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2013年10月23日 第69回社会保障審議会医療保険部会議事録

○日時

平成25年10月23日(水)16:00〜18:21


○場所

厚生労働省 講堂(低層棟2階)


○議事

○遠藤部会長

 それでは、定刻になりましたので、ただいまより「第69回医療保険部会」を開催したいと思います。

 委員の皆様におかれましては、御多忙の折、お集まりいただきましてどうもありがとうございます。

 それでは、本日の委員の出欠状況について申し上げます。

 本日は、岩本委員、大谷委員、岡崎委員、斎藤正寧委員、柴田委員、菅家委員、福田委員、森千年委員より御欠席の御連絡をいただいております。

 続きまして、欠席委員のかわりに出席される方についてお諮りをしたいと思います。

 岡崎委員の代理として村岡参考人、柴田委員の代理として飯山参考人、菅家委員の代理として高橋参考人、福田委員の代理として近藤参考人、森千年委員の代理として藤原参考人の御出席につき御承認いただければと思いますけれども、いかがでございましょうか。

(「異議なし」と声あり)

○遠藤部会長

 よろしゅうございますか。ありがとうございます。

 それでは、議事に入らせていただきます。

 初めに「産科医療補償制度について」を議題とさせていただきます。本日は、9月に日本医療機能評価機構でまとめられました「産科医療補償制度の剰余金と掛金の取扱いの基本的な考え方(案)」について御説明をいただくため、日本医療機能評価機構から産科医療補償制度運営委員会の小林委員長、上田理事、後理事にお越しいただいております。

 それでは、日本医療機能評価機構の上田理事、後理事より資料の説明をお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

○上田理事

 私、日本医療機能評価機構で産科医療補償制度の事業管理者を務めております上田です。よろしくお願いします。

 これまで宿題となっております、剰余金及び掛金の取扱いに関する基本的な考え方について、並びに保険会社の事務経費等の取扱いについて、産科医療補償制度運営委員会で検討を行い、そして取りまとめましたので、本日御報告いたします。

 また、補償対象となる脳性麻痺の基準等の見直しについては年内に取りまとめることを前回、7月の医療保険部会で御説明をしておりますが、現在運営委員会で検討を行っております。まだ議論の途中ではありますが、現時点のこれらの検討状況について御報告いたします。

 以上、3点について当機構の理事の後から御説明申し上げます。

 なお、先ほど部会長からお話がございましたが、運営委員会の小林委員長に同席していただいております。よろしくお願いいたします。

○後理事

 産科医療補償制度技官を担当しております後と申します。それでは、早速資料1−1をよろしくお願いいたします。

 1枚めくっていただきまして、1ページでございます。タイトルが「産科医療補償制度における制度見直しの検討状況について」とあります。その下の太い1番ですが「剰余金および掛金の取り扱いに関する基本的な考え方について」、その下の文章ですが、本年7月に補償対象者数の推計結果が公表されたことを受け、私ども運営委員会において剰余金及び掛金の取扱いについて審議を行いました。その基本的な考え方を取りまとめましたので、御報告させていただきます。

 その下の(1)は「剰余金の取扱いについて」でございます。四角で囲んだ部分ですが、1番、運営組織に返還された剰余金については基金を設置するなどし、将来の本制度の掛金に充当する。

 2具体的な充当額は対象となる脳性麻痺の基準、補償水準等の見直しの議論と合わせて長期安定的な制度運営の観点も踏まえて対応する。

 3充当開始時期は27年1月への前倒しに向けて具体的な対応策について検討を行うということとしております。

 これまで医療保険部会におきましても、法的、実務的な問題があり返還が難しいという御意見もございましたので、それを踏まえて充当という考え方でまとめております。

 それから、同じページの※印の2番、一番下から4行目ですけれども、早急に掛金水準の見直しを求められていることにも考慮する必要がありますが、充当開始時期を26年の期中へさらに前倒すとした場合は、運営組織に剰余金が返還されるまでの間、1か月当たり約9万分娩に対する充当財源を確保する対応策の検討が必要となるという困難な課題が現在ございます。

 2ページにまいります。2ページは補足であります。太字のアですが「充当開始時期を平成27年1月へ前倒しするための課題と対応」です。

 (イ)ですけれども、27年3月の保険料支払い時までに運営組織に充当財源が必要となるということが前提となります。

 (エ)ですけれども、その2行目で、運営組織への申請書類の提出に3か月程度、運営組織による審査に3か月程度を要するところ、これを急ぎまして、そして2行飛びまして、補償対象者数の確定時期を前倒しして27年3月中に補償対象者数を確定し、直ちに保険会社からの返還を受けるなどの対応に向けた調整を図るということを27年1月に前倒しするために行いたいと考えております。

 続いて太字のイですけれども、充当開始時期をさらに前倒しして26年の期中へ前倒しするための課題、対応でございます。

 (イ)の2行目で、補償対象者数の確定時期の前倒しを行ったとしても、26年中に確定することはできないため、これはまだ26年は申請中であるということによるものです。剰余金の返還を受けるのは困難です。

 (ウ)ですが、このため、その2行下で、1か月当たり約9万分娩の充当財源を確保できている必要があります。

 一番下の(エ)ですが、充当額を仮に5,000円とした場合は月当たり4.5億円、財源必要期間を仮に3か月とした場合、3ページにまいります。13.5億円の財源を運営組織において借り入れるなどの対応が必要となります。

 (オ)ですが、運営組織での借り入れの可否について検討を行いましたが、借入金の利息を剰余金から支払うことは社会的に資金の不適切な流用として指摘される可能性がある。運営組織の事業規模に比して多額の借り入れを行うリスクは拭い切れないことなどから、借り入れることはできないと判断しております。

 (2)です。「掛金の取扱いについて」で、【掛金水準の見直しの時期】です。四角で囲んだ部分ですが、掛金水準は以下の1から3による見直しが考えられるが、この1は補償対象者数推計の見直し、2が対象となる脳性麻痺の基準、補償水準等の見直し、3が剰余金の掛金への充当です。この1から3による見直しが考えられるが、分娩機関における対応可否、影響を考慮すると、掛金水準の見直しは1から3を同時に行うことが適当であり、その時期は27年1月が望ましいと考えております。

 同じページの下の※印の1番ですが、これを同時に行うことが望ましいとする理由です。黒ポツの1行目の後半から、掛金の額及び出産育児一時金の対応方針を決定の上で分娩機関に対して周知を行い、分娩機関ではそれを踏まえて分娩費の改定と対応を行う必要がある。例えば、自治体立医療機関においては分娩費の改定に議会決定を必要とするなど、早期に対応を完了することは現実的に困難です。

 4ページにまいります。一番上の黒ポツですが、1から3の見直しの時期が異なる場合、短期間に複数回の掛金水準の見直しを行うこととなります。それで、最終行ですが、診療現場及び妊産婦に相当の混乱が生じるということを懸念されております。

 ※印の2番で、27年1月より前に1から3の見直しを同時に行うことの課題です。これは繰り返しになりますが、最後の3行で、剰余金が運営組織に返還されるまでの間、1か月当たり9万分娩に対する充当財源を確保する対応策の検討が必要となります。

 その下の点線の囲みで補足でありますが、太字のアの【平成27年1月から1から3による見直しを同時に行うことが望ましい理由】であります。これも若干繰り返しになりますが、(ア)ですけれども、1から3の見直しの時期が異なる場合、短期間に複数回の掛金水準の見直しを行うことになる。分娩機関においては、そのたびに分娩費の改定の検討、妊産婦登録、妊産婦登録済みの妊産婦への新しい掛金、補償内容等の再説明を行うことになる。

 妊産婦登録済みの妊産婦へ漏れのない再説明、そのためのチラシや登録証の適切な差し替え、システム改修の対応等を複数回行うことは負担が大きく、トラブルが生じる可能性も高まるということです。

 それから、イです。【平成26年1月に掛金水準の早期の見直しが困難な理由】です。その下の(ア)ですけれども、掛金水準の見直しに関しては掛金の額、出産育児一時金の対応方針を決定の上で周知を行い、分娩機関においては分娩費の改定等の対応を行う必要がある。自治体立医療機関においては議会決定を要するなど、早期に対応することが困難という現実がございます。

 次に、5ページにまいります。アの【平成26年の期中に1から3による見直しを同時に行うことの課題】です。

 (ア)(イ)は省略させていただきまして、(ウ)です。事務的な準備機関でおおむね1年程度が見込まれるものの、同時進行で診断書等の改定準備を行うことや、分娩機関から妊産婦への制度説明期間を最大限短縮することによって、25年内に制度見直しの内容が決定することを前提に、別紙1のように2610月や11月に前倒しできる可能性があるということで、ここでは別紙1、12ページをごらんいただけますでしょうか。

 これが、補償対象となる脳性麻痺の基準、掛金水準の見直しに係る準備期間のスケジュールを絵にしてお示ししております。できるだけ同時並行で進むようにいたしまして、最短で10月中旬に見直し後、制度施行、これは事務的な準備はこういう状況だということでございます。

 恐れ入りますが、また5ページに戻っていただきまして次の(エ)にまいります。3については、これは充当の開始のことでありますが、1か月当たり9万分娩の充当財源を確保する対応が必要である。

 そして(オ)ですけれども、借り入れの可否について検討いたしましたが、先ほど申しましたように借り入れることはできないと判断をしているということで、非常に困難であると考えております。

 次に、6ページにまいります。【掛金水準の見直しの考え方】です。四角で囲んである中に算式がございますが「将来の掛金水準」=「推計結果および補償対象となる脳性麻痺の基準等の見直しを踏まえ必要な掛金の額」−「剰余金の充当額」、こういう算式で計算すると考えております。

 その下の文章ですが、なお、現行の掛金水準3万円は創設時の調査専門委員会の調査結果に基づく推計値上限である800人をもとに設定されており「推計結果および補償対象となる脳性麻痺の基準等の見直しを踏まえ必要な掛金の額」、算式の中にあった額ですけれども、これについては創設時同様、新たな推計値上限である年間623人をもとに算出した2万1,000円に補償対象となる脳性麻痺の基準等の見直しの結果を加味し、算出することが適当と考えております。

 そして、同じページの※印の下から6行目の最終段落でありますが、制度創設から十分な期間が経過しておらず、全国的にデータも蓄積されていない中、変動幅のある推計結果に基づき掛金水準を設定するに際しては、保険会社に過度の利益、損失が生じることのないよう、上限をもとに掛金水準を設定し、補償原資に剰余が生じた場合に運営組織に返還される現行の枠組みを維持することが安定的な制度運営の観点からも適当と考えております。

 7ページをお願いします。7ページは補足でありますが、点線の囲みの中のウです。補償対象者数の推計値に大きな変動幅が存在する状況、現状そのような状況にあります。そしてその3行下ですけれども、実績が例えば100人分を下回った場合は30億円の利益を保険会社が得ることとなる一方で、逆に100人分を上回った場合は30億円の損失を保険会社が抱えることになります。

 エですが、2行目で、データ不足を補うための保険手法として、保険料を安全に設計した上で事後的に精算することで合理的な保険料の実現を図る方法があり、現行制度はこの手法を導入しております。これを維持することが適当と考えております。

 一番下のカですけれども、なお27年中頃以降、補償対象者数が確定し、これは初年度の補償対象者数の確定になります。実績データが蓄積していきます。これが21年分、22年分と順次蓄積していきますので、補償対象者数の推計値についてはその結果を踏まえ、必要に応じ見直しを検討していくこととしております。

 8ページをお願いします。一番上に<参考>とありまして「平成21年生まれの児の補償申請等の見込み」とあります。その見込みは別紙2のとおりであるとありますが、別紙2にいく前にその下の黒ポツの1つ目ですけれども、制度周知、申請促進の取り組み強化の結果、申請書類の請求件数が4月以降増加しておりまして、9月は過去最高、そのうち21年生まれの報告件数も36件と、これも最高という状況で推移しております。11月以降もさらに増加する可能性もあります。

 黒ポツの2つ目ですが、26年1月以降については児が順次申請期限を迎えることから順次減少すると考えられますが、21年の後半に出席した児を中心に、なお申請期限直前まで請求があるものと想定されております。

 ここで、別紙2をごらんいただけますでしょうか。これは14ページになります。一番上に小さい字で数字が何件か書いてあります。小さくて恐縮ですが、現在補償対象の確定数は215名、215件です。審査中の件数が22件、それに対して申請準備中の件数が157件きております。合計394件という状況です。これが、なおふえているという状況にございます。

 そして、その下で、上のほうのグラフですけれども、これはシミュレーションをしております。現在10月の時点でありますが、Aのシミュレーションはこの9月、10月の状況が12月まで続いて、その後は申請期限である5歳のお誕生日が到来しますので順次減っていくというシミュレーション、Bは9月までの状況が9月、10月まで続いた上で、その後は1年間の平均のレベルまでぐっと落ちまして、その後、順次減っていくというシミュレーションです。

 その下のグラフですが、そのA、Bのいずれにいたしましても今後も申請が伸びていくということが想定されておりまして、Aであれば約700名、Bであれば約550名のあたりまで伸びていくと考えております。実際には書類の請求のうちの85%が申請になって、9割以上が対象となっているというのがこれまでの実績であります。

 ここで、また8ページに戻っていただけますでしょうか。8ページで中ほどから下の太字の2番で「保険会社の事務経費等の取扱いについて」です。その下の○印ですが、保険会社の事務経費等の推移は別紙3のとおりであるということで、恐れ入りますがまた15ページまでいっていただけますでしょうか。

15ページにありますのが「産科医療補償制度の収支状況」でございます。一番上の棒グラフは、保険会社と医療機能評価機構の事務経費の推移を平成21年から25年までお示ししております。そして、保険会社の事務経費の部分がAになっておりまして、その内訳として物件費、人件費、制度変動リスク対策費をC、D、Eとしてお示ししております。

 棒グラフの下の数字の表は3つに分かれております。一番上の横の細長のものが保険料の収入であります。この内訳として、真ん中の段が純保険料、これが補償原資になります。これが支給の実績分と、それから支払い備金、まだ準備しているものという内訳に分かれております。それから、一番下の大きな四角が事務経費で、上の棒グラフに該当するものです。それが評価機構と保険会社で、保険会社分は物件費、人件費、変動リスク対策費と、3つに内訳を分けております。

 上の棒グラフと下の数字の表は、AとBは対応しておりません。申しわけございません。わかりにくくて失礼いたします。御注意ください。AとBは対応しておりません。

 下の円グラフは、事務経費の割合を見たものです。左側が損害保険商品一般、中ほどが自動車賠償責任保険の事務経費の割合、そして一番右が産科医療補償制度となっております。

 ここで、先ほどの8ページに戻っていただけますでしょうか。一番下の○で、剰余金の返還最低水準、それから剰余金の運用益、制度変動リスク対策費について、26年1月からの保険契約において次のとおり見直すということで、9ページ以降に見直しの内容を御説明させていただきます。

 9ページでありますが、(1)剰余金の返還の最低水準であります。四角の囲みの中ですが、現行の300人から278人とすることを考えております。

 その下の○の3つ目ですけれども、調査専門委員会の報告書によりますと、推計の下限値より剰余金の返還の最低水準を設定すると340人となります。

 次の○ですが、一方で少なく見積もった場合、この340人をさらに少なく見積もった場合の推計も記載されておりまして、これが278人と示されております。

 その下の○ですが、本制度の公的性格にかんがみ、この278人をとるものです。

 それから「(2)剰余金の運用益」です。下の四角の囲みですが、剰余が生じた場合、保険会社から運営組織に返還される剰余分に、返還までの期間の運用利息相当額が付加されて返還される仕組みを導入したいと考えております。

10ページの一番上の○ですけれども、本制度の保険商品は資産運用を目的とした金融商品ではありませんので、その段落の下から2行目ですが、適正な運用利率を設定して保障原資の剰余文に付加することとしたいと考えております。

 2つ目の○ですが、運用利率については有識者から構成される検討会を設置し、その見解を得て年内に決定するということを考えております。

 それから「(3)制度変動リスク対策費」です。制度変動リスク対策費については下の囲みの中ですが、現行の500人から今回の推計値である481人の見込みとして算出することとしたいと思います。

 その下の1つ目の○ですが、変動リスク対策費は800人の見込みとして算出しておりました。

 2つ目の○ですが、25年1月の契約においては仮に500人の見込みとして見直しを行っております。

 3つ目の○で、今後の契約においては調査専門委員会における対象者数推計値である481人の見込みとして算出し、事務経費の縮減に努めていきたいと考えております。創設時は推計の上限で変動リスク対策費を算出しておりました。これは800人ですが、これを踏襲すれば623人ですけれども、これを事務経費の縮減の観点から481人とするということでございます。

 次に、その下の太字の3番ですが、前回御報告のとおり年末に向けて検討を進めている補償対象基準の見直しの進捗状況につきまして御説明させていただくものです。

11ページをお願いいたします。一番上の○で、対象となる脳性麻痺の基準、補償水準の見直しの検討に当たっては、制度設立時の検討の経緯を踏まえ、制度の趣旨の範囲内で議論を行う必要があり、以下の観点で具体的検討を進めております。

 1が制度運営の中で明らかになった課題の改善、2が医学的に不合理な点の是正、3が新たに得られたデータに基づく適正化ということで、その進捗の様子を運営委員会の資料を用いましてもう少し御説明させていただきたいと思います。

 そこで、16ページをお開きいただきますようにお願いいたします。16ページから20ページまでは、9月に開催した運営委員会の会議資料になっております。ここでは、この制度の創設時の基準や範囲が決められてきた経緯を記したものでございます。この部分の御説明は省略させていただきます。

 そして、21ページの別紙5です。細かい表の資料で恐縮でございますが、対象となる脳性麻痺の基準の見直しにかかる検討項目をお示ししております。さまざまございますが、これが制度を運営しながら取り上げられてきた、提案されてきた課題ということで、これらを検討しているということでございます。

 最も左側の列に大項目、小項目とありますが、そこにありますように補償対象基準に関する見直しの検討課題がございます。補償対象基準は一般審査と個別審査とありまして、それぞれについて検討課題がございます。それから、除外基準についても先天性要因や新生児期の要因を除外しておりますが、それについても検討課題がございます。重症度につきましても、身障等級1、2級を対象としておりますが、それについても検討課題があるという状況でございます。

 それぞれ検討を行いまして、採用すれば制度設計における対象者数の増減がどのくらいふえるかという人数のシミュレーションを一番右側の列にお示ししております。

 続きまして22ページ、別紙の6でございます。これは、10月に開催した委員会の資料でございます。ただいま申しました細かい項目の検討の資料が25ページ以降になっております。

25ページと26ページがまず検討の1つ目でAと書いてありまして「「未熟性による脳性麻痺」の基準」とありますが、これが一般審査部分の見直しの項目です。各項目に現在の項目が設定された経緯や見直しの必要性を書いております。25ページと26ページには創設時、未熟性が原因で重度脳性麻痺になったと整理した児が、今日の医学、医療の進歩により未熟性が重度脳性麻痺の原因とは言えなくなっているという課題があるということを示しております。

26ページの一番下からがBでありまして「「未熟性による脳性麻痺」のうち「分娩に係る医療事故」の基準」です。これが、個別審査の部分であります。26から28まであります。この中に書いてありますことは、28週未満の児であっても、分娩時の低酸素の影響が大きくて重度脳性麻痺になっている児がいるのに、現行の基準ではそれらの事例が十分拾い上げられていないというような課題が書かれております。

28ページですが、Cになります。Cは「除外基準」です。先天性要因や新生児期の要因が示す範囲が十分明確でなく、周知が不十分であるという課題があるということを書かれております。

29ページはDになりまして「重症度の基準」です。現行の基準では「下肢・体幹」と「上肢」、下肢とつまり胴体を合わせたものと、それ以外に上肢、手ですけれども、これを別々に評価しておりますが、身障等級判定の際は合わせて評価する合算が行われておりますので、そこは合わせたほうが不利にならないのではないかという課題があるということを書かれております。

30ページが、Eになりまして「補償申請期間」です。これは、6か月以降申請が可能なのですが、MRI検査等の画像の進歩で重症例は3か月以降でも診断可能になってきているということの課題が書かれております。

 そして、30ページの下にありますようにヒアリングとして30から31まででありますが、3名の先生方にヒアリングをしております。33ページから、そのヒアリング資料を今日はお持ちしております。脳性麻痺を含む小児神経分野の専門家として診療や研究に従事しておられる、東京大学の小児科教授の岡先生のプレゼンテーションの資料をおつけしております。

 ざっと申しますと、34ページですが、制度創設時は週数が早い。つまり、満期産の37週よりはるかに前の週数が早い全身諸臓器の発達が未熟な時期でありますと脳性麻痺の発生率が高い。これを未熟性による脳性麻痺と整理したけれども、当時からそうではないような事例もあって異論があったということが書かれております。

35ページの下に表がありますが、制度創設時に用いたデータよりも特に28週から31週の部分は脳性麻痺の発生率が著明に減少しております。そういうことを示しておりまして、今では9割以上の方が脳性麻痺にならないという状況まで未熟性がかなり克服されてきているということであります。

36ページです。その背景といたしまして36の下のスライドですが、PVLと申しまして、未熟性による代表的な疾患のようにいわれておりますが、それが減少してきている。脳室周囲白質軟化症という病気が減少してきているということを示しております。

37ページですが、上のスライドは外国のデータでありますが、確かに外国でも減少してきておりますし、PVLがあっても脳性麻痺になる人の割合が減ってきている状況であるということが示されております。

38ページは、同じ未熟性による疾患の代表例のようにいわれます脳室内出血、IVHの事例です。38ページの下のスライドですが、その脳室内出血も程度がありまして、グレードの1、2は軽いもの、3、4は重いものですが、1、2については非常によく治りますので退院時にはMRI検査でほとんど所見がないというような状況が現実です。

39ページですが、その脳室内出血のグレードの1、2は現在、歩行不能な重度脳性麻痺の原因にはなっていない。別にリスクが高まるということはないということが示されております。

 そこで、40ページの一番上のスライドですが「未熟性」による脆弱性があるような時期の児であっても、それは随分と医療、医学の進歩で克服されているので、それ以外の因子、分娩にかかる因子も関与していると考えられるようになってきております。

41ページがRDS、呼吸窮迫症候群、これも呼吸器の肺の未熟性による代表的な病気であるといわれておりますが、ここの下のスライドの下半分ですけれども、RDSがあるとさまざまな悪いことが起こって脳障害が起こっていた。脳障害のリスクが高かったと昔は言われておりましたが、右側の四角の中では、網掛けの部分は治療ができるようになってきたということを示しております。よい薬ができましたり、人工呼吸器の新しいものが登場しましたり、母体のステロイド投与が行われて、これは有効だというようなことで治療が随分進むようになってきて、既に現在ではRDSが脳性麻痺の原因という認識は臨床現場ではないというプレゼンテーションでございます。

 最後に4344でありますが、このような医学、医療の進歩を踏まえまして、このプレゼンテーションの中では43の下のスライドで、28週以上ではIVHPVLRDSのような要因の脳障害の関与は非常に小さい。これらを踏まえた週数の新たな区分をつくる必要があるのではないかということで、上のスライドでは28週以上を原則として対象としてはどうかということが示されておりますし、44ページのスライドでは早産児もより広く補償対象とするということが提案されております。

 以上でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 なかなか中身が豊富でありまして、大きく分けると3つでございますね。剰余金と掛金について新しいスキームの御提案ということが1番目、ページでいえば1ページから8ページまでです。それから、当部会でも議論になっておりました保険会社の費用ということで、これが「保険会社の事務経費等の取扱いについて」ということで8ページから10ページまでの話です。それから、ただいま補償対象となる基準についての御提案というか、検討状況についての御説明がありました。

 それぞれ分けて議論しても結構なのですけれども、相互に依存している部分もありますので、また時間の節約のために全体をまとめてどの分野でも結構でございますので御意見、御質問をいただければと思います。

 白川委員、小林委員の順でお願いします。

○白川委員

 医療機能評価機構でこの医療保険部会での議論を受けて真摯に議論していただいたということについては、まず冒頭に感謝申し上げます。

 その上で、以前も申し上げましたけれども、基本的に我々としてはこの産科医療補償制度で特定の疾患の方々に補償金を支払っていくということは、我が国の医療保険制度の中では特例中の特例であるということをあえて申し上げておかなければいけないと思っております。

 当然、当時は産科医療の崩壊の危機に対して医療保険者として何かできないかということで協力したものでございますし、現在は産科医療について万全かどうかは別にして、平成20年以前よりはかなり安定した形になった。医療保険制度の趣旨からいえば、特例の使命を達したのであれば特例はとりやめるというのが本来の姿であろうとは思っております。

 ただ、そうはいうものの、一度スタートした制度、しかも当然効果のある仕組みでございますので、これを急にやめるわけにはいかないというのは重々承知はしております。

 ただ、申し上げたいのは、最初にこの制度ができたときの精神、理念はこれからも変わることなく続けていかなければいけないということを、まず前提として申し上げておきたいと思います。

○遠藤部会長

 白川委員、申しわけございません。私は、実はもう少し資料説明があるのに、皆さんに御意見をと言ってしまいました。

 もしよろしければ今、白川委員のおっしゃっている趣旨は御意見としてわかりましたので、もう少し資料の追加をした上でまた引き続き御質問を続けるというような段取りでさせていただいてよろしいですか。

○白川委員

 この後、具体的に御提案のあったことについて意見を申し上げたいのですが、よろしゅうございますか。

○遠藤部会長

 では、それを先にさせていただいて、実は事務局からまだ追加資料があるというので、もしその追加資料の説明を聞いた上で御発言いただくということでよろしければ、そういう形にさせていただきたいと思います。

○白川委員

 結構でございます。

○遠藤部会長

 では、次は白川委員からということで、失礼いたしました。

 それでは、医政局、それから保険局、事務局からそれぞれ参考資料が出されておりますので簡単に御説明をお願いしたいと思います。

 医政局からお願いします。

○大坪室長

 医政局総務課の大坪でございます。

 この制度の設計にかかわりました医政局から、資料を用意しております。クリップを外していただきまして、参考資料1が後ろのほうにございますが、2枚、紙を御用意しております。

 まず1枚目は「産科医療補償制度の概要について」、いま一度おさらいをしたいと思って御用意をしておりまして、一番上に先ほど白川委員からも御指摘がありました制度の経緯について記載がされております。「補償対象」「その他」とありまして「補償の機能」というところでお金の流れが書いてございます。この制度は御存じのとおり、契約者は今、御説明いただきました運営組織の評価機構でございまして、そこの損保会社との間の契約で成り立っております。

 分娩機関は加入者ということで、掛金を支払われておりまして、掛金相当分は妊婦さんから分娩代として受け取っている。その妊婦さんに対しては、ここにいらっしゃる保険者の皆様から出産育児一時金という形でお金が出ておりますので、実質的な負担が保険者の方にあるといった制度でございます。

 おめくりをいただきまして、次にポンチ絵を御用意しております。先ほど評価機構の後理事のほうからも補償範囲の話に多少触れていただきましたが、少し難しいお話もあったかと思いましたので、制度創設時の考え方についてポンチ絵にしております。

 この制度は、下のほうの基本的考え方というところにも書いてございますが、1)にありますように、通常の妊娠分娩にもかかわらず、分娩に係る医療事故により重度脳性麻痺になった場合ということを定めております。それで、右上の33週以上2,000グラム以上、この範囲の児につきましてはその理念に該当するもの、『通常の妊娠分娩』、かつ『分娩に係る医療事故』によるものとして原則一律の該当としております。

 この基準は33週、2,000グラム以上としたことにつきまして、下の基本的考え方に書かせていただいた3)、この理由を2つ記載しております。

 そもそもこの補償対象をどうするかといったときに、分娩による事故というものを先に決めることが難しかったものですから、分娩による事故とは考えにくい範囲を先に定めて、それを除くといった考え方をしております。

 その際、使いましたのが先ほど評価機構のほうから御説明がありました、本体資料の19ページと20ページをお開きいただきますと、創設当時の報告書の抜粋が出てまいります。19ページに表の3、20ページに表の4とございまして、それぞれ体重と週数で脳性麻痺の発生率がどのように変わるかといった検討を当時なされておりまして、体重で申し上げますと1,9992,000の間で脳性麻痺の発生頻度が大きく変わる。およそ13倍、そこは開きがございます。

 隣の表の4、週数のところにまいりますと、28から31週と32から36週との間でやはり16.5倍ほどの発生頻度の差がございます。

 こういったことで、具体的に出生時期によって脳性麻痺の発生率に大きく差がある。未熟になればなるほど、その発生率が高くなりますので、どこかのタイミングでその未熟性による影響が大きくなるところがあるのではないかということで、週数と体重を定めたということでございます。

 機構の説明資料の32ページをおめくりいただきますと、前回1016日の機構の中の運営委員会のほうで、先ほどの数字を更新した棒グラフをつくっていただいております。これは、2009年までの推移です。後理事から御説明がありましたように、28週から31週の事例は相当程度発生率が下がっているという御説明があったかと思います。32週から36週におきましても同じように3分の1に下がっているので倍率は変わらないのですが、このように下がっているという御説明があったかと思います。

 こういったことで一律該当の基準を設けたわけですが、ポンチ絵で申し上げます2)、ただそれだけを基準にした場合に、その周辺においても未熟児であっても医療事故による影響がないとはいえないといった御指摘もありましたことから、その周辺につきましては個別に審査をするといった2段階の範囲の設定を定めておりまして、28週以上につきましては現在個別の審査という対応をさせていただいております。

 こういった制度の創設当初の考え方を踏まえまして、機構内部で現在行われております補償基準の見直しに当たりましても、同様の科学的データを示していただけるものと医政局のほうでは考えております。以上でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。そもそものスキームがつくられたときの話も含めながら、少し構造を説明していただきました。先ほどは飛ばしてしまいまして失礼いたしました。

 それでは、引き続きまして事務局から説明をお願いしたいと思います。

○鳥井課長

 保険局保険課長でございます。私のほうからは、現行の健康保険関連法令において産科医療補償制度に関する規定がどうなっているのか、または見直しして掛金が変動した場合、あるいは補償対象基準を変更した場合に、法令上どのような措置が必要となるのか、出産育児一時金全体の規定も含めまして説明させていただきます。

 資料1−2をごらんください。1ページ目でございます。まず、掛金が変動した場合における法令上の措置について説明をいたします。

 出産育児一時金の支給額は、政令本則において39万円を支給するとした上で、ただし書きにおきまして、制度を念頭に置いた保険契約が締結されている場合には3万円を超えない範囲内で保険者が定める金額を加算することとされております。

 この保険者が定める金額というのは※印のところですけれども、通知において3万円が基準とされています。通知の中では、制度開始後の見直しの中で当該掛金の額が変動することを想定して、その都度政令改正の必要が生じないように3万円を超えない範囲で加算する旨が記載されております。したがいまして、掛金が変動した場合におきましても、3万円の範囲内であれば直ちに政令改正が必要ということではなくて通知改正で対応するということになります。

 2ページ目をごらんください。次に、補償対象基準の変更の場合における法令上の措置について説明をいたします。現在、産科医療補償制度運営委員会において見直しの議論がされていると承知しておりますが、現在の対象基準につきましては、省令等におきまして、先ほど説明のありました通常の妊娠分娩にもかかわらず分娩にかかる医療事故により重度脳性麻痺となったお子さん方を対象とすることを念頭に置いた規定ということで書かれております。

 具体的には、省令86条の2をごらんいただければと思います。まずは、通常の妊娠分娩について、分娩にかかる医療事故とは考えにくい未熟性が原因となる脳性麻痺を除くために、出生体重や在胎週数により判断する基準を原則一律該当とする一般審査基準、これが第1号として出生体重2,000グラム以上、在胎週数33週以上と規定されています。

 一方、1号の基準に満たない未熟児であっても、分娩にかかる医療事故によって重度脳性麻痺になる場合も考えられますので、第1号の基準に近い方については分娩にかかる医療事故に該当するか否かを個別審査し決定する、その基準として第2号で、在胎週数28週以上で、かつ厚生労働大臣が定めるものと規定をしております。

 この第2号の厚労大臣が定めるものについては、3ページ目をごらんいただきたいと思います。告示において第1号の基準に満たない方であっても、28週以上のうち分娩にかかる医療事故に起因すると考えられる脳性麻痺であれば対象とするという具体的な基準が定められています。

 このように、産科医療補償制度の補償対象基準というのは法令において具体的に規定されておりまして、補償対象基準を見直す場合にはこの省令や告示改正の手続が必要となります。

 次に4ページ目でございますが、最後にこれまでの出産育児一時金の改正経緯について説明させていただきます。出産育児一時金は健康保険法等に基づく保険給付ですが、その支給額につきましては、2番目の○のところで、出産に要すべき実勢価格を反映させて改定をしてきております。

 その下の箱のところですが、平成1810月には日本産婦人科医会の調査に基づきまして支給額を30万円から35万円に引き上げました。平成21年の1月には産科補償医療制度の導入に伴いまして、これは3万円の加算措置を行った。その下ですが、平成2110月には同じ日本産婦人科医会の調査に基づいて38万円から暫定的に42万円に引き上げた。これは暫定措置でしたが、平成23年4月からは直接支払制度というものを導入したため、出産費用の実勢価格が調査できるようになりましたので、それを踏まえて42万円を恒久化するということで、現在に至っているというわけでございます。

 このように、出産育児一時金の支給額につきましては、その都度出産費用の実勢価格を反映させて改定されてきたところでございます。産科医療補償制度の見直しなどについては、改めて12月の医療保険部会で御議論いただく予定ですけれども、その際には産科医療補償制度の新たな掛金が出ますので、それと合わせまして出産育児一時金の支給額全体についても、直近の出産費用の実勢価格を踏まえながら再度御議論いただきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。以上でございます。

○遠藤部会長

 どうもありがとうございました。

 出産一時金については検討の対象になるということで、関連もあるということで今、法的な御説明と同時に実態の説明があったということです。

 それでは、白川委員、どうも失礼いたしました。引き続きどうぞ。

○白川委員

 それでは、続けさせていただきます。

 日本医療機能評価機構から提出をいただきました順番に沿って、私の意見を申し上げたいと思います。

 まず、剰余金の取扱いでございますが、将来の掛金に充当してはどうかという御提案でございまして、保険者あるいは患者さんに返還するというのは確かに現実的ではないと考えますので、ぜひともこの方向でお考えいただければと考えております。

 それから、掛金でございますが、私どもは平成21年1月にこの制度ができて、5年後に見直す方針が出ておりましたので、できるだけ早くということで、できれば26年から掛金の見直しをお願いしたいと発言してまいりましたが、本日の機構からの御説明で、例えば借金をしなければならなくなる、あるいは条例改正が必要なところもあるなど、さまざまな理由が示されましたし、確かに短期間で何度も掛金を変えるというのは混乱の原因になるということも理解をいたしますので、機構側にも御努力をいただいて、27年1月に掛金見直し並びに剰余金による掛金への引き当てをセットでやっていただくという方向でやむを得ないと思っております。

 それから、3つ目に保険会社との契約の見直しが提案されておりますが、これは相変わらず私ども随分気になっておりまして、保険会社の利益に回る部分が今までは3つあった。

 1つは最低補償で、これは最低補償を下回るかどうかというのはまだ数字は出ておりませんけれども、下回ればその差額は保険会社の利益になる。それから、運用益については契約上、取り決めがなかったということでございますので、これは保険会社の取り分になる。それからもう一つは制度変動リスク対策費でございまして、これははっきりいうと何もなければそっくり保険会社の取り分になる性格のものだというふうに今までも指摘をさせていただきました。

 今回、最低補償については人員を減らすということでございますので、これは保険制度でございますから最低補償という仕組みは避けられないものだということは理解しておりますけれども、実績がどうなるかということも見ながら、場合によっては都度見直しをしていくということで御検討いただければというお願いでございます。

 2つ目は、運用益の話でございます。来年度以降は運用益については剰余金とともに返還していただくという提案になっておりまして、今までの5年分、6年分はどうするのだという議論はもちろんありますが、そこまで返せというのは多分契約上、不可能であろうということは理解をいたしますので、ぜひ運用益はきちんと返していただくということでお進めになってはいかがかと考えております。

 問題は、制度変動リスク変動費でございます。このいただいた資料を見ますと、15ページの下の表の一番下に制度変動リスク対策費という項目がございまして、平成21年以降、15億円から16億円くらいのリスク対策費が組み込まれておりますけれども、要はこれはそっくり保険会社の利益になったということは間違いないと思うのです。そもそもこれだけ剰余金がある中で、しかもかなり余裕があるとは申しませんが、剰余金が出るような仕組みにしておきながら、なおかつどこにリスクがあるかというのが私には理解できないのです。今回は少し人員を落としてこのリスク対策費の額を算出するという御提案でございましたけれども、私どもに言わせればこの項目自体が不要ではないかと思っております。ぜひ再検討をお願いしたい。

 毎回申し上げているとおり、公的保険という性格からいえばノーロス・ノープロフィットだと考えておりますし、必要な経費はもちろん使っていただくということは構いませんけれども、理由の立たない利益が保険会社に発生するということは我々としては見過ごすことはできないと申し上げておきたいと思います。

 済みません。時間をとって恐縮でございますが、最後に基準の見直しの話でございます。5年後に制度を見直すということでございますので、基準も見直すということは当然といえば当然だとは考えております。

 ただ、冒頭に申し上げましたとおり、この制度発足当時の理念は変えていただいては困ると申し上げておきたいと思います。あくまでも分娩にかかる医療事故を補償するのだということでございますので、大変言いにくい話なのですけれども、補償される人とされない人がいるからかわいそうだとか、そういう話ではない。

 それから、医学的な見解ということで幾つか資料が出されておりますけれども、制度発足当時の28週から32週と、33週以降の脳性麻痺の発生率は今でもかなり差があるわけです。資料で申し上げると、発足当時はさっき大坪室長から御説明があったとおり16倍から17倍だったでしょうか。

35ページは東大の岡先生の資料となっておりますけれども、今、後理事の御説明で28週から31週のところがかなり発生率が落ちておりますという話ですが、いまだにその横の32週から36週、発生率が2.2に対して、28週からのところは36.8という発生率になって、18倍くらいになるのでしょうか。これだけ大きな差があるわけで、これだけ医療事故が起きているのか。そうではないと思うのです。やはり未熟性でありますとか、いわゆる先天的な要件でこの発生率の差が出ているのではないか。私は専門家ではございませんが、この資料を見る限りはそういうふうに見えます。

 実際に28週から32週についても全く排除するということではございませんで、個別に判断をするという基準に今はなっているわけでございますので、今の形で私はおかしくないのではないかと考えます。これは医療機能評価機構でもまだ検討中ということでありましたので、私からの意見として申し上げておきたいと思います。

 長くなりましたが、以上でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 それでは、小林委員お願いします。

○小林委員

 今の白川委員の意見にかなり重複いたしますが、申し上げたいと思います。

 産科医療補償制度については7月のこの部会でも申し上げましたとおり、本制度は公的な制度であって、制度の透明性の確保が強く求められるということ。また掛金や剰余金の扱いという、まさに公費に関わる問題は保険者をはじめ費用負担者の理解を得ることが不可欠であり、この部会において議論し、結論を得るべき問題であること。そして、制度開始当初はいわば概算で掛金を設定することはやむを得なかったとしても、その結果、剰余が出たのであれば精算を行うのは当然であること。これらが基本的な考えであり、このことは厚生労働省も財団も異論がないということは確認済みだと承知をしております。その上で、幾つか確認をしたいと思います。

 まず掛金についてですが、財団提出資料1−1の6ページに「掛金水準の見直しの考え方」が示されており、新たな推計値の上限である年間623人をもとに掛金を試算し直すと、現在の掛金3万円は2万1,000円プラスアルファになるとあります。

 また、掛金の見直しの時期については、剰余金の見直しと同時の27年1月からとしたいということであります。

 しかし、現在の3万円の掛金は実際には2万1,000円前後というのが本来の姿であり、引き下げることが可能であれば一刻も早く引き下げるのが筋ではないかと思います。先ほど申しましたとおり、本制度は公的な制度であり、制度運営に当たっては透明性の確保が極めて重要であります。直ちに掛金を下げられる状態であるにもかかわらず、ずるずると先延ばしをされて、その結果、引き下げられないということでは国民に説明がつきません。掛金見直しを27年1月よりもっと前倒しができるはずなのになぜしないのかという思いがあります。

 ただ、先ほど白川委員からもお話がありましたように、掛金の引き下げに伴う資金調達の問題や現場の混乱など、財団の指摘については理解しますが、それであればこの場で27年1月に掛金を引き下げるという方針を明言していただきたいと思います。そして、政府も財団の方針について異論がないことを確認したいと思います。

 財団の考え、事務局の考え、それぞれまず確認したいと思います。

○遠藤部会長

 それでは、日本医療機能評価機構からお願いいたします。

○後理事

 ただいまの御質問のお答えでございますが、私どもは実務上は27年1月の段階では、例えば26年の1231日にお生まれになった赤ちゃんが、その後、重度脳性麻痺になるということもあり得ますので、その申請期間なども考えますと、27年1月を迎えた後、数か月まだ時間が必要ということは想定されますけれども、そこはできるだけ補償対象者数を確実に把握する方法を考えたり、書類の提出を早めたり、医療機関との事前の連携などをとりまして早めたいと考えておりまして、27年1月でいきたいと考えております。この点につきましては、また医療保険部会でも御報告させていただきたいと考えております。私どもは、必ずできるものと思っております。

 今のお答えについては以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

○上田理事

 ただいまいろいろ御意見をいただきましてありがとうございます。この制度は、やはり保険者の皆さんの御理解があって運営されるものでございます。したがいまして、ただいまの御指摘については今後真摯に取り組んでいなくてはいけないと思っております。お話のあったデータなどにつきましても、我々はこれからさらに実施することによっていろいろなことがわかってきますので、その状況に応じまして検討していきたいと思っております。

 先ほどの運用益につきましても、これまでもたびたび御指摘をいただきました。したがいまして、16年の1月から剰余金の返還に当たっては運用益もそこに載せて返していただくこととします。そして、その運用益の率については専門家による会議を開きまして、そこで審議をして決めていただいて、それをもって進めていきます。この状況につきましては当然、運営委員会に報告、またこの医療保険部会にも報告させていただきます。それぞれ御指摘の点については、我々は進めていきたいと思います。

 それから今、後が申し上げましたように、27年の1月から全力をもって進めます。と同時に、3ページにありますように補償対象者数推計の見直しと、それから補償対象となる脳性麻痺の基準、補償水準等の見直し、剰余金の掛金の充当、これをトータルとして早急に詰めます。補償対象の脳性麻痺の基準等については現在運営委員会で審議しておりますし、これから議論を行ってまとめていきます。

 運営委員会でまとめたものにつきましてはこちらの医療保険部会に御報告させていただいて、皆さん方の御理解をいただきながら進めていきたいと思います。

 特に見直しのことにつきましても、先ほど白川委員から御指摘がありましたように、やはりこの発足当時の趣旨に基づいて、あくまでもそういった観点でこれから見直しを進めていきたいと思っております。以上です。

○遠藤部会長

 お願いします。

○大坪室長

 では、医政局から一言、その時期につきまして、見直しを同じ時期にすることは非常に重要だと考えておりまして、機構から先ほど説明がありましたように剰余金の返還時期というものが律速になっているということでございますので、剰余金の返還時期は本来でしたら21年生まれの方の対象時期の確定が27年半ば以降ということでありましたものを、機構が努力をして1年前倒しをするということを言ってくださっていることも評価はしておりますので、そういった考え方で保険者の御理解もいただけるのであれば、医政局としてはそれでよろしいのではないかと考えております。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 小林委員、どうぞ。

○小林委員

 ありがとうございました。

 引き続いて質問、確認させていただきたいと思いますが、掛金を引き下げた場合の出産育児一時金について確認したいと思います。

 先ほど事務局からも説明がありましたように、事務局提出資料1−2の1ページにあります政令では、出産育児一時金は39万円に3万円を超えない範囲で保険者が定める金額を加算した額と決められております。したがって、この加算額は保険者の判断で決定することができる仕組みとなっているわけですが、掛金が引き下げられた場合、資料にある通知も当然改正されるものだと理解しておりますが、その理解でいいか、事務局に確認したいと思います。

○遠藤部会長

 では、保険局お願いします。

○鳥井課長

 保険課長でございます。そのように私どもも理解をしております。

○遠藤部会長

 小林委員、どうぞ。

○小林委員

 ありがとうございました。

 続いて、剰余金についてです。前回のこの部会では毎年120億円から140億円の剰余金が保険会社から運営組織に返還されることが明らかになりましたが、剰余金の運用益が返還の対象となっていないために把握できていないという説明でありました。これは、公費の使われ方としては余りにもずさんな対応と言わざるを得ません。

 財団提出資料の1−1の9ページから10ページにかけて、今後の対応方針が示されておりますが、これはオープンな場で検討していただくよう、透明性の確保に特に留意をしていただきたいと思います。

 最後になりますが、補償対象となる脳性麻痺の基準等についてです。今後の基準を議論する前に、まず本制度の趣旨を確認したいと思います。医政局提出資料の2ページ目の下にある「補償対象者選定にあたっての基本的考え方」のとおり、本制度は通常の妊娠・分娩にもかかわらず、分娩の医療事故による重度脳性麻痺である子を対象とする制度であり、今後も医療保険で対応する以上、この考えは当然維持されるものと考えますが、その考えでいいか、まずは財団にお聞きしたいと思います。

○遠藤部会長

 では、医療機構からお願いします。

○後理事

 産科医療補償制度は、平成1811月にまとめられました与党の枠組みに基づいて設計されております。ここにこれと同じ趣旨が書かれております。それに基づいて設計し、運用し、そして見直しも先ほど資料にございましたが、趣旨の範囲で行うということで、10月の運営委員会でもそれを確認した上で見直しの個別の議論をスタートしております。

 したがって、ただいま御意見がございましたように、この資料にございます趣旨のとおりに行っていくということでございます。

○遠藤部会長

 小林委員、どうぞ。

○小林委員

 ありがとうございました。

 その上で、財団におかれては、補償基準をどう考えるのかについては、保険者をはじめ費用を実質的に負担する側の理解を得ることが求められること、それから制度の趣旨を誤ることなく医学的エビデンスに基づく議論をしていただくこと、について特に御留意をいただきたいと思います。以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。ぜひその辺は御留意いただきたいと思います。

 では、和田委員お願いします。

○和田委員

 財団提出資料の14ページのところですけれども、先ほど御説明がありましたように、申請数がここ最近で非常に伸びてきているという形になっております。また、申請促進という言葉も出てきていたかと思います。

 もちろん、申請がある時期にずれ込んでたくさん出てくるというのは一定年齢になるまで判定ができないといった合理的な理由もいろいろあるとは思うのですけれども、申請促進を要する背景も別途あろうかと思います。例えば医療機能評価機構のホームページなどを見させていただきますと、非常に詳細に補償基準や除外基準を載せておられるのですが、一般の妊婦さんとかが見てもほとんど意味はわからないと思うのです。

 恐らく現場でそういうケースに対しドクターから説明をしていただく、病院から説明をしていただくということだと思うのですが、ただ、妊婦さんのほうも非常にショックを受けたり、あるいは不安になられている状況でしょうし、ドクターはドクターでまさに産科医療の領域というのは非常に多忙な中でやられているわけで、なかなか時間もない。

 そうすると、申請の前提となる妊婦さんたちの理解が、本当にスムーズにこれまで達成されていたのかどうか。そこに問題があって、今、促進が必要になっているのだとすれば、今後見直しをされる際に補償基準などの見直しは当然されていくと述べられておりますが、システムをよりスムーズに運用していくための周辺的な手だてについても今のもので十分かどうか、幅広く考えていただければと思います。以上、要望でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 何か機構としてコメントございますか。

○後理事

 少し申しますと、最近では重度脳性麻痺のお子様がリハビリテーションですとか、そういったために通う通所施設、あるいは病状が重ければ入所していらっしゃるわけですが、そういう施設に直接御連絡をして、そしてどのような方がいらっしゃるか、あるいはその方は対象になるかどうかというようなことを双方向のやりとりの中で確認をして、そして私どもから対象者を発見していくというようなことまで行っております。

 また、ホームページは私どものコールセンターにさまざまなお問い合わせがございますので、その中で挙がってくるような質問に全て答えられるように情報を掲載しておりますが、今の時代ですのでソーシャルネットワークなども使ったらどうかというお話もございますので、その準備も行っております。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。ほかに御意見ございますか。

 では、小林委員長どうぞ。

○小林委員長

 周知の件についての追加ですが、脳性麻痺の児の診断というのが一般には3歳、4歳くらいにならないと臨床の現場ではできないというような意見を小児科から多く聞いています。

 それは、1つは児が非常に活発に動き回る時期になって今後の可能性がはっきりしてくるということと、脳性麻痺の診断を親にするというのは小児科医としてはやはり少しためらわれる。もう障害が固定してしまうということを言わないといけないものですから、そういう点で3歳、4歳児くらいから申請がたくさん上がってくると我々は考えております。

 それから、機構のほうでこの3月から周知には積極的に努めまして、脳性麻痺の児の医療、ケア、介護を受けるような施設を中心に対象者の掘り起こしをしておりますので、この制度の対象者について、あるいはその親御さんに正確な情報というのは今後きちんと確実に伝えるつもりでございます。

○遠藤部会長

 どうもありがとうございました。

 それでは、鈴木委員からお願いいたしたいと思います。

○鈴木委員

 私ども日本医師会としましては、今回日本医療機能評価機構から詳細な資料を提出いただいたことは非常によかったと思っておりますが、一緒に行動しております日本産婦人科医会、学会、その他の方々と一緒に産科医療補償制度の対象拡大を考える会を組織いたしまして、9月10日に厚労大臣宛てに我々だけではなくて日本小児科学会、日本小児科医会、日本小児神経学会、日本周産期新生児医学会、日本助産師会、日本助産学会の連名で要望書を提出しております。

 その中では、保険掛金3万円が維持できることを前提に、妊娠週数28週以降への対象の拡大、さらにその次に補償の増額等を要望する。また、掛金減額に伴う補填を余剰金で充当しない。出産育児一時金の減額はしないなどの要望をしておりますので、今後とも両学会、医会の意見を踏まえながら、制度の維持・発展に向けて我々の考え方を表明していきたいと思います。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 それでは、高橋参考人、樋口委員の順でお願いしたいと思います。

○高橋参考人

 ありがとうございます。日本労働組合総連合会、菅家委員の代理の高橋参考人でございます。

 資料の御説明等、ありがとうございます。産科医療補償制度については、私どもとしてはこれまで部会で随分意見を申し述べてきたと思うのですけれども、本来、労使拠出の健保財政を原資に民間保険会社に引き受けてもらっている現状をまず改め、本来ならば国の制度として運営すべきものであるということを申し述べてきたという経緯がございます。

 ただ、この産科医療補償制度による原因分析と再発防止の取り組みを進めることは、産科医療の安全性を高め、脳性麻痺になってしまう子どもたちを減らすということに非常に寄与してくるのではないかと考えますので、そこにその制度の価値があるだろうと捉えております。安全性が高まれば、結果的に医療費を抑えることにもつながるだろうと考えます。

 したがって、制度のスタートを非常に急いだ制度創設時の検討経緯を踏まえながら、当時残された宿題もあるというふうに聞いておりますので、制度の開始後に明らかになった課題も踏まえながら補償対象範囲、きょうお話がありましたが、そういったことも含めて見直しを検討すべきだろうと考えております。

 その上で、剰余金や掛金の取扱いについては今後の制度の見直しと全く無関係ではないと考えますし、また、最終的に先ほどの御説明にあったように、最初のタームの補償対象者が確定するのは平成27年であるということから、先ほど来、27年1月に努力をされるという答弁もございましたけれども、本来であれば5年間のデータがそろった時点で制度の見直しと同時に検討するのがよいではないかと考えております。以上でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 それでは、樋口委員お願いいたします。

○樋口委員

 ありがとうございます。

 この制度は確かに特別な枠の中でできた制度だとは思いながら、一方でどこかで社会福祉全体にかかわる問題でもあると存じますが、例えば子育て支援というような状況もここ数年の間で大きく展開して変わってきております。

 その中で、やはりこの制度の重要性ということは強調してよろしいのではないか。もちろん、各委員がおっしゃいましたように、公的な資金を保険会社に託す以上、透明性と説明責任をいやが上にも明らかにしていただきたいということが前提でございます。

 ところで、この制度ができましたときの発足の理由というのは、たしか医師側の損害賠償とか、訴訟とかの頻発を防ぐということもあったのではないかと思うのですけれども、この制度によりまして訴訟ということは実は障害を持つ子供を持った親の側からも非常に重苦しいことでございますし、原告になるということは大変なことです。そういうことが果たして減っているのかどうか。これは発足の出発点でございますから、いろいろな掛金がどうこうということよりも、何よりも明らかにしていただきたいところです。

 それからもう一つ、医政局さんの資料で一番下に書いてございます原因分析、再発防止、そして産科医療の質の向上、これについて機構さんはどういう評価をなさっているか、伺いたいと思います。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 では、機構からお願いいたします。

○後理事

 まず、訴訟の減少効果についてでございますが、最高裁判所が公表しております医事関係訴訟事件の診療科別の既裁件数、これは既裁件数ですから既に終局したもの、つまり判決が出た、和解が出た、それから取り下げたとか、そういう内容ですが、既裁件数のデータが公表されておりまして、そもそも医事関係の訴訟件数は全体的に減少傾向にございます。例えば平成18年の1,120件から、最近では700800件という減少傾向にございますが、その中でも産科だけを切り出してはいないのですが、産婦人科は平成18年に161件であったものが昨年平成24年は59件というふうに、非常に全体の減少傾向を超えて大きく減少しているという状況でございます。

 そのこともございまして、本年7月に同じ最高裁判所が公表されました報告書におきましても、医事関係訴訟全体の既裁件数は減少しているけれども、その中で産婦人科については特に減少していて、それは産科医療補償制度が施行後、相当の事件を処理しており、医事関係訴訟の事件数にも一定の影響を及ぼしているものと考えるという旨の記述もある状況でございます。

 それから、原因分析、再発防止でございますが、補償対象となった事例は全て原因分析をいたしまして、それらの報告書を数百件集めて再発防止のためのデータに加工していくということをしております。

 原因分析の中では、その事例が発生した医療機関に対して、今後産科医療の質の向上のために取り組むべき事項ということを明記いたしましてお送りします。そして、同じような事例が何件か起きまして、同じような手技、あるいはやり方で事例が発生していると思われた場合は、2件目以降はその旨も記載した別の報告書もお送りして、その後どう改善されたかを報告していただくというような個別具体的なやり方もしております。

 それらを数百件まとめました再発防止の報告書は今度はもっと大きな場で、例えば学会のシンポジウムですとか。

○遠藤部会長

 申しわけありません。簡潔にお願いします。

○後理事

 はい。そういう場で活用されておりまして、多くの産科の先生方の目に触れているという状況でございます。失礼しました。

○遠藤部会長

 よろしゅうございますか。

 大体、御意見は承ったかと思います。今後の進め方でございますけれども、承ったところによりますと、医療機能評価機構の運営委員会におかれまして「補償対象となる脳性麻痺の基準等および補償水準等の見直し」というテーマと「制度見直しに係る議論のとりまとめ」について今後議論がされる、検討されるということでございますので、その検討をする過程において、ただいま当部会でさまざまな意見が出ましたので、これらの意見を尊重していただいて議論を進めていただきたいと思っております。

 そして、議論がある程度まとまった段階で、当部会にまた改めて御報告をいただきまして、それをもとに当部会で結論を出していきたい。そのような段取りで考えておりますけれども、よろしゅうございますでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○遠藤部会長

 ありがとうございます。日本医療機能評価機構といたしましても、どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、小林委員長、上田理事、後理事におかれましては長時間どうもありがとうございました。次の議題に移りますので、御退席いただいて結構でございます。

 本日は、ありがとうございました。

(日本医療機能評価機構 退室)

○遠藤部会長

 それでは、次に「国民健康保険・後期高齢者医療における保険料(税)軽減について」を議題とさせていただきたいと思います。議題の資料は資料2ということですけれども、その説明の前に参考資料2−1、参考資料2−2について事務局から説明をお願いしたいと思います。この資料は、年末の予算編成に向けて平成26年度における社会保障の充実の姿について現時点の厚生労働省としての考え方をまとめたものであると聞いております。

 また、同じく参考資料2−3としまして、15日に開会しました臨時国会に提出された「持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律案」を配付しております。

 それでは、事務局から説明をお願いしたいと思います。

○大島課長

 まず、参考資料2−1「社会保障・税一体改革による社会保障の充実・安定化について」という資料をごらんいただけますでしょうか。これは、社会保障・税一体改革に関連する6大臣の打ち合わせを踏まえて政府で取りまとめたものでありまして、10月8日に公表しております。消費税が10%になったときの完成時の使い道を政府として了解した資料ということでございます。

 おめくりいただきまして、下のページ、箱のところに○が2つございます。○の1つ目、消費税引き上げによる増収分を含め、消費税収は全て社会保障財源化される。○の2つ目、5%引き上げられた場合には社会保障の安定化に4%程度、充実に1%程度振り分けるということでございます。

 その充実分、1%分が上の図になりまして、金額に直しますと2.8兆円程度ということになります。これは2017年、平成29年時点での数字であります。この2.8兆円の充実をどのように使うか、配分するかということで、子ども・子育てに0.7兆円程度、医療介護に1.5兆円程度、ただしこれは充実と重点化・効率化を合わせて実施するという※印がついております。それから、年金に0.6兆円程度ということです。

 もう一つの参考資料2−2ですが、先ほどのものが2017年の完成時点ですが、2−2のほうは来年度どうなるかということで、こちらは厚生労働省の提案の数字でございます。まだ政府として合意されているものではなく、これから年末の予算編成過程の中で確定していくものであります。

 おめくりいただきますと2ページの左下のほう「26年度消費増収分の内訳」とございますが、全体増収分は5.1兆円なのですが、この5.1兆円のうち社会保障の充実に0.5兆円程度となっています。

 この0.5兆円の内訳を下の3ページのように案として考えておりまして、医療・介護の関連では1のところ、医療・介護サービスの提供体制の改革に0.1兆円程度、2の医療保険制度の改革、国民健康保険等の低所得者保険料軽減措置の拡充に620億円程度、低所得者に配慮しつつ行う高額療養費の見直しが50億円程度、これは27年1月実施を仮定していますので、26年度におきましては2か月分相当ということになりまして、年間の数字に置き換えますと250億円から300億円程度になります。そういうことを、こちらも10月8日に発表しております。以上でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 ただいま事務局から御説明がありました参考資料の記載の中に、先般御議論いただきました高額療養費制度の見直しであるとか、あるいは本日御議論いただく予定であります国民健康保険・後期高齢者医療制度の保険料軽減についてという内容が書かれているということでございますので、これにつきましては今後、予算編成の過程の中で引き続き政府で検討していくものと考えております。

 それでは、続けて「国民健康保険・後期高齢者医療における保険料軽減について」という資料について、事務局から説明をお願いしたいと思います。事務局、お願いします。

○中村課長

 国保課長でございます。資料2につきまして、御説明を申し上げます。

 まず、お開きいただきますと3ページでございますが、8月に取りまとめられました「社会保障制度改革国民会議報告書」の抜粋をおつけしてございます。この中で、国保につきましては低所得者の方が非常に多く加入されているということで、その方の負担に対してこれまでも負担軽減を図ってきたところでございますが、さらに低所得者に対する保険料軽減措置の拡充を図るべきという考え方が述べられているところでございまして、下のアンダーラインのところでございますけれども「今般の社会保障・税一体改革に伴う消費税率引上げにより負担が増える低所得者への配慮としても適切なもの」という位置づけを書いていただいているところでございます。

 4ページは、それを受けまして政府として閣議決定をいたしました8月21日の「法制上の措置」の骨子、それから1015日に閣議決定をし、臨時国会のほうに提出をいたしましたいわゆるプログラム法案の中でも国保の保険料の低所得者の負担の軽減、合わせまして後期高齢者医療の保険料に関しましても同じ位置づけで書かせていただいているところでございます。

 5ページに、10月1日でございますが、政府として来年の4月から消費税率を5%から8%に引き上げることを確認したときの閣議決定でございますけれども、一番下をごらんいただきますと、この低所得者保険料軽減措置の拡充などの対策に着実に取り組んでいくということを位置づけさせていただいています。

 6ページをごらんいただきますと、社会保障と税の一体改革の中で国保の低所得者の方の支援を充実していくということにつきましては、これまで国保の基盤強化に関する国と地方の協議という形で議論を行ってきたところでございまして、一定のコンセンサスを得た形になってございます。この中で、政務レベルの協議を平成24年1月24日に行ってございますが、これから御説明します拡充の案でございますけれども、その場で御議論いただき、コンセンサスを得たものでございます。

 1ページ飛ばしまして8ページをごらんいただきますと、念のために現在の国保の保険料の軽減の仕組みについて御説明した資料をおつけしてございます。所得割、資産割に基づいて保険料を負担する応能分と、均等割、世帯で御負担いただく世帯割、あわせて応益分といってございますが、このうち応益分につきまして所得に応じて7割軽減、5割軽減、2割軽減という仕組みがございまして、対象者の要件につきましてはごらんいただいていますように住民税の基礎控除額等を勘案して設定しているところでございます。対象者数も、ごらんいただいているような状況になっているところでございます。

 こうした措置につきまして、また1ページ飛ばしていただきまして10ページをごらんいただきますと、一体改革の中で消費税率の引き上げによって得られる税収をもとに、この低所得者の保険料軽減の拡充等の措置を行い、市町村国保の財政基盤を強化するということで方向性を打ち出しているものでございます。

 今ごらんいただいています資料は、昨年、平成24年の4月に当部会に御提出し、御説明をさせていただいた資料でございます。低所得者の保険料軽減の拡大につきまして、基準を緩和することによりまして、財源的には500億円程度でございますが、対象となられる方が400万人程度を見込んでいるところでございます。

 合わせまして、本日の議題ではございませんが、保険者に対しまして法定軽減の対象となる低所得者の数に応じて財政支援を申し上げている分について、そこも拡充を図るということで、こちらについては別途1,700億円程度の財源を予定しているものでございます。

 具体的には、11ページをごらんいただければと思います。内容といたしましては、まず2割軽減の対象につきまして、今、基準額として35万円となっているところを、10万円基準を引き上げる。いわば基準を緩和するということによりまして、この対象になる方を拡充するというものでございます。具体的に、3人世帯の給与収入の方の状況で推計をいたしますと、40万円くらい所得が上がっても対象になるということでございます。

 それから、5割軽減のほうでございますけれども、今、単身世帯について対象とならない基準になってございますので、市町村の御要望も踏まえて、単身世帯であっても対象になるという形に充実を図りたいということでございまして、右下にございますように5割軽減の対象、それから2割軽減の対象となられる方がそれぞれこれまでよりもふえるということを予定しているところでございます。

12ページにつきましては、省略をさせていただきます。

 それから、13ページをごらんいただきますと、市町村によっては国保税という形で保険料、保険税を賦課されているところが多いものでございますから、夏の段階で税制改正要望をいたしているところでございます。課税限度額の話もございますけれども、軽減判定所得の基準を見直し、国保税の軽減対象を拡大するということを要望いたしてございますので、これから年末に向けまして政府としての税制改正の手続の中で最終的な成案を得ていくということにさせていただいているところでございます。

14ページでございますが、この低所得者の保険料軽減措置の拡充につきましては、来年度消費税率が引き上がることによって得られる財源を念頭に実施をいたしたいということで、先ほど総務課長から御説明申し上げましたように、厚労省として考えているようなところでございます。

 それから、15ページでございますが、合わせまして後期高齢者医療制度につきましても下の基準で均等割5割、それから2割のところをごらんいただきますと、今、御説明をいたしました国保と全く同じ基準になっているところでございますので、次の16ページでございますが、国保と同様に2割軽減の対象となる方の基準を10万円引き上げる。それから、5割軽減の対象につきまして単身世帯も対象となるように基準を見直すということを行いたいと考えているところでございまして、こちらの対象になられる方は合わせまして110万人程度を想定しているものでございます。

 私からは、以上でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 では、後期高齢者の方の御説明をお願いいたします。

○横幕課長

 高齢者医療課長でございます。

 「後期高齢者医療の保険料軽減特例措置について」、資料を引き続き御説明したいと思います。

18ページ、保険料は国保と似た形で所得割と均等割という2つで構成されています。

19ページをごらんいただきますと実際の保険料額、これは全国平均ですけれども、2年ごとに改定されています。直近で申しますと、月5,576円が平均ということになっております。

20ページ、これが現行の仕組みの概要でございます。グレーでかかっているところが、もともと制度スタート時から想定し、法令の本則で規定している低所得者等の軽減でありますけれども、これに加えて上乗せで特例の軽減措置を講じております。20ページでは、横長の丸で囲んでいる部分がこれに相当します。左でごらんいただきますと低所得者、とりわけ低いほうからいって9割軽減、8.5割軽減というものを7割に加えて実施していく。それから、一定の所得以上の方には所得割が発生しますけれども、そのうちの所得が低いほうの方について5割軽減しているというところがございます。

 右のほうをごらんいただきますと元被扶養者、これは75歳に達する時点で健康保険等の被扶養者であった方です。この場合、それまでは保険料負担が発生しておりませんけれども、75歳になる時点から保険料が発生することになりますので、この負担増を緩和するという趣旨で、もともと2年間に限って均等割を5割軽減するという仕組みが設けられておりますけれども、これをさらに上乗せとして9割軽減し、かつ期限を切らないという仕組みに現在なっておりまして、毎年度予算措置で全額国費で措置をしているというものです。

21ページに経緯がございます。20年度の制度スタート時、円滑な実施を確保するという観点から実施されてきておりまして、21年度以降は同じ形で今に至るまで続いているというものです。

 どういう状況になっているかということを、22ページの表にしております。この表の上のほうが単身世帯ですが、これで御紹介しますと、左側に年金収入が例としてついています。年金収入80万円の方の場合、一般被保険者ですと本則でいけば均等割7割軽減で1,090円になるところ、グレーの部分、特例措置を受けることによって9割軽減で360円になっている。あとは、年金収入がふえるにつれて、このグレーのところが均等割9割から8.5割、それから2割といった具合に軽減幅が縮まっていくという状況になっています。

 真ん中からちょっと右側には被扶養者の方の特例の状況が同じようにグレーで印をしてございます。こちらの場合には、75歳になる時点で被扶養者だったかどうかということだけで判定されておりますので、収入にかかわらず均等割9割軽減が適用されるということで、全国平均でいうと月額360円になっている。

 御参考までに、一番右側に同じような所得状況の方の場合の国保の保険料の額をつけております。

23ページには、この被扶養者であった方、本則でいけば75歳に達してから2年後にはこの特例を受けられなくなるわけですが、その後も所得に応じて軽減を受けられることになりますので、この軽減区分にばらしてみるとどうなるだろうかというものでございます。現在、181万人いらっしゃいますけれども、一定の所得があって軽減を受けられない方が一番右側で49%くらい、月額3,630円くらいの負担になる。他方で左側のほう、合わせて47%の方は9割ないし8.5割の特例軽減、本則であれば7割の軽減を受けられるという状況になっております。

 これまでの議論の状況を24ページにつけておりまして、平成22年に高齢者医療制度改革会議のまとめをいただいています。この中で今申し上げたうちの低所得者の特例措置について、負担の公平を図る観点から国保の軽減措置との整合性を踏まえ、段階的に縮小するという意見が記載されております。75歳以上の方は医療費が高くサービスを受けている、他方で月額350円程度に抑制されている、国保では7割までの軽減であり、世代間の公平を考慮する必要がある、こういったことについて説明を行い、理解を求めながら丁寧に進める必要があるとされております。

 また、ことしの5月にこの部会で主な議論を整理していただいています。これは、一つに意見をまとめていただくというよりは、いろいろいただいた意見を並べていただいたものですけれども、この中では負担の公平性の観点から見直しを行った上で、恒久的な措置として政府全体の安定化を図ることとなっております。

 最後に25ページですが、介護保険制度のほうでも低所得者の保険料の軽減の拡充について議論が行われています。このページの左側のほう、低所得者について5割の負担を3割に下げるとか、7割5分のところを5割とか7割に下げる。こういったことにつきまして、27年度の実施に向けてほかの改正事項と合わせて検討がされておりまして、来年の通常国会に向けて議論がまとめられていくこととなっております。

 この介護保険の軽減の影響を受ける方が、この考え方でいきますと現在後期高齢者で特例軽減を受けている低所得者の方とほぼ重なるところがございますので、今後の検討に当たってはこの介護保険の検討状況と合わせて検討していくことが必要だろうと考えております。これは毎年度の予算措置で実施をしておりますので、今回当部会で現行の取扱いについて御意見をいただいた上で、さらに対応について検討を進めていきたいと考えております。以上です。

○遠藤部会長

 どうもありがとうございました。

 それでは、ただいまの説明につきまして御意見、御質問があれば承りたいと思います。

 横尾委員、お願いいたします。

○横尾委員

 ありがとうございます。

 まず、最初の国保、後期の低所得者の軽減の拡大のことですけれども、最近の報道関係を見てもわかるように、多くの方々は景気の回復がまだ十分でないということと、しかし、消費税はほぼ決まっているということ、また、いずれにしろ医療費は今後、将来に向けて高まっていくだろうということをいろいろなことで学習されているわけであります。

 そういった中で、低所得者の方々の生活をしっかり見ていく上では非常に重要なことですので、国保と後期を合わせて今、拡大についてのお話があったわけです。そういったことを前提に、閣議決定もされた事項でありますが、その辺は詳細を詰めていただいて、過分な影響がないような対応をぜひ配慮いただくことが重要じゃないかと思います。後期高齢者関係としては必要だろうと受けとめておりますし、または一首長としても特に国保の場合は所得が低い方、あるいは定年退職後の方などが構成員です。昔は有職者の方でしたけれども今は無職者の方が多くなっている構造上の問題もありますので、ぜひ検討をお願いしたいと思います。

 また、2点目の後期の特例軽減のことですけれども、このことについては今、説明いただいた資料の24ページにもありますように当部会でもお話があったということですが、この特例措置等については「負担の公平性の観点から見直しを行った上で、恒久的な措置とし、制度の安定化を図るべき。」という文言がありますが、まさにこういった観点に立った詳細な検討とか、配慮とか、見直しをきちんと行って、ほかと余りバランスを失しないような、多くの国民の皆さんにも理解していただけるような方向性を示すべきだろうと思っています。

 特に、医療費についてはいろいろな広域連合で見ていましても右肩上がりでございますし、特に先般、国保の関係について社会保障制度改革国民会議の委員をした方のお話を九州のほうで聞いたのですが、大変多くかかっている方の場合は1年間で1億円くらいかかっている方が数名おられるらしいのです。これは本当に難病になっている方々でございます。そういった方々も実は皆で支えているという実情がありますし、多くの方々がいつそういう難病、急病になるとも限りません。

財政事情が背景にありますけれども、そういった中でしっかりとやっていく上で、また、後期高齢者の医療を確たるものとしていく上でも重要なことでありますので、この辺の十分な検討を、特に厚労省のほうでしっかりといただきたいと思っています。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 事務局としてもよろしくお願いいたします。ほかにございますでしょうか。

 それでは、村岡参考人お願いいたします。

○村岡参考人

 ありがとうございます。

 国保の保険料の軽減につきましては、これまで国と地方の協議の場、私どもも参加をしましたワーキングの場でも地方からの要望ということでお話もさせていただきましたので、今回こういう形で7割、5割、2割の軽減が拡大するということにつきましては市町村国保をあずかる立場からも歓迎をしているところでございます。ぜひ確実に実行していただきたいと思っております。

 後期につきましても、同様に軽減を拡大するということについては制度的には理解ができますので、その点についても実行していただきたいと思いますが、先ほど横尾委員からも発言がありましたように、特に旧被扶養者の軽減措置につきましては、資料の23ページにもございますように、実際に所得では軽減の必要のない方が半分近く軽減をされているという実態になっておりますので、これまでの議論の中で負担能力のある方には適切な負担をお願いするという方向性からすれば、早い段階でやはり見直しを図っていくべき問題ではないかと考えております。

 国保の制度につきましても、後期だけではなしに同様の制度もございますので、そういった点では医療保険全体の問題として検討いただければと考えております。

 先ほど説明にもありましたが、この見直しに当たりましては、一方で介護保険制度での保険料軽減ということが示されておりますので、先ほどの提案にありましたように、この介護保険の軽減策によってどういった形で高齢者の皆さんが全体的に医療・介護を含めて保険料負担をしなくてはならないのかといったことを総合的に判断をして、具体的な在り方を早期に見直しをしていく必要性があるのではないかと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

 最後に1点、要望になりますけれども、前回の本部会でも岡崎委員が発言をさせていただきましたが、今回の国保制度の低所得者に対する軽減措置と合わせまして、資料の説明でもございました1,700億円の保険者に対する支援ということも、社会保障の充実の中で盛り込まれております。国保の保険者というのは非常に厳しい財政運営の中で現在も運営をしておりまして、特に今後の消費税の引き上げによります診療報酬の改定によりまして医療費が増高していくということも想定されておりますので、さらに厳しい財政運営になっていくという状況もございますし、今後将来的に国保の都道府県単位化を進めていくという意味でも、国保が赤字になって、それをまた一般会計で補填をしたり繰り上げ充用をしていくということになれば、今後の都道府県単位化にもひとつ支障を来していくことになりますので、1,700億円全てとはいいませんけれども、一部でも来年度からでも財政支援をしていただくように強く要望しておきたいと思います。以上でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。ほかに御意見はございますでしょうか。

 白川委員、どうぞ。

○白川委員

 元被扶養者の特例措置につきましては、今2名の委員の方からも御発言がありましたとおり、ほかの制度、あるいはほかの所得帯に比べてやはりバランスを欠いて不公平だという感じがしております。いろいろな政治判断を伴う事項ではあろうかと思いますけれども、やはり現下の保険財政の厳しさとか、被保険者の負担の公平とか、そういう観点でなるべく早い段階でこの特例措置はとりやめるべきであると申し上げたいと思います。

 それから、せっかく資料をいただいているのでちょっと別の観点で何点か主張させていただきたいと思います。

 まず、28ページの資料でございます。これは非常にわかりにくい表でございますが、ちょっと解釈が違っていたら後ほど事務局に御指摘をいただきたいのですけれども、国保の財政は一番上に医療給付費等総額が約113,000億円の規模、保険料が左で約3兆2,000億円、国からの公費が3兆2,800億円入っています。四角の中の一番右に(被用者保険が負担する)前期高齢者交付金がありまして、これが3兆5,000億円、あとはここに示されていませんが退職者医療拠出金があります。

 これを見ますと国費でいうと3兆3,000億円くらいで、被用者保険からの前期高齢者交付金と、それから退職者医療拠出金とをあわせると4兆円を超える規模だ。国からの公費よりも被用者保険からの拠出金のほうが多いというのはどういうことなのか指摘をさせていただきたいということが1つです。

 それからもう一つ、19ページの表でございますが、先ほど高齢者医療課長からの御説明で、平成20年の後期高齢者の平均保険料が5,332円から24年には5,576円、この括弧内にあるのが20年を100としたときの指数、伸び率ということだと思いますが、4年間で5%の伸びです。それに対して、その横の現役世代一人当たり支援金は27%の伸び、これもいかがなものか。

 何度も申し上げておりますけれども、やはり現役世代が減っていく中で、しかもその右の支援金保険料相当額でいうと33%の伸びという話でございますので、高齢者医療についての現役世代の負担の見直しをなるべく早く検討を始めていただきたい。何度も申し上げますが、またあえて申し上げておきたいと思います。以上でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 それでは、お待たせしました。鈴木委員、どうぞ。

○鈴木委員

 我々としましては、いろいろ保険者の御意見もあるようですが、市町村国保や高齢者医療制度における低所得の方々の保険料軽減の拡大という方針が示されたことは評価したいと思いますので、ぜひよろしくお願いします。以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 それでは、藤井委員お願いいたします。

○藤井委員

 ありがとうございます。

 商工会議所としては、低所得者と後期高齢者の保険料削減、軽減ということは、保険料の収納率を高めるという目的についてはよろしいと考えておりますが、一方では医療費の総額というのはどんどんふえ続けるわけなので、消費税を上げても数年後にはまた危なくなるのではないかと非常に危惧しておりまして、ぜひその辺も長期的な視点での解決策がないのかと思っているわけでございます。

 それで、財政的には欠けるのでありますが、例えば参考資料の2−2の5ページ目の下に絵がございますけれども、入院されている方はよろしいのですが、左のほうですね。元気になられたり、あるいは要介護、軽度の場合ですね。こういう軽いところで全て、例えば公的な制度に頼ったことが全て必要かどうかというのは悩むところでございまして、もしかしたら医師、薬剤師さんの御指導のもとに、例えば医薬品であれば医療用医薬品だけではなくて、OTCであったり、あるいはサプリメントであったり、生活態度もそうですけれども、生活全般を見直すような形で、少しでも制度に頼らないような方法ができないか。

 今、具体性のある話ができる材料を持っていないのですけれども、今後検討するだけでもやらせていただけたらと思っているわけでございます。いずれ、そういう機会をいただければと思います。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 それでは、川尻委員お願いいたします。

○川尻委員

 一言だけ申し上げたいと思います。

 今、高齢者にかかわる保険料について、アンバランスの是正ということで、当事者である高齢者の方々がどう影響を受けるのかということについて、私としては時間をかけるということは難しいかもしれませんけれども、やはりしっかり理解をいただけるような配慮をぜひお願いしたいと、一言だけお願いをしておきます。

○遠藤部会長

 貴重な御意見、ありがとうございました。

 それでは、予定した時間をかなりオーバーしておりますので、この議論につきましてはこれくらいまでにさせていただきたいと思います。本議題につきましては、本日の議論を踏まえまして、今後26年度の予算編成過程において適切な対応をとっていただけるよう、事務局にお願いいたします。

 また、対応の結果につきましては、適当な時期にこの医療保険部会で報告をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、最後の事項でございます。「次回の診療報酬改定に向けた結果について」を議題としたいと思います。事務局より資料が提出されておりますので、御説明をお願いします。

 医療課長、どうぞ。

○宇都宮課長

 医療課長でございます。

 それでは、資料3−1をごらんいただきたいと思います。

 「「平成26年度診療報酬改定の基本方針」の検討について」ということでございますが、御存じのように診療報酬改定につきましては社会保障審議会の医療保険部会と医療部会で基本方針を決めていただき、また年末に内閣のほうで改定率を出す。それらを踏まえて中医協、中央社会保険医療協議会で個別の改定項目について検討するというような手順になっているところでございます。

 来年の基本方針につきましては、1ページ目の「今後の進め方」というところに書いてございますが、せんだってこちらの医療保険部会と医療部会のほうで社会保障・税一体改革関連の事項について、まず先行して議論していただいて、9月6日付で取りまとめをしていただいた。それにつきましては、資料3−2のほうにございますので御参照いただければと思います。医療機関の機能分化・強化と連携、在宅医療の充実等に関する基本的な考え方を整理というようなことでございます。

 これからにつきましては、これまで御議論いただいていなかった部分を中心に御議論いただいて、最終的には右側のほうに書いてございますが、12月上旬に両者を合わせた形で「平成26年度診療報酬改定の基本方針」というものを策定していただくというようなことでございます。

 1枚おめくりいただきまして、2ページでございますが、これまでの改定の基本方針として平成18年度以降でございますけれども「改定の視点」ということで4項目ほど設定してございます。基本的には18年度から24年度まで、文言の修正あるいは順番が前後するということはございますけれども、基本的な内容としては大体継続しているというところでございます。

 2番「重点課題」でございますが、3ページ目にございますけれども、その前の平成20年度に「緊急課題」というものが設定されまして、22年度以降は「重点課題」としてその改定の時々の状況を踏まえて重点的に取り組むべき課題を定めているところでございます。

 6ページに飛んでいただきたいと思いますが、これらをごらんいただいた上で次期報酬改定に向けた論点として、これまで議論をいただいていない部分については、これまでの「改定の視点」の中で充実が求められる分野を適切に評価していく視点等々、1から3が考えられるかなと。そして4番ですけれども、最近よくいわれてございます医療関係者を中心とします勤務環境の改善、あるいはチーム医療の推進等、こういったことが考えられると思いますが、これらについてどのように考えるかということでございます。

 なお、1011日に医療部会のほうで既に御議論いただきましたが、そのときの各委員の発言の要旨というものを参考資料3−1に示させていただいておりますので、これも御参考にしていただければと思います。

 説明は、以上でございます。

○遠藤部会長

 どうもありがとうございます。

 司会の不手際でございまして、6時終了なのですが、これから一つのテーマを議論しなければいけないということでございまして、もし御都合がつくようであればしばらく御議論に参加していただければと思います。

 本日のやり方でございますけれども、本日はフリートーキングをさせていただきたいと思います。医療課長から御説明がありましたように、前回議論したもの以外のテーマということでございます。その上で、本日いただいた議論を踏まえまして、次回に事務局から診療報酬改定の基本方針の骨子案といったようなものを出していただきますので、それを基本にまた議論をして、12月上旬の基本方針の取りまとめへとつなげていきたい。そういうような段取りで考えております。そういう意味でございますので、本日はフリートーキングでお願いしたいと思います。どなたでも結構でございます。

 それでは、菊池委員お願いいたします。

○菊池委員

 診療報酬改定につきましては、24年の「重点課題」でございました1番の医療従事者の負担軽減と、2番の医療と介護の連携体制の強化と在宅医療の充実、これは引き続き将来の医療・介護提供体制を確保するために重点課題として取り組んでいただきたいと考えます。

 特に1番の医療従事者の負担軽減については、医療従事者の離職を防止し、人材を確保する観点からも今、設けられている基準を後退させることのないようにお願いしたいと思います。例えば、看護職については夜勤交代制勤務の負担軽減策が、今の基準が守られるようにお願いしたいと思います。

 それからもう一点「充実が求められる分野を適切に評価していく視点」という1に関連しまして3点、今後も充実する必要があるかと思っております。1つ目はがん医療の充実、2つ目が周産期医療や小児医療の整備充実、3つ目が精神科入院医療の機能分化と地域移行の促進という点が充実する必要があるかと思います。よろしくお願いします。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。ほかにございますでしょうか。

 それでは、高橋参考人お願いいたします。

○高橋参考人

 ありがとうございます。参考人の高橋でございます。

 私のほうからは、前回の平成24年の診療報酬改定は社会保障と税の一体改革に沿った改革の第一歩であったと認識をしておりまして、前回の改定、基本方針の重点項目や視点に書かれた方向性は、今回の次の改定においても引き続き推進をするべきだと考えております。そういうことを述べまして、具体的に4つの観点で意見があります。

 まず、充実という観点ですけれども、先ほどの意見もありましたが、医療従事者、人材確保策ということは非常に充実をすべきだろうと思います。とりわけ救急、周産期、それから外科等の急性期医療を担う勤務医や看護職員、コメディカルなど医療の従事者の負担軽減を進め、離職をしているというような現実もありますので、離職をせずに働き続けられる職場づくりに資する報酬改定を行うべきではないかと思います。

 2点目ですけれども、認知症対策の促進をすべきだろう。認知症の問題はこれまでも介護の問題、介護の世界の話という認識が強うございましたけれども、若年者も含めて認知症の方が2025年には470万人になるという推計もされております。認知症に対応する医療の充実に向けた体制整備を急ぐべきだろうと思いますし、同時に介護との連携強化につながる改定を行うべきだろうと思います。また、合わせて難病対策も患者の立場から充実していくべきだろうと考えます。

 3点目は患者の視点というところですが、そういった視点を引き続き重視すべきだろう。1つには、明細書の発行をさらに進展させるべきだろうと思います。不正請求の事例など、たびたび報道されているわけですけれども、患者自身も明細書と医療費通知を突き合わせてチェックをすることが非常に重要になってきているということがございます。

 最後に4点目ですけれども、効率化というところでは医療の効率化を推進すべきだろうと思います。具体的には、後発医療薬品の使用促進とか、あるいはレセプトの電算化の推進とか、高額医療機器の共同利用や平均在院日数の縮減など、今後の効率化の推進というところを目指した報酬改定を行うべきだろうと思っております。以上でございます。

○遠藤部会長

 どうもありがとうございました。

 では、鈴木委員お願いします。

○鈴木委員

 私は中医協委員として3回目の改定に臨むことになるのですが、前々回の改定を見ますと医療崩壊、特に病院崩壊というようなこともありまして「重点課題」が2つとも急性期の大病院中心の内容になっておりました。

 また、前回はそのうち1つは引き続き急性期の大病院を対象とするものでしたが、もう一つは医療と介護の役割分担と連携や、在宅医療といったテーマが入っていて半々だったという感じがします。しかし、結果として余り効果はなかったような気もいたしますので、次回こそは今後の超高齢社会を考えますと高度急性期医療ばかりを充実させても超高齢社会は支えられないということが明らかになってきていることから、ぜひ高度急性期医療に対するもう一つの大きな柱である地域に密着した医療を充実することを「重点課題」の一つに入れていただきたいと思います。

 もう一つは中医協でも議論が進んでおりますけれども、かかりつけ機能の充実を通じた地域包括ケアの推進が必要であると思います。最初のほうは文章にすれば、超高齢社会を乗り切るための地域に密着した医療の充実ということになると思います。

 それと、改定の視点ということで、充実を求められる分野ということですが、超高齢社会を考えますと、がん、認知症、リハビリテーション、そして私は栄養も非常に重要だと思います。特に在宅推進に伴って在宅における低栄養はこれから問題になってくると思いますので、こういったところを重点的に扱う必要があるのではないかと思います。

 それと、次期改定に向けた論点の4についてです。こういった内容も引き続き必要なのかもしれませんが、私としては在宅推進ということもありますので、在宅における多職種協働の推進を入れたらいいのではないかと考えております。以上でございます。

○遠藤部会長

 どうもありがとうございます。

 それでは武久委員、お待たせしました。

○武久委員

 充実が求められるというか、これからふえるのは超高齢者の患者さんということになります。そうすると、急性期治療だけではなかなかすっぱり治らないということで、結局リハビリテーション等も慢性期のリハビリテーションも含めてなかなか息の長いフォローをしていかないといけない。すなわち、全面自立でなしに部分自立を獲得することが非常に重要ではないかと思っております、

 それから、高齢者の救急が非常に現在ふえておりまして、今後も爆発的にふえると思います。ということは、救急の現場に対して全ての救急を救急病院に持っていくということになりますと物すごく混乱が起こるということで救急のトリアージ、または高齢者の慢性期の急変と本当の救急との住み分けというものを効率化していくことが大事だと思います。

 また、鈴木委員がおっしゃいましたように医療と介護の接点、24年度に同時改定はありましたけれども、やはりなかなかスムーズにいっておりませんで、地域包括ケアシステムにしても医療のサポートということが重要ですので、結局これからは本当に息の長い高齢者の慢性期の医療を充実させて効率化していくことが大事だと思います。よろしくお願いします。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

済みませんが、ちょっと左に行ってから樋口委員に行きます。

 それでは、森昌平委員からお願いします。

○森昌平委員

 資料3−1の最後の6ページ目ですけれども、今回事務局のほうから1から4番までということでこれらの事項に関してということが示されていますが、1つはこれらの事項に関してお話を進めるということには賛成をします。

 ただ、1つは議論の途中でこれ以外にも大きな柱が出るようであれば加えていくのがいいのかなということが1点です。

 それから、先ほど鈴木委員のほうからも地域密着というお話が出ました。薬局もきちんと地域に根差した、かかりつけ薬局機能を強化していきたいと思います。それで、その前の議題のときに藤井委員の方から一般用医薬品という話もありましたけれども、薬局も医療用医薬品はもちろん、相談機能を持っていろいろなことに対応できるような形でかかりつけの患者さんに対応できるところを目指していきたいと思います。

 また、この中の3番目の効率化というところであれば、新たなロードマップに示された目標に向かって後発医薬品の促進をしていきたいと思っておりますし、4番の勤務環境の改善、チーム医療の推進という点では、病院薬剤師による病棟業務の推進によってチーム医療推進、または医師の負担軽減というところにも取り組んでいきたいと思っています。

 また、2の患者から見てわかりやすく納得でき、安心・安全というところなのですけれども、医療機能の分化が進むことによって急性期、回復期、慢性期と在宅と、患者さんがどんどん移っていきます。その中で、患者さんとしては移ることによる不安というものがあるので、ここでの連携というのは切れ目のない医療という点でもそうですけれども、患者さんの視点からもきちんと連携がとれるようにしていきたいと思っています。以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 それでは、樋口委員お願いします。

○樋口委員

 ありがとうございます。

 この医療と介護の連携というのは、前回は確かに書かれていましたけれども、実態としては決して進んでいないと思います。今回の「重点課題」に、ぜひしていただきたいと思います。

 それと、認知症の対策で、ごく最近介護、医療、高齢者に関係している人たちの間で憤激を買いましたのは、名古屋地裁で出された判決でした。認知症の人が徘徊していてJRの線路に入って死亡事故を起こし、そして鉄道を遅延させたという理由です。本人は91歳の男性で、介護責任者とみなされたのが、86歳の妻であります。まどろんだすきのことで、名古屋地裁は720万円の賠償責任をその妻に科したのです。こういうことでは、とても在宅など進むはずはございません。

 今、一番申し上げたかったのは介護と医療の連携というのを今度こそは具体的に進めていただきたいということと、フリートーキングでいいとおっしゃいましたのでひとつ質問させてください。

 この前の診療報酬改定で在宅に高い診療報酬がつけられたことは周知の事実でございます。それ自身は私も賛成ですけれども、この秋ごろから盛んにメディアに報道された、要するに診療の紹介ビジネスというのが広がって、診療報酬の3割を得ている紹介ビジネスがあるようです。診療報酬をどう使おうと法的にはお医者さんの自由でありまして、紹介ビジネスを規制する制度はないというのがどうやら厚労省の御意見のようでございます。

 ですから、医療者側の倫理観に訴えるよりしようがないと伺いましたけれども、私ども医療費を払う側から申しますと、3割もの紹介手数料をとられると、やはりどこかで手薄な診療か、あるいは過剰診療か、囲い込まれることによって日本の冠たる誇りになるフリーアクセスということが制限されるのではないか。この点では心を痛めておりますので、この局の主管かどうかよくわかりませんけれども、診療報酬改定という言葉が出ましたので、厚労省の御意見を伺いたいと思います。

○遠藤部会長

 それにつきましては、本日この場所で午前中に行われた中医協でその議論が行われておりましたけれども、関連してもし医療課から何かあれば一言コメントをどうぞ。

○宇都宮課長

 医療課長でございます。

 今、遠藤部会長からお話がございましたように、まさに今朝、中医協のほうでそちらは問題提起させていただいたところでございます。そういった紹介事例が、実際に患者さんが医療機関を自分で自由に選択できないとか、あるいは過剰な診療を行うとか、そういうことにつながるのであれば、明らかに健康保険法の趣旨からいって不適切と言い切れるのですが、今、御指摘があったように単なる紹介ですと必ずしも法律的にどうこうということがいえない。そういう中で、どういうふうにやってそのようなものを防いでいくかということについて今朝、問題提起をさせていただいたところでございます。

 ただ、ちょっと今朝は時間がなかったので議論に至らなかったのですけれども、次回に中医協の中でまた御議論いただこうと思ってございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 それでは、藤原参考人お願いいたします。

○藤原参考人

 ありがとうございます。

 3点申し上げたいと思います。資料3−1の5ページをごらんいただきながらお聞きとりいただければと思います。

 まず1点目は「重点課題」についてということですけれども、ここについては国民会議で示されました「機能分化とネットワークの構築」という方向性に一本化していただきたいと思います。前回改定では「重点課題」が医療従事者の負担軽減と医療介護の役割分担と2つに分れられておりましたけれども、次期改定ではこの2つに加えて、前回の「改革の視点」の3でありました「医療機能の分化と連携等を通じて、質が高く効率的な医療を実現する視点」、これも含めまして3つの項目を一本化してこれに集中するのだという姿勢をしっかりと示していくことが大事なのではないかと思います。

 効率的な資源配分、ここでいえば機能分化というものが医療機関の間、医療と介護の間、各医療機関の中の組織内でなされていくということになれば、結果的に医療従事者全体の負担軽減、それから個々の医療機関における過度の負担の偏りというものが是正されていくのではないかと考えますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。

 2点目でございます。前回の「改定の視点」の1の「充実が求められる分野を適切に評価していく視点」、この中にあるイノベーションの適切な評価については引き続き記載をお願いしたいということでございます。

 それから、3点目でございます。前回の改定の「改革の視点」の4の「効率化余地があると思われる領域を適正化する視点」、ここに「医療のICT化の促進による医療提供体制の効率化」を入れていただきたいと思います。ICT化を進めていくことで、医療データに基づく重複検査、重複投薬の排除というものを例といたしまして、給付の重点化・効率化を図ることができることになります。もう一つ、遠隔診療についても加えていただければと思います。これは、地域医療の充実につながる有用なツールであるということで、国民会議の報告書で示されました「病院完結型」の医療から「地域完結型」の医療への移行を推進していくものだと考えております。以上でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 それでは、小林委員、飯山参考人、堀委員という順番にさせていただきたいと思います。

 それでは、小林委員どうぞ。

○小林委員

 これまで繰り返し申し上げておりますように、保険者はどこも極めて厳しい財政状況にあり、今後さらに医療費が急増し続ける中、これ以上の国民負担を回避するためには、効率化できるものを常に探して、医療費適正化を推進していくことが基本です。次期診療報酬改定では、前回の診療報酬改定と同様に、医療費適正化に関する項目を一つ立てて、患者負担、保険料負担を最小限にとどめていくという姿勢を国民に明確に打ち出すべきだと考えます。

 その上で、既に中医協の専門部会で方針が打ち出されておりますが、ジェネリック医薬品のさらなる使用促進に向けた方策や、長期収載品の薬価の大幅な引き下げは当然のこととして、平均在院日数の減少や7対1病院のあり方の見直しを通じて病床機能の分化、連携のさらなる推進、主治医機能の強化や大病院の紹介外来をさらに推進する方策等、緩やかな形でのフリーアクセスの制限など、基本方針にはこうした点を盛り込むべきだと考えます。以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 では、飯山参考人お待たせしました。

○飯山参考人

 代理出席をしております飯山でございます。

 私が代理をいたしました柴田から、自殺予防対策についてぜひ発言をと託されてまいりましたので申し上げたいのですけれども、時間の関係がございますので、これは医療だけの対応ではありませんけれども、医療面でも引き続き手を緩めることなく対応していく必要があるのではないかということで、前回の改定でもお願いして、かつてに比べてメニューもかなり増えたと思いますが、さらに御提案をしたいということでございます。

 本日は時間の関係上、具体的な内容は差し控えたいと思いますが、次回のこの会議でぜひ柴田からこの点について発言をさせていただくようにお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 それでは、お待たせしました。堀委員、お願いします。

○堀委員

 ありがとうございます。

 歯科のほうは、前回の改定では「重点課題」と、それから4つの視点の中で幾つか評価を頂戴しましたので、基本的には前回の改定と同じような仕組みの中で御議論いただきたいと思っております。

 特に具体的に今、歯科として次の改定の課題として考えておりますのは、1つは口腔の機能に着目をした歯科医療技術の評価ということでございまして、具体的には従来の歯科医療の中心でありました、齲蝕や歯周病の対応にとどまらず、例えば唾液分泌、あるいは味覚、触覚等の口腔感覚、あるいは摂食・嚥下機能の維持・改善、さらにここに感染予防が入るわけでありますが、そういったところの評価をさらに掘り下げていただきたいということであります。

 前回の改定では、周術期に限定をした口腔機能管理ということでございましたが、本来は高齢者全体に共通する問題だろうと思っておりますし、口腔機能の改善によりまして全身状態へもいい影響があるという知見も得られているところでありますので、さらにここは議論をお願いしたいと思っております。

 もう一点は、前回の改定で歯を残す技術の評価ということで議論をいただきました。前回は生活の質に配慮した歯科医療ということで、その中の歯を残す技術の評価というくくりでこれまでの技術の評価がありました。我々は、大変ここは重要な部分であると思っておりまして、今回も引き続き御検討をお願いしたいということです。どの程度の評価があるべきかということについては、日本歯科医学会で行ったタイムスタディーもございますので、今後必要があれば中医協等でデータをお示ししていきたいと思っております。

 それから、最後にこれは基本方針に入っていたものではありませんが、前回の改定の中医協答申の附帯意見の冒頭に基本診療料のあり方の検討ということが取り上げられておりました。歯科は9割近くが個人立の小規模な経営状態でありまして、安定した医療提供体制の整備、基盤となる基本診療料の評価は極めて重要であると思っております。

 また、現在御承知のとおり、歯科だけにおいて基本診療料が低く評価されているということは、臨床現場の歯科医師のみならず、歯科医療に従事するスタッフが誇りをもって仕事をするために長年改善を求めているところでありますので、次の改定で御議論をお願いしたいということであります。以上でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。ほかに御意見ございますでしょうか。

 それでは、岩村部会長代理お願いします。

○岩村部会長代理

 風邪を引いているのですごい声で申しわけないのですが、既に何人かの委員の方からも御発言がありましたけれども、介護保険と医療保険との間の連携というのはこれからますます重要になると思いますので、既に重点事項という形で議論はされていますが、地域包括ケアを診療報酬体系の中できちんと位置づけていくということをぜひお願いしたいと思います。

○遠藤部会長

 重要な御指摘、ありがとうございました。

 それでは、大体御意見は承ったということで、事務局におかれましてはこのような御意見がございましたので、それをもとに原案を作成するような作業に進んでいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 本日の議論はこれまでにさせていただきたいと思います。時間を大幅にオーバーいたしまして本当に申し訳ございませんでした。

 次回の開催につきましては、追って事務局から御連絡があるかと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

 本日は、本当に御多忙の折、集まっていただきましてありがとうございました。長時間、御苦労さまでございます。


(了)

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