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2013年9月17日 第193回労働政策審議会職業安定分科会労働力需給制度部会 議事録

職業安定局派遣・有期労働対策部需給調整事業課

○日時

平成25年9月17日(火)14:00〜


○場所

厚生労働省 専用第12会議室


○出席者

(公益代表)鎌田委員、柴田委員、橋本委員、阿部専門委員
(労働者代表)石黒委員、新谷委員、宮本オブザーバー
(使用者代表)秋山委員、小林委員、高橋委員、青木オブザーバー、大原オブザーバー

事務局

岡崎職業安定局長、宮川派遣・有期労働対策部長、鈴木企画課長、富田需給調整事業課長
松原派遣・請負労働企画官、鈴木主任中央需給調整事業指導官、亀井需給調整事業課長補佐、木本企画調整専門官

○議題

今後の労働者派遣制度の在り方について

○議事

○鎌田部会長 定刻となりましたので、ただ今から第 193 回労働力需給制度部会を開催いたします。

 本日は、労働者代表の宮本委員、公益代表の竹内専門委員、春木オブザーバーが所用のため御欠席されると伺っておりますが、宮本委員の代理として全建総連の清水組織部長が御出席されています。

 それでは、本日の議事に移りたいと思います。本日の進め方としては、前回私からお話したように、個別の論点の議題に入る前に、まず労働者派遣の現状について幅広に御議論を頂きたいと思います。皆様から頂いた意見も踏まえ、事務局から資料を出してもらいましたので、御自由に御議論いただければと思います。その後に、本日お配りしている論点 ( ) の議論に移りたいと思いますので、お含みおきいただきたいと思います。それでは、事務局から資料の説明をお願いいたします。

○亀井補佐 それでは、私から本日お配りしている資料について要点を御説明します。まず、議事次第を御覧いただいて、本日は資料 7 種類と参考資料 2 種類を御用意していますので、お手元の資料を御確認いただき、万が一、過不足等がありましたら事務局にお伝えいただければと思います。それでは資料 1 から順に御説明をします。

 まず資料 1 です。労働者派遣の現状についてです。こちらの資料は、表題の下にある通り、今後の労働者派遣制度の在り方に関する研究会報告書の別添参考資料から労働者派遣の現状に係る資料を抜粋したものです。

 まず参考 1 です。労働者派遣制度の概要について、派遣元・派遣先・労働者の三者関係を中心に、労働者供給等と対比させながら説明した資料です。

 続いて 2 ページ目です。参考 2 「労働者派遣法改正法の概要」です。こちらは、平成 24 年労働者派遣法改正法の概要をまとめたものです。見出しにあるように、事業規制の強化をはじめとする 3 つの柱とともに、※マークにありますが、法律の名称に「派遣労働者の保護」を明記し、目的規定に「派遣労働者の保護・雇用の安定」を明記し、更に、「登録型派遣の在り方」等を検討事項とするという内容が盛り込まれています。

 続いて参考 3 「派遣元事業所数の推移」です。こちらは、参考 3 〜参考 5 まで派遣元、派遣先、派遣労働者数の推移が続きます。平成 20 年度を境に、派遣元事業所数の増加傾向は横這になっている一方で、▲で表記されている一般のほうの事業所数は減少に転じており、■で表記されている特定の事業所数は増加が続いています。派遣先の利用状況、派遣労働者の状況も、この傾向に合わせて推移をしています。

 続いて、参考 6 の「正規雇用・非正規雇用労働者の推移」です。こちらは総務省の労働力調査に基づいて正規・非正規雇用の労働者の推移を表したものです。非正規雇用労働者は、数・割合ともに増加を続けていて、そのうち直近では 5 %を派遣労働者が占めているという資料になっています。

 参考 7 「非正規雇用の労働者の推移」です。こちらは参考 6 の非正規雇用の労働者の推移を雇用形態別に表したものです。派遣労働者は、真ん中の濃くなっている部分ですが、平成 20 年度の 140 万人を境に数・割合ともに減少を続けています。一方、契約社員・嘱託、アルバイト、パートというようなほかの形態の数は増加を続けています。

 参考 8 です。「派遣という働き方を選んだ理由」を、インターネットを利用した調査により、派遣労働者に直接お尋ねしています。回答としては、一番左の正社員として働きたいが職が見つからなかったという回答が約39%で最も高いです。これに続くものとしては、希望する勤務地、勤務期間、勤務時間が選べる、希望する仕事内容を選べる、私生活との両立が図れる、紹介が迅速など、派遣のマッチング機能に関わる回答が続いています。

 参考 9 です。「派遣就労をする直前の状況」です。こちらは同じく、インターネット調査により、派遣労働者に就労前の状況を尋ねたものです。一番上の全体の結果を御覧いただくと、派遣以外の就労が約 69 %で一番多く、これに次いで無職が約 15 %を占めています。年齢別に分解したグラフがありますが、 20 代を見ると男女ともに学卒直後の割合が高くなるという結果になっています。

 参考 10 です。こちらは同じ調査により、派遣労働者に就労前の雇用形態を尋ねたものです。一番上の全体の結果を御覧いただくと、正社員だった方が約 58 %、それに次いでパート・アルバイト、契約社員という内容になっています。

 参考 11 です。郵送調査により、派遣先に対して、「労働者派遣を利用する理由」を複数挙げてもらったものです。表 1 が正社員、表 2 が派遣以外の非正規ではなく派遣を受け入れる理由という形でまとめています。表 1 、表 2 のいずれも、必要な人員を迅速に確保できるためという理由が最も高くなっています。次に、一時的・季節的な業務量の増大に対処するためです。それに続いて、専門的な知識・技術を必要とするためという理由が上位を占めています。真ん中辺りに、コストが割安なためという回答もありますが、こちらの割合は相対的に高くはないという状況です。

 参考 12 です。「派遣労働者の受入れについての方針」を同じく郵送調査により派遣先に問うたものです。グラフを御覧いただくと、現状維持の方針をとってきたという回答が最も多いですが、減らしてきたという回答も多い状況です。

 参考 13 は、厚生労働省に寄せられる事業報告に基づいて、派遣労働者を業務別・雇用形態別に分けたものです。総数 137 万人のうち、いわゆる「 26 業務」に従事する方々は 64 万人で約 5 割、製造業務に従事する方々が 26 万人で約 2 割、それ以外が 47 万人で約 3 割という結果になっています。雇用形態別に見ると、常時雇用されている方々が 86 万人で約 6 割。それ以外が 51 万人で約 4 割となっています。

 参考 14 です。こちらは、いわゆる「 26 業務」とは何かということを解説した資料です。

 参考 15 は、郵送調査により、派遣元に対して「派遣可能期間の制限を回避するための部署の変更」について尋ねたものです。表 1 で全体の結果を御覧いただくと、「ある」が 2 割弱で、「ない」が 8 割を超えています。一般と特定に分けてみると、一般のほうが特定より多いという結果になっています。表 2 においては、受入れ部署を具体的にどう変えたのかということをまとめていますが、「異なる事業所」が最も多い結果となっています。

 参考 16 は、「派遣可能期間の制限を回避するための部署変更」です。これは、派遣労働者にネット調査を通じて尋ねたものです。こちらの結果を見ると、部署を変わったことが「ある」が約 16 %、「ない」が約 79 %と、事業所に聞いた結果とおおむね変わらない内容になっています。 一方、表 2 は、変わった部署との関係ですが、事業所よりも「異なる部に変わった」というのが最も多くなっていて、その他の選択肢はおおむね同じぐらいとなっています。表 3 は、仕事内容が変わったのか変わってないのかを問うたものです。

 参考 17 です。「いよぎんスタッフサービス事件 最高裁判決 ( 概要 ) 」です。こちらは、派遣法は常用代替防止を立法目的としているところ、同一事業所への派遣を長期間継続することにより、雇用継続への期待権が生じるのか否かということについて、これを認めなかった事案です。

 参考 18 です。「朝日放送事件 判決 ( 概要 ) 」です。こちらは請負の事案において、雇用主ではない発注元に部分的に労組法上の使用者性が認められた事件の関連判決や中労委命令等の概要をまとめたものです。

 参考 19 は、「派遣元事業主との雇用契約期間」です。こちらはインターネット調査により、派遣労働者にお尋ねしたものですが、全体を御覧いただくと、「 30 日超〜 3 か月以内」という方々が 3 割強で最も多く、一方、 1 年を超える期間の方々も半数以上いることが分かるかと思います。下の欄ですが、常用型か登録型かを分けてみると、常用型の場合は、 1 年を超えるものが大体 7 割程度で、登録型は約 6 割程度という違いが出てまいります。

 参考 20 です。こちらは郵送調査によって「派遣元で無期雇用されている派遣労働者」を始め、雇用形態を尋ねたものです。 a 欄が常用雇用の割合で、 d 欄が常用以外の割合です。 b 欄と c 欄が a 欄の内訳です。 b 欄は常用かつ正社員として、 c 欄は常用かつ無期としてという形になっています。

 一般と特定に分けてみると、一般は約 6 割が常用、約 4 割がこれ以外です。参考 13 の結果と、おおむね同様です。一方、特定の方々は 9 割以上が常用となっていて、これ以外はわずかです。

 参考 21 です。こちらは同じ郵送調査により、「派遣労働者を無期雇用している理由」を尋ねたものです。一般と特定別に見ると、左から 3 つ目ですが、一般の場合は「能力や技術の高い労働者を確保する」という回答が 5 割弱、「本人の希望がある」が 2 割強です。特定の場合は、 8 割強が「能力や技術の高い労働者を確保するため」という回答になっています。

 参考 22 ですが、こちらは事業報告に基づいて、「派遣料金と派遣労働者の賃金の推移」を表したものです。一般・特定ともに平成 19 年度に落ち込んだ後は緩やかに増加を続けているという状況が見て取れます。

 参考 23 は、「派遣労働者の時給の比較」を独立行政法人労働政策研究・研修機構( JILPT )の調査結果を元に雇用形態別に比較したものです。左から順に時給が低いという形になっています。一番上の列の常用型でかつ期間の定めのない雇用の場合は、平均 1,670 円で、これに次いで常用型派遣社員 ( 有期 ) 、登録型派遣社員という順に時給の水準が下がっております。

 参考 24 です。「各種研修の受講経験の有無」を JILPT の調査を基にまとめたものです。下の段の右から 2 列目を見ると、ここに挙げられている派遣会社の研修を受けたことがないと答えている方が、登録型の場合は 42.5 %、常用型の場合は 38.5 %、常用かつ無期の場合は 31.6 %います。登録よりも常用、更には常用の中でも、有期よりも無期のほうが研修の受講経験が多いといった傾向が見て取れるかと思います。

 参考 25 です。こちらは郵送調査により、派遣元に定期的に「賃金アップ」を行っているかどうかということを尋ねた結果です。一番右の列の「常用雇用以外」は行っていると答えた事業者が 4.3 %なのに対して、真ん中の「無期以外の常用雇用」は 9.2 %。更に、「無期」の場合は 19.0 %という結果になっています。定期的に賃金アップを行っている事業所の割合です。

 参考 26 は、インターネット調査により、派遣労働者に「派遣元への不満」を尋ねた結果を集計したものです。一番上の全体は、「雇用・収入が不安定である」が最も高く、それに続き賃金水準に係る不満、真ん中辺りから福利厚生に係る不満といった形で並んでいます。真ん中の列に、雇用形態別で有期と無期があります。左から 3 つ目辺りに、「担当している仕事のわりに賃金水準が低い」といった項目がありますが、これは無期の方のほうが相対的に高くなっています。

 参考 27 は、インターネット調査により、派遣労働者に「今後希望するステップアップ」を尋ねたものです。全体を眺めますと、一番左の「今とは違う雇用形態で働きたい」という割合と一番右の「特に希望はなく今のままでよい」という割合が非常に高くなっています。

 参考 28 です。こちらは郵送調査により、派遣元を通じて「今後希望する働き方」を尋ねたものです。こちらの内容ですが、「正社員として働きたい」の割合が 4 割で一番高くなっています。一方で、「今のままの働き方がよい」という割合も同程度となっています。

 参考 29 は、インターネット調査により、「希望する働き方」を尋ねたものです。「正社員として働きたい」が突出して多い状況です。

 参考 30 です。こちらは「正社員の異動周期」を労働政策研究・研修機構の前身である日本労働研究機構の調査結果を基にまとめたものです。業種別に見ると、非製造系は 2 5 年未満が最も多く、一方で製造業以外の場合、 2 年未満が最も多いという内容になっています。

 参考 31 です。「ショーワ不当労働行為再審査事件 中労委命令 ( 概要 ) 」です。こちらは、労働委員会に対して派遣労働者が加入する組合の団交申入れに派遣先が応じなかったことなどが不当労働行為に当たるとして、救済を申し立てた事案について、中央労働委員会が出した命令の概要をまとめたものです。原則として、派遣先は派遣労働者との関係上、使用者に当たらないと述べつつ、いくつか例示を挙げて派遣先が労組法上の使用者性が認める場合もあり得ることを示した内容になっています。

 続いて 33 ページの参考 32 ですが、統計情報部の調査結果に基づき、雇用形態別に賃金を比較したものです。これまで御紹介した調査結果とおおむね同水準です。派遣労働者の賃金水準は、短時間労働者よりも高く、一般労働者の正社員よりも低いという形になっています。

 参考 33 は、郵送調査により、「派遣先が行っている均衡待遇・教育訓練等の取組」をまとめたものです。表 1 が均衡待遇、表 2 が教育訓練です。均衡待遇の中では、真ん中辺りにある「福利厚生施設の利用」というのが 65.5 %で最も多く、次いで「有用な物品の貸与」が 58.3 %です。

 一方、下段の「スキル向上」ですが、こちらは「派遣先での OJT 」が大半を占めていて、その他、「合同での Off-JT 」や「スキル向上に役立つ情報の提供」がこれに続く結果となっています。

 参考 34 は、労働者の「社会保険・労働保険の加入状況」を雇用形態別にまとめたものです。

 参考 35 は、派遣労働者の方々が「どういう方法でスキルを獲得するか」をインターネット調査によりまとめたものです。「派遣先での OJT 」が最も高く、これも OJT かと思いますが、それに次いで「派遣就労以前の職場での経験」が高いという内容になっています。

 参考 36 です。派遣先に対して、「派遣労働者に教育訓練を行う理由」を問うたものです。真ん中の「独自の仕事の進め方等を習得してもらう必要がある」が最も高く、「派遣労働者の方にもスキルアップしてもらうことが事業所のパフォーマンス向上につながる」というのが、これに次ぐ結果です。

 参考 37 は、「紹介予定派遣の利用について」という形で、同じ調査により派遣先に対して紹介予定派遣の利用状況を尋ねた結果を集計したものです。「利用」又は「利用を検討中」が 2 割強で、「利用の予定無し」が 7 割強という結果になっています。

 最後は、参考 38 です。「紹介予定派遣を経て直接雇用となった労働者の雇用形態」を派遣先の調査結果からまとめたものです。駆け足ではありましたが、資料 1 の説明は以上です。

○亀井補佐 続きまして、資料 2 と資料 3 の説明に移らせていただきます。

 まず、資料 2 「労働者派遣の実態に関するアンケート調査の集計結果」です。こちらの資料は今後の労働者派遣制度の在り方に関する研究会での検討に資するように、派遣元、派遣先及び派遣労働者の三者に調査票を郵送又は手交して記入してもらうという方式で行っております。調査の対象や期間、回答数は、 1 ページ目にまとめているとおりです。この資料 2 の冊子ですが、後ろのほうに集計表を添付しておりますが分量が非常に多いので、概要を用いて御説明いたします。一般労働者派遣事業者は、「一般」と略し、特定労働者派遣事業者は、「特定」と略して説明いたします。

2 ページ目以降に調査結果の概要をまとめております。 1 番は、派遣元事業主に対する調査結果をまとめたものです。 (1) に会社の概要をまとめておりますが、一般の許可を受けている方が 47.9 %を占めており、全体の事業所数よりも一般の割合が比較的多くなっています。

 続きまして、ページの下半分からは、具体的な質問に対する回答の概要です。まず (1) アの状況ですが、回答事業所の 51.7 %を一般が占めております。イとウには、派遣労働者の人数と派遣労働者を無期雇用している理由がまとめられておりますが、これは資料 1 でも御紹介しましたので省略させていただきます。

 次に、 (2) に派遣期間と雇用期間に対する質問の回答をまとめております。まずアの派遣契約期間は、一般・特定共に差はなくて、「 30 日超〜 3 か月以内」が最も多くなっております。通算期間につきましては概要に書いているとおりです。イには、雇用契約期間について尋ねた結果をまとめております。こちらは一般と特定で分かれて、一般は「 30 日超〜 3 か月以内」が最も多く、「期間の定めなし」がこれに次ぐ結果となっております。

 続きまして、特定ですが、「期間の定めなし」が最多となり、ほかの調査と少し違っております。

(3) ですが、派遣元に対して過去 1 年間に中途解除の有無があったかどうかを尋ねたものです。その状況をアにまとめております。一般であれば、「ある」は 12.4 %「ない」は 6 割弱、特定は、受けたことが「ある」は僅か 2.6 %、「ない」が 52.1 %という結果です。イは、中途解除されてどのように対応したかというものをまとめたものです。そもそも、ケースが非常に少ないのですが、一般の場合は、常用雇用以外の方を多く解雇した、次いで、無期雇用以外の常用雇用を多く解雇した。特定の場合は、無期雇用の方々を多く解雇したという内容です。

 次に、 (4) 社会保険・労働保険ですが、こちらは資料 1 とほぼ同様の内容です。

(5) 派遣可能期間の制限です。アとイに記しております内容は、資料 1 で御説明しましたので省略させていただきます。ウの内容はクーリング期間の後に再度派遣を行ったことがあるか否かですが、一般の場合は 13.6 %、特定の場合は 8.2 %が行ったことがあるということで、余り多くはないという結果になっております。

4 ページ目の (6) 待遇改善・均衡待遇への取組状況についての回答です。まずアの内容は、賃金が上がる契機を雇用形態別に尋ねたものです。いろいろ書いてありますが、一般・特定共に、全ての雇用形態において、まず「スキルや経験が上がったときに賃金が上がる」という回答が最も多かったです。これに次ぐものとしては、「勤続期間の長さ」や「派遣先からの評価が上がったとき」などが続いております。スキル、経験、勤続期間、派遣先からの評価が共通して見られるのかなと思います。

 続いて、イですが、「均衡待遇のため具体的にどういうことを行っているか」という問いに対する答えをまとめたものです。こちらも、一般・特定共に、「派遣先で同種の業務を行っている社員の教育や研修を一緒に受けられるように働きかける」との回答が最多でした。ウは福利厚生についての回答です。全体の傾向としては、「派遣先の従業員と同様に福利厚生施設を利用できるように働きかけている」が非常に多い結果でした。これに次いで、「有用な物品の貸与」という回答が多くございました。

 次に、 (7) 教育訓練・キャリア形成の取組です。アについては、一般・特定とは別に、登録中に行うのか、就業前に行うのか、就業中に行うのかをまとめたものです。無期については、一般の場合は「登録中に行う」が最も多く、特定の場合は「就業前に行う」が最も多いという結果になっておりました。

 次は、 (8) 紹介予定派遣ですが、こちらについては、資料 1 で御説明した内容とおおむね同様ですので省略させていただきます。

 続きまして、派遣先調査結果の 2 「派遣先」の概要をまとめたものです。 (1) は調査対象事業所の概要をまとめたものです。 (2) は受け入れ状況を尋ねたものです。イに派遣契約の期間についてまとめておりますが、こちらは派遣元の調査結果と同様の傾向です。ウでは「なぜ派遣労働者を受け入れるのか」という理由をまとめておりますが、こちらも、資料 1 で御説明した内容と重複しますので省略させていただきます。

 続きまして、 (3) は派遣の受け入れ期間制限への対応状況を問うたものです。こちらは、 1 年以上の期間を定めている事業所が約 5 割、定めていない事業所が、これは 1 年以内でやっているのではないかと推測されますが、約 4 割となっております。具体的に、 1 年を超える場合、何年を定めるかというのは、 3 年が最も多いという回答になっております。イとウ、エにつきましては、労働組合等から聴取した意見の内容についてまとめております。こちらについては、「特に意見がなかった」が最も多く、「延長してよい」がこれに次ぐ結果となっております。 6 ページ目のウとエの辺りは、派遣制限抵触の前日まで派遣を受け入れていた事業所が抵触日以降にどのような対応をしたかをまとめたものです。これは参考です。オは派遣先が派遣元を選ぶ際に重視していることを尋ねたものですが、「ニーズに合った人材」が最多で、「能力・スキル」がこれに次ぐという結果です。

(4) は、派遣料金の交渉を行っているか否か、どういうことを考慮しているかをまとめたものです。

(5) は均衡待遇のための取組をまとめたものですが、こちらは、資料 1 で御紹介した内容と重複しておりますので省略させていただきます。

(6) は派遣労働者の教育訓練の取組状況等ですが、こちらも、アとイは資料 1 で御説明しましたので省略させていただきます。

7 ページの (7) は「派遣労働者のキャリア形成」の取組状況を尋ねたものです。アはキャリア形成制度です。具体的には直接雇用に転換する制度の有る無しを聞いております。イは実際の事例をまとめたものです。

 それに続く (8) 「紹介予定派遣の利用状況」ですが、こちらは、資料 1 と同様ですので省略させていただきます。

 派遣先調査の最後、 (9) として「派遣労働者とのコミュニケーション」です。アにおいては、面談をどういう方が行っているか、また、どういうタイミングで行っているかです。イは、派遣労働者の方から寄せられる苦情等の内容と受付方法をまとめたものです。

8 ページ、最後に「派遣労働者の方々に対する調査結果の概要」です。 (1) は、どういう方々が調査対象に含まれているかという属性をまとめたものです。後ほど御紹介する資料 3 のインターネット調査では女性が 7 割強を占めておりますが、こちらの調査では、男性が 57.7 %、女性が 38.7 %と割合が逆転しております。イにおいては、派遣就労による年収をまとめておりますが、男女ともに、 200 300 万円が最多という形になっております。

(2) は「派遣就業の状況」を尋ねたものです。アでは調査対象の男性の半数近くが無期であるという結果になっており、ほかの調査よりも高くなっております。イは雇用契約期間の通算期間を尋ねたものですが、こちらは、後ほど御紹介するインターネット調査とほぼ同様の傾向にあります。ウは派遣契約期間の長さを尋ねたもので、ほかの調査よりも少し長めの傾向が出ております。エとオは、どのような業務に従事しているかという内容ですので省略させていただきます。カにおいては昇給の機会について問うております。こちらは、「特に昇給がない」が最多であることは他と同様ですが、「仕事ぶりの評価に応じて」とか、概要には掲載しておりませんが「定期的に昇給がある」といった回答が寄せられております。

 続いて、 (3) は、「これまでの派遣就労や派遣という働き方を選んだ経緯」です。アとイの内容は他の調査と余り変わらない傾向ですが、ウの派遣という働き方を選んだ理由につきましては、ほかの調査と比べまして「特に理由がない」が比較的多くなっております。

(4) 派遣就労の収入です。男性は「月給制」が最多となっているところがほかの調査と異なっておりますが、水準はおおむね同様となっております。

(5) 派遣可能期間の制限にどのように対応したかです。こちらは、資料 3 のインターネット調査とほぼ同様の傾向にあります。

10 ページ、 (6) 待遇改善です。希望する改善としては、男女ともに「特にない」と「賃金・手当を改善してほしい」が多くを占める結果です。

(7) キャリア形成に係る希望を問うております。まず、イでは能力やスキルの獲得方法ですが、資料 1 と同様の傾向にあります。次の段落のキャリアアップの内容につきましては、男女ともに「仕事が高度になった」が最多を占めておりますが、男性は、「権限や責任の増大」がこれに次ぐ一方で、女性は、「希望する会社や業種・職種に就けた」が次いでおります。ウは直接雇用の打診を受けた経験の有無を問うておりますが、資料 3 のインターネット調査とほぼ同様の傾向にあります。

 次に、 (8) 働き方に関する考えです。ここでは、「特に不満を感じない」という方々が最も多い点が、ほかの調査と少し異なっております。

 最後に、 (9) 今後のステップアップや働き方です。こちらも、「特に希望はない」が最も多く、ほかの調査と少し異なっております。希望する働き方についても、「今のままの働き方がよい」が男性では非常に多い。イは、「今後、働く上で重視すること」です。これはインターネット調査とほぼ同様の傾向ですが、インターネット調査では、「賃金の高い仕事に就くこと」が上位に出ている点で異なっております。資料 2 については以上です。

 続きまして、今、資料 2 の御説明でかなり言及いたしましたが、資料 3 として「派遣労働者実態調査−結果報告書−」について御説明をさせていただきます。

2 ページ目で調査の概要をまとめております。こちらの資料も今後の労働者派遣制度の在り方に関する研究会の検討に資するように、ここに掲げている方法で派遣労働者に対してネットで行った調査を集計したものです。調査結果ですが、 3 6 ページ以降に調査結果の要約として非常にコンパクトにまとめられております。ここまで、資料 1 と資料 2 についてかなり時間を割いて説明してまいりましたので、これ以降は、それとの対比を強調する形で簡単に説明したいと思います。

 まず 4 ページの調査結果の要約です。上の段の「回答者の属性」の年齢の部分を御覧いただきますようお願いいたします。 35 44 歳が過半数弱を占めており、資料 2 よりも年齢層が幾分高めになっております。あと、先ほど言及しましたが、男性・女性比がかなり異なっております。こちらは、女性が 7 5 分程度を占めております。そのほかの項目については、こちらに書かれている概要のとおりですので省略させていただきます。

 真ん中の「現在の派遣就業について」です。上から 3 つ目の雇用形態を御覧いただきますと、有期が 7 割と、資料 2 よりも大幅に多くなっております。その下の派遣形態ですが、常用と登録型がそこそこ張っておりまして、こちらの調査では登録型がかなり多く御回答いただいているということになっております。その下の雇用契約期間や派遣契約期間ですが、「 30 日超〜 3 か月以内」などの比較的短い期間が多くなっているのが特徴です。

 下段の「今までの派遣就業、派遣に就いた理由」は、資料 1 の参考で多く紹介しておりますので御説明を省略させていただきます。

 続きまして、 5 ページ目の一番上の「収入の状況」です。まず、派遣年収と賃金形態につきましては、資料 2 の調査結果のうちの女性について見た場合とほぼ同様の傾向を示しております。また、時給、日給、月収の水準ですが、平均は資料 2 とほぼ同様の水準となっております。

 「期間制限」への対応状況は、資料 1 で御説明しましたので省略させていただきます。

 続きまして、キャリア形成です。スキルの獲得方法については資料 1 で御説明いたしましたが、その下の真ん中辺りの「キャリアアップできたか」という部分は、「ある」が 5 割、「ない」が 5 割と拮抗しております。これは、「ある」と答えた方が資料 2 よりも幾分低い結果になっております。

 その下の「紹介予定派遣」は概要のとおりで、ほかの調査と同様、余りやったことがないという回答が多くなっております。

 待遇改善やトラブルについての希望です。「賃金・手当を改善してほしい」とか「雇用・収入が不安定である」というように、資料 2 のときには「特にない」が結構多かったのですが、ここでは、より具体的な希望が出ているという違いがあります。 6 ページの「派遣会社とのトラブル」は概要のとおりですので省略させていただきます。

 「今後の希望について」です。まず、「希望するステップアップ」と「希望する働き方」につきましては、資料 1 で御紹介いたしましたので省略します。ただ、資料 2 とは異なる傾向が出ております。最後の「働いていく上で重視すること」は、「 1 つの仕事・職場でできるだけ長く働く」「家庭や私生活との両立を大切にする」という傾向が出ております。資料 2 の調査のうちの女性の回答とほぼ同様の傾向です。

36 ページですが、「派遣年収」の真ん中の雇用形態別についてです。こちらは無期か有期かによって収入の分布が変わっており、無期のほうが右半分のグラフが幾分多い、すなわち、年収の水準が高いという状況になっております。一方、有期になりますと、左から 3 つ目の 100 万円から 200 万円未満の割合が増えて、それよりも上の分布が下がるという結果になっております。

 続きまして、資料 4 「平成 24 年派遣労働者実態調査の概況」について御説明をさせていただきます。こちらの資料は、統計情報部が昨年秋に実施したもので、調査の概要は 1 ページ目と 2 ページ目のとおりです。資料 2 と同じく郵送調査ですが、調査方法が違っており、派遣労働者に対しては、派遣元ではなくて派遣先を通じて調査票を渡しております。概要としては、 4 ページ目以降から統計表と具体的な結果がコンパクトにまとめられておりますので、ここでは、これまで御説明した調査と傾向がかなり違っている部分に絞って御説明をさせていただきます。

 まず、 10 ページ目、「派遣契約期間」です。ほかの調査では 30 日から 1 年以下が結構多い状況でしたが、この統計調査においては、 2 か月以上というカテゴリーが最も多いなど、派遣契約期間が長めであるという結果が出ております。

 次に、 13 ページ目ですが、こちらは「派遣先が行った中途解除」です。資料 2 には、派遣元が受けた中途解除の割合が出ておりましたが、こちらは派遣先に問うておりまして、行ったことがあるのは 19.9 %という形で、少し多くなっております。

 続いて、 14 ページ目、派遣労働者を正社員にする制度です。こちらは、派遣労働者が就業している事業所で見ると、派遣労働者を正社員に採用する制度がある事業所は 27.8 %で、資料 2 に比べると割合が少し低くなっています。

16 ページ目以降は派遣労働者に対する調査の結果の概要です。まず年齢ですが、インターネット調査よりも年齢層が若めとなっております。

 このほか、これ以降、技術・技能の習得方法や雇用契約の期間などが続きますが、ほかの調査と比べて目立った違いとしましては、 28 ページ目の「今後の働き方の希望」です。こちらにおいては、総数としては、派遣労働者として働きたいという割合が 43.1 %、一方、真ん中辺りの、派遣社員ではなく正社員として働きたいという割合が 43.2 %と、ほぼ拮抗しております。しかしながら、一番下の派遣の種類では、登録型、常用雇用型別に見ますと、常用雇用型は派遣労働者として働きたいという割合が高く、一方で、登録型は正社員として働きたいという割合が高いといった内容です。資料 4 の御説明は以上です。

 続きまして、資料 5 6 7 を御説明させていただきます。まず資料 5 です。これは前回、委員から御指摘のありましたコンプライアンス関係の資料をまとめたものです。

1 ページに派遣事業に係る指導監督の実施件数です。こちらは暫時、増加傾向です。

2 ページには、派遣労働者からの申告受理件数の推移をまとめたものです。平成 20 年度をピークに、近年は 100 件を下回る件数で推移しております。

3 ページ目と 4 ページ目は、具体的にどのような法令違反があるのかを派遣元、派遣先別に多い順にまとめたものです。派遣元では、「就業条件等の明示」が最も多い違反です。一方、 4 ページ目の派遣先ですが、派遣先のほうは、管理台帳をそもそも用意していなかったり、必要記載事項を書いていないという違反が多いという内容になっております。

5 ページ以降は、実際に違反のあったものの中から行政処分にまで至ったものについて地域別に具体的な事業主の名前、違反条項、処分内容などを集約したものです。御参考です。

 次に、資料 6 の御説明に移らせていただきます。資料 6 は、「その他参考資料」として、 1 から 5 以外の参考となる資料をまとめたものです。

 まず 1 ページ目です。こちらは統計情報部が行っている調査を基に、派遣だけではなく非正規という就業形態を選んだ方々がどういう理由を重視しているかということが見られる表になっております。派遣労働者をほかの形態と比較しますと、「専門的な資格・技能を活かせる」「より収入の多い仕事に従事したい」「自分の都合のよい時間に働ける」、右から 4 つ目ですが、「正社員として働ける会社がなかったから」などが比較的高い傾向にあります。一方、契約や嘱託の場合は、その専門性や収入が高い状況です。また臨時やパートにつきましては、自分の都合のよい時間であったり、勤務時間や労働日数が短いといった理由が高くなっております。

2 ページ目は、事業所に対して、「正社員以外の労働者を活用する理由」を問うたものです。派遣労働者では、最も高いのが「即戦力・能力のある人材を確保する」で、 30.6 %になっております。これに次ぐものとして、「専門的業務に対応するため」が続いております。大体、臨時・パートと契約・嘱託の真ん中ぐらいにあるのかなという印象です。

3 ページ目ですが、資料の中身が変わりまして、「雇用契約別の対象労働者の雇用状況」です。こちらの資料ですが、右斜め上にありますように、平成 21 10 月末に作成したもので、リーマンショックの直後に、平成 20 11 月から翌年 4 月までの間に把握した派遣労働者の方々約 3 6,000 人の雇用状況について派遣元事業主を通じる形で把握したものです。太線で囲っている部分ですが、リーマンショック以降、雇用が継続された方の割合として、常用は 12.4 %、登録は 8.1 %という結果になっておりますが、常用のうち無期と有期に分けてみると、無期は 2 割強、有期は 1 割という結果になっております。

 さらに、次のページですが、「非正規労働者の雇止め等の状況について」です。こちらも、調査が異なりますが、リーマンショック直後の平成 20 11 月から翌年 4 月までの間にハローワーク等を通じて把握した集計状況です。平成 23 1 月から集計方法が変わっております。それまでは、平成 20 10 月以降の累計をまとめていたのが、これ以降は、月ごとに報告をしております。数としては派遣労働者が多いという状況ですが、月ごとの結果を見ていきますと、派遣よりも契約のほうが多い傾向にあるという内容になっております。以上、資料 6 の御説明です。

 本日お配りしております資料の最後ですが、資料 7 「主な論点 ( ) 」は、 1 番から 7 番と題して論点項目の候補を挙げております。こちらの資料は、前回お配りしました「論点となり得る事項」に対して委員の皆様から頂いた御意見を踏まえて、座長と御相談しながら作成したものです。これらの項目につきましては、本日参考資料としてお配りしている「在り方研究会」の報告書においても、それぞれ、検討されております。報告書においては、個々の論点を検討する際の視点として基本的な視点が 3 つまとめられておりますので、併せて御紹介をさせていただきます。

 このほか、参考資料 1 として「在り方研」の報告書、参考資料 2 として、職業安定分科会でも御報告させていただきましたが、派遣や職業紹介関連に係る「次年度概算要求の概要」をお付けしております。長くなりましたが、資料の説明は以上です。

○鎌田部会長 まず、資料 1 から資料 6 までの労働者派遣の現状について、皆さんに御意見を頂きたいと思います。資料 7 の論点については、その後、議論に移りたいと思っております。資料 1 から資料 6 までの労働者派遣の現状について、自由に御発言をお願いいたします。

○新谷委員 今、事務局から詳細にデータの提示をいただきまして、なるほど、こういうことなのだなと分かった部分も少なくありません。今後の論議においては、派遣労働者が一体どのような現状にあるのかということをしっかりと把握して、論議を深めていくべきだと思っております。

 その上で、今、御説明いただいたデータも、データの見方といいますか、捉え方について、本当は補足があったほうが良かったのではないかと思っております。特にその違いが典型的に表れているのが、資料 1 でお示しいただいたうちの 28 ページと 29 ページだと思います。 28 ページは、資料 2 として配布されている調査結果をベースに作られたのだと思います。ここで、資料 2 の「調査の概要」を拝見すると、この調査は、平成 24 12 月に実施され、派遣労働者について 2 万人を対象とした旨が記載されています。具体的には、派遣元事業所を通じて 1 事業所当たり 2 名の派遣労働者に調査票を配付してその回収率が 10.9 %であった調査結果をベースとして資料 1 28 ページが作られており、その結果、「派遣労働者が希望する働き方」については、「正社員として働きたい」と「今までの働き方がよい」が同率だったというデータが上がってきたわけです。

 一方、参考 29 は同じように派遣労働者に希望する働き方について質問しているのですが、その回答は「正社員として働きたい」が 60.7 %で、「今のままの働き方がよい」が 19.3 %、「派遣会社で無期雇用としての派遣労働者で働きたい」が 19.2 %となっており、先ほど述べた 28 ページのデータとは全く異なる結果になっています。この調査方法を見ますと、資料 3 によれば、インターネットの調査で、約 4,000 件の調査結果となっているわけです。同じような調査であっても、それぞれに当然に特有のバイアスがかかります。インターネット調査はインターネット調査としてのバイアスが掛かりますし、資料 2 については、派遣労働者の調査は派遣元から 1 事業所当たり 2 人の派遣労働者を選んで配るわけですから、その点で、配り方に関して非常にバイアスがかかったものとなっています。したがって、こうした調査結果については、こうしたバイアスがかかっているという前提で見ておかないといけないのではないかと思っているところです。

 もう 1 つ、資料 4 は厚生労働省統計情報部で配られたアンケートですが、これはサンプルサイズが非常に大きな調査となっています。資料 4 1 ページに調査対象数などが書いてありますが、ここでびっくりしたのが回収率です。先ほどの資料 2 の調査では派遣元を通じて行った調査が回収率 10 %であったのに対して、この調査では回答率が 68 %もあるのです。私も産別時代にずっと色々な調査をやってきましたが、個人を対象とする調査でこれほど回収率が上がる調査は見たことないのです。これは何かのマジックなのでしょうか。どのような調査をやれば、こんなに回収率が高まるのか。先ほど言いましたように、どういう配り方をして、どういう回収の仕方をしたかによって、調査結果は変わってまいりますので、その辺もし今お分かりのところがあれば教えていただきたいと思います。事務局に対しては、今後、マスコミ等にこうした調査結果をお示しになる際には、単純に結果だけを示すのではなくて、こういう調査方法で配った調査なのだということを前提として説明していただきたいということも要望として申し上げておきます。以上です。

○鎌田部会長 とりあえず回収方法に関する御質問があったと思いますので、もし分かれば御回答をお願いしたいです。

○富田課長 本日は統計情報部の担当者が来ておりませんので、研究会の調査を担当した立場から申し上げたいと思います。研究会の調査で実施した調査については、質問項目が非常に詳細で、特に派遣元調査については、調査表の結果を御覧いただいても分かるとおり、業務ごとに人数を書かせるという、非常に細かい調査の設計になっていることが、回収率を非常に低くしている原因になっているのではないかと考えております。統計情報部が行っている調査は、それに比べると、かなりシンプルな調査表になっているのと、どうしても役所を通じてやる調査になった場合は、高めの結果が出るというのがあると思います。これは推測になりますが、そういうのも影響しているかということは考えております。

○青木オブザーバー 先ほど新谷委員からお話がありました調査結果の見方についてなのですが、私どもも派遣労働者の中に正社員を希望する者が、ある一定数いることは認識しています。このような労働者については、できる限りその希望に沿うように取り組むことが重要であり、 1 つの例としては、研究会の報告書にあるように、有期雇用の派遣の場合について、 3 年の派遣期間が経過する場合には、派遣先での直接雇用、新たな就業先の提供、そして派遣元での無期雇用化のいずれかの雇用安定措置を講じることも 1 つの方策であると考えています。

 ただ、この数字を見たときに、現場の感覚とかなり大きな違い、開きがあるので、ちょっとお話をしておきたいと思います。それはなぜかといいますと、私どももある一定の正社員希望者がいることは理解するのですが、それが 41 %とか、 60 %といった数字には基本的にはならないと考えています。ただし、今回のこの調査に関しては、やはりこういった回答になったのだと思うのですが、それには 2 つの要因があると思っています。

1 つは、現場で、まず例えば派遣労働者 10 名ぐらいに、「今その派遣先で正社員になれるとしたらなりますか」と質問したときに、 40 %、 60 %の人が「なりたい」と答えるとは思っていないのです。感覚値で言いましたら、やはり 10 %、 20 %ぐらいだと思っています。これは何かというと、 1 つは条件面の問題なのです。もう 1 つ、今すぐなれる、当面なれるということと、数年後、 3 年後、 5 年後、時間軸を設定すると、またこれも大きく違います。その辺の要因がこちらのアンケート結果には入っていないのです。言い換えれば、不本意ながら派遣で働いている人はもっと少なくて、現状の派遣労働に満足しているが、将来は、数年後には、正社員になりたいと希望を持っている派遣労働者が多いと認識しています。不本意で働いている人が 41 %とか、 60 %という高い数字ではないと思っていて、感覚的には厚生労働省の労働・経済の分析で出している非正規労働者のうち正社員になりたい者の割合の 22.3 %に近いと思っています。非正規と派遣社員がそんなに大きな差を持って、すぐに正社員になりたいという希望を持っているとは思っておりませんので、結局、不本意率で見たらもっと低いということをきちんと説明したいと思って、説明させていただきました。

○鎌田部会長 今の御発言についてのコメントでも結構ですし、また違うことでも結構ですが、どうぞ。

○石黒委員 新谷委員からも御指摘があったように、各種データについてはいろいろバイアスも掛かっていますから、それをどう見ていくかという問題があると思います。当方も正確なデータを持っているわけではないのですが、参考 8 で示されたデータなどにもありますように、「派遣という働き方を選んだ理由」、派遣として働くという入口部分での理由についての認識が使用者オブザーバーの方とはちょっと違うのかと思います。「正社員として働きたかったけれども、正社員として働けなかった」という割合についての問題が 1 つあるなということです。自分の産別等でも、パートタイマー、特に有期労働者を中心に調査をしていますが、そこでは働き方の在り方として「自由に働ける」などという点も含めて、明らかに今の働き方を肯定している。しかし、有期労働者とか派遣労働者は、やはり正社員とかなり近い働き方をしていますので、「行く行くは」という言葉が調査にあったかどうかは微妙ですが、働き方としては正社員を志向していると受け取るほうがデータとしては正しいのではないかと思っています。特に今、青木委員もおっしゃったように、派遣労働者が行く行くは正社員になりたいと思っているのではないかということに関しては、今回のいろいろなところでもありますように、無期雇用の派遣になって、そのまま派遣を続けるだけという事態は、派遣労働者も必ずしも望んでいないと思います。そういったところも踏まえて今後検討すべきであると、私としては感じております。以上です。

○新谷委員 今、青木オブザーバーから御発言いただいた内容は、それは青木オブザーバーのお気持かもしれませんが、先ほど私はデータの見方には注意が必要だと申し上げました。ただ、今回の資料には、サンプルサイズが、 1 つは 8,000 件あって、 1 つは 4,000 件あって、 1 つは 2,000 件あるわけです。したがって、これらのデータが青木オブザーバーが接しておられる範囲の派遣労働者から受ける感覚とは異なっているという御意見についてはそれはそれでいいのですが、やはり、具体的なデータを示していただかないと、データに基づいて何がどう違うのかということをおっしゃっていただかないと理解はできません。つまり、先ほど申し上げたようにデータに基づいて議論をしましょうと言っているのに、データに依らずに個人の感覚で言われても、何がどう違うのだとデータに依ってご説明いただかないと、私どもは理解できません。発言されるのは結構なのですが、データを示していただければ有り難いと思います。以上です。

○鎌田部会長 データを示していただけますか。

○青木オブザーバー そうですね。私が今お話したように、条件面、そして時間軸を考慮したアンケート結果を見たことがありますので、事務局と御相談しながら用意して、次回等に提出したいと思います。

○鎌田部会長 ということで、よろしいですか。

○宮本オブザーバー 資料 1 と資料 5 について、事務局にお聞きしたいと思います。資料 1 13 ページですが、研究会報告では、派遣元で無期雇用か有期雇用かによって期間制限の在り方を区分したらどうかという提言も出されていると思います。そうした場合の影響度合を現行規制と比較して考えることも必要だと思っています。そこで、資料 1 の参考 13 に記載されている「業務別・雇用形態派遣労働者数の内訳」について質問しますが、ここでは常時雇用されている労働者が 86 万人、常時雇用されている労働者以外の労働者が 51 万人と区分されています。この「常時雇用されている労働者」とは、必ずしも派遣元で無期雇用されている派遣労働者だということを意味しているのではないと思っています。すなわち、「常時雇用」という表現は、法律によって定義がそれぞれ違うわけで、労働者派遣法では必ずしも派遣元企業において無期雇用されている労働者だけを指しているわけではないと認識しています。そこで、派遣労働者について、派遣元企業で無期雇用か有期雇用かという区分で同じようなデータを出すことができるのかどうかをお聞きしたいということが 1 点です。

 次に、資料 5 の平成 22 年度から平成 25 年度の行政処分の状況について、事務局に質問したいと思います。行政処分を年度ごとの件数で見ると、時系列的には処分件数が増加傾向になっていますが、なぜ増加傾向になっているのか、その主な理由が分かればお聞きしたいと思います。また、行政処分を受けた派遣元事業主は、それぞれ各社ごとに業界団体に加盟していると思いますが、業界団体ごとの行政処分件数も分かるようでしたら、併せて教えていただきたいと思っています。

 加えて、行政処分の原因となった違反条項と簡単な処分内容は資料 5 にも記載されていますが、これだけでは具体的にどのような違反だったかまでは判断しにくいことから、例えば行政処分のレベルごとに、何らかの類型で違反内容を表すことができないか、もう少し詳細が分かるような表し方ができないかということを、併せて質問したいと思います。以上です。

○鎌田部会長 分かりました。今、御質問のあった資料 1 の参考 13 の常用雇用にとどまらず、有期・無期で影響を受ける労働者数は算定できるか、資料があるかという御質問です。ここから、もし分かれば御回答をお願いします。

○亀井補佐 お尋ねにお答え申し上げます。お示しいただいた参考 13 のうち、無期がどのぐらいいるのかということは、把握することは困難です。また、本日お出ししている調査結果においても、どのぐらい無期の方々がいるかというのは異なっておりますので、一概には申し上げられないのですが、本日お出ししている調査結果について紹介します。まず、資料 2 の郵送調査においては、調査対象の 21.6 %が無期雇用、資料 3 Web 調査においては、 23.0 %が無期雇用、最後に、統計情報部が実施しております調査では、常用雇用のうち 27.9 %が無期雇用でございます。いずれも常用雇用のうちの無期の割合ということです。

○鎌田部会長 その割合で、こちらの表に仮定、仮想値として読み込むことはできますか。それは難しいですか。

○亀井補佐 機械的な計算であるという前提の下であれば、可能かと思います。

○鎌田部会長 今言ったものを使って、ある割合で掛けるというのなら誰でもできる話なので、別に出してもらわなくてもいいです。その後の質問について、御回答をお願いします。

○亀井補佐  2 つ目の指導監督件数が増加傾向にあることですが、当方としては、派遣元事業所数が年々増加傾向にあります。これらの増加する事業所の一定割合に対して指導監督を行うことを目標としておりますので、事業所数の増加に伴って、指導監督件数も年々増えているのではないかと考えております。

3 つ目の資料 5 の違反についてですが、幾つか御質問をいただいております。これらのうち、まず業界団体に加盟されている会社がどのぐらいあるかということですが、個別の名前を出すのが適当なのかどうかというのがありますので、数でお答えします。本日お出ししている資料の中では、派遣協会に加盟されておられる所が 3 社、技能協会に加盟されておられる所が 1 社という結果になっております。

○鈴木主任 資料 5 の「労働者派遣法に関する行政処分」の 5 ページ目で類型化できないかということでしたが、簡単に口頭で説明申し上げます。ここに違反条項が書いてありますが、内容はこれだけだとお分かりにならないということで、代表的なものを 10 分類して、多いほうから説明申し上げます。一番多いのが二重派遣あるいは多重派遣です。多重派遣によって労働者供給事業を行っていた。これは職業安定法第 44 条に違反しますが、 70 件のうち 40 件がこれに該当しております。次に多いのが、欠格事由に該当したものです。派遣法第 6 条第 1 号の禁錮以上の刑の場合に該当するものが 3 件、 6 条第 3 号の破産者が 1 件、 6 条の 8 10 11 12 号の暴力団関係に該当するものが、 3 件ということで、合計で 7 件が欠格事由に該当したということになります。

 同様に多いのが派遣法第 23 条第 1 項の事業報告書未提出で、これは故意に出していないということで行政処分したのが 7 件あります。次に多いのが無許可での一般派遣です。これは派遣法第 5 条第 1 項で、特定の事業主にもかかわらず、登録型で一般派遣を行っていたのが 5 件あります。次に多いのが禁止業務への派遣で、建設業務への派遣が 2 件、医療関係への派遣が 1 件で、計 3 件あります。次に多いのが派遣法第 11 条第 1 項に規定されている事業所の新設の未届で、無許可の事業所があったというのが 2 件です。続いて、いわゆる偽装請負として派遣法第26条第1項に違反したものが2件、期間制限を超えた派遣を繰り返していたとして派遣法第26条第1項、第35条の2に違反していたものが2件、それから、許可取消しが 2 件ありますが、これは 14 条第 3 項の許可の条件への違反です。社会保険に未加入の事業所が、許可の条件に違反して指導しても従わなかったということで、許可を取り消しました。もう1件は派遣法第 14 条第 1 項第 2 号の法令、あるいは行政処分の命令に違反したということで許可を取り消しました。以上です。

○鎌田部会長 今の御説明でよろしいですか。

○宮本オブザーバー この資料での業界団体に関する件数は分かったのですが、業界団体ごとの件数といいますか、それぞれここに行政処分されている企業がたくさん記載されていますが、全てが業界団体に加入しているということではないと認識してよろしいでしょうか。

○鎌田部会長 これは分かりますか。

○鈴木主任 そうですね。加入していない企業のほうがはるかに多いですね。

○新谷委員 行政処分のことは私も聞きたい点があるので、後で伺います。いまは派遣労働者の処遇に関してお聞きしたいと思います。資料 1 33 ページに賃金センサス、賃金構造基本統計調査からのデータを引っ張ってこられています。これを見ますと、一般の正社員が 1,921 円という時間給の単価に対して、常用雇用型派遣労働者では 1,322 円ですから、率でいくと 69 %という水準になっているかと思います。ただ、このデータを事業報告書に基づいて見ていったらどうなるかというのが 22 ページに出ておりまして、上側の図が一般派遣、下側の図が常用雇用派遣になるわけですが、これによれば、派遣労働者の賃金は外部労働市場の影響を強く受ける、派遣料金の変動に伴って大きく変動するということが見て取れると思います。例えば特定派遣ですと、 4 年の間に 8 時間換算した賃金が 3,000 円近く、率では 20% も下がってしまっているなど、大きく変動する状況が見えるわけです。

 できれば教えていただきたいのは、先ほどの賃金構造基本統計調査のデータを使って出すのか分かりませんが、派遣労働者の賃金が時系列でどのように動いているのか、要するにその変動の幅を見たいのです。派遣労働者の賃金の変動の幅と、 33 ページにあったように、一般労働者と派遣労働者の賃金の格差がどういうトレンドで動いているのかというデータについて、次回以降で結構なのですが、提示いただければよく分かるのではないかなと思っております。

 もう 1 つ、先ほど事務局の御説明の中で、ものすごく違和感があったのは、あえてということで御説明をいただいた資料 3 36 ページについてです。これはインターネット調査の結果ですが、 36 ページの下側に有期と無期との年収の分布が出ているのです。後で議事録を見ていただいたら分かりますが、先ほど事務局は、無期のほうが年収が多いという説明をされました。しかし、それはどこを見ればそんな結果が出てくるのかということなのです。これによると年収の一番多いところである 200 万〜 300 万円未満が無期で 37.6 %、有期で 38.8 %と書いてあって、それ以下の所を全部足すと、無期で 76.1 %、有期で 77.1 %なのです。要するにこのインターネット調査で見たときに、年収が 300 万円未満であるという回答が 4 人中 3 人なのです。しかも、無期と有期とでほとんど変わらなくて、 1 %、 1 ポイントしか変わらないのです。こういう結果が出ているのに、先ほど事務局が説明されたような無期のほうが年収が多いという分析はちょっと当たらないのではないかと思います。私は有期も無期も年収はほとんど変わらないのではないではないか、ということを申し上げたいのです。少なくともインターネットの回答者はそういう答えを寄せているわけですので、もし事務局で無期のほうが年収が多いという認識があるのだったら、改めて説明をいただきたいというのが 1 点です。

 もう 1 つは、この前の法改正で均衡待遇の確保が盛り込まれたわけですが、これについては資料 1 34 ページ、参考 33 に、「派遣先が派遣元に対して、同種業務の労働者の賃金の情報を伝えている」が 5.3 %、「派遣労働者の評価について、派遣会社に協力している」が 18.8 %という数字が出ているのですが、この前の法改正は均衡配慮義務ということで義務規定が入っているにもかかわらず、実施状況が非常に低いのではないかという印象を持っております。これはデータの話ですので、せっかくオブザーバーの方々がお二人、事業者団体から来られているので、この均衡配慮義務の実施に当たって、派遣先の会社から派遣元に対するデータのやり取りの現状はどうなのか、もしお分かりになれば教えていただきたいのです。要するに、派遣先が情報提供を拒んでいるのか、あるいは派遣元が情報提供を派遣先に求めていないのか、ここの現状について教えていただきたいと思います。以上です。

○鎌田部会長 まず、新谷委員から派遣労働者の賃金傾向といいますか、変化を、特に一般労働者との比較において、資料があったら提示してほしいと。今出しているもので何か説明できるものがあれば説明していただいて、もしなければ後日でということで。

 次に事務局の説明の真意を確認するという内容で、資料 3 36 ページの派遣の年収に関する説明をもう一度、御質問も含めて言っていただきたいということだと思います。

○富田課長 私どもが今回、幾つか統計資料をお配りしておりますのは、冒頭、新谷委員からの御指摘がありましたとおり、統計データは調査の仕方がそれぞれ異なっておりますので、それに従ってバイアスとか癖がございます。それをよく踏まえて、吟味する必要があるということです。ですから、この資料 3 の説明も本当は派遣の年収だけではなくて、時給であるとか、日給とか、勤務日数がどうなのかとか、そういうものまできちんと踏まえなければ、本当は正確なものにならないですし、これだけを見るのではなくて、ほかの統計データ等では、時給だけで見ると無期のほうが高いなどというのも出ておりますので、その辺は比較しなければいけないと。そういうことで、ここの認識だけで言いますと、新谷委員の御指摘のとおり、年収だけを見た場合は、顕著な差はないと、私どもも考えております。

○鎌田部会長 そのほかのデータで差が出てくることもあるわけですね。

○富田課長 そうですね。今日お配りしている資料の中では、例えば資料 1 23 ページの参考 23 JILPT の「派遣キャリアと働き方に関する調査」の中では、時給を比較しており、期間の定めのないほうが時給が高いという結果になっております。ですから、いろいろな調査のやり方もあるということを踏まえて検討する必要はあるかと思っております。

○鎌田部会長 ということです。それから、資料 1 の参考 33 、均衡待遇に関する御質問がありまして、これは事務局に対する御質問と、もし可能であればオブザーバーの方に御発言していただければと思います。事務局のほうで、この点について何か御発言はありますか。

○富田課長 参考 33 については、施行日後すぐだというのが 1 つあるのかなと。それと、これは派遣先が行っている取組です。先ほど義務規定とおっしゃられましたが、ここは派遣元に配慮義務が課せられているというところですので、そこは若干、修正させていただきたいと思います。

○大原オブザーバー 先ほど来の議論の中で、データに基づかない感覚的な話では理解できないとのやりとりがありましたが、そういう点から言いますと、今の御質問について、今ここでデータを持ってお答えをすることはできないと思っております。ただ、それでも少し事業主として感覚的なところを申し上げれば、昨年 10 月の法改正に基づいて均衡配慮、例えば派遣労働者の賃金を決定するに当たって、同種 の業務に従事する 派遣先の労働者の賃金、その他の情報について、一定程度の情報提供を派遣元が派遣先に求めることは始まっていると理解をしております。ただ、結果として、それがどの程度、どういう内容のデータかをお示しいただいて、派遣労働者の待遇にそれが反映しているのかということについては、今データを持ってお答えすることはできません。均衡・均等についての配慮に、私どもが引き続きこの対応を進めていくことは間違いないと理解をしております。ただ、先ほど言ったとおり、データに基づく回答は、残念ながら今はできないと考えております。

○新谷委員 何も詳しいデータを求めているわけではなくて、オブザーバーのお二人は業界を代表されて来られていて、かつ御自分たちも事業をやられていると思うのですが、これは昨年 10 月から施行されたこの法律の均衡配慮義務について現場の実情を教えてほしいという質問なのです。確かに今、課長から補足いただいたように、これは派遣先に対しては努力義務であって措置義務化されていないわけですが、実際に事業をされている方として、法律を施行する際に当たって、派遣先に対して、派遣先労働者の同種の労働者の賃金の情報の開示を求めておられるものなのか、あるいは求めているけれども、そこは努力義務なので抵抗されているのか、その辺の感覚的なもので結構なのですが、お分かりになれば教えていただきたいと思います。

○大原オブザーバー 感覚的なもので言えば、求めていると理解をしております。ただし、それが実態としてどうかは、お答えはなかなか難しいということです。

○青木オブザーバー それと、派遣先の誰と均衡をとるのかも、とても難しくて、正規労働者の賃金と比較対象することは職務の範囲がかなり大きく異なっているので、それが対象になるかとか、契約社員なのか、アルバイトなのか、それによっても違うと思うのですが、こちら側としては求めてはいるものの、誰を対象というところがなかなか難しいところがあるかと思います。ただ、ここに書いてある「職務の評価等」ということで、私たちの派遣社員を評価していただくことに関しては、かなり御協力いただいて、評価を一緒にしていただいているところはあるかと思います。

○新谷委員 今ご発言のあった比較対象者のところは法律事項ですので、派遣先のどんな労働者と比較するかというのは通達なり指針で出ているはずです。これは事務局のほうで誰とどういう労働者と比較するかというのをお答えいただけませんか。

○亀井補佐 今調べさせていただきますので、少しお時間をいただければと思います。

○新谷委員 答えをいただく間に、別の話をしてよろしいでしょうか。先ほどコンプライアンスの話が出てきて、行政処分の内訳もその場で示していただいたわけですが、二重派遣が 70 件中 40 件もあるということなのです。二重派遣というのは、先ほどの欠格事由みたいなところとは違って、いわゆる確信犯ですね。要するに派遣してはいけない派遣労働者を、派遣会社が更に派遣してしまうという、まさしくプロ同士の確信犯の違反行為だと思うのですが、こういったまさしく確信犯的な違反行為に対して、行政処分はどのような考え方で運用されているのか、お話いただける範囲でお話いただけますでしょうか。

○鎌田部会長 お答えできますか。

○鈴木主任 御質問の内容をちょっと確認したいのですが、行政処分をどういう考え方でやっているかということでしょうか。

○新谷委員 例えば報告書の未提出のような、ついうっかりとかいうのではなくて、二重派遣は派遣会社がよその派遣会社の派遣労働者を更に派遣してしまうという類型ですね。ですから、これはプロである派遣会社としては二重派遣にあたることを分かっていて派遣してしまっているケースなので、非常に悪意のある違反類型ではないかと思うのです。そのときに、行政処分が幾つか、事業停止 1 か月とか、 2 か月とか、 3 か月とか書いてあります。 2 週間から始まって書いているのですが、こういったものの運用が一体どういう基準でやられているのかということです。あるいは、業務停止命令が 1 か月処分を受けたときに、 1 か月と 1 日目になれば、また営業を再開できる。その悪意を持って違反行為を行った派遣会社が実際にまた営業を再開できるのかどうかということも含めて、運用を教えていただきたいと思います。

○鈴木主任 事業停止期間中は、まず今までの派遣契約を更新できないということもそうですし、もちろん新たな営業活動もできないということで、これは派遣会社にとってはかなり厳しい内容になるのではないかと思います。行政処分の停止の期間は、派遣元事業主にその期間に全ての労働者派遣契約、あるいは派遣先との取引をチェックしていただいて、もし違法なものがあれば改善していただきます。あるいは、派遣契約だけではなくて、企業におけるコンプライアンスの体制を見直していただいて、今後、違法な事案を起こさないように改善していただきます。そういうことを念頭に設定しているものですから、行政処分の期間がたとえ終了したとしても、万が一、同様の違法な事案が再度あった場合は、更に重たい行政処分に進むと。そういうことを念頭にして、労働局としては行政処分がたとえ終了したとしても、その後、派遣事業主に対しては適時的確に、指導監督をしているところです。

○鎌田部会長 いいですか。私などが口を挟むことではないかもしれないですが、新谷さんが確信犯的とおっしゃったのは、実は二重派遣というのは必ずしも派遣形式だけでやっているわけではなくて、請負形式で行っている場合もありますので、悪質さの程度は、その全体の事案を見て評価するしかないのです。確信犯かどうかというのは、実は事案によっては必ずしもそうも言えない場合もある。それは御存じのように、派遣法適用は当事者の意図にかかわらず、つまり請負形式でやっていても、いわゆる偽装請負として、労働者派遣法違反として、客観的に評価します。ですから、そこは当事者の意思とは若干ギャップが出てくる場合もあると私は考えております。

○富田課長 先ほどお答えできなかった質問にお答えします。均衡待遇を考慮するに当たっての同種の業務が、行政上どのように運用しているのかということですが、もちろん業務内容は個々それぞれいろいろとありますので、個々の実態に即して判断する必要がありますが、例えば、「複数の労働者がチームを組んで作業をする場合に、そのチームメンバーの一員として派遣労働者も参画し、かつ派遣先に雇用した労働者と同様の業務に従事している場合」というのが基本的には同種の業務に従事している者であろうと。それから、厚生労働省の職業分類表の細分類項目を参考にすることも考えられます。

○鎌田部会長 よろしいですか。

○新谷委員 大分時間も過ぎておりますので、簡潔に、あと 2 つだけ申し上げたいと思います。先ほど行政処分を含めてのコンプライアンスの状況のお話をさせていただいたのですが、残念ながら、この派遣業界は非常に法律違反が多いという印象は否めないと思っています。

 先ほどお聞きしたところ、オブザーバーで参加いただいている業界団体の中では 3 社と 1 社が行政処分を受けているということですが、今のやり取りも含めて、もしお話頂けるのであれば、データでなくて結構ですので、業界として、この状況に対して、あるいは御自分の組織の中から行政処分を受けている会社が出ているということに対して、どのようにお感じになっているのかをお聞かせいただきたいのが 1 点です。

 もう 1 点は、資料 6 3 ページに雇用契約別対象労働者の雇用状況があって、第 136 回の需給制度部会の資料が出ており、 3 6,000 人の雇用状況を把握した内容であるということです。これは確か製造業務派遣だけだったと思います。これも確認しておいてほしいのですが、製造業務派遣だけのデータを捉えてみても、離職のところで無期にもかかわらず解雇された者が 94 %発生しており、有期で解雇された者が 86 %発生しているというデータがあります。確認いただけたでしょうか。常用型でも有期と無期で分けて、離職した理由別に見て、解雇をされているというのが無期で 94 %、有期でも 86 %という状況になっています。

 業界団体の 2 人に、お聞きしたいのは、ホームページ等で業界の健全化等をうたっておられると思いますが、こういった違法な解雇に対して、こういう現状があったのは、たった 5 年前ですが、これに対して、今はどのように御覧になっているのか。感覚で結構ですからお答えいただければと思います。以上です。

○大原オブザーバー まず、 1 点目です。協会会員の企業からこのような行政処分が出ている状況について、どう考えているかということですが、こうした事実については厳粛に受け止めているというのが基本的な立ち位置です。

 協会設立以来、私どもは人を扱う仕事、人材派遣という事業の持つ公共性を十分に自覚して、順法精神にのっとって事業経営、事業運営に当たるという指導を会員企業に対して行っています。しかしながら、こうした事案の発生に伴い、一層その指導の強化・徹底していることを、申し上げておきたいと思います。

 更には協会会員会社のみならず、先ほど協会会員外の状況もありましたが、そういったことも踏まえますと、私どもとしては業界全体としての社会的信用をいかに高めていくかということが、業界全体の健全な発展には必要不可欠と理解しております。例えば私どもの協会では、北は北海道から、南は九州まで各地域ごとの協議会があって、そういった地域の協議会の活動も通して、非会員の方々も対象にした、協会のセミナーや勉強会への参加を促していくという、業界全体の底上げをしていく活動についても注力しているところです。ただ、いずれにしても、派遣事業が持つ公共性という視点に鑑み、こういった活動は今後も続けていくということです。

 既に現在、進行中ですが、いわゆる優良事業者認定制度といった活動にも、私ども協会として積極的にその仕組みづくりから関わっているところですので、こうした活動も確実に実行につなげていきたいと考えております。

2 点目は今日の提出資料の中でのご質問ですが、確かにリーマンショックのときに、極めて短期的に大量の雇用調整が行われ、私ども派遣も含めて、有期雇用全体について影響があったということは、当然理解しております。その中で、期間満了前の中途解約があったという事実もここに出ているとおりと理解しております。ただ、当時、リーマンショックが進行中の秋から翌年の春にかけて、こういう事態が進行する中においても、契約期間の中途解約は回避してもらいたい、期間満了までは何とか契約を遵守してもらいたいというアプローチを会員会社を通して各派遣先に要請をしました。なお、この中途解約を防止するという観点は、現在でも持ち合わせておりまして、こういった派遣労働者の雇用安定について、少なくとも中途解約が行われないような雇用の継続性・安定性について、我々派遣元が派遣労働者の代理人として、エージェントとして引き続き機能していかなければいけないと考えています。

○鎌田部会長 それでは、時間も押しておりますが、もう 1 つ議題が残っておりますので、資料 7 の「論点」について、皆さんにお諮りしたいと思います。

 前回お配りした論点となり得る項目に対して、前回皆様から御意見を頂いております。そこで、私と事務局で相談をして再度作成しましたのが資料 7 「主な論点 ( ) 」です。次回から詳しく皆さんと御議論を進めていきたいと思っておりますが、このような項目、順番で個別の議論を進めさせていただければと思っております。御意見、御質問がありましたら、よろしくお願いします。

○高橋委員 私は前回の会議でも、まずは平成 24 年改正を皮切りに議論をスタートすべきだと申し上げました。にもかかわらず、今日提出された「主な論点」を見ると、改正法が 7 「その他」の、しかも最後に位置付けられていることは、極めて残念であり、不満です。

 平成 24 年改正については、国会の附帯決議でも労働契約申込みみなし制度への言及があり、重要な論点であると考えておりますので、まずは平成 24 年改正を論点の「 1 」として、ここから議論を開始すべきであると、重ねて申し上げたいと思います。更に既に昨年 10 1 日の改正法施行から約 1 年が経過しておりますので、十分な、完全なデータがそろわないにしても、ある程度のデータ等はそろっているかと思いますので、徹底した議論をすべきと重ねて申し上げたいと思います。以上です。

○鎌田部会長 これについて労働側から何か御意見はありますか。

○新谷委員 今までなかった論点が「その他」の中で 3 つ出てきたということは、使用者側の主張された点を事務局がお汲みになって出てきたのだと思いますが、私どもとしては平成 24 年改正について、前回のオブザーバー委員が発言された内容について、非常に違和感を覚えております。

 その中で、特に違法派遣の際の労働契約申込みみなし制度について廃止を含めて検討せよという御発言があったかと思いますが、これは 2015 10 月施行なのです。国会での修正審議の中で、施行時期が 3 年ずれて 2015 10 月から施行されることになり、現時点では施行前の法律です。この制度については、この労政審の需給制度部会だけではなく、内閣府の規制改革会議雇用ワーキンググループでも事務局ペーパーとして、要するに行政側の資料として議論の提起がなされているのです、廃止を含めて検討せよと。これは私としては非常に遺憾です。特に行政ペーパーとして提言が出てきているという点について、厚生労働省としてはよその省庁なのでお答えいただきにくいかもしれませんが、これは立法府の意思を無視しているのではないかと思います。改正派遣法を成立させて 3 年後に施行するというのが立法府の意思として決められた内容であるのに、それを施行する前から廃止せよというのが行政機関の資料で出てくるのは異常です。ここでの論議は使用者側の委員の意見だからいいのですが、そういったことに対して厚労省として、同じ行政府として、こういう動きに対してどういうお考えを持っているのか、お答えいただけるのであればお答えいただきたいと思います。

○富田課長 規制改革会議の議論については、先般、ヒアリングもあったと伺っておりますが、規制改革会議は規制改革会議の立場で議論されていると私どもは承知しております。ただ、前回も申し上げましたが、私どもとしては、労働法制の見直しは最終的には労働政策審議会で議論しなければいけないと思っておりますし、この点については内閣府に対しても、引き続き申し上げていきたいと考えております。したがいまして、規制改革会議で出された文書についても、私どもとしては、私どもとして労政審で議論することが適当だということを申し上げておきたいと思います。

○秋山委員 今、高橋委員がおっしゃったように、平成 24 年の法改正の見直しについては、重要な課題として検討していただきたいと思っています。と申しますのは、資料 4 28 ページの「今後の働き方の希望」を見ると、正社員として働きたい人が 43.2 %に対して、派遣社員で働きたい、若しくはパートとして働きたい人を合計すると約 47 %いるわけで、 5 割弱の方が派遣やパートなどとして働くことを希望しているわけですから、これはライフスタイルに応じて多様な働き方をしたいという方が多数おられることだと認識しております。

 特に、 35 39 歳の女性では、「登録型の派遣労働者として働きたい」という方が 32.3 %おり、他の年代よりも突出しています。これは、女性で出産後、子どもを保育園や幼稚園に入れた後、登録型派遣として働きたいという希望があるのではないかと推察します。そう考えますと、平成 24 年に改正された日雇い派遣の原則禁止などは、もう一度検討してみる必要があると思います。

○鎌田部会長 ほかに御意見はありませんか。

○新谷委員 次回、もし提出していただければと思う資料があります。今の話に関連するのですが、雇用申込みみなし制度という労働契約を移転させるという仕組みが、昨年の法改正で実現して 2015 年に施行されるわけですが、これの見直し論議に当たって、一部の有識者から職業選択の自由とか契約自由の原則に抵触するのではないかという意見が出ています。

 ドイツもフランスも民事の制裁としての労働契約の移転制度は持っていますが、もちろん法律の体系が違うという前提はありますが、諸外国において、違法派遣における労働契約の移転制度を持っているところの、今言ったような指摘に対して、どのような乗り越え方をしているのかということが、もし分かれば、次回でも次々回でもいいのですが、お示しいただければ有り難いと思っています。

○鎌田部会長 そういう要望についてはいかがですか。

○富田課長 有識者の先生と御相談して、出せるものがあれば検討したいと思います。

○鎌田部会長 公益委員の皆さんは、この論点について、使用者側から御意見があったのですが、何か御発言があればお願いします。

 では、私から高橋さんにお聞きしたいのですが、冒頭に平成 24 年の改正について議論をすべきだと聞こえたのですが、その冒頭にというのはどういう趣旨ですか。

○高橋委員 現行制度は平成 24 年改正を経たものであることから、制度の見直しを議論するのであれば、直近の改正の影響等を検証することが出発点になるだろうという含意で前回お話したのです。その考え方に変更がないということです。

○鎌田部会長 それはまだ施行されていない申込みみなし制度も含めてということですか。

○高橋委員 そうです。労働契約の申込みみなし制度は、国会の附帯決議でもいろいろ書かれているところでもありますし、重要な論点だろうと思っています。

 先ほど、指導の状況等が発表されておりましたが、具体的な事例をもって、どのような場合に労働契約申込みみなし制度が適用されるかについて明確にしていくことは順法という観点からも非常に重要です。

 先ほどの御説明のように、仮に多重派遣があったときに、どこの派遣会社が労働契約を申し込んだとみなすのかということも含めて、制度の設計を明らかにしない限り、なかなかうまく行かないのではないかという危惧も持っています。毎月の許可諮問においても、労働契約申込みみなし制度が適用された場合、一体どのような事案になるのだろうかと考えています。非常に悩ましい事案が実際にたくさん生じているわけですから、そういう事例を基に、この場合はこうだという形で明確にすることも国会の附帯決議の求めであるように、私は読んでいるのですが、そういうことも、この審議会でしっかり議論、検討していくべきではないかと思っています。

○鎌田部会長 施行されてまだ間もないもということもありますし、今の申込みみなし制度については、まだ施行もされていない状況です。そうした中で、国会の中で様々な方たち、あるいはメディアも含めて、様々な議論を含めて成立してきたものです。

 例えば、申込みみなし制度に関していうと、まだ施行もされていない状況で、最初に議論するという趣旨はどういったところにあるのかなという私の疑問だったのですが、一旦議論を通過してきたもので成立をしているわけです。そのときは高橋さんも御存じだと思いますが、ここでの議論も踏まえた上で通っていったものだと、私は理解しているのです。そうすると、ある種リターンマッチのような感じに。

○高橋委員 そのようなことはないと思います。例えば日雇い派遣の原則禁止の例外措置としての年収要件の 500 万円というのが施行されて 1 年近く経つわけです。その間に実際に働きたくても働けないという悲痛な声が寄せられています。そうしたことを無視して、それはまだ施行して間もないから先に行くのですという議論はないだろうと申し上げているのです。

○鎌田部会長 重要性というか、議論することについては別に異論がないと思います。私の理解は、高橋さんが「最初にしなければ駄目だ」とおっしゃったのが。

○高橋委員 逆にいえば、なぜ最初にしてはいけないのかをお答えいただければよろしいのではないかと思います。最初にするべきというのは私の主張であって、その理由は、私自身はお答えしたつもりです。

○鎌田部会長 どういたしましょうか。

○阿部委員 我々が議論するときには、エビデンスをベースにして議論したほうが水掛け論にならないのではないかと思います。統計のデータの見方で、感覚的な話とか、統計にバイアスがあるとか、いろいろな問題があって、結果的に何がエビデンスなのかが確定していないような気がしています。今回の平成 24 年改正法の結果がどうだったかというエビデンスを我々が入手可能なのかどうかも踏まえて、どこで議論するかは考えていかなければいけないのではないかと思います。

 私の記憶が正しければ、研究会のときには、きっちりとしたエビデンスは積み上がっていないということで、平成 24 年改正法については、ちゃんと議論をしなかったと思います。ただ、そろそろエビデンスも積み上がってきているのではないかと思うので、最初にするかどうかは分かりませんが、どこかの段階でしっかり議論したほうがいいかもしれません。もちろん、まだ全然施行されていないというか、見送られているものもあるので、それについてどうかというのは、私も分かっていませんが、少なくとも我々はエビデンスをベースに議論すべきではないかと思います。

○宮川部長 大変僭越ではございますが、申し上げます。今、阿部先生がおっしゃったように、エビデンスをできるだけ集めたほうがいいだろうという観点からすれば、議題の順番としては一番後ろに持っていったほうがエビデンスが集めやすいという趣旨で、後ろに持っていったほうがよろしいのではないかと事務局としては理解しています。

○鎌田部会長 先ほどの高橋さんの御発言の中に、最後というのはいかがなものかという御発言もあったのです。しかも、 7 の「その他」の最後ということです。別に順番が重要だというわけではないのですが、「その他」の中に「平成 24 年改正法について」というのをトップバッターに置くのはいかがですか。そのように考えてもよろしいですか。

○小林委員 今、部会長から、「平成 24 年改正法について」を「その他」の中のトップバッターにという話がありましたが、前回、私もこの部分については新たな項目として論点に挙げてくださいということでお願いをしたのですが、その他の中の分類としてではなくて、やはり 1 項目として格上げして頂きたいという実感を持っております。改正法の内容を見ると、全体も多岐にわたる幾つかありますので、この項目については、 8 項目あるうちの 1 項目というぐらいに格上げしていただきたいというのが 1 点です。

 確かに改正法の内容で、労働契約申込みみなし制度と、まだ施行されていないものもありますが、ほかの項目についても、論点に上がっている項目とも非常に関係する項目でもあります。 1 番目が私は一番いいと思っていて、高橋さんの意見と大体似ているのですが、平成 24 年改正については、できるだけ早くもう一度整理して議論する必要があるのではないかと思います。

○鎌田部会長 今、小林さんから別項目を立てるという御意見もあったのですが、労働側で何か御意見がありますか。

○新谷委員 前回もこの話が出たときに申し上げたのですが、平成 24 年改正法の内容について論議するのはやぶさかではありません。ただ我々としては、これは見直しではなくて、どのようにこれをうまく施行できるかという観点から論議をしたいと思っています。阿部先生もおっしゃられたとおり、あれはどうだこうだという感覚的な話を労政審の場ではするべきではなくて、データに基づいて客観的な判断をすべきだと思っていますので、事務局がこの施行状況についてデータをお取りになるのであれば、それが出た段階で論議をしたらどうかと思っています。

 この論点自体も、前回これが示されたときに、これは国会での附帯決議をまとめたものであるという理解の中で、この論点でよろしいのではないかと申し上げていますので、国会の附帯決議での平成 24 年改正法の動きというのは、何か言及されたものがあったのかどうか、分かれば教えていただけませんか。

○富田課長 国会の附帯決議については前回の資料 2 で衆参両方付けてありますが、平成 24 年改正法そのものについて触れている所は確かにあります。「みなし規定の適用に当たっては」とか「みなし制度が創設されること等も踏まえ」ということで、ただ、みなし規定そのものの可否について議論するという形になっていないとは認識しております。そういうことからすると附帯決議そのものの中には、平成 24 年改正法そのものの議論をしてくださいということはないと認識しています。

○鎌田部会長 いかがでしょうか。入口の所で皆さんの御意見が少し違っているのですが、重要性ということについては否定をするわけでもありませんし、もしそれがデータを含めてしっかり議論したいということであれば、もちろんしっかり議論をしていきたいと思っています。私は「その他」の 1 番目のポツに、「平成 24 年度改正法について」と位置付け、その中で十分議論の時間を取ってもらおうと思っています。それで進めてよろしいでしょうか。

○高橋委員 なぜ「その他」なのですか。それがよく分からないのです。

○柴田委員 私は両方の気持がよく分かります。前回改正法をやったときに、私たちはここで改正法を議論していました。しかし、いわゆる雇用申込みみなし制度が機能するものなのかなどは、いざ実施となったときに想定外の課題が浮き彫りになるものです。前回は、今回のように派遣元団体のオブザーバーがいらっしゃらなかったので、見えていないこともあったかもしれません。国会の附帯決議でも、みなし制度の創設などが取り上げられていますから、取りあえず平成 24 年度改正をベースにして検討すべき項目として頭だしし、今の時点で「議論するのだったら、そのデータはこんなものも必要だね」というところまで確認した上で、 1 から 7 までやるみたいな感じに少し整理していくのがいいのかなと、個人的には思っています。

 データについては、先ほどもバイアスの話が出ていたと思いますが、私もそう感じています。インターネットアンケートが一番いいのかと思いますが、それもネット慣れしている人に偏る可能性があります。他の配布は派遣元が配る、あるいは派遣先で配るということになると思いますが、派遣先で配るということは短期の人には配られない可能性が高いので、比較的長期の人ばかりに限られてしまいます。 それから派遣元で配る場合は、配って一番回答してもらいやすい人に配るということになります。

データの一人歩きが意外に怖いなと私は思っています。データも余り万能ではないということを前提にしたうえで、分析と解釈の仕方も重要です。クロス集計を厚生労働省さんがいっぱいやっているのですが、派遣社員は価値観や働き方が多様なので全体をまとめてみてしまうとわからなくなってしまう。女性で子持ち、家計補助的な人たちと、生計を本人が背負っている人とは全然違っているので、その議論がいつもかみ合わなくなってしまう。やはり類型化して議論していくことが必要なのかという気がします。そのデータの扱いや議論の際には、どういう人かというイメージを少し整理しながら、議論していったほうがいいのかと思っています。

 施行段階に想定外の課題がなかったか、こんなことが起こっている、こんな話が出ているということだけは明確にした上で、でも、時期尚早だなというのだったら、それはそれでもう少し時間をかけて、後でまた議論しましょうという結論に持っていくのがいいのかと思っています。

○石黒委員 基本的には一旦、附帯決議で決められた中身は、ここにあるそれぞれの項目の中身なのであって、 1 年経ったら平成 24 年の改正を見直せという附帯決議をしたわけではありません。平成 24 年の附帯決議にのっとって粛々とやっていくべきだと思います。それでも当然、今、話題として出ている 24 年改正についていろいろな課題がある、すなわち、既に入っているものについて課題があることについてもそうしたデータを含めてという形であれば、それによって議論していくことが筋だと思います。今回の附帯決議にのっとって 1 年後に見直しをして審議をやるということの趣旨からいくと、高橋委員がおっしゃるように、 24 年改正法からまずやるのだというところにどうして結論が至るのかを我々は理解できません。そうした点も踏まえて中身で議論するのであれば問題ないのですが、そういう流れでやっていただくのが論点の整理としては理解できることだと思います。

○鎌田部会長 先ほど高橋さんは、その他というのは、なぜその他なのかと。今までの議論の中では、附帯決議で宿題というか、そういったものについて項目立てをしていますが、「その他」ではなくて、附帯決議に関連する項目、あるいは附帯決議に伴うか、その辺はうまくワーディングはできないのですが、附帯決議に載っていない項目ということで、「その他」というタイトルをそういう形に変えるというのはいかがですか。ワーディングは事務局と詰めさせていただきたいのですが。

○高橋委員 例えば、附帯決議に「派遣先の責任の在り方について」ということが盛り込まれているでしょうか。今、部会長は附帯決議に基づいてとおっしゃったのですが、 4 番の「派遣先の責任の在り方について」というのは、附帯決議に書いてあるのでしょうか。

○富田課長 主な論点の主要なものに上がっている全ての項目が、附帯決議にあるというよりは、改正法の附則にあるもの、閣議決定に載っているものという整理です。高橋委員から御指摘があった 4 番目の派遣先の責任ということは、平成 24 年改正法の付則第 3 条で「派遣先の責任の在り方等(中略)、特に必要と認められる事項について、速やかに検討を行うものとする」となっていることを受けて、ここに載せているということですので、附帯決議だけではないということを補足しておきます。

○鎌田部会長 その点については、今のは撤回いたします。私が言いたかったのは、その他という表現についていかがなものかという御趣旨かと思ったのです。それで高橋さんのおっしゃったような御趣旨を。

○高橋委員  1 項目立てるという提案が、先ほど小林委員からなされましたが。

○宮川部長 事務局から大変僭越ですが、「その他」という表現はやめて。すなわち、この内容について論点として議論していくことは同意していただいていると思いますので、単純にこれを 7 番、 8 番、 9 番として。そうすると、それ以外のものは入らなくなるので、下の方に「等」というのでも付け加えて行えばよろしいのではないかと思います。

○鎌田部会長 番号を振っていくということですね。

○宮川部長 はい。ポツの所の「その他」を削るということです。

○新谷委員 そんなにこだわらないのですが、まだ中身が何をやるか全然決まっていないのに 24 年改正法について論議しようということで、それをいきなり項目として立てるということについては、中身を論議してみて後で議論をまとめるときに、これを項目として独立させるのかどうかを判断すればいいのではないかと思います。まだいかなるエビデンスが出てくるかどうかも分からない中で、今ここであらかじめ独立項目として立てましょうと言っても、その論議が間に合わないかもしれないではないですか。

 議論を実際にやってみて、中身がそれなりのものとして固まりができるのだったら独立項目として固めればいい。別に我々は議論にならないと言っているわけではないので、私は形には全然こだわりませんが、ここの段階で独立項目にするという判断は、ちょっと時期尚早ではないかと思います。

○宮川部長 ということで、もう一点付け加えさせていただけば、当面は、この ( ) を付けたまま論点 ( ) として、引き続き議論していただけばいいのではないかと思います。

○鎌田部会長 どういうことですか。

○宮川部長 案です。ですから、これらについて議論していただく。つまり、議論の結果として論点にはならないものもあるかもしれないという意味であれば、その論点で。

○新谷委員 このままでやってみたらいいではないですか。このままでやってみて、もし独立項目にできるのだったら、上げればいいし。

○鎌田部会長 このままで行きますと、「論点 ( ) 」の項目立てで、次回もう一回という話ですね。こういう効率性の時代において、こういうことをやっていいのかという感じもしますが。私の案としては、「その他」というところについて少しワーディングを考えさせてもらって、平成 24 年改正法については、その 1 番目に置いて、取りあえず議論に入ってもらう。 ( ) を付けたまま進むかどうかは途中で決めればいい。そして、今言ったように項目立てをするというのであれば、どこかの段階で項目立てをちゃんとする。取りあえず、そのようなことで進めたらどうかということです。いかがですか。

 特に異論がなければ、そのような形で次回以降、議論を進めていきたいと思います。ですから、論点、その他のワーディングをこちらで検討してもらいます。それから ( ) は付けたまま進めるということで進めたいと思います。次回、また同じものが出てきます。

○秋山委員 確認ですが、途中で論点案が確定すれば、項目立てをするということですか。

○鎌田部会長 それは、また皆さんの議論の経過の中で、そのように進めていきたいと思います。私としては、できるだけ労使の方が合意できるような形で進めていきたいと思っています。

○新谷委員 部会長のまとめで私も結構です。 1 点だけ、先ほどオブザーバー事業主側がお二人加わったことで、この部会は専門性が高まったという御発言があったのですが、これに対して私どもとして一言申し上げておきたいと思います。

 私どもも派遣労働者の労働組合を組織しておりまして、石黒の所は 2 万人弱、私の出身の産別は 1 万人弱の派遣労働者である組合員を抱えております。私自身も連合に来るまでは、派遣会社の組織化をやっておりまして、青木委員の御出身の事業団体に組合を 1 個作っております。使用者側にお二人オブザーバーが入ったからと言って、労政審での議論の専門性が高まるということは全然ありませんので、一言だけ申し上げておきたいと思います。以上です。

○柴田委員 前は労働者側として入っておられましたが、事業者側としての派遣会社の方がいらっしゃらなかったので、どちらかというと、派遣先の方が多かったと思います。その辺の部分は労働者という意味ではありません。失礼しました。

○鎌田部会長 今はそういった御意見ということで。では、次回以降、そのような形で進めてまいりまたいと思います。私としては、可能な限り両者の御意見を伺いながら、進めていきたいと思いますが、なかなかまとめ切れないところもあるかと思いますので、御協力のほど、よろしくお願いいたします。事務局から、そのほか連絡はありますか。

○亀井補佐 次回の日程について御連絡いたします。次回は 9 27 ( 金曜日 ) 10 時から、場所は 6 階の専用第 23 会議室で開催させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。以上です。

○鎌田部会長 それでは、以上をもって本日の労働力需給制度部会を終了させていただきます。お疲れさまでした。


(了)

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