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2014年2月25日 第109回労働政策審議会労働条件分科会 議事録

労働基準局労働条件政策課

○日時

平成26年2月25日(火)10:00〜12:00


○場所

中央合同庁舎第5号館6階 専用第23会議室
(東京都千代田区霞が関1−2−2)


○出席者

【公益代表委員】

岩村委員、田島委員、野崎委員、守島委員

【労働者代表委員】

工藤委員、新谷委員、高松委員、冨田委員、八野委員、春木委員、宮本委員

【使用者代表委員】

池田委員、小林委員、鈴木委員、田中委員、平岡委員、宮地委員

【事務局】

大西審議官、村山労働条件政策課長、古瀬労働条件政策課調査官

○議題

1 報告事項
2 今後の労働時間法制のあり方について
3 その他

○議事

○岩村会長 それでは、定刻でございますので、ただいまから、第109回「労働政策審議会労働条件分科会」を始めることにいたします。

 本日御欠席ということで承っておりますのは、公益代表では権丈英子委員、村中孝史委員、山川隆一委員。それから、使用者代表では秋田進委員ということでございます。

 では、議事に入ります前に、定足数の報告を事務局からいただきたいと思います。

よろしくお願いいたします。

○古瀬調査官 定足数について御報告いたします。労働政策審議会令第9条により、委員全体の3分の2以上の出席または公労使各側委員の3分の1以上の出席が必要とされておりますが、定足数は満たされておりますことを御報告申し上げます。

○岩村会長 ありがとうございました。それでは、議事に入りたいと思います。

 最初の議題としては、お手元の議事次第にありますとおり、報告事項ということになっております。これにつきましては事務局から「専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法案」について報告があるということでございます。では、説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○村山労働条件政策課長 ただいま分科会長からお話のございました報告事項について申し上げます。

 資料No.1をごらんください。本件に関しましては、昨年の臨時国会の終盤、12月7日に国家戦略特別区域法が成立いたしました。同法の附則第2条には、高度専門職で高収入の方について、無期転換ルールの特例と労働契約等が適切に履行されるような確保措置、これについて全国的な規制改革として労働政策審議会の意見を聞いた上で、平成26年通常国会に所要の法案を提出するようにという検討規定が盛り込まれていたところです。

 この検討規定を受け、労働条件分科会において、昨年1217日、この問題にどのように対応するのかについて御審議をいただきました。その際、短期集中的な対応が求められるということ、あわせて、一般ルールの特例を定めるという議論に絞って深めていくことが必要であるといったことから、特別部会を設けて、そちらで短期集中的に御議論をしていただくという運びになったところです。

 この分科会の御議論を受け、1225日に労働条件分科会の有期雇用特別部会を設け、第1回の会合を開催いたしました。

 その際に、特区法の附則で求められている検討事項に加えて労使それぞれから、さらに検討すべき課題が提起されたところです。具体的には、労側からは平成23年の労働政策審議会の建議にある、無期転換発生前の雇い止めへの対応策について議論を深める必要があるという御意見が示されました。

 使用者側からは、特区法の附則に基づく検討とあわせて高齢者についても検討すべきだという御意見が示されたところでございます。

 特に、高齢者の関係につきましては、高年齢者雇用対策との関係があるため職業安定分科会での整理も踏まえ、本年1月14日からは職業安定分科会の特別部会と、先ほど申し上げた労働条件分科会の特別部会の合同会議という形で調査審議が進行したところです。

 以降、計5回の審議を経て取りまとまりました建議が資料1の労働政策審議会の建議という2月14日付の文書でございます。

 実際の報告内容は5ページ目以降です。

 有期労働契約の無期転換ルールの特例等についての報告ということで、初めに経緯についての説明の上で記書きのところから具体的な内容が書かれております。具体的には、6ページの記の1にございますように、無期転換ルールの特例についてとして、特例の枠組みとしては、有期労働契約の濫用的利用により、雇用の安定性が損なわれるおそれの少ない、1一定の期間内に完了する業務に従事する高収入かつ高度な専門的知識、技術または経験を有する有期契約労働者。2定年後引き続いて雇用される有期契約労働者について、その能力十分有効に発揮できるようにするため、それぞれの特性に応じた適切な雇用管理を実施するとともに、無期転換申込権が発生するまでの期間の特例を設け、もって国民経済の健全な発展に資することとし、以上の趣旨を法律案に反映させることが適当であるとの取りまとめがなされ、(2)及び(3)のところで、特例の対象となる労働者、そして、特例の対象となる事業主の具体的要件について書いているところでございます。

 7ページの(4)の特例の具体的な内容として、それぞれの要件を満たす事業主と労働者との間の労働契約については、労働契約法第18条の無期転換申込権発生までの期間について、次のような特例を設けることが適当とされ、1高度専門職の方々については、プロジェクトの完了までの期間は無期転換申込権が発生しないこととするが、その期間が10年を超える場合には、無期転換申込権が発生するものとし、上限は10年ということ。そして、2定年に達した後に同一事業主または特殊関係事業主に引き続いて雇用される高齢者については、当該事業主に継続して雇用されている期間は、通算契約期間に算入しないこととするという内容でございます。

 以上にあわせて、(5)のところで、労働契約が適切に行われるために必要な具体的措置として、8ページ目にかけてですが、労働条件明示事項の追加等の内容が取りまとめられているところです。

 また、8ページの大きな2番のところで、改正労働契約法に基づく無期転換ルールの円滑な施行についてとして、先ほど申し上げた平成23年の建議で、今後労使において十分検討が必要とされていた課題、具体的には、無期転換申込権が発生直前の雇い止めの懸念への対応ということで、厚生労働行政に対してこういった対策を講じるようにというお話をいただいています。

 1で、「雇止め法理」を含めた改正契約法の周知徹底をしっかり図っていくということ。2で、とりわけ無期転換の取組を行っている企業における制度化の取組等についての好事例や、無期転換を進める際の留意点等を取りまとめて1の周知の取組において活用すること。3で、雇止め告示等について遵守の徹底を図ること。4で、非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップ等を促進するためのキャリアアップ助成金等の効果的な活用を積極的に進めること。そのようなお取りまとめをいただきました。

 その上で、この建議を受けて私どものほうで法案要綱を作成いたしました。それが、9ページからでして、法案要綱自体は13ページ以降です。

 先ほどの、建議のうち労働条件明示の関係は、労働基準法施行規則の関係になりますし、また、無期転換ルールの円滑に施行の関係は具体的な予算や行政運用の中でしっかり対応していくということですが、先ほどの建議の中で法律案にした部分が13ページから22ページまでということでして、その概要として23ページには「無期転換ルールの特例の仕組みについて」と題するポンチ絵を参考で付してございます。

 ポンチ絵にございますように、まず、厚生労働大臣がそれぞれの対象労働者における適切な雇用管理に関する事項を基本指針として定め、事業主に簡素で効率的な形で雇用管理関係の計画をつくっていただいた上で、それに沿った対応がとられるということを認定すれば、その認定を受けた事業主のもとでの対象となる労働者の方々との関係では、先ほど申し上げたような特例が発生する。あるいは、またその過程で、これは労働基準法の施行規則の関係になりますが、労働条件明示等をしっかり行っていただくということです。

 また、右下にございますように、個別労働関係紛争が発生した場合の対応についても御議論を重ねていただきました。

 最後に、24ページが御議論をいただきました特別部会委員の名簿ということです。

 2月20日の合同部会におきまして、要綱案について、おおむね妥当という御答申をいただきましたので、私どもとしては、現在通常国会の法案提出に向けて法案の策定作業、条文の策定や政府部内の調整等について精力的に進めているという現状にございます。

 説明は以上でございます。

○岩村会長 ありがとうございました。

ただいま事務局から説明していただきました有期労働契約の無期転換ルールの特例に関しましては、昨年12月の、この分科会におきまして私から特別部会における検討ということを御提案申し上げ、職業安定分科会の特別部会との合同会議という形をとりつつ、この2カ月の間で6回にわたって集中的に御議論をいただいたところでございます。

 この分科会からも、今、話題になった特別部会に御参画をいただいた委員の方々がいらっしゃいますが、今、申し上げたように、非常に過密なスケジュールの中で幅広い論点について真摯に御議論をいただきました。部会長を務めました私からも、この場をかりまして改めて御参画いただいた委員の方々にお礼を申し上げたいと思います。

 それでは、ただいま事務局から説明がありました、有期労働契約の特例に関することにつきまして、御意見あるいは御質問がありましたらお伺いしたいと思いますが、いかがでございましょうか。

 では、新谷委員、どうぞ。

○新谷委員 今、事務局から御説明があり、分科会長からも御説明をいただいた有期労働契約の無期転換ルールの特例に関し、特別部会でも申し上げましたが、改めて有期特例の扱いについて我々労働側の考え方を申し上げたいと思っております。

 もともと有期特例の扱いは、12月7日に成立しました国家戦略特区法の附則の中において、国会からの附託によって労政審で検討せよということから始まった内容でありましたが、御説明にあったとおり12月下旬から短期集中型で6回にわたって論議をさせていただきました。

 労働側としては、無期転換ルールというのは、全ての労働契約に対して適用される労働契約法の民事上の基本ルールでありますので、全ての労働者に等しく適用されるべきであり、特例を講じることについては慎重であるべきということは、この部会の中でも繰り返し主張してきたところです。この考え方については、この部会報告が取りまとめをされた現在においても、変わっていないということを改めて申し上げておきます。

 なお、法律案要綱が確認され、今後国会での審議が進み、その後、成立をすれば詳細な制度設計という段取りになってくるわけですが、その際には2点、御留意いただきたい点があります。

 まず、今回の特例の適用については、民事上のルールに対して、認定行為という行政庁の関与により特例の効果を生じせしめるという仕組みになっておりますのが、この行政庁の関与については、極力最小限としていただきたいという点が1つです。

 次に、事業主が基本指針に基づいて計画を申請することになりますが、この計画申請の際には、過半数労働組合と事業員とのコミュニケーションを十分にとっていただく仕組みを、ぜひ、この申請手続の制度設計の中に組み込んでいただきたいということを要望として申し上げます。

 以上です。

○岩村会長 ありがとうございます。ほかにはいかがでございましょうか。

 では、平岡委員、どうぞ。

○平岡委員 今回の有期特例措置に関しましては、企業の立場からいたしますと、非常に期待が大きいところがございます。やはり、いろいろな雇用の形態ですとか、働き方、そういったものを従業員の立場、それから企業の立場、それぞれからも求められる時代になってきたという認識がございまして、ぜひ有効に活用できるような仕組みにしていただきたいと、そのように強く思ってございます。

 ただいま、新谷委員から行政からの関与については最小限にしていただきたいと、そういう御指摘がございました。思いは同様でございます。できるだけ、労使の自治の中できちんとやっていけるようにしていきたいと思っておりますので、ぜひ、そのような御検討していただくことを求めたいと思います。

 以上でございます。

○岩村会長 ありがとうございます。ほかにはいかがでございましょうか。よろしいでしょうか。ありがとうございます。

 それでは、次の議題に移ります。

 議事次第にありますように、2番目の議題は「今後の労働時間法制の在り方について」ということになります。

 まずは、前回、委員の皆様方から御指摘のありました事項などにつきまして、事務局のほうで資料を用意していただいておりますので、その説明をいただきたいと思います。

 どうぞ、よろしくお願いいたします。

○古瀬調査官 それでは、資料の2に基づきまして御説明をさせていただきます。

 まず、1ページ目、それから2ページ目でございます。

 前回の分科会で、なぜ時間外労働に至っているのかという労働者、企業からの意見を職種別、規模別にとったものがあれば示してほしいという御意見をいただきました。

 データを探しましたところ、企業が回答したデータはございませんでしたけれども、労働者がなぜ残業するのかについて回答したデータがございましたので、御紹介させていただきます。

 まず、1ページ目でございます。

 総じて左から2番目の項目の「仕事量が多いから」という回答比率が高くなっておりますけれども、職種別、業種別、規模別で見ました場合、主な特色といたしまして数字の赤いところをごらんいただければと思います。

職種別では、営業系は所定外でないとできない仕事がある、専門職は仕事量が多い、予定外の仕事が突発的に飛び込んでくる。また、技能系は人手不足や所定外でないとできない仕事があるといった回答比率が相対的に高くなっております。

 業種別では、建設は所定外でないとできない仕事がある、仕事の締切や納期にゆとりがない。製造につきましても仕事の締切や納期にゆとりがない。通信・運輸は業務の繁閑が激しいといったところが高くなっております。

 また、規模別に見てまいりますと、規模が小さいほうが「人手不足」の回答比率が高く、規模が大きいほうが「仕事量が多い」の回答比率が相対的に高くなっております。

 次に、2ページが管理職の方の回答でございます。

 管理職につきましては、右から2つ目の項目「部下・後輩等の指導をしているから」というところが、非管理職と比べまして高くなってございますが、全体の傾向としましては、非管理職と同じでございます。

 続きまして、3ページでございます。

 代替休暇制度の導入が余り進んでいない背景には何があるのか。周知が不十分なのか、要件が複雑なのかという御議論がございましたので関係の資料をおつけしております。

 ごらんいただきますと、回答としまして、管理が煩雑、給与システム上、休暇管理が困難、また、右側のほうにいっていただきますと、下のほうでございますが、有給の消化を優先する、あるいは代替休暇は消化できない可能性が高いなどが挙がっているところでございます。 

 なお、私どものほうから大都市部の労働局にも代替休暇に関して聞いてみましたところ、現場感覚としましても、月60時間超の、月ごとに労働者の意向を確認するといった運用面での煩雑さ。あるいは計算が煩雑となり、賃金計算ソフトのシステム変更が負担なのではないかということ。あるいは周知についてですが、60時間超の場合、50%以上の割増賃金率のインパクトが強くて、代替休暇制度が十分浸透していない可能性があるといったことが挙げられておりました。

 続きまして、4ページでございます。

 諸外国の有給休暇の仕組みについて御質問をいただきました。

 まず、法定付与日数につきましては、ごらんのとおりでございます。付与方法に重点をおいてまとめさせていただいておりますが、まず、イギリスにつきましては、労働者が取得に当たり一定期間前に告知、使用者は一定期間前の告知により特定の日の取得を拒否できる等となってございます。

 そして、フランス、ドイツ、イタリア、カナダにつきましては、各国とも労使合意が優先したり、労働者等の意見聴取手続を要したりするわけでございますが、基本的には使用者により付与時季が決定されるとなってございます。

 なお、下の※にございますとおり、米国では、年休について法令上の規定はなく労働契約によるものとされてございます。

 続きまして、5ページでございます。

 年休をとらない理由としてためらいがあるというデータを、前回お出ししました際に、休暇をとらない理由について、もう少し深掘りをという御意見をいただきました。

 このデータは、とらない理由とは若干違いまして、年休を取り残す理由、少し残しておく理由を聞いたものでございますが、左のグラフをごらんいただきたいと思います。「病気や急な用事のために残しておく必要があるから」が1位になってございまして、続いて、「休むと職場の他の人の迷惑になるから」「仕事量が多すぎて休んでいる余裕がないから」「休みの間仕事を引き継いでくれる人がいないから」といったところが続いてございます。

 また、右側の表でございますが、これは、年休を取り残す理由の各項目につきまして、「そう思う」「どちらかといえばそう思う」―左側のグラフでいきますと、青ですとか赤になっている部分でございますが、こういった回答をした人の割合を年休の取得割合別に見たものでございます。取得率が75%以上ですとか、50%から75%という高い人につきましては病気や急な用事を挙げる割合が高くなっておりまして、取得率の低い人を見てまいりますと、「休むと迷惑になるから」あるいは「仕事量が多すぎて休んでいる余裕がない」を挙げる割合が高いという結果になっております。

 続きまして、6ページから9ページにかけてでございます。

 勤務間インターバルの導入事例について、何か評価をしたものがないかという御意見がございました。

 導入事例自体、数が少ない中でございますので、導入後間もないものも含めての御紹介となりますが、まず、6ページでございます。

 こちらは、組合員数3万人超の製造業の会社に人事部、会員双方からヒアリングをしたものでございます。インターバル制の実施内容としては7時間のインターバルの努力義務を労働協約で定めたものとなっておりまして、評価としまして、導入から1年半たつけれども、まだ意識の浸透が不足しているかもしれないという途上の段階にあると。また、インターバルの休息の導入はメンタル不調者数の抑制や予備軍の予防につながるであろうという御意見です。

 また、浸透の進捗は道半ばであり、ことしの結果も踏まえて、またどこまで進めるかの感触を探ってみたいと考えているということです。

 また、最後のポツですけれども、労働時間が微増で済んだので、意識改革が進んできたのかもしれないということで評価したいというようなお話がございます。

 次の7ページでございます。

 こちらは、従業員4,000人超の運輸業の会社の人事部からのヒアリングの結果でございます。

 こちらはバスの運転手に対しまして、9時間のインターバルを設けている例でございます。評価としましては、勤務間インターバル制の効果はあると思われる。9時間ということで、規制よりも1時間長く休めるので、疲労回復になるのではないかと考えている。

 また、朝の遅刻が減ることいった目に見える効果は、もともと遅刻が少ないので見られないということ。それから、他の職種への適用を広げていくことは考えていない。一律に規制することは効果的ではないと考えるという回答でございました。

 それから、次の8ページでございます。

 こちらは、情報通信企業組合産別労組からのヒアリングの結果でございます。

 実施内容としましては、時間外労働終了時から翌勤務開始時まで最低8時間の休息時間の付与を産別労組の方針としているということでございます。

 評価としましては、導入企業の組合からは、だらだらと残業をしなくなった。また、従来は連続して働いていたけれども、ローテーションを組んで働くようになった。

 また、勤務間インターバル規制が浸透して休息時間が翌日の勤務時間に食い込んでも気兼ねなく出勤できるようになったなどの声が寄せられているということでございました。

 続きまして、9ページでございます。

 こちらは、従業員数1万人超の情報通信業の労働組合からのヒアリング結果でございます。

 こちらは、専門業務型・企画業務型の裁量労働制適用者に対しまして、13.5時間以上働いた場合に、次の勤務開始まで8時間あけることを労働協約で定めた例でございます。

 評価としましては、導入した201210月から2013年1月までに、まだ利用実績はないということで、今後もう少し仕組みを精緻かつ明確にしていきたいという回答がございました。

 委員からの御意見がございました関係の種類は以上でございまして、次、10ページでございますが、事務局から今後、御議論をいただく論点としまして、1点提起をさせていただきたいということで、お出しさせていただいている資料でございます。

 現在、労働条件の明示方法としまして、労働基準法第15条及び労働基準法施行規則第5条第3項によりまして、書面の交付とするとされているところでございます。

 これにつきましては、10ページの点線の枠内にございますように、閣議決定等におきまして、厚生労働省は労働者の保護・利便性に配慮しつつ、労政審労働条件分科会で検討し、結論を得るとされておりますことから、この点を論点の1つに加えていただきたいと考えております。

11ページは現行の規定の抜粋でございます。

 一番下の行にございますように、労働基準法施行規則第5条第3項によりまして、書面の交付とするとされております。

 また、最後12ページでございます。類似の例として2つ載せております。

 まず、短時間労働者につきましては労働条件に関する事項のうち、労働基準法で定める事項以外のもので、省令で定めるものは、ファクシミリや電子メールの送信の方法、ただし、プリントアウトができる場合でございますが、これが可能となってございます。

 また、派遣労働者の就業条件の明示方法につきましても、ファクシミリや電子メールの送信の方法が可能となってございます。

 資料の御説明は以上でございます。

○岩村会長 ありがとうございました。

それでは、ただいま資料No.2について説明いただいたところでございますが、これについて御意見、あるいは御質問がございましたらお願いいたします。

 では、鈴木委員、どうぞ。

○鈴木委員 ありがとうございます。

 資料2の3ページに関して申しあげます。前回、私から代替休暇が普及しない理由は何かということで、問題提起をさせていただきましたところ、事務局より資料を御用意いただき、ありがとうございます。

 代替休暇を設けていない理由について、先ほど事務局から御説明がありましたけれども、処理や管理が煩雑であるという点が比較的多いということであります。

 これは、現行法制の仕組みが月60時間を超える時間外労働で、そのうち25%の部分が半日以上積算され、なおかつ2カ月間という中で代替休暇をとるといった制度上の制約が影響をしているのではないかと考えます。

 例えば、全ての法定の時間外労働を対象にするとか、本人の都度の確認規定を何らかの形で緩和をしたり、あるいは代替休暇がとれる期間を延長することで、経営側が導入をためらう阻害要因を解消することができるのではないかと考えます。

 割増賃金率は、これは釈迦に説法ですけれども、長時間労働に協力いただいた方に対してプレミアムをつけるというものでありますが、金銭という形で保障してもらいたいのか、あるいは休暇という形で保障してもらいたいのかというのは、労働者の考え方が多様化している中で、実は答えが1つではないのではないか、個別企業労使が選択すべき問題ではないかと考えます。労使とも休暇取得の促進を図るということの重要性については認識を共有していると思っております。休暇取得促進の選択肢を広げるという観点から、労使協定の締結という要件を堅持した上で、その他の要件について見直しを図ることが制度の普及促進につながると期待できると考える次第です。

 私からは以上です。

○岩村会長 ありがとうございます。ほかにいかがでございましょう。

 新谷委員、それから、冨田委員でお願いします。

○新谷委員 もともと代替休暇制度というのは、そのベースになる37条のただし書きで、60時間超えの割増率の50%を適応される事業所のみに適用されるということでありますので、108回の分科会の資料でも示された通り、99.7%の企業、66%の労働者がそのベースとなる割増賃金率の適用対象外となっている中の制度であるということが一つあります。

 また、代替休暇をとるためには、実は不可避な課題として、長時間労働を助長しはしないかという懸念があります。60時間を超えて半日をとるためには、16時間さらに働かないと半日の休暇がとれませんので、そうすると、半日とるためには76時間働かないと代替休暇はとれないのです。一日フルに休むとなると、さらに16時間ということになりますので、そんなに働いてしまうと、過労死の認定基準すれすれというか、超えてしまうような状況になっていると思います。ですから、もともと、制度の設計上、代替休暇という考え方に対しては無理があるのではないかと思いますし、また、鈴木委員の御発言については、労使自治に委ねる部分を拡大せよという趣旨と受け取りましたけれども、やはり、命と健康を守る労働基準においては、これは行政の取り締まりとセットで法の履行を確保するという仕組みでありますから、取り締まりとして法で定める部分と労使自治に委ねる部分を厳格に分けないといけないのではないかと考えております。

 以上です。

○岩村会長 ありがとうございます。

では、冨田委員。

○冨田委員 ありがとうございます。

 御提示いただきました資料の1ページ目の労働者が「残業する理由」について、1点御意見を申し上げたいと思います。

 この調査を見ておりますと、残業する理由の多い順で見ると、やはり「仕事量が多い」それから「人手不足」、「予定外の仕事が突発的に飛び込んでくるから」など、この実態調査の結果を見る限り、やはり、労働者が残業する主な理由は、労働者の意思ではなく、命じられる業務のボリュームにかかわるものではないかと思います。

 使用者から命じられる業務のボリュームが多ければ、やはり、労働者はそれだけの時間を使って対応せざるを得なくなり、結果として長時間につながるのが現実ではないかと思います。

 「ダラダラ残業の防止」といった観点から自律的な働き方を促すといったことを名目に、賃金と労働時間を切り離す弾力的な労働時間ということが論点になることもありますが、やはりワーク・ライフ・バランスのとれた働き方をまず可能である労働時間にするためには、長時間労働を是正し、睡眠や休日時間を確保し、実質青天井になっている時間外労働時間の歯止めの論議をすることこそ、必要ではないかということを意見として申し上げたいと思います。

○岩村会長 ありがとうございました。ほかにはいかがでございましょうか。

 では、鈴木委員どうぞ。

○鈴木委員 

 資料の1ページと、2ページの感想ですが、第1に、一番左の人手不足だからという理由が3割、管理職の場合は2割弱です。とかく、人をふやすということが仕事量の減少につながるというふうな因果関係を想起しがちでありますけれども、仕事量が多いという回答が6割あることを考え合わせますと、必ずしも増員すれば仕事量が減るという関係については、これは、必ずしも明確ではないのではないかと感じたところであります。

 第2に、仕事量が多いという回答以外に、人手不足ですとか、あるいは業務繁閑が激しいからといったその他の回答がかなりございます。例えば人手不足がゆえに仕事量が多いというように、仕事量が多いという回答の背景、あるいは真の理由となっている可能性があるのではないかなと思っております。

 したがいまして、仕事量が多いという回答が最多でありますが、原因はさまざまあるという点に目を向けることが、時間外削減に向けた検討をより建設的なものにできるのではないかと感じたところであります。

 例えば、非管理職については上司の指示がオーバースペックで、本人も上司も余り気づいていないというようなことのために、結果として仕事量が多いというふうに回答している可能性も、ここでは読み取れませんけれども、あるのではないかという印象を持ちました。

 それから、第3番目に、2ページ目の管理職の回答において、部下・後輩等を指導しているからという回答が、非管理職に比べて高くなっているという御指摘が事務局からございました。日本の場合、OJTによる能力開発支援を積極的に行っているところであり、何か過度な規制をかけるようなことになれば、中長期的な人材育成にマイナスに働くような可能性も十分に配慮した議論が必要ではないかと考えた次第であります。

 いずれにいたしましても、時間外労働が多い背景や真の原因というものを、さらに深掘りしていく作業が必要ではないかと感じたところです。

 私からは以上です。

○岩村会長 ありがとうございます。そのほかいかがでしょうか。

 では、田中委員どうぞ。

○田中委員 ありがとうございます。

 この資料1と2ページの資料をおまとめいただいてありがとうございました。

 非常におもしろいなと思って拝見したのですけれども、今、各委員いろいろ御発言されていましたけれども、私は、左から4番目の「仕事の性格上、所定外でないとできない仕事があるから」という、この項目を非常に興味深く拝見しました。要は、所定内はどうなのだろうということです。

 所定内も忙しくて、所定外も忙しいのか、あるいは所定外にどうしてもやらなければいけない仕事があるのか、ここはこの数字だけでは見られないのですけれども、業態あるいは職種によってばらつきもあります。この項目が理由となる残業を救済することができるのであれば、時間のフレキシビリティを検討するというのは、一つのアイデアではないのかということを感じました。

 また平均的に3割をほとんどの項目で越えておられるのが、「予定外の仕事が突発的に飛び込んでくるから」というものです。これは、仕事にはつきものですけれども、それぞれの業務での顧客対応、あるいは業務のフロー、仕事の仕方、マネジメント、いろいろなものにかかわってくる項目だと思います。

 仕事というのはどうしてもお客様がおられて、お客様への対応が社内外含めて仕事の軸にあっていくこととなりますので、一社内だけではなく、社会的にこういうものをどう考えていくのかというのを議論すべきかと思います。例えば、欧米ですと休暇の期間はどこのお店もあいてなくて当たり前ですけれども、日本ですと、あいてないとやはり不便を感じるとか。こういったところもテーマとして、きちんと議論をしていくことによって、残業の労働時間の減少というものを図れるのではないかという印象を持ちました。

 以上2点、意見を述べさせていただきました。

○岩村会長 ありがとうございます。

 それでは、池田委員どうぞ。

○池田委員 年次有給休暇についてですが、飼料2の5ページを見ますと、年次有給休暇を取り残す理由の中でも、仕事の量が多すぎるとか、休みの間引き継いでくれる人がいないからというのは3番目と4番目で、それよりも上位の理由として、病気のために有給休暇を残すとか、休むと他の人に迷惑になるとか、働き手の意識に起因する部分が大きいということかと思います。また、前回の分科会の資料でお示しいただいた業種別の年休の取得日数を見ますと、電気、ガス、水道等は取得率が高くなっておりましたが、宿泊、生活関連、娯楽業というのは、非常に取得率が悪いというように、業種によってばらつきがあるわけであります。こうした調査結果を鑑みますと、一律に規制を強化するのではなく、職業別、業種別、あるいは個々の企業の実情を十分踏まえた上で、労使協調のもと休暇の取得を促していくことが重要だと思います。最近では、中小企業は非常に人手不足になってきたようであります。特に運輸関係では人がいないとか、応募しても高齢の方が非常に多いと聞きます。その他にも経営者が早く帰るよう促しても、働いている皆さんが仕事をきちんとこなそうとして、なかなか、きっちりと時間を決めて帰るようなシステムにはなっていないようで、日本の良いところでも、悪いところでもあると思うのです。このようないろいろな背景や事情がある中で、これからの労働時間法制のあり方を考えますと、あまり厳格に規制したり、一律に割増率を引き上げるのではなく、柔軟な働き方、休み方ができるようにしていただいた方がよろしいのではないかと思います。

 以上です。

○岩村会長 ありがとうございます。

 では、高松委員。

○高松委員 ありがとうございます。私からも、年次有給休暇に関連して発言したいと思います。

 前回の調査結果でもお示しいただきましたが、やはり、我が国における年次有給休暇の取得率が、10年以上にわたって5割弱にとどまり、加えて、年間取得日数も、昭和63年から2桁に届いていないという状況は、制度上からも大変深刻な問題ではないかと思っております。

 加えて今回、資料5ページの、「年次有給休暇を取り残す理由」を見ますと、年休の取得率が低いほど、「休むと職場の人に迷惑がかかる」あるいは「仕事量が多過ぎる」「休みの間仕事を引き継ぐ人がいない」といった理由が目立っているのですが、これらは専ら、職場の都合による理由、非自発的な理由が目立っているのではないかと、受けとめております。

 過重労働の防止という観点からいきますと、やはり、年休取得率の低い層をどう引き上げていくのか。そういった仕組みを導入することが必要ではないかと思っています。

 この点、年休取得率100%が当たり前と言われている欧州では、資料の4ページにも一部例が示されておりますが、「使用者により付与時季が決定される仕組み」を取っています。そこで、日本においても、「使用者が時季を決めることを義務づけるような仕組み」も取得促進の観点から、検討すべきであると思います。

 ただし、年休取得率が高い層に多くなっていますが、「病気や急用のために残す」という自発的な理由で年休を残すということもあります。

 また、欧州では、労使合意が優先したり、あるいは労働者等の意見を聞く手続を要した上で、「使用者により付与する仕組み」をとっていることから、やはり「使用者に時季を決めることを義務づけるような仕組み」を導入する場合においても、使用者が労働者の時季の指定権を阻害しない範囲で、労働者の意見も踏まえて制度設計を行っていくことが必要ではないかと思っておりますので、意見として申し上げたいと思います。

 以上です。

○岩村会長 では、八野委員どうぞ。

○八野委員 祝祭日の件や、海外の事例について発言がありましたが、そういう観点から、年次有給休暇と長時間労働ということで、少し意見を述べさせていただきたいと思います。

 確かに実態としては、今、高松委員からもあったように、年次有給休暇の取得率というのは47.8%となっていますが、就業人口を見ていく観点も必要ではないかと思っています。

 就業人口という観点で言えば、一つは、製造業の就業人口が減少し、広義の意味でのサービス業の就業人口が増加しているという実態があります。このような推移の中で有給休暇の取得を見ると、このような業種、業態、または産業が総じて取得率が低いという傾向が出てきているように思います。

 これは業種業態によっても、先ほど指摘があったように少し差があるかもしれませんが、BtoB、またはBtoCという中で、サービスという付加価値で顧客対応そのものに非常に時間がかかる産業が、総じて取得率が低くなっているのではないかと思います。

 そういう点から見ると、いわゆる営業日が1365日というサービス業も多くあります。また、時間の範囲も9時から5時ではなく、極端に言えば24時間の体制となっていたり、一斉で夏季休暇をとったり、正月の休みをとることが非常に難しい業種業態も多くあり、そういうところは、やはり長時間労働になりがちであり、時間管理も難しい状況が出てきているということがあるかと思います。

 また、要員体制ということも、先ほど時間外の関係で出てきてまいりましたが、非正規と正規という割合であるとか、または、そういった場合の雇用管理の問題など、就労環境の整備というものも十分考えていかなくてはいけない。そういう産業で働く人たちが多くなってくるということを考えていくと、さまざまな条件のもとで、有給休暇の取得であるとか、長時間になりやすいという問題が出てくるということであると、やはり、全体的な規制というものは、今後就業人口の変化とともにも必要になってくるのではないかと思います。

 これらの産業だけではありませんが、女性の参加の促進というものが言われており、ワーク・ライフ・バランスとの関係での就労整備と労働時間、または有給休暇の取得というような観点も、今後を考える上では重要だと思っています。

 そういう意味で、労働時間を長時間にしない。やはり、労働時間の規制、労働時間の管理、または、有給休暇の計画取得も含めた有給休暇の取得ということについて、しっかりと法整備、または労使の協議の中で進めていく必要があると考えます。

 以上です。

○岩村会長 ありがとうございます。

 では、鈴木委員。

○鈴木委員 ありがとうございます。

 使用者の責任で一定の日数の年休を付与するということの義務化の発想について、一律の労働時間になじまない、労働者に対する弾力的な労働時間法制とセットで考えることは1つのアイデアであると、考えております。

 ただし、使用者の年休付与義務が課せられている欧州では、宗教上の理由、あるいはバカンスの慣行などの背景事情が日本と異なり、また、年休取得率が高い中でこうした仕組みが機能している面があるのではないかというふうにも考えます。

 こうした実態の違いを踏まえますと、日本において年休取得率を高めるために、仮に使用者のイニシアチブによる年休付与を考える際には、明確に使用者の権限で具体的な時季を指定できるようにするべきであります。もちろん労務管理上は、労働者の意見や意向を企業が聴くことはあってしかるべきだと思っておりますけれども、仮に法制上の仕組みとして考える場合、使用者の権限を明確にした議論を行うべきものと思います。それから、もう一点。サービス業においては、年休取得率が低いのではないかというような御発言がございました。八野委員に対して、本当に釈迦に説法ですが、サービス産業の場合には、どうしても労働時間で売り上げをカバーしているような面もあるのではないかと思っております。そういたしますと、この問題というのは、単に労働時間ということだけではなくて、付加価値生産性の向上をあわせて図っていく取り組みも考える必要があると思っております。

 そのやり方というのは、それぞれの会社、業種、業態によっても、それぞれ変わってくるところではございますけれども、弾力的な働き方の整備、とりわけ裁量労働制の見直しや労働時間規制等の適用除外制度の創設ということも、この付加価値生産性の向上においては大きな検討課題になるのではないのかと思っているところでございます。

 私からは以上です。

○岩村会長 はい、ありがとうございます。

 では、どうぞ。

○宮地委員 ありがとうございます。

 労働条件明示について意見を申し上げさせていただきたいと思います。

 労働条件の明示に関しましては、受け取る方がこの電子的手法の対応ができる環境を整えているというのが第一の条件になると思います。電子メールや、ファックスの環境が整わない方に関しての明示というのは基本的には不可能ということになります。企業として、こういった環境が整っていない就業者が多いときの対応は、書面とそれ以外の電子的手法との区分けをしながら明示をしていくということになります。これは実務上かなり煩雑になり、難しい部分も出てくるので現実的ではないと思われます。ある程度のニーズのある場合は有用と思われますので、こういった環境が整っている方に関して電子的手法の明示ということを検討に入れるときに、現在の、スマートフォンを含めた携帯電話の普及を考えると、そこのニーズはかなり多いと思われます。これを検討する際には、携帯電話による明示等も視野に入れての議論がなされればと感じております。

○岩村会長 ありがとうございます。それでは、工藤委員どうぞ。

○工藤委員 ありがとうございます。

 今、御発言がありました「電子的手法による労働条件明示」について申し上げます。98年の労基法の改正では、書面により明示すべき労働条件の範囲が拡大されており、これは、この当時の基発を見ると、労働移動の増大でありますとか、就業形態の多様化に伴い、労働条件が不明確なことによる紛争が増大するおそれがあることに対応し、このような紛争を未然に防止するためにとられた措置であるとされています。

 この趣旨に鑑みますと、基本的には書面で本人に明示することが今後も重要ではないのかと考えますし、労働者の雇い入れ時の労働条件の明示につきましては、先ほども御意見がありましたが、働く者全ての人が電子的な方法で対応できる状況にあるのかどうかといったところでありますとか、さらには、電子的な方法ではデータの変換や削除等々が容易であるという点も踏まえる必要があるのではないかと考えます。

 したがいまして、問題が生じたときに労働者がみずからの労働条件を明示された文書を確認できるということが担保されなければならないことから、電子的な手法による労働条件の明示に関しましては、労働者保護の観点から慎重に検討することが求められていると考えます。

 以上です。

○岩村会長 ありがとうございます。

 では、春木委員。

○春木委員 資料6ページから、勤務間インターバル制の実例について紹介されているが、私の出身産業別労働組合の情報労連では、「労働者の健康確保とワーク・ライフ・バランスの実現」という観点に立って、2009年からこのインターバル制度の導入の促進を組織方針として掲げて取り組んでまいりました。

 現状、情報労連内で16の組合で、このインターバル制度が導入されています。資料にもありますように、導入によって、単なる長時間労働の是正という観点だけではなく、書かれているようなさまざまな効果も示されてきています。

 情報労連としては、やはり、労働者の健康確保というのは最優先かつ喫緊の課題であるとして、労使共通で取り組むべき課題なのだということを、十分認識合わせをしながら、このインターバル規制の導入に向けた労使間での論議を通じて、労働時間の管理のありようや、さらには、休息時間の確保の重要性などについて、労使間での認識の一致が図られようとしていると思っています。

 ただ、このように制度の導入、さらには運用に向けて労使間できっちりやるということについて十分可能だと思うわけものの、残念ながら、全ての企業において労使関係が確立されているという状況にはありませんし、これも本当に残念なのですけれども、労基法を守っていては経営にならないということを言い切る経営者の方々もいらっしゃるわけです。ましてや、実態調査結果から見ると、36協定の存在さえも知らないという経営者の方々が多い中では、やはり、労使の営みだけでは、日本全体の長時間労働の是正ということにはなかなか結びついていかないのではないか、限界があるのではないかということも、言わざるを得ません。

 したがって、やはり、全体的に長時間労働を是正し、働く者の健康確保を図ることができるという観点からすれば、法制面において全ての労働者を対象とした勤務間インターバル規制の導入について、1つの手法として十分に議論するに値すると思っておりますので、意見として申し上げたいと思います。

○岩村会長 ありがとうございます。新谷委員どうぞ。その後、鈴木委員。

○新谷委員 先ほど、鈴木委員から、年次有給休暇の取得の工夫について発言があり、前向きに受けとめをさせていただきました。前回の調査結果にも示されておりましたが、2012年の有給休暇の取得率が47.1%10年以上に亘り5割弱にとどまり、年間取得日数も8.6日と昭和63年から二桁に届かない状況に対して、やはり、何らかの工夫をしないといけないと思っています。

 鈴木委員からは、今の仕組みを前提に捉えたらどうかという御発言をいただきましたが、私どもとしても、やはり、そこのところは本当に工夫をしないとけないと思っております。

 前回資料に「年次有給休暇の計画的付与制度の有無による年次有給休暇の取得率の比較」が出ておりましたが、そのデータを見ても、計画的付与を入れているところ、要するに労使で仕組みを入れているところの取得率が高く出ておりますので、どういう工夫ができるのか。私どもからは、使用者側が与える仕組みを入れてはどうかという提案をさせていただきましたが、この労働条件分科会で今後、年末に向けて論議を深めていく際には、この年休取得をどう高めていくかというところも大きな柱になってくると思いますので、改めて申し上げておきたいと思います。

 それと、もう一点、鈴木委員のご発言の中で、付加価値生産性の話が出てまいりました。付加価値生産性を上げていくこと自体については、労使で取り組んでいくテーマだと思いますので、異論はありませんが、それが、直ちに労働時間の弾力化につながるのかということについては私どもとしては疑問に思っております。

 これは、本日の資料1頁の「労働者が残業する理由」というところで、先ほど、鈴木委員から、仕事量が多いということと、人手不足との関係がよくわからないというご発言がありましたが、私から見ると、私の仕事量は多いけれども、人手はそんなに不足していない、ということは、労働時間の配分がマネジメントとしてうまくいっていないのではないかということとも読み取れるわけです。経営側として、労働時間の管理、部下の要員管理とかを合わせて、時間の配分をどのようにしているのかという点についても、足元をもう少し見る必要があるのではないかと思います。これはもちろん労働側も他人事ではありませんので、それは、労使で一緒にやらないといけないところですが、そういった労働時間の配分のマネジメントというところも、このデータから読み取れるのではないかと思いますので、いきなり弾力化という前に、やるべきことはあるのではないか思います。

 以上です。

○岩村会長 ありがとうございます。それでは、鈴木委員どうぞ。

○鈴木委員 ありがとうございます。

 ただいま、新谷委員がおっしゃられたことは、そのとおりだという思いを強く持っております。やはり、労働時間の問題はマネジメントにかかわる面が大きいと思っております。

 一方で、これも感想になりますけれども、多くの職場でかなり仕事が専門化、複雑化しておりますので、単に人手が不足するので、ほかの人を張りつけようとしても、Aさんがやっていた仕事をBさんが肩代わりできないという実態も、事務職を中心に多いと考えます。それは、中長期的な教育訓練とか、そういう話にもつながる話であり、そういう意味では、この労働時間の長時間労働の是正というのは、総合的にと申しますか、相当奥の深い議論をしないと解決できないのではないかと思った次第です。

 それから、もう一点目はインターバル規制について、先ほど春木委員から御発言がございました。おっしゃるとおり個別企業において導入する必要があり、導入することで効果があった、あるいは効果が見込まれるという職場はあると思っております。これも働き過ぎ防止のための一つの方策だと理解をいたしております。

 ただし、時間の管理を月あるいは1年単位で行っているところも多く、とりわけ裁量性の高い業務に従事している労働者の方に対して、このインターバル規制ということを入れた場合に、円滑な業務遂行を阻害したり、あるいは御本人にとっても働きやすさの低下をもたらす懸念があることを申し上げます。

 3点目でございますけれども、相当程度、働き方が多様になっており、事務職の中でも相当幅が出てきています。組織のフラット化ですとか、ICTの発展によって仕事の仕方が相当程度変わっており、一部ではありますけれども、事務職、研究職、営業職の方々については、同じような技術、技能、経験を持っていても、人によって成果の質など成果の出方というのが違う働き方がふえているということを企業の御担当者のからもよく聞くところでございます。

 その他の弾力的な労働時間法制で代替できるのではないかという見方もあるわけでございますけれども、フレックスタイム制、あるいは変形労働時間制というのは、私どもからすると、通常労働時間管理になじまない労働者を対象とするような方への手当としては不十分ではないかと考えております。

 フレックスタイム制で申し上げますと、みずから時間配分を行うという点では裁量労働制と共通する点はありますが、厳格に時間外労働を把握し、時間外労働規制を適用するという仕組みでありますので、一定の限界もあろうかと思っております。

 働き方が多様化する中、働きやすい環境の選択肢を広げるという観点から、健康確保措置を強化することを条件に労働時間規制等の適用除外制度の創設でありますとか、裁量労働制の見直しが求められております。

 例えば、企画業務型裁量労働制について申し上げますと、業務に裁量性があるかどうかの判断については、法律により一律に決めるというのは、なかなか難しい、限界があると思っております。

 営業職は、事業の運営にかかわるという法律上の要件がありますので、一律に対象外となっております。もちろん、大半の営業職というのは、裁量労働制に適応するにはふさわしくないと判断される企業も多いと思いますけれども、各種商品サービスの提案型営業ですとか、スポットCMの営業など、相当程度、仕事のやり方や時間配分がみずからの裁量で義務遂行しているケースもございますので、一律に禁止するのではなしに、労使で決められるような見直しを図ることが大切だと考えます。

 私からは以上です。

○岩村会長 ありがとうございます。

 議論がむしろ、本番でいろいろ議論していただくものの中身のほうに入っているというように思います。今、春木委員お手が挙がりましたので、春木委員のところで最後とさせていただいて、それ以上の議論については、今度はまた、これからの後のところで御議論いただければと思います。

 それでは、春木委員、どうぞ。

○春木委員 今ほどの鈴木委員から、労働時間管理を月単位、1年単位で行っているところも多いというご発言がありましたが、月も1年も、日々の積み重ねによるものですので、一日の労働時間規制の積み重ねが、やはり、年間の長時間労働の是正につながっていくのではないかと思います。

 このインターバル規制というのは、単に休息時間を確保するというだけではなく、1日の働く時間の上限を決めることにもつながるわけです。そういった部分でいくと、全体的な長時間労働の是正という点で見れば、労働者、働く者の健康確保といったところも十分効果が出ていくのだろうと思っております。

 加えて、きょうお示しいただいた資料の9ページに、裁量労働制であっても、インターバル制度を入れたという実例が示されていましたが、これも情報労連の加盟組合の実例です。裁量労働制ですから、それぞれの時間管理がルーズになってしまう可能性がある中で、そこに、歯止めをかけるためにも意識的にこういった制度を入れて、ダラダラ残業ではないですけれども、そういった風潮をなくしていきたいと、こういう思いで労使の認識が一致してこのような制度を入れてきたという経緯があります。ただ、制度を入れて間がありませんし、当該労働組合に聞いたところでは、途中途中の裁量労働時間の中での休憩時間をどう見るのかといった点など、いろいろな問題があって、こういったものの運用を高めていくための論議は、これからも労使間で続けていくという状況になっています。

 要は、インターバル規制を入れることによって、総体的な労働時間の管理のありようについて労使間の論議が進むということにもつながっていきますので、1つの手法であるものですし、それが一定の効果、非常にいい効果があらわれてきていると我々の産業別労働組合としても判断をしていますので、ぜひとも、この勤務間インターバル規制の導入に向けた論議は、労働政策審議会の中でも十分に議論させていただきたいと思っています。

○岩村会長 ありがとうございます。

 資料2につきましては、いろいろ御議論をいただきました。もちろん、労使双方でいろいろ御議論の考え方の違うところもありましたけれども、他方である程度共通の方向性というのも出ていた部分もあるようにも思いました。

 そういう意味で、この後、また具体的に議論を進めていく上で、これをさらに深めていければというふうに思うところでございます。

 それでは、次の議題にまいります。

 前回の議論の最後に申し上げましたように、事務局のほうで、これまで各側から出されていた主な御意見というものを論点ごとに整理していただきまして、資料として作成していただいております。

 まず、これにつきまして事務局のほうから説明をいただきたいと思います。 

 どうぞよろしくお願いいたします。

○古瀬調査官 それでは、資料3につきまして御説明をさせていただきます。

 大きく長時間労働抑制・過重労働対策についてと、それから、弾力的労働時間制度についてと、この2つに分けまして御意見を整理させていただいております。

 まず、1でございます。労働者側から長時間労働に起因する疾患が増加している。過重労働、労災防止の観点からの議論、疲労回復のための時間確保の検討が必要。また、睡眠・休息時間の確保や時間外労働への歯止めについても議論すべきという御意見がございました。

 また、使用者側から、個々の事業や職種によって、時間外労働の背景は異なるので、マクロの状況を見て一律に規制するのではなく、職種別、規模別に状況を確認して議論が必要ではないかという御意見。

 また、労働時間を減らす一方で、年次有給休暇をふやすばかりでは業績は上がらない。生産性向上の観点から労使協調することが重要という御意見がございました。

 (2)中小企業に適応猶予されている月60時間超の時間が労働に対する割増賃金率についてでございます。

 労働者側から、全雇用労働者の3分の2が割増賃金率引上げの適用対象外となっている現状では、法目的が達成できているとは言い難い。適用猶予措置は速やかに廃止すべきという御意見。また、実態調査では、割増賃金率が高い事業場が時間外労働が長いという結果が出ているけれども、長時間労働への対応策や代償として割増賃金率を高く設定した結果を示すものとも捉えられる。この結果から、割増賃金率引き上げが長時間労働の抑制という改正趣旨を果たしていないと結論づけるのは一面的な見方であり妥当でないという御意見。

 また、中小企業にはリーマンショックの影響が残り、時間外労働もこれまでは減少傾向にあるが、今後の生産動向によっては労働時間や労働負荷がさらに過重になるおそれがある。最低基準を定める労働基準法のダブルスタンダードは早期に解消すべきという御意見。

 また、代替休暇制度については、実態調査の数字を見る限り機能していない。年次有給休暇の取得率が5割を下回っている現状をまずは改善すべきという御意見がございました。

 また、使用者側のほうから、中小企業は猶予ではなく、むしろ適用除外とすべき。また、ダブルスタンダードという批判は適当ではないという御意見。

 また、実態調査では、割増賃金率が高い事業場が時間外労働は長くなっており、割増賃金率の引き上げには長時間労働を抑止する効果があるとは必ずしも言い切れない。長時間労働の多くは、個人の専門性が必要なケースで発生するため、割増賃金率に左右されるものではないという御意見。

 また、特に運送業では手待ち時間が生じる等の事情があり、労働時間が長い。割増賃金率を引き上げられると、経営への打撃が大きい。業種別の事情に応じた対策が必要。建設業等では、現在、人手が不足しており残業せざるを得ない。一律に割増賃金率を引き上げても、長時間労働は抑制されないという御意見。

 また、代替休暇につきましては、周知の問題か、要件・手続の問題か、広まらない理由について今後議論すべきという御意見がございました。

 続きまして、(3)法定時間外労働の割増賃金率の水準についてでございます。

 労働者側から、月45時間超の時間外労働について法定割増賃金率を超える率とする努力義務を課しているが、実態調査の結果から見ても努力義務では効果がない。時間外労働の法定割増賃金率を少なくとも均衡割増賃金率に見合う水準とすべきという御意見。

 また、法定割増賃金率は、時間外労働50%、休日労働100%とすべき、当面は時間外30%、月45時間超50%、休日50%への引き上げを早急に行うべきという御意見。

 また、韓国の状況について御紹介の上で、日本では割増賃金率が低く、また、算定基礎自体も狭く、不十分という御意見がございました。

 また、使用者側からは、均衡割増賃金率は仮定を置いた数字であり、実務における実感からは離れているという御意見。

 労働政策は、各国の労働法制・慣行等の積み重ねにより異なって当然。EUのような総量規制と米国や韓国のような割増賃金率のいずれも求められるのは厳しいという御意見。

 割増賃金の算定基礎の範囲については、労働量と関係がないという理由で一部手当や賞与を除外しており、今後も維持すべきという御意見がございました。

 また、(4)労働時間の量的上限規制、勤務間インターバルの関係でございますが、労働者側から、36協定の特別条項について、「臨時的に限度時間を超えて時間外労働を行わなければならない特別な事情が予想される場合」という原則を徹底させるべき。また、時間外労働の限度基準は法律でなく、長時間労働是正の強制力が欠けている。労働時間の上限規制を行うべきという御意見。

 また、実態調査での36協定の締結状況等を踏まえれば、36協定を締結しない、あるいは協定で定める限度時間を超える時間外労働をさせた場合の罰則を強化すべきという御意見。

 また、保険的性格という側面もあろうが、実態調査では、協定の延長時間が長いほど時間外労働の実績も長いという結果が出ている。協定の延長時間を長く設定すると、長時間労働を許容する意識へとつながり、時間外労働も長くなることがあるという御意見。

 また、十分な休息時間を確保するため、EU諸国と同様に、24時間につき原則として連続11時間の「勤務間インターバル」を導入すべき。例えば、労使協定によって11時間より短い時間数を定めることも、当分の間、認められるべき。適用対象については管理監督者や裁量労働等のみなし労働時間制の対象者も対象とすべきという御意見がございました。

 また、使用者側から、我が国の企業の多くにチームワークで業務を進め、顧客の要望に最大限応えるという商慣行がある中、労働者に時間外労働に協力していただく実態がある。上限規制やインターバル規制といった一律の規制は現場になじまず、事業活動の停滞や雇用機会の喪失を招きかねないという御意見。

 また、実態調査を見ると、特別条項付36協定の延長時間は、時間外労働の実績と比べて相当長めに設定されている。保険的性格を実務上担保する必要があるという御意見。

 また、多くの企業では一定期間の中で労働時間を調整しており、勤務間インターバルのような1日単位での一律規制は現在の職場の実態に合っていない。現状でも法的規制があるわけではなく、個別企業のニーズに応じて労使交渉に委ねられるべきという御意見がございました。

 また、労使双方から、実態調査の結果を踏まえ、36協定のさらなる周知徹底、取組が必要という御意見がございました。

 (5)年次有給休暇の取得促進の関係でございます。

 まず、労働者側から、 年次有給休暇の取得率の状況が深刻な問題である。使用者が労働者の時季指定権を阻害しない範囲で、労働者の意見も踏まえて時季を決めることを義務づけるような仕組みも取得促進の観点から前向きに検討すべきという御意見。

 また、各種目的休暇の新設も議論すべき。年次有給休暇の取得抑制につながらないことを前提に、退職時の未消化の年次有給休暇の清算(買上げ)についても議論すべきという御意見。

 また、年次有給休暇に関するILO132号条約の批准に向けて環境を整備すべきという御意見。

 また、労働基準法第136条(年次有給休暇の取得者に対する不利益取扱いに関する規定)について、本則の中に位置づけることも議論すべきという御意見がございました。

 また、使用者側から年次有給休暇の取得促進が重要である点は全く同感。その上で、各企業では、労使で工夫して取得促進に取り組んでいる。一律に規制を強化することは現在の労使の取組を減じてしまうという御意見。

 また、日本は国際的に見て祝日が多いと、年次有給休暇について、労働者としてはとりにくく、経営者としても買い取ることもできず与えにくい点の改善が必要という御意見。

 また、タクシー業界などにおける不利益取扱の見直しの実務への影響を考えることが必要という御意見がございました。

 (6)法定労働時間の週44時間の特例事業場に関する御意見でございます。

 労働者側から、平成13年に週46時間から44時間に短縮された後、検討が進んでいない。実態調査では、およそ8割の事業場で所定労働時間が40時間以内であったことから、一律に原則である週40時間労働にすべきという御意見がございました。

 また、使用者側から、週44時間に設定している特例措置対象事業場の割合は、平成17年度と平成25年度とでほぼ変化がない。求人等に不利であっても、変えることができない現実を考えるべき。まだ特例措置の存続と政策的支援が必要という御意見がございました。

 続きまして、2としまして弾力的労働時間制度についての御意見でございます。

 (1)総論の関係でございます。

 労働者側から、現行既に弾力的な労働時間制度が設けられ、5割強の労働者が対象となっている。安易な労働時間規制の緩和には反対という御意見。

 使用者側からは、事務職・研究職・営業職の働き方が多様化する中にあっては、法律で画一的に規制するのではなく、個別企業の労使で対応していくべきという御意見がございました。

 (2)企画業務型裁量労働制の関係では、労働者側からは、もともと 労働時間が無制限になりかねない懸念がある。対象業務を拡大したり、「常態として」を「主として」とすることになれば、業務に裁量性がない労働者についても規制の網がかからなくなるおそれがあり、緩和すべきでないという御意見。

 また、健康・福祉確保措置について、休暇に関する措置を盛り込むべき。健康・福祉確保措置の最低基準を法律に規定することも検討すべきという御意見。

 また、適用労働者の労働時間管理につきまして、労働者の自己申告のみに委ねるのは妥当でなく、タイムカード、ICカード等の方法で管理すべきという御意見。

 また、本人同意について、専門業務型裁量労働制においても要件とすべき。不同意の場合の不利益取り扱いの禁止や、適用後に本人が希望した場合には一定の予告期間後には通常の労働時間管理への復帰を保障することも明文化すべきという御意見。

 また、過半数代表者の選出方法や運営についてはさまざまな問題があり、過半数代表者に指名された労使委員会委員の信任手続を求める等、平成15年改正前の手続に戻す方向での検討が必要という御意見がございました。

 また、使用者側からは、働き方が多様化する中、社員間の公正な処遇を確保する点から重要な制度であるにもかかわらず、十分に活用されていない。対象業務は、健康確保を図りながら労使で十分話し合った上で決定できることとすべきという御意見。

 また、中小企業はこの制度に一歩も踏み込めない。このほか、年間を通じて半分以上裁量のある業務についていれば対象とすべきという御意見。

 また、同意を個別にとる要件が制度導入を阻んでいる面もあると考えるという御意見。

 また、さまざまな届出制度があり、事務手続が煩雑。多くの事業場でそれぞれ労使委員会を設置し、委員を指名するのは大変。使い勝手をよくしてほしいという御意見がございました。

 また、公益側から、 アンケート調査によれば、健康・福祉確保措置については休暇に関する要望が多い。労働時間の把握のアプローチもあるが、労働から離れる時間を保障するというアプローチもあるという御意見がございました。

 (3)一部の事務職、研究職等に適した労働時間制度につきましてでございます。

 労働者側から、現行既に弾力的な労働時間制度が設けられ、5割前後が対象となっている。新たな制度を設ける必要はない。労働時間規制の対象を全て集団的な労使自治に委ねるということは適当ではなく、適用除外については、行政による取り締まりと連動する強行的な基準として法で規定すべき。仮に適用除外について検討するのであれば、現在適用除外である農業等従事者や管理監督者の課題について検証・把握することが必要との御意見。

 また、使用者側から、厳しいグローバル競争に直面する我が国の企業においては、イノベーションを通じた新たな価値の創造が重要。一部の事務職・営業職・研究開発の分野などで裁量を持った働き方が広がりつつあり、こうした労働者に適した労働時間制度の創設について議論を深めるべき。規制改革会議意見書にあるような、規制強化とセットで弾力化を行うことは、新しい方向性であり1つのアイデアとの御意見がございました。

 また、(4)フレックスタイム制の関係では、労働者側から、完全週休2日制の場合のフレックスタイム制の適用については、労働者側に不利益にならないようにしつつ、見直すことも考えられるという御意見。

 使用者側から、完全週休2日制におけるフレックスタイム制について、労働者の処遇の公正さの観点から見直しを考えるべき。また、清算期間について、長くすべき。労使で決定できるようにすべきとの御意見がございました。

また、(5)その他・議論の進め方としまして、労働者側からは、事業場外みなし労働時間制について、携帯電話の普及等、現在では通信事情をはじめとして状況に大きな変化が生じている。このため同解釈例規の現代化を検討すべきという御意見。

 また、使用者側から、休憩時間の一斉付与、専門業務型裁量労働制、事業場外みなし労働についても、制度創設後かなり時間がたっているため、議論すべき。特別条項付36協定の運用基準についても議論すべきとの御意見。

 また、事業場外みなし労働時間制については、携帯で連絡がとれる者について適用を認めた裁判例もあり、個別具体的に判断すべきであり、通達の見直しは疑問との御意見でございました。

 また、公益側から、アンケート調査では、裁量労働制に対する労働者の満足度が高い一方、不満点として、業務量が過大・労働時間が長いなどがあり、労使のニーズが浮かび上がっている。個別の問題も確かに存在するが、こうした客観的なデータに基づく建設的な議論が必要といった御意見がございました。

 説明は以上でございます。

○岩村会長 ありがとうございました。

 では、今、説明のありました資料3は、これまでのこの分科会における各側委員からの主な御意見をまとめたものでございますけれども、これにつきまして、何か御意見、御質問がありましたが、お出しいただければと思いますが、いかがでしょうか。

 では、宮本委員どうぞ。

○宮本委員 ありがとうございます。時間外労働の割増賃金率の関係について、改めての発言をさせていただきたいと思います。

 時間外労働は、景気の動向に影響を受ける、あるいは受けて変動するという傾向にあるということは、第106回の審議会でも、使用者側委員からも景気がよくなってきて労働時間は徐々にふえつつあるというような趣旨の発言もあったように、労使で認識が一致するところだと思います。特に、中小製造業などでは、今は、団塊の世代が大量に定年退職されて、恒常的な人手不足になっており、その中で、今後の景気動向によっては、一人当たりの労働時間がふえたり、あるいは労働負荷がさらに過重になったりということが、心配をされるわけでありまして、先ほど、冨田委員からも発言があったように、労働者が残業する理由は、仕事量が多いからとか、人手不足だからといった、非自発的な理由の割合が大きく使用者から命じられれば残業せざるを得ないという状況になっていることについては、前回資料からも明らかになっております。

 この点、現在、中小企業での60時間超の25%ということも含めて、我が国の割増賃金率の水準は、均衡割増賃金率47.1%に余りにもかけ離れていると言わざるを得ないと思っています。この状況というのは、新たに労働者を雇用するよりも、従業員の数を最低限に抑えて、恒常的に時間外労働をさせたほうが人件費を安く抑えるということができるということにもつながってくるわけであり、このような状況を続ければ、過重労働というのは、さらに深刻化をしていくおそれもあります。また、先ほどの有給休暇の取得率も上がらない理由の1つに、仕事量が多くて取得できないという結果も考えると、総実労働時間の短縮というのは今のままでは進まないというふうに思います。

 全体的に労働条件が厳しい環境にある中小企業ほど、労働者保護の必要性が高いことを考えれば、この法定時間外割増率を均衡割増率の水準と同レベルになるように、労基法37条の中小企業に対する適応猶予措置というのは速やかに廃止をするよう、改めてお願いしたいところでありますし、この審議会の場とは少し違うかもしれませんが、例えば、元請企業と下請企業の商取引で、やはり、元請企業も必要なコストは負担すべきであり、それによって、この37条の適応猶予措置の廃止も速やかにできるものだと思いますので、そのことも記して、お願いしたいと思います。

 以上です。

○岩村会長 ありがとうございます。

 今の宮本委員の御議論というのは、やはり、これから先に御議論していただくものかというように思いますので、きょうはできましたら資料3についての何か不足点なり、追加点といったような趣旨での御意見、あるいは御質問というものをぜひ頂戴できればと思いますが、いかがでございましょうか。

 では、鈴木委員どうぞ。

○鈴木委員 ありがとうございます。資料の4ページの年次有給休暇の取得促進の労働者側の意見の中で、退職時の未消化の年次有給休暇の清算買い上げについても議論すべきという御発言が載っております。

 十分私が聞いてなかったということかもしれないのですけれども、改めて、その目的が何かということを御教示いただけないでしょうかうか。

○岩村会長 これは、私の記憶でも労側の御発言だったと思いますが、では、新谷委員、どうぞ。

○新谷委員 これも、発言した内容を収録していただいているので、違和感はないのですが、申し上げたいのは、年次有給休暇というのは、やはり労働者がきちんと休息をとるための労働から離れる時間として設けられている制度でありますので、これは、年休の買い上げ予約のような形で、事前に金銭に置きかわっていくということに対しては、私どもとしては反対ですし、もちろん法的にもそれは認められていないということになっています。ただ、私ども、いろいろな相談を受けている中で、やはり休暇を残して退職をするという方がおられて、引き継ぎ等で忙しくて最後まで休暇をとれなかったという声等も聞くところでありますので、こういった方々については、そもそも年休の取得抑制につながらないという前提にたてば、これは今でも法的には認められている制度ですので、これについて論議をしていったらどうかということを提起申し上げた内容です。

 以上です。

○岩村会長 鈴木委員、いかがでしょうか。どうぞ。

○鈴木委員 ありがとうございます。

 基本的に、違和感なくお話をきかせていただいたところでございます。本来、新谷委員がおっしゃるように、年休はきちんと休んでもらうことが目的であります。その点の担保は、大変重要だと思いますけれども、他方で、年休取得率を下げるおそれがないような職場ですとか、一般的に退職月においては、使用者側の時季変更権を使えないというような事情もあります。これは、まさに労使の判断に委ねて選択肢を広げるというようなことでの議論をさせていただければと思っております。

 以上です。

○岩村会長 ありがとうございます。ほかにはいかがでございますか。

 では、新谷委員どうぞ。

○新谷委員 資料3の5ページの2.弾力的労働時間制度について、(2)企画業務型裁量労働制の1総論のところの労働側の発言に関して、意を尽くしていない部分がありますので、補足を含めて申し上げたいと思っております。

 最初の○の2行目のところに、「業務の裁量性がない労働者」と書いてありますが、私どもとしては、この裁量というのは、縦と横2つあると思っておりまして、1つは、業務の遂行のプロセスに対して裁量を持っている類型、もう1つは、自分で、仕事量をコントロールできる、仕事のボリュームに対する裁量制を持っている類型の、2種類あると思っております。どうも論議をする際に、このプロセスの裁量ということと、ボリュームの裁量ということがきちんと区分けをされておらず、仕事の手順は、プロセスの裁量性はあるのだけれども、上から降ってくる仕事に対して全くコントロールできない人、要するに、多分職位が低くて概略的な指示でも仕事はできるのだけれども、上から降ってくる仕事に対して「これ以上はできません」といったことが言えないような、交渉力の弱い労働者が、この裁量労働の対象に入っているのではないかという懸念を持っているわけです。

 ですから、今後、論議をする際にはプロセスの裁量ということと、ボリュームの裁量ということを、よく区分して対象者を考えていかないと、長時間労働をさらに助長してしまうという制度になりかねないと思っております。ここに書いてある、「業務の裁量性がない労働者」というのは、そういう意味で発言しておりましたので、補足をさせていただきます。

 もう一つ、この裁量労働に関して、ここに記載はされていないのですが、法的休日労働の扱いについて、104回分科会で示された「H25年度労働時間等総合実態調査結果」を見ても、裁量労働制の下で働く労働者は通常の労働者と比べて休日労働の割合が非常に高くなっており、一般労働者が10.4%であるのに対して、専門業務型裁量労働制では21.9%、企画業務型裁量労働制ですと17.2%ということになっております。

 この点、健康・福祉確保措置について、休暇に関する要望が非常に多いことについては、公益委員の先生の御発言として今回の資料3の6ページのところに出ていますが、たしか、労働側もこれに関連して、労働者の心身の保護、家庭・生活時間の保障の観点から、健康・福祉確保措置として、休暇に関する措置を盛り込むことを検討すべき点を発言をしておりますので、ここについては公益の先生の御発言と同じような認識を持って、私どもも発言をしておりますので、補足をさせていただきます。

 以上です。

○岩村会長 ありがとうございます。そうしますと、今、お話のあった例えば5ページの業務の裁量性というところについては、きょうそういう御発言があって、その点についての補足があって、それが議事録に残るという、そういう扱いでよろしいですね。ありがとうございます。

 ほかにはいかがでしょうか。

 では、池田委員どうぞ。

○池田委員 質問ですが、6ページの公益側のご意見の中に、健康・福祉措置については、休暇に関する要望が多いという記載があるのですけれども、これは裁量労働制に限ったことではなくて、全体的な問題としての捉え方があるのでしょうか。

 もう一つは、今、非常にボランティアをする方が多いのですが、今回の災害でも企業の方とか若い人たちがボランティアをやっていらっしゃいます。企業の例としては、このような場合に有給休暇を使って派遣しているとか、メンタルヘルスの問題でも有給を使わせるという対応をとられている企業がどれくらいあるのかということが、データ的にわかるのでしょうか。

○岩村会長 いかがでしょうか、事務局のほう。

○村山労働条件政策課長 1点目は事実関係の御質問でございますので事務局からの答弁でお許しいただきたいと思いますけれども、これは、107回に提出をした裁量労働制等に関するアンケート調査について公益の先生から御発言があった内容でございますので、この趣旨は裁量労働制に関することでございます。

 2点目の点については、また、データを精査いたしまして、提出したいと思います。 

 以上でございます。

○岩村会長 よろしいでしょうか、池田委員。

○池田委員 はい。

○岩村会長 そのほか、いかがでございましょうか。よろしいでしょうか。

 ありがとうございます。

 今後の労働時間法制のあり方ということにつきましては、論点ごとに整備しました各側の主な御意見、それから、きょうの御議論というものを踏まえて、この後さらに議論を深めてまいりたいというふうに考えております。

 また、事務局におかれましては、今後内閣府等に設置されております各種会議から労働時間法制の検討状況に係る説明を求められたときには、この資料に基づきまして正確に説明をしていただくようお願いをしたいと思います。

 さて、次回の分科会でございますけれども、事務局のほうから申し出がございまして、労働時間法制の議論につきましては1回お休みということにさせていただきたいと思います。そして、昨年12月に成立しました、国家戦略特区区域法に基づく、雇用指針案などにつきまして御議論を頂戴したいと思います。

 それでは、事務局から次回の日程について説明をいただきたいと思います。

 よろしくお願いいたします。

○古瀬調査官 次回の労働条件分科会の日程場所につきましては、追ってご連絡をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

○岩村会長 それでは、最後に本日の議事録の署名でございますが、労働者代表につきましては工藤委員に、それから、使用者代表につきましては池田委員に、それぞれお願いいたします。

 それでは、本日の分科会はこれで終了ということにいたします。

 お忙しい中、どうもありがとうございます。

 


(了)

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