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2013年10月2日 第50回社会保障審議会介護保険部会 議事録

老健局総務課

○日時

平成25年10月2日(水) 17:00〜20:00


○場所

イイノカンファレンス「Room A」


○出席者

山崎、伊藤、井上、岩村、内田、岡、勝田、河原、久保田、 黒岩(代理:小島参考人)、
小林、齋藤(訓)(代理:菊池参考人)、齊藤(秀)、齊藤(正)、鷲見、
高杉、土居、内藤、林、布施、本間、桝田、山本、結城 の各委員
(大西、藤原 の各委員は欠席)

○議題

1 都市部の高齢化対策に関する検討会報告書について

2 その他の検討事項について
 ○1 住所地特例について
 ○2 介護納付金の総報酬割について
 ○3 介護サービス情報の公表制度について
 ○4 義務付け・枠付けの見直しについて

○議事

○吉田企画官 定刻となりましたので、ただいまから第50回「社会保障審議会介護保険部会」を開催いたします。

 委員の皆様方におかれましては、お忙しいところお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。

 それでは、カメラ撮影の方々はこれで御退室ください。

(カメラ退室)

○吉田企画官 では、以降の議事進行を部会長にお願いいたします。

○山崎部会長 まず、議事に入ります前に委員の出席状況を確認いたします。

 本日は大西委員、黒岩委員、齋藤訓子委員、藤原委員が御欠席です。

 黒岩委員の代理として小島参考人、齋藤訓子委員の代理として菊池参考人が御出席でございますので、お認めいただけますでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○山崎部会長 また、都合により内田委員が1730分ごろめどでの御出席という御連絡をいただいております。

 林委員が若干おくれておられるようでございます。

 それでは、議事に入ります。事務局より資料の説明をお願いいたします。

○高橋総務課長 総務課長の高橋でございます。

 本日の資料は資料1−1「都市部の強みを活かした地域包括ケアシステムの構築」という表題の都市部の高齢化対策に関する検討会の報告書が先般まとまりましたので、資料1−1が概要、資料1−2が本文、資料1−3が検討会報告書の参考資料でございます。これにつきまして、まず概要によりまして説明をし、また、その関連の住所地特例の件でございますとか、その他、介護納付金の総報酬割でございますとか、サービス情報の公表制度につきまして、資料2「その他の検討事項について」ということで必要な資料をお出ししておりますので、関係課長から順次説明をいたします。

 最後に参考資料をつけてございます。「介護保険部会におけるこれまでの主な意見・未定稿」というものでございまして、これは8月28日、9月4日、9月18日、9月25日のこれまでの4回分の議事の中から、議事録の速記版が各委員に確認中でございましてホームページ掲載がおくれておりますが、各委員に確認、照会中でございまして、その議事録から事務局におきまして整理をしたものでございます。これは文面等、委員に事前調整しておりませんので、もし何かお気づきの点があれば、また今後とも回数を重ねるごとにその後の御意見などを加えていくというスタイルでしたいと思っております。

 それでは、資料1−1でございます。「都市部の強みを活かした地域包括ケアシステムの構築」ということで、大都市部の高齢化が非常に急速に進むということで、どういうふうに対処していくかということで検討会をことしの春から行ってまいりました。この資料の最後のページの裏側に参考でメンバー表が載っております。大森先生が座長で、各有識者委員に加えまして、特に大都市部の7自治体、東京、横浜市、さいたま市、千葉市、名古屋市、大阪市、世田谷区から入ってもらいまして、5月から開始しまして、先般9月20日に取りまとめたという経緯でございます。

 冒頭戻っていただきまして「はじめに」のところでございますけれども、75歳以上の後期高齢者2,000万人社会へということで、2000年に900万人でしたが、1,400万人、2,179万人というふうにふえていく。特に大都市部では急増するということで、今後15年間の後期高齢者の増加数760万人のうち、上位6都県で半分を占めるということであります。

 これにどう対応していくかという危機感を持ってこの報告書をまとめられておりますが、危機感だけではなくて、しっかりとこれを乗り越えていける糸口を書こうということでございまして「2.都市部を取り巻く状況」として都市の地域特性をまずまとめ、人口が高い密度でいる。人がたくさん集まっている。充実した生活インフラもある。一方で空き家もある。団地等では一斉の高齢化が起きる。地価が高いので施設整備率は低い。一方で在宅サービスの充実が求められている。介護人材の確保が厳しい。こういう状況を踏まえ、また右側「○2 2025年の高齢者像」では高齢者像が変わってきているということでございます。団塊の世代、19471949年生まれが75歳以上になり切るというのが2025年だということでありますが、そのときの高齢者像というのは従来の高齢者像とは異なってくるんだということであります。

 団塊の世代の特徴として幾つかまとめておりますが、高校、大学の進学の多さ。人口が都市部に向けて地方から大移動をした。団塊の世代は消費と流行を牽引して多様な生活スタイルを持っている人々である。また、収入減としては年金が成熟してきますので、主な収入源が年金。幅のある世帯の年収。また、団塊の世代は持ち家率がかなり高いといった点もある。

 ○3ですけれども、国民会議で議論されてまいりましたが、地域全体で治し、支える医療と地域包括ケアシステムの構築へ向けてというようなこと。これらを背景といたしまして、次のページでございますが「3.都市部の強みを活かした地域包括ケアシステムの構築」ということで、都市部はその強み、人がたくさん狭い範囲に集まっている。また、多様な人材がある。整備された生活インフラがある。活発な企業活動もある。こういうことを活かした地域包括ケアシステムの構築を目指すべきだということであります。

 幾つかありまして、1つ目は在宅医療・介護を徹底して追求するということでありまして、在宅生活の限界点を高めるための24時間型定期巡回サービスでありますとか、小規模多機能、訪問看護、認知症高齢者に対する施策など、大都市ならではの狭い範囲にたくさんいるということで、在宅を徹底して追求することが求められるとともに、よりやりやすい面もあるということであります。

 2つ目が住まいの新たな展開を図るということで、サービス付き高齢者住宅ですとか有料老人ホームですとか、この整備を促進し、また、そこで行われる、あるいはそこに住む方に提供し得る医療・介護サービスについての正しい情報提供が重要であるという点。それから、施設が立地している自治体の介護保険財政の悪化を回避するために、住所地特例の対象に今、サービス付き高齢者住宅が適用から外れていますので、これを追加することを検討してはどうかという点。しかし、その際には住所地の地域密着サービスでございますとか、地域支援事業を使えるようにするなど、今の住所地特例の制度の課題を解決する必要があるという提言がされてございます。これは制度改正の論点でございますので、当介護保険部会で御議論をいただきたいポイントでございます。

 そのほか空き家の活用でございますとか、地域づくりの観点からの介護予防の推進、多様なサービスを活用して生活を支える等の記述をしてございます。

 次のページで、一方で1つのこの検討会で議論した課題として、都市部では特養を初め非常に設備整備がしにくい。これをどういうふうにしていくかという議論がされております。

 1点目は施設の整備手法の工夫ということで、土地が高いという中で土地を賃借した整備というのも特養は可能でありますが、さらにサテライト型の地域密着型特養では建物の賃借も可能になっているという、現状の仕組みの活用という点。

 3つ目の○ですけれども、民間事業者がマンションですとかオフィスビルなどを建築する際に、一部フロアを特養として整備し、特養部分を買い取るとか、これは今でもできる仕組みになっています。こういう手法を使うことを検討してはどうか。それから、その際、都市計画の際に容積率の緩和。これも今、そういう制度があるわけでございまして、こういう制度の活用も検討してはどうかという点でございます。

 2つ目は広域型施設の整備数の圏域間調整でございまして、これは介護保険事業支援計画で老人福祉県域ごとの整備数の計画を立てる仕組みが介護保険法であるわけでございますけれども、特に立地が難しいというのが東京23区でありまして、一方で東京23区は非常に介護保険の二次圏域が狭い。23区で7圏域もあるということで、東京全域で13圏域もあるということで、圏域内で完結するというのは非常に難しい特殊事情があるということで、こういう場合には事業支援計画に書いて、圏域間での整備数の調整を可能とする。これまでも可能だったのですけれども、意識的にやっていないということなので、圏域間での整備数を調整した上で、入所の優先度を判定する際に支援機関の調整を反映できるようなことをしてはどうかという点を記載しております。

 例えば東京では多摩地区と23区の間の問題とか、23区内でも比較的土地のある場所など、こういうところでの圏域間調整をしてはどうかという点であります。

 その次の点で杉並区が南伊豆町の特養設置を検討している。こういう論点についても検討をしております。ただ、このケースは非常に特別なケースでありまして、かねてから住民同士のつながりとか、自治体間の連携を背景にしたものでありまして、東京都と静岡の事業支援計画にも明記が必要であるとか、入所者の意思の尊重が大前提であるとか、こういうようなことでの配慮をする必要があるということで整理しております。

 この杉並事例のような同様な事例がほかに広がっていく。こういうことについても都道府県間で入所ニーズをしっかり把握してもらって、双方の介護保険事業支援計画に明記することが必要である。それから、かねてからも住民・地域のコミュニティ同士のつながりがあるとか、帰郷を望む高齢者が具体的に見込まれるとか、こういうような場合は可能ではないかということであります。

 他方、地方の市町村が不特定多数の都市部からの入居者を期待して特養を整備することをしますと、都市部の方に地方の施設入所を強いる方になりはしないか。あるいは意図しないサービスの需給ギャップが生じてしまうのではないかという点で慎重に対応すべきだ。こういうまとめをしております。

 地方への早期からの住みかえはいいことではないかというまとめをしておりまして、そのほか5番で中長期的な視点に立った施策、2025年までを見通した中長期的な視野に立った介護保険事業計画の策定などが必要なのではないか。こういうまとめをしております。

 都市部の検討会につきましての報告は以上でございます。

 引き続きまして計画課から。

○榎本介護保険計画課長 介護保険計画課長でございます。

 資料2「その他の検討事項について」で、まず住所地特例について御説明を申し上げたいと思います。

 1ページに現状・課題と書いてございます。恐縮ですが、先に3ページをごらんいただきますと、住所地特例制度についてということで、そもそも住所地特例というのはどういうものなのかをお示ししております。

 介護保険の世界におきましては、基本的に加入される高齢者の方は、その住所地で被保険者になり、住所地で保険料を負担してサービスを利用されることになります。ところが、介護保険の施設、例えば特別養護老人ホームでとか、老健施設ですとか、そういった施設に入所した場合には、施設が立地をしている市町村の負担が過大になってしまうのではないかということで、この図で申し上げますと例えばA町にお住いの方がB市の施設に入られるということになりますと、B市に施設が立地しておりますので、B市にその施設のコストが高い方がお入りになる。そうするとB市として財政的な負担が非常に大きいということがありますので、そういった点を配慮いたしまして介護保険制度創設時からこういったケースについては入所される前の市町村の被保険者のままとして、保険給付はこの図で申し上げますとA町から保険給付を行うことになっております。住所としてはB市に移されることとなり、住民税、行政サービスは、基本的にはB市なのですけれども、介護保険については保険料はA町にお支払いをいただいて、保険給付はA町から受けるという形。そういう非常に特例的な仕組みが設けられております。

 この対象となる施設ですけれども、4ページ左上に住所地特例対象施設とありまして、まず1つは介護保険3施設ということで特別養護老人ホーム、老健施設、介護療養型医療施設の3つになります。

 2番目として特定施設ということで、地域密着型を除くということになりますが、有料老人ホームと軽費老人ホーム。有料老人ホームについては、特定施設入居者生活介護の指定を受けていない賃貸借方式のサービス付き高齢者向け住宅は対象外とするという形になっております。

 3番目として養護老人ホームというものがあります。これについては当初は先ほど申し上げました介護保険施設、入所3施設のみとなってきておりましたが、これが累次改正をして拡大してきている状況です。

 特に有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅の関係はわかりにくいので、5ページで図示しておりますけれども、有料老人ホームにつきましては、基本的に住所地特例の対象とするという形になっております。ただ、その中でサービス付き高齢者向け住宅が真ん中あたりにありますけれども、その中で利用権方式と賃貸借方式に2つ分かれておりますが、このうち賃貸借方式であるサービス付き高齢者向け住宅について、特定施設入居者生活介護の指定を受けていないものが、この住所地特例の現在対象外となっております。

 基本的に特定施設入居者生活介護の指定を受けている施設は5%でして、ほかの88%というのは賃貸借契約ということで、太宗が住所地特例の対象外となっている。サービス付き高齢者向け住宅の対象外となっている状況でます。

 少し論点のほうに戻りますけれども、そういうような状況の中で1ページの現状・課題ですが、こういった今のサービス付き高齢者向け住宅について対象外となっている状況の中で、4番目の○にございますが、市町村からは今後サービス付き高齢者向け住宅の整備が非常に進んできているということがありまして、給付費の増加が非常に懸念されることから、これを住所地特例の対象とするよう要望が幾つか出てきております。

 論点でありますけれども、そういった状況の中で高齢者向けの住まいの確保を図っていくためには、サービス付き高齢者向け住宅の整備を進めていくことが非常に重要な状況です。このため、市町村の懸念を解決していく方策を考えていくべきではないだろうかということです。

 サービス付き高齢者向け住宅が多く立地する保険者の負担を考慮して、その他の有料老人ホームとの均衡ということも考え合せますと、今回の対応としてはサービス付き高齢者向け住宅について、これに該当する有料老人ホームについても住所地特例の対象としていく必要があるのではないかということです。

 ただ、従来、この住所地特例の場合には12ページをごらんいただきたいのですが、例えばA町からB市の有料老人ホームに移られた。これはサービス付き高齢者向け住宅でも同じなのですけれども、そうしますと基本的に居宅サービスについてはB市で御利用いただいて、必要な費用を国保連を通してA町が負担するという形になってまいります。ところが、その地域でいろいろなサービスを受けられる、地域密着型サービスあるいは地域支援事業を受けることも当然想定されるわけなのですが、これまでのところ、保険者はあくまでも転居前のA町であることになりますので、A町が提供する地域密着サービスとか地域支援事業であれば利用することができるのですが、現にお住まいのB市のサービスが受けられないというのが今までの取り扱いでございました。

 今回、地域包括ケアということで、できるだけ住みなれた、お住まいの市町村において各種サービスを提供していただいて、それを利用できるようにしていくことが望ましいということが大きな考え方としてございますので、今回、この住所地特例の見直しとあわせて、この住所地特例の対象となる方について、1つは地域密着型サービスについてB市で指定を受けた地域密着型サービスを使えるようにする。それから、B市が提供する地域支援事業についてもこれを利用できるようにする。必要な費用については地域密着型サービスであれば、これは介護保険の枠の中で国保連を通してA町で負担をしていただく。それから、地域支援事業の費用についても今回、新たに保険者間の負担調整を国保連を通して行うことで調整することを検討していきたいということで、実質的にB市にある有料老人ホームなりサ付き住宅にお入りの方が必要なサービス、B市において受けられるような仕掛けをあわせて考えていったらどうだろうかということを御提案させていただきたいと思っております。

14ページ、介護納付金の総報酬割の議論にあたりましては、まず、そもそも介護保険財政の問題がございます。

16ページをおめくりいただきますと、左に全体の財政の分担の円グラフのイメージ図がございます。この中では保険料が左半分、1号被保険者と2号被保険者ということでそれぞれ人口比率で按分をするという考え方で、現在4064歳の第2号被保険者の方については、29%相当の部分を第2号保険料ということで御負担していただくことになっております。

 この第2号保険料についてはその29%相当全体を被用者保険と国保とで分担をする。その際には被保険者数にそれぞれ応じて負担をしていただく仕組みになってきております。このところを今後どう整理していくべきかということでございます。

 今回、御提案申し上げていきたいのは、特に健康保険組合、共済組合、協会けんぽというところで被用者保険の間では報酬額に比例して負担する仕組みに改めたらどうか。従来は各保険の被保険者数の人数の頭割りに応じて負担をしていったという状況でございまして、それぞれを各医療保険者が医療保険料と一体的に徴収して支払基金に納付をしていただいて、それを支払基金から市町村に交付をする。そういう流れになっておりましたが、その被保険者の頭割りの分担のところを今後、どうしていったらいいだろうかということを議論させていただきたいということです。

 そこで、14ページに戻らせていただきますが、今回こういうような議論が出てまいりますと、現状・課題の4つ目のところですが、こういった議論の背景としては、1つは高齢化に伴って介護給付費が伸びている中で、2号被保険者1人当たりの負担が高まっている。そして、主として中小企業の被用者が加入されます協会けんぽと健康組合、共済組合それぞれの負担能力の差が拡大しているのが現状ではないかということです。

 論点ということですが、これは既にこれまでも昨年とか一昨年にも議論いただいたところですけれども、介護保険制度の創設後、保険者間の財政力の格差、特に被用者保険の被保険者間の財政力の格差というのは広がっておりまして、年々介護費用が増加し、今後さらに負担が大きくなることが見込まれる中で、2号被保険者の中でも負担の応能性を可能な限り高めていく必要があるのではないだろうかということです。

 こうした点を踏まえまして、介護保険制度の持続可能性を高めるために制度の基本的な性格、国民全体で高齢者の介護を支える。そういった性格を維持しながら、可能な範囲で2号被保険者の負担の応能化を図ったら。そういうことを検討していったらどうだろうかということでございます。

 なお、受益の有無と応能負担とするかどうか。これは直接関連するものではないという考えもございますが、2号被保険者の方、御自身がサービスを利用されることも当然ありますが、全体的には1号に比べて割合が低いということがよく指摘をされておりますけれども、一方で2号被保険者の親の世代については、介護保険サービスを利用する可能性があるということ。そして、また制度が発展して介護サービスが普及することによって子供世代も、2号被保険者の世代も負担の軽減を図られて、サービスを直接利用しなくても2号被保険者にとっても一定の受益があることがあるのではないかということでございます。

 いずれにしましても、具体的なこの整理については国民会議の報告書、それから、それを受けて法的措置のほうにも書いてございますが、現在、被用者保険に係る介護納付金について総報酬割の導入について、特に後期高齢者医療制度の中で今、暫定的に3分の1について総報酬割が実施されておりますけれども、それの検討がどうなるのか。その検討を踏まえつつ、介護保険では検討していくようにしたらどうだろうかということです。

 国民会議のそういった点の抜粋を15ページにおつけしております。

 具体的な論点整理については、今回はそういう意味で、この場でこれを全て決め切るという話ではなくて、現段階での論点を整理するということで、17ページで総報酬割の導入についての御意見を整理させていただいております。

 総報酬割を進めるべきという積極論の立場から考えますと、2号保険料での応能負担の必要性については、確かに制度創設当初は加入者割が適当だということがあったわけですけれども、その後、被用者保険の保険者間の財政力の格差が拡大している。それから、また今後の介護保険料負担の増大が見込まれることを踏まえますと、2号被保険者の中でも負担の応能性を可能な限り高めていく必要があるのではないかということが言われております。

 その次に、加入者割と応能割との関係をどう考えるのかということですけれども、共済と健保組合、そして協会けんぽの間には保険料率の格差がある。そして社会連帯の考え方から負担能力に応じて公平に負担してはどうだろうかという考え方になっております。

 2号被保険者の受益ということについては、先ほど少し御紹介しましたように、2号被保険者であっても親の介護において介護サービスを利用する可能性がある。また、制度の普及によって子供世代にとっても負担の軽減ということがあって、間接的に恩恵があるのではないかということです。

 被保険者間の所得格差が拡大しているということをどう調整するかということについては、積極論からすれば若年者の間の負担調整によって国庫負担にできるだけ依存しない形でやっていくべきではないかという御意見がございます。

 優先順位をどうつけるのかということについては、将来の負担の増大ということを考えますと、給付の重点化など費用の伸びの抑制も図りながら、負担の公平化も考えたらどうだろうかということです。

 一方で、総報酬制に対して慎重な御意見もかねてからございます。その慎重な御意見の立場から整理してみますと、2号保険料の応能負担の必要性については今後、高齢化が進展して介護給付が増加する中で、保険料負担もさらに上がりますので、総報酬制を導入することについては財源確保のつじつま合わせになるのではないかという懸念があるということです。

 加入者割と応能性ということについては、現行法では加入者頭割りとなっていることを踏まえるべきであるという御意見が出ております。

 2号被保険者の受益につきましては、2号被保険者というのは要介護認定でサービスを受ける方はほとんどおられませんので、そういった中で保険料を負担するのだから、頭割りで一人一人が公平に負担すべきではないかということです。

 被保険者間の所得格差の拡大については、所得格差が拡大するということであれば、それは総報酬で対応するというよりも、むしろ協会けんぽの負担能力の低さの問題なので、国庫補助の引き上げで対応したらどうだろうかという御意見があります。

 優先順位については、給付の重点化がまず費用の伸びの抑制を優先すると考えるべきではないかという御意見をいただいている。そういったような状況で総報酬制については現在議論がなされている状況であるということで御紹介をさせていただきます。

18ページ以下では参考資料として、平成23年に論点整理をしたときの資料。

19ページでは、そもそも制度ができるときに2号被保険者の方に保険料負担をしていただいているその意味合いを国会答弁したときの議事録の概要をおつけしております。

20ページでは、高齢者に向けていろいろとお金を分担する仕組みがございますが、その中で老健拠出金、退職者医療制度、介護納付金、後期高齢者支援金、それぞれでどういうような計算の仕方をしているのかということを御参考にお示ししております。

21ページでは、協会けんぽと組合健保で平均年間報酬額がこれだけ差が実は生まれてきていることをお示ししております。15年のところで賞与が付加ベースに追加されたということでぐっと伸びておりますが、20年、21年にリーマンショックがあって低下をしている状況です。

22ページは、協会けんぽと組合健保の年齢階層別で平均報酬の比率を見てみたものでして、40歳から64歳の間で特に差が大きくなっている状況です。

23ページは、1号保険者の1人当たり月額と2号被保険者の1人当たり月額の比較です。これまでの推移を御紹介したものです。

24ページは、介護を要する者と主な介護者の続柄の変化ということで、ここで見てまいりたいのは平成13年から22年にかけて事業者の割合が非常に高まりつつある。一方で子の配偶者の割合が低下するということで、子供世代が主な介護者になる割合が若干低下してきているのではないかというところです。

25ページ、26ページは5月の部会でも一度お示しをしておりますが、その際に共済組合の数字が入っておりませんでしたので、その数字を入れております。数字的には従来から試算としては入れておりましたが、それが見える形になっておりませんでしたので、今回それをお見せしております。

 健保組合の計算に当たりましては、下の細かいところですけれども、※の3つ目のところに注をつけておりますが、特定被保険者ということで加入しておられる御本人は第2号に該当しない。例えば35歳とか65歳を超えているといった場合で被扶養者の方が介護サービスを利用しておられるような場合、そういった方について健保組合によっては特定被保険者として介護保険料を負担をいただくことがあるのですけれども、それについては総報酬額の額には含めていないという整理をしている。その上で計算をさせていただいております。

 ですので、5月にごらんいただいたときから若干数字が変わっているところがございます。これは今回のその議論の御参考ということでお示しをさせていただいております。

27ページでは、健保組合の介護保険料率を低いほうから高いほうまで右から左に並べてみたものです。こういったような状況であるので、そこをどういうふうに考えていくのかというところの御参考です。

28ページは、今年5月に成立しました健保法の改正法案の中でローマ数字1○2にありますが、後期高齢者支援金の負担方法について、3分の1について総報酬割を2年間延長するといったことが定まっているところです。

 私からは以上でございます。

○朝川振興課長 引き続きまして29ページ目以降「3.介護サービス情報の公表制度について」でございます。

 まず現状・課題のところを見ていただきますと、1つ目の○ですが、この制度は平成18年度から制度化されておりますが、サービスの事業所、施設を比較・検討して適切にサービスを選択するための情報を都道府県がインターネット等で提供をする仕組みとして設けられています。

 4つ目の○のところですが、介護保険法の改正によって事業者による雇用管理の取り組みを進めることを目的として、都道府県の介護サービスの質あるいは介護従事者にかかわる情報の公表について配慮義務規定というものが設けられています。しかし、現在のところこの規定が余り活用されていないということで、1回37ページ目をごらんいただきますと、これが前回の改正で設けられた規定についてでございまして、上半分がその条文そのものです。下のほうに活用状況でございますが、特に論点に関係しますのは右側の介護サービスに従事する従業者に関する情報のところ。これは都道府県が行う行わないは判断できる仕組みになっておりますが、現在のところ2つの都道府県で取り組みいただいている。公表内容としては下に書いてあるようなものが公表されている状況です。

 戻っていただきまして29ページ目の論点でございますが、まず1つ目は今後の地域包括ケアシステムの構築を進めていくという観点で考えますと、まず第1にその核になります地域包括支援センター、今後もますます役割が重要になってまいりますが、そのことについて情報公表制度の対象になっていない状況にありますので、対象にしたらどうかということ。

 2つ目は、これも既に生活支援サービスについて充実する方向で御議論をしていただいておりますが、そのことについて本公表制度を活用しまして広く情報を発信していくことは、国民にとって有益ではないかということが1つ目の論点です。

 2つ目の○に書いてございますのは、その際、公表すべき内容とか公表主体、公表方法等々について具体的な検討が必要です。

 3つ目の○は、先ほど37ページで見ていただいたところの雇用管理、従業者の情報についてですけれども、介護人材の確保というのが重要になる中、各事業所における雇用管理の取り組みを推進することが重要でありますので、現行の従業者等に関する情報公表の仕組みにつきまして、円滑に事業者が情報を公表できるように見直したらどうかというのが3つ目の○です。

 最後は、前々回に在宅サービスを扱いましたときに、通所介護で法定外の宿泊サービスをしているところについて、届出をして公表するということを御提案申し上げておりますが、その公表については、この情報公表の仕組みの中でやったらどうかということでございます。

30ページ目は今、申し上げたものを少し全体像を整理してみた図でございます。

32ページ、新しく公表制度の対象として充実を図っていきたいと提案しております3つについて、表の形で整理をしてみたものです。

 地域包括支援センターにつきましては、原則、今の情報公表制度は都道府県が公表するという仕組みになっておりますが、この地域包括支援センターと生活支援サービスについては、市町村が公表する仕組みにしてはどうかというのがまず概要として書いてございます。

 公表する項目につきましては、地域包括支援センターは基本的なセンターの情報ということですが、例示としてはそういう住所とかの基本情報にプラスして業務内容。※にありますとおり業務内容につきましては、地域包括支援センターが機能しているかどうかがわかる項目について今後、検討を予定ということでございます。

 公表する者は市町村を中心に考えますが、現在、既に都道府県が公表しているところもございますので、都道府県にやっていただくのも可能ではないかと思います。

 公表義務としましては、包括支援センターを設置したとき、あるいはその後、年1回ぐらいを想定したらどうかということです。

 真ん中の生活支援サービスにつきましては、同じく市町村が公表し、公表する項目については例示にありますとおり事業所名から始まって、そのサービスの分類とか提供地域といった内容。公表する者は市町村。ここも都道府県が既に公表されている例もございますので、そういったところは都道府県でもよろしいのではないかと思います。公表義務については努力義務でどうか。

 一番右の介護従事者につきましては、今、介護サービス事業者には特段、前回の改正で義務という形になってはおりませんが、ここを事業者に報告の努力義務を課したらどうかというのが1つで、真ん中のところに報告する者ということで、介護サービス事業者に都道府県に報告をいただいて、公表する者として都道府県ということにしてはどうかということでございます。

33ページ、今のお話も含めましてですけれども、この情報公表制度につきましては今、シルバーサービス振興会に事業委託をして、少しこういう有識者の方々に入っていただいた検討会を開いております。検討内容は真ん中に(1)〜(5)に書いてあるようなことですが、特に(2)(3)(4)あたり、どういった内容を公表していくのかとか、使いやすさとか、そういったことについて並行して議論していただいております。これは御紹介です。

 あとはずっと参考資料がついております。

44ページ「4.義務付け・枠付けの見直しについて」でございます。今までの流れで地方公共団体に対する義務づけ・枠づけ等につきましては、順次見直しをこれまでも実施してきているところでございます。介護保険の中で言いますと例えばいろんな事業者の基準について条例委任をするでありますとか、あるいは前回の改正では指定都市、中核市に権限委譲を行うとか、そういうことを行ってきております。

 2つ目の○でございますが、今回さらにその後の状況で地方からの提案を受け、ことし3月に4次の見直しについて閣議決定がされております。介護保険の分野では2つほど見直しが政府部内で決められてございます。

 1つは、市町村は要介護認定を調査委託する際、そこに公示義務を市町村にかけておりますが、それを廃止したらどうかというのが1つ。

 2つ目は、地域密着型サービスの事業所の指定につきましては、市町村が行うことになっておりますが、その際、関係者の意見反映をする措置を義務づけておりますが、ここを努力義務化という形で見直したらどうかという提案がされておりますので、こういう方向で次期の制度改正の中で対応していきたいというものでございます。

 以上でございます。

○山崎部会長 ありがとうございました。

 それでは、今回の資料に関しまして御自由に御発言ください。

 多くの委員が発言されますので、要領よく御発言いただきますよう御協力お願いします。

 まず最初に、事前に資料として意見を提出されておられます方から順にお願いいたします。

 井上委員、お願いいたします。

○井上委員 ありがとうございます。

 今回の審議に当たっての私の私見を述べさせていただきます。

 まず1番目、都市部の高齢化対策に関する検討報告書についてですが、都市部の高齢者や高齢者を取り巻く状況や予測について的確に述べられており、今後の方策に示唆をあたえていることを評価いたします。とりわけ報告書の21ページ、「地方の市町村が不特定多数の都市部からの入所を期待して、特別養護老人ホームを整備しようとすることについては、都市部の高齢者本人の意思に反して地方の施設入所を強いるおそれがあることに加えて、途中省略させていただきます、慎重に検討すべきである」という一文については、同ページ「(3)地方への早期からの住み替え」の内容、早期から住みかえをしたほうがいい」という内容と関連することでもあり、賛同いたします。

 また、同じ項目の中でさまざまな世代が同居する地域づくりは一考に値するとありますが、一考に値する以上にむしろ今後の地域包括ケアシステムを充実させるための重要なファクターだと考えます。さまざまな世代が同居する地域づくりというのは非常に重要なことだと私は考えます。

 したがって、地域包括ケアシステムの構築に当たっては、介護保険事業計画だけで推進するのではなく、厚労省がイニシャティブをとり自治体のさまざまな領域、分野の垣根を取り払って、一体となってまちづくりとして取り組む必要があろうかと思います。

 次に、その他の事項についてですが、○1住所地特例については、サービス付き高齢者向け住宅の住所地特例は、今かなり増大していくところでしょうけれども、良質なサービスが提供できる高齢者住宅をよりふやすためにも推進していただきたいと思います。ただし、利用についてはあくまでも本人の意思の確認が前提です。また、直接的な課題ではありませんが、医療費はどうするのかといった調整も必要になるかと思います。

 さらに、終の棲家とできるのか否か、サービスの質は担保されているのか。9ページに個別の住宅によって機能が多様化していると指摘がありますが、多様化というところがどういう多様化なのかというところが問われるところです。劣悪なところであるとか、そうでないところとか、いろいろなことがあると聞いております。ですから多様化というのももう少し精査する必要があろうかと思いますけれども、明確な種類や棲み分けが必要だと思います。そのためにも利用者が判断できるわかりやすい情報公表、サ高住も情報公表に位置づけることが必要ではないかと思っております。

 次に、これは単に質問なのですけれども、資料の11ページ、有料老人ホームの入居者の要介護度について、自立から要介護5までいずれの階層もほぼ同じ割合とありますけれども、これは介護型有料老人ホームだけを取ったデータなのか、住居型も含んでいるのか、確認したいと思いますので、よろしくお願いいたします。できれば介護型だけで出していただいたほうがわかりやすいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 3番目、介護サービス情報の公表制度につきましては、アクセス数を高めるための努力が必要だと思われます。そのためにはサービスの質の判断ができるような内容が必須ですが、介護従事者の離職率が出ているのですけれども、離職率だけで判断できるのかなと思いつつ、勤続年数などの定着度や、事業責任者や管理者の資格も明記すべきではないかと思います。

 また、先ほど都道府県、自治体の実情に応じた内容であってもいいのではないかと私は提出資料に書いておりますが、今回の資料にもそういうふうに書いてありました。既に考えられているようですので、これについてはあえて私見を申し上げる必要はございません。

 それから、提出資料に書いておりませんけれども、2号被保険者につきまして総報酬割にするといった金額のことが出ておりますが、私が前回申し上げましたように、介護保険は介護離職を阻止する役割があると思うのです。ですから、そのことがもちろん2号被保険者の公正な負担はもとより、介護離職を阻止する役割も担っていることを一般にわかりやすく理解いただけるような方策が必要かと思います。

 以上です。よろしくお願いいたします。

○山崎部会長 続きまして、勝田委員、お願いします。

○勝田委員 高齢者が急増する都市部での住所地特例は、施設の所在する市町村への財政の配慮などからは当然だと思います。地域包括ケアシステムでは、住みなれた地域で自分らしい暮らしが最後まで続けられることが大切ですが、認知症の人たちにとって環境の変化は症状を悪化させます。そういう点ではこの地域包括ケアシステムの目標と、住所地特例との間は矛盾するのではないか。このことについて懸念をいたします。

 そして、サービス付き高齢者住宅のことについて3点、確認をしたいと思います。

 このサービスというのは安否確認と相談支援なのですが、介護保険制度の中でそのサービス付き高齢者住宅の位置というのは、どのような意味があるのでしょうか。確認する意味で説明をお願いしたい。

 2つ目には、第48回ではこの施設サービスの中にサービス付き高齢者向け住宅が入っていました。また、高齢者の住まいとしては、このサービス付き高齢者向け住宅のほかに有料老人ホームとかいろいろありますが、制度上の施設は特養と老健と介護療養の3施設と考えています。今後、部会で議論するに当たって施設という考え方、在宅という考え方、住まいについての整理をする必要があるのではないかと思います。

 また、3つ目の住所地特例の中で、論点では今後サービス付き高齢者向け住宅の中で地域密着型サービスや地域支援事業の住所地特例を認めてはどうかとありますけれども、特定施設の指定を受けていない多くの、95%のサービス付き高齢者向け住宅については、自宅と同じように訪問介護や通所介護などの在宅サービスを利用するものと思いますけれども、その平均要介護度1.8という入居者への在宅サービスをどのように考えておられるのか説明をしていただきたいと思います。

 2つ目の介護納付金については、先ほどもおっしゃいましたけれども、やはり親世代は介護保険サービスに支えながら、ひとり暮らしとか高齢者夫婦の生活を続けています。そういう点では遠距離介護も必要になってきておりますが、24ページにありますように、子供世代が主な介護者となる割合は低下しているという実態の中で、介護休業制度もほとんど利用されない実情の中、年間15万人の働く世代が介護を理由に離職、転職を余儀なくされています。

 今回の中で第47回では要支援認定者を外し、そして第48回では特別養護老人ホームの要介護3以上に限定するとか、前回では補足給付の厳格化などが論点とされておりますが、本人、家族にとって厳しい提案がされています。そういう中でこの点については論議を何回も繰り返されているわけですけれども、このことによる利益と負担について明確な整理が必要ではないかと思います。

 質問4については済みません、私が計算違いをしておりましたので、数字の訂正をお願いしたいと思います。資料26ページですけれども、この納付額ですが、現行の合計額は1兆5,129億円です。そして3分の1導入の場合は1兆5,124億円で、そして全面導入の場合はこのとおりで1兆5,114億円になります。プラスマイナスをした場合には10億円ぐらいという感じなのですが、一体これを導入することによってどれだけのメリットがあるのか。今のこの26ページの表だけではどうも理解しにくいのですが、このことについて説明をしていただければと思っています。

 最後になりますけれども、介護サービス情報の公表制度です。これは介護保険制度が本人の自己決定、自己選択に基づくサービス利用を掲げてスタートして、そしてこのように情報の公表制度はインターネットでやるということでありますが、介護サービスの利用者は平均80歳台です。家族介護者も60代、70代ですけれども、何よりも介護サービスを適切に選択するための情報とありますが、実際は選択の余地はほとんどないのが現状です。介護サービス利用者が500万人を超える中でアクセス数はそんなに多くありせん。今後、見直しということで地域包括支援センターとか生活支援の情報公表をするとしておりますけれども、ひとり暮らしや認知症の高齢者にとっては使えないシステムです。介護サービス提供者の自己評価を通しての介護の質の向上も期待できますけれども、人材不足の現状では現場にはゆとりがありません。もっと身近に相談できるような体制を整えることこそ大切と考えます。

 質問ですけれども、現在この情報の公表制度にかかっている経費というのは幾らくらいなのか。そしてこの経費というのはどこから出されているのか、質問します。

 以上です。

○山崎部会長 続きまして、内藤委員、お願いします。

○内藤委員 ありがとうございます。

 今回、意見書を提出させていただきましたけれども、これまでの介護保険部会での発言のまとめとして提出させていただきました。意見書を採用していただいたことに深く感謝をいたします。

 きょうの発言については、本日の議題に沿って発言させていただきたいと思います。

 議題1の都市部の高齢化対策に関する検討報告書についてでございますけれども、この報告書を読ませていただいて、残念ながらほとんど老健施設だとか介護療養型についての言及がありませんでした。例えば6ページの下段に支える地域完結型の医療だとか、医療と介護の両方のニーズを持つ高齢者、生活の場での医療という言葉が並んでおります。

 一方で、都市部には回復期、慢性期の受け皿が少ない状況にあるとも指摘されておりますし、私も神奈川県におりますけれども、そのことを非常に実感しております。そういう意味で改めて老健施設とか医療機能について、検討を重ねていただきたいとお願いしたいと思います。

 また、団塊の世代の高い就労意欲だとか、高い社会活動への参加意欲が指摘されております。そのとおりだと思いますし、47回のこの部会で示されたようなICFに基づいて、高齢者も社会参加あるいは介護予防という視点に立った地域のリハビリテーションというものに力を注いでいきたいと思いますし、そういった情報のICT化についても御検討いただくようにお願いをしたいと思います。

 資料をきょう提出させていただきましたので、簡単にします。住所地特例については、その基本的な方向性については理解をいたします。ただ、多様な住まいあるいは住まい方の実現によって、その地域全体のケアマネジメントが今後ますます重要になってくるだろうと思います。地域ケア会議というものが想定されておりますけれども、その充実のためにケア情報の見える化という環境整備が本当に必要だと思います。この視点からの検討についてもお願いしたいと考えております。365日、24時間介護スタッフが常駐する施設機能というのは、もっともっと地域において有用な資源として活用していただければと思っております。

 私の発言は以上です。資料の採用ありがとうございました。

○山崎部会長 次に、結城委員、お願いします。

○結城委員 ペーパーを用意しましたので、それに沿って私見と質問を述べさせていただきたいと思います。

 本日、都市部の高齢化対策について私が思うところは、報告書にもありましたように、今後急増する高齢者にあって、低所得者層の介護支援をどう考えるかというところだと思います。

 現在、私は23区の現状を中心に述べるとすれば、やはり1日でもどこか受け入れなければならない施設を探す地域包括の職員や、ケアマネさんが電話を朝からかけて、夕方まで頑張って探すという状況は日々続いていると思います。そのようなとにかくどこかに預かるというところのケースと、きちんとした地域で住みなれた議論、両方緊急性を分けて議論したほうがいいと思います。23区において、ショートステイをとるのに1カ月から2カ月ぐらいかかるという現状も無視できないと思います。

 例えば低所得者層に対して若干でありますけれども、これからも特養をふやしていくようですので、生活保護の方が入れる施設はどうなのかという議論があると、やはりやむを得なくプライバシーを配慮しながら多床室の増設も実施すべきと考えます。また、土地代が高いということで報告書にもありましたように、都府県外での特養の施設もやむを得ないのかと私は考えます。

 都市部で一番私が心配しているのは、悪徳的な要素がある貧困ビジネスや法的なグレービジネスというものが、都市部の低所得高齢者をターゲットとしたビジネスがやはりあると思うので、その辺のところを分析しないと本格的な都市部の高齢化対策には着手できないと考えます。

 2つ目、その他の事項において今回、論点にある住所地特例についてはおおむね私も賛同できますし、地域密着型、地域支援事業の利用においても論点にありますように賛同できます。ただし、これはサ高住において住所地特例を使うということはもろ刃の剣だと思います。前回申し上げたように、供給が過度な需要を生むといった要素を忘れてはいけないと思います。もし郊外のサ高住がお客さんがいなければ、積極的にセールスマン的に行く可能性があります。善良なサ高住ではいいのですけれども、商売的なサ高住が出れば住所地特例を使って過度な需要を生むという要素が私は非常に心配をしていますので、そこは何らかの対策や規制を設けないと、無駄な保険給付がふえてしまうというところで、これは非常にもろ刃の剣だと思っていますので、賛成はしますけれども、よく検討すべきだと思います。

 2番目の介護納付金の総報酬割は、論点にある程度の提案でよろしいかと思います。先ほど事務局からもありましたように、4065歳の方は間接的に親の介護でという恩恵を受けている理由です。

 3番目の論点にあった情報公表制度ですけれども、例えばこれは法定外の宿泊サービスの情報公表というのは非常に積極的にやっていくべきだと思います。この具体的内容は例えば夜間職員の有資格者の有無や1泊の料金体系。もろもろ防火対策とか就寝時の、法定外であってもこの辺の情報公表をすることによって、法定外サービスが担保できるのではないかと私は考えております。

 質問でございますが、特養のユニット型個室に入所できるというシステムにはなっていますが、どのぐらいの人がユニット型個室の生活保護の方がいるのかを教えていただきたいと思います。

 2つ目は、サ高住の住所地特例に関して、介護給付に関しては旧住所地ですけれども、市町村単独サービス、例えば理美容とかおむつ代の助成など市町村によってあると思うのですが、こういうものは新住所のサービスを使うという理解でいいのか。また、数は少ないと思うのですけれども、福祉事務所を移管した場合は生活保護に関してはサ高住の住所地でいいのか。これは私の確認です。

 以上でございます。

○山崎部会長 ありがとうございました。

 それでは、ここで事務局からまとめてお答えをお願いします。

○高橋高齢者支援課長 私からは、まず井上委員の御質問についてお答えをさせていただきたいと思います。

 1点目としまして、サ高住に住所地特例を今回適用したいということの関係で、利用者が判断できるわかりやすい情報公表、サ高住についてもしっかりと位置づけていくことが必要ではないかという御指摘をいただきました。

 9月18日、48回の部会でも問題提起をさせていただきましたけれども、サ高住についてはいろいろなタイプの住宅が供されてきているということで、それぞれのライフスタイルに合った住宅が得られ得るということの反面、どうやって選んだらいいのかということについて、しっかりと情報開示していくことが必要であると私どもも考えているところでございます。

 現在、サ高住については登録事項については公示をしなければならないということで、開示というか公示の義務がかかっておりまして、そのサ高住の住宅の中で提供している介護サービス情報などについては、別途民間の団体がやっております情報提供システムの中で、登録事項については一覧で全体が見られるようにはなっておるのですけれども、外付けの福祉サービスを利用するという部分がサ高住の性格でもありますので、そうしたきめ細かな情報提供をどのようにやっていくことができるか。こうしたことについて私どもは検討していきたいと考えておりますし、御提案のように介護サービス情報の中で公表していくことも1つのやり方かと思いますので、検討を深めてまいりたいと考えております。

 有料老人ホームの入居者の要介護度の11ページのデータについてですけれども、これは介護付きと住宅型を合算したデータになっております。定員数で見て介護付きが約7割弱でございますので、介護付きの傾向に引っ張られている面がありますが、この資料自体は全体のものでございます。介護付きと住宅型、それぞれの内訳もございますので、また、後ほどでもお示しをしたいと思いますし、また、今後資料を作成するに当たっては、またそうしたことについても御指摘を踏まえて配慮していきたいと考えております。

 勝田委員からいただいた御質問の質問1でございます。サ高住についてのサービスの考え方について、介護保険制度との関係の中での説明をということでございました。サ高住につきましては高齢者の居住の安定確保に関する法律という法律の中に規定がございまして、サービス付き高齢者向け住宅事業というものについて定義されています。この中では状況把握サービス、生活相談サービス、その他の高齢者が日常生活を営むために必要な福祉サービスを提供する事業ということになっておりますので、介護とか食事とか家事とか健康維持増進とか、そうしたサービスも概念としては含み得るものになっておりますが、サ高住の必須のサービスとしては状況把握サービスと生活相談サービスのみとなっておりますので、この状況把握と生活相談のサービスを備えていれば、もちろんバリアフリーとかいろいろな設備の要件はございますが、サ高住の登録が受けられることになってございます。

 ですので、介護保険制度との関係ということでございますけれども、例えば必須サービスだけのサ高住で考えますと、これは保険制度の外のサービスとなりますので、例えば訪問介護を受けるとか、デイサービスを利用することになりますと、これはサ高住の外の外部の福祉サービスを利用する。介護保険を使って利用するというようなものが基本的なスタイルとなろうかと思います。

 ただ、サ高住の中でも現在5%ほどですので少数ではありますけれども、特定施設の指定をとっておるものがございます。こうしたものについては特定施設入居者生活介護の介護付き有料老人ホームと同じような介護等のサービスを受けることができるということになっているということでございます。

 御質問の2番目でございます。施設サービスの48回の資料の中でという部分でございますが、確かに事前に委員の皆様にお配りをした資料で、48回の部会のときの資料2の表題を「施設サービスについて」という書き方をしておりまして、この中で特養の問題とかサ高住とか、いろんな問題を一緒に入れておりましたので、当日お配りした資料では「施設サービス等について」ということで、非常に細かくて恐縮でございますけれども、全体を含み得る表現で出させていただきました。私どもの表現が不正確で誤解を招いた点についてはお詫びを申し上げたいと思います。

 その上で、施設とか住宅とか住まいとか、いろいろなものが出てくるけれども、その位置づけというか、どういうふうに考えるのかという御質問でございます。これは大変難しい概念の整理の問題になってまいりますが、例えば広辞苑なんかを引きますと、施設というのはある目的のために建物などの設備をすることというような解説がされておりまして、目的性がある括りのものを施設というというのが一般的な用例なのかと思います。

 その上で介護保険の世界の中では、御指摘のように介護保険施設としては特養、老健、介護療養型医療施設の3施設ということの規定がございますし、また、老人福祉法の中では養護老人ホームや軽費老人ホームなどについても施設という言葉を使っておりますし、また、有料老人ホームについても介護等を供与する施設だということで、法文上、施設という言葉を使っておったりするということがございます。

 一方でサ高住については、サービス付き高齢者向け住宅ということで住宅という言葉を使っておりますけれども、これも細かく定義、規定を見ていきますと、賃貸住宅または有料老人ホームという表現で規定していますので、施設といっている有料老人ホームを一部引いている規定にもなっているということでございます。

 ここは介護保険との関係ということで言いますと、介護保険法の中では施設サービスとか居宅サービスとか、そういう概念でサービス類型を括っておりまして、例えば施設サービスとしては特養などの介護福祉施設サービスとか、老健施設等のサービスとか、そうしたものを規定しておりますし、また、介護付き有料老人ホーム等の特定施設は居宅サービスという言葉を使っておりますので、そうした法律やそれぞれの制度の中で使い分けをしながら規定をされている状況でございます。

 3点目に、結城委員から御質問をいただきました点でございますけれども、御質問1の特養のユニット型個室に入所している生活保護受給者がどのぐらいの数いるのかということでございます。時点の関係があるので2つのデータを御紹介させていただきたいと思います。

 1つは、23年7月31日時点でとっております被保護者全国一斉調査というものの平成23年版でございます。これは社会・援護局で調査をしているものでございますけれども、この中では特養の介護扶助受給者数が全体で1万9,275人いらっしゃる中で、ユニット型については70人というデータになってございます。ただし、留意して見ていただきたいのは、社会福祉法人による利用者負担軽減制度、いわゆる社福軽減制度で個室の居住費を対象にしたのが23年度からになっておりますので、23年4月から始まった社福軽減の利用制度を使った方が、4カ月後である7月末の時点で70人ぐらいという数字ではないかと考えております。

 一方で私どものほうで介護保険のデータで見ますと、残念ながら特養だけという切り出しができなくて、特養と老健とショートステイが入ったデータになるのですけれども、社福軽減制度利用者のうちの生活保護受給者のデータとして、24年度見込みで2,528人というデータもございます。老健は大部分が医療法人が運営されていると思いますので、その2,500人の方も、かなりの部分が特養の個室を利用されている方ではないかというデータになっております。

 以上でございます。

○朝川振興課長 振興課長です。

 まず井上委員からいただいております2番○3のところ、情報公表制度について御意見、御質問をいただいておりますけれども、資料2の36ページ目をごらんいただきますと、この情報公表システムは実は前回制度改正に伴って制度見直しがあって、それに伴ってシステム自体の刷新をしてございます。昨年秋から新しいシステムが動いているわけですが、この36ページ目の1番の太線枠を見ていただきますと、前のシステムと新しいシステムでアクセス数を比較したものがございます。件数自体は新しいシステムはアクセス数がふえているということで、中身も見やすくするとか、いろいろ改善をしてきていますので、一定程度の効果は出てきているということでございます。これは現状の報告をこの際させていただくということですが、しかしながら、引き続きこのアクセスがしやすくなるような改善はしていく必要があると思っています。

 具体的に御提案いただいている中で、介護従事者の定着度あるいは管理者の資格の話につきましては、これは私どもが提供している資料が粗くてよくわかりづらいので恐縮なのですが、実際には従事者の経験年数について職種別に報告させて、都道府県、このシステムで公表するということは今でも既にその部分はされています。あと、管理者につきましても有している視覚の状況については公表するという仕組みになっておりますので、一定程度は既に反映できております。ただ、いずれにしてもサービスの質の判断がよりしやすくなるような取り組みは、引き続き努力をしていきたいと思っています。

 勝田委員の質問3についてでございます。これも仕組みが複雑なのでわかりづらいかと思いますが、まず現行制度でサ付き住宅に入ったときにどういう在宅サービスの利用形態になっているかといえば、それは住所地が移転し、保険者がサ付き住宅がある市町村になりますので、基本的には市町村の普通の在宅に暮らされている方と同じような在宅サービスを利用しているということです。これは地域密着型も含めてそういう形態です。それを今回もし制度見直しで住所地特例を適用しますと、保険者がもとの市町村に移ってしまうので、そこで地域密着型のサービスが利用、事実上できなくなるという支障が生じるので、それを住所地が指定している地域密着型サービスを利用できるようにしましょうという提案を今回させていただきますので、基本的には住所地の在宅のサービスを利用できる環境をつくるという御提案をさせていただいてございます。

 勝田委員の質問5です。情報公表制度について御意見と御質問をいただいておりますが、実はこの情報公表システムは、直接の目的は確かに利用者あるいは家族の方にサービスの選択に資する情報を提供するということですが、実際の利用の状況は、御本人とか家族が利用されている割合はたしか3分の1ぐらいだったと思います。それ以外はケアマネージャーさんであるとか、地域包括支援センターであるとか、いろんなサービスの事業者さんがこの制度を利用していらっしゃる状況です。したがいまして、この情報公表制度の使い方としては、ケアマネージャーさんとか地域包括支援センターでこの情報を活用したものを、今度は紙で、あるいは口頭で利用者さん、家族さんに説明をする。そういう使い方もできますので、ぜひそういう使い方も含めて利用が進んでいくことを考えていきたいと思っています。

 軽費につきましては、これも前回制度改正が行われましたので、総額としては大分縮減されてきております。ただし、前回の制度は基本的には事業者さんから手数料を払っていただいて、それを財源にこの情報公表システムを動かす仕組みになっておりましたが、精度の見直し後は基本的には公費を主体に事業費を賄う。手数料は取っても構いませんという仕組みに大きく変わっています。現行制度で公費がどれぐらい入っているかといいますと、まず国費で見ますとシステム全体を国が一括して運用、保守、改修という感じで今、新しいシステムを動かしております。その分が大体年間1億円程度という状況です。

 それ以外に都道府県がいろんな事業者さんから情報を報告していただいたものを公表する事務が発生したりしますので、都道府県においても一定程度の事務量あるいは経費が発生しております。これについても新しいシステムでは国が都道府県に対して補助をするという仕組みになっておりまして、全ての都道府県の状況が把握できておりませんが、把握できている限りにおいて平均値で見ますと、大体1都道府県当たり1,000万円弱、900万円ぐらいの事業費がかかっているという報告になっています。その財源は基本的には県費と国費で賄われていて、一部、事業者さんからの手数料で賄われているという状況です。

○榎本介護保険計画課長 介護保険計画課長でございます。

 住所地特例の関係ですが、井上委員から医療費はどうするのか。調整も必要という御意見を頂戴しております。御承知の方もおられると思いますが、医療の方でも国民健康保険あるいは高齢者医療制度など、住所地特例の仕組みが既に設けられているところがあります。介護保険で今回こういった形で検討を進めておりますが、こういった検討を踏まえて医療の方でも今後、検討がなされるのではないかということで考えているものです。

 住所地特例の関係で申し上げますと、次に結城委員から市町村の単独サービス、理美容といったものについて新住所地でそれが提供されるということでよいのかというお尋ねがありました。この点については先生おっしゃるとおり、新住所地の市町村からそういったサービスの提供を受けることは可能だと考えております。

 生活保護の取り扱いについては、時間をいただいて確認をさせていただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。

 総報酬制の関係で、勝田委員から26ページについて御質問を頂戴しております。若干現行、総報酬割3分の1導入、全面導入で、これは横にそれぞれの数字を足していきますと、勝田委員の御指摘のとおり若干の差がございますが、これは計算上の端数の関係で合計額に若干の差が出ているということで御理解を賜ればありがたいと思っております。

 こういった総報酬制を導入することのメリットはどこにあるのかというお尋ねでしたけれども、2号被保険者の加入している制度としてここにお示ししておりますが、協会けんぽ、健保組合、共済とありますが、それぞれに加入しておられる方の負担能力に非常に差が拡大してきているのではないかということで、仮に総報酬制を導入いたしますと、例えば協会けんぽについて見ていただきますと、現行では7,316億円ということで頭割りで御負担をいただくことになるわけなのですけれども、総報酬割を仮に全面導入いたしますと、5,694億円で済むということで、負担能力の格差の軽減が図られるのではないか。その分、誰かが負担しなければいけないということで、その分を健保組合と共済で負担をいただくということで、それぞれの負担が上がるという形になるということです。

 これを1人当たりの負担額で見てみたのが25ページの比較表で、健保組合、現行ですと第2号被保険者は月額で4,463円というものがございますが、これが5,058円になる。一方で協会けんぽについて3,731円となっているものが3,459円になるということで、負担の軽減が図られる形になるのではないかということです。メリットとしてはそういったところを総報酬割のメリットということで、御提案申し上げているということです。

 以上でございます。

○山崎部会長 それでは、各委員から。齊藤委員、どうぞ。

○齊藤(秀)委員 ありがとうございます。3点、意見を申し上げたいと思います。

 まず住所地特例でございます。事務局から説明がありましたように、サ高住を対象にすること、また、地域密着型サービスや地域支援事業を利用される方に限って使えるようにすることについては賛同いたします。ただし、新たなこういうことをしますとどうしても保険者間で費用調整をするという説明でありましたけれども、これがあまり複雑化しないようにという配慮は当然、事務局としてもお考えだと思いますが、ぜひそこは利用する側にも影響することだろうと思いますので、簡便な方法をお考えいただければありがたいなと思います。

 次に、総報酬割でございます。資料17ページにこれまでの意見を全体整理していただきました。私の印象でありますけれども、ほぼ賛否の意見が出尽くした感があるのではないかと感じております。私としては17ページの資料の積極論という考え方を支持させていただきたいと思っております。

 3つ目でありますが、情報公表のことでございます。介護サービスでありますとか質の問題、さらに新しい地域支援事業等々の情報を提供していただくことは、利用者のみならず、介護保険にかかわる方々全体にとって意味のあることだろうと思ってございます。いわゆる情報の見える化でありますとか、さらに今回、見やすさを工夫されるということも一定の前進でありますし、それがアクセス数にも影響していることは評価したいと思います。

 ただし、事務局の説明にありましたように、まだまだ言わば十分に利活用が進んでいないということは大いに反省すべきことでありますけれども、この情報がふえればふえるほど、実は活用する側にとってみれば、そこにアクセスして届くまでに、行き着くまでに大変時間を要して、私も実際に自分の住所地で検索してみますと、なかなか欲しい情報に届かない。これは慣れの問題もあろうかと思いますけれども、そういう問題を逆に抱えてしまうことになってしまいます。

 そうしますと、この介護保険の制度は大変理解をするのが難しいものですから、アクセスする人によってはなかなか届きにくいといいますか、欲しい情報があっても先ほど御質問がありましたように、それが入っているのかどうかも含めてわかりにくいという点があるのではないかと思います。

 したがって、情報はたくさん欲しいという一方で、今のような問題はどう解決するかというのは、見える工夫だけではやはり限界があるのではないか。そういう意味では認知度が低いと言われております地域包括支援センターにも例えば端末を置くなどして、そこに人が介在をする。しかし、この人というものをどう考えるかということは今後の検討でありますけれども、できればボランティア的な人を養成していただいて、このボックスの中に何が入っているのかといったことが電話等々でやりとりしながら、アクセスのサポートをしていただくような仕組みを考えていかないと、宝の持ち腐れになってしまうのではないかということを懸念いたしております。

 私はそういうことを通じて、これから地域支援事業を地域の中でいろんな方が、多様な方々が参入して広げていくというときの底上げの一環として、今のような情報の利用というものも関連して進めていけるものではないかと思います。ぜひその辺から具体的にいろんな人がかかわっていける、特に私は専門的な方よりは、一般的な知識レベルの方々にボランティアとしてかかわっていただくことが、利用者サイドの視点に立つという意味では極めて有効性があるものではないかと思いますので、ぜひ今後の検討の素材にしていただければありがたいと思います。

 以上です。

○山崎部会長 菊池参考人、どうぞ。

○菊池参考人 最初の都市部の高齢化対策に関する検討会報告書について意見を申し上げます。

 報告書の9ページに訪問看護の推進として、訪問看護従事者の確保策に取り組む必要性が指摘されております。検討会報告書の具体案も含めまして、総合的にぜひ国の施策として取り組んでいただきたいと思います。

 また、10ページでは訪問看護の提供主体の多様性を図ると同時に、効果的、効率的にサービスを供給することが提案されております。これと関連しまして、特に日本の都市部では多様な提供主体がどういうふうに役割分担し、地域を面的にカバーして効率的なサービスを提供するかということが、これからの課題だと思います。

 各地の訪問看護ステーションからお話を伺いますと、地域にステーションの数はそこそこあるのだけれども、それぞれのステーションが少ない訪問看護師数でかなり広いエリアをカバーして訪問しているために、訪問の効率性がよくないというところがあります。実際に訪問している利用者さんの家にもっと近い別のステーションがあるのですけれども、そのステーションの設置主体やケアマネージャーが違うと、なかなか訪問エリアの調整が難しいということで、移動に時間がかかって非効率になっているというケースもございます。

 今後はたとえ設置主体や規模が異なっていましても、事業者間で連携協力し、限られたマンパワーで地域全体をカバーしていくという視点も重要になると思いますので、報告書9ページの1行目にもありますように、事業者間の業務提携、複数の法人間の連携などを容易にするための制度的な枠組みにつきましても、ぜひ検討を始めていただきたいと思います。

 以上です。

○山崎部会長 鷲見委員、どうぞ。

○鷲見委員 住所地特例についてでございます。住所地特例につきましては都市部の住まいの問題を周辺地域へ広げているという感があります。必要なことだと思いますが、地域密着型の位置づけの検討を踏まえますと、運営推進会議等いわゆる第三者が関与するなど機能強化が必要だと思います。

 また、サービス付き高齢者向け住宅入居に当たりましては、特に認知症のある方は安全見守り機能を求めて入居するケースも見られます。このような方々は環境の変化に合わせられずにダメージを受けてしまうケースが現在見られていること。また、契約時と転居して実際にかかる費用の差に支払いが困難になるなど新たな問題が生じているような場合があること。または行動範囲の制限や外出制限があることなど、現在、トラブルが発生しているところがございますので、サービスの選定や転居する際に十分な検討が必要であると思います。

 また、住居地特例の地域密着型サービスについて1点御質問なのですが、地域密着型の特養についても適用されるのかということを御質問したいと思います。

 介護給付の総報酬割につきましては、そういった選択肢があっていいと思います。

 情報公表制度の直しにつきましては、この制度が情報の公表については基本的な理念としては賛同いたします。しかしながら、情報の質という面ではまだ妥当性に乏しいと言わなくてはならない場面がありまして、特に先ほど齊藤委員などからの御指摘もありましたように、我々自身が活用できていないというには、それなりの理由があります。しかしながら、地域資源を総合的に確認できるのは、在宅サービスの活用の工夫や漠然とした不安の軽減にもつながるという意味では、歓迎する話だと思います。

 提供される情報内容と事業所の負担なしに見直しがされることができれば、我々も利用者がきちんと選択できるように活用していきたいと思います。

 最後に、義務づけ給付の枠づけですが、この委員会でも何度もお話が出ていますが、保険者がしっかりとした機能を果たせるかどうかが一番の問題だと思います。地域格差が出ないことを見通した上で、こういうことを進めていただければと思っています。

○山崎部会長 齊藤正身委員、どうぞ。

○齊藤(正)委員 ありがとうございます。

 私も介護サービス情報の公表について意見を言わせていただこうと思うのですが、皆さん方言われていますように、公表される内容について用語の定義や使い方をもっと丁寧に整理すべきではないかと思っています。

 例えば私の専門分野で言えば、機能訓練とリハビリテーションという言葉を利用者がどう理解されているのかということがとても気になりますし、専門職としても機能訓練って何をやっているのだろうか。リハビリと言うけれども、誰が何をしているのかなど、そういうことまでがなかなか見えてこないので、よくなればどちらでもいいのではないかという乱暴な取り扱いをすることは利用者にとってはよいことではないと思いますので、情報公表するにあたってもサービスがわかりやすくするべきだと思います。わかりやすくするためには齊藤秀樹委員が御発言もされましたが、私も同意見で、地域包括支援センター等にボランティアを導入することは非常に有益だと思っています。

 カナダのウエストバンクーバーにあるシニアアクティビティセンターなどはボランティアだけで成り立っているような施設ですが、そこではどのサービスがどういうものなのかを利用者目線でボランティアの人たちが説明できるような体制がとられている。こういったことがこれからもっと必要だと思います。国や都道府県等でサポートしていただきながら地域包括支援センター等にボランティアの導入あるいは育成ができないだろうかと思っています。

 実際に例えば私は埼玉の川越ですが、川越には年間約600万人の観光客がいらっしゃるのですが、その中心的なガイドはシルバーガイド、ボランティアです。その方々がやりがいのある仕事としてそういうものを見つけている姿を見ると、介護保険のサービス等にもそういうものを導入し、後押しするような仕組みができるといいなと思っています。

 以上です。

○山崎部会長 小林委員、どうぞ。

○小林委員 介護納付金の総報酬割についてですが、医療保険については後期高齢者支援金の全面総報酬割の導入は直ちに実現すべきであり、政府には、先日閣議決定された法制上の措置の骨子のとおり、平成27年通常国会に必要な法案を提出し、実現していだくよう強く要望しております。

 一方、介護納付金についての総報酬割を導入するかどうかについては、介護保険制度の成り立ちなどの点を含めて、制度全体の議論の中で検討すべき問題でありますが、社会保険制度の負担について、公平性を考えれば、所得に応じた負担とするのが基本であると考えます。

 以上です。

○山崎部会長 小島参考人、どうぞ。

○小島参考人 また都道府県の立場から発言させていただきますが、今回も今までの部会もそうだったのですが、これだけ短い期間で発言させていただきますので、全ての都道府県と意見調整できているわけではありませんので、幾つかの都道府県から寄せられている意見を紹介しながら発言したいと思います。

 まず住所地特例についてでございますけれども、現行制度というのは施設サービスと在宅サービスには大きな隔たりがありますので、施設サービスを負担する市町村の財政負担を考えてこの制度があるのだと思います。それをこれまでの時間的な経過の中で拡大をしてきたわけでございますが、市町村にとっては住所地特例を適用することになりますと、当然、住民税は転出先の市町村が課税をする。そういったことから当然、保険料の決定であるとか利用者の利用料の負担段階の決定、こういったものに必要な課税データというものを転出後の市町村から入手をして認定をしなければいけない。そういった事務がかなり煩雑であるということでございますので、やはり住所地特例というのは例外中の例外として扱うべきではないのかなということで、安易に拡大することについては私ども神奈川県としてでも、また、傘下の横浜市も反対だということを表明しておきたいと思っております。

 特に先ほども結城委員がお話されていましたように、有料老人ホームやサ高住についてはまだ空きがあるということで、その空きを埋めるために利用者を獲得するために、紹介料を払ってまで獲得をしている。そんな話もありますので、住所地特例が適用された場合には、かなりそういったものが横行するのではないかと懸念させていただきます。

 また、今のサ高住についても介護付きの場合には適用している。したがって、適用していないのは特定施設の指定をとっていない施設ということになりますので、そういったところを適用してしまいますと、通常の一般の訪問介護であるとか通所介護等々の在宅サービスを利用する者に対して適用することになりますので、かなり煩雑になるのではないか。

 また、先ほど地域支援事業についてもというお話がありましたけれども、何も地域支援事業は今後27年度以降に義務づけられる要支援事業だけではなくて、介護予防教室とか、いろんなものがありまして、これは国保連の請求に回らないものもあるわけでございますので、これを市町村間で財政調整するということは、かなり煩雑な事務を要するのではなかうかと思いますので、このサ高住の現在介護付きでない部分に拡大するということは、慎重に考えていただければありがたいなと思っております。

 さらに申し上げれば、現在、介護保険適用外の施設である救護施設とか障害施設といったところから退所される場合、被保険者としての指定というのがその施設の所在地の市町村が設定することになりまして、例えば救護施設なんかは神奈川県内には横浜市と平塚市と相模原市という3カ所ぐらいしかない。そこの施設があるところが認定することになりますと、むしろそこは負担があるわけでございますので、これは法改正をしていただいて、今回の住所地特例の範疇に入れられるような、むしろそういった部分の見直しをしていただければありがたいのかなと。

 それと、事務局で現在地域密着型サービスについては、サービスが受けられていないというお話がありました。これについては本来は所在市町村が指定した後、利用者がいれば利用する市町村が追加指定するというようなことで対応してきたと思いますので、受けられないという話は私ども神奈川県内ではそういったことで苦情があるといったことは聞いたことございませんので、それは何かの勘違いではないかという認識の違いではないかと考えてございます。

 次に、情報公表サービスについて申し上げたいと思います。情報公表サービスは24年度に改正があったということですが、その前も事業者の負担軽減を図るために調査の義務化を外したり、手数料の徴収をしないといった見直しがされたわけでございますが、そうした中でやはり本来の目的というのは、利用者のサービスの選択に資するための情報の公表であったと思うのです。

 今回いろんな意味で情報公表制度を活用して、例えば従業者情報であるとか、そういったものを新たに加えていくということは、1つの面では事業者の規制を強化するという面なのかなと思いますので、こういった部分はサービス利用者の選択に資するものとは目的が違うのかなと思いますので、何も反対しているわけではなくて、そういったものをやる場合には現在の情報公表制度とは違う目的、利用ということで位置づけていただいて、当然そういった部分の財源措置ということはお願いしたい。先ほど勝田委員から経費負担はどうなっているのというお話がありましたけれども、現在、手数料は徴収しないという中で、私ども初め十数都道府県がいまだに自治法に基づく手数料だと言って事業者の方から手数料をいただいております。ただ、そのためには国がつくった情報システムだけでは足りない部分を補完するということで、生活支援サービスであるとか、今回お話が出ている地域包括支援センターの情報についても、あわせて今、神奈川県では都道府県が公表を担ってございます。

 当然、先ほど結城委員からも出ました理美容サービスなどのインフォーマルサービスなども提供していきたいと思っておりまして、今、そういったサイトも拡充してございますし、あえて言うならばサ高住についてもサ高住が利用できるサービスというのが周辺にどういうものがあるのか。こういったものも提供していくのが利用者の情報サービスというか、そこの施設に入るかどうかの選択に資するような内容になるのではないかと思っていますので、この制度そのものは利活用の拡充を含めてさらに推進していくべきものなのかなと思っておりますので、今回の見直しの方向性は可といたしまして、財源負担であるとか、または国のほうのシステムの拡充については、十分に配慮をしていただければありがたいなと思っております。

 以上でございます。

○山崎部会長 では、ここでまとめて事務局からお願いします。

○榎本介護保険計画課長 介護保険計画課長でございます。

 先ほど鷲見委員から住所地特例に関して、地域密着特養に適用があるのかという御質問がございましたが、12ページの図に書いてございますけれども、基本的に今、想定しておりますのは、有料老人ホームあるいはサ付き住宅に入居されて住所地特例の適用になった方が、お住まいのB市において地域密着型のサービスを施設に入りながら利用することを想定しておりますので、そういう意味でここでは対象となる地域密着型サービスを括弧書きで書いておりますけれども、言わば在宅型のサービスとして利用されるものをここでは想定して考えているものです。

 小島参考人から住所地特例について保険者の実務上のいろいろな手間、負担というのがあるのではないかということで御指摘をいただいているところですが、基本的にまず住所地特例の対象になりますと、在宅サービス、施設サービスもそうなのですけれども、この方が住所地特例の対象になることが市町村間の連絡によって把握できることになりますし、それを実際には保険請求に当たって、国保連を通して請求することになりますが、その部分についてはもともとの転居前の住所地に必要な請求が回るという形になってまいりますので、これは施設でも在宅でもそういう意味では同じような取り扱いになってくるのではないかと考えております。

 新たに今回、介護予防と地域支援事業の見直しが大きな改革の1つの柱になっておるところですけれども、そういった中であわせて必要な費用の請求のシステムを、国保連でできるようなものを考えていきたいと考えておりまして、そういう意味で市町村間で直接やりとりをするというイメージでは決してなくて、システムの中でこういったものをちゃんと国連の仕組みを通じて、簡素に調整できるような仕組みを作っていきたいと考えておりますので、そういう意味で市町村の事務方の大きな負担になるという話では必ずしもないのではないかと考えております。

 先ほど地域密着について利用を受けられないと端折って申し上げた点について、確かにその点については不正確な面がありまして、必要があればA町でB市の地域密着のサービスの事業所を指定していただければ、利用することができるということはありますが、遠方の自治体の場合など課題がありますので、今回改めて一々転居前の自治体が指定することなく、利用できるようにしていくような仕組みを考えていったらどうだろうかということで御提案申し上げております。

 住所地特例の適用の関係については、これまで私どものほうにも多くの県、市長会、きょうは御欠席でございますけれども、からも団体としての御要望もいただいておるところですので、そういった御意見を踏まえてこういった御提案をさせていただいていることを御理解いただければと思います。

 以上でございます。

○朝川振興課長 振興課長です。

 お二方の齊藤委員から情報公表について御提案をいただいております。私どもも情報公表システムは先ほども少し申し上げました御本人、家族の利用も当然想定していますが、ケアマネージャーさんとか地域包括支援センターを介して、その人を介して御本人、家族にお伝えをする。そういう使い方も十分想定しておりますので、御提案はボランティアの活用なんかも含めてということでございましたので、参考にさせていただきながら検討させていただきたいと思います。

 小島参考人からも情報公表システムについて、見直しについて検討していくときには幾つか御提案をいただきましたので、よく都道府県、市町村とも御相談をさせていただきながら、よりよいものをつくっていきたいと思います。

○山崎部会長 それでは、山本委員。

○山本委員 まず住所地特例の関係につきましては、利用者の立場に立って利便性を増すという点で、例えば地域密着型がその地域で利用できるようになる、その地域の地域支援事業が利用できるようになるということは大いに進めていただきたいと思っております。しかしながら、先ほど小島参考人からもありましたとおり、そもそもの制度のことを考えると慎重にという意見には私も賛同します。したがいまして、12ページの点線の国保連を介してA町にという部分は全てなのかどうか。ここらあたりを慎重に取り扱っていく必要があるのではないかと思ったところであります。そもそも論をよくよく考えてということでございます。

 介護納付金の総報酬割についても、、この介護保険制度ができた折に社会保険方式でこの制度を運営していくというそもそも論を考えたときには、この2号被保険者の負担を増すような制度の改定をするのであれば、給付の面についても双務契約から当然給付も見直されるべきだと考えます。それが社会保険方式の理屈だったわけで、その関係から特定疾病等が考えられたというそもそも論があります。負担増を第二号被保険者に求めるのであれば、そもそも論に立ち返って給付も今のままでいいのかといった議論もあわせて行われるべきだと考えます。結果、そのままということがあり得るとしても、特定疾病等の給付面も考えるべきだと思います。

 サービスの情報公表制度につきましては、齊藤委員からありましたように人を介してというのは大賛成であります。大分使いやすくなっていると私も考えますので、地域包括支援センターでのボランティアの活動等によって、血の通ったサービスを提供できれば、恐らく利用者にとって非常に温かいものになるのではないかと思います。

 大都市圏の関係ですが、大都市圏につきましては我々民間事業者が例えば23区内で何か施設を展開しようとすると、どうしても土地の値段が高くて、例えば10年、15年で資金回収ができないということで、事業化が非常に厳しい面があります。そういうことからしますと、その土地あるいは家屋の流動性を高めるようないろんな措置を講じていただきたいと思います。

 例えば特養。全国的に見れば公設民営で民間事業者が指定管理者として運営している例もあります。都市部の急激な高齢化に対する施設の供給という意味では、行政からも積極的な公設民営施策の推進、公設民営・指定管理者制度による民間事業者の活用等も積極的に導入していっていただきたいと思います。

 そういう意味で、そういったいろんな知恵を活用しながら急激な高齢化に対処するような政策をぜひ期待したい。

 大体以上です。

○山本委員 桝田委員、どうぞ。

○桝田委員 まず1つは、都市部の特別養護老人ホームについて遠隔地につくるという伊豆のケースが例外ケースに該当するような形で、基本的にはその地域内で施設整備を行うという形を進めるというのが大前提で、あくまで例外という形になっている。それはそれで確かに地域包括ケアの概念から言ったら正しいことなのですけれども、一方、サービス付き高齢者向け住宅のほうは今回のいわゆる住所地特例を認めていくと、ある程度の収入のある方は選択肢がどっと広がっていくし、少し地域を離れてもいいですよという方は、そこのサービス付き高齢者住宅が選択できる。一方、所得の少ない方はサービス付き高齢者向け住宅には入所が不可能になってくる。やはり特別養護老人ホームでないとだめですよと。しかもユニット型の費用まで出せませんよという方が大部分を占めてくると思うのです。

 これから大都市の真ん中のほうで整備される特別養護老人ホームというのは、ユニット型にならざるを得ない。というのは、やはり今、大都市で、東京都内で特養経営されている方、赤字の施設がかなり多いのです。それは人件費の問題で赤字にならざるを得ない環境がある。人が集まらない問題もある。そうすると、多床室の特養を今つくることは、その分の建物にかかる費用を介護報酬からは捻出できませんので、とてつもなく不可能に近い。

 そうすると今、東京都内を含めた大都市部では特別養護老人ホームもユニット型の、いわゆる所得のある方しか使えない。サービス付き高齢者住宅も同じように所得のある人しか使えない。そうすると低所得者層が使える施設が全くなくなってきて、それこそ貧困ビジネスのオンパレードになってしまう恐れがある。そこはやはり特別養護老人ホームのつくる部分というのはもう少し考えないと、低所得者のための施設が全くなくなってしまうという、その部分の検討が要るのではないか。今回の2つの事例から言うと、そういうふうな恐れが考えられます。

○山本委員 布施委員、どうぞ。

○布施委員 ありがとうございます。

 介護納付金の総報酬割について意見を申し上げます。

 健保連は、以前から介護納付金の総報酬割につきましては反対をしているわけでございます。その理由を申しますと、総報酬割導入によって協会けんぽに対する国庫補助が約1,200億円あると思いますけれども、これが削減されて、その分、健保組合等の負担がふえるわけでございます。

 これまでの議論を見てまいりますと、削減される国庫財源を他の施策、例えば前回ですと介護従事者の処遇改善などに転用することが前提とされてきましたけれども、それは実質的に見れば国の責任を健保組合等に転嫁する肩代わりの構図になると言えるかと思います。

 また、介護保険法は直接、給付を受けることがない第2号被保険者にも保険料負担を求めているわけでございます。資料にもありますとおり、制定当時の国会審議では親の世代が介護サービスを受給する可能性を考えて、世代間扶養の意味合いをもつ負担であるというふうに説明をされているわけでございます。

 そのうえで、費用負担者の理解を得られる公平な負担方法として、加入者割が選択されたというわけでございます。これを総報酬割に変更するということは、元来の介護保険法の理念を逸脱するものになるのではないかと思われます。

 また、健保組合と協会けんぽの平均年間報酬の差が大きくなっているという資料がございましたけれども、実際の介護保険料率の差でいうと、健保組合の23年度決算、24年度決算見込み、25年度予算早期集計と協会けんぽの23年度から25年度の差は、毎年、縮小していることを伝えておきたいと思います。

 最後にぜひ御理解していただきたいと思いますのは、健保組合は加入者の健康保持増進のために、特定健診、特定保健指導をはじめとする保健事業に積極的に取り組んでいるところでございます。それが国民全体の健康寿命の延伸にもつながると考えております。こうした取り組みをデータに基づいて、さらに強化していこうという計画が安倍政権の成長戦略にも盛り込まれているわけでございます。健康寿命の延伸にもつながる活動は介護予防にもつながりますので、健保組合の保険者機能は介護保険制度においても評価されるべきと考えております。

 健保組合は相対的に報酬水準が高いから、たくさん負担させればよいという議論になりがちですけれども、介護予防にもつながる保険者機能を十分に発揮していることをぜひとも理解していただきたいと思います。

 以上でございます。

○山崎部会長 土居委員、どうぞ。

○土居委員 私は住所地特例と介護納付金の総報酬割に関して意見を述べたいと思います。

 資料1−1の3ページ目にも記されておりますように、住所地特例の適用を拡大するということは賛成ですが、その上で考慮すべきと思われますのは、3ページ目の広域型施設の整備数の圏域間調整と言っているところの部分は極めて重要なところだと思います。特に都道府県をまたいでこういう住所地特例ないしは本人の移動が行われるという場合には、きちんと各県において介護保険事業支援計画で施設の調整を済ませた上で行わなければいけないと思います。そうしないとここの報告書でも懸念が呈されておりますように、不特定多数の都市部からの入所を期待して、特養等を整備するというようなことが起こって、後々の禍根になると思います。こういうようなところには配慮が必要だと私は思います。

 介護納付金の総報酬割ですけれども、私もかねてからこの導入には賛成をしておりますが、やはり第2号被保険者の保険料が過度に引き上がらないようにするためには、前回の議論でもありましたけれども、一定所得以上の高齢者に対する利用者負担を2割に引き上げるということだとか、補足給付についても資産を勘案するという形で、できるだけ保険料が引き上がらないような対応もセットで行うべきだと思います。

 以上です。

○山崎部会長 高杉委員、どうぞ。

○高杉委員 総報酬割はいろいろと御意見がございますけれども、これを視野に入れることは基本的に賛成いたします。ただし、社会保険料が25ページにあるように、各保険組合で差があります。これを是正しない限り、こちらの論議も入れないのではないか。もう少し負担を、2号保険者も能力に応じて負担することは賛成ですけれども、その基本的なことが少しずれているのではないかということを指摘させていただきます。

 それから、情報公開制度。これは私は関係部会の委員になっていますので、いかに質を見せるかということが大切で、利用者に見えるようなことにしたいと思いますし、そういう意見を言っております。

 介護保険がスタートしたときに、すぐのころ、あるいは前のところには第三者評価というものをやっていたのですけれども、今それが全然できていません。逆に言ったらここに自己評価をきちんと入れて、あるいはそれらを見えるようにして、違っていたら変なサービスということの評価も逆になるわけで、かえって制御効果があるのではないか。そういうようなここのページ、30ページには自分たちの持ち味を出してもいいということですから、逆にそれを書けば違うではないかということで悪いサービス提供の制御効果が出てくるのだなと思います。

 それから、都市部の高齢化に対する検討会の報告書に失望しております。というのは、これは利用者とか提供者の視点が全くない。行政の都合だけで書いてあって、杉並プランがいかに出てきたかということを、正当化するようなことで、例えば静岡の伊豆ケースでの緊急時とか救急時とか、そういうときの対応が全然入っていないです。これは都市部の高齢化を考えるときに今、いろんな柏モデルとか、船橋モデルとか、あるいは大田区の蒲田モデルとか、いろんな試みが、チャレンジがされています。医師会も動き出しましたけれども、こういう視点が全く入っていないので、この報告書は本当に高齢者のことを考えているのかなと、ちょっと失望しております。

○山崎部会長 久保田委員、お待たせしました。

○久保田委員 ありがとうございます。

 介護納付金の総報酬割の話は従来から出て、何回も議論していますけれども、論点としてまた出されましたので繰り返しますが、我々としては反対でございます。そもそも今回の介護保険制度改革に向けた議論の中では給付の効率化、重点化に向けた取り組みが不十分だと考えていまして、そういった効率化、重点化に向けた絵姿が示されないまま、野放図に介護給付費と保険料負担が膨らむことについて非常に懸念しております。

 資料2の14ページで示された論点では、ますますその負担が大きくなるというような書き方になっていますけれども、この増加する負担をいかに抑えていくかという議論があってしかるべきではないかと思っております。

 総報酬割の導入は雇用の拡大、賃金上昇の抑制につながり、日本経済全体の成長に対してもブレーキをかけることになるのではないかと思っております。

 以上です。

○山崎部会長 それでは、ここで事務局からお願いいたします。

○高橋高齢者支援課長 高齢者支援課長でございます。

 山本委員、桝田委員から都市部における特養等の整備の問題、また、サ高住との関係などの御指摘をいただきました。土地家屋の流動性といったお話もございましたけれども、今回の都市部の検討会の報告の中でも、特養の整備も土地についてはもともと賃借型でできるという手法もございますし、また、サテライト型の特養については、建物自体の賃借りも従来より認めているという制度がございますので、そうしたものを積極的に活用していくとか、また、未利用の公有地とか小学校の跡地といったものも有効に活用しながら整備を進めていく必要があるのではないか。そうした報告をいただいたところでございます。

 また、桝田委員御指摘の部分でございます。サ高住とか有料老人ホームもいろいろなタイプのものがあって、賃料などもかなり幅があるわけではございますけれども、ただ、御指摘のようになかなか低所得の方が入りにくいではないかというところについては、検討していかなければいけない課題と考えております。

 住まいの問題については、軽費老人ホームなどの施設もございますし、特養でも御案内のように低所得者の方向けの補足給付ということで負担を軽減することもしておりますし、先ほども御紹介しましたけれども、平成23年度からは個室の居住費についても社福軽減の対象とするという取り組みもしてきているところでございまして、また、48回の部会でも御紹介しましたような、概算要求で低所得高齢者向けの住まいについても新しい事業を考えられないか。そうしたことも検討を始めておるところでございますので、いろいろな角度からしっかりと住まいの場が確保できるようなことを検討していきたいと考えております。

 以上でございます。

○吉田企画官 企画官でございます。

 高杉委員から御指摘いただきました都市部の関係でございますが、報告書、資料1−2の20ページ、下から3段落目に書いてありますが、この検討会の中においても静岡県庁に来ていただきまして、今後、特養の設置について具体的な検討を進めていくが、東日本大震災の教訓を踏まえて地震、津波等の緊急時の対応をしっかり万全を期すことが必要だという議論がありまして、静岡県もしっかりやるというお話がございました。また、当該地域での医療提供体制との整合性も当然考えていかなければいけない部分がございまして、地元の医師会とも調整を始めていると承知しております。

 もちろん、入居する本人の方々の意思の尊重というものが大前提でございまして、高齢者の尊厳を損なうことのないような配慮が必要だと思っております。

 以上でございます。

○山崎部会長 河原委員、どうぞ。

○河原委員 ありがとうございます。

 都市部の高齢化対策に関する検討会報告書について、少し細かいですけれども、資料2の10ページに介護人材確保のことについて記載がございました。この項目の下から6行目のことについてですが、今度、広域、総合的な取り組みを進めていく、あるいはその下に協議会を都道府県が中心となって立ち上げと書いてございますが、これは先般、各都道府県で開催されました地域における介護労働懇談会のことを指されているのでしょうか。それとも、また新たに立ち上げるということでしょうか。

 新たに立ち上げるということであれば、あれもこれも、ということになってしまいますので、私は1つにまとめられないのかなと思いました。もし同じということであれば、私どもも幾つかの県に代表の者が参加をさせていただきましたが、よく言えば初回だから、悪く言えば形式的、手探りというような感じの懇談会であったようでございます。しかしながら、この取り組みは地域に視点を当てた、また都市部の人材確保対策にも大変重要な、有意義な懇談会であるとも認識していますので、老健局におかれましては予算の確保と具体的な取り組み方法について詳細な指示と報告、公表が必要だと思います。ぜひ促進させてください。

 それから、介護納付金の総報酬割のことでございますけれども、論点ですが、今回、後期高齢者医療制度の検討を踏まえつつ検討をしていくべきではないかということで、今回結論は先送りという書きぶりで書いてあります。何年も前からこのことをやっているので意外でございました。とするならば、この際、きょうの論点ではなく申しわけないのですけれども、2号被保険者範囲の拡大の可能性についてもあわせて検討することが必要ではないでしょうか。もちろん範囲が広くなれば、2号被保険者の負担は薄くすることも可能ではないかと思いますし、何よりも介護は社会が支える、全ての世代間の公平な負担という視点からは検討の必要性があると思いますけれども、いかがでございましょうか。

 公表制度について、従業者の情報を努力義務といいますか、任意項目といいますか、全国統一の公表としてはどうかという提案でございますけれども、私は事業者あるいは事業所の質の改善につながると捉えておりますので、強く支持をいたします。特に離職率、賃金表、定昇制度あるいは有休給の取得状況、研修の取り組みなど、私たちが今までやってまいりました運動と主張に密接に関連するものでございますし、介護従事者の労働条件の整備の向上の視点からも、私は重要な内容だと思っております。

 情報の公表率が余りよくないということなのですけれども、びっくりました。任意項目でもありますし、努力義務でございますし、事業者のほうもなかなか公表しづらい面もあるかと思いますが、公表率を上げるために例えば介護報酬上で評価をすることはだめなのでしょうか。少しお伺いさせてください。

 宿泊サービスにつきましても、これは結城委員が指摘されておりましたけれども、私どもも今後の拡大の可能性あるいは関心の高さ、サービスの質の確保の観点から、ぜひ必要だと考えております。

○山崎部会長 岡委員、どうぞ。

○岡委員 ありがとうございます。

 介護納付金の総報酬割について、これまでの部会で何度か反対意見を述べさせていただきましたが、本日、改めてその理由について意見したいと思います。

 医療では被用者保険の保険料収入に占める高齢者医療への拠出金が既に5割近い状態となっております。現役世代の負担は既に限界に来ていることが言えるかと思います。このような中で介護納付金という現役世代からの財政負担のあり方を考えるに当たりましては、報酬額に応じた公平性の確保を図る以前に、まずは制度全体の財政負担構造を見直し、現役世代の負担を相対的に減らしていく改革がまずもって必要であります。

 その方法として、例えばこれまで議論されてきた個別の改革項目を通じた介護保険財政の中長期的なバランスがどうなるのかを見据えた上で、国費のさらなる投入あるいは給付費全体に占める第2号被保険者の保険料負担割合の算定に当たりましては、第1号、第2号被保険者の人口比だけではなく、受給者比率も勘案した新たな計算方式を取り入れるなど、いずれにしても介護給付費全体に占める現役世代の負担割合を相対的に減らしていく改革が先決であると考えております。

 とりわけ施設介護から在宅介護への流れの中で、現役世代の負担は財政面以外でも今後増していくことが必至であります。こうした現役世代全体としての財政負担の軽減を前提としない総報酬割につきましては、反対であると意見させていただきます。

 以上です。

○山崎部会長 内田委員、どうぞ。

○内田委員 3点ほど。まず都市部での施設整備のことですが、もう既に御意見が出ておりますけれども、幾ら関係性が深いと言っても遠隔地に特養を建設するということで、そこを利用する場合の利用者の方々にどのような影響が出てくるのかというのは心配な気がいたしますし、距離が遠いということで御家族の面会等が実際、十分にあるのかどうかというようなことも考えますと、できることなら区内なら区内でつくっていっていただくのが一番よろしいのではないかと思います。

 あと、介護サービス情報の公表ですけれども、システムを改良いただいているということではありますが、なかなか私の周りにいる人間に聞くと活用していないという意見も多く、もっと考えていく必要があるのかなと思います。せっかくあるわけですから、今回、人材確保という観点から介護サービスに従事する従業者に関する情報等も載せるといったような御意見ですが、これは別に反対するものではありませんけれども、それが本当に人材確保に有効なのかどうかといったことなど、もう少し検討していただければよいのではないかと思います。

 外泊サービスについても載せるということで、これもいつでしたか。とにかく以前に外泊サービスの質という問題があって、基準づくりとかルールづくりをしてということが出ていると思いますが、それらが十分クリアされてから載せるべきで、よくわからないままやっていますという情報ではとても困るなと思います。

 人材確保の点、先ほど河原委員からもありましたけれども、この報告書の10ページにあります人材確保のいろいろな対策なのですが、ここにあるように子供のころからの教育というのがすごく重要だと思いますので、ぜひともそれは進めていただきたいと思います。それと、協議会を都道府県中心。これが私もどういうものなのか、何を指すのかわからなかったのですが、ことしになって始まった懇談会ですと非常に関係団体が多くて、ほとんど何の話もできなかったということでしたので、するのならもう少し何か別のやり方があってもいいのかなと思います。もちろんいろいろな団体関係者が集まるのは有益だと思いますけれども、やり方は考えないといけないのではないかと思いました。

 以上です。

○山崎部会長 伊藤委員、どうぞ。

○伊藤委員 まず都市部の高齢者対策についてですが、これは確か5月の部会で報告がこの場であったときに、地域包括ケアシステムの構築の方向性との関係において、非常に心配しているという話をしました。その結論としてきょう報告書を拝見すると、心配していたことは大分小さくなってきたかと思います。南伊豆だけの記載で、南伊豆についても入所者本人の意思が大前提という書き方になっていますので、ある程度の抑制が効いたのかなと思いました。

入所者本人の意思が大前提ということは、本当に確実に行っていただきたいですし、逆に言えば意思確認ができない方や、認知症の方、症状が若干でもあるような方を意思確認したとして連れて行くことはあってはならないと思います。また、他の地域で自治体同士の住民や地域のコミュニティ同士のつながりがあるところにあっては可能性があるように書いてありますが、例えば姉妹都市提携のように形式的に判断されることは適当ではないと思いますので、この報告書の内容に沿った形できちんと運用されることを期待しております。

 つながる話でもありますが、サ付き住宅と地域密着型サービス、地域支援事業についての住所地特例の話です。これも地域支援事業では費用、地域密着型サービスを含めればサービスの供給量に関して、地元のサービスを阻害しないような形である前提であれば、その内容は理解できます。

 総報酬割についてですが、これは何回も言っている話ですが、きょう皆さんの意見を聞いて介護サービス事業者は嬉しいかもしれません。一方で経済界や健保組合からは戸惑いもあるし、予防給付を地域支援事業に移す際に、その費用総額が大きく変わるのではないかという意見もあり、そうした立場立場で意見の違うところがあると思います。きょうのこの資料で言いますと、資料2の14ページの一番最後に書いてあるとおり、後期高齢者医療制度における検討を踏まえつつ検討していくべきという考え方でよろしいのではないかと思います。3年後の10月には社会保険の適用拡大が行われますし、こうしたものも含めて今後検討することでよろしいのではと思います。

 情報公表制度について、これも6月に意見書を出しているのですが、働く従業者の処遇に関する情報についての公表を義務づける形でぜひやっていただきたいと思います。当然ですが、介護サービスの領域においては労働集約型で働く人の処遇の状況がサービスに直結していく性格が強いと思いますので、そのサービスを選択するための情報としては不可欠だと考えます。

 6月に意見書を出していますが、職員の保有資格の状況や、介護プロフェッショナル段位制度の取得状況、常勤、非常勤別の職員数や経験年数、平均勤務件数、賃金に関する情報、社会保険適用状況、定昇制度の導入状況は重要です。処遇改善加算の効果の評価で従業者に行う調査があり、定昇制度で反映させているといった報告がすごく多いわけですが、定昇制度というのはとにかく会社の制度ですから、この処遇改善加算があろうとなかろうと行わなければならない制度だということが十分理解されているのかということについて、以前にも指摘したところで、定昇制度の導入の有無も公表情報としては不可欠だと思っております。ぜひここは徹底されるようよろしくお願いいたします。

○山崎部会長 本間委員、どうぞ。

○本間委員 2点あります。

 1つは施設整備あるいは情報の公表という点と関連すると思いますが、まだ恐らく多くの特養では、実際の行動制限が行われています。これは多くの皆さん方も御存じのとおりだろうと思いますし、例えばフロアを限って全体をロックしておく、勝手に出られない、それから、その施設全体も入るときは自由だけれども、出るときは高いところにスイッチがあるのを押さなければいけないとか、あるいはエレベーターは暗証番号で操作しなければいけないなどこれはまさに行動制限なわけで、介護保険法第1条と相いれない状況だろうと思います。まずそういうところをどういうふうに、これから改善していくのかということも論議が必要な点ではないでしょうか。まさに人権が擁護されていない点の1つだろうと思います。

 情報公表制度と言っても自分の施設に都合が悪いことは書きませんから、この項目にも権利擁護の状況というのは入っていたと思いますが、自分の施設では権利擁護はしていませんよとはどこの施設も書かないだろうと思うのです。これはぜひ改善が必要な点だろうと思います。

 もう一つ、特養で例えば契約を更新していくときに、通常であれば今までは多分、本人の認知症が非常にシビアだったりした場合、家族が代理で進めていっている例が多いのではないかと思います。確かに成年後見人がついたとしても、後見人は居所指定できません。ただ、契約はできるわけです。どのくらい特養に入所している人に後見人あるいは保佐人がついているかという実態を示すデータは、多分余りないのではないかと思うのです。後見人をつけることが入所の条件という特養が1つありますが、多分、ほかのところではまだまだではないかと思います。これもある意味、権利擁護。きちんと尊厳が守られていない状況ではないでしょうか。介護保険が始まって10年、13年たつわけですから、いい加減改善されてもいいのではないかと思います。

 2番目に、都市部の高齢者に関する問題ですが、この報告書の中にはあえて認知症というのはイントロダクションのところで少し出てきていますが、ほとんど触れられていません。恐らく都市部に特化した問題ではなく、全体にかかる問題だからあえて特に触れられていないのではないかということだろうと思います。ただ、介護保険を利用している認知症の人たちが280万人、介護保険を利用していない認知症と考えられる人たちが160万人、認知症の前駆状態と考えられるMCIという軽度認知障害というグループ380万人で13%分いるわけです。そういう人たちの中に本来であれば独居で生活をしている人たちがどのくらいいるのかという実態を把握する必要はあるのではないかと思います。

 やはり独居高齢者はこの間もテレビでやっていましたが、かなり認知症が進んでから周りの人たちに気づかれて、非常に悲惨な結末を迎えるということがあります。やはり実態というのをまず、どのくらい、どういうふうな手立てで把握することができるのかというサゼスチョンというのは必要だろうと思いますし、まず実態を踏まえて、特に高齢者は都市部ではかなりの割合といいますか、人数は多いのではないかと思います。そのことだけを触れてくださいという意味ではありせんが、もう少しそういう部分にも視点といいますか、触れられてもいいのではないかと思いました。

 以上です。

○山崎部会長 岩村委員、何かございますか。

○岩村部会長代理 簡潔に2点だけ。

 まず第1点は少しきょう議論が出ていました総報酬割の件ですけれども、介護保険については、負担が幾らでも上がればいいということは全くないのですが、他方で現役世代も負担をしていかないと、これは制度が支えられないというのははっきりしていると思います。

 問題は、その第2号被保険者の中で、その負担をどういうふうに分けていくのかというところが報酬割の議論だと私は思っています。

 確かに出発点では人頭割で始めたわけですけれども、今に至ると比較的報酬の低い全国健康保険協会のほうが相対的に負担が高くなっている。協会けんぽのほうが負担が高くなってしまうという状況になっているわけですので、そこは被用者集団の中でそれぞれの負担能力に応じた形で負担をしていく方向に改めるというほうが、より適切だろうと私自身は思っております。

 2点目ですけれども、きょうの資料1−1の中で広域型施設の設備とかが挙げられており、そこで杉並区の話が出ておりますが、私はこれに対しては懸念を持っております。仮にこういうことをやるとすれば、きちんとした枠組みをつくって、とりわけ本人の尊厳と意思の尊重を前提とした上でやるべきだと考えております。

 私からは以上です。

○山崎部会長 林委員、よろしいですか。

○林委員 では一言だけ。

 公表事項についてなのですけれども、もちろん情報公開というのは非常に大切だというのは当然のことと思います。ここでも公表する範囲を広げて努力義務とか義務化ということになっているのですが、単に義務化もしくは努力義務化しただけでは、とりあえず出せば義務は済むわけで、出し方についても何らかの担保をする必要があるのではないか。要するに出すことは義務でも、出し方は地方なり現場の裁量となると、やはりこれも地方にどのような職員さんがいるとか、地方の人的支援がどうかということでかなりでこぼこが出るのではないかと思います。

 ということで、どういうふうに出すかというのをある程度、こういう言い方はよくないかもしれませんけれども、外から見てちゃんとチェックしてバランスをとるような何らかの仕組みが必要ではないかと思っています。

 以上です。

○山崎部会長 それでは、事務局からまとめてお答えをお願いします。

○朝川振興課長 振興課長です。

 河原委員と内田委員から共通の御質問をいただいております。人材確保について都道府県に協議会を設けたらどうかという、都市部の検討会の報告にかわるという、そこの部分についてです。

 まず数回前のこの介護保険部会で人材確保について扱いました際に、幾つか都道府県が既に取り組まれている事例を4つか5つ御紹介しているページがございます。その中の先進的な取り組みの中で、やはり都道府県が主体となってではありますけれども、実際、サービスを提供している事業者さん、従業員を雇っていらっしゃる事業者さんの意識を変えていくことも重要なので、そういう意味で事業者さんの参画をいただいた協議体のようなものをつくって、ともにこのサービスをいかによくしていくか、従業員の環境をいかによくしていくかとか、あるいは小学生、中学生にどう働きかけていくかとか、イメージ戦略も含めて考える。そんな取り組みを既に始められている都道府県がいらっしゃいます。イメージとしては、そういうような取り組みを広げていったらどうかというイメージで提案をさせていただいているものです。

 介護労働安定センターを中心に、既に懇談会というものが都道府県単位でそういう取り組みが始まっておりますので、そことうまく調整をしながら無駄な感じにならないように、重複感が起きないように、そんなことは考えながらやっていきたいと思います。

 河原委員から情報公表制度に関しまして、介護報酬で評価することを考えたらどうかというお話がありました。この点につきましては、そもそも情報公表システムの太宗を占めている部分は、これは事業所さんに報告を義務づける形になっておりますので、これは出していただくのが普通の状態でございます。さらに事業者さんの任意でシステムを使って情報を公表できる枠組みもあるのですが、そこのところはむしろどちらかと言うとPRに使っていただく。例えば利用者さん向けのPRあるいは従業員になる人向けのPRに使っていただくページですので、そこはまさに事業者さんの知恵の絞りどころというページの位置づけになっておりますので、まずはそういった趣旨でございますから、介護報酬でというのはなかなかなじまないかなというのが第一の感想でございます。

 内田委員から、お泊りのデイサービスについて情報公表を慎重にという御意見があったように思います。提案しております趣旨は、そういうお泊りの事業をやっているデイサービスのPRの場として、この情報公表制度を活用するという趣旨で提案しているものではなくて、むしろ質を上げていく、質をちゃんと担保していく趣旨でまずは情報公開をしていく。そういった姿勢で臨んでいったらどうかという趣旨でございますので、その点よく御理解をいただければと思います。

 最後に林委員から、情報公表制度については単に義務をかけるだけではだめで、そもそも出し方のところを工夫しなければいけないだろうという御指摘をいただきました。その点はそのとおりでございます。今までも、今の情報公表システムも、かなり多岐にわたる事業者さんから情報項目の届け出をしていただいているわけですが、その際には比較的客観的に○×あるいは数字を書いていく。そういうような感じで御報告いただけるように項目設定を工夫してきております。しかしながら、見直すべき点もまだあるかと思いますので、その点は十分これからも検討していきたい。それと、出していただいた情報をいかにわかりやすく情報提供していくかという視点も重要だと思いますので、それはシステム面での対応が十分可能なところですので、そういった面からの工夫もしていきたいと思います。

○吉田企画官 企画官でございます。

 伊藤委員、岩村委員から杉並、南伊豆の特養設置についての御懸念がございました。もちろん介護保険制度では高齢者は日本全国の施設に申し込みができるわけでございますが、今回のケースは杉並区という自治体が主導して特養を整備しようというのを検討しているものでありまして、入居者本人の希望をしっかり確認することが大前提でございまして、杉並区からは入居の調整員をしっかり配置して適切な運営をやりたいということを検討会の場でも表明されております。国としても高齢者の尊厳が守られるよう、適切に運営がなされることをしっかり確認し、支援をしていきたいと思っております。

○榎本介護保険計画課長 介護保険計画課長でございます。

 河原委員から総報酬制の検討は、今回、整理をここでつけるということではなくて、後期高齢者医療制度の検討を踏まえながら検討するということに関連して、2号被保険者の範囲の拡大の可能性ということもこの際、考えていくべきではないかという御意見を頂戴しております。この点につきましては、まさにおっしゃるとおりこのあたり、将来の検討課題ということでもございますので、引き続き私どものほうでも検討を進めていきたいと思っております。

 以上でございます。

○山崎部会長 一通り御発言いただき、事務局からもお答えいただきましたが、少々時間に余裕があります。桝田委員、どうぞ。

○桝田委員 議論の中で、例えば高齢者の方の人権を尊重する云々は当たり前の話なのですけれども、ただ、1つ視点を変えますと、例えば今、特別養護老人ホームを待っておられる方、その中には家族との問題とか本人の問題とか、どうにもならない状況の方もいる。そうすると例えば遠隔地に特養をつくるのは本人の意思云々というのは当然のことなのですけれども、それ以上に例えば周辺環境で家族が高齢者の方の介護のために離職せざるを得ない状況であったり、それこそ暴行事件が起こったり、自殺が起こったり、極端なケースというのは今、セーフティネット的な部分が足りないから起こってきている部分がかなりあるのです。

 ですから、そこの部分に視点を当てた対策というのをかなり考えていかなければいけないのではないか。個人の人権問題は当然あって、先ほど本間さんからお話がありました。例えば特別養護老人ホームに鍵がかかる云々という問題がありますけれども、では全く鍵をかけない特養をつくろうとしたら、職員の配置状況を今以上に厚くしなかったら不可能という問題も出てきます。鍵と機械だけでは対応できない問題というのは、やはり人の力が要りますから、でもそれだけ人を厚くして介護報酬をたくさん使う。そういうものをつくっていいのか。やはり効率化も要ります。

 ですから、どの程度までがいわゆる許されるのかという問題も考えながら、効率化と必要度を見分けていかないと、理念ばかり先行するとどうしても効率の面が落ちてしまうという議論になってしまうのではないか。特に大都市部の介護の問題というのは、地域包括ケアは、地方に比べたら進めやすい環境があるのですけれども、逆に例えば今、特養の関係で言いますと、世田谷区で2,000人の方が待っておられるというお話ですので、その2,000人の中で100人なり10人なりというのは、今すぐ入所しなかったらそれこそ自殺しなければいけないような感じの方も当然おられると思うのです。そうすると特養の必要性という部分は、その地域だけでつくる、在宅サービスだけでクリアできるものではないのではないか。そこらを少し考えた議論もしていただけたらと思います。

 特養が果たす役割というのは、介護が必要な方を当然いろんな部分でお世話しますけれども、最終的には社会福祉法人としてセーフティネットの役割という部分がどうしても必要な部分がありますので、それができる環境も考えていただけたらと思います。

○山崎部会長 結城委員、どうぞ。

○結城委員 質問があるのですけれども、資料のその他の事項の12ページを見ていただきたいのですが、先ほど、私は鷲見委員の質問を聞いていて、A町の人がサービス付き高齢者住宅に住所地特例で入った場合、例えば3〜4年ここで暮らしていて、その後すごく重度になって、このB市の地域密着型の特養に入りたいとか、そういうケースも多分今後、サ付きになってくると出てくるだろうと、私はそういう質問だったのかなと思ったのですけれども、そういうことも今後あり得るし、その辺はどうなっていくのかなと思ったので、済みません。

○榎本介護保険計画課長 今、結城委員から御質問いただいた地域密着の特養の取り扱いなのですけれども、今ここのイメージ図でお示しをしているのは、先ほど鷲見委員にもお答えしたように、このサ付き住宅に入っておられる方が利用する際にということで作ったものでございますので、この場合、今、結城委員のおっしゃったように、サ付き住宅に入っておられた方が重度化をして特養を使いたいというニーズも当然出てくるケースがあろうかと思います。その場合にはB市の住民として地域密着の特養を利用されることになってくるのではないだろうかと思っています。

 そういう意味で住所地特例の対象として利用するのではなくて、B市の住民としてB市の地域密着特養の利用をしていただく形になっていくのではないかと思います。

 その場合、保険者としては今までA町が保険者となっているのですけれども、B市の特養に入った段階においては、B市が今度は保険者としてサービスを提供してということになるのではないかと思っております。

○結城委員 そこで仮に地域密着型の特養に入ったら、A町の住所地特例の保険者でなくなる。新たにB市の被保険者になるという理解でよろしいでしょうか。

○榎本介護保険計画課長 そういうことになるのではないかということでございます。

○伊藤委員 1つだけ質問なのですが、資料2の33ページ、介護サービス情報の公表制度の現状把握及び今後の利活用方策に関する検討会についてです。検討状況の報告がなかったのですが、これに基づいた今回の部会での提起であると理解していいのかということをお聞きしたいと思います。

 といいますのも、検討会のメンバーを見ても事業者や利用者、自治体関係者、研究者です。今回、従業者に関する情報が1つのポイントになっていると思いますが、どういう検討が行われたのか。あるいはこの検討とは関係のない、今回の提起なのかということについてお聞かせいただきたいと思います。

○朝川振興課長 振興課長です。

 この検討会との関係ですけれども、当然、法律を変えていくところにつきましては、この介護保険部会でまさに今、議論していただいているとおりでございますので、ここで出された意見を踏まえながら制度づくりをしていくというのは当然のことでございます。

 こちらの検討会を別途設けてございますのは、公表項目だけではなくて、今、動いている情報公表制度について運用面でどういう改善をしていったらどうか等、この介護保険部会だけでは限られた時間の中で取り扱えないこともありますので、よりいろんな視点から改善をしていくときに、どういったことを考えていったらいいか。そういったところを専門家から御意見をいただいている。そういう考え方でやっておりますので、公表項目のところは確かに両方で御意見をいただく感じになりますので、ダブっておりますけれども、それは私どもは両方御意見をいただきながら、運用面でどういった項目をしていくのかというのは最終的に考えていきたい。そういうふうな関係で考えております。

○山崎部会長 それでは、本日はここで終了いたしたいと思います。

 今後の介護保険部会につきまして、事務局から御説明をお願いいたします。

○高橋総務課長 ありがとうございました。

 次回の部会につきましては1016日水曜日、9時から12時まででございます。場所は全国都市会館大ホールを予定しております。本日はありがとうございました。

○山崎部会長 本日は御多忙の中、ありがとうございました。


(了)

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