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2013年10月7日 第3回建築物の解体等における石綿ばく露防止対策等技術的検討のための専門家会議 議事録

労働基準局安全衛生部化学物質対策課

○日時

平成25年10月7日(月) 14:00~16:00


○場所

中央合同庁舎第5号館18階 専用第22会議室


○議題

(1)石綿ばく露防止対策等について
(2)その他

○議事

○樋口専門官 本日は大変お忙しい中御参集いただき、誠にありがとうございます。ただいまより「第3回建築物の解体等における石綿ばく露防止対策等技術的検討のための専門家会議」を開催させていただきます。なお、本日は森永委員から欠席の御連絡をいただいております。

 議事を始める前に事務局より資料の確認をさせていただきます。資料番号1から4がございます。それから参考資料12、参考資料3-13-2が付いております。よろしいでしょうか。会議途中でも落丁等ございましたらお申し出ください。

 傍聴の方に御連絡いたします。カメラでの撮影はここまでとさせていただきます。それから、資料3についてですが、委員の先生方にはカラーの物をお配りさせていただいております。傍聴の方におかれましては白黒の物をお配りしております。後日、ホームページではカラーの物を掲載する予定です。見にくい等ございましたら後日、ホームページを御確認いただければと思います。

 以降の進行につきましては、座長にお願いいたします。

○神山座長 今日は台風の影響で大変蒸し暑くなっております。委員の皆様におかれましては御参加いただきありがとうございます。

 この「建築物の解体におけるばく露防止の技術的検討の専門家会議」は第3回になります。前回は負圧、集じん装置の問題、測定の問題、それらの対策に関する技術的な面などの、現場における実情についてヒアリングを行いました。

 今回は事務局より、報告書のたたき台が準備されております。これを本日十分に議論していただいて、できれば取りまとめたいと思っております。いずれにいたしましても、東日本大震災が1つのきっかけになり、解体工事現場での石綿の漏えいが、現在大きな問題となってきております。これに対しては、参考資料2として配布されている石綿飛散漏洩防止対策徹底マニュアルを厚生労働省のホームページに掲載するなど、いろいろなPRに努めておりますが、まだまだ不足の部分があるのではないか。その意味で、この会議では技術的な検討を十分加えた上で必要があれば法的な追加も行いたいと思います。

 早速ですが、本日の議題として、報告書()について十分な議論を進めてまいりたいと思います。その資料について、事務局より説明をお願いいたします。

○樋口専門官 議題1の報告書()については、資料1から資料3までを用いてご説明させていただきます。それぞれの資料を御説明させていただきます。資料3につきましては厚生労働省の委託事業、こちらに書いてある中小企業能力向上事業という事前調査を行っています。主に参考資料2のマニュアルを作るための検討会ですけれども、こちらで今回の議論に関係する検証実験をやっていただいております。その結果については後ほど島田委員から詳しく御説明いただくことにしております。

 資料1を御覧ください。前回までの議論等を踏まえ、事務局で報告書の素案を作らせていただいたところです。2ページ目は目次、3ページ目の第1部「はじめに」でこれまでの経緯など、4ページ目の第2部でこれまでの規制状況、さらに第3部で今回の議論の取りまとめを記すという構成にしております。

 第1部「はじめに」についてです。1の「経緯」につきましては、第1回の会議で御説明いたしました開催要綱に記されている、この会議を始めるに至った経緯をそのまま転記しています。説明については割愛させていただきます。

 第1部の2で「参集者名簿」を記載しております。もし誤字等ございましたら事務局へお知らせください。

3として、「検討会の開催状況」を書いております。予定しております第4回まで記載がございますが、ここは本日の会議の状況に応じて修正する予定でございます。

 第2部ということで、これまでの規制状況を簡単に書いております。こちらは、第1回目の会議で簡単に説明した内容を文章でまとめたものでございますので、説明は割愛させていただきます。

 第3部の「検討結果」についてです。本会議による検討の結果、石綿ばく露防止対策等について、以下に示すとおり、その措置の充実を図ることが適当であるとされたということで、まず1「石綿等の除去作業時の措置の充実」です。これについては資料2の絵を見ながら説明を聞いていただければと思います。まず[現状と課題]ですが、1つ目の○については東日本大震災において大体1割ぐらい漏えい事案があるというのを数字で記載しています。これは第1回の資料でも御説明させていただきました。

2つ目の○を大まかに読み上げます。隔離措置を行った場所からの主な漏えい箇所は、前室又は集じん・排気装置の排気口からの漏えいである。前室については、隔離内部の負圧の管理が適切でないことや前室からの人の出入りの際に石綿を持ち出すこと等の原因が考えられる。また、集じん・排気装置についてはフィルターの装着の不適切な場合等が考えられる。その他、第2回の資料で提示しましたが隔離が適切に行われず、壁等の隙間より漏えいした事案もあるということです。

 このような現状と課題に対して、[検討結果及び取り組むべき対策の方向]を記載しております。読み上げますと、解体等の作業においては既に講じられている石綿ばく露防止対策の有効性を確認するため、また、漏えい等に応じ速やかに措置を行うためにも主な漏えい箇所である前室及び集じん・排気装置の管理が重要である。このような全体的総論を書かせていただきました。

2つ目の○も読み上げます。ろ過集じん方式の集じん・排気機の排気口の粉じん濃度を測定し、当該集じん機が粉じんを捕集していることを点検する必要がある。なお、この集じん機の点検については作業開始前に行うこととし、その後集じん機の設置場所を変える等状況が変わった時、あるいは定期的に測定することが望ましい。また、集じん機が正常に稼働している場合はあらゆる粉じんを捕集しているはずであることから、測定する粉じんは必ずしも石綿繊維の絶対数を測定する必要はなく、デジタル粉じん計等、総粉じん濃度の測定で十分である。これは資料2の右上のほうの説明になります。

3つ目の○になりますが、ろ過集じん方式の集じん・排気装置の設置の際、又は設置前に、集じん機そのものが正常に稼働していること及び適切に粉じんが捕集されていることを確認することが望ましいということです。これは設置した後の粉じん漏えいではなくて、装置そのものがきちんと動いているかどうかの確認が望ましいという御意見を記載させていただいております。

 なお、この粉じんの捕集の確認は、装置を稼働させて大気を吸い込む、または任意に発生させた粉じんを捕集させて上記と同様、デジタル粉じん計等で排気口において粉じん濃度を測定することで確認ができるということです。これが集じん・排気装置の報告の部分になります。

5ページ目の最後の○が前室についてです。大まかに読んでいきますと、前室については洗身設備、それから更衣設備を併設させ、人の出入りにおける粉じんの持ち出しを防止するとともに、前室において確実に負圧が担保され、粉じんの持ち出しを起こさせないよう、集じん機の使用時に負圧が維持されていることを目視、マノメーター又はスモークテスターで確認する必要がある。また、人の出入りの際に十分な洗浄がなされずに持ち出される可能性があることから、技術指針に定める洗身設備での十分な洗身、参考資料2のマニュアルで「30秒以上」と書いておりますが、そういったものの徹底を図るとともに、石綿則第4条で作業計画を作ることになっていますが、ここにおいて十分な洗身時間を確保した作業計画を立てていただく指導も必要であるというように書いております。

 次に「なお」以下です。ここはまだ議論が固まっていないところですが、これら措置においては例えば粉じんの漏えいは一定程度抑制されることは見込まれるものの、併せて前室からの粉じんの漏えいを監視することも望ましいことや、その際、デジタル粉じん計等を用いてリアルタイムに粉じん濃度の増減を監視し、作業開始前に比べ非常に高い濃度が検出された場合、人の退出又は隔離内の作業における石綿等、飛散を伴うような作業と連動している場合は内部からの持ち出し、または飛散が疑われるので、作業計画の見直し等、必要な措置を検討する必要があることを書いております。この辺、前室の粉じん濃度測定については前回の会議で少し議論があったと思いますので、本日議論をいただければと思います。

6ページの上を御覧ください。これは資料2の右下の隔離の中の措置を2つ書いております。読み上げていきます。その他、作業開始前にスモークテスターで隔離の隙間、あるいは隔離そのものに対する漏洩等による気流の流れがないことを確認し、作業場の隔離が適正に行われていることを確認することが望ましい。また、層間塞ぎや耐火区画部等の建築物の構造上の隙間等について見落としがあると隔離の破れの原因になることから、見落としがちな構造物の具体的な例等についてマニュアル等で周知することが望ましい。

 同じ隔離の話で、今度は解除する場合の措置です。隔離を解除する際、粉じんが適切に処理されていないと周辺に飛散するおそれがあることから、目視により、石綿等の取り残しがないかどうか確認するとともに、石綿則第6条に規定された粉じんの処理が確実になされているかどうか、これを石綿等の粉じんを測定することにより確認することが適当であると書いています。

 最後の2つの○も読み上げます。なお、上記の措置を実施し、異常があれば当然速やかに集じん・排気装置の補修や作業手順の見直し等、その他必要な措置を実施する必要がある。

 本会議においては上述の措置が適当であるとの結論であるが、これら措置に関しては大気汚染防止法を所管する環境省と十分に調整の上、施工業者に同じ目的で複数の異なる措置をさせることがないよう配慮する必要がある。以上のことを注意書きとして書いております。

 引き続き、2「石綿等が使用されている建築物内での石綿の管理等の充実」についてご説明いたします。これから説明する6ページ、7ページについては今使われている建物に関する措置についてです。

[現状と課題]のところです。石綿則10条において、事業者はその労働者を就業させる建物に吹き付けられた石綿建材(いわゆるレベル1)が劣化している場合は、労働者にばく露のおそれがある場合に石綿の除去、封じ込め、囲い込み等の措置をしなければならないと規定されているところです。

 一方、第1回目の会議で御説明させていただきましたが、国土交通省が実施した平成23年度の委託事業においてはレベル2の建材、煙突が激しく劣化している場合、煙突内部のみならず、隣接する機械室でも比較的低い濃度ですが石綿繊維の9/Lという飛散が確認されたという報告が出ているところです。

 これを受けまして、平成249月には煙突内部の石綿の断熱材について激しく劣化しているような場合、労働者がいるような周辺の作業場に石綿が飛散するようなおそれがある場合は石綿を除去してくださいという内容の、行政文書を発出しているところです。

 このような現状と課題を記した上で、[検討結果及び取り組むべき対策の方向]を記しております。現に使用されている保温材等については労働現場での飛散事例が少ないという指摘もあるものの、今後それらの事例の増加が見込まれます。実際、保温材等から石綿等の飛散があった場合は除去、封じ込め、囲い込み等の措置を行う必要があり、現に事例が少ないものの、予防的観点からレベル1の吹付けの石綿だけでなく、保温材や耐火被覆材等が損傷して石綿のばく露のおそれがある場合にも、これら封じ込め等の措置を行う必要があるということを書いております。

 併せて当該作業に伴う石綿等が使用され、石綿が飛散している保温材を取り扱う場合には、封じ込め、囲い込み措置においても石綿等のばく露のおそれがあるため、作業届等、除去作業と同じような措置を行わせる必要があるということを書いております。

3「石綿等が使用されている建築物内での作業に係る発注者による配慮」ですが、これも今使われている建物のことです。1つ目の○につきましては先ほどと同じ石綿則10条の説明を書いております。2つ目の○を読み上げます。しかしながら、臨時に当該おそれのある場所に就業させる場合には、事前に当該場所の石綿の使用状況を把握する必要があるが、事業者がそれらの情報を入手することが困難な場合がある。一方で3つ目の○の内容を申し上げますと、事業者は臨時に就業させ、建物又は船舶の石綿等の使用状況を事前に把握する必要があるが、それら建物内の石綿の使用状況はその建物を持っている方が把握している場合が多いという現状がございます。

 これに対して最後の3つの○、[検討結果及び取り組むべき対策の方向]を記しております。石綿則第10条等の措置が適切に行われるよう、事業者責務として、その労働者を就業させる建物、あるいは船舶等の壁等に吹き付けられた石綿等や先述の保温材等の劣化状況、これを定期的に点検することが望ましい。これは事業者がまずやるべきではないかということです。なお、目視による確認が難しい場合は、必要に応じて定期的に測定することが望ましいということです。

2つ目の○では臨時作業の場合について記載しています。建築物又は船舶を所有等する事業者からの発注を受けて、臨時にその建物に労働者を就業させる場合、石綿則10条第2項に基づき、石綿の使用状況に応じて呼吸用保護具を着用する義務がかけられておりますが、この義務を履行するために事業主が発注者に事前に使用状況を確認するよう指導しなさいということです。発注者が問い合わせて石綿の使用状況が不明な場合、御意見がありましたが予防的な観点から労働者に保護具、または保護衣を着用させるようにすることが適当であるということです。

 このような状況の指導の中で、併せて3番目の○ですが、これら事業者の情報収集が円滑に行われるよう、行政としても発注者に対して当該呼吸用保護具の着用を行う必要があるかどうかの判断の一助として、当該注文に合わせて○の1つ目、いわゆる定期的な石綿の使用状況の調査等の状況を、臨時作業を行う事業主に通知するよう、協力を依頼することが適当である、と記しております。以上のような報告のたたき台を作成いたしました。御議論をよろしくお願いいたします。

 続きまして、島田委員より資料3の御説明をお願いします。

○島田委員 資料3を御覧ください。この実験は平成25924日から27日にかけて行いました。結果がまとまったものだけ御報告いたします。そのほかは口頭で若干補足的に説明をさせていただきます。

 実験の概要ですが、1ページ目に平面図がございます。4m×4m、高さ2m、32 3 の隔離作業室を作りました。それに対して右下の方から出ておりますように、3室構造のセキュリティーゾーンを設けております。上から前室、洗浄室、更衣室という3室です。基本的な設置としては、左上に集じん・排気装置、左下に発煙装置です。セキュリティーゾーンの洗浄室にエアシャワーを設置しているという構造です。

 次のページを御覧ください。1番目として差圧の状況を監視いたしました。下の平面図にありますように、隔離作業室内に丸数字1から丸数字77点、差圧計を設置いたしました。それから、セキュリティーゾーンの前室に丸数字8、更衣室に丸数字9というように差圧計を設置いたしました。差圧計は写真4にある物です。それと合わせて、右下にありますセキュリティーゾーンの中の風速を観測しております。下から丸数字1、丸数字2、丸数字3というものでして、その結果が3ページ目の表1に出ております。集じん・排気装置の能力を変化させまして、4回換気、6回換気、当時8回換気で予定していたのですが、計算すると7.1回換気だったということでした。

 ここの結果を見ていただきますと、作業室内におきまして4回換気ではマイナス2Paを超えることはありませんでした。通常、隔離作業所内の負圧はマイナス2からマイナス5Pa程度と言われております。同時に4回換気以上と言われておりますが、4回換気ではマイナス2Paを確保できなかったところです。

 その下にセキュリティーゾーンの差圧が示されております。これは当然の如く、差圧は少なくなっているということです。

 その時の風速を観測した結果が一番下にございます。丸数字1の一番外側から入ってくる風速が一番強くて、前室から隔離作業所内に向けてだんだん小さくなってきています。4回換気において測定点丸数字30.00ということにはなっておりますが、それぞれ外からは一定の風速で空気が中に取り込まれており、負圧を確保すれば空気の流れは外から内になるというのは当たり前と言えば当たり前のことです。

 それともう1つ、圧力ですからどこでも同じ値になるのが基本なのですが、実験結果もそのとおりになっております。6回換気、7.1回換気ではほぼ、各箇所とも同じ程度の数値ということで、セキュリティーゾーンから少し離れた所ではほぼ一定の負圧になっていることが確認できました。

 ただ、4回換気では若干場所的なばらつきが大きいかなという結果です。

 次のページを御覧ください。集じん・排気装置の設置場所を丸数字1、丸数字2、丸数字33か所変えて同じようなことをやりました。合わせて、それぞれについて入口にファスナーを付けておりますけれども、そのファスナーを閉めた時にどうなるかということをやってみました。それぞれ3回実験をしております。

 その表が5ページ目です。差圧計の数字は3か所でほぼ同じです。集じん・排気装置をどこの場所に置いてもマイナス2Pa程度を示しているということです。

 合わせて、入口のファスナーを閉めた時にはすぐ差圧が大きくなって、マイナス7からマイナス10Pa近くまで差圧が上がるということです。もうこういう状態になると、むしろ養生の剥離が怖いので、すぐファスナー開けたということです。

6ページを御覧ください。3番目に行いましたのは集じん・排気装置を元の位置に戻して、装置を稼働させながら6ページの表3にありますような、パターン1から3までの3つの人の動きを作りました。1つは作業員2人がセキュリティーゾーンから入室して作業室に入った後、エアシャワーを稼働せずに出ていった、パターン2は同じく2名が入り、出ていく時にエアシャワーを稼働し出ていったということです。それからパターン3というのは、作業室に作業員が入った後、エアシャワー室の両方のファスナーを閉めた状態でエアシャワーを稼働させて、エアシャワーを浴びて出てきたというものです。

 連続的に負圧の状況を見たのが7ページ目です。まず、縦軸に差圧を取っており、下に行くほど差圧が大きくなっています。右の方に時間軸を取っております。それぞれのポイントを矢印で示しております。入口のファスナーを閉めますと途端に負圧が大きくなります。開けると元に戻ります。

 パターン1の所で見ていただきますと、負圧が一番小さくなっている所が、作業員が中に入っていく時です。この時が、負圧が一番小さくなっている。と申しますのは、ちょっとお戻りいただきたいのですが、1ページ目の写真を御覧ください。このセキュリティーゾーンはビニールシートをつなぎ合わせた入口になっていまして、その内側にのれんがあるのです。ですから入口を開けて、のれんをくぐって中に入る。それが3カ所あるわけです。入る時はスムーズに入りますので、2人が入りますと、全部一気通貫で開いてしまった状態が瞬間起こるわけです。その途端、負圧が極端に落ちるということです。

 ただ、その後作業員が出ていく時、それからエアシャワーをかけた時もそれほど差圧は下がらない。むしろ、エアシャワーをかけた時の状態はどういうことかというと、エアシャワーは吹き出す量よりも、エアシャワー自体の吹込み量が多いので、エアシャワーの外側、更衣室側ののれんがエアシャワー側に引っ張られるという状態で、むしろ負圧が大きくなるという状況です。

 もう1つ、出る時は先ほどと逆でのれんを開けて出てきますので、2人一緒に出てきても同時に全体が開くことはないので、逆に出る方が多少負圧は下がりますけれども、それほど大きな変化はないということです。

 これらをまとめますと、前回のこの場でもお話し、名古屋先生からの御指摘にもあったのですが、エアシャワーを稼働させた時に中の負圧がどういう状態なのかというと、むしろ中の負圧そのものはエアシャワーでエアカーテンがかかる感じで、エアシャワーの吹出しが外に漏れることはなく、むしろ内側に入るということで負圧は確保されるのだと思います。ですから、作業員が出る時や入る時に差圧が変化する、または粉じんを持ち出すというのは、11人確実にゆっくり入るとか、出る時に1人ずつシャワーを浴びて、しかも確実にエアシャワーで洗浄した後に1人ずつ出ていくというように、使い方をきっちり管理することによって、風が外に吹き出すということはまずないだろうということで、漏えいの危険性はないかと思います。

8ページ目を御覧いただきたいのですが、ローマ数字の2として、煙の発生装置で1分間発生させて、その後、煙が集じん・排気装置の稼働でどういうような消滅をしていくのかという実験をいたしました。9ページ目にその時の模様の写真が出ています。一番下の写真がその時の空気の流れです。

10ページ目以降がその結果です。作業室内の粉じんをデジタル粉じん計でカウントしました。粉じん計が測定できる最高値が12,000カウントだったものですから、グラフの真ん中は水平になっていますが、この部分というのは、実際は12,000以上の粉じんがあったということです。発煙を1分間した後、4回換気でいけば30分近くたつまでずっと12,000カウントを下回らなかった。それ以降、粉じんが収まってきて、あとは速やかに粉じんがなくなってきた。これからすると4回換気で30数分、6回換気の場合であれば30分弱、7.1回換気だと6回換気の場合と同じぐらいの速さで煙が消滅していったということです。

11ページの下にあります「7.1回換気における煙の減衰状況(サーキュレーター稼働)」というのは、この作業室内にサーキュレーターを設置し、作業室内の空気を攪拌したことで、煙の消滅時間がどれだけ短縮されたかを見たわけです。その結果、数分早くなったというところです。

 あと、この結果には出ておりませんけれども、集じん・排気装置の排気口の粉じん測定をダクトの中に検出部を入れて測定した方法と、ダクトの中に空気を取り入れるチューブを差し込んで、そこから取り出してカウントした方法という、2つの実験をいたしました。どちらもほぼ同じ結果が出ました。これはダクトの中で粉じんを計測することによって外的要因を排除し、集じん・排気装置からの排気そのものの粉じん量をカウントすることでダクトの中は有効なのですが、その時排気風速が強いものですから、粉じん計の等速吸引が確保できなくなる。果たして、それが妥当な測定になるのかどうかということの検証です。

 その結果、ダクトの中に検出部を突っ込んで計測をしても問題ないだろうと思われます。そのまとめは後日提出されると思います。

 今回の実験でできなかったのが、煙を出して、その煙がどういう消滅の仕方をするのか。その際の作業室内の空間的なばらつき、減衰のばらつきを見てみたいということがあります。これは集じん・排気装置によって減衰していくわけですが、どうしても空気のよどみ部分、たまり部分が発生をして、満遍なく粉じん処理ができるかどうかという確認なのです。それは今回、時間の関係でできませんでした。次回の実験に委ねたいと思っております。私からの説明は以上です。

○神山座長 今の事務局からの説明または実験結果に関して御質問等があれば、お願いします。まず伺いたいのですが、今回の実験では再現した除去現場でサーキュレーターか何かを回したわけですか。

○島田委員 サーキュレーターを回しました。

○神山座長 その効果についてなど、いろいろな実験をしていただきました。まずこの疑問点、分からなかったところなどありましたら御質問をお願いいたします。

○樋口専門官 3ページの4回換気で、2Paが取れなかったという話ですけれども、これはあくまで、この実験系でという理解でよろしいのですか。多分出入口の大きさが変われば、中の負圧もだいぶ変わってくると思いますが。

○島田委員 今回の模擬的な隔離養生というのは、かなり理想的な隔離でした。しかも、建物の中で若干空調はありましたが、室内の風もそれほど強くなく、条件はかなり良かったのではないかと思っております。ですから、あの状態は余り変わることはないかと思います。それ以上良くなることは多分ないのかと感じます。

○樋口専門官 印象としてはセキュリティーゾーンが割と大きめに取ってあったので、それで負圧が少し弱いのかなと思ったのですが、そうではなくて、4回換気よりももう少し換気回数を上げたほうがいいという理解ですか。

○島田委員 これは議論のあるところかも分かりませんが、私が今回やった実験の印象からすると、もう少し換気回数を上げたほうが無難かと思います。ですから、4回以上というのは最低のラインかと思います。

○神山座長 基本的な質問で恐縮なのですが、集じん排気装置の定格性能が5.7 3 /minですね。32 3 の部屋の中で、これを最大に効かせたときに10.7回の換気にするにはどうしたのですか。

○島田委員 それは電圧を変えて調整しました。

○神山座長 スライダックと書いてありますね。

○島田委員 それで調整をしました。

○神山座長 これを4回、6回、7.1回に落としているわけですね。

○島田委員 はい。

○神山座長 もう1つ伺いますが、先ほどの御説明で図5の測定点丸数字1では、作業者2名がエアシャワーを稼働させずに入った場合に、差圧が下がるところが見えないのですが、これはほかの点線とかグレーの線とほぼ同じに下がっているために、線が重なってしまって見えなくなっているわけですね。

○島田委員 はい。

 

○神山座長 それから、先ほど図8と図9、図106回、7.1回換気の煙の減衰状況を見ているわけですが、7.1回でサーキュレーターを回したときには、相当短時間のうちに減衰する様子がよく出ているのですが、12,000カウントぐらいのところを1つの目印にすると10分ぐらい早くなっているように見えるのですが、これについて、数分早くなったとと先ほどおっしゃっていたのですが、これはどこを見て評価されたのでしょうか。

○島田委員 完全に減衰しているところです。図10でいくと23分ぐらいでゼロになっているわけですね。

○神山座長 そこを見るわけですね。途中のところで見るわけではなくて、完全に下がったところで見た場合ということですね。

○島田委員 はい。

○神山座長 それでいくと36分と32分くらいであれば数分ぐらいの差ということですよね。ですが実際は36分と24分ほどです。

○島田委員 そこが微妙ですが、6回換気のときは27分、28分ぐらいで落ちているのです。だから、これは6回換気、7.1回換気の落ち方が矛盾するのですが。

○神山座長 逆転しているような。

○名古屋委員 発生量が違うからでしょう。発生が一定と言っても量が全然違うから。

○島田委員 そうですね。

○神山座長 そうすると、最大濃度が分からないから、正確な評価はなかなかしにくいわけですね。分かりました。結論としてはいろいろな様子が分かってきたということです。もう1つは6ページ目からのエアシャワーです。これは、セキュリティーゾーンの真ん中の内部のエアを吸い込んで内部に出しているという。外部から引いているわけではないわけですね。

○島田委員 上から噴きだして下から吸い込むのです。

○神山座長 部屋の中の空気を回しているということですね。

○島田委員 そのときに、どうも吸い込みのほうが強くセットされているようでして。

○神山座長 そうですか。いずれにしてもそのエアシャワーを回しても内部のほうへの流れをそれほど阻害することはないというわけなのですね。

○島田委員 そうですね。むしろ激しくエアシャワーの外側ののれんが内側に引っ張られていました。

○神山座長 それは大事なことですね。

○搆課長補佐 図5で、差圧は平均するとマイナス1Paちょっとなのですが、中でも、出入りにより差圧が小さくなるところ、すなわち図の山の部分においても一定の差圧が確保されていることが重要です。もし、今回のデザインにその理由があるとすれば、実際の解体工事にも応用すべきかもしれません。例えば、内側ののれんを入れる構造は、負圧の確保に役立っているようですが、これはどこでも用いられているのでしょうか。今回の実験は、解体工事ではなくて、この実験に関心を持ってやっていますから、負圧が確保されるのはある意味当然です。現場の解体工事で養生などがもう少し大雑把に作られたとしても、負圧が確保されれば相当安心だと思うのですが、現場での養生の仕方によって負圧の確保はまちまちなのでしょうか。

○島田委員 実際の施工状況からしますと、養生のシートというのは、厚さ0.1mmを使っているのです。床は0.15mmで、壁も0.1mmを使っているのです。それに対して、セキュリティーゾーンもほとんどが0.1mmを使っているはずなのです。今回の養生は、養生シートは0.2mmを使い、のれんのところだけが0.15mmです。普通より少し厚いのです。厚いので風が外から入っていってもそれほど内側に引っ張られないのです。よく現場に行くと、のれんが内側にたなびいて外から見るとオープンな状態が見られるのですが、今回は比較的のれんが重かったので、それが見られなかった。これは結果よかったと思うのですが、万が一外の風の影響で、外に吸い出されるような風が生じた場合に、のれんがピタッと付くのですけれども、それが薄いやつだと逆に外に引っ張られてしまうという可能性もあります。

 だから、そういう意味では、今回この実験を行って改めて感じたのは、つなぎ合わせのドアがあって、その内側にのれんを垂らすのですが、そののれんは少し厚目で重みのあるものでやったほうがいいということと、今回の実験で下のほうに吹込みの風が生じるかどうか、小さな吹き流しを付けたのです。その吹き流しを付けることによって、負圧だけではなくて、風が外から内側に吹き込んでいるという状態が確認できたのです。差圧がゼロ近くになったときには、外側の空気の流れの状況によって、引かれることが逆にあるものですから、そういうときは、吹き流しで空気の流れを確認していくということも、非常に有効ということも改めて感じます。

○神山座長 そうすると、この結果で4回換気ではマイナス2Pa以下にはならなかったけれども、6回、7回ではマイナス2Pa以下になっていたということから考えると、マイナス2Pa以下でないと今のようにセキュリティーゾーンの一番内側がゼロになってしまうようなところが出てくる。これがもしまずいのだとすると、やはりマイナス2Paより大きい負圧が必要というような読み方でいいのですか。そのためには場所によって4回でいい場合もあるだろうし、8回ぐらい換気をしないとそれを満たさないような実際の環境はあるかもしれないとすると、負圧としてマイナス2Paというのが重要なのかどうか。その辺はどうなのでしょうか。

○島田委員 目安としては、負圧はマイナス2Paからマイナス5Paと言っていますが、少なくとも3ページの表1の測定点丸数字1で、一番外側からの吸い込みの風速というのは、4回換気でも0.4m/sを確保できているということは、負圧がゼロになったときはまずいとは思います。

○神山座長 ただ、測定点丸数字3でゼロになってしまって、ここでよどんでしまっているような感じに見えるのですが、それはいいのですか。

○島田委員 セキュリティーゾーンにおけるクリアゾーンとダーティーゾーンの境目は洗浄室ですから、そこのポイントが一番のキーかなと思います。

○神山座長 丸数字2のところですね。

○島田委員 はい。

○神山座長 そこは空気が流れているのですね。

○名古屋委員 これを見ていると、換気6回以上だと負圧がマイナス2Paから5Paとなっているのですが、換気回数は先ほど言ったように入口のセキュリティーゾーンの作り方と、中ので違うわけではないですか。それは6回がよかったり、2回がよかったりというのがありますが、でも守らなければいけないのは、2Pa以上であることだと思います。そこのところをきちんと考えてもらって、2Paというのはきついかもしれないけれども、2Pa以上としておけば、それを基準に換気回数は自分たちで調整して大丈夫だという証明のデータになるのではないかと思います。もう1つ、養生のところがうまくいっているかというのは、この経過を見ていると、ファスナーを閉めると負圧の大きさが上がっていきますよね。ということは、長くやらなければ養生が剥がれないから、漏れてこないという確認もできると思うのですが、その辺はどうですか。

○島田委員 それはおっしゃるとおりだと思います。ファスナーというのは、理想的に言うとファスナーを閉めた状態で作業をするのが一番いいのだろうと思うのですが、技術的にはかなり難しいわけです。けれども、ファスナー付きのシートを常に用意しておいて、まずいときにはファスナーを閉めるということは結構有効だと思います。

○名古屋委員 そうですよね。

○島田委員 ファスナーを使っていない業者は結構いらっしゃるので、ファスナーを使用したほうがいい。

○神山座長 入口のファスナーを閉めると、マイナス2Paぐらいがマイナス8Paぐらいにさっとなってしまうのです。

○島田委員 この実験装置では、念のために入口と4か所ファスナーを設けたのです。できればエアシャワーをかけるときに、両側のファスナーを閉めてやってくださいというのをやろうと思ったら、一番外側のファスナーを閉めるだけで差圧が上がってしまうものですから、それは無理でした。

○神山座長 ファスナーの使用方法は難しいですね。ここまでの結論として、マイナス2Paは重要な数字だというのは、コンセンサスとしてよろしいですか。

○小島委員 風速がゼロという点の御指摘もあるのですが、風速計そのものの位置が1.5mぐらいの高さでセットしてありました。なので、先ほどの足元からは空気の流れがありますという意味では、空気の供給は隔離ゾーンのほうには入っていっているのは、感覚的にも納得できるのではないかと思います。

○神山座長 上と下で空気の流れが変わってしまっている。

○小島委員 それもありますね。

○神山座長 こういった事例はそう多くはないと思いますが、貴重なデータが出ていると思います。この後も引き続きその他のチェックといいますか、実験も継続してデータが出るようですので、期待しております。

 そうしましたら、資料1に戻りまして、たたき台としての文言を含めていろいろと御議論いただきたいと思います。まず、私のほうから質問させていただきます。例えば6ページの2の表題、7ページの3の表題で、ご説明の中では、これは使用中の建築物ですという注釈がございましたが、表題に使用中の建築物内というように明確に書いた方がいいのではないでしょうか。

○樋口専門官 分かりました。そのように修正します。

○神山座長 石綿が使用されている使用中の建築物と、「使用」が2つあり少し煩わしいかもしれませんが、お願いいたします。

 今のところは、見落としがちな構造物の漏えいはスモークテスターで有効に発見できるという話なのですが、過去にアスベストによる封じ込め・囲い込みを盛んにやった時代がありますよね。それの記録などが設計図書として残っていないと、事前調査でも見落としがちになっているのではないかと思います。もう少し積極的にアスベストの有無を確認してというような文言が必要かと思ったのですが、いかがでしょうか。

○小島委員 封じ込めの記録とか、改修の記録というのはなかなか残っていないです。私の会社でもそういう事例は実際ございます。例えば表面にモルタルを塗られていて、中にアスベストが潜っているというような、目視だけでは分かりにくい事例があります。

○神山座長 このスモークテスターによるチェックと必ずしも対応いたしませんが、アスベストがどこにあるかというような意味での修正はいかがでしょうか。

○樋口専門官 6ページの一番上の○の所の「また」以下ぐらいで、御指摘の見落としがちな事例の事前調査の徹底という内容を、少し加えさせていただければと思います。

○神山座長 そうですね。それから、小さい所ですが、保温材の材を、薬剤の剤と材料の材に使い分けているのか、あるいは単に混じっているのか、これは材料の材でいいのですね。

○樋口専門官 誤記ですので、材料の材に統一します。

○名古屋委員 5ページの下から5行目に「前室から粉じんの漏えいを監視することが望ましい。その際…」と書いてあるのですが、粉じんの漏えいを監視するのはなかなか難しいと思うのです。要するに、設置する場所によっては、漏えいではなくて、外部から入ってきた粉じんの濃度も監視することになるので、やはりここの所は「その際」というのは、先ほど議論があった負圧のほうでよろしいのでしょうか。

○神山座長 もう一度、場所はどこですか。

○名古屋委員 5ページの下から4行目です。「その際」と書いてありますよね。粉じんの漏えいを監視することは望ましいと書いてあるのですが、粉じんの監視をするのではなく、要するに風が外から入っていくことを監視するために、デジタル粉じん計を使うのではなく、やはり差圧計を使ってきちんとするという形の書き方に変えたほうがいいのではないでしょうか。

 もう1つは、そのときに使う差圧計はある一定レベルの精度のいいものを使わないといけないと思います。それで十分な監視となるので、あえて粉じん計を使う必要はないと思います。もし、アスベストがあったときは粉じん計を用いるのでしょうが、一般的にはきちんとした差圧計で十分に監視できるので、濃度を測るのではなく差圧計できちんとやりなさいと言ったほうがいいのかなと思います。

○神山座長 前室の差圧をきちんと測るという意味ですか。

○名古屋委員 いや、測定箇所は資料3を見る限り、どこでやっても大丈夫そうですよね。

○神山座長 そうですね。均質にすぐなるということですね。

○名古屋委員 ですから、一番いいのは、そこで働く人たちが確認しやすい場所なのかなと。中に差圧計を設置すると数値の確認のためにまた室内に入っていかなければいけないのですが、これを見る限り2Pa6回換気という形ですと、どこで測っても同じ差圧になっていますので、スイッチ位置は多分作業者が見えやすい位置に置かれることとなり、それは作業場所によって違うのだと思うのです。ですから、粉じん計で監視するのではなく、やはり差圧計で監視するほうがいいのかなと思います。

○神山座長 その場合は、差圧計で監視できれば非常にやりやすいと思うのですが、先ほどの実験は人の出入りがない状態ですよね。

○名古屋委員 しかし、2人入ったときに少し差圧が下がりますが、それでも大丈夫でしょう。入るときだけで、出るときは全然問題ないですから。

○神山座長 人の出入りがあったときに、実験をやりましたよね。それが、資料36ページ目からのパターン2などになりますね。

○名古屋委員 パターン1のときですから、多分それでも1回は差圧がゼロではなく確保されていますので、逆に粉じん計を置くと外から流入する空気の流れがあったら外気の粉じん濃度を計ってしまって、内と外のどちらの濃度を計っているか分からなくなってしまいます。

○神山座長 分かりました。先ほどの資料367ページの結果を踏まえて、資料25ページに記述がある、デジタル粉じん計等で実際に粉じんを計るまでしなくても、差圧計のパターンでこれが、急激に差圧が破られたりすれば漏れに通じるという知見から、モニターは十分できるということですね。

○名古屋委員 はい。

○神山座長 では、それを踏まえた書き直しのような形になりますね。

○樋口専門官 今の名古屋先生の負圧の管理は、5ページの最後の○の上から4行目ぐらいに書いてあるものですよね。

○名古屋委員 そうです。

○樋口専門官 これで監視しなさいと。また、人の出入りの際は。下から7行目左の方の「なお」以下の粉じんの記述自体を消させていただきます。

○神山座長 それでもいいですね。

○樋口専門官 それから、同じところの○の前室等の部分で、マイナス2Paという値を具体的に書いてしまうか、または一定濃度と書いてしまうかですがいかがでしょうか。

○名古屋委員 前室ではなくて。

○島田委員 というか、中の全体の。

○神山座長 これは、どこも同じだということですから、やはり差圧はマイナス2Paをキープすることが望ましいわけで、ねばならないのか、「ある」でいいのか。

○森戸化学物質対策課長 ただセッティングの際、普通は換気回数でセッティングするほうがやりやすいのでしょうか。

○神山座長 4回ということですか。

○森戸化学物質対策課長 実際集じん機を回してみないと、2Paに届くかは分からなくて、だんだん上げていくというか、風量を増やしていくことによって、2Paに届くかどうかの確認をする形になると思います。それは、現場としてはあまり負担にならないかどうか、その作業が結構苦になると守れないおそれもありますので、単純に4回と言っていますが、5回ぐらいと言ってしまうほうが逆に守りやすいのか、その辺りが知りたいところです。

 

○搆課長補佐 若干補足します。実務的には、計画届などの届出書類を出す際に、4回換気を確保することを前提に排気装置の能力を決めているようです。こういう換気装置を設置という届出の書類により、ある意味行政に対して措置を約束することになります。届出段階では性能確認ができないので、換気回数の目安がないと、届出を出すほうもやりにくいのだろうと思います。届出段階では換気回数を目安にしておいて、実際の除去作業においては差圧についてもきちんと管理するのが現実的な運用と思います。差圧が足りないことがわかれば措置が必要になりますが、通常は換気装置の台数を増やすことになるでしょう。。

○島田委員 注意をしないといけないのが、通常計画書を出すときに、換気回数の計算をやるのですが、それは機械の換気回数の計算しかやらないのです。それに取り付けるダクトの長さなり、曲がりなり等による圧力損失をどう考慮するのかは実は目安がないものですから、それは全然考慮されていないのです。そうすると、実際に機械が設置されたときに、換気回数が確保できているのか確認が必要になるのです。ですから、厳密なことを言いますと、場合によれば集じん・排気装置を稼働させて排気口の風速を計測して、その換気回数が確保できているかどうかをやらなければいけない可能性も生じてくるのです。それが、極めてある意味重要なところなのです。

○神山座長 今は、どちらか曖昧になっているのですね。機械の性能要件として、4回換気の性能はあるということをもって、現場で4回換気が行われている保障はないということですね。

○島田委員 そうです。

○搆課長補佐 私どもが届出の審査をする際にも、現実には、機械の性能で確認しています。

○神山座長 そうすると、逆に現場できちんと4回換気されていた場合は、機械性能の数字は全然違ってくる可能性もあるわけですね。今回の実験においては、この4回換気は性能のほうですよね。

○島田委員 性能ですが、アルミダクトはそれほど長さがないので、減衰だけですね。

○神山座長 それだけですか。では、ほぼ計算どおりだということですか。

○搆課長補佐 換気回数の目安4回には、圧力損失も見込んでいますが、ダクトが異常に長いなどの特殊な状況では、ダクトの圧力損失を別途考慮しなければいけないでしょう。ということで、この実験結果からすると、換気回数4回に固執することよりは、最終的に現場で実測して差圧を確保するほうが現実的にはいいということです。

○名古屋委員 その設計要件はそれでいいのですが、設計ではなくて多分加えて幾つかの安全率を掛けて入れていますよね。

○搆課長補佐 そのとおりです。

○名古屋委員 それで一応設置しますが、そのときに、では何で確認するかというと、換気回数や風速だと、また計算をするのが大変だから、差圧計を置いておいて、それで少しスライダックを上げていき、差圧を2Pa以上にしていくほうが管理はしやすいのではということです。

○神山座長 その方がやりやすそうですね。実験結果を踏まえた文言として、マイナス2Paは重要な数字のようなので、その辺りの記載を報告書に入れておいてください。

○樋口専門官 隔離措置の内部としては、2Paにコントロールすることが望ましいというような記述を、記載させていただきます。

○名古屋委員 もともとそうなっているのですよね。2Paから5Paとなっていますから。

○樋口専門官 そうですね。

○名古屋委員 現場に行くと、なかなか守られていないというだけの話です。

○樋口専門官 では、徹底するということですね。

○名古屋委員 そういうことです。徹底していこうということです。

○神山座長 では、マイナス2Pa以下の負圧保持を徹底することを明記すればいいわけですね。

○樋口専門官 今回の実験で、5Paでは吸い過ぎているというのもありましたが。

○神山座長 養生が剥がれてしまうことがあるのでしょうね。

○小島委員 少し細かい話になるのですが、今回の実験では、先ほど島田委員がおっしゃった排気口もアルミダクトを重ねて、そこでの一定の断面での条件で測定したわけです。これは、ここで細かく書く必要はないと思うのですが、今後測定や監視の確認をしていく中で、マニュアルでも書いていますが、排気口の形状をいかに確保するかは、課題だと思うのです。例えば、ビニールダクトの先端部分をフリーにした状況で、排気口で測れといっても、かなり暴れる状態であったり、またはほかの影響を受けたりといったようなこともあります。これは、今後マニュアル等で補強していく必要があると思います。参考資料2のマニュアルにも、その辺りの話題は少し表現されているのですが、単に排気口と書かれているので、もう少し具体的にどこなのかということは補強する必要はあるのかと思います。

○名古屋委員 前回の小西委員の発言を見ていますと、要するにビニールがばらつくときに紐で縛って破って上げてしまうということがあったりするので、そこはきちんと出やすい形で暴れない形の同じカンのものを置いて、そこでつなげるなどの工夫が必要だと思います。それを記載するのは、きっとマニュアルでしょうね。

○小島委員 そうですね、マニュアルで記載すべき事項だと思います。

○島田委員 今回実験をやりまして、ここではデジタル粉じん計又はパーティクルカウンター、リアルタイムモニターと出ていますが、集じん・排気装置の所の排気口についてはデジタル粉じん計が一番使いやすそうですね。パーティカルカウンターの場合は、精密すぎて数値が暴れてしまう可能性があります。

○名古屋委員 あとは、0.3μmでやるか、0.5μmでやるか、その辺りの粒径によっても違います。ですから、HEPAも多分0.3μmが漏れているから、0.3μmとなっていますが、アスベストはサイズが違うから、本当にそれを測っていいのかという部分もありますから、その点は、デジタル粉じん計を使う方が楽は楽ですよね。ただ、おそらく次回の会議で実験結果として出てくると思うのですが、やっても気になるのは、取り込み風速のときのパーティクルカウンターですとデータがあって、ある程度スピードがあってもカウントは下がらないというデータをもらったことがあるのですが、粉じん計ではそういうデータはまだ見たことがないので、取り込み風速が速かったときにダクトを広くして風速を遅くするのか、そこのデータがきちんと担保されていればよいことになりますから、あまりに風速が速いとどうなのでしょうか。要するに、デジタル粉じん計にファンが付いて一定スピードで粉じんがデジタル粉じん計に入っていっているが、本当に大丈夫だとしたら、全部測定から抜けていて測定値が一定なのかもしれない、または、取り込んでいないということがあるかもしれないという懸念があります。

○神山座長 デジタル粉じん計は、普通は呼吸のスピードぐらいに近い、相当ロースピードですね。パーティクルカウンターは、調節はできるのですか。

○名古屋委員 いや、パーティクルカウンターは調整しないのですが、この前実験データを見ていまして、結構な速さでも、遅いスピードと速いスピードでもカウント数はあまり変わらなかったというデータを見たことがあるので、大丈夫だったのですね。

○神山座長 デジタル粉じん計については、実際にやってみないといけないですね。

○名古屋委員 そうすると、あまりそういう解体現場で使うものではないからやっていないので、そのデータは欲しいです。メーカーが持っているのかもしれませんし、マニュアル改訂のときは当然もう一度実験すると思いますので、そのときに、是非データを取って頂きたいと思います。

○島田委員 先ほど説明しましたように、一応両方取っっています。

○名古屋委員 見れば分かるのですね。

○島田委員 はい。その結果をまとめて見ればわかります。感触としては同じかなという感じでした。

○神山座長 これは、今回のまとめには間に合わなかったようですが、データは取ってあるということですね。ダクト内のチューブを使うとか、今の話に答えられるようなデータはある程度得られてきたのでしょうか。

○島田委員 そう思います。

○出野委員 細かい話と大きな話の2点があります。1つは、些細な質問かもしれませんが、差圧についてマイナス2Paぐらいが適当だという話である一方、逆にあまり差圧を上げ過ぎて隔離が破れることは想定されると思うのですが、どのぐらいの差圧が考えられますか。そういう実験はやったことはないかもしれませんが。

○島田委員 ないです。

○神山座長 先ほど、何かファスナーを閉めたら、マイナス7Paとかマイナス9Paになって、養生が剥がれそうな危機感を感じたというお話がありましたが。

○島田委員 それで集じん機を止めたのです。

○神山座長 それは、長時間置いたら、やはり剥がれますよね。

○出野委員 そういう心配はあることはあるのですね。

○神山座長 限界がマイナス5Paあたりですか。

○出野委員 1回ぐらい実験する価値はあるかもしれませんね。ファスナーを全部閉めて、差圧が一気に上がって、養生がバリッと破れたということがあるかどうか。

○島田委員 実験が終わってから、その養生が剥がれたそうですから、影響はあると考えられます。

 

○出野委員 もう1点大きな話なのですが、今回の隔離養生などは、昭和60年ぐらいから解体現場でやっていますよね。その当時から、マニュアルもあるのですが、当時はこういうデータを取るとか、そういう作業はなかったのですか。かなり古い話ですが。

○神山座長 あまり聞かないですね。

○出野委員 昭和61年か平成元年当時も、既に隔離はこうしなさいというマニュアルは出ていますよね。

○神山委員 おそらく、あの頃はアメリカから技術だけ導入して、こういう基礎データ的なものは鵜呑みというか、これでいいのだということでスタートしたのではないでしょうか。こういうデータは具体的に見たことはないですね。

○出野委員 てっきりそういう測定データがあり、それを基にあのマニュアルができたと思っていたので、意外だなと感じました。

○神山座長 5ページの上から3つ目の○ですが、負圧除じん装置の排気口の粉じん濃度測定ですが、この捕集の点検は作業開始直後と書いてあり、これは「必ず行うこと」となっています。次の○で、設置前に正常かどうかも含めて確認することが望ましいになっているのですが、これは現場で設置後に、まだ作業を始める前にスイッチを入れて、デジタル粉じん計等でどのぐらいの値が出るかの測定をし、さらに作業を開始してデータが出て、という、この2つのデータを見るために、作業開始の直前も直後も測定は必要ではないかと思うのです。しかし、ここでは直後だけでいいように書いてあるのですが、どうなのでしょうか。作業直前に測ることは、かなり技術的に難しいのですか。

○島田委員 現実的には、そういう使い方をすることでいいのだろうと思います。設置して、作業を開始する前にデジタル粉じん計を稼働させて、そのあと集じん・排気装置を稼働させると、デジタル粉じん計の値が一定カウントを示したものがゼロ近くに落ちると推測されます。それ以降、測定値はゼロをキープするというような流れになりますので、集じん・排気装置が正常稼働かどうかは、確認はできるのです。ただ、報告書案の文章でいくと、直前の集じん・排気装置が正常であるかどうかは、その現場に置く前にしてもいいよとなっています。

○神山座長 一つ下の○では、そんな感じですね。

○島田委員 現場に置いてから、そういうやり方にしてもいいよと。別に場所を限っていないので、「また」以下の所は機器の正常稼働を確認するということでいいのかと思います。

○神山座長 これは、望ましいですから、義務ではないわけですが、一つ上の○では「必ず行うこととし」ということです。そうすると、今の作業開始の作業の意味が、除去作業などの作業の開始直後と取らずに、養生を組み上げてこれから始めるという直後、まだ除去が始まる前も含み作業開始直前直後がいいような気がするのですが。

○樋口専門官 先ほど島田先生からも説明がありましたが、最初の集じん・排気装置の○は、どちらかというと漏えいが実際起きていないかを確認というような言い方で書いて、2つ目は集じん機の性能そのものの確認のやり方のような書き方をして、今、このような文章にしております。直後といったのは、実際に漏えいが起きているとまずいので、作業を開始した後に漏えいがないことを確認する必要があるのではないかということで、こういう書き方をしていたところです。加えて、ほかにもこの時点でというものについては、それは構わないと思います。事務局としては、やはり実際に漏えいが起きていないことを最終的に確認するのは、始まった直後かと考えております。

○神山座長 それはいいのですが、その前に現場に装置をセッティングして、内部でまだ除去工事が始まる前にスイッチをオンにしてどのぐらいの値になるかを見ておき、除去があっても変わらないという確認が普通かなと思うのですが、そういう文章にはできないですか。

○森戸化学物質対策課長 よろしいですか。作業直後としているのは、結局作業前だろうと後だろうと、集じん機などが正常に稼働していれば粉じんは出てこないはずです。したがって、その確認というのは、私どもとしては実際に作業をやっているときに、そこで担保は取っておきたいというのがあります。

○神山座長 直後がそうですね。

○森戸化学物質対策課長 はい。それから、事前の測定というのは、集じん機を設置したときに、以前の議論ですとフィルターの所に人が当たったり、動かしたりするときに隙間ができたりするというようなことから、事前に粉じん計で確認することは望ましいですが、必ずしもそれで完璧にフィルターが漏れないように付いているかどうかを保障するものではないというお話もあったかと思います。ただ、実際に事前に性能を確認することは、やらないよりはやったほうがいいということで、望ましいにしているということです。

○神山座長 そこはいいと思うのですが、段落2番目の○の作業開始直後だけで、漏れのないことが確認できる、つまり、デジタル粉じん計で直後の数字はほとんど出ないだろうということで確認ができるということであれば、作業が始まった直後の測定だけでいいのですが、実際には作業開始前と後の測定値の比較で判断する方が判断しやすいのではないですか。

○樋口専門官 それは、望ましいとして作業開始直後の測定に加えてやってもらう分には、構わないと思います。

○神山座長 現場でもそれを含めてということでしょうか。

○樋口専門官 理想ではずっと測定してもらうのが一番いいと思うのですが、その辺りは、少し表現を考え直します。

○神山座長 確かに、作業直後に粉じんが出ていれば、これはすぐにストップになりますので、確認は直後だけでいいといえばいいわけですね。事前の装置のチェックがあるので、直後のデータで何らかの値が出たらこれはおかしいということになるのですね。分かりました。

○内藤委員 1点確認をさせていただいてよろしいでしょうか。今の場所なのですが、非常に初歩的なことを伺いますが、デジタル粉じん計はずっと作業の最中動かしているものですか。それとも、その直後だけ一度、または数回動かすものなのですか。なぜ伺うかといいますと、先ほど名古屋先生から5ページ目の一番下の○の下から5行目「その際、デジタル粉じん計等を用いてリアルタイムに粉じん濃度の増減を監視し」という所は、これは逆に負圧さえ確認されていれば、きちんと空気は外から内へ入っているわけですから、不要なのではないかというお話があり、それは非常によく分かりました。そのあとの行で、「作業開始前に比べ、異常に高い濃度が検出された場合であって・・・」という文章なのですが、今、森戸課長がおっしゃったように、例えば万が一何かがあって、作業の途中で作業環境などの状況が変わる場合はあり得るのだと思ったのです。そのような場合は、ずっとデジタル粉じん計がその作業中動いて確認しているのでしょうか。

○樋口専門官 それも踏まえて、取り組むべき対策の方向性の2つ目の○については、作業直後行うとしています。その後、集じん・排気装置を動かすなど状況の変化があれば、そのときに測定し、その後も定期的にやるのが望ましいとしております。

○内藤委員 そうすると、検討結果及び取り組むべき対策の方向の上から2つ目の○の中に、全部集約されて入っていると理解すればいいわけですか。

○森戸化学物質対策課長 もう1点は、前回名古屋先生の発言があったのですが、結局フィルターが詰まっても、粉じんが外に出ていくことはない。逆に、負圧が増す、吸いにくくなるだけですので、基本的には集じん機を動かしたり何か衝撃を与えたりいろいろな変化がない限りにおいては、最初に粉じんが出なければ例え途中で中の作業量の粉じん量が増えても、測定値はゼロが続くと推測されます。

○内藤委員 粉じんが外に漏れることはないということですね。

○森戸化学物質対策課長 はい。

○内藤委員 それで、名古屋先生がおっしゃるように、負圧さえ確認していれば、多少の変化がチェックできるというお話になるわけですね。よく理解しました。ありがとうございます。

○神山座長 下は、前室の所ですね。

○内藤委員 はい。

○出野委員 先ほどの発言とも関連するのですが、負圧で管理をしたいのですが、その際に先ほど想定外の層間のアスベストを取って抜けてしまうといった状況が起こったときに、差圧計にどのぐらい表われるのかを1回実験していただいて、それも差圧計で十分管理できると証明していただけるとありがたいです。差圧計でずっと管理しておいて、どこか想定外の破損が起こったときに、差圧計にすぐ表われるかどうかということです。

○神山座長 例えば、養生が破れたとかですか。

○出野委員 はい。

○神山座長 おそらく、無理ではないでしょうか。

○搆課長補佐 先日実験していただいたときに、少し立ち会いました。養生を破ったりはしませんでしたが、壁面に空気が抜けるような開閉式の小窓をつくって、それを開けたところ、差圧は一気に小さくなりました。

○出野委員 ほとんど即時にですか。

○搆課長補佐 養生を破ってはいないですが、大きな穴を空けたときには、差圧は測定箇所にかかわらずゼロに近くなりました。

○出野委員 もし、それで管理可能であれば、非常にすばらしいと思うのですが。

○搆課長補佐 差圧管理は可能だと思います。

○名古屋委員 付帯条項として、できればそのときにパイロットランプ付きの警報発信器を付けてほしいと思っています。そういうものがあると、例えば養生が破れて急に負圧が下がったときに、パイロットランプが回って、養生が破れたのかなということを見ることができるのですが、おそらくパイロットランプ付きの警報器を付けると現場は大変なので、そこはプラスアルファになるのかと思います。

○島田委員 資料32ページ目に、パトライト警報発信装置の記載があります。

○名古屋委員 これがいいと思います。

○島田委員 ある程度負圧が下がれば鳴る仕様になっています。

○出野委員 どのぐらいの感度でしょうか。

○島田委員 警報を鳴らす圧力については、数字で設定できます。

○出野委員 現場ですぐ設定できますか。

○島田委員 2と設定すれば、2Paを下回れば、パトライトで警報を出します。

○出野委員 何が言いたいかといいますと、環境省の委員会において、現場の東西南北に濃度測定器を置いて監視しなさいと言っているわけですね。そういうことをやる必要があるのかというところにつながるのですが。

○神山座長 ないことを確認したいということですね。

○名古屋委員 1点、マニュアルについて、粉じん計で確認すると書いてあるのですが、どこをどう確認するかはきちんと指示してあげないとまずいと思います。要するに、負圧・集じん装置の真ん中などは漏れないのです。端から漏れたときに、真ん中で測定していてそれを確認できるかといったら、できないと思うのです。ですから、やはり最初の確認はきちんと粉じん計を適正な位置に置かないとまずいと思います。常時監視のときは仕方ないと思うのですが、そうしないと、ただ粉じん計で真ん中を測ったら漏れていないと判断しても、端やつなぎ目が漏れてきているおそれがあるので、やはりその粉じん計の最初の使い方もきちんとマニュアルに書いておかないと、測った位置によって漏れが確認できない所はたくさんありますので、そこはきちんとしないとまずいかなという気がします。

○神山座長 それは、そのとおりで、必要だと思います。先ほどの5ページの前室で始まる○のところで、「なお」以下は削除でいいのですが、これは差圧計を見れば差圧が今どのぐらいになっているか見えるのです。先ほどの資料3の実験データの7ページ目の図5のような継時的な変化が現場にあれば一番いいのですが、これは表示しておくのは難しいでしょう。結果として、この差圧計の装置にデータが記録されているのでしょうが、先ほど警報器の話もありましたが、実際の作業と連動して常に差圧計を監視している人がいるわけでもない状況で、どのようにこういうものを生かすかという問題が次に出てくるような気がするのですが。

○名古屋委員 それは、パイロット付きの警報器でいいのではないですか。

○島田委員 パトライトで数値を設定しておけば、マイナス2Paを下回ったらライトと警報が出ますから。

○名古屋委員 それ以上は、きちんと管理しているので大丈夫です。

○神山座長 それで知らせるということですね。

○島田委員 そういうものを使うことが望ましいということですね。

○名古屋委員 望ましいです。

○神山座長 折角設置した差圧計などの値をたまに見に行って大丈夫だといっても、目を離している間に随分上がっていたりすることはないか。その辺りの問題がありますが。

○名古屋委員 島田先生がおっしゃるように、養生する所の前室などに、例えば糸か何かを吊しておいて、それが流れて動けば大丈夫だよということを確認するとか、可視化は幾らでもできますし、風車でも何でも置けば、回っていれば空気が入っていることが分かると思いますので、それはできるのではないかと思います。

○神山座長 是非可視化のために、風車ほどいかなくても、普通のリボンのようなもので十分ですね。

○島田委員 吹き流しで十分ですね。

○神山座長 ほかはいかがでしょうか。全体を大きく3つに分けたもので、資料2にありますように、前室、排気口、それから隔離空間内部の測定が十分できるかどうかですね。それから、23に関しては、使用中の建物の規制に関して、こういうもので今後はレベル2に関しても行っていくと。あるいは、3であれば、事業者は臨時に作業をする人のために常に劣化度などの監視を怠らないことですね。そうしましたら、大体この線で取りまとめていきます。それから、追加実験結果のまとめ等が出てきましたら、それは次回に報告いただけるのか、その辺りの予定はどうしましょうか。

○樋口専門官 実験自体は、月末にやる予定にしておりますが、25日の取りまとめには間に合わないのではないかと思います。ですので、その分は後日先生方に資料をお送りする形で、最終的に報告書を確認いただくときに、それも併せて見ていただくような形ではいかがかと思います。

 これ以上御議論がないようでしたら、次の議題になりますが、資料4で次回の会議の予定を1025日としておりますが、座長と事務局で本日の御意見で修正させていただいて、今月、環境省の議論もありますので、その辺りの報告もさせていただきながら、メール等のやり取りベースで報告書をとりまとめるということでいかがでしょうか。

 

○島田委員 その前に1点確認したいことがあるのですが。今回の実験の中で、最後にサーキュレーターを使って攪拌をしたのです。これは2つありまして、1つは、今、技術上の指針の中で、除去作業が終わったあと、1.5時間以上換気しなさいという記載があります。今回は、30数分でかなり減衰をしたということですので、それから見ると1.5時間以上稼働させればある意味十分ということは確認されたところはあります。同時に、特にアモサイトはなかなか沈降しにくいようなことがあり、それでは足りないのではないかという議論もありまして、その辺りに対してサーキュレーターを使うことが時間短縮にはなるという結果が出たのです。ただ、今回のこの実験結果で、指針で言っている1.5時間以上を検証するという意味で、もう少し確認したほうがいいのではないかという感じもしないでもないのですが、その辺りで是非御意見があればお願いします。こういうことをやったほうがいいのではないか、またはこの結果を見てどのように判断をすればいいのかというところで、少し御意見をいただければと思います。

○出野委員 視点が違うのですが、サーキュレーターを使った場合に、呼吸用保護具の能力に対する影響はありますか。

○島田委員 いや、作業員が入っていない状態です。

○出野委員 作業員が入っていない状態ですか。

○島田委員 作業が終わってから場内の粉じんを処理するために、1.5時間以上集じん・排気装置を稼働させなさいという段階です。

○出野委員 では、問題ないです。

○神山座長 中の空気を掻き回して吸い込むということで、時間短縮ができるのでしょうね。空気が回っていれば、床に沈澱したものも、もう1回立ち上げてということもできるでしょうし。ただ、取り除くまでにかかる時間は、粒子によって大分違うでしょうから、このデータで実際の現場の1時間半を30分に変えるというのは少し無理でしょうし、逆に1時間半がいいかどうかも、何とも言えないような気がします。

○名古屋委員 これは、多分除じん・集じん機の設置場所と、サーキュレーターの置く位置によって、違うと思うのです。要するに、四角の隅の所はデッドスペースができますよね。そうすると、いくらサーキュレーターを使っても、そこは取れません。逆に回し続けていると、そこはデッドスペースになってしまい、そこから絶対に取れないということもあります。それから、粒子の場合は、多分凝集させるというよりはブラウン運動を多くさせるので、凝集体ができて取りやすくなるかもしれませんが、アモサイトはものすごく軽いので、サーキュレーターで効率的に除去できるのかという部分があります。要するに、攪拌させたほうが取れるというデータはあるのでしょうか。サーキュレーターは、かなり強風ですよね。風速によっても、例えばあまり強過ぎると逆に粉じんが下に降りてこないで、ずっと上に流れているから多分いいとは思うのですが。

○神山座長 サーキュレーターというのは、扇風機という意味ではないのですか。扇風機でウワーッと強制的に出しているわけではなくて、何か特別な。

○名古屋委員 サーキュレーターは、やはり指向性のあるものですよね。ぐるぐる回っているものですよね。

○島田委員 首振りしながら、360度ではないですが、かなり上下に首振りをしながら全体に空気を送る機械です。

○神山座長 今のデッドスペースになりやすい隅々へ向けてくまなく回っている感じなのでしょうか。

○出野委員 気流を作るというよりも攪拌するという意味ですか。

○島田委員 そうです。

○神山座長 攪拌しても、どこかにデッドスペースが最後にできてしまうのもあるのでしょうね。

○名古屋委員 セキュリティーゾーンから空気を取り入れて、集じん・排気装置から空気を出すときに、幾ら対角線上に置いても、その間で直線的に空気が流れてしまうだけで、必らずたまりができますから、そこの所を攪拌させて、できるだけ吸わせてしまおうという意図ですね。

○神山座長 これは難しいですね。

○名古屋委員 効果は期待できると思うのですが、どういうものをどう使うかというノウハウは、現場の人に任せるということですよね。

○神山座長 このサーキュレーターの使用は有効ですが、その使い方はある程度マニュアル的に示すことも必要だということですね。そのときの測定は、アスベストで直接できないまでも、デジタル粉じん計またはスモークテスターのような目視でいくのかは分かりませんが。そうすると、それは今後の課題のようになってしまいますかね。サーキュレーターの使用は、推奨することはよろしいと。ないよりはいいというわけですね。あとは、問題のある所は、追加の実験を計画していただくということでいかがでしょうか。

○島田委員 追加実験の中に入ってくると思うのですが、記述としてはマニュアルの中に入れる話かと思います。推奨になるのか、取扱いの問題がどうなのかも含めて、少し考えてみます。

○神山座長 それでは、この報告書の作成は、大体この線に沿って、今御意見を頂いたものを盛り込んで、次回25日に開くかどうかは別にして、事務局と一緒に検討します。検討がまとまり次第、メール等で御連絡を差し上げますので、御意見を頂きたいと思います。それでは、その他、今後の予定をお願いします。

○樋口専門官 資料4は、今後の予定です。25日に会議を開催するかどうかは、もう一度座長と御相談させていただき、開催する場合は追って皆さんに正式通知をいたします。今のところ、この週の頭ぐらいに検証実験をやる予定ですが、本日の宿題が間に合うかどうかはまだ分かりませんので、その後出たデータは先生方に見ていただくことにしたいと思います。開催しない場合は、先ほどお話しましたが、座長と御相談して、事務局で報告書案を各先生に見ていただき、修正させていただこうと思います。スケジュール的には、環境省の議論も深まったあとぐらいでまとめたいと思いますので、今月末か来月頭ぐらいになると思います。

○神山座長 そうすると、今の予定で25日は報告書案を作っても、今、完全に終わっていないデータや追加実験をもし反映させたいとすれば、予備日の第5回を第4回に持っていくほうが、時間的には余裕が出そうですが、いかがですか。予定していた25日は、今は開催しないことにして、第4回を11月の適当な時期に再設定するということでいかがでしょうか。環境省の会議が1023日ですので、その2日後ですと、いろいろと決まったものをすり合わせするのに、時間的に余り余裕がないかもしれませんので。

○樋口専門官 わかりました。それでは、今日、明日ぐらいに至急日程調整をいたしますので、11月の上旬ぐらいに第4回を開催したいと思います。

○森戸化学物質対策課長 もっと後ろのほうがいいのではないですか。環境省の結果が全部出て、まとまったあとのほうがいいと思います。

○樋口専門官 分かりました。では、11月中を目処に少し調整いたします。それであれば、検証データもある程度出てくると思いますので、それも併せて報告したいと思います。

○神山座長 それでは、以上で本日の審議は終了いたします。特別御意見がなければ、会議の進行を事務局にお返しいたします。

○樋口専門官 御議論ありがとうございました。議事録については、追って先生方に確認をいただき公開することといたしますので、よろしくお願いいたします。それでは、本日の会議はこれにて閉会といたします。


(了)
<照会先>

労働基準局安全衛生部化学物質対策課
電話番号: 03-5253-1111(内線 5515)

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