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2013年1月9日 第2回ダイオキシンばく露防止対策要綱の見直しのための専門家会議 議事録

労働基準局安全衛生部化学物質対策課

○日時

平成25年1月9日(水) 10:00~12:00


○場所

経済産業省 別館8階 850号室


○議題

(1)ダイオキシンばく露防止対策要綱の見直しについて
(2)その他

○議事

○中央産業安全衛生専門官 それでは、定刻となりましたので、ただいまから「第 2 回ダイオキシンばく露防止対策要綱の見直しのための専門家会議」を開催いたします。本日は大変お忙しい中、御参集いただきまして誠にありがとうございます。

 まず、資料の確認をさせていただきます。資料は No.1 No.4 まで四つございます。一つ目が開催要綱、参集者名簿でございます。資料 2 が「移動解体等におけるダイオキシンばく露対策について(案)」です。資料 3 が現行のばく露防止対策要綱です。資料 4 が関係法令となっております。過不足はございませんでしょうか。よろしいでしょうか。

 それでは、以降の議事進行につきましては、田中座長よりお願い申し上げます。

○田中座長 おはようございます。前回の委員会におきましては緊急な会議が入りまして、欠席をしてしまいまして、大変委員の先生方に御迷惑をおかけしてしまいました。申し訳ございませんでした。

 事務局におきましては、前回の検討を踏まえまして、移動解体におけるばく露防止対策案、すなわち資料 No.2 としてまとめております。今日はこの内容について審議を進めていきたいと考えております。資料を見ていただきますと、大きく資料 No.2 の中に五つの項目について、今日審議をしていただく形になります。そういう意味では、委員の許可をいただければ、一つずつ区切って検討を進めて、また最後に総括的に問題点があれば指摘をする形で進めたいかと思います。

 それでは、説明を含めて、区切った形で事務局からお願いいたします。

○中央産業安全衛生専門官 はい、分かりました。それでは、資料 2 を御覧いただきます。まず、こちらの記の 1 として「移動解体を採用する場合の要件」とあります。現地で解体する場合には、現地で除染作業を行って、解体を行うというわけですが、移動解体におきましては、処理施設に運搬後、その施設で除染、解体を行うということですので、こういった移動解体を採用する場合に、どういったことを行う必要があるのか、また、施設の要件等はどのようなものがあるのかということで、案として取りまとめたものです。

 まず、( 1 )では、移動解体を採用する場合には、以下により作業を行うこととして、一つ目が、運搬のために設置場所において行う取り外し作業は、躯体等の土台からの取り外し、土台ごと躯体をつり上げる場合を含む、及び煙突・配管の取り外しのみとすること。二つ目として、躯体に底板がない又はクレーン等を用いた躯体のつり上げ等の取り外し作業において底板が外れるおそれがあるなど、設備に付着したダイオキシン類の飛散防止措置を講ずる上で構造上の問題がないことを確認すること。具体的には、底板があることなどの確認のほか、底板がなくても土台ごと躯体をつり上げることにより、飛散防止措置を講ずることが可能かなどについて、確認を行うことを想定しております。三つ目としまして、老朽化により、クレーン等を用いた躯体のつり上げ等の取り外し作業において、躯体が変形し又は崩壊するなどのおそれがないことを確認すること。四つ目といたしまして、焼却施設が建屋内に設置されている場合、取り外し作業の前に建屋内の汚染除去を行うこと。ただし、当該建屋内に管理区域が設定されないことを確認した場合を除く。五つ目として、設備の焼却。焼却施設とありますが、申し訳ございません、処理施設の間違いでございます。処理施設への運搬は密閉状態で行うこと。また、躯体等の変形又は破損が生じない方法で運搬すること。運搬中の躯体等の変形又は破損には、横倒し積載によるものが含まれる。六つ目といたしまして、運搬車への積み込み作業は、あらかじめ荷を密閉した状態で行うこと。また、積み込みのためクレーン等を用いてつり上げた荷が落下した場合に、ダイオキシン類が飛散しないものとすること。

 次に( 2 )ですが、こちらは実際に除染、解体作業を行う処理施設についての要件となります。一つ目が、廃棄物の種類に応じて、廃棄物法処理法に基づく一般廃棄物処理施設、又は産業廃棄物処理施設、これは、いずれもダイオキシン類に係る処理が可能なものとして、許可を受けたものであること。二つ目として、汚染物について、飛散防止措置を講じた上で、密閉容器に密封し、関係法令に基づき処理されるまでの間、作業の妨げとならない場所に隔離・保管することのできること等、解体作業において講ずべき措置、これは、対策要綱の第 3 3 が解体作業において講ずべきばく露防止対策を定めたものとなりますが、これを講ずるために必要な設備を有していること。三つ目として、環境省水・大気環境局による「ダイオキシン類基準不適確土壌の処理に関するガイドライン」というのがありますが、こちらにつきましても、処理施設について幾つか定めがありますので、これに準じたものとすること。以上でございます。

○田中座長 ありがとうございます。まず、( 1 )移動解体を採用する場合の要件という形で記載をしております。先生方、御意見があれば、伺いたいと思います。

○山内委員 小さいところを入れればいくつかあるのですが、大きなところで、( 1 )アの移動解体をやる際の現場での取り外し作業ということで、煙突の取り外し、躯体全体の吊込みのほかに焼却施設の連結部位の取り外し、炉は配管の取り外しも可能である、と書いてございます。この件に関して、増岡さん、事務局とも数回、延々と電話で何度もやりとりをさせていただきました。

 論点がちょっと違うのではないかということもあったのですが、私ども現場を再々見るときに、ここの仕切りをここでこうやってしまうと、非常に過大解釈等があって、本来適用できないようなところまでの作業が現場でされてしまうのではないかということを非常に懸念しております。

 労働局によっては、ボルト 1 本外しても解体に類する作業であるため、除染をやった後にボルト解体作業に入ってくださいという指導があったと聞いています。それは極端な例だと思いますが、一方で、基本的な構造部分を壊す際には、特に配管といっても主要な各部位の連結管がありますので、やはり解体に準ずると理解したほうがいいだろうと思っております。もっとも、現行の要綱の考え方を覆すのであれば、それはそれでいいのですが。少なくとも現行の要綱の考え方を基本的には保持していく姿勢でいけば、解体の前に除染ということなので、現地での配管等の取り外しはちょっと無理ではないかと思っております。

 その根拠ですが、焼却設備の燃焼室から最後の煙突に至るまでをみると、各部位のダイオキシンの残留濃度というのは集じん機の前後、特に配管・ダクト関係で非常に高いことがわかっています。集じん機付近が最も高いのですが、小型焼却炉については、燃焼炉から出た燃焼ガスはどこまで熱が行くかというと、煙突の先から炎が出る場合も実はあり、ダイオキシンの濃度が実際どこが高いかというのは、利用の仕方とか、廃棄物の種類とかにより断定できないのです。今までの傾向で見ますと、やはりダクト関係あるいは集じん機機能を持っているところが非常に高いのです。したがって、要綱でダイオキシンによるばく露を回避するということであれば、ダイオキシン濃度が高くなるおそれのある配管等については、やはり要綱上は取り外し作業の対象から外したほうがいいかと思っております。

 煙突については、平成 15 年に通達が出ております。それは倒壊に対する安全対策上、煙突の取り外しはいいですよという意味での文書であったと思っております。現場の施工性を優先するような基準での要綱の作り方は、今回の委員会でも趣旨が違うのではないかと思っております。あくまで作業に伴って、作業者のばく露の機会を回避する、あるいはその作業による周辺への影響を軽減するというのが、この要綱の趣旨だろうと思います。私はその連結管を外す際には、せめて、非常に危険な部位という位置づけで、完全な密閉状態を確保した上での取り外しをやってもらいたいと思います。移動解体する際は、その前段にその処理をした後であればいいと思います。

 論議をさせてもらったのは、構造上でその密閉が可能である場合はいいのではないかというお話です。ただし、現場作業では、密閉処理は難しいと思うのです。そういうことが分かっておられる事業者さんならいいのですが、結果的にひとたび現場で不適切な処置というのが出てしまうと、それで実例ができてしまい、要綱の趣旨から離れていってしまうことを非常に懸念しております。

○寺嶋委員 山内委員の御意見に関連してお聞きしたい。恐らくこういう小型の焼却設備の場合に、排ガスを冷却するために、ガス冷却するために水を噴霧しているケースがあるのではないかと思うのですが、そういうところに配管がつながっていると思うのです。そういう水の配管を移動解体のために外すということ自体はやむを得ない、ないしは必要なものだと思うのです。その作業自体が、ダイオキシンのばく露関係で非常に問題がありうるような作業になりうるとは理解がしにくいのですが。

○山内委員 例えば、配管には、燃焼を促進させるための空気を送気するパイプであったり、今言われた水冷させるための冷却のための水を送るとか、あるいはボイラー系を併設するようなものもあります。燃焼ガスが通ってない管については、別に取り外して問題ないと思います。

一方で、燃焼室から 2 次燃焼室あるいは冷却塔、そこを配管でつないでいるものもあり、その配管を外すときが非常に危ないと思っております。それは焼却設備の解体だろうということです。

○寺嶋委員 そこらの区分が、実は、送っていただいた資料から読み取れなかったものですから、分かりました。

 あと、もう 1 点は厚生労働省さんにお聞きしたいのです。この委員会で、この資料をベースに、事前に送っていただいた「対策要綱」の修正版は、委員限りの資料かもしれませんが、その移動解体の採用基準に煙突や配管以外についての分解など、かなり厳しいことが書いてあって、これではたして現場作業が行えるのかどうか心配なところもあります。○田中座長 本日の議論は、委員限りで配布した対策要綱の改正案ではなく、資料 No.2 の中身で議論をさせていただくこととしましょう。事務局のほうで、「対策要綱」の中への組み込み方、組み込みの仕方について検討をしていると聞いており、配布した改正案についても、本日の議論を踏まえて事務局が修正するのだと思います。もし必要とあれば、別途委員会を開くなり、あるいは委員の意見を求める方法もあるでしょうが、今日のところはこの資料 No.2 についての議論としましょう。そうしないと、範囲が広がりすぎてまとまらないと思うのです。事務局、そんなことでよろしいですか。

○中央産業安全専門官 そのようにお願いします。山内委員からの御意見も踏まえて、補足をさせていただきます。こちらの資料の 1 の( 1 )のアの部分ですが、こちらの趣旨は、移動解体をする場合には運搬をしなければならないということになります。とはいえ、現地の作業は必要最小限のものであるべきだろうということで、必要最小限の部分として、土台からの取り外し、あるいは、煙突・配管が付いたままですと運搬できないということにもなろうかと思いますので、そこは最小限の作業ということで。それ以上の、躯体を更に切断するとか、分解するとか、そういったことまでは不適切だろうという趣旨で記載をしたものであります。

 実際に配管の取り外し、必要最小限の部分で行うにあたって、では、そのばく露防止対策をどのようにするかということになりますと、次の 2 の部分ということになってまいります。基本的には、サンプリング調査に基づいた管理区域の設定、それに基づく対策が必要であると。ただ、完全密封でできる、仮にできれば、それは例外的に認めてはどうかということでまとめておりますが、それはまた、次の 2 のところの議論で検討いただければと思っております。

○田中座長 どうでしょう、今の事務局の意見について。

○山内委員 配管も躯体ですので、取り外せる対象は、焼却炉、燃焼室本体ではなくて、焼却施設構造の煙突の先まででしょう。配管というより、燃焼ガスの通路になる焼却炉の主要部分について、切離しや分解と言った解体作業に準ずる作業をするのは心配です。

○中央産業安全専門官 それは配管を取り外す必要があるような場合、運搬するために必要があるようなものについては、逆に、移動解体でやるようなことは認められない、そういう趣旨でしょうか。

○山内委員 いえ、そうではありません。

○中央産業安全専門官 法令上の解釈の問題は、実際に要綱なりを改正する際には、また行政のほうで整理すべきところはございますけれども、委員会の中では、移動解体を行う場合にどういう対策が必要なのかというところを、実際のところからおまとめいただければというふうに考えております。

○工藤委員 ちょっとよろしいですか。この移動解体の採用基準には、焼却炉の規模が載っておりませんが、その辺はどうなるのですか。

○中央産業安全専門官 規模で直接要件はかけておりませんが、実際にこちらで記載したような内容を満たしていくということができるものであれば。ただ、余り大きなものになると、実際に取り外しであるとか、あるいは運搬上の支障が出てくるということになれば、それは事実上できないということになろうかと思います。直接大きさそのもので要件をかけるということでは、整理しておりません。

○田中座長 大きさに関してはかける必要はないと、委員も思いますか。

○山内委員 その件も、すみません、ちょっと本題から外れますが、申し訳ございません。産廃業者がもつ 1 日処理能力が 30 トン炉というのがあり、屋外に設置されています。 20 m、 30 m角ぐらいの敷地の中に炉があって、 2 次燃焼室があって、熱処理、熱交換処理があって、それから集じん機があってという一連のものを直径が 1.5m 2m 程度の配管でつないだ大きい設備です。これを移動解体してよいのかということになるので、大きさと言われましたが、本当にある意味制限をかけておくのか、現時点でどこまでよいのかを示さないと、ばく露防止にならないということを非常に懸念しています。

○中央産業安全専門官 余りにも大きなものの場合は、実際に運搬しようとすると、躯体を更に切断分解などしなければいけないということになってくると、これはそういったところから不適切ということになるかと思うのですが。

○山内委員 すみません、それはないと思います。設置する段階でもある程度の既製品のパーツとして現場に持ち込まれていますから、配管さえ外せば全部持っていけるはずです。

○中央産業安全専門官 それは、例えば、完全に密閉状態で運搬などはできるという場合であっても、大きさとして何か要件をかける必要があるということになりますでしょうか。

○山内委員 大きさをいくらにするとか何とか、ということではないのですけれどね。だから、例えば、ここに書いてある配管をすべて対象にしていいということになると、 12 mぐらいの熱交換器なども運べてしまうことになります。実際的には、横倒しにすることになりかねず、完全に密閉した状態で作業ができるかどうかは疑問です。

○中央産業安全専門官 要は、密閉した状態でできなければ、それは結果、できないということになるでしょう。

○山内委員 やってはいけない。

○中央産業安全専門官 横倒しにしなければいけないということになれば、それは駄目だということで制約がかかってくるということになるかと思うのです。要は、移動解体するときにはこういう対策を取らなければいけないということが出来上がってくるのではないかと思うのです。それを講じることができれば、大きさに要件はかけないよというのか、そうであっても、やはりこういう大きいものについては制約をかけるべきだということに。いずれでしょうか。

○山内委員 大きさで制限かけるのは、難しいと思います。各部位によって連結されていますので、焼却施設全体をトラックに積むわけにいきませんので、必ず連結部を切らないといけないようになります。その連結、各部位の大きさ、炉体であったり、 2 次燃焼室であったり、まちまちで、大きさがばらばらですので、一概にその大きさ、寸法だけで規制というのは難しいのかなと。逆に、細部にわたって、この部位はいくらまで、この部位はいくらまでという決め方をしないと、大きさ制限というのは非常に難しいと思います。

○工藤委員 ダイオキシン類の特別対策法ができたときに、当時の厚生労働省(現環境省廃棄物リサイクル対策部)から、 100 トン以上の焼却炉でなるべく大規模化を図っていきたいという話があったと思うのです。それのお陰で、地方の自治体は小さな焼却炉は全部止めて集合化してきました。このため、小さな 20 30 トン程度の焼却炉が費用をかけられないために解体されずに全部休止状態で今残っているのではないかと思います。それがこれから増えてくると思うのですよ、その程度の規模のものが。 100 トン以上のものではなく、 10 トンから 30 トンぐらいのものです。それをどうするかということが一番です。

 あともう一つは、ドラム缶のような小型焼却炉もあるかもしれませんが、その辺をちゃんと住み分けしておかないと難しい。移動解体をする場合には注意しないといけないのではないかと思うのです。ですから、中規模と言っていいのかどうか分かりませんが、そういう中規模焼却炉、大規模、中規模、小型とあるのかもしれませんが、その定義をしっかりしておいてから、移動ができるかできないかとしたほうがいい。移動解体もできるかと。どれに移動解体を認めるかというのを提言しておいたらいいと思うのです。

○田中座長 今の御意見、二つ出ていますね。なかなか大きさ・規模では難しいという御意見をいただいています。

○山内委員 私が思うには、今、話に出てきた一般廃棄物焼却炉は相当数まだ残っております。その解体費用は非常に高額になりますが、移動解体でやったほうが安くなるのではないかと思います。

○工藤委員 はい、そう思いますよね。

○山内委員 一般廃棄物焼却施設の場合は基本的には建屋がありますので、建屋全体が管理区域として、その構造物を造れます。そうすると、その管理区域内で、そのレベルはそれに応じて造ればいいので、梱包できる程度にその管理区域の建屋の中で切り刻んでしまう。それが可能なので、全部、部位分解をして、全部パッケージをやって、そのまま 2 次室に移動させて、そこでトラックに積んで搬出するということであれば、現地で洗浄する必要がなくなるのです。洗浄設備にはお金がかかりますので、できたら移動解体は、そういう大きい施設についてはその建屋内での切り刻みということで対処したほうが、相対的には安くなるのかなという気がしております。ただし、結構大きな部位になりますので、搬入は、運搬関係は運搬業者さんがおられるのでいいのだろうと思うのです。そうなると、ものすごく大きいですよね。

○工藤委員 はい、大きいです。

○山内委員 本当に大きいです。そうすると、そういう意味での大きさの制限はかけにくいかなと。ここでイメージしているのは、例えば学校規模とか、あるいはちょっとした産廃処理場での屋外焼却炉とか。せいぜいスペース的には 5 m角未満の施設程度の意味かなとか思っているのです。だから、移動解体の利用というのは、そちらのほうが随分、私は有効だなとは思っているのです。

○工藤委員 そうしますと( 1 )のウですね。配管取扱い時以外の分解・裁断等。

○中央産業安全専門官 すみません、それは多分以前の。本日お配りした資料を御覧いただけますか。

○田中座長 今日の資料で御検討いただきたいと思います。一つは、大きさ制限というのはなかなか難しいと。かけにくいところは、そこでして。

○山内委員 移動解体をなさっている大手さんもおられますので、大手さんの管理能力と、実際に職場体系から考えれば、そちらのほうは逆に問題ないのだろうと思います。小さい焼却炉のほうが、私は問題だと思っているのです。小さい焼却炉はいろいろな廃棄物を管理せずに焼却するため、残留しているダイオキシン濃度が高いことも多いです。

○田中座長 資料の( 1 )の一番上の書きぶりについても、作業する条件のところの内容で、配管というところの位置づけを少し考える必要があるという理解でよろしいでしょうか。

○山内委員 できましたら、この文言から配管の記述を削除いただきたいと思っています。併せて、事業者が労基署に赴いた際に指導の徹底もお願いしたいと思っているのです。

○中央産業安全専門官 今の 1 の( 1 )のアのところで、配管の記述を削除するということになりますと、配管を外さなければ運搬できないものについては、移動解体はさせないというようなことになってしまいます。この 1 の( 1 )のアというところは、要は移動解体をどこまで認めるのかということになりますので、ここで配管を除く書き方にするということは、配管を外さなければ運搬できないものについては移動解体を認めないという方向になってしまうのですが、そういうことでよろしいでしょうか。

○山内委員 いえいえ、そうではないです。局所養生、局所密閉が難しいということを指摘したまでであって、ダイオキシンの飛散の可能性を考慮して、施設全体の密閉化を図った中で分解すべきということです。

○中央産業安全専門官 当然、その現地の取り外し作業も管理区域を設定して、そこは分離・養生することになりますので。分離・養生しない状況での作業というのは、もともとその取り外し作業においてはないことに。もちろん完全密閉できればいいのですけれども、そうでなくとも当然管理区域を設定して、分離・養生を行った中での作業ということになりますが。

○山内委員 いや、ならない。躯体そのものが野外にあって、野外での連結炉の小型がありますから、それは今まで小型炉でよく見る炉体そのもののシート巻きで終わってしまいます。そういうことで、配管を外されると困りますよということを言っているのです。

○中央産業安全専門官 そのご指摘に関しては、要件ではなくて、配管を外すときにどういう対策を講ずべきかということですので、次に議論することになります。

○山内委員 次のページにあるんですよ。

○中央産業安全専門官 そこで、こういう対策を講じなければ入れないというのをいただくことになりますので。

○山内委員 次のところで、では、はい。

○田中座長 次も含めて、この配管のところは記載方法というか、記載の仕方というのか。あるいは、今の二番以降の内容で、チェックが入るか入らないかというところを残す形でよろしいですか。

○山内委員 はい、分かりました。

○寺嶋委員 配管以外に、ダクトで燃焼用の空気などを送るのですね。そういう汚染されてないダクトというのもあると思います。

○山内委員 たくさんあります。

○寺嶋委員 それは外すのは問題ないと思うのですね。

○山内委員 いいと思います。

○寺嶋委員 そうすると、ここに配管及びダクトという言葉も入れておかないと。そして、その前に確か水ですとか、あるいは空気ですね。そういうようなものを前に書いておけば問題ないのかなと思うのです。燃焼用のガスが通るようなダクトはもちろん問題があるという形で。

○山内委員 汚染されていますのでね。

○寺嶋委員 そういう形にしておけばよろしいのかなと思うのです。

○山内委員 表記の仕方。

○工藤委員 そうですね。

○田中座長 それが一つ、案として出ましたということです。次に、ほかのところで検討しておいたほうがいい、チェックしておいたほうがいいというところはございませんでしょうか。イ、ウ、エ、オ、カの内容で、現場から見ての対応、あるいはばく露防止のための対応ということでの要件としては、この記載内容でよろしいでしょうか。

 ほかに増やすようなところも、山内委員どうでしょう。現場から御覧になって、よろしいと。

○山内委員 いや、いいのではないでしょうか。

○田中座長 ( 1 )のところは一応、また途中で気が付きましたら御指摘いただきたいと思います。

 ( 2 )処理施設についての記載内容です。 3 つの条件、これを満たすということですから、全て満たすというような所を処理施設として指定しているということであります。この件についてはどうでしょうか。よろしいでしょうか。

○山内委員 すみません、これは確認です。ウに環境省のガイドラインの施設基準が書かれていますが、水処理施設・設備を確保する必要性については明記されていません。ガイドラインに実際は入っていますから、ガイドラインを満たす構造となっていないと駄目という理解でよろしいでしょうか。

○中央産業安全専門官 そうです。イというところで、一応、保管等についてということで例示を挙げていますが、基本的には対策要綱に定める対策は講ずること、これは全て入っています。

○山内委員 分かりました。

○田中座長 では、よろしいでしょうか、一番。それでは二番、「移動解体における対策」というところを御説明いただいた上で、審議したいと思います。お願いします。

○中央産業安全専門官  2 の「移動解体における対策」ですが、移動解体を行う場合には、現地での取り外し作業と処理施設に運搬してからの解体作業がありまして、それぞれにおけるばく露防止対策となります。基本的には、現行の対策要綱の中で現地解体を行う場合のばく露防止対策が定められていますが、こちらと同様になります。若干相違する部分があります。( 1 )のところで、現地での取り外し作業における対策の中です。「その際」とあるところです。対策要綱別紙 6 がありまして、これは、管理区域の設定に関する基準、あるいはその際の使用機器等を定めたものです。こちらは、事前の汚染物サンプリング調査の結果から管理区域を定めるとなっていますが、現地での取り外し作業においてもこれに準じて管理区域を設定することになります。なお、駆体等、煙突、配管、これを完全密封した状態で取り外しが出来る場合にはこの限りではない。要するに、外側には管理区域は存在しないことも理論上は有り得るということで記載をしています。

 それから、( 2 )の処理施設に移ってからのばく露防止対策については、こちらも現地解体と同様に、実際の解体作業ということで、除染、解体を行ってもらうことになります。サンプリング調査については、処理施設内の付着物についても対象となることが追加されます。以上です。

○田中座長 ありがとうございます。この 2 に記載されている内容について御意見をいただければと思います。

○寺嶋委員 ( 1 )のなお以下ですが、「なお、駆体等、煙突及び」、これに今、配管が出てきましたが、この配管は、これはダイオキシンに汚染された配管という意味合いですね。

○田中座長 そうですね。

○寺嶋委員 やはり、移動するためにダクトも切除する場合が出てくるかと思うので、「煙突及びダイオキシンに汚染された配管、ダクト」という、ダクトを追記しておいたほうがよろしいのではないかなと思うのですが。

○田中座長 配管。

○寺嶋委員 印象的には、「・ダクト」になるのかどうかですが。

○田中座長 「・ダクト」。どうでしょうか。事務局。

○中央産業安全専門官 あとは言葉の使い方だと思うのですが。

○田中座長 そうですね。

○中央産業安全専門官 配管とダクト、そこはどういう違いがあるのか、言葉としてまとめられるのかというところになってきますので。趣旨としては当然含まれることで了解しています。

○山内委員 現場の状況から、小型焼却炉の事前調査というのが、小型であるので 1 個で代表させるケースが非常に多くあり、問題だと思います。一体型の焼却炉、こういう 1 つの工区として煙突が出ている部分の中にも、構造上、中に部位が設けられており、状態が違うわけですが、中の燃焼室だけについて事前調査が行われ、それに基づき管理区域も設定してしまうと配管の作業が危ないことになります。各部位に分けられる設備については、部位ごとに事前調査をするよう対策要綱の書きぶりを強化されたほうがいいかなと。

○中央産業安全専門官 現行の対策要綱においても、各部位ごとに行うとはなっているのですが、おそらくそこで山内委員から御指摘があったのは、実際の運用する現場においては一カ所のみのサンプリングで代表させてしまっていることがあるので、結果として、例えば、その管理区域の設定が、本来、ダクトの部分を見てみればもっと厳しい設定をすべきであるところが、甘い設定になって、対策もそれに基づいたものになっているのが懸念されるということだと思うのです。それは今回の改正部分というよりは、もともと要綱にある部分ではあるのですが、そこの運用というか解釈の部分がきちんとされていないことになるかと思いますので、改正の際には、そこの表現を要綱の中でやるのか、解説などでやるのかというところもありますし、又は指導のところでどうするのかというのもありますが、御指摘いただいた部分は踏まえて、どういう反映のさせ方にするかについては、また検討させていただきたいと思います。

○山内委員 是非お願いしたいと思います。

○中央産業安全専門官 はい。

○田中座長 ありがとうございます。ほかにはどうでしょうか。 2 番についてよろしいですか。

○工藤委員 一つだけ意見がありますです

○田中座長 一つ、はい。

○工藤委員 これ、屋内と屋外について何か分けないで書くということは、後に出てくるサンプリング調査とも関係してくるのではないでしょうか。、そういうのはいいですかね。屋内と屋外、要するに、比較的小型の焼却炉は屋外が多いと思いますうのですが、先ほど言った中規模の焼却炉は、比較的屋内に多いのではないかと。それから、あと、民間の廃棄物処理業者は大体が、屋外が多いと思うのですが。

○中央産業安全専門官 サンプリング自体は、当然屋内、屋外関係なく行う必要がありますし、そのサンプリング結果に基づいて管理区域を設定すれば、そこは分離・養生ということで、実際外側とは区画化された状況の中で行うことになると思います。ですから、このサンプリングとか、あるいは管理区域の設定そのものについては、その屋外、屋内という分け方にはなってはいません。

○工藤委員 ということは、特にそこら辺は規定する必要性がないという御判断でいいという解釈でいいのですかね。

○中央産業安全専門官 現在現地解体の場合についてもそういう分け方はしていないのですが、何か、屋外、屋内設置ということで、変えなければならないということがあれば御指摘いただきたいと思います。

○工藤委員 屋内でしたら、比較的建屋がありますから密閉しやすいのですが、屋外の場合には、それを解体するときには、その周りの囲いをやるかどうかということがあると思うのです。

○中央産業安全専門官 その点に関しては、実際にサンプリング結果に基づいて管理区域が設定されて、その管理区域については分離・養生を行うことになります。それは現行の現地解体についても要綱の中に定めがありますし、それを準用しています。移動解体を行う場合についても同様になりますので、御指摘のように、屋外であっても当然作業を行う場合には、その管理区域は外からは分離された状況というか、密閉された状況となります。

○工藤委員 そうすると、ここに無理に記載する必要性はないという判断でよろしいのですね。

○中央産業安全専門官 もともとその要綱の中に現行ありまして、それをそのままやることになっていますので、含まれています。

○工藤委員 分かりました。

○田中座長 よろしいですか。では 2 番に関しての審議を終えました。

 次に、 3 の「現地解体及び移動解体に共通する対策(追加事項)」ということで、事務局から説明をお願いします。

○中央産業安全専門官  3 でございます。こちらは現行の対策要綱の中において現地解体を前提にしていますが、対策として定められている事項です。こちらの移動解体の場合にも共通することになってきますが、こちらについて何点か補足などをする事項となります。

 一つ目が、事前の空気中のダイオキシン類濃度の測定が定められていますが、運転休止後 1 年以上経過した焼却施設につきましては、ダイオキシン類の飛散が少ないと考えられることから、事前の測定を省略して差し支えない。また、その場合については、保護具の選定に当たっては、測定結果は 2.5pg-TEQ/m3 未満、第 1 管理区域とみなすということで、これについては既に、実際の運用上はこのように行っているもので、解説なども示しているものですが、要綱の中で、もう少し明確にしておいてはいかがかというものです。また、これに伴い、サンプリング調査を行う場合につきましては、レベル 3 の保護具ということで、プレッシャデマンド形の呼吸用保護具等を着用することを原則にしていますが、躯体の外側から行う場合につきましては、このように、第 1 管理区域とみなせるような場合についてはダイオキシン濃度が低いことになりますので、保護具についてもレベルを落として、レベル 2 として差し支えないことを追加してはどうかということです。

 それから、二つ目です。付着物の除去作業において、高圧洗浄等を行うと要綱上にありますが、この際の留意事項として、必要以上の水量使用に留意すること、あるいは、地盤内浸透の防止対策を講ずる、また、作業者の安全の留意を追記するものです。

 三つ目です。排水につきましては、要綱に凝集沈殿処理などを行うという定めがありますが、この凝集沈殿処理をした際に発生する汚染物については、特別管理廃棄物に該当するということで、特管としての処理を行うことを明示するものです。以上でございます。

○田中座長 ただいまの説明について、御意見をいただければと思います。

○山内委員 すみません、何度も。言葉の解釈上ですが、資料の下から 4 行目、「ダイオキシン類の飛散は少ないと考えられる」という文が書いてあります。これは事前に起きる空気中測定のことだと思いますけど。

○中央産業安全専門官 そうです。

○山内委員 ということは、ダイオキシン類の飛散ではなくて、空気中のダイオキシン濃度が低いということですよね。

○中央産業安全専門官 そうです。

○山内委員 飛散ではないですよね。作業に伴って飛散をするわけですので、作業前の、作業場環境としての、空気中のダイオキシンの濃度が低いということですよね。

○中央産業安全専門官 そういう意味です。

○山内委員 それと、次のページの 2 行目です。 2 行目の真ん中、「躯体の外側から行う場合には」と。要はサンプリングのことなのですが、これは野外施設ですよね。例えば、一般廃棄物焼却炉みたいに建屋内にあって、建屋内が管理区域と設定される場合はレベル 3 ですよね。

○中央産業安全専門官 管理区域で。

○山内委員 移動解体できそうなもので、野外にあって、サンプリングする際の作業者が、空気環境として、呼吸環境として、自然界と変わらないという場合に限ってレベル 2 でいかがか、ということと理解しましたが。

○中央産業安全専門官 そういうことになります。もともとこちらでレベル 3 と言っているのは、事前調査ですので、まだよく分からないという前提でレベル 3 なのですけれども。ただ、気中濃度が低いと考えられる場合については、そこまでやらないということなのですが。先ほどの御指摘の場合ですと、屋内に設置されている焼却炉については、休止後 1 年以上経過した場合であっても、事前の気中濃度の測定の省略はできないことになるでしょうか。そういうことではないのですか。

○山内委員 省略していいのですよね。

○中央産業安全専門官 ええ。それが省略できるということで、管理区域 1 とみなすことになりますが、この管理区域 1 とみなせるような場合については、保護具のレベルを下げてもいいことにしています。ですから、それに該当する場合は、屋内であってもよいことになるのですか。

○山内委員 ダイオキシン濃度もですが、建屋内の場合は、酸欠とか硫化水素とかいう、ダイオキシン以外の作業環境の悪い状況がありますので、それはやはりレベル 3 だと私は思います。ちょっと大きい施設になります。単純に全てがレベル 2 で入っていっていいということではないと思います。

○中央産業安全専門官 そうしますと、レベル 2 として差し支えないが、ただし、屋内にあるものについては、少なくとも酸欠等の問題があるのでという。

○山内委員 建屋内のやつは酸欠等が。ですけど、それはレベルで。屋外であれば、炉内に入らない場所から作業者が手を突っ込んでやるので、それはレベル 2 でいいでしょうということならいいと思います。

○中央産業安全専門官 では、屋外設置のということが加わるということですね。

○山内委員 だから、野外設置の躯体ということを入れればいいのですかね。

○工藤委員 一応ダイオキシン濃度が 2.5pg-TEQ/m3 以下であれば、レベル 2 のマスクは必要ないのではないかという意見です。レベル 1 でいいのではないかと思います。

○中央産業安全専門官 確かに。

○工藤委員 ただ、ほかの問題があるようであれば話はまた違いますが、ダイオキシンということに限ってものを言わせていただければ、 2.5pg-TEQ/m3 以下であるという、過去の資料、若しくは測定結果でもいいのですが、確認が取れるような状況であれば問題はないと思います。

○中央産業安全専門官 こちらは測定の省略ですので、みなしという所がありますけれども。

○西村委員 予防・保全ということで考えたら、レベル 2 は最低あったほうがいいと思います。

○工藤委員 レベル 2 とはどのような状態ですか。

○中央産業安全専門官 レベル 2 は防じん、防毒で、レベル 3 がプレッシャデマンドなのです。

○田中座長 防毒。一種のガス状のダイオキシンがありますから。

○山内委員 気化したダイオキシンの防御でレベル 2 になります。レベル 3 は外気になりますから。

○田中座長 例えば「 1 年以上経過した場合には」という表現がついて、 1 年以上経っていてもやはりガス状の。

○山内委員 ないと思いますけどね。

○田中座長 そのデータはないかということなのでしょうけれども。

○山内委員 ないと思いますけど。

 

○田中座長 今日の時点ではレベル 2 ということで、変える必要はない。

○山内委員 レベル 2 としてもいいと思うのですが、先ほどの。

○田中座長 みなしという所ですね。一方先ほど、電動ファンでもどうだという、委員のコメントがありましたが。確か電動ファンはレベル 1

○山内委員 レベル 1 あったですかね。

○田中座長 保護具の一つとして。

○山内委員 レベル 2 になると思ったですかね。レベル 2 になりますけど。

○小嶋委員 一応レベル 2 は防毒という要件が。

○田中座長 ガスは認めていない。

○工藤委員 したがいまして、 2.5pg-TEQ/m3 で、しかも 1 年以上休止しているならば、ガスは発生していないという理解でいいのではないでしょうか。もちろん、内部に入る場合にそれなりの。

○山内委員 というか、粉じん、小さい粒子ですので、浮遊した状態が 1 年以上経過していればもう沈降してしまっているという考え方ですね。

○工藤委員 そうですね。

○山内委員 ガスというより。そうすると、粉じん対策でいいのかなという気もするのですね。

○工藤委員 何らかの方法で確認が取れればという条件を付けてもいいと思います。 2.5pg-TEQ/m3 以下とか、過去の資料とか。それとも、作業前に測定してみて、一応、 2.5pg-TEQ/m3 以下と確認するとか。

○中央産業安全専門官 こちら側の測定省略の規定です。測定をしてしまえば、それは決まり、問題ないのですが、 1 年以上経っていれば測定を省略してもいいのではないかという意味なのです。

○工藤委員 分かりました。

○中央産業安全専門官 そうすると、今の御議論ですと、少なくともサンプリング調査を躯体の外側から行うという前提ですが、この場合についてはガス状のダイオキシンのばく露までは考えなくてよいだろうと、ただ、みなしであることから、レベル 2 ぐらいが妥当ではないかという整理をします。

○田中座長 よろしいですか。ほかに御意見はございますか。

○小嶋委員 付着物除去作業において、着用する保護具というのは決まっているのでしょうか。

○中央産業安全専門官 こちらについては、要は管理区域を設定することになりますので。その管理区域はサンプリングの結果に基づいて決まります。その中で使用するものについては、事前の測定及びサンプリングから決まってくると思いますが、測定は第 1 管理区域とみなした上で、あとはサンプリングの結果を含めて保護具の選定を行うことになりますので。

○田中座長 よろしいですか。

○小嶋委員 あと、レベル 1 の保護具で付着物除去作業を行う場合もあり得るのですか。

○中央産業安全専門官 それはサンプリングの結果、付着物のダイオキシン含有量が低ければそういう可能性はあります。

○小嶋委員 ダイオキシンとは直接関係ないかもしれないのですけど、高圧洗浄で、エンジン式の洗浄機を閉鎖的な空間で使うと、一酸化炭素を生じて、閉鎖的な空間が非常に危険になって、防じんマスクだと危険があるのではないかという気がしたのですが、今回、そういうことは特に気にする必要はないのでしょうか。

○中央産業安全専門官 そうであれば、例えば、洗浄の際の留意事項として、一酸化炭素中毒の恐れを注記するというのはあると思うのですけれども。普通は洗浄をした際に一酸化炭素が発生してくるということでしょうか。

○小嶋委員 エンジン式の洗浄機などを使った場合はかなり高濃度のが出てくるのですけど。

○中央産業安全専門官 そうであれば、中で利用する場合については対応していくことを分かるようにしておく必要があると、そういう意味でいいのではないかと思ったのですけれども。

○山内委員 そういう意味では、ドライアイスによる洗浄方法もありますから、やはり酸欠関係とかいう問題は出てこないのでしょうか。そうすると、レベル 2 で対応できないので、レベル 3 になってしまうのですね。

○田中座長 それはどうでしょうか。解説の中で。ダイオキシンではないわけですよね。だから、それに付随した作業に伴ってということでは別途、作業方法に従って、注意して対応してくださいということで記載することで。それは解説に入れてみてはどうでしょうか。

 よろしいですか。そしたら、 4 の「残留灰除去作業における対策」です。説明をお願いします。

○中央産業安全専門官  4 については現地解体あるいは移動解体でも、現地での取り外し作業を行うわけですが、その際に周りに灰が残留するというものがありますと、そちらの処理作業が発生するということで、その対策を追加してはどうかというものであります。基本的に共通するような保護具の使用等について、あるいはその管理体制の確立、周辺環境への対応ということについては、現地解体の場合と同様に行うことになります。

 また、事前の測定あるいはサンプリングについても、こちらも同様に空気中のダイオキシン類濃度の測定、それから残留灰のサンプリング調査を行うことにしております。こちらについても御議論いただきたいところですが、現地解体などの場合と同じように、 1 年以上経過しているようなものについて事前の測定の省略、あるいはその保護具の選定に当たってのみなし、また、サンプリング調査を行う場合の保護具についても、原則並びでいきますとレベル 3 になりますが、気中濃度を低いとみなせる場合についてはレベル 2 に下げてもよいかというところがあります。また、サンプリング調査については当然堆積物を対象に行うというところは追加することになります。

 実際の除去の作業ですが、旧地面が確認できるまで堆積した残留灰を除去する。また、作業に当たっては、事前のサンプリング調査結果に基づいて、管理区域を設定するとともに、飛散防止のために管理区域ごとに壁等による分離・養生などを行っていくことになります。こちらの管理区域の設定及びそれに基づく分離・養生については現地解体などの場合と同様に行うということで考えております。除去結果の確認のため、写真撮影を行って、結果を保存することについても、同様に対策を取ってもらうということで考えております。以上です。

○田中座長  4 の内容について、御意見をいただければと思います。

○山内委員 今の説明で、保護具を着用するというのは、もう盛り込んでありますというお話だったので、ちょっと安心しました。特に保護具の適用ということでの文言がなかったので、それは心配をいたしました。ただ、対策要綱 3 3 などの中で保護具は出ていましたか。

○中央産業安全専門官 共通の対策で対策要綱第 3 1 がありまして、そこに保護具の使用ということで記載をしてあります。その中では、気中濃度の測定及びサンプリング結果に基づいて、こちらの別紙に定めがありますが、保護具のレベルを決めるということになっています。こちらの灰の除去作業においても測定、あるいはサンプリング結果に基づいた保護具の着用を行うことになっています。

○山内委員 着用ということ、保護具の管理など、保護具に対して書いてありますが、管理、保護具の取り外しなどと書いてあるので、類推はできるのですけれども。分かりました。

○中央産業安全専門官 先ほどの保護具のところですが、現行の要綱の第 3 1 の( 6 )に保護具ということで規定があります。そこのイの保護具の選定で、別紙 5 というのは測定結果、サンプリング調査結果に基づいて保護具を選定する方法ですが、「別紙 5 に掲げる方法で選択し労働者に使用させること」となっております。ここで規定されています。

 第 3 1 の( 6 )のイです。「保護具の選定」というタイトルがあります。

○山内委員 これですね。失礼しました。

○中央産業安全専門官 これを残留灰の作業についても引用するというか、使用するということまで書いてあります。

○山内委員 ですね。はい、了解しました。それから、作業場の排気空気、灰が堆積している際に、灰を除去するわけですから、機械でやるか、人力でやるかはともかく、その作業場の空気環境は悪くなるわけですが、その空気を排出する際の排気空気の処理というのは必要ないのでしょうか。

○中央産業安全専門官 もちろん、それは必要になります。「周辺環境への対応」というところに記載があります。現行でいきますと、第 3 3 の( 8 )のアというところが「排気処理」という規定になっています。汚染された空気をフィルター等により処理した上で、排出基準に従い排出となっています。こちらについては周辺環境への対応ということで、こちらの第 3 3 の( 8 )ということで、ここにこのように入っています。

○山内委員 分かりました。さらっと表面を読まれて、現場に当たられるとなかなかそこまで目がいかない場合をちょっと心配しました。

○中央産業安全専門官 実際に要綱に書き込む際、あるいは解説、そこはちゃんと分かるように、そこはこの場でどういう対策が必要かということで載せております。

○山内委員 はい、分かりました。

○寺嶋委員 ( 3 )の一番最後のページのところですが、上から 2 行目の「管理区域ごとに仮設の壁等による分離、あるいはビニールシート等による作業場所の養生を行うこと」とあります。これは掘削なり、そういう作業をやっている最中にかなり粉じんが舞うなど、そういうような形の中で管理区域自体が変わってくると思うのです。また、汚染された土壌のダイオキシン濃度自体によっては、かなり高いケース、問題になるケースも出てくるのではないかと思います。ここでは「壁等」という表現になっていますが、密閉空間を作る必要があるのかどうかは、どうなのでしょうか。

○中央産業安全専門官 まず、分離については、分離ですので、密閉空間ということになります。それから、管理区域の設定についてはサンプリング調査に基づいて設定とありますが、実際にはその管理区域、一時的にであっても管理区域が作られるところについては、こちらの分離・養生ということになります。実際は残留灰の除去作業を行う場所については、その分離・養生を行うということになります。

○寺嶋委員 ただ、その養生というのは、今ここでは「壁等」と書いてあります。上が開いた形の状態のものの養生でいいというような受け止め方、「等」の中に入っているのかどうか。そこらのところが、このままの表現だと、大体人間というのは易きにということで、壁だけやって、あとは段々やってしまうというものが出かねない。

○山内委員 変えたほうがいいような気もするのです。

○寺嶋委員 そこら、そういう、やはり密閉空間というのも想定しておかないとまずいかなと、今思ったのです。

○中央産業安全専門官 そうしますと、こちらの残留灰の除去作業のみならず、実際の現地解体などを行う場合の分離・養生も含めて、そこはきちんと密閉空間を作るものであるということが分かるようにしておいたほうがいいということですね。

○田中座長 ありがとうございます。ほかにはどうでしょう。

○西村委員 細かいことなのですが、当然屋外という想定ですと、細かいところまでは要綱の中にもうたっていないのですが、今、建災防でもよく集じん機からの飛散という問題があちこち全国で出ていて、大変な問題になっています。負圧に保つという言葉の解釈が、少しでもファンが効いていれば負圧になる。負圧の範囲が非常に不明確で、某集じん装置のメーカーさんが、先月、建災防に取扱い説明書をもうちょっときちんと出せと、注意を喚起しろということで出たらしいのですが、某社の負圧の管理は集じん装置で -2 から -6 パスカルと書いてあるのです。 -2 から -6 パスカルということは、風速の動圧に換算すると、大体 0.6 mから 0.9 m、 0.8 m前後になる。 0.8 mというと、ものすごく遅いのです。ちなみに、バイオハザードの場合は、 120 パスカルです。大体 4.5 mぐらいの風速に耐えられる、そういう負圧管理をしなくてはいけない。この負圧という考え方は、ピンからキリまでで、非常にいい加減に解釈してしまうと、結果的に、密閉された建屋の中の解体であれば、そんなに大事にならないですむ。やはり、外でということになると、例えば突風が 10 mも吹けば、あっという間に集じん装置の能力を超えますので、負圧管理などはとんでもないということになります。その辺の負圧ということを、どういうような管理で今後やっていくのか。そういう市場に出回っている集じん装置の中で、非常に負圧の弱いファンの集じん装置を使って、そういう事故があちこちで起きているということを鑑みると、もうちょっとここは強制力を担保したほうがいいのではないかと思うのです。数値でしっかりうたうのかどうかは別な話ですが、そういう外の風速に耐えられるような負圧のあり方というものを何か文書でうたったほうがよろしいのではないでしょうか。

○中央産業安全専門官 現行規定で負圧にしなければならない、それ以外の場合については、分離・養生を行うことプラス排気についての基準ということで、密閉したら負圧にしなければいけない、あるいは更に、負圧の程度について具体的基準を示すということにはなっていないのです。しっかりと分離ができて、更に排気がきちんと管理できていれば。ある意味、負圧というのはそのための手段だと思いますが、具体的に負圧の基準を設けるというのは難しい気もします。その辺の基準というのは、設けられるものなのでしょうか。

○西村委員 例えば、今言ったようなバイオハザードの基準をそのまま適用するなど、バイオハザードというのは、非常にそういう意味では緻密ないろいろな計画に基づいて設定された数値ですので、そういうものを拠り所にしながら決めていくというのも一つの方法だとは思います。今、実際の市場で管理しているやり方と、バイオハザードの範囲というのは一桁違います。

○田中座長 実際の集じん機等で、そこまで管理できるものでしょうか。

○西村委員 管理できる場合も多いと考えます。

○田中座長 管理できる場合はありますか。

○西村委員 今は、負圧管理の基準が不明確なために、例えば 100 ボルトで運転できる集じん装置がありますが、維持管理が煩雑すぎて現場で対応できていません。例えば、プレフィルター、二次フィルター、最後に HEPA フィルターの 3 段階あって、プレフィルターを 1 4 回くらい、二次フィルターを 1 日最低 2 回くらい替えることとされていますが、そのようなことを行っている現場は見たことがありませんし、負圧管理もできていない。その結果、外部への漏えいが生ずることになります。

○中央産業安全専門官 それは、密閉をきちんとして排気を管理するということでは足りないということですね。

○西村委員 負圧という表現をもう少し強く。例えば、外気の風速等を勘案した負圧を保てるような装置を造る。

○山内委員 相当、効かないといけない。

○西村委員 そうですね。密閉度はやはり高めて、ある程度負圧にしておかないと、突風がきたときは持っていかれるという状況になります。

○工藤委員 確か、アスベストで建物の解体作業、除去作業などをやるときには、養生してから負圧にして作業を行うとなっておりますが。

○西村委員 換気回数の差でというだけなのです。

○工藤委員 そうですね。

○山内委員 そうすると、必然的に集じん量が決まると。集じん量というか、排気量によりますが。

○西村委員 特に、屋外で負圧という考え方はないと思うのですが、屋内の場合には負圧という考え方は出てくると思うのです。ですから、周りを養生しなければとか何とか、そういう屋内的扱いですね。

○山内委員 最後に質問しようとは思っていたのですが、例えば養生の定義、負圧の定義とか、仮設云々、先ほどの天井が高い所が多いとか、いろいろな構造上の定義に関して、もうちょっと明確にしておかないと勝手な解釈が生まれてきます。後で聞こうと思っていたのですが、今、先生が言われたように、例えば屋外の負圧、これは関係なしに負圧ですよね。負圧、ごめんなさい。密閉ですよね。

○中央産業安全専門官 そうですね。

○山内委員 そうですよね。今の要綱でいきますとね。ですから、屋内だろうが、屋外だろうが密閉。ということは、屋外であれば、壁と天井を造らないといけないということになりますよね。そういう前提ですよね。

○中央産業安全専門官 そうですね。密閉ということになると、天井も必要になってくると思います。

○山内委員 ですよね。そこがちょっと、余りきちんと統一されていないような気がします。

 すみません。御報告なのですが、この委員会でさせていただいて、昨年 11 月頃なのですけれども、やはり小型焼却炉の周辺に灰がありまして、実際に撤去作業をやって、密閉状態で負圧化をして、たまたまですが、灰の濃度が低かったものですから、明確に言えなかったのですが、密閉の容積が 5 m掛ける 4 m、高さが 3.6 mですか、それで毎分 30 立米の吸引をかけました。養生の骨組みは単管足場で囲ってしまって、厚手のビニールシートで全部囲って、密閉して、裾部は全部泥をかけて外気が入らないようにして、吸引をかけたのです。養生シートが破れるほど吸引しても、差気圧計で測ると、差圧が 1 パスカルも出ない状況でした。負圧の確保ということであれば、養生の方法なども問題となります。

 それから、養生の内部で空気中の濃度を測定し、集じん機の排出口でも測定して両者を比較したところ、何回かは排出口でダイオキシン類が検出されました。周辺からダイオキシンという物質が紛れ込んだ可能性も否定できません。仮に、要綱に盛り込み、可能な範囲で測定をするようにしても、測定費用がかかるのでうまく運用できるとは思えない。むしろ、何か一つチェックすることを、例えば圧力や排気の測定をすることを考えたほうがいいと思いました。

○中央産業安全専門官 そうしますと、実際の養生なども、どうするのかなど、設置場所であるとか、中の大きさであるとか、いろいろな要件によって、具体的な値というのは難しいかもしれませんが、要はきちんと密閉養生を行って、そこが流出しないような負圧の維持管理をしなさいというようなことで、実際には書かざるを得ないのか、書くとすれば、要綱に盛り込むのか、ちょっと解説するか、やり方はありますけれども、そういう言い方になるのですかね。実際に何パスカルなどということは、ちょっと決めづらいということになると、今言ったような整理で考えたほうがいいと思います。

○山内委員 ただ、石綿対策で書いてありますから、その程度はやはり入れておいたほうがいいと私は思います。

○工藤委員 具体的な数字は出していないと思いますけれども、外に漏れない条件の負圧ということが書いてあります。

○山内委員 石綿対策では、1時間あたりの換気回数を最低 4 回とされています。それと同等で考えていいのかなとは思います。

○工藤委員 それは、参考になるのではという気もします。

○中央産業安全専門官 では、石綿対策で定めている根拠について確認させていただいた上で、参考にできるものであれば参考にするというような形での整理があるかなと思います。

○田中座長 ありがとうございます。その他よろしいでしょうか。

○小嶋委員 ( 3 )で汚染の拡大を防止するために壁による分離とか、ビニールシートによる養生とありますが、土壌からの発じんは湿潤化すると大幅に下がるのですが、そういったこともちょっと書いておくというのはいかがでしょうか。

○中央産業安全専門官 分かりました。湿潤化は共通のところで入れていたかどうか確認します。対策要綱の第 3 1 の( 3 )で共通対策の中の一つとして「湿潤」ということでありますが、ちょっとどう引用するかということがありますが、その湿潤の部分についても分かるような形で整理をしたいと思います。

○田中座長 よろしいでしょうか。それでは、 5 の「運搬作業における対策」について、説明をお願いしたいと思います。

○中央産業安全専門官  5 の運搬作業です。こちらは、移動解体を行う場合には処理施設に運搬するということで、この運搬に付随するものになります。基本は密閉状態で運搬を行うことになります。共通の対策については同様になりますが、保護具については別途の取扱いということで、以下に記載しています。

 それ以外の部分としては、一つとして汚染除去されていない設備を処理施設へ運搬する場合、取り外し作業を行った事業者は、運搬を請け負った事業者に測定結果等について、あるいは留意事項について情報提供を行うということです。同じ業者が運搬を行う場合もあれば、運搬については別の業者が請け負うこともありますので、別の業者が請け負う場合については、的確に情報提供していただくというものです。

 積み下ろし等においては、密閉状態にするとともに保護具を使用する。また、取り外し作業を行っていた管理区域内から取り外された設備を輸送用トラックに積み込む場合には、まず管理区域内において、あらかじめ覆うなどによって密閉状態にするものです。運搬に使用するトラックの荷台は、積荷自体を密閉状態にしますが、その荷台自体も密閉構造を有するものにする。設備などの荷下ろしは、処理施設についての荷下ろしになりますが、これも密閉した状態のままで行うということで、荷を下ろす際には、破損がないか等を確認して、あった場合には補修するなどによって、密閉した状態で積み下ろしをすること。保護具については、荷が密閉されている状況を前提にする。レベル 1 相当以上ということでよいかと。この辺もまた御議論いただきたいと思いますが、ここでは密閉状態ということで、レベル 1 相当以上としております。

 ( 4 )の処理施設の運搬については、廃棄物処理法に基づいて、運搬業者の許可を得ているなど、廃棄物処理法上運搬を行うことができる者が行う。また、その基準に従って行うことが必要になってくるというものです。以上です。

○田中座長 ありがとうございました。今の説明について、御意見をいただければと思います。

○工藤委員 このマスクに関しては、荷の積み下ろし時にレベル 1 相当ということですか。それとも運転中ということですか。

○中央産業安全専門官 荷の積み下ろしということです。

○山内委員 ( 3 )のイのところですが、「運搬に使用するトラック等の荷台は、それ自体で密閉構造」というのは、もちろん廃棄物は密閉されていますよね。輸送車両そのものの構造が密閉できる構造であることという理解なのですか。

○中央産業安全専門官 こちらで記載したのは、オープンになっているような荷台ではなくて、要するにきちんと。

○山内委員 ボックス構造というか。

○中央産業安全専門官 ボックス構造というか、囲まれているものになっていると。

○山内委員 パッカー車までではなく。例えば、平ボディに養生したもの。廃棄物を移動解体などでやった場合に包みますね。それを平ボディに置きますね。そうすると、当然荷台の手すりというか、横の側面も高くなるわけですが、要はシートで囲めばいいという理解でよろしいのですか。

○中央産業安全専門官 そこまでは想定しなかったのですが。

○山内委員 「構造を有する」ということですから、トラックの構造ではないですよね、シートは。

○中央産業安全専門官 そうですね。基本的にはボックス構造のようなものを想定していたのですが。質問を返す形で申し訳ないのですが、シートをかけているだけでも大丈夫と考えてよろしいのですか。

○西村委員 というか、例えば、ウィング車とか箱車という、後ろだけが開くとか密閉構造のものがあるにはあるのですが、ほとんどがフォークを使うのです。例えば、手で運搬できる程度のものとか、そういうものであって、当然現場作業としては、クレーン作業でやりますので、そうなると、甚だこの密閉構造という考え方自体が実態に合わないことになってしまうのですよね。

○山内委員 移動解体ができなくなりますよね。

○中央産業安全専門官 はい。

○山内委員 平ボディで側面の高さに規制かけるかかけないかは、していないから、倒壊や落下防止という観点からもあるのですが、要は天井を開けていると、当然密閉構造にならないわけで、それ自体が密閉にならないわけですよね。そうすると、ここに書いてある密閉は、要は上でシートをかけるということでの密閉とみなすのですかという質問になるわけですよね。そこを構造上どういうふうに決めるかという。これだけだと、よく分からないかなと思いました。

○中央産業安全専門官 実際には、どの程度のものまで必要だとすべきなのですか。今、言ったようなシートをかけているという状態で良しとするのか、もう少し、ボックス構造でないにしても、ここまでは囲われる形になっていないといけないとか。シートをかけるというのは、何かいい加減にかけててあっても、それでもオーケーという。そうでもいいかと言われると疑問もあるのですが。

○山内委員 ですね。環境省からの感覚から言えば、車両の適用では配送法上の運搬については非常に厳しいと思います。特に 3 ナノを超えるもの等については、それこそパッカー車並みの、特別管理廃棄物運搬車両は、一般の平ボディなんかはとんでもない話でしょうし、かつ、中の廃棄物の梱包の仕方も鋼構造の密閉が条件になっています。例えば荷台から落ちてもそれ自体が破壊しない、中が出てこないというところまで求められますので、ある程度、環境省と厚生労働省は横並びに考えられたほうがいいのかなという気がします。実態は、平ボディにテントをかけて走っています。焼却炉の撤去で見かけます。

○中央産業安全専門官 分かりました。そうしますと、一つは廃棄物処理法に従いなさいという言い方が。

○山内委員 また移動解体の問題になりますが、移動解体をやろうとした小型焼却炉の中に 3 ナノを超えている灰が残留していたら、とんでもないことになります。運べなくなります。移動解体ができません。それを完全に容器の中に入れないといけませんから、無理です。移動解体ができなくなります。

○中央産業安全専門官 その場合は現実的ではないという意味だと思うのですが、廃棄物処理法に基づいた運送を、移動解体をどうしてもやりたかったらしなさいということに。そこまでできないというのであれば、事実上はそこはできないということになってしまうのかなと思うのですけれども。

○山内委員 できないというのは、特管を対象にしてはいけないということですか。特管に対して、移動解体を適用したらいけないということですか。

○中央産業安全専門官 そうではなくて、廃棄物処理法に基づく運送ということが必要になってくると思うのです。その際に、 3 ナノを超えるような場合については、完全に容器の中に密閉するような状態での運送が必要になってくると。法律上の規定に従っていただかないといけないわけですから、それでも運搬を移動解体でやるということになれば、法に基づいた方法で何とかやっていただくか、それが無理だというならば、移動解体はできませんよという整理にならざるを得ないかと思うのですけれども。

○山内委員 冒頭に申し上げましたが、事前サンプリングのところに戻りますが、今、小型焼却炉の事前調査ということでやられているのは、焼却炉・燃焼室の投入口を開けて、そこに残留している灰を取っているケースが非常に多いのです。そうすると、例えば一つの小型焼却炉の中にも、灰の沈降室、あるいは二次燃焼室と一体になって、煙道があって煙突の下までいっている、それが一体構造の中にあるものがあるのですよ。だけど、それも燃焼室で、 1 個でやっているのです。燃焼室の残留ダイオキシンと煙突の下部あるいは二次室のところの濃度が何十倍と違ってくるケースは結構あるのです。

 事前サンプリングは、今回の話と違いますが、全体的なところで話を聞きましたが、きちんと高濃度のところで取らないと、過小評価になってしまって、管理区域の設定も非常に問題が出てきますので、事前調査の位置付けをきちんとさせないといけない。もし今後やっていこうとすると、小型焼却炉で 3 ナノを超えるところが結構出てくると思うのです。そうすると、今の運送上でいくと、密閉容器の中に焼却炉を入れ込めなくなってしまうと移動解体ができなくなる。それは問題になる。運送は、環境省の配送法のほうに、準拠なり、絶対的な守れではなく、それなりの適切な処置を講じると。何かその辺は厚生労働省ふうの書き方をしておかないと、本当にこれができなくなってしまう。この委員会がなくなる可能性がある。

○西村委員 廃掃法適用になると、事業自体ができなくなる。

○山内委員 できなくなる。

○西村委員 ですから、逆に運搬での振動又は荷崩れ等によって、ダストの飛散等がないような処置を講じるとか、そういうように、文書で見えないと難しいのかなと思います。現実問題、先ほど申し上げましたように、トラックはクレーン作業ということを念頭に考えると、普通の平ボディに積載して荷締めしたあと、またそこに養生シートを入れて更にそれを荷締めする。そういうやり方になると思うのです。

○中央産業安全専門官 廃掃法上の適用は環境省に確認せざるを得ないものですし、そこで適用があるということになれば、それに従ってくださいとしか言いようがない部分です。それでできないということになると、移動解体はできませんよねという。できないというか、正確に言うと、どうしてもやるという方は、廃掃法に基づいた運搬をしてもらうしかありませんねということしか出てこないので。

○山内委員 ダイオキシンのガイドライン、環境省のガイドラインもそうですし、廃掃法上もそうだと思うのですが、運搬中に拡散を生じた場合、要はこぼした場合、特管は、そのときにその現場で処置できる方法を準備しておけということです。確かそうだったと思います。

 となると、現実問題、それはできないですよね。こぼした場合、高速道路で事故にボーンと遭って、荷崩れして、灰がワーっとこぼれました。どうしましょうかと。特管の扱い方は PCB と一緒ですから。 PCB と同じような扱いになりますから、こぼしたからといって、現場でどうするのよと。洗うといっても無毒化できるわけではありませんので、非常に厳しいですよね。そういう厳しさで環境省が確か廃掃法の特管の取扱いを規制していますから。ダイオキシンも 3 ナノを超えると特管の扱いになりますから、まずいですよね。いきなり廃掃法でサッと持っていく、投げてしまうというのは、実際、移動解体がかなり制限されてしまう可能性が出てきます。

○工藤委員 もしかしたら、廃棄物等と特管は運ぶものの大きさが違うかもしれません。こちらは機械、ダクトとか配管とか、そういうものですね。あちらは薬品とか廃棄するものとか、小さな缶に入るものとか。その種類と内容を調べてみたほうがよろしいと思います。どういうものが対象として考えられているのか。

○中央産業安全専門官 いずれにしても、適用関係について確認しないといけない部分ですから確認いたしますが、何分、適用についてはこちらで判断することができませんので、適用があると言われれば、その部分についてはそのようにということにならざるを得ない。

○山内委員 汚染土壌の運搬、ダイオキシンのガイドラインがありますが、作業躯体として、それは本体ですよね。それが一番近いのかもしれませんね。汚染した土壌の運搬方法。もちろんダイオキシンのということになっていますから、それの運用という形のものが一番マッチしているのかもしれない。一般的な特管と言ってしまうと、今、言われたようにいろいろな物質がありますので、全部網羅するような体制でやろうとすると非常に厳しくなると思います。運搬に関してはガイドラインに沿う形の方法がいい。

○中央産業安全専門官 今、おっしゃられたガイドラインは環境省が。

○山内委員 どこかに出ていましたね。

○中央産業安全専門官 ただ、特管については、運搬処理の基準値が決められていますよね。

○山内委員 ええ。密閉容器でやはり運ぶという。

○中央産業安全専門官 ということになりますよね。

○山内委員 そういうふうになっております。

○中央産業安全専門官 ですから、その適用関係にもよりますが、適用があるということになると、どうしても基準を適用せざるを得ないと思います。いずれにしろ、廃棄物処理法の運搬基準に基づいた運搬方法に適用があればなりますし、そうではなくても、基本的にはそれに準じたという形になろうかと思います。

○田中座長 ほかにどうですか。

○化学物質国際動向分析官  1 点質問です。例えば、灰を事前に一定程度除去して、灰の量を減らして躯体を運ぶことは可能なのですか。

○山内委員 減らすといいますと。

○化学物質国際動向分析官 取り除いてしまって。

○山内委員 撤去ということ。

○化学物質国際動向分析官 撤去して。

○山内委員 灰を撤去ということですね。

○化学物質国際動向分析官 灰を撤去した上で躯体を運ぶということは可能なのですか。

○山内委員 移動解体でですか。

○化学物質国際動向分析官 ええ。

○山内委員 大丈夫ではないですか。できるのではないですか。ただ、その灰をいじるときは管理区域が。そうなってしまう。

○化学物質国際動向分析官 ばらしはしないけれども、きちんとした、いわゆる普通に解体するのと同じで、灰を事前に一定程度除去した上で。

○山内委員 大丈夫だと思います。

○化学物質国際動向分析官 躯体としては完全除去できないので、持っていって廃棄することは可能ですかということです。

○山内委員 はい。かえってそのほうがいいと思います。安全だと思います。

○化学物質国際動向分析官 その場合、ある程度取り除いたとしても、今の廃掃法の適用が、そのままは該当してしまうのかということがあるかなと思ったのですけれども。

○山内委員 灰が廃掃法に引っ掛かりますから。躯体も濃度によっては引っ掛かるという。

○化学物質国際動向分析官 ですから、それを取り除いても廃掃法が適用になって運べないということであれば、現地で解体するしかないかと思うのです。灰を取り除くことによって運送が可能であるということであれば、それは一つの方法かなと思いますが。

○山内委員 その場合、各部位ごとに、事前調査で残留灰と躯体と両方、分析をやっておかないと駄目ということになります。

○化学物質国際動向分析官 廃掃法上引っ掛かるということであれば、そういった措置が必要かなと思います。

○山内委員 引っ掛かるというか、それなりの処置をすればいいということですから。

○化学物質国際動向分析官 法律上運搬可能であればいいのですが、無理な場合は、運搬可能なようにするか、現地で解体するしかないだろうと思っております。

○田中座長 ほかにありますか。

○寺嶋委員 ( 3 )のイに、今、山内委員から、「それ自体で密閉構造を有する」という表現自体が、このままでは問題があるという指摘がありましたが、ここのところは、いわゆる移動中飛散を生じない養生なり何なり、そういう表現に変えておいて、今後詰めていただくしかないのではないですか。移動中に飛散なり、本当に飛散だということなのでしょうけれども、そういう形の中で、方法論をいろいろ、薬剤か何かで、あるいはシートを二重に、あるいは三重にするとか。移動解体が、もちろん安全を十分に確保した上で事業として成り立つように考えないと、このままの表現だとまずいでしょうね。

○山内委員 「構造」となっているから堅く考えるのではないですか。「密閉状態を確保できる」と書けばよくないですか。

○寺嶋委員 その表現でもいいですよね。

○山内委員 構造となるとトラックの形をイメージしてしまうのですよね。

○田中座長 ありがとうございました。

○中央産業安全専門官 廃掃法の適用の関係を確認の上で、御指示としては分かりましたので、どのように書けるのかを工夫したいと思います。

○工藤委員 当然、解体して、中に、汚染した残留灰とか飛灰とか、いろいろあると思うのですが、そういうものは別個に簡単に運ぶような表現は取れないのでしょうか。ただ、煙突にこびり付いているものは、なかなかかき落とすことは難しいのかもしれませんけれども。

○中央産業安全専門官 そういった汚染処理で、例えば除去した灰などについては、それはそれでまた廃掃法に基づいて輸送するというのは、もともと必要ということになっていますので、これは変わらない。

○工藤委員 ですから、汚染した土を二重の袋に入れるとか、三重の袋に入れるとか。そのような場合もあると思いますが。

○中央産業安全専門官 汚染土の処理については、基本的に廃掃法に基づく特管なりとしての処理をしなければならないことになりますので、そこでの適用が入ってきます。

○工藤委員 そこを分けておいたほうが良いのでないでしょうか。

○中央産業安全専門官 そこについては、ちょっと分かりづらかったかもしれませんが、もともと要綱の中にありまして、それを引っ張る形になりますので、残留灰の除去も含めて、そのような扱いになります。そこは分かるようにしておきます。

○田中座長 ありがとうございました。あまり時間がなくなってきましたが、全体の 1 から 5 までで、これだけは検討してもらいたいという内容等がありましたら御指摘いただければと思います。

○工藤委員  1 点だけ言い忘れたことがあったのですが、 2 の( 2 )に絡むのではないかと思うのですが、運び込まれたいろいろな躯体等を囲っているビニールシートの処理とかは、ここには記載しないほうが良いということですか。

○中央産業安全専門官 今のは、 2 の移動解体における対策の( 2 )ですか。

○工藤委員 そうです。移動解体して、処理施設に運び込まれたいろいろな道具があります。そのときに囲っているビニールシートとか、そういうものの処置に関しては、何も記載する必要性はないのですか。

○中央産業安全専門官 要綱の第 3 3 の( 8 )を御覧ください。( 8 )のウに「解体廃棄物の処理」、エに「その他廃棄物の処理」ということで、解体に伴って出てくる汚染物ということになってきますので、その処理になってくるのですが、今、御指摘がありましたように、運送の際に使用したビニールの養生等についても、当然この中で解体廃棄物の処理として、処理すべきものだと分かるように記載のほうは整理したいと思います。

○田中座長 ありがとうございました。ほかにありますか。

○山内委員 全般的な事項で恐縮ですが、要綱、あるいは今後、解説本みたいな形のものがあるかと思います。先ほども言いましたが、養生とか、具体的な明記をしたほうがいいのかなと。養生とはというもの、あるいは密閉とはというもの、管理区域の定義あたりがちょっとぼやけているような気もいたします。先ほど言われた負圧という考え方も、どういうふうに適用していくのか、あるいは負圧条件とはどういうことなのかということですね。その辺の文言の解説あるいは文言の内容ということで、具体的に表記するようなことができないかというのが 1 点目です。

 ばく露対策要綱そのものは、ばく露作業者の要件を拡大すると、周辺への影響も含め、国民の健康管理、健康被害を生じさせないための通達だと思っております。それをやっていくためには、それなりの浸透、指導等が必要になってくると思います。ところが、今、施設管理者、特に地方自治体はこの要綱に対しての理解度が希薄です。労基署としては、事業者を対象にものを指導されているのですが、一つは施設管理者に十分浸透させないといけない。実際的な事業者も正直言いまして、労基署に関わりたくない。いろいろ言われますし、指導も受けるので、関わりたくないというのがあります。以前私どもが、これは非常に微妙だから届けたほうがいいよということで計画を立てたものも、受けた事業者が、いや、もう出さないという方向変換を勝手にやった。発注者は分かりませんので、それは事業者の言うとおりにしますよということで、この要綱の趣旨が徹底されていないところが多々見られています。

 できれば、届け出をする、あるいは届け出前の事前協議をするようなシステムを作っていただきたい。それは以前、増岡さんのほうに原案として、労基署との事前協議の機会というのを要綱上入れていただけませんかということで、原文を挙げていたと思います。この移動解体には関係ないのですが、全般的なものとして、対外的に事業に関わる施設管理者あるいは事業者に指導機会を増やすことができるような要綱に少し持っていっていただけないかと。一つ指導ということで、労基署は、事業者を見て指導、あるいは内容に対して指導、管理者に対する指導ということではなく、飽くまで霞が関を見られています。上位組織に従うのだと。私どもが趣旨から話しても、いやと。霞が関の判断だということで、私どもの申入れなどはなかなか聞いていただけないのです。そこまで言うのであれば、現場としても困っているというのは、これを法律化しなさいと。それが一つの方法ですよということも言われました。ですから、明確な届出基準、焼却能力の定め方とかいう問題がたくさん出ました。まだ検討しなければいけないところがあるかと思います。そういうことで、今回この委員会のほうで案文ができたとしても、いかにそれを社会の中に周知していくのかというのが非常に大きな問題だと思っております。是非、そちらの方向にも目を向けていただけたらと思っております。

○中央産業安全専門官 当然改正すれば、その内容については周知をきちんとやっていかなければいけません。その中で事業者なり発注者に対してどういうふうに周知していくかは課題になってきますので、改正したあと、周知の方法については、またしっかり議論していきたいと思っております。

○西村委員 山内委員と同じような趣旨になるのですが、今、大まかなものも含めて焼却炉解体の入札率が本当にめちゃくちゃな状況で、予定価格の 40 %とか、中には 30 数%で落札されているところもあります。そうなると、まともな仕事をやっているのだろうかと。作業者の健康及び周辺環境へのばく露汚染防止等が本当にきちんとできているのだろうかという、そこが非常に不安になるのです。正に、先ほど話が出たように、石綿対策では1時間あたり換気回数が 4 回以上という規定があるのですが、焼却炉は、場所によってはアスベストの適用ではないと。ダイオキシンだからいくらでもいいのだと。負圧管理も非常にいい加減にやられている。この事業が始まった当初は、やはり 4 回を遵守しながら、例えば東京とかの大田区の解体のときには、トータルで約 3,500 立米ぐらいの集じん装置を納入して、かなりきちんとしたことをやられているのですが、最近同じようなクラスでどのくらいかというと、 1,000 立米いかないのです。本当に作業環境がきちんと担保できているのかどうかというのが非常に不安です。先ほど、負圧の管理を申し上げましたが、北九州で PCB の処理施設、分解施設を運営しているのですが、そこは 50 パスカルを下回ると自動的に北九州市に通報するようなシステムになっていて、非常に厳しい管理をやっているのです。鶴見川の同じ PCB 汚染土壌の処理施設で今やっています。ここが同じような感じでやっています。これと同じレベルとは言いませんが、少なくとも段取り、仮設はしっかりやっていかないと、確かに移動解体によってコストダウンもそうですし、ダイオキシンの封じ込めというのには国策に合う方法はあると思うのです。山内委員がおっしゃるように、大本の要綱自体をもう少し明確に、例えば例題を出すとか、もう少し具体的に、発注者並びに受注者のほうで、一つの基準としてみんなが共有できるような形にしていかないと、いくらでも拡大解釈できるし、いくらでも小さく見る人もいる。それではあまりにも杜撰すぎるのではないかと思います。是非、今言った予定価格と落札率が地方の自治体でどういう状況になっているのかというのを、 1 回ざっくりお調べになったほうがよろしいかと思うのですよね。一番基準になっているのはこの要綱になりますので、是非その辺御指導をお願いしたいと思います。

○山内委員 設計の考え方ですね。うちの協会のほうで、実際の協力をさせていただいて、設計費用を取ったわけではなくて、きちんとやっていただきたいという思いでお手伝いをさせてもらった分で、現場の考え方、分析の考え方、周辺環境の配慮、そのチェックをやって、私どもの判断では、これがやり方として適正だろうと。それが 25 %でした。委託ということでの発注で、こちらが予定していた金額の 25 %です。これ、無理ですよと。私どもの感覚から、要綱に携わっている立場上難しいですよということでしたが、案の定、低額で下請けが入札して、それでも 40 %ぐらいで丸請けしたということでした。 40 %でも無理でしょうという話で、その事業に対していろいろとチェックしていきましょうかと話をしたときに、業者がいいと言っていると。私どもではないですよ。受けた業者がいいと言っていると。発注者は、できます、安全です、大丈夫ですと言っているので、もうそっちのほうでいきますからと言うぐらいの手合です。それは無理だと思います。それが横行していますので、きちんと明確にしていかないと、そういった指導と徹底と遵守体制をどうするのかという、就労機会をどう取るのかということを本気で考えないと、本当に労基署は大変だと思うのですが、これは次の段階で十分検討していただかないと、棚に上げたものになってしまって、有効に使えないことになってしまうかなと。それを非常に心配しています。

○中央産業安全専門官 今、御指摘があった低額落札の問題も含めて、入札者の認識が足りないところが問題だという御指摘だと思いますので、周知に当たっては、そういった自治体への対応も検討させていただきたいと思います。また、内容をいい加減に運用しているのではないかということも、先生が御指摘になられていますが、そこはそういう読まれ方をしないような記載ぶりということで、また工夫をしていきたいと思います。

○田中座長 ありがとうございました。少し時間を超過してしまいましたが、大変貴重な御意見、コメントをいただいたと理解しています。今後のことについて、もう 1 回委員会を開くか、あるいは今いただいた修正点を中心にして、事務局のほうで再度検討したものを座長一任という形で今年度は進めるのか、事務局の考えを教えてください。

○中央産業安全専門官 御議論いただいたものを踏まえて、更にまた修正をして、可能であれば座長一任という形にさせていただいて、その上でどうしても必要だということであれば、また考えたいと思います。基本的には、そういう形で取りまとめさせていただき、修正したものについては委員の皆様方に確認させていただくというようにしたいと思います。

○田中座長 これで閉めてよろしいですか。

○化学物質対策課長 今日は年明け早々から非常に熱心な御議論をありがとうございました。今回の検討案は私どもが申し上げるまでもなく、移動解体そのものの対策要綱の中で、対応されていなかったことについての対策をどうするのか、ということについて御検討いただくということで、今日の資料 2 に示しているものが対策の全てでは当然ありません。これを今、実際に存在している対策要綱の中に組み込むことによって、全体として移動解体の作業を行う場合のダイオキシンのばく露防止なり、周辺環境への飛散防止についての対策を講じていただくということです。今日、御議論いただいた内容については、私どものほうで再度検討させていただき、対策要綱の中に組み込んでいきたいと思っております。

 また、最後のほうにお話がありました施設管理者への指導や発注といいますか、入札に絡むようなお話については、先ほど増岡からも申し上げましたが、我々行政として、きちんとした安全衛生対策が、ダイオキシンの状況、あるいは焼却炉の解体に伴ってなされるように、きちんと取り組んでいきたいと思っております。ただ、ダイオキシンに限らず、こういう要綱が出れば、それに書いてあることだけやっていればいいという風潮が世の中に蔓延しているという、この日本の現状が非常に残念です。何のために作っているのかということへの思いをもう 1 回新たにしていただければ、今やろうとしていることが本当にいいのかどうか。本来ならそこの判断がつくはずです。ところが、ダイオキシンに限らず化学物質の取扱いを見ても、そうではなくて、決められたことだけしか見ていない。その背景に何があるのか、何でそれが規制されるのか、規制されていないのは何で規制されていないのか。そこのところをよく考えて、よく考えてというよりも、きちんと判断してやっていただければ、そんなに大事になることは本来ないはずだと思っているのですが、残念ながら、いろいろな状況の中でなかなか守られないというのが現実としてあることに、私は非常に危惧を抱いております。そういうものを含めて、行政として、しっかりとこういう対策、あるいは実際に事業を行っている方々に対する注意喚起といいますか、そういう自覚を促していくことについて、更なる努力をしていきたいと思っています。今後とも御指導お願い申し上げまして、今日の専門家会議を終わりたいと思います。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。

○田中座長 ありがとうございました。それでは、本日の会議はこれで終了します。皆様、御協力ありがとうございました。


(了)
<照会先>

労働基準局安全衛生部化学物質対策課

電話番号: 03-5253-1111(内線 5517)

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