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2013年2月4日 第123回労働政策審議会雇用均等分科会の議事録について

雇用均等・児童家庭局雇用均等政策課 (平成25年6月28日訂正)

○日時

平成25年2月4日(月)16時00分〜18時00分


○場所

厚生労働省専用第12会議室(12階)


○出席者

公益代表委員

林分科会長、権丈委員、佐藤委員、田島委員、中窪委員、山川委員

労働者代表委員

齊藤委員、關委員、中島委員、半沢委員

使用者代表委員

川崎委員、瀬戸委員、中西委員、布山委員
(川崎委員の「崎」の字は正しくは委員名簿のとおり)

厚生労働省

石井雇用均等・児童家庭局長、鈴木大臣官房審議官
成田雇用均等政策課長、中井職業家庭両立課長、田中短時間・在宅労働課長
田平均等業務指導室長

○議題

1 男女雇用機会金等対策について
2 その他

○配布資料

配付資料 No.1 セクシュアルハラスメント対策及びポジティブ・アクションに関するデータ
No.2 雇用均等室における行政指導等の状況
No.3 諸外国におけるセクシュアルハラスメント対策及びポジティブ・アクションに係る規程等
No.4 12月19日の分科会資料の補足
参考資料 参考No.1 参照条文
参考No.2 ポジティブ・アクションの取組事例(最近の厚生労働大臣最優良賞、優良賞、都道府県労働局長優良賞 受賞企業より)
参考No.3 企業におけるポジティブ・アクションの取組事例(ポジティブ・アクション情報ポータルサイトのポジティブ・アクション応援サイトに登録された事例より)
参考No.4 ポジティブ・アクションに関する情報の開示促進について
参考No.5 業種別「見える化」支援ツール活用マニュアル(百貨店業編)
参考No.6 女性の活躍状況の資本市場における「見える化」に関する検討会報告

○議事

○林会長

 それでは、定刻になりましたので、ただいまから、第 123 回「労働政策審議会雇用均等分科会」を開催いたします。本日は松田委員、渡辺委員が御欠席です。それでは、議事に入りたいと思います。議題は、「男女雇用機会均等対策」についてです。まず、事務局から資料の説明をお願いします。

 

○成田雇用均等政策課長

 それでは、資料について御説明します。資料は、本日の議題である「セクシュアルハラスメント対策について」と「ポジティブ・アクションの効果的推進方策について」に関するものを中心に御用意しています。資料 1 から 4 までと、参考資料が 1 から 6 までです。資料 1 から順に御説明します。

 資料 1 は、「セクシュアルハラスメント対策及びポジティブ・アクションに関するデータ」です。 1 ページから、セクシュアルハラスメント対策に関するデータです。図表を 4 つ掲載していますが、いずれも、昨年 10 30 日の第 120 回分科会の資料 3 「男女雇用機会均等関係資料【改定版】」として出したものと同じものです。

2 ページです。セクシュアルハラスメントに関する方針周知のための取組内容別企業割合です。「就業規則、労働協約等の書面でセクシュアルハラスメントについての方針を明確化し、周知した」とする企業が約半数で最も多く、かつ増加しています。

3 ページです。産業・規模別セクシュアルハラスメントに関する方針周知のための取組内容別企業割合ということで、前のページの取組内容を産業別・企業規模別に見たものです。 

4 ページです。セクシュアルハラスメントに関する相談・苦情対応窓口設置状況別企業割合です。「人事担当者や職場の管理職を相談担当者に決めている」とする企業が 6 割を超えて最も多く、かつ増加しています。

5 ページです。セクシュアルハラスメントが起こった場合、対応として難しいと感じる事項別の企業割合です。「当事者の言い分が食い違う等、事実確認が難しい」が 45.0 %、「プライバシーの保護が難しい」が 41.1 %、「微妙な問題なので、相談を受ける時にどういう点に留意すべきかわからない」が 21.4 %等と多くなっており、いずれも増加しています。「特になし」、「その他」とする企業の割合が減っています。

6 ページからが、ポジティブ・アクションに関するデータです。

7 ページです。ポジティブ・アクションの取組状況の推移です。これも、 10 月に出したものと同じものです。ポジティブ・アクションに取り組んでいる企業の割合はおおむね増加傾向にありまして、平成 23 年度は「取り組んでいる」が 31.7 %、「今後取り組むこととしている」が 15.1 %となっています。

8 ページからの資料については、 10 月の資料では、分科会でも御指摘があったとおり、掲載した調査年が異なっているものがありましたが、今回は、基本的に前回の改正法の施行前の平成 18 年度と直近の平成 23 年度の数字にそろえています。

8 ページです。規模別ポジティブ・アクションの取組状況の、平成 18 年度と平成 23 年度の結果を掲載しています。ポジティブ・アクションに取り組んでいる企業の割合は、規模が大きいほど高くなる傾向にあります。

9 ページです。産業別ポジティブ・アクションの取組状況です。これも以前出したもので、取り組んでいる企業の割合は、平成 23 年度で、金融・保険業、医療 , 福祉、情報通信業などで高くなっています。

10 ページは、ポジティブ・アクションに「取り組んでいる」企業における既に行っている取組事項別企業割合で、これも平成 18 年度と平成 23 年度の結果を記載しています。平成 23 年度では、現状分析・計画策定では、「企業内の推進体制の整備」が 30.3 %、女性のみ対象の取組では、「女性がいない又は少ない職務・役職について、意欲と能力のある女性を積極的に採用」が 35.2 %、男女とも対象の取組では、「人事考課基準を明確に定める」、「パート・アルバイトなどを対象とする教育訓練、正社員・正職員への登用等の実施」、「職場環境・風土の改善」などが比較的多くなっています。

11 ページです。規模別ポジティブ・アクションに「取り組んでいる」企業における既に行っている取組事項別企業割合は、新しい資料ですが、前のページの平成 18 年度と平成 23 年度の数字を規模別に掲載したものです。

12 ページは、ポジティブ・アクションを推進することが必要と考える理由別企業割合です。これも、平成 18 年度と平成 23 年度の数字を記載しています。「女性の能力が有効に発揮されることにより、経営の効率化を図るため」、「男女ともに職務遂行能力によって評価されるという意識を高めるため」などが高くなっています。

13 ページです。ポジティブ・アクションに「取り組んでいる」企業における効果があったと思われる事項別企業割合です。平成 18 年度と平成 23 年度の数字を記載しています。平成 23 年度では、「男女ともに職務遂行能力によって評価されるという意識が高まった」、「女性の能力が有効に発揮されることにより経営の効率化が図られた」などの割合が高くなっています。

14 ページです。ポジティブ・アクションに取り組まない理由別企業割合です。これも、平成 18 年度と平成 23 年度の数字を記載しています。選択肢が若干異なっていますので、横に並べていますが、平成 23 年度では、「既に女性は十分に活躍していると思うため」に次いで、「女性の意識が伴わない」、「ポジティブ・アクションの手法がわからない」、「業績に直接反映しないため」といった項目が挙げられています。

15 ページです。産業・規模別ポジティブ・アクションに取り組まない理由別企業割合です。これも、 10 月のものと同じ資料です。「医療 , 福祉」、「教育 , 学習支援業」「情報通信業」では、「既に女性は十分に活躍していると思うため」という回答が過半数を占めています。

16 ページです。女性の活躍を推進する上での問題別企業割合です。これも平成 18 年度と平成 23 年度の数字を記載しています。平成 23 年度では、「家庭責任を考慮する必要がある」、「時間外労働、深夜労働をさせにくい」、「女性の勤続年数が平均的に短い」等の回答が多くなっています。

 ここで、女性の勤続年数が短いという回答がありますので、 17 ページは参考として、一般労働者の平均勤続年数の推移を記載しています。これも 10 月に出したものと同じです。男性の平均勤続年数が平成 23 年で 13.3 年であるのに対して、女性は 9.0 年となっています。 

18 ページです。産業・規模別女性の活躍を推進する上での問題別企業割合です。これは、 16 ページのデータを産業別・規模別に見たもので、 10 月に出したものと同じです。産業別では、「医療 , 福祉」「学術研究 , 専門・技術サービス業」などで、「家庭責任を考慮する必要がある」を挙げる企業が多くなっています。

19 ページです。役職別管理職に占める女性割合の推移です。これも 10 月にお出ししたものです。管理職に占める女性の割合は序々に増加してきていまして、平成 23 年度で、例えば、係長級で 15.3 %、課長級以上で 7.2 %などとなっています。

20 ページです。これも参考として新しい資料を付けています。先ほど 14 ページで、ポジティブ・アクションに取り組まない理由として、「既に女性は十分に活躍していると思うため」という回答が 3 割以上あったところですが、これらの企業において、実際に女性が活躍しているかどうかについて女性管理職の有無や割合で集計したものです。例えば、課長相当職以上でも係長相当職以上でも、「既に女性は十分に活躍していると思うため」と回答した企業の女性の管理職の割合のほうが、ポジティブ・アクションに取り組んでいる企業の女性管理職割合よりも高くなっている状況です。

 先ほど、管理職に占める女性の割合を出しましたが、 21 ページは、女性管理職が少ない又は全くいない理由別企業割合で、以前お出しした資料の平成 18 年度と平成 23 年度の数字を示しています。「現時点では、必要な知識や経験、判断力等を有する女性がいない」が最も多くなっています。以上が資料 1 です。

 資料 2 です。これまでも同様の資料を出していますが、セクシュアルハラスメントに関する雇用均等室における行政指導等の状況です。

1 ページは、相談についてです。昨年度の相談件数の総数 23,303 件のうち、セクハラ関係は 12,228 件で、全体の 52.5 %を占めています。上の表を見ていただきますと、平成 23 年度で、そのうちの約 6 割が女性労働者から、その他が約 2 割、次いで事業主、男性労働者の順になっています。次に「相談事案」を書いていますが、これは、括弧の中にも書いてあるように、あくまでも相談者から相談のあった内容です。例えば、女性労働者からの相談の内容としては、上の 2 つは、セクハラを受けているがどうすればよいかという事案で、 2 つ目は、派遣労働者の事例です。次に、セクハラを受けて、一部の方は、例えばそれによって体調を崩すというケースもありますが、それによって仕事を辞めたいという場合に、 3 つ目の事例は、金銭的な補償を受けたいというもの、 4 つ目の事例は、行為者に対する何らかの対応を求めたいという事案です。一番下ですが、セクハラを受けたので相談窓口に相談をしたところ、不利益な取扱いを受けたという事案で、ここでは退職届を出せと言われたという事案です。

2 ページですが、セクハラを受けたので相談をしたものの、会社が何も対応してくれないというものです。 2 つ目のポツからは男性労働者の事例です。 2 つ目のポツは、女性からセクハラを受けているもの、 3 つ目は、行為者として処分を受けそうだが、会社の調査方法に納得がいかないというものです。次は、事業主から、相談窓口の担当者から行為を止めさせるための対策についての相談と、セクハラ防止規程の作り方の相談などがあったところです。一番下はその他で、娘さんなど御家族がセクハラを受けているという相談も見受けられます。

3 ページからは、報告徴収等の状況です。昨年度の助言件数 10,008 件のうち、セクハラ関係が 6,393 件で、全体の 6 割以上を占めています。

助言の内容です。 1 つ目は、事業主がセクハラ防止対策を何も講じていなかった事例です。 2 つ目は、男女労働者を対象としていなかった事例です。 3 つ目ですが、御案内のとおり、セクハラについては指針が策定されていまして、参考資料にも付けていますので、後ほど御覧いただければと思いますが、均等法第 11 条の事業主が講ずべき措置について、事業主が適切かつ有効な実施を図るために必要な事項が定められています。具体的な事業主が講ずべき措置の内容としては、 1 つ目は、事業主の方針の明確化とその周知啓発、 2 つ目は、相談窓口の設置などの相談に応じて適切に対応するために必要な体制の整備、 3 つ目は、再発防止策を含めた事業の迅速かつ適切な対応、 4 つ目は、相談者・行為者等のプライバシーの保護や、セクハラに関して相談したこと等を理由とする不利益な取扱いを行ってはならない旨の規定などが指針に記載されています。 3 つ目の事例は、こういった措置が講じられなかったために、それぞれの措置を講じるように助言を行ったものです。そのほかに、法違反ではなくて、助言は行っていませんが、望ましい対応をアドバイスしている事例もあります。 4 つ目は、セクハラ防止対策に関する周知用のチラシが、女性のみがセクハラの対象となっているように見える部分があるので修正することや、相談窓口の周知の際には、役職だけではなくて担当者の氏名や、相談方法を明確にすることなどをアドバイスしている事例です。一番下の事例は、派遣労働者も含めて、セクハラ対策の対象とすべきという旨を助言した事例です。

5 ページからが、労働局長による紛争解決の援助の事案です。これも昨年度の紛争解決の援助申立件数 610 件のうち、セクシュアルハラスメント関係が 326 件で 53.4 %を占めています。これまでの分科会で、この援助の結果がどうなったのかという御質問がありましたので、今回は申立受理件数のほかに、援助終了件数や、そのうちの解決、打ち切りなどの数の推移も掲載していますので、参考値として御覧いただければと思います。具体的な事案の内容です。まず、一番上の事例は、セクハラを受けているので止めてほしいというもの、次は、セクハラを受けたので、行為者や取締役などから謝罪を求めたいというもの、 3 つ目は、セクハラを受けたので退職することになったが、退職理由にセクハラがあったことを明記してほしいというもの、 4 つ目が、金銭的な補償を求めるといったものです。一番下の事例は、会社に相談窓口がないなど十分な体制がなかったという事例です。

6 ページです。派遣元に相談したという情報が派遣先に漏れてしまったという事例です。 2 つ目と 3 つ目は、セクハラを受けて事業主側に相談したものの、対応してもらえなかったという事例です。 4 つ目です。これは男性からの申立ての例として、セクハラ発言について、女性には謝罪があったが自分にはなかったので、職場環境の改善や謝罪などを求めるというものです。下の 2 つです。セクハラを受けて相談をしたところ、配置転換された、あるいは雇止めの通告を受けたなどの不利益な取扱いを受けたという事案です。

7 ページです。機会均等調停会議による調停開始の状況です。これも、昨年の調停開始件数の 72 件のうち、セクシュアルハラスメント関係が 48 件で 66.7 %を占めています。調停についても、調停開始件数の推移のほか、申請取下げ、調停案の受諾勧告等の内訳の数字の推移も記載しています。事案の内容です。 1 つ目は、セクハラを受けたため退職することにしたので、金銭補償を求めるというもの、 2 つ目も、セクハラを受けて我慢していたが、解雇されたので解決金を求めたいというもの、 3 つ目は、セクハラを受けたので出勤すると気持ちが悪くなるようになったので、慰謝料を求めるという事例です。次は、男性からの事例ということで御紹介しています。同性の社長からセクハラを受けて退職せざるを得なくなったという事案です。次の事案は、セクハラについて会社に相談したところ、賃金が下がる部署への異動を打診され、断ると一方的に退職したことにされたという事案です。一番下が、セクハラについて会社に相談したものの、会社が何の対応もしてくれなかったため、体調を崩して退職せざるを得なかったという事案です。以上が資料 2 です。

 資料 3 です。諸外国におけるセクシュアルハラスメント対策及びポジティブ・アクションに係る規定等です。 1 から 3 ページまでがセクシュアルハラスメント関係です。アメリカと EU とフランスの規定等を、これも 3 ページの下に書いてありますが、第 43 回の均等分科会に出した資料を基に事務局で修正できる範囲で修正したものです。 4 ページのポジティブ・アクションの関連規定は、前回出したものと同じものです。

 資料 4 です。これは、前回、教育訓練に関するデータを出したところ、 OJT のデータも見ておいたほうがいいのではないかという御指摘があり、佐藤委員から労働政策研究・研修機構の「働くことと学ぶことについての調査」を御紹介いただいたので、この調査からいくつかデータを御紹介しています。

1 ページが、「調査の概要」です。平成 20 年に、全国の 25 歳以上 45 歳未満の男女就業者約 4,000 人を対象に行われたものです。 2 ページの上ですが、仕事上の能力や知識を高める活動、これが OJT に相当するかと思いますが、これについてということで、過去 1 年間に、まず実線部分ですが、「上司や同僚から仕事上のアドバイスを受けることがよくあった、又は時々あった」と回答された方の割合です。男性全体で 68 %、女性全体で 69.1 %です。点線部分です。「今の仕事に役立つ担当外の仕事を経験すること」があったと回答された方が男性全体で 34.9 %、女性全体で 32.7 %で、これは、いずれも男女で余り大きな差はないような状況かと思います。 2 ページの下にグラフが 3 つありますが、これが教育訓練、 Off-JT に該当すると思いますが、これについてということで、一番左が過去 1 年間に教育を受けた者の割合です。これもグラフの下に書いてありますが、男性全体では 40.5 %、女性全体では 39.1 %となっています。中央のグラフで、その教育訓練の内容が、「そのときの仕事をするために必要最低限のもの」を受けた方の割合が、男性で 19.6 %、女性で 21.0 %です。右側の、教育訓練の内容が「そのときの仕事だけではなく、やがて担当する仕事にも役立つもの」を受けた方の割合は、これは男性全体で 25.2 %、女性全体で 16.5 %なので、男性のほうが少し高くなっているという状況です。

3 ページは、職業能力開発の効果です。 1 年前に比べてスキルレベル又は職務遂行能力が上昇した、あるいはやや上昇したと回答した方を対象に、これらの上昇に何が役立ったのかを伺っています。女性では、「上司や同僚から、仕事上の指導やアドバイスを受けたこと」や、「上司や同僚の仕事のやり方を見て学んだこと」などが多く、かつ男性に比べても割合が高くなっています。男性では、女性同様に、「上司や同僚から、仕事上の指導やアドバイスを受けたこと」が最も多くなっていますが、このほかに、「担当する仕事の範囲・幅が広がったこと、」「本やマニュアルを読み、自分で勉強をして仕事の仕方を学んだこと、」「任される仕事の責任が大きくなったこと」などの割合も高くなっていまして、かつ、女性よりも少し割合が高くなっています。

 参考資料です。参考 No.1 は、これまでと同様に、本日のテーマに関連する均等法の条文や指針の抜粋を付けていますので、御参考に参照いただければと思います。

 参考 No.2 です。これまでの分科会で、ポジティブ・アクションの中身について、もう少し分かるデータをという御指摘もありましたので、ポジティブ・アクションの取組事例として、厚生労働大臣表彰等を受賞した企業の取組事例を御紹介しています。

1 ページから、最近 3 年間に厚生労働大臣最優良賞、又は均等推進企業部門の優良賞を受賞した 3 社の事例を御紹介しています。具体的な取組の内容については資料を御覧いただければと思います。

 例えば、 2 ページのみずほフィナンシャルグループでは、ポジティブ・アクションの取組目標・計画を平成 21 年に改定して、管理職の女性比率が平成 21 年の 7.8 %から平成 24 年は 21.1 %になっています。 3 ページの高島屋の事例では、中程から下のほうにありますが、取組の結果、管理職に占める女性割合が上昇して、平成 15 年から平成 23 年までの 8 年間で、例えば、課長クラスで 8.4 %から 22.4 %に上昇しています。 5 ページの日本アイ・ビー・エムでは、管理職に占める女性割合が、課長クラスで平成 15 年から平成 22 年までで、 4.9 %から 11.4 %に上昇したという数字が挙がっています。こういった成果も 1 年ごとの上昇率で見てみますと、それほど大きな数字にはなっていないと考えられますので、大企業の場合には、ポジティブ・アクションに取り組んでからその成果が数字として表れるまでに一定の時間がかかるのではないかと考えられます。

7 ページからは、本年度に、都道府県労働局長優良賞を受賞した企業の中から中小企業の事例を 3 つ御紹介していますので、御参照いただければと思います。

 参考 No.3 です。これも同じくポジティブ・アクションの取組事例です。ポジティブ・アクション情報ポータルサイトの応援サイトに登録された企業の事例を御紹介しています。  1 ページにあるように、昨年 12 27 日現在で 769 件の登録をいただいています。この資料は、あくまでも企業に登録いただいた内容をベースに作成していますが、登録企業の業種別・規模別の内訳がありまして、 1 ページの後半からは、取組内容別の企業数を掲載しています。

4 ページからは、取組企業の多かった取組内容について具体的な事例を記載しています。それぞれの項目において、典型的な取組内容と思われるものを無作為に選んで、その企業の業種や規模、正社員に占める女性割合等の情報などと共に、原則としてサイトに掲載された内容をそのまま転載していますので、こちらも御参照いただければと思います。 

 参考 No.4 です。前回の均等法の改正で、ポジティブ・アクションの一層の進展を図るために、事業主がポジティブ・アクションの実施状況を外部に開示する場合に、国が援助を行うことができる規定が追加されたところです。これを踏まえて、参考 No.4 で、厚生労働省の取組として、ポジティブ・アクション情報ポータルサイトを開設して、ただいま御紹介しました、応援サイトや女性の活躍推進宣言コーナーなどを活用した企業の情報の開示の促進を行っています。また、厚生労働省や都道府県労働局の職員が企業を訪問して、ポジティブ・アクションの取組促進と取組の情報開示を働きかけたり、あるいは、文部科学省と連携して、大学のキャリアセンター経由で女子学生に対するサイトの活用などの働きかけを行っているところです。

 参考 No.5 です。業種別「見える化」支援ツール活用マニュアルです。これは、ポジティブ・アクションの具体的な取組につなげるために、職場における男女労働者間の職域や役職などについて、事実上生じている格差の実態を把握して、男女間格差が生ずる要因の「見える化」を図っていただくことを目的として、業種別に作成して普及しているものです。参考 No.5 は、昨年度に作成した 3 業種のうち、百貨店業のものを 1 例として御紹介しています。

 参考 No.6 です。これも参考です。内閣府に昨年 9 月に設置された女性の活躍状況の資本市場における「見える化」に関する検討会において、 12 月に取りまとめられた報告書です。 9 ページ辺りから有価証券報告書、コーポレート・ガバナンスに関する報告書、 CSR 報告書などの情報開示の手段について検討を行った上で、 11 ページで、有価証券報告書等において一律に開示を求めることについては、検討会としては一定の結論を得るには至らなかったとした上で、 13 ページから、企業による任意かつ積極的な情報開示が一層促進されるように、関係者が連携・協同しつつ行うべき取組について記載されています。 19 ページに、厚生労働省の表彰を受けた企業の株式のパフォーマンスが平均を上回っているという図もありますので、御紹介をいたします。資料の御説明は以上です。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

○林会長

 大部の資料の説明をありがとうございました。ただ今の事務局の説明について、委員の皆様から御質問、御意見等がありましたらお願いしたいと思います。今日のテーマは、セクシュアルハラスメント対策についてと、ポジティブ・アクションの効果的推進方策についてです。ただ、その前に、前回までの議論について、言い残した点等がありましたら、どうぞ御発言ください。

 

○中島委員

 前回の妊産婦の保護、婚姻に関わる不利益取扱い禁止のところで、基本的な質問をしたいのです。第 9 条関係になりますが、第 9 条では、婚姻、妊娠、出産等を理由とする不利益取扱いの禁止が明示されていますが、婚姻を理由とする差別の禁止については第 9 条第 1 項、解雇については第 9 条第 2 項ですが、そのほかのステージにおける差別の禁止や不利益取扱いについては、第 9 条の項では記載されていないのです。

 例えば、第 9 条第 3 項に入っている様々なステージでの差別の禁止、これについては第 6 条の指針の中にそれぞれ書き込まれている形をとっています。第 6 条の指針を見ると、例えば、婚姻を理由とした差別、合理的な理由のない差別が記載されている項目もあるし、記載されていない項目も指針の中にはあるのです。

 それぞれの条文との関係がやや不明確だと思っており、第 6 条指針では、例えば職種の変更に関しては、婚姻を理由とした差別が特に記載されていません。退職とか定年は第 9 条で規定をしているということでしょうが、労働契約の更新に関してでは、「婚姻による」と書かれていなくて、「既婚の女性労働者について」と記載がされていて、表現の統一観もないと思っており、第 9 条と第 6 条の関係を、第 9 条で禁止するなら禁止することをはっきり書くか、あるいは第 6 条であえて第 9 条とは分離して規定をしているという流れの中で規定をするのであれば、指針の各ステージ、項目に対して具体的にきちんと書き込むべきだと思っており、この関係の経緯と理由をお聞きしたいと思っています。

 

○成田雇用均等政策課長

 まず経緯ですが、第 9 条については、妊娠・出産は女性特有の問題で、比較すべき男性が存在しないので、第 5 条、第 6 条に規定する差別禁止とは別に、妊娠、出産等を理由とする不利益取扱いの禁止等が定められています。その上で、婚姻についてですが、妊娠・出産等と異なって男性にも起こる事由ではありますが、均等法制定当時は女性結婚退職制度が広く行われていて、これが性差別の象徴的な制度であったことから、特にこれを禁止する必要があったことと、均等法の制定の契機となった女子差別撤廃条約の中に、「婚姻をしているかいないかに基づく差別的解雇を禁止すること」という規定があったことから、現在こういった規定になっているということです。

 ただ、今お話がありましたように、結婚を理由として女性だけが何らかの差別的な取扱いを受けている、例えば、婚姻を理由として女性だけが配置転換をされるということがあれば、それは第 6 条の対象になってきて、法違反になると考えています。

 

○中島委員

 ということは、第 9 条で整理をするという考え方にはならないということでしょうか。私は第 9 条で婚姻・妊娠・出産を並べて整理をしたほうがいいのかと思ったのですが、もし第 6 条の指針で規定をするのであれば、例えば職種の変更に関しては全く婚姻に関わる記載がありませんが、そういうところの整合性を図っていく必要があるのではないかと思います。これは意見です。

 

○林会長

 この件について、何か御意見はありますか。それでは御意見として承っておきます。本日の本来のテーマであるセクシュアルハラスメント対策について、御議論いただきたいと思います。

 

○半沢委員

 第 11 条のセクシュアルハラスメントについてですが、セクシュアルハラスメントの規制、対象の範囲について、少し整理が課題ではないかということです。内容としては、私どもが労働の相談を受ける中において、例えば女のくせにとか、男のくせにとか、経験を重ねた女性に対して差別的なというか「ばばあ」という言い方をしたりとか、「俺の部下には女は要らない」とか、それが発展をして、女性だけが固定的にお茶汲みやお酌、さらには個人的なお使いのような、こういったことも含めて相談の中には上がってきています。

 こういった内容は、性に基づく排除の意思がある、又は性に基づいて差別的な言動とか、妊娠・出産もそれに当たると思いますが、そういった差別的な言動、こういったものに類型されるのかと思っています。こちらについても私たちとしては差別の 1 つの形だと思っており、国際的に見ても女性差別撤廃条約の中でもそういったものは差別の範囲に含んでいると思っており、諸外国でそれを明確に禁止しているといった例もあると認識をしています。

 一方、今回の第 11 条を見てみると、参考資料 1 に条文がありますが、第 11 条の中には職場において行われる性的な言動に対するという書き方がされています。また、同じ資料の 4 ページ、こちらには指針があるわけですが、この中でも「性的な言動」という書き方がされているし、 (4) の部分に性的な内容の発言及び性的な行動を指しという書き方がされています。

 一方、今日の配布資料の中にはないですが、人事院規則 10 10 「セクシュアルハラスメント防止等の運用について」といった通知においては、「性的言動」という中に「性的な関心や要求に基づく言動」、こういったものが 1 つ入っているわけですが、これがこれまで見た中に入っていた定義が 1 つあると思っています。もう 1 つ、「性別により役割を分担すべきとする意識に基づく言動」「性別により差別しようとする意識等に基づくもの」、こういったことで 2 つの類型をしている。

 繰り返すと、人事院規則では 2 つの類型をしているわけですが、指針や第 11 条においては、それが必ずしも明確ではないと感じているので、趣旨としていずれも規制をすべき差別的な内容だと思っているので、その点を分かりやすく条文若しくは指針にも表わすべきだと考えています。以上が意見です。

 

○中西委員

 資料について、質問をしたいと思います。資料 1 2 ページにある「セクシュアルハラスメントに関する方針周知のための取組内容別企業割合」についてですが、平成 23 年度で見ると、「その他」の数値が 26.8 %と全体を見ても高い割合を占めているのではないかと思われます。「その他」とは、具体的にどのような内容が挙げられているのでしょうか、お答えいただきたいと思います。

 もう 1 点ですが、 4 ページ、同様に「セクシュアルハラスメントに関する相談・苦情対応窓口設置状況別企業割合」についても、「その他」が高い割合を占めていると思われます。こちらについても内容を教えていただきたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

○雇用均等政策課長

2 ページの方針周知ですが、「その他」ということで御回答いただいているため、明確な状況は分からないのですが、別の似た調査の選択肢を見てみると、例えば「社内報に掲載」とか、「倫理規定や行動基準を策定」という選択肢があって、そこに回答されている企業もあるようですので、こういったものが考えられるのではないかということです。

4 ページも「その他」ということで明確には分からないのですが、例えば E メールで受け付けるとか、そういったものもあるのかもしれませんが、これはあくまでも推測だということで御理解いただければと思います。

 

○瀬戸委員

 今のところの関連ですが、 3 ページの「企業規模別の取組内容」ということで、私もここはお聞きしようかと思っていたところですが、「その他」が 53.0 %ということで、恐らくその他という回答肢、選択肢の中で書かれているのだと思うのですが、ここのその他は、その他も含めて何らかの形で方針周知のための取組を行っていると理解してよろしいのですよね。確認です。

 

 

○成田雇用均等政策課長

 「その他」と回答されたところも含めて何らかの方針周知のための取組をされていると考えています。

 

○齊藤委員

 現行の法制度は、セクハラをどう防止し相談に対応するかについてとどまっているように思えます。セクハラを防止することは非常に大切ですが、セクハラが起こってしまった後の被害者の働き続ける権利をどう確保するかも非常に大切であると思っています。しかし、この点がまだ十分でないと思われます。ハラスメントを受けた被害者の仕事と雇用を守り、職場で働き続けられるようにするために、必要な積極的措置を講じなければならない義務として明確化する必要があるのではないかと考えています。

 現状では、ハラスメントの回避や、健康を害したため、療養が必要とされる労働者の休業と復帰の権利を保証するための具体的なツールや手続は、定められていません。また、それらの過程で不利益が生じないようにするための具体的な定めもありません。被害を受けた労働者が、自信や誇りを削がれて退職しか道はないと思い込まされ退職届を上司に提出したときに、上司がとるべき対応についての指針さえありません。

 例えば、初動としては、加害者と被害者を分離する必要がありますが、加害者の配置転換ができない場合は、休業する権利など柔軟で実効ある対応が必要だと思っています。先ほどの資料 2 の均等室における行政指導等でも分かるように、被害者が精神的苦痛から体調を崩して休職したり、また、休職できずに退職にまで至ったケースも多くあります。

 指針には、事業主が相談に応じ、適切に対応するために必要な体制を整備することが記載されていますが、相談内容が漏れてしまって働けなくなってしまうとか、加害者を処罰することを第一にする余り、裏付け調査で被害者が参ってしまうこともあります。被害者の権利を守り、就業継続を可能にするためのルールや手続を明確にすることが必要であり、労働者が働き続けられるようにする責務を事業主に課すべきだと思います。具体的には、指針 (3) に職場におけるセクシュアルハラスメントに係る事後の迅速、かつ適切な対応がありますが、こちらに被害者の保護と現職復帰支援の項を設け、具体的な措置について補強することが必要と思っています。

 

○林会長

 今の御意見に対して。

 

○中島委員

 補足をします。連合でも毎月労働相談をやっているのですが、たまたま 12 月の報告が上がってきており、昨年 12 月の労働相談の結果、実に 37.3 %が嫌がらせとかセクハラに関する相談でした。そのうち大体半分がセクハラの案件と思っていただいていいと思います。例えば、セクハラを拒否したら今度はパワハラになったとか、非常に早いところで、初動で止めることがなかなかできにくい状態が職場にはあるのだということが、いろいろな事例を通じてはっきりしています。

 初動でつまずいてしまうと、企業でも相談窓口を設けたり、人事管理担当者が相談に乗ってくださったりとか、いろいろな努力はしていただいていますが、被害者をどうやって保護するのかと。微妙な問題なので相談を受けるときにどうしたらいいか分からないとか、精神的ダメージを受けているので対応の仕方が分からないとか、資料の 5 ページにも非常に具体的に状況を述べているので、ここをもう少し補足してあげないと、結果的にメンタルな状態に追い込まれて、セクハラを受けた側が辞めざるを得ないと。

 均等室などにもたくさん相談が来ていると思いますが、結果として辞める覚悟をしてから相談に行って金銭的な解決とか、そういう例も多いわけです。労働災害補償の関係で、セクハラを受けたことによる精神的な障害、メンタルな障害については、労働災害として認定されるようにはなりましたが、それも受けた後の最終的な手段ということで、初動で早い時期にきちんと被害者を保護して職場に戦力として戻すことが、どうも対応としてはなかなか不十分な気がするので、私もその補強はするべきだと思っています。

 

○佐藤委員

 分かればということで、今の中島委員ともそこで多少関係するのですが、諸外国のセクシュアルハラスメント対策の規定がありますよね。フランスのところを見ると、後ろにモラル・ハラスメント、これはパワハラです。そのパワーハラスメントとセクシュアルハラスメントがかなり重なっている部分、これは昔から言われてきて、きちんと取り組んでいる企業は、セクシュアルハラスメント、パワーハラスメントを分けるというよりかは、例えば管理職研修などと併せてやるとかいうふうに、予防などの取組とかなり重ねてやっている企業もたくさんあるのです。ですから、法律上の規定は別でもいいと思うのですが、ある程度同じ内容である必要はあるかなと思っています。

EU の内容、 1 ページの後ろ、人間の尊厳を侵害するところの中身を見てみると、これはパワハラとも読めるという気もするので、パワーハラスメントとセクシュアルハラスメントの規定がある場合、どうなっているのか、今日分からないなら分からないでいいのですが、今回は均等法の中でですから、多分パワーハラスメントの場で入れてなどというのはなかなか難しいと思うのです。ただ、具体的に企業の取組としては多分一緒にやることになるので、パワハラのほうも少し横にらみしておいたほうがいいかというのは、個人的な意見としてあります。

 もう 1 つは、企業規模別にセクシュアルハラスメントの対策の周知の方法とかがありますが、これは先ほどのその他が多いところは何ですかという御質問があったのですが、これは企業規模別に周知しているか、していないかという情報もどこかにあるのです。そうすると、多分規模別にいうと、下のほうはやってないと思うのです。難しいのは、パワーハラスメントもそうですが、例えば 29 人以下になってくると、変な話ですが、経営者自身がやっていることもあるわけです。そうすると、もちろん企業に取り組んでもらうことも大事ですが、それは難しい会社もあろうと。

 そうすると、均等室の相談室もあるということもある。ただ、その辺をもちろん企業にやってもらうことを前提にしながら、しかしパワーハラスメントもそうですが、とても企業に依存、お願いできない部分もある。そうすると、均等室などということになる。ですから、こういう取組は両方をにらみでやる必要があるかと。これは個人的な意見です。

 

○布山委員

 先ほどセクシュアルハラスメントのことで幾つか労側委員のほうから御意見があったのですが、 1 つ、被害を受けた方の雇用の確保に関する御発言について申し上げます。大変重要なことだと思いますが、一方で、被害を受けたことによって、もう会社を辞めたいという方もいらっしゃるわけなので、その辺をどうするかということ。それから、加害者になる方が必ずしも同僚や上司だけではなく、小さい企業では社長そのものといった場合に、まさかその会社にいたいということもないでしょうから、非常に各個別の話だと思うのです。それをどう指針に書くかは、実は非常に難しいのではないか。すでに指針でも、かなり細かくいろいろ書いてあるのではないかと思っています。

 先ほど性別のハラスメント、嫌がらせについてもセクシュアルハラスメントの中に入れるという御意見があったのですが、セクシュアルというのは性的な意味であって、性的な関心と性別によってというのは、少し違うのではないかと思っています。公務員の指針がそうなっているということですが、これはきちんと明確に分けて、飽くまでもセクシュアルなということでどうするかという議論をしたほうがよろしいのではないかと思います。

 

○中島委員

 被害者保護のところですが、確かに本当に社長が自らやっている所で雇用を続けるのは、非常に難しい実態があるのかもしれませんし、自分から辞めたいという人も中にはいるかもしれませんが、そもそも職場で発生した事案なわけですから、職場で解決するのが基本だと思うのです。ですから、できるだけ企業内で解決をすることを基本に被害者保護の観点が必要ではないかという意見です。

 

○布山委員

 誤解を招いたのなら申し訳ありません。企業内できちんと処理をする、あるいは予防すること自体を否定しているわけでもありませんが、実際に雇用の面まで全て指針の中に書き込むとなると、非常に難しいのではないかという意見を述べたまでです。

 

 

○中島委員

 具体的には雇用に対してどうこうということよりも、相談体制などについて非常に人事当局も不安に思っていらっしゃるところが現にあるわけですから、相談窓口をどうするかということと、相談のノウハウをどうするかということで、具体的にはいいと思うのです。

 私もセクハラの苦情処理委員会の委員をやっていたことがあるのですが、例えば同じ職場でセクハラが起きた場合には、先ほども申し上げましたが、初動のところで加害者と被害者をきちんと分離するとか、事実関係の調査にすぐ入るとか、そういう基本的な被害者を保護する仕組みが必要だと思うのです。

 そうでないと、力関係の中で圧倒的に女性のほうが一方的に被害者であるにも関わらず、クレーマーであるという感覚に取られかねないということもあるので、雇用を結果としてどうする、どうしないという規定をしろということ以前に、具体的な相談のノウハウなど、この指針の中にもかなり加害者に対する処分のマネジメントなどは書かれているので、被害者の保護についても、そういう具体的なノウハウをもう少し補強したほうがいいのではないかということです。

 

○半沢委員

 先ほどセクシュアルハラスメントと性的差別的意識による言動については、分けていたほうがという御意見をいただいています。セクシュアルハラスメントを性的な欲求に基づくというふうに定義するとすれば、いずれにしても性に基づく差別的な言動というのも一方で規制をされるべきであると。これは先ほどの佐藤委員がおっしゃったパワーハラスメント的な嫌がらせ、領域として重なるものもそれぞれあるのかもしれませんが、いずれにしても人権、若しくは、特に性的な役割分担によるものは、男女雇用機会均等法職場において、そういった差別的なハラスメントをなくすという観点から、別にするとすれば別として扱っても構わないのですが、とにかくそういったものも含めて規制をしたほうがいいのではないかとも感じるところです。

 

○山川委員

 若干、別の質問でもよろしいでしょうか。

 

○林会長

 結構です。

 

○山川委員

 周知に関して 3 つあり、先ほど佐藤委員の言われた規模別の周知状況に差がかなり顕著にあるのは気になるところですが、それに関する質問が 2 つあります。 1 つは、資料 1 3 ページですが、就業規則等でセクシュアルハラスメントについての方針を明確化し、周知したと。細かい話ですが、ここでの周知は、通常の就業規則の周知、つまり作業場の見やすい所に備え置くというか備えつけるでも足りる。つまり、現実に見せているかどうかは問わないという周知と同じという解釈になるかどうかという点です。

 周知に関してもう 1 つの質問は、相談窓口に関する指針の解説というか指針に関する通達では、窓口をあらかじめ定めるというのは、労働者に対してその窓口を周知していることも含むということですか。そのあたりの調査はあるかどうか。つまり、窓口の周知がなされているかどうかの調査があるかどうかが 2 つ目です。

3 つ目は若干別ですが、資料 2 になりますが、行政指導の状況の最後の 7 ページです。今回、調停に関する結果等も出していただいて、大変ありがたいのですが、その上のほうに「打ち切り」がありますが、ここの打ち切りの中身は、個別労働関係紛争解決促進法などでは、そもそも出頭してこないというか出てこないために打ち切ったのがかなりの割合を占めていると伺っているのですが、打ち切りの中身まで分かるかどうか、データがもしあればお伺いしたいと思います。

 

○成田雇用均等政策課長

 方針の周知の関係ですが、これは調査で選択肢がこうなっています。企業の方がどう回答されたかということなので、場合によっては法律上定められた周知のものもあろうかと思いますし、さらに何かやっているものもあるのかと思います。窓口の周知については、均等調査ではこれだけしか聞いていないので、ほかに調査があるようであれば紹介します。打ち切りの内訳ですが、申し訳ありませんが、雇用均等室からくる報告はこのデータだけですので、今手元にこれ以上の情報はないということで御理解いただければと思います。

 

○山川委員

 もし今後何か分かる機会がありましたら、教えていただければと思います。

 

○成田雇用均等政策課長

 分かりました。

 

○佐藤委員

 いま山川委員も言われた資料 1 3. 周知の方法だけれども、している、していないという調査のデータはないのですか。しています、していませんというのは、聞いていないのですか。つまり、これはしている所の中身ですよね。過去のを見たら載っていないみたいなのですが。

 

○成田雇用均等政策課長

 均等調査ではこの項目だけです。

 

○佐藤委員

 しているという前提なわけですね。

 

○成田雇用均等政策課長

 そもそも措置義務違反になりますので。

 

○佐藤委員

 ただ、育休などの調査のときは、「就業規則に規定もしていますか」というのを聴いていますよね。規定のない所、していない所は出てくるから、これは聴かないのはなぜかと。やっていない所はたくさんあるわけですよね。もしそうならば、その他はもしかしてやっていない所がその他に答えている可能性はないですか。

 

○成田雇用均等政策課長

 ここでは、質問で、「貴社では、セクシュアルハラスメントに関する方針を従業員に周知するために、どのようなことに取り組んでいますか。該当する番号をすべて○で囲んでください」ときいています。

 

○佐藤委員

 ノーアンサーですね。分かりました。いいです。ほかの質問で、法律上義務になっているものを聴いている質問は結構あるのです。例えば、育休就業規則で規定していますかというのを聞いています。

 

○権丈委員

 同じところについての確認ですが、無回答がどれぐらいあるかは分かりますか。

 

○成田雇用均等政策課長

 今の調査ですが、不明はあるのですが、無回答は把握できていない状況です。不明も数は小さいです。

 

○中窪委員

 先ほどのところに戻ります。先ほど半沢委員がおっしゃったことは私は非常に重要だと思っており、セクシュアルハラスメントというと、しばしばわいせつ行為と同視されますが、本当は女性に対する差別意識というか、性的な関心対象にしか見ず、労働者として正当に評価しないことが背景にあることが多いです。だからこそ前回の均等法改正で、措置義務に強化するとともに、場所も第二章「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等」に移したのではないか。

 ただ、そういう中で、例えば今まで男性しかいなかった職場に女性が配置されて、そうすると同僚が「女なんかどうせ駄目だ」とか、非常に否定的な発言をして、非常に居づらくなる環境をつくってしまうことがあった場合に、もしそこの中で一環としてわいせつ行為とかが起これば、これは正に措置義務の対象となる第 11 条の性的な言動によるセクハラになると思うのです。

 仮にそういうのがなくて、本当に言動だけで「もう女は駄目だ」「女は家に居ろ」とか、そういうことを同僚が言って、いわば一緒に居づらい環境をつくってしまったと。使用者としても一旦配置をしたけれども、それについて何らのフォローアップもせずに、結局辞めざるを得なくなったという場合に、これは先ほどの半沢委員のような提案があれば別でしょうが、もしこれは性的な言動がないとすると、第 11 条ではなかなか難しい気もするのです。

 ひょっとしたら第 6 条の労働者の配置に関する性別を理由とする差別的取扱いに当たる気もするのですが、「事業主は」と書いていますが、事業主がこれを放置したこともこういうところに当たり得るのでしょうか、という勝手な私の質問です。仮に均等室に相談が来た場合に、どう対応されるのか、あるいはそういう事例が現にあるのかということを教えていただきたいと思います。

 

○成田雇用均等政策課長

 先ほどからの性的役割分担意識に基づく発言等については、法律上のセクハラの定義としては、性的な言動、すなわち性的関心に基づく発言・言動に起因する問題になっています。一方、指針の中では、例えば、労働者に対して、セクシュアルハラスメントの「発生の原因や背景について理解を深めることが重要」だということや、相談のところで「広く相談に対応して適切な対応を行うように」ということが書いてあり、現在も指針でお願いしているところです。

 

○中窪委員

 今おっしゃったのは、企業の中で広く対応しているということですね。第 6 条でも取り上げることはできるのでしょうかということです。

 

○成田雇用均等政策課長

 先ほども女性だけがお茶汲みとかいう話も出ていましたが、実際に業務の配分等で差別があった場合には、それは第 6 条違反になり得ると思っています。

 

○中窪委員

 使用者としては配置したいのだけれども、同僚が受け入れてくれずに、結局辞めてしまったとか、そういうとき放置したことも事業主の差別的取扱いということになり得るのでしょうか。

 

○成田雇用均等政策課長

 業務を命令するのは事業主ですので、例えば、慣行として女性のみにお茶汲みなどを実際にやらせていて、会社側がそれを放置したといった場合には、均等法違反になり得ると考えています。

 

○半沢委員

 繰返しになりますが、指針の中に「広く背景に」という書き方で表現をされているということでしたが、それだけだと、それがもし含まれているのが趣旨であるとすれば、少し分かりにくさもあるのではないかと。そもそもセクシュアルハラスメントを無くす基本的な考え方を元から規制、周知するという観点からも、もう少し明確化してもいいのかとも感じるところです。

 

○林会長

 セクシュアルハラスメント対策については、議論としては大体これでよろしいでしょうか。では、次のポジティブ・アクションに移りたいと思います。御質問、御意見等がありましたら、お願いします。

 

○關委員

 ポジティブ・アクションに関しての意見ですが、ポジティブ・アクション自体、賃金をはじめ男女間格差の是正の実効性を上げること、つまりは実質的な男女平等を実現していく上で非常に重要だと考えています。ポジティブ・アクションの前提として、企業職場における募集・採用、配置・昇進、教育訓練、退職等々の取扱いにおける男女の割合、あるいは賃金格差など、意識的に把握して可視化を図ることが必要だと考えています。検討会報告にも付けていただいていますけれども、そこは本当に必要なのだと思っているところです。我々労側はこれまで、ポジティブ・アクションの拡大、定着に向けましては、ポジティブ・アクションの計画策定あるいは実施条件の開始等々を事業主に義務づけることを求めてきていますけれども、その上でもデータの整備あるいは可視化というものは必要だと考えていますし、それを元に数値目標を立てて、女性の登用や男女間格差を解消することはこれまでの国際社会からの指摘といったことに答える上でも重要だと、このように考えているところです。

 その上で、ポジティブ・アクションの前提となるデータの作成あるいは開示といったものを義務付けることも必要なのではないかと考えているところです。例えば自社の労働者あるいは管理職におけるところの男女比とか、部門勤続年数別の男女比、妊娠・出産を契機とした女性の退職状況、研修の男女別の実施状況等々を、ジェンダーに入る人は男女別の統計を取って、比較が可能なデータを作成することが必要ではないかと思います。更にいえば、その会社に伴って格差があからさまになるということがあれば、その格差の要因について説明あるいは協議というものが求められた時に、これに応じることまでをも義務付けてはどうかと考えているところです。以上、意見です。

 

○布山委員

7 ページのポジティブ・アクションの取組状況の推移について、確か私はこの均等分科会での目標値を立てる話の時にも同じような発言をした覚えがありますけれども。資料 1 7 ページを見ると、平成 18 年度以降、ポジティブ・アクションに取り組んでいる、または今後取り組むこととしている企業は増えています。これ自体を否定するものではありませんが、現在取り組んでいない企業の中には、以前取り組んだ結果、現在は少なくとも企業の中で女性が活躍している企業もあると思うのです。ここで管理職比率みたいなものを採り上げるのが適切かどうか分かりませんが、ここの資料にあったので見てみると、先ほど課長からの御説明がありましたように、 20 ページのデータは、「今のところ取り組む予定はない、既に女性は十分に活躍していると思うため」と答えた企業の管理職割合は、取り組んでいる企業と比べても高いということです。そもそもポジティブ・アクション自体が女性の活躍が進んでいない企業が取組を行うものであって、活躍が進んでいる企業にはその必要がないのではないかと思っていまして、本来は活躍が進んでいるポジティブ・アクションに取り組む必要のない企業が増えるのが理想ではないかと思っています。そうすると、この取組率を見ることがどれだけ意味があるのかも少し疑問に思っているところです。実際に取組みが進んでいる所は入っていない中で、更にポジティブ・アクションが進むほうがいいという話なのかどうかは疑問かなというところです。

 

○権丈委員

同じところですが、「今のところ取り組む予定はない」という企業で、取り組まない理由として「既に女性は十分活躍していると思うため」と答えている企業が結構あります。確かに、政策目標として、ポジティブ・アクションに取り組んでいる企業を増やせばよいというわけではなく、女性が十分に活躍してポジティブ・アクションに取り組まなくともよいような企業が増えるのが望ましいということもあると思います。

すでに女性が十分活躍していると思う、という理由から取り組んでいない企業についてですが、それらの企業が本当に十分かどうかは、別に検討して判断する必要があると思います。そこで、取り組んでいない企業の状況がもう少しわかればと思います。この資料は以前にも提示していただいており、その際、企業に取り組みの有無を尋ねるにあたって、ポジティブ・アクションについての説明資料を配布して、回答いただいていると伺ったと思います。ポジティブ・アクションとは認識していないけれども、ここにある取組事項を実施している場合はどのように取り扱われているのか教えてください。例えば、「男女とも対象の取組」である「人事考課基準を明確に定める」とか「働きやすい職場環境を整備」とかについては、おそらく女性が十分に活躍しているためにポジティブ・アクションに取り組んでいない企業でも、実施されている企業があるはずで、そうした状況がわかれば、女性が十分活躍しているという理由で取り組んでいない企業の実態がもう少しわかると思います。そうした実態はわかりますか。

 

○成田雇用均等政策課長

 御質問の件について、お手元に過去の均等分科会の資料があるかと思います。第 120 回の分科会の、資料 4 の、後ろの方に均等調査でどういう形で御説明をしているのかを書かせていただいています。資料 4 の最後の 2 枚が調査と一緒に付けているチラシです。これを同封した上で、「貴社はポジティブ・アクションに取り組んでいますか」という質問の下に、注の 6 として、ポジティブ・アクションというのはこういうものです、ということを書いています。そこには女性のみを対象とする取組も男女両方を対象として行う取組もあり得るということは御紹介をした上で、この上の質問に答えていただく形でお願いをしていますので、これを読んで御理解いただいた上で回答していただいていると思っています。ただ、実際は、具体的な取組の中身を問う質問はこのあとにきますので、ここで「 5 6 に回答していただいたあと」と書いてありますが、「ポジティブ・アクションに取り組んでいる」と回答された企業に対して、そのあとの具体的な取組の内容を問う質問に答えていただく形になっています。

 

○権丈委員

 取り組まない理由として、既に女性は十分活躍していることをあげている企業が、実際にここにあるポジティブ・アクションの具体的な取り組みをされているかどうかについては、この調査では調べていないということですね。

 

○成田雇用均等政策課長

 今見ていただいている「取り組んでいますか」という質問に対して、「今のところ取り組む予定はない」と回答された企業に、「なぜ取り組まないのですか」と質問をしており、そこに、「女性が十分活躍しているため」という選択肢がありますので、今の調査上は取り組んでいる所は取り組んでいる内容を回答しますし、取り組む予定がない所は取り組まない理由を御回答いただくので、両方に回答することにはなっておりません。

 

○権丈委員

 ご説明、ありがとうございます。ポジティブ・アクションに取り組んでいない企業について、もう少し詳しい実態がわかればと思い、質問させていただいたところです。幸い、ポジティブ・アクションの取り組み状況別の女性管理職の割合については、資料をいただいておりますので、そちらについて確認させていただければと思います。

20 ページの女性管理職の割合をみると、確かに、「既に女性は十分に活躍していると思うため」という企業は、他の企業よりも女性管理職の割合が高く、女性の活用が進んでいるようです。ただ、そうはいっても、国際比較や数値目標などと比べて決して高いわけではないということも同時に見て取ることができます。企業において、女性が十分活躍していると主観的に判断していたとしても、本当に十分かどうかはわからないわけで、客観的に評価できるようにしていくことは課題ではないかと思います。

全般的にみて、日本における女性の活用はまだ十分ではないと言えると思います。ポジティブ・アクションが有効なツールとして使えるのであれば、引き続き進めていくべきであり、その後押しをするために、一層の周知を図ることやこれまでの様々なアプローチを充実させていくことが必要だろうと思います。また、企業が取り組むことでメリットを感じられるような仕組み作りも重要だろうと考えます。

 

○佐藤委員

 今の布山委員と権丈委員からの 20 ページのところですが、確かに布山委員が言われるように、既に取り組んで係長もかなり増えてきて、このままいけば課長も出てきますね。今は低いけれども、例えば係長ぐらいまでは人が育ってきて、もう男女同じぐらいで、あと 5 年やもうしばらく経ってそのままいけば課長になるような会社もあると思います。ただ、こう見ると十分活躍しているとか、以前取り組んでいた所でも、女性管理職が「無し」、 0 の所があります。取り組んでいる所で実績が上がっている所で、これは少しいくら何でも 0 はないと。ですから布山委員が言われるように取り組んで実績が上がってきて、ある程度いく会社も十分あると思います。ただ、係長でも 0 、管理職 0 とか、課長は次というのはあると思いますけれども、課長でも 0 39 %ですから、そういう意味では、やはり 0 というのは、いくら何でも取り組んだ成果が出ているとは見えにくいと思うので、そこの辺はもう少し、これはなぜなのかと考えなければいけないと思うので、これで十分だというのはちょっと。布山委員の言われる、当たる会社はあるけれども、もっとやってもらわなければいけない会社も相当あるというのがこのデータの見方かと思います。

 

○中島委員

 ありがとうございます。関連しまして、取組事例にもあるように、非常に努力をして成果が出ている企業もたくさんあると思います。ただ、やはり全体としては均等法の指針の中に、一方の性が 40 %を下回らないという基準があると思いますけれども、採用自体が少ないからそこまですぐにはいかないと思いますが、佐藤先生がおっしゃったように、これから確実に増えていくのであればいいのですが、まだまだ基本的には多くの企業にポジティブ・アクションを取り組んでほしい状況は変わらないと思います。

 もう 1 つは、ここで「見える化」支援ツールという非常に心強いマニュアルを今日お出しいただきましたけれども、様々なツールとか、インセンティブを多種多様に活用して、できる限り取組みやすい土壌というのをどう作るのかをもう一つの課題だと思っています。企業表彰と、今日の「見える化」支援ツールの検討会の報告にもありますけれども、公契約であるとか、経済的なインセンティブであるとか、女性の活躍推進を国として進めるためにもできるだけ多様なインセンティブやツールを出していくことが、私は結果的に効果に繋がるのではないかと思っています。経済的な女性の活躍促進というのが今は国家戦略にもなっているわけで、これに連動して、新しいインセンティブというような何かヒントはないでしょうか。

 

○佐藤委員

 参考までに、「見える化」ということで、お手元の参考 No.5 の、私は先ほど布山委員の言われるのが当たっている会社もあるとお話しました。これは百貨店業界の女性活躍状況を「見える化」し、大事なのは各社ごとに課題が違うので、各社の実態に応じた取組をしていただこうと作ったものです。 11 ページを見ていただくと、百貨店協会に入っている会社ですので多分、組合もあるし、総体的に、地方百貨店もありますけれども、結構大きな会社も入っている、 50 社ぐらいの会社です。その会社について、図の縦軸が課長に占める女性比率です。横軸は男女の勤続年数の差です。右にいくと男女の勤続年数差が少ないです。一個一個が各社の女性管理職比率と勤続年数ですから、百貨店というのは全体として見ると、全産業よりも女性管理職が多いですし、男女の勤続年数の差が少ないです。ただし、 50 社は相当バラツキが大きいです。どうして大きいかというと、第 1 象限というのは総体的に女性管理職比が多くて、男女の勤続年数差が少ないですから、女性が結婚、出産があっても男性に近い、全部同じではないですが、働き続ける。だからマイナスというのは女性の方が長いわけですけれども、比較的女性が長く働いているという。そういう意味で均等と両立が比較的です。

 でも例えば、第 4 の左下は、男女の勤続年数の差が大きくて、女性はどんどん辞めていって管理職比率が低い、ですからここにも結構分布しているのですね。逆に右側の下は女性は働き続けているけれども、活躍できない。管理職比率が低いです。そういう意味で、女性は働き続けられる仕組みはあるけれども、活躍の仕組みが遅れている会社と、両方遅れている会社と。活躍できているのは、残っている女性は管理職になっても途中でたくさん辞めているのが第 2 象限ですよね。これだけ見ても相当バラツキが大きいです。ですからこれを見ると、例えば一律の管理職 3 割とかの目標はそれぞれ違うので、各社ごとに次に進めるべき課題があるのは事実なので、ここをどうするかが大事です。この百貨店だけを見ても相当バラツキがある、そのバラツキがある中で、どう自社の課題を見つけて取り組んでいただくか。

 もう 1 つ、 34 35 ページの、先ほど男女の賃金格差が、女性活躍の指標だと、確かにそうですね。女性の勤続が長く、役職に就くなり昇格していけば、男女別なくですね。そうなっていけば多分賃金差が少なくなると思いますので。この 34 ページは 50 社の中で賃金差が少ない会社の上位を採っています。ですから差が全体で 82.9 %とちょっと差はありますけれども。右側が男女差が大きい所です。賃金差が 67.3 %です。 7 割ぐらい。これはどこで差が出てくるかを見たら、例えば部課長比率を見ていただくと、差が大きい方は部課長の比率が低いです。もう 1 つは、異動の差が大きい所は、女性は入ってからずっと販売にいます。差がない所は販売からバイヤーとかそっちに抜けていったり、あるいは店舗間異動をしているのです。だから人の途中の育て方とか。

 あとは 10 年目の定着率も相当違います。つまり採用はあまり変わらないですけれども、どこでその勤続で落ちてくるのかとか、どこで昇格に差が出てくるのか、多分異動のさせ方とかでかなり違ったりするということ。百貨店の中でも男女別なくいろいろな仕事を経験させて、販売だけではなくてバイヤーにもっていったり、異動も必要なら女性にも経験してもらってから、課長、部長にしている所とそうでない所、それが賃金差に結びついているということです。ですからそれぞれの実態、それぞれの課題が違いますから、それをどう取り組むかというのがポジティブ・アクションだと。一律にこれをやれというのはなかなか難しいかと思っています。御参考までにということで。

 

○林会長

 ありがとうございました。

 

○中窪委員

 今、佐藤委員がおっしゃったことは非常に重要でありまして、まずはそこここの会社で、企業の実情に応じた何がしかの努力をしていくことが不可欠だと思います。他方で、トータルで見ると、国がポジティブ・アクションの意義をアピールし、目標を掲げてまっすぐ進むことも大変重要だと思うのですね。その関係の資料で、昨年の経済同友会がポジティブ・アクションについてすごい積極的な宣言をして、うろ覚えですけれども、経営的、管理職的なところの、 30 %か何かの目標にすることをがーんと打ち出しておりまして、私は新鮮な驚きを覚えた記憶があります。もしよろしければ次回にでも、その資料を出していただければと思います。

 

○林会長

 そちらはよろしくお願いします。

 

○布山委員

 今、中窪先生がおっしゃった同友会さんは、こちらの団体の話ではないので言うのも何なのですが、あの報告書自体も企業の自主的な取組ということだったので、法律の規制ではなかったはずです。

 それと先ほど佐藤先生に資料の御説明をいただきましてありがとうございました。百貨店業界は、女性が多い所の中でもやはり活躍度と環境の違いがあるのは当然そうなのだろうと思っていて、そうすると女性がそもそも少ない所、先ほどいみじくも中島委員が、採用の所は難しいかもしれないけれどもとおっしゃっていましたが、まず、管理職にするには、その候補がいなくてはならない。候補がいるということは、採用があるのですが、その採用に関して、業種ごとに女性に選んでいただけないような企業というか業種もあります。そうすると必要な学部を出ていないのであれば採用するのも難しいとなると、企業、雇用の場からではなくて、これは均等分科会の話ではないのですが、本来は学生のとき、あるいはもっと前の段階からどうしていくかを考えないと、雇用の採用のところからというのは本当はなかなか難しいのかなと思います。

 

○半沢委員

 いろいろと皆さんの御意見を伺いまして感じたことですが、先ほど前提となるデータの作成や開示というのが、それぞれの企業によって抱える問題が異なるので、それをそれぞれの企業が自覚をするというためにも、非常に有効な取組かと感じました。

 また、先ほど話題になっていました 20 ページの「今のところ取り組む予定はない」の所で、もう既に取り組んでいらっしゃる所は既にそういった数字も自分の所で把握をしていて、それに基づいて、いいという判断で、判断の是非についても先ほど御意見がありましたが、そこで、佐藤委員がおっしゃっていた「無し」という所で、管理職の有無がない、少なからず全く取り組む気持ち自体があまりないような所もひょっとしたら含まれているとすれば、おそらくそうしたデータの把握も積極的ではないかもしれない。だとすれば、その一定のデータについては開示をしましょうといって、開示をすることによって気付きにもなるでしょうし、若しくは、はなからやる気持ちがない所についてはおそらくリーダー自体がやる気がないということもあるでしょうから、そういった所に関しては、どうですかというような働きかけができるのも、一つの前に進める方法ではないかなと感じました。

 

○山川委員

 ポジティブ・アクションの場合は、一体、法的には何条の問題なのかということがあります。 8 条はポジティブ・アクションについてよく言われる規定ですが、これは要するにポジティブ・アクションをしても違法にはなりませんよと。つまり、典型的にはいわゆる逆差別みたいなことになったとしても違法性が阻却されるよという条文です。

 もう 1 つ、 14 条にはポジティブ・アクションに関する計画の作成について、相談その他の援助を行うことができるというものです。こちらは援助ということで、どの条文を問題にしているのかというようなことを考える必要があろうかと思います。

 あと諸外国の例では、例えば日本だとそういう仕組みにはなってないのですが、差別が認められた場合に、アメリカですと裁判所がアファーマティブ・アクションを命じて、是正の手段としてそういうことを考慮するとか、いろいろなやり方がありますので、一体どういう文脈でポジティブ・アクションの議論するのかを意識する必要があろうかと思います。

 先ほどの資料 1 11 ページは、セクシュアルハラスメントの場合はかなり周知面での課題がありそうな感じを思ったのですが、こちらは現状分析とか計画策定のデータを見ますと、かなり様相の違った状況で、 5 千人以上の大企業と、逆にそれ以下の企業との間で若干取組状況が違うということです。これがどういう点に違いがあるのかもありますけれども。例えば 14 条の方を使って、「援助」と書いてあり、現在の解釈通達では、助言、情報提供等が考えられるということですが、これが一体どこまで広がるのか、今のところは情報提供等でかなり押されているのかと思いますけれども、ほかにもいろいろ手法があり得るかなという感じもしています。ただその際には、余り一律に。これまでの議論でかなりの共通の御理解が得られたと思いますが、カスタマイズする必要があるといいますか、個別の産業によっても違うし企業によっても違うので。問題は先ほど「気付き」という言葉もありましたけれども、自覚的にどれだけ取り組んでやっているかというところがポイントなのかなという気がしています。

 

○布山委員

 山川先生の御発言にも関連するのですが、事業主としても、より女性に活躍していただく必要性については企業も十分に認識をしているところです。そういう意味で、各企業の実情に応じて行う現行の形というものが理に適っていると思っていまして、これまで同様、効率的かつ柔軟な取組が行われるようにしておくべきではないかと考えているところです。

 

○林会長

 そのほか、ポジティブ・アクションの効果的な推進について、何か御意見等はありますでしょうか。

 それでは御意見が出尽くしたようですので、次回は「考えられる論点(案)」において、次の論点とされています「法の履行確保について(行政指導、紛争解決の援助、調停)」ということで、法の第 15 条から 30 条の関係などについて議論をしていただきたいと思います。

 特に御異論がないようでしたらば、本日の議題はこれで終了とさせていただきます。

 最後に、本日の署名委員は、労働者代表は關委員。使用者代表は布山委員にお願いいたします。

 本日の分科会はこれで終了といたします。お忙しい所、ありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省雇用均等・児童家庭局
雇用均等政策課
〒100-8916 東京都千代田区霞が関1−2−2
電話(代表)03−5253−1111(内線7835)

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