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2013年10月8日 第92回労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会議事録

職業安定局雇用保険課

○日時

平成25年10月8日(火) 10:00〜12:00


○場所

中央合同庁舎第5号館(厚生労働省)12階 職業安定局第1・2会議室


○議題

・雇用保険制度について
・その他

○議事

○岩村部会長 それでは、第 92 回雇用保険部会を開催することにいたします。皆さまお忙しいところお集まりいただきまして、誠にありがとうございました。本日の出欠状況ですが、全員御出席です。また、本日は資料の関係で、職業能力開発局能力開発課の青山企画官に御出席いただいております。よろしくお願いいたします。

 それでは議事に移りたいと思います。なお、カメラ撮影は以上ですので、撮影の方は御遠慮いただきたいと思います。

 本日の議題ですが、お手元の議事次第にありますとおり、雇用保険制度についてです。まず、事務局から資料に沿って説明いただきまして、その後質疑に入りたいと思います。

 それでは、資料 1 「基本手当の水準及び平成 25 年度末までの暫定措置について」に関して御説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○高島雇用保険課長補佐 雇用保険課の高島と申します。よろしくお願いいたします。先月 9 月より、また雇用保険部会を改めて開催させていただきました。前回の部会では論点を改めて御提示をさせていただきまして、御議論をお願いしたところです。本日の部会からは、それぞれの論点に沿って、もう少し踏み込んだ内容、周辺的な資料、あるいはそのテーマによってはたたき台も御用意させていただきまして、これから御議論をお願いしたいと考えております。

 本日議題が 2 つあります。まず、 1 つ目について御説明させていただきます。資料 1 「基本手当の水準及び平成 25 年度末までの暫定措置について」です。こちらはどちらのテーマも基本手当に関わるものですので、資料をまとめて御説明をさせていただきます。

 資料 1 1 ページは、現行の概要を簡単に触れております。基本手当は、一般の被保険者が失業した場合に給付される最も基本的な給付です。こちらの支給額は日額と日数で定められておりまして、基本手当の日額は離職前賃金の 50 80 %、所定給付日数は 90 330 日、特定受給資格者は 90 330 日で、特定受給資格者以外の者は、原則として 90 150 日となっております。こちらは基本手当の概要です。下のほうは、暫定措置として設けられているものについての概要です。

 基本手当に係る暫定措置、基本手当関係は 3 つあります。 1 つ目が、個別延長給付です。本来の所定給付日数に加えて給付日数を 60 日間延長する措置です。特定受給資格者などが、特定受給資格者と雇止めによる離職者ですが、所定の給付日数までの間に就職できなかった場合に、その所定給付日数に加えて、原則として給付日数を 60 日間延長する。そのような暫定措置を設けております。

2 つ目は、雇止め等により離職した者の所定給付日数の拡充です。雇止め等により離職した者、特定理由離職者というように私どもは制度上呼んでおりますが、そういった方については、一般の離職者と同じ給付日数というのが本来のルールですが、暫定的に解雇、倒産等の方である特定受給資格者と同じ給付日数に拡充をいたしております。

3 つ目は、常用就職支度手当です。雇用保険の受給者が一定の期間、所定給付日数内に就職が完了した場合に支給される手当、その場合に対象者は就職困難者に限っていたわけですが、そういった者について暫定的な措置として、 40 歳未満の者を支給対象に追加する。こういった暫定措置も設けております。これら全て、基本的に平成 21 年度からスタートをいたしておりまして、今年度末、平成 25 年度末までに終了する暫定措置となっております。その取扱いについて御議論をお願したいというものです。

2 ページは、これまで 5 月から開催いたしました雇用保険部会の中で、委員の皆様から頂いた御意見をまとめております。前回までの部会の中では縦長の資料で御用意をしたものをそのまま写させていただくとともに、前回 9 月の部会の際に頂いた御意見も付け加えています。基本手当の水準と平成 25 年度末までの暫定措置、それぞれについてこれまでに頂いた意見をまとめております。

 それを踏まえまして、 3 ページ以降に論点、そして周辺の資料を設けさせていただいております。雇用保険制度にかかる論点についてですが、基本手当の関係については、失業中の生活の安定と早期再就職のバランスを取って考えるべきという意見がある一方で、現在の雇用保険の財政状況や長期失業者が多いことから、給付水準、給付日数、給付額、給付率などと言葉を足しておりますが、そういった見直しを行うべきという意見があります。これらを踏まえて、給付水準についてどう考えるかが 1 つ目の論点です。

 基本手当の支給終了までに就職した割合 ( 就職率 ) は、過去 10 年間おおむね 5 割前後で推移している現状、こちらは後ほど改めて資料をお出ししますが、こういった現状を踏まえて、早期再就職を促進するためのインセティブ ( 再就職手当 ) について、どのように考えるかというものです。こちらの 2 つの論点のうち、 1 つ目のテーマについて関係資料を用意しておりますが、その再就職手当の関係などは、また今後追って資料などを準備して、御議論をお願いしたいと考えております。

2 つ目の論点、平成 25 年度末までの暫定措置について。 (1) 個別延長給付についてです。現在の雇用状況は一部に厳しさが見られるものの、改善が進んでいるとされているが、 7 割程度の者が基本手当受給後の個別延長給付を受給している。その当該給付の暫定措置の効果及び終了した場合の影響を考慮する必要がある。これらを踏まえ、延長することについてどのように考えるか。延長する場合については支給要件、年齢、地域、個別要件が今設けられておりますが、このようなものについてどのように考えるかというテーマです。

(2) の雇止め等により離職した者の給付日数の拡充も、基本的に同じです。雇用情勢についても同じ状況ですが、特定理由離職者である受給者数は必ずしも減少傾向にないこと。また、今年度から施行された労働契約法等の非正規労働者対策の状況を考慮する必要がある。これらを踏まえ、延長することについてどのように考えるかということです。

(3) の常用就職支度手当についても個別延長給付、特定理由離職者の取扱いと同じように、併せて御議論をお願いしたいと考えております。

(4) 、こちらは基本手当と直接関わりはありませんが、平成 25 年度までの暫定措置の関係で、雇用保険事業に要する費用の失業等給付の積立金からの借入れ、こちらは返済は昨年度の決算で終了しておりますが、この措置についてどのように考えるかということも暫定措置の関係では 1 つのテーマです。

 それでは、 4 ページから周辺の資料について御説明いたします。まず、基本手当の資料です。これまで委員の皆さんからも御議論いただいておりますとおり、基本手当については、これまでの雇用保険制度の見直しの中で、何度かその制度設計が変わっております。その中で、大きなものとして、平成 12 年と平成 15 年の改正についてまとめております。平成 12 年改正の趣旨としては、中高年層を中心に解雇、倒産等により離職した者に対する給付の重点化を行っていることが大きなテーマです。そのほか、短時間就労者等の適用要件の見直しに伴う改定なども行っております。ここの見直しの趣旨に伴って、改正を行っている部分として、所定給付日数、この対象表では一番下の段ですが、平成 12 年改正以前は 90 300 日であったものを、特定受給資格者、解雇、倒産等の方とそれ以外の方に分けております。特定受給資格者は 90 330 日にするとともに、特定受給資格者以外の一般の方については 90 180 日としております。その後、平成 15 年改正を行っておりまして、平成 15 年改正のテーマは、通常労働者とパートタイム労働者の給付内容の一本化、そして、壮年層の給付日数の改善、そして、給付率に関わるものですが、基本手当日額と再就職時賃金の逆転現象の解消といったテーマで見直しを行っております。

 この結果、どのような改正を行っているのかがこの下に続いております。まず、賃金日額の見直しを行いました。また、給付率について、平成 12 年改正あるいはその前からは、 60 %を下限として 80 %を上限としていた、一部 60 歳以上の高齢者については 50 %としていたものについて、下限を 50 %、 60 歳以上の方は 45 %というように見直しを行っております。こちらが基本手当の日額と再就職賃金の逆転現象の解消という観点で行った見直しとなっています。

 そのほか、一般の方についての給付日数を一部見直しを行って、 90 150 日というように改正を行っております。これらはこれまでの基本手当に関する主な改正の内容となっております。

 続きまして、 5 ページは、完全失業率と有効求人倍率の動向になっております。雇用失業情勢については、山と谷を繰り返しているような状況になっております。リーマンショックの頃に非常に雇用失業情勢が悪化した状況がありました。その後、現在は改善が進んでいる状況で、直近平成 25 8 月の完全失業率は、今月頭に発表したものでは、完全失業率が 4.1 %となっております。そして、 8 月の有効求人倍率は 0.95 倍になっております。

6 ページは基本手当受給者の再就職状況です。今年度の第 2 回の部会の際にも資料としてまとめたものです。雇用保険の業務データから分析を行いまして、基本的受給者、おおむね 5 割前後の方が支給終了までに就職しているという状況になっております。この表でいうところの 50 %の辺りに引かれている太い線、これが支給終了までのタイミングで就職をされた方の数字を表す線だと考えください。

7 ページは、先ほどの平成 15 年改正に絡んできます。基本手当日額と再就職賃金日額、いずれも平均ですが、その状況を全年齢の統一データで示しています。こちらはデータの集計を行っております。見方は、上のほうに折れ線グラフがありまして、 24 23 21 20 22 とあります。こちらの数字については、どの年度で基本手当を受け取られ始めた方であるかを表わしているものです。こういった方が再就職賃金をどのような金額で受け取られているかということです。その時点は、その下の注に書いております。平成 25 8 月末までに雇用保険の被保険者として就職された方の賃金日額になっております。その下に四角形が連らなっているような形で基本手当日額のグラフを設けております。こちらは平成 24 8 1 日以降の基本手当日額を示しています。

1 つの見方の例として御説明いたしますと、一番下の軸で、横軸は離職の際の賃金日額となっております。こちらが 1 2,000 円という数字の方については、今基本手当の給付率は 50 %ですので、基本手当日額という縦軸の部分は 6,000 円の所と合っています。

 では、そのような方々がどのような再就職賃金であるのかというのがその上の部分について設けられている折れ線グラフです。平成 20 年度から 24 年度まで、おおむねこの 7,500 円から 8,000 円くらいに集中している。このようなグラフの見方になっています。

8 ページは、暫定措置に関するこれまでの実績です。本年 5 月の部会の際には、昨年度末までの実績をお示ししました。個別延長給付については、年度ごとに受給者数は減少傾向にあります。その後、今年度に入ってからの実績ですが、平成 25 4 月から 8 月のデータを御覧いただきますと、前年同月期と比べますと、いずれも減少という形で実績が推移しています。

9 ページです。個別延長給付の支給状況のその後の続きのものです。初回受給者数、支給終了者数がどのようになっているのか、そして、その中では延長給付率がどのようになっているのかですが、徐々に減少している傾向にあります。

10 ページが同じく暫定措置の 1 つである特定理由離職者数の推移です。平成 24 年度については、平成 23 年度に比べてほぼ横這いとなっておりました。 4 月以降の実績を見てみますと、 4 月は少し多かったというタイミングですが、 5 月以降は微減という形になっております。ここは増えたり減ったりという形を繰り返しています。

11 ページは常用就職支度手当です。こちらは省令で定めております暫定措置ですが、こちらについては、この表の右から 2 つ目に「安定した職業に就くことが著しく困難な 40 歳未満の者」などを支給対象者として暫定的に加えておりまして、平成 24 年度では約 7,000 人の方が受給をされている。今年度の 4 月以降も大体 500 人から 900 人くらいの方が受給をされているという推移になっております。

12 ページ、 13 ページについては、前回暫定措置について御議論いただいた際に、その暫定措置の対象者、受給者の就職の状況なども示すべきという委員の方々からの御意見を頂いたことも踏まえて、用意した資料です。個別延長給付受給者の就職状況が 12 ページです。個別延長給付受給者のうち、就職した方がいつの時点で就職したかという時点ごとで分けています。 2 つに分かれております。個別延長給付の受給期間中に就職をした方が 24.5 %ということで、おおむね 4 分の 1 いらっしゃいます。一方、個別延長給付の支給終了後、受給終了後に就職した方が 75.5 %ということで、個別延長給付を受け取られた方のうち、 4 分の 1 は、日数内に就職をして、 4 分の 3 の方は日数が終わった後に就職しているという状況になっております。

13 ページは、理由職離別の就職状況です。特定理由離職者、特定受給資格者、それ以外の方々、一般の離職者ですが、そういった方々について、これらは延長給付という形ではありません、所定の給付日数の中で、どれくらい就職されたかというものです。先ほど、全体の資料の 6 ページの中で、おおむね 5 割前後で推移していると申し上げたものについて、理由離職別に整理をすると、このようになっております。特定理由離職者が 48.3 %、特定受給資格者が 60.8 %、それ以外の方々が 54.3 %となっております。特定理由離職者は、現在特定受給資格者の所定給付日数に見なす暫定措置を置いておりますので、所定給付日数のルールとして両者は同じになっております。ただ、実際に年齢層、被保険者の期間などには差はありますので、そういった部分が就職率の差に表われているかと思います。

14 ページは「労働契約法の一部を改定する法律の概要」を付けております。前回、御議論をいただいた際にこういった対策の関係のものの御意見もありましたので、紹介をさせていただいています。平成 24 年に成立した法律でして、改正事項はおおむね 3 点あります。「有期労働契約の期間の定めのない労働契約への転換」「有期労働契約の更新等」「期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止」です。この 3 つはいずれももう既に施行されております。

1 点留意点がありますが、 1 番の有期労働契約の期間の定めのない労働契約への転換については、有期労働契約が 5 年を超えて反復更新した場合に、その申込みによって、無期労働契約に転換させる仕組みということになっております。平成 25 4 月から施行されておりまして、そこから 5 年ということになっております。このルール自体は施行されておりますが、転換のルールが発効するのはもう少し先になります。以上が資料 1 についての説明となります。

○岩村部会長 ただいま御説明いただいた資料 1 に関して、御意見あるいは御質問がありましたら、お願いしたいと思います。

○亀崎委員 前回の部会で論点が示されて、これから具体的な項目を議論するのですけれども、その前に今回の雇用保険の見直しをどのように考えて、根本的な思想としてどう捉えていくのか、まず基本スタンスをしっかりと論点に掲げて議論する必要があるのではないでしょうか。

 もう 1 つは、基本手当を受けるにあたっての入口の要件となる被保険者の範囲や受給資格要件についても論議をしていただきたいと発言してきたところですが、それに対して座長からは、年末までに意見をまとめるには時間的な制約があるために、論点を追加するかどうかは、事務局と相談してから決めていきたいという発言があったと思っています。その件について改めて確認した上で、労働側としての意見を申し上げたいと思っていますので、その点をお願いします。

○吉永雇用保険課長 ただいまの亀崎委員からの御指摘の点について、事務局から御報告申し上げます。被保険者の範囲その他、かなり大きなテーマについての御意見を、前回の部会において頂戴しております。この点については時間的な関係でという御議論も、その場であったかと記憶しております。いずれにしても御意見として提示されておりますので、部会の中で全く審議をしないわけにはいかないと思っております。必要な資料等々を整理するために、若干お時間を頂戴しているということです。本日はそういったものを用意している状況にはございませんけれども、最終的に今回の見直しの過程の中で、どういう取扱いになるかも含めて、部会の場で御議論いただければと考えているところです。そういう形で、座長とも御相談させていただいたという経緯があります。

○亀崎委員 一定の審議はしたいという御回答がありましたけれども、それを受けて労働側としては、まずは給付水準を引き上げ、離職者が安心して求職活動を行えるよう、雇用保険制度の目的である生活安定機能を充実させる見直しを先決に考える必要がありますし、そうした方向性をしっかりと明確に打ち出すべきだと改めて申し上げておきたいと思っています。

 また、被保険者の範囲についてです。要件の 1 つに、 1 週間の所定労働時間が 20 時間以上とあるわけですけれども、現在、働き方が多様化している中で、パートタイム労働者においては 1 3 時間、週 5 日といった就業形態、あるいは 60 歳以降の再雇用の契約においても、所定労働時間が短縮されるといったケースも出てきているわけです。参考までに、平成 24 年度の就業構造基本調査結果の集計を見ますと、 1 週間の所定労働時間が 20 時間未満の雇用労働者は約 390 万人です。その半数近くの 180 万人を 15 時間以上 20 時間未満の労働者が占めているといった実態があります。こうしたことを踏まえれば、全ての雇用労働者のセーフティーネットとしての雇用保険という観点から、所定労働時間の要件を 15 時間程度までに引き下げることも、検討してはどうかということを申し上げます。

 それと、受給資格要件についてです。循環的な給付や安易な受給を未然に防ごうという観点から、 2007 年の法改正によって、それまで特定受給資格者と同一だった特定受給資格者以外の受給資格要件が厳格化されて、特定受給資格者と特定受給資格者以外に差が設けられてきたわけです。しかしながら、現行制度においては出口に当たる離職理由によって、基本手当の給付制限、すなわち待機期間や所定給付日数に差が設けられております。ですから入口に当たる受給資格要件にまで差を設けることは合理性に乏しく、非自発的失業者ではない一般離職者の中にも、長時間労働の常態化などの厳しい労働条件を理由として、やむを得ず離職を選択した者もいることも踏まえれば、離職が自発的であるか否かをもって、受給資格要件に差を付けることは適当ではないと考えています。

 したがって労働側としては、 2007 年改正以前のように、特定受給資格者とそれ以外の受給要件を統一して、離職日前 1 年間被保険者期間が 6 か月以上、又は離職日前 2 年間被保険者期間 12 か月以上とすべきことを主張しておきたいと思います。

○遠藤委員 お話がありましたように、前回の会合の中で論点の追加提案がありました。それについては、部会長の預かりとなり、事務局と相談をされるということでした。事務局との相談の結果が、ただ今の課長からのお話であるならば、受け入れざるを得ないと思っています。しかしながら、私どもとしては反対という立場を主張していたので、反対ということが受け入れられなかったのは、大いに不満を持っているということをまず申し上げたいと思います。

 次に、私が前回の発言で「時間がない」と言ったのは、このテーマを議論するためには、どれだけの時間が必要なのかを十分考えた上で御主張されているのか、という思いがあって発言しました。ですから、今後、どういった要素を踏まえて議論していかなければならないのかという点について、発言させていただければと思います。

 セーフティーネットの拡充については、従来から申し上げているように、将来的に拡充の方向性の議論はあり得ると思っています。その際、雇用状況を踏まえて、どういう形で優先的に対応していくのかということを考えなければいけないと思っています。リーマンショック後には、被保険者の範囲拡大が累次にわたって行われてきたわけです。累次にわたって範囲拡大された結果、労働市場にどのような影響を与えたのかという十分な検証がないまま、この議論を行うのはいかがなものかというのが、まず 1 点目です。

 同様に、求職者支援制度が導入されたということがあります。効果自体は、再就職される方の割合が高いというデータが出てきています。しかし、この制度により、求職活動をされている方々の意識・行動面に、どういった影響を与えているのかという検証もまだされていません。

 こういったことも今後やっていく時間があるのかということです。それぞれ新しい状況が出てきている中で議論をするのであれば、それだけの素材を出していただいて、今後議論をすることになるわけですから、当然そうなれば他のテーマにかける時間に割く時間も、物理的に少なくなります。そうなれば本来、年末までに結論を出さなければいけない論点についても、議論不十分といったことで、越年もあり得るということも十分御理解いただきたく思っているところです。

 被保険者の範囲拡大、あるいは受給資格の要件緩和といったことをあわせて議論するのであれば、私どもは、労働市場全体で雇用をどう確保していくのかという基本的なスタンスは何ら変えておりませんので、給付と財政の負担をどうやって考えていくのか、あるいは当該対応した場合についての求職活動における行動様式や意識の面で、どの程度のインパクトがあるのかといったことを十分踏まえて、議論をしていきたいと思います。その場合は、国内外でみられる、給付期間が長くなることによって、求職活動期間が長くなるという相関関係の指摘は、私どもも十分踏まえていきたいと思っています。

○岩村部会長 今、労使双方からそれぞれ御議論がありましたけれども、やはり前回も議論になりましたように、テーマが多岐にわたる中で年度内、特に暫定措置の問題というのは、なるべく早く決着をつけていかないと間に合わなくなってしまうものもあります。今の労使の御意見も踏まえて、部会長として事務局と相談しながら時間配分を考えつつ、今後の部会運営を考えたいと思います。先ほどの亀崎委員の御発言は、御意見として捉えさせていただければと思います。今日はもう 1 つの議題もあります。今日の資料 1 について、特に暫定措置のことも触れられておりますので、それも含めて御意見をいただければと思います。

○新谷委員 雇用保険制度についての抜本的な見直しも含めて、論点が挙がっているわけですので、私どもとしては今日の現状を踏まえて、冷静に論議をしていきたいと思っております。私どもが再々申し上げておりますように、現在の雇用保険の基本手当の給付水準については、平成 12 (2000 ) と平成 15 (2003 ) の法改正で大きく引き下げられています。それが今日に至るまで 10 年近く、引き下げられた水準に据え置かれている。その結果、基本手当の支給満了までに 5 割が就職しているというお話でしたけれども、裏を返せば、 5 割は就職できていないという現状にあるわけで、やはりもう 1 度、給付のあり方について論議をするべきではないかと思っております。

 今日は、過去の資料を配っていただいているので御覧いただきたいと思います。 6 12 日の第 88 回部会の資料の最初に、資料 1 として、「過去 10 年の制度改正の検証」というのが付いております。この 3 ページと 4 ページに、平成 12 年の改正と 15 年の改正によって、所定給付日数がどのように変化してきたかが書かれております。今日配られている資料の中にも、過去の失業率の推移等がありましたけれども、振り返ってみますと平成 12 年、 15 年というのは、我が国で初めて失業率が 4 %を超えて、ピークの 5.5 %に向けて、雇用状況が非常に悪化していたわけです。それに伴って雇用保険財政も逼迫して、 4 兆円強あったのが 4,000 億円までに減ってしまって、緊急避難として所定給付日数の引き下げを選択したわけです。

 このとき、被保険者の資格を特別受給資格者とそれ以外の者という区分けをするとともに、所定給付日数を大幅に切り下げました。特に特別受給資格者以外については 2 回の改正の中で、給付日数が 2 分の 1 以下になっているという状況です。特に働き盛りである 35 45 歳、 45 60 歳のうち、後段の 45 60 歳の方は中高年層ということで、再就職が非常に厳しい方々にもかかわらず、被保険者期間に関係なく、一律 90 日まで減少させてしまうという、大胆な給付日数の引下げを行ったわけです。それまで 180 日または 210 日あった所定給付日数を、一律 90 日にまで削減して今日に至っているわけです。

 ですから特定受給資格者以外の中には、被保険者期間が 10 年未満の方で最長 119 か月、雇用保険料を支払っても、結局基本手当をもらえるのは 3 か月という方がいるわけです。全年齢一律ですから、中高年層という再就職の厳しい層も、たった 3 か月しか給付期間がないという現状に置かれているわけです。この特定受給資格者以外の方というのは、非自発的離職者ではないので、そんなことは計画していたのだろう、再就職の準備ができていたのだから、所定給付日数を圧縮して当たり前だというような見解も、一部で示されておりましたけれども、果たして本当にそうなのかと考えております。

 今日の社会現象にもなっていますが、「ブラック企業」と言われて、長時間残業を強いられるような会社や、組織的なパワハラを繰り返しているような企業など、本当に辞めざるを得ない状況で離職される方も、近年は増えているわけです。こういった方々を、あらかじめ再就職の準備ができていたのだから、特定受給資格者以外なのだからということで、一律 90 日でよいという考え方は、今回見直しを図るべきではないかと思っております。

 現状を見ていただくと、僅か 90 日しか受給期間がありません。私どもとしては、現在の所定給付日数は、雇用保険のセーフティーネットとして、安心して求職活動をする期間としては非常に短いと思います。もし事務局で次回お示しいただけるのであれば、 35 45 歳未満、 45 歳以上 60 歳未満の特定受給資格者以外の方の受給期間内での就職率を、一度示していただきたいと思うのです。今日の資料はグロスで出ておりますので、特に厳しいところについてはデータが出ていないと思いますから、是非そこはもう一度検証してみたいと思っております。

 もちろん保険料の違いもありますけれども、ドイツやフランスのように、 2 4 年といった給付日数を設定している国に比べて、我が国のセーフティーネットは非常に貧弱ではないかと思います。あのアメリカでさえ延長措置が継続されており、最長 99 週まで給付が延長されているという状況がありますから、今日のセーフティーネットのあり方として、ここは検討していくべきではないかと思っておりますので、重ねて改善を求めてまいりたいと思っております。

○岩村部会長 今、資料の要請があったと思いますが、それは可能でしょうか。

○吉永雇用保険課長 資料については次回までに、可能な限り用意したいと考えております。

○遠藤委員 ただ今、新谷委員がおっしゃったように、その層がどう動いているのかについては、私どもも関心を持っているところです。その資料ですが、 1 年以上にわたって求職活動をしている方々というのは、外していただいて、どのような動きになっているのかを、是非見ていきたいと思っています。

 諸外国の例については、参考資料程度で結構ですから、次回の資料ということでお出しいただければと思います。諸外国で給付日数を延ばした場合において、どのような状況変化が現に見られたのかといったことも、その資料の中で見て取ることができるのであれば、更に好都合ではないかと思っています。

○岩村部会長 諸外国のものはどの程度可能ですか。

○吉永雇用保険課長 諸外国については、必ずしもアップデートできていない部分もありますが、手持ちの範囲で最新の状況について、御提示できればと考えております。

○岩村部会長 よろしくお願いします。ほかにいかがでしょうか。

○青山委員 基本手当の受給期間内に 50 %しか就職できていないということですが、問題は、残りの 50 %をどのように見るかということだと思います。この 50 %の方々がどのような理由で就職できなかったのか、その理由が分かるのであれば、それも含めて提示していただきたいと思います。その原因がどこにあるのか分からないと、単に給付の水準だけを議論してもあまり意味がないと思います。

○吉永雇用保険課長 実態の状況という形での調査は、ないかと思いますけれども、アンケート調査であれば、そういうものもあったかと記憶しておりますので、可能な範囲でお示ししたいと考えております。

○岩村部会長 よろしくお願いします。基本手当のほうは幾つか御意見を頂いているのですが、暫定措置のほうはいかがでしょうか。

○井上委員 暫定措置については、特に (1) の「個別延長給付」と、 (2) の「雇止めなどにより離職した者の所定給付日数の拡充」について、意見を述べさせていただきたいと思います。事務局の提案に「延長することについてどのように考えるか」とありますけれども、労働側としてはこの 2 点について、恒久化することを検討すべきではないかという前提で意見を述べたいと思います。

 まず個別延長給付については、基本手当の支給が終了した方のうち、個別延長給付を受けている方の割合は減少傾向にあるとはいえ、直近でも半数以上の方が受給しているという現状からすれば、仮に暫定措置が廃止された場合の影響は、非常に大きいと考えます。

2 点目の雇止めのほうですけれども、そもそも特定理由離職者は契約更新を希望したにもかかわらず、更新についての合意が成立せず離職を余儀なくされた方などであり、非自発的な離職であることに加え、離職前から再就職の準備を行うことが難しいという点でも、特定受給資格者と同様であると思います。現実に雇止めに遭い、離職を余儀なくされる方への生活保障を確実に行うべきであると考えますので、この 2 点を恒久化することを検討すべきではないか、という意見を申し述べたいと思います。

○遠藤委員 そうなりますと、労側の御主張というのは、給付日数の増大あるいは水準の引上げとともに、暫定措置の内容について一部恒久化していきたいということで理解してよろしいのでしょうか。

○新谷委員 これは今後の論議に関わってくるわけですけれども、全体として暫定措置も含めて、雇用保険の支給体系をどういうように再設計するかにかかってくると思うのです。これはどちらも密接不可分な関係になっておりますので、全体的な再設計という視点で検討すべきでないかと考えております。

○遠藤委員 これからの議論の中では、御見解やその背景にあるものを、もう少しお伺いさせていただくことが必要かとは思っています。そもそも所定給付日数の議論をこれからしようという段階にあって、「暫定措置」と言われるものも恒久化していくことを併せて考えていくという御主張は、私自身は、受けとめるのがなかなか難しいかと思っています。

 先ほど御指摘されたように、給付カットされた層がどう動いているのか、現実に求職活動がうまくいっているのか、いっていないのかというところが明らかになってくるのであれば、その方々の手当をどうしようかという議論は、建設的な議論だと思っています。限られた時間ですけれども、その議論の積重ねを行っていくということを、私どもとしては考えていきたいと思っています。

 その際、ここはある程度同じ土俵にいるのではないかと思っているのですけれども、 1 年以上の長期にわたって求職活動をしている方々は、リーマンショック以前にも、一定割合はいらっしゃったので、現行の枠組みの中でどこまで対応できるか、できないかというところも、併せて御議論させていただければと思っています。

○新谷委員 今、遠藤委員から御指摘いただいた点も十分理解するところです。重要な論点だと思っております。長期の失業者の方々の対応をどうするかということも、重要な論点だと思っております。ただ、暫定措置はあくまでもリーマンショック後の緊急避難として設けられた制度で、暫定は暫定なのです。ですから、これを制度的にいくら継続しようとも、あくまでも暫定でしかありません。

 先ほど「全体の再設計」と申し上げたのは、本体というか、もともと制度として持っている給付の体系があって、それに暫定が乗ってくるわけですから、下のほうがまだ決まっていないのに、全体の再設計はできませんから、トータルで給付体系を再設計すべきです。そのときに今の暫定措置については恒久化すべき部分も含めて、全体の再設計をしてはどうかということを申し上げているのです。

○岩村部会長 ほかにいかがでしょうか。論点の資料 1 についてはよろしいですか。

○古川委員 給付率の下限についてです。先ほど事務局から御説明がありましたが、高所得者層では基本手当日額が再就職時の賃金日額を上回る逆転現象が生じたために、 2003 年改正では 60 %から 50 %へ引き下げられたわけです。しかし調べたところによりますと、給付率が 60 %を下回る基本手当受給者というのは、 2012 年度では一時金を除く年収が 337 万円以上の方であって、必ずしも高所得者層とは限らないのではないかと思います。また、給付率が 60 %を下回る基本手当受給者は、全体のおよそ 4 分の 1 を占めると聞いており、 2003 年改正の影響を多くの方が受けているというのが実態ではないかと思います。やはり雇用保険の目的の 1 つである生活安定機能の重要性などを考えますと、 2003 年改正前の水準 60 %まで引き上げるべきではないかと思いますので、改めて申し上げたいと思います。

○岩村部会長 今のは事実の認識の問題も入っていたので、事務局から何かお答えがあればどうぞ。

○吉永雇用保険課長  1 点だけ申し上げます。少し取り方が違うので、一概に数字が違うということではないのですけれども、現在 50 %になっている屈折点の設定については、日額 1 1,680 円で、これに 30 日を掛けるという形になります。そういう意味では、金額的にもう少し大きい数字。それが高いか低いかという議論はあるかと思いますけれども、全体としてそういうところで、屈折点を設定しているという状況です。

○山本委員 いろいろ議論があって、再設計という話がありましたので、再設計の 1 つとして、労働側として意見を申し上げたいと思います。再就職手当のことですけれども、労働側としては引き下げられた所定給付日数と給付率の引上げを主張しているわけです。一方で、この引上げをしていくと、全部もらい切ってから再就職すればいいという人が出てくる可能性があることについては、我々も認識しております。そういったモラルハザードの問題について、どうしていくかというところも検討していかなければいけないと思うのです。

 再就職手当については、そうしたモラルハザードの防止と、再就職を早期に促していくために設けられているものでもあると思います。これについては、これまでも主張している給付水準の引上げと日数の引上げ等々と一緒に、検討していく必要もあるのではないかと思っております。それによって、給付水準の引き上げによるモラルハザードを一定程度抑止する効果が期待できるのではないかと思います。ですから水準の引上げと同時に、再就職手当についても引き上げることを含めて、セットで検討していく必要があるのではないかという意見を申し上げておきたいと思います。

○新谷委員 先ほど古川委員が申し上げた給付率の関係で、今、雇用保険課長から御答弁をいただきましたけれども、この点については数字の確定をしたいと思っています。ここは 2003 年の改正によって、給付率の下限が 60 %から 50 %に引き下げられたわけですけれども、当初の御説明ですと、ここは高額所得者、高賃金の方々だという御説明で伺っていたわけです。しかし私どもが検算しますと、 60 %を下回る水準点が 337 万円だと認識しております。これは一時金、ボーナスを除く金額です。ですから我々としては、決して高賃金の方々を対象にしたものとは認識しておりません。それは数字の捉え方が違うという御発言があったものですから、次回はもう少し分かる資料を、お互いに共通認識に立てる資料を示していただきたいと思っています。

○吉永雇用保険課長 先ほど古川委員がおっしゃって、今、新谷委員がおっしゃったのは、 60 %を下回る水準の設計ということでおっしゃっております。私が御説明したのは、 50 %の屈折点で数字の取り方が違う、そういう設計になっているということを、先ほど御説明いたしました。その辺りについては次回、改めて資料を提示したいと考えております。

○岩村部会長 よろしくお願いします。資料 1 、ほかにありますか。よろしいでしょうか。それでは、資料 1 については以上ということにしたいと思います。

 次に、事務局のほうでは、資料 2 として「学び直しの支援措置について」を御用意いただいておりますので、まずそれについて御説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○高島雇用保険課長補佐 それでは、資料 2 について説明します。「学び直しの支援措置について」です。こちらは 6 月にも一度議論をしておりまして、その後、能力開発分科会などでも並行して御議論をいただいています。今回は、参考資料としてもお付けしておりますが、 9 月の雇用保険部会の後、 10 月の能力開発分科会においても論点を提示されておりまして、学び直しの中では主に訓練の関係について御議論をいただいています。参考資料として、その際に分科会の委員の方々から頂いた御意見、あとは、分科会の場で、事務局、職業能力開発局のほうが提示している訓練等に関する論点も参考としてお付けしております。これから説明する資料の中では、一部に訓練に関するものも出てきますが、そこは今後、基本的には能力開発分科会で議論を深めていただきたいと考えています。ただ、制度全体としては御紹介する必要があると思うので、併せて御説明をさせていただきたいと思います。

 それでは、資料 2 「学び直しの支援措置」です。資料 1 と構成は似ております。まず、 1 ページは、「学び直しの支援措置について」、雇用保険部会の中で、これまでに委員の皆様から頂いた御意見をまとめております。先月の 9 月に行われた雇用保険部会での御意見も載せております。

2 ページの所で、雇用保険制度に係る、学び直しの支援措置に関する論点を準備しております。 4 つ設けております。 1 つ目、経済のグローバル化や少子高齢化への対応のために、日本再興戦略で学び直しの必要性が謳われております。その学び直しを支援するために教育訓練給付の効果を踏まえつつ、社会人の学び直しに資する教育訓練を受講する場合に給付率を引き上げることについてどのように考えるか。また、訓練効果を担保するために、一定の成果があった場合に追加給付を行うことについてどのように考えるか。 2 つ目、前回の部会の中で御意見をいただいたものを踏まえて、論点としておりますが、学び直しの支援措置については、離職者も対象として、安心して訓練できるよう、訓練中の生活支援を行うことについてどのように考えるか。この 2 つについては、給付の内容に特に関わる部分になりますので、事務局としてたたき台を準備しております。

3 つ目、学び直しの支援のためには、本人のキャリアアップに真に資するものである必要があることから、一定の高度な教育訓練を対象とするとともに、給付に当たり、受講前に本人がキャリア・コンサルティングを受けることを前提とすることについてどのように考えるか。

4 つ目、従業員の学び直しを支援する事業主に助成するキャリア形成促進助成金・キャリアアップ助成金の支給対象等についてどのように考えるか。今回の 4 つ目ですけれども、雇用保険の給付というよりは助成金の設定に関する問題でして、今回の資料の中には出てきませんが、職業能力開発分科会の議論なども踏まえつつ、御紹介したいと考えています。

3 ページ目以降、学び直しの支援措置に関するたたき台を準備しております。趣旨として、非正規雇用労働者である若者等がキャリアアップ・キャリアチェンジできるよう、資格取得等につながる自発的な教育訓練の受講を始め、社会人の学び直しを促進するものです。

 対象者層のイメージです。これまでも部会の中で、どういった方に支援を行っていくかについて御意見を頂いておりましたので、整理をしております。厳密に申し上げれば、訓練の対象者としてどう考えるかという部分と、経済的支援の対象者としてどう考えるべき部分があるか、 2 つあります。本来、そこは重ねて、両局が連携してやっていくべき部分ですが、特に雇用保険の給付としてどう考えるかという所に着目した書き方としております。在職者と離職者で分けております。在職者であれば、組織内においてキャリアアップを目指す者、あるいは職種転換、キャリアチェンジを目指す者がいるだろうと思います。離職者のほうですが、以前と同じ職種、離職前に勤めておられた職種が非正規的なものであった場合には、正規な職、キャリアアップを目指していくというのもあります。あとは、離職者では当然、他職種への転換を目指す、キャリアチェンジ的なものもあり得ると思います。

 資料中の※の部分については、フリーター層をはじめとした非正規雇用労働者も含め、雇用保険に加入している、あるいは加入していた者を対象とすることを想定しております。この後の説明は全てこれを前提として設計をしております。雇用保険制度ですので、雇用保険の被保険者期間があることは大前提とします。ただ、雇用形態が様々あります。平成 22 年に適用拡大がされておりますので、今、雇用形態が様々な方も雇用保険の世界に入ってきております。雇用保険の加入者、加入していた方、そういった方を含めて支援措置の内容を設計していきたいと考えております。

4 ページ目ですが、まず訓練の内容を簡単に紹介します。現在、訓練に関する雇用保険上の給付の措置として教育訓練給付があります。教育訓練給付については、厚生労働大臣がその教育訓練の内容を具体的に指定しております。その内容ですが、雇用の安定及び就職の促進を図るために、必要な職業に関する教育訓練として、厚生労働大臣が指定する訓練を教育訓練給付の対象としている。その基準として、職業能力開発に資する職業に関する教育訓練で雇用の安定や就職の促進を図るために必要と認められるもの、そして、訓練の目標が明確であり、訓練効果の客観的な測定が可能な資格等を訓練目標とするもの、こういったもので指定を行っております。現在、公的職業資格の取得や修士等の取得を目標とする訓練、及びこれに準ずる訓練が対象となっております。前回、 6 月の部会の際も御意見などを頂いていて、職業能力開発局のほうからも説明しましたが、そもそも、趣味的・教養的なもの、あるいは入門的・基礎的な訓練というのは、指定に当たって対象外ということで排除しています。

 今回の、学び直しの支援措置の対象とする訓練のイメージです。今後、主に職業能力開発分科会で議論を行っていくものですが、雇用保険の議論にあたって紹介させていただきます。現在の教育訓練、先ほど、公的職業資格の取得や修士等の取得を目標とする訓練を対象としていると申し上げましたが、これは正直申し上げると、広く指定を行っているものです。雇用の安定及び就職の促進を図るという趣旨に合致するようなものであれば、広く指定を行っておりますが、今回の学び直し、キャリアアップ・キャリアチェンジを目指していく上で考えますと、中長期的なキャリア形成に資するもの、特に高度、専門的な教育訓練を学び直しの支援措置の対象としてある、ということで検討を行いたいと考えております。

 これがどういったものかですが、まずジャンル分けをしております。対象訓練のイメージを 3 つ掲げております。 1 つ目が、大学院の専門職学位、修士の学位等の取得を目指すもの。 2 つ目が資格関係になりますが、業務独占資格・名称独占資格の取得を目指すものになります。 3 つ目が、これらに準ずる職業上の効果が高いプログラム ( 企業との連携により設置されたプログラム等特に実践的なもの ) を考えております。※で注釈を付けております。文部科学省が開発するオーダーメイド型学び直しプログラムについては内容を踏まえて検討としております。こちらですが、社会人の学び直し支援、日本再興戦略で盛り込まれております。こちらの指示は厚生労働省だけがいただいたものではなくて、文部科学省にも同じように指示がされています。ですので、文部科学省のほうではこういった、オーダーメイド型学び直しプログラムについて検討を進めていまして、具体的な内容がまだ全て見えているものではないので、一部に御紹介しきれない部分はありますが、そういったことも含めて、3という形で書いております。

 この 3 つのうち、最初の 2 つ、具体的な内容をある程度御紹介させていただければと思います。それが 5 ページになります。対象訓練及びキャリアアップ・キャリアチェンジの具体例ということで紹介します。 1 つ目、大学院の専門職学位、修士の学位等の取得を目指すものということで、 2 つほど紹介しております。理工系大学院を活用するパターンとしましては、中堅の技術職・研究職の方が大学院の技術経営修士などを取得して、イノベーションや開発等を先導していただくような役割が一つあります。これはキャリアアップのパターンです。もう 1 つが専門職大学院ということで、企画部門や経理部門の方々、中堅的なレベルの方が経営修士の MBA とか会計修士、これがいずれも既に専門職大学院の中に設けられていますが、そういったところで修士を取得する、そして、経営戦略や会計業務の高度化等に貢献していただく、こういった活用のイメージが一つ考えられます。

2 つ目ですが、資格関係です。業務独占資格・名称独占資格の取得を目指すもの。もちろん様々な資格があります。一部のみの紹介になりますが、 1 つは、税理士事務所補助職員が、税理士資格取得講座を受講して、税理士試験に合格する。資格の取得を念頭においた講座を受けて、実際にその資格を取るということで、補助職員ではなくて、税理士として正規雇用につながっていく。これは正に非正規の方々のキャリアアップ的なパターンになります。もう 1 つのパターンとして、建築士の例を紹介しておりますが、建築士 2 級を持つ正規職員が、より上位の等級を目指して資格取得講座を受講して、建築士 1 級試験に合格して、より上位の職種に昇格する。

2 つ目ですが、専門学校関係もあります。こちらは歯科衛生士の例ですが、資格を保有しない離職者が、専門学校において歯科衛生士の課程を 3 年間履修して、終了後、その試験に合格して、歯科衛生士として歯科医院に就職する。これはキャリアチェンジ的なパターンになるとは思いますが、歯科衛生士であれば 3 年間の課程を卒業して、試験に合格すれば資格が取れることになりますので、そういったものを活用してキャリアチェンジを図っていただく、というようなパターンがあり得るだろうと考えております。これらのものをベースとして、学び直しの支援措置、経済的支援の内容をどうすべきかということで、たたき台を用意させていただきました。 6 ページ以降になります。

6 ページ、学び直しの支援措置の内容になります。こちら、正に※で書いてあるとおり、主にこの雇用保険部会で御議論いただきたい内容となっております。先ほど私のほうから御説明させていただいた、学び直し訓練ですが、一般的に、訓練期間が長期となり、費用が高額となるものが多い。例として、下に参考ということで付けておりますが、先ほどの例の中で出てきたもの、ここに 5 個ほど、費用の年間平均と受講期間平均を紹介しております。受講期間平均では、もちろん 5 か月といったような短いものもありますが、修士関係でいえばほぼ 2 年、 21 か月や 23 か月というものもありますし、医療職種などの専門学校などとなってくると 36 か月、 3 年といったような期間になります。また、費用が高額となるものもあると。費用の年間平均として、大学院関係だと、 99 万円、 125 万円と、 100 万円前後のものが多くなってきております。こういった講座の状況ですが、中長期的なキャリア形成に資するものであり、雇用の安定及び就職の促進に関する効果は高くかつ持続的と思われます。

 現在の教育訓練給付ですが、これらの中で、もちろん指定されている講座はあるのですが、今はあくまで受講費用の 20 %を給付していて、上限は 10 万円となっております。また、長期間の訓練、 3 年までの講座は指定可能となっているのですが、その費用の支援に関しては 1 年分の 20 %のみの支援になっております。そういう状況ですが、上記の学び直し訓練を受講する場合に限っては、全期間の受講費用に関する給付率を 40 %程度まで引き上げてはどうか、ということが 1 つ目のたたき台の案です。

2 つ目、論点にも書いておりましたが、成果報酬的な機能です。学位取得や資格取得等、一定の成果が上がった場合に、一定の割合、 20 %程度でどうかと考えておりますが、それを上乗せして支払うこととして、訓練効果を担保するためのインセンティブ機能を持つ給付としてはどうかと考えております。下の ( 参考 ) は先ほど説明させていただきました。

 続きまして、 7 ページです。先ほどのものは、教育訓練給付を拡充して、在職者、離職者について、訓練費用についてどう支援していくかという部分です。 7 ページの上の部分ですが、これは特に離職者を念頭においた記述と見ております。自発的に受講する訓練ではあるが、若年離職者については長期の訓練期間中の支援が必要である。例えば長期の訓練期間、先ほどは 2 年や 3 年あると申しましたが、 2 年や 3 年の間、訓練費用の部分に一部支援があるといっても、その間、当然生活もしていかなくてはいけない部分があります。そうしたことも考慮して、当面の措置として、離職前の賃金に応じた一定の額、例えばということで、水準の参考ですが、基本手当の 50 %程度を支給することとしてはどうかというものです。これは学び直しの訓練期間中の支援措置として、若年離職者に限った当面の措置として設けてはどうかというものです。これが離職者に対する支援の内容です。

2 つ目の○ですが、これは支援対象者全体像の話です。現在の教育訓練給付は、支給要件期間が一定期間あることを要件としております。支給要件期間は 3 年以上が基本となっておりまして、特例措置として、初めてその訓練を受ける場合であれば 1 年でよいことになっています。 3 ( 初回は 1 ) ということですね、それが要件となっております。教育訓練給付、在職者はもちろん、離職者も受け入れる形になっております。ただし、離職者については、離職後 1 年以内に訓練を開始することが必要という要件となっております。今回の、学び直しの訓練に対する支援措置ですが、教育訓練給付の設計をベースとして考えておりますが、その給付率を引き上げることとした場合、これらの支給要件期間を、例えば 3 年という部分について、長くする必要があるか、こういった部分についても御議論をお願いしたいと考えております。

8 ページですが、論点の 3 つ目にあった、キャリア・コンサルティングに関する部分です。訓練受講の際の手続ですが、訓練に対する支援措置を手厚くする場合には、受けようとする訓練が真に中長期的なキャリア形成に資する、特に高度・専門的な教育訓練として有効であるか、受講前に確認することが必要ではないか。先ほど、講座の例の中でも、趣味的・教養的なものは除いていると申しましたが、もちろん、訓練の内容だけではなくて、どのような訓練を選ぶのが真に効果的かという部分がありますので、その支援を行うべきだという部分での論点になります。具体的には、訓練の選択にあたり、キャリアアップのために必要かつ有効な訓練はどのようなものであるかを相談するため、本人がキャリア・コンサルティングを受講する、その本人がキャリア・コンサルティングを受講したことを給付にあたって確認する仕組みを今回の支援措置の中で組み込んではどうか、というものです。「なお」ということで書いてありますけれども、今回、対象者、離職者はもちろんですが、在職者も活用することが考えられます。その場合、企業の承認を得て申請を行うケースもあり得まして、その場合であれば、企業がその方の活用方法なども念頭においた上で申請につながっていると考えられるので、その企業が訓練の必要性・有効性を確認できることから、キャリア・コンサルティングを受けたことの確認を要しないこととしてはどうかというものです。

9 10 ページは、今、私が説明したものをイメージ図として設けているものです。 9 ページは支援措置のイメージ図で、現行の教育訓練給付、一番下の土台としてあるとすれば、その中でも特に訓練の水準や職業に関する専門性が高いもの、先ほど申し上げた、大学院の課程、あるいは、業務独占資格等の取得を目指す訓練など、そういったものについて給付率を上げていく。まず 40 %程度まで上げた上で、更に 60 %程度という部分ですが、学位取得や資格取得等の一定の成果が上がった場合に関する、上乗せとしてのインセンティブ機能としてはどうかというイメージです。

2 つ目ですけれども。 10 ページの部分にありますのは、キャリア・コンサルティングの話を組み込んだ場合に、どのような支援のイメージになっていくかです。まずは、講座の選択にあたり、キャリア・コンサルティングを実施していただきます。最終的に講座を選んでいただいて、本人からハローワークに申請して、支給の仮決定、仮決定という言葉を設けておりますが、これは要するに、その訓練を受けた場合に、きちんと雇用保険給付が受けられることを確認して受けていただくことです。その上で受講していく。受講の後は当然経済的支援につながっていくわけですけれども、ここにつきまして、従来の教育訓練給付の場合は、講座を終了した後で申請をしていただいて、その費用の 20 %を支給する形になっておりますが、今回の学び直しの講座につきましては、長期高額のものが多くなってくることを踏まえて、受講状態を確認の上、一定期間経過後、例えば、 6 か月は 1 年の半期というイメージですね、 6 か月ごとに支給をしていく。先ほど御説明を申し上げた、若年離職者への追加支援というのは訓練期間中の支援ですので、基本的に毎月行ってはどうかと考えております。このような形で訓練を受けていただいて、その訓練が終了する、あるいは、その後さらに資格の取得までつながる、そういったところまで辿り着きますと、先ほど申し上げた、 20 %程度の追加的給付がされる、このような段階的な支援のイメージで考えております。学び直しの支援措置に関する説明は以上です。

○岩村部会長 ただいま説明をいただいた資料 2 「学び直しの支援措置」について、御意見あるいは御質問をお願いします。

○小林委員 この学び直しの支援について、 6 月にも一度議論したのですが、そのときから少し頭がもやもやしている部分があって、そのことも含めてお話させていただきます。

 雇用保険制度の中の特に教育訓練給付のお金の話についてですが、現在、教育訓練給付は失業等給付の財源で行われているわけです。キャリア形成促進助成金やキャリアアップ助成金は雇用保険二事業でやっている。そもそも雇用保険二事業自体は、雇用の確保や安定、教育訓練ということで、その内容は十分分かるのですが、失業等給付の財源は、先ほど来お話があった失業者の生活安定のための給付の保険制度です。そこから教育訓練給付が出ているということです。これは本来雇用保険二事業の事業の範疇なのかなというのが、ずっと頭の中に残っているのです。

 そもそも先ほどの議論の給付の額を幾らにするか、失業等給付の額をどうするかという話もありますが、事業者からは、雇用保険料自体を下げてくれという話がまず根本にあるのです。今、準備金の積立金がかなりの額になっていることで、保険料を下げてくれと。その財源をもって、いろいろな形の教育訓練をするのもよし、自分の所で使うのもよし、それぞれの企業が考える設備投資にしたいということで下げてくれというのが、まず大前提にあるということを 1 点申し上げたいと思います。

 また、その制度自体、雇用保険制度であれば、そもそも雇用保険の失業等給付というのであれば、それに限定してほしいと言われているわけです。教育訓練給付は、過去に風穴を空けてしまったのかもしれませんが、逆に雇用保険二事業へ持っていくことを本来考える必要があるのではないかと私自身思っています。それを拡大するという話が出ていること自体、ずっともやもやしていて納得がいかないというのが感想です。これは企業のニーズからすれば、先ほど申し上げたように、教育訓練給付は失業等給付からではなく雇用保険二事業に回してくれというのがニーズだと思います。教育訓練を行うに当たって、雇用保険二事業の財源がどうかというと、これは大変厳しい状況があって、やっと失業等給付からの借入れを返し終わった状態ですので、この拡大は難しい。そうなると、どの財源をもってやるのかをもう一度考えていただきたいと思います。

 先ほど企業ニーズではないと、労働者個人の学び直しというニーズがあるという話がありました。これは社会全体としても学び直しは必要だと思いますし、自分自信を振り返った場合、私も学び直しで行った経験もあります。勤め先でも教育訓練の形でいろいろな資格を取らせるための制度は就業の中でやっていたわけです。考えてみると、これは必要なことではあると思うのですが、どの財源でやるのかはもう一度問い直していただきたいというのが投げかけです。本来であれば、一般財源でやるのが筋ではないのかというのが実感です。

 もう 1 つ、雇用保険部会で、求職者支援事業も、失業等給付から出すのはおかしいではないかという議論はあったわけです。さらに、これに加えて教育訓練給付をまた拡大していくのはいかがなものかというのが、前もって議論の前に申し上げたいことです。

○新谷委員 小林委員がおっしゃったことは、非常に共感するところが多いと思います。唐突感とか、納得感がないというのは本当にそのとおりです。もともとこの件については、 6 14 日に閣議決定された日本再興戦略の中で、従業員の学び直し、社会人の学び直しが、政府の方針として決められたわけです。この再興戦略の方針はどこから出てきたのかというと、よく分かりません。突然これが降って湧いたように出てきて、それは雇用保険制度の見直しで行うのだと政府が決めたわけです。それで雇用保険部会で議論しろということなのですが、そこの納得感は、もともと私どももないのです。なぜこれがここで出てきたのか、財源についてはどうするのかについても、本当に論じなければいけないと思っております。

 小林委員からは、雇用保険制度の中でということであれば、しかも、失業等給付の積立金の中から使うということであれば、先に保険料の引下げを行うべきだというご指摘を頂いたわけです。もともと雇用保険制度については残高が 6 兆円に迫るということで、非常に膨大な積立金になっているわけですから、これは私どもの立場からすれば給付の引上げに使うべきだと思います。ですから、今後この学び直しにどれぐらいの財源をどこから持ってくるかを議論するときには、当然雇用保険がベースにあるわけですから、小林委員は保険料の引下げ、私どもとしては給付の改善を図るべきだとなります。まず、そこが第一義にあって、その後にこの学び直し支援の在り方を考えるのが本来の雇用保険制度の趣旨ではないかと思っています。

 ただ、前回、阿部先生から御指摘いただいたと思いますが、失業したことに対する事後的セーフティーネットの強化をどうはかっていくかという部分と、それを予防するため、あるいは一旦失業したとしても、早期に再就職できるための能力開発をどのようにはかっていくか、これは正しくバランスの問題だと思っています。私どもとしては、労働者、あるいは被保険者であった方々の学び直しの機会を作っていくことについては、論議することはやぶさかではないのですが、財源問題については十分論議をしないといけないし、本体給付との関係でどうバランスを図っていくかということを念頭に置いて論議をしないと、この先の論議は進められないと思っております。そこの決着を図らない限り、先ほどの資料の中で多額な支援の内容をおっしゃっていますが、そこまでたどり着かないのではないかと思いますので、まず入口のところを整理しないといけないと思っています。

 そういった意味でいくと、今日頂いた資料では、知らないうちに、教育訓練給付の拡充ということで出てきているのです。 3 ページに「学び直し支援のたたき台」とあり、「教育訓練給付の拡充」とされていますが、いつの間にこんなことが決まったのでしょう。今の教育訓練給付の枠組みを拡充するのであれば、ここは国庫負担が全然入っていないわけですが、国庫負担の在り方の議論も含めて、もう少し丁寧に進めるべきではないかと思います。財源負担の在り方について、この拡充というのは国庫負担を入れるという意味も含めて拡充とおっしゃっているのか、今国庫負担なしで行っているものを更に拡充するということでおっしゃっているのか、その部分が全然はっきりしていないのに、知らないうちに教育訓練給付に紛れ込ませてくるやり方は、論議の進め方としては丁寧さを欠くのではないかと考えております。

 ですから、小林委員がおっしゃったことは全く同感で、財源の在り方については政府が閣議決定をされたのであれば、雇用保険制度の中で行うのもたしかにいいのですが、国庫負担については何らかのことを考えているのかどうか、事務局の考え方もお聞きしたいと思います。

○吉永雇用保険課長 今回の学び直しの案について、いろいろ御指摘を頂いております。そもそも教育訓練給付がどういう経緯で入ったかですが、教育訓練給付自体は二事業に基づく給付と異なり、本人に対する給付であるところが、二事業からの通常の助成金制度とは異なっているということです。その上でなぜ、雇用保険の本体から出しているのかですが、教育訓練給付の制度設計当時、本人の Employment ability をどう高めていくのか、本人の能力を高めることによって雇用の安定を維持していくことが制度設計になっております。本人の能力が高ければ市場価値も非常に高くなりますし、失業の機会も少ないし、仮に失業しても短期間で終わるだろうと。そういう意味で、雇用保険の財政にも寄与するという発想から制度設計がなされているわけです。

 その後の経緯は御案内のとおりですので、必ずしも初期の設計どおり動いていたかということはありますが、今般、政府全体として学び直しを考えるに当たって、 1 つベーシックになるのは、教育訓練給付を想定した当時の考え方、労働者本人の能力を本人の自発的な意思に基づいて向上させることを通じて、本人の Employment ability を高めていくこと。これが労働者本人にとっても寄与するし、日本の経済社会にとっても寄与するし、ひいては雇用保険制度にも寄与する。そういう発想で制度設計がなされているという考え方に基づいて、既存の、現行ある制度としては教育訓練給付があるので、教育訓練給付の 1 つの類型として制度設計をしているという状況です。

 御指摘のとおり、現状では教育訓練給付について国庫負担が入っておりません。これについては様々な議論がありますが、結果として直接的な生活の安定に寄与するかどうかということもあると思っております。いずれにしても既存の制度、あるいは現行のというよりは、設計当初の基本的な考え方に基づけば、それほど大きく枠を外していることもないかと思いますので、そういう意味で、今回、事務局としてたたき台として御議論に資するような形で案を作成したという経緯です。

○新谷委員 私が申し上げているのは、小林委員も同じことをおっしゃっているのですが、基本的な財源の在り方が論点に入っていないところがおかしいのではないかということです。今の教育訓練給付を拡充すると言うのであれば、一言も答弁はありませんでしたが、国庫負担の在り方について何ら言及しないということは、やる気がないと解釈せざるを得ないわけです。この財源をどうするかということは大きな論点だと思いますので、是非、論点として加えていただきたいと思っております。

○岩村部会長 そこは、そういう御意見があったということで受け止めたいと思います。

○井上委員 今、労働側から基本的な財源の在り方について論点にすべきという御発言がありましたので、それを前提にした上で、学び直し支援措置に関する考え方について述べさせていただきます。

 支援対象者についての意見と質問です。たたき台では、在職者に加えて離職者も支援措置の対象とするとともに、離職者の中では雇用保険加入歴のある方を対象とすることを想定とあります。雇用保険制度の中で支援措置を検討することを考えれば、支援対象の範囲を雇用保険の被保険者や雇用保険受給者など、雇用保険に加入していた期間がある方に限定することは妥当だと考えます。ただし、あくまで雇用保険制度の中で社会人の学び直しを支援することが目的であることを踏まえれば、例えば大学院や専門学校等で学びたい若者が学費の支援を受けることを目的に、一旦、短い期間でも企業に就職して働いた後、この支援措置の適用を受けるといった、いわば濫給が生じるような事態は避けなければならないと考えます。

 また、現行の教育訓練給付の支給要件は、被保険者期間原則 3 年、初回に限っては 1 年とされておりますが、今回の支援措置の趣旨・目的を踏まえれば、初回であっても 3 年以上の被保険者期間を支給要件とすることが必要ではないかと思います。中長期的なキャリア形成を目的とするのであれば、原則この支援措置を受けられるのは 1 回のみとし、複数回受給することは認めないとすべきであると考えます。

 離職して学び直しを行う方に対しては、大学等の学費の一部を助成するとともに、受講期間中に雇用保険の基本手当の支給が終了する場合には、離職休職者が安心して学ぶことができるように、生活支援という観点から、基本手当の終了後から受講が終了するまでの期間、基本手当相当額の給付を行うべきではないかと考えます。以上が意見です。

 次に質問というか確認ですが、資料の 7 ページの「学び直しの支援措置の内容」で、「若年離職者を対象として基本手当の 50 %程度を支給してはどうか」とあります。支援の対象を若年離職者に限定をしている理由、また、支給額を基本手当の半分としている理由、これは基本手当に加えて学び直し支援の支給なのかということです。この 2 点を確認したいと思います。

○岩村部会長 前半が御意見で、後半が御質問だったと思いますが、事務局からお願いします。

○吉永雇用保険課長 井上委員から対象者について御提案がありました。詳細に書き込んでいるわけではありませんが、基本的に学び直しの対象者をどうしていくのかについては、様々な観点から検討ができるものと考えております。

 そのうち、 1 つ私どもが重要な対象だと思っているのは、いわゆる年長フリーター層等についてどう考えるのかということです。年長フリーター層については、既に 45 ぐらいまで来ているという状況があります。いわゆる年長フリーター層は、 35 45 歳ぐらいの層で 50 万人ぐらいのグループになっています。そういう方々が、雇用保険の被保険者の範囲の拡大が行われてきておりますが、十分に雇用保険の資格が得られていない、基本手当の対象とならないという考え方もあるだろうと。仮にこういう方々をこのようなものの対象とすることを考えた場合に、先ほど御指摘がありましたとおり、教育訓練給付については初回 1 年、あるいは 2 回目以降 3 年という被保険者期間が必要になりますが、被保険者の範囲の拡大をしても、なお 1 年なり 3 年なりということが継続した形で実現していない方々がいるのではないかと考えます。ただ、仮にそういう方々を対象としていく場合について、雇用保険制度でやる以上は、現行制度で言えば 1 年間 12 か月の被保険者期間が必要になるので、少なくとも延べ数でそれぐらいのものは最低限必要だと思っておりますが、そういう形での雇用保険期間を対象としていくことも検討すべきではないかと考えます。

 そうすると、既存の雇用保険の枠組みから若干逸脱する部分もある。そういう意味で、特に私どもが着目している年長フリーター層、若年と書いておりますが、実質的には 45 歳ぐらいまでを対象とするのではないかと思っておりますが、この辺りに対する最後のチャンスというか、学び直しをして、社会的に自立をしていただく機会を与えていくということからすると、そういうところに 1 つのターゲットを持っていくことを「若年」と表現しているということです。

 また、基本手当の半分としているのも、過去において 12 か月延べで被保険者期間を有している人であっても、まとまった形で 2 年間に 12 か月という形で持っていない場合については、基本手当の対象にならないわけです。ただ、そうすると安心して教育訓練を受けることも難しいということになります。本来であれば掛け捨てになる部分もありますが、集めれば基本手当に相当するような支援をする、教育訓練を支援する手当を支給する、財政的にあり得る水準のものについて支給することを考えるに当たっては、そうは言っても基本手当と同額ということについて労使の御理解を得るのは難しいかもしれないということで、基本手当の半額で支援をすると記載をしております。

 いずれにしても、今回お出ししているペーパーがいろいろな方を対象としているので、概念の整理がうまくいっていない部分もありますが、私どもは企業に勤めていて、更にブラッシュアップしていただいて、日本の産業界をリードしていただくという最先端のところをやっていただく方もいらっしゃいますし、既存の資格を取って、更に進めていただく方もいらっしゃると。その中に年長フリーター層のような方々、雇用労働にきちんと就いていたりいなかったりといった方々について、最終的な学び直しの機会を提供していきたいという思いで資料を作成しております。

○岩村部会長 確認ですが、 1 つは基本手当の 50 %というのは、今日の御説明のときには 1 つのアイディアとしてという御説明だったと思いますので、それで確定的な御提案という趣旨ではないということでよろしいですね。井上委員、よろしいですか。

○井上委員 若年離職者が年長フリーターを対象としているということであれば、「若年離職者」という言葉遣いは、何か別の表現があってもいいのではないかと思います。

○岩村部会長 私からの質問ですが、私も若年のフリーター、特に 40 代ぐらいまでの人たちをどう処遇していくかということは非常に重要だと思いますが、今の課長の説明を伺っていて 1 つ気になったのは、フリーター層の人たちの雇用の安定やキャリアアップと、今回示されている 1 つのたたき台が、うまくマッチしているのだろうかということです。つまり、実際どういうことを対象としてやりましょうかという話は、今日の資料 2 5 6 ページに出ていますが、ここで前提とされているものは、どちらかというと、全部ではないけれども、大卒の資格を持っているというイメージがかなり強い気がするのです。もちろん、フリーター層の方々でも大卒の資格を持っている方もいますが、そうでない方々もいるだろうしということだとすると、 1 つの狙いとして挙げられているフリーター層と対象訓練のイメージとの間にやや差があるような気がするのです。そこはいかがでしょうか。

○吉永雇用保険課長 部会長の御指摘のとおりで、まだ少し粗々なので、対象訓練についての概念整理がうまくいっていないというのが正直なところです。例えば、ここには記載しておりませんが、看護師のような資格は 3 年間の教育訓練が必要ですが、そういったものもこの対象に入ってくるだろうと思いますし、他にも入ってくるものもあるだろうと思います。

 そういう中で、年長フリーターの方がどういう仕事に就けるのかを考えた場合に、これで全てを対象とすることは難しいと思っております。公共訓練などもありますし、そういう所で受け皿としてやっていけるようなものもあるかと思いますが、強いて言えば建築士のような資格については、現場の作業と実際の実務との関係があるということで、しかも、今、就職にも比較的いい職種なので、こういったものは対象になるかと思いますが、その辺りについてももう少し対象ごとの概念を整理させていただければと考えております。

○青山委員 これまでの議論をお聞きして、重要な点が幾つかあると思います。 1 つは、冒頭に話が出た財源論の問題です。もう 1 つは、先般の閣議決定に盛られた内容をどのように考えるかです。経済のグローバル化や少子高齢化の対応のために、学び直しの必要性については、恐らく誰も異論はないと思います。しかし、この学び直しの目的を、生涯教育の一環として、いわゆるキャリアアップをやっていくと捉えるのか、それとも、非正規であろうが正規であろうが関係なくて、学び直しの機会を提供していくのだという話なのか、その目的があまり明確でないと感じております。

 というのは、ここにたたき台として提案されている対象者の考え方は、どちらかというと非正規やフリーターを想定されているように見受けられます。そういう方々はどういう経歴を持っていたかと考えると、大卒の方だけでなく、なかなかチャンスがなかった、経済的に余裕がなかった人たちが多いのではないかと推定されます。そういう方たちが、中長期的なキャリア形成に資するといって、大学院などの授業を受けたいのだろうかという疑問が、非常に大きく湧いてきます。結果的に雇用保険の中で何をやるのだという議論をしっかりしていかないと、単に学び直しの対象をこうしますという議論では、なかなか進まないのではないかと思っています。雇用保険が担う目的は一体何なのかを、改めて共通認識として各委員の皆様方で持っていく必要があると思いますし、その上で制度をどうしていくかという議論が必要だと思います。

 もう 1 つ、訓練のイメージが出されていますが、私ども中小企業の会員が多い経済団体から見ると、非常に高度な内容で、高度人材を育成していくことを目的とするのかという印象を受けます。しかし、高度人材を育成するのことは雇用保険の役割ではないと思います。そこで、学び直し、生涯教育をどのように考え、厚労省の担う部分はどのようにやっていくのかを政府全体の中で、整理していただいて、もう一度、考え方を示していただいたいと思います。

○古川委員 私も部会長や青山委員がおっしゃったように、学び直しの対象になる方は一部の労働者に限られるのではないかと思います。多くの非正規労働者については、企業内の Off-JT 訓練や自己啓発支援を受ける機会が正規労働者と比べて少ないというか、ほとんどないのが実態ではないかと思います。ですから、高度な訓練と、それに加えてもう少し実践的、効果的な訓練も必要だと思います。

 具体的に言うと、非正規労働者などの在職者が、在職中にハローワークでのキャリア・コンサルティングを通じて現行の公共職業訓練や求職者支援訓練のような実践的な訓練を受講する場合においても、費用の一部を助成できるよう、支援メニューに加えていただいてはどうかと思います。また、その際、非正規労働者のキャリアアップに資する職業訓練の内容を充実させることもとても重要だと思いますので、職業能力開発分科会の中でも議論を深めていくべきことだと考えております。

○遠藤委員 ただ今お話があったところは、使側で検討しているときにも議論として挙がっています。少し議論が戻りますが、基金訓練から求職者支援制度として恒久化するに当たって対象となる訓練をどう見ていくのか、期間をどうするのかといったことは相当議論を行いました。資格取得のためのコースを認定して、 2 年間にわたって給付をするのかしないのか、議論したことを記憶しています。求職者支援制度の中で資格取得のコースを位置付けることが今後できるのかできないのか、これは論点になり得るのかどうかを事務局にお尋ねします。

○青山職業能力開発局能力開発課企画官 求職者支援制度も並行して能開分科会でも議論をしております。おっしゃるとおり、求職者支援制度は、公共職業訓練もそうだと思いますが、早期再就職を促すのが目的ということもあり、現在、求職者訓練は 3 6 か月、公共職業訓練でも一部を除き、長くても 1 年という短いコースで行って、早期に就職していただいているという制度になっています。ですから、そのような長い期間の訓練も行うのかどうかについては、制度の枠組みに関わる基本的な議論かと思いますので、そういう御議論があるということであれば議論の対象になるかと思いますが、事務局の段階でそこまで頭が至っていないというのが正直なところです。

○遠藤委員 早期再就職を図ることについては、雇用保険制度の中で重要で根幹をなすものですから、もしそういったことを踏まえる必要があるという前提に立つとすれば、この学び直しの支援措置の枠組み自体が飛んでしまうことになるのではないかと思っています。必要性の議論は多くの方々が感じ取っているのだと思います。その必要性をどう具体化していくかといったときに、雇用保険の枠組みが使えるのか使えないのかという議論が、ここに落ちてきているのだと思います。

 先ほど来、労側から指摘されているように、雇用保険の枠組みということであれば、当然に保険原理を適用するわけですから、対象者を限定せざるを得ない。しかし、限定していくと、どうしても最後に、ケースごとに公平性を担保できるのか、という議論に落ちてしまうわけです。先ほど被保険者期間について 3 年間は必要だとの指摘があり、私もかなりの期間は必要だと思っています。しかし、本人が努力をしても、 3 年まで継続して働くことができずに学び直しの機会が得られない状況はあり得るわけです。そうなったときに、「 3 年間ないから、あなたは適用できない」と言うことが、果たして良いのか悪いのか等々を考えると、雇用保険の枠組みで対応すると、どうしても対象者がかなり限られてしまうのではないか。漏れてしまう場合の対応策がない中で、国の施策として出すことについては、メッセージ性がないと感じています。この制度で救える方々だけでなく、全体像を描いていく必要があると思っています。また、文科省でも検討しているという話がありましたが、極端に言えば、学費の問題があるのだとすれば、奨学金の拡充など学費をどう財政的に負担していくのかという議論をしていけば、ある程度のものは片付けられると素人ながら考えるところもあります。

 したがって、今後議論していくということであれば、雇用保険の中で使えるような枠組みとして何があって、その枠組みの中でどういうものであれば保険原理をある程度こなし得るのかを議論していきたいと思っています。

○新谷委員 対象者をどうするかということと、今日御提起いただいている論点の中に具体的な支援の金額のイメージも入ってきていますが、どこまで支援できるのか、雇用保険でやるのかやらないのかというのは、金額水準のイメージにも関わってくると思うのです。今日頂いている資料の 6 ページに、例えば大学院で、これは切りがいいので分かりやすいのですが、 99 万円学費がかかる。今の提案ですと、最初の 40 %を給付して、成果が上がったら更に 20 %、合計 60 %。 1 年間で 60 万円です。 2 年間で 120 万円雇用保険から出すという話で、巨額なお金が出ていくわけです。今までの教育訓練給付では、一時 30 万円まで出したことがあります。今は上限 10 万円まで落としていますが、あのときの比ではないお金が出ていくわけです。だから、この対象者をどうするかは、被保険者期間との関係で、納得感の問題にも関わってきますが、非常にここの入口の論議は大事だと思っております。仮に雇用保険でやるのであれば、雇用保険の被保険者期間との関係は本当に大事なポイントになってきます。

 同時に、これも繰り返しになりますが、先ほどの基本手当の給付期間、先ほど 90 日という例を出しましたが、賃金日額が上限の 1 5,740 円の方の基本手当が日額 7,870 円なのです。 90 日間支給される場合、そのように支給期間終了までもらうという発想はもともとないのですが、仮に就職できなかったときにもらえるお金が 70 8,300 円なのです。この方々が大学院に行って勉強していくお金のうち 120 万円を学び直し支援として出す。こちらは 10 年近くかけてもたった 70 万円しか支給されない。こういう現実のバランスをどう考えるか、冒頭に申し上げたように、仮に雇用保険でやるのであれば、この点も大事なポイントとして比較しておかないと、我々は説明できないと思うのです。雇用保険の財源を使ってこちらに 120 万円出して、失業給付の本体が実はそれぐらいしか出ていないとなると、なぜ雇用保険から出すのだということになり兼ねないので、制度の納得感から言っても、受給資格の在り方は重要なポイントだと思っておりますので、重ねて申し上げたいと思います。

○小林委員 今、新谷委員が言われたこともそのとおりだと思いますし、このイメージ図で出てくる在職者を大学院に行かせるケースも、一般の大企業は既に理工系の方々を国内の大学院や海外の大学院に留学させるケースもあるでしょうし、かなりの方々が行っているケースがあります。中小企業でも、理科系の人間で地元の大学院の先生といろいろ研究する中で、一緒に研究しないかと誘われるケースもあります。企業がそれを負担する、又は個人が負担するケースがあるのですが、現状、企業が負担しているケースがあった場合、企業の経営者からすればこういう制度ができたとなれば「おい、使ってこい」という話になるのです。そうすると、かなり増えるケースもあるでしょうし、膨大な金額が出ていくことがあると思うのです。先ほど言われたように、 60 %近く出る形になれば、 100 万円のうちの当初は 40 万円だとしても、相当の金額が出ます。大学院へ行くにはそれだけではなくて、いろいろな本も買わなければならないので、自己の投資も必要になると思いますが、企業側の支援を考えれば「使ってこい。今まで企業が負担していた分、この制度を利用しろ」ということになると、モラルの問題も出てくると思うのです。この辺も含めて考えていく必要があるのではないかと思います。

○新谷委員 大事なポイントだと思いますので関連して申し上げます。先ほど青山委員と古川委員からも発言があったように、誰のために、何のためにやるのかというところの制度設計にあたって、政策効果として何を求めるかをよく吟味しておかないと、例えば大学院の話が出ていますが、大企業の在職中にこれを利用して夜間大学に行ったとします。より強い者は強くというのは分かりますが、離職するおそれもないし、雇用保険の失業給付をもらう権利もない方々に 120 万円を投入して、より強くなってくださいという一方で、非正規労働者の方々の訓練の貧弱さというか、受講する機会が少ない方々に対してどんな支援をするのか、この制度でやるのかやらないのかということも考えると、本当に制度の根幹をよく考えないと、 6 月の閣議決定で降って湧いたような話が出てきたわけですが、雇用保険でやるのであれば、もう少し精緻な論議が必要ではないかと思っております。

○岩村部会長 今までの御議論を伺った中で、私も気になった点としては、先ほどのフリーターの話に戻ると、そこを考えるのであれば、今回の学び直しの部分だけではなくて、教育訓練給付自体とどう整合させるのか。これは目的層が誰かということと関係しますが、そこも考えた上での全体としての制度設計を考えないと、当初意図していたものとは違うところに行ってしまう気がします。

 今日は、事務局には労使双方から宿題がたくさん出ました。他方で先ほど来労使の方々から御指摘いただいているように、閣議決定という形で指示も来ているので、今日の労使の御指摘も十分に検討しつつ、ブラッシュアップした案をお出しいただけると思いますので、その点をお願いしたいと思います。

○新谷委員 資料 6 から内容が書いてあるのですが、一定の資格を取ることを政策効果とするというところで終わっているのです。例えば離職中の方が再就職できたとかできないとか、労働市場との関わりについても政策評価として入れるのか入れないのかというところも考えていかなければいけないと思っております。それも論点として、是非追加をしていただきたいと思います。

○岩村部会長 使側は何か追加の御発言はありますか。

○遠藤委員 資料をお待ちしています。

○岩村部会長 そのほか、よろしいでしょうか。

 それでは、今日はここまでとさせていただきます。いずれにしても、今日、議論の対象になった学び直しの支援措置に関しては、訓練に関わる部分については職業能力開発分科会でも併せて議論をするということですので、そことの連携は常に、とりわけ事務局を通してお願いしたいと思います。

 最後に、本日の署名委員ですが、雇用主代表については福田委員に、労働者代表については亀崎委員にそれぞれお願いをいたします。次回の日程ですが、これについては事務局から改めて各委員に連絡をお願いします。今日は、委員の皆様、お忙しい中どうもありがとうございました。これで閉会といたします。


(了)
<照会先>

厚生労働省職業安定局雇用保険課企画係
(TEL)03-5253-1111(内線5763)

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