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2013年10月18日 厚生科学審議会疾病対策部会 第33回難病対策委員会 議事録

健康局疾病対策課

○日時

平成25年10月18日(金)10:00〜12:00


○場所

航空会館 大ホール(7階)


○議事

  ○小澤疾病対策課長補佐 定刻となりましたので、ただいまから「厚生科学審議会疾病対策部会第 33 回難病対策委員会」を開催いたします。委員の皆様には、お忙しい中お集まりいただき、誠にありがとうございます。

 まず、本日の委員の出欠状況を確認させていただきます。眞鍋委員、道永委員、山本委員、小幡委員、広井委員から欠席の御連絡を頂いております。

 カメラの撮影はここまでとさせていただきます。傍聴される皆様におかれましては、傍聴時の注意事項の遵守をよろしくお願いいたします。以後の議事進行につきましては、金澤委員長にお願いいたします。

○金澤委員長 第 33 回難病対策委員会です。大詰めに近づいてきたような気配を感じます。これからもどうぞよろしくお願いいたします。

 まず、資料の確認です。簡潔にお願いします。

○小澤疾病対策課長補佐 資料の確認をさせていただきます。資料 1 「医療費助成の仕組みの構築について」、資料 2 「効果的な治療方法の開発と医療の質の向上について」、この 2 点です。資料の欠落等がありましたら、事務局までお申し付けください。

○金澤委員長 それでは、早速議事に入ります。まだ小池先生がお見えになっていませんが、途中からお見えになると思います。最初の議題は「医療費助成の仕組みの構築について」です。事務局から資料 1 の説明をお願いします。

○小澤疾病対策課長補佐 資料 1 について御説明いたします。資料 1 は医療費助成の仕組みに係る資料です。前回、委員長から具体的な案を出すようにとのお話を頂きましたので、そのように資料を準備してまいりました。 3 ページに前回お示しした「患者負担の在り方に関する基本的な考え方」をお示ししています。確認の意味で申し上げます。

 難病患者への新たな医療費助成の患者負担については、医療保険制度における高齢者の負担の在り方を参考に、難病の特性を考慮して、所得に応じて負担限度額等を設定する。ただし、既認定者の取扱いについては、これまでの給付水準を考慮し、別途の対応を考えることとする。所得については、対象者が拡大されること、生計中心者の判断が困難になっていること等を踏まえて、医療保険と同様に世帯単位で把握することとする。医療費助成の対象は、症状の程度が重症度分類等で一定以上等であり、日常生活又は社会生活に支障がある者とする。ただし、症状の程度が上記に該当しない軽症の場合であっても、高額な医療を受けている者については、医療費助成の対象とする。

 ※他制度と同様、入院時の標準的な食事療養及び生活療養に係る負担については、患者負担とするとともに、薬局では保険調剤に係る自己負担については、月額限度額に含めることとする。

 以上が基本的な考え方ですが、最初の●にあるように、医療保険制度における高齢者の負担の在り方を参考に、具体的な案を今回は 4 ページ、 5 ページでお示ししています。

 前回も申し上げましたが、今回の案は、難病の医療費助成の患者負担のあるべき姿を定めるということで、原則的なものを整理しています。新規の認定者に対してこの原則を適用することを想定しています。一方で、既認定者の取扱いにつきましては、先ほども申し上げましたが、これまで予算事業で給付が行われてきたこともありますので、これまでの給付水準も考慮して、別途の対応を考えるということで整理をしています。そういったことから、今回は新規認定者の原則的な自己負担限度額について御提示しております。

4 ページです。新規の認定者の「難病に係る新たな医療費助成による自己負担限度額の変化」をお示ししています。現在、難病の患者であっても、医療費助成の認定を受けていない方で若い方については、医療費が高額な場合、左側の表のように、 70 歳未満の高額療養費制度の対象となり、自己負担割合が 3 割で、それぞれの階層区分ごとに自己負担限度額が定められています。これが新たな難病医療費の助成制度が認定されることになりますと、右側の表で、こちらの自己負担限度額になり、自己負担割合が 2 割になると考えています。

 具体的には、年間所得が例えば 280 万円で、毎月 50 万円の医療費を要するような難病患者の自己負担について、助成の認定を受けていない場合には、高額療養費制度の一般所得に該当しまして、 8 2,430 円かかるわけです。また、この上限が 3 か月続きますと、高額な医療費が多数回かかったということで、 4 か月以降は 4 4,400 円となるわけですが、この方が新たな難病の医療費助成制度に新規認定された場合には、 1 か月目から 1 2,000 円の負担で済むと考えています。

5 ページは、 4 ページの右の表の内容について説明をした資料です。新たな制度のたたき台ということで、これについては、何度も申し上げて恐縮ですが、医療保険制度の 70 歳以上の高齢者の患者負担の在り方を参考に考えています。自己負担の割合については、現行は 3 割負担ですが、原則 2 割負担ということで、現行の 3 割から 2 割に引き下げると。自己負担の限度額については、高額療養費制度における高齢者の外来の限度額を参考として、所得に応じて設定をしています。

5 ページの下の表を御覧ください。それぞれの階層区分ごとに新規認定者については、自己負担限度額を 8,000 円、 1 2,000 円、 4 4,400 円としており、 70 歳以上の高額療養費制度を基にしたものです。また、高額療養費制度では外来と入院で自己負担限度額が分かれておりますが、これは、症状が変動し入退院を繰り返す等の難病の特性に配慮して、外来と入院の区別は設定しないと考えています。それから、これまでは医療機関ごとに自己負担限度額をそれぞれ確認していましたが、新たな制度においては、受診した複数の医療機関等の自己負担を全て合算した上で自己負担限度額を適用すると考えています。なお、この自己負担については、薬局での保険調剤、医療保険における訪問看護ステーションが行う訪問看護を含めて合算すると考えています。

 助成の対象は、症状の程度が一定以上の者ということですが、症状の程度がこれに該当しない軽症の方の場合であっても、高額な医療で軽症を維持されているような場合には、医療費助成の対象に含めることと考えています。それから、先ほど申し上げたとおり、既認定者の取扱いについては、別途検討ということで整理をしていますが、その取扱いについては、低所得者に配慮しつつ検討することと考えています。

 下の表の一番下の右側ですが、経過措置は前回の委員会の中でも、余り長くならないほうがよいという御意見もありましたので、概ね 3 年間ということでこの資料に書いております。なお、現在医療保険の高額療養費制度については見直しが行われており、その検討状況も考慮して変更することもあり得るということです。それ以降は参考資料に幾つか新しいものを付けています。

12 ページです。現行の難病の医療費助成の対象となっている患者の年齢階層別割合を示した表を掲載しています。現行の医療費助成の対象者、約 80 万人を 100 %とした場合の、年齢ごとの患者の割合をこの表の中で示しています。患者は年齢階層に関係なく、各年齢層に幅広く分布しているということですが、特定の疾患においては、例えばパーキンソン病関連疾患の方などは高齢者が多いなどの特徴があるものもございます。

13 ページです。難病患者の 1 月当たりの医療費負担額の分布を示した表を付けております。こちらは現行の医療費助成の対象となっている難病患者が、仮に医療費助成を受けないと仮定した場合に、医療機関の窓口で一月に支払う自己負担額がどれぐらいかというものを示したものです。表の区分は、新制度で参考とした、 70 歳以上の高額療養費制度に係る外来の負担上限額を 8,000 円、 1 2,000 円、 4 4,400 円と記載しております。これも参考までに付けているものです。

14 ページです。世帯単位で今回の新しい制度をさせていただこうと考え方を整理していますが、その関係で医療保険における世帯の取扱いについて示しております。医療保険では、加入している保険ごとに世帯が分かれることになっておりまして、そのため住民票上の同居を前提とした世帯とは考え方が異なります。例として下のほうに図を挙げていますが、例えばお父様が自営業で国民健康保険に加入されている。共働きで会社勤めのお母様が被用者保険に加入していて、それを子どもが付与していると。それから、その祖父が後期高齢者医療制度に加入している場合には、住民票上の「世帯」とはこれらの方が同居している場合に、 1 世帯と考えられるわけですが、医療保険の場合には、図のとおり、それぞれの保険に入っている方が、それぞれ別の世帯と考えられるとなっています。所得の把握についても、これを踏まえて行われると考えています。

15 ページです。今回、もう 1 つの点として、以前にも論点とさせていただきましたが、介護保険の取扱いについて御議論をお願いしたいと思っています。介護保険における医療系サービスですが、 15 ページの表にお示ししたとおり、現行では医療費助成の対象とされております。例えば訪問看護については全額公費負担で、訪問リハビリテーションや居宅療養管理指導、介護療養施設サービスなどは、医療機関ごとに自己負担限度額を適用しているというような状況です。介護保険における医療系サービスは、医療保険ではなくて、介護保険として行われており、要介護状態等の軽減であるとか、悪化の防止といった、介護保険の趣旨を含んでいるものと考えられる一方で、難病の医療費助成自体が純粋にその病気に対する医療を扱うべきではないかということも考えられます。一般の高齢者については、医療費について通常の自己負担をされながら、介護保険サービスの 1 割についても同時に負担されていることもありますので、介護保険の 1 割についても高齢者の方に負担していただいていることを加味しますと、やはり難病患者にとっても介護保険の規定どおり、サービスの 1 割について負担していただくということで、考え方を整理しております。

16 ページは参考にお付けしているもので、現行の難病に係る医療費助成の受給者における介護保険サービスの利用状況について、それぞれサービスごとに件数をお出ししているものです。 37 府県分ということで、出し方としては、受給者 1 1,000 人当たりの年間の利用延件数で出しております。

17 ページは、現行の難病に係る医療費助成の受給者における介護保険サービスの利用状況について、年間の公費負担の額をサービスごとに掲載をしています。なお、右下のほうに参考までに、現行の医療費助成の総事業費約 1,190 億円のうち、介護保険分は約 9.8 億円となっております。それぞれのサービスごとに状況を書いております。資料の説明は以上です。

○金澤委員長 今まで余り議論になっていないことも出てきましたけれども、取りあえず医療費助成の仕組みについての、現時点での事務局からの提案です。これは事務局が考えたというよりも、むしろ皆さん方からの御意見を集約してまとめてきたと考えていただきたいと思います。これに、かなりきちっとしたコメントをしないといけません。事務局として、 4 ページを参考にして、 5 ページを提示してこられました。 5 ページに関してはこれでいいかどうかということの御議論をまずいただきたいと思いますがどうですか。

○伊藤委員 せっかくここまでいろいろ議論を積み重ねてきて、法制化に向けて前へ進めたいと思っております。多くの患者や、患者団体も法制化に向けて、財源が安定的になって、難病対策が拡大されることは本当に期待していると思うのです。そういう中で、たくさんの難病を中に取り入れることについては、そのことのために多少自己負担が大きくなっても、それはやむを得ないというつもりでおりましたが、余りにも負担増が大きくなると、その流れが足止めされてしまう、大きな困難になるのではないかと思いますので、何点かについて意見を述べておきます。

1 つは、自己負担の額です。 5 ページにあるように、市町村民税非課税が 8,000 円という案になっています。今まで、この部分が非常に低かった、あるいはほとんどなかったと考えていいと思うのです。これが、いきなり毎月 8,000 円という額がいいのかどうか。それから、 5 ページの階層区分の4にしても、年収 370 万円クラスの人で毎月 4 4,400 円というのは、果たして生活に対する影響としてどんな状況が想像されるかということも考えなければならないと思います。

 ここでいうのは、純粋に医療費についてのことだけになっておりますけれども、 3 ページの下にあるように、入院時の標準的な食事・療養費、生活・医療にかかる負担は患者負担になるということがずっと話し合われてきました。そこのことも併せると、そこの負担も増えたほかに、更に毎月の金額が増えると。今までは、生計中心者が 2 分の 1 ということもあったのですが、それはなくなるとしても、今度はそういうことも勘案されず、 8,000 円とか 4 4,400 円という額になるということはかなり負担が大きくなることを意味しているのではないかと思います。そういうことで、これは多くの患者さんや家族にとって耐えられる額なのかということを考えなければならないと思います。

 ちなみに 11 ページには、自立支援法の利用者負担の基本的な枠組みが載っています。ここでいう低所得者は、市町村民税非課税で 2,500 円です。低所得者の 2 でも 5,000 円です。そこが、特定疾患に関しては 8,000 円という額が出ているというのは信じられない思いです。

13 ページは、自己負担のある方々で、これは特定疾患を受けていないと仮定した場合ということなのですが、 8,000 円までの自己負担の人が 26.1 %、 70 歳未満が 25.0 %、合わせて 51.1 %とすると、この自己負担の限度額を 8,000 円までとすると、そういう患者さんの半分はこの医療費助成の対象にならないということを意味するわけで、それもいかがなものかと思います。

 また、年収 370 万円程度で 4 4,400 円の負担となると 10.4 %の方のうち、相当高額な所得の方もいるのでしょうから、 10.4 %そのものでないにしても、多くの方がこの対象になることも考えられます。

15 ページでは、介護保険法の規程による医療系サービスということで、ここの、その他の患者負担の仕組みについて読み方がよく分からないので、これは質問も入ります。これをもし現行の医療費助成における取扱いを丸々やめてしまうことになると、 17 ページにあるように、訪問看護、介護療養型の医療施設サービスというのは大変利用者が多いわけです。この方々は非常に重度な方ということが考えられるわけですけれども、その方々に対して、更に負担が大きくなるということがありますので、どうかそのようなこと全体を併せた上での負担を検討していただきたいと思います。

○金澤委員長 介護保険については、また改めて別個に議論しましょう。これは、ある意味では初めての議論ですから。前半のことに関して、患者さんたちの代弁をしてくださったのだと思いますが、今までの議論との整合性、その他を含めていかがでしょうか。

○本間委員 あせび会の本間です。伊藤委員の質問とも関連するのですが、私から事務局に伺いたいのは、これまでほとんど負担のなかった住民税非課税の対象者は上限 8,000 円ということですが、この 8,000 円とした計算根拠みたいなものがあったらお示しくださいというのが 1 点です。

 それから、この区分は今までは 7 つあったのを 4 つにくくり直したという点では分かりやすいと思うのです。この年収の目安として 370 万円で分けたと。この 370 万円の計算上の根拠があれば大雑把でいいのですが教えていただけますか。

 意見としては、住民税非課税の場合は上限 8,000 円という部分は、年間で 140 150 万円ぐらいのレベルだと思います。そうすると、世帯としては月に 12 13 万円ぐらいの家庭だと思うのです。家庭によっていろいろ事情は違うのでしょうけれども、 12 13 万円ぐらいの家庭で、上限 8,000 円というと、今まで既に認定されている方はほとんど負担がないのに、新規の方は上限 8,000 円というと、全員が 8,000 円でないにしてもちょっと負担感が多いのではないか。それだったら、むしろ 370 万円以上の、例えば年間 600 万円とか 1,000 万円というところをもう少し上げてもいいのかなというバランスの問題なのですが、そのように私は思います。これは意見ですけれども、今申し上げた 2 点について説明できれば教えてください。

○金澤委員長 今の根拠について説明してください。

○小澤疾病対策課長補佐 本間委員からの御質問についてお答えさせていただきます。 10 ページを御覧ください。先達ての委員会から、我々としての考え方として申し上げさせていただいていることは、今回、難病患者さんは医療需要が高いということ、それから病気がちであったり、長期療養が必要であるということが、高齢者と少し共通する部分があるのではないか。高齢者も医療保険高額療養費制度の中で配慮されている部分もあります。そういう所を含め、高齢者の医療保険制度の患者負担を参考にしてみてはどうかということで考えさせていただいているのが基本的なところです。

10 ページで、この制度が高額療養費の制度ですけれども、下のほうが 70 歳以上になっています。真ん中から右側の表に、外来 ( 個人ごと ) となっている所があります。そこに 8,000 円、 1 2,000 円、 4 4,400 円と金額が書かれていると思いますが、これを参考にしています。それから階層のほうも、こちらの 3 区分を参考に設定したというのが根拠になっています。

 もちろん、こういう整理をしていながら、先ほど来申し上げている難病の特性ということもあるかと思いますので、これを踏まえて御意見を頂ければということで用意したものです。

○金澤委員長 どうぞ、建設的な御意見をお願いいたします。

○駒村委員  2 つほど情報を頂きたいことがあります。あとはコメントというか質問です。先日出されたプログラム法の中で、難病のことが規定されているのではないかと思います。その中で助成についてこういう考え方だ、ということが触れられているかどうかというのが 1 点です。

2 点目は、 5 ページの一番下の※に書いてある、高額療養費の検討状況で 3 つぐらい案が出てきていると思うのです。どういう可能性があって、それを踏まえてというのは、そちらがどうなると、こちらにどのように影響を与えてくるのか。こちらの議論が先に進んでいると、それはどのように影響を受けてくるのか、この解説では分からないのでそこの説明をしてください。

 あとはコメントというか議論になるわけですが、 5 ページの表の絵というのは、ステップの数を幾つにするのか、一個一個のステップの幅をどうするのか、金額をどうするのかという要素があります。所得とともに緩やかに増えていくのか、全く水平というか直角的に増えていくのか、それともドライブをかけて増やしていくのか、いろいろな考え方があると思うのです。現行案だと S 字というのか、やや上がり始めて、しばらくフラットなのだけれども、また急にドライブがかかるような感じになっています。

 第4段階が 4 4,400 円ということですけれども、 10 ページの一番上で高額療養費制度の現行制度の現役所得並みの所で、例えば標準報酬月額 28 万円の方が 4 4,400 円ということに今はなっています。標準報酬月額が約 30 万円ということだと、ボーナスを含めると 1.8 倍ぐらいにすると 540 万円相当の方のような感じがするのです。この方たちと、 370 万円以上の方の負担が一緒になるというのは、そのバランスがどうかという疑問が起きました。その辺の解説をお願いいたします。

○金澤委員長 最初の御質問からお願いします。

○小澤疾病対策課長補佐 プログラム法案に関してどういう記載があるのかという話で、駒村先生から御質問を頂きました。プログラム法案の中では、医療費助成の関係に関して記載があります。公平かつ安定的な制度にするようにということで法的な位置付けをして、社会保障の給付として行うべきだということ。それから、対象疾患について拡大をするようにと書かれています。それから、認定基準の見直しをするようにということ、他制度との均衡を図って自己負担の見直しをするようにということが項目として挙がっています。プログラム法案に関しては以上です。

○金澤委員長 医療保険における高額療養費と、……個人の見直しについてはいかがですか。

○田原疾病対策課長 医療保険における高額療養費の見直しに関する検討状況については、今、保険局で議論されていて、そこでは幾つか案が示されております。 70 歳以上の所についても変わらないという案と、変わるという案が出されています。 70 歳未満については、幾つか所得区分を設けて額を変えるという案が出されております。そういう所の議論も踏まえて、ここの額や階層区分についても検討はしていきたいと思っております。直接それが直ちに反映する形になるのか、あるいはここでの御議論を踏まえて、更にそういう所についても検討をすることになるのではないかと思っております。

 所得階層が急激に増えているのではないかという御指摘を頂きましたけれども、そういう点について御議論していただければ、それを踏まえて我々の方でも少し検討を進めたいと思っております。以上です。

○金澤委員長 そのとおりだと思うのです。 1 つの案を出したわけですから、伊藤さんにしても、本間さんにしても、駒村さんにしても御意見を頂戴しているわけですから、それをいかに最終案にまで持っていくかというのが大事なので、意見を言っていただかないといけないのです。

○葛原委員 私も似たような意見なのですが、 5 ページにある階層区分の4で、 370 万円以上とあります。 2 年ぐらい前に、老健局でやっていた介護保険の見直しのときにも似たような金額が出ていました。その時にいろいろな説明を聞いていて思ったのですが、高齢者の高額所得者という話がよく出ていて、どのぐらいかと思ったら 330 万〜 340 万円ぐらいが高齢者の高額所得者という定義になっているのだそうです。

 収入が少ない場合は非課税だけではなくて、健康保険料とか、介護保険料とか、いろいろな所で自己負担がないとか、非常に負担額が少ないなどの優遇処置が受けられるのに対して、 330 万〜 340 万円を超えると、税や社会保険料だけでなくいろいろな自己負担分を全部取られるようになるという話がありましたが、これも似たような印象を受けるのです。例えば、年収が 370 万円を超えた場合は、自己負担上限が 1 2,000 4 4,400 円とかになり、それ以外にも医療保険料、介護保険料とかありますので、いろいろ他のことも含めて、先ほどの説明図の S 字カーブのように急勾配で負担が上がる方式は門外があると思います。むしろ、年収が低いほうは余り細かく分けるのではなくて、高い所のほうをもうちょっと細かく分けて負担する形にしたほうが、実際の生活の困難度を救う点では意味があるのではないかと思います。

 それから、無料かどうかということに関して現場のほうから言うと、自己負担をゼロにすると、使うほうも、提供するほうも非常に頭を使わなくなります。ゼロというのはやめて、一定の負担をしてもらう方が、効率を考えて実践する制度になると思います。やはり、工夫して税金を大事に使って一番効果的な医療を実施する上で、無料というのは安易な消費を助長する可能性のある制度だと思うのです。それに関しては、ほんの少額でもいいと思います。まとめると、負担額を少なくするということと、所得に関してはもう少し上のほうを細かく分けたほうがいいというのが私の考え方です。

○金澤委員長 うなずいている方が多いのですが、伊藤さんお願いします。

○伊藤委員 意見としてですけれども、生活保護は生活保護費で出すわけですから、ここでのゼロというのはやむを得ないのだと思うのです。その他に今度は食事代が自己負担になってくるという問題もありますので、全くゼロということはないと思っていいのだと思うのです。問題は、市町村税非課税世帯がいきなり 8,000 円に上がる。非課税世帯で 8,000 円というのは、例えば 12 か月同じように負担するとすれば約 10 万円のお金を非課税世帯の中で払わなければならない。これは純粋な医療費だけですよ、その他に食事代だとか様々な負担があるわけですから、これはかなりの負担になります。少なくとも、これは他の制度と比較しても、障害者自立支援法の低所得者の額まで行くのは当然なのではないか。更にそれよりも低くなればよいという感じです。

 葛原先生その他の方がおっしゃられたように、 370 万円がここでいくと中所得ではなくて高所得になるわけですけれども、それはいかにも非現実的で、しかも 1 2,000 円からいきなり 4 4,400 円ですから。ここは、例えば 370 万円の層の上にもう 1 つ階層を設けて、そこが 4 4,400 円になるようにして、この 370 万円以降の人は 1 2,000 円から 4 4,400 円までの間の額を作るのが現実的ではないかという気がいたします。

 お金のことで余り我々が言うのは忸怩たるものがあるのですが、本来もっともっと負担は少ないほうがいいのですけれども、この制度を上手に作り上げていくために、考え方としてそういう考え方もありますということをお伝えしておきます。それで、その額でいいという話ではなく、しつこいようですけれども、できるだけ負担は少なくしていただきたいということの中で、もしも設けるとしたらそういう階層分解だろうと思います。

○金澤委員長 分かりました。

○福永副委員長 私も、葛原先生の意見にほぼ賛成です。階層区分を複雑化すると事務負担量のこともあったのかと思います。食費の負担に関してもよく現場で問題になることです。在宅の患者さんは食費を払っているわけですので、食費に関しては一定程度負担してもいいのではないかと思っています。

○金澤委員長 少なくともこの議論というのは、先回お認めいただきましたように、高額療養費制度における高齢者の制度を参考にということで案を出してもらったわけです。それに対して、今、大変建設的な御意見を頂戴しているわけです。

○春名委員 高齢者のものを参考にするということなのですが、難病の中には自立支援医療の HIV の療法であるとか、肝臓の免疫療法であるとか、ある一定の決まった治療を続けていることで維持されている場合もあるので、そういう方に対しては自立支援医療を参考にしたものなども少しバランスを取ったほうがいいのではないかと思います。

○金澤委員長 具体的に言ってください。

○春名委員  6 ページで、高齢者と自立支援医療との比較があります。自立支援医療というと、効果が決まった治療に関しての医療の助成だということなので、高齢者のほうがむしろ難病には近いだろうという提案だと思うのです。

○金澤委員長 そうです。

○春名委員 自立支援医療の中でも、 HIV の療法であるとか、抗免疫療法であるとか、この治療を続けていることで症状がずっと維持されているといったものに対しての助成もありますので、 11 ページにあるような自立支援医療の中でも、 HIV の療法などでは一定所得以上でも 2 万円が限度になっているということもあります。単純にいろいろな病気をひとまとめにして高齢者のほうが近いというだけではなくて、特定の病気については自立支援医療のほうに近いものがあるのではなかろうか。

○金澤委員長 その理論はちょっと難しいのではないでしょうか。高額療養費制度における高齢者のものを中心にしてやろうと。ただし、先生が言われたように 5 ページの上のほうの枠の上から 3 つ目の○があります。軽症の場合であっても、高額な医療を要する者を対象に含めようではないかということでカバーしたつもりなのです。

○伊藤委員 高齢者の医療なり、高額療養費を参考にというのは、この委員会の議論の中では比較的最近出たものだと私は承知しています。今年の 4 月から障害者総合支援法に入っていることも考えれば、私も春名さんの言うように、 11 ページにある障害者の医療との比較は非常に大事になってくるのではないのだろうかと。難病の患者さんでも、自立支援医療を使っている方、従来手帳を取得している方の率はそんなに低くないわけですから、その制度との連携・連動ということを考えると、ここでは障害者の医療のほうが既にこういう金額、しかも HIV 等も出されましたが、重度かつ継続というのは 2 万円が限度額になっています。それと比較すると、今までは難病医療のほうがすごく負担が少なくて不公平ではないかと言われていたのが、そうではなくて、これは圧倒的に障害者医療から比べても、難病のほうが高くなってしまうわけですから、これは論理的にも少しおかしい話ですので、参考にされるのならこちらのほうを参考にして検討されたらいかがでしょうか。

○田原疾病対策課長 事務局から申し上げます。自立支援医療の重度かつ継続のところの御負担を参考にという御意見だったかと思います。それについて御議論していただきたいと思うのです。その際に、今から申し上げるようなことも併せて御検討いただければと思います。 6 ページに比較の表があります。自立支援医療では、障害を除去・軽減するために確実な治療の効果が期待される医療に限るということで、対象となっている医療が、先ほどの例で言えば抗 HIV 療法だとか、抗免疫療法というふうに限定されております。

 今の特定疾患の治療研究事業では、そういう効果的な治療は余りないということと、それから、対症療法などの薬についても幅広く医療費助成の対象にしております。ですから、もし自立支援医療を参考にするということであれば、そういう対象となる医療も限定してやったほうがいいのかどうか、そういうことも併せて御議論いただければと思っております。

○金澤委員長 前のときに、そう理解したつもりなのですけれども。

○益子委員 宮前保健所の益子です。これを拝見すると、高齢で発症した方は、高齢者医療と難病医療と選べると。 75 歳以上だと 1 割負担なので、年齢によっては、今までは難病でやっていたけれども、高齢者に切り換えるということも起きてくるのかなと想像したのです。そうすると、患者さんの登録というところで問題はないのでしょうか。

○金澤委員長 答えてください。

○田原疾病対策課長 問題があるかどうかということではなくて、そういうことはもちろん考えられると思います。患者さんにとって、どちらを使ったほうがいいのだろうかと。それは、若い方でも、そういう選択がある場合もあるのではないかと思います。我々としては、そういう方たちをできるだけ幅広くカバーして、治療研究に役立てていきたいということがあります。そういうことが非常に支障になるのかどうかという点を御議論いただきたいのです。それで、自己負担の上限額を決める際の参考にしていただければと思っております。

○葛原委員 益子委員の、現状がどうなっているかということなのですが、今おっしゃったことは既に実行されております。 75 歳以上の後期高齢者は医療費の自己負担がない人が多いので、難病の手続を勧めてもしないという方が結構多いです。保健所へ行ったり、いろいろ面倒な手続きをしても、経済的メリットはないわけですから。しかも、地方自治体によっては、難病よりも高齢者のほうが手厚い場合もあります。高額所得者の場合は、高くても全部自分で払うという方もいます。もう 1 つは、生活保護の方はもともと医療費の自己負担がありませんので、難病の手続きはなさいません。現状は、もう既に今益子委員がおっしゃった対象者は、全部難病の手続から外れています。

 今おっしゃったような、あるいは課長がお答えになったような、難病の実態を反映させて、患者数や重症度が医学的に意味があるデータにするためには、前回議論になった登録制度というのが不可欠だと思います。医療費補助の対象になっていなくても、こういう状況の患者さんに協力していただいて、軽症の方、重症の方、あるいは補助金に関しては受給していない方も全部含めて、病名としての登録をしていただく必要がありますから、そのおうあな啓発活動をむしろ一緒にやったほうがいいのではないかと思っています。

○駒村委員 高齢者の高額療養費と比較するときに、考えておかなければいけない点が 1 つあります。 12 ページに年齢分布が出ています。これを見ても分かるように、現役の方がある程度います。高齢者は扶養家族というのでしょうか、子供が独立しているケースが多いわけです。現役世代のところは、当然可能性としては扶養している子供がいたりするわけです。その辺の資質の構造の違いも少し考慮しておかないと、実質的な負担能力の部分では単純比較はできないのではないかと思います。

○伊藤委員 駒村委員がおっしゃったことは私も言おうと思っていました。高齢者の所得だけではなくて、資質の構造というものと現役世代とでは違いますので、そこでもいろいろ検討しなければなりません。

6 ページにあるように、自立支援医療と高齢者の医療保険における高額療養費制度についての比較ですが、目的でいえば高齢者のほうは家計に対する医療費の自己負担が過剰なものにならないようにということがあります。それから言えば、これは過剰だと言わざるを得ないわけですから、むしろその辺りでは自立支援医療のほうが現実に即しているかと思います。

 今の特定疾患の医療費でも、その疾病本来の治療に関するものしか対象にならなくて、周辺の医療だとか、歩行が不自由なために転倒して怪我をした場合の医療は対象にならないとされています。実際の現場ではそういうのも対象にしていることが多いわけです。それから見ても、ここにあるような身体の障害を除去・軽減するためというのであれば難病も同じように、難病の症状を除去・軽減するためということであれば全く同じなわけですから、そこのところは違いというよりも、対応の仕方なのではないのだろうかと思います。

 先ほど言いましたように、重度かつ継続というのは、全般的な医療をほとんど含めていると考えてもいいと、現場では現実的にそう思います。丸々この制度にせいということではなくて、参考にするならこちらのほうではないかということで意見を述べておきます。

○金澤委員長 御意見として伺っておきます。これは法制化が控えておりますので、かなりきちんとしたことをやらなければいけないのです。少なくとも本日の御意見を伺っていると、 5 ページの案というのは、骨格としては伊藤さんの意見のように問題を提起される方もあるけれども、しかし全般的な治療をということであれば、今ある治療をやるということになれば、高齢者のものをベースにしてやったときの案としてあるけれども、しかし、これにはちょっと疑問があるという御意見でした。これにもうちょっとグレードを付けるとか、段階を付けるとかいろいろ御意見がありました。その辺を踏まえて、もう一度きちっとした形で次回出てくるだろうと思います。

 本日議論していただきたいものがもう 1 つあります。 15 ページの介護のことなのです。この介護のことはほとんど議論していなかったので、是非御意見を頂きたいのです。何を言いたいかというと、 16 ページ、 17 ページでお分かりのように、あるいは 15 ページにも一部入っていますが、介護療養施設サービスです。これは、実際上は入院みたいなもので住んでいるわけです。 16 ページで御覧のように、こういう所の数は少ないのです。数は少ないのだけれども、 17 ページでお分かりのようにお金はかかっているのです。こういうものを今後はどうするのか。これについては、是非御意見を頂きたいのです。

○本田 ( ) 委員 訪問看護の観点から見ると、今のところは難病のほうで訪問看護は全額負担ということで、介護保険の高齢者だとか、あと 16 疾病の中に入っている人たちの場合にはただでいけるということなので、ケアマネージメントをやっていく上でそれは外してもらえるので、うまくやってもらっています。それが、介護保険でやれということになると、お金のかかるところをどうしてもその中でやっていかなければいけないことになると外されてしまうことが多いわけです。

 今までも、訪問看護に関してはお金がかかるので、それよりヘルパーにしようというようなことで、実質医療的なところの管理が必要な場合に、そこを外してしまって危険な状態になったり、十分なケアが受けられないというようなことがあって、やはりその辺りでは在宅療養を継続する上で、是非この辺りのことを考えていただきたいと思います。

○伊藤委員 本田委員も言われましたように、我々の体験でも、せっかくケアマネのほうから訪問看護と、あるいは訪問リハビリというオーダーが出ても、患者さんのお宅に行くと、病院に入っているときと違って在宅だと直にお金が出ていくということで実感するわけです。そのお金を払うという話になると、せっかくそこまで話を詰めていても、そこで断られるケースがかなりあります。

 これは、今後在宅に医療をシフトしていこうとするのであれば大変大事な問題になります。しかも、これらを使う方々は重度な方です。それから、委員長がおっしゃったように、介護療養型の医療施設サービスを使っている方々は、ほとんどが病院にいなければ困るというような方々なわけですので、そこを外してしまうと。総額で 9.8 億円なのですが、この 9.8 億円が今後はもう少し増えていくと思いますが、これを外してしまって、最も重篤な方々、在宅療養で頑張っている方々をここから外してしまうというのは問題があると思うので、この制度は是非残してほしいということで意見を述べておきます。

○金澤委員長 介護のほうの検討をなさった福永さんはいかがですか。

○福永副委員長 特に神経難病の ALS など在宅でやっている人などが多く含まれるかと思います。そうなってくると、訪問看護に関しては現在は全額公費負担なのが、 1 割負担となると厳しい状況になるかもしれません。そういう意味では伊藤委員が言われたようなことを考慮する必要があるのではないかと思います。今後、入院している患者さんが在宅にシフトしていく状況を考えたときには、訪問看護が主体となりますのでそこが 1 割負担となると在宅での療養を継続するのが難しくなるような気もします。

○本田 ( ) 委員 不勉強で恐縮なのですが、介護療養型医療施設サービス、要するに介護型の療養病床に入っている方と、医療型の療養病床に入っている方というのは、難病の場合ではすごい違いがあったりするのですか。

○金澤委員長 どうですか。

○田原疾病対策課長 どちらかというと、事務局というよりは実際の現場のほうがよろしいのではないかと思います。

○金澤委員長 そうか、そのほうがいいですね。伊藤さんいかがですか

○伊藤委員 一見全然区別が付きません。実際には難しいと思います。そこの病院がどちらで申請をしているか、どの病院に入れるかということでかなり変わってくるので、患者がそこを選択しているというのは余り聞いたことがないです。丸々介護保険の分野だったり、医療保険の対象だったりします。丸々介護保険だと、この特定疾患の助成は利かないわけですけれども、医療保険のほうを使っているとこの助成が利きます。訪問看護も、医療系のサービスだと、もう 1 人の本田委員がおっしゃったように、いろいろ特定疾患が利きますけれども、丸々介護保険だとこれは対象にならないです。

 この区別が現場ではなかなか混乱していてよく分からないというのが本音です。しかし、本当に訪問看護ということになってくると、もっとはっきりしてくるかもしれません。施設のほうは病院の中で、ここの病棟が介護療養型医療施設サービスの対象で、こっちがそうでないというのは書いてないので分からないのですけれども、実際に病院の中では区別して回したりはしているようです。

○金澤委員長 葛原先生は何かありますか。大体似たようなことですか。

○葛原委員 大体そんなところだと思います。

○金澤委員長 これはどうなのでしょうか。現実にこれを今までどおりということも考えられるし、これは別個なのだということもないわけではないのだけれども、 1 つは混乱を避けたいのです。それと、路頭に迷ってほしくないのです。今はほんの一部しか来られていないけれども、ここにドーッと押し寄せてくるのも大変なことだし、その辺を全部勘案したときにどういう方式がいいのか。

○本田 ( ) 委員 今のお話を聞いていて、現実問題として、私は不勉強なのですけれども、療養病床の仕組みの制度が今はそういう形で、その制度自体が現実これでいいのかという問題がその前にあります。その上で介護だけ同じように払ってもらうというのは、患者さん側にしてみればどうなのだろうというのは感じています。

 先ほどの医療費の部分で意見はできなかったのですけれども、額がこのままでいいのかどうかという問題はあるかもしれませんが、これまで現役の方で、全然難病指定に入らなかった人にとってはすごく負担軽減になります。ただ、 370 万円以上で 4 4,400 円という部分は、現役の人で扶養して子育てされている方にしてみればちょっと厳しいのかなと。もう少し細分化してもいいのかなという気持ちもあります。今回は医療のほうである程度、他の制度の方々とそう変わらない、自立支援との関係とかありますけれども、その中で負担増になることは、これまでに比べたら割と確実な部分もあると思います。制度上の混乱の上で、更にその部分だけ払ってもらうというのはなかなか厳しいのかなという気持ちもちょっと感じました。

○伊藤委員 そういうこともあるのですけれども、医療施設サービスの部分と、訪問看護のことも実際には一緒に議論はできないことで、在宅になっていく。家族も大変な中で、訪問介護だけではなくて、訪問看護とか、もう 1 つ大事になってくる訪問リハビリテーションというものをきっちりと位置付けていくことも、今後、難病患者の医療の継続の上では非常に大事になってきます。このもっと上の段階での制度の混乱というのがあるにしても、今この制度がある以上、そこはきちんと対象にしてやっていっていただきたいと。多分、患者と家族は大方みんなそういう意見だと思います。

○葛原委員 今、介護保険の話が出ていますけれども、 12 ページの年齢分布の折れ線グラフを見ると、疾患が比較的若い方と高齢の方でわかれています。パーキンソン関連疾患とか、主に神経関係の病気は比較的高齢の方が多いことが分かります。パーキンソン病自体は有効な薬がありますが、それ以外のものはなかなか効果的な治療法がないのが実情です。それから、年齢が若いほうにある潰瘍性大腸炎とか、全身性エリトマトーデス、クローン病は最近はかなり良い薬が開発されているので、高額ではあるけれども薬をきちっと飲んでいれば、会社勤めなど社会的に活動できている方もたくさんいらっしゃいます。

 そういう形で、医療費とか介護費といっても、どちらに重点があるかは病気とか年齢によって非常に違うだろうと思うのです。そういう点で言うと、左側の若い方の難病はかなり高額の医療費がかかるわけですが、段階を定めてそれなりの負担はするということになっているわけですから、介護のほうも全くゼロというのではなくて、かなり手厚い援助はしながらも、医療費と同じような段階をつけた負担はある程度やむを得ないかもしれません。ただし大幅に公費負担分を増やす形を考えたらいかがかと考えます。それは、実際の患者さんを見ていると、特に ALS とかパーキンソン関連疾患とか高齢の難病のように、手厚い介護が必要な疾患があるからです。

○金澤委員長 今の点が考慮されると、無制限にドーッと増えていくということは少し制限されるといいますか、自然な、リーズナブルなところに落ち着くのかもしれません。いろいろな御意見があろうかと思いますが、まだやることがあるのでこのぐらいにさせていただいて、次の話題に移ります。

 資料 2 を御覧いただきながら、「効果的な治療方法の開発と医療の質の向上について」ということは、どこかでやったなという御記憶もあるかもしれません。前は時間が足りなくて十分な議論ができなかったということのほかに、資料も前回から変わった所があるそうなので、事務局から説明をお願いいたします。

○西嶋疾病対策課長補佐 前回の難病対策委員会で少し御説明して、御議論をいただきました。その議論の御意見を踏まえて、一部修正をしておりますので、その修正箇所を中心に、簡単に御説明させていただきます。

2 ページのシェーマ自体は、特段変更しておりません。 3 ページの難病患者のデータ登録の位置付けについて、前回の資料では 5 ページの論点に、それと一緒に書いていたのですけれども、非常に分かりにくいという御指摘もありましたので、別途 1 つの論点を立ち上げて、その位置付けについて、どのように考えるかということで整理をしております。内容については特段、前回の資料に変更はありません。

4 ページは、難病指定の役割をどのように考えるかです。新規の場合と更新の場合をどのようにするかということで、更新について、幾つか委員から御意見を頂いておりますので、修正しております。●の 4 つ目です。医療受給者証 ( 仮称 ) の更新を申請する際に添付する新・臨床調査個人票[更新]については、難病指定医若しくは、難病指定医と連携したかかりつけ医等が発行することとしてはどうかということです。前回の資料では、かかりつけ医でいいのではないかとしておりましたが、難病指定医が関わるべきだという御意見がありましたので、このように修正しております。

5 ページです。難病患者の医療従事者への対策については、先ほども少し御議論がありましたが、対象疾患に罹患して医療従事者の対象にならない患者のデータの収集を、どのようにするかということがありました。●の 2 つ目にありますように、そういった方に関しては、当該疾患に罹患している証明書を難病指定医が発行することとしてはどうかということで、前回、資料として提案をさせていただいております。その証明書について、少し分かりにくいという御意見が幾つかあったかと思いますので、● 2 つを追加しております。

1 つ目は、その証明書については単に診断書という性格にとどまらず、難病患者の不安を軽減することなどを目的として、適切な情報を提供できるようなものとしてはどうかと。具体的には診断名に加え、医療助成制度の概要、あるいは軽症のうちから活用できる制度の説明、保健所、難病相談・支援センター及び難病情報センター等で得られるサービスの概要とその連絡先等を記載してはどうかということで、その証明書がどういうものであるかを、少し具体的に追記しております。

6 ページは、希少な疾患の診断のための医療提供体制です。おおむね変更はありませんが、「新・難病医療拠点病院 ( 領域型 ) 」について、前回は記述がありませんでしたので、●の 2 つ目に追記しております。

 それ以降の難病医療支援ネットワークの御議論とか、 8 ページの日常診療体制がどうあるべきかというところについては、特段変更はありません。また、難病研究の中身についても、特段の変更はしておりませんが、 13 ページと 14 ページのシェーマは、非常に小さい字で 1 枚にまとめて、非常に分かりづらかったかと存じますので、 2 枚にして、もう少し分かりやすく説明を書かせていただいております。 13 ページには新規治療薬の開発ということで、具体例を幾つかお示しし、それが遺伝子診断、あるいは患者のデータベースとも連携してやるということです。 14 ページでは、厚生労働省の未承認薬・適応外薬検討会議と、それに付随する薬価の加算も、少し分かりやすく記載いたしました。

○金澤委員長 私から質問があります。 5 ページの軽症の方々の証明書についてです。これはどこが発行すると書いてあるのですか。発行主体はどこですか。

○西嶋疾病対策課長補佐 委員会で議論をしていただきたいのですが、ここでは難病指定医が発行するというように書いています。前回、少し御議論があったかもしれませんが、この証明書を発行する患者については、都道府県の認定審査会を通っておりません。単にデータ登録をするのみですので、そのデータ登録をシステム上した際に、そこから印刷してデータの登録が完了すると。例えば、その患者がそういった難病患者だということを、病名とともにプリントアウトできるようなシステムができないか検討できると思います。

○金澤委員長 データとしての保存は、保健科学院でということですか。

○西嶋疾病対策課長補佐 そうです。データはシステム上管理をして、データをいただきましたという証明です。

○金澤委員長 そういうことだそうです。今説明のあった所で、何かございますか。

○伊藤委員 この証明書は大変いいと思うのですが、幾つか問題点があります。 1 つは、特定疾患の制度が受給者証に、登録者証に、証明書というように 3 つも発行する仕組みというのは、ちょっと無駄ではないでしょうか。登録者証というのは、従来重度だった方が軽度になった場合に、すぐにまた元の医療に戻れるようにという意味程度しかないわけです。しかしこの証明書は、これがあると軽症患者でも研究への資料提供という意味では、大きな役割を果たすわけです。それと同時に、何の役にも立たなかったら協力しないわけですから、これが例えば総合支援法のように、福祉とか様々なものにも利用できることになれば、診断を受けて、しかも専門医とつながって制度利用にもなれば、大変有効な方法だと思うのです。

 では、登録者証とどう違うのかというと、違いは余りないわけです。従来から言っているように、登録者証とこれとを一緒にしてしまうと、もっと有効に使えるのではないでしょうか。しかも、今の疾病対策課の説明ですと、発行としては審査会を経ていないわけですから、データとして蓄積されているものが戻ってきたら、主治医と言いますか、いちいち役所から発行してもらわなくても、指定医の所で発行できるわけです。その場でそれを登録者証と合わせた形で利用できるものにすると、各医師の負担も減るし、無駄なこともしないで済むし、軽症患者が研究に協力するというインセンティブも、そこで高まるわけですから、ここのところをもう一工夫して、そういうものに高めてはいかがだろうかと思います。

 それと、今の説明では 2 ページで特段の変更はなかったというお話ですけれども、そうではなく、かかりつけ医というのをはっきりと図に描いていただいたというのは、患者にとって分かりやすいので、そのことも付け加えていただければと思いました。

○金澤委員長 最初の御意見に関してはどうですか。

○五十嵐委員 証明書のメリットというのが、患者側にとっては自分が新たに診断をする、あるいは証明書をもらうことによって自覚するということでは、意味は非常にあると思いますし、インセンティブという点でも、情報をいただいた側としては、もちろん非常に意味があると思うのです。しかし証明書をいただくとか、もらった患者にとって、本当の意味でのインセンティブが付くのかどうか。逆に言うと、現場のドクターがこういうことに協力していただくためには、やはりもう少し患者側にとって、何かインセンティブがないと、現場としてはやりたいけれども、面倒くさいからやらないということになりかねないのではないかというのが心配です。

○伊藤委員 言葉足らずでしたので追加します。今は福祉制度を使うとき、いちいち主治医に診断書を書いてもらわなければならないのです。それがこれで代用できれば、いちいち診断書を取りに行かなくてもいいし、診断書料も払わなくて済むし、先生も書かなくて済みますので、併せてそれもメリットではないかと考えました。

○益子委員 こういう証明書類は、病院で無料で発行してもらえるのでしょうか。普通は有料になるのでは。患者がこの証明書をもらうときには、ボランタリーで患者として登録してもらうわけですけれども、お金を払ってまで登録に協力するからには、それに対してのメリットというものが何かないと、インセンティブが落ちてしまうのではないかと思います。

○福永副委員長 正にそういう意見が出るかと思っていたのです。現場としては患者にとってもメリットがあって、書類を書く人にとっては文書料がなかなかもらいにくいかもしれませんけれども、それに類するようなものが必要になるのではないかと思います。年に 1 回更新するということになったわけですがこの証明書に関しては、そういう縛りがないわけです。例えばパーキンソン病などで 1 度や 2 度などたくさんの患者を診ている医師にとっては、この証明書まで発行するとなると、負担が大きいと思います。逆に言うと、この証明書に関しては更新のときに合わせなくてもいいわけです。更新がないのに証明書だけをもらいに患者が来てくれるかというとこれも難しい問題ですので、この辺はもう少しきちんと整理する必要があるかと思います。

○伊藤委員 総合支援法に基づく、様々な福祉サービスを受けるときの申請書に付ける診断書の代わりになる、何かの証明になる、あるいは今後、交通費の助成とか割引とか、民間でも様々な福祉サービスがあれば、その代わりになるぐらいのものというように考えていただければ、最初の申請のときにお金がかかるにしても、患者の福祉サービスの利用向上に、私は役に立つのではないかと思います。

○金澤委員長 臨床研究に御協力いただくということで、この制度の成り立ちがあるわけです。そういう中で軽症の方にも加わっていただかないと、疫学その他には不十分であるというところから、こういう話が出てきているわけです。具体的なことに関して、今のようないろいろな御意見を頂くわけですけれども、こうしたらいいのではないかという御意見を頂きたいのです。伊藤さんが言われるように、一旦卒業してまた入学してしまうことを考えた証明書と、この証明書との違いについては、現場の人たちはどう思われますか。

○伊藤委員 一旦軽くなって、また戻るかもしれないという方に、わざわざ登録書を発行するメリットを考えなければいけないと同時に、そのようなケースの人がどの程度いるのか。一旦良くなって、また悪くなってという度に受給者証と登録者書を変えるよりは、先生方は多分、経過を診ましょうということだと、多少良くなっても受給者証のままだと思うのです。はっきりと軽症になったのであれば、別に証明書と何ら変わりがないわけですから、そこで二重に使うよりは、ここで一緒のほうが無駄が省けることもあるのではないでしょうか。それから、初めから軽症の人も、ずっと軽症だという保証があるのか。やはりどこかで進行したり悪化したりということもあるわけですから、そこで登録者証と証明書を区別する必要はないのではないかということでの意見です。

○金澤委員長 どうでしょうか。

○葛原委員 イメージとして、ある病気を登録することと、医療費の助成のレベルと、証明書や診断書と、 3 つのものが別々に出るという形になるのですか。それとも登録と医療費助成の 2 つだけでいくのか。そちらはどうなのですか。

○西嶋疾病対策課長補佐 今までのこの委員会での議論だと、初めから軽症なうちはまず証明書で、医療助成になれば医療費受給者証、それで軽症になれば登録者証を発行するという形で、伊藤委員がおっしゃるように、今のところは 3 つの種類があるという形になっています。

○金澤委員長 一応そういう前提で議論はしています。

○葛原委員 現場で見ると、登録証が 1 つあって、もう 1 つは医療費の助成の対象になるレベルかどうかという重症度証明書の、その 2 つだけでいいような気がするのです。もう 1 つは益子委員の御質問のときに追加しましたけれども、高齢の方とか生活保護の方も含めて、登録しておいたほうがいいという方も、医療費助成に関係ないと実際に今は登録されていないわけですよね。そうしますと、患者数などいろいろな調査のときもそうですし、臨床治験でこういう患者さんが対象になるというときの情報も、もちろん行きません。また、保健所からいろいろな講演会とか健康教室などのお知らせが行くのも、登録している患者だけで、登録していらっしゃらない患者には行かないわけですよね。むしろ登録というのは 1 回良くなった人だけではなくて、できれば受診してはっきりそういう病気だと診断された方は登録していただき、その中で医療費助成になるかどうかというのは、今度は受給者証か何かでやっていただくという 2 つぐらいの書類でいいのではないかと思います。

○金澤委員長 確かに、さっと考えるとそういう感じですね。そこは余りじっくり考えていなかったような気がします。

○伊藤委員 もう 1 点言えば、例えば生活保護の人は今までは医療費がかからないということで、どういう病気であっても登録に結び付かなかったのです。こういう登録だけでもしてもらえれば、同じ病気で生活保護の人に対しても患者会の集まりとか、講演会とか、保健指導とか、様々なものにきちんと対象として把握されるわけです。そういう意味ではそういう方々にも役に立ちますので、そういうものとして証明書なり登録者証の一元化を考えていただければと思います。

○金澤委員長 今日は眞鍋君がいないけれども、そうすると、これをどこで把握するというか、やるかでしょうね。

○西嶋疾病対策課長補佐 登録者証について、これまでこの委員会でのここ 1 年ぐらいの議論の中で、登録者証にある程度のメリットを持たせるのであれば、今の軽快者証のように、一度発行したら無期限というのではなくて、例えば 5 年間といった一定の期間を設けるべきではないかという点についてもありました。また、最初から軽症な方にも登録者証をという話も、これまでにもありましたが、眞鍋委員から、なかなかそこまで都道府県の実務は回らないという御意見もあったと思っております。

○金澤委員長 自分たちでやるからというのでしょ。ですから、どこがやるかです。しかし登録はやはりやらないといけないと思いますよ。

○葛原委員 難病の研究事業の中で国際協力というのが出ていますが、希少難病登録はユーロ諸国やアメリカなどでは軽症例からやっているわけです。日本のように医療費補助の対象になるものだけを対象として、しかも助成金が絡んでいるために病気としての診断の正確さに関しては、かなり問題のある国は日本だけです。今後、医学的研究、新しい薬の開発、国際協力という点から見れば、軽症例から重症例まで、収入や助成金受給の有無に関係なく、希少難病と診断された患者は全部登録することが望ましい。それには国民の啓発も必要だと思うのです。経済的メリットがあればやるし、なければやらないというのでは、医療先進国として寂し過ぎる気がするのです。

○益子委員 この証明書が病院で登録されても、病院と役所は連携していませんから、役所では患者としては登録されたことにはならないので、保健所などがその患者に講演会等のお知らせを送ることができないのです。

○金澤委員長 どこにこのデータが行くのかというと、保健科学院に行くのであれば、そこから抽出することは不可能ではないと思うのです。違いますか。

○西嶋疾病対策課長補佐 先ほど伊藤委員からもありましたが、 2 ページのシェーマで、指定医あるいはかかりつけ医から矢印が下にあって紫の所、データを管理する機関に直接入力していただきます。これが医療費助成の患者のみならず、先ほどの証明書の対象の方も直接入力していただきます。そこに対して左側にある都道府県が、データを確認できるような仕組みにするように一応なっているので、都道府県が確認できるデータの範囲を医療助成の方のみにするのか、そうではなくて、証明書を発行した方も対象に確認できるようにするのか。そういうところを工夫すれば可能かと思います。

○千葉委員 私もこのデータの管理システムと言いますか、入力システムの検討については、関与してきたという経緯があります。このこともそうですし、この新しい難病の制度全体をうまくやるためには、この登録システムというのが必須で、それがないと今議論していること自体が、絵に描いた餅みたいになってしまう危険性があるわけです。そういう意味で是非、今議論になっている登録制度を何とかここに持ち込むことを推進すべきであると思います。そうしますと今お答えがあったように、そこはある程度クリアされるというか、工夫によってクリアされると思います。

 特に登録について言えば、私自身は 2 つのメリットがあると考えています。 1 つは今も議論になっていますように、研究と言いますか。やはり私ども専門家からしますと、軽症の方がどのぐらいおられるのかというのは極めて重要な情報ですし、その軽症な方が今後、どのようになっていくのかということも非常に重要な情報になります。そういう意味で軽症の方のデータは、非常に重要である。

 もう 1 つは、軽症の方の中にはそれから進行していく方が、結構いらっしゃいます。その方々を早期に把握しておくというのは、患者にとっても極めてメリットがある。我々の領域でよく経験するのは、例えばクローン病の患者の場合に、 10 年前とか 20 年前に痔の経験のある方が、 5 年とか 10 年たってからクローン病になってくるというケースが非常に多いわけです。その時点ではクローン病でないにしても、その予備群と言われる方が非常にいる。そういう方たちを早期から拾い上げておくというのは、患者にとっても極めてメリットがある。

 その場合によくあるのが、専門家でない方が診られた場合に「可能性がありますよ」と言って、それで放ったらかしになってしまって、「 10 年前に言われているのに、どうしてフォローしてこなかったのですか」と、専門家の立場で言うことがしばしばあるのです。そういうことを予防すると言いますか、防止する意味においても、早期の患者を何らかの形で把握しておくのは極めて重要です。そういう意味でも、登録制度というのは生かせると思います。ですからメリットがないということは全然ないと思うのです。そこら辺を啓発することは、患者にとっても非常に重要だと思います。

○金澤委員長 このシェーマを、少し変える必要があるかもしれませんね。

○本田 ( ) 委員 私もこの際、疾病としての登録をきっちりやっていくというのは、とても重要なことだと思います。がんのほうではずっと前から、がん登録をすることで正しいがん対策をということをずっと言っています。患者たちも別にがん登録をされたからといって、何のメリットもないのですけれども、新しい対策とか新しい治療法ということを、患者たちもみんな理解して応援していたという部分があります。難病の場合は研究治療の開発にもつながる可能性が十分あると思うので、そういう登録制度を作っていくという考え方にしておけばいいのではないかと感じました。

○福永副委員長 この 2 番目の図がもっとも重要になるわけです。要点は、データ管理がきちんとできるかということです。病院にはいろいろなパソコンがあると思いますけれども、例えば外来の忙しい時間帯に更新も含めて、データを管理する所とのやり取りを迅速にできるかどうかという不安を持つのです。その辺はいかがでしょうか。

○西嶋疾病対策課長補佐 例えば医療機関で使われている、電子カルテが入っているパソコンは、インターネット上にはつながっていないのが一般的だと思いますので、それとは別にインターネットがつながっているパソコンで、患者のデータを入力していただく必要が実務上あると思います。医療機関の方々、特に指定医の方々に対しては、そこをきちんと周知していかないといけないと思っています。

○金澤委員長 これには技術的な問題と、お金の問題も少し絡んでくると思うのです。しかしやらなくてはいけないということを、取りあえずは前面に考えませんか。

                                  ( 異議なし )

○金澤委員長 ありがとうございました。 2 ページの図を少し変える必要があるのかもしれませんね。左下の「認定審査会」の三角形の辺りは受給者証の話であって、今の登録証の話は「難病指定医・かかりつけ医」の枠と、「データ提供審査会」の真ん中の下の所との間のやり取りの話なのです。データの一部は、場合によっては都道府県のほうに行くかもしれないという感じが加わってくるように思いますので、これは少し手直しさせてください。

○大澤委員 この難病患者の登録というのは、非常に重要なことだと思うのですけれども、私の経験では、都道府県のある地域に住んでいらっしゃる方ですが、同地域は人口が少ないので申請を出すと、そこですぐに個人が同定されてしまうから絶対に助成は受けないと、長年おっしゃっていいました。そういう意味では都道府県ではなくて、中央に直接患者が登録する、申請するということも 1 つの方法かなと思います。

 今、実際にある病気で行われているのは、単一の疾患で遺伝子治療を目的にして、医師が調査票に記入するのを助けて、患者が自己申告である調査組織に登録するという形で、 1,300 ぐらい集まっているのです。遺伝子情報みたいなものを医師が第三者に申請するというか、報告するということは、プライバシーの管理の問題などがあるのですが、医師が助けながら患者が直接自己申告をして出していただければ問題ないということもあるので、それもサポートする 1 つの方法かなと思います。

 やはり一番重要なのが、 2 ページの図にある紫の部分と、その上にあるオレンジの部分です。「難病研究班、医療機関等」という所が中心になっているのと、紫の部分が中心になっていると思うのです。ここの管理をどうしていくかが非常に重要かと思います。

○本田 ( ) 委員 大澤先生がお話いただいているように、地域の患者の把握に関しては実質保健所の保健師が、難病対策ということで動いています。どこにどのような人がいてというのは保健師の活動の一部として、この情報をある程度都道府県のレベルで把握して活動していくところがあるのです。その辺りで受給者証の申請というのは、医療を受けるためだけではなく、いろいろな相談事業なども保健所でやっているという観点からも、地域の状況を把握するということです。保健所がやるといったら、かなり大変になるとは思うのですけれども、病気として診断されているかとか、困っているという生活上のことなども含めて把握できる窓口として、こういうものがどこかにあればいいかなと思います。

○大澤委員 私が申し上げたのは、自分の子供がそういう病気であることを地域の方に知られたくないから、申請はしない、お金もサポートも別に要らないという方もいらっしゃるということです。ですから、そういう方の気持ちをクリアして、なおかつ研究レベルとしてはある程度のデータを集めて、ほかの方たちへの今後のリザルトを還元していくという観点からは、そういう配慮、お金の問題ばかりでなくて、プライバシーを保ちたいという気持ちの患者もいらっしゃるというを認識する必要があるということです。

○伊藤委員 それは結構大事な問題です。ただ、それは申請のときの書類の中で、患者に選ばせることも可能ですから、例えばそういうお知らせがあってもいいかどうかと。今でも研究協力をするしないというのを書いているわけですから、その欄をきちんと充実させて書ければ、解決できる問題かと思いますし、個人情報については十分配慮願いたいと思います。

○金澤委員長 ただ医療受給者の中では、協力するしないというのはないと思いますよ。皆さんに協力していただかないと、受給者証をもらいながら協力しないというのは、私はないと思います。ですから登録のほうですよね。そこは是非お願いしたいと思います。ほかにどうですか。

○益子委員  2 ページの難病指定医についてです。難病は非常に多岐にわたっていますので、是非分野別にして、表を作っていただきたいのです。

○金澤委員長 これはそのつもりです。それぞれの病気の専門の指定医というつもりです。そうでしょ。

○西嶋疾病対策課長補佐 それぞれの学会の専門医をお持ちの方、あるいは研修を受けた方を難病指定医としています。要件としては、そういうように記載させていただいております。

○益子委員 そうですか。ズラズラと書いている中に、専門学会というのが入っているのですが。 4 ページです。

○金澤委員長 図が違うな。図の後ろのほうですね。図 7 ですね。

○益子委員  4 ページの「難病指定医 ( 仮称 ) は」と書いてある所です。 2 つ目のポツです。そこに専門学会というのも書いてあるのですけれども、日本医師会、研修受講者医師ということだと、専門性がどうなのかなということでお尋ねしたのです。

○金澤委員長 自分の専門以外のことをやろうというわけではないのです。自分の専門の難病のみというつもりですが、この文章では駄目ですか。どうでしょう。理解できるのではないでしょうか。医師会の方は大変かもしれないですよね。どういう患者が自分の所に来るか分からないから、たくさんの受講をしていただかなくてはいけないということになってしまうかもしれません。ほかにどうですか。

○本間委員 データ登録の件です。私が心配しているのは 2 ページの左下、「難病患者データ登録」です。これは今までの例で統計上出ましたけれども、都道府県によって相当バラ付きがあって、相当いい加減な県もあったのです。ですから、ここで止まらないように、都道府県段階できちんとデータ登録していただくというのは、どうやって担保してもらえるのでしょうか。

○西嶋疾病対策課長補佐 今まで都道府県は、臨床調査個人票の申請書をペーパーでいただいて、それを完全に一から全部打ち直して国に登録しないといけなかったので、登録の項目や業務量が非常に多かったのです。今回は医師から直接、データセンターに送っていただきますので、都道府県の業務は赤い矢印の所に書いてありますように、一部の認定結果と、一部の登録データのみを上書きで登録していただければいいという形になっています。そういう意味で、都道府県が入力すべき項目はかなり減少し、都道府県にとって過度な負担にならないようにして、データを入力していただくことを目指しています。

○金澤委員長 改めて 2 ページを見ているのです。「登録」という言葉が出てくるのは左下の右を向いた赤い矢印の下ですね。ここで言うと難病患者データの登録というのが、都道府県から保健科学院にということになっています。では登録はそれだけかというと、難病指定医から、縦の赤い矢印があります。これ自身入力は入力だけれども、実際は登録ですよね。

○西嶋疾病対策課長補佐 恐らく医師から入力いただいたデータに、都道府県の認定結果等を加えて、初めてそのデータが完結する。確定という意味で、都道府県がデータを登録するという形になります。

○金澤委員長 そういうことですか。分かりました。最後に全体を通して、ほかのことでもいいですよ。

○葛原委員 登録ということで言いますと、認定審査会というのは介護保険と一緒で、診断の正確さを見るのではなくて、医療費の補助の対象になるかどうかという審査になってしまいます。ですから「登録」という言葉と「医療費の補助」という言葉をどこでどうするかは、もう 1 回整理されたほうがいいのではないかという感じがします。というのは、先ほど千葉先生がおっしゃったような登録ですと、認定審査会の仕事は、病気の診断が正しいかどうかということではなくて、重症度の判定だろうと思うのです。軽症例や医療費補助には関係ない制度を利用している患者にしても、登録するのは現場の医師の仕事になるのではないかという気もしますので、証明書を 3 種類出すのか 2 種類出すのかも含めて、そこら辺はもう 1 回整理し直したほうが分かりやすいのではないですか。

○金澤委員長 そこは後で整理してください。

○千葉委員 追加します。こういうことを議論してきた中で、漏れがない形で考えていたのは縦の線です。つまり、医療機関から直接入力できるシステムを作って、それをそのまま入力していきましょうというのは、登録というか、患者がいることを見る上においては、それが一番いいだろうということだったと思うのです。

○金澤委員長 伊藤さんはほかにありませんか。

○伊藤委員  14 ページで詳しい説明がなかったので、伺っておきたいと思います。未承認薬や適応外薬についての取組を急いでほしいという要望が、患者団体からも患者からもたくさんあるわけです。この図を見ますと学会、患者団体、個人等から未承認薬・適応外薬に係る要望というのが発端になっています。学会というのは分かるのですけれども、患者団体や個人からも要望していいのかどうか。もしいいとすれば、どこにこの要望を出したらいいのか、どういう形で出したらいいかということも教えていただかないと。せっかく患者団体や個人も書いていただいているのですから、そこも教えていただきたいのです。

○西嶋疾病対策課長補佐 最初の質問で言うと、ここに書いてあるとおり、学会とか、いわゆる専門家のみならず、患者団体あるいは個人からの要望というのも事実あります。それについては厚生労働省のホームページを見ていただければと思います。

○金澤委員長 大体御意見を頂戴しましたから、このぐらいにしたいと思います。 30 回から 4 回ぐらいにわたって、御意見を頂戴してきました。次回が 10 29 日になっていますが、 11 月に全体の取りまとめをということになっておりますので、それに向けて最後の取りまとめの素案を示してもらうことになります。今日は素案の素案みたいなもので、皆さんから貴重な御意見を頂戴しました。それを取り入れて、きちんとした最後の一歩手前ぐらいの意見が出てくると思います。期待しながら終わりたいと思いますが、事務局からどうぞ。

○伊藤委員 確認しておきたいと思います。今日は負担の話が中心に議論をされたと思うのです。患者団体は早く良い制度ができることを望んでおりますけれども、こういう負担増があるにしても、やはり別なことも一緒に議論してきたことがどうなっているのかを確認しないと、この話だけだと議論が偏ってしまうような気がいたします。例えば対象疾患をどうするのか。 5 万人以下にするのか、 10 万人にするのか、 0.1 %かというのがあった。これがどうなるかということも大変心配なのです。今までの議論では、おおむねこうだということはみんな分かったと思うのですけれども、それをやる意思、どれを中心に今後検討していくのか、法制化に向けていくのかをはっきりしてもらいたいということです。

 もう 1 つは、対象疾患の拡大というのはあちらこちらから聞こえて、マスコミ等でも見ますけれども、ここではっきりと厚労省として、何疾患ぐらいにする予定で進めているということは、余り聞いたことがないような気がします。ここも前提として、残りの議論を進めたいと思いますので、言えればと言うよりも、是非言っていただきたいと思います。そういうことを確認しておきたいと思います。

○田原疾病対策課長 次回の素案については、これまで難病対策委員会で御議論していただいたもので、意見がある程度集約できた部分について、整理をしてお示ししたいと思います。当然、提言の所には基本理念とか、 3 つの柱で御検討いただいておりますから、そういったことを念頭に置きながら、まとめることになろうかと思います。今お話のあった対象疾患の拡大などについても触れることになると思いますので、それはまた御覧になって、御意見を頂ければと思っております。

○金澤委員長 「第三者委員会」という言葉が出てきていますね。 1 か所か 2 か所はあるにしても、こういう中には余り出てこなかった。それについても今度、ちゃんと言及されますよね。

○田原疾病対策課長 そうです。そういう案の中に盛り込んでいきたいと思います。

○金澤委員長 この次が勝負ですね。是非お集まりください。

○小澤疾病対策課長補佐 委員の皆様方、ありがとうございました。次回の難病対策委員会は 10 29 日の火曜日に開催して、 11 月の取りまとめに向けて議論をしていきたいと考えております。よろしくお願いいたします。

○金澤委員長 少し早めですが、今日はここまでといたします。ありがとうございました。


(了)

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