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2013年11月12日 第94回労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会議事録

職業安定局雇用保険課

○日時

平成25年11月12日(火) 10:00~12:00


○場所

中央合同庁舎第5号館(厚生労働省)12階 職業安定局第1・2会議室


○議題

・雇用保険制度について
・その他

○議事

○岩村部会長 ただいまから第 94 回雇用保険部会を開催いたします。皆様お忙しいところを御参集いただきまして、誠にありがとうございます。議事に移ります前に、委員の交代がございましたので、お知らせいたします。 11 11 日付けで、井上委員に代わりまして三島委員が就任されました。よろしくお願いいたします。次に、本日の出欠状況ですが、橋本委員が御欠席です。また、青山委員は本日御欠席でございますが、代理として、日本商工会議所産業政策第二部課長の上條様に御出席いただいております。よろしくお願いいたします。また、遠藤委員は若干遅れて来られるということでございます。

 それでは議事に移りたいと思います。なお、カメラの頭撮りは以上ですので、撮影は御遠慮いただきたいと思います。

 本日の議題ですが、お手元の議事次第にありますように、「雇用保険制度について」です。まず、事務局から資料に沿って説明を頂戴し、その後に質疑に入りたいと思います。

 まずは資料 1 で、「求職者支援制度関係資料」について御説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○佐々木派遣・有期労働対策部企画課求職者支援室長 それでは、資料 1 に沿って御説明します。資料 1 を御覧ください。求職者支援制度に関しましては、 5 月の回に制度の概要について御説明させていただき、その後、 7 月の回に制度の実施状況について御説明させていただきました。それを受けて、これまでの御意見をまとめながら、論点に沿って御議論いただければと思います。

 資料 1 1 ページにつきましては、これまでの御意見ということで、それぞれ論点に近いところに沿って並べ直しておりますが、訓練期間中の生活支援の効果ということで、給付金に関する御意見、それから、安定就職の関係として、就職の内容についての御意見などがありました。それから、財源につきましても、基金の残額の活用を含め、御意見を頂戴しています。

2 ページが、論点についてということで、こちらは 9 13 日に、全体の論点の提示の際に、求職者支援制度についても 6 つほど論点を挙げたところです。 1 つ目が、制度全体が、第 2 のセーフティネットという趣旨ですので、その趣旨に沿ったものになっているのかという内容で書いております。 2 点目が、必要な訓練が質・量ともに十分確保できているか、 3 点目については、 10 万円の給付金のことですが、この金額、その支給要件が妥当なものになっているのか、 4 点目としては、給付金の中でもいろいろ意見が多い出席要件の部分についてどう考えるのかという点です。 5 点目が、より安定した就職につながるよう、就職支援とか就職の内容に応じた取扱いをどのように考えるのか、最後の 6 点目が、財源についてどのように考えるのかという 6 点を、 9 月の回に提示させていただきました。

3 ページ以降、 1 つ目の論点の第 2 のセーフティネットとしての役割を果たせているかという点に関して、資料をお付けしております。 3 ページ目は、第 2 のセーフティネットということですので、ハローワークにいらっしゃる方、それから、ハローワークになかなかいらっしゃらない方も含めて、周知や誘導が適切になされているのかということで、現状の取組を書かせていただいております。

 周知につきましては、基本的には制度を紹介するポスターなどを掲示したり、あるいは、訓練機関のコースごとに、いろいろな訓練の内容などを記載したリーフレットなどをハローワークの中で配布しております。更に、それぞれの労働局ハローワークごとに地域の実情などを踏まえまして、周知の取組を工夫しながら実施しているところであり、主な取組例を資料に書いております。例えば、福祉事務所などの関係機関に周知を依頼したり、その関係機関の職員の方に対する制度の説明会を開催したり、あるいは、身近に情報を手に取れるようにということで、名刺サイズぐらいの小さなカードを作って、そこに QR コードを入れて、さらに詳しい情報にアクセスできるようにするといった取組や、訓練実施機関が直接、受講者向けの訓練説明会を開催しており、同一分野で複数のコースが同時期に開催される場合などに、どちらが御自身の希望により近い内容になっているのかを確認しながら、実際の訓練実施機関の話なども聞きながら選択できるという効果があるようですが、そういった取組などもさせていただいております。

 資料 4 ページが受講への誘導を簡単な図にしたものです。御本人がいろいろな情報を得て、直接訓練を受講したいとおっしゃる場合もありますし、ハローワークの中で職業相談などをしながら、例えば、 1 年以上、長期の失業状態にあるとか、非正規の労働が続いているような場合には、ハローワークから訓練というものもあるということを説明をしながら、必要な方に訓練機会が提供できるようにするという取組をすすめております。また、福祉事務所などの関係機関、こういった所での制度の紹介や、受講してみてはどうかというようなアドバイスなども踏まえて、ハローワークにいらっしゃるという例もあります。

 資料 5 ページは、関係機関からの御意見です。制度に対しての御意見として、いくつか挙げております。 1 つは、例えば、就労に向けて取り組みたいという意欲が高く、また、そのままではなかなか就職しにくいということで、制度をお知りになって、訓練の受講を希望した場合であっても、出席要件などから、例えば、その方にとって、どうしても週 1 回、短時間の通院であっても必要な場合があるなどしたときに、現状の出席要件では、 1 日の欠席という扱いになってしまうので、そういったところから受講を断念してしまう場合があって、そこが何とかならないかというような御意見を頂戴したり、あるいは、就労経験が少ない方もいらっしゃいまして、現行の訓練の概要が下のほうに書かれているように、訓練期間が 3 6 か月という形になっておりますが、いきなり 3 か月のコースとか、丸 1 日座学というような訓練を受けることに、ハードルを感じる方もいらっしゃって、段階を踏みながら支援していく仕組みもあってもいいのではないかという御意見も頂戴しております。

 資料 6 ページが、御議論いただきたいところです。制度の周知、あるいは、ハローワークでの訓練の誘導ということで、様々な工夫をしながら取り組んでいますが、一方で、これまでお示しした調査などでも、制度をどのように知ったかというと、やはりハローワークでの広報とか、ハローワークで紹介されているというところが大きな割合になっています。ハローワークにいらっしゃらない方も含めて、真に支援が必要な方に訓練機会が提供できるようにという趣旨から、どのような取組を充実させていけばいいのかという辺りについて御示唆いただければと思います。

2 点目として、関連機関からの御意見も資料として掲載していまして、現行、訓練期間の幅とか分野、受講方法などが決められておりますが、特定求職者という受講生の能力や経験などを踏まえて、多様なコースが設定できるような見直しが必要ではないかと、この辺りについて御議論を頂戴できればと思います。

2 点目の論点である、訓練の質・量を確保するための取組ということですが、これまでもこの部会では、求職者支援制度について、制度創設時から職業能力開発分科会と分担しながら議論を進めております。役割分担をしっかりという御指摘を頂いておりましたので、訓練の質・量を確保するための取組に関しては、主に職業能力開発分科会での御議論をお願いし、また、職業能力開発分科会での御議論の状況をお伝えしながら進めていきたいと思います。

 資料 7 ページが、職業訓練受講給付金についてです。こちらに関しては主に雇用保険部会で御議論いただく内容となっております。 7 ページは現行制度の概要ということで、職業訓練受講手当は給付金支給単位期間ごと、 1 か月ごとに 10 万円という形になっております。支給要件として、1から7にある収入要件とか資産要件、それから5の所で、出席要件と呼んでおりますが、訓練の全ての実施日に出席していること、こういった要件に該当しているか、手続の中で審査することになっております。実施状況は右側に書いておりますので、後で御覧ください。

8 ページが、職業訓練受講給付金に対する指摘ということで、これまでの建議とか、あるいは、制度創設時に御審議いただいた、衆議院厚生労働委員会、参議院厚生労働委員会での附帯決議などを載せております。

9 ページ以降は、参考資料ということで、給付金の額が妥当か、あるいは、要件が妥当かという論点ですので、制度創設時に給付金の額などを議論した際にはデータを示して御議論していただいておりますので、データを現時点版に直したものを付けております。例えば 9 ページの上が、公共職業訓練を受講する場合の雇用保険受給者の方の給付額ということで、当時も最低賃金でフルタイムに働いた場合で計算しておりますので、同じように計算すると、中ほどに、単純に計算したものですが、 115,760 円という形になっております。

 また、資料 10 ページですが、雇用保険とのバランスも、これまでも御指摘いただいています。給付金が 10 万円ですので、雇用保険のほうの基本手当の受給額を見ると、月額 10 万円以上の方が約 9 割、 10 万円以下の方が約 1 割という形になっております。

 資料 11 ページです。制度創設時には、地域のバランスということも御議論いただいていましたので、ほかにも地域のバランスを見る上で、見るべきデータはあろうかと思いますが、一つ御参考として、短時間労働者の給与の状況ということで、地域ごとにどれぐらい差がついているのかを参考として見ていただければということで、資料を付けております。

 検討の方向性としまして、雇用保険と給付とのバランスについて、これまでに特定求職者の実態などを見てきていただいておりますが、どういう層と比較するのが適当なのかという辺りが議論のポイントになろうかと思います。それから、地域ごとの賃金等の実態を踏まえて、給付金額を決定すべきなのかどうか、制度創設時に地域差の議論もありましたので、こちらをやるとすればどういった要素、賃金だけなのか、ほかにも実情を考慮すべきなのか、そういった辺りが議論のポイントかと考えていて、ここに書かせていただいております。

12 ページからが 4 つ目の論点の、給付金の支給要件の部分です。現行の制度は、基本的には支給要件において、出席については、訓練の全ての実施日に出席していることが必要になっております。ただ、その中で、やむを得ない理由により出席できなかった日がある場合にあっては 8 割以上の出席が求められています。その出席の取扱いですが、例えば、遅刻・欠課・早退など、一部の時間を休んだという場合でも 1 日分を欠席したものとして取り扱っております。

 次の所に、やむを得ない理由として、現行の取扱いを書いております。訓練の実施日から除外して取り扱っているものとして、受講生がインフルエンザ等に感染した場合には、出席していただくと逆にほかの受講生に感染を拡大させる恐れもあるので、公衆衛生上の観点からこれは除外して取り扱っております。学校などの取扱いもそのような形になっているかと思います。

 それから、やむを得ない理由として取り扱っている主な事項です。御本人の御病気、怪我をされた場合、法令の定めがある事由ということで、裁判員などに指名されたような場合、それから、求人者との面接など、御家族の御病気とか介護の場合、親族の御葬儀があった場合、それから、公共職業訓練の場合に、指定来所日に安定所に赴くため、こういったものがやむを得ない理由として取り扱っている事項になります。 ( ) の所に書いておりますが、この中でも求人者との面接など、特にハローワークに指示されたものに関しては、ハローワークの指示に従わずに面接を休んだような場合は支援拒否という取扱いになってしまい、給付金を不支給とするという取扱いにしております。また、受講生の中でも求職者支援訓練ではなくて公共職業訓練のほうを受講される場合もありまして、こちらでも指定来所日にハローワークに来ていただかねばならないのですが、カリキュラムにセットされていない状況にあって、訓練を欠席して来ていただかねばならないという状況になっております。ただ、当然ながら、指定来所日にいらっしゃらなければ、それは給付金不支給の要件に該当します。

 資料 13 ページですが、真ん中の、受講者等からの御意見、御要望というのは 7 月の回でも紹介ところです。検討の方向性としては 2 点書いております。休まざるを得ない状況の程度とか、それから、求職者支援制度の仕組み上の理由などから、訓練受講より優先する必要がある場合について、訓練の実施日から除外して取り扱うことを検討してはどうか、 2 点目として、遅刻・欠課・早退、こういった場合であっても残りの時間で出席可能であれば、できるだけ訓練受講を促していくような仕組み、例えば、時間で管理するとかいった取扱いはどうかというところです。

14 ページ目、 5 つ目の論点である、安定就職の部分です。就職への支援ということで、訓練開始前から訓練終了後まで、上段に書いたような取組をしております。検討の方向性としまして、より安定した就職につながるよう、事業の成果として、就職率を把握していますが、その就職については、現在は特段定義を求めず、御本人の申告に基づいて集計させていただいていますが、その就職の取扱いとして、例えば、雇用保険の適用要件などを参考として取り扱ってはどうかというのが 1 点目です。 2 点目としては、次のページ、前々回の資料に報告書を掲載しておりましたが、これについても、もう少し分かりやすくしたほうがいいのではという御意見を頂戴していたところです。こちらについては見直す方向で考えておりますが、引き続き何か御示唆いただければということで挙げております。そのほか、 3 点目としては、ハローワークや訓練実施機関で就職支援をやっておりますが、より充実する観点から、どういったものがあり得るのかを御議論いただければと思います。

16 ページ、最後の論点の、財源の部分です。一番上は、現行ということで、制度を利用することによって安定した就職を促進し、雇用状況の改善につながるものであることから、雇用保険の附帯事業と位置付けさせていただいています。負担割合はそこに記載のとおりです。これが決まる過程として、注 1 から注 3 まで、それぞれ書いております。 3 大臣合意の経緯とか、最終的に建議を取りまとめていただいた、そのときの財源に関わる部分について、そこに掲載しております。

 資料 17 ページを御覧ください。上段が予算決算の状況ということで、平成 23 年度から 26 年度の概算要求額について書いております。検討の方向性としましては、制度の実施状況とか見直し内容の検討の方向性などを踏まえて、財源についてどのように考えるのかということです。

 また、 18 ページの所ですが、前回の雇用保険部会で御指摘いただいた会計検査院の報告書について記載しております。前回も説明したところですが、こちらについては、個別の基金の状況として検討すべき事態ということで、 3 大臣合意などの経緯も踏まえて活用することとされていたのですが、実際にはまだ活用されていないということで、今後活用していく、そういう検討すべき状況にあることを御指摘いただいているものだと理解しています。

 資料 19 ページ、最後ですが、受講者の雇用保険の受給状況ということで、これまで付けていた資料を抜粋したものです。雇用保険に加入しなかったために受給していない方が 34 %ぐらいいらっしゃいます。そのほかに、受給中の方、それから、受給を終了している方、加入していたけれど、期間が足りず受給していない方、こちらが合わせて 6 割ぐらいという状況になっております。また、訓練を受けたときの就職率ということで、基礎、実践、それぞれ 7 割、 8 割近くという状況になっておりまして、この就職者のうち、雇用保険に加入した方がそれぞれ 8 割、 6 割という状況になっております。終了した方のうち、雇用保険に加入した割合がそれぞれ 6 割、 5 割という状況になっております。

 雑駁になってしまいまして、恐縮ですが、資料の説明は以上でございます。

○岩村座長 ただいま説明がありました資料 1 について、御意見、御質問ありましたらお願いします。

○古川委員  6 ページに検討の方向性が示されていますが、福祉事務所や関係機関の意見も踏まえて制度の周知、誘導や訓練分野、コース、それから受講方法について、効果的となるような見直しを行うことについては、異論はございません。

 一方で、 6 ページ下段の訓練の質・量を確保するための取組の論点の最後ですが、適正な訓練運営のための方策についてどのように考えるかとあります。今般、架空の訓練講座の開設、それから訓練の利用者の水増しや受講者が訓練を休まず受講したように装うなど、訓練費用や奨励金の不正受給を行う訓練機関の実態が、複数明るみになっていると思います。訓練の質と量を確保するための取組について、職業能力開発分科会で議論するとなっておりますが、こうした不正受給の再発を防止する仕組みを検討すべきだと思いますので、厚生労働省の見解をお聞かせいただきたいと思います。

○青山職業能力開発局能力開発課企画官 能開局でございます。確かに架空の受講、訓練等による不正受給の事案が報道されておりますが、あってはならないことだと思っております。

 再発はあってはならないことですので、例えば現在、訓練施設に対しては、機構のセンターが調査や監督をしていますが、今後は労働局でも調査を行うこととしたり、不正受給の処分について、訓練実施機関、受講生の両方に、その取扱いについて周知徹底することや、機構においても、情報管理の徹底と受講者に対する聞き取りも含めて監視、指導の強化ということを行うこととしていますので、これらの取組を通じて、このような事案が二度と起きないように努めてまいりたいと思います。

○古川委員 よろしくお願いいたします。

○遠藤委員 ただ今古川委員から御指摘がありましたとおり、不正受給に関して徹底的に防止対策を貫いていただきたく思っております。

 この論点に関連して、幾つかお尋ねをいたします。福祉事務所との連携を図りながら、生活保護受給者を念頭においた新たな仕組みや、新たなコース設定というような意味合いで、この論点を出されているのか、ということです。もし仮にそういうことであれば、制度創設時にも議論があり、いろいろな層の方が入ってくるだろうけれども、その 1 つとして、学卒未就業者の対応が大きな論点になったわけです。学卒未就業者の方については、受講を妨げるものではないけれども、その方だけの専属コースを設定するということになると、なかなか難しいだろう。一方で、学卒未就業者が他の方と一緒に受講するということでは、どの程度の効果を上げるのだろうか、という議論がなされたと記憶しております。生活保護を受給されている方が、仮に、現行でも妨げていないと理解しておりますが、一緒に学んでいくことを考えたときに、専属のコースをイメージしているのか、それとも混在して受講する中で、新たな柔軟な対応を考えていらっしゃるのか、もしイメージがあれば教えていただきたく思います。それが、恐らく多様なコースの意味合いではないかと思っておりますので、お尋ねさせていただきました。

○佐々木派遣・有期労働対策部企画課求職者支援室長 ここの論点の趣旨としては、当然、第 2 のセーフティネットということで、実際、生活保護受給者に限らず、必要になっている方にとって、どういう訓練が向いているのかという、そういう観点から挙げさせていただいたものです。

 今でも当然、生活保護受給者で訓練を受けて就職されたい方は対象になっていますので、そういった方と、ほかの今のコースだけではなかなか難しいという方も含めて、全体で、どういう姿が望ましいのかという観点から、御議論を頂戴したいと思っております。

○遠藤委員 現行のコースでは、連続受講ができないとか、講議についていけないということであるとすれば、御説明があったように、雇用保険の附帯事業として、雇用保険の枠組の中で対応する方々なのですかという、どうしても次の疑問点というか、そういったものがやはり生じてしまいます。

 使側としては、雇用保険の附帯事業として位置付けられている制度の中で、どこまでを対象にしていくのかを考えていきたいと思っております。

○岩村部会長 ありがとうございます。今の点に関連して申し上げると、今、ちょうど、参議院で審議中だと思いますが、生活困窮者の支援の法案の中で、自立のための支援というのをやると、そうした中で例えば、直ちに仕事に就けないという人たちのための、いわば生活訓練も含む形での支援策をやるということになっておりますので、まだ法律が通っていないので何とも言えませんが、恐らく中心的に今後も問題になるのは、その辺とこちらとの間の関係付けというか、その接合の在り方ということが問題になってくるのだろうと思っています。

 その点、事務局から何かありますか。

○宮川派遣・有期労働対策部長 今、部会長からも話がありましたが、現在の支援のための法律が通れば、生活保護受給者や生活困窮者の方々のために、なかなか私どものような第 2 のセーフティネットで、就職を目指していくようなものにすぐには乗れない方々、こういうような方々に対しての施策として、様々なものを含めて訓練をやっていくと。今、部会長からの話で、そういう施策をある程度、まだ法律が通っていないので、できるというところまでは、今のところありませんが、施策の大きな流れの中で施策を担当する自治体と、その機関の中で将来的には就職していただくということで、私どもの求職者支援制度をどのように活用していくのか。連携してつなげていくのかというような観点も、この中にはあると理解しております。

 就職のための訓練の中身としても、様々な訓練の方法はあると思います。そういう方々が就職に結び付けるにはどういう形で、どのような訓練がいいのかに対して、もう 1 つの論点として挙げさせていただいた多様な訓練というのがあり得るのかどうか、そういうものについて、職業能力開発分科会も含めて御議論いただければと思っております。

○遠藤委員 私どもとしては、そういった方たちの支援が必要ないということを申し上げているのではなくて、その必要性を踏まえた上で、では、どの制度の枠組の中で対応していくのがよいのかという議論をしていきたいと思っています。

 雇用保険の附帯事業としての求職者支援制度の中で、やるのかやらないのかというようなことを考えたときに、保険原理にのっとった形での基本姿勢は、貫くべきだということを申し上げました。

○岩村部会長 その点は理解しているつもりです。

○新谷委員 遠藤委員の御発言の中に、学卒未就業者のコースについて言及があり、私どもとしても、その点について、意見を申し上げたいと思います。

 この制度の前後に、リーマン・ショックによる、景気のリセッションがあったときに、新卒の方がなかなか企業に就職できないとか、採用内定の取り消し等のいろいろな事案が起こり、若者の雇用が社会問題化したのが、ちょうどこの制度が発足したタイミングだったと思います。そのときにこの制度があるので、学卒未就業者についても、このコースを活用してはどうかということが論議になって、対象数もそこそこあったということから、専属コースも作られたことがあったと思います。私どもも、遠藤委員が御懸念されたように、これから社会に出て行く若者と、いろいろな層の方がおられる受講者が混在して訓練を受けるよりも、学卒未就業者だけの専属コースがあったほうがいいというのは、そのときも発言した内容ですので、是非、この方針についてはいろいろな受講者の数の問題等がありますが、専属コースで対応していただくようにお願いをしておきたいと思います。

○岩村部会長 では、事務局、お願いします。

○青山職業能力開発局能力開発課企画官 学卒未就業者については、現在、都道府県労働局の判断で、専属コースを設けることができるようにしており、現在も幾つかの労働局で実施しております。

 純粋な専属コースと、混ざってもいいコースの 2 種類がありますが、学卒未就職者の方の就職という実績も上がっていると聞いておりますので、それを引き続き注視しながら運用していきたいと思っております。

○遠藤委員 ただ今の質問に関連するのですが、高校の校長先生方とお話をする会合がありますが、そういう中にあって、専属コースが整っているという情報は一切なく、私自身も存じ上げておりませんので、校長先生にもその情報は伝わっていないと思います。

 求職者支援制度の意義を制度導入の早い段階から御説明したときに、校長先生方はそういう制度があるならば、是非、生徒に紹介したいということでした。そのときに、先生方として一番迷ってしまうのは、まだ卒業までに時間がある生徒さんに、どのタイミングで案内すればいいのだろうか。要するに、もうそちらを断念して、求職者支援制度に移行しなさいというのは、やはり教育者としては言えないということです。ぎりぎりまで粘ってもらって、それでも駄目だった場合には、その生徒さんに御案内するという対応も聞いておりますので、タイミングは柔軟に設定できるようなことがあれば、より有用かと思っております。御参考です。

○青山職業能力開発局能力開発課企画官 ありがとうございました。周知の件も含めて、参考にしながら進めてまいります。

○岩村部会長 よろしくお願いします。今、大体、この受講に向けての周知等の取組の話を御議論いただいたようですが、ほかの点についてはいかがでしょうか。

○山本委員 職業訓練の受講給付金について、意見を申し上げたいと思います。労働側としてはかねてより、雇用保険に未加入の人が、給付金として、月額 10 万円を受け取る一方で、雇用保険の基本手当を受給する際の金額が 10 万円に満たない方が 1 割程度いる状況は、財源問題とも絡んで制度上の大きな問題であり、何らかの解決策を検討すべきと主張してきました。

9 ページですが、最低賃金で週 5 日、フルタイムで働いた場合の試算がされておりますが、 1 週間の所定労働時間が 20 時間以上で、 31 日以上の雇用見込みがあれば、雇用保険の被保険者となるわけで、雇用保険受給者は週 40 時間近く働いてきた方ばかりではなく、パートタイムで働いた方も、一方ではいる状況です。

10 ページですが、棒グラフで今回、資料が示されておりますが、 10 万円に満たない方が、 1 割程度いるということは、ここの表から見て取れるようになっております。求職者支援制度の財源は全額一般会計とするのが、あるべき姿でありますが、現行のように雇用保険財源が充てられている以上、少なくとも、求職者支援訓練を受講している雇用保険受給者については、基本手当受給額が月額 10 万円に満たない場合、差額分を補填するなど、納得感のある措置を講じる必要があるのではないかということを申し添えておきたいと思います。

 この話をすると、基本手当受給者でも、月 10 万円の給付金を将来的にもらえる権利があるという、そういった反論もあるかと思いますが、それは、再就職せずに、給付期間満了までもらい切った場合という仮定の話でありますので、その発想自体が雇用保険の趣旨に反するということも、意見として申し添えておきたいと思います。

○岩村部会長 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。

○三島委員 職業訓練受講給付金の支給要件、出席要件については、 13 ページの下段の検討の方向性に示されているように、ハローワークに指示された求職活動を行う場合など、求職者支援制度の目的や仕組みに照らして、訓練受講より優先するケースについては、実施日数、つまり、分母と分子から除外して取り扱うことが適当ではないでしょうか。

 また、原則として、訓練実施日の全てに出席している方に給付するという制度の趣旨からすれば、やむを得ない理由が重なったとしても、 8 割以上の出席率を支給要件とすることは維持すべきであると考えます。ただし、やむを得ない遅刻や早退の場合を、 1 日欠席扱いとしている現行制度では、現実問題として、出席率が 8 割に達しないケースがあることから、残りの時間を出席できれば、 1 日出席の扱いにするなど見直しが必要であると考えます。

 一方、やむを得ない理由の認定については、モラルハザードの問題もありますが、特に家族の看護や介護などが必要な場合の証明方法を多様化するなど、運用の改善をお願いいたします。また、医師の診断書などを提出する際には、高額の費用が発生する場合もあることから、訓練受講者の費用負担を軽減する観点からも、検討をお願いいたします。

○岩村部会長 ありがとうございます。

○遠藤委員  12 ページについて、ただ今、給付要件の御意見が出ましたので、幾つか質問いたします。御説明の中で、訓練の実施日数から除外するものとして、一例が挙がっています。それは、公衆衛生上の必要性でした。ここには「等」と書いてありますので、それ以外のものが具体例としてあれば、理由を含めて教えていただきたい。それが 1 点目です。

 それから遅刻・欠課・早退の場合も 1 日分を欠席したものとして取扱うことに関連して、基金訓練の状況しか私の頭には残っていないのですが、当時、出退の管理が割と緩やかなものであり、場合によっては印鑑を押す程度のものであったと理解しております。

 現状、訓練機関における出席や欠席の管理は、どのようになっているのか、もし統計上のデータとしてあれば、教えてください。無ければ、このような管理をしているといった例示があれば、教えてください。

3 つ目です。ハローワークでの求職活動の指示に関連してですが、公共職業訓練の場合は欠席扱いということで対応しているのに、この求職者支援制度の受講者に限っては、どういう仕組みの中で受講されているのかというのは、ハローワークの方々は当然、理解されていると思います。そういう理解がある中で、求職活動の指示というのが、どういう枠組でなされているのか。要するに、受講を前提にしているのに、そういう指示をなぜしているのか、その辺の事情を教えていただきたい。

○岩村部会長 それでは御質問ということで、事務局でお願いします。

○佐々木派遣・有期労働対策部企画課求職者支援室長  1 点目のインフルエンザ等に感染した場合等の「等」でほかのものがあるのかということだったと思いますが、感染症にいろいろな種類があり、出席を停止される感染症が多数あるので、最初の「等」はほかにも、インフルエンザ以外の感染症も含まれているという趣旨です。

 最後の「等」ですが、御本人が感染した場合に加えて、御家族が感染した場合、医師から止められる場合もありますので、それも含めている趣旨です。

 ハローワークでの指示の関係ですが、当然、訓練を受けている前提で、その間どういう活動をしていったらいいのかということで、指示していくので、受講の状況を勘案しながら、ただ、その中で例えば、そのときにしか開かれないような集団の面接会みたいなものがあった場合や、あるいはその方の御希望に合った求人があって、せっかくの機会なので受けてみてはどうかということで、御紹介するというような場合もあるということです。

○青山職業能力開発局能力開発課企画官  2 つ目の出席管理ですが、完全なお答えになっているかは分からないのですが、分かる範囲ですが、現在、出席管理は訓練施設において、各コースごと、 1 時限ごとに出席、欠席、遅刻、早退かというのをきちんと全部付けるように指示をしております。それは担当講師が点呼で、受講者の出席を確認して、 1 時間が終わった後に○×を付けている。出席簿としてまとめて厳重に管理する。欠席や遅刻については届け出させて管理し、施設の証明として受講給付金の申請などにおいてそれを踏まえた出席状況を報告して、訓練期間の奨励金も、そういうものを踏まえた出席状況を添付して申請してもらう仕組みになっております。

○遠藤委員 給付要件の見直し、あるいは運用改善という言い方になるのかもしれませんが、その論点について、引き続きお尋ねさせていただきます。

 やむを得ない理由については、多くの方が、こういったような内容であれば欠席しても仕方がないですね。だけど、支援する側からすれば、基本は全ての日数を出席してくださいという前提があるので、 8 割以上の出席という考え方が出てきたのです。 8 割を変えていくことについては、使側として反対です。やはり 8 割は維持していくべきだと思います。

 そういった中で何を抜いていくのか。やむを得ない理由を越えるような状況があるのならば、もともとの実施日数からはずしていくのであり、公衆衛生上の理由といったものがありましたが、そのようなものがあれば、そちらのほうで考えていくことが必要ではないかと思っております。

 今後、いろいろなコースが設定されていく中で、給付金を継続させていくことを第一義に考える形で、この出席要件を変えていくということを、もし行うのであれば、それは、違うのではないかと言わざるを得ないということです。現行の枠組の中で、再就職に向けての効果を一層高めていくことで、給付金の取扱いをどうするのかということであれば、論点としては成り立ち得るのかと思います。繰り返しになりますが、いろいろな層が入ってくるからということを第一義に考えての要件緩和の議論については、私どもはくみしないということだけを申し上げておきたいと思います。

○新谷委員 今、出席要件について論議されておりますが、私どもは先ほど三島委員が申し上げたように、やむを得ない理由が重なったとしても、 8 割以上の出席率の要件は基本的には維持するべきだと考えております。ただ、今、遠藤委員もおっしゃったように、この制度というのは、再就職に向けて訓練をしていただく趣旨ですので、 12 ページのやむを得ない理由として書かれている、ハローワークから面接等の求職活動の指示を受けた場合であるとか、指定来所日に安定所に赴けという指示を受けた場合等は、これは配慮する必要があるのではないかと思います。現在、分母・分子から除外せずに 8 割の中にカウントされているので、他の要件と併せて 8 割を超えてしまうと、給付金が打ち止めになってしまいます。これも酷な扱いではないかと思いますので、遠藤委員がおっしゃったように、 8 割は当然維持するものの、再就職に向けて、やむを得ない理由の取扱いについては、私どもとしては分母・分子の中から除外して、算定するべきではないかと考えております。

 もう 1 つ、事務局にお聞きしたいのが、先ほども問題になった公衆衛生上の問題で、インフルエンザ等に感染した場合等、という等が 2 つ付いておりますが、制度を制定する際にも論議になりましたが、モラルハザードと裏腹で、その証明をどうするのかという問題があろうかと思っています。公的な医療機関での診断書はかなり高額で 5,000 円近くお金が掛かることがあって、 10 万円の支給金額の 20 分の 1 ぐらいがそれで消えてしまうことになりかねません。たしか制度を作った際には、例えばインフルエンザなどですと、特効薬の名前が特定されておりますので、タミフルやリレンザなどは、医療機関が発行する医薬品が分かるもののコピーを提出すれば、それで証明に換えるというような運営だったかと記憶しております。その運営は今でも変わっていないのかどうか、受講者の負担にならない運営になっているかどうかを確認させていただきたいと思います。

○岩村部会長 それでは、御質問がありましたので、お願いします。

○佐々木派遣・有期労働対策部企画課求職者支援室長 特効薬やそういったものが、分かる書類をお持ちいただければという取扱いは、今までも変わっておりません。

 また、医療機関の場合も、診断書のみではなくて、医療機関に行かれて、医師が薬を処方すると思いますが、それを調剤薬局に持って行って、調剤薬局の領収書でも構わないことにしております。

○岩村部会長 時間の関係で、 14 ページの安定就職に向けた支援についての所と、これは始めると切りがないかもしれませんが、財源についての所で、何か御意見、御質問があればと思いますが。

○亀崎委員  14 ページの安定就職に向けた支援についてですが、下の所に、検討の方向性がありますが、就職率を適正に把握することは、制度の政策効果を検証する上で不可欠な問題だと思っております。

 そこで、雇用保険の加入状況を就職率の算定に用いることは望ましいと考えますが、雇用保険の適用要件を参考とするということではなくて、実際の雇用保険の加入実績を用いるのが適切ではないかと考えます。仮にそれが行政コスト等の問題で難しいというのであれば、何らかの形で、就職後の雇用保険加入状況をチェックする仕組みが必要ではないかと思っています。この点、訓練機関に対する奨励金については、雇用保険被保険者となった者の割合に応じて上乗せされる仕組みになっていますが、雇用保険の被保険者になったかどうかの確認を、どのように行っているのか事務局にお尋ねします。

○岩村部会長 では、御質問の点について、事務局にお願いします。

○青山職業能力開発局能力開発課企画官 訓練機関に対する奨励金は、実践コースについては、付加奨励金においては、雇用保険加入した人の就職率に応じて額を計算しております。その報告は現在、まず訓練機関から雇用保険に加入して、訓練機関が把握している人数を上げてもらいますが、最終的には支給する労働局でシステムに入っている雇用保険の加入、被加入保険者記録という報告を確認して、実際に入った方を確認した上で、支給しているということです。

○岩村部会長 亀崎委員、よろしいでしょうか。

 財源はいかがでしょうか。前回やりましたので、本日はよろしいですか。

○野川委員 財源ではなくて、今の安定就職に向けた支援についての検討の方向性ですが、これまでも議論になりましたが、単に就職すればいいということになれば、例えばちょっとしたアルバイトでも、とにかく就職はしましたということになります。しかしそれでは困るだろうということで、一つの考え方として、この検討の方向性の一番最初にあるように、より安定した就職につながるということで、雇用保険の適用要件など参考として検討したらどうかとありました。ただ、これまで出ているように例えば、学卒未就職者や生活保護の方などが訓練を受けて最初に就職する場合、今までも雇用保険を受けていて、それが途切れてしまったために、この訓練を受けて就職する人などの場合と異なって、そう簡単に安定した就労にいきなりは就けない。そうすると、そのような方々にとっては、最初にアルバイトのような仕事に就くことが意味がないわけではない。そこで提案ですが、最初の就職からしばらくトレースしていくことはできないか。つまり、最初の就職から 3 か月後にどういう就職をしたかということで、統計を取っていますが、、むしろ 1 年間ぐらいの後にどうなっているか、一定期間たって、アルバイトからパートになったり、また、最初パートから正社員になりましたということを追いかけていくことができないかということで、これは限りがあるので、例えば 1 つの検証の資料、指標として 1 年後について、今、どういう状態にあるか。 3 か月後に取ることはもちろんですが、 1 年後に今どういう状態にあるかを調べるということが、実質的には私は意味があると思いますが、実務上、いろいろな問題があるかもしれないので、検討していただけたらと思いますが、いかがでしょうか。

○岩村部会長 事務局、いかがでしょうか。

○佐々木派遣・有期労働対策部企画課求職者支援室長 今回、 7 月の回にもサンプル的にでしたが、就職された方が 10 か月後に継続しているかどうかを調査した結果をご紹介させていただきました。人数が人数なので、どこまでできるのかという検討をさせていただいて、ただ、指標として定着とか、次のステップに重要な指標だと思いますので、検討させていただきたいと思います。

○岩村部会長 財源のほうはよろしいでしょうか。この資料 1 については、以上ということにさせていただきたいと思います。

 次に事務局で、資料 2 の「学び直しの支援措置について」、資料 3 の「第 93 回雇用保険部会で委員からいただいた御指摘に関する資料」ということで用意しておりますので、これについて事務局から説明をお願いします。

○高島雇用保険課長補佐 資料 2 、資料 3 について御説明します。

 資料 2 「学び直しの支援措置について」です。学び直しの支援措置については、 10 8 日の雇用保険部会で御議論いただきました。その際に、委員の皆様から御意見を様々頂きましたが、主な御意見として 2 点あったと事務局としては承知しております。 1 つ目は、学び直しの支援措置について、今回雇用保険の求職者向けの給付として、叩き台ということで提案しましたが、そういったものと他の給付措置、あるいは他の訓練に関する財源等も含めた関係について整理をすべきという御指摘を頂きました。 2 点目は、特に非正規労働者への支援の観点からの御意見であったと承知していますが、対象となる労働者と訓練のイメージについて御質問、御意見を頂いております。その 2 点について、今回資料を御用意しました。

1 ページは、先ほど頂いた御指摘の 1 つ目、訓練に関する様々な支援措置について、財源等も含めて整理した表です。縦の軸に離職者、在職者、在職者・離職者と、大きく 3 つのカテゴリーで分けております。それらについてどのような訓練があるかという訓練の分類、本人の訓練費用の負担の在り方、訓練中の生活費の支援の在り方、それらの考え方を表の形で整理しております。縦の部分を離職者、在職者、在職者・離職者と 3 つのカテゴリーに分けている理由ですが、 1 つ目の離職者については、ハローワークから受講指示やあっせん等を受けて訓練を受ける、いわゆる行政が指示等をして訓練を受ける離職者について整理しております。 2 つ目の在職者については、本来的には在職者は企業の中で OJT なり Off-JT なり、企業が実施する訓練を中心として受講することがイメージされるので、企業による訓練を受けるものとして在職者というカテゴリーを設けております。 3 つ目は在職者・離職者を問わずということで、今回の学び直しの関係がこの中に含まれますが、自発的に訓練を受ける方々、これは在職者・離職者問わずいらっしゃると思いますので、こういったカテゴリーを設けております。

1 つ目のカテゴリー、離職者であり、行政、ハローワークから受講指示、あっせん等を受けて受けるタイプの訓練としては、公共職業訓練と求職者支援訓練があります。これらについて、本人の訓練費用はそれぞれ無料になっております。雇用保険二事業等による支援、求職者支援制度による支援など様々ありますが、訓練機関に助成をすることによって離職者本人は無料で訓練を受ける形になっております。訓練中の生活費支援ですが、公共職業訓練については、雇用保険受給者に関しては訓練延長給付が設けられており、公共職業訓練期間中は雇用保険の基本手当が延長される仕組みになっております。求職者支援訓練については、先ほど御議論がありましたように、職業訓練受講給付金が求職者支援訓練の期間中支給される形になっております。

 在職者については、本来的に企業が訓練を実施する形になるので、御本人の負担としては無料が基本になると思います。原則、企業の方が訓練費を負担されて訓練を実施することになると思いますが、行政としては雇用保険二事業による助成金等によって企業に助成をする仕組みを取っております。例えば、キャリア形成促進助成金、キャリアアップ助成金などがありますが、そうした形で企業に対して支援をしている、その企業に対する支援の在り方として雇用保険二事業という枠組みを用いているということです。生活費支援は在職者ですので、特にありません。

3 つ目のグループは、もともと教育訓練給付の指定講座も同じグループでした。自発的に在職者、あるいは離職者の方が訓練を受ける場合には、今までの枠組みでは教育訓練給付指定講座がありました。前二者との違いは行政から指示等を受けるわけでもなく、かつ企業の命令によって訓練を受けるわけでもなく、本人の自発的な意思によって訓練を受けることが基本になるので、訓練費用の在り方については原則本人負担ということが 1 つ目にあります。その上で、雇用保険によって本人が一定の効果が見込まれる講座を受講した場合に、それを支援しようということで、現在教育訓練給付の枠組みで 20 %、訓練費用を本人に給付する形で支援を行っております。今回、学び直しの訓練ということで 10 8 日に叩き台として提案したものはそちらを発展させたもので、本来的には原則本人が負担すべき自発的な訓練について、特に高度なもの、専門的なものについて、原則本人負担であったものを雇用保険の本人への給付で、拡充させた形で支援をしようと考えており、そういう意味で公共訓練等による支援、企業による訓練に対する二事業による支援とは別のカテゴリーになっております。

 右側の生活支援ですが、これまでは教育訓練給付の指定講座の関係ではこのようなものはありませんでした。今回の学び直しの訓練については、高度になる、更に長期にわたる訓練があります。医療系の資格などで 3 年にわたるものもありますので、長期にわたる訓練をどうやって支援していくかという観点で、当面の措置として、在職者は会社の中で賃金を得られて受けられるので、離職者について基本手当の 2 分の 1 の水準で雇用保険給付から支援を行ってはどうかということを、事務局の叩き台として提案しております。カテゴリーとしては、行政からの指示、あるいは企業による訓練と異なり、自発的に訓練を受けるものなので、二事業等による支援ではなく、本人が負担したものを雇用保険の世界で給付として支援するという考え方で、叩き台の案を用意しております。 1 つ目の御指摘に対する説明は以上です。

2 つ目の御指摘、訓練の在り方についてです。学び直しの支援措置について御説明した中でも触れましたが、学び直しの支援措置については主に雇用保険給付の在り方をどうするかという点で雇用保険部会で御議論いただいており、訓練の在り方については職業能力開発分科会で御議論いただいております。 2 点目の御指摘は、職業能力開発分科会で御議論いただいている点ですので、先月の 30 日に職業能力開発分科会で御議論いただいた内容を紹介する形で御説明します。

2 ページ以降は、 10 30 日に行われた職業能力開発分科会の資料です。全て説明すると非常に時間が掛かるので、その中でポイントとなる部分を御説明します。 3 ページですが、学び直し支援措置の対象と考えられる教育訓練をイメージ図で整理しております。「離職者」「在職者」と、カテゴリーが大きく 2 つに分かれています。まず離職者ですが、公共職業訓練、求職者支援訓練とあって、その対立として学び直しの訓練があります。ここは、その訓練の内容が基礎的なものであるか、高度・専門的なものであるかどうか、そういったものによって役割分担が分かれてくるだろうと考えております。

 在職者については、先ほど申し上げたとおり在職者は企業による訓練を受けるのが基本かと思いますが、学び直しの訓練については企業主導ではなく、自発的に受ける訓練であるという意味で、学び直し訓練と在職者が普段受けている企業による訓練は役割分担がなされると考えております。

4 ページです。雇用保険部会でも御指摘があった非正規労働者がこれらの学び直し訓練をどういうパターンで使うことがあり得るのかについて、フローチャートで紹介しております。こちらも左から非正規労働者等で離職者の場合と在職者の場合と 2 つに分かれていますが、離職者の場合は大きく 2 つの目的があろうかと思います。 1 つ目の目的は、早期再就職を望む者である場合、あるいは基礎的な職業能力を身に付ける必要がある者である場合については、公共職業訓練や求職者支援訓練に基づいて原則 1 年以内の訓練を受けて、早期再就職に結び付けていただくことになろうかと思います。中長期的なキャリア形成を望む者や資格等キャリアアップできる職業能力を身に付けることを希望する者であれば、今回提案をしているような学び直しの訓練を受講していただき、キャリアアップ、キャリアチェンジをしていただくという流れになろうかと思います。

 在職者については、本来は企業が訓練を行う場合ということになるので、企業の訓練を受けていただくことが基本になります。それについて雇用保険二事業による支援を行っているものですが、企業主導による訓練だけではなく、御本人が自発的にキャリアアップを希望される場合は今回の学び直し訓練の対象になり、こういったものを受講していただいて、キャリアアップ、キャリアチェンジに役立てていただくという活用方法になろうかと考えております。

6 ページ、学び直し支援措置の対象と考える教育訓練の内容についてです。 10 30 日の職業能力開発分科会で提案した内容は、 10 8 日の雇用保険部会でも一部ポイントで紹介しておりますが、キャリアアップ、キャリアチェンジを目指す学び直しの趣旨から中長期的なキャリア形成に資する、特に高度・専門的な教育訓練を対象としてはどうかということで、大きく 2 つに分かれております。特に専門性が高い実践的な職業能力を習得するための教育訓練ということで、業務独占資格、名称独占資格の取得を目指す者、またそれに準ずるような者という提案をしております。

2 つ目は、高度な職業能力を習得するための教育訓練ということで、大学院の修士、博士、専門職学位の課程等についてまとめております。それらについてどのようなイメージで受講していくかをまとめているのが 8 ページです。先ほど、類型1が専門的な内容、類型2が高度な内容ということで分けていましたが、こういった訓練をどのような方々が用いていくかということで、イメージにしているのがこちらの資料です。類型1の資格の関係については、非正規の社員や資格を有しない正社員、もちろん正社員も対象になり得ると思いますが、そうした方々は資格を取って、資格を有する正社員にキャリアアップをするとか、職種転換を目指していくというイメージになろうかと思います。類型2は、例えば中堅以上の正社員が受けることによって指導的な立場にキャリアアップをしていただくといったイメージになろうかと思います。

 離職者については、表の左下にまとめております。典型的なケースとしては非正規雇用の労働者であった方々になろうかと思いますが、業務独占資格等の取得に向けて学び直しをしていただいて、高度な専門性・実践性をいかした正社員の就職を目指していただくというイメージになろうかと考えております。

 最後に、 14 ページについても簡単に紹介します。先ほど在職者の訓練については本来企業がやるという話で、そちらについては雇用保険二事業の中で助成金を設けているという御説明をしましたが、その助成金、キャリア形成促進助成金、キャリアアップ助成金も、今回、雇用保険制度の見直しと併せて、日本再興戦略を受けて検討することとしております。こちらも 10 30 日の職業能力開発分科会で議論いただいており、その対象となる訓練をどのように考えるか、助成の水準についてどのようなものを考えるか、企業の対象について大企業も対象とすることについてどう考えるか、キャリアアップ助成金は大企業も対象ですが、そういったものについて職業能力開発分科会で議論いただいております。

 併せて参考資料 2 を御覧ください。今御説明した職業能力開発分科会の議論ですが、こちらは職業能力開発分科会ではまだ取りまとめに至っておりません。飽くまで現時点で議論を行ったという状況です。その際にどういう議論があったかを簡単に御紹介したものが参考資料 2 「第 72 回職業能力開発分科会で出された主な意見について」です。委員の方から頂いた主な意見としては、学び直しの対象となる訓練の具体的な認定基準をもっと明確にすべき。例えば業務独占資格や名称独占資格、専門的な能力ということで提案しましたが、全て対象とするというよりは、ニーズがある、資格や人数が社会的に不足している資格にするなどメリハリを利かせるべきではないかといった御意見がありました。 1 ページの下の意見も共通する意見で、成長産業に重点を置いて対象としていくべきではないかといった御意見も頂いております。

2 つ目の○ですが、学び直しと他の訓練の違いについて精査が必要ということです。先ほど御説明した部分と重なる部分もありますが、こういったものについて更に突き詰めていくべきであろうという御意見です。 3 つ目の○は、訓練の指定に当たって、就職率などの定量的なデータを基にして基準や尺度を検討していくべきであろうという御意見がありました。 6 つ目、 7 つ目の○では、政策としてどのような対象者層に特にアプローチをしていくのか、対象者のメリハリ付けに関する御意見等も頂いております。こちらは 10 30 日の職業能力開発分科会で御議論いただき、こういった訓練の基準や対象となる訓練の精査、対象者の重点化等について様々御議論いただいている状況ですので、こちらは職業能力開発分科会でも引き続き御議論いただくこととしております。

 雇用保険の学び直しの支援措置については、もちろん給付の水準をどうするかという部分もありますが、給付の水準の議論をいただくに当たって、訓練のイメージがどうであるかというところも重要な部分だと思いますので、職業能力開発分科会の議論の状況を改めて御報告したいと考えております。学び直しの支援措置に関する御説明は以上です。

 続いて、資料 3 について御説明します。第 93 回雇用保険部会で委員の皆様から各議題について様々御意見を頂きましたので、そちらについて事務局で資料を用意しました。

1 2 ページは阿部委員から頂いた御指摘に関する資料で、基本手当の水準に関する質問です。基本手当の水準について御議論いただく中では、事務局として雇用保険の業務データを整理し、基本手当の支給終了までに就職した方がどれぐらいの割合でいらっしゃるのかということを一度御提示したことがあります。ただ、あちらは年度ごとに包括的に比べられているとか、幾つかの層がまとめられていることから、給付テーブルに基づいてより詳細に見られないかという御質問、御指摘を頂いたので、そのようなデータを整理しました。そもそも特定受給資格者、解雇・倒産の方であるか一般の方であるか、年齢がどれぐらいの層の方であるか、被保険者期間がどれぐらいであるかによって非常に細かく分かれるので、表はできるだけ一覧性のあるものになるように整理しましたので、グラフではなく、このような形で整理しております。

 見方を簡単に説明します。 1 ページ目の表は特定受給資格者、解雇・倒産等による離職の方々に関する給付の日数と就職状況です。 2 ページ目はそれ以外の方々、一般の方、自己都合の方、定年の方等いらっしゃいますが、そういった方に関する給付の日数のルールと就職状況です。それぞれのページについて、表が上段と下段で分かれております。上段も下段も、年齢や被保険者期間の区分は一緒ですが、上段の 90 120 180 といったものについては、雇用保険の所定給付日数が何日であるかを示したもので、下のパーセンテージで書いてあるものが、それぞれの給付のテーブルの中での所定給付日数内での就職率、就職者を 100 としたときの所定給付日数終了までに就職した方の割合を整理したものです。これまでの雇用保険部会の資料の中では、所定給付日数内に就職した方がおおむね 5 割前後で推移していると御説明したものに関する個々の表ごとの数字になっております。

 日数の部分も就職率の部分も、どちらもそれぞれのパーセンテージや 120 180 といった数字の横に + - というデータがあります。▲ 90 とか▲ 0.8 とありますが、これが改正や年が変化することによってどれぐらい変わったかということです。一例として、 30 歳未満の方で被保険者期間が 5 年以上、 10 年未満の方については、もともと所定給付日数が 90 日であったものを、平成 12 年の改正で日数を 30 日プラスして 120 となっております。黒地の白抜きになっているのは、変化があったことを示すものです。平成 15 年改正後は特段変化なく、 120 のままになっているので、白抜きにはせず、そのまま黒字で 120 と書いております。

 この方々に対応する就職状況がどうであったかは、このページの下の同じセルにあるパーセンテージの数字を御覧ください。もともと 27.9 であったのが、平成 12 年改正後、これは平成 14 年度の数字ですが、 40.3 と上がっており、差引き 12.4 %のプラスとなっております。さらに、平成 16 年度に掛けては 46.9 %、平成 14 年度と比べると 6.6 %のプラスとなっております。阿部委員からは、給付日数が変わった方と変わっていない方と比べて比較ができるようにという御指摘がありましたので、給付日数が変わった方々が黒地の白抜きになっているグループ、変わっていない方々が黒字になっているグループになります。

 同じような観点で、 2 ページ目も特定受給資格者以外の者について表として整理しております。それぞれのセルごとに比較していただくこともできますし、同じ年齢層でどのようになっているか、あるいは被保険者期間でどのようになっているかを比較できるようになっております。

3 ページは、有効求人倍率の現在の状況です。

4 7 ページは青山委員から御指摘を頂いたものについての資料です。青山委員からは、雇用保険の受給者の再就職状況が 5 割にとどまっていることについて、どのような理由で就職ができなかったのか、調査等はないかという御指摘でした。事務局で過去の統計やアンケート等を整理して、幾つかのデータを提示しております。まず、 1 つ申し上げておきたいのは、今回御紹介するデータは、必ずしも雇用保険受給者に限っておりません。ハローワークに求職登録をされている方、あるいは広く完全失業者全般に関する統計になっており、雇用保険受給者には必ずしも限られていないデータになっているので、その点は御承知おきください。

4 ページは、労働力受給のミスマッチの状況に関する調査で、平成 15 12 月に職業安定局で実施したものです。こちらはハローワークに求職をしている方に対して、求人に応募しなかった理由をアンケートで聞いたものです。全年齢を合計すると、求人に応募しなかった理由として一番高かったのは職種です。例えば、事務職希望であるけれども、実際は製造業や介護関係ばかりだったので、求人に応募しなかったといった理由が一番多くなっております。そのほか賃金、年齢、雇用形態、就業場所、能力・資格・経験等といった回答も一定の水準に達しております。若年層と中高年齢層に分けると、どちらも職種を理由として応募しなかったというものが一番高いのは変わりませんが、賃金を理由としたもの、あるいは年齢を理由としたものについては、中高年齢層になると応募しなかった理由として高くなる傾向があります。

 続いて、 5 6 ページの統計ですが、求職者総合実態調査ということで、平成 14 6 月と平成 15 1 月に厚生労働省で実施した調査です。求人に応募していない理由についてアンケートを取っているところは同じですが、ポイントとしては、ハローワークに求職申込みを行った方について、 2 つの時点で調査を取っています。 5 ページは早いほうです。平成 14 6 月時点で、なぜあなたは応募をされなかったのですかということを聞いて、複数回答で回答いただいた結果です。さらに半年経過後に、改めてなぜ求人に応募されなかったのですかということを同じような選択肢で聞いたものが 6 ページの表です。こちらは職種が合わない、職種による理由が前ページの統計と同じように高くなっております。そのほか傾向としては、賃金が安い、労働時間、休日等の労働条件が悪いというものについて、どちらもそれなりに高い水準ではありますが、平成 14 6 月、早い時点に調査をしたときの理由のほうがより高くなっています。これらを理由として求人に応募していない方が、時間がたつとだんだん下がってくるということが 1 つのポイントで、こういった条件については求職者の求職者の方々が妥協、変更等をしていくことが窺えます。一方、職種が合わないことが引き続き大きな問題になっているという状況が窺えます。

7 ページは労働力調査です。ハローワークに登録されている方に限らず、広く総務省が統計を取っているものです。完全失業者について、なぜ仕事に就けないのかをアンケート的に取ったもので、回答を 1 つ選び出していただくものになっています。白抜きのものが全年齢の平均で、色付きのものが年齢層ごとになっております。この中で全体として一番多いのは、希望の種類・内容の仕事がないというものです。求人の年齢が 55 歳以上で高まっている状況です。

8 9 ページは、再就職手当の議論をいただいた際に、岩村部会長から御指摘を頂いた部分です。現在、再就職手当の支給状況について 3 分の 2 以上日数を残した方、 3 分の 1 以上日数を残した方と給付が分かれているので、それを分けて業務データを取り直したものです。 8 ページの表は、受給者数、支給金額ともに残日数を 3 分の 2 以上残した方、 3 分の 1 以上残した方で分けております。再就職手当の改正の履歴ですが、平成 20 年度までは日数を 3 分の 1 以上残していれば一律で残日数の 30 %分の給付が出ていましたが、平成 21 年度の 4 月、平成 21 年度の頭から 3 分の 2 以上と 3 分の 1 以上で分かれています。 3 分の 2 以上残して就職をされた方が 3 分の 1 以上残して就職をされた方よりも高い傾向が窺われ、その割合については徐々に高まってきております。

 併せてデータとして整理しているのは、受給率についてです。これは何の受給率かというと、受給資格決定件数 (B) となっているものですが、基本手当をもらうことになっていた方のうち、どれぐらいの方が再就職手当をもらっているか、要するにどれぐらいの方が基本手当受給者の状態から再就職を果たしたのかが窺える指標です。こちらは平成 20 年度は 15.8 から平成 24 年度は 21.2 と、平成 23 年度は震災もあったからか、若干足踏みをしている年もありますが、傾向としては再就職の方の割合が徐々に増えている傾向にあります。

9 ページは、前回提示した資料を残日数が 3 分の 2 以上の方と 3 分の 1 以上の方で分けて整理しているので、併せて御参考としていただければと思います。

10 ページ以降は、育児休業給付について御議論いただいた際に御指摘のあったものです。 10 ページは前回と同じ資料で、女性と男性の育児休業取得率です。 1 つ目の御指摘は、期間雇用者や事業所規模別で育児休業の取得率がどのようになっていたかに関するもので、雇用均等基本調査の統計から御紹介します。有期契約労働者の育児休業取得率は、男性は数字が非常に小さいので難しいかと思いますが、女性に関しては平成 22 年度で 71.7 、平成 23 年度で 80.7 、平成 24 年度で 71.4 ということで、女性全体の 83.6 が平成 24 年度ですが、そちらより若干低い傾向が見られます。また、事業所規模別育児休業取得率ですが、雇用均等基本調査から事業所規模別で整理をしております。事業所規模の数が多くなるに従って、若干数字が逆転している部分もありますが、全体の傾向としては事業所規模が大きくなっていくほうが取得率自体は高まっている傾向があります。

12 ページの資料は、福田委員から御質問いただいた部分です。厚生労働省の委託調査の中で、収入が減り、経済的に苦しくなると思ったので、育児休業を取得しなかったという方を紹介した資料ですが、その下の制度がなかった又は対象外だったというものについて、いつの時点の話でこの方々は回答されているのかということに関する御質問でした。これは平成 23 年度の調査で、具体的には平成 24 2 月から 3 月に掛けてアンケート調査を実施しております。表の右の※に書いてある部分です。このときに対象となっている方、男性と女性それぞれいらっしゃいますが、基本的にはそれぞれの方の子供の中で一番年齢の小さい子供についてお答えを頂いたものです。一番小さい子供というのは何歳までの子供を持っている方についてアンケートをお願いしたのかですが、男性は 3 歳未満、女性は小学校就学前の子供をお持ちの方についてアンケートをされております。制度がなかった又は対象外だったということについては、男性では直近 3 年ぐらいの間でどうであったか、女性は小学校就学前ということで、 6 年ぐらいの間でどうであったかを示したものになっております。男性と女性で若干対象年齢が分かれていますが、仕事と家庭の両立という観点で調査対象をこのように整理したと理解しております。

13 ページは、岩村部会長から頂いた部分ですが、仕事と家庭の両立支援施策、育児休業給付について今回雇用保険部会の場で事務局として提案したわけですが、経済的な理由のほかに職場が制度を取得しにくい雰囲気だった、業務が多忙であった、職場や同僚に迷惑をかけると思った、ほかに育児する人がいたといった様々な理由で育児休業を取得しなかった方がいらっしゃる中で、それらについて全体でどういう対策を講じているのか、担当である雇用均等・児童家庭局の資料を提示しております。幾つか紹介すると、典型としては育児・介護休業法による育児休業等の両立支援制度の整備、普及啓発等を行っているということが 1 つあります。また、両立支援制度を利用しやすい職場環境づくりということで、次世代法に基づく取組の推進、助成金によるインセンティブ、表彰等ベストプラクティスの紹介といったものによるモデルケースの普及があります。その他、機運づくりですが、イクメンプロジェクト、関連として保育所の待機児童の解消、あるいはマザーズハローワーク等による子育て女性等の再就職支援があります。このように雇用保険給付以外にも様々な施策を講じた上で、総合的に育児休業を取得しやすい環境づくりに厚生労働省としては努めていきたいと考えております。雇用保険部会の雇用保険給付とは直接関連しませんが、併せて御紹介しました。事務局の説明は以上ですが、このほか新谷委員からこれらの資料に関連するものとして資料を御提出いただいております。

○岩村部会長 それでは、ただいま事務局から説明があった資料 2 、資料 3 について御意見、御質問がありましたらお願いします。今、御紹介がありましたように、新谷委員からも資料を提出いただいておりますので、関連する御発言のときに御説明いただければと思います。

○新谷委員 今日、資料を出させていただいておりますので、まずこの資料に基づいて、学び直し支援措置の全般的な入口の論議をもう一度申し上げます。

 この論議が始まったときからずっと申し上げているように、雇用保険制度全体の見直しの中で学び直し支援措置をどのように位置付けて、雇用保険制度の中で財源負担の在り方も含めてどう考えるかということは、申し上げてきたとおりです。私どもとしては、雇用保険の今度の制度改定においては、まず雇用保険制度の基本、要するに失業というリスクに対して安定的な再就職を支援するという制度本来の改善を図っていくべきではないかと考えます。そこが解決してから、雇用保険の財源を用いた学び直し支援措置について検討すべきであると考えております。もちろん、失業というリスクにどれだけのリソースを投入して、学び直し支援措置として失業を予防するのか、労働者の Employability をどう上げていくかといったバランスの問題だと思っておりますが、今日はそういった視点からの資料を提出しました。

 資料を御覧ください。申し上げている基本手当の平均受給日数と平均受給日額を、頂いているデータからグラフにプロットしてみたものです。先ほど、追加の資料を含めて平成 12 年と平成 15 年の改正における日数のデータを示していただきましたが、同時に給付率については、前回も論議があったように、給付率の下限が 60 %から 50 %に引き下げられたこと等も含めて、平成 12 年と平成 15 年、特に平成 15 年において大きく屈折点が出ています。平成 15 年の改正以降、給付日数、給付率は今日まで引き上げられずに続いております。このときの改正は、再三申し上げているように、 2001 年の失業率が我が国で初めて 5 %を超えたときに、雇用保険の積立金残高が逼迫する中で、保険料の引上げとともに給付日数の絞込みを行ったわけで、財政面でこれが効果を発揮したと言えば効果を発揮したわけですが、それが今日までずっと低いままで続いているということです。

 この変化を見て、我が国としてのセーフティネットの在り方をどう構築するかということから言えば、まずやるべきはここの給付日数の改善であって、ここに財源を投入すべきです。今の雇用保険の積立金残高は、 6 兆円に迫るほど非常に潤沢な財源になっており、毎年度の収支は、保険料を下げてきたにもかかわらず新たな余剰が発生する状況になっており、保険の制度設計上ギャップが出てきていますので、私どもとしてはまずここの財源投入をすべきであるということを申し上げておきたいと思います。

 その上で、 2. にありますように、今回事務局から出されている支援措置の叩き台における給付率と給付金額のモデルとして、大学院や歯科衛生士等の金額が示されていて、それについて 60 %という給付率も出ています。今申し上げた基本手当の平均的な平成 24 年度の平均受給日数と平均受給日額を掛けたもの、要するに平均的な受給金額として雇用保険から幾ら払われているかですが、失業というリスクに対して支払われている金額が 54 万円という平均額です。これに対して、今回事務局から示されている叩き台を基にすると、理工系の大学院で約 104 万円給付するという設計になっており、専門職大学院で 144 万円、歯科衛生士で 162 万円という金額を給付する設計になっております。この設計をどう見るのかです。これは明らかにバランスが狂っているのではないかと言わざるを得ないと思います。雇用保険ということで、失業というリスクに対して労使で積立てをして、そこに国庫を投入して雇用の責任を果たす、リスク回避をするという本来の失業給付が、このようなプアな状況になっている中で、学び直し支援に巨額な資金を投入することについて、私どもとしては到底被保険者に説明ができないと思っております。

 この学び直しについては、一番下の枠にありますように、もともと雇用保険という保険の仕組みに乗るのかどうかということがあると思います。雇用保険の平成 12 年の改正の際に、受給理由によって特定受給資格者とそれ以外の者とに給付水準を分けたわけです。それは非自発的離職のように、計画をせずに非自発的に離職せざるを得なかった方々に対して、自発的離職は計画性があるのだから、そこの給付は絞り込んでいいのではないかという論議があったと思うのです。この学び直しこそ、正しく計画的に御自分で計画をされるものですから、これがリスクとリターンの関係の保険のシステムに乗るのかどうかという問題です。ここに書いているように、短期間、雇用保険料を納付する、この受給対象者が雇用保険の被保険者資格との関係でどう関係付けるかという論議もありますが、仮に一定の被保険者期間を前提とするということであれば、その期間だけ雇用保険を掛ければ、対象者の資格を得て、ここに書いてあるような 100 万円を超えるような給付を受け取ることができるのであれば、これは保険のシステムとして破綻するのではないかと思います。ですから、今後この仕組みを雇用保険の仕組みとして考えるのであれば、雇用保険という制度の趣旨に則った対象者や訓練、給付額の設計をしないと、他の雇用保険制度とのバランスを大きく欠くと言わざるを得ないと思いますので、まず冒頭でこのことを指摘しておきたいと思います。以上です。

○岩村部会長 事務局から何かありますか。

○高島雇用保険課長補佐 新谷委員から給付額の比較等について資料を頂いておりますが、これらの給付額については、私どもが 10 8 日の学び直し支援措置で提示している資料の数字を基本的にお使いいただいているので、今事務局で御紹介している資料に基づいて整理をされたものだと受け止めております。委員の皆様に御議論いただく上で申し上げておきたいところは、基本手当について 1 番と関連して平均的な受給額、平均的な受給日数に基づく金額をお出しいただいておりますが、学び直しについては、正にこれから訓練の範囲をどうするかとか対象者像をどうするかという部分があって、まだ平均的な受給者像は出てきていないので、このモデルケースの中でこういった数字を御紹介いただいたと受け止めております。

 雇用保険制度については、新谷委員がおっしゃるとおり、失業保険制度からその役割が始まってきておりますが、雇用保険制度の中で雇用継続給付や平成 10 年に設けられた教育訓練給付、失業以外の保険事故等も基にして、その時々の雇用情勢に基づいた政策的な要請で、それぞれの支給要件の下で給付を設けてきているところもあるので、それら全体の中で御議論いただければ有り難いと考えております。

○亀崎委員  6 ページの学び直し支援の対象となる教育訓練の内容についてですが、1の資格取得のための訓練については、現行の求職者支援制度の訓練の内容と重なる部分があると思いますので、その棲み分けの整理が必要かと考えます。

2 つ目は、2の特に高度な職業能力を取得するための教育訓練として、中堅以上の正社員、在職者向けの訓練が挙げられていますが、これは本来企業が行うべきものではないかと思っています。先ほどの職業能力開発分科会の参考資料の中にも、同様の意見が出ているかと思います。具体例としては MBA の取得が挙げられていますが、現在、社会人の MBA 留学は休職して私費留学という方もいますが、大企業を中心に学費と受講期間中の賃金を全て企業負担とする所が多いかと思っています。仮にこのような訓練をするのであれば、従来の企業派遣が新たな学び直し訓練に置き換わるだけではないかと思います。

 また、仮に雇用保険の財源を使って中堅人材向けの訓練を行うとなると、生活及び雇用の安定、就職の促進、失業の予防といった雇用保険本来の目的から余りにも懸け離れるのではないかと思います。こうした中堅以上の正社員向け訓練についても、あえて支援をするのであれば、雇用保険の財源を活用するのではなく、国費である一般財源から出すのが筋ではないかと考えます。仮に巨額な給付を雇用保険から受けることが可能になれば、社会的な保険システムの破綻にもつながりかねず、そこは先ほど新谷委員が指摘されたとおりです。その意味において、学び直しの支援の予算規模については、ここは重要なポイントであると思っています。

○三島委員 同じく 6 ページの、1の特に専門性が高い実践的な職業能力を習得するための教育訓練についてです。新たな学び直しの訓練として指定するに当たっては、真に就職やキャリアアップにつながるような訓練を指定するための何らかの基準が必要と考えます。 9 ページ以降に教育訓練を受講した参考事例が記載されておりますが、こうした定性的な情報だけではなく、就職率などの定性的なデータに基づいた議論を行う必要があると考えます。

6 ページの訓練内容の1の業務独占資格や名称独占資格の取得は、ある程度就職やキャリアアップにつながることは理解できます。一方、2の上記に準ずる職業上の効果が高い、特に実践的である等のプログラムを支援対象とするのであれば、しっかりとしたエビデンスに基づく議論が必要です。また、こうした資格取得については、現行の教育訓練給付の対象にもなっていますが、これまで教育訓練給付は濫給等が生じたために、給付率や給付上限額が段階的に引き下げられてきた経緯を十分に踏まえる必要があると考えております。本人のキャリアアップや雇用の安定に真に資するものになるように、少なくとも受講に際して、本人のキャリアアップ・プランの作成やハローワークによるキャリア・コンサルティングの実施を義務付けるなどの措置は講ずる必要があると考えております。

○新谷委員 雇用保険部会と職業能力開発分科会で学び直し支援措置について論議が進められているわけですが、入口の対象者をどうするのかといったところは雇用保険部会で論議がされて、訓練内容については職業能力開発分科会で論議されるという棲み分けになっていると思います。対象者について、 8 ページに在職者と離職者で類型1と2のマトリックスに近いものが出ていますが、これは職業能力開発分科会でも論議されていて、参考資料 2 に出ていますが、社会保険の仕組みとして特に在職中の類型2が本当に学び直しの支援措置として、雇用保険の財源を使った社会保険のシステムとして要るのかどうなのかです。これは職業能力開発分科会の論議から見ても、随分異論が出ていると私は理解しています。参考資料 2 は、公益の先生方、あるいは使用者の方、もちろん我々労働側も申し上げた意見で、私の印象では、職業能力開発分科会での論議はかなり厳しいものではないか、制度導入に向けての論議としては厳しいのではないかという印象を持っております。

 ですから、 6 月に政府として閣議決定された日本再興戦略、そのベースになったのは、産業競争力会議で論議されたものですが、もともと職業能力開発分科会でも学び直しは全然想定されていなかったので、第 9 次職業訓練計画の中でも全然触れられていないものを、後付けでどうやって国の施策として位置付けするのか、非常に苦労されていると思うのです。これに雇用保険の財源を充てるのであれば、本当に精緻な制度設計が必要になってくると思いますし、財源についても、もともとこれに雇用保険を充てるのかどうか、論議が本当は必要であって、閣議決定されたのであれば、国の施策で進めたいのであれば、国庫負担を投入するべきであることを改めて申し上げておきたいと思います。

○岩村部会長 時間が迫ってはおりますが、事務局で御用意いただいた資料 3 について何かありますか。

○遠藤委員 学び直しに関連して、公益の先生からも御指摘がありましたように、今まではリーマン・ショック後の対応ということで、緊急時の対応に特化するような形で雇用保険制度の見直しを行ってきた状況があったかと思います。そういった中で、リーマン・ショック前を視野に入れることができる環境が整ってきた状況下にあって、新たな施策をどう入れていくのか、その 1 つが学び直しの支援措置ではなかったのかと思います。

 そうは言っても、ただ今、労側から指摘されたように、あくまで雇用保険の枠組みで対応するものですから、幾つか資料が出ていますが、資料 2 8 ページの右側の類型2が余りにも前面に出過ぎてしまっていて、学び直しの良い悪いが論議され、この趣旨を上手に伝えきれていないのではないかと思います。左側については、現行の公的な教育訓練制度では補いきれないようなものが書かれていると私は理解しています。今後、訓練の中身を御議論する分科会においても、これにとらわれることなく、現行の枠組みの中でどう拡充していくのかという視点で、是非御議論を賜ればと思っております。

○小林委員 今、資料 2 8 ページについて議論が出ていますが、私も同感で、類型2が今回の学び直しの対象となるのは非常に違和感を感じます。労働側の委員の方々がおっしゃった、現在、企業で大学院に派遣しているということが学び直しに移ってくるのではないかと、非常に懸念される部分があるので、その点も十分考える必要があるのではないかと思います。

 もう 1 つ、文科省の「社会人学び直し大学院プログラム」というのが、参考資料 20 ページに付いていますが、これは平成 26 年度の新規事業として捉えられているわけです。大学院の在り方自体、修士・博士課程は今までありますが、学び直し大学院プログラムということで、業界との関係でプログラムの作り方を考えていくといったことも、今後の取組なのです。社会全体というか大学界でも、新しい大学院の在り方みたいなことも検討するという話もあるでしょうし、社会人一般から考えても、大学院に行くのは修士・博士を取りに行くのが目的でもあるでしょうし、いろいろな意味で課程の一部だけを学びに行くことを望んでいる方も社会人の中でいらっしゃると思うのです。欧米でも社会人が学び直しということで、博士課程に行くのではなくて、課程履修みたいな形で学びに行くことが多いわけです。日本も社会が変わっていかなければならないのだと思いますし、その取組自体、文科省も来年からしっかりやりましょうというところなのです。

 もしも考えられるのであれば、この学び直しを雇用保険でやることには私も疑問を感じているのですが、類型2について将来的に、来年からどうだというのではなく、文科省の制度がしっかりした上で、何年後かに学び直しは社会的に支援しようということがあるのであれば話は分かると思うので、その辺も含めて能開分科会でも議論していただきたいと思います。雇用保険部会としても、来年すぐにではなく、文科省の仕組み、大学院の受入体制がしっかりできて、若しくは大学院以外も専門学校の体制がしっかりできて、社会人の受入れについて、学び直しについてどのように対応しよう、 2 年後はどうだという形で考えていくのも 1 つあっていいのではないかという感想です。

○新谷委員 誤解があってはいけないので発言しますが、私どもとして学び直しの支援措置そのもの全てを否定するわけではありません。これは非常に重要な施策だと思いますが、バランスが問題であるということを再三申し上げているところです。特に在職中の非正規労働者、あるいは職業訓練が十分でない正社員といった層に対して、雇用保険の仕組みを使って能力を付けていくというのは大事な施策だと思っております。また、離職者についても訓練を施して就職につなげていただくということは、雇用保険本来の仕組みの中で検討していくものだと思っていますので、これらを中心に論議を進めることはやぶさかではありません。ただ、申し上げたように、基本手当の改善とのバランスの中で論議をしたいと思っております。

○山本委員 資料 3 2 ページで特定受給資格者以外の状況が表で示されておりますが、基本手当終了までに就職できたかどうかは経済状況に大きく影響されることはこれまでも言ってきました。基本手当の所定給付日数が引き下げられた色塗りの部分ですが、平成 14 年度、平成 16 年度の就職率は、この表で分かるとおり、所定給付日数が据え置かれた層に比べても悪化していると思っております。これは所定給付日数が短くなったことによって、給付期間内での再就職が難しくなったことを示しているもので、平成 12 年及び平成 15 年の法改正の影響は明らかではないかと思っています。これまでも私たちとして主張しているとおり、所定給付日数の回復を今回の雇用保険制度の見直しの議論に当たっての最優先の課題としていくべきではないかと思います。それを、できれば本日お集まりの雇用保険部会委員全員の共通認識としていきたいと思っております。

○岩村部会長 これは前回、阿部委員が御要望ということでしたが、何かコメントはありますか。

○阿部委員 大変な作業をありがとうございました。特定受給資格者以外では、確かに変更のあった所、黒塗りの所と白抜きの所を比べると、若干黒塗りのほうが高くなっているような気がしますが、これはそもそも日単位で計算をしていかないと、つまり 30 日減った分だけ、その分確率は悪くなりますから、それを考えるとそれほど大きな落込みではないような気もします。例えば、その前の特定受給資格者の場合は、特定受給資格者以外の人よりはより深刻な状況にあると思われますが、そこでも余り大きな効果は見られていません。まだ問題があって、受給率の変化もあったので、その影響も考えなければいけないのですが、ここから見ると、ものすごく大きな影響があったとまで言えるかどうかは微妙かと思っています。

○古川委員 資料 3 11 ページに事業所規模別の育児休業取得率が記載されていますが、この算定の分母は出産後も在籍している方であって、出産や育児によって離職した方は含まれていないのではないかと思います。つまり、中小企業で働く女性や非正規労働者として働く女性の多くが出産や育児によって離職している現状を反映していないのではないかと思います。

 前回の部会で、労働側として非正規労働者の育児休業給付の給付要件の緩和について主張しました。具体的には、有期契約労働者は被保険者期間が 1 年以上継続しているにもかかわらず、転職によって同一の事業主の下での雇用期間が短い場合、要件である同一の事業主に引き続き雇用された期間が 1 年以上という給付要件を満たさない場合があると思います。ここで 1 つ確認しますが、この取得要件の根拠規定は何でしょうか。雇用保険法や政省令の規定ではなく、厚労省の業務取扱要領における規定だと理解しておりますが、そういう理解で間違いはないでしょうか。

○岩村部会長 資料の読み方と、もう 1 点は制度の基準の話だと思いますが、事務局からお願いします。

○高島雇用保険課長補佐 古川委員から御指摘のあった雇用均等基本調査の育児休業取得率については、確かに事業主に対して調査を行ってこのような資料を出しているので、育児休業を取らずに離職した方はここには入っておりません。

 もう 1 つ、御質問を頂いた部分ですが、同一事業主、同一企業に 1 年以上継続して雇用されたかという要件については、御指摘のとおり、雇用保険については雇用保険の業務取扱要領の育児休業給付関係のところに規定が盛り込まれております。この規定を盛り込んだ経緯ですが、平成 19 年の雇用保険部会報告書において、その前に育児休業制度において期間雇用者の育児休業制度が盛り込まれたわけですが、その議論をする中で、育児・介護休業法の育児休業制度の取得要件と雇用保険の育児休業給付の給付要件をそろえていくべきであるという御指摘に基づいて、そのような整備を行ったもので、趣旨としては育児休業の取得要件にそろえるという趣旨でそのような整備を行ったものです。

○古川委員 当時、有期契約労働者の育児休業給付の給付要件が、 3 年以上の雇用実績、あるいは 3 年以上の雇用見込みがある場合といったように、育児休業の取得要件より厳しいものであったために、その給付要件を育児休業の取得要件と同じレベルまで緩和するという意味合いがあったのではないかと思います。いずれにしても、この取扱いは育児休業を規定している育児・介護休業法とも関連するために、是非、雇用均等分科会でもこの要件についてもう一度議論をしていただきたいと思います。

○岩村部会長 そこは御意見ということで承ります。その他まだいろいろ御発言をなさりたいかと思いますが、今日予定している時間に達しておりますので、どうしてもということがあれば 1 つぐらいは承りたいと思います。

○遠藤委員 繰り返し申し上げますが、今日は 11 12 日です。年末の取りまとめは、ある意味でお約束をしているものと私どもは考えております。そういった中で、今後の議論については、是非部会長の御指導の下、効率的な議論ができるようお願いいたします。

○岩村部会長 御指摘がありましたので、今後そのように留意してまいりたいと思います。

 それでは、以上をもちまして、本日の部会は終了させていただきます。今日の部会の署名委員ですが、雇用主代表は浅見委員に、労働者代表は山本委員に、それぞれお願いします。次回の日程については、事務局から改めて各委員に御連絡いただくということで、よろしくお願いいたします。

 それでは、皆様、お忙しい中、今日はどうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省職業安定局雇用保険課企画係
(TEL)03-5253-1111(内線5763)

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