなきゃいけないことは、職務を限定するという意味では、医者だろうが何だろうが、別にニュートラルなわけですね。現在、専門職であるかどうか。そのことを議論しなきゃいけないはずなので、具体的な何か職種を想定して、こういう文書は書くべきじゃないと思います。理屈として職務を限定するときに、何が障害になっていて、それをどういうふうにクリアするべきなのかというのが、ここで書かれるべき問題だと思います。なので、広いとか狭いという話というのは、とりあえずロジカルには二次的な話であって。

○佐藤委員 若干違うのだけれども、限定の仕方のパターンが幾つかあるから、議論が違えばそれは言っておかなければまずいかな。

○神林委員 そういう趣旨であれば、議論を2段階に分けるべきで、一般論を書いて、その後で典型的な事例みたいなものを書くべきじゃないですか。

○佐藤委員 一般論が存在するのか。タクシーをやっていて、観光バスも路線バスもやっている。運転手と限定したときに、タクシーの運転手と限定する限定の仕方と運転手という限定がある。これは明らかに違う。だから、こういうものがあるよということを言っておく必要があると思う。

○神林委員 私が言っているのは、運転手という職種がまずあって、それで採用されていたと。タクシーの運転手かハイヤーの運転手か、それともバスの運転手かというのはわかっていなかった。それをバスの運転手に限定しますという限定の仕方はありますね。そうではなくて、何も職種を限定されていなくて採用されました。その人たちを運転手に限定しますという限定の仕方というのは、限定をするという意味では同じだということです。

○佐藤委員 そういう議論をしろということね。

○今野座長 それでいいのだけれども、限定したときに、ここは転換制度の議論だけれども、転換しやすい限定の仕方と転換しにくい限定の仕方があるね。転換の問題だと。そうすると、それは一般論で書いておく以外にない。一番最初に一般論で、場合分けしない前。そうすると、限定の仕方によって転換の難易度が違いますとなるか。

○水町委員 裁判例の中でも同じような議論があって、およそ一律には議論できないという中で、何も留保をつけないで、特定の医師とか高度の専門職の人ばかり想定して職務限定のことを議論すべきではないし、もしそこで分けられるのであれば分けて書くべきだし、分けられないのであれば、一般的なことで企業の実態とニーズに合わせてやるしかないですね。ただ、一般的な傾向としては、こういうことぐらいまでは言えますねという。

○今野座長 そのとき問題なのは、普通の企業を考えると、ほとんど事例がないから一般的傾向がないので、どうしようかなということですよ。何かある。

○水町委員 いわゆる正社員ではそうですけれども、今までだって、医師もパイロットもフライトアテンダントの人も。

○今野座長 そういうのはいいですよ。

○水町委員 そういう中で行われてきたことについて、これから一般的に広げていく場合にはどうなのかということも含めて考える。全く例がないわけではないので。

○今野座長 もちろんそうなのですけれども。

○神林委員 でも、程度というのはある程度測定できるのではないですか。

○今野座長 それはできる。

○神林委員 だから、運転手からタクシー運転手に限定する程度と、何も限定していませんでしたというのから運転手に限定する程度というのは、どちらの落差が大きいかというと、後者のほうが大きいわけですね。そういう議論の仕方ができるのではないですか。限定するということに関しては、こういう問題点がもちろん入ります。その問題点というのは、程度に依存するわけですね。整理できると思います。

○今野座長 それで理論的にはいいのです。はい。

○黒澤委員 そこで、現状の4ページの書き方だと、職務限定だとキャリアの変更が非常に大きいという形で、例えば1回限定されてしまうともとに戻るのは、一般的には想定されないとか、非常に強い言い方をされていて。

○今野座長 これはバリアの大きい限定しか想定していない。

○黒澤委員 平均的にはそうかもしれないけれども、いろいろなやり方があるので、余りここでこういう形で限定して書くのはよくない。

○今野座長 そうすると、さっき出た、バリアの高さによっていろいろですよという書き方か、こっちとこっちの典型ぐらいを書いておくかのどっちか。どうしようか。書き方の問題だな。

○竹内委員 そこは、今の議論を聞いていて思ったのは、一般論としては書けそうなところは話の中でも出てきたかもしれません。今のペーパーの中にもあったかもしれませんけれども、何が職種の転換においてバリアとなっているかというと、それは運転手からタクシー運転手の例であれ、一般のそうでない人から運転手の例であっても、とにかく当該職務に特別に必要になる能力についての教育訓練投資ということだと思います。その教育訓練投資とかがある程度の投資で済むのか、すごく高い投資を必要とするのかということで、例えばより高度なところに移るときには落差が大きいということだと思います。

 そういう人的資源投資のための必要性がどれぐらいあるかということで、程度がどれぐらいかというのは非常に多様ですので、そこは人的資源投資の必要性の程度等を踏まえて、企業で判断していくことだというぐらいが一般論ではないかなという気がするのです。

○今野座長 それは、一般論ですね。人的投資という難しいことを言わなくても、こっちとこっちの求められている能力の違いの大きさでいいのです。それで一般論で書いておくのかな。そういうふうにスパンを広げていけば、さっきの水町さんのも全部入ってしまう。それで工夫する。

○佐藤委員 今の担当している仕事なのか、キャリアなので、キャリアで限定するかという2つだと思います。さっきで言えば、タクシー運転手で雇用して、それしかやらせないのか、運転手で雇うという。多分、今のタクシー運転手から変わって、ほかの仕事につき得るわけです。そういうふうに経験させようと思っている仕事の範囲、キャリア限定か職務限定か。

○今野座長 それは、また変数を1個ふやしている。

○佐藤委員 業務限定するとき、2種類のどっちかに入るという。大きく分ければ。

○今野座長 だから、今の能力落差と将来の能力落差のことでしょう。また変数がふえてしまう。

○黒澤委員 それがキャリアなのではないですか。

○佐藤委員 そう。

○今野座長 そのときに、将来のキャリアの方向を最初から約束しているということだね。○神林委員 最初から約束しているとして、この転換というのが将来約束したキャリアに影響を及ぼすのかどうかというのが問題になる。どちらかというと、今までの議論では、勤務時間限定というのはそういうキャリアの変更だとみなさないようにしましょうという話が。

○今野座長 それは勤務時間。

○神林委員 ええ、勤務時間の話。職務の限定とか勤務地の限定という話になると、それをキャリアの変更だとみなさないようにしましょうという話になると、どうやってキャリアにコミットしていいかわからなくなってしまうので、どっちかというと、それはキャリアの変更だとみなされるようになるのではないかという議論があったわけですね。でも、そういう労働条件の変更をキャリアの変更とみなすかどうかというのは、各企業が決める話であって、労使が決める話であって、外からとやかく言う話ではないのではないかというのが私の。

○今野座長 先ほどの言葉で言うと、こっちの能力と差が大きいですよとだけ書いておけば、これは現在の能力か将来の能力かわからないから、そうしたら佐藤さんのも入ってしまう。抽象的に書いてはだめ。将来までやるといろいろ考えてしまう。何かいろいろなことが起こるのではないか。

○佐藤委員 さっきの話で単純に言えば、企業が雇うときにいろいろな運転手の仕事を異動させる可能性があると言って雇うか、タクシー運転手で雇うか、明らかに違う。実際、観光バスの運転手をやるかどうかは別ですよ。でも、それに異動させる可能性がありますよと言って雇用するということです。それがかなり広い。

○今野座長 普通に考えると、今、佐藤さんが言われた前者のほうが職務限定だと思いますよ、雇用管理上は。

○佐藤委員 タクシーの運転手というやつ。

○今野座長 違う。最初から想定している。

○佐藤委員 現状の日本の職務限定はそっちです。世の中で考えているのはすごく狭い。広いほう。

○今野座長 いや、これはそういうことも入っているのではないかと思う。

○佐藤委員 それならいいです。

○今野座長 違うの。そういうことも入っている。

○竹内委員 今お話をされているのは、転換の程度という話はいろいろあると思いますけれども、多分、導入しようとしている企業とか、あるいはそれに期待ないしは考える労働者の考え方もさまざまだと思います。転換制度については、こういう要件でということは、制度設計としては法とかで、外から、そういう仕組み自体を考えることは難しいと思います。それは、先ほど神林さんもおっしゃったとおり、労使が置かれている状況に合わせて決めるということだと思うのですね。

 現状というか、そういう職種の転換に対する状況というのはそういうものだとした上で、労使の当事者がいかに適切に状況を踏まえて、それは使用者の側の状況もあると思いますし、労働者側のニーズもあると思いますし、そういう労使双方の置かれた状況をいかに話し合って決めていくかということを促す。これは、現状の整理・理解というよりかは、課題というか、その対応方法ということになろうかと思いますけれども、そういう話し合いを促すということを推進していく方策があればなと思います。

 その中身については本当に多様なので、当事者が納得できる制度をつくる。もちろん、政策全般としては、社会水準的にどういうものが実現されるかということも重要な課題ですけれども、まずは当事者、労使が納得できる制度を構築していくということを促す。そのためには、労使の話し合いを促すということの点も、この転換制度の充実という意味では、推進という意味では重要じゃないかという気がいたします。

○今野座長 そうなると、この書き方はニュートラルに、さっき言ったギャップの大きさなどを考えて、適切な転換制度を労使でつくってくださいという書き方になるね。それしかないね。

○水町委員 余りステレオタイプに、今、こうなっているから、こういうふうにしたほうが望ましいということを書かない。

○黒澤委員 でも、時間と勤務地と職務とのハードル。労働条件の違いだけというのではなくて、キャリアまでもかなり変更しているというのが今までのやり方だったけれども、それについては一言申すということをしないと。

○神林委員 特に時間に関しては、多分。

○今野座長 ちょっと待って。今、職務の話。時間にするの。

○神林委員 時間に関しては、規範的にというか、とにかく勤務時間を限定する契約に転換するかどうかというのは、キャリアとは関係ないのだということをもうちょっと強く言ってもいいのかなと。

○今野座長 もっと強く言ってほしいということね。

○佐藤委員 それはなかなか難しい。

○今野座長 では、職務は終わりね。今度、時間ね。神林さんの言うことはわかるのですけれども、これも実際には時間の短縮の程度による。だから、この程度を書くのはいいかなと思うけれども、もっと強く書いてしまうと、本当に短い人のときにどうするかとか、その問題。これも程度の問題。

○佐藤委員 1つは、変えたときに与える仕事が短時間であるがゆえに、与えられないことに合理性があれば、それはしようがない。そういう書き方はあり得ると思います。だけれども、例えば看護師は夜勤の経験をしなきゃいけないときがある。でも、夜勤をやりませんと言ったら、その経験はできないわけです。だから、私はそれで能力の向上に差がつくのは合理的なわけだから、全く同じと書けるかどうか。短時間であるがゆえに、与える仕事が違うことの合理性が説明できればいいという書き方はあり得る。

○水町委員 私が全体として気になったのは、全体的には、時間はとにかくやってくれと。でも、それ以外の職務はすごく難しくて、勤務地はその真ん中ぐらいだねという評価自体がすごくステレオタイプで、もっとそれぞれの実態に合わせて、時間だって難しいところはあるかもしれない、職務はもっと簡単に乗り越えられるという実態もあるかもしれないので、もう少しちゃんと実態に合わせた形で、竹内さんの言うように労使で話し合って、方向に合わせたほうにきちんと進んでくれと書くほうが、これはこれ、あれはあれというのはちょっと難しい。

○神林委員 でも、時間に関しては、育介法とかである程度社会的にこっちの方向に行きましょうということが決まっているわけですね。最近問題になっているサービス残業とか長時間労働という問題もあるわけなので、ある程度規範的にこちらの方向に進めていくべきだというのは、それは労使に任せずに意見を表明してもいいと思います。

○今野座長 その点については、勤務地も一緒なのです。経験する内容が違ってしまうから職務は違うけれども、労働時間と勤務地については、佐藤さんの言ったようなことを書いておくのがいいのではないか。だから、時間もできるのにとか、勤務地限定でもできるのにやっていないとおかしいという書き方であれば、問題ないと思う。

○佐藤委員 だから、論理的に言えば、勤務地限定も、そこの範囲の仕事しか経験できない。量販店に入って商品部の仕事が本部にしかなければ、店舗限定はあり得ないわけだから、それは違ってきて当たり前。これは合理的。だから、全然店舗なしということはあり得なくて、勤務地限定するということは、その勤務地の中の仕事しか経験できないと限定されてしまうので。

○今野座長 そういうふうに基本原則を書いておくと、相対的に言うと、時間がすごく短い状況を想定しなければ、時間がキャリアに対して無差別だと思います。

○黒澤委員 残業しないという部分での最低限のところは、その路線でばっと書けてしまうと思います。

○佐藤委員 私も賛成。

○神林委員 かつ、転換制度との話だと、そういうキャリアに影響を及ぼさないような労働条件の変更だったら、なるべく簡単に認めましょうという話になるわけですね。

○今野座長 労働条件ね。

○神林委員 労働条件。例えば今のお話の前提でいくと、残業するかしないかというのは、その状況によって変わってくるので、かなりハードルを低くして、あるときは残業しないということにコミットして、あるときにはコミットしないということをできるだけ簡単に選択できるようにしましょうという話ができるのではないかと思います。

○水町委員 現状からするとそういう議論になるかもしれませんが、時間については育介法で、勤務地については均等法上の間接差別で、職務については今、残されているのですけれどもね。

 規制改革会議で多様な正社員と言わずに、なぜジョブ型正社員と言っているかというと、結局ジョブの範囲が明確でないことが全ての問題の原因になるかもしれないので、全部ジョブにしろと言っているわけではなくて、ジョブを明確にするような働き方も一つの働き方と位置づけて、これまで労働時間とか勤務地について議論してきたと同じようなことを、ジョブ型についても合理的な理由があるかどうかとか、人事管理上、今後将来に向けて広げていくことができないかということをちゃんと議論して、政策の方向を示してくださいねというボールの投げかけなので。

 今までは、労働時間と勤務地でやりました。職務は今までやっていないので、職務については難しいですねというのだと、余り答えになっていないところがあるので、3つともきちんと議論しながら前に進んでくださいというメッセージが出ればいいかなと。

○今野座長 企業の人事管理から言うと、今おっしゃられた点は重要だと私も思うのですけれども、そのときに職務を明確化するときに、本当は多分ここで議論しているような職種じゃないのです。その人がことし1年、来年、どういう仕事をするかということを会社と明確に契約するかどうかという意味なのです。でも、それは職種とはちょっと。いいです。やめよう。

○黒澤委員 ジョブ型と言ったときに、実はこの4ページの職務限定の転換というコンテクストで見ると、今までいわゆる正社員だったのを職務限定にするという方向だけで見ているのですけれども、実は規制改革会議のジョブ型は、どちらかというと企業の外で何かするというスキルを身につけた人を外部から調達して、そういう場合はこの職務と限定で採用するのだけれども、その人を採用してから、いわゆる正社員にこの人をしようというケースというのも想定されているのではないか。違いますか。

○水町委員 中途採用で、外で職業訓練を積んできた人もいるだろうし、別に新卒で、職務限定でジョブディスクリプションを明確にして、それを正社員の働き方なのだということで、正社員の働き方はいろいろあるねという意味です。もうちょっと広い意味。

○黒澤委員 もうちょっと広い意味で。ただ、ここの書きぶりももうちょっと外からスキルを調達してきた人たちが、職務限定だったのだけれども、それがいわゆるというところに、幹部候補生になるよという可能性も、もちろんこれからどんどんあり得るし、実はこれはもっと後のほうで言おうと思ったのですけれども、職業能力評価の話では、そういった外部でスキルを見える化することは、実は多様な正社員、つまりいわゆる正社員じゃない人がやる仕事のレベルを高めるという上では、大変重要なことになると思うので、そことのつながりで、ここにもそういった文言、ストーリーも入れていただけると、そこのつながりも見えてきていいのではないかと。

○今野座長 大分議論があったので、私、整理するのは無理。ゆっくり考えて。

○竹内委員 次の論点の均衡処遇の話に、むしろかかわるのかもしれませんが、転換制度にも関係するかなという気がするので申し上げます。均衡処遇とか転換制度について、関連するような法領域で既に実施されているような法政策を見直してみたときに1つ思いつくのは、先ほどの労使の話し合いというところとも関連してきますけれども、パート法13条のような、どうしてそういう処遇にしたのですかということを説明させる、あれは求めがあったから説明しなさいという場合ですけれども、という規制があり得ます。

 転換制度の導入とか活用を図る、それを促すという法政策も重要だと思いますけれども、なぜ当該会社ではこういう処遇とか制度設計になっているのかということについての説明義務を課すような、パート法13条のような選択肢も、これは転換制度であれ、次の処遇制度であれ、両方にわたって考えられてもいいのではないかという気がいたします。

○今野座長 それでは、中途で申しわけないですけれども、もう一つの均衡処遇についても議論していただいて、それでまた戻ります。また水町さんから行きますか。

○水町委員 8ページの2番目の○の3行目の終わり、「勤務時間限定正社員のうち所定外労働が免除される者」についてはというところで、だから、いわゆる正社員にプレミアムを付与することが考えられると書いてありますが、これもちょっとステレオタイプで。逆に外国で言われていることは、時間が短いほうが集中力がアップするので生産性が高い分、そっちにプレミアムを払うこともある。結局、実態に合わせてというので、長いからプレミアムということにはならないから、この3行は削除ですね。

 そして、9ページから10ページの促進策のところの*で。

○今野座長 「その一方で」。

○水町委員 そうです。何かというと、20条みたいなものをつくるのは難しいですよという、その前までは前向きですが、そこの*で難しいという理由をもうちょっと考えるべきなのではないかというのが言いたいところですが。

○今野座長 ごめん、ついていけていない。

○水町委員 10ページの上から2行目の*、「その一方で」というところです。そこで、なぜ20条みたいな条文をつくるのが難しいかというと、多様であって、明確な禁止事由とするのが難しいとか、昇進の上限やスピード差異は、人事政策に当たって何をもって不合理とするのか判断が難しいと書いてあるのですが、これは今の労契法20条でもそのまま当てはまることで、有期と無期の間でも同じような問題があるので、これは余り理由にならないのではないか。だけれども、理由を考えなきゃいけないので、ちょっと考えると、本心かどうかは別にして、多様な正社員の形態は多様であるので、不合理な取り扱いだと禁止されるのですが、その禁止されるような不合理な取り扱いとなるのかが、多様な正社員の運用の定着と議論の蓄積を待つ。

 要は、多様な正社員は非常に多様なので、多様な正社員の中でいかなる処遇の違いが不合理な取り扱いとなるのかというのが実態としてもわからないし、その不合理な取り扱いの議論の中身というのも、まだ必ずしも明らかになっていないので、立法化する前提として、多様な正社員の運用の定着と議論の蓄積を待つことが考えられるのではないかということで、政策的には望ましいけれども、いろいろな実態がそこの中に入っているので、もう少し実態を見ながら、そして議論の蓄積を見ながら考えたらどうかという書きぶりのほうが、今の20条との関係ではより整合性があるかなと。

 そして、(2)は、先ほど言ったのと同じで、労働契約法の解釈として明確にすることと、雇用管理上の留意点の中に示すことを分けて、(2)の文章や論点の1番目の*の文章もちょっと修文していただきたい。

 そして、一番下の*で、「民法90条の公序良俗違反に該当しうる旨を雇用管理上の留意事項に定める」と書いてありますが、これも雇用管理上の留意点というよりも法的な解釈の問題なので、労働契約法3条2項の解釈とあわせて示すという、今の労契法の解釈の中でも公序良俗違反の可能性みたいなことが全く書いていないわけではないので、そういう形で、法的なものについては法的なもので指針や通達で明確に示して、管理上の留意点については、その中でわかりやすく示すということのほうが、より周知・徹底のためにいいかなと。

 以上です。

○今野座長 今のことに関連して1つだけ教えてほしいのですけれども、通達で出す。我々が勝手に法律の解釈をしてしまっていいのか。その辺はどうなの。

○水町委員 労働契約法に関する解釈通達というのが既に出ていまして、それは厚生労働省の立場としては、裁判所に影響を与えるかどうかは別にして、行政上、個別労働契約に対する紛争解決を行政でやっているので、そのための解釈の指針を全国の人たちに通達していますよという形で通達しているのだという建前になっていると理解していますが、実際上、その通達はいろいろなところで読まれて、かなり大きな影響力があると位置づけられている。それと同じような形で載せてもらえばいいと思います。

○今野座長 そのとき、現在の通達があるわけでしょう。それを変える、追加する。

○水町委員 この前の有期雇用についての新しい18条、19条、20条ができたときは、既存の通達の中に18条、19条の通達をあわせて、さらに解釈通達を延ばしているので、今、問題となっている3条2項、3条3項、4条については、今、多様な正社員の議論の中で当然入っていますよということが確認されたという通達を出して、加除式みたいにここに加えてもらえばいいということです。

○今野座長 いや、私の質問は、そんなに簡単に加除できるのか、それだけの話です。

○水町委員 立法化するのとどっちが簡単かということを、今の時点で速やかにやるにはどっちがいいのかということを考えて。

○今野座長 そのとき、抽象的に言うと立法の趣旨というのがあるだろうから、そことの関係で簡単に加除していいもの。

○大西審議官 行政の法律の中でもさまざまありますから、一般論ですけれども、基本的に厚生労働省で最終的に責任が持てるものについては、厚生労働省が責任を持つのだから、その解釈はうちでやりますというのは比較的やりやすいですけれども、多分、先生はそういう御心配じゃなくて、水町先生がおっしゃった裁判規範になるのではないですけれども、事実上、非常に影響力があるものを簡単に変えられますかと言われると、それは難しいですねという答えにならざるを得ないのかなと思います。

○今野座長 よくわからないから、どう考えればいいのか。この報告書で書くのは簡単だけれどもね。はい。

○村山労働条件政策課長 手順としては、報告書は報告書で、これまでの御議論の積み重ねもあるのでおまとめいただいて、例えば、今、水町先生がおっしゃった、前回の24年に契約法を改正したときの通達を追加した内容は何かというと、国会等で確認された事項を中心として、立法者意思を入れたというのが一番ベースでありますが、今回、報告書を詰めていただいていますけれども、これで、この分野でそこは理解を得ていただかないと、という意味では、労使の皆さんを初めとする関係者の御意見等もあろうかと思いますので、報告書をまずまとめていただいた上で、その関係者にも意見を伺いながらというプロセスは少なくとも必須なのではないかと考えております。それが1点と。

 あと、今、審議官のほうから申し上げましたように、行政のほうでいい報告書が出たので、それを仕切り直して直ちに書きかえるということにも、この通達に関してはなかなかなりにくい面もあるということで、よく考えさせていただきたいと思います。

○今野座長 私が心配しているのは、契約の場合は有期と無期でしょう。従来であれば人事制度が違う。今度は、多様な正社員といわゆる正社員で、極端に言うと同じ人事管理の中に入っている。そのときにケースが違うと、労働契約法のやつをそのまま持ってくると違う問題が起きてしまうのではないかというのが、ちょっと気になっている。それは、ケースは違うね。労働契約法の場合、20条だと、職務の内容や人材活用の仕組みを考慮してとなっているわけ。そうですね。

○水町委員 今回の場合は、20条に類する規定をつくるのは、まだ運用の定着を待つしかないので、3条2項の解釈として入ると考えられるので、当然入りますよ、通達でも確認してくださいということです。

○今野座長 3条2項に入るのだと、処遇の均衡といっても、何をもって均衡と考えるかというのは、いろいろなことが入るわけですけれども、それ以上は一切明示しないということね。はい、理解しました。

○神林委員 途中で出なきゃいけませんので、2点ほどつけ加えたいと思います。1点目は、水町さんがさっきおっしゃったことですけれども、これは私は残していいと思います。どうしてかというと、ここに書いてあるのは生産性をフィックスした、シュートしたときの話を書いているのであって、生産性が勤務地限定の人か、これは。

○今野座長 8ページの話。

○佐藤委員 水町さんが言ったのは、8ページの2つ目の○の後半。所定外労働のプレミアム。

○神林委員 勤務地限定正社員と同様にと書いてある。でも、所定外労働ですね。ここは、所定外労働があるかないかで生産性が違うということを話しているわけではないですね。所定外労働の可能性を保障する手当のプレミアムなので、これは完全にそういう話ではない。なので、これはプレミアムを出すべきです。なので、これは絶対残すべきです。

○水町委員 必ず。

○神林委員 必ず。生産性がギブンだったら、保障は出すべきだと思います。もちろん、長時間労働をすればするほどうれしいという人たちがマジョリティーだったら別ですけれども、一般にはそういう状況ではないので、これは残すべきだと思います。これは、理論的に多分正しいと思います。

○水町委員 経済理論的に正しいかどうかと、法的にこういうふうに人事管理として付与することが考えられると一律に書いてしまうことがいいかどうか。

○神林委員 いいのではないですか。

○黒田委員 いいですか。

○今野座長 はい。

○黒田委員 多分、法律でプレミアムを載せよと書くと、企業の持ち出しがふえるという印象になると思いますけれども、神林さんが今おっしゃったのは、限定的な働き方を望んでいる人がたくさんいる場合、いわゆる正社員との間で賃金の均衡がとれるので、結果的に市場でプレミアムが形成されることになるのではないかということではないでしょうか。

 つまり、今まであるものに、さらにそこにオンせよということではなく、そういった限定的な働き方を望む人たちが多いのであれば、結果的に限定社員に多くの人が労働供給するのでそちらの賃金は下がっていくわけですね。なので、いわゆる正社員の人たちの賃金が相対的に上がることによって、非限定的な働き方をする社員に補償賃金のプレミアムがつくというのがおっしゃっていることではないかと思うのですけれども、違いますか。

○神林委員 それは違うと思います。所定外労働の可能性を保障する手当なので、これは保障賃金の話ですね。サプライとデマンドの話では、全然ないです。

○黒澤委員 そういう可能性があったときに。

○神林委員 あったときに、ミッドプライスの話だけですので。

○水町委員 例えば育児とか、いろいろな理由があって、8時間で時間外労働しませんという働き方の人と、特に理由がないから残業しますよと言っているけれども、残業していない人との間に、この人は残業する可能性があるけれども、この人は育児を理由に所定時間外労働を免除されているときには、基本給を違うようにするということが望ましい。違うようにしなきゃいけないのか、それを違うようにすることが経済的に合理的かもしれないけれども、法的にもそうすべきなのかというレベルの問題なので。

○今野座長 そうじゃなくて、法的に問題があるかですね。法的に問題があるの。

○水町委員 それは、実態に応じて、そういうところがあれば、それに対して合理的な事由だと説明して変えることは、必ずしも違法ではないかもしれないけれども、逆に勤務時間が限定されていることによる社会的なメリットとかもあるので、そこをどう考えるかという点で。書くとすれば、経済的に合理的とか効率的と書いてもいいかもしれないけれども、あえてそんなことをここで書く必要があるのか。

○今野座長 でも、プレミアムを書かないとしたら、勤務地限定もプレミアムなしだね。

○村山労働条件政策課長 記述に至った経緯の御報告でございますけれども、勤務地限定と勤務地に特に制約がない場合の差がどうかという問題意識のもとに、幾つかの企業さんをヒアリングした中で、基本給のテーブルを変えるというルート以外に、職務は同じなのだけれども、まさにプレミアムというか、転勤の分の負担があるので、それを保障することをやることによって納得度を高めているという企業さんがあって、それは一つのリーズナブルなやり方だという。むしろ御議論がそういうことだったという経緯があって、先ほど神林先生からも補償、コンペンセーションというお話がありましたが、その流れで書いてきているという経緯です。

○今野座長 でも、ヒアリングもそうですが、実態として、勤務地限定でプレミアムという制度を入れている会社は多いけれども、残業する、しないではないと思う。

○村山労働条件政策課長 そこから伸ばして書いているので、不適当だということであれば。

○今野座長 不適当かどうかわからないですけれども、両方意見があるのなら消しておけばいいかなと思います。実態としても余りないし。

○佐藤委員 勤務地限定を基本給で差をつけるというやり方もあるけれども、転勤するときにどっとお金を払うというやり方もある。それは、残業したら割り増しをつけるみたいな感じで、勤務地限定のプレミアムのやり方もいろいろあり得ると思います。そういうところも実際はあるので、転勤が発生したときにどっと一時金で払うというやり方もあり得る。それは、事後的に。そうすると、残業の割り増しを高くするのか、そっちで処理するというやり方もあり得るとは思う。そのために事前もあるのか。

○竹内委員 法律の細かい話になってしまうかもしれませんけれども、水町先生がおっしゃっているのは、所定外とかの労働の可能性がということで、ある意味リスクを請け負っている人たちについて、そのリスクに見合う保障を別途ぽんとつけましょうということについて、そうなのだけれども、それを法立法政策的に見た場合にそういうふうな手当をつけることを、合理的な処遇の格差の範囲内だと評価を一方的にしてよいかどうか、それは認めないようにすべきでないかということだと思うのですけれども、そういうことでよろしいですか。

○水町委員 一律に認めるべき、認めないべきではなくて、もうちょっと留保をつけたり、きちんと書かないと、今までやっていないことがこれでやっていいのだと広がると、社会的な効果とか政策的な効果も大きいので、経済学的には考えられるとか、こういう場合にはこういうことでもいいかもしれないと、もうちょっと留保をつけないと難しいし、逆にそういうふうに書くことが社会に対するメッセージとしていいことかどうかというのも、もう少し考えたほうがいいかなと思います。

○竹内委員 今のは前提で、続きがあるのですけれども、余り限定しない形で、そういうふうな方向性を言及するということですけれども、これはすごく法律的な細かい話ですけれども、その場合には合理性を説明できるかできないかということで、ケースによってはプレミアムをつけることでよしとされることもあるし、そうでないこともされる可能性はあり得るということだと思うのです。

 その上で、具体的な促進策の関係のところで20条の話が挙がっていますけれども、本当に法律的に細かい点はこの点ですけれども、20条に言う合理性の話の中で、ある意味「政策的な合理性」というものを合理性の中に踏まえて考えるということなのでしょうか。20条で言う合理性の中身は何かという議論とも関連してきますけれども、当該労使関係における具体的な労働条件の差異とかを見て、合理的、不合理と言うのか、それを取り巻く立法政策とかの方向性とかも含めて、合理性がある、ないということを考慮してしまうのか。そこに影響があるかなと。

 これは水町先生に聞くことで意味があるのかどうかわかりませんけれども、20条の解釈とも絡んで、そういう方向性が出せるかどうかということにかかわってくると思うので、ちょっと細かいとは思いますけれども、20条に関する御研究の第一人者である水町先生に、可能であれば御見解を伺いたいと思います。

○水町委員 第一人者でもないし、答えても余り意味ないと思いますが、20条とかパート法8条の解釈の中では、社会政策的な考慮というのは特に入れずに、個別に比較して判断する。ただ、20条みたいな条文とか8条みたいな条文をつくるかどうかというときには、政策的なことを考えながら条文をつくらなきゃいけないのでというところで、どうするかという問題だと思います。

○竹内委員 ありがとうございます。

○神林委員 済みません、あと1点、これが最後になりますけれども、均衡処遇との関係があると思うのですけれども、例えば勤務地限定に契約したときに定義が前と同じだとどういうことが起こるかというと、労働者は勤務地が限定されていないと思います。

○今野座長 なるほど、給料が一緒だから。

○神林委員 給料が一緒だから。なので、ペイをどのぐらいにするかということは、多分そういうことと非常に密接に関係していて、ペイを大きく変えるということは、さっきの言葉で言うと、もうあなた、キャリアが変わりましたという宣言みたいなことになる。逆にペイを変えないということは、一時的に今、勤務地限定されているかもしれないけれども、将来的にはまた戻りますよということを予想させるようなアイテムになっていると思うのです。その点に関しては、雇用管理上の留意ということなのかもしれないですけれども、単純に法律的な意味での均衡処遇が合理的なのかどうかという議論とは別に、処遇の格差を決めるということは、そういう人事管理上の問題も同時にあるのだということを入れておいていただくといいかなと思います。

 だから、現状では、処遇が同じだとキャリアは変わっていないと思うわけです。なぜかというと、今、自分がどのキャリアにいるかということに関する確たる約束が全然ないから。ただ、もし仮にキャリアに関して、あなたは今、幹部候補のキャリアに乗っていますということが労使で合意できたのだとすると、それとは別に処遇は変えられるかもしれません。けれども、現状ではそうなっていないので、労働条件の限定と処遇の格差というもののコンビネーションというものが、キャリアの意識に対して影響が現時点ではありますということは、留意点として書いておくべきじゃないかと思います。

○今野座長 そういうふうに書くかどうかは別にして、先ほどからの議論の結果としては、内容上は必ず入るのです。例えば勤務地限定にします。そうすると、合理的な理由なくして昇進を低くするのはやめてよと言うことは、逆に言うと、仕事の範囲が狭いのだからキャリアは限られますよ。したがって、いわゆる正社員から勤務地限定に移ってきたときに、そこでキャリアの一つのパターンは変わりますよということは、どこかに既に言う。だから、神林さんが言うことは、結果的にどこかで必ず言うことになる。神林さんが言うような書き方がいいか、さっきからここで議論になっている書き方がいいかは、また別途検討するつもりにしても。

○黒澤委員 でも、8ページの先ほどの水町先生がおっしゃった2ポツ目の時間については、残業しないということはペイには影響する。それはプレミアムがなくなるから。やれという必要が出てきたときにやらないという人と、必要が出てきたときにやるという人で、実態的に労働時間が同じでも、必要が出たときにやるという人のほうが企業にとっても価値があるわけでしょう。

 だから、その分のプレミアムというのは払うかもしれないけれども、それがキャリアには必ずしも影響を与えないのだということは、ここでこの文言として入れていることが大事だと思います。労働時間は必ずしもキャリアには影響を与えないのだよ、特に、残業しなくてもキャリアには影響がないのだよ、けれども、ペイで違いをつけてもいいのだよと明記することによって、こちらの規範的なモードに企業の慣習を動かす。その意味で、この文言は私もぜひ入れておいていただきたいなと思います。

○佐藤委員 経済学者だな。

○神林委員 結構微妙なところは、つまり、キャリアが同じだということにコミットできていればペイは変えていいのですということになるわけですね。でも、法律はそういうふうになっていない。キャリアは同じだったら同じふうに払えと言っているのが法律ですね。

○佐藤委員 そんなことない。

○水町委員 短期的であれ、中長期的であれ、合理的な人事制度だったら、それは合理的と認めますよと。

○今野座長 神林さん、実際の人事管理上で、ここでプレミアムをつけるときに本当にちゃんと考えると、キャリアの人だったら基本給では差はつけないです。手当か何かだけで。そこが手当がなくなったからといってキャリアが大きく変わったと考えない。基本給が変わっていないから大丈夫だと思う。

○佐藤委員 残業するかもしれないというと、高くしておいて、もしそこに選択するなら残業しても割り増しをつけない。でも、そっちの選択ができない法律になっているわけですよ。私は、そういう選択ができるのだったらあり得ると思う。プレミアムをつけておいて、残業しても同じ賃率という形ならいいけれども、それは選択できない。

○今野座長 でも、経済学者の人は。

○佐藤委員 現行ルールはそういうふうになっていないから。両方、二重でやる必要はない。割り増しをつけて、賃金プレミアムをつけるのはおかしいじゃないかという。

○今野座長 いや、残業したくないという人も、やろうと思えば、割り増しはつくのに拒否しているのだから。そういう理屈です。ということで、書き方は相談させて。

 もう一つ重要な情報は、企業としてこれをやっているのはほとんどないという情報も、一応考慮しながら両方の意見を。はい。

○黒田委員 1つだけよろしいですか。時間のところで。私は、残業割り増し率も払った上で、さらにいつ何どき残業を命令されるかわからないという補償プレミアムが結果としてオンされることになるという考え方自体には賛成です。ただ、その手前の時間比例のところで、もう一回整理をしたいのですが、例えば1時間遅出と1時間早退という短時間正社員がいる場合、1日8時間勤務だとして8分の6しか働かないということですね。そうすると、ここで書かれた時間比例の話はそういう人には8分の6の月給を支払うべきということになるわけですけれども、その時短分の2時間の業務を誰かが担わなきゃいけないわけですね。

 そのときに、増員をしなければ、いわゆる正社員で残業もいいですよと言っている既存の社員が2時間分多く働くことになるわけですけれども、その場合には企業は割増残業代として1.25倍払わなきゃいけないので、その0.25の部分は企業の持ち出しになるわけです。そうだとすると、企業はこの時間比例ということを書くことによって、むしろ限定的な働き方を可能とする制度を入れようとしない可能性もあって、そこはちょっと議論の余地があるのではないかと思います。

○今野座長 わかりました。

 はい。

○佐藤委員 雇用管理上ですけれども、9ページから10ページで、労働契約法のほうで有期から何らかの形で限定正社員に出てくる人たちと、いわゆる正社員から限定正社員になる人が同じような状況が出てくる。ただ、今のままでいくと、有期から限定正社員になった人は、例えば時間給のままでボーナスがないとか。ここが均衡処遇のところで課題になるので、人事管理上の課題だと思うけれども、実際上あるのね。いわゆる正社員から店舗限定になった人たちがいて、大手の流通だから月給制で賞与があったりするけれども、有期からなった人は時間給のままで賞与がないという会社がある。それは当然そうだけれども、雇用管理上、そこをそろえるというのは。ここに書いてあることだけれどもね。

○今野座長 先ほどの話だと、労働契約法3条2項に、そういう場合も処遇の均衡をしてくださいねと書くのだからいい。

○佐藤委員 ただ、法律上は、時間給のままで無期にすればいいだけになっている。問題は、正社員から限定になった人が出てくるから。

○今野座長 でも、いいよ。それは、別に正社員じゃなくても既にパート法で問題じゃないの。もし同じ仕事をやっているのだったら。

 ほかに。もういいですか。特定のところで議論しているということは、特定のポイントがみんな気になっているから、そこだけ上手に修正してもらえば。

 では、最後、目次案について何か意見ございますか。水町さん、ある。

○水町委員 解雇のところ、1つだけいいですか。

○今野座長 はい。

○水町委員 細かい文言は後で事務局にお渡しします。

 1つだけ。36ページの上から1番目の*の「他方、限定についての明示の運用が定着しておらず、また明示がなされないことによる弊害や紛争がそれほど生じていない中で」の、弊害や紛争がそれほど生じていないということが理由になるのかどうかが、私、論理的にすっとこないので、そこをとってしまって、「限定についての明示の運用が定着していない中で」にしてください。

 細かいところは後で。

○今野座長 それでは、資料3の39ページについて、いかがですか。どうぞ。

○竹内委員 項目だけなので、中身が出てこないと余り議論しようがないと思いますけれども、確認だけです。総論の1の多様な正社員の普及を図る背景と、「背景」という言葉になっていますけれども、現状の課題を示すにとどまるのか、現状の課題とともに、例えばワーク・ライフ・バランスを推進していかなきゃいけないという、多様な正社員制度がなぜ期待されるのかというところも書き込むのか。書き込んでほしいと思うのですけれども、その辺は背景というか、問題事情だけじゃなくて、なぜ積極的に政策的に必要とされるのかも、そこかどこか別の場所かは別にしても、どこかで書く必要があるかと思います。

○今野座長 それは書くね。

○村山労働条件政策課長 第1回目のときの委員の先生方の一致した合意事項だと思います。多様な正社員が目的なのではなくて、今、竹内先生がおっしゃってくださった、重要な政策目的のためにこれをやっていくということをしっかり書かせていただければ。

○今野座長 個々の論点は、みんな意見は違うけれども、そこだけはみんな一致した。それでいけというものは。

 ほかにございますか。どうぞ。

○黒田委員 全体案を否定するものではないのですが、これから多様な働き方を認める社会をつくっていくという上で、これまで、幾つかコースを設けて各コースの処遇やコース間の転換のことについてかなりの時間を割いて議論してきたわけですけれども、こうしたコース別人事を作ることを唯一かつベストな解として提示するのがいいのかどうかというのは、若干まだ疑問が残っています。例えば、今野先生が最近出られた番組の中でも導入していた企業がありましたけれども、そこの会社は、原則は全員いわゆる正社員なのですけれども、その中で免除制度というものがありました。

 例えば、子どもの宿題を見てあげる時間を子どもが小学校1、2、3年生の3年間だけどうしても設けたいという場合には、東京に残るというオプションを行使してその期間だけは転勤が免除されるという制度などです。ただし、そのオプションというのは、生涯を通して何回かしかとれなくて、そのオプションを1回使ったら次の権利はないから、自分がいつ使うかというタイミングは個々人が考えなければいけないわけです。この他にも、例えば共働きの夫婦が今、多いわけですが、新婚直後にいきなり転勤で離れ離れになるのが嫌だから、結婚してから2年間は勤務地を限定するというオプションを設けるという制度などもあり、こうした多様な働き方を実現する取り組みは、コース別の人事制度以外にもすでに企業が模索しているのではないかと思います。

 そうした取り組みを全部網羅するのは無理かもしれないですけれども、報告書のメッセージとしてコース別人事と転換制度だけをフィーチャーするということが、果たして多様な働き方をもたらすうえでベストなのかというところはちょっと留意したほうがいいのではないかと思います。

○今野座長 今の点、非常に重要なので、総論のところで、一般論で言うと生活のニーズと業務上のニーズを上手にすり合わせながら、生活とのバランスがとれるような働き方のチョイスが柔軟なということですね。それは非常に重要で、その中でいろいろな方法があるけれども、制度化しない方法もあるし、制度化でも、今、言ったような制度化もあるわけですけれども、そういう中で勤務地限定正社員とか、今回やった多様な正社員というのが代表的な。全体の中のこれですと書けばいい。

 そのときに、全体の中のこれですというときに、勤務地限定、職務限定、時間限定に持ってこないと、この報告書は全部崩れてしまうので、そこには持ってこさせていただいて。でも、本当はもっと広い、いろいろな方法があるのですと。

○佐藤委員 でも、あれも限定制度だと、私などは思っていて。

○黒田委員 私もそう思っている。

○佐藤委員 その時間だけは異動から外して管理しているので、それは限定制度だという議論も十分できなくはない。

○黒田委員 そうですね。定義の問題。

○今野座長 それでいいのですけれども、今回、ここで言っている勤務地限定は、時間限定とか、非常にクリアな制度を、大きい制度を持ってきているから、そのほかにもいろいろな。

○黒澤委員 私はそういう制度もここに含まれていると思ってしまった。

○黒田委員 私は、例えば就職活動の段階で学生は勤務地限定コースとか、いろいろ選択するわけですね。そこでキャリアが大分変わってきてしまうわけですが、特に女子学生などがキャリアも追求したいけれども、家庭もあるし、結婚もしたいしということを悩みながら、勤務地限定のほうがいいかなと無意識のうちに、あるいは社会規範として誘導されてしまっているようなところがあるのではないかと感じています。そういう意味では、入口部分できっちりコースを別々につくるか、あるいは原則入口は一緒でその後の免除をオプションとするかという違いはかなり大きいのではないかという気がします。

○竹内委員 全く印象論で、今お伺いした話ですけれども、確かに大きく言うと限定とかの、あるいは多様な正社員の制度の一つとして括れるのかなと思いますけれども、キャッチフレーズ的な言い方にちょっとなるかもしれませんけれども、今かっちりとしたコースとおっしゃいましたけれども、コース的な形であるか、オプションといいますか、キャリアプラン的な形で組み立てるか、そこの2つを多様な正社員のあり方ないし、多様な処遇のあり方の括りのもとで、2つの具体例になっているのかなという感じに聞こえましたけれども、そういう見方はあろうかという気がします。

○今野座長 これは雇用管理上の留意点だから、人事の人たちはこれを完全に社員区分だと思う。でも、今、黒田さんが言ったのは社員区分の問題じゃないのです。もうちょっと軽い制度です。

○佐藤委員 私が言ったのは、転勤を減らすことを含めて、いろいろなやり方があるというのを少し書いて、今回はこれとこれを取り上げるというやり方にすれば。

○今野座長 それでいいと思う。

○佐藤委員 私は大事な点だと思います。転勤時期選択制度とか、いろいろあると思うので、そういうものもありますよと。

○水町委員 規制改革会議で言っているのは、コースでずっとというだけではなくて、いわゆる正社員でも一時的にこっちに来て、また戻る。そういう中で、自分の希望と選択に合ったライフサイクルで自分のキャリアを展開できるというような多様な選択肢を用意しろということなので、今おっしゃったことはまさに一つの典型として入っています。

 その中で、そういうことを促すために、先ほどの議論で言うと、一時的に時間限定になったり、一時的に勤務地限定、例えば1年、2年と決まっているときに限定するときに、経済学的にミクロで考えると、可能性として2%、3%の賃金を減らすことが考えられるかもしれないけれども、そういう働き方で選択できることが望ましいと、社会政策的に国として促しているし、企業としてもそこであえて減らしていないというのは、そういう人たちも含めてやめないで雇用を展開してほしい、キャリアを展開してほしいというので、そこの差額をぎちぎち言わずに維持していますね。経済学的に。

○今野座長 そこは違う。

○水町委員 そうですか。そこをちゃんと書くのなら、そういうところも含めて書かなきゃいけないけれども、逆にそこは余り書かないほうがいいのかなと思ったところです。

○今野座長 いずれにしても、いろいろな方法がありますと書いて、ここに持ってくればいいということですね。

○水町委員 もう一点だけ。この報告書を書くに当たって、多様な正社員という言葉を使っていますが、いわゆる正社員というのはどういうものなのかというのをどこかで定義すると思うのですが、正社員の定義を気をつけていただきたいということと。いわゆる正社員、非正社員という呼び方自体にすごく抵抗がある人もいらっしゃるので、それを注書きで、いわゆる正社員と非正社員という呼び方を、差し当たり、ここではこういう理由で使うけれども、そういうことを固定化したり、ステレオタイプの考え方に乗っているわけではなくて、政策的な方向性はむしろそうじゃない中立的な多様な選択肢ということを重視しているということをどこかで書いておいていただければなと思います。

○黒澤委員 それに加えて言えば、一番最初のページに、「不本意に非正規雇用の状況にとどまっている労働者のキャリアアップ」と書いてあるのですけれども、不本意というよりも、今の正社員の働き方みたいな、あのような拘束度が高い猛烈なものだったらノーサンキューと、不本意じゃなくて本意で非正規を選んでいるわけですから、そのあたりの書きぶりも考えていただければ。

○今野座長 いずれにしても、きょうは柱だけだから、中が入ってからですね。

 それでは、終わりにしましょう。あと、きょうは何かありますか。ないですね。

 では、きょうの懇談会を終了させていただきます。ありがとうございました。


(了)

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