ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 労働基準局が実施する検討会等> 東日本大震災アスベスト対策合同会議(東日本大震災の復旧工事に係るアスベスト対策検証のための専門家会議)> 第12回東日本大震災アスベスト対策合同会議 議事録(2013年11月29日)




2013年11月29日 第12回東日本大震災アスベスト対策合同会議 議事録

労働基準局安全衛生部化学物質対策課

○日時

平成25年11月29日(金)


○場所

都道府県会館101大会議室


○議事

 

第12回東日本大震災アスベスト対策合同会議議事録

 

○日時   平成25年11月29日()

○場所   財団法人都道府県会館101大会議室

 

○議事

○樋口中央労働衛生専門官(厚生労働省) 定刻になりましたので、ただいまから、「第12回 東日本大震災アスベスト対策合同会議」を開催させていただきます。本日の出席状況ですが、石川委員、名古屋委員から御欠席の御連絡をいただいております。したがって、10名の委員の方に本日は御参加いただいております。また、青森、岩手、宮城、福島、栃木、茨城、千葉の各県の県庁の方、測定機関、労働安全衛生総合研究所の先生にも来ていただいているところです。

 では、これ以降の議事進行については神山先生、よろしくお願いします。

 

○神山委員長 おはようございます。お忙しいところを御出席いただきましてありがとうございます。新聞などによりますと、124日がこの震災発生以来、ちょうど1,000日目になるのだそうでして、まだまだ元に戻れない多数の被災者の方々がいらっしゃるわけで、早いような、遅いような気がしております。

  この会も12回を数えまして、その間にアスベスト飛散データの収集、被災復旧作業者のばく露防止の推進等に努力をしてまいったわけですが、関係各位の皆様に感謝申し上げます。

 この2年余の間に、大分状況も変わり、嬉しい情報もありまして、自治体の努力により、今年中にがれきの処理、建物の解体の終了の目処がほぼ着いたとのことです。やはり1,000日という時間はそんなに長いような、短いようなという中で着実に進んでいるのだなという感想を持っています。

 今後もこの会は何回か続いてまいりますので、御協力のほど、よろしくお願い申し上げます。

 早速ですが、議事に入りたいと思います。本日の議題は4つ準備しておりまして、最初の議題は「被災地におけるアスベスト大気濃度調査結果と計画について」、環境省からの説明になりますが、事務局からよろしくお願いします。

 

○渡辺課長補佐(環境省) おはようございます。私から環境省の資料14に基づきまして御説明いたします。お手元の資料1を御確認ください。環境省が実施した「第10次モニタリング調査結果」です。第10次のモニタリングですが、8月から10月にかけて合計170地点で実施しています。そのうち95地点が仮設住宅や学校等の周辺で、52地点ががれきの集積場ということで、この2つの分類で大半を占めています。

 測定結果ですが、調査地点分類ごとに整理しています。1ページ目ですが、仮設住宅、学校等の調査結果ですが、総繊維数で1f/Lを超えた地点はありませんでした。

2ページ目です。こちらは総繊維で1f/Lを超えた地点がいくつかありますが、「位相差/偏光顕微鏡法」により確認したところ、ほとんどがアスベスト以外の繊維であったという結果になっています。

3ページ目も同様となっており、地点No.40で総繊維数が12f/L確認されていますが、位相差/偏光顕微鏡法により分析したところ、全てその他の繊維であったという結果になっています。

4ページ目ですが、こちらも同様の結果となっており、表の一番下からが解体現場における調査結果が取りまとめられています。次ページに入りまして、合計5地点の解体現場で実施しています。地点No.76について御確認いただけると思いますが、排気口において総繊維数で12f/L、位相差/偏光顕微鏡法で9.4f/Lのアスベスト繊維が確認されました。この地点については後ほど詳しく説明いたします。6ページです。がれき集積場やがれきの処理現場で総繊維数で10f/Lを超えている地点が確認されています。

7ページを御確認いただきますと、<抜粋版>ということで、「アスベスト大気濃度調査(10次モニタリング)地点一覧表」ということで、第10次のモニタリングで調査を実施した170地点のうち、「総繊維数濃度が10f/Lを超過した地点」「偏光顕微鏡法でアスベスト繊維数濃度が1f/Lを超過した地点」である4地点を抜粋したものです。地点No.406139ですが、総繊維数で10f/Lを超過していたため、電子顕微鏡法により分析した結果、全てがその他の繊維という結果となっていました。

76番は先ほども申し上げましたが、解体現場の集じん排気装置の排気口で総繊維数で12f/Lが確認された地点です。位相差/顕微鏡法で9.4f/Lを確認されており、電顕で分析したところ、一番右の欄にありますが、「電子顕微鏡法により確認した繊維の割合」にありますとおり、アスベスト(アモサイト)65%確認されました。こちらの現場ですが、解体現場で煙突内部の石綿含有断熱材の除去作業中のモニタリング調査結果ということで、この地点については「委員限り」の机上資料ですが、環境省都道府県No.03、宮城県の地点No.76という資料を配布していますので、そちらを御確認いただきたいと思います。なお、この地点ですが、風下の丸数字1、丸数字2の測定地点では、総繊維数についてですが、検出下限値未満ということで、周辺への飛散は確認されていません。

 それでは、資料を御確認いただきたいと思います。こちらの2ページ目については位相差/偏光顕微鏡法による測定結果、3ページが排気口のみですが、電顕による結果でアモサイトが確認されています。4ページ目は「現場周辺状況について」の説明が書かれていますが、こちらは2階建ての建築物で、煙突断熱材の除去作業ということで、1階と2階に前室を設置して作業が実施されたというものです。集じん排気装置の排気口からアスベストの漏えいがあったというもので、この現場では後ほど説明がありますが、厚生労働省でも測定を実施しているというポイントになっています。

6ページ目を御確認いただきますと、調査の地点ということで、図の黄色いポイント、測定箇所の丸数字5で排気口になり、ここで漏えいがありました。図の赤い○、ここが測定箇所の丸数字1ということで、発生元から約30mの距離にある所です。青い○が測定箇所の丸数字2で、発生元から約10mの距離で、ここでは検出下限値未満ということでした。

7ページについては前室の設置位置ということで、緑色の○、ここが1階の前室、下の図の紫色の○、こちらが2階の前室の場所ということになっています。こちらの現場の状況ですが、フィルター採取以外にデジタル粉じん計等により測定を実施しており、作業中の測定開始直後から排気口の測定地点の数値の上昇が確認されたため、除去業者さんに報告し、作業が中断されているということです。その原因として、集じん排気装置の不具合いということですが、フィルターの密着が不十分だったことが原因と考えられると報告いただいています。

 前回の会議でも1つの現場だけ報告させていただきましたが、今御説明した解体現場を含めて、計4箇所においてもCPMの測定以外にデジタル粉じん計、パーティクルカウンター、リアルタイムモニターを用いた測定をしていますので、その状況についても説明させていただきます。

 こちらも「委員限り」配布となっていますが、「解体現場管理のための測定の結果」ということで、デジタル粉じん計、パーティクルカウンター、リアルタイムモニターを用いた測定の結果、環境省ということで、地点No.407576774地点分の資料がありますので、御確認ください。

 初めにNo.02-40の岩手県の調査結果についてです。こちらは煙突断熱材の除去工事ということで、CPMによるモニタリング結果は問題はありませんでした。煙突下部の前室と排気口で測定しており、11ページを御確認ください。「現場管理測定状況」ですが、こちらは煙突の前室下部で、3種の機器の設置状況が確認できると思います。この写真から見ていただいてもお分かりいただけると思いますが、いろいろな粉じん等をこちらでは拾うことが想定されるという状況になっていました。

14ページ、15ページです。こちらが排気口の下部で、3種の機器が設置されているということで、15ページの上の写真を見ていただきますとよく分かると思うのですが、ビニール製のダクトの先端に、アルミ製のダクトを重ねており、そこに測定孔を設置している状況で、排気口内にノズルを入れているため、外気の影響を受けないということになっています。

17ページ以降がその結果となっています。17ページは煙突前室の下部、こちらはデジタル粉じん計ということで、セキュリティーゾーンにおけるものですが、縦軸が相対濃度、横軸が経過時間()となっており、初めにバックグラウンド測定ということで、「一般環境」で30分測定しており、その平均で2(cpm)ということでした。その後、作業前の測定で、こちらの平均濃度が13.08、作業中の平均濃度で12.94となっています。前室前の計測では作業員の方が通過されたり、解体現場でしたら様々な繊維や埃の巻き上げ等も想定されるため、作業中に前述のようなカウントがあっても、これがアスベストの漏えいだと見るのは難しいのかと考えております。

18ページですが、こちらも前室の下部ということで、18ページがパーティクルカウンターで0.5μm以上の粒径のものを測定したもの、19ページが5.0μm以上の粒径のものを測定したものですが、デジタル粉じん計と同様な傾向が示されています。20ページがリアルタイムモニターの測定結果ですが、こちらも同様の結果になっています。

21ページからが集じん排気装置の排気口における測定結果です。一般環境平均濃度が2.33(cpm)、作業前平均濃度で0、作業中の平均濃度で0ということですが、今回の測定においては作業前の平均が0になっています。当日は行政の養生検査が行われていたということで、作業前測定の前に既に集じん機が稼働していたということで、作業前でも0というような状況になっていたということです。

HEPAフィルターを通過した空気を測定しているということで、カウントされていないという状況で、集じん排気装置が適正に稼働していることが確認されています。

22ページ、23ページですが、パーティクルカウンターの測定結果です。22ページが粒径0.5μm以上のものを測定したもので、作業前、作業中とも少し数値が出ていますが、縦軸を見ていただくと、こちらは対数目盛となっており、一般環境平均濃度が1,391個ということで、排気口では大幅に下がっていることが確認できます。

5μmの結果ですが、こちらも一般環境に比べて作業中では大幅に下がっているということです。最後のページですが、リアルタイムモニターですが、一般環境よりも下がり、作業中の平均の繊維数濃度は0という結果になっています。

 続いてNo.03-75です。こちらは復旧工事に伴う石綿含有吹付材の除去工事ということで、こちらも問題のなかった現場です。

13ページをお開きください。排気ダクトが2階窓から屋外に垂れ下げて設置されていたということで、こちらについては排気口の測定結果を御確認いただきたいと思います。

20ページをお開きください。一般環境平均濃度で9.67(cpm)、作業前平均で8.17(cpm)となっており、集じん機を稼働させ、作業を開始したときにはゼロカウントとなっています。経過時間90分のところに山がありますが、作業状況として電気トラブルで集じん機が停止したことが影響していると思われます。この山の後、集じん機再稼働後ですがまた0となっており、この山については集じん機の不具合ということではなくて、排気口周辺の粉じんを拾ったと考えています。21ページのパーティクルカウンターの結果、22ページのパーティクルカウンター、23ページがリアルタイムモニターの測定結果ですが、同様の結果となっています。

3つ目のポイント、No.03-76の解体現場ですが、先ほど御説明しましたとおり、集じん機に不具合があった事例です。17ページをお開きください。排気口におけるデジタル粉じん計の測定結果ですが、作業前で139.2(cpm)と、ほかに比べると高いカウント数となっています。作業中の測定直後から測定値に異常があることがはっきりと分かるかと思います。このため今回の測定現場においては測定会社さんのほうから除去業者に異常を報告して、集じん機のフィルター交換がなされたようですが、結果的には改善されずに作業が中断されたという報告を受けています。

 次ページがパーティクルカウンターの0.5μm19ページが5μmですが、同様の傾向が確認されています。最後の20ページですが、リアルタイムモニターでは総繊維数の測定をしているという違いはありますが、同様の傾向がはっきりと出ているという印象でした。

 今回の排気口からの漏えいが確認されましたが、3種類のいずれの機器においても、排気口の異常を的確に捉えて、作業改善に役立てられたということで、石綿飛散防止対策に非常に有効であることが確認されています。

 最後の4地点目ですが、No.03-77、煙突断熱材の除去作業にかかるものでして、問題は特に確認されなかった事例です。こちらはデジタル粉じん計とパーティクルカウンターの測定事例となっており、18ページをお開きください。こちらが排気口下部でのデジタル粉じん計の測定結果ですが、作業前の平均で7.17(cpm)となっております。経過時間の横軸の-60の所で、作業前測定を開始していますが、その33分後に集じん機を稼働ており、グラフを見てお分かりのとおり、集じん機の稼働によって、粉じん濃度の低減が確認されるということです。

 今回、4事例を御説明させていただきましたが、この3種類の機器により、排気口を管理することの有効性、特に作業開始の前、それから後に測定をすることで、集じん排気装置の異常の有無をしっかりとチェックできるものということが確認できたと考えております。

 第10次のモニタリングについては以上で、引き続き、「自治体によるモニタリングの結果」ということで、環境省の資料2を御覧ください。モニタリングは岩手県、宮城県、福島県で行っており1ページ目、岩手県の結果ですが、総繊維で1f/Lを超える地点は確認されていません。2ページ目、3ページ目が宮城県の測定結果ですが、一部総繊維で1f/Lを超えている地点がありますが、偏光顕微鏡法による確認をし、その他の繊維ということが確認されています。

4ページ目、5ページ目ですが、1f/Lを超えているような地点は確認されていません。続いて6ページ、7ページですが、いわき市の一般大気測定局等で実施されているものですが、こちらはアスベストモニタリングマニュアルの第3版で測定していますが、問題のある結果は得られていません。このうちいくつかは、電顕でも確認していますが、全てNDということになっています。

 続いて環境省資料3です。「東日本大震災におけるアスベスト大気濃度調査(実務マニュアル)」ということで、第11次モニタリング、平成2512月~平成262月までということですが、こちらは10次のモニタリングと同様となっていますので、説明は割愛させていただきます。

 最後に環境省資料4です。「アスベスト大気濃度調査(11次モニタリング)の地点()一覧表」ということですが、第11次モニタリングでは、上の表にあるように151地点で行う予定です。(1)の丸数字1仮設住宅、学校など96地点。(2)の丸数字3がれきの集積場、がれき処理現場の33地点で行うこととしており、調査地点の多くはこれまでのモニタリングで実績がある地点となっているところです。解体現場等については、引き続き自治体さんのほうから情報提供をいただき実施していこうと思っております。また、先ほど御説明しました集じん排気装置の排気口での確認も併せて行っていこうと考えておりますので、是非とも、また御推薦のほどよろしくお願いしたいと思います。説明は以上です。

 

○神山委員長 ただいまの説明で、委員のほうからお気づきの点や質問等がありましたら、よろしくお願いいたします。

 今回、解体現場でデジタル粉じん計、パーティクルカウンター、リアルタイムモニターの並行測定の結果が4例ほど出ておりまして、非常に有意義な結果が出ているような感じもいたしますが、その辺についても、もしコメントがありましたら、よろしくお願いいたします。

 それでは、よろしいですか。後ほどもし御質問等ありましたら、遡って質問していただいても結構です。時間の都合ありますので、次の「議題2」に進ませていただきたいと思います。よろしいでしょうか。

2番目の議題は厚労省のほうから、「がれき処理作業等におけるアスベストの気中モニタリング等について」ということで、まず事務局から説明をよろしくお願いいたします。

 

○樋口中央労働衛生専門官 厚生労働省から説明させていただきます。議事次第の束のほうに、厚生労働省の資料を付けております。資料1は、前回御報告させていただいた後1115日まで測定した数値結果一覧です。参考資料1は、平成25年度中全ての測定結果を再度収録しております。本日は資料1で説明させていただきます。

 前回御報告させていただいた718日以降1115日までに大体40箇所測定しております。そちらの報告の一覧が資料1の一覧です。また10本以上漏えいが確認されている場所について、詳細に御報告いたします。

 厚生労働省資料12ページ目ですが、今回3箇所漏えいが確認された場所があり、宮城のNo.11No.123ページ目の福島のNo.14になります。こちらの詳しいデータについては、「委員限り」ということで測定結果の詳細データを付けております。

 まず宮城のNo.11ですが、先ほど環境省が御説明していたNo.376と同じ所の測定データです。非公開資料の3ページ以降がそのデータになります。こちらについては環境省と同じですが、排気口の付近で漏えいが確認されているところです。排気口で430本のアスベストの飛散が確認されているところです。この地点については、リアルタイムモニターでも測定しており、環境省と同様な結果になっています。非公開資料の18ページに、リアルタイムモニターの測定結果を付けておりますが、排気口付近で、開始から大体20分後ぐらいに繊維が漏えいしているというか、パーティカウンター、リアルタイムモニターがカウントしているのが確認できると思います。詳細な現場状況の説明については環境省と同じになりますので、説明は割愛させていただきます。

 次の漏えいということで、資料1の宮城のNo.122ページ目です。非公開資料の19ページからは詳細な報告になります。こちらNo.12地点で、前室付近で60本程度の飛散が確認されております。非公開資料の22ページ、この日風が強く吹いていたということで、22ページの黄色の○ですが、風下の定点でも若干ですが、10本程度のアスベストのカウントがなされているところです。

 測定状況についてですが、19ページに戻り、この測定検査については、前室については完全に閉められた形で作業が行われたということですが、19ページの中頃ですが、出入りは頻繁にあったということで、このときに持ち出したのではないかと推測されるところです。詳細については、中村先生より御報告いただく予定です。

 もう1つの漏えい箇所についても簡単に御報告いたします。福島のNo.14、資料13ページ目です。こちらについては前室のほうで総繊維で1500本、石綿で1300本の飛散があったということです。非公開資料の33ページから詳細な測定結果のデータ出ております。リアルタイムモニターで測定しており、そのデータは49ページにあります。こちらについても、大体開始後40分辺りに強く飛散が確認されたということで、このときに測定会社から解体業者に声掛けして、作業はこの時点でやめたということです。

34ページに戻り、この漏えい時の状況についての詳細です。少し読み上げますと、「耐火ボードにより塞がれていた機械室と隣接廊下天井裏との間に開いていた穴があって、作業中に耐火ボードを離して、その穴が開いてしまって、負圧を管理できなかったのではないか」というような推察が述べられております。この時点でリアルタイムモニターも大きくはねたことが報告されているところです。

 いずれの現場もリアルタイムモニター等で漏えいが確認された所については、そのときに測定会社から当方に連絡いただき、管轄の監督署が必要な現場指導しているところです。それ以外の場所についても、結果が分かり次第、監督署のほうで現場の指導をしているところです。それぞれの漏えい原因について、中村先生から詳しく説明をお願いします。

 

○中村専門委員 労働安全衛生総合研究所の中村です。今の3件について、漏えいの原因について説明をしていきたいと思います。

 まず、宮城県のNo.11ですが、お手元の「委員限り」の資料を御覧ください。3ページから概要が書いてあります。この地点は、先ほど環境省から報告があった測定点と同じ現場となります。昭和51年に建てられた2階建ての建物の解体工事ということで、調査時は煙突の断熱材の除去作業を行っていたということで、使用されていたアスベストの種類はアモサイト、除去作業は煙突の壁を開いて、手作業で断熱材の剥離をしていたということです。前室が煙突の上部と下部に設置されていたということですが、当日は煙突の上部において作業員が2名作業に当たっており、集じん機は上にある1台が稼動していたということです。測定点は前室、排気口及び定点の3点で行われていました。

 この現場の結果ですが、資料の5ページのとおりで、排気口付近で位相差顕微鏡による総繊維が高く、資料では位相差の総繊維は書いてないですが、475.66f/Lでした。その後、電顕によって分析したところ、総繊維として609.3、アスベストの濃度としてアモサイト、全てアモサイトで557.1f/Lという結果となっております。除去対象のアスベストと測定された種類は一致しておりますので、漏えいが疑われる事例です。

 まず、この原因についてですが、18ページのリアルタイムモニターの結果から、開始30分のところで高い値になっているということで、このときに漏えいが起こったと考えられます。このときの作業として、プレフィルターの交換が行われていたということなのですが、上がったタイミングから考えますと、交換前に既に濃度が高かったと考えられます。交換を行ったのが、大体開始から20分後ぐらいということですので、それ以前の段階でファイバーモニターの値が上がっているということですので、交換前から漏えいがあったということで、作業開始時点でもう既に漏えいがあったということだと思います。その交換後に下がっておりますので、交換したことによって改善されたのかと、データからは読み取れます。後々、集じん排気装置の点検を行ったところ、装置本体とHEPAフィルターの部分の隙間に粉じんが通過したような汚れがあったことが確認されたと聞いておりますので、ここから漏れがあったのかと考えています。

 先ほど環境省の資料を見せていただくと、この後また上がっているので、この時点で厚生労働省のデータだと下がっているので改善されたのかとは思ったのですが、どうもその後もう一度上がっているというのが環境省のほうの資料でありましたので、この時点で解消されずにそのまま、隙間があるままだったのかと考えますので、装置としての不具合であったのかと思われます。

 続きまして宮城県No.1219ページからの現場に移ります。この現場は昭和59年に建てられた倉庫の解体工事をしていたところで、調査時は屋根の裏に吹き付けられた吹付け材の除去を行っていたということで、アスベストの種類はアモサイト、含有率は不明です。この現場ですが、測定の結果、前室付近で総繊維数濃度が71.35f/Lとなりました。その後電顕の結果から、総繊維が104.4f/Lで、アスベストの濃度として全てアモサイトで87.0f/Lとなりました。その結果は21ページにあります。こちらも除去対象と測定された種類同じですので、漏えいの可能性が疑われる現場となります。また、この現場では定点においても、同じく総繊維が10本超えており、19.02f/Lとなっており、偏光顕微鏡で同定をしたところ、16本中12本、濃度として14.27f/Lがアモサイト、トレモライト、アクチノライト、アンソフィライトに該当するものであると判定されております。

 漏えいの原因ですが、先ほど樋口専門官からも説明がありましたが、ここでは前室の入口のエアシャワーの扉が閉じていたということがあったと聞いております。ですから吸気が取れてない可能性が高いので、うまく負圧になっていなかった可能性が考えられます。養生がはがれやすいという理由から、作業中に負圧集じん装置を少し設定を低くして使っていたということも聞いておりますので、中の負圧が取れてない可能性は高かったのではないかと思います。また、出入りも多かったと聞いておりますので、そのときに前室から持ち出した可能性が高いと思われます。また、エアシャワーの設定も10秒と短時間であったとも聞いておりますので、これによって作業員が出るときにきちんと落として出ることができなかったことかと考えられます。

 続きまして福島県のNo.14に移ります。資料の33ページから概要があります。ここは昭和46年に建てられた建物です。これは改修工事で、空調機械室の天井及び梁に、クリソタイル含有の吹付け材が使用されていたということです。含有率については不明です。また、この現場では対象の吹付け材に対して、平成2年の段階で薬剤による封じ込め処理が行われていたということです。作業が行われていたのは3階の空調機械室で、天井及び梁の吹付け材の除去作業になります。集じん機が1台使用されておりました。排気口は階段を通して地下1階まで延ばしていたということです。

 この現場の測定結果は35ページにありますが、前室付近で位相差顕微鏡による総繊維数濃度が1534f/Lという非常に高い値となっております。その後の電子顕微鏡による分析から、総繊維数濃度が1096.9f/L、アスベストとしてクリソタイルが174.1f/L、アモサイトが800.9f/L、合計で975f/Lとなっております。除去対象はクリソタイルの含有ということだったので、このアモサイトがどこから来たものか不明ですが、アスベストが確認されたということです。

 この前室からの原因ですが、まず49ページにリアルタイムモニターの結果があります。開始35分くらいからおよそ10分間程度、高い値を示しているということです。この間、作業員の入退室はなかったということですので、作業員が持ち出したということではないと考えられます。

 この現場ですが、この時間帯に耐火ボードにより塞がれていた機械室と隣接の廊下の天井裏との間に穴が開いていて、そこが除去作業によってボードを外したために表に出てきたということがあったと聞いております。その穴の様子については50ページに写真があります。このような形で穴が開いていたということです。その後、この穴の部分を塞いだところ、前室と入口に設置していたリアルタイムモニターの値が下がったということですので、この穴が開いたことによって一時的に隔離区域内の負圧が保てなくなって、前室から漏れてきたことが推測されます。この穴は作業によって開いたのか、前から開いていたのか分からないのですが、いずれにせよ養生に不備があったことが原因だと考えられます。以上です。

 

○神山委員長 ただいま厚生労働省の測定された検体結果の説明でしたが、特に高いところが3箇所ほど出ていたこともあります。御質問等ありましたら、よろしくお願いいたします。

 

○小林委員 1点は単純なことなのですが、測定結果のところにバーを引いたところが大分あるのですが、これ、前も言ったような気がするのですけれど、バーというのはやってないのか、やったけど検出されなかったかが分からないのですよね。必ず、検出されなかったのか、やらなかったのかが分かるように。バーって、普通大体やらない場合にバーを引くのです。これはやって検出されなかったのではないかなと思うのです。ですから、きちんとなら、「ND」とか書かれたほうがいいと思います。それが1点です。

 もう1点は、書くところの部分について。ずっと書いてあるのですが、結果、厚生労働省としては、解体業者に対してどのような指導をしたのか、対応したのかが書いてないのですが、その辺は各々についてどうだったのでしょうか。

 

○樋口中央労働衛生専門官 漏えい原因がある程度分かるものについては、再発防止の改善ということで御指導させていただきます。申し訳ないですが具体的な指導の内容についてはこの場でもお話できません。ただ、再発防止という意味で同じような事故は起こさないようにということで、個別原因に対する指導はさせていただいているところです。

 

○神山委員長 ただいま最初のほうの御質問で、バーが付いているのは、委員限りのモニタリングの結果のほうの表だろうと思うのですが、本体の資料1では、空欄のところは「していない」という理解でよろしいのですか。

 

○樋口中央労働衛生専門官 はい、そういう理解です。

 

○神山委員長 「委員限り」の配布のバーは。

 

○樋口中央労働衛生専門官 そこはちょっと混同しております。次回からは少し測定会社と相談して、分かるような形にさせていただきます。

 

○神山委員長 そうですか。その辺は統一しておいてもらったらよろしいと思います。ほかにございますか。

 

○森永委員 この「委員限り」の資料なのですが、宮城県の地点No.11は、石綿とアモサイトというのはよく分かる。一致しているので、確かによく分かります。No.12は、本当にアモサイト含有の吹付けが昭和59年以降に施工されていたのだとすると、これちょっとおかしいなと思うのですが。施工年が本当に昭和59年以降だったのでしょうかというのが質問です。

 それから3番目の地点No.14ですが、クリソタイルの吹付けがあったということですが、多分これはアモサイトが吹き付けられて、その上にクリソタイルを吹き付けたので、見かけ上クリソタイルの吹付けということなのだと。

 

○神山委員長 そういうふうになっていますね。

 

○森永委員 入らないのですよ、これ。だから、アモサイトを吹き付けて、その上にクリソタイルを吹き付けていたと思われるので、これは事前調査が不十分であったという結論ではないかと、私は思います。以上です。

 

○神山委員長 はい。森永委員おっしゃるように、最初のほうの「昭和50年以降施工」という、その記載が間違えているのか、昭和59年も依然として吹付けがされたのか、いずれなのかというのは、今の段階では分からないでしょうかね。

 

○樋口中央労働衛生専門官 そうです。施工業者からの聞き取りの情報なので、設計図書等での確認は取れていません。

 

○神山委員長 その辺は調べておいていただければと思います。

 

○樋口中央労働衛生専門官 はい。分かる範囲で。

 

○神山委員長 あとのほうは、そのとおりなのでしょうか。二重吹付けということで、こういうことが起きるということですか。その辺も分からないわけですか。

 

○樋口中央労働衛生専門官 その辺もわかりません。

 

○神山委員長 では、その辺は調査の会社のほうにでも問い合わせて、確認をしていただければと思います。ほかにありますか。

 

○外山委員 今のと関連してですが、1つは3番目です。福島県の例ですが、耐火ボード外したところで穴が現れたということで、耐火ボードにアモサイトが入っていたという可能性もあるのかなと思います。

 それから同じ事例で、最後のページの写真ですが、穴の大きさはどのぐらいなのでしょう。数センチぐらいは5センチぐらい。

 

○東北緑化 5センチくらいです。

 

○外山委員 ここから、このぐらい穴が開いたぐらいでこんな漏えいというのが起こるのかなと、ちょっと疑問に思います。通常だと、負圧を保っていれば、ここから流入してきて外には漏れない。そのために負圧ということ使っているので、原因がこれだけというのが私にはちょっと納得できないというか、もっとほかの原因があるのではないかという感じがします。以上です。

 

○東北緑化 この測定に関しまして、漏えいが確認された段階で、解体業者に聞いたところ、この穴が原因ではないかという話があったということです。ですから、まずそれが原因ではないかと、書かせていただきました。

 

○神山委員長 負圧のほうの確認は取れているわけですね。負圧が十分だったかどうかという。

 

○小西委員 今の件に関係あるのですが、以前にもいろいろ測定に関して、こういうデータをというお話したことがあるのですが、今、厚生労働省も環境省も、負圧の管理をどうするかということが大きなポイントになっていると思うのです。今後、次の調査のときに作業室なり、もし前室の更衣室のところに微差圧計が設置されていれば、その値は測定時点でデータを読めると思うのですね。その数値を記録しておいてもらいたいということです。負圧が本当に保っていたのかどうか、それがデータを判断する時に重要なポイントになると思います。

 もう1つは、先ほど全部閉めきっていたので、その前室入口の風速がほとんど取れないということなのですが、そこのところで、もし開いていれば入口のところの風速を是非測っておいてもらいたいということです。前もお話したのですが、それが今後のいろいろな政策にもとても重要なポイントだと思うのです。「漏えいしたから」ということではないのですが、解体現場については是非そういうデータをきちんと蓄積していただくと、ありがたいと思うのです。

 

○樋口中央労働衛生専門官 一応スモークテスターで、内向きの気流の流れは確認するような形で確認していただいております。実際数値が拾えるかどうかについては現場によりますので、できる限り対応する形でやっていただこうと思います。

 

○神山委員長 最初のほうの外山委員の質問は実験等でもトレースされているような結果がありましたね。つまり、負圧が十分取れていれば、この程度の穴が開いていても、そんなに漏えいはしないというのは、実験的にもつかめているので、やはり詳細な確認が必要かと思います。では、その辺も含めてよろしくお願いします。

 

○小坂委員 これはどこでしたかね、資料の18ページです。

 

○神山委員長 「委員限り」の18ページですね。

 

○小坂委員 はい。上と下に、ファイバーモニターとパーティクルカウンター、デジタル粉じん計の経時変化が出ている図があるのですが、上のほうのファイバーモニターの値が30分、35分ぐらいで、20分ぐらいからずっと下がってきて、40分ぐらいで非常に低くなっているわけですが、下のデジタル粉じん計では山が2つになっているのですね。これはどういうことなのでしょうか。

 ここの現場でフィルター交換が行われたことが先ほど説明があったのですが、これはHEPAフィルターの交換をしたのですか、あるいはプレフィルターの交換をしたのですか。その2点について教えていただきたい。

 

○中村専門委員 まず、フィルターに関してはHEPAではなくて、プレフィルターの交換ということで聞いております。

 それから粉じん計との違いですが、確かにこれは一致していないなと思うのです。ちょっとはっきりしないですけど、もともと粉じん計の値は作業前から高いというのが、これを見て分かるかと思うのです。左側ですね。作業前平均は割と高いということです。作業前の除塵装置が動いたときの値ということでいいのかどうかがちょっと分からないですけれど、もともと高かったという可能性があるのと、もう1つ、除塵装置を一時止めたり、つけたりしたときに、その値が上下したことがあったので、外のものを拾っていたのかもしれないと、ちょっと思っています。

 

○小坂委員 結局、この2つの山というのは分からないということですか。

 

○中村専門委員 そうですね。特に、例えば、40分のところに出ているというところですね。そのときに、下のデジタル粉じん計のほうの2つ目の40分ぐらいに来ている山のところでは、「除塵装置停止、7分間後再稼動」とありますので、この時間帯は恐らく止まっていたのだと思います。そうなると、やはり外のもので高かったかなと。

 

○小坂委員 集じん機停止させた理由は説明ありましたか。

 

○中村専門委員 フィルターの交換で止めて、すみません。ただ、この後半のほうは「プレフィルター交換」というところとは違う。ちょっとそこは、すみません、理由ははっきりしません。

 

○小坂委員 その説明ですと、確かに分からないところ多いと思うのですが、ちょっとその辺りが機器の相関の問題もあるし、漏えいとかいう問題について、よく分からないところがあるというような気がしたのです。

 

○中村専門委員 ですので、最初の山は漏えいで両方上がったのかなと。後半の山に関しては、もともと外が高かったというものの影響を受けて、粉じんは上がっているけれど、繊維は外には飛んでいなかったので繊維は低いということです。そもそもが別の空気を拾っていたのではないかと、これを見て解釈できるとすれば、そういうことかと思います。

 

○小坂委員 今のコメントですけれども、この2つの相関というのはほかの所でも言われてたのですが、これは集じん機から出口、漏えいがあれば、アスベストも、ほかの埃も一緒に出てきているわけですね。ですから、アスベストと一般ダスト、混合したものの測定をしているわけで、それに対する反応が一致しているというだけで、ファイバーだけを測定していることの証明にはまだなっていないことを前提に議論をしたほうがいいと思います。

 

○中村専門委員 粉じん計のほうに関しては恐らくそのとおり、おっしゃるとおりだと思います。ファイバーモニターがない場合でも、要するに中から何か出てくれば、それを粉じん計で引っ掛けるということで、漏えいがあれば、それで確認できるということなので。

 

○小坂委員 いやいや、私が言いたいのは、ファイバーモニターも、普通の粒子に対して反応する可能性も否定できないということです。

 

○中村専門委員 特に、粒子の濃度が高いときは、誤検出みたいなことはあるかと思います。

 

○神山委員長 この測定箇所の宮城のNo.11は、環境省の資料でいきますと76番ということですので、環境省の「委員限り」配布の資料、3番目の塊の20ページにF-1というか、ファイバーエアゾルモニターもありますが、そのほかパーティクルカウンターとか何かもあります。ただ、測定時間が、厚労省の実施したのと時間のずれがありますので、時間を合わせてよく吟味してみないと分からないところもあります。環境省のほうのデータは、パーティクルカウンター、デジタル粉じん計データ、それとファイバーエアゾルモニター、いずれもよく相関が取れているような印象です。この厚労省のほうの時間帯がちょっと違うので、状況がそれほど比較して分からないところもありますが、基本的にはよく一致しているデータが多いようなので、ここは何か原因があったのかというのは、詰められれば詰めたほうがいいかもしれませんが、今からでは分からないかもしれませんけどね。ということで、両方参考に見ていただくと、かなり分かってくるかもしれません。

 この機械は環境省で実施したF-1と、厚労省が実施したF-1は、別の機械でやっているのですか。

 

○樋口中央労働衛生専門官 別々に用意してやっています。

 

○神山委員長 それからアエモテックも使ってますね。状態はよく一致しているということ。ほかにございますか。

 

○外山委員 今回の厚労省の調査のほうで、やはりこれ見ると、40箇所ぐらい、8月、9月、10月で測定をしていると思うのですが、そのうちの3箇所で、明確な漏えいがあったということは、やはりこの現場は多分抜打ちで行ったわけではなくて、こういう委員会が来ますよということで、予告をして行かれていると思うのですね。なので、やはりこの結果というのは非常に重く見る必要があるのかなと思います。今、日本全国で同じような状況が起こっていると考えるべきで、やはりアスベストの除去に関して大防法の改正もありますし、厚労省さんでも検討されていると思うのですが、引き続き規制を強化していく方向性で検討していくことが必要だと。もちろんやられていると思うのですが、改めてこの結果を見てそう思います。

 もう1つは、非常に気になるのは煙突です。宮城の煙突も今回報告ありましたが、前回も2つほど煙突からの漏えいという事例がありました。今回の原因も、負圧集じん装置のフィルターのずれということで、直接的にはそうかもしれないのですけれども、負圧集じん機というのはフィルターを入れてるだけですから、当然周りの隙間はわずかだけれどもあるわけですね。今回、短時間で漏れてしまうというのは、煙突の場合、例えば水を使います。そういうときに、粉じんがたくさん出ます。そういうときに負圧のフィルターがすぐ詰まってしまうというような状況で、それがやはりこういう状況を誘因しているという可能性もあると思うのです。

 ですので、煙突の場合、特に除去もそうなのですが、あと調査のミスで見逃してしまう事例も報告があります。あとは、通常の使用時でも、外に飛散しているのではないかという疑いもあります。あとはボイラー室も汚染されているのではないかという疑いもありますので、煙突に関して、今あるアスベストの場合、調査や管理の方法、除去に関して、全般的にほかの物と比べて、大分危険度が高いということではないかという感想を持ちます。是非この委員会ではないと思いますが、厚労省か、あるいは環境省で煙突に関して、特にそういう調査、管理、除去に関して安全な管理をしていく方向性で、改めて検討していく必要があるのではないかという感想を持ちました。以上です。

 

○神山委員長 今おっしゃるとおり、大防法、それから厚労省、この負圧除塵装置のメンテナンス、あるいは測定義務付け等、改正で進めているわけでして、そういう意味でもこのデータ等見ますと、そういう測定あるいはメンテナンスの重要さがよく分かると思いますので、今後また注目していかないといけないと思います。

 ほかにございますか。では、よろしいですね。それでは、「議題3」に進みたいと思います。3は、今回各自治体から御出席いただいておりまして、自治体からの現状、がれき処理等の撤去等の現状、先ほども今年度中に終わりそうだという朗報も聞いておりますが、順に御報告をいただければと思います。それでは、最初、青森からよろしいでしょうか。よろしくお願いいたします。

 

○青森県 それでは、資料右上に「参考資料1」と記載された環境省さんの資料をもちまして、まず青森県から説明したいと思います。まず、「1 被災建築物等」の解体の現状及び今後の見込み(予定)について」ということですが、本県では被災建築物の解体に係る申請があれば、被災自治体から本県に通知されますが、平成2310月以降は被災自治体から当該の通知はありません。

 次に2ページ目の「2 がれき処理やがれきの集積場の現状及び今後の見込み(予定)について」ということですが、本県では、本県での災害廃棄物の処理は終了しており、平成253月に災害廃棄物の仮置き場が廃止されました。

 次に3ページ目の「3 アスベスト大気濃度調査の現状及び今後の見込みについて」ですが、本県では平成233月~平成2310月までの間に、被害を受けた建築物周辺で延べ14地点、廃棄物集積場で延べ32地点の調査を実施し、調査結果はいずれも敷地境界規制基準値(10/L)以下でした。参考までに青森県の提出資料を添付させていただきました。2ページ後の右方に、青森県提出資料1に記載されたものですが、こちらが被害を受けた建築物周辺で延べ14地点、廃棄物集積場で延べ32地点の調査結果をまとめたものです。

3ページ目に戻りまして、また、平成2310月以降、被災自治体からも本県に対し、被災建築物の解体についての通知がなく、東日本大震災への対応としてのアスベスト大気濃度調査を実施しておりません。

 次に4ページ目の「4 その他」ですが、環境省さんが実施している東日本大震災の被災地におけるアスベスト濃度大気調査については、第1次~第4次モニタリングでは八戸市及びおいらせ町の地点について調査し、第5次~第9次モニタリングでは八戸市の災害廃棄物仮置き場3地点について調査しました。こちらの結果を、参照として青森県提出資料2として添付させていただきました。

 資料の4ページに戻りまして、第5次~第9次モニタリングまで3地点について調査しましたが、八戸市の災害廃棄物仮置き場が平成253月に廃止されたため、第10次モニタリング以降、本件の調査地点を選定しないこととしています。青森県からは以上です。

 

○神山委員長 ありがとうございました。御質問は全ての自治体からの御報告が終わった後に承りたいと思いますので、引き続き、次の自治体にいきたいと思います。岩手県からよろしくお願いします。

 

○岩手県 岩手県です。環境省参考資料1を使って説明をさせていただきます。「1 被災地における被災建築物等の解体等の現状及び今後の見込み」ですが、現時点で被災建築物の大部分は解体が終わっています。今年度中には全て完了する見込みです。

 次に2ページの「2 がれき処理やがれき集積場の現状及び今後の見込み(予定)について」ですが、がれきの処理状況については、全国の自治体の広域処理の御協力をいただきまして、おかげさまで平成259月末時点で約402tを処理しまして、岩手県震災廃棄物処理詳細計画に基づく推計量525tに対して進捗率は76.5%となっており、9月末の中間目標値72%を超え、年度内の処理完了を目指しているところです。なお、この岩手県災害廃棄物処理詳細計画については、岩手県のホームページでも公開していますので、御興味のある方は一度御覧になっていただければと思います。

 今後の課題として、引受先未定となっている一部の不燃系廃棄物の調整等が必要になるほか、復興資材化した津波堆積土の保管場所確保や具体的な活用先とのマッチングを進め、年度内の全量処理に向けて全力で取り組んでいくところです。

 次の3ページに「3 アスベスト大気濃度調査の現状と今後の見込みについて」ということですが、すみません。岩手県はこれは書き方に言葉足らずな所があるのですが、まず県としまして、平成25年度4月~10月までにがれき集積所の33箇所、これは延べ数で33箇所で大気調査、濃度測定を行っていまして、石綿が位相差顕微鏡で1L当たり1本以下の結果となっています。11月から3月まで、月4箇所程度のペースで、来年3月まで5か月間で計20箇所程度のアスベスト大気濃度調査を行う計画です。平成26年度以降については、アスベスト大気濃度調査、主に仮設住宅だとか、そこら辺を中心に行う予定ですが、地点数などについては現在検討中というところです。

 参考までにですが、岩手県が東日本大震災の発災直後、平成234月から今年の10月までの測定結果、延べでおよそ500地点近くやっているのですが、その結果についても岩手県のホームページ上で公開していますので、御興味のある方は御覧になっていただければと思います。岩手県の発表は以上です。

 

○神山委員長 ありがとうございました。それでは、宮城県からよろしくお願いします。

 

○宮城県 宮城県から、環境省参考資料1のページ順に御説明します。「県内解体状況について」ですが、仙台市を除きまして、ほぼ年度内に完了するという見込みです。仙台市については、被災棟数が非常に多いということで、次年度以降も解体が続くということを考えています。

 それから、「2 がれきの処理の状況」ですが、年度内中に焼却施設、あるいは津波堆積物も含めた処理施設、解体も含めて終了する予定となっています。参考としまして、9月末日現在で参考のデータとして、県内の推計量は1,7774,000tです。それに対して9月末の処理量ですが、1,5324,000t86.2%という進捗率になっています。これは災害廃棄物、津波堆積物を合わせた数字となっています。状況としては、そんなところとなっています。

 それから、3ページ目、「3 アスベストの大気濃度の調査関係」ですが、今年度においては延べ40地点を実施中です。今は4分の3ですから、30地点を終了しています。次年度以降も一部、石巻市なども解体が残るということを予測していまして、3月の時点で年度計画を立てて、次年度以降も継続したいと考えています。宮城県からは以上です。

 

○神山委員長 ありがとうございました。それでは、福島県からお願いします。

 

○福島県 環境省参考資料1を用いて説明させていただきます。1ページ目の「1 被災地における被災建築物等の解体の現状及び今後の見込み(予定)について」ですが、放射性物質汚染対処特措法で国が指定した汚染の廃棄物対策地域を除いた福島県の災害等廃棄物の処理の進捗状況は、平成259月末現在で63%であり、平成25年度内には処理終了が困難となっています。平成26年度の早い時期での終了を目指し、処理を促進しているところです。

 なお、家屋解体のみに係る進捗率については集計していませんが、浜通り地方の一部自治体では、家屋解体の数が膨大であることから、平成27年度まで処理が残る可能性があります。また、中核市である郡山市、いわき市については、平成25年度中に完了する見込みとなっています。

 続いて2ページ目の「2 がれき処理やがれきの集積場の現状及び今後の見込みについて」です。先ほど申し上げたとおり、災害廃棄物の仮置き場についても、災害等廃棄物の処理事業が終了しない限り閉鎖できませんので、今後の見込みは、災害等廃棄物処理事業と同様となっています。

 また、郡山市は3箇所の仮置き場のうち2箇所については、平成26年度においても処分のための搬出作業を継続する可能性があります。また、いわき市については、災害廃棄物が現在、仮置き場14箇所で選別作業を実施しており、処理施設等において9月末現在で発生量の約91%を処理しています。概ね平成25年度末までに処理を完了する見込みですが、石膏ボード類及び被災船舶については、平成26年度も引き続き処理が必要な見込みとなっています。

 続いて3ページの「3 アスベスト大気濃度調査の現状と今後の見込みについて」です。当県では一般環境大気中のアスベスト調査を行っており、平成23年度より、東日本大震災の災害解体物による一般大気へのアスベスト飛散を監視する目的で1地点当たり月1回で実施しています。今後の調査回数については中核市を含む関係機関で検討しています。

 また、いわき市では、災害廃棄物仮置き場15箇所で大気中のアスベストにかかるサンプリング及び分析を実施しました。平成26年度以降の予定については今後の災害廃棄物の処理状況によって決定することとしており、現時点では未定となっています。

 続いて「4 その他」ですが、福島県全体の災害等廃棄物処理事業の終了時期は、対策地域内の処理の見込みが現状では立っていないため、不明の状態となっています。なお、家屋の解体については、人手や機材が不足していること、また一部地域においては、仮住まいのアパート等が確保できないことなどが事業が円滑に進まない大きな要因です。以上です。

 

○神山委員長 ありがとうございました。それでは、次に茨城県からお願いします。

 

○茨城県 茨城県です。環境省さんの参考資料1に沿ってお話させていただきます。「1 被災建築物等の解体について」は、現時点をもちまして、ほぼ解体が完了しています。件数として、公費による解体のみの把握ですが、1つの市において1,078件の実施を確認しています。

 続いて2ページ、「2 災害廃棄物の状況」ですが、当県で発生した災害廃棄物は約86tありまして、本年9月末時点で約81t94%程度の処理が完了しています。残りについても今年度中には、ほぼ処理が完了する見込みとなっています。

 続いて3ページ目の「3 大気濃度調査の現状」ですが、当県において一般大気中のアスベスト濃度調査は、通常は県内1地点で実施しているのですが、東日本大震災の対応に特化した調査としては、特段行っていない状況となっています。簡単ですが、以上です。

 

○神山委員長 ありがとうございました。それでは、次に栃木県からお願いします。

 

○栃木県 栃木県です。私も環境省の参考資料1に基づいて、御説明させていただきます。まず、「1 被災建築物の解体の現状及び今後の見込みについて」ですが、栃木県内の東日本大震災に係る被災建築物は、全壊261棟、半壊2,118棟でした。

 被災建築物の解体状況を各市町に確認しましたが、私有物の公費解体はないので、詳細なデータはありませんでした。ただ、市町から情報を頂いたところ、解体が必要な建築物のほとんどが解体されているのではないかという情報も聞いております。しかし、一部の市庁舎では、「本年度に解体を行う予定である」という報告も受けているので、ごくわずかでありますが、いまだ解体されずに残っているものもあるのではないかと考えています。

 次に、「2 災害廃棄物の発生処理状況について」についてですが、930日現在、災害廃棄物の推計量は221,000tでして、処理された量は22tということを聞いています。よって、約99%の処理が完了している状況です。現在、稼動中の仮置き場は1箇所でして、平成25年度中にはその処理が完了する見通しです。

 続いて、「3 震災対応の環境モニタリングについて」についてですが、県として、通常は大気環境のアスベストモニタリングを県内3箇所で年に1回行っていますが、震災直後の平成23年度に、比較的震災被害が大きかった市、1ポイントを追加して実施しています。ただ、特異な結果は得られていません。

 最後に、「4 その他」で、大気汚染防止法に基づく届出の状況について、震災前後で変わっているかについてですが、特に震災前後で、栃木県内における特定粉じん排出作業等の届出件数は、大きな数の変動はありません。ただ、届出自体の内容などを見ますと、若干、数件ですが、震災関係の相談や震災対応の除去工事だということも、ありました。以上で栃木県からの御報告を終了させていただきます。

 

○神山委員長 ありがとうございました。それでは、次に千葉県からお願いします。

 

○千葉県 千葉県です。私どもは一番最後のページに、千葉県の被災状況の地図を載せさせていただきました。これを載せた理由ですが、総計で千葉県の場合、全壊が800棟、半壊は1万棟という数字が出ているのですが、実はこのほとんどが液状化によるもので、この地図で言う右端、右の上に旭市というのがあるのですが、こちらの市だけを中心に、津波の被害がありました。その関係でこの資料、実は旭市についての資料ということになります。

 千葉県全体では、いわゆる液状化については、まだ多数の建物が残っている状況がありますので、解体なのか、例えば地盤の改良なのかということで、まだ大分建物があるという前提でお話をさせていただきます。

 千葉県の現時点、これは旭市になりますが、全壊の建物についてはほぼ撤去済みです。それから、ここにありますとおり液状化のものが、まだ5600棟残っているということで、今後これらの建物がどうなるかについては、まだ全県を含めて不明な点が多いという現状があります。

 それから、「がれきの集積場」ですが、がれきの集積場はこの旭市にのみ存在しています。現状ではほとんど廃棄物の搬入が止まっている状況ということもありまして、一応、がれきの集積場としては今年度いっぱいで閉鎖される予定になっています。ただ、個別の解体工事というのはまだ若干あるということで、その辺にどう対応するかは市のほうで検討されているということを聞いています。

 それから、「アスベストの大気濃度の現状と今後の見通し」です。こちらも少し書き足し、不足があったのですが、平成23年度と平成24年度は旭市の仮設において1回ずつ検査をしていますが、他の場所に比べて、特段高い数値が出ているということはありません。平均的な数値が出ているということで、平成25年度からは実施していないという状況です。以上です。

 

○神山委員長 ありがとうございました。ただいまの被災自治体7県からの現状、今後の見通しに関しての詳細な御報告を頂いたわけですが、委員から何か御質問等があればお願いします。

 

○小林委員 2点あるのですが、先ほど御説明の中で、福島県さんと千葉県さんが少し触れられていたのですが、いわゆる被災した建物で、今後解体をするのか、補修でフォローするのかというのが分からない、そういう建物でアスベストがあるものについてどうするか、ということでもめているような事例があれば、少し教えていただきたいと思います。

 これは、なぜこんなことを質問するかというと、私がやりました阪神大震災でも結構ありまして、相当後まで尾を引いたということがあります。中には最終的にアスベストの除去どころか、建物の修理だけで、あったアスベストについて封じ込めたまま、今でもあるというのもございます。そういうものについて、どういう状況だったかというのがあれば教えてください。それが1点です。

 もう1点は、がれき処理の中で、いわゆるアスベスト含有廃棄物を分別されたものについて、どう処分されているのか。以前少しお聞きしたとき、まだ方法が分からないので置いたままというお話があったのですが、この辺について、その後何か進展があったら教えてほしいということです。よろしくお願いします。

 

○神山委員長 2番目の御質問は全自治体ですか。

 

○小林委員 そうです。

 

○神山委員長 最初の質問で、アスベストの吹き付けとか存在が分かっていて、除去等でもめているというか、処理が決定していないような状況のものを把握されていたら、お話を聞かせていただきたいと思います。どうでしょうか。

 

○福島県 福島県です。今は細かい資料がないので分からないのですが、把握している限りでは、そういった話は分からないところではあります。

 

○神山委員長 現在は把握していないということですね。

 

○福島県 はい。

 

○千葉県 千葉県です。私どもも特に残存建物について、アスベストの有無については調査をしていませんので、はっきり把握していないのですが、ただ、ほとんどが一般家屋ということは市町村から聞いています。ただ、個別についての詳しい調査をしていませんので、はっきりお答えできないところは申し訳ないのですが、こんな状況です。

 

○神山委員長 ありがとうございました。2番目の御質問はいかがでしょうか。どちらか自治体のほうで。「アスベストの廃棄方法」ですね、それで困っているか、あるいは規定どおり埋立て等が済んでいるかなど、その辺の情報は聞いていますか。

 宮城県は環境省のほうで逸速く視察等に行ったとき、相当処理を進めているという話は聞いていましたが、具体的な今みたいな話はあまり起きていないでしょうか。アスベストの廃棄に困っているという。

 

○宮城県 把握している限りでは、新しい情報は聞いていないです。

 

○神山委員長 というような状況だそうですが、神戸のほうは市街地、又は少し状況が違う所もあるかもしれませんね。だから、表に出てきていない部分があるのかもしれませんが、その辺は経験者として、小林委員はどのようにお考えでしょうか。

 

○小林委員 神戸の場合は、いわゆる住宅集中地域だったということがあって、相当のマンションがあったわけです。それで、実はそのマンションの所有者によって利害関係が発生して、解体するか、それとも補修でいくかということで意見が対立して、数年かかって解決する。その間に結局、法律改正までやっていただいたのですよね。同意者が、初めは全数同意でないとできなかったものを、たしか7割まででよいとか、そういうものを変えていただいて、それで大分進んだのですが、そういうことで結構後に引いたものがあります。それについては、ずっと追跡指導するということがありました。

 それから、2つ目の「がれきの最終処分について」は、結局放置してしまうというのが結構ありまして、兵庫県の場合はフェニックスの埋立て地があったので、そこを使ったとか、一番被害が大きかった神戸市については、とりあえず最終処分場に放り込んで、実はこれは公表されていないのですが、相当な時間をかけて、数年どころの騒ぎではなくて、結構な年数をかけて、埋めた最終処分場をもう一度掘り起こして、アスベストか、不燃物、可燃物を分別して、もう一度最終処分場に入れ直すという作業をやっておられます。今後は各県や各市で、それが起こる可能性があると思っています。

 

○神山委員長 時代というか、状況が、その当時から大分過ぎているので、今の状況があるかないかというのは分からないところもあるかもしれませんが、楽観的に言えば、少しは進歩しているところもあります。自治体のほうに関しては、その辺も少し念頭に置いて、監視等をしていただければと思います。

 

○小林委員 今の件で、今後の東南海大地震が起こったときの状況で、今あるいろいろなマニュアルですね、環境省や厚労省が出されている、これを基本的に見直していく必要性があるのではないかと思っています。そういう意味で、今回被災された各県の経験が重要なキーになると思うので、是非その辺の情報を整理して、集めておいていただければ幸いと思います。

 

○神山委員長 そうですね。自治体は最前線で、こういった被災に対応していて、相当な労力と努力を重ねてこられていまして、大変だとは思いますが、今みたいな状況もありそうだということですので、重ねてその辺をよろしくお願いしたいと思います。

 

○小島委員 今の話に関連するのですが、がれきの処理の集積場等々は、一部の県を除いて、今年度中に施設そのものも解体して完了させる見込みですというお話がありました。とはいうものの、例えば1ページ目で言うところの「被災建物等の解体はまだまだ残っている」という所で、これは手続上の話なのですが、今後は通常の法律に則って、被災建物であっても粛々と処理をしていくという話でよろしいですね。要するに届出から解体、廃棄物処理に至るまでの処理というのは、通常の処理で行われるという理解でよろしいですね。

 

○神山委員長 これは環境省から。

 

○渡辺課長補佐 基本的に、これまでもアスベストに係る届出は、法令どおりなされていたと思いますし、今後も法令どおりの手続がなされて、廃棄物についても進められていくと考えていますが、自治体さんのほうは、何か違った御意見はありますか。

 

○神山委員長 特別措置をしてとか、そういうお考えがもしあればお聞かせ願います。特別にはなくて、法律どおりという状況ですね。ということのようです。ありがとうございました。

 

○外山委員 これは環境省へのお願いですが、福島県内の放射線の影響を受けた汚染廃棄物対策地域は、環境省の管轄になっていると思います。福島環境再生事務所という所が管轄していると思いますが、今年に入って避難指示解除地域というのが出来まして、徐々に建物の解体が始まってきていると聞いています。放射線もあって、非常に大変な状況だと思うのですが、是非こちらのほうの状況も、次回以降に報告いただけたらと思います。以上です。

 

○神山委員長 ありがとうございました。環境省のほうで、福島県に関しては来年度もモニター等があるということですが、今のような問題についての対応も配慮があるのでしょうか。

 

○渡辺課長補佐 福島県さんにおかれましては、本日御説明いただいたとおり、まだ残るということですので、次年度においてもモニタリングを継続するように予算要求をしているという状況です。

 

○神山委員長 ありがとうございました。

 

○小坂委員 青森県の御説明の中で、3ページですが、「調査結果はいずれも敷地境界規制基準値以下であった」、10/Lという数値を挙げておられるのですが、これは平成16年にアスベスト製品製造工場が基本的になくなったわけで、この値を適用する場所は、もう今はないはずなのですが、渡辺さん、そういう理解でいいのですね。

 

○渡辺課長補佐  はい。10/Lというのは、石綿含有製品製造施設に係る敷地境界基準ということです。

 

○神山委員長 青森県から提出のあった資料1と資料2。資料2も含めてですが、資料1のほうですね。先ほどのまとめでは10/Lと述べられていますが、これを拝見すると、ほとんど1本。1.3というのもありますが、1本以下という値になっているのが分かると思います。ですので、表現上の問題だったかもしれませんが、その辺、現在この敷地境界規制というのは、製造現場の敷地境界という御指摘のとおりだと思います。ありがとうございました。

 それでは、ほかにないようですから、3の御報告は終了とさせていただきます。今後もまだ対応が大変だと思いますが、どうぞよろしくお願いします。

 それでは、3番まで終わりましたが、1番、環境省への御質問はありませんでしたが、1番の議題に関して、ほかに特段ないでしょうか。なければ、「4 その他」ということで、事務局から何かありましたらお願いします。

 

○樋口中央労働衛生専門官 特にありません。

 

○神山委員長 それでは、議題はこれで終了したということで、進行を事務局にお返ししますので、よろしくお願いします。

 

○樋口中央労働衛生専門官 本日は長時間の御議論、ありがとうございました。本日の議事録については、各委員に御確認いただいた上で公開させていただきます。次回の委員会については、モニタリングの調査結果の取りまとめ状況を踏まえて、皆さんに日程調整させていただこうと思います。環境省さんが2月まで調査ということですので、3月の中旬か下旬頃を目処に、次回を開催させていただこうと考えております。また御協力のほど、よろしくお願いします。

 それでは、本日の合同会議はこれで閉会とさせていただきます。どうもありがとうございました。

 

○神山委員長 どうもありがとうございました。


(了)
<厚生労働省>

労働基準局安全衛生部 化学物質対策課 樋口

〒100-8916
東京都千代田区霞が関1-2-2
TEL: 03-5253-1111(内線5515)
FAX: 03-3502-1598

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 労働基準局が実施する検討会等> 東日本大震災アスベスト対策合同会議(東日本大震災の復旧工事に係るアスベスト対策検証のための専門家会議)> 第12回東日本大震災アスベスト対策合同会議 議事録(2013年11月29日)

ページの先頭へ戻る