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2013年9月25日 第49回社会保障審議会介護保険部会 議事録

老健局総務課

○日時

平成25年9月25日(水) 16:00〜19:00


○場所

東海大学校友会館「阿蘇・朝日の間」


○出席者

山崎、伊藤、井上、内田、大西、岡、勝田、河原、久保田(代理:酒向参考人)、
黒岩(代理:小島参考人)、小林、齋藤(訓)、齊藤(秀)、齊藤(正)、鷲見、
高杉、土居、内藤、林、藤原、布施、本間、桝田、山本、結城 の各委員
(岩村委員は欠席)

○議題

1 費用負担の公平化について
  ○1 一定以上所得者の利用者負担について
  ○2 補足給付について
  ○3 1号保険料の低所得者軽減強化について

○議事

○吉田企画官 定刻より若干前ではございますが、委員がおそろいですので始めたいと思います。

 ただいまから第49回「社会保障審議会介護保険部会」を開催いたします。

 委員の皆様方におかれましては、大変お忙しいところをお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。

 カメラ撮影は以上としていただきたいと思います。

(カメラ退室)

○吉田企画官 それでは、以降の議事進行を部会長にお願いいたします。

○山崎部会長 まず、議事に入る前に委員の出席状況を確認いたします。

 本日は岩村部会長代理、久保田委員、黒岩委員が御欠席です。

 久保田委員として酒向参考人、黒岩委員の代理として小島参考人が御出席でございますので、お認めいただければと思いますが、いかがでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

 また、藤原委員が御都合により1730分めどでの出席との連絡をいただいております。

 それでは、議事に入ります。まず事務局より資料の説明をお願いいたします。

○榎本介護保険計画課長 私から資料1「費用負担の公平化について」を御説明申し上げます。

 中身的には3点ございまして、1つは一定所得者の利用者負担について。

 2点目は補足給付についてということで、資産勘案の関係について。

 それから、1号保険料の低所得者軽減強化について。この3点についてお話を申し上げます。

 まず最初に1点目、一定以上所得者の利用者負担についてです。

 1ページ、現状・課題ですが、現在、介護保険におきまして高齢者の方々が御負担いただいているものとしては保険料と、サービスを利用した際の利用者負担の2つがございます。このうち保険料につきましては、保険料を納めることで保険給付を受けるという社会保険制度の原則に基づきまして、広く低所得者の方も含めて保険料を負担していただく仕組みになっております。

 そうなりますと、保険財政を支えてまいります上では、この1号被保険者の保険料のみでは保険財政を支えるには一定の限界があるのではないかと考えられます。

 一方で、介護サービスにつきましては、医療よりもサービスを利用する確率が低いということで、介護サービスを利用しないまま一生を終える方も現におられるところでございます。

 それから、介護保険の利用者負担につきましては、制度創設以来、1割を維持しておりまして、高額介護サービス費の負担限度額も据え置いているのが現状です。一方で医療保険におきましては、高額介護サービス費の限度額につきまして、住民税課税世帯の限度額は、3万7,200円から4万4,400円に引き上げられた状況です。

 そこで論点でございますけれども、そういった中で今後の制度の持続可能性を高める。その際に世代間、世代内の公平を確保しつつということで考えてまいりますと、現在、所得にかかわらず1割負担ということになっております利用者負担につきましては、サービスを利用する方の中で相対的に負担能力のある所得の高い方(一定以上所得者)には、所得が低い方よりも1割多い2割負担をしていただく仕組みを設ける必要があるのではないかというのが1点目です。

 では、一定以上取得者の基準を考えるとした場合に、どのようにこの範囲を考えるかということですが、以下のような3点のポイントから医療保険の現役並み所得者とは違った取り扱いで考えていくことがあるのではないかということです。

 まずその1点目ですけれども、介護サービスにつきましては医療サービスよりもサービスメニューが非常に明確であるということ。そして、ケアプランの作成を通じて選択可能な仕組みとなっているということがございます。

 2点目といたしましては、介護サービスの費用は医療サービスと比較いたしますと、費用の額が予測可能で安定的であるということがございます。

 また3点目ですが、医療保険の現役並み所得者の区分につきましては、そもそもこれは、当時現役の医療制度では3割負担であり、一方で老人医療については定額負担から定率負担に移る中で、高齢者の中で一定以上の負担をお願いする方を考えなければならないということで現役世代とのバランスを図るという観点で設けられた区分です。

 一方で今回、介護保険で応分の負担を検討するわけですが、こちらでは65歳以上の方が基本的に一気通貫の制度となっておりますので、基本的にここで考えるべきは同一世代内における負担の公平ということで、相対的に所得の高い方に負担をお願いして公平性を確保する。そういうことが狙いになっているものであるということです。

 こういったことから、一定以上所得者の基準を考えるに当たりましては、医療保険とは違う考え方で整理をしていったらどうだろうかということでごす。

 そこで事務方の提案でございますけれども、具体的な基準といたしましては、そういった趣旨、そして高齢者の方々の消費支出などの状況などを踏まえまして、基本的に個人単位で見るということで、モデル年金あるいは一般的な高齢者の消費支出が少なくとも上回るというあたりで負担可能な水準ということで、1つは被保険者全体の上位2割の方に相当する合計所得金額が160万円というところでラインを切るという考え方。

 もう一つは、高齢者被保険者の方々の中でも課税されておられる方が約4割弱ほどおられますが、そういった方々の中の上位おおむね半分以上に該当する方ということでラインを引く、合計所得金額170万円相当というあたりで考える。こういった2つの案が考えられるのではないかということで御提案申し上げるものです。

 続きまして、高額介護サービス費の限度額でございますけれども、これにつきましては介護サービスを利用しますと要介護状態が長く続くということを踏まえまして、基本的に据え置くという考えで整理をしたいと思っておりますが、ただ、その中でも一定以上所得者の中でも特に負担能力が高い方ということで、医療保険の現役並み所得に相当する方については限度額を引き上げてはどうだろうかということで御提案をさせていただきます。

 こういったことにつきましては2ページでございますが、国民会議の報告書におきましても、制度改革の方向性という中で下線を付してございますが、世代間の公平だけではなくて世代内の公平も重要である。特に格差の大きい高齢者につきましては、一律横並びに対応するのではなく、負担能力に応じて社会保障財源に貢献してもらうことが必要であるといった御提言を頂戴しているところです。

 また、その具体的な介護における取り組みということで、一定以上所得者の利用者負担は引き上げるべき。医療保険との相違点にも留意をする必要があるということをいただいているところです。

 以下、参考資料ですが、3ページでは介護保険財政の全体像ということで、高齢者の方々に御負担いただいている部分としては65歳以上の保険料の部分、それから、利用者負担の部分、この2つがございますが、負担能力に応じた分担がされておりますのは、このうち左の保険料の部分となっておりまして、利用者負担のところは現在は負担能力にかかわらず、一律1割となっております。ここを今回整理していったらどうだろうかという御提案です。

 4ページは、先ほど医療との違いを申し上げる際に申し上げましたけれども、要介護認定率の状況と、医療の診療を受けた者の割合の状況を並べてご覧いただいております。例えば75歳以上の認定率ということで見ますと、31%ということでございまして、後期高齢者医療のほうが96.9%ということと違いがあることが言えるのではないかと考えております。

 5ページ、6ページでは医療保険制度と介護保険制度の利用者負担の比較をしております。介護保険の利用者負担につきましては、制度が発足した当初より1割ということでずっと矢印が貫かれているところでございますが、医療保険につきましてはもともと老人保健制度のもとで定額負担だったものが、平成13年に1割負担となり、平成14年の改革で現役並み所得者の区分が設けられまして2割。それが18年には3割に引き上げられたということです。また、20年に後期高齢者医療制度が発足したときには、本則で7074歳の方については2割となっているところです。

 6ページが負担限度額ですが、介護保険につきましては課税世帯の負担限度額、3万7,200円ということでずっと据え置かれているところです。

 一方で医療保険につきましては、平成13年の段階では3万7,200円ということで多数該当そろっておったわけですけれども、14年度の段階から引き上げが進み、平成18年の改革でそれが一般の方については4万4,400円という形に引き上げられているところです。

 7ページ、8ページは医療保険の現役並み所得者の判定の考え方を整理したものです。簡単に申し上げますと、世帯内に課税所得の額が145万円以上の被保険者がいる場合、かつ、世帯の被保険者全員の収入の合計額が520万円未満といった2つの要件によって、現役並み所得者という形で判定をされる形になっております。

 9ページ、一定以上所得者の基準ということで、先ほど合計所得金額160万円、170万円ということを申し上げました。9ページの図につきましては、介護保険の各被保険者の保険料を段階別に人数ごとに整理をしているものです。この中で被保険者全体につきましては、全体で3,068万人おられるのですけれども、そのうちの上位20%となりますと、そのラインが引けるのが第5段階の160万円というラインです。

 実際にもう一つの案2で住民税課税の方のおおむね上位半分ということになりますと、住民税課税の方が第5段階、第6段階ということになりますので、これのちょうど半分あたりが入る170万円というラインが、1つのラインとなるのではないかということです。

 こういった判定に当たりましては、介護保険料の段階区分においては基本的に個人単位で判定をする形になっておりますので、この基準を超えるかどうかということは個人単位で判断をすることにしたらどうだろうかということで御提案申し上げたいと思います。

 従って、世帯内に複数の被保険者の方がおられる場合でも、所得が基準を超えている方のみが2割負担となるということでございます。

 なお、この負担割合については現在の1割の2倍の2割負担ということですけれども、後に資料がございますが、現在の負担額が高額介護サービス費の半額以上であります場合には、高額介護サービス費が利用者負担の上限となりますので、負担割合が2倍になったからといって必ず利用者負担が2倍になるということではないことも、御留意いただければと思っております。

 今、合計所得金額のモデルで160万円、170万円というあたりでラインを引いたらということを申し上げましたが、この合計所得金額の具体的な収入ベースでこれを見てみるとどうなるかというのが10ページです。基本的に高齢者の方は年金収入で暮らす方がかなりを占めるということでございますので、年金収入のモデルで整理をしております。例えば合計所得金額が160万円となりますと、これは個人単位で判定をすることになりますので、まず単身の方について考えてみることになります。年金収入の方は合計所得金額160万円に公的年金控除120万円を足しまして280万円というのが、単身の方の年金収入のみの場合の収入モデルになろうかと考えております。これが170万円ということであれば、220万円を足して290万円ということです。

 これに対して配偶者の方がおられる場合に、その世帯の収入はどうなるのかということを整理したのが下の線の部分でございますけれども、配偶者の方が例えば基礎年金相当79万円をもらっておられますと、先ほどの案1の280万円に79万円を足しまして359万円というのが、1つの夫婦世帯のモデルになるのではないかということです。

 ちなみに11ページ、いわゆる合計所得金額とさらっと申し上げておりましたが、この合計所得金額と申しますのは、皆保険の仕組みの中で保険料段階を設定したりする際に用いる考え方でございまして、通常、給与収入とか年金収入とか事業収入があるわけですけれども、そういったものから公的年金控除、あるいは給与収入であれば給与所得控除、事業収入であれば必要経費を除いた金額を合計したものが合計所得金額ということです。基礎控除なり人的控除の諸控除を差し引く前の金額ベースということで御理解いただければと思っております。

 先ほど収入280万円のモデルということを申し上げましたが、そういった方では本当にこの負担に耐え得るのかどうかということを見てみることで、12ページでまず無職高齢者単身世帯の収支状況のモデルを整理しています。こちらをご覧いただきますと、年金収入280万円ということですが、こちらから必要な税金、介護保険料、医療保険料を除きますと、可処分所得が235万円となります。こういった高齢者単身の方は、13ページをおめくりいただきますと、消費支出がどうなっているのかということを統計的に調べてみますと、家計調査では高齢者単身世帯の平均的な消費支出は約170万円となっております。ページをお戻りいただきまして、先ほどの12ページの可処分所得から単身世帯の消費支出170万円を差し引きますと、差額が65万円となってまいります。これが実際に単身の方の手元に残る部分となるのですが、この方がもし医療なり介護サービスなりを必要とされることになった場合には、この中から必要な費用を負担していただくことになります。

 その場合、21ページ、22ページをご覧いただきたいのですけれども、今、我が国の制度におきましては高額医療・高額介護合算制度というものがございまして、世帯での負担の上限として、医療、介護を合せた自己負担の上限が定められているところです。22ページで見ますと、例えば後期高齢者医療制度+介護保険の一般の方ということで考えますと56万円がその世帯としての負担の上限となってまいります。これを12ページの先ほどの差額65万円に照らして見てみますと、その自己負担の世帯単位上限の56万円を、この差額65万円は上回っているということが見てとれます。

 これが単身の場合のモデルでございまして、ちなみに14ページでは単身世帯の所得階層分布を載せておりますので、これも参考いただければと思います。

 次に、夫婦世帯の場合どうなのだろうか。先ほど280万円+基礎年金79万円で夫婦の世帯が359万円の年金収入というモデルを申し上げました。15ページですけれども、こちらもその必要な税、お二人分の介護保険料と医療保険料を差し引きますと、可処分所得としては307万円となります。この夫婦世帯の場合の消費支出がどうなるのかということで16ページですけれども、基本的にこの世帯の場合には250万円から349万円という辺りの消費支出が近いだろうということで、この247万円を当てはめて考えますと、この可処分所得307万円から247万円を差し引き、約60万円というのが手元に残る部分だということになってくるかと思います。

 この60万円と、実際にこの夫婦世帯で医療、介護の費用がかかったといった場合には、先ほどの21ページ、22ページの高額合算制度がございますので、こちらの後期高齢者+介護保険の一般の56万円ということと比較してみますと、それを上回る水準になっているということが言えるのではないかと考えております。

18ページ、この一定以上所得者の方が負担が1割から2割負担となった場合に、どのように実際の負担額に影響するのかということを整理してみたものがこのページです。利用者負担2割となってまいりますと、在宅サービスにつきましては軽度の方、要介護度が軽い方については2倍となるということになろうかと思いますが、要介護度が上がってまいりますと高額介護サービス費に該当することで、負担の伸びが抑えられる方が多くなるのではないかと考えられます。要介護4の場合ですと51.4%、要介護5の場合には62.1%の方が高額介護サービス費に該当するのではないかということです。

 施設系・居住系サービスにつきましては、これも施設類型と要介護度別に見てまいりますと、現在でも介護療養病床の要介護4、5につきましては既に高額介護サービス費に該当する形になってまいります。ここは平均的な費用で載せておりますけれども、今後平均的な費用が2割負担ということになりましたときには、この青い網かけをしておりますほとんどの部分が、この高額介護サービス費に該当するということで、ほとんどの入所者の方については高額介護サービス費に該当することで、負担が必ずしも2倍にならずに済むということが言えるのではないかということです。

19ページにおきましては、各サービス利用者の段階別割合ということで、保険料段階から在宅サービス、施設サービスの利用となってまいりますと、だんだん高い段階の方が減ってくるというのが見てとれるところです。

20ページでは、続きまして高額介護サービス費の限度額の見直しにつきまして紙を用意してございます。介護保険の高額介護サービス費の限度額につきましては、今回やはり1つの検討課題であろうかと思っております。ただ、一方で要介護状態が長期にわたるということを踏まえますと、基本的には一定以上所得者の方は据え置くということでございますが、その中でも特に一定以上所得者の中でさらに一部の方に限定して引き上げることにしたらどうだろうかということで、医療保険の現役並み所得に相当する方を対象として取り上げたらどうかということで御提案をさせていただいたところです。

 以上が一定以上所得者の関係でして、続きまして23ページから補足給付の資産勘案の関係について御説明を申し上げたいと思います。

 まず現状・課題ですけれども、介護保険の補足給付の仕組みは平成17年に改正されることで設けられたものですが、それ以前は介護保険三施設、ショートステイについて食費、居住費も含めて保険給付の対象としておったという経緯があります。そういう中でこの改正で基本的には住民税非課税の方を対象として、低所得者対策ということで補足給付が制度的に設けられたということでございますので、言ってみればそういう経過的な側面と、低所得者対策の要素という、この2つがあるのではないかということです。

 現行の補足給付の判定に当たりましては、基本的に御本人の世帯の課税状況あるいは本人の年金収入、所得を勘案するということで、フローのみを判断するということで、貯蓄等の資産がある方あるいは配偶者に負担能力があると考えられましても、給付がなされるというのが現在の仕組みです。

 また、負担軽減の中で第2段階、第3段階というものがありますが、これは年金収入80万円を超えるかどうかということで判断しているものですけれども、その判定に当たりましては現在非課税である遺族年金、障害年金が勘案されずに、仮に遺族年金を多額に受給しておられても、現行基準では第2段階に該当するという整理がなされるということがあります。こういった状況の中で地方3団体からは、資産の適正な評価などの総合的な対策が必要だという御意見を頂戴しているところです。

 以下、具体的に論点ということで長くなりますが、御紹介をさせていただきますと、まず補足給付につきましては、先ほど申し上げましたように本来の給付外の福祉的な給付であるということ。そして在宅で生活する方との公平を図る必要があるということ。保有する預貯金、不動産をそのままに補足給付を支給し続けるということは、保険料負担者との間で不公平ではないかといったことを勘案して、この資産を勘案するといった見直しをこの際、やるようにしたらどうだろうかということです。

 まず、配偶者の所得勘案ですが、施設に入所されます場合には基本的に長くそこで生活をされることを想定して、住民票を施設所在地に移すことが多々ございます。その結果、世帯が分離されることが多くなるわけなのですが、配偶者の間における扶養義務につきましては、通常の親族間の扶養義務に比べて生活保持義務ということでより強いものがあります。

 そういったことを踏まえますと、この住民票上の区分にかかわらず、特別な事情がなければ配偶者の所得も勘案することとして、配偶者の方が住民税課税という場合には補足給付の対象外という整理にしたらどうかということです。

 続きまして資産勘案ですが、一口に資産と申しましても、その中には換金しやすい預貯金というものと、なかなか現金化が難しい、すぐにはできない不動産というものがありますので、それぞれ分けて整理をしたらどうかということです。

 まず預貯金の勘案をどうするかということですが、貯蓄等につきましては御本人と配偶者の貯蓄などの合計額が一定額上回ります場合には、補足給付の対象外としてはどうだろうかということでございます。具体的な貯蓄等の範囲でございますけれども、基本的には価値の把握がしやすい預貯金、有価証券といったものを対象として、評価の困難なものについては対象外としたらどうだろうかということでございます。

 この預貯金につきましては、現在の仕組み上、口座情報、名寄せがなかなかできないのが現状でして、これはマイナンバーができても実はなかなかできない状況ですので、市町村の事務負担なども踏まえますと、この保有状況については実際のやり方としては自己申告ということを基本としながら、一方で自己申告のみですと不正にこれを免れる方がおられても困りますので、不正なことが発覚した場合にはペナルティを強化することで、適正な申告を担保するような仕組みをつくったらどうだろうかと考えております。

 具体的な預貯金等の金額ですけれども、入居期間が比較的長いのが特別養護老人ホームですので、その実態としては9割以上の方が大体10年以内に退所されるということですので、そういった期間と施設入所に係る費用を考慮いたしまして、単身で1,000万、夫婦世帯で2,000万というのを1つの基準として考えていったらどうかということです。

 続きまして不動産を次に勘案するということですが、不動産につきましては、これは直ちに現金化することはなかなか容易ではないということですので、その活用方法は預貯金等とは少し違う整理が必要ではないかということです。

 例えば評価額が一定以上の不動産を保有する方については、補足給付の対象外とすることになりますが、市町村がその不動産を担保とした貸し付けを介護保険の財源を用いた事業として行って、利用者の死後に回収する仕組みを導入することで、その必要な資金の手当を図るようにしたらどうだろうかということを御提案させていただきます。

 この実施に当たりましては、市町村もこれはかなり事務負担がかかるものですので、可能な限り簡便な仕組みとしつつ、外部への委託が可能なものにするという方向で検討してはどうかと考えております。

 委託先の確保、不動産の流動性というのは非常に地域差がございますので、そういう限定の中で実施可能な仕組みを検討していくべきではないかと考えているものです。

 具体化に向けては、これは制度の対象者、事務的なコストも含めて費用対効果の面あるいは委託先を確保することにもよく留意をしながら、具体的な実施方法を具体的に検討していったらどうかということで、引き続き整理をしていきたいと考えております。

 対象とする不動産につきましては、そういう意味で流動性を確保できる種類、規模のものとする必要があるのではないかということで、基本的には宅地をベースに考えるようにしたらどうだろうかということです。

 具体的な判定基準といたしましては、市町村の固定資産税評価額を用いることといたしまして、基本的にユニット型個室に10年入所いたしますと、マックスで781万円かかることになりますので、それに必要な手数料あるいは不動産貸付のリスクを勘案いたしまして、固定資産税評価ベースで2,000万円以上の整理を設けてみたらどうだろうか。この2,000万円以上というのは、地価公示の7がけが固定資産税評価ベースということでございますので、それで割り戻しますと約3,000万円弱が1つの考え方ということです。

 対象といたします不動産につきましては宅地が基本ということになりますので、当然、配偶者の方も一緒にそこで暮らしておられたということがあろうかと思います。そういった場合については、その方がお亡くなりになるまで返済猶予をすることにしたらどうかと考えております。

 また、子供世帯が同居していることもございますので、そういった場合については勘案すべき資産から除外するといったことで配慮したらどうだろうかということも、あわせて御提案させていただこうと思っています。

 なお、補足給付につきましては全体で100万人ほどの方がこの補足給付を受けておられるのですが、実はショートステイを利用される方が全体で50万人ほどおられます。こういった方々についてどう対応するかということですけれども、ショートステイの場合には基本的に生活の本拠というのは、引き続き自宅だということになりますので、こういった場合には不動産資産の要件を課さなくてもいいのではないかということで御提案させていただきます。

 続きまして非課税年金の取り扱いということで、第2段階、第3段階の区分に当たって、現在の段階では遺族年金、障害年金は勘案されておりませんが、これは非課税ということでそういう整理がなされておりましたけれども、負担の公平化という観点から段階区分に当たって、これを勘案するようにしてはどうだろうかということです。

 以上、申し上げました論点をフローチャート的に整理いたしましたのが27ページです。取得要件、左の枠のところからスタートいたしますが、現行は市町村民税非課税世帯かどうかということと、実際の収入の状況を見て判断をしておりますけれども、今回この現行の要件に加えまして、世帯分離の状況を確認することをまずやらせていただこうと思っております。世帯分離しても配偶者の方が非課税ということであれば、引き続きということになりますが、配偶者が住民税課税の方の場合には対象外という整理になってまいります。

 住民税非課税ということですと、次のチェックのボックスにまいりまして、まず資産要件○1の預貯金のチェックをするということになります。預貯金につきましては通帳などの写しをあわせて提出していただいて、市町村に申告していただくことになります。必要に応じて市町村は金融機関に照会を行いまして、また、不正受給についてペナルティがあるということをあらかじめお知らせして、適切に申請していただくように促していただくことになります。

 預貯金の基準としては単身で1,000万、夫婦で2,000万というのを想定しておりますので、これを上回る預貯金等がありますと補足給付の対象外となります。ただ、これを下回るということになりますと次のボックスにまいりまして、資産要件○2ということで不動産資産の状況を次に確認することになってまいります。

 不動産資産につきましては、基本的には同じ市内にあれば市町村としても固定資産税の台帳がありますので、それによって把握することが可能ですが、市外にもし不動産をお持ちだということになりますと、それは御本人に申告していただく必要がありますので、それによって把握することになってまいります。居住用不動産などが対象でして、子供が同居しておられるような場合にはこの勘案の対象外となってまいります。具体的な金額としては、固定資産税評価ベースで2,000万円を超える不動産をお持ちの場合となってまいります。

 それ以上の不動産があるということになりますと、一旦、対象外という整理をいたしまして、不動産を担保に貸し付けをして、死亡後に資産から回収をするという流れに入ってまいります。その不動産に配偶者の方が居住されている場合には、その配偶者の方も当然利用できますので、配偶者の方がお亡くなりになるまで返済猶予をすることになります。こういった不動産の評価に当たっては固定資産税の評価額を活用するなど、市町村としても簡素な仕組みにしてまいりたいと考えております。また、その貸し付けの業務についても外部に委託することを想定した仕組みにしてまいりたいと考えております。貸付利子については最初の回しの資金が必要だという場合がありますので、介護保険財源を活用していくことを想定しております。事務費につきましては原則として資産を担保に借り受けられた借受人の資産から回収することを想定しています。こういったことで不動産資産も一定額以下ということになりますと、下の一番最後のボックスにまいりまして、従来どおりの補足給付を給付することになりますが、この中でも給付段階について非課税年金がある方の場合には、その収入を考慮して第2段階なのか第3段階なのかということを判断する。こういったフローの流れになってまいります。

28ページ、29ページは現在の補足給付の仕組みを解説した参考資料です。

30ページが、入所期間に応じました補足給付の受給額ということで、例えば1年間ということで見てまいりますと、多床室で第3段階が一番低くて27万円。ユニット型個室の場合には第2段階で78万円というのが一番高いということで、仮にこれが10年間ということになりますと、これを10倍して781万円というのが補足給付の所要額となります。

31ページでは、現在の補足給付の認定者数と給付費の状況の資料です。先ほども申し上げましたように、認定者数合計が103万人ということです。このうちショートステイが52万人です。給付費につきましては食費、居住費合わせまして2,843億円というのが給付費として支出されています。

32ページは貯蓄の収入会計別の保有状況でして、夫婦高齢者世帯の場合、収入200万未満の世帯では貯蓄などが2,000万以上の世帯が約8%あるという状況です。

33ページ、高齢者の単身世帯となってまいりますと、収入150万未満の世帯で貯蓄などが1,000万円以上の世帯が約11%あるということになってまいります。

34ページは国民会議に地方3団体から提出のあった意見です。資産勘案の部分に赤線を付しております。

35ページは、世帯分離をした際の配偶者の生活保持義務についての参考資料です。家族法の中では通説としては夫婦間は生活保持義務、これは他の親族間の扶養よりも性質を異にしてより強いと解されているところです。これを踏まえて東京地裁の判例も御紹介しておりますが、そういった解釈になっているということです。

36ページは、先ほど預貯金を自己申告でということを申し上げましたが、それを担保するための不正申告の返還金のペナルティの例をお示ししております。雇用保険の場合には失業給付を不正に受給された場合には、給付の返還を求めるほかに受給額の2倍以下の納付金の納付を命ずるということで、合計3倍までの返還を求める形になっております。

 また、生活保護の例ということで、これは今、提出されている法案ですけれども、不正な金額のほかに40%の加算金の徴収ができるという形になっているものです。

37ページは施設での生活にかかる費用等の目安ということで、先ほど預貯金1,000万円ということを申し上げましたけれども、それの前提としてユニット型の施設に入所した場合に、どれぐらいの費用が貯金として必要となってくるかということを試算してみたものです。基本的に基準額を下回りますと、またもとに戻って補足給付の支給を受けることになりますので、これは補足給付を受けつつ、ユニット型の個室に入ることを前提として考えております。

 左のほうの色がいろいろな色で塗っておりますところに、ユニット型に入った場合の1カ月当たりの費用を積み上げております。これにその方が受給される年金がどれぐらいになるのか。それ次第で差額が上下をするという形になってまいります。

 年金の受給の状況というのは右下のところにございますけれども、平均5万4,000円ですが、累積で見ますと、大体9割を超える方が3万円以上をもらっておられる形になっております。特養の場合には基本的に入所される年齢が平均85歳、そして9割の方が10年以内に退所されることになりますので、そういう意味では10年というのが1つの目安となろうかと思いますが、そういう10年のスパンをとったときに、必要な費用と年金の差額の部分がどれくらいに推移していくのか見たのが、右上の色のついた線グラフのところです。

 これを見てまいりますと、年金額が多いほど当然必要な費用というのは少なくて済むわけですけれども、年金額が3万円というあたりでも10年ぐらいを見ますと、500万円ちょいあれば自分の貯金によって施設入所に必要な費用を賄うことができるということになりますので、この500万円というのが1つの目安になるのではないかということです。

 今回、預貯金の基準としてはこれを1つの場合にして1,000万円というのが、単身世帯での1つの限度額。そして、配偶者の方がおられればそれの2倍で2,000万円というのを預貯金の基準として考えていったらどうだろうかということです。

38ページ、39ページは施設に入所された際の在所期間などのデータです。特養ホームが一番長くて平均在所期間は約4年間、入所時の平均年齢は85歳ということでして、右下に在所期間の分布がありますが、10年未満ですと累積で91.1%ということで、大体9割の方が10年以内に退所される形になっております。

39ページでは老健施設が329.3日、介護療養型医療施設については412日ということでと、いずれにしても特養よりは短い状況で、基本的にモデルとしては特養をベースに考えてみると、大体考えられるのではないかということです。

40ページでは、続きまして収入階級別の資産額の状況の参考データです。これも以前、お示しをしたことがありますが、収入200万未満の世帯で宅地などの資産額が3,000万以上の世帯が占める割合が12%あるということで、一定の割合がおられるということだろうかと思います。

41ページでは不動産を担保とした貸付制度のイメージですが、先ほどこの不動産の基準額、固定資産税台帳ベースで2,000万以上、評価ベースで3,000万弱ということで一定の基準を申しまして、それを上回る場合には不動産担保の貸しつけの仕組みをつくるということを申し上げておりますが、それのイメージでございます。基本的にはその実施に当たっては、市町村の事務負担を考慮してできるだけ簡便な仕組みにするということと、そして、それを外部の機関に委託できるような方向で検討したらどうかということです。

 その判定に当たりましては、そういう意味で市町村の固定資産税情報による確認ということで要件確認をして、この受託機関を市町村としては紹介する。受託機関の方では借受人になろうという方から申請を受けて、不動産貸付の適否を判断して抵当権を設定し、毎月貸付金を振り込むといった作業が出てまいります。もしこの借受人の方がお亡くなりになりますと、市町村に届け出がまいりますので、市町村から受託機関にその旨を連絡して、受託機関のほうで回収という手続に入ってまいります。これは相続人の方から返還していただくということでも構いませんし、それが難しい場合には不動産の売却ということで対応することになってまいります。

 こういった貸付事業に必要な原資については、基本的には金融機関であれば原資はあるのかもしれませんが、そういったものがない場合にはそれを貸しつけるということで初動を回りやすくする。それから、事後的に回収がうまくできなかった。2,000万あるいは3,000万というところで設定をしておりますと、それなりに高めにリスクを見積もっているところですので、そんなにそういうケースは出ないのではないかと思っておりますが、回収不能なものが出た場合には、それは担保がそもそもそれにはふさわしくなかったということですので、事後的に補足給付をするという仕組みで、その穴を埋めることを考えはどうかということです。

 いずれにしましても、こういったものを今、イメージしておりますが、こういった制度の仕組み、事務的なコストあるいは受託先の確保ということも含めて、具体的な実施方法をさらに検討するべきではないかということで進めてまいりたいと思っております。

42ページから45ページまでは、諸外国の資産から費用を回収する仕組みの例ということで、アメリカ、ニュージーランド、アイルランドの例を御紹介しております。これも従前、一度ごらんいただいたものです。

46ページにつきましては公租公課の禁止規定ということで、国民年金法、厚生年金保険法の上で租税その他の公課は、老齢基礎年金以外は課することができないという形になっております。

 今回この低所得の第2段階、第3段階の勘案につきましては、年金法では公租公課の対象あるいは基準として課税することはできないと言っておりますが、これを判定で勘案することを禁止しているものではないという考え方で整理をして、第2段階、第3段階での勘案をしてまいりたいと考えております。

47ページは遺族年金、障害年金の年金額の分布です。

48ページは私どもの調査研究の中で、下のほうでA市、B市と書いてありますが、補足給付を受けておられる第2段階の方の中で障害年金、遺族年金を受給しておられる方がある程度おられるということをお示しする資料です。

 以上が補足給付の取り扱いです。

49ページは1号保険料の低所得者軽減強化です。現状・課題にありますように、現在、1号保険者が支払う介護保険料につきましては、世帯非課税の方については基準額の0.5倍あるいは0.75倍ということで軽減がなされております。一方で、今後この保険料水準につきましては8,200円といった試算などもありますが、今後、上昇することが見込まれておりますので、低所得者の方もそれに合せて軽減されているとはいえ、負担が上がっていくことが見込まれるところです。

 また、現行の介護保険の段階設定は第6段階までとなっておりますが、第5期におきましてはかなりの保険者におきまして、多段階の保険料が設定されております。

 保険者間の所得分布の違いを調整する調整交付金につきましては、現在、国の方では標準6段階をつくって調整を行っております。そういう現状です。

 論点でございますけれども、消費税が今後引き上げられました場合には、この限られた公費財源を有効に活用することで、住民税非課税世帯の被保険者の保険料軽減強化に公費を投入する仕組みを導入して、現在の負担割合をさらに引き下げることとしてはどうだろうかということです。

 その際の軽減の幅につきましては、現在の第1・2段階で現在の5割軽減から7割軽減に、それから、第3段階につきましては2.5割軽減から比較的所得の低い者は5割軽減、その他の方は3割軽減ということが考えられるのではないかということです。

 あわせて、その保険料の応能性を高めるために、今、標準6段階ですけれども、これをさらに細分化することで現在、多くの保険者では特例第3、特例第4段階が導入されておりますので、それを標準化しつつ、第5段階以上も細分化することにしてはどうだろうかということです。

 いずれにしましても、今後とも各市町村の判断でさらに多段階をするという弾力的な取り組みが引き続きできるようにしたらどうだろうかと考えております。

 調整交付金につきましても、標準6段階をさらに改めて多段階化した保険料段階を用いるということで、保険者間の負担能力の調整強化を考えたらどうかということです。

 具体的なイメージとしては55ページになりますけれども、青い色で塗った部分が今回の消費税の引き上げがあった場合の保険料軽減の強化の部分でして、負担能力に応じてこの保険料減免を行って、その減免の部分を公費によって補填をする仕組みを考えてはどうかということです。

 国の標準6段階の見直しにつきましては56ページにありますように、第1・第2段階が現在ありますけれども、これは0.5ということで共通ですので、これを統合して特例第3段階・特例第4段階それぞれ標準化をする。それから、第5段階・第6段階については、それぞれ分割をすることで合計9段階の見直しをするということで、より弾力的に対応できるようにしていったらどうだろうかということです。

 以上、非常に駆け足で申し上げましたが、本日の資料につきましては以上でございます。よろしくお願いいたします。

○山崎部会長 ありがとうございました。

 それでは、今回の資料に関して御自由に御発言ください。多くの委員が発言されますので、要領よく御発言いただきますよう、協力お願いします。

 途中退席されます大西委員から、まずお願いします。

○大西委員 御配慮いただきましてありがとうございます。

 今回、費用負担の公平化ということで論点として3点のテーマについて今、資料説明等があったわけでございますが、いずれにいたしましても前から言われておりますように、団塊の世代全てが75歳以上になります2025年のときには、介護保険のサービス利用者数が現在の1.5倍以上、657万人あるいは介護費用は約21兆円まで膨らんで、そのときに保険料を試算すると8,200円程度になるのではないかということでございます。このままいけばそうなるということですけれども、そこまで持続可能性が本当にあるような制度ができるのかどうなのか。そのためには今回のテーマであります費用負担の公平ということにつきまして、国民の信頼性をきちんと確保したような制度設計が必要だということでございます。

 3点についてそれぞれ方向性が示されたわけでございますけれども、基本的には総論的な部分で方向性としては賛成でございます。世代間の公平さ、もちろんそれぞれの1号保険者の中での公平性、利用者の中での公平性というのがきちんと確保されるような制度でなければならない。特に今の負担の面についてある程度きちんと公平、公正だというのを多くの国民が認めるような制度をつくっていかなければならないと思っております。

 ただ、問題は公平公正と言っても絶対的に決まるわけではないので、その辺を具体的にどういう各論で、どういうふうな制度設計をしていくのか。それから、そういう制度が望ましいというのが出たとしても、それは実務上、それがきちんと行えるようなものになるのかどうなのか。その辺が非常に大きな課題ではないかと思って、今回もいろいろ聞かせていただきました。

 それぞれ具体的に申しますと、まず1点目の一定所得以上の者の利用者負担についてでございますけれども、これにつきましてはまず総論的な部分で公平性の視点からも高齢者を一律に低所得として捉えるのではなくて、所得に応じて、いわゆる能力に応じて負担を見直すことは考える必要がありますので、利用者の中でも一定程度の所得以上の方には1割負担を2割負担という方向で考えさせていただくというのも、考えるべきかなと思っておるところでございます。

 ただ、問題はどこで区切るかということになりますと、本当に一定所得以下の人は1割負担のままだけれども、少しでも2万円でも3万円でも超えた途端に2割負担となるような制度にならざるを得ませんので、その辺は非常に難しいのではないか。もう少し本当のきちんとしたいろんな実証的な検証が必要なのではないかということでございます。

 1つお伺いしておきたいのは、今160万、170万というのが一応、案として出ておりますけれども、もう一つ190万というのが第5段階と第6段階の境目であるのです。その190万あたりについては検討できないものなのかどうなのか。これをお教えいただきたいと思います。

 いずれにいたしましても、そのような利用者負担の適切な見直し等を行った上で、所得の判定が必要なる。これまでは利用者全て1割負担ですから、全く所得把握も何も必要なかったわけですが、ある一定以上の所得の人は2割負担となりますと、所得判定が全て必要となっていますので、事務は非常に煩雑になっています。したがいまして、どこかで区切るにしても、実務者レベルにおきまして市町村との協議といったものを十分にした上で、事務のやり方とか、そういうものをはっきりさせていただきたいと思っております。

 2点目の補足給付でございます。これにつきましても同様の考え方でございまして、単なる所得だけでは把握できないその人の能力ということで資産とかそういうものを勘案すべきではないかということにつきまして、これは我々としてもそういう方向で考えるべきではないかという提案もさせていただきましたので、総論的には賛成でございますが、これが実務的に本当にやり得るのかということが一番の大きな問題でございます。

 まず金融資産でございますけれども、自己申告にして、それを確保するために後でペナルティをきちんと担保するんだ。何なら金融機関にも調査できるようにするんだとは言うのですが、生活保護の分野でさえほとんど金融機関は今まで非協力的でした。今度の新しいシステムでどうにか協力的に教えていただける可能性も出てきましたけれども、ましてや介護保険の分野で個人の金融資産を金融機関との間でうまく市町村がとれるというのは、なかなか本当に難しいのではないか。よほどの制度的な裏づけをやっていただかないと難しいのではないかと思っています。

 自己申告でもいいのですけれども、では金融機関の資産はある程度わかるとしても、タンス預金なんかはどうするんだという問題はどうしても出てきます。そこは割り切るしかないのかなという気はいたしますが、そうなりますと金融資産の多寡だけですぐ判定してもいいのか。一応、案も出ておりますけれども、その辺について現実的な妥当性みたいなものをもう少し詰める必要があると思っています。

 固定資産のほうですが、これもまた非常に難しい問題があろうかと思います。いろいろ案は考えていただいておりますが、ただ、評価額で2,000万以上とかなりますと、多分大都市レベルの場合だと思います。それが大体全国的にどのような不動産あたりが対象になりそうだということで、それぞれの個々の市町村の事務負担において、どの程度のものが具体的に事務負担がかかってくるのか。その辺についてもう少し現実的な実証検証を行っていただきたいと思います。その上で本当に活用可能な制度としてしっかりと決めていく必要があるのではないかと思っておるところでございます。

 3点目の第1号保険料の低所得者軽減についてということでございます。最初申しましたように、このままですとどんどん第1号保険料は上がっていきます。その場合にどうしても国民の信頼性の確保がより重要になってきます。結局、負担できないとなりますとどんどん徴収率が下がるというか、徴収できないということになってきますので、徴収率をきちんと保った上で負担をある程度していただくためには、どうしても低所得者の対策、軽減策というのはきちんと講じていく必要があろうと思っております。

 ここで2つぜひともお願いしたいと思います。1点は給付費の5割の公費というのが今、充てられています。案ではそれをさらに軽減するとなっていますけれども、これを確実に別枠で新たな公費投入、国が責任を持った制度とした新たな公費投入をぜひお願いしたいということです。

 2点目は、社会保障・税一体改革によります低所得者保険料の軽減強化のために、1,300億円程度を充てるということにされておりますけれども、これを確実にこの低所得者対策に充当していただきたい。この2点をお願いいたしたいと思います。

 以上でございます。

○山崎部会長 続きまして、事前に意見書として出ております勝田委員からお願いいたします。

○勝田委員 利用者の立場から、利用者負担について意見を述べたいと思います。家族の会では費用負担について2009年に新提言を出しました。その中で高福祉を応分の負担としています。心にゆとりを持って安心して生活することができて、その人にとって過分でも過少でもない国民の負担であるということを目指しています。

 今回出された事務局提案のまず1つ目の被保険者全体の上位約20160万、そして2つ目は住民税課税者の所得が上位おおむね半分以上、これが170万です。これについて事業者の方々に意見を求めましたが、こんなに低いところで線を引くのか、今回の事務局提案は本当に乱暴ではないかという意見です。特に例えば8ページの医療の現役並み所得に該当している後期高齢者医療の被保険者は約7%であり、入院レセプトに占める現物給付の所得者のレセプトの割合は5.5%です。それにしても、例えば住民税課税者の上位半分、5割以上が2割負担に該当するというのはとても大変だというこですし、同時に18ページにあります高額介護サービス費の限度額の見直し案も同時に出されています。

 現在介護中の要介護4の御主人を介護されている方の費用について聞きました。小規模多機能を利用されておりますが、毎月8〜9万。医療費については実は認知症の薬が副作用が強くて現在使っていないそうですが、それ以外の薬はやはり必要だし、体調不良の場合は医療にかからなければならない。諸経費がかかるということで、2割負担になれば増えた額に相当するサービスの利用をやめるか、その費用を捻出するために生活を切り詰めざるを得ない。現在でも預貯金を切り崩してやっているのだけれども、もし夫1人の年金で、御主人の介護に全部使ってしまったら、自分はあとどうなるのだろう。そのことを考えると本当に不安でならないという声が寄せられています。

 敬老週間のこの1週間の間でも、北海道からいろいろな各県で介護殺人や介護心中が報じられております。ほとんどが認知症の介護者です。その原因には経済的困窮が報じられています。こういうような事態が起こる社会保障制度や介護保険であっていいのでしょうか。事務方のお考えもお聞かせいただきたい。

 また、一定以上の所得者の定義についてですが、介護保険サービスの利用者は80代から90代が中心です。少なくとも75歳以上の高齢者の負担能力を慎重に検討する必要があると考えますが、現在、出されているデータのみでいいのか。もう少しより綿密なものを出していただきたいと思います。

 特に預貯金についは1,000万円から2,000万円と出ています。この貯金の中身というのはどうなのか。同じくこの統計では年間の収入の階層別の貯蓄と同時に、負債も示されています。大体1,000万から、この統計では1,500万円以上というふうにくくりがありますが、例えば1,000万円から1,250万円の収入のある人の貯蓄は2,444万円です。ところが、この2,444万円の中身では生命保険が589万円あります。同じく1,500万円以上の預貯金は4,883万円ですが、その中で生命保険が占める割合が1,036万円です。生命保険というのは自分が亡くならない限り、これは出ないものです。そういうものまであてにしたところで出されるということについては、どのようにお考えなのでしょうか。同時に、このように同じく1,000万から2,250万の方々の負債もこの中には出ていますが、1,000万から1,250万の収入の方での負債は802万円、1,500万円以上の方については1,043万円の負債があります。ですから、預貯金があるからといって、そのお金が全て使えるものではないのではないでしょうか。そういうきめ細かな対応も必要ではないかと思っています。

 例えばやはりこの貯金の中でも、先ほども御意見がありましたが、境界値に近い人たちに一番大きな影響が出ると思いますが、こういう人たちに対するもう少しきめ細かな検討資料があればと思います。また、一定以上の所得者の利用者負担を2割にした場合、補足給付に資産勘案した場合、それぞれの施策の効果について現時点で、また、将来について推計した数字があればお示しください。

 以上です。

○山崎部会長 続きまして、土居委員、お願いいたします。

○土居委員 今の勝田委員の御質問に事務局からお答えいただいて、そのお答え次第で話す内容も変わってくるので、先にお答えいただきたいのですが。

○山崎部会長 では、数人の方にまとめて御質問いただくことになりますので、土居委員は後のほうにします。

 それでは、結城委員、お願いします。

○結城委員 発言要旨を用意しましたので、それに沿って発言したいと思います。

 まず1つ目ですけれども、一定所得以上の利用者負担について事務局から出された提案でございますが、私はこの水準については反対でございます。

 医療保険の後期高齢者医療制度の例をとって383万円。この場合だと2人の場合だと520万円。この水準を私は2割負担については導入すべきだと思います。

 なお、事務局提案の高額介護サービス費の限度額見直しについては、事務局提案に異論はございません。

 なぜかと申しますと、まず介護保険始まって以来、2割の自己負担という議論が今回の改正で大きな論点だと思います。初めて2割負担をするからには、ある程度慎重にしていくべきである。そのためには383万円のラインから入れていって、2割自己負担という制度をまず定着することが重要だと思います。これによって検証、分析して対象層をこれから拡充できるのかどうかということを議論すべきだと思います。

 もちろん保険料のとり方もそうですし、保険者側の立場もそうですし、ケアマネージャーやサービス事業所の人からも1割負担と2割負担という大きく利用者層が区別されるわけですから、現場のサービスの提供の仕方においても検証が必要だと思います。

 2番目は、高齢者の可処分所得は年金水準がこれ以上、上がり続きませんので、定期的に医療や介護保険料が上がっていきますので、可処分所得が目減りしていく。そういうことも勘案して自己負担2割を考えるべきであるので、まずは安全路線の383万が妥当かと思います。

 3番目は、医療と介護は家計上は利用者からすると一緒の負担ですので、両セットで考えていくべきではないかと思います。

 4番目は、実際、今回、事務局提案の水準というのは条件づけですけれども、私は保険外サービスもある程度は成長を考えるべきですが、非常に保険外サービスを使う層というのは事務局提案の層が一番多いと思います。その意味では、これらの成長や消費者のマインドの影響を踏まえる必要があるので、慎重な議論が必要かと思います。

 2つ目の補足給付について、資産の勘案で事務局が提案した現金、預貯金に関しては私も異論はございません。水準も1,000万円、夫婦で2,000万円も妥当だと思います。しかし、不動産などの資産勘案については反対をいたします。預貯金の場合でさえ、正直言うとこれは性善説に基づいてやっているわけで、正直言うとこれは本当に利用者さんの善意というか、正直なことに依存しているわけで、不動産を介しますと非常に事務的なコスト、保険者、簡単に言うと市役所です。事務手続のシャドーコストも考えられますので、不動産に関してはなかなか難しいし、不安定だと私は思っていますので、そういう意味で資産を勘案する場合、補足給付の場合は現金がいいかと思います。

 なお、非課税年金の場合は、遺族年金に限っては勘案してもいいかと思います。ただし、障害年金は勘案するべきではないと思います。

 3つ目の論点は、1号保険料の低所得者軽減策はおおむね賛同できますが、ゆくゆくは介護保険財源は全体で公費の割合を55%から60%にしていくべきだと思っています。例えば調整交付金の5%を公費で見ていくということです。

 そこで事務局に質問をさせていただきます。

 1番目、資料12ページ及び15ページで、この可処分所得というのは2025年においてはおおよその試算で構わないのですけれども、先ほど言ったように目減りしていくと思いますので、どの程度なのか教えていただきたい。

 2つ目は、市町村は実際今度遺族年金の情報を補足するときに、どのような事務処理をイメージしているのかを教えていただきたい。ゆくゆくは私は遺族年金は保険料の算定も必要かと思っておりますが、現段階でそれはなぜできないのか教えていただきたい。

 3つ目は、資料41ページですけれども、委託業者に委託する場合、個人情報上、問題ではないか。いろいろ流出する可能性があるのではないかということを、その辺の論点と財政の使途について、例えば結局担保に入れて、それを準備費に使うということなのですけれども、それもどうなのかということです。少し私は問題かと思います。

 最後に資料54ページですけれども、今回、低所得者軽減策に公費を充てるとなると、実質公費負担は50%以上を超えると思います。実際、2号被保険者も公費が入っているという説明もできますけれども、これはある意味、負担金ですが、今回はダイレクトに公費を例えば国民会議で言うと1,300億円入れるとなると、ここの記述は50%を超えると私は理解いたしますので、なぜ修正しないのか。それとも、あくまでも事務局は50%を堅持しているのかどうか。これは社会保障において介護保険を考える上で非常に大事な論点でございますので、以上の質問です。

○山崎部会長 ほかにいかがでしょうか。齊藤委員、どうぞ。

○齊藤(秀)委員 ありがとうございます。

 きょうのテーマにつきましてお話を申し上げたいと思います。

 まず一定所得以上の基準であります。資料では医療保険の現役並みとは異なったものとするという理由を3点挙げておられるわけですが、高齢者側といいますか、利用者側からしても、介護は将来予測が立たない、または長期化するリスクへの不安要素というのは非常に大きいと感じておりまして、この説明と高齢者の受けとめ方では少し乖離があるのではないかと思っております。

 その上で費用負担につきましては、サービス利用の有無にかかわらず、高齢者の関心は非常に高いものがあります。私も組織内で多くの方々に意見を伺ってまいりましたが、若い世代の負担をこれ以上ふやしたくないとか、保険財政を心配している、また、世代内の負担の公平化ということについては、私が想像する以上に理解をしておられる方々が多くいるという印象であります。具体的には2割負担を容認する高齢者が少なくないというのが、私の実感であります。

 その一方で、一定以上の所得者の基準に対しては、少なくとも医療で現在、1割負担となっている方が、介護において2割負担ということは到底考えておりません。これは生の声として私はなるほどと思っております。恐らく医療保険の現役並み所得が基準として彼らの頭の中にあるということは、容易に想定できます。

 現段階で提案の280万、290万につきましては、一般的な高齢者の認識とは少し乖離があるように思われております。

 一方、年金の減額が近く予定されておりますし、消費税の増税ということもございます。これらについて高齢者は一定の理解を示していると思っております。ただし、消費税財源は保険料や利用料の負担との関連も当然あるだろうと理解をされておられる方々は少なくないと思っております。消費税を上げながら、また、年金を下げながら、利用料にも影響があるということについて多くの高齢者の理解は得られているとは思っておりません。今後、これらの問題が認識の違いといいますか、考え方の違いが具体的になってくるときには、これは埋める作業は相当厳しいものがあるのではないかと思っております。

 高額介護サービスについてであります。医療保険の現役並み所得と合わせるという考え方については、大方の理解が得られる範囲ではないかと思っております。

 次に補足給付であります。世帯分離の配偶者の所得でありますとか、非課税年金、特に遺族年金の所得勘案については、この方向が理解をしていかなければいけない問題ではないかと思っております。ただし、障害者年金を同じような土俵で考えるべきなのかどうかというのは、慎重な議論が必要ではないかと思います。

 預貯金に関してですが、自己申告となっておりまして、実効性というものがペナルティ強化で果たして担保できるのかどうか、疑問に思っております。ペナルティに関しては雇用保険とか生活保護の例が出されておりますけれども、特にペナルティを課すというのではなくて、まだ課していないペナルティを強化するという書き方になっています。このペナルティの強化というのはどういうことを想定しておられるのか、お尋ねをしなければならないと思います。

 また、補足給付の対象外となる方とそうでない方、つまり境界線上を考えましたときに、単身で1,000万、夫婦で2,000万という非常に大きな額になりますから、具体的には900万や1,900万のところと大きな差が出てくる。新たな不公平を生じるという印象が避けられないわけでありますけれども、この辺はどのようにお考えか。

 これは不動産に関しても同じでありまして、評価額2,000万というのは都市部の問題だと思いますけれども、ここでも新たな不公平を生じるようなことになる。これをどういうふうに整理して理解できるものにしていけるのか、私の想像を超えている部分です。

 また、不動産に関しては、評価額は変化するわけでありますし、また、子供が同居している場合のことも書かれているわけでありますけれども、仮に現在同居していなくても家庭事情、さまざまな状況で子供が住まざるを得ない状況になるようなことも発生することもあり得るわけでありまして、さまざまな個別対応が求められるようになってくるのではないか。さらには長期にわたる管理が必要になりますから、大西委員が御心配されたように、果たして費用対効果だとか委託先というのはどんなふうになるのだろう。それは具体的なことを今、お考えとしてあるのかどうかもお尋ねをしたい。むしろこれは将来的な議論としてはあると思いますが、現在さまざまな条件がまだ見通しとしては立ちにくいといいますか、立っていない状況ではないかということも感じておりますので、その辺の事務局の御判断やお考えもお聞かせいただければと思います。

 最後に低所得者の保険料軽減につきましては、既に保険者で多段階の保険料設定をして細分化して対応されておられるわけでありますから、これにならってさらに弾力化する方向については賛同いたします。さらに消費税導入の暁にはということで、公費の投入を速やかに進めることについても、ぜひその方向でお願いしたいと思います。

 以上です。

○山崎部会長 ありがとうございました。

 河原委員、どうぞ。

○河原委員 ありがとうございす。

 一定以上の所得がある利用者から御負担をお願いするということは、随分ここでも議論をいたしましたし、制度の持続性だとか世代間、世代内の公平性の観点から、私は当然導き出される結論だと思います。しかしながら、利用者のサービス利用控えも当然考えられるわけで、そのあたりの緩和策なども入れた対策案も、国のほうで考えていただけないかということを思いました。

 そういった意味で1つの対策として、負担増の法案が来年の通常国会に出されるときには、消費税8%の引き上げ時、そして10%への引き上げ時には引き上がる消費税のどの程度を介護の充実に使うのか。また、具体的なプランはこのように考えているなど、負担が2割になるに当たっては、そうした具体的なプランを積極的に私は示されることが重要だろうと思います。

 一定以上の一定の考えは、収支状況等の詳細なデータから設計されておりますが、理論上では理解できますけれども、私は大変びっくりをいたしました。こんなに厳しい数字なのかなと思いまして、結城委員のおっしゃっている数字のほうが納得ができるかなと思いました。目減りの話が結城委員から出ておりましたけれども、12ページで使われたデータも、実は消費税がこれから上がった場合、消費の支出が上がります。介護保険料も上がっていく。そうしていくことになってくると、12ページのデータがデータどおりの数字にならないと思いますけれども、この辺につきましてはどのようにお考えなのかお聞かせ願いたいと思います。

 基準案の1と2では、合計所得金額は別として、世代内の公平という視点では、被保険者全体からの比率である案1を採用するべきではないかと思いました。

 補足給付について、補足給付の対象外を設定するに当たって預貯金を勘案することについては、私どもはいま一つすっきりいたしませんでした。高齢になる前に生活を切り詰めるだけ切り詰めて、さまざまな目的から懸命に貯金をした人には、対象外になることは言ってみれば災難ですし、その反対に無駄に浪費をし、貯金を考えていなかった人には、実は幸運だととられるような気がしないでもない。また、これは大西委員もおっしゃっていましたけれども、私どももいろいろ意見交換をしましたが、タンス預金の話は確かにございました。こういったところで余り冗談を言ってはいけませんけれども、夫婦でも内緒にしている通帳があるはずだ。そういったこともどう明らかにするのかというような話も私どもではしておりました。

 自己申告は性善説に立つとは言え、トラブルがつきまといますので、市町村の負担は相当なものになると思います。ということで100%支持はしにくいなと思いました。

 リバースモーゲージの考え方は資産勘案にあるように、介護保険の財源を一時的に用いた事業で、後で精算ということであれば私はまだ納得できる考え方ではないかと思います。しかしながら、そもそも論で申しわけないですが、補足給付は食費と居住費に対しての福祉的な給付であり、補足給付対象者の範囲を制限しても、在宅サービスとの不公平は解消されません。したがって、補足給付については介護給付費以外での対応で整理されるべき問題ではないかと改めて私は思いました。

 第1号保険料の低所得者軽減について、現在の応能負担をさらに多段階にすることは低所得者の対策だけなら支持したいですが、多段階になるということは比較的所得の高い方には負担増になるということもあわせて考えられます。応能負担は十分に理解しておりますので、介護とは無縁な元気高齢者に対する地域の支援事業と申しますか、地域の事業の具体的なプランをあわせて保険者が打ち出さなければ、負担が重くなる可能性のある第1号保険者の反発にもつながるのではないかと思いますので、慎重な打ち出しが必要ではないかと私は思います。

 以上でございます。

○山崎部会長 内田委員、どうぞ。

○内田委員 高齢者が全員所得が少ないというわけではないので、一定以上の収入のある方に2割負担を設けていくというのは理解はできますけれども、それは我々の理解で、御本人にとってそれが理解いくものかどうかというのが心配なところです。現在でもそれなりの収入がある方でも、介護を受けている方は入院等で何かしらお金もかかるということがあって、サービス利用を控えたりするような方もいらっしゃるわけです。それが今度は2割ということになってしまうと、本来必要な介護サービスの利用を控えるというようなことになって、そのことで老老介護で介護者の負担がよりふえるとか、あるいはサービスを利用しなかったことで重度化するといったような危惧もあるのではないかと感じております。

 この12ページと15ページで案1ということで御説明をいただいたものですが、これはやはり何かどう見ても余裕がなくて、基準をどこに設けるかというのは非常に大事なのではないかと思います。というのが1つ。

 それから、補足給付は今までも在宅サービスを利用している方々にとっては非常に公平感のあるものでしたので、今回、御提案いただいたことについてはもちろん何かそういうことで改善していくことはいいにはいいのですけれども、ただ、自己申告ということでいくと、またまた新たな不公平感というものが生まれてしまうのではないかというような心配がされます。ましてや不動産というのである機関に委託してということになってくると、仮に判断力が低下してくる高齢者等が御利用になるということで、一体きちんとしたことができるかなという不安を感じるところです。

 以上です。

○山崎部会長 それでは、ここで事務局からまとめてお答えをお願いします。

○榎本介護保険計画課長 まず大西委員のほうからでございますが、実際の実務を運用する上で非常に課題が多いという御指摘は、全く私どもも共有しているところでございまして、この点は私どもとしても、できるだけ実務レベルでやり易いやり方を工夫することが非常に大きな課題だと思っております。今後ともよく現場の担当の方とも意見交換をさせていただきながら、実務を詰めるということを私どもとしても心がけてまいりたいと思っているところです。

 それから、金融機関との協力という意味でも、それをどうしていくのか。これも1つの大事な課題だと思っていますので、また御意見を承ってよく整理をしていきたいと思っております。

 固定資産についてどういうふうに事務負担がかかるのか。そこもやはり実際、実務をどう回していくのかというところであろうかと思います。私どもが今のところ想定をしておりますのは、例えば地域の金融機関さんなどに事務を委託するということを想定しておりますが、そういった中でそれがどれぐらいの負担になってくるのか、あるいは実施する側としての負担と、委託する側としての負担といったものはどういうものになってくるのかというところは、よく整理をさせていただきたいと思っております。

 勝田委員から、利用者負担について2割負担になりますと、かなり生活を切り詰めるということで大変な負担になるのではないかというお話を頂戴しております。今回の御提案につきましては、経済的に苦しい低所得者の方も含めて全体を2割にするということではございませんでして、高齢者の方の中でも負担能力の相対的に高い方に応分の負担をお願いするようにしたらどうだろうかということです。

 そういう意味で、負担が上がっても経済的に対応可能なところで線を引くということで今回、御議論をお願いしているものです。

 収支状況、家計調査の報告をもとに世帯で基本的には預貯金を取り崩して対応しているのではないかという御意見を頂戴しております。お示ししました収支モデルの中では直接税、社会保険などの非消費支出、この部分も税、保険料という形で織り込んでお示しをしているところです。

 御提出いただいた資料の家計収支、これは恐らく平均の家計収支であろうと思いますが、このように低所得者の方も含めた平均で捉えるよりも、収入の段階に応じて検討することが適当ではないかと考えているものです。

 提出しました資料でお示ししておりますのは、そういう意味で平均的な消費支出と一定以上所得者に境界で該当する方の収入の比較ということでございまして、フローだけでも一定の余裕を持って平均消費支出を超えるということでお示しをしたものだと御理解いただければ幸いです。

 補足給付の関係で預貯金の水準についてデータなどをお示しいただきながら御意見を頂戴しております。一定の基準を定めるということは、いずれにしても預貯金等を考慮する以上は必要でございまして、逆にそれを下回る場合にはその際に改めて申請をしていただければ、補足給付の支給を受けることができる仕組みにしようとしております。

 御指摘の世帯主が60歳以上の世帯というのは、現役の方も含まれておりまして、また、低所得者の方だけに限られないということもありますので、平均や中央値というのが高めに出ているきらいがあるのではないかと思います。低所得者の65歳以上世帯というのは資料でもお示ししましたけれども、夫婦でも単身でも基準を超えるのは10%前後です。

 生命保険などについての御指摘がございますが、預貯金などの範囲の詳細については、これは今後さらに検討してまいりたいと考えております。基本的には活用できない性格のものであれば、それは勘案するのにはふさわしくないという方向で検討するのではないかと考えております。

 なお、提出していただいた紙にございますデータ、これは恐らく全ての2人以上世帯のデータということでして、現役世代を含んでおりますデータですので、生命保険の割合がもしかすると高くなっているのではないかと思います。

 例えば消費実態調査で、年収200万未満の65歳以上の夫婦世帯ということでございますと、預金が約8割程度でして、生命保険などでは13%ほどという数字もあります。

 御指摘の負債を確かに考慮する必要があるのではないかということですので、それは検討してまいりたいと思います。

 なお、御指摘のデータですが、恐らくこれは住宅ローンがある現役世代も含めたデータではないかと思われるのですけれども、同様に200万円未満の65歳以上の夫婦世帯ということですと、20万円以上の負債を持つ方というのは5%に満たないというデータが、私どもの手元にあります。

 今回の利用者負担を2割にした場合あるいは資産勘案をした場合の施策の効果でございますが、いろいろな要素を考慮する必要がありまして、現在その推計につきましては試算をしているところです。整理ができましたところで改めて御報告を申し上げたいと考えております。

 結城委員からは、2025年段階の引き上げ部分のみを勘案して、可処分所得がどれぐらいになるのか予測ができるのかということでございます。現時点で恐縮ですけれども、第6期に向けた制度改正を検討している段階ですので、10年後の2025年の保険料水準を勘案したものを現段階でお示しするのはねなかなか難しい面が正直ございます。今後のさらなる高齢化を考えますと、保険料、税の負担というのは現役世代を含めて一定程度上昇を免れない面がありますが、一方で団塊の世代が後期高齢者になる段階で年金収入、消費支出の動向も当然変化してまいるのではないかと思っておりまして、今の段階で具体的に幾らということを示すのは難しい状況です。

 2点目に、遺族年金の情報把握の事務処理が具体的にどういうイメージかということです。現在、市町村の現場におきましては非課税年金の情報というのは当然のことながら把握できる状況にはありません。このため、申請者による申告ということも考えられますが、より効率的に市町村ができるようにということで、例えば照会したときに速やかに回答を得られるような仕組みができないかどうか、日本年金機構と調整を進めてまいりたいと考えております。

 遺族年金が保険料算定で難しいのかということでございますけれども、現在、自治体で保険料を条例で独自減免する場合がございますが、そういったときに非課税収入を勘案する例もあります。ただ、保険料の基本的な設定に遺族年金を入れる場合には、年金法上の先ほどご覧いただいた公租公課禁止の規定というものがありますので、これとの間での齟齬が生じるのではないかと考えております。

 貸付業務で財政使途、個人情報の保持上、問題ではないかということでございます。貸付業務につきまして財政の使途ということですけれども、当初、必要な貸付原資がない場合に、市町村からその原資を貸しつけるということを想定したものでして、その後、貸付金が回収されて事業として資金が回転するということになりますと、貸付金としては不要になるのではないかと考えております。

 個人情報の保持というところですけれども、個人情報の扱いにつきましては大変重要な課題を御指摘いただいておりますので、御意見を踏まえながら検討してまいりたいと考えております。

 齊藤委員から今後、将来的に収支モデルのところで年金の減額とか、消費増税などもあって、そういった負担がなかなか大きいのではないかということを御指摘いただいております。本日お示しいたしましたのは、あくまでも現段階での収支モデルということでお示ししておりますので、今後その状況がどうなるのかということについては改めて整理する必要があるかと思っています。ただ、いずれにしましても今後の高齢化を考えますと、現役世代の負担というのも当然増えてまいりますので、そういった中でどういったあたりで負担の公平のラインを引いていくことが適当なのかということを、皆様の御議論をお願いせざるを得ないところかと思っております。

 ペナルティがまだないのに強化だという御指摘を頂戴しておりましたけれども、おっしゃるとおり、まだ制度としてはこれから作るところでありまして、そういう中で預貯金の状況を申告していくに当たっての担保方策をどうするかということで御紹介した雇用保険の例とか、あるいは生活保護法案の例を御紹介したということです。そういうことで担保を図りながら、その状況を正当に御申告いただくことを想定しているということで、このような表現をさせていただきました。

 単身でも預貯金1,000万を超える場合と、900万だった場合とかなり差があるのではないかという御指摘がございましたが、確かにおっしゃるとおり、これは不動産の場合も同様ですが、2割負担になるのかどうか、あるいは補足給付の対象になるのかどうかという意味で差が生じるのは、当然そうなってまいりますが、そこはどうしてもどこかにラインを引く以上、そういう差がどうしても生じざるを得ない面があります。そういった中で、どういったあたりだったらそれが合理的だと判断されるのかどうかというところであろうかと考えております。またそのあたりも先生方の御意見を頂戴したいと思います。

 不動産について、費用対効果とか委託先ということでございましたが、先ほど大西委員のほうでも御回答申し上げましたように、基本的には金融機関などを想定しているところです。また、費用対効果をどうするかといったあたりも、私どもとしてもよく整理をしながら考えていきたいと思っております。

 河原委員からは、多段階について所得の高い方について負担増ということで御意見を頂戴しておりますけれども、多段階は現段階でも既に市町村でそれぞれの地域の事情に応じて設定されておられるところです。そういう中で所得の高い方にかなり負担をお願いする面もありますが、そういった全体の負担をどうやって伸びを抑えていくかということが重要な課題ということで、今回のような整理もあわせて考えていかなければならないというところで、こういう段階設定をさせていただいているということで御理解いただければと思っております。

 内田委員から預貯金等について自己申告で不公平が生まれるのではないかということがございました。確かにそういう面がありますが、一方でこの預貯金を自己申告でやらざるを得ないから、それだったらやめるという選択をとるのかどうかというところも1つ判断が必要なところでして、逆に自己申告であってもちゃんと負担していただける方には負担していただく方が、全体の世代間の公平に資するという考え方も一方であろうかと思います。そのあたりをどういうふうに整理して考えていくか、先生方からまた御意見を頂戴できればと思っております。

 以上でございます。

○結城委員 50%のお答えがなかったのですが。

○榎本介護保険計画課長 すみません、結城先生から一番最後に御質問いただいた公費50%というところですが、今回の措置につきましては、基本的にまず構造として介護保険財政の基本的枠組みで保険料負担分50%、公費50%という枠組み自体を変えるものではありませんで、そのほかに新たに低所得者の方に向けてその保険料を支援するということで公費を入れるということですので、結果的にトータルで見ると公費が50%を超えるということであろうかと思いますが、保険の構造上は50%、50%というのは引き続き維持をしておるという考え方ですので、その説明をするシチュエーションによって言い方は変わってくることがあるのではないかと考えております。

 以上でございます。

○山崎部会長 それでは、お待たせしました。土居委員、お願いします。

○土居委員 ありがとうございます。

 事務局から資産の勘案のところの負債についてのお考えがどういうことかというのを確認してから話させていただきたいと思いましたものですから、失礼いたしました。

 私は提出資料のとおりの意見を持っておりますけれども、ここで書いていないことについて口頭で申し上げさせていただきたいと思います。

 確かに新たな提案を盛り込むことによって、あたかも新たに不公平が生じるかのような印象を持っている方もいらっしゃるかもしれませんが、私は今の所得というものが総合課税されている所得、つまり住民税が課税される所得という形で捉えられているのであって、金融所得や遺族年金、障害年金などが多くても住民税が総合課税されるところで、その課税所得が少ないということを理由にしていろいろな社会保障の恩恵を受けたり、負担軽減があったり、そういうようなある種、偽善的な状況が今あることを踏まえた上で、それを少しでも改善するということのためには、いきなり所得を網羅的に把握するというところは、マイナンバーができればやがてはできるにしても、それまでの道のりはまだ長いので、資産を勘案するなり利用者負担をお願いするところで、一定所得以上というところで線引きをするなりということをやることは、むしろ新たな不公平を生むということではなくて、今の不公平な状況を改善するというものに非常に大いに貢献するものだと言って評価しております。

 特に利用者負担の点につきましては、現役並み所得というところで線を引いてはどうかという話がありますが、私はこれは非常に詭弁だと思っております。資料の8ページにまさにその図が載っておりますけれども、私が存じ上げているこの導入の経緯を見ますと、極端に言えば高齢者を謝って慰めるためのつくられた数字であると思います。つまり現役並みと言いながら、Aの現役世代の収入は386万円であるのに対して、Bは520万円。これで現役並みだと言っているのは全く詭弁と言わざるを得ません。これを介護保険の世界に一定以上所得者という形で入れるというのは、この詭弁を介護保険制度の中に埋め込むということであり、これは受け入れられるものではないと思います。

 さらに、この提出資料にもありますように、住民税の非課税限度額以上の所得を得るものを、保険料の水準で言えば第5段階の1号被保険者の方々に2割負担をお願いするというところであれば、市町村の事務も簡素に済みます。ですから、いきなりそこまでは広げられないということであれば、事務局提案によるところの案1に相当するところが、その道筋の途中という意味では私は望ましいのではないかと考えております。

 次に、補足給付でありますけれども、これもいきなり完璧な仕組みを入れるというのはとても困難でありますから、まずは先ほど申し上げたように、誤って低所得者でない人を低所得者とみなすというところの問題を改善する第一歩として、金融資産や不動産を勘案するというところで、こういう形で導入する提案は私は賛成であります。

 金融所得についても、もちろん負債を勘案するかどうかというところは、非常にこれを改めて精査する必要が私はあると思っておりますけれども、トリッキーに負債を使って自分の経済力が少ないかのように取引することもできなくはないというところがありますので、そういうようなことがこの補足において起こらないようにすることは必要だと思います。

 もう一つは、事務局の説明にはありませんでしたけれども、私が思いますのは、金融資産の残高をどの時点のものとして把握するかというのは、この補足給付を申請する1年前の残高というのが1つ基準としていいのではないかと思います。つまり申請する前日に息子に預金を譲渡するということにして、私は預金残高がありませんということを示しては、これはもちろん贈与税がかかるということの可能性が1,000万だとあるわけですけれども、さすがに1年以内ということであれば、贈与税を払ってでも譲渡するということで自分の経済力がないということにするのか、それともちゃんと贈与せずに補足給付は受けないということにするかという観点でよいのではないかと思います。

 不動産資産については、確かに換金性が低いということでなかなかこれを補足給付の要件にするのは好ましくないのではないかという見方があると思われますけれども、不動産担保貸付制度を浸透させることを通じて、不動産と言えどもこれをきちんと勘案して、特に第2号被保険者の方々に対してはこれからさらに保険料が上がっていく中で、低所得だけれども、不動産をたくさん持っているという高齢者に対して給付をするということであれば、これはなかなか理解が得られないと思いますので、こういうところは改めていくということは重要なことだと思います。

 1号保険料の低所得者軽減と、もう一つは利用者負担も同様なのですけれども、所得の補足というところについてはマイナンバーをさらに活用すること、それから、結城委員もおっしゃっていましたけれども、遺族年金。私はさらに障害年金も含めていいと思うのですが、そういう非課税となっているものも、所得の水準として勘案することは必要なのではないかと思っています。

 以上です。

○山崎部会長 藤原委員、どうぞ。

○藤原委員 遅刻してきて済みません。

 既に大西委員からも発言があったかと思いますが、市町村の保険者として1点申し上げさせていただきたいと思います。

 補足給付であります。世代間の公平性や制度運営の安定性の観点から見ますと、所得に加えまして保険者事務負担に配慮した資産の適正な評価等の総合的な対策が必要でありまして、補足給付の重点化については政策の方向性としては理解しております。

 しかしながら、資産を勘案する不動産について特に申し上げますと、市町村が当該不動産を担保とした貸しつけを介護保険の財源を用いた事業として行い、利用者の死後にこれを回収する仕組みを導入し、外部への委託を可能にするとされておりますが、都市部と町村部の特に農産地域では、非常に条件が大きく異なります。農山村では売却等が不可能な不動産が多く存在しておりまして、土地等を担保設定することが非常に難しい場合や、担保設定できたとしても、少額な担保設定となる場合など、さまざまなケースが想定されます。果たして実務的に執行可能かどうか、大変危惧しているところでありますが、この部分については特に今、地域に合ったような内容で運用できるか詳細に検討して、十分に議論を尽くしていく必要があるのではないかと考えます。山村部では、ただ土地を持っているだけで負担が変わるというケースが相当あるわけであります。ですから、この辺をしっかり議論をしていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

○山崎部会長 布施委員、どうぞ。

○布施委員 ありがとうございます。

 最初に利用者負担についてですけれども、介護保険制度の持続可能性を高めていくということで見ますと、増え続ける給付費をいかに抑えていくかということが重要であるわけでございます。そうした観点から言いますと、一定以上の所得者の利用者負担の引き上げを支持いたします。

 これは医療保険制度がこれまでに歩んできた道でもあるわけでございます。一定以上の所得水準につきましては提案のとおり、医療保険制度の現役並み所得者の考え方と異なっていてもいいのではないかと考えております。その上で全体の2割程度が該当する水準がおおむね妥当ではないかと思っています。

 資料20ページのとおり、高額介護サービス費の自己負担限度額は現在3万7,200円でございます。一定以上の所得者が2割負担となった場合は、新たに自己負担限度額を検討すべきではないかと思います。

 次に、補足給付についてですけれども、補足給付の要件を見直す方向は支持いたします。配偶者の所得や資産を勘案する考え方も適切と感じております。預貯金の自己申告方式については不正防止の徹底を図るべきと思います。

 最後に、第1号保険料の低所得者軽減についてでございますが、資料55ページの検討イメージを実現する場合ですけれども、別枠の公費は消費税の引き上げ分を充てるお考えのようでございますが、1つお願いをしたいのは、高齢者と現役世代の負担のバランスを考えていく意味でも、第2号被保険者の負担軽減にも目を向けた施策を検討していただきたいと思います。

 以上でございます。

○山崎部会長 林委員、どうぞ。

○林委員 幾つか、まず質問と後で意見を述べさせてもらいます。

 初めは所得の線引きの表があったと思います。10ページなのですけれども、これによろしければ生活保護基準も入れていただけると、様々な制度間の関係が明らかになるかなというのが1つです。

 2つ目は、これもデータがあればの話ですけれども、要介護者や要介護の発現度もしくは要介護の度合いと所得にどういう相関があるのかというデータがあれば拝見したいと思います。これが質問です。

 あと幾つか意見を述べさせてもらいたいと思います。保険の所得の線引きのところです。先ほど土居委員から現役並み所得云々の話が出ましたが、これはいわゆる現役のデータが前に386万とあると思いますが、現役の収入は収入として、支出の内訳について出していただければいいと思います。多分、子育て世帯の場合はお年寄りは支払っていない費用が当然あるでしょうし、先ほど負債の話がありましたが、多分、働き盛りの世帯にはローンがかなりあるはずなので、そのような借金や子供の支出まで考えると、実際の現役所得はもっと低いのではないかという感触を持っています。こういうことを勘案して、高齢者の現役並所得をちゃんと考えていただきたいと思います。

  土地の話も出てきました。土地の査定を行うのであれば、これは農村部は関係ないかもしれませんが、農地は宅地と異なった資産査定をやっていると思いますので、それをそのまま応用していただくのではなく、特に都市部の農地は宅地と同様の方法で、しっかりやっていただきたいと思います。

 次に、公平性の話です。先ほど公平性という言葉が出てきますが、これを聞いて私は実は意外だと思いました。介護保険制度自体は公平ではないと思っています。なぜかというと、地域によって保険料も違いますし、供給される介護サービスも違います。また地方の職員さんの能力も違います。職員さんの能力が違うと多分サービスもかなり違ってくるでしょう。公平性という言葉が出てくると、介護保険という制度自体が根本のところから足をすくわれるような気がします。これはあくまでも感想です。

 先ほど消費税の増分を介護保険料の第1段階、第2段階に回すという話が出ましたけれども、本来ならそちらではなくて、これは結城委員の御意見と同じなのですけれども、地域間の不公平を調整するように財源を充てていただきたいと思います。まず地域間の公平を保っていただいて、あとは市町村に任せて、中で低所得者と高所得者のところを決めていただければいいのかなと。もちろん、中高所得者の負担については国がモデルを示すというのは当然あるのですけれども、そういう考え方もあるのではないかと思います。

 最後に、国の一般会計の歳出の半分しか租税で賄われていない状況です。地方に対する地方交付税も、現在は、臨財債を出し借金しながら維持している状況です。こういう状況では今後の負担増は絶対避けられない状態です。誰かがお金を面倒見なければいけませんので、いろんな業界団体さんいらっしゃると思いますけれども、このことまで考えていろいろやっていただければと思います。

 以上です。

○山崎部会長 桝田委員、どうぞ。

○桝田委員 まず、一定以上の所得者の部分ですけれども、やはり基本的には2割負担等を導入するのであれば、まず医療からは合わすのが一番、いわゆる国民に納得していただく面から言うとふさわしいのではないか。それで、まず医療と介護の違いの部分がございますので、その違いの部分から考えていくと、2割の方であったり50%の方という考え方ではなくて、やはり保険料徴収の分がいわゆる第1段階から第6段階という形で段階で分かれている。そうすると、その第6段階、190万ラインですね。その線でそろえるほうが合理性があるのではないか。単にその160万、170万で切るのではなくて、介護保険で決めている段階の区分で分けて、まず2割負担等を考える場合をしていく。それと保険料を今回かなり細かな形で収入に応じた保険料負担というものをつくっていくのであれば、1割負担がいきなり2割負担ではなくて、それこそ1.5割の層が多くてもいいのではないか。少し複雑にはなりますけれども、そういう形も考えられないのではないかと思います。

 もう一つ、いわゆる年金の中で非課税になっています部分の中で、障害者年金というのは少し非課税の中でも、ここに収入として捉えるには議論が必要なのではないか。単純に非課税だから今回、その分を持っていきますよというのは、議論が足りない。障害者年金自体の持っている性質等々を、かなり議論をされて決めたほうがいいのではないかと思います。

 以上でございます。

○山崎部会長 伊藤委員、どうぞ。

○伊藤委員 ありがとうございます。

 まず利用者負担について、社会保険なので社会保険料負担の差をつけて、給付は一定というのが基本と思ってきましたが、高額介護サービス費という仕組みがあることを考えて、今回、同一世代内の公平性の確保という考え方には一定の理解をしております。前にも言いましたようにマクロ経済スライドによる年金の給付減額や社会保険料負担の変化ということも踏まえて、所得基準は丁寧に検討してもらいたいと思っています。

 丁寧さということと、高齢者にわかりやすい基準が基本的な政策を打つ上では重要だと思っていますので、今ある後期高齢者医療制度の現役並み所得という考え方が、まず第1に考えられるのではないかと思っています。これは7%ということで資料の中にもありますが、今回の提案がおおむね上位20%ということで2割負担の対象を提案されています。事務局にお聞きしたいのですが、この20%を対象とすることで出てくる財源をあてにすることがまずあって、20%にすることを考えられているのかについて確認したいと思います。

 所得基準を考えるときに、全国消費実態調査などを見ると、家族に要介護認定者がいる世帯とそうでない世帯で、支出の内容に大分差が出ていることがわかりましたので、やはり要介護認定者のいる世帯のほうが2人以上世帯であっても勤労者世帯であっても必ず高くなっています。年間支出にすればもちろん仕送り金や保険医療という部分も入っていますので、そうしたものを控除しなければなりませんが、控除してもまだかなり大きい支出増が要介護認定者のいる世帯に大きくなっていますので、私の見方が正確でないのかもしれないため、そうしたことも今後の議論の中で説明をいただければと思っております。

 補足給付のほうですが、配偶者の所得勘案や預貯金の勘案については、公平性を十分留意しながらあり得ると考えています。しかし、具体的な話になりますが、実際に高齢者に接している介護職員の話なども聞いたところ、葬祭費用を自分で用意しているケースが非常に多い。また、経産省が2011年に出したライフエンディング・ステージの創出に向けてという報告書では、自分でライフエンド後にかかる費用の準備をする人が7割近いのです。年が上がっていくほど割合が高くなります。配偶者や子供などに任せるというのは16.7%にとどまっており、こうした高齢者の意識も十分尊重して、それぞれのライフプランというものがありますので、考えて対応するという丁寧さが必要だと思っています。

 公平性という話は、元々、が公平ではない制度であるといった御意見もありましたが、そうした意味ではなくて、正直者がばかを見るという意味の公平性に納得性がなくならないという考え方が十分必要だと思っています。リバースモーゲージを行うときには、その抵当権が設定されていない物件に限られるでしょうし、今回の提起だと子供と同居している場合はリバースモーゲージの対象から外すことになっていますが、一時的な調査の時点だけ偽装家族のような、ことが起きるのを防がなければなりません。また、実務上の検討は大変難しい課題がたくさんあると思っています。市町村に対して今回多くの役割を提示する案がありますので、実務が本当に行えるかという観点で、さらに詰めた検討をしていただきたいと思います。

 以上です。

○山崎部会長 では、ここでまとめて事務局からお願いします。

○榎本介護保険計画課長 また各種いろいろ御指摘を頂戴しているところですけれども、まず土居委員から各種御意見を頂戴しております。その中で金融資産の基準についてどういう時点で捉えるのかという御指摘を頂戴しております。いろいろと捉え方について考えるべき要素、御指摘をいただいたように不正なと言ってはあれですけれども、本来持っているものを隠すようなことがないようにという視点も1つあろうかと思いますし、一方でどういう時点でやると、よりその人の本当の資産状況が把握できるのかということもございますので、よく御意見も踏まえながら検討してまいりたいと考えております。

 藤原委員から、都市部と農山村では不動産の状況が違うんだという御指摘を頂戴しております。私どもも十分その点は認識しておりまして、そういう意味で今回、御提案申し上げたものも、不動産の流通性もよく勘案しながらということを考えなければいけないと思っておりますし、固定資産税台帳ベースで評価額が2,000万円というラインを引いたというのも、ひとつそういったところも考えながら設定する必要があるのではないかということで、設けさせていただいたものです。御指摘については実務的な面をよく配慮しながら検討していきたいと思っております。

 林委員から幾つか宿題を頂戴しております。いただきました点につきましては私どももどういう資料を用意できるか、また検討させていただきたいと存じます。

 農地の取り扱いについて御意見をいただいております。確かに農地とか山林の取り扱いをどうするかという点は、非常に難しい部分があろうかと思います。まずは宅地でと私どもは御提案させていただいておりますけれども、いただいた御意見も踏まえながら整理をしていきたいと思っております。

 低所得者向けの対応ということで、地域間の不公平がなくなるように財源を回してほしいという御意見も頂戴しております。私どもとしては現在、既に調整交付金の中で後期高齢者の割合と、地域の低所得者の数の状況を勘案しながら、調整交付金の中で財源的に各保険者の均てんを図れるように調整をさせていただいているところです。それに加えて、またどういうものが必要なのかというのはなかなか難しい面が正直あろうかと思っておりますが、とりあえず私どもとしてはその中で整理をさせていただければと思っております。

 桝田委員から、負担割合について1.5割の層があってもいいのではないかという御提案を頂戴しております。私ども今回1割・2割ということで御提案させていただいたのは、実務的にわかりやすい面。というのは、小数点が入ってくるとなかなか計算がややこしくなってしまう面がどうしてもあるということで、整数でやることでできるだけ制度を簡素なものにしていきたいということで、御提案させていただいたということです。

 伊藤委員から、今回の一定以上所得者の割合は例えば被保険者の上位2割ということで御提案申し上げておりますが、何かその財源をあてにしているのかというお尋ねですけれども、今回私どもとしては、ある程度応分の負担能力のある方について負担をしていただくということで考えておりますので、そのラインを引いてみると大体2割なりのところでラインを引けば、それなりの負担能力というのが考えられるのではないかということで、御提案させていただいたものです。

 預貯金の申告について、納得性がなくならないようにすることが大事だという御指摘を頂戴しております。全くそれはおっしゃるとおりだと思います。そういう意味で今回、私どものほうでも1つはペナルティと言いますか、不正があったときの不正に対するサンクションを設ける。あるいはそういったことが生じないように、まず市町村からもサンプル的にでも調査をしてみるといったようなことも勘案しながら、できるだけ適正な申告がなされるように制度を仕組んでいくことが大事だと考えております。

 また、偽装家族のようなことの御指摘もございましたが、そういったこともよく考えながら実務を整理していきたいと思っております。

 以上でございます。

○山崎部会長 それで、私のほうから一言。林委員の御質問にありました消費税は、低所得者の保険料軽減にも充てることになっているのですが、それ以外にも医療だけではなく介護についても、サービスの基盤整備を含めて提供体制改革の推進に充てることになっておりますから、当然地域間の現状のアンバランスを是正するという方向で配分されるものと思っておりますが、総務課長いかがでしょうか。

○高橋総務課長 御指摘のとおりだと思います。今回、税と一体改革でありますので、きょうは負担の部分が出ていますから負担の中のところだけで見えがちなのですけれども、御指摘のようにサービスの充実ですとか、全体のところの基盤整備の部分ですとか、その中で基盤が整っていないところにはより厚く行くようになる。そのことになろうかと思います。全体でよく議論をお願いしたいと思います。

○山崎部会長 では、続きまして鷲見委員から。

○鷲見委員 利用者負担の引き上げについてでございます。サービスメニューが明確でケアプランに通じて選択ができるようになっておりますし、それから、費用額が予想できるという意味では一定の理解ができ、利用者負担については1つの選択肢であると考えます。しかしながら、同じサービスを受けながらも実際に支払う金額に違いが出てくるときには、利用者が負担するときにはシビアな現場でございます。ですから、そういったことでサービスの内容にひずみが出てこないように配慮が必要であるということと、実際にはそういう不満の矛先は現場であり、ケアマネージャーに向く可能性が否定できないということを考えますと、現場で説明するのは我々ケアマネージャーがすることが多いので、ぜひ利用者・家族に対する説明や周知を保険者が責任を持って行うということが必須であろうと考えます。

 次に、補足給付についてでございますが、高齢者の生活というのはやはり所得だけでは論じられないことがございます。現場で直接かかわっている我々は納得いかないことがやはりしばしば見受けられるのが現状で、例えば先ほど来、出ていますが、所得はないけれども、資産はある。家族単位で見ると生活は十分できているけれども、世帯分離している。一方、同一世帯でも援助が受けられない場合であるとか、高齢者所得に家族の生活がかかっているような状況も見受けられます。

 今回みたいにこういった煩雑ないろんな手続がかかることになりますと、とかく施設入所のときに、我々に利用者側から入所したらどのぐらいかかるのかという質問は必ずあります。ここまで踏み込んだ説明を我々ができるかといったら、これはかなり無理があると考えます。

 実際にはそういった手続が難しかったり、きちんとした説明ができないことで入所に対して利用者が不利益を被る、時間がかかってしまう等がないようにスムーズな運用ができるようにしていかなければならないと考えますので、このあたりにはまだ不安が残るといったところが我々の意見でございます。

 以上です。

○山崎部会長 小林委員、どうぞ。

○小林委員 まず利用者負担についてです。現役世代の負担が相当重くなっており、医療保険財政は極めて厳しい状況にあります。私ども協会けんぽも例外ではなく、約160万の加入事業所の4分の3が従業員9人以下の中小零細企業であり、これ以上、保険料を引き上げるような事態は何としても避けなければいけないと考えております。

 社会全体で支えるという介護保険制度の趣旨からみても、一定以上の所得がある高齢者の方には応分の負担をお願いせざるを得ないと考えます。一定以上所得者の基準について、案1では被保険者全体の上位約20%に該当する合計所得金額160万以上相当とあります。先ほど伊藤委員から同じように20%の意味について御質問があり、事務局からご説明がありましたが、もう一つ納得できない部分があります。この20%というのはどういった考え、根拠から導き出されたのかについて、改めて確認させていただきたいと思います。

 また、案1ではどの程度の財政影響が見込まれるのか。先ほど事務局から、今整理しているという説明だったように思いますが、ぜひ試算が出た段階でお示しいただけたらと思います。

 次に、補足給付についてです。現役世代は資産が少ない一方、保険料収入はさらに増えていき、かつ、次世代を育成するという重大な役割を担っております。今後とも介護保険制度を持続可能な制度とするためには、現役世代の保険料に過度に依存する構造は成り立たないのではないかと危惧しております。こうした点を踏まえると、試行的にまず補足給付について、資産に着目したサービス提供という視点から見直すというのは評価できます。実務的に難しい課題があると思いますが、導入に向けた詰めを行っていくべきだと考えます。

 一方で、先ほどの利用者負担の見直しとあわせて、今回の資産の勘案により、介護保険全体に対してどのくらいの財政効果が期待できるのか、保険料負担の軽減にどの程度貢献するのか、その試算を示していただきたいと思います。

 以上です。

○山崎部会長 小島参考人、どうぞ。

○小島参考人 今日は都道府県というよりは市町村の応援ということでお話をさせていただきますが、まず一定以上の所得の2割負担、これは上位20%、今も小林委員からもお話がありましたけれども、この辺の部分が今後10年、20年先を見据えた場合には当然利用者は増えてまいりますので、この18ページの資料で見ますと居宅サービスにしても、施設居住系サービスにしても、負担限度額があるからみんな何がしか全部2割になるわけではないというようなお話があるわけなのですが、そうなりますと高額介護サービス費ということで支給をしなければいけない。逆に言うとそういった事務が増えてしまうのではないか。

 したがって、先ほどどなたかも言われていましたけれども、やはりここは自己負担限度額もあわせて見直しをして、この限度額目いっぱいになるような対象者を増やさないことも必要なのかなと。その辺で水準についてはさらに検証していただきたいと思っています。基本的には医療保険等も3割負担がございますので、負担を上げることについては賛成をさせていただきます。

 次に補足給付の話でございますが、先ほど資産の話で基本的には宅地ということで、山林とか農地についても基本的にはそれで考えていくのかなと思っているのですが、問題は土地だけですと問題があるのかなと。マンションの場合の底地というのは区分所有しますので、1人当たりの持ち分を按分されてしまいますから、かなり小さなものになってしまいますので、そういった部分を土地・建物一緒に考えるべきではないか。

 さらに、都市部の我々自治体から見れば、評価替えがございまして、固定資産の評価額というとかなり上がるわけでございまして、実際の固定資産税の課税の段階では課税標準は特例措置を講じていまして、前回の評価替えから2割以上上昇する場合には、軽減するような措置があります。ですから、一番わかりやすいのは納税者の方は土地の固定資産の評価額で見るのではなくて、課税標準額あたりで見ていただければそんなに差はないのかなと。それで都市部と山間地域というか、ほかの地方の方々との負担についてもそんなに大きな差はないのかなと。どうしても評価額だけでやりますと都市部自治体の方々の地域の方というのは負担が重く感じるのではないかと思っておりますので、その辺も評価額という点については検討をお願いしたいと思っております。

 3つ目の最後の多段階制の部分でございますが、従前、私どもも多段階制は限界に来ていますよと。私どもも33市町村ございますけれども、全ての市町村が多段階制を導入してやり繰りも限界に来ていたということもございます。それを9段階にするということで各自治体でばらつきがみられていたものが、ある程度そこが収れんされるということもありますので、この9段階にすることについては賛成させていただきます。その上で私どもの県下の市町村では2.45倍まで一番上の乗率を決めている市町村もございますので、多段階制を併用することによって高額所得者からは負担をいただくことはできるのかなと思います。

 もう一点、結城先生が言われていた部分がありまして、調整交付金の部分はぜひとももう一度再考をお願いしたいと思っています。現在、調整交付金5%があるわけですけれども、私ども神奈川県の場合は平均で2%いただいています。逆に言えば3%足りない部分を実は第1号被保険者の今、負担割合は21%ですけれども、そこに3%上乗せして24%で負担しているわけです。逆に5%もらっている市町村は21の部分から5%引かれるわけですので、この調整交付金の交付を受けた団体とそうでない団体で、財政力は違うのですけれども、その負担を全て第1号被保険者に求めるのはいかがなものなのかなと。

 要は国なり都道府県、市町村の負担のところを増減するならわかるのですけれども、そこの調整交付金の不足前は全て第1号被保険者にしわ寄せをしている。そうしますと一番ひどい話が、一番最高で今21%ですから、5%もらっているところは16%の負担です。でも何ももらっていないところは逆に26%負担しなければいけない。この10%開きがあるというのはかなり第1号被保険者から見ればおかしいのではないかという話もありますので、ぜひともそこは最終目的は公費負担割合をもう少し増やしていただきたい。そういう考えはあるのですけれども、その前に調整交付金の調整措置のやり方を外枠にしていただきたい。今回、消費税の増税によって低所得者の部分を別枠でという考えがあるのであれば、同じように調整交付金の部分は別枠のような対応をしていただければありがたいなと思っております。

 最後に一言でございますが、最終的に社会保障の部分でこういうふうに負担と受給のあり方を見直すのはいいのですけれども、やはり一番先に税の部分である程度担保をして、それで公費負担割合を増やして、最終的な部分は受給のバランスを考えて利用者の負担にするのが一番いいのかなと思っておりますので、各自治体1,500近くありますので、そこで調整するにはかなり開きがあり過ぎるのかなと思っていますので、そういった部分が少なくて済むように公費負担割合をぜひとも増やしていただきたいと思っております。

 以上でございます。

○山崎部会長 酒向参考人、どうぞ。

○酒向参考人 ありがとうございます。

 介護保険制度の持続可能性を確保するために、利用者負担の引き上げというのは避けて通れないものと考えております。利用者負担のあり方については、現役世代が非常に減少していることもありますので、将来的には、一律2割に引き上げた上で、低所得者の方々のみに税財源で負担軽減をするという状況を想定していかなければならないと考えております。

 今回の事務局提案につきましては、介護保険制度の利用者負担の見直しの最初の一歩として、その方向性については支持したいと思います。ただ、その線引きにつきましては現役時代に平均的な収入のある方には、2割負担を適用するという方向も考えられるのではないかと思っております。モデル年金は平均的収入に基づく厚生年金の給付の水準ということでございますので、線引きする際の1つの参考になるのではないかと考えてございます。今回のご提案はモデル年金の収入よりも上の設定をされています。介護と医療の自己負担上限を踏まえて線引きしたものと理解をしておるところでございますが、平均的な収入を得た層が、老後の医療や介護のための預貯金を全く備えていないということは、想定できないと考えております。

 また、今回提示されておりませんが、利用者自身がケアプランの内容に問題意識を持っていただくことから考えましても、ケアプランの作成に自己負担を求めていくことも論点として挙げていただきたいと思っておるところでございます。

 以上でございます。

○山崎部会長 内藤委員、どうぞ。

○内藤委員 ありがとうございます。

 資料の19ページに、介護保険サービス利用者の所得段階別割合というものが特養と老健施設と示されております。特養は第3段階までの方が82%、老健施設も59%になってきておりまして、我々のデータですと直近のデータでは60%を超えてきております。老健施設も医療、介護、リハビリテーションだけではなくて、福祉的な機能も果たさざるを得ない時代になってきたのかなと思います。

 9ページに戻っていただきますと、ここで被保険者全体の上位20%というふうに第5段階の真ん中あたりで赤い線が引かれておりますけれども、具体的に我々の老健施設の利用者は先ほども申し上げましたように第3段階までの方がふえてきて、あと、第4段階が多い。5段階、6段階となるに従って少ない。そういう意味では今回の低所得者の基準というのは第5段階の真ん中あたりで切っております20%を切っているところは、それなりの説得性はあるのかなと我々は思いますけれども、ただ、結城委員の御指摘のように、やはりいきなり2割負担というのが医療保険との乖離ということで納得が得られるのだろうか。あるいは利用者のサービス料の手控えが起こるのではないかと危惧されております。そういう意味では、これは事務局に伺いたいのですけれども、被保険者全体の上位20%というところがどうしても必要なのか、その根拠について伺いたい。この表で見ますと第5段階と第6段階の間がちょうど15%になっております。この辺を一定期間、2割負担という格好で導入しながら、検証しながら、現在の案にまた近づけるという方策もあってはいいのではないかと考えております。

 また、補足給付については在宅の利用者との不公平感というのがどうしても発生しますし、先ほど資産要件について預貯金だとかどのように捕捉するのか。特に高齢者本人が申告手続ができない場合は結構多いわけですけれども、今までの我々の経験で言いますと、数は多くありませんが、両親の資産を知って経済的な虐待を行うというケースもありますので、その点についての気配りは必要かなと思います。

 以上です。ありがとうございました。

○山崎部会長 山本委員、どうぞ。

○山本委員 今回の一定以上の所得者の利用者負担については、我々事業者側からもいろんな意見を聴取しましたが、おおむね制度の持続可能性という観点からすると、やむを得ないのではないかという意見が最近では大勢を占めてきているという認識でございます。

 補足給付につきましては、やはり在宅サービス、居宅サービスとの関係からすると、どういう見直しを行ったとしても施設も住まいであることからすると、不公平感はまだいまだにぬぐえないと思っています。

 1号保険料の低所得者軽減強化については、要は保険料の算定をなめらかにするという意味では賛成なのですが、ただ、低所得者と最高の負担者とのバランス調整をぜひともお願いしたいと思っています。

 我々事業者としてお願いなのですが、こういった大きな制度改定があるときに十分な我々事業者への説明あるいは現場で利用者と接する生活相談員、ケアマネージャー、サービス提供責任者という人たちが利用者に接する際に、納得性が得られる説明ができるよう、いろんな研修の措置をぜひともお願いしたいと思います。こういった大きな制度改定のときに保険料あるいは利用者負担の増から、利用者の納得性を引き出すということから、現場への研修を何か制度的に行うような措置を講じていただけたらと思っています。

 これまでの制度改定においても、例えば厚労省主催の全国都道府県の課長会議があって、それを受けて都道府県のほうでいろんな研修、説明をしていただくわけですが、その説明から制度の開始の4月までの間に余りにも時間がなさ過ぎる。それから、都道府県の説明が余りにも不親切といいますか、厚労省の資料そのもので簡単な説明でしかない。こういった点を何か是正する措置をぜひとも講じてほしいと思っています。

 スタッフがいかに利用者に説明し、国民の納得を引き出すという観点から、そういった制度的な措置あるいは研修、指導に対する支援をお願いしたいと思っています。

 最後になりますが、林委員から出ました意見ですが、なぜ農地だけ特別視するのかというのは非常に疑問で、私は反対です。私は宅地ということで、そこは厳密にやっていただきたいと思っています。

 それから、不動産の流動性の確保。流動性のあるものということからすると、その流動性とは一体何かという点についてもこれから十分議論して、明らかにしていっていただきたいと思っています。

 以上です。

○山崎部会長 それでは、事務局からお願いします。

○榎本介護保険計画課長 まず鷲見委員から今回、いずれ決まったところでケアマネの方々も、利用者の方に必ず問われる。御説明をしなければならないという御指摘を頂戴しております。あわせて今、山本委員からも事業者の方が納得性のある説明ができるように、しっかり研修できるような仕組みをつくっていただいたらどうだろうか。そういう御意見を頂戴しております。まだ実際に決まるのはこれからですが、決まった暁の話で先の話で恐縮ですけれども、その際にはよく説明しやすいやり方を私どもとしても工夫していく必要がある。そういう意味では全く御指摘のとおりでございまして、その御意見を踏まえながらわかりやすく、かつ親切にということで、大変耳の痛い話でございますけれども、私どもとしてもよくフォローアップしてまいりたいと思ってあります。

 それから、小林委員からまた内藤委員からも上位20%ということで、それはどういうところから導き出されたのかということです。先ほど伊藤委員の御質問にも簡単にお話申し上げましたが、今回、私どもでは高齢者の世代内の負担の公平を図るという観点から、一定のラインで収入、支出のモデルを見ながら負担可能なラインということで設定をしてみたのが案1でございますし、案2というのもまた1つの選択肢ということです。あらかじめこの20%ありきというよりも、20%というところで引いてみると、大体この収支モデルのような形での設定ができるのではないかということを見て、今回お諮りをしたということでございます。そういう意味で先生方の間にも、今までの御議論でもいろいろと御意見がございましたが、そういった中でどういうふうにラインを引いていくのかというところが、今後の検討課題であろうかと思っております。

 保険料負担への貢献がどれぐらいなのか。これは今まだ試算がこれからでございますので、またお示しをということであろうかと思っております。ただ、介護保険料については先ほど3ページにございますように全体で1.8兆円ございまして、それに対して利用者負担が0.7兆円程度ということでございますので、その中のどれぐらいが出るのかというところであろうかと思います。そんなに多くは正直申し上げまして、期待するのは難しい部分が正直あろうかなと思っております。

 小島委員から、土地、建物を合わせて考えていくべきだという御指摘をいただいております。今回、私どもとしては高齢者の方々の基本的に居宅資産をベースとして考えていくということで御提案申し上げておりますが、基本的に高齢者の方がお住まいのものになってまいりますと、建物自体、長い間お住まいになったものが多いということもあろうかと思います。そうなりますと、土地に建っております上物の建物自体の資産価値というのはかなり低下している。恐らくない場合も多いのではないかと思っております。そういったことからすると、基本的には宅地の部分が基本的に評価するべき対象となってくるのではないかと思っております。

 それから、マンションはということも御指摘がございました。これも1つの検討課題なのですけれども、いろいろと金融機関の方のお話を伺っておりますと、マンションというのは資産価値の変動が非常に激しいということもありまして、これを今、評価の対象にするかどうかというのは、なかなか難しい面も一方であるのではないかと考えているところです。

 固定資産税を課税標準額ベースで見たらということです。そのあたりはまたいろいろと専門の方の御意見もお伺いしながら、よく整理をしていきたいと思っております。

 調整交付金について御意見を頂戴しております。これについてはかねてから制度発足のころよりいろいろと御議論があるところですが、私どもとしては先ほど少し申し上げましたように、後期高齢者の方々の人口の状況、低所得者の方の人口の状況、そういったことを調整する仕組みして調整交付金を設けているところです。これが結果的に1号保険料で持つ部分の割合に影響しているというのは事実でございますが、結果的にそれはそういった負担の重さ、軽さの不均衡を軽減・調整しているところでもありますので、そういったところからできている仕組みだということで、御理解いただければありがたいと思っております。御意見については、また御意見として承らせていただきたいと思います。

 とりあえず以上でございます。

○山崎部会長 岡委員、どうぞ。

○岡委員 ありがとうございます。

 まず利用者負担についてでございますが、一定所得以上の利用者について自己負担を引き上げる今回の改正案には賛成であります。そもそも制度発足以来の1割という利用者負担割合自体には明確な根拠がなく、医療費負担との兼ね合いで決められたものでありますし、また、高額医療・高額介護合算制度がセーフティーネットとしてある以上、本来であれば少なくとも課税層については、一律的な利用者負担の引き上げが検討されてしかるべきと考えます。

 したがって、今回、引き上げの対象となる所得水準を決めるに当たりましても、法案上のたてつけはあくまでも過渡的な措置と位置づけ、将来的には一律引き上げを改めて検討することを前提に議論すべきと考えます。

 次に、補足給付についてですが、公平性の確保、保険財政いずれの観点からも補足給付の支給対象者について、預貯金を含む流動性資産を勘案すること、また、遺族年金、障害年金や配偶者の所得をあわせて勘案することには賛成であります。

 不動産については、換金性が低いという性格から中身を慎重に議論する必要性はありますが、参考資料にあるようなリバースモーケージ等の活用は十分想定できるものであり、段階を追って前向きに検討すべきと思います。

 なお、今回の国民会議の議論では、補足給付の財源そのもののあり方に関して踏み込んだ議論がなかったように思います。これまでも申し上げておりますとおり、本来、補足給付のような低所得者対策の財源は介護保険からではなく、全額公費である福祉財源で賄うべきものであると考えます。今回、補足給付の対象要件が厳しくなることによって、それなりの財源効果が生まれると思いますが、改正後の支出財源のあり方に関して事務局としての見解を改めてお伺いしたいと思います。

 最後に、1号保険料の低所得者軽減についてですが、低所得者に対する新たな保険料軽減ルールの適用につきましては、方向性としては異論ありませんが、一体改革大綱ではそれに最大1,300億円の公費投入を想定しております。現時点で想定する財政影響もこの範囲内ということの理解でよろしいか、これも御回答いただければと思います。

 以上です。

○山崎部会長 齋藤訓子委員、どうぞ。

○齋藤(訓)委員 私も一定所得者以上の利用者負担につきましては、応能負担の時代になっていると考えておりますので、事務局の提案につきましては理解をしております。

 ただ、どこでラインを引くのかにつきましては、私はやはり住民税の負担能力がある方をまずは第一に考えるべきではないかと考えています。

 それから、利用者の方にもそれなりに負担を求めていくという方向性になりつつあると思いますが、その際には後期高齢者医療制度が導入されたときのような混乱が起こらないように、国民にわかりやすく御説明をしていただきたいということと、さまざまな広報活動を展開していただければと思っております。

 当然、利用者負担をお願いするわけですから、私どもサービス提供者自体も、これは給付費分科会マターになりますけれども、介護保険の理念にある重度化予防あるいは状態の維持、状態の改善に資するサービスなのかどうか。あるいは職員の処遇がきちんと確保できているのかどうかといった観点で、きちんと報酬上の評価をつけてやるべきだと考えています。そのことによって、今回の利用者負担について理解を国民に求めていくというスタンスでいくことが大事だと思っています。

 補足給付への配偶者の所得勘案、資産勘案の導入につきましては、私どもも賛成しております。実効性のある仕組みをこれから詰めていく段階かなと思いますけれども、まずは今のままではだめなんだということを、このままの状態で放置するのはおかしいということを、メッセージとして周知していくためにも見直しに着手することについては賛成いたします。

○山崎部会長 齊藤正身委員、どうぞ。

○齊藤(正)委員 私も齋藤委員が言われたとおり同じ意見ですし、皆さん方が言われている意見とおおむね同じですが、介護保険制度は要介護度に応じたサービスが提供されることが前提ですから、ここが医療保険との大きな違いの1つだと私は理解しています。そんな中で今回の説明の文書、例えば1ページの論点を見ても、介護サービスは医療サービスよりサービスメニューが明確であるとか、医療サービスとの比較がたくさん出ていて、非常に違和感を持ちます。今、齋藤委員が言われたように、なぜ必要なのか、なぜ負担を上げなければいけないかという理由を、ほかの視点で述べられないのだろうかということを強く感じました。

 実際やはり介護サービスは医療サービスよりサービスメニューが明確であるとありますように、利用者から見ると医療保険の自己負担とは見え方が違うと思うのです。よく見えてしまう。そうなれば同じサービスを受けても自己負担が変わるわけですから、それに関しては医療保険と同じようにはいかないだろうということもありますから、余り比較するような説明を多く使うことはいかがなものかと思います。できれば負担する側の立場に立った説明をつくれないだろうかというのが、私が思っていることです。

 以上です。

○山崎部会長 高杉委員、どうぞ。

○高杉委員 皆さんいろいろとお話になって、すごくもっもとだなということもいっぱいあるのですけれども、今回の費用負担の公平化についての議論、その前に横たわるものが1つ抜けていると思うのです。介護保険の1号保険者の保険料をとにかく上げずにやっていく。これがまず最初にあることで、応分の負担ができる人に利用者の2割負担をお願いする。この筋道が欠けていると思うのです。だから、保険料アップをとにかく今回は避けていくんだ。それに消費税の負担も絡んでくるんだから、これはいつまで持つのか私はわかりませんけれども、介護保険の保険料の論議もいずれまた出てくるのでしょう。それは今回できるだけ避けていく。それが消費税と言ってみれば負担をお願いする最大の理由なのだろうと思いますので、その辺は余り論議にならなかったので、あえてつけ加えさせていただきます。

○山崎部会長 井上委員、どうぞ。

○井上委員 ありがとうございます。

 ほとんど出尽くしたところで簡単に発言させてください。1点目は、実はこういうペーパーを見ていまして、モデルは必ず夫婦世帯です。現在もそうですがこれからもっと1人世帯がふえてくると思うのです。そのときに夫婦世帯のモデルをつくって、そこからいろいろ基準を考えていっても現実とは相当乖離してくるのではないかと危惧しております。

 皆さんから出されましたように、世代間の不公平性というのはなくさなければいけないと思います。ではどこで線引きをするのかということがずっと議論されてまいりましたけれども、結局、齋藤委員がおっしゃったように応能負担になっていく。これは避けられないだろうと思います。これは今のところ私の結論ではなく、悩んでいるところではありますが、では、いっそのことすべてを応能負担にしてしまったらどうかということも考えています。そうすると、もともとの介護保険制度の性格と違ってまいりますし、介護保険の持続性という観点からも全面的に応能負担を入れていくというのは、教員をやっていますと、学生にどう説明するのかという問題も出てきます。それが2点目。

 もう一つあります。先ほどからみんなに啓発をしていく、みんなにわかりやすくというのがございましたけれども、今は新聞などでも話題になっていますように介護離職がすごい勢いで進んでいる。こうした場ではこんなに難しい、きちんとした議論がなされているのに、一般の人にはなかなか理解されていない。介護保険料をもう既にとられている、2号被保険者であっても介護保険サービスがあるにもかかわらず、自分の親が倒れたときに仕事をやめている。そういう状況があるというもっと大きな視点で見ることも必要ではないか。それはこの介護保険部会で議論すべき問題かどうかわかりませんけれども、それは単に啓発という形でお金を使ってやるようなものではなく、もっと生活に密着した、みんながわかりやすい介護保険という形で浸透させていく。介護離職をとにかく防ぎ、働く世代に税金を払っていただくことも重要であるということを念頭に置きながら進めていっていただけたらいいなと思っております。制度の持続性という観点からの一つの提案です。

○山崎部会長 本間委員、どうぞ。

○本間委員 ありがとうございます。

 きょうの議題1、2、3は基本的に賛成をいたします。3に関係をすると思いますが、現在1割負担であったとしても、支給限度額まで経済的な理由でサービスを使うことができないという人も決して少なくないわけです。そういう視点で実態を見ておくことも必要だろうと思います。もしデータがありましたらぜひ論文か何かになっているのかもしれませんが、教えていただきたいと思います。

 以上です。

○山崎部会長 とりあえずここで事務局から。

○榎本介護保険計画課長 幾つか御指摘をいただいております。

 まず岡委員から、今回、補足給付そのもののあり方について今後将来これをどうするのかという御指摘をいただいております。補足給付そのものについては、こちらの資料にも書きましたけれども、もともと従来保険で見ていたいわゆるホテルコストを自己負担原則したものについて、低所得者対策ということで介護保険財政の中で対応するということで設けられた仕組みですが、これを今後どうするかということについては、いろんな意見があるのも事実です。これについては今回のここでの議論ということではありませんけれども、また今後の1つの検討課題であろうかと思っております。

 低所得者について、保険料軽減ということでこの資料の55ページにありますように、今回、低所得者の保険料軽減について御提案させていただいております。最大1,300億円の公費投入ということで書いておりますけれども、これは消費税が引き上がったことを想定して、これを書いているということで御理解いただければと思っております。

 それから、齊藤正身委員から、今回、医療サービスとの比較が非常に強いという御指摘を頂戴しております。今回これを書いておりますのは、そもそも現役並み所得者というのが医療制度の中にあって、それとの対比で今回、介護の方をどう考えるのかという観点で書かせていただいたところですが、ほかの視点もあわせて整理していく必要があるのではないかという御指摘も十分踏まえて、今後よく整理をしていきたいと思っております。

 高杉委員から、そもそも1号保険者の保険料を上げずにやることがまず第一だろうという御指摘を頂戴しております。今後の高齢化のさらなる進展ということを考えますと、いずれにしてもその介護のサービスを利用される方がどうしても増えて来ざるを得ない面があります。そういう中でこの1号保険者の保険料もそうですし、2号保険料の保険者の保険料負担も当然出てくるところですので、そういったものをどうやって効率化していくかということも重要な視点であろうかと思っております。そういったこととあわせてやりながら、今回の費用負担の公平化を考えていく必要があるのではないかと考えております。

 井上委員から、この保険料のとり方について応能負担でやったらどうかという御指摘もいただいております。それも1つの大きな課題でございますが、制度全体のあり方にもかかわってくる大きな課題であろうかと思います。現在この介護保険については、低所得者の方も含めて広く御負担いただく。それによって介護保険のサービスを自分の権利として利用できるようにしていくことでもともと設けられたものですので、そういう中で応能負担というやり方がどこまでうまくできるのかというのは、なかなか大きないろいろな課題があるのではないかと思っております。今後の1つの検討課題だと思っております。

 本間委員から、データがないかということで御指摘をいただいております。どういうデータがあるのかということは、またよく検討してまいりたいと思っております。

 以上でございます。

○山崎部会長 林委員、どうぞ。

○林委員 先ほどの補足と訂正と追加の意見を申し上げたいと思います。

 先ほど現役世帯と高齢者の比較において、事務局はおわかりだと思うのですけれども、これは資料では夫婦2人世帯でございます。なので、私が主張したかったのは、やはり我々のイメージとしては現役世代で苦労しているのに比べて、高齢者というのは非常に楽をしていない方もいっぱいいらっしゃるのであれですけれども、割と余裕のある人も多いというイメージがあると思います。その点を一応、データで示していただきたいというのがあって、子供が例えば2人いるときの平均的な収入と歳出があって、子育てにどれぐらい使えていて、翻ってみて平均的な高齢者はこれぐらいの歳出をしていて、こういう生活をしているというデータがあると思いますので、それを割と目に見える形で提示していただけると、どこに所得の線引きを引くかというのはある程度できるのではないかと思います。

 もう一つ、これも先ほど申し上げたことなのですけれども、所得と要介護度がどれぐらい償還しているかということを申し上げました。これは2割の効果のところに関連するかと思うのですけれども、例えば所得の低い人のほうが要介護が高くなるということになると、2割のところの効果がどれぐらいになるのかというのも関連するかと思います。私はデータを見たことがないので全然わからないのですけれども。

 財政上は効果があるないと必要だと思いますので、効果がないということになったらどうするかという話なのです。効果という言葉はよくないかもしれませんけれども。これで言うと先ほどその保険料を上げないというお話が出たのですが、よく考えると介護状態になるならないというのは個人の責任に帰するところも少しはあるかもしれませんけれども、私が知っている限りは生まれながらの体質とか運とか、いろんなものが関連してくると思うのです。そういうふうに考えれば、例えば同じ所得を持った高齢者の中でもラッキーな人とそうでない人が出てくる。こういった意味でも公平性という言葉を使えば、公平性にそぐわないような状態で、アンラッキーな人にさらに2割負担という話になると、また少し議論がおかしくなるかなという感じもしないではないです。いろんな議論があると思います。

 だったらやはり保険料のところで広く薄く負担するのも1つの手ではないかなと思います。やはり私はアンラッキーな人だと思うのです。介護状態もしくは痴呆の状態になった人というのは。それで同じ所得なのに支出が違ってくるというのはおかしいので、やはり保険なので、広く負担していただいて、保険料はもちろん低所得者は下げるというのはあると思うのですけれども、所得に応じて払える人はしっかり払っていただきたいというのがあります。

 最後に、県関連者の方から調整交付金の割合の話が出たのですけれども、やはり利用者にとっては県の予算の割合がどうかということよりも、自分の保険料がどのぐらいかということだと思います。ほかの市町村と比べて保険料水準がどれぐらい違うか。実を言うと皆さん知らないと思うのです。この点をよく見える化していただいて、どれぐらい差があるかというのをはっきりしていただいて、多分、調整交付金というのは予算の比率を変えるのではなくて、第1号保険者の水準をならすためにあると思いますので、その結果、地域に差が出るというのは制度上当たり前のことだと思いますので、特に保険料負担の同じ所得の人で、できるだけ同じような保険料負担になるような制度になるのが私はいいのかなと思います。いずれにしても、やはり効果的なのは私は保険料を上げることかなと思っていますけれども、そこら辺はめりはりをつけて考えていただければと思います。

 以上です。

○山崎部会長 伊藤委員、どうぞ。

○伊藤委員 質問です。きょうリバースモーケージについて委託先は金融機関というお話があったと思います。厚労省社会援護局で不動産担保型の生活福祉資金貸付を担当されていると思うのですが、これとの関係について説明をいただければと思います。先ほど葬祭費用について申し上げましたが、大体平均200万円という規模のようで、それなりの金額だと思ったため申し上げました。補足です。

○山崎部会長 土居委員、どうぞ。

○土居委員 資料54ページの件なのですけれども、何人かの委員の方が1号保険料の低所得者軽減のために投じる公費を、こういう別枠ではなくて組み込んだらどうだという話がありましたが、私はそうすべきでないということを、ほかにどなたもおっしゃっていないので一言だけ、そういう委員がいたということを記録させていただきたいと思います。

 やはり保険料でとるべきところを軽減しているという特別措置であることを明確にするためには、やはりこの円グラフにありますように、保険料でとっているという色にしておかなければいけないわけでありまして、そうでなくて、そこが公費の色になると、そこはもともと公費だったという認識になってしまうということでは、目的に反する。あくまでも保険料を軽減するという目的のために投じているという意味では、まさにオレンジ色で表現されるべきものであると考えています。

○山崎部会長 酒向参考人、どうぞ。

○酒向参考人 先ほどケアプンの作成に自己負担を設けることを論点に挙げていただきたいということで御提案したのですが、その点について御回答いただければと思います。

○山崎部会長 では、結城委員を最後にします。簡潔にお願いします。

○結城委員 非課税世帯のところ、自己負担のカットラインというところの議論があったのですけれども、ここをもし一番、第5段階のところにすると生活保護との関連もあるので、その辺も議論しないと不公平さが出る可能性があるということだけ一言つけ加えておきます。

○山崎部会長 それでは、事務局からお願いいたします。

○朝川振興課長 酒向参考人から御意見をいただいております。今、在宅のケアプラン代について利用者負担が導入されていないのは、これは皆様も御案内のとおりで、前回の法改正のときの介護保険部会でも大分議論をいただいて、両論併記のようになっていたかと思いますが、そもそも制度導入時に在宅サービスを利用しやすくする。その入口のところにかかってくる経費ですので、そういう趣旨も含めて今、10割給付という形になっているということです。

 将来的にそこの利用者負担の可能性が全くないのかということは、私どもはそんなことはないと思いますが、今回は具体的な提案として、次の制度改正でやるということでの提案は見送らせていただいているということで、将来的な課題として今後また引き続き議論していくべき課題ではないかと認識しております。

○榎本介護保険計画課長 先ほど伊藤委員から、委託先について社会福祉協議会の事業との関係はという話がございました。現在、社会福祉協議会では低所得高齢者世帯向けの不動産担保貸付制度を実施しておられるところがあります。これにつきましては基本的に在宅で生活しておられる方に対して、不動産価値で言うと1,500万円以上のものについて不動産担保ということで実施されているものです。

 今回、私ども資産勘案のところで市町村で不動産担保の貸し付けの仕組みをということで御提案申し上げておりますのは、基本的に補足給付を受けておられる方を対象としてということですので、施設に入所しておられる方を対象として実施をすることになりますので、そういう点で現在のところでは住み分けがなされることになるのではないかと思っております。

 なお、実施主体として先ほど金融機関を主にイメージしていることを申し上げておりますが、もちろんそれ以外の主体がこれを実施することを妨げるものではありませんけれども、円滑にこれを実施できる主体としてどういったものが適当なのかというところが、今後の大きな検討課題ではないかと思っております。引き続きよく整理をしていきたいと思っております。

 以上でございます。

○山崎部会長 ありがとうございました。

 それでは、本日はここまでとしたいと思います。

 今後の介護保険部会について、事務局から御説明をお願いします。

○高橋総務課長 ありがとうございました。

 次回の本介護保険部会につきましては、10月2日水曜日17時から20時まで、会場はイイノカンファレンスセンターRoom Aを予定しております。ありがとうございました。


(了)

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