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2013年8月27日 第26回独立行政法人評価委員会高度専門医療研究部会議事録

○日時

平成25年8月27日(火)14:00~15:15


○場所

厚生労働省専用第12会議室


○出席者

永井部会長、内山部会長代理、本田委員、花井委員、福井委員、藤川委員、祖父江委員、斎藤委員、三好委員

○議事

(以下、議事録)

 

○永井部会長

 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第26回独立行政法人評価委員会高度専門医療研究部会を始めさせていただきます。

 委員の皆様には、お忙しいところお集まりいただきましてありがとうございます。

 最初に、本日の議事について事務局から説明をお願いいたします。

 

○政策評価官

 本日の議事でございますが、お手元に配布してございます議事次第のとおりでございます。国立国際医療研究センター、国立精神・神経医療研究センター、国立長寿医療研究センターの3法人につきまして御審議いただく形になります。3法人とも共通して、財務諸表に関する意見、平成24年度の総合評価について御審議いただきますとともに、冒頭に申し上げました国立国際医療研究センターにつきましては、「長期借入金にかかる報告について」が議題として1つ追加となる形になっています。

 また、初めに、審議の進め方でございますが、前回同様、財務諸表に関する意見について藤川委員のほうから御報告いただきまして、それを踏まえて御審議いただき、その後、総合評価について御審議いただくという順です。なお、お手元に前回付けていただきました個別の評定記入用紙を配布してございますので、評定の際に御活用いただければと思います。また、細かいお話で恐縮でございますが、事務的な留意事項として、修正につきましては赤鉛筆で修正いただき、修正なさったページに付箋を貼っていただきますようお願いします。評定記入用紙につきましては、部会終了後に回収いたしますので、机上に置いてお帰りいただければと思います。事務局からは以上でございます。

 

○永井部会長

 ありがとうございました。では早速議事に入ります。まずは、総合評価書、財務諸表に関する意見につきまして、起草委員の方々にはいろいろ御尽力いただきありがとうございました。国立国際医療研究センターの審議でございますが、財務諸表に関する意見について最初に審議させていただきます。財務諸表につきましては、独立行政法人通則法第38条に基づきまして、独立行政法人評価委員会の意見を聞いた上で、厚生労働大臣が承認することとされております。

 では、財務諸表につきまして、藤川委員から御説明をお願いいたします。

○藤川委員

 それでは、財務諸表に関する意見を申し上げます。

 まず、検証の方法ですが、平成25729日、当センターの経理担当者に対し、財務ヒアリングを実施し、資料の閲覧及び質問によって財務諸表の内容を検証しました。また、会計監査人である新日本有限責任監査法人の「独立監査人の監査報告書」、監査の概要及び結果について参考となる事項が説明されている「監査結果説明書」、及び監事の「監査報告書」を閲覧しました。その結果、センターから申請された財務諸表を承認すべきでないと思われる事項は見受けられませんでした。

 以上の点から、独立行政法人国立国際医療研究センターの平成24年度の財務諸表につき、申請どおり承認することが適当であると考えます。なお、現状を踏まえまして、中期目標期間終了時における収支相償の達成見込みについてコメントをいたしたいと思います。

 中期計画の目標値は、経常収支率100%以上とされていますが、平成22年以降の経常収支率は3期連続100%割れ、3期累積の経常収支率では、97.1%であり、3期累積の経常収支額も28億円の赤字と計画達成状況は不調に終わっています。平成25年は、患者数及び診療単価の増加による9億円の経常収支の達成を目指しており、現状の実績もおおむね良好と伺っていますが、センターの減価償却費負担は大きく、3期累積の経常収支赤字を黒字転換させるには、全センター挙げての重点的な取組が必要と考えます。

 なお、前年度、会計監査人の監査結果説明書において、症状詳記未作成、生活保護医療券未着などを原因とする保留レセプト残高が約8億円に上っていたことが指摘されています。監事監査においても重点的な監査項目として取り扱われているほか、残高を減少させるための様々な取組が行われ、当年度末における保留レセプト残高は約1億円まで減少しているとのことですが、今後も内部統制の強化に努める必要があると考えます。

 また、この問題を検証する過程で、過年度において医業未収金が4,300万円二重計上されていたことが判明したことから、当年度の損益計算書上、その他臨時損失を4,300万円計上しています。

 具体的に「財務諸表等」を御覧いただきたいのですが、3ページ目を御覧ください、損益計算書下から5行目に「その他臨時損失」11,300万円が計上されています。この内訳なのですが、9ページ目にまいりますが、5.の「その他臨時損失の内訳」の2に医業未収金残高の過去分の修正4,300万、これが二重計上されていた医業未収金を取り消す処理によって生じた損失ということです。医業未収金の二重計上は、平成22年度及び平成23年度の2事業年度にわたって行われていたものであり、平成22年度及び平成23年度の財務諸表を遡って修正したものというものが別の資料になりますが、「財務諸表経年資料」という横形の資料ですが、ここに参考情報として提出されています。簡単にこの修正された表について説明しますと、最初のページの損益計算書を御覧ください。一番右側の平成22年度の所、四角に囲まれた説明がいくつか付いている所を御覧いただきたいのですが、平成22年度において医業収益が2,300万円過大に計上されていたものをここで修正しています。そして、平成23年度においては、医業収益が2,000万円過大に計上したものが修正されています。以上の2か所を修正した結果、一番左側、当年度、平成24年度において、両方の合計額4,300万円を下のほうの「その他臨時損失」から削除するということによって、正しい損益計算書が示されているということになっています。

 これらの修正に伴いまして、借方の医業未収金が次のページ、貸借対照表ですけれども、平成22年度と平成23年度において修正されているという、正しい財務諸表が提出されています。今年度発覚した過年度の損益修正額を過去の財務諸表を遡って修正せずに、今年度の財務諸表の臨時損失の区分にて表示するという処理自体は、我が国における一般に公正妥当と認められる独立行政法人の会計の基準に準拠したものであり、財務諸表の承認に影響を及ぼすものではありません。しかしながら、過年度の経常収支が4,300万円過大に計上されているのに対し、当年度の修正は経常収支に影響しない臨時損失の区分で行われているということにより、収支相償を判定する実績値が4,300万円過大になっているということについて留意が必要と考えます。以上です。

 

○永井部会長

 それでは、ただいまの御説明に御質問、御意見はありますか。収支の問題は急激な運営費交付金の削減というのが1つありますが、1年前と比べてどんな状況ですか。かなり改善してきていると考えてよろしいのでしょうか。

 

○国立国際医療研究センター理事長

 病院の医療費収益の面では、特にセンター病院の入院患者数が1日平均20人ぐらい、平成23年度から比べると、毎年度増加しており、平成25年は6月迄で平均670人になっており、改善してきていると思います。

 

○永井部会長

 あと最終年度に向けて見込みがどうかということですが、これは昨年も和田先生から大分御指摘があったと思いますが、いかがでしょうか。

 

○国立国際医療研究センター理事長

 正直申し上げて、非常に厳しいと考えております。御存じのように、我々が予定していた以上に運営費交付金が削減されるとか、国立の時代に発注した新病棟の完成等がありました。

 それと同時に、最新の医療機器を発注していたものが入って、それらの減価償却費だけでかなり大きくなってしまっております。本来は独法化する前に全部そういうのは終わる予定だったのですが、いろいろな理由で少しずつ遅れて、結局ちょうど変わり際にそういうことが起こっておりますので、大変厳しいのではないかと思いますが、できるだけのことはやりたいと思いますし、職員一同そういう気持でおりますので、最大限の努力はさせていただきたいと思います。

 

○永井部会長

 いかがですか。ほかに御質問ございませんでしたら、ただいま御報告いただきました国立国際医療研究センターの財務諸表については、資料1-1の案のとおりで、修正意見なしとし、厚生労働省大臣に提出したいと思います。よろしいでしょうか。

(各委員了承)

 

○永井部会長

 ありがとうございます。そのようにさせていただきます。

 続きまして、国立国際医療研究センターの総合評価についての審議です。私が起草委員ですので、私から説明、報告いたします。

 国立国際医療研究センターの平成24年度の評価結果について講評を述べさせていただきます。評価に当たりましては、評定の結果、各委員の評定コメント、また前回89日の御議論の内容等を踏まえて、平成24年度の業務実績について、中期目標に掲げられた内容に照らして総合評価書を取りまとめております。

 全体の評価としては、理事長のリーダーシップの下、職員の意識改革が進められる中、現場の裁量・権限の拡大等を通じた業務運営の効率化、国民に対するサービスの質の向上、財務内容の改善を図るための積極的な取組が行われ、特に研究業績に大きな進展が見られましたが、運営費交付金の大幅な削減もあり、結果として運営に結び付いておらず、年度計画に掲げる経常収支に係る目標を達成できてはおりませんでした。

 研究・開発については、大学との連携協定として先進的な診断・治療法の開発研究など臨床医学により次世代を担う人材育成と交流に関する協定や分子糖尿病学の連携講座を設置したこと等の取組を行ったこと。外部機関等との共同研究の件数及び発明出願件数が独立行政法人化後、毎年度増加していること。感染症、糖尿病・代謝性疾患、肝炎・免疫疾患、国際保健医療協力等、各分野における研究・開発を着実に実施していること。

 医療の提供についてはHIV・エイズ患者に対して、個々人の病態に即した医療の提供を積極的に行うとともに、先進・高度医療は、先進既存技術を3件取得のほか、新たに先進既存技術6件、先進新規技術3件の申請に向けた取組を実施したこと。

 人材育成としては、初期研修カリキュラムに疫学・医学統計基礎講座を設置したこと。後期研修カリキュラムに医学研究の基礎的な方法論を実地に修得するコースを設置したこと。連携大学院を通じての学位取得支援として協定を締結したこと。若手医師の海外留学制度の整備等の様々な取組を実施したこと。

 こうしたことを踏まえますと、平成24年度の業務実績の評価に当たり、センターは平成22年の独立行政法人化のメリットを生かし、裁量性を増しつつ、研究・開発及び医療の提供において、総合的に見れば、期待された取組がなされていると言えます。このように、自立したセンター運営が有効に機能している点についても高く評価しております。

3年目の業務実績の評価については、中期計画5年間の折返し地点に差し掛かったところであり、引き続き目標達成に向けた取組を期待するところであります。以上です。

 ただいま報告しました総合評価書について、御意見等がおありでしたら、御発言をお願いします。研究・開発については4つ「S」が付いておりまして、これはかなり体制を強化したということでしょうか。その辺の実感というか、研究が非常に活発になったということを現場でお感じになっておられるかどうか。実は論文数が一番伸びているのは国際医療研究センターだと思いますが、いかがですか。

 

○国立国際医療研究センター理事長

 お陰さまで研究所を中心とした研究は、この23年で、特に研究成果を論文化することは、研究員の皆さんにかなり浸透して、そういう意味では論文数は増えてきたのではないかと思います。

 臨床研究、医師主導治験あるいは開発医療などを、更に活発に行えるようにということで、現在いろいろな点で体制の充実を図っておりますので、それに関して、あと12年で成果が見られる形で出てくれば有り難いと思っています。

 

○福井委員

 人材育成にも大変素晴らしい実績を残されていると思いますが、疫学・医学統計基礎講座で勉強された方々が実際に研究をする機会はどのぐらいあるのでしょうか。また、後期研修に入っていくかも分かりませんが、そういう方がこのセンター内で研究をして、発表する機会も設けられているのでしょうか。

 

○国立国際医療研究センター理事長

 それに関しては、かなり力を入れているところで、研修医・レジデント・フェローを対象にそのような講義を行っております。 

また、「研修終了発表会」という機会を設けて研修医には簡単な臨床研究のまとめを発表してもらっています。ただ、なかなか初期研修の間は臨床研究を本格的に行う機会はないので、それ以後、私どもの施設にレジデントとかフェローとして残って頂いた場合に、大体1100万円までの研究費を毎年20件ぐらい、若手の臨床研究の最初を支援する形で出しております。そういう意味では、私どもの所で臨床研究を実際にやってみるチャンスは随分あるのではないかと思っています。

 

○永井部会長

 研究と臨床マネージメントのバランスは大事だと思います。経営のことも頑張ればこれから改善していくと思いますが、そうすると、研究が落ちたとか伸びなかったという批判が必ず出てきます。そういうときのためにも基礎研究でもいいので、とにかくきちんと研究をして、論文を出しておくということは、運営上、非常に重要なことではないかと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

 それでは、御意見がないようですので、平成24年度の総合評価書としまして、法人及び政・独委に評価結果として通知するとともに、これを公表したいと思います。このあと、誤字脱字、事実誤認などで修正が必要になった場合には、部会長に御一任いただきたいと思います。以上につきまして、よろしいでしょうか。

(各委員了承)

 

○永井部会長

 それでは、そのようにさせていただきます。もし、評価シートの修正・確定に時間が必要な方はこの時間にお願いしたいと思います。その間に国立国際医療研究センターの平成24年度業務実績評価の取りまとめを行います。なお、評価書には評価結果の別添として評価シートの集約版が添付されておりますが、本日評定に記入意思の確認・修正を行っていただいたことにより、評価シートの集約版の内容が変更となる場合には、その内容について御一任いただければと思います。また、個別に各委員に御意見を頂くこともあるかもしれませんが、その節はよろしくお願いしたいと思います。

 続きまして、国立国際医療研究センターの平成24年度長期借入金に関する報告があります。これは事務局から説明をお願いします。

 

○政策評価官室長補佐

 年度を通じた長期借入金の計画につきましては、部会の了解事項としておりまして、当該計画に基づく個別の認可については、部会長一任事項としており、部会には事後報告をすることとなっております。平成24年度の長期借入金計画は、昨年3月に本部会の御了解を頂いており、個別の認可についても部会長の了承を得ております。本日は、これらの計画に基づく平成24年度長期借入金の実績の御報告になります。以上です。

 

○永井部会長

 よろしいでしょうか。それでは、法人から御説明をお願いします。

 

○国立国際医療研究センター財務経理部長

 それでは、平成24年度の借入金の実績について御報告いたします。資料1-3を御覧ください。今年度の借入金については、全額財政融資資金から施設整備費として6億円を平成25329日に借入れを行っています。なお、この借入金については、平成243月、当部会において了承いただいた借入金計画額の範囲内での借入れとなっております。以上です。

 

○永井部会長

 ただいまの御説明について、御意見等がありましたら御発言をお願いします。御意見がございませんでしたら、長期借入金の実績につきまして、報告を承ったということで、当部会として承認とさせていただきたいと思います。

 それでは、最後に理事長から御挨拶を一言お願いいたします。

 

○国立国際医療研究センター理事長

 今回は、私どもの平成24年度の事業実績に関して、真摯に御評価いただきまして、心より御礼を申し上げます。頂きました評価をもう一度よく反芻させていただきまして、先ほど御指摘がありましたように、5年間での収支相償に向けまして最大限の努力をしたいと思いますので、今後とも何とぞよろしくお願いしたいと思います。どうもありがとうございました。

 

○永井部会長

 ありがとうございました。それでは国立国際医療研究センターの審議は以上でございます。ここで暫く休憩を取りたいと思います。次の準備ができ次第始めたいと思いますので、よろしくお願いします。どうもありがとうございました。

(法人及び所管課入替)

 

○永井部会長

 よろしいでしょうか。続きまして、国立精神・神経医療研究センターについて、審議いたします。最初に、財務諸表について、藤川委員から御説明をお願いいたします。

 

○藤川委員

 財務諸表に対する意見を申し上げます。まず、検証の方法から申し上げます。平成25729日、当センターの経理担当者に対し財務ヒアリングを実施し、資料の閲覧及び質問によって、財務諸表の内容を検証したところ、特に問題となる事項は見受けられませんでした。また、会計監査人である新日本有限責任監査法人の「独立監査人の監査報告書」に加え、監査の概要及び結果について、参考となる事項が説明されている「監査結果説明書」を閲覧し、特に問題となる事項が見受けられないことを確かめました。さらに、監事の「監査報告書」を閲覧し、特に問題となる事項が見受けられないことを確かめました。

 以上の点から、独立行政法人国立精神・神経医療研究センターの平成24年度の財務諸表につき、申請どおり承認することが適当であると考えます。

 現状を踏まえて、あとは中期目標期間終了時における収支相償の達成見込みについて、コメントをしたいと思います。中期計画の目標値は、経常収支率100%以上とされていますが、平成22年以降の経常収支率は3期連続100%割れ、3期累積の経常収支率で97.2%であり、3期累積の経常収支額も10億円の赤字と、計画達成状況は不調に終わっています。セグメント情報における診療事業損益に着目すると、当初の赤字額が徐々に減少し、当年度は4,000万円の黒字を計上するなど、改善傾向が見られますが、3期累積の経常収支赤字をあと2年で黒字転換させることは容易ではなく、更なる徹底的な取組が必要であると考えます。以上です。

 

○永井部会長

 ただいま御報告いただきました国立精神・神経医療研究センターの財務諸表について、御意見等がおありでしたら御発言をお願いいたします。収益の問題ですが、やはり運営費交付金の削減は相当応えているということでしょうか。

 

○国立精神・神経医療研究センター理事長

 今、御指摘にありましたように、まず私どもとしては一昨年度に大きな赤を出しましたので、その中で努力をして解消できる部分は何かというので、それは一番は医療収入の収支をプラスに転ずることが、我々が最大努力ができるところと考えて、それに取り組んだのが昨年度でした。しかし、なお3億余の経常損益になりました。そこのところは、1つには運営費交付金の手当が、この間、全体としては当初の初年度に示された額からしますと少し減額の幅があって、なかなか苦しいところがあるわけです。それについては、今後、更に診療における医業収益以外の部分での経営効率をもう少し改善をしていくことによって、可能な限り縮めていきたい。少なくとも経常収支差の所で、経常収支が100%には持っていきたい。診療報酬は、今回そこまで持ってきたつもりですが、更にはそこへ持っていくのが次の目標であると思っております。

 

○永井部会長

 ほかにいかがでしょうか。もし御意見がありませんでしたら、修正意見なしということで、これを取りまとめて厚生労働大臣に提出したいと思います。よろしいでしょうか。

(各委員了承)

 

○永井部会長

 そのようにさせていただきます。続いて、国立精神・神経医療研究センターの総合評価について審議いたします。当センターの起草委員、祖父江委員から御報告をお願いいたします。おおむね5分でお願いいたします。

 

○祖父江委員

 実績の評価結果()を御覧になりながら、お聞きいただけたらと思います。国立精神・神経医療研究センターの平成24年度の評価結果について、講評を述べさせていただきます。この評価に当たっては、評定の結果、2番目に各委員の評定のコメント、3番目に前回、812日の御議論の内容などを踏まえて、平成24年度の業務実績について、中期目標に掲げられた内容に照らして総合評価書を取りまとめているところです。

 全体の評価としては、第1に、理事長のリーダーシップの下、職員の意識改革が進められる中、現場の裁量・権限の拡大等を通じた業務運営の効率化、国民に対するサービスの質の向上、財務内容の改善を図るための積極的な取組が行われたという点は評価したい点ですが、結果として経営には結び付いておらず、年度計画に掲げる経常収支に係る目標を達成できなかった点は今後も改善を期待したいところです。

2番目の研究・開発については、専門疾病センターの活動に加えて、脳病態統合イメージングセンター及び認知行動療法センターの取組等を通じて、更に幅広くセンター施設間の人的交流を推進したこと。さらに、それぞれのセンター内での専門性を生かした共同研究について、平成23年度を上回る件数を実施し、先端的な基礎研究の成果等に基づく新規治療法の開発などに大きく貢献するとともに、他の研究機関との共同研究も積極的に推進したこと。早期探索的臨床試験として、企業との共同開発契約を締結し、エクソン53スキップを目的としたデュシェンヌ型筋ジストロフィー治療薬の世界初の臨床試験を行ったこと。医師主導で多発性硬化症に対するOCHを用いたFirst in Human試験を平成2411月に健常者を対象として単回投与試験を開始し、平成253月までに12例について投与を終了したことなど、研究成果の実用化に向けた産官連携による画期的な実績につながったこと。

 医療の提供に関しては、先進医療として、うつ患者に対して光トポグラフィ検査を用いたうつ症状の鑑別診断を行い、予約担当者を増員するなど、平成24年度は前年度より診断件数が大幅に増加したこと。最新の知見に基づいた医療の提供等のため、多部門、多職種が連携して、研究及び医療の提供等を行う専門疾患センター。内容としては多発性硬化症・パーキンソン病・筋疾患・てんかん・進行性筋ジストロフィー・地域精神科モデルを引き続き運営し、新たに睡眠障害センターを設置したこと。

 こうしたことを踏まえると、平成24年度の業務実績の評価に当たり、センターは平成22年の独立行政法人化のメリットを生かし、裁量性を増しつつ、研究・開発及び医療の提供において、総合的に見れば期待された取組がなされていると考えられる。このように自立したセンター運営が有効に機能している点について、高く評価したいと思うところです。

3年目の業務実績の評価については、中期計画5年間の折り返し地点に差し掛かったところでございまして、引き続き目標達成に向けた取組を期待するところです。以上です。

 

○永井部会長

 ただいまの御説明に御質問、御意見を頂きたいと思います。いかがでしょうか。

 

○斎藤委員

 まず、1ページを拝見してちょっと分からなかったので、補足の説明をお願いします。(2)の最初の所で、「精神・神経疾患等は、その克服に向けた国際的な取組にもかかわらず」とあります。「取組にもかかわらず」ということなので、何かその次に、こういうことをしました、というのが来るのかと思ったら、「国民の健康に大きな影響を与えており」というと、国際的な取組をしたにもかかわらず影響を与えたということになり、ちょっと意味が分からなかったので、そこの補足的な説明をお願いできますか。

 

○永井部会長

 今の点、いかがでしょうか。1ページの何行目でしょうか。

 

○斎藤委員

 評価結果()1ページ、(2)の次の冒頭の行です。「精神・神経疾患等は、その克服に向けた国際的な取組にもかかわらず、国民の健康に大きな影響を与えており」というと、国際的な取組が何か悪いことのように聞こえたのですが。

 

○永井部会長

 頑張ったけれども、まだまだ大きな影響が。

 

○祖父江委員

 国際的にも、非常に克服に向けた取組が行われているにもかかわらず、依然として重大な問題として残っていると、そういう文脈です。

 

○永井部会長

 つまり、手強いということですね。

 

○祖父江委員

 相当手強い問題だということ。ちょっと分かりにくいですかね。

 

○永井部会長

 センターのほうから、いかがでしょうか。

 

○国立精神・神経医療研究センター理事長

 私どもがお答えするのが適切かどうかは分からないのですが。

 

○永井部会長

 いかに手強いかということを。

 

○国立精神・神経医療研究センター理事長

 御承知のように、精神・神経疾患の中には、難病を含む多くの疾患が含まれていることと、難病とは言いませんが、原因がまだほとんど解明されていないまま、非常に数は多い疾患が含まれている。例えば精神で言えばうつ病などがそうですし、神経で言うとアルツハイマー、認知症などは、日本では400万を超えるぐらいの数が出てきている。世界でも非常に大きな問題になっているのですが、ほとんど原因のところがまだ解明されていない、非常にアプローチが難しく、答えが出にくい領域であると。ここでは多分そういうことをおっしゃっていただいているのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

 

○祖父江委員

 そのとおりです。

 

○斎藤委員

 読解力が不足しておりまして申し訳ありません。

 

○福井委員

 今の所で案ですが、「国民の健康に大きな影響を与えており」という前に「依然として」という言葉が入れば、ひょっとしてその前の意味が。「かかわらず、依然として国民の健康に大きな影響を与えており」とすれば。

 

○斎藤委員

 大変失礼いたしました。

 

○永井部会長

 事務局、メモをしておいていただけますか。

 

○斎藤委員

 もう1つ、「医療の均てん化」です。これは皆さん高い評価をしていらっしゃいまして、S評価になっています。であるにもかかわらず、6ページが6行ぐらいでさらっと書いてあって、何かもったいないなと思いました。様々な組織と協調なさって、広く均てん化をなさっていらっしゃるという、そのリーダーシップをもうちょっと強調するような形で書いていただきたい。あるいは、災害時こころの情報支援センターの取組を書き加えるとか、もうちょっとSにふさわしい一言を入れていただけるといいなと思いました。

 

○永井部会長

 御指摘ありがとうございます。

 

○祖父江委員

 御指摘どうもありがとうございます。今の指摘を踏まえて、少し書き直させていただきます。どうもありがとうございました。

 

○永井部会長

 ほかにいかがでしょうか。もし大きな修正意見がありませんでしたら、ただいまの点を少し追記して、これを総合評価書として法人及び政・独委に評価結果として通知するとともに、公表したいと思います。ただいまの字句の修正、あるいは表現の問題については、よろしければ部会長に御一任いただければと思います。よろしいでしょうか。

 

○国立精神・神経医療研究センター理事(神経研究所長)

 もう1か所だけ、可能であれば訂正していただきたいことがあります。1ページの(2)ですが、3パラグラフ目の「研究・開発について、専門疾病センターの活動に加えて」という文章があるのですが、「専門疾病センター」は右のページに記載されており、ここで私が重点的に説明したのはTMCなのです。トランスレーショナル・メディカルセンターの活動に加えてというのが正確なところではないかと思いますので。

 

○永井部会長

 そこは修正させていただきます。ほかによろしいでしょうか。ただいま御指摘いただいた点については、私のほうで責任を持って修正し、そして政・独委に報告したいと思います。ありがとうございます。

 委員の先生方におかれましては、個別評価の修正・確定をお願いしたいと思います。評定記入用紙の確認・修正をお願いしたいと思います。この評価シートの集約版について、修正が必要になった場合には、私に御一任いただければと思います。まだ修正中かもしれませんが、その間に理事長から一言、御挨拶をいただければと思います。

 

○国立精神・神経医療研究センター理事長

 今回も大変長い時間を割いていただきまして、私どものセンターの業績、実績の評価をいただきまして、ありがとうございました。私どもの一番大きな課題として抱えておりますのは、もちろん1つは研究・開発独法としての役割である治療法の開発であるとか、診断法の開発を行って、少しでも患者が前に進めるといいますか、治療を前進させていくことができるところに力を傾けてきております。同時に、独法という仕組みの中では、経営ということにも常に注意を払わなければならない。そういう意味で、今回も私たちはまだ力不足で、効率化による収支改善は思うに任せなかったB評価をいただいたということで、これはまた肝に銘じて残る2年間、最大限の努力を払ってまいりたいと思っております。

 研究・開発であるとか、医療の均てん化等についてはS評価という高い評価をいただきましたことは、私どもの研究所、病院の全てのスタッフにとっては、大変力を得た、更に前進させるためのエネルギー源になることと思っております。これを持って、またセンターに戻って、職員一同に十分この内容を伝達して、今年度以降、更なる努力と、そして改善に向けた取組を進めてまいりたいと思っております。本日はありがとうございました。

 

○永井部会長

 国立精神・神経医療研究センターの審議は以上となります。どうもありがとうございました。しばらく休憩とします。

(法人及び所管課入替)

 

○永井部会長

 それでは、お揃いのようですので、国立長寿医療研究センターについての審議を始めさせていただきます。最初に藤川委員から財務諸表の御説明をお願いします。

 

○藤川委員

 財務諸表に関する意見を申し上げます。まずは、検証の方法ですが、平成2588日当センターの経理担当者に対し、財務ヒアリングを実施し、資料の閲覧及び質問によって、財務諸表の内容を検証したところ、特に問題となる事項は見受けられませんでした。また、会計監査人である有限責任あずさ監査法人の独立監査人の監査報告書に加え、監査の方法の概要及び結果に関する説明書を閲覧し、特に問題となる事項が見受けられないことを確かめました。さらに、監事の監査報告書を閲覧し、特に問題となる事項が見受けられないことを確かめました。以上の点から、独立行政法人国立長寿医療研究センターの平成24年度の財務諸表につき、申請どおり承認することが適当であると考えます。

 また、現状を踏まえまして、中期目標期間終了時における収支相償の達成見込みについてコメントをいたしたいと思います。中間計画の目標値は経常収支率100%以上とされていますが、平成22年度以降の経常収支率は初年度は100%割れとなったものの、平成23年度以降は2期連続100%超、3期累績では経常収支率102.8%であり、計画達成状況は、おおむね良好と言えます。当年度は診療報酬上位基準の取得や患者数の増加等により、診療事業における収支率は114.3%と極めて高く、また前年比も6.6%増と、大幅な改善が見られることなどから、中期計画の達成は十分に可能な水準にあると考えられます。しかしながら、運営費交付金の経常収支に占める割合は35.9%と、6センターの中で最大であり、運営費交付金の増減に収支が左右されやすい点に留意する必要があると考えております。以上です。

 

○永井部会長

 ありがとうございました。では、ただいまの財務諸表に対する意見について、御意見等がございましたら、御発言をお願いします。

 収支率改善の一番大きな要因というのは、どこだったとお考えでしょうか。

 

○国立長寿医療研究センター理事長(総長)

 職員の意識だと思います。もともと、こんな言い方は適正かどうか分かりませんが、普通にやってくれれば、普通のレベルまではいくと思っていました。それが最初に期待していたよりも、やる気が非常に旺盛に出てきているという感じが強く出てきまして、そういう意味で、普通以上に今、頑張っていると感じています。

 

○永井部会長

 それは有効に病棟、病床を使ったということですか。

 

○国立長寿医療研究センター理事(病院長)

 はい、当初以上の稼動率、それから個室の稼動率が得られたと。外来の患者数が順調に伸びております。それで毎年50人ずつ増えているような、もともとの患者数が400名くらいだったので、50といってもほかの病院に比べたら小さいようにお感じになるかもしれませんが、1割ずつ外来の患者が伸びています。大島総長が言われましたとおり、当初は私も4月から来ましたので、一般病院の一般基準のように働いていただくことを目標にやってまいりました。その後、臨床研究などのモチベーションが各先生方の各領域で上がりまして、特長を生かした医療といったものをやると、研究もできるし、患者も増えておもしろいなとみんなが思ってくれているようになったと感じております。以上です。

 

○永井部会長

 これから大きい病院では外来患者数を削減するようにという話が出ていますが、それは今後どのように先生方は捉えていらっしゃいますか。

 

○国立長寿医療研究センター理事(病院長)

 今でも逆紹介率は決して低くありませんし、近隣医師会とも緊密な連携を取っています。認知症疾患をはじめとして、政策医療や研究医療に特化した患者のみをフォローし、データベースを作って、地域全体でのデータの患者を診ていく上で、これ以上、収支が健全なレベル、700くらい以上に増やすつもりはありません。

 

○永井部会長

 よろしいでしょうか。

 

○内山部会長代理

 やる気を出すというのは一番大切なことですが、一番また難しいことだと思います。皆さんがそのようにとても頑張られるようになられたのは、きっかけか何かがあったのでしょうか。

 

○国立長寿医療研究センター理事(病院長)

 医師の場合に限って言えば、普通のリサーチ・カンファランスでありますから、研究の優秀な者に対する表彰など、様々な仕掛けをやっております。特に、診療で頑張っているところに関して、診療科長会議を毎月やっておりますので、声を掛けるなど、そのようなことをやりました。また、看護師もほかのMCで初めてかもしれませんが、看護に対する研究費を作ったり、看護に対するモチベーションも上げております。栄養や薬剤についても臨床研究といったことをチームを組んでやるようにして、病院全体でリサーチという1つの軸で、日常の診療に励みが出るような仕組みを作ってきたつもりです。以上です。

 

○永井部会長

 よろしいでしょうか。もし、ほかに御意見ありませんでしたら、ただいまの平成24年度財務諸表について、これを取りまとめて、厚生労働大臣に提出したいと思います。

(各委員了承)

 

○永井部会長  

ありがとうございます。続きまして、国立長寿医療研究センターの総合評価について、御審議をお願いいたします。起草委員であります祖父江委員から御報告をお願いいたします。

 

○祖父江委員 

 それでは、簡単にまとめを申し上げます。まず、先生方のお手元に「平成24年度業務実績の評価結果()」というものがあります。御覧いただきながら、お聞きいただければと存じます。国立長寿医療研究センターの平成24年度の評価結果について、講評を述べさせていただきます。

 評価に当たりましては、3つのポイントから行いました。1つは評定の結果、2つ目が各委員の評定のコメントです。また前回、812日の御議論の内容等を踏まえまして、平成24年度の業務実績について、中期目標に掲げられた内容に照らして、総合評価書を取りまとめておるところです。

 全体の評価のまとめですが、第1番目には今も話に出ましたが、理事長のリーダーシップの下、職員の意識改革が進められる中、現場の裁量、権限の拡大などを通じた業務運営の効率化、国民に対するサービスの質の向上、財務内容の改善を図るための積極的な取組が行われ、昨年度に引き続き、年度計画に掲げる経常収支率を大きく上回る成果であったこと。

 第2番目は研究・開発についてです。研究所、認知症先進医療開発センター及び病院との連携強化を図り、センターにおける共同研究を推進させるため、更に老年学・社会科学研究センターを新たに新設し、6研究部12研究室体制として、広く老年学及び関連する社会科学的研究を開始したこと。さらには、特に地域における認知症予防対策、在宅医療への支援、IT技術を用いた自立支援機器の利用など、幅広い研究課題に取り組んだこと。

 また、認知症先進医療開発センターに新たに「NC・企業連携共同研究部」を設置し、企業との共同研究を推進し、アルツハイマー病の治療薬開発を推し進めたこと。平成24年度末にバイオバンク棟が完成し、センター内の試料と(検体)試料、それに付随する臨床情報の一元管理を開始したことです。

3番目としては、医療の提供についてです。急性期病院と在宅医療の円滑な連携推進を目指す研究と教育のための「回復期リハリビテーション病棟」を平成244月より開設したこと。認知症と多くの老年症候群を合せ持つ回復期リハビリテーションの適応患者は、往々にして、他施設ではしばしば受入れは困難であったケースの脳賦活法、視力・聴力障害、嚥下障害、排泄障害に対する機能回復訓練等を行い、困難症例の包括的回復を目的とした新しい概念「回復期リハビリテーション病棟」を稼動させたこと。

 また、認知症医療として、もの物忘れセンターの運用に伴い、PET、血液、随液バイオマーカーを用いた早期診断法の研究、病態修飾の治験を開始するとともに、転倒骨折予防医療として、運動器症候群(ロコモティブシンドローム)に関する評価法の開発、さらには、加齢筋肉減少症、いわゆるザルコペニアに対する新しい知見を得たことなどであります。

 こうしたことを踏えますと、平成24年度の業務実績の評価としては、センターは平成22年の独立行政法人化のメリットを生かして、裁量性を増しつつ、研究・開発及び医療の提供において、総合的に見れば、期待された取組がなされていると考えられます。このように、自立したセンター運営が有効に機能している点について高く評価したいと考えるところです。

3年目の業務実績の評価については、中期計画の5年間の折り返し地点に差し掛かったところです。引き続き、目標達成に向けた取組を期待するところです。以上です。

 

○永井部会長

 ありがとうございました。それでは、御質問、御意見を頂きたいとか思います。いかがでしょうか。病院内のチーム医療や看護職との業務分担など、そういうところもうまく行っているのですか。参考のためにお聞きしたいのです。

 

○国立長寿医療研究センター理事(病院長)

 昨年度から新しいチームとして、ディメンシア・サポートチームは以前からやってきたわけです。それ以外に、エンド・オブ・ライフケアチームという、非がんのチームを作るなど、複数の医療職が1つの困難な高齢者のものについて、保険でカバーされていない様々な病態について、新しい政策医療としてチームができないかということをやっています。以上です。

 

○永井部会長

 これから地域包括ケアなど、いろいろな所で、医師会から中核病院が一緒になって取り組んでいる所がありますが、センターの場合はそういう地域との連携はどうなっていますか。

 

○国立長寿医療研究センター理事(病院長)

 地元で活躍できなければ、どうしようもないということですから、地域で例えば排尿、認知症、整形といったものは、知多半島と名古屋の南部に関しまして、医療圏を持ちまして、医療、看護、多職種の交流を図っているところです。

 

○永井部会長

 いかがでしょうか。御質問ありませんか。よろしいですか。もし、御意見がありませんでしたら、平成24年度の総合評価書として、ただいまの御意見のとおり、法人及び政・独委に評価結果を通知し、また公表したいと思います。もし、誤字脱字、事実誤認等がありましたら、私に御一任いただければと思います。よろしいでしょうか。

 それでは、もし個別評定の修正のおありの委員の方は、ここで訂正、また確定をしていただきたいと思います。それでは、その間に理事長から一言を頂ければと思います。

 

○国立長寿医療研究センター理事長

 まず、最初に評価委員の先生に多大な御苦労とお時間を割いていただいたことに心から感謝を申し上げたいと思います。厳正で適正、公平な評価を頂いたと理解をしています。

 初年度は6センターのうちで、最低の評価でありました。それもやむを得ないということを十分に承知の上でしたが、それでも、やはり大きなショックでした。これを職員にはっきりと伝えることで、モチベーションを上げていくのにつなげてくることができたと考えています。今のところは私の見る限り、急上昇のカーブで進歩を遂げているのかと思います。ただ、全般的に見ると、スタート自体が遅かったということもありますし、スタートの時点が低いところからのスタートであったということです。カーブは急上昇ですが、全体のほかの6センターと比べて、では具体的に出している実績そのものがどうかという相対評価になりますと、なかなか難しい点があるということは、十分に自覚をしているところです。このような所で、注文めいたことを言うのは、非常におこがましい感じではありますが、昨年も同じようなことを言ったと思いますが、急上昇で伸びているときというのは、いろいろな業務が拡大していくということです。拡大していく中で、もちろんお金の問題も大変ですが、そのようなことよりも、人の問題がどうしても大きな問題になってきています。内部的には限られた人員をどう有効に使っていくか。あるいは、余り人の効率性というのは、ちょっと気が引けるのですが、いかにうまく働いてもらうかを考えますと、どうしても、やる気があって能力が高いところに集中的に、ならざるを得ないということがあります。その分、結果として落ちこぼれがどうしても出てくると。これはある部分、やむを得ないという気持で取り組んではいますが、その水準を超えて、業務自体が絶対的に拡大してきたときに、医療職については増やすこともやぶさかではないという国全体の方針を頂いていますが、医療職だけではなく、事務職も当然、業務の範囲において、必要になってきます。ところが、事務職に関しては一切まかりならぬという、これも本当に不思議としか言いようのないことが当たり前のごとく通っています。したがって、ここのところが本当に何とかしていただきたいと。どういうやり方がいいのかは、多分いろいろと全体の予算など、いろいろな問題が絡みますので、そう簡単ではないと思います。本当にこの点については御配慮を頂きたいと思っています。

 最後に、今日の評価を頂きまして、次のステップ、中期目標の達成、完遂に向けて、更に職員一同、頑張っていきたいと改めて思うことができました。

心から感謝を申し上げて、私の挨拶に代えたいと思います。

 

○永井部会長

 あと、委員の先生方よろしいでしょうか。もし、よろしければ、以上で国立長寿医療研究センターの平成24年度業務実績評価に関する意見の取りまとめといたします。もし、修正、誤字脱字等がありましたら、私に御一任いただければと思います。国立長寿医療研究センターの審議は以上です。御審議いただいた各法人の総合評価と財務諸表については、その意見については厚生労働省独立行政法人評価委員会運営規程第3条の規定に基づきまして、当部会の決定が評価委員会の決定ということになります。また、政・独委への通知、公表の手続きが行われるということになります。事務局から今後の予定、連絡事項をお願いいたします。

 

○政策評価官室長補佐

 今後の予定等について、御連絡いたします。本日御審議いただきました3法人の総合評価書については、必要に応じて修正を行うなど、事務手続を進めさせていただき、後日委員の皆様に確定版を郵送いたします。また、正委員の皆様におかれましては、828日(水)13時より、専用第12会議室において評価委員会の総会が予定されておりますので、出席をお願いいたします。事務局からは以上です。

 

○永井部会長

 はい、ありがとうございました。以上で終了させていただきます。どうも長時間ありがとうございました。


(了)

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