ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 労働政策審議会(職業安定分科会雇用保険部会) > 第93回労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会議事録(2013年10月29日)




2013年10月29日 第93回労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会議事録

職業安定局雇用保険課

○日時

平成25年10月29日(火) 10:00〜12:00


○場所

中央合同庁舎第5号館(厚生労働省)12階 職業安定局第1・2会議室


○議題

・雇用保険制度について
・その他

○議事

○岩村部会長 それでは、ただいまから第 93 回雇用保険部会を開催いたします。皆様、お忙しいところお集まりいただきまして誠にありがとうございます。

 本日の出欠状況ですが、浅見委員が御欠席と伺っています。野川委員が若干遅れて来られます。

 早速、議事に入ります。なお、カメラの頭撮りはここまでですので、撮影の方は御退室をお願いします。お手元の「議事次第」に沿って進めてまいります。本日の議題は、「雇用保険制度について」です。事務局のほうで資料を用意いただいていますので、それに沿って御説明をいただき、そのあと質疑に入ります。

 まずは、資料 1 、「基本手当関係資料」について御説明をいただきます。

○高島雇用保険課長補佐 雇用保険課の高島です。よろしくお願いいたします。お手元の資料について御説明いたします。

 資料 1 、「基本手当関係資料」です。基本手当の水準については、これまでの雇用保険部会の中でも随時御議論いただいておりまして、今回は特に、前回 10 8 日の雇用保険部会の中で委員の方々から御質問あるいは資料の準備についてお話しいただいた点について資料を提出しているものです。

 資料について御説明いたします。 1 ページ目と 2 ページ目は、議論にあたっての参考の情報です。基本手当については、平成 12 年と平成 15 年に大きな見直しを行っています。特に日数について整理したものがこちらの表になります。平成 12 年については、解雇、倒産等による特定受給資格者とそれ以外の方を分けた改正を行っています。この 1 ページの表を 2 つに分けたのがこの平成 12 年の改正になります。こちらの表のそれぞれのところに、括弧で書いてあるのが改正前の数字です。その括弧の上にある数字の横にまた中括弧で書いてあるものが、日数がどう前後で変わったかを示したものになっています。

 平成 15 年の改正について、 2 ページですが、この日数の改正のほかに給付率の見直しがありますが、日数の見直しも一部行っています。

 資料の印刷の関係で薄くなっておりますが、 B の表の 5 年以上 10 年未満の所について、日数の見直しを行うとともに、 A の特定受給資格者の 35 歳以上 45 歳未満の所、いわゆる壮年層の方々に対して、給付日数の充実を行っているものです。以後の資料では、委員の方からお求めがありましたとおり、 B の表の被保険者期間が 10 年未満の方々の就職状況について、後ほど資料を整理しております。

3 ページ目は、これまでの完全失業率と有効求人倍率の動向について整理した資料となっております。ちょうど本日、 9 月末時点の完全失業率と有効求人倍率が発表されておりまして、完全失業率は 4.0 %、 0.1 %の低下。有効求人倍率は 0.95 倍で変わらずということになっております。

4 ページ目以降、 4 6 ページがこれまで何度か見ていただいたタイプの図ではあるのですが、基本手当の受給者の再就職状況について整理した資料となっております。今回の整理のポイントですが、前回委員から御意見があった部分で、いわゆる特定受給資格者ではない方々、一般の受給者ですが、自己都合の方もいらっしゃれば定年の方もいらっしゃるわけですが、そうした方について、特に平成 15 年の改正で、 10 年未満の方々の給付日数の見直しが行われた結果、基礎定給付日数が 90 日となっているものについて、就職状況にどう変化があったのかを整理したものです。この表は、これまでの表の作り方と同じなのですが、 2 点変更がありまして、 1 つは特定受給資格者以外かつ、被保険者期間 10 年未満の方に絞った資料になっております。 4 ページ目が 30 35 歳の方、 5 ページが 35 歳〜 45 歳の方、 6 ページが 45 歳〜 60 歳の方という形になっております。もう 1 つは、再就職の時期について、 1 年を超えた時期に再就職をした方は、この帯グラフの中から除いて補正して、委員の方からお求めがあったものに従って、資料を整理したものです。それに基づいて、 4 6 ページの資料を見ていただきますと、左から 3 つ目までのゾーンの支給期間中の就職者の方、その矢印の部分までが支給終了までに就職した方ということです。これまでおおむね 5 割前後で就職をしていると説明しておりますが、再就職時期が 1 年を超えて就職した方を除いた結果、その数字が少し上がった形になっております。その上で、 30 35 歳未満の方々については、平成 11 13 年にかけて、若干変化がありますが、平成 13 年以降、平成 20 年度に少し落込みがありますが、多少の増減を繰り返しながら、近い水準で推移しております。 35 45 歳未満、 45 60 歳未満についても、就職時期の就職率の水準については、若干年齢層によって差がある部分ですが、グラフの形は近い形になっております。平成 12 13 年の間で一旦変化があり、平成 13 年以降についてはそこまでの大きな変化はなく、平成 20 年度に若干変化が出てきているというものになっております。平成 12 13 年の間は、一般の受給者の方と特定受給資格者の方の給付日数のテーブルを見直した形になっております。ただ、 1 点だけ補足説明いたしますと、平成 13 年度以降は、特定受給資格者という概念が生まれまして、解雇、倒産の方を分けて、受給日数を決定するようになったため、離職理由のとらえ方が平成 12 年と 13 年の間で若干変わっている部分があります。 11 12 年の方は、解雇、倒産等ではないと思われる方のデータを当時把握している離職理由から確認して、できる範囲で整理しているもので、その点で若干変化があるものです。こちらが 4 6 ページの資料になっております。また、御覧になるための参考として、これらの帯グラフの横にその年度の有効求人倍率を付けております。

 続いて、 7 ページ以降の説明をいたします。こちらについても、委員の方からお求めがあった資料で、基本手当の給付率に基づく受給者の人員の構成になっております。 7 ページは 59 歳以下全体となっております。 60 歳になりますと、賃金の日額など様々変化などもありますので、まとめることが難しいことから、 59 歳以下でまとめて表を作っているものです。グラフの横軸ですが、給付率と合わせて給付率に相当する年収の方々を整理していて、年収が低い方々から高い方々へ右に動く形で、グラフを整理しております。基本手当の給付率については、委員の皆様御存じのとおり、賃金の日額が幾らであったかによって給付率が変わってきますが、年収については注の 1 にも記載しておりますとおり、賃金の日額に 30 日を掛けて、それに 12 か月を掛ける形の仮定を置いて試算しているものです。それに基づいて見ますと、前回新谷委員から御意見があった部分ですが、給付率が 60 %未満の方々の年収が 337 万円以上という形になっております。こちらの方々の構成比はおおむね 20 25 %程度となっております。ただ、 80 %の給付率から 50 %の給付率の方々まで満遍なく分布されている形になります。

7 ページの資料をもう少し掘り下げたものが 8 ページになります。こちらは、年齢の 3 階層毎に賃金の日額の上限が若干変わることもありますので、参考として 3 つの年齢階層で構成比を分けたものを整理し直しているものです。これらを全て束ねると 7 ページの表になります。こちらについても、 29 歳以下の方が比較的高い給付率、低い年収に寄っている部分はありますが、そのほかの年齢層については、高い給付率の方も低い給付率の方もそれぞれいらっしゃる分布になっております。

9 11 ページですが、遠藤委員からお求めのあった諸外国の失業保険制度について表で整理したものです。こちらは第 2 回の部会の際にも整理したものですが、 1 点情報を更新しているものがありますので、その点だけ説明いたします。 10 ページの部分ですが、諸外国の中でアメリカの給付機関、表の一番下の段ですが、もともと州毎に給付の日数が異なっているのがアメリカの 1 つの特徴です。最長期間が 26 週になった上で、失業率によって延長給付がもともと存在し、 13 週か 20 週が追加されるものになっておりました。直近の状況ですが、リーマンショック以後、連邦による暫定的な給付延長措置が設けられておりまして、最長で 93 週という給付日数の延長措置が連邦によって設けられているものです。これは、今のところ来年の頭まではこの措置が存在しているものです。こちらが基本手当に関する資料です。このほか、基本手当関係として、新谷委員から資料を提出していただいておりますので、合わせてお伝えしておきます。資料の説明は以上となります。

○岩村部会長 ありがとうございます。それでは、ただいま資料 1 について説明を頂きましたが、御意見、御質問がございましたらお願いします。なお、これに関して、今事務局からの紹介がありましたように、新谷委員から資料の提出もございましたので、どうされますか。簡単に御説明されますか。

○新谷委員 何点か申し上げた後に。

○岩村部会長 では、それでお願いいたします。

○山本委員 今回、前回部会で要望したデータや諸外国の状況等についての資料を提出いただきまして、様々な観点から議論できるようにしていただいたことについて、まずは事務局に感謝申し上げます。ありがとうございます。

1 2 ページに示されていますが、平成 12 年と平成 15 年の法改正によって、特定受給資格者とそれ以外という区分が創設されました。さらに、特定受給資格者以外のうち、特に 45 歳以上の中高年層を中心に所定給付日数の引下げが行われました。その結果、平成 12 年の法改正前に比べて、所定給付日数が半分以下になってしまった層があるなど、本当に大幅な日数の削減が行われたことを、改めてこの資料からも痛感いたします。

 特に 45 歳から 60 歳の層については、 6 ページにも資料が付いておりますが、基本手当の支給終了までに再就職できた方の割合は、平成 13 年度に大きく減少しておりまして、これが法改正の影響であるということは、明らかではないかなと思います。再就職が難しく、保険料の負担と給付の関係からしてもバランスを欠いている、こうした中高年層の所定給付日数を少しでも押し上げる措置を講じるということが、離職求職者が安心して求職活動を行えるように生活安定機能の充実を図るという雇用保険の目的にかなうのではないかというふうに意見を申し上げます。

○岩村部会長 ありがとうございます。御意見ということですが、ほかにいかがでしょうか。

○古川委員 前回も申し上げましたが、特定受給資格者以外の方の中には、自主的に離職する方だけではなくて、厳しいノルマを課せられたり、昼も夜も関係なく働かされたり、長時間労働が常態化して過酷な労働環境に耐えられずに、やむを得ず離職を選択する方もいます。離職前から、あらかじめ再就職の準備ができるような者に対する給付日数は圧縮するという 2000 年や 2003 年の改正のときの引下げ理由は、特定受給資格者以外の全ての方に当てはまるわけではないということに十分に留意した対策を講じることが必要だと思います。

 それから 1 つ質問ですが、 3 5 ページの再就職状況で、平成 20 年度受給決定者については、基本手当受給終了後の再就職が増えていますが、この傾向はこれ以降も続いているのか、それを確認したいと思います。以上です。

○岩村部会長 ありがとうございます。では質問ということですが、事務局いかがでしょうか。

○高島雇用保険課長補佐 御質問の支給終了後の就職状況の変化について、平成 20 年度以降がどうであるかという御質問だと理解しております。こちらについて、まずデータ的なもので申し上げれば、こちらのデータは雇用保険のデータから特別に集計をして整理をしておりまして、平成 21 年度以降、直ちにこのデータをぱっと用意できるわけではないのですが、ただ、今回この集計を平成 20 年度まで行っている理由は 1 つございまして、平成 21 年度以降は特定理由離職者の制度の暫定措置と、個別延長給付の暫定措置を更新するタイミングとなっております。特に個別延長給付については、解雇、倒産の方々や雇止めの方々について、 60 日の給付延長をするという措置でして、そこにその措置を講じた 1 つの理由は、正にその支給終了後 1 か月以内の方々や、 2 か月以内の方々の就職率が一定程度存在するために、そうした方々に対する救済措置として設けたものですので、そこを検証する上では、そういった特例措置も講じているということも含めて考える必要があると考えております。

○岩村部会長 よろしいでしょうか。ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。

○遠藤委員 お尋ねさせてください。先ほど、時系列で見たときに、平成 12 年改正の影響として、データ上は変化が見られるということについては異論はありません。

 一方、この表の見方ですが、例えば、リーマンショック以降、被保険者の範囲拡大が行われることにより、範囲拡大以前の方々と比べると離職しやすい状況にあり、さらには再就職しにくい状況にあるような方々が一定程度含まれているのではないかと思われます。その辺の状況は、何か事務局でつかんでいるのでしょうか。

○岩村部会長 質問ということなのですが、事務局いかがでしょうか。リーマンが 2008 年の秋以降ですから、どうでしょうね。

○吉永雇用保険課長 御指摘のように、適用拡大によってこれまでの雇用保険受給者とは違う方が入ってくるということは、そういうことだろうと思っております。ただ、それについて、このデータが平成 20 年までということもありますので、その後の状況が大きく影響するのだと思っておりますが、その辺りについて十分厳密に分析できるデータがないということです。おっしゃるとおり当然行動パターンが、受給行動が違う方々が入っているということだと思いますので、そういう方々が離職しやすいということは多分言えるのだと思いますが、ただ就職しにくいかどうかというのは、いろいろな考え方があると思いますので、そういったことの影響をどう考えるかだと思っております。

○岩村部会長 ちょっと確認ですが、今回の資料の中には、リーマンショック後の雇用保険の適用範囲の拡大の時期は入っているかいないかですが。

○高島雇用保険課長補佐 それは平成 20 年度までに受給資格決定をされた方で、リーマンショック後の適用拡大は平成 21 年度と平成 22 年度で行っておりますので、入ってはいないということになります。

○岩村部会長 ということですね。ですから、直接的には分からないということだ。

○遠藤委員 当然のことながら、これから議論を進めていくわけですので、現在対象になっている方々に対して、どの程度財政的な影響が出るのかも慎重に見ていく必要があるということだけは申し上げておきます。

○岩村部会長 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。

○亀崎委員 給付率についてなのですが、前回の部会で、 2003 年改正によって給付率の下限が引き下げられた影響と、引上げの必要性について発言したところですが、本日お示しいただいた資料は、正にそれを裏付けるものであると思っております。

 資料の中で 7 ページにありますが、基本手当の受給者全体の 4 分の 1 近くは、法改正前の給付率の下限であった 60 %を下回っており、 60 %未満となる方は年収 337 万円以上であって、決して高所得者層といえない方々も含まれていると思います。したがって、雇用保険の目的である従前生活保障、生活安定機能という観点に照らせば、繰り返しになりますが、やはり給付率の下限の引上げが必要だと思います。意見です。

○岩村部会長 ありがとうございました。

○新谷委員 今日提出された資料と、私どもの提出した資料について、併せて意見を申し上げたいと思います。今日の資料の、資料 1 3 ページに、景気循環というか、労働市場の状況も出ておりまして、平成 12 年と平成 15 年の改正の背景にあったものは何かをこのグラフが顕著に表しています。本当にこのときに、失業率が 5.5 %という高い数字になりましたし、それに伴って失業者が急増して、雇用保険の積立金残高が 4,000 億円程度まで減ってしまったという中で、平成 12 年と 15 年の改正が行われたということを押さえておかないといけないと思っています。

 そういった意味で、この 1 2 ページにあるように、平成 12 年の改正で特定と特定以外という受給資格者の分離が行われて、特にこの B の特定受給資格者以外の 30 歳から 60 歳のゾーンについては、大幅な給付日数の削減が図られて、さらに平成 15 年の改正でも削減が図られて、最大で 90 日まで減らされてしまったわけです。 120 日以上日数が減らされてしまって、結局 90 日。 45 歳から 60 歳といった非常に就職が困難な層についても、わずか 90 日しの給付日数という状況に至っているわけです。これが今日まで続いているわけですが、このとき行われた給付の見直しが、一体今日においてどういう意味を持っているのかを考えておかないといけないと思うのです。これは本当に、当時のこの部会の中で、労使が苦渋の決断をされて、保険料の引上げとともに給付の引下げを決断されてきた内容だとのですね思います。その影響が、 4 ページから始まる再就職の状況にも歴然と出ています。この表には多分表れてこないでしょうけれども、給付日数が下げられた中で、再就職の雇用の質もかなり劣化しているのではないかと思われます。給付日数がもうないものだから、諦めて労働条件の低い場合であっても再就職せざるを得ないという状況も発生しているのではないかと思われます。

 今日、私どもの提出した資料を御覧いただきたいのですが、所定給付日数の引下げとともに、給付率の引下げがどういう影響を与えているかというのが、私どもから提出した資料です。これは屈折点が 2 つあって、 80 %の屈折点と、今は 50 %になっておりますが、当時は 60 %の屈折点であったわけです。これが 80 %の部分は、賃金センサスの分布を取って、対下位 5 %までは 8 割。そこから削減というか低減が始まって、賃金分布の上位 25 %の点で下限の屈折率を設けるという制度設計になっているかと思います。この下限の上位 25 %の所が、平成 15 年の改正によってそれまでの 60 %から 50 %に引下げをされたということになりまして、その影響は、実は給付率 80 %から屈折点の上賃金分布上位 25 %のゾーンを含む全てにかかっているということであります。

 先ほども亀崎委員が申し上げたように、これは金額的にいえば、決して高所得者でもありませんし、かつその影響は、それ以下の所に全部かかっているということを申し上げているわけでして、今回の見直しにおいては、この平成 12 年と平成 15 年の改正が恒久的な制度として、我が国のセーフティネットとして、本当にふさわしい内容なのかどうかということです。これは単に再就職率だけでは見えてこない再就職の雇用の質の再生産という面も考えたときに、本当に短い、 10 年未満、つまり 119 か月も保険料を納付して、わずか 3 か月、 90 日しか給付を受けられないというセーフティネットが、本当にこれからの将来の我が国のセーフティネットとしてよいのかどうか、この給付率の在り方についても、これほどの大きな影響を与える改定であったということを再認識する必要があるのではないかということを申し上げておきます。以上です。

○岩村部会長 ありがとうございます。今、新谷委員から御提出の資料についての説明がありましたが、事務局のほうは何かありますか。

○高島雇用保険課長補佐 新谷委員から御提出のありました資料ですが、確かに平成 15 年のところで正に給付率の見直しを行っております。そこの趣旨については、これまでの部会の中でも改正経緯として御説明しているとおり、基本手当の給付の日額と再就職時賃金の逆転現象を解消するという趣旨で見直しを行いました。

 もう 1 点ですが、こちらの新谷委員の資料の中にも既に注書きとして書いてありますが、賃金日額に基づいて給付率が決まっているわけですが、その給付率がいつから変わるかという屈折点については、賃金構造基本統計調査でその都度見直しをしていると。その都度のデータを参照しながら確認をして、屈折点を設定していますので、年度の変遷によって、実際にここを曲がる所は多少変更がある部分はあります。ですので、ここは 1 つ概念図として、こういう資料を用意されたと考えておりますが、そういった点も踏まえて、委員の皆様に御議論をお願いしたいと考えております。

○岩村部会長 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。

○阿部委員 参考 1 2 と、 4 ページ以降の図のことで少し意見を申したいのですが、参考 1 2 を見ますと、平成 12 年改正と平成 15 年改正で、大きく所定給付日数が変わったセルと変わっていないセルがあると思います。ここで注目すべきは、変わったセルの対象者で失業期間がどのように変わったのか、変化していないセルではどのように変わったのかというのを相互に比較して、その結果、影響があったのかどうかをしっかり確認すべきではないかと思うのですね。

 ところが、前回もそうだったのですが、今回も 4 ページ目以降では、変わったセルも変わっていないセルも含んだままで失業期間を検証していますので、日数が変化した、あるいは給付率も同じだと思いますが、変化したセルと変化していないセルで区別して見ることがまだできていないだろうと。見るべきは、変わったセルでどのような変化があったのか、全く制度的に変わっていないセルでは、どのような変化があったのかを見るべきではないかと思います。どうしてそういうことを言っているかというと、皆さんは失業率がこのときどう動いたかなどを議論してますが、変わったセルも変わっていないセルも、同じ時間にいますから、同じようにマクロショックというか、失業率の影響を受けているわけですね。そうすると、それ以外でセルの間でもし違いがあるとしたら、制度変更が強く影響している可能性があるのではないかと思われます。そういう意味で、変わったセルと変わっていないセルを比較するということをやっていただきたい。もしあれでしたら、私もお手伝いしますが、比較するのが議論をする上では非常に重要なインフォメーションになるのではないかと思います。

○岩村部会長 ありがとうございます。事務局のほう、今、阿部委員からそういう御指摘がありましたが、作業的にはいかがでしょう。

○吉永雇用保険課長 作業的には、多少のデータの制約はありますが、基本的にセルごとにお出しすることは可能だと思いますので、かなり膨大な資料になってしまうかもしれませんが、次回以降用意させていただきたいと考えます。

○岩村部会長 ほかに、資料 1 についてはありますか。よろしければ、次に移りたいと思います。次は、資料 2 、「再就職手当について」です。事務局から説明をお願いします。

○高島雇用保険課長補佐 資料 2 について説明をいたします。再就職手当についてとなります。個別に議論させていただくのが、今回初めてとなります。これまで、部会の中で基本手当の水準を御議論いただく中で、特に就職時期などについても検証してきたところです。その中で、先ほど阿部委員からも指摘がありましたが、全体として見た場合に、給付日数内の就職率がおおむね 5 割程度に留まっていて、雇用保険受給者の早期再就職を促していくということが重要ですので、そういった点について雇用保険の給付の中でどういったものができるかということで、事務局のたたき台を用意いたしました。

2 ページ目に、再就職手当の基本的な内容及び制度の変遷について用意しております。受給資格者が安定した職業、 1 年超の雇用見込みのある職業等に就いた場合であり、所定給付日数の 3 分の 1 以上を残して再就職をした場合に、支給残日数の 50 %に基本手当日額を乗じた額の一時金が支給されると。例えば、所定給付日数が 90 日や 180 日などありますが、その日数の 3 分の 1 以上、 90 日であれば 30 日以上、 180 日であれば 60 日以上の日数を残して再就職をした場合に、その残った日数の 50 %を掛けたものに日額を掛けたものを一時金として、再就職時にお支払いする制度です。更に、今は所定給付日数の 3 分の 2 以上を残して更に早期に再就職をされた場合に、支給残日数の 60 %を掛けたもので一時金をお支払いする制度となっております。

2 ページ目の下段に、制度の変遷などがあります。特に、平成 21 年や 23 年に給付率の見直しを行っております。平成 21 年の改正で、 3 分の 1 以上を残した場合は 40 %、 3 分の 2 以上を残した場合は 50 %でしたが、平成 23 年の改正の際には、それぞれ 3 分の 1 以上の場合は 50 %、 3 分の 2 以上の場合は 60 %の支給に制度を変更しております。

 続いて 3 ページです。こちらは、再就職手当の支給状況です。年度別が左側、月別が右側になっております。年度別で申し上げますと、平成 20 年度より平成 22 年について若干減少しておりますが、この辺りは基本手当の受給者数、あるいは受給資格決定件数などとある程度連動した動きとなっているものです。ただ、直近の平成 23 年から 24 年度にかけては、受給者数は増加をしており、基本手当の受給資格決定件数は若干減少傾向にありますので、そういうことを踏まえて考えますと、再就職手当をもらっている方の割合、再就職をしている方の割合は、増加しつつあるという状況です。

4 ページは、支給状況をまた違う形で整理をしたものです。雇用保険の所定給付日数について様々ありますが、そうした個々の日数の方々ごとに再就職手当をどれぐらいの方が受給をされているのかを整理したものです。全体平均は 21.2 %となっており、日数ごとに様々ばらつきはあります。一部、ほかの全体平均と比べると落ち込んでいる部分などもありますが、こちらは例えば障害者などの就職困難者の方用の給付テーブルや、対象が極めて限られた所になっており、それに引っ張られた影響が少し出ていると考えております。下のほうは、所定給付日数別に平均の支給額を整理したもので、全体の平均は 31.1 万円となっております。

5 ページは、これまでも提示をしている資料です。おおむね 5 割前後の方が支給終了までに就職している現状にあるものです。 6 ページはたたき台、 7 ページにイメージの図を付けています。今回のたたき台の趣旨ですが、基本手当の支給終了前の就職率がおおむね 5 割前後であることに鑑みて、早期再就職を促進していくために、金銭的なインセンティブである再就職手当を強化してはどうかと考えております。現在、再就職手当自体は、基本手当受給者ができる限り早く職業に就くことを積極的に奨励するために、基本手当の支給残日数に応じて、その 50 %又は 60 %を一時金として支給しております。ただ、これまでのデータなどで説明をしておりますとおり、基本手当の支給終了前の就職率が 5 割前後ですので、職業紹介等の就職支援策、給付に寄らない就職支援策を強化していくことはもちろんですが、それらと合わせて安定した再就職支援に向けたインセンティブを強化していくことは、引き続き重要ではないかと考えております。

 一方、再就職時の賃金は、離職時よりも低下する傾向があります。こちらのパラグラフの一番下に参考として雇用動向調査の統計を付けております。転職による賃金がどう変わったかということで、増加した方や変わらない方もいらっしゃいますが、それぞれと同じぐらいの割合で減少した方が、平成 24 年度の統計で 30.4 %いらっしゃいます。そうした方は、飽くまでも再就職の時点で提示された所定の賃金がどうかということではあります。ですので、当然その中で再就職後、キャリアアップを積んでいただければ、賃金が上昇することは可能ではあると考えております。ただ、再就職時点での賃金低下が早期再就職を躊躇させている一因となっていると考えられます。そういうことを踏まえて、そのため、再就職時賃金が就職時賃金より低下するものを対象として、再就職手当を更に強化する。それによって、賃金低下による就職意欲の低下を緩和して、早期再就職を更に促すこととしてはどうかと考えております。こちらは、早期再就職の手当を強化しつつ、その強化の対象を再就職時点で賃金が低下した方に絞って行ってはどうかというものです。

 具体的には、今回給付の見直しをするに当たって、再就職手当でもこれまで議論があった部分ですが、再就職手当の受給を目的とした安易な再就職、形上の早期再就職を防ぐ必要があります。ですので、職場の定着を促すことも、もう 1 つ重要な目的で、弊害が起こらないための機能であると考えております。そういった、職場の定着を促すために、賃金が低下した状態で再就職をされた方が 6 か月間継続されて雇用されたことを要件とした上で、これまでの再就職手当は引き続き再就職時点で支給いたしますが、賃金低下かつ 6 か月の定着を条件として基本手当日額に支給残日数の 40 %を乗じて得た額を上限として、離職時賃金と再就職時賃金との差額の 6 か月分を一時金として、追加的に給付する仕組みとしてはどうか。

 今回のポイントは、離職時の賃金、離職前にもらっていた賃金と、再就職されていた賃金に低下があった場合に、その低下の部分を一時金としてお支払いをすると。そのお支払いをする額については、上限を設定することを考えており、その上限については、基本手当の日額に支給残日数の 40 %を乗じて得た額と。 40 %というのがどういう数字かと申しますと、括弧書きにありますが、従来の再就職手当、早期再就職の時点で 50 %か 60 %となっておりますが、それらと合計すると、支給残日数の 90 %又は 100 %相当となるというような水準で支給をしてはどうかと考えているものです。

 今、言葉で説明をしてしまいましたが、それらを図で示したものが 7 ページになりますので、 7 ページの図を使って、もう少し説明いたします。右側が時間軸ということで、離職から基本手当の受給、そして再就職、定着といったような流れになっておりますが、縦軸がいわゆる金額の水準です。最初は、以前の職に就職された方が一定の賃金をもらって就職をされていたと。離職された時点で、基本手当が支給されると。基本手当の日額は、当然離職時の賃金の日額から 50 80 %の割合で支給をしておりますので、当然一定程度下がった額で支給はされるものです。その後、再就職をされた場合、もちろん所定給付日数がこの矢印の幅まで広がっておりますので、いつの時点で就職をされるかは人それぞれですが、その所定給付日数を 3 分の 1 以上又は 3 分の 2 以上残したという早期の再就職をされた方については、ここの図の濃い網掛けの部分です。早期再就職の方には、支給残日数の 50 or60 %相当額を、再就職手当として支給をするというものがあります。こちらは、現行制度としてあります。

 その場合ですが、労働者の方、就職された方によっては、再就職時の賃金の日額、高さの部分が、離職時、離職前の賃金の日額と比べると下がったという方がいらっしゃると思います。この点線の部分ですが、その方々が仮に 6 か月間定着をされた場合には、ここの網の部分ですが、離職時賃金との差額の部分を一時金として、 6 か月後に支給してはどうかと。この部分の上限として、この下の濃い網掛けの右隣にあるものですが、その額については○ A が上限となっておりますが、○ A というのは支給残日数の 40 %を上限として支給してはどうかというものです。離職時の賃金と、再就職時の賃金の乖離を埋めて、再就職の意欲を促進するというものが、今回のたたき台のポイントです。資料の説明は以上です。

○岩村部会長 ただいま説明いただきました資料について、御質問、御意見がありましたらお願いします。

○山本委員 労働側として、前回の部会で再就職手当の拡充について主張してきました。その理由としては、再就職の手当には、基本手当受給にかかるモラルハザードの防止、それから早期の再就職のインセンティブ向上の 2 つの側面の効果があることを挙げさせていただきました。今回、事務局からたたき台が示されたわけですが、早期再就職のインセンティブを強化するための措置ということで、再就職後に 6 か月間継続して雇用された場合に、離職前賃金との差額の 6 か月を追加で支給するという内容です。ただ、そもそも離職前賃金よりも下がるにも関わらず、再就職を選択する方の中には、基本手当の給付の終了後に生活が不安定になることを恐れて、賃金は離職前より低下するものの、とにかく再就職をして働かなければいけない方も一定程度いることは予想されます。こうした背景には、基本手当の所定給付日数が短く、その短い期間での求職活動を余儀なくされていることが原因の 1 つではないかと思います。

 そういった意味でも、基本手当の給付日数の回復を第一義に考えることが先決であり、その上でモラルハザードの防止の観点も含めた再就職手当の拡充を図ることが先決だと思います。基本手当と再就職手当の引上げをセットで検討することが必要ではないかと思います。以上、意見として申し上げます。

○小林委員 再就職手当についてですが、今までの制度の変遷を見ていますと、平成 12 年改正から 15 年改正、 21 年改正、 23 年改正で、 40 %から 50 %、それが 50 %から 60 %と拡充されてきているわけです。ある意味でのインセンティブは、付与してきたのではないかと思っています。その辺りの状況が検証されていない段階で、更に拡充というのはいかがなものかなというのが、私の感想です。

○遠藤委員 小林委員が指摘されたことに加えて、労働条件で最も大事なものは確かに賃金であるとは思うのですが、賃金以外のものも含めて再就職に際しての労働条件を考えていくというケースはどうなのか。例えば、それは勤務地であったり、自分の好みに合うような仕事の質であったり、諸々の条件を踏まえて、再就職先を決めていくということがあると思います。今回は、再就職時の賃金が下回るというところをポイントにしており、その部分へのインセンティブではあるのですが、 6 か月間に限って賃金を一部補填することで、どの程度の効果が見込まれるのかについては、疑問なしとしません。むしろ、再就職された方々がどのようにして今後のキャリアアップを図っていくのか。御本人が、キャリアアップを図りながら、処遇をどう改善していくのか、その環境づくりをしていくことで対応を考えていくのも、 1 つの方策ではないかと思っております。

○井上委員  1 点質問です。今回、安定した再就職支援に向けたインセンティブ強化策として、再就職手当の拡充が提起されましたが、雇用保険の目的には、 1 つ目として生活の安定、 2 つ目として再就職の促進があると思います。これは、雇用保険法にも規定されているかと思います。

 再就職支援は、後者の再就職の促進に関わるものであり、基本手当終了までに再就職できる 5 割の方が主な対象になると思われますが、前者の基本手当の支給期間内に再就職できない方々の生活の安定を図るための措置も講じなければ、資料の 1 ページの論点に記載があります「失業中の生活の安定と早期再就職のバランスを取って考えるべき」という意見に反するのではないかと考えております。

 ですので、この両者のバランスについて、どう考えていらっしゃるのか、事務局に伺いたいと思います。

○吉永雇用保険課長 御指摘のとおり、雇用保険制度には 2 つの目的があります。失業中の生活の安定と、早期再就職を図ると。このバランスをどういう形で考えていくかは、非常に重要なテーマだと思っています。実際に、これまでもデータとしてお示しておりますが、 5 割ぐらいの方は基本手当受給終了までに就職していただいていますが、その後に就職している方、 1 か月、 2 か月後という者がかなりいらっしゃる。これは、どこまで延ばせばその期間内で就職できるのか。もちろん、景気変動もありますので、その景気循環の波の中で、それを超えた一定程度の期間は必要かという議論はあるかと思います。

 一方で、全体として、質の高い仕事が出てくる状況にもないわけですので、既存の仕事の中でどういう空きポストに就いていくのかを考えていくかで、必要な期間を見ていくということではないかと思っています。そういう意味で、今回再就職手当についての検討のたたき台を提出した考え方は、雇用保険の基本手当が終了してから就職先を探すことよりも、それに先立ってもう少し熱心に就職活動をするような方について、より高いインセンティブを与えていこうという形です。もちろん、解雇などで離職された方は、その直後はとても仕事を探す気がないというような方もいらっしゃると思います。そういう状況を越えられたような方で、求職活動に入られた方については、熱心に就職活動をしていただきたいという観点を合わせて、今回の案を提示しております。

 また、求職期間を延ばすということについては、従来より基本手当の受給期間を延ばしたらという御提案をいただいているところですが、現行ですと個別延長給付等々の暫定措置を延ばす、あるいは行っていることによって、一定程度の生活基盤について期間を延ばすこともやっています。そういった全体のパッケージの中で、御理解いただければと考えています。

○岩村部会長 よろしいでしょうか。

○小林委員 もう 1 つ質問ですが、最後のページの再就職手当の見直し案のイメージなのですが、これは日額計算で出ているところです。例えば、離職前にフルタイムで働いている方は、再就職のときに短時間労働に移った場合も、日額計算でいくと金額が下がる形になります。そのときにも、このイメージ図にある差額部分の支給は行われる形になるのでしょうか。

○吉永雇用保険課長 本人の希望で短時間勤務に移られたかどうかを見極めていくのは、非常に難しいのだろうと思います。実際に仕事を探していて、短時間の仕事でしか就職ができないような方については、当然そのようなものも対象としていくべきだろうと思います。一方、自分で選択された方について、正にそういう賃金の低下を希望された方について、再就職手当を出していくかというところは、一定程度議論はあるのだろうと思っております。冒頭申しましたとおり、そこについて全くの自己都合なのか、それとも実際にその人に対してそういう仕事しか見つからないということで、あえてそういう仕事を選んでいるのかが判然とできないような状況の中では、それを区別して整理するのは、なかなか難しいかと思っているところです。

○遠藤委員 再就職の場合には試用期間を設けられることが新卒採用に比べれば傾向として少ないというのは、そのとおりだと思います。しかし、再就職に際し、一定期間後に賃金が上がることが見込まれている状況下で減額している場合に、一部補填するのかどうかについても、お尋ねさせてください。

○吉永雇用保険課長 明らかに制度を潜脱するような目的で、仮にこういう制度が導入された場合に、こういう制度を前提として賃金を減額するということが行われるとすると、そういった形で運用することは適当ではないのだろうと思います。一方、制度で考えた場合に、試用期間を 6 か月間なり設けることは、通常あり得ないと思っております。そういう意味でのケースは、極めてレアではないかと考えております。

○岩村部会長 ただ、今、使側がおっしゃった論点は結構重要かもしれませんね。高年齢雇用継続給付が、完全にそういう形で使われていますので、そこがどうかという問題は少し考えどころかもしれません。

○遠藤委員 結局、制度というのは、いろいろな形で組み合わせがあり得まして、それを悪意があるのか、悪意がないのかを外形的に判断すること自体が難しい状況も一方であります。今後、新しい制度を仮に運用していくということであるとすれば、どの立場で見てもこれは不合理でないという形でなければなりません。積立金があるから制度を拡充したのではないかと揶揄されることのないように、是非事務局には心していただきたいと思っております。

○吉永雇用保険課長 特に高齢者について考えた場合は、賃金が低下することもあると思います。そのために、正に高齢継続給付なる制度があるわけですし、また再就職した場合も同様の制度があるわけです。この再就職手当の制度が導入された場合であっても、そちらのほうが制度的には有利になりますので、特にこういう制度を導入してモラルハザードが起きそうな層については、むしろそちらの制度で受け皿になるということです。そういう意味で、現時点で全く問題がないという形の整理にはなっていないかと思いますが、特に問題のある層については、対象等にはならないだろうと考えています。

○岩村部会長 ほかにいかがでしょうか。

○新谷委員 今日再就職手当についてのたたき台が出てきたわけですが、私どもは先ほども山本委員が申し上げたように、基本手当の引上げとセットで再就職手当の在り方を論議すべきであると考えております。基本手当の部分については、たたき台が何もなくて、ここだけで、確かに再就職の促進という意味では強化されるということですから、内容については理解できるのですが、再就職手当についてはかなり大幅な積み上げを行うわけです。先ほど、遠藤委員もおっしゃったように、積立金があるからということで考えられている側面はないのか懸念するところです。

2 ページにありますように、平成 21 年と 23 年の改正で引上げをされてきたわけですが、その一方で基本手当については、平成 12 年、 15 年の改正で引き下げられたまま、今日に至っているわけです。再就職手当については国庫負担は付いているのか、付いていないのかを教えていただけませんか。

○吉永雇用保険課長 再就職手当については、労使の保険料で運営されている制度です。

○新谷委員 基本手当を仮に引き上げると、国庫負担はどれぐらい上がるのですか。

○吉永雇用保険課長 基本手当については、 4 分の 1 55 %になっていますので、 13.75 %の負担が増える形になります。

○新谷委員 今、国庫負担は、金額的にどれぐらいあるのですか。

○高島雇用保険課長補佐 基本手当の国庫負担ですか。

○新谷委員 基本手当の国庫負担です。

○高島雇用保険課長補佐 基本手当も含めてとなってしまうのですが、育児休業給付や介護休業給付も一部国庫負担がありますので、それも入った数字になります。平成 24 年度の決算の数字としては、失業等給付にかかる国庫負担は 1,531 億円となっております。

○吉永雇用保険課長 基本手当については、 1,377 億円程度です。

○新谷委員 私どもは、基本手当の引上げを求めてきたわけですが、仮に基本手当の引上げが実現した場合には、当然国庫負担の増額が伴います。一方で、再就職手当は、今回大幅な引上げがたたき台として出されてきておりますが、これについては国庫負担が付いていないということですから、これは財務当局の査定もそんなに厳しくないのではないかと考えるわけです。

 私が申し上げたいのは、雇用保険の在り方として、これは国庫負担が必ず付いてくる話ですので、本来我が国のセーフティネットとしてどうあるべきかという論議をするときに、純粋に制度の在り方を考えていただきたいと思うのです。早期の再就職を促進する意味では、再就職手当はたしかに重要なのです。ところが、もともとの基本手当のベースが平成 15 年の改正でこんなに下げられてしまい、 10 年未満、 119 か月も掛けて、たった 3 か月しか給付期間がないという基本手当を触わらずに、再就職手当だけなぜ引き上げるのでしょうか。やはり、それが国庫負担という、多分、厚労省にとっては突破しにくい部分があるのだろうと思いますが、純粋に我が国のセーフティネットがどうあるべきかを論議するべきであろうと、私は思います。

○遠藤委員 ただ今、新谷委員からご指摘がありましたように、セーフティネットがどうあるべきかという議論は、私も大変重要だと思っています。本日は資料 1 の中で、諸外国の例を示していただき、どうもありがとうございました。日本の場合には、リーマンショックによる雇用情勢の影響が、諸外国と比較をした限りにおいては軽度で済んだ状況があります。そういった中で、リーマンショックよりも以前の状況がもう視野に入ってきたということではないかと思います。失業率が 4.0 %を前後するようになり、安倍政権下におけるデフレ脱却ということで、雇用情勢の改善も目に見えた形であらわれている状況があります。

 これまではリーマンショック後の対応ということで、累次にわたっての制度改正等を行ってきたわけですが、これからは、正にどうあるべきかという議論をしていくということであり、使側も考えていきたいと思っております。

○新谷委員 遠藤委員の発言は、私も理解するところですが、その一方で給付期間満了までに再就職できる方が 5 割しかいないという現状も見ておくべきだと思うのです。それは、給付日数が短いがために、このような現象が生じているのではないかというところはきちんと分析をして、本来あるべき給付日数は一体どれぐらいなのかの検討を、国庫負担がある、なしの論議とは別に検討すべきではないかと私は考えております。

○遠藤委員 是非ともそういう形で議論するにしても、事務方からお話がありましたように、例えば求職者支援制度があり、また一方で公共職業訓練があるという組み合わせの中で、基本手当を取り巻く環境が現状どうなっているのかについても十分視野に入れた形での議論であってほしいと思います。

○岩村部会長 若干、私から質問をさせてください。この再就職手当との関係で、先ほど資料 1 の中で、基本手当受給者の再就職状況ということで、終了期間までに就職というような形でデータが上がっていました。この中には、再就職手当の受給者も含めての数であるという理解でよろしいのでしょうか。

○高島雇用保険課長補佐 はい。

○岩村部会長 それから、もう 1 つは、再就職手当については、先ほど遠藤委員からも指摘があったように、平成 21 年改正、 23 年改正ということで、所定支給日数 3 分の 1 以上の場合、 3 分の 2 以上の場合の支給率を変えるという改正をしたところですが、資料 2 3 ページに再就職手当の支給状況ということで、平成 23 9 月から月別でデータが上がっていますが、これをもう少し支給残日数に分けてデータを取ることはできないのでしょうか。平成 21 年改正、 23 年改正以来、時間が経ってきているので、その辺りの受給者のうちの人数分布のようなものが分かると、もう少しこの再就職手当が持っている効果やインセンティブのようなことについての把握が、データ的にはできるかという気がするのですが、そこはいかがでしょうか。

○高島雇用保険課長補佐 部会長の今の御指摘は、今、 4 ページで所定給付日数別の受給率は出しておりますが、それ以外にも例えば今、再就職手当が 2 段階ありまして、 3 分の 2 以上残した人がどれぐらいで、 3 分の 1 以上を残した人がどれぐらいというのがあります。例えば、そういう部分も含めて見えるように整理をしてはどうかということですか。そういうものであれば、準備をさせていただきたいと思います。

○岩村部会長 それは、お願いをできればと思います。そういう意味では、 4 ページも同じなのですね。全部一緒に入っているという理解ですね。可能であれば、平成 21 年以降あるいは 23 年以降ということで分けていただけると、少し効果が見られるかという気はいたします。再就職者手当については、この程度でよろしいでしょうか。

○青山委員 委員の皆様の議論を聞いていて、前回から気になっているのは、 50 %の方は就職でき、 50 %は就職できていないという点です。前回もお聞きしましたが、 50 %の就職できていない方たちは、一体何が原因で、どういうところに障害があって就職できないのかというところが明確になっていないと思います。再就職手当は、支給することが目的ではなくて、早期の就職を実現することが目的ですので、就職を困難にしている障害を取り除いていくことも大きな目的とすべきではないかと思います。事務局から、そのような課題などを浮かび上がらせるような資料を出していただけないでしょうか。

○岩村部会長 事務局、いかがでしょうか。

○吉永雇用保険課長 前回も、青山委員に御指摘いただいた点です。定性的にこういうものというものはないのですが、アンケート等々であるかどうかを探しているところですので、そういったものが何らかの形で提供できるように、努力してまいりたいと考えております。

○青山委員 是非ともお願いします。

○遠藤委員 資料 3 に入る前で、今日の議題ではないのですが、意見を申し上げさせていただいてもよろしいでしょうか。

○岩村部会長 はい、どうぞ。

○遠藤委員 求職者支援制度の財源問題について、一言申し上げたく思います。新聞等でも報道されておりましたので御覧になった方もいるかと思いますが、国からの補助金の交付による基金を対象にした形で、会計検査院が調査報告を行っています。 10 16 日付けで公表された報告書の中に、次のような指摘がなされています。これは、中央職業能力開発協会が行っています緊急人材育成支援事業に関して、求職者支援制度の前の仕組みである事業です。同基金の終了後に、残額が生じた場合は、平成 22 12 月の国家戦略担当大臣、財務大臣及び厚生労働大臣による合意文書において、同基金の後継である国直轄の事業である求職者支援制度の財源として活用することとされていたが、活用されることなく中央職業能力開発協会が保有し続けているということです。

 続けて、具体的な数字が示されており、 752 3,648 万円が基金事業として使用見込みのない額となっていることが指摘されています。

 振り返ってみますと、求職者支援制度の創設においては、大変議論をさせていただいたということです。そもそも、対象になっている方々が、基本手当を受給していない者ということですから、その方々に保険料を充当して支援することについての納得感がないということでした。したがって、労使ともに、全額国庫負担で賄うべきだということを強く主張していたわけです。そういった中で、 3 大臣の合意がなされ、この合意の中で新しい求職者支援制度というのは、雇用保険制度の付帯事業として位置付け、そして保険料を充当していく枠組みが事実上決定されたということです。この雇用保険部会での合意形成を待つことなく、 3 大臣合意によって事実上決定したということです。

 大変遺憾な状況ではありましたが、当時の大変厳しい雇用情勢、非正規労働者の方々の新たなセーフティネットの創設という緊急事態に鑑みまして、労使ともに一定の負担をするということについて同意をしたわけです。

 今般、この 3 大臣合意に関わる部分ですが、仮に国庫に返納されてそのままになってしまう。求職者支援制度の財源として活用されないということが、もしあるのだとすれば、それは 3 大臣合意自体が崩壊したのではないかと私は考えています。 3 大臣合意が崩壊したということであるのだとすれば、今後行われる求職者支援制度の見直し議論に大変大きな影響を及ぼすことは必至であると考えています。したがいまして、厚生労働省は大変御苦労が多いかと思いますが、 3 府省間で調整をしていただき、 3 大臣合意にのっとるような形で基金の残額が全額活用できるよう、対応をお願いしたい、そのことを強く申し入れたいと思います。

○新谷委員 遠藤委員が口火を切られましたので、私もこれは申し上げようと思っていたところです。新聞が出て、非常に驚きました。求職者支援制度創設の際に、財源問題については非常に多くの論議があり、遠藤委員がおっしゃったように、もともとこれは全額一般会計で賄うべき性格の制度です。諸外国も皆そうなっています。厳しい財政事情等々について、多分財務省から言われて、 3 大臣の合意に至って、 2 分の 1 を雇用保険で負担するということになったわけです。ただ、それも経過措置の 55 %が掛かっていますので、 4 分の 3 を今、雇用保険財源で賄っている現状にあるわけです。

 本来、この本則に戻すことも当然求めるわけですが、求職者支援制度の前に行われておりました基金事業の残高を活用するのが、その当時の労政審建議の中に組み込まれており、もともとあった基金事業を恒久化することに鑑みて、 3 大臣の合意にあるとおり、基金事業の終了後において、基金の残高は全て求職者支援制度の財源として活用する、全て求職者支援制度の残高として活用するというのが、この労政審の確認事項ですし、平成 23 年度については実質全額国庫を充てるとされていたわけです。その後、当分の間は、実質的に国庫負担 2 分の 1 55 %の暫定措置が掛かっている部分の差額を基金の残高で補っていくというのが、労政審の建議の内容としてあるわけです。

 それから、 JAVADA のほうで基金が残っていたわけですが、そこの運用について会計検査院から指摘をされています。もともと、制度創設の際の 3 大臣合意、また労政審の建議等を踏まえれば、当然ここで確認されたとおりの基金の残高の使用があって然るべきです。もし、それがこのときの約束どおりに果たされないのであれば、本当に財務当局への不信感、厚生労働省への不信感が募り、今後の求職者支援制度の在り方についても本当に大きな影響を与え兼ねないと考えております。これは、厚労省としては踏ん張りどころだと思いますので、是非約束どおりに履行していただきたいと思います。

○岩村部会長 私自身も、当時この審議会で、求職者支援制度の創設には関わった者です。今、労使それぞれの委員がおっしゃったような経緯があったことは確かです。今回の検査院報告について、どのように厚労省として対応していかれるかについては、やはり伺っておく必要があるかと思います。この点については、事務局からはいかがですか。

○鈴木派遣・有期労働対策部企画課長 説明の前に、今回の会計検査院の報告について、求職支援制度の基金の残額利用について、関係者の皆様に多大なる御心配をいただいていることについて、まずは陳謝いたします。大変申し訳ございません。

 御指摘の 10 16 日の検査院の報告ですが、いろいろ基金法人に設置された基金の状況をそれぞれ調べた上で、残額の活用見込みがないものについては、基本は国庫に返納という形で書いております。実は、この能開協会の緊急人材育成就職支援基金については、個別の基金において検討すべき事態という所で記述しており、返せという所には入っていないのです。これはどうしてかと申しますと、御指摘のように当時求職者支援法を作ったときに、 3 大臣合意があり、その後それを踏まえて労政審の建議が出て、これについては残額を活用するということを検査院も尊重いただき、それでは早急に労政審で残額の活用を検討しろということかと、私どもは理解をしております。したがって、当部会においても、今後求職者支援について議論をする会回がありますので、その際にこの残額活用をどうするのかも含めて、議論をいただきたいと思っておりますので、是非ともその際にはいろいろと公労使の皆様方の御意見を賜りたいと思っております。

○小林委員 当時を思い出しましたが、平成 22 年ぐらいですよね。この緊急人材対策基金の事業から、求職者支援制度の恒久化ということで議論をしていました。年末の頃ですが、そもそも公労使ともにこの新制度についても、国の財源でしっかりやってほしいということで議論しているところ、 3 大臣の合意というのが急に飛び込んできて、これも緊急に作らなければならない制度だということで、これは苦渋の選択で多分今の制度を作り上げるので、公労使が合意したのを覚えております。その後も、年が明けてから労政審で、先ほど新谷委員が言われたように、建議を出して、これを再確認したところだと思うのですが、そもそも建議の内容に書いてあることが、使側も労側も公益委員の先生方も共に思っていることだと思うのです。ここの部分を、厚労省はいかに考えているのかを再度確認したいのですが、どのように考えているのか、お聞かせ願いたいと思います。

○鈴木派遣・有期労働対策部企画課長 当時の 3 大臣合意と労政審の建議については、求職者支援法を作った前提となったものですので、これについては最大限尊重して、今後の対応を図ってまいりたいと思っております。

○小林委員 引き続き、これは労働政策審議会のこの議論は、政労使の合意に基づいて、 ILO の条約を守っていきましょうということで作られた労政審の会議です。その中での建議でもあるわけですから、十分に尊重していただきたいのをお願いしたいと思います。

○遠藤委員 先ほどさらりと申し上げてしまったのですが、私の手元に当時の、これは審議会の建議でしょうか、意見書でしょうか、それがあります。改めてこれを見ますと、当時皆さんがどういう思いで取りまとめをされたのかを感じ取らざるを得ない文面になっています。ただ今、小林委員が指摘されましたように、何よりも当部会における議論の積み重ねを全く踏まえておらず、 ILO の基本原則である公労使 3 者構成によって合意形成を行うという労働政策の意思決定の在り方を尊重していないと受け取られる進め方であり、極めて遺憾であるとあります。しかしながら、緊急事態の状況がありますので、今般については対応を図っていきたいという趣旨であったわけです。

 簡単に言えば、私どもは 1 度譲っているわけです。2度目はありませんので、是非その辺りは強く心に受け止めていただければと思います。

○新谷委員 使用者側の委員のおっしゃるとおりなのですが、私も先ほど申し上げたとおり、労政審のこの部会は正しく ILO の第 88 号条約に基づく委員会として設置されていて、そこでの合意は当然尊重されるべきだと思います。国、政府、厚労省も合意をしたわけです。会計検査院が指摘したとおりかもしれませんが、当時の合意が尊重されなければ、誰を信用すればいいのだということになり兼ねませんので、これは国に対する信頼にも関わってまいりますので、是非残った残高を当初の約束どおりに履行していただきたいと、重ねて申し上げたいと思います。

○岩村部会長 公益側も、この当時の議論に関わり、かつ労使の方々からもありましたように、この意見書の取りまとめ、建議の取りまとめにあたっても、この内容で合意をしたこともありますので、公益側としても是非事務当局におかれましては、今日労使から表明された意見を踏まえて対応していただければとお願いをしたいと思います。この点については、以上でよろしいでしょうか。

 それでは、戻りまして、資料 3 「育児休業給付について」に入りたいと思います。事務局から、資料の説明をお願いします。

○高島雇用保険課長補佐 資料 3 「育児休業給付について」を御説明します。

1 ページです。育児休業給付については、 6 月の部会でこれまでの実績、改正経緯等を整理して、 1 度御議論いただいたことがあります。その際に育児休業給付の受給者が増えており、法改正の効果が認められるのではないかといった御意見もありました。また、休業の取得に関する御意見、育児休業給付の財源について、少子化対策や就業人口の維持という政策目的は国の政策そのものであり、引上げは国庫負担によるべきではないかといった御意見がありました。

 その後、政府の議論の中でも育児休業中の経済的支援についても言及がありました。平成 25 8 6 日に取りまとめられた社会保障制度改革国民会議の報告書において、育児休業取得の必要性が指摘されるとともに、育児休業を取得しやすくするために、育児休業期間中の経済的支援を強化することも含めた検討を進めるべきとされております。また、今月の 1 日に、成長戦略の当面の実行方針が政府でまとめられ、その中でも育児休業期間中の経済的支援の強化について同じくうたわれております。資料そのものは後ろにまとめております。

 そういった状況の中で、育児休業給付について、給付率の引上げ等により育児休業給付受給者が増加しており、休業の取得促進に寄与していると考えられ、少子化対策や仕事と子育ての両立支援を強化する観点から、給付率の引上げについてどのように考えるかを 9 月に論点として提示し、今般、事務局のたたき台ということで用意しました。

2 ページから、制度の概要、たたき台について御説明します。育児休業給付の概要ですが、御存じのとおり、趣旨としては労働者が育児休業を取得しやすくし、引き続き職場に戻っていただく、職業生活の円滑な継続を援助、促進する目的で、育児休業給付を雇用保険の中で実施しております。支給対象事由ですが、育児休業制度と併せた形になっており、労働者が 1 歳未満の子を養育するための育児休業を行う場合に、育児休業給付を支給するという形になっています。例外が 2 つあり、子が 1 歳を超えても休業が必要と認められる一定の場合、例えば保育所が見つからないといった場合には、 1 6 か月まで延びるということです。また、後ほど詳細に御説明しますが、育児・介護休業法の平成 21 年改正でパパ・ママ育休プラス制度が設けられており、労働者の配偶者が両親ともに育児休業を取られる場合は、子供が 1 歳になるまでではなく、 1 2 か月になるまで育児休業を取れるという制度があります。それに合わせて、育児休業給付制度も、その場合には 1 2 か月まで育児休業給付が行われる形になっております。

 支給要件ですが、休業開始前 2 年間に被保険者期間が 12 か月以上あることが要件になっており、給付額は、今は休業開始前賃金の 50 %に相当する額となっております。法律上、本則は原則 40 %となっておりますが、当分の間の暫定措置として給付率を引き上げています。国庫負担率は給付額の 8 分の 1 となっており、一方、雇用保険の国庫負担全体として、本来の 55 %に暫定的に引き下げられているので、これらを掛け合わせると、おおむね 7 %程度の国庫負担率となっております。

3 ページは、育児休業給付のこれまでの制度の変遷についてまとめております。上に表がありますが、もともと 25 %でスタートしておりました。平成 7 年の創設で、当時、基本給付金と復帰給付金の 2 つに分かれた制度となっておりました。平成 12 年の改正で、それらを足して 40 %に引上げを行い、平成 19 年の改正では、更に暫定措置として 50 %に引上げを行いました。平成 21 年の改正では、復帰給付金を基本給付金に統合し、全て休業期間中に 50 %支払うという制度となっております。その他、先ほど申し上げたような育児休業制度の見直しに合わせた給付期間の延長等が行われております。 3 ページの下に記載しているとおりです。

4 ページは、育児休業給付の支給状況について整理しております。初回受給者数、給付をどれぐらいの方がもらっているか、月額どれぐらいであるか、どれぐらいの方が平均給付期間取られているか、これは休業期間とほぼ同義ですが、これらについて男女で整理しております。後ほど御説明しますが、受給者数、休んでいる人ということでは、全体で 24 万人ぐらいの方が平成 24 年度は給付をもらっている一方で、内訳は女性が約 23 万人、男性は 4,000 人弱ということで、男女で大分差が見られます。平均受給月額は、これは賃金の差を反映してということだと思いますが、男性が約 14 万円、女性が約 11 万円、平均して約 11 万円となっています。平均休業期間ですが、全体としては約 9.7 か月、女性は約 9.8 か月、産後休業の 8 週間を合わせると、ほぼ 1 年間休まれていることになります。一方、男性は 3.2 か月ほどで、休業期間にも差があります。

5 ページ以降は、近時の育児休業給付及び育児休業制度を取り巻く現状を整理した資料です。育児休業取得率の推移ですが、厚生労働省の雇用均等基本調査でまとめております。先般、平成 24 年度の休業取得率が出ましたが、女性の休業取得率は 8 割を上回っている一方で、男性は 1.89 %と、平成 23 年度より更に下がっておりますが、低い水準で推移しています。

6 ページは、様々な調査関係の資料です。育児休業をなぜ取得しなかったのかについて、複数回答で調査をした結果、その中の 1 つの回答が、収入が減り経済的に苦しくなると思ったという経済的な支えについての回答で、おおむね 2 割、男性が 22 %、女性が 25.3 %です。

7 ページは、いわゆる M 字カーブが出ている資料で、女性の年齢階級別就業率と潜在的労働力率です。全体の労働力率は上昇傾向にありますが、 M 字カーブということで、子育ての時期にある方々の就業率がへこんでいる状況が解消されずに残っています。また、就業率と潜在的労働力率の差が依然としてあり、働く意欲はあるものの、就業に結び付いていない者が多く存在していることがうかがえます。

8 9 ページは、男性の育児・家事の関係が女性の働き方、あるいは子供の出生にどのような影響を及ぼすのかについて、厚生労働省で行っている縦断調査に関する結果をまとめております。

8 ページですが、表が 2 つあります。左側は、 6 歳未満の子供のいる夫の家事・育児関連時間が諸外国と比べて低い状況にあるという統計です。右側は、子供のいる夫婦の夫の平日の家事・育児時間がどれぐらいあるか、それによって妻がどれぐらい就業を継続するかを縦断調査で整理したもので、夫の家事・育児時間が長いほど、妻の継続就業割合が高いことが読み取れます。

9 ページは、夫の休日の家事・育児時間で、第 2 子以降が出生するかどうかの状況を整理したものです。こちらの統計から読み取れるものは、夫の家事・育児時間が長いほど、第 2 子以降の出生割合が高いということです。一方で、先ほど御説明したとおり、男性の休業取得率が少ないという現状になっております。

 たたき台は 10 ページにまとめております。もともと、育児休業給付制度の趣旨は育児休業を取得しやすくするというものですが、今般、育児休業の更なる取得を促進して、職業生活の円滑な継続を援助・促進する、これは男性・女性ともにだと思いますが、育児休業中の経済的支援を強化してはどうかと考えております。

 見直しの具体的内容です。これまで御紹介した統計の中でも触れていますが、育児休業給付は、給付率の引上げ等によって受給者が増加している状況にあります。なので育児休業の取得促進に寄与していると考えられていますが、依然として収入が減るという理由で育児休業を取得しなかったと回答される方が、男女ともに一定程度存在するという現状が 1 つあります。その上で、特に男性ですが、男性の育休取得率は平成 24 年度において 2 %弱と伸び悩み、女性と比べると大きく差があります。男性の育児休業取得を促進することは、もちろん男性のワーク・ライフ・バランス、職業生活の円滑な継続な援助促進という観点もありますが、それだけではなく、先ほど紹介した統計にもありますように、妻である女性の育児負担を軽減する、その結果として、女性が職場で継続して力を発揮する、働き続けて就業率の向上につながっていくという効果があるのではないかと考えております。

 また、夫の家事・育児時間が長いほど、第 2 子以降の出生割合が高くなる傾向も調査上見られているので、育児休業の促進による男性の育児参加の拡大が少子化対策にも資するものなのではないかと考えております。

 そのためにということで、案ですが、ポイントは男女ともに育児休業を取得していくことを促進するという観点から、育児休業給付の給付率を引き上げることとしてはどうか。その割合ですが、出産手当金の水準を踏まえて、育児休業開始時から最初の 6 か月間の間について 67 %の給付率としてはどうかと考えております。こちらの文章で書いてあるものを、図でイメージで整理したものが 11 12 ページの資料です。

11 ページは、育児休業給付の見直し案の給付イメージです。女性・男性 ( 母・父 ) が、今回の見直し案に基づいて休業取得した場合にどのようになっていくかということです。女性であれば、出産した直後 8 週間は産後休業の制度があります。その間は、健康保険上被用者であれば出産手当金が支給されることになっており、標準報酬の 3 分の 2 の給付率で出産手当金が出ます。今回の見直し案では、これまでは給付率 50 %が育児休業給付でしたが、休業開始後最初の 6 か月間は 67 %にしてはどうかということで、見直し後は出産手当金の給付水準と同水準の給付が引き続き育児休業給付として行われることになります。これは女性 ( ) が取られると 1 歳までというのが本来のルールですが、男性が併せて取られた場合、当然男性も初めて育児休業を取られれば、そこから 6 か月間は 67 %ということになるので、男性の場合も最初の 6 か月間は 67 %、その後は 50 %となります。

 先ほど御紹介した育児休業制度におけるパパ・ママ育休プラス制度と組合せをすると、女性と男性が両方とも交替して育児休業を取られた場合であれば、出産手当金から始まり、子供が 1 2 か月になるまで給付率が 67 %という形で給付が行われることになります。

 もう 1 つのパターンとして、 12 ページですが、こちらは女性の産後休業の期間に合わせて男性が育児休業を取ることが可能になっており、その場合は育児休業の再取得が可能になっています。その場合、男性も最初の 8 週間は当然給付率 67 %ですし、その後の再取得の場合も、通算して 6 か月という考えでたたき台を用意しており、その後の再取得の時点でも 67 %の給付率になります。このケースで言うと、子供が 1 歳になるまでの間は給付率が 67 %で推移するということです。

 給付率 67 %ですが、 10 ページの下にありますように、育児休業給付、雇用保険の失業等給付全体ですが、非課税となっています。また、育児休業期間中は、医療年金の社会保険料の免除措置があるので、休業中、給付を 67 %、 50 %で支給されている間、休業前の賃金であれば税や社会保険料が控除されるので、そうした控除も踏まえた実質的な給付率が 67 %よりも更に高いものになります。

13 ページは、先ほど御紹介した国民会議の報告書と成長戦略の当面の実行方針です。

14 ページは、前回も整理しておりますが、諸外国の育児休業給付制度がどのようになっているかを参考としてまとめたものです。以上です。

○岩村部会長 ただいま説明のあった資料 3 の育児休業給付について、御意見、御質問がありましたらお願いします。

○新谷委員 中身の論議に入る前に、確認したい点があります。今日頂いた資料 3 の扱いは、事前に第三者が見ることが可能なのかどうかを教えてください。

○吉永雇用保険課長 関係者については、当然御説明に上がるということはありますが、これを雇用保険課から御説明したことは一切ありません。

○新谷委員 一昨日、日本で一番発行部数の多い新聞の第一面に「育休給付拡大、賃金の 3 分の 2 」と書いてあって、先ほどの資料の 11 ページと同じような図が新聞にも貼り付けてあるのですが、どのような経緯でこのようになったのか、お分かりになる範囲で教えていただきたいと思います。

○吉永雇用保険課長 どういう経緯か、少なくとも雇用保険課としては、確かにこの資料については、委員の皆様を初めとして省内の関係部局等々と調整をしているので、そういう意味でそれなりの数の方が目にしている資料ではあります。ただ、これを外に出すことは、私どもとしてはしておりません。新聞の表は、似てはいますが、いろいろ違うところもありますし、私どもがやっているとすると、当然こういう書きぶりにはならないと思いますので、どういう情報管理が必要かについては考えていく必要があると思いますが、いずれにしても審議会でお諮りする前にこういう形で大きく取り上げられたことについて、新谷委員が御不快に思われているとすれば、その点については陳謝させていただきます。

○新谷委員 先ほども言いましたように、この審議会は ILO の条約に基づく審議会で、権威ある審議会だと考えています。こういう形で新聞に出ていって、かなり詳細な内容も出ていて、世論が先に作られてしまって、審議会の真っ当な論議が阻害されることを懸念するわけです。どこからどういう形で出ていったのかは知りませんが、世論操作ということを我々としては懸念しなくもありません。臨時国会で特定秘密保護法案が審議されるようですが、労働関係はそれに該当しないとは思いますが、情報の管理は厳格に行っていただかないと、この審議会の審議にも影響が出ると思いますので、あえて苦言を申し上げます。

○岩村部会長 事務局もよろしくお願いします。

○青山委員 今、新谷委員から御指摘があったことは、全くそのとおりだと認識しております。事務局は、情報管理について十分気を付けていただきたいと思います。

 それを踏まえて意見を述べさせていただきます。この資料にもあるとおり、少子化対策は、国が施策の根本にあるべきだという意見があります。また、 8 6 日の社会保障制度改革国民会議の報告書の抜粋を見ても、報告書が意味するところは、少子化対策は、国家的課題であり、国民的課題なのではないかと考えます。当然ながら企業も努力することは必要と思いますが、企業だけでは解決できないところもあります。加えて、この問題は、先ほどから議論になっている雇用保険制度の本来の在り方はどうあるべきかという点にも、大きく関わってくるのではないかと思います。少子化対策は非常に重要な課題であり、取り組まなければいけない課題ですが、これを全て雇用保険だけで解決しようとするのは限界があると言わざるを得ないと思います。これ以上給付率を引上げるような見直しについては、まず国庫負担の在り方を十分議論した上で決めていく必要があると思いますし、雇用保険部会のみならず、他の関係の審議会でも御議論いただくべきテーマではないかと思います。

○古川委員 青山委員がおっしゃったとおり、育児休業取得率の向上を目指す観点から給付率を引き上げるという考え方については妥当だと思いますが、少子化対策、ひいては就業人口の維持という政策目的は国としての政策そのものだと思いますので、これは本来国費で賄うもので、引上げ分は全額国庫負担とするのが筋だと思います。ですから、 1 ページに論点が示されていますが、以前の部会でも申し上げたように、給付率を引き上げるに当たっては、国庫負担の問題が論点にあるということを改めて指摘したいと思います。

○井上委員 非正規労働者の取得要件の緩和について、要望と意見です。

 育児休業給付は、正規、非正規という雇用形態にかかわらず、等しく取得の機会が与えられるべきだと考えております。 6 ページに育児休業を取得しなかった理由の調査結果が出ていますが、ここの表で特筆すべきは、女性の非正規社員で育児休業を取得しなかった方の半数以上が、制度がなかった又は対象外だったと回答していることです。この理由としては、企業の育児休業制度において、本来対象に当然含めるべき非正規社員を対象外にしている、つまり法令を遵守していないケースがあることも考えられるのではないかと思います。先日、連合がマタニティ・ハラスメントの実態調査を行っていますが、ハラスメントを受けた女性の約 3 割が、妊娠・出産がきっかけで解雇や契約の打切り、自主退職への誘導等をされたということです。

 子育て世代に当たる女性の非正規の比率が高まっていることを考えると、働き続けたいと考えている非正規労働者において、給付要件を満たしているにもかかわらず、給付を受けることなく退職している実態がもしあるとすれば、早急に対策を検討しなければならないのではないかと考えております。そういう意味で、非正規労働者の受給状況に関するデータがあれば、今後、提示をしていただければと思います。

 一方で、育児休業給付の制度上の取得要件を満たさなかったという理由も考えられるかと思います。例えば、有期契約労働者については、被保険者期間は 1 年以上継続しているにもかかわらず、転職により同一事業主の下での雇用期間が短い場合、有期雇用労働者のみに適用される同一の事業主に引き続き雇用された期間が 1 年以上という給付要件を満たさないケースがあります。また、これは非正規労働者に限ったことではありませんが、短期間で子供を 3 人出産し、休業前の就業月数が少ない場合、直近 4 年間で被保険者期間 12 か月以上の要件を満たさない等、給付対象とならないケースがあるかと思います。頂いた資料では、女性の育児休業の取得率が 80 %を超えているというデータになっていますが、第 1 子を出産した後に、 6 割の女性が離職をしているという実態もあるかと思います。

 そういう意味では、多くの方が利用できる制度となるように、現行の支給要件で育児休業取得を妨げているものについては緩和すべきであると考えますので、よろしくお願いします。

○福田委員  1 点質問ですが、今の 6 ページの調査の中で、どの制度が適用されている人に聞いているのでしょうか。こちらには平成 23 年度と書いてありますが、この時点で過去の人全員、就業者全員に対して聞いているのか、それとも平成 23 年度に制度適用の対象となっている人に対して聞いているのか、つまりどの制度が適用されている人に聞いているのかという意味で、どういう方に聞いているのでしょうか。

○高島雇用保険課長補佐 こちらの調査自体は平成 23 年度に実施しており、調査の対象者は、全数調査というよりは一定のサンプル調査を基にして、その回答に基づいて整理をしています。今、福田委員から御質問があった部分は、調査は平成 23 年度だとして、制度がなかった、又は対象外だったと言っている制度の時点は平成 23 年度なのかどうかということですね。そこは調査表の部分も確認が必要だと思いますので、確認をさせていただければと思います。

○岩村部会長 福田委員はそれでよろしいでしょうか。事務局で確認して、次回にでも御説明いただければと思います。

○新谷委員 今回、たたき台として 67 %の給付率という数字が出てきたわけですが、私どもとしても、出産手当金に準じて給付率の引上げについては前向きに捉えたいと思っておりますが、財源は別で、財源をどうするかは別途論議が必要になってくると思います。

 その上で、雇用保険としての育児休業給付ということで、見直しの具体的内容にも余り出ていませんが、先ほど来申し上げているように、育児休業給付をめぐる課題の分析としては、少し資料が乏しいのではないかと思います。これは雇用均等基本調査や、今日は担当局は来られていないようですが、育児休業給付をめぐってどんな課題があるのかについても、非正規の方々の取得率の低さや中小企業の低さといったことに対して、雇用保険としての給付の在り方をどうするのかということも、本当は論点に入るべき問題だと思うのです。一律に 67 %としていますが、問題が一体どこにあるのかを、原局も入れてもう少し深掘りした論議が必要ではないかと考えますので、そういった面での資料の追加をお願いしたいと思います。

○吉永雇用保険課長 資料については、改めて担当局とも相談をして用意したいと考えております。

○遠藤委員 議論をどのように進めるのですか。育児休業の取得に関わる部分は雇用保険部会で議論するテーマなのか、それとも他の審議会で議論すべきテーマなのかについては、事務局の方はどうお考えになっているのかをお尋ねします。

○吉永雇用保険課長 育児休業給付については、育児休業制度を前提とした制度ですので、他局の施策とは緊密に連携をしながら検討していくべきものだと思っておりますが、育児休業法については、担当局としては雇用均等・児童家庭局で所管しているので、育休の取得促進や中小企業、あるいは非正規労働者の取得促進等については、施策としても雇用均等・児童家庭局でやっているという現状があります。

 資料については御要望がありましたので、担当局から、今回の資料も担当局から頂いた資料ですが、更に用意をしたいと思います。所管という形で考えると、育児休業給付そのものは雇用保険法にのっとりますので、職業安定局の所管であり、分科会としては職業安定分科会から下りてくる雇用保険部会の話になりますが、細かい育児休業制度そのものの議論は、雇用均等・児童家庭局雇用均等分科会で御議論いただく部分ではないかと思っております。

○遠藤委員 取得要件に関わる部分について、仮に議論をし、合意に至るような状況があったとしても、それは所掌外という理解をしています。そうであれば、年末も押し迫っているので、もう少し議論の整理をしていくことも必要ではないかと思っています。これは個人的な見解です。

○新谷委員 私が先ほど申し上げたのは、育児休業そのものの論議をここでしようというつもりは全くありません。ただ、現状この育児休業をめぐってどういう課題があって、例えば非正規の方々が取りにくいとか、中小企業の方々の取得率が低いといったことが、育児休業給付を通して改善できるのであれば、給付の在り方を論議する中で改善ができるのではないかと思います。そのための参考資料を頂きたいという趣旨で申し上げたということです。

○遠藤委員 それはこの審議会の議論ではないのではないかと申し上げているのです。育休の取得要件については別の審議会があり、そこには十分な議論の場があるので、そこで対応する話ではないかと私は思っています。

○岩村部会長 新谷委員がおっしゃったのは、育休の取得要件そのものの話ではなくて、育休の取得要件を前提としつつ、取得をより促すということで、給付の制度設計を検討する余地があるのではないかと。それを考えたいという御趣旨だと理解しました。

○新谷委員 今、岩村部会長からフォローいただきましたが、先ほど例として申し上げたように、育児休業そのものを取る要件は育児休業法で決まっているので、それを論議するつもりはないのです。ただ、給付に当たって、先ほど井上委員からありましたように、有期契約労働者については、同一使用者のもとでの雇用期間 1 年以上という要件が入っているのです。ところが、被保険者の資格は事業主が変わってもずっと続いているというケースであっても、育児休業法に引きずられて、育児休業給付の要件に組み込まれているので、非正規の方がなかなか取れないという現状があるのです。だから、非正規の方々の現状を踏まえて、育児休業給付の要件がどうあるべきかについて、この要件は雇用保険法に書いてあるわけですから、雇用保険の問題なのです。そういった意味で、今起こっている問題で、雇用保険法の見直しに該当する部分があるわけです。その掘出しをするべきではないかと申し上げているのです。

○遠藤委員 そこは見解の相違で、私の理解は、育児休業取得者に対して支給するものが育児休業給付なのだから、育児休業取得に関わる要件を議論すればいいのであって、この場で議論する話ではないのではないかと申し上げているのです。

○岩村部会長 分かりました。いずれにしても、そこは御議論のあるところですので、当部会における所掌事項との関係で議論を整理しつつ、なお検討すべきところがあるかどうかについて御議論したいと思います。

 先ほど新谷委員から別の観点で資料を出してほしいということがありましたが、今日提出いただいた 6 ページの取得しなかった理由を見ると、特に男性については、確かに「経済的に苦しくなると思った」ということもありますが、それ以外に上の 4 つがかなり大きな障害事由として挙がっているということもあります。今日の御説明では、もちろんそれが唯一の目的ではありませんが、男性の育休の促進を図りたいということもおっしゃっていたので、そうだとすると、給付率を上げることが「経済的に苦しくなると思った」というところの解消要因にはなるにしても、それがどの程度効果が期待できるのかは、もう少しデータを分析してみないと分からないという気もします。先ほど新谷委員からもそういう御意見がありましたので、関係部局との関係で少し資料を追加してお出しいただければと思います。

 いずれにしろ、全体として育児休業給付だけで全ての問題を解決するのは無理なので、男性については男性の取得の促進を図るための全体の政策パッケージの中で、例えば給付率の向上がどのように位置付けられるのかという形での議論も必要という気もしますので、よろしくお願いします。よろしいでしょうか。

 それでは、特になければ、以上をもちまして今日の部会は終了します。本日の署名委員ですが、雇用主代表は青山委員、労働者代表は古川委員にお願いします。次回の日程については、事務局から改めて各委員に御連絡をするということですので、よろしくお願いいたします。

 それでは、皆様、お忙しい中どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省職業安定局雇用保険課企画係
(TEL)03-5253-1111(内線5763)

ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 労働政策審議会(職業安定分科会雇用保険部会) > 第93回労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会議事録(2013年10月29日)

ページの先頭へ戻る