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2013年12月17日 第79回労働政策審議会安全衛生分科会

労働基準局安全衛生部計画課

○日時

平成25年12月17日(火)16:00~


○場所

厚生労働省 省議室(中央合同庁舎第5号館9階)


○出席者

委員:五十音順、敬称略

明石祐二、犬飼米男、岡本浩志、小畑明、栗林正巳、新谷信幸、鈴木睦、辻英人、角田透、土橋律、中澤喜美、中村聡子、縄野徳弘、水島郁子、田久氏(勝野委員代理)、上條氏(中村節雄委員代理)

事務局:

半田有通 (安全衛生部長)
井内雅明 (計画課長)
奈良篤 (安全課長)
泉陽子 (労働衛生課長)
森戸和美 (化学物質対策課長)
毛利正 (調査官)

○議題

(1)今後の労働安全衛生対策について(報告書案その2)
(2)その他

○議事

○分科会長 定刻になりましたので、ただいまから第 79 回労働政策審議会安全衛生分科会を開催いたします。本日の出欠状況は、公益代表では桑野委員、城内委員、三柴委員、山口委員。労働者代表では勝野委員、半沢委員。使用者代表では中村節雄委員が欠席されております。また、勝野委員の代理として全建総連の田久様、中村節雄委員の代理として日本商工会議所の上條様が出席されております。

 それでは、議事に移ります。本日の議題は「今後の労働安全衛生対策について ( 報告書案その 2) 」の 1 件となります。まず、報告書案について、前回の審議を踏まえ事務局で修正案を作成しておりますので、説明をお願いします。

○井内計画課長 それでは、資料 1-1 、資料 1-2 に基づき、修正部分を御説明させていただきます。「今後の労働安全衛生対策について ( 報告 )( ) 」という資料 1-1 です。前回これについて御議論を頂き、更に表現を修正していただきたいという御意見があり、それについて今回事務局で検討しまして、見直した案を資料 1-1 としてお配りしております。

 報告書の案の修正部分については資料 1-2 にありますので、こちらを一緒に御覧いただければと思います。報告書案の2ページの 1 「化学物質管理のあり方」の「対策の方向性」のイから 3 ページにかけてのところです。リスクアセスメントの結果の保存義務について明記すべきだという御意見が出されたということを踏まえ、修正しています。その修正内容は、「リスクアセスメントに基づく措置が適切かつ着実に実施されるようにするため、事業者が実施したリスクアセスメントの結果について、備え付ける等により労働者に周知されるようにするべきである」ということで、御意見を踏まえてそれを反映した形で修正しているのが 1 点目です。

3 ページの「対策の方向性」のオ、混合物についてのラベル表示に関してですが、修正理由は、安全データシートにも全ての成分が記載されていることを踏まえて、ラベルへの成分の表示については合理化するという原案になっていたのですが、「合理化する」という表現について、労働者に伝わりやすくするということであれば、内容が分かる表現にするべきという御意見が出されたことを踏まえ、「ラベルへの成分の表示については、安全データシート (SDS) にも全ての成分が記載されていることを踏まえて、労働者に情報が伝わりやすくなるよう見直すことが適当である」と修正しています。

3 点目は、メンタルヘルスについて、 7 ページです。 7 「職場におけるメンタルヘルス対策」の真ん中ぐらいですが、前回いただいた御意見としては、平成 22 年の建議に記載されていた職場復帰支援の実施などはやらないのかという御質問があったことを踏まえ、そうした対策も含まれていることを明示するために、「総合的な」という文言を追加しています。なお、今回の報告書案は新たな制度改正に係るものを中心に記載していますので、これまでやってきたような、継続していくような支援措置等については、詳細な記載はしないということで整理をさせていただいております。

 したがいまして、修正内容は「建議後のメンタルヘルス対策の実施状況をみると、メンタルヘルスケアに取り組んでいる事業場の割合は、平成 23 年の 43.6 %から、平成 24 年には 47.2 %に増えているが、従業員数が 50 人未満の小規模事業場においては、依然として取組が遅れているなど、総合的なメンタルヘルス対策の必要性は引き続き高く、特に小規模事業場における対策の促進が必要である」ということで修正をしています。

 同じくメンタルヘルス対策の方向性のアの所です。前回の記述では、御意見として出ましたのは、前回の法案と枠組みが変わらないことがもっと分かるように記載するべき、という御意見があったことを踏まえまして、ストレスチェック制度の基本的な枠組みを記載をするということで修正しています。

 アの所を読ませていただきますと、「平成 22 年の建議に基づく労働安全衛生法の一部を改正する法律案を踏まえつつ、各事業場で現在行われている取組も十分勘案した上で、労働者自身のストレスの状況についての気づきを促し、ストレスの状況を早期に把握して必要な措置を講じることにより、労働者がメンタルヘルス不調となることを未然に防止することを目的として、事業者が医師又は保健師によるストレスの状況を把握するための検査や労働者の申出に応じて医師による面接指導等を行い、必要な措置を講じること等を内容とする新たな仕組みを設けることが適当である」ということで、ストレスチェック、面接指導等、それに基づく必要な措置というようなことを書き出しています。

 その他、御意見ありましたが、そのときに御議論があって、いやそうではないというような御意見があったりしましたので、今回修正としては、資料 1-1 1-2 に記述したような内容で事務局として提案させていただきます。説明は以上です。

○分科会長 ただいまの説明について審議をお願いいたします。質問、発言等ございますでしょうか。

○小畑委員  8 ページの受動喫煙防止対策について、前回の分科会での労働側委員の発言を踏まえて、 4 か所の修正を行っていただいたことに、まずは感謝を申し上げたいと思います。ただ、受動喫煙防止対策に関しては、前回の建議のとおり、一般の事務所、工場等については、全面禁煙や空間分煙とすることを事業主の義務とすべき旨、報告書に明記することを、前回の分科会において求めたにもかかわらず、残念ながら反映されるまでには至っていません。一般の事務所、工場等において、全面禁煙もしくは空間分煙を徹底することが望ましいという考え方自体は、公労使の認識が一致しているものと理解しています。したがって、今後、法案の内容の検討を行うにあたっては、前回の建議の内容から後退することなく、受動喫煙防止対策が徹底されるよう、引き続き取組を進めていく必要があるということを、意見として申し上げておきたいと思います。

○分科会長 御意見ということですが、何か御発言はございますでしょうか。

○明石委員 今、受動喫煙の防止については義務化という話でしたが、前回、当方では努力義務化でいいのではないかという御提案をさせていただきました。平成 24 年度の労働者健康状況調査でも、 23 年から 24 年の間に 1 年間で 14 %ほど対策が伸びており、受動喫煙防止に対して何らかの取組をしている所は 81.1 %に及んでいます。これは義務付けのない中で自主的な活動として伸びている数字です。 3 年前からこのように大きく取組が進んでいるところを勘案しますと、努力義務で十分に対策はできるのではないかと考えています。

○分科会長 ほかにいかがでしょうか。

○新谷委員 今明石委員がおっしゃったように、それだけ対策が進んだということですから、逆に言えば、もう一歩進めて、前回の改正法案にあったような形で盛り込んでいただきたいということを、私たちとしては重ねて申し上げたいと思います。

○明石委員 我々は実効性を主とするべきであると思っておりますので、義務化する必要はないと思います。

○分科会長 事務局としてはいかがでしょうか。

○井内計画課長 ただいまそれぞれ御意見がございましたが、前回も同様の御意見があったわけです。今回、この報告書案につきましては、公益委員がおまとめいただいた議論のまとめの方向性を受けて御議論していただいてきているわけですが、やはりこの分科会の中で、懸念を示す御意見もあったことを公益委員の方々も示していただいて、議論をまとめていこうということでお示しいただいたわけです。今もそれぞれの側からの御意見がありましたが、この報告書案についてもいろいろと御意見を頂いているということを踏まえて、法案の内容を検討することといたしたいと思っております。御意見を踏まえて、これから法案の内容を検討させていただければと考えております。

○分科会長 ただいま計画課長からありましたように、報告書案では分科会での議論を踏まえて、今後、法案の内容を検討することとなっておりますので、報告書案としてはこの形でいかせていただくということで、法案の内容につきましては、事務局に検討をいただくという形にさせていただきたいと思います。

 それでは、その他ございますでしょうか。

○中澤委員 意見というよりも御要望です。先ほどの化学物質関係の所で、対象物質が拡大されると、新たに対象となる業種もあると考えられると思いますので、国等におかれましては、新たにアセスメントの対象となる事業者への周知徹底も併せてお願いをしたいと思います。

○分科会長 御要望ということですが、事務局側、何かございますか。

○森戸化学物質対策課長 御要望を踏まえまして、十分な周知を図っていきたいと考えております。

○分科会長 ほかに御質問、御意見等はございますでしょうか。

○明石委員 今の資料 1 にも 2 にも出てきたところですが、メンタルヘルス対策のアです。この案はア全体で一行となっているので、主語、述語というか、ちょっと読みにくいのです。下線を引いている所を考えると、何か事業者がストレス状況を把握すると読めないこともないので、ここら辺は少し文章的に考えていただきたいと思います。

○分科会長 事務局側いかがでしょうか。

○泉労働衛生課長 読みやすいように、少し文章の整理をしたいと思います。

○分科会長 ほかに御意見、御質問ございますか。

○岡本委員 質問なのですが、 5 の「企業における安全管理体制の適正化」のアの所で、安全管理者や安全衛生推進者の選任が義務付けられていない業種、その他の小売業、社会福祉施設などと書いてあるのですが、質問なのは、本社や事務所も含まれるのでしょうか。それとも、もともとの趣旨は労働災害が多い小売業とか、社会福祉施設に何らかの対策が必要という趣旨なので、ここに書いてあるとおりだと思うのですが、それともやはり本社などの事務系の職場も対象になるのでしょうか。

○奈良安全課長 基本的には、これまで御議論をいただいた方向性というように理解をしています。

○分科会長 ほかにいかがでしょうか。

○明石委員 もう 1 つメンタルヘルスの所ですが、アの 4 段目に労働者がメンタル不調になることを未然に防止することが目的と書いてあって、ウの 8 ページ目の下から 2 行目に、精神疾患の発見を一義的な目的としないと書いてあります。厚労省の指針を読むと、メンタルヘルス不調はかなり広い部分で捉えられていると思うのですが、精神疾患の発見等メンタルヘルス不調の発症みたいなところについて、医学的に見解みたいなものはあるのでしょうか。

○分科会長 という御質問ですが、いかがでしょうか。

○角田委員 御質問の趣旨ですが、メンタルヘルス不調の定義というようなことでしょうか。

○明石委員 ストレス不全になって病気になりますね。それは最初に精神疾患があってストレス不調なのか、そういうことです。

○角田委員 ストレスによるメンタルヘルス不調ということを考えますと、精神疾患が前にあるということはお考えにならなくてよろしいのではないかと思います。例えば過重労働とか、あるいは繰り返す強いストレスの負荷がかかるとかいうようなことですが、そのようなことによるメンタルヘルス不調、あるいはメンタルヘルス不調の前段階の状態というのが、考えられるのだと思います。そういうものも含めて、アの中では、未然に防止することが目的であるという趣旨と読み取れると思います。そのことがウの考え方の中ですが、病気を見つけるのが目的の一番目ではないという趣旨であると御了解いただければよろしいのではないかと思います。もちろん病気が既にあるような方の場合、症状が出るということはあるかもしれませんが、普通に働いてらっしゃる方ですから、そうしたことはここでは考えなくてもよろしいのではないかと思います。そのように御了解いただければ、そんなにおかしな文章ではないと思います。

○分科会長 ほかに御発言はございますでしょうか。

○中澤委員 「欠陥のある機械等の回収・改善方策」の所なのですが、 5 ページの対策の方向性で、イの段落の「なお、ア及びイについて、機械によっては流通途中や機械使用者によって改造がなされる場合があること等に留意する必要がある」という部分の意味合いをお教えいただきたいのですが。

○奈良安全課長 ここの部分の意味合いは、仮に機械に欠陥があったとしても、必ずしもメーカーが責任を負うものではないと。ここに書いてあるとおり、流通過程で変わってしまったり、ユーザーサイドで新たなものを付加したりということがあるので、現状といいますか、よく見るべきだという趣旨です。

○中澤委員 機械を使用する事業者によって改造される場合もあるというように理解をしています。一方で、ものづくり事業においては、使用機械を自らが改良することは開発のための 1 つのアイデアそのものである場合があります。結果としての改良規制が、開発意欲に水を差すこととならないような配慮が必要ではないでしょうか。

○分科会長 よろしいでしょうか。ほかに御発言ございますでしょうか。それでは、事務局側から何かありますでしょうか。

○井内計画課長 先ほど 7 ページのメンタルヘルスの所について御意見がございましたので、そちらについては、委員の方々は何を今回やろうとしているのかということは皆さん御存知のとおりでありますので、主語述語だとか日本語としての修正文を考えまして、間違いないような形に直しまして、座長に御相談をさせていただきたいということで、そのような形で進めさせていただければと思いますが、いかがでしょうか。

○分科会長 よろしいでしょうか。ほかに御発言はございませんか。

○角田委員 メンタルヘルスに関していろいろなお話がありますが、ストレスチェックというのが大きな話題ではないかと思います。例えば健康診断とか、健康測定とか、働いている人の健康状態をチェックするようなことはたくさんあるのですが、経験的に私が思うに、そうしたことを実施するに際して、それぞれ、それ相応の当事者能力のある方にやっていただくように、ある程度のきちんとした裏打ちといいますか、そんなことがこのストレスチェックにも必要ではないかなと思います。必ずしもそういうことをしなければならないということにはならないかもしれませんが、何か基準を設けて、質の高いストレスチェックができるようなことは必要ではないかなと思います。細かな話はありませんでしたがちょっと感じております。コメントということです。

○分科会長 御意見ということでありがとうございました。ほかに御発言はございますでしょうか。なければ、「今後の労働安全衛生対策について ( 報告 ) 」につきましては、先ほどありました文章が読みにくいという部分の修文につきましては、座長の私に一任いただいて、これを取りまとめという形にしたいと思いますが、よろしいでしょうか。

                              ( 異議なし )

○分科会長 ありがとうございます。それでは、次回分科会で建議としますので、事務局は準備をお願いします。

 議題は以上です。本日も熱心な御議論をありがとうございました。最後に事務局から連絡事項をお願いします。

○井内計画課長 本日も御議論いただきましてありがとうございました。今、分科会長からお話がありましたが、次回は建議ということで準備をさせていただきたいと思います。次回の分科会は 12 24 16 時から、場所は今日と同じこの厚生労働省省議室で開催する予定になっておりますので、よろしくお願いいたします。議題としては、建議のほかに、報告事項がありますので、そちらも併せて議題とさせていただきたいと思っております。どうぞよろしくお願いします。

○分科会長 それでは、本日の分科会はこれで終了いたします。なお、議事録の署名につきましては、労働者代表委員は縄野委員、使用者代表委員は明石委員にお願いしたいと思いますので、よろしくお願いします。本日はお忙しい中ありがとうございました。


(了)

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