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2013年8月22日 薬事・食品衛生審議会 医薬品第一部会 議事録

○日時

平成25年8月22日(木)
15:00〜


○場所

厚生労働省共用第8会議室


○出席者

出席委員(15名)五十音順

奥 田 晴 宏、 加 藤 総 夫、 神 田 敏 子、 佐 藤 田鶴子、
鈴 木 邦 彦、 手 島 玲 子、 豊 見 雅 文、 野 田 光 彦、 
平 石 秀 幸、 古 川   漸、◎松 井    陽、○松 木 則 夫、
増 井    徹、 村 田 美 穂、  山 田 清 文
(注)◎部会長 ○部会長代理

欠席委員(6名)

小 川   聡、 木 村   剛、 佐 藤 雄一郎、 武 田 正 之、
林   邦 彦、 本 橋 伸 高

行政機関出席者

今別府 敏 雄 (医薬食品局長)
成 田 昌 稔 (大臣官房審議官)
佐 藤 岳 幸 (審査管理課長)
広 瀬   誠 (安全使用推進室長)
矢 守 隆 夫 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構審査センター長)
山 本 弘 史 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全管理監)
俵 木 登美子 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構上席審議役)
山 田 雅 信 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構審議役)

○議事

○審査管理課長 「薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会」を開催させていただきます。

 本日はお忙しい中、かつ、お暑い中お集まりいただきまして、ありがとうございます。

 本日の委員の出席については、小川委員、木村委員、佐藤雄一郎委員、武田委員、林委員、本橋委員より、御欠席との御連絡を頂いております。また、鈴木委員より遅れるとの御連絡を頂いております。

 現在のところ、当部会委員21名のうち、14名の先生方の御出席をいただいておりますので、定足数に達していることを御報告申し上げます。

 それでは、松井部会長、以降の進行をよろしくお願いいたします。

○松井部会長 本日の審議に入ります。まず、事務局から配布資料の確認と、審議事項に関する競合品目・競合企業のリストについて、御報告をお願いいたします。

○事務局 資料の確認をさせていただきます。本日、席上に、議事次第、座席表、当部会委員の名簿を配布しております。議事次第に記載されている資料1〜15を、あらかじめお送りしております。このほか、資料16「審議品目の薬事分科会における取扱い等の案」、資料17「専門委員リスト」、資料18「競合品目・競合企業リスト」を配布しております。

 続いて、本日の審議事項に関する競合品目・競合企業リスト、資料18について御報告します。

 各品目の競合品目の選定理由については次のとおりです。資料18の1ページを御覧ください。ネスプ注射液5μgプラシリンジほか8企画ですが、本品目は「腎性貧血」を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として、資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。

 2ページです。ソリリス点滴静注300 mg ですが、本品目は「非典型溶血性尿毒症症候群における血栓性微小血管障害の抑制」を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤はないことから、競合品目はなしとしております。

 3ページです。アブストラル舌下錠100μgほか2企画ですが、本品目は「癌患者における突出痛の鎮痛」を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として、資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。

 4ページです。ダットスキャン静注ですが、本品目は「パーキンソン症候群・レビー小体型認知症におけるドパミントランスポーターシンチグラフィ」を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤はないことから、競合品目はなしとしております。

 5ページです。サムスカ錠7.5 mg ですが、本品目は「ループ利尿薬等の他の利尿薬で効果不十分な肝硬変における体液貯留」を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤はないことから、競合品目はなしとしております。

 6ページです。オブリーン錠120 mg ですが、本品目は「肥満症」を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として、資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。

 7ページです。アゾルガ配合懸濁性点眼液ですが、本品目は「緑内障・高眼圧症」を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として、資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。

 8ページです。ビンダケルカプセル20 mg ですが、本品目は「トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチーの末梢神経障害の進行抑制」を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤はないことから、競合品目はなしとしております。以上でございます。

○松井部会長 ただ今の事務局の御説明に特段の御意見等はございますか。

 それでは、本部会の審議事項に関する競合品目・競合企業のリストについては、委員の皆様の御了解を得たものとします。

 それでは、委員からの申出状況について、御報告していただけますか。

○事務局 各委員からの申出状況については、次のとおりです。

議題1「ネスプ注射液」、退室委員なし。議決には参加しない委員は、平石委員です。

 議題2「ソリリス点滴静注」、退室委員及び議決に参加しない委員なし。

 議題3「アブストラル舌下錠」、退室委員なし。議決には参加しない委員は、加藤委員、平石委員です。

 議題4「ダットスキャン静注」及び議題6「放射性医薬品基準の一部改正について」、退室委員は、村田委員、議決には参加しない委員なし。

 議題5「サムスカ錠」、退室委員なし。議決には参加しない委員は、平石委員、村田委員、山田委員です。

 議題7「オブリーン錠」、退室委員なし。議決には参加しない委員は、加藤委員、野田委員、平石委員、村田委員です。

 議題8「アゾルガ配合懸濁性点眼液」、退室委員なし。議決には参加しない委員は、野田委員、平石委員です。

 議題9「ビンダケルカプセル」、退室委員なし。議決には参加しない委員は、野田委員です。以上でございます。

○松井部会長 本日は審議事項が9議題、報告事項が6議題になっております。適切な御審議をお願いいたします。

 それでは、審議事項の議題1に移ります。議題1について、機構から概要を説明してください。

○機構 審議事項議題1、資料1「医薬品ネスプ注射液5μgプラシリンジの生物由来製品及び特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否及び再審査期間の指定並びに毒薬又は劇薬の指定の要否について並びにネスプ注射液10μgプラシリンジ、同注射液15μgプラシリンジ、同注射液20μgプラシリンジ、同注射液30μgプラシリンジ、同注射液40μgプラシリンジ、同注射液60μgプラシリンジ、同注射液120μgプラシリンジ及び同注射液180μgプラシリンジの製造販売承認事項一部変更承認及び再審査期間の指定の可否について」、医薬品医療機器総合機構より御説明申し上げます。

 ダルベポエチンアルファ(遺伝子組換え)(以下、「本剤」)は、エポエチンアルファ(遺伝子組換え)のアミノ酸配列の一部を改変した、遺伝子組換え型糖タンパク質製剤であり、エポエチンアルファ製剤に比べて約3倍の血中濃度半減期を有し、従来の遺伝子組換えヒトエリスロポエチン製剤(以下、「EPO製剤」)より少ない投与頻度で貧血の治療が可能となることを期待して開発されました。既に本邦では、2007年4月に「透析施行中の腎性貧血」、2010年4月に「腎性貧血」を効能・効果として承認を取得しております。

 申請者は、従来のEPO製剤と比較して投与頻度の低減化が可能である本剤は小児においても有用性があり、また、皮下注射時の痛みが問題となる小児において静脈内投与の医療ニーズは高いと考え、小児に対する開発に至りました。

 なお、本剤は、2013年6月現在、小児慢性腎臓病患者における「腎性貧血」に対して、米国、欧州をはじめとする世界で48の国又は地域において承認されております。

 本品目の専門協議では、本日の配布資料17に示します専門委員を指名いたしました。

 以下、本剤の有効性、安全性について、臨床試験成績を中心に説明させていただきます。

 主な臨床試験成績として、2歳以上18歳以下の腎性貧血を合併する小児慢性腎臓病患者を対象とした国内一般臨床試験の成績が提出されております。

 有効性に関してですが、報告書13ページの図2を御覧ください。本剤投与8週以降のHb濃度の平均値は11.812.1g/dLの範囲で推移しました。

 また、その下の表12ですが、目標Hb濃度の維持割合は4週以降55.277.8%の範囲で推移しました。

 また、EPO製剤投与患者において、EPO製剤からの切替え後にHb濃度に大きな変動は認められませんでした。

 なお、これらは、成人を対象とした国内臨床試験と同様の傾向でした。

 以上より、機構は、小児の腎性貧血に対する本剤の貧血改善・維持効果並びにEPO製剤からの切替え時の維持効果は示唆されたと判断しました。ただし、検討された症例数は限られていることから、製造販売後調査等において小児の腎性貧血に対する有効性について情報収集する必要があると考えました。

 安全性に関してですが、報告書19ページの表15です。

 国内一般臨床試験における有害事象の発現状況を示しております。成人と比べて、小児特有の安全性上の懸念は認められませんでした。また、投与期間の長期化に伴い有害事象の発現割合が上昇する傾向も認められませんでした。なお、国内ではEPO製剤を対象とした比較試験は実施されていませんが、海外臨床試験成績から、本剤の安全性はEPO製剤と同様と考えられました。

 以上より、小児に対しても本剤の安全性は許容可能と判断しました。ただし、検討された症例数は限られていることから、製造販売後調査等において小児の腎性貧血に対する安全性について情報収集する必要があると考えました。

 以上、機構での審査の結果、小児の腎性貧血に対する本剤の有効性は示唆され、安全性は許容可能と考えられたことから、本剤の小児に対する用法・用量について承認して差し支えないと判断し、医薬品第一部会で審議されることが適当と判断いたしました。

 なお、本剤は小児に対する新たな用量を追加する新用量医薬品であるため、再審査期間は4年間とすることが適当であると判断しております。また、5μg製剤について、原体及び製剤はいずれも劇薬に該当し、生物由来製品に該当すると判断しております。薬事分科会では報告を予定しております。御審議、どうぞよろしくお願い申し上げます。

○松井部会長 委員の先生方から御質疑をお願いいたします。

○佐藤()委員 添付文書の7ページに「8.その他の注意」という所がございます。この薬については、今回、小児の腎性貧血に対しての投与ということですが、「その他の注意」の所を見ると、癌の患者さんでの貧血等のことが()()()()と、それぞれ条件が違うのですが、この文書に書かれています。これを投与したが効果がなかったとか、危険だったというようなことが挙げられていて、「これらの患者への投与は、本邦では承認外である」と書いてあります。あえてここに書いたということは、投与されてしまう可能性が腎性貧血以外にあるからこのように書かれたのか、どういうことなのか懸念を持ったので、教えてください。

○松井部会長 いかがでしょうか。

○機構 今回の、小児の腎性貧血の用法の追加に伴って、この文言が記載されたわけではなく、従来からこのような注意喚起がされています。

○松井部会長 従来からされていた注意であると。いかがですか。今回特別に設けられたものではないということですね。

 ほかにいかがでしょうか。古川委員、お願いします。

○古川委員 従来のEPO製剤というのは、何千ユニットとかの生物学的な単位ですかね。今回の、タンパク量か何かで計算したところ、両者の検討というのですかね。例えば、3,000IUはどのくらいに値するとか、そういう検討はされているのですか。確かに回数が、1週間に2回打つのが2週間に1遍でよくなった、ということは分かるのですけども、具体的に量がどのくらい、以前よりも相当高いものを打っているのか、その辺を知りたいのです。従来のはIUになっている。今度はμgですね。そこの、両者の関連というのを教えていただきたいのです。

○機構 それについては成人のときの切替えのときに検討されていたとは思うのですけれども、今回は、その資料を持ち合わせておりません。

○審議役 御指摘の国際単位、IUというのは、エリスロポエチン製剤について決められているものでございまして、今回のダルベポエチンアルファは、体内動態が通常のエリスロポエチンとかなり違いますので、完全に同じ基準で比較をするというのはなかなか難しいということがございます。ただ、国際単位と本剤との比較といいますか、比較検討はされておりまして、例えば、添付文書()の4ページの所に、切替えに関する換算表が書いてございます。右下の表ですけれども、エリスロポエチンの方は週3回程度投与されますけれども、1週間あるいは2週間のエリスロポエチン製剤の投与量の合計を3,000IU、あるいは4,500IUというところで、それに対応する本剤の投与量が15μgあるいは20μgということで、一応決定はされております。ですから、これは完全に同じではありませんけれども、1週間単位あるいは2週間単位の投与量として比較をすれば、ここに書いてあるような表の換算で概ねうまくいくという、そういう臨床試験での比較はなされております。

○松井部会長 よろしいですか。

○古川委員 もう一つ、添付文書の6ページの所で「小児等への投与」というのがありますけど、これは、もう少しはっきりさせるのには、2歳未満の小児等への投与ということですね。今まで、いつも小児の所は必ず、小児等への投与は、一つの定番になっていますね。そこに、何歳以下は経験がないとやるのですが、この場合、最初から小児を打ち出しているわけですから、もし注意を喚起すべき場合でしたら、「2歳未満の小児について」とか、あるいは、「小児等への投与(2歳未満)」とか、もう少しそこの所をはっきりした方が分かりやすいのではないかというふうに思いますけど、いかがでしょうか。

○松井部会長 いかがでしょうか。

○機構 添付文書の項題につきましては、ある程度定型が決まっております。

○松井部会長 定型が決まって、変えられないということですか。

○機構 はい。申し訳ございません。このままでも、情報としては伝わるのではないかと思っております。

○松井部会長 定型が決まっていて、それを変えてはいけないのですか。

○機構 使用上の注意の項目名については、安全対策課から通知が出ていたかとは思いますが、そちらの方で。

○安全使用推進室長 一応、各項目とか記載内容につきましては、ある程度整合性を取る形でそろえさせていただいておりまして、絶対変えてはいけないかということでは、必ずしもないと思いますけれども、余り多様な書かれ方をされますと、また、現場の方での混乱にもつながるかと思いますので。御指摘の趣旨は、2歳未満の乳児というのがきちんと分かるようにというような御趣旨だと受け取っておるのですけれども、現状の記載で、この添付文書以外にも、資材の配布するなどして対応させていただけるのではないかと考えております。

○松井部会長 よろしいですか。

○古川委員 分かるのですけど、子供の場合は年齢というのが結構大事なところなのです。例えば、これは最初に、小児がなければこれでいいと思うのですけど。今回、小児のことでの適応を取ろうとしているわけです。ですから、何歳からというのは、使う側にとっては非常に大事なことなのです。ですから、そこをもう少し分かるようにした方がいいのではないかと思うのです。これに限らず、今までそういうことは幾つかありました。ただ、いずれもそういうのは修正には至っていないのですけど、是非御検討頂きたいと思います。

○審査第一部長 御指摘ありがとうございます。添付文書上は定型という話もございますが、今回、用法の追加ということになり、新たに情報提供というのは当然必要になってきますので、情報提供資材等で2歳未満ということを明確化できるように、申請者の方に伝えたいと思います。

○松井部会長 今後、小児に適応が拡大されて、こういうような記述のことが問題になる機会もおそらく増えていくと思いますね。今、「小児治験ネットワーク」というようなものができて、これから小児に対する治験あるいは臨床研究の機会が増えてくると思いますので、是非、今の御意見を前向きに捉えていただきたいと思います。ほかにいかがでしょうか。

○神田委員 まだ資料の読取りがうまくできないので、分からないことを二つ教えてください。一つは、用法・用量の血液透析患者の所ですけれども、ページでいうと3ページの所。

○松井部会長 添付文書ですね。

○神田委員 資料の一番最初の方です。添付文書でもいいのかもしれませんけれども。私が見ているのは3ページの一番上です。3、4行目になお書きがございますが、いずれの場合も、最高投与1回180μgとありますが、120ではなく180がどこからきた数字なのかがよく分からないので、教えていただきたいと思います。

 それからもう一つ、薬物動態の所で、御説明の中でも、何度も表現があったのですが、症例数が少ないというお話が出てきておりました。成人と小児の薬物動態についての違いは、症例数が少ないので、明確に判断することは困難だけれども、その差異が有効性とか安全性に重大な影響を与える懸念は少ないというふうに表現をされておりまして、その理由を述べられてはいるのです。ただ、今回は小児に対する開発ということですので、そういった理由はありますけれども、それにしても症例数が少な過ぎるのではないかというふうに思ったのですが、こういうものなのでしょうか。これで大丈夫なものなのか、改めて確認させていただきたいと思いました。

○松井部会長 では、初めの180μgのことから御説明をお願いします。これは最高投与量ということだと思いますけれども、いかがですか。

○機構 ここで、幅記載は推奨用量を書いているのですけれども、適宜増量できるということで、180までの投与が可能となっており、なお書きの注意は最高用量を記載させていただいているところです。

○松井部会長 一番多くても、これが限度ですよということですね。説明になりましたか。

○神田委員 そういう言葉の意味は分かるのですが、その下の腹膜透析患者の方を見ますと、4週間に1回にした場合に180までということで、180というのが分かるのですが、私が質問した血液透析患者の方は、そういった件がなかったものですから、その180というのがどこから出て来たのか、分からなかったのです。添付文書では分かるようになっているのでしょうか。

○機構 最高投与量の件は、審査報告書27ページに記載させていただいたとおりです。

○松井部会長 27ページのどこの部分でしょうか。

○機構 2.の「最高投与量について」です。ここに、適宜増量していく中で、180μgまでは投与可能ということを議論しています。

○松井部会長 神田委員もそれはお分かりなのですけれども。先ほど、下に書いてあるような説明がないというふうに、おっしゃいましたね。

○神田委員 ということは、要するに、4週間に1回にした場合が最高180までできる、ということが腹膜透析患者の方には書いてありますね。でも、そうではない血液透析の方にはそういった件がないので、もしかしたら4週間に1回の場合が180なのか、あるいはそうではなく、1週間に1回でも180まで投与できるという意味なのか、そこが分からなかったということです。

○機構 それは、4週間に1回のときに180というふうに限っているわけではございません。投与頻度が週1回や2週間に1回のときでも180までは可能というふうに考えています。

○松井部会長 よろしいですか。二つ目の御質問ですが、症例数が少ないということに関して。

○機構 試験の症例数が少ないことについては、やはり実施可能性を考えますと、申請者のほうも最大限努力しての症例数だと思っております。十分に検討できない部分につきましては、先ほど申し上げましたとおり、製販後調査で情報を収集していただきたいというふうに考えております。今回予定しております製販後調査につきましては、報告書の38ページの表23を御覧頂きたいのですけれども、こちらでも、予定症例数が30例以上となっておりまして、調査をする中でも、やはり患者さんが少ないということで、こちらとしてもできる限り集めてほしいというお願いをした中で、このような症例数が出てきておりますので、臨床試験の方で31例という例数は、必ずしも少ないとも限らないというふうに考えています。

○松井部会長 なかなか、治験の対象の方を集めるのは難しいのです。注射だけではなくて、その後、検査をしたり採血をしたりしますので。これでもよく集まったのではないかとすら思います。今後、引き続き調べるということですね。

○機構 はい。そういうふうになっております。

○松井部会長 よろしいでしょうか。

○神田委員 分かりました。

○松井部会長 ほかにございますか。それでは、議決に入ります。

 なお、平石委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮頂くことといたします。本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。

 御異議がないようですので、承認を可とし、薬事分科会に報告といたします。

 それでは、議題2に移ります。機構から概要を説明してください。

○機構 審議事項議題2、資料2「医薬品ソリリス点滴静注300 mg の製造販売承認事項一部変更承認の可否及び再審査期間の指定について」、医薬品医療機器総合機構より御説明申し上げます。

 非典型溶血性尿毒症症候群(以下、「aHUS」)は極めてまれな疾患であり、その発生機序は不明な点が多いものの、先天性又は後天性に補体の活性化制御機構が破綻し、補体が過剰に活性化され、微小血管で血管内皮細胞が傷害された結果、発症すると考えられています。溶血性貧血、血小板減少、腎障害を主徴とする血栓性微小血管障害(以下、「TMA」)を生じ、急性期の死亡率が高く、また、約50%が末期腎不全に至る予後不良な疾患とされています。

 現在、本邦のaHUSの治療としては、主に血漿療法等が行われており、aHUSの効能・効果を有する医薬品はありません。

 エクリズマブ(以下、「本薬」)は、本邦では2010年4月に「発作性夜間ヘモグロビン尿症(以下、「PNH」)における溶血抑制」の効能・効果で承認されています。本薬はヒト補体であるC5に対し高い親和性を示すヒト化モノクローナル抗体であり、C5の開裂を阻害することで、補体系の活性化による細胞傷害作用を抑制することが期待され、aHUSに対する開発に至りました。

 なお、海外において本薬は2013年6月現在、aHUSに対して32か国で承認されております。

 本品目の専門協議では、本日の配布資料17に示す専門委員が指名されております。

 以下、本薬の有効性、安全性について、臨床試験成績を中心に説明させていただきます。

 主な臨床試験成績として、海外第II相試験2試験及び国内臨床試験1試験並びに国内外の二つのレトロスペクティブ調査の成績が提出されています。

 有効性に関してですが、報告書19ページ、表13を御覧ください。

 血漿療法抵抗性及び感受性のaHUS患者を対象とした海外第II相試験2試験における主な有効性評価項目の成績を示しています。表13より、本薬は血漿療法抵抗性を示す患者に対し、臨床的に意味のあるTMAの改善が期待でき、また、長期に血漿療法を施行している患者に対し、本薬を投与することでTMAが悪化することなく、血漿療法を中止できることが期待されると考えました。

 また、症例数が限られていることに留意する必要はありますが、国内臨床試験において本薬の有効性を否定する結果は得られていないことを確認いたしました。

 安全性に関しては、報告書22ページの表16及び報告書23ページの表17を御覧ください。aHUSの主要な海外臨床試験2試験の併合解析における有害事象の発現状況、及び本薬の既承認効能であるPNHの臨床試験成績をお示ししております。

 aHUS患者に本薬を投与した場合、「高血圧」「貧血」「腎機能障害」等が多く認められましたが、原疾患に関連する事象と考えられたため、現時点で既承認効能での注意事項に加え、新たな注意喚起を行う必要はないと考えました。ただし、「高血圧」については、因果関係が否定されない重篤な有害事象が認められたため、製造販売後調査において引き続き情報収集する必要があると考えました。

 また、本薬投与により、その作用機序から、莢膜形成細菌感染症に対し、易感染性を示すと考えられていることから、報告書2427ページで検討を行いました。aHUS患者を対象とした国内外の臨床試験及び調査において、莢膜形成細菌感染症は認められていないものの、既承認のPNHの患者層よりも小児患者が多くなることが予想されることから、PNHと同様の髄膜炎菌感染に対する安全対策をaHUSについても実施するとともに、肺炎球菌及びインフルエンザ菌についても、本薬投与前にそれぞれのワクチン接種を検討することを注意喚起することが適切であると考えました。

 また、本薬を投与した経験は極めて限られていることから、製造販売後調査では、全例を対象として本薬投与時の安全性情報を収集していく必要があると考えました。

 以上のような機構での審査の結果、aHUSに対する本薬の有効性は期待でき、安全性は適正な安全管理体制の下で使用することで許容可能と考えられたことから、再審査期間中の全症例を対象とした製造販売後調査に係る承認条件を付した上で、本薬を承認して差し支えないと判断し、医薬品第一部会で審議されることが適当と判断いたしました。

 なお、本薬の既承認の効能・効果は希少疾病用医薬品として指定されているPNHにおける溶血抑制のみであることから、再審査期間は5年10か月とすることが適当であると判断しております。薬事分科会では報告を予定しています。御審議どうぞよろしくお願い申し上げます。

○松井部会長 委員の先生方から御質問、御意見をお願いいたします。

○佐藤()委員 安全性について教えてください。今、御説明いただいた21ページ辺りの所の海外臨床試験という番号が付いていますが、投与がどういう対象で、どういう量を投与したかというのは、日本で投与した場合と同じだったのか分かりません。「C08-002A/B及びC08-003A/B試験」と書いてありますが、そこの結果では、死亡例は認められなかったけれども、かなり重篤な有害事象例が表15のように示されています。それに引き替え、24ページの「日本人における安全性」の「国内レトロスペクティブの調査では」というのが2例で、結論とすると、日本人症例数は極めて少なかったので、今まで有害事象はあったとしてもなくなることはなく、いずれも軽度又は中等度で回復しているということですね。もちろんこれは専門医が使う薬ですから、ウォッチングしながら回復しているというのは、やめて回復したことだと解釈しますが、いずれも軽度だったから「現時点では安全対策は必要ない」と書かれているので、この薬を外国で使った場合と日本では、事前の段階で安全性について、どういう理解をしたらよろしいのでしょうか。

○松井部会長 機構より御説明ください。

○機構 海外臨床試験2試験の対象患者については、選択除外基準を報告書11ページ、表6の所にお示ししております。aHUSの患者を適切に組み入れるというものになっています。

 国内の臨床試験においては、かなり患者が限られていることもありまして、必ずしも同じ選択基準が適応されたわけではありませんが、aHUSと診断された下で本薬が個人輸入によって投与されている患者が、レトロスペクティブ調査の中で調査され、情報収集されています。

 先生から御指摘のあった、24ページの「日本人における安全性」の所の項の記載については、「回復している」という記載について説明が足りなかったかと思います。こちらについては、投与中に回復していることが確認されております。

○松井部会長 投与中に回復しているのですね。

○機構 はい。

○審査第一部長 追加で説明いたします。「新たな」と書いてあるのは、この薬剤は既にほかの効能で承認されて、使われており、海外と同様の注意喚起をしておりますので、それと比べて、更に一段アップする必要があるかどうかということになると、「新たな安全対策は必要ない」ということで、既存の効能の注意喚起と同程度であるという意味です。

○松井部会長 ほかにいかがでしょうか。

○神田委員 「製造販売に当たって必要な措置を講じること」という承認条件が付いていますが、これは「添付文書の警告がなされる」、このことを指しているのでしょうか。そのほかに、何か必要な措置の手立てが講じられることがあるのでしょうか。

○機構 主には、警告に記載している内容、若しくはそれに伴って、効能・効果関連注意等で記載している内容になります。

 ただ、更に調査を行って、その中で出てきた有効性、安全性に関するデータを収集した結果を踏まえて、何か新たな措置を講じる必要がある場合には、適切に行ってくださいという承認条件になっています。

○松井部会長 ほかにはいかがですか。

○古川委員 26ページ、27ページ、添付文書の1ページと、同じようなことが書いてあるのですが、子供に投与したときに、肺炎球菌とかインフルエンザ菌が悪化する可能性があるというので、この薬を投与するに当たっては、「ワクチン接種を検討すること」と書いてあるのです。

 「検討すること」というのは、どのような考え方がいいのか分からないのですが、「先にワクチン接種することが望ましい」という書き方がいいと思うのですが、そういうことを議論している前に薬を使わなければいけないという意味合いもあって、「検討すること」と書いてあるのか。その辺の御説明をお願いできますか。

 一番分かりやすいのは、添付文書の1ページの右側のカラムに、「効能・効果に関連する使用上の注意事項」ということで臨床成績があります。そこに、肺炎球菌、インフルエンザ菌のことが書いてあります。「検討すること」という意味を教えていただきたいと思います。

○機構 先生からも御紹介がありましたように、今回のaHUSという病態については、かなり急性期には早急な手当てが必要ということもありますので、ワクチンを接種して、その抗体価が上がってくるまで待っていることが難しい疾患であるところもございます。

 また、定期接種等もありますので、その状況を鑑みて、ワクチン接種することが望ましいと考えるけれども、それがかなわない場合もあるということで、このような表現にさせていただいています。

○古川委員 そういう意味ではないかと思いますが、こういう程度にしか書きようがないのですね。

○松井部会長 そうだと思います。ほかにいかがでしょうか。それでは、議決に入ります。本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。

御異議がないようですので、承認を可とし、薬事分科会に報告といたします。

 それでは、議題3に移ります。機構から概要を説明してください。

○機構 審議事項議題3、資料3「医薬品アブストラル舌下錠100μg、同舌下錠200μg、及び同舌下錠400μgの生物由来製品及び特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否及び再審査期間の指定並びに毒薬又は劇薬の指定の要否について」、医薬品医療機器総合機構より説明いたします。

 本剤は、強オピオイドであるフェンタニルクエン酸塩を有効成分とする舌下錠です。本邦において、フェンタニル又はフェンタニルクエン酸塩を有効成分とする経皮吸収型製剤が、既に癌性疼痛に対して承認されており、本剤はそのような強オピオイド鎮痛剤を定時投与中の癌患者における突出痛に対する治療薬として開発されました。海外において、本剤は2013年5月までに35か国で承認されています。本邦においては、2006年7月より臨床試験が開始され、今般、本剤の癌性突出痛の鎮痛における有効性及び安全性が確認されたとして、製造販売承認申請が行われました。

 本申請の専門委員としては、資料17に記載されている6名の委員を指名いたしました。

 審査内容について、臨床試験成績を中心に説明いたします。

 有効性について、審査報告書15ページ、表10の下1〜5行目を御覧ください。1日1〜4回のオピオイド鎮痛剤によりコントロールされている突出痛を有する日本人癌性疼痛患者で、持続性疼痛鎮痛薬としてオピオイド鎮痛剤が使用されている患者を対象として、本剤100μgから漸増を行い、患者個々に有効用量を決定する用法・用量で実施された国内第III相試験(2246-004試験)において、主要評価項目である治験薬投与後30分の疼痛強度変化量について、本剤投与時とプラセボ投与時の群間差は7.19、その95%信頼区間は[2.5911.79]であり、本剤投与時のプラセボ投与時に対する優越性が検証されました。

 次に安全性について、審査報告書20ページ、表17を御覧ください。臨床試験では、オピオイド鎮痛剤に特徴的な有害事象のほか、原疾患に関連する事象の発現が主に認められました。国内第III相試験では、同様の試験デザインで実施された海外試験と比較し、オピオイド鎮痛剤に特徴的な有害事象である傾眠及び便秘の発現割合が高い傾向にあるものの、多くは軽度から中等度であり、重篤な事象や投与中止に至った事象は認められませんでした。

 以上の審査を踏まえ、本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、本第一部会で御審議頂くことが適当と判断いたしました。本申請は新剤型医薬品及び新用量医薬品であることから、再審査期間は4年、製剤は劇薬に該当し、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当しないと判断しています。なお、薬事分科会には報告を予定しています。以上です。よろしく御審議のほどお願いいたします。

○松井部会長 委員の先生方から御質疑をお願いいたします。

○佐藤()委員 剤形と血中移行との関連をお伺いします。1年以内の間に、棒にこの薬が付いて、頬粘膜の所に当ててぐるぐる回す薬が出てきたと思うのですが、多分、耳下腺唾液が出てきて、その際は、漿液性唾液が出てくるので効果を狙ったのだと思います。通常、口で飲むのではなくて、舌下錠というのは従来から基本的にあると思うのですが、舌下錠が先でなく、説明書の6ページを見ると、AUCの高さがラットの実験ではありますが、経口剤よりも高く出ているので、前のぐるぐる回すのは余りよくなかったので、舌下の唾液は混合唾液ですから、ムチンが多いから粘脹度はあるのだけれども、漿液を狙うよりも効果があるから、あえて、舌下錠の後でこの形が出てきたのでしょうか。

○機構 1年以上前に御審議頂いたがん性突出痛に用いるフェンタニル製剤は、キャンディー状のものであったと思います。そちらのものは、口の中に入れただけでは溶けることのない製剤で、自ら溶かす必要があったので、口腔粘膜にこすり付けるというような投与形態を採っておりました。

 こちらは、舌下に投与することにより、入れるだけで溶け、舌下の口腔粘膜から吸収されるということで、溶けやすさが違うというところで、こする手間を省くという意味もあるのかもしれませんが、使いやすい製剤として開発されているものと考えています。

○佐藤()委員 予想どおりだったのですが、それが通常ですと、今までの剤型からすると、舌下のものが出てきてから、奇妙な形とか耳下腺唾液を利用しようとするものに進むのが当然ですが、もともとはこれが開発されていたけれども、結果が出てこなかったので、今になって実際にやってみて、こちらを採用したいというものなのでしょうかということです。

○機構 もともといずれの製剤も海外で開発された製剤であり、本邦において一番初めに承認された製剤の製造販売者と、こちらの製剤を開発した企業は異なりますので、そういった意味の違いもあると思いますし、こちらの製剤では原薬の溶けやすさにも工夫がなされていますので、そちらの影響もあるかと思います。

○松井部会長 ほかにはいかがでしょうか。

○加藤委員 考え方を教えていただきたいと思います。先ほど、競合品目・競合企業リストの際に、アブストラル舌下錠は協和発酵キリン株式会社からの申請になっているのですが、今配られている箱を見ると、発売元は久光製薬株式会社で、もともとフェンタニルの前臨床は久光製薬()がやっていて、また違う剤型のものは久光製薬()が出していると思うのです。こういうときに、販売元は明らかに久光製薬()となっているのですが、競合品目・競合企業リストというときの考え方として、どう考えるのかというのが一つです。

 もう一つは、市場に出てからの薬剤の管理が重要な薬物で、どのぐらい処方されて、どのぐらい回収されているかは、製薬会社もかなり努力して管理しなければならないオピオイド製剤だと思うのですが、その管理責任はどこにあるのでしょうか。この容器には、協和発酵キリン()と久光製薬()がほとんど同じような大きさで書いてあるのですが、誰がどう担当するのかという、販売後の管理体制についてどうなっているのでしょうか。

○機構 競合品目については、申請者というところで、製造販売元である協和発酵キリン()が対象となっています。

○事務局 補足します。競合品目・競合企業の場合には、製造販売承認を得ている者、得ようとする者として、協和発酵キリン()が申請者であり、また、競合品目に関しては、例えばアクレフに関しては田辺三菱製薬株式会社を選定している状況です。

○加藤委員 それはよく分かるのですが、この場合の発売元は、使用には関係なくてという考え方でいいのかを伺いたいだけなのです。

○安全使用推進室長 薬事法の改正の中で、従来発売している所と製造している所とか、いろいろ整理されてきているかと思いますが、この製剤についてきちんと責任を持つ会社というのは、製造販売業者という形で位置付けられていますので、この場合には協和発酵キリン()が責任を持って対応すべきものと考えています。

○松井部会長 もう一つの後半の質問についてはどうですか。

○機構 どこが責任を持ってという話かと思いますが、先ほど事務局から説明があったとおり、協和発酵キリン()になっていますので、販売元と協力しながら、最終的には協和発酵キリン()が責任を持って対応するということになっています。お答えになっていますでしょうか。

○加藤委員 お答えの趣旨としては私もよく理解できますので、それで現場が混乱することがないようにしていただければいいのではないかということをコメントします。

○機構 両者の関係性として、きちんと連携が取れるようにというところは、こちらで確認させていただきたいと思います。

○松井部会長 ほかにいかがでしょうか。それでは、議決に入ります。

 なお、加藤委員、平石委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮頂くことといたします。本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。

 御異議がないようですので、承認を可とし、薬事分科会に報告といたします。

 それでは議題4及び議題6に移ります。村田委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、この審議の間は別室で御待機頂くこととします。

──   村田委員退室 ──

○松井部会長 機構から概要を説明してください。

○機構 審議事項議題4、資料4「医薬品ダットスキャン静注の生物由来製品及び特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否及び再審査期間の指定並びに毒薬又は劇薬の指定の要否について」、審議事項議題6、資料6「放射性医薬品基準の一部改正について」、医薬品医療機器総合機構より説明させていただきます。

 まず、審査報告書の3ページです。 123 I標識したイオフルパン(以下、「本薬」)は、神経終末でドパミンの再取込みを行うドパミントランスポーターに高い親和性を有する放射性診断薬です。また、効能・効果にあるパーキンソン症候群及びレビー小体型認知症は、黒質線条体ドパミン神経の脱落を呈する神経変性疾患です。ダットスキャン静注(以下、「本剤」)を用いた単一光子放射断層撮影(以下、「SPECT」)検査によりドパミントランスポーターの脳内分布を画像化することで、黒質線条体ドパミン神経の脱落状況という新たな情報を得ることができます。2013年7月現在、本剤は欧州及び米国等34か国で承認されております。

 本邦において本薬は、日本メジフィジックス株式会社により開発され、また2010年4月27日及び同年8月3日に開催された「第3回及び第4回医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」において、医療上の必要性が高いと評価され、厚生労働省より開発要請がなされました。今般、日本メジフィジックス株式会社により、国内外の臨床試験成績等を基に、本剤の医薬品製造販売承認申請がなされました。

 本剤の審査に関し、専門委員として資料17に記載されている委員が指名されました。

 本剤の審査の概略について、臨床試験成績を中心に説明します。

 まず、パーキンソン症候群の診断での有効性について、審査報告書22ページの上から4行目「2)国内第III相試験」の項を御覧ください。本試験では、臨床的に診断が確定されたパーキンソン症候群患者(詳細には、パーキンソン病(PD)患者、多系統萎縮症(MSA)患者及び進行性核状性麻痺(PSP)患者となります)、本態性振戦(ET)患者及び健康成人を対象として、本剤111又は185MBqを単回静脈内投与し、3又は6時間後にSPECT撮像したときの有効性及び安全性が検討されました。審査報告書23ページの表7及び表8に、有効性の主要評価項目の結果をお示ししております。有効性の主要評価項目として、臨床診断を基準としたときの、画像読影委員会による3時間後の画像読影での診断の精度が評価され、感度及び特異度はともに、事前に定義された許容域を有意に上回る結果となりました。

 続いて、レビー小体型認知症の診断での有効性について、審査報告書28ページの「1)国内第III相試験」の項を御覧ください。本試験では、臨床的に診断が確定されたレビー小体型認知症患者、アルツハイマー型認知症(AD)患者及び健康成人を対象に、パーキンソン症候群の試験と同様の用法・用量で実施したときの有効性及び安全性が検討されました。有効性の主要評価項目の結果については、29ページの表19及び表20に結果をお示ししています。有効性の主要評価項目とされた臨床診断を基準としたときの、画像読影委員会による3時間像の診断精度について、特異度に関しては、事前に規定された許容域を有意に上回る結果となりましたが、感度については許容域との間に有意な差は認められませんでした。ただし、審査報告書31ページの「3)海外医師主導試験」においては、32ページの「有効性について」の段落でお示ししているように、剖検時の神経病理学的診断を基準としたときの検討が行われています。限られた規模の検討ではありますが、本剤を用いたSPECT検査では、治験組入れ時の臨床診断に比較して特異度が向上することが示唆されました。以上より、本剤の有効性は示されているものと判断し、本剤を、黒質線条体ドパミン神経の脱落の有無という新たな情報を与える画像診断ツールの一つとして、臨床現場に提供する意義があると判断しました。なお、本剤の適正使用の方策として、診断能の限界や適切な画像評価法を臨床現場に提供すること、並びに添付文書において、本剤のみでなく既存の診断方法等も併せて診断を行うよう、注意喚起を行う必要があると判断しました。

 続いて、安全性について、審査報告書43ページの「1)コカインに類似した薬理作用に基づく安全性について」の項を御覧ください。非臨床試験において、イオフルパンはコカインに類似した薬理作用を有することが示されていますが、臨床試験においてはコカインに類似の薬理作用に基づくと考えられる有害事象の発現割合は極めて低く、認められた事象は軽度又は中等度かつ一過性のものでした。さらに、本剤は放射性医薬品であることから、過量投与及び薬物乱用の可能性もないことから、安全性上の懸念は大きくないと考えられました。その他の有害事象についても、国内臨床試験における発現状況及び海外での製造販売後における安全性情報を踏まえると、安全性は臨床的に許容されるものと考えております。

 製造販売後について、審査報告書49ページ「7.製造販売後調査について」の項を御覧ください。調査予定症例数を900例とした使用成績調査において、パーキンソン症候群及びレビー小体型認知症の診断における本剤の有用性を検討するために、本剤によるSPECT検査の結果を加味した後の診断結果、申請者が適正使用の方策として予定している情報提供の有用性等の情報収集を行う予定です。

 以上のような検討を行った結果、パーキンソン症候群及びレビー小体型認知症の診断におけるドパミントランスポーターシンチグラフィの効能・効果で本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、医薬品第一部会において御審議頂くことが適当であると判断いたしました。原体は劇薬に該当し、製剤は毒薬、劇薬のいずれにも該当せず、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当しないと判断しております。また、再審査期間は8年とすることが妥当であると判断しております。薬事分科会では報告を予定しております。また、本剤の承認に伴い、放射性医薬品基準に、資料6にお示しした基準の追加を予定しています。説明は以上です。御審議のほどよろしくお願いいたします。

○松井部会長 今、話題になった医薬品は、委員の前にある、放射性医薬品です。早速ですが、後で議題6についてもお伺いしますが、議題4について、委員の先生方から御質疑をお願いいたします。

○奥田委員 品質の観点からですが、2.3の「品質概括」の資料の10ページ、11ページに作り方が書いてあります。これは放射性医薬品ですから当たり前なのですが、取扱いが難しい、半減期も約半日ということで、そう時間を掛けられるものではないので、最終的な医薬品のところで品質を保証するのは、すごく難しい医薬品なのです。

 したがって、このものの品質を保証しようと思うと、原材料のところでもっときちんとした管理が必要だと私は感じます。そうしないと、恐らくそういうことはないでしょうけれども、何か間違いがあったときに、今の品質保証の規格の立て方だとすり抜けてしまう可能性があるのではないかという懸念があります。

 そういう意味で、10ページの上に書いてある構造式のものですが、この原材料の品質を確実に保証する方策を立てることが好ましいのではないかと、私自身は感じております。

○機構 御指摘ありがとうございました。今、御指摘頂きましたモジュール2.3の記載、申請書等も確認しまして、先生の御指摘のとおりかと思いますので、御指摘頂きました物質が正しい構造を有することが保証できるような適切な方策を、申請者に検討するよう求めてまいりたいと思います。

○奥田委員 よろしくお願いします。ここのところであれば、いろいろなことができると思うので。

○松井部会長 ほかにいかがでしょうか。

○松木部会長代理 診断のメリットは理解できたのですが、治療上でどういうメリットになるのですか。つまり、パーキンソン病でドパミン神経系が脱落していることを確定することの必要性が分からないのですが。

○機構 黒質線条体のドパミン神経の脱落を伴わないような運動神経障害を有する患者ですと、抗パーキンソン病薬以外の薬物療法を治療の選択肢とするのですが、診断の難しい患者もいらっしゃいますので、そういった患者を適切に選択し、適切な治療方法を選ぶということでも、本剤の有用性が期待できるところかと思いますので、本剤の意義があると判断しております。

○松木部会長代理 実際にそういうまぎらわしい症例があるということですか。

○機構 はい。

○松木部会長代理 ドパミン神経系の脱落を確定できるかどうかというのは、もっと早期診断の方に有用ではないかと思うのです。つまり、パーキンソン病が症状として現れてくる頃には、7割、8割ぐらいの神経が脱落していると言われているので、もう少し症状が現れない段階でこれを使うという方が、もっと新しい治療につながるのではないかと思いますが、今のところはパーキンソン病と診断された人だけに使うということですか。

○機構 本剤に関しては、パーキンソン病の症状があって、疑わしい患者を含めて、本剤の使用がなされると思います。また、本剤がより早期に使用されるかどうかも含めて、本剤が現場に出てから使用されていく中で、位置付けが更に定まっていくのかと考えております。

○松井部会長 4ページの上から2行目に書いてあるように、今おっしゃられたことは、パーキンソン症候群の患者においてということでしょうか。

○機構 はい。

○松井部会長 ほかにいかがでしょうか。

○加藤委員 他剤との併用について伺います。そもそもドパミントランスポーターに結合するということですが、モノアミンのトランスポーターに結合する薬物はものすごくあると思うのです。

 それで、まず添付文書はどのように書いてあるかを見たのですが、1.8の添付文書()です。相互作用についての記述が1ページにありまして、選択的セロトニン再取り込み阻害薬にフルボキサミンマレイン酸塩とパロキセチン、メチルフェニデートの三つ、SSRIと中枢神経刺激薬と書いてあって、それ以外のことは全く書いてないのです。

 それで、ほかのいろいろな薬物のことはどうして書いていないのかと思って、参考になるかと思って、1.6の「外国における使用状況等に関する資料」を比較で見てみました。それの30ページに、アメリカの添付文書があります。「薬物相互作用」の所に、我々が薬理学の授業で習うような、モノアミントランスポーターに影響を与えるかもしれない薬物がズラッと並んでいるのです。こういう情報の提供は、日本の添付文書では、なぜしないのかというのを教えていただきたいと思います。先ほど三つだけ薬が出ていたということも、その三つだけを選んで書くというエビデンスがないように感じたのですが、それらの方針について、お聞かせいただきたいと思います。薬物相互作用の所に並んでいる薬物は、診断に影響を及ぼす可能性があるということで、実際に結合親和性から見ると当然ほかにも多くの薬物がある気がするのですが、そこはどうなのでしょうか。

○機構 先生の御指摘のとおり、少し情報量が違いますので、更に検討させていただきたいと思います。ただ、この辺の情報の書き方について、日本の医療現場に既に承認されているかいないかとか、実際に併用の可能性の問題など、いろいろなことを踏まえて選択している現状ですので、もう一度そこを確認させていただきまして、必要なものについてはラインアップしていきたいと思います。

○松井部会長 ほかにいかがでしょうか。資料6については、特に問題はないと考えていいでしょうか。

○手島委員 資料6の最初の部分では、イオフルパン注射液のヨードラベルされた方の注射液の確認試験、純度試験という形で出てきているのですが、これは特に問題はないと思うのですが、2ページ以降はイオフルパンの標準液ということで、原材料の方の規格が出てきているかと思うのですが、原料についてはこちらでまず確認をして、その後でラベルしたものについては、1ページ目のヨードラベル化合物を確認するということだと思うのです。そうすると、原料についても、2ページ以降の形で確認されていると思うのですが、そこが資料4の中では、原料を調べたというのは何ページになるのでしょうか。

○事務局 今、御指摘の基準のページをめくっていただいた所の6ページにある、イオフルパンの非ラベル体の基準ですが、その前のページに書いてあるラベル体の純度試験に用いるイオフルパン非ラベル体の試薬の規格で、今回の製剤の原薬の基準とはまた違うものです。飽くまでも、この放射線医薬品基準の中で使用するイオフルパンとは、こういう規格を満たしているものだというのを定めているものです。

○手島委員 ラベルに使うイオフルパンの規格が、2ページ目以降に書かれているのですか。

○奥田委員 6ページのものは、ノンラベルのものです。これを使って標識された医薬品を作っているのではないのですが、それはよろしいですか。資料の4だと、□□□□□□□□□という名前で出ているものと同じようなものだと、私は理解しています。

○松井部会長 6ページのものはですね。

○奥田委員 はい。

○松井部会長 手島委員、よろしいですか。

○手島委員 はい。

○松井部会長 ほかにいかがでしょうか。

○山田委員 ダットスキャンの効能・効果の所で、パーキンソン病とレビー小体と特定してありますが、ドパミントランスポーターを調べるのに、ダットスキャンはどのような疾患にも使えると思うのですが、ほかの疾患を対象とするときは、またこれで臨床試験がされて、その度ごとに効能・効果が増えることになるのでしょうか。これはドパミントランスポーターを標識するということであれば、どのような疾患にも使えるのではないかと思うのですが、これはどのように考えて今後審査されるのでしょうか。

○機構 現実にドパミントランスポーターがあるかないかというところはdetectされてくるとは思いますが、効能・効果に付いている疾患名については、実際に臨床試験をしてみて、その疾患について、感度、特異度が、診断に耐え得るものであるという数字が出てきているものですので、先生がおっしゃるように、次に何かの診断に用いたりする場合には、それが実際に臨床での診断に役に立つかどうかを臨床試験で調べてみてから効能追加ということになると思います。

○松井部会長 ほかに御質疑はありませんか。それでは、議決に入ります。

 議題4について、承認を可としてよろしいでしょうか。

同様に、議題6についても、承認を可としてよろしいでしょうか。

御異議がないようですので、承認を可とし、薬事分科会に報告といたします。別室で御待機されている村田委員をお呼びください。

──  村田委員入室 ──

○松井部会長 それでは、議題5に移ります。機構から概要を説明してください。

○機構 審議事項議題5、資料5「医薬品サムスカ錠7.5 mg の製造販売承認事項一部変更承認の可否及び再審査期間の指定について」、医薬品医療機器総合機構より説明いたします。

 審査報告書3ページを御覧ください。本薬の有効成分であるトルバプタンは、大塚製薬株式会社が合成した非ペプチド性のバソプレシンV -受容体拮抗薬であり、腎集合管でのバソプレシンによる水再吸収を阻害することにより水の排泄を増加させる利尿薬です。

 本邦では、201010月にサムスカ錠15 mg が「ループ利尿薬等の他の利尿薬で効果不十分な心不全における体液貯留」の効能・効果で承認され、2013年2月に本剤7.5 mg の剤形が当該効能・効果で追加承認されております。なお、米国では2009年5月に「心不全、肝硬変及び抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)等の患者における、臨床的に問題となる体液貯留型又は体液正常型の低Na血症」の効能・効果で、欧州では2009年8月に「成人におけるSIADHによる低Na血症」の効能・効果で承認されております。

 今般、国内臨床試験成績を基に「ループ利尿薬等の他の利尿薬で効果不十分な肝硬変患者における体液貯留」の効能・効果を追加する承認事項一部変更承認申請がなされました。

 本品目の審査に関して、専門委員として、資料17に記載されている委員が指名されました。

 本品目の臨床試験成績に関する審査の概略について説明いたします。

 有効性について説明します。審査報告書12ページ下「肝硬変患者を対象としたプラセボ対照二重盲検並行群間比較試験」の項を御覧ください。

 既存の利尿薬を投与しても腹水が認められる肝硬変患者を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験が実施されました。審査報告書13ページを御覧ください。有効性の主要評価項目である、ベースラインから治験薬最終投与時までの体重の変化量は、本剤7.5 mg 群で-1.95 プラスマイナス 1.77 kg 、プラセボ群で-0.44 プラスマイナス 1.93 kg であり、プラセボに対する本剤の優越性が示されました。

 次に、安全性について説明いたします。審査報告書15ページ表3を御覧ください。口渇、頻尿等本薬の薬理作用に起因すると考えられる有害事象が本薬群で多く認められましたが、承認の可否に影響するような安全性に関する重大な懸念は認められないと判断しました。

 次に、審査報告書39ページ「4)肝機能障害に関連する有害事象の発現リスクについて」を御覧ください。国内外の体液貯留を有する肝硬変患者を対象とした臨床試験では、プラセボ群と比較して、本薬群で肝機能障害に関連する有害事象の発現が増加する傾向は認められませんでした。また、海外で本薬が投与された肝硬変に伴う低Na血症を対象とした臨床試験において、本薬による肝毒性のシグナルは認められませんでした。しかしながら、本剤の既承認効能・効果の対象において、2012年には年間約3万9,000例が投与されたと推定される状況で、201010月の国内発売以降2013年1月31日までの期間に自発報告及び製造販売後調査の調査完了症例で、本薬投与と関連する肝機能障害に関連する有害事象42(29)が認められ、そのうち16例で重篤な肝機能障害が認められております。また、投与対象が常染色体優性多発性嚢胞腎(以下、「ADPKD」)の患者であり、投与量が60120 mg / 日、投与期間が3年間と、いずれも今回の規定を大きく上回る試験ですが、日本人も参加した本薬の大規模臨床試験、TEMPO試験において、本薬投与患者961例中2例で、TEMPO試験等の臨床試験を終了した患者が参加可能な海外継続投与試験において、本薬投与患者904例中1例で重篤な肝酵素の上昇が発現しました。また、本薬群ではプラセボ群と比較して肝機能異常の発現が多く認められました。これらを受け、本薬投与に伴う肝機能障害には注意を払う必要があると判断しました。

 次に、審査報告書55ページ「()肝機能障害に関連する有害事象の発現リスクについて」を御覧ください。米国では、先ほどのADPKD患者を対象としたTEMPO試験の成績等を踏まえ、2013年4月に承認内容の変更がなされ、肝硬変を含む肝疾患患者は、投与禁忌とはしないが投与を避けるように注意喚起がなされるとともに、30日間の投与制限が設けられました。これらを踏まえ、本薬を既存の利尿薬を投与しても腹水が認められる肝硬変患者に投与する際のリスクとベネフィットを改めて検討いたしました。検討結果は56ページ中ほどに記載してあります。

 肝硬変による大量の腹水貯留がみられる症例では、腹部膨満感、食欲低下・悪心嘔吐等の腹部症状や、呼吸困難等がみられ、QOLが著しく損なわれた状態となる患者の存在が想定されます。このような、本薬の投与対象となるような非代償性肝硬変患者は、肝機能障害の進行した予後が悪い患者であると推定され、従来、既存の利尿薬で効果不十分な場合は、症状改善のために腹水穿刺等の侵襲的な処置が行われることになりますが、頻回の穿刺による排液は血漿蛋白の喪失を助長し、更に全身状態を悪化させることもあります。一方、本薬で体液貯留を改善すれば、QOLの改善が期待でき、腹水穿刺のような全身症状を悪化させ得る処置も避けることができると考えられます。したがって、肝機能悪化の発現が増加するリスクを考慮しても、既存の利尿薬で腹水貯留が改善されない肝硬変患者において、短期間使用する体液貯留改善薬としては、本薬のベネフィットがリスクを上回り、本薬を臨床現場に提供する意義はあるものと判断いたしました。

 本剤が適正に使用されるために、体液貯留が改善した場合は、漫然と投与を継続せず、必要最小限の期間の使用にとどめるべきことや、本剤の投与に当たっては、肝機能障害を含むリスクとベネフィットを考慮し、本剤投与の適否について慎重に判断するべきことを添付文書で注意喚起するとともに、情報提供資材等を用いて適正使用のための情報を医療現場に周知徹底するといった方策をとる予定です。さらに、承認後の市販直後調査の期間中は、通常より短い期間で、毎月中間報告として有害事象の発現状況に関する情報を確認していく予定です。

 なお、添付文書の「重要な基本的注意」の項では、本剤投与開始前に肝機能検査を実施し、少なくとも投与開始2週間は頻回に肝機能検査を行うように規定しております。

 製造販売後調査においては、肝機能障害に関連する有害事象の発現状況や、投与量、投与期間などの本薬の投与状況の確認等を含め、使用実態下における安全性、有効性を確認するための情報収集を行う予定です。

 以上のような検討を行った結果、本剤を「ループ利尿薬等の他の利尿薬で効果不十分な肝硬変における体液貯留」の効能・効果で承認して差し支えないとの結論に達し、医薬品第一部会において御審議頂くことが適当であると判断いたしました。

 再審査期間は、既承認効能の再審査期間終了までの残余期間(平成301026日まで)とすることが適切であると判断しております。薬事分科会では報告を予定しております。以上、御審議のほどよろしくお願いいたします。

○松井部会長 多少補わせていただきますと、56ページで非代償性肝硬変という説明がありましたが、これは通常の蛋白を補ったり、スピロノラクトン、フロセミドといった利尿剤を投与しても腹水が消失しない場合には、通常、肝臓移植以外に救命の手段がないという非常に重い肝臓病の段階です。平石先生、それでよろしいですか。

○平石委員 はい。

○松井部会長 付け加えることがあればお願いします。

○平石委員 非代償性の肝硬変は、例えば黄疸が出たり、低アルブミン血症から腹水あるいは末梢浮腫を呈する状態です。腹水の治療には通常ラシックスなどのループ利尿薬、あるいはアルダクトンといった抗アルドステロン薬が使われます。それで効果が十分でないときには、腹水穿刺を行ったり、レビーンシャント、つまり腹腔-静脈シャントあるいは腹水の濃縮再静注を行うといった治療選択があります。しかし、後者の治療法は侵襲的であると同時に、それなりの有害事象を伴います。例えば発熱は必発ですし、場合によってはDICのような重篤な状態も引き起こします。このような有害事象を回避する意味でも、また選択の余地を広げる意味でも非常に期待される治療薬ではないかと思います。

○松井部会長 それでは、委員の先生方から御質疑をお願いします。

○野田委員 投与開始2週間までは肝機能をきちんと頻回に検査するというのは、添付文書にも書いてあるのですか。

○機構 添付文書()の2ページの2段組の右側の中ほどの「肝硬変における体液貯留の場合」のII-()に、「本剤の投与初期から重篤な肝機能障害があらわれることがあるため、本剤投与開始前に肝機能検査を実施し、少なくとも投与開始2週間は頻回に肝機能検査を行うこと。またやむを得ず、その後も投与を継続する場合には、適宜検査を行うこと」との記載があります。

○野田委員 確認しました。違う所を見ていました。

○松井部会長 ほかにはいかがですか。

○松木部会長代理 確認ですが、利尿薬の効果を調べる評価項目として体重というのは一般的なのですが、それだけでいいのかという気がするのです。何回も穿刺で腹水を取るのは大変かもしれないのですが、下肢の浮腫とか、そちらの方をもう少し評価項目とした方が。この薬が食欲などに影響しないということを踏まえての話だとは思うのですが。

○機構 肝硬変患者の代表的な体液貯留の所見が腹水であり、現時点では腹水量を定量的に評価する方法は確立されておりません。したがって、通常診療では体重測定が指標として用いられております。

 今回評価された主要評価項目としては体重が用いられたのですが、副次評価項目として、CTにより評価された腹水量や下肢浮腫、腹囲など、臨床症状として、例えば腹部膨満感、全身症状なども評価されております。そちらの結果でも主要評価項目の結果を支持するような本薬群で良い結果が得られております。

○松井部会長 超音波なども使いますね。

○松木部会長代理 非常に細かな点ですが、審査報告書の56ページの真ん中辺の文章でフォントの大きい所がありますが、もし強調するために書いたのなら非常に分かりにくいのです。真ん中辺の「頻回の穿刺排液は」とか、2行下の「腹水穿刺のような」というのは間違いですか。

○機構 失礼いたしました。こちらは他意ありません。

○松井部会長 これは訂正していただくということですね。ほかにありますか。それでは、議決に入ります。

 なお、平石委員、村田委員、山田委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮頂くこととします。本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。

御異議がないようですので、承認を可とし、薬事分科会に報告といたします。

 それでは、議題7に移ります。機構から概要を説明してください。

○機構 審議事項議題7、資料13-1及び資料13-2「医薬品オブリーン錠120 mg の生物由来製品及び特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否及び再審査期間の指定並びに毒薬又は劇薬の指定の要否について」、医薬品医療機器総合機構より御説明します。

 肥満症は、日本肥満学会により「肥満に起因ないし関連する健康障害を合併するか、その合併が予測される場合で、医学的に減量を必要とする病態」と定義されています。肥満症の治療は、食事療法と運動療法を基本とし、必要に応じて薬物治療を行い、これらが長期的に維持できるように行動療法が加えられます。現在、漢方薬以外で本邦において承認されている肥満症治療薬としては食欲抑制剤のマジンドールがありますが、適応はBMI35 kg / 平方メートル 以上の高度肥満症に限定されています。

 セチリスタット(以下、「本薬」)は、脂質の吸収を抑制し、吸収される総エネルギー量を減少させることで肥満症に対する治療効果を発揮することが期待される薬剤です。申請者は、国内臨床試験成績から食事療法及び運動療法を実施しても体重減少がみられない2型糖尿病及び脂質異常症を合併する肥満症患者に対する本薬の有効性及び安全性が確認されたと考え、承認申請に至りました。

 なお、本薬は2013年6月現在、海外において承認を取得している国はありません。

 本品目の専門協議では、本日の配布資料17に示す専門委員が指名されております。

 以下、本薬の有効性、安全性について、臨床試験成績を中心に御説明いたします。

 主な臨床試験成績として、国内で実施された第II相用量設定試験、第III相検証試験、第III相一般臨床試験、第III相長期投与試験の4試験の成績が提出されております。

 有効性に関しては、報告書56ページの表36を御覧ください。

 食事療法及び運動療法を実施しても体重減少がみられない2型糖尿病及び脂質異常症を合併する肥満症患者を対象に、プラセボ又は本薬120 mg を1日3回52週間経口投与した第III相検証試験において、主要評価項目である「治療期終了時の体重変化率」について、プラセボ群に対する本薬群の優越性が検証されました。

 また、報告書65ページの表43を御覧ください。第III相検証試験において、HbA1c、LDL-C等の肥満症に関連すると考えられる健康障害に関連するパラメータも、本薬群でプラセボ群よりも改善する傾向が認められました。

 以上より、本薬は体重減少効果に加え、2型糖尿病及び脂質異常症に関連するパラメータの改善が認められたことから、本薬の有効性は示されていると判断しました。ただし、本薬による体重減少効果と肥満症の最終的な治療目標である心血管系リスク低減との関連については必ずしも明確にされていないことから、本薬の心血管系疾患低減への効果については、製造販売後に検討していくことが必要と考えております。

 安全性に関しては、報告書69ページの表47のプラセボ群及び本薬120 mg 群を御覧ください。四つの主な臨床試験の併合解析における有害事象の発現状況を示しています。本薬投与により「下痢」「脂肪便」が多く認められたものの、これらは本薬の薬理作用に関連する事象であり、多くは軽度でした。

 また、報告書7173ページを御覧ください。本薬と同じリパーゼ阻害薬であり、海外で使用されているOrlistatの米国添付文書で注意喚起されている事象について検討しております。いずれも現時点では臨床的に大きな問題となる事象は認められませんでしたが、製造販売後調査において引き続き検討する必要があると考えました。

 以上のような機構での審査の結果、2型糖尿病及び脂質異常症を共に有し、食事療法・運動療法で十分な効果が得られない肥満症に対する本薬の有効性は示され、安全性は許容可能と考えられたことから、本薬を承認して差し支えないと判断し、医薬品第一部会で審議されることが適当と判断しました。

 なお、本薬は新有効成分含有医薬品であるため、再審査期間は8年、原体及び製剤はいずれも毒薬及び劇薬に該当せず、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当しないとすることが適当であると判断しております。薬事分科会では報告を予定しております。御審議、どうぞよろしくお願い申し上げます。

○松井部会長 資料13-2については、特に御説明する必要はありませんか。

○機構 資料13-2については、原薬の審査報告になっており、こちらについては、特段この場で御説明をさせていただかなくてもよろしいかと考えております。

○松井部会長 質疑に入る前に、野田先生、何か御発言ありますか。

○野田委員 肥満症と肥満について御説明いたします。肥満の定義はBMIで行われ、我が国では25 kg / 平方メートル 以上が肥満とされています。一方、肥満症というのは、肥満というグループの中から医療上減量の必要な人を抽出することを目的に定義されており、BMIが25 kg / 平方メートル 以上の人のうち、2型糖尿病や脂質異常症といった、肥満に起因する又は関連する、減量を要する健康障害、いわゆる合併症を有する人や、確実な内臓脂肪型の肥満のある人が肥満症となります。ということで肥満のみであれば、単に太っているということになりますが、肥満症というと、何らかの合併症が既にあるか、そうでなくても健康障害に至る要素を確実に持っている人ということになります。

 肥満症がある場合、まずは食事療法、そして禁忌がなければ運動療法ということになりますが、なかなか減量がうまく進まない人がいることも事実で、最近では外科療法を検討される患者さんも存在するほどで、効果的で安全な内服の薬物療法が可能となりましたら、その有益性は大きいと言えるのではないかと思います。

 例えば、「あいち健康の森健康科学総合センター」の津下一代センター長たちによる特定保健指導の効果をみた一昨年度の厚生労働科学研究の報告で、2〜4%程度の体重減少でも、体重減少がそれ以下だったグループと比べて、統計学的に有意にHbA1cや中性脂肪などが減少していました。実臨床上も、1〜2 kg 程度の体重減少でも検査データが大きく改善することは、私自身、日常的に経験するところです。こういった点を、この領域の疾患を日頃拝見している者として申し述べさせていただきました。以上です。

○松井部会長 それでは、御質疑をお願いします。

○佐藤()委員 今、御説明があったように、2型糖尿病と脂質異常症の両者があってBMIが25 kg / 平方メートル 以上だということですが、64ページの図3の辺りを見ますと、25 kg / 平方メートル 以上から減ってきて、投与が52週で別にフラットになっている様子もなく、まだ下がっていくのではないかという感じが、体重変化はあります。

 体重に関して言いますと、これが下がっていっても、もしBMIと脂質異常症が改善されなければ、投与のエンドポイントはなく、どんどん投与して痩せていくのかどうか。このデータはここで止まっているのですが、いかがなものでしょうか。

○機構 今回の臨床試験においては、1年間52週までのデータしか出ておりませんので、この後の結果がどうなっているのかについては分かりかねるのですが、肥満症において体重減少をする目標としては、合併症の改善、ひいては心血管イベントのリスクの低減につながりますので、そちらへの効果が期待できないのであれば、体重をただ減らす目的で投与されることは望ましくないのではないかと考えています。

 ただ、本薬については、現行のデータでは体重減少するに伴い、内臓脂肪の減少が認められているということがありますので、内臓脂肪の減少等、その他のパラメータも鑑みて、臨床現場で判断をしていただくものと考えています。

○佐藤()委員 ということは、別に投与のエンドポイントを決めているわけではないということですね。25 kg / 平方メートル ぐらいから始めるけれどという解釈でよろしいでしょうか。

○機構 1.8の添付文書()の「重要な基本的注意」の項で、()で記載している、体重とともに、血糖、脂質についても経過観察を行って、食事療法及び運動療法のみで、今後十分コントロールできると判断される場合には投与を中止してくださいという注意喚起をしております。

○松井部会長 ほかにはいかがですか。

○鈴木委員 70ページで、下痢、脂肪便が、最初の12週までの頻度がかなり高くて、その後は低いようですが、これはどのような理由で、最初高くて、その後は減少していくのかを教えていただけますか。

○機構 臨床試験の結果としては、投与初期に下痢、脂肪便が多いという結果が出されていますが、本薬の薬理作用を考えますと、長期投与することによって、下痢、脂肪便の発現が減ってくるとは考えにくいと思います。このような臨床試験の有害事象の報告については、患者が御報告をされるというところが一義時的に出てくるかと思いますので、患者がある程度慣れてしまうと、有害事象として上がってこなかったと考えられるのではないかと考えています。

○鈴木委員 下痢便、脂肪便は続いているのですね。

○機構 そのように考えます。

○松井部会長 ほかにはいかがですか。

○山田委員 2型糖尿病及び脂質異常症ということで、糖尿病の薬、脂質異常症の薬を飲んでいる方が対象になるのではないかと思いますが、薬剤の相互作用、有害事象の発生頻度が高くなるとか、効果がどうなるかという検討は、承認申請に必要ないのでしょうか。

○機構 併用薬との影響については、審査報告書77ページの()「併用薬への影響について」の「薬剤との併用について」という項で、糖質消化抑制剤や脂質吸収抑制剤等の併用の有無等で層別した検討等を行っているところです。このような検討を行って、現時点では有効性・安全性で、これらの併用薬によって大きく影響が変わるという所は考えにくいと考えております。

○審査第一部長 先生の御指摘は、原疾患として糖尿病とか脂質異常症があるので、そちらの薬との相互作用という観点と思います。審査報告書の46ページ以降に、特に糖尿病のピオグリタゾンとか脂質異常症のスタチン系とかの併用試験をやっておりまして、そこで臨床的な問題がないと確認しております。

○松井部会長 ほかにいかがですか。

○松木部会長代理 脂肪便や下痢の頻度、割合と、食事中の脂肪の量は因果関係がはっきりしているのですか。脂肪をたくさん食べる人は下痢になるとか。

○機構 まず頻度については、審査報告書69ページの表47で、併合解析における有害事象の発現状況ということで示していますが、下痢は、本薬120 mg 群で25.7%、脂肪便は36.8%となっています。有害事象で中止した例は、下痢では3.7%、脂肪便では2.7%です。

 食事中の脂肪の割合での、これらの胃腸障害の発現状況ですが、今回の試験等で認められたものの中では脂肪摂取比率での検討が行われておりますが、胃腸障害の発現状況に差はないという結果が出ています。ただ、こちらは割合ということですので、脂肪量となると、もしかすると薬理的には差が出てくるのではないかと考えております。

○松木部会長代理 要するに、どういう食事制限をしていたかで、この薬を使って下痢とか脂肪便が出ない人は、この薬を使う意味がないのかと思ったのです。逆にいうと、副作用みたいなものが、主作用を判断するパラメータになる珍しい薬かと思ったのです。

○機構 おっしゃるとおりかと思います。

○松井部会長 ほかにありますか。

○鈴木委員 この薬を服用される方については、2型糖尿病及び脂質異常症を有するということは、それらの診断を受けているということになりますが、薬物療法は特に受けていなくてもいいということでしょうか。すなわち、食事療法、運動療法のみを行っている方で、肥満が一応あるということで、この薬が初めての薬物療法になる可能性もあるということですか。

○機構 今回、2型糖尿病や脂質異常症といった効能・効果ではない、飽くまでも肥満症の薬という位置付けにはなりますが、肥満症を改善することによって、2型糖尿病や脂質異常症を本薬の治療のみで改善できるという判断がなされた場合には、投与の対象になると考えられます。

○機構 飽くまでも、肥満症の効能・効果ですので、糖尿病とか脂質異常症の効果を主たる目的として期待して投与を推奨するものではありません。そこは、原疾患の補助という位置付けになるかと思います。そもそも肥満の治療の位置付けとしては、合併症の治療を目的に肥満の治療を行うわけですので、そこを誤解のないようにお願いしたいと思います。

○鈴木委員 肥満症の治療薬で、糖尿病や脂質異常症の治療薬ではないのですね。

○機構 おっしゃるとおりです。

○鈴木委員 ですが、糖尿病と脂質異常症の診断がきちんと医師によって行われたあと、通常はまず食事療法及び運動療法が通常は行われます。その段階で投与されるということになると、これが最初の投薬となることもあるということですね。

○機構 おっしゃるとおりで、否定はされないと思います。

○鈴木委員 そうすると、結果的には肥満症の治療薬でもあるが、糖尿病や脂質異常症の治療薬にもなる可能性もあるということですね。

○機構 結果としてということです。

○松井部会長 ほかにありますか。

○豊見委員 今の関連ですが、効能・効果の肥満症ということがあれば、保険の問題にも関わってくるかと思います。効能・効果を見ると、2型糖尿病という病名がないと通らないものなのか。薬物療法をやっていないので、もしかしたらその病名が書いてない可能性もあります。脂質異常症の薬物療法がまだ始まっていない患者に対して、肥満症だけで出る可能性もあるという話ですので、保険で2型糖尿病の病名がなくてもいいものかどうかです。

○審査第一部長 効能・効果に書いてありますように、これは2型糖尿病と脂質異常症は共に必須ですから、診断がなされないと、肥満症という定義には入るのですが、この薬の対象にはならないのです。

○松井部会長 そういうことですね。

○加藤委員 今の問題に関連しての議論ですが、そこの適応はどうやって決まっているかを考えると、例えば85ページを見た場合には、学会のガイドラインと最新の情報を参考に肥満症治療の基本である食事療法及び運動療法ということが書いてあって、要するに学会の肥満症治療ガイドラインでどのように決まっているかがかなり参考になっています。

 その辺で中をよく読んでみると、矛盾した記載が幾つかあります。例えば85ページの上から2行目に、「『肥満症治療ガイドライン2006』では、薬物療法の適応は『BMIが25 kg / 平方メートル 以上で内臓脂肪面積100㎠以上かつ質的異常に関する疾患を2つ以上保有』」が定義だとあります。これを受けたものが今回の適応の定義になっているように思います。

 一方、61ページを見ると3)の「肥満症の薬物療法について」で全く同じ資料が引用されていて、「『肥満症治療ガイドライン2006』では、『BMIが25 kg / 平方メートル 以上で内臓脂肪面積100㎠以上かつ質的異常に関する疾患を2つ以上保有』又は『BMIが30 kg / 平方メートル 以上かつ量的異常に関する疾患を1つ保有』とされている」と書いてあって、矛盾した記載があります。更にもっと読み続けると、2011年に既に、その下の1、2、3の別の薬物療法適応基準が定義されていて、3種類、25 kg / 平方メートル 30 kg / 平方メートル 、それから高度肥満とあって、それを見て、先ほどの85ページに戻ると、下の【効能・効果】に<効能・効果に関連する使用上の注意>「本剤の適用に当たっては、学会のガイドライン等最新の情報を参考に、肥満症治療の基本である食事療法及び運動療法をあらかじめ行っても効果が不十分で、薬物療法の適応とされた肥満症患者を対象とすること」とあって、現場は一体何を参考にするか。先ほどの保険請求の問題があったときに、これだと適応基準がものすごく曖昧なものになっていると読めてしまいます。もちろんそこに書いてあることは間違いなくて、2型糖尿病と脂質異常症でいきましょうということだったら問題がないと思いますが、ガイドラインと最新の情報を参考にしてほしいと言われてしまうと、一体何を基準にしていいのかというのは非常に難しい、混乱した記述になっているのは事実ではないかと思いますが、いかがですか。

○機構 審査報告書の記載が少し分かりにくかった点は反省いたします。85ページの「以上の機構の判断は」の直前の「学会のガイドライン等の最新の情報を参考にするよう注意喚起することが妥当と考えた」という、ここの文章で言いたかったことは内臓脂肪の測定の必要性についてで、内臓脂肪を測定するに当たっては、現在だと精度よく検査をしようと思うと、CTの検査をしなければいけないということになりますので、それを必ず現場に求めるのかということを専門委員の先生とも議論いたしました。

 その上で、今の学会等の考え方等も、専門の先生方に伺ったところでは、内臓脂肪の測定の定義についても、今後見直していくであろうというコメント等も踏まえて、必須ではなくても構わないのではないかということを、ここの考え方として記載させていただきました。

○松井部会長 加藤先生、そういう答弁ですけれども。

○加藤委員 パラグラフは確かにそうなっていると思います。その下の効能・効果の「薬物療法の適応とされた肥満症患者を対象とすること」という記述で、薬物療法の適応とされる肥満症患者というのも、学会のガイドラインが変わった場合にはどうするのかという、今後の対応も含めて、どのように現場で扱えばいいのかをどのようにこれから指導していくのか、不明確なような気がします。

○機構 飽くまでもオブリーン(本薬)の効能・効果としては、2型糖尿病及び脂質異常症を有していて、食事療法及び運動療法を行っても肥満症と判断される患者が対象で、そこはガイドラインがいかに変わっても変わらない部分かと思います。

 ただ、薬物療法がどういう段階で適応されるのかということが、審査報告書の61ページでも議論されているように、今、学会の中でも議論が進められていますので、そういった情報も踏まえて、本薬を投与すべきタイミング等についても、学会のガイドライン等の最新の情報を参考にしてくださいという意図で、このような注意喚起とさせていただいております。

○松井部会長 ガイドラインの引用を厳密に読んでいくと、矛盾があるのではないかという加藤委員の御指摘です。だからと言って、審査報告書を変えるわけにはいかないですね。

○機構 矛盾といいますか、今、議論が進められていて、治療ガイドライン等も新たに検討されているという段階になっておりますので、今後、新たなものがリバイスされて出されていく、今は検討段階と考えています。

○松井部会長 ほかにありますか。それでは、議決に入ります。

 なお、加藤委員、野田委員、平石委員、村田委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくこととします。本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。

 御異議がないようですので、承認を可とし、薬事分科会に報告といたします。

 それでは、議題8に移ります。機構から概要を説明してください。

○機構 審議事項議題8、資料14「医薬品アゾルガ配合懸濁性点眼液の生物由来製品及び特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否及び再審査期間の指定並びに毒薬又は劇薬の指定の要否について」、医薬品医療機器総合機構より説明いたします。

 本剤は、炭酸脱水酵素阻害剤であるブリンゾラミド及び非選択的 ベータ アドレナリン受容体遮断薬であるチモロールマレイン酸塩(以下、「チモロール」)を有効成分として含有する配合点眼液です。本邦において、ブリンゾラミドは「次の疾患で、他の緑内障治療薬が効果不十分又は使用できない場合:緑内障、高眼圧症」、チモロールは「緑内障、高眼圧症」を効能・効果として、それぞれ200210月及び1981年6月に承認されております。

 海外において本剤は、2013年5月現在、111か国で承認されております。本邦においては、201011月から臨床試験が開始され、今般、本剤の緑内障及び高眼圧症に対する有効性及び安全性が確認されたとして、製造販売承認申請が行われました。

 本申請の専門委員としては、資料17に記載しております4名の委員を指名いたしました。

 審査内容について、臨床試験成績を中心に説明いたします。

 有効性について、審査報告書10ページの表8及び12ページの表9を御覧ください。ブリンゾラミド単剤の開発時に実施された臨床試験において、ブリンゾラミドと比較してチモロールによる眼圧下降効果は有意に大きいという成績が得られていることを踏まえ、国内第III相試験として、緑内障又は高眼圧症患者を対象として、チモロールを1日2回投与するチモロール群を対照群として設定した001試験と、ブリンゾラミド及びチモロールをそれぞれ1日2回投与する併用療法群を対照群とした027試験が実施されました。いずれの試験においても、本剤は1日2回投与すると設定されております。表8は001試験の結果を示しており、当該試験において、主要評価項目である治療期終了時のベースラインからの眼圧変化量について、本剤群のチモロール群に対する優越性が検証されました。また、表9は027試験の成績を示しており、当該試験において、主要評価項目である治療期終了時のベースラインからの眼圧変化量について、本剤群の併用療法群に対する非劣性が検証されました。

 次に安全性について、審査報告書17ページの表11及び12を御覧ください。第III相試験において、本剤投与時に眼刺激、霧視、点状角膜炎の発現割合が高かったものの、ブリンゾラミド及びチモロールの各単剤点眼時、並びに両薬剤の併用点眼時を上回る傾向は認められませんでした。長期投与試験では第III相試験と比較して点状角膜炎等の眼局所の有害事象の発現割合が高く、長期投与試験では角膜炎に関連する有害事象は投与30日以降に発現していましたが、投与期間に伴い角膜炎に関連する有害事象の発現割合が増加する傾向は認められませんでした。長期投与試験で発現した角膜炎に関連する有害事象のほとんどは軽度であり、無治療で未回復の点状角膜炎3例を除き、いずれも無治療又は治療により消失しており、本剤投与時の安全性が臨床上大きな問題となる可能性は低いと考えております。

 以上の審査を踏まえ、本剤を「次の疾患で、他の緑内障治療薬が効果不十分な場合:緑内障、高眼圧症」の効能・効果で承認して差し支えないとの結論に達し、本第一部会で御審議頂くことが適当と判断いたしました。本申請は新医療用配合剤であることから、再審査期間は6年、製剤は毒薬又は劇薬のいずれにも該当せず、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当しないと判断しております。なお、薬事分科会には報告を予定しております。以上です。よろしく御審議のほど、お願いいたします。

○松井部会長 委員の先生方から御質疑をお願いします。

○松木部会長代理 配合剤については言いたくなるのですが、その点は置いておいて、効果をみるときに眼圧低下だけというのは、やはり正常眼圧の緑内障が増えておりますので。ただ、これはスタートしたときには、多分眼圧を見ればというところだったと思うのですが、せっかく新しい薬を配合で出していくのでしたら、もう少し違うパラメータも使ったらと思うのですが、その辺りはいかがでしょうか。

○機構 御指摘のとおり、やはり正常眼圧緑内障の方もいらっしゃいますので、眼圧だけで十分に緑内障に対する効果を評価することができるのかは、今後疑問が残ってくるところですが、やはり視野ですとそこまで早く変動するものではないので、なかなか短い期間で効果を十分に示すことは難しいと思いますし、今のところは視野につながるパラメータとして確立されているのが眼圧になりますのでサロゲートにはなってしまうのですが、臨床試験においては眼圧で評価することになるのではないのかと思っております。今後、長期間の有効性を見ていくことが可能な場合、ほかのパラメータを見ていくことが必要になってくるかと思います。

○松井部会長 ほかにはいかがでしょうか。特にありませんか。加藤委員、何かありますか。

○加藤委員 今の松木先生の御質問の内容を支持するコメントをしたいと思います。長い期間見るのが難しいという御返答ですけれども、こういう長期的な経過をたどる疾患で、実際にはエンドポイントは視野狭窄や視覚障害ですので、実際に臨床的に使われている薬の中では網膜の微小循環を改善することが作用機序の本体ではないかといわれているような薬物もありますから、そういう意味では、必ずしも眼圧に作用と疾患に対する有効性がパラレルではないものもあるかもしれません。そのような可能性もありえますので、何かこういう疾患を適応にする薬物に関しては、非常に長期間のフォローアップもきちんとできるような体制を、これから作り上げていく必要があるかと思います。これから高齢化して、どんどん症例数が増えてくると思いますので、国なり何なりが率先して作り上げていくのは、一つ大事な方向だと思います。

○松井部会長 ほかにありますか。もしないようでしたら、議決に入りますが、よろしいでしょうか。

○松木部会長代理 本質ではないかもしれないのですが、この専門委員の人数はどうやって決めているのですか。今回は4名ですが、1人は統計の専門家なので、若干少ないような気もするのですが。

○機構 通常、専門委員としては、臨床の専門委員の方を3名程度選ばせていただき、また、統計の専門委員も1名選んでおります。人数が増えるときには、1の1の新有効成分などになりますと、品質や薬物動態、薬理、毒性といった専門委員にもお願いしておりますので、人数がもう少し増えます。

○松井部会長 何か構成について書かれたもの、内規のようなものはあるのですか。それは、特にありませんか。

○審議役 特に内規のようなものを作ってはおりませんが、この提出された資料の構成によって、品質の資料が提出されていれば、品質の委員1名とか、非臨床の毒性の資料が提出されていれば、毒性の委員を1、2名ということで指名をしております。大体、資料の構成に従って同じぐらいの人数になっていると思います。

○松井部会長 よろしいですか。

○加藤委員 細かい言葉の問題を一つだけ確認させていただきたいのですが、報告書の10ページなどに「無作為化二重遮蔽並行群間比較試験」という言い方があり、これは二重盲検と同じ意味なのでしょうか。眼科領域ですと「盲検」の語は使わないとか、そういうルールだという理解でよろしいのでしょうか。参考までに教えてください。

○機構 そのとおりです。特に眼科領域ですと、盲検という「盲」という言葉を

使わないように、「遮蔽」とする傾向があります。

○松井部会長 よろしいでしょうか。それでは、議決に入ります。

 なお、野田委員、平石委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮頂くこととします。本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。

 御異議がないようですので、承認を可とし、薬事分科会に報告といたします。

 それでは、議題9に移ります。機構から概要を説明してください。

○機構 審議事項議題9、資料15「医薬品ビンダケルカプセル20 mg の生物由来製品及び特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否及び再審査期間の指定並び毒薬又は劇薬の指定の要否について」、医薬品医療機器総合機構より説明いたします。

 本剤の対象疾患であるトランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー(以下、「TTR-FAP)は、生体内でサイロキシン及びレチノール-レチノール結合タンパク質複合体の輸送を担うトランスサイレチン(以下、「TTR」)由来のアミロイドが神経細胞に沈着して神経障害を生じるアミロイドーシスの一種であり、国内患者数は約110140人と推定されています。主に3060歳代で発症し、遠位から近位にかけて感覚神経、運動神経及び自律神経の障害が進展し、発症から平均3〜15年程度で死亡するとされており、現在、本疾患に対して唯一の治療法は肝移植とされています。なお、TTR-FAPの発症に際しては、TTRの遺伝子変異が関与することが知られており、V30Mが国内外で最も多い変異型として知られています。

 本剤の有効成分であるタファミジスメグルミンは、米国FoldRx(Pfizer)により開発されたベンゾオキサゾール誘導体であり、TTRに結合して単量体への解離を抑制し、TTRの変性を抑制することで薬効を示すと考えられております。海外では、201111に欧州で承認されておりますが、米国においては、FDAより□□□□□□□□□□□□□□□と判断され、2012年6月に不承認とする審査結果が発出されております。本邦においては、201111月から臨床試験が開始され、今般、申請者はトランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチーの末梢神経障害の進行抑制に対する本剤の有効性及び安全性が確認されたとして、製造販売承認申請を行いました。

 本申請の専門委員としては、資料17に記載されております10名の委員を指名しております。

 審査内容について、臨床成績を中心に説明いたします。

 有効性については、TTR-FAPが希少性の極めて高い疾患であることを考慮し、海外で実施された第II/III相試験成績を有効性評価の主要な試験、国内臨床試験を日本人患者におけるTTRの安定化の確認及び疾患進行に対する有効性を探索的に検討するための試験と位置付けて、有効性の評価を行いました。審査報告書37ページの表20及び表21を御覧ください。海外第II/III相試験では、下肢の神経機能を評価するNeuropathy Impairment Score-Lower Limb(以下、「NIS-LL)及びニューロパチー患者のQOLを評価するNorfolk Quality of Life-Diabetic Neuropathy質問票により評価するTotal Quality of lifeスコア(以下、「TQOLスコア」)co-primary endpointに設定されております。NIS-LLの反応例の割合は、表20に示したとおり、プラセボ群29.5%、本剤群45.3%、TQOLスコアの変化量は、表21に示したとおり、プラセボ群7.2、本剤群2.0であり、いずれの評価項目においても、本剤群で進行抑制の傾向は認められたものの、プラセボ群との間に統計学的な有意差は認められませんでした。

 しかしながら、本試験では、ITT患者125例のうち、当初の予想を上回る34例が肝移植により中止しており、また、主解析では中止例のデータを保守的に取り扱うこととされていたことから、これらの要因が結果に影響したことが考えられます。次に、審査報告書41ページの表24及び表25を御覧ください。肝移植による中止例等を有効性解析対象から除外して再解析した結果、これらの表に示すとおり、いずれの評価項目においても、プラセボ群と比較して本剤群で統計学的に有意な差が示されました。

 また、国内臨床試験成績については、審査報告書38ページ「2)国内第III相試験」の項を御覧ください。限られた症例数の検討ではあるものの、国内臨床試験においてもTTRの安定化が確認されていることなどから、作用機序を踏まえますと、日本人TTR-FAP患者においても、一定の有効性を期待できるものと考えております。

 以上に加え、本剤の作用機序はTTR4量体の解離抑制作用であり、疾患の発症機序を標的とする薬理作用に基づく有効性の仮説と臨床効果について一定の一貫性のある説明が可能と考えられること、TTR-FAPが希少性が極めて高い致死的な疾患であること、肝移植以外に治療法が存在しないことも勘案しますと、本剤が投与された全症例を対象とする使用成績調査を実施し、長期的な有効性を引き続き検討することを前提として、現時点において本剤を医療現場に提供する意義はあると判断しております。

 次に、安全性についてですが、審査報告書49ページの表33を御覧ください。海外第II/III相試験では、尿路感染、膣感染等の発現割合が高い傾向が認められております。また、国内臨床試験では、重篤な有害事象として細菌性肺炎及び腎盂腎炎が認められていること、本剤が肝移植後の患者に対しても投与されると想定されることも踏まえ、本剤の感染症のリスクについては、臨床現場に対して十分に注意喚起する必要があると考えております。

 次に、効能・効果についてですが、審査報告書52ページ「1)V30M以外の変異を有する患者について」の項を御覧ください。TTR-FAPでは100種類を超える変異型が報告されていますが、海外第II/III相試験では、そのうち最も多い変異型であるV30M変異型を有する患者を対象に実施されており、その他の変異型における本剤の有効性及び安全性は明確となっておりません。また、審査報告書54ページの表40を御覧ください。TTR-FAPの重症度はこちらの表に示したように、3段階に分類されますが、海外第II/III相試験では98%がstage1に分類される患者であり、重症度の高い患者における本剤の有効性及び安全性は明確となっておりません。また、審査報告書55ページ「3)肝移植後の患者について」の項を御覧ください。国内外臨床試験において、肝移植後の患者に本剤を投与した経験はなく、また、当該患者では感染症のリスクの増加が考えられます。しかしながら、V30M以外の変異型についても、invitroではTTR4量体の解離抑制作用は認められていること、これら三つの集団の患者数は限られており、追加臨床試験の実施は困難と考えられること、本剤の対象であるTTR-FAPは肝移植以外に代替治療のない進行性の致死的な希少疾病であり、本剤の医療上の必要性は高いと考えられることから、医療現場に対してこれらの患者におけるデータがない又は少ないことについて十分に情報提供を行った上で、投与する場合には慎重に経過観察を行うよう注意喚起を行うことを前提として、これらの患者に対する本剤の投与を許容することは可能と考えております。

 以上の審査を踏まえ、製造販売後の全投与症例を対象とした使用成績調査の実施を承認条件として付した上で、本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、本第一部会で御審議頂くことが適当と判断いたしました。本申請は新有効成分含有医薬品であり、再審査期間は希少疾病用医薬品に指定されていることから10年、原体及び製剤はいずれも劇薬に該当し、生物由来製品及び特定生物由来製品にはいずれも該当しないと判断しております。なお、薬事分科会には報告を予定しております。よろしく御審議のほどお願いいたします。

○松井部会長 ありがとうございます。質疑に入る前に、村田委員から末梢神経障害のことで特に御発言があれば、お願いします。

○村田委員 この病気は、今御説明がありましたように、末梢神経障害なのですが、自律神経系の障害が非常に強く、下痢や心不全などが強く、末梢神経障害の中でも全身的な大きな問題があり、非常に難治な状態で、肝移植しかないというような状態です。改善率がそう高くないと言ってしまえばそうかもしれませんが、それでも少しでも良くなるものがあるのであれば、是非使いたいというのが患者の気持ちであり、主治医側の気持ちだろうと思っています。

○松井部会長 それでは、委員の皆様から御質疑をお願いします。

○佐藤()委員 二つ質問があります。一つは、聞き違いかもしれませんが、海外でアメリカが使わないと言ったのか、使えないと言ったのか、何か否定されたように聞きましたので、それをもう一度確認させてください。

 それから、全国で約120名いらっしゃるということで、肝移植に移った方が数十名いらっしゃるので、それを引いた方でプラセボとちょうど半分ぐらいに割って、群分けをして、プラセボが多分、表30の辺りで、我が国の治験例で、プラセボは投与しなかった人、本剤を投与した人64と、大体半々ぐらいの人に投与された結果がここに示されたので、もしこれが適応になってきたときには、このプラセボの人にも本剤を使っていいかという質問をされているのでしょうか。この2点について教えてください。

○松井部会長 まずは、海外の使用状況からお願いします。

○機構 海外の状況についてですが、御指摘いただいたように、アメリカでは2012年6月に不承認という判断が下っております。

○佐藤()委員 今、不承認と言った理由は何だったのでしょうか。

○機構 理由については、審査報告書の43ページを御覧ください。「3.米国における承認審査の経緯について」の項に記載しております。主な理由としては、i)v)に記載しておりますが、1点目は、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□という判断がされております。こちらに関しては、我々としても□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□という観点で検討しましたが、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□したものであり、本剤の□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□と考えております。また、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□のではないかと考えております。

 続いて、2点目です。□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□とFDAは指摘をしております。こちらに関しては、審査報告書の□□□□□□□を御覧ください。こちらが、□□□□□□□□□□□□□□□□□に関してです。こちらが、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□解析結果になります。□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□。また、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□と考えております。

 続いて、3点目として、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□とFDAは指摘をしております。それに関しては、本剤の作用機序はTTRの解離抑制作用であり、患者の遺伝子型や集積地にかかわらず共通していると考えられますので、こちらの海外第II/III相試験成績から有効性を議論することは可能と考えております。

 このような様々な検討を行った結果、医薬品医療機器総合機構としては、本剤の有効性は示唆されているものと考えております。

○松井部会長 いかがですか。ほかにはありますか。

○佐藤()委員 日本で120数例とおっしゃったので、長野県、熊本県、石川県に家族性があるようですが、この人たちを半々に分けてというと、プラセボと本剤、プラセボは投与しないというか違うので、本剤が使われて、もしこれで認可されてきた時点では、このプラセボの人たちにも投与していいかということを最後におっしゃったのですか。そこまで言ってはおられないですか。

○機構 二つ目の質問の表30に関してのお答えですが、右の二つの行に記載しているプラセボ、本剤という記載は、海外の第II/III相試験成績ですので、こちらは日本人の成績ではありません。日本人の成績に関しては、中央の行に記載しているB3461010試験が日本人で行った試験成績で、こちらは10例全て本剤が投与された症例になります。

○佐藤()委員 プラセボはないということですね。

○松井部会長 ないのですか。

○機構 国内試験については、プラセボ群は設定されておらず、本剤群のみの非盲検非対照試験として実施されております。

○松井部会長 ほかにはありますか。よろしいでしょうか。

○審査管理課長 先ほど、アメリカが不承認ということで、佐藤先生から説明を要求頂きましたが、その前にも、そもそも同じデータパッケージで、EUは2011年に承認ということで結論が出ております。ヨーロッパは承認をされ、同じパッケージでFDAは、いわゆる□□□□□□ということなので、完全に有効性を否定しているものではないと私どもは理解をしているところです。ただ、□□□□□□□□□□□□□□□□□というようなことです。その理由として、先ほどPMDAから説明をしたようないろいろな理由が上げられますので、私どもは日本での非盲検非対照試験ではありますが、そのような追加のデータを見て、日本人の有効性、安全性については評価ができるということで、本日この部会に上程をさせていただいたという経緯があります。

○松井部会長 では、米国で不承認というよりは、むしろ断定されていないと受け取ればよろしいわけですね。

○審査管理課長 英語の原文があるので□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□というような表記にはなっていないと理解をしております。

○松井部会長 よろしいでしょうか。ほかにありますか。

○鈴木委員 言い方が不適切ではないですか。日本語にきちんと「不承認」と書いておきながら、口頭でそういうあやふやなことを言うのは。それなら、きちんとその旨を書いたらいいのではないですか。

○審査管理課長 申し訳ございません。3ページに「□□□□□□□□□□□□□□□と判断され、2012年6月に不承認」ということですので、その前段を説明申し上げたつもりです。審査報告書の3ページです。

○松井部会長 何行目ですか。

○審査管理課長 一番下から4行目に「なお、米国においては、□□□□□□□□□□□□□□□と判断され、2012年6月に不承認とする審査結果がFDAより発出され」ということで、単に不承認ということではなく、前段の□□□□□という所を補足で説明させていただいたところです。

○松井部会長 「不承認とした」と書いてありますが。

○審査管理課長 結果としては不承認ですが、□□□□□□というところが、この場合にはポイントと思っております。さらに、43ページを御覧頂きますと、3.の「米国における承認審査の経緯」の5行目に「□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□」と説明があります。

○松井部会長 では、この米国における承認審査の経緯については、これから理解できるということですね。ほかに御意見はありますか。それでは、議決に入ります。

 なお、野田委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮頂くこととします。本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。

 御異議がないようですので、承認を可とし、薬事分科会に報告といたします。

 以上で審議事項は終了しましたので、報告事項議題1に移ります。

 それでは、事務局から説明をお願いします。

○事務局 報告事項議題1、資料7「医薬品コンプラビン配合錠の製造販売承認について」、報告いたします。

 本剤は、クロピドグレル硫酸塩とアスピリンの2種類の抗血小板薬を有効成分とした配合剤です。

 現在、クロピドグレル硫酸塩とアスピリンを有効成分として作る医薬品は、それぞれ既に承認されており、クロピドグレル硫酸塩の既承認効能・効果のうち、「経皮的冠動脈形成術(PCI)が適用される下記の虚血性心疾患 急性冠症候群(不安定狭心症、非ST上昇心筋梗塞、ST上昇心筋梗塞)、安定狭心症、陳旧性心筋梗塞」では、アスピリンを併用するよう規定されており、PCIが適用される虚血性心疾患患者の治療において、両薬剤の併用が標準的な治療法となっております。

 今般、サノフィ株式会社より、これら2成分を有効成分とする本剤の医薬品製造販売承認申請がなされました。

 医薬品医療機器総合機構における審査の結果、本申請を承認して差し支えないと判断しました。

 報告事項議題2、資料8「医薬品水溶性プレドニン10 mg 、同20 mg 、同50 mg 、プレドニン錠5 mg 、プレドニゾロン錠1 mg ( 旭化成)及び同錠5 mg ( 旭化成)の製造販売承認事項一部変更承認について」報告します。

 今回申請があった、合成副腎皮質ホルモンであるプレドニゾロンコハク酸エステルナトリウムを有効成分とする注射剤及びプレドニゾロンを有効成分とする錠剤は、既に、内科・小児科領域、外科領域、整形外科領域、産婦人科領域等、様々な領域に関する多数の効能・効果で承認されております。

 今般、塩野義製薬株式会社から、水溶性プレドニゾロンに関して、「川崎病の急性期(重症であり、冠動脈障害の発生の危険がある場合)」の効能・効果を追加することについて、プレドニゾロン錠に関して、「川崎病の急性期(重症であり、冠動脈障害の発生の危険がある場合)」及び「デュシェンヌ型筋ジストロフィー」の効能・効果を追加することについて、製造販売承認事項一部変更承認の申請がなされ、また、旭化成ファーマ株式会社から、プレドニゾロン錠に関して、「川崎病の急性期(重症であり、冠動脈障害の発生の危険がある場合)」及び「デュシェンヌ型筋ジストロフィー」の効能・効果を追加することについて、製造販売承認事項一部変更承認の申請がなされました。

 「川崎病の急性期」の効能・効果については、厚生労働科学研究費補助金により実施されたRAISEstudyの成績に基づく公知申請がなされています。また、「デュシェンヌ型筋ジストロフィー」の効能・効果については、医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議において取りまとめられた公知申請への該当性に係る報告書に基づき、平成25年2月7日に開催された本部会において公知申請が可能と判断されたことに伴う公知申請となっております。

 医薬品医療機器総合機構における審査の結果、いずれの申請も承認して差し支えないと判断いたしました。

 続きまして報告事項議題3、資料9「医薬品プレミネント配合錠HDの製造販売承認について」報告いたします。

 本剤は、アンジオテンシンII受容体拮抗薬であるロサルタンカリウム100 mg と、チアジド系利尿薬であるヒドロクロロチアジド12.5 mg を有効成分とした配合剤であり、「高血圧症」の効能・効果で既に承認されている各有効成分を含有する降圧薬です。

 今般、MSD株式会社から、ロサルタンカリウム50 mg 及びヒドロクロロチアジド12.5 mg を含有する既承認の配合剤「プレミネント配合錠」に加えて、ロサルタンカリウムの配合量が異なる本剤を追加する製造販売承認申請がなされました。

 医薬品医療機器総合機構における審査の結果、本申請を承認して差し支えないと判断しました。なお、本剤の追加に伴い、既承認の「プレミネント配合錠」の販売名を「プレミネント配合錠LD」と変更する予定です。

 報告事項議題4、資料10「医薬品グルファスト錠5 mg 及び同錠10 mg の製造販売承認事項一部変更承認について」、報告いたします。

 本剤は、ミチグリニドカルシウム水和物を有効成分とする経口血糖降下薬であり、既に、本剤の単独使用、α-グルコシダーゼ阻害剤との併用療法、チアゾリジン系薬剤との併用療法について承認されています。

 今般、キッセイ薬品工業株式会社から、本剤と他の経口血糖降下薬との併用を追加し、2型糖尿病へ効能・効果を変更する製造販売承認事項一部変更承認の申請がなされたものです。

 医薬品医療機器総合機構における審査の結果、本剤と他の経口血糖降下薬を併用した際の有効性及び安全性が確認されたことから、本申請を承認して差し支えないと判断しました。

 報告事項議題5、資料11「医薬品リピオドール48010mLの製造販売承認事項一部変更承認について」報告いたします。

 本剤はヨード化ケシ油脂肪酸エチルエステルを有効成分とする、油性注射液であり、現在、「リンパ系撮影、子宮卵管撮影」の効能・効果で承認されています。

 本剤については、医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議において公知申請への該当性に係る報告書が取りまとめられ、平成25年4月26日に開催された本部会における事前評価を踏まえて、ゲルベ・ジャパン株式会社から、「医薬品又は医療機器の調製」の効能・効果を追加する製造販売承認事項一部変更承認の申請がなされました。

 医薬品医療機器総合機構における審査の結果、本申請を承認して差し支えないと判断しました。

 報告事項議題6、資料12「医療用医薬品の再審査結果について」報告します。お配りしている資料、「医薬品再審査確認等結果通知書」ですが、不備があります。頭紙の上部、一般的名称と販売名が逆に記載されています。訂正させていただきます。

 改めまして、一般的名称は「イオマゼニル(123I)」、販売名は「ベンゾダイン注」です。

 こちらの品目について、製造販売後の使用成績調査に基づいて再審査申請が行われ、審査の結果、薬事法第14条第2項第3号に掲げられている承認拒否事由のいずれにも該当しないこと、すなわち、効能・効果、用法・用量等の承認事項について変更の必要はない「カテゴリー1」と判定したものです。以上です。

○松井部会長 ありがとうございます。委員の先生方から、御質問等ありましたらお願いします。

 特にないようですので、報告事項については御確認頂いたものといたします。

 本日の議題は以上ですが、事務局から何か報告はありますか。

○事務局 次回の部会は1028()午後3時から開催させていただく予定です。よろしくお願いいたします。

○松井部会長 今日は遅くまで御苦労さまでした。これにて閉会といたします。どうもありがとうございました。


(了)

備考
本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。

連絡先:医薬食品局 審査管理課 課長補佐 益山(内線2746)

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