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2013年7月22日 平成25年第2回目安に関する小委員会

労働基準局

○日時

平成25年7月22日(月)
10:00〜11:30


○場所

厚生労働省9階省議室


○出席者

【公益委員】

仁田委員長、勝委員、武石委員、藤村委員

【労働者委員】

須田委員、田村委員、冨田委員、萩原委員

【使用者委員】

小林委員、高橋委員、横山委員

【事務局】

中野労働基準局長、古都大臣官房審議官、里見大臣官房参事官(併)賃金時間室長
辻主任中央賃金指導官、小笠原副主任中央賃金指導官、小泉賃金時間室長補佐

○議題

平成25年度地域別最低賃金額改定の目安について

○議事

○仁田委員長
 それでは、定刻になりましたので、ただ今から第2回目安に関する小委員会を開催いたしたいと思います。
 本日は使用者側の渡辺委員が御欠席です。

 それでは、用意していただいた資料について、まず事務局から説明をお願いします。


○里見参事官
 本日はお手元の資料の他に、各種団体の要望書の一部を従前のとおり回覧させていただきますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、初めに資料No.1No.2について御説明いたします。

 資料No.1を御覧ください。平成25年賃金改定状況調査結果でございます。

 調査地域は各都道府県の県庁所在地と、人口5万人未満の市から選んだ地方小都市が対象地域です。

 調査産業は県庁所在地については製造業、卸売業,小売業、宿泊業,飲食サービス業、医療,福祉、その他のサービス業の7つの業種。地方小都市は製造業が対象です。

 調査事業所は常用労働者が30人未満の企業です。集計事業所数は県庁所在地から約3,000、地方小都市が約1,000、合計約4,000事業所です。

 これらの事業所に雇用される労働者は約3万1,000人です。

 主要な調査事項は昨年6月と本年6月の所定労働日数、所定労働時間数と所定内賃金額であり、そこから賃金の上昇率を算出しております。

 1枚おめくりいただきまして、第1表を御覧ください。これは今年の1月から6月までに賃金の引上げあるいは引下げを実施した、あるいは実施しなかったといった区分で事業所単位で集計したものです。一番左の産業計及びランクを御覧いただきますと、1月から6月までに賃金の引上げを実施した事業所の割合が36.7%、括弧内が昨年の実績で35.3%ですので、増加しております。ランク別にみますとAランクが38.0%、Bランクが36.8%、Cランクが36.5%、Dランクが35.8%となっております。

 1月から6月までに賃金の引下げを実施した事業所の割合が1.3%、昨年は1.7%で減少しています。

 賃金改定を実施しない事業所の割合は50.2%となっており、昨年が53.3%でしたので、こちらも減少しています。

 なお、改定を実施しない事業所の割合は、Bランクが他のランクよりやや高めとなっております。

 7月以降に改定を実施する予定の事業所については11.8%で、昨年の9.7%から増加しております。

 産業別にみますと、1月から6月までに引上げを実施した事業所の割合が高いのは医療,福祉が64.8%です。逆に一番低いのは宿泊業,飲食サービス業で20.9%となっております。

 第2表を御覧ください。事業所の平均賃金改定率でございます。こちらも事業所単位の集計で、どの程度引上げたかを回答したものを集計したものです。

 一番左が賃金引上げ実施事業所についての平均の改定率が幾らかということです。引上げた事業所の平均改定率は2.5%、賃金引下げを実施した事業所では−6.4%、改定を実施した事業所と凍結した事業所を合せた全体を加重平均、つまり事業所数で重みづけをした改定率は産業計では0.8%で、昨年も0.8%ですので横ばいとなっております。

 続きまして第3表でございます。こちらは事業所の賃金引上げ率の分布の特性値についてであります。賃金引上げを実施した事業所についての引上げ率の分布をみたものでございます。一番左の産業計を御覧いただきますと、第1・四分位数は1.2%、中位数が1.8%、第3・四分位数が3.0%、分散係数は0.50%で、それぞれ昨年とほぼ同じか、やや下がっているという状況でございます。

 第4表を御覧ください。こちらは一般労働者及びパートタイム労働者の賃金上昇率です。第4表1が男女別、次のページの2が一般労働者・パートタイム労働者別に御覧いただけるようになっております。

 第4表1の産業計の男女計を御覧ください。ランク計の賃金上昇率は0.8%です。ランク別ではAランクが1.1%、Bランクが0.5%、Cランクが0.6%、Dランクが0.8%となっております。産業ごとの上昇率をみますと、製造業が0.3%、卸売業,小売業が0.6%、宿泊業,飲食サービス業が0.9%、医療,福祉が0.9%、その他のサービス業が0.9%となっております。

 男女別にみますと、男性が0.7%、女性が1.0%、第4表2の一般労働者・パートタイム労働者別で御覧いただきますと、一般労働者が0.8%、パートタイム労働者が0.9%という上昇率です。

 その後ろに参考1〜5を表としておつけしておりますが、これらは第1表から第4表までで扱った賃金の引上げの実施時期、賃金改定を実施しなかった事由、平均賃金改定率、賃金引上げ率の分布の特性値等について、調査地域の区分である県庁所在地と地方小都市別にみられるようにしたものですので、適宜御参照ください。

 続いて参考1〜5を飛ばしていただいて付表、労働者構成比率及び年間所定労働日数を御覧ください。まず労働者構成比率について、パートタイム労働者比率はこの調査においては1.0ポイント上昇しているという状況でございます。

 男女別の比率については、平成25年では女性の比率が0.4ポイントほど上がっております。年間所定労働日数は平成24年では0.4日減少しています。

 資料No.1の御説明は以上でございます。

 続きまして資料No.2を御覧ください。生活保護と最低賃金の比較についてでございます。

 1ページ目は生活保護水準と最低賃金額との関係を示したグラフでございます。これはこれまでの公益委員見解で示されていた比較の考え方に基づいて、最新のデータである平成23年度の生活保護水準と、手取額でみた平成23年度の最低賃金額を比較したものです。右上にグラフの説明がございますが、破線の三角は生活扶助基準値、つまり第1類費+第2類費、これは冬季加算も含んでおります。これに期末一時扶助費を加えたものを都道府県内で人口加重平均したもの。これに住宅扶助の実績値を被保護者世帯で加重平均したものを加えたものでございます。

 その下にある実線のひし形は、各都道府県の最低賃金額に173.8時間、月の法定労働時間相当をかけて0.847、こちらは税・社会保険料を考慮するための可処分所得比率をかけたものでございます。三角がひし形より上の都道府県が、生活保護水準が最低賃金の手取額を上回る状況にございます。そのような逆転現象が起きているところが、このグラフでは12都道府県ございます。

 続いて2ページ目を御覧ください。1ページ目のグラフから最低賃金額を平成24年度のものに更新したものになります。1ページ目のグラフでは12都道府県で逆転現象が起きていましたが、平成24年度の最低賃金額の改定により、秋田県で逆転現象が解消されたため、11都道府県で逆転現象が生じています。

 3ページ目はこの11都道府県について時間額の乖離額を示したものでございます。

 今年度の解消額を御議論いただくに当たって、平成24年度改定後の最低賃金額と比較する必要がございますので、左側の列Aの額から列Bでお示しした引上げ額を控除して得られる列Cの額が、今年度御審議いただく最新の乖離額でございます。

 なお、一番右の列には参考として平成24年度の改定後に残された乖離額をお示ししております。網かけの部分は昨年度の改定により乖離が解消された地域ですので、一旦6都道府県となったものが再び11都道府県で乖離が生じた状況でございます。

 4ページ、都道府県ごとに乖離額の要因分析がございます。こちらは昨年度は第3回目安に関する小委員会の資料として提出していましたが、今年度は資料No.2の中にまとめたものでございます。

 この表において列Cと列Dの額は3ページ目と同じでして、列Eに示した額が乖離の拡大額です。乖離額が拡大した主な要因として、住宅扶助の実績値が増加したことに加え、最低賃金額を手取額に換算するために乗じる可処分所得比率の変動、具体的には0.849から0.847に低下したことが特徴でございます。

 具体的な見方ですけれども、北海道を例にとりますと乖離拡大額6円のうち、住宅扶助の実績値が増加したことによる影響が4円、可処分所得比率が低下したことによる影響が2円となります。

 資料No.2の説明は以上でございます。ひとまず資料No.1No.2について御説明いたしました。


○仁田委員長
 ありがとうございます。

 それでは、ただ今の説明につきまして、御質問等ございましたらお願いいたします。よろしいですか。それでは、残りの資料について事務局から説明をお願いしたいと思います。


○里見参事官
 それでは、引き続き資料No.3について御説明いたします。No.3は地域別最低賃金額、未満率及び影響率(ランク別)の推移でございます。

 御覧いただく欄は、今回24年度分を一番右端の列に追加しておりますので、この24年度の欄を御覧ください。

 未満率はランク別に高い順に申し上げますと、Aランクが2.5%、2番目がCランクで2.2%、3番目がDランクで2.0%、4番目がBランクで1.4%となっております。ランク計は2.1%となっております。平成23年度と比較しますと、Bランクのみ未満率が低下した状況となっております。

 続いて影響率でございます。こちらもランク別に高い順で申し上げますと、Aランクが5.7%、2番目がCランクで5.2%、3番目がDランクで5.0%、4番目がBランクで3.1%となっております。ランク計は4.9%となっております。平成23年度と比較すると、いずれのランクでも上昇している状況となっております。

 資料No.3の説明は以上でございます。

 続いて資料No.4は賃金分布に関する資料でございます。各都道府県別にお示ししております。

 こちらは平成24年の賃金構造基本統計調査をもとに、一般労働者の分を資料No.4-2、短時間労働者の分を資料No.4-3、両方合わせたものを資料No.4-1として掲載しております。

 資料のつくりについて御説明しますと、1ページ以降、AランクからDランクまで総合指数の順に都道府県を並べております。

 1ページ目を御覧いただきますと、左上の東京を例にグラフの見方を説明しますと、下の横軸が1時間当たりの賃金額で、10円刻みで棒グラフになっております。最低賃金との関係ということで便宜的に一番右端は1,500円のところで切っております。縦軸は賃金構造基本統計調査での復元後の人数で、昨年6月分の賃金等についての調査ですので、最低賃金額についてはその時点、昨年の改定前の最低賃金額になりますが、こちらの金額のところに線を引いております。個別の御紹介は割愛させていただきますが、適宜御参照いただければと思います。

 資料No.5に移らせていただきます。資料No.5は賃金引上げに向けた中小企業への支援事業の概要及び実施状況でございます。

 おめくりいただきますと、平成25年度の予算額は26.5億円でございます。この事業は3つの柱からなりますが、1つ目は全国各都道府県47カ所に経営面と労働面の相談をワンストップで受けつける相談窓口を設置し、無料で専門家のアドバイスを行う他、社会保険労務士、中小企業診断士といった労働、経営の専門家を個々の事業場に派遣するものでございます。予算規模としては4.4億円でございます。

 2つ目は、最低賃金引上げの影響が大きいと考えられる業界の参加企業における賃金底上げを図るため、中央の団体として新たなビジネスモデルの開発などの取組に係る経費助成をする業種別団体助成金です。予算規模としては2億円です。

 3つ目が、地域別支援策でして、最低賃金額が720円以下の道県での賃金水準の底上げを支援する業務改善助成金です。予算規模としては20億円でございます。事業の内容は、事業内の最も低い時間給を計画的に800円以上に引上げ、単年度で40円以上引上げた中小企業に対して就業規則の作成、労働能率の増進に資する設備・機器の導入等に係る経費の2分の1を、1事業所当たり上限100万円まで支給するというものでございます。

 次のページを御覧いただきますと、こちら支援事業の各年度の実施状況がございます。相談事業につきましては、全国47カ所の相談窓口において平成25年度は6月末現在において相談件数は3,103件、専門家派遣件数は491件となっております。

 また、業種別中小企業団体助成金は平成25年度予算額が2億円ですので、1団体が上限の2,000万円を利用するとすれば10団体となりますが、資料では第1次公募分を掲載しておりますので、現時点では9団体となっております。この公募状況について追加して御説明しますと、第1次公募では11団体の応募がございました。これに対しまして省内の外部有識者を中心とした委員会において、評価が低かった2団体は採択しないこととなり、第2次の公募を行ったことによるものです。

 第2次の公募には9団体の応募があり、予算の範囲内で委員会の点数方式により上位3団体を内定し、現在、手続中でございます。最終的には12団体となる見込みでございます。

 業務改善助成金についてですが、こちらは25年度6月末時点で531件の申請を受けつけ、421件交付決定をしており、昨年同期に比べ約15%アップしている状況です。

 次のページ以降に参考として利用状況の具体例を掲載しております。相談支援事業の相談事例を幾つか御紹介させていただきます。

 例えば上から2つ目の事例は、建設業において業務改善助成金を活用し、社員の賃金引上げを行いたいとする事業所に対して、労働能率の増進を図るための経営診断を行うこととし、専門家を派遣したものです。

 1つ飛んで4番目の事例ですが、介護施設の業務改善のために専門家を派遣し、アドバイスし、就業規則等の見直しなどにより労務改善の助言を行った事例でございます。

 次のページを御覧ください。業種別支援策については先ほど申し上げた第1次公募により採択した9団体の事例を掲載しております。

 例えば1番目の事例、飲食料品小売業でございますが、こちらは国産米の消費が落ち込み、量販店の販売による小売店の売り上げ減少などから、賃金の底上げには業界としての国産米のPRが欠かせないものと考え、試食販売実験・市場調査等を実施し、消費者に対し国内産の米のおいしさを知ってもらう等の取組を行い、小売店の収益増により賃金の底上げを図ることとしたものでございます。

 業務改善助成金については、その次のページで活用状況例を掲載しております。幾つか例示しておりますが、さらに飛んで2枚目に行っていただきますとC社、造園業(従業員数10人)の事例を御紹介させていただいております。この事業所は顧客に造園工事の完成イメージを三次元で提案できる造園ガーデニングCADを導入することにより、顧客満足度の高い営業を展開することにより、賃金の引上げを目指すもので、具体的には事業場内の最低賃金750円を毎年40円、2年間で830円まで賃金の引上げを計画し、その効果として労働能率の増進につなげるもので、さらに従業員のモチベーションもアップしたとの意見を聞いた事例でございます。

 資料No.5の説明は以上でございます。

 続きまして、資料No.6最新の経済指標の動向を御覧ください。

 これらの指標を御覧いただきますと、一部に昨年度に比べ悪化している指標もございますが、最新の月例経済報告では、景気は「着実に持ち直している」とされております。以下、個別に御説明申し上げます。

 まず名目経済成長率ですが、今年1-3月期で0.6%、年率換算いたしますと2.2%となっております。

 生産ですが、鉱工業生産指数は今年3-5月ですと、前年同月比で−7.2〜−1.1%程度の推移となっており、マイナス幅は少なくなってきております。なお、2012年は震災後に鉱工業生産指数が大きく低下した2011年との比較であることもあって、前年同月比で大きく改善されております。

 第3次産業活動ですが、今年3-5月はいずれもプラスで推移している状況です。また、プラス幅が拡大してきております。

 企業収益ですが、今年1-3月期は企業規模計で前年同月比6.0%となっておりますが、企業規模の小さいところでは−6.1%となっております。

 企業倒産ですが、今年4-6月では前年同月比マイナスとなっております。

 商業販売ですが、今年3-4月は前年同月比でマイナスから、5月はプラスに転じている状況です。なお、2012年はエコカー補助金や震災の影響の反動により、前年同月比で大きく改善されております。

 次のページにいきまして、個人消費でございます。今年3-4月期は前年同月比でプラスとなっており、5月は2人以上の世帯ではマイナスですが、うち勤労者世帯ではプラスとなっております。

 業況判断については、今年3月調査ではほぼマイナスですが、6月調査では昨年度と比較してマイナス幅が小さくなっておりますけれども、プラスに転じている傾向がみられています。

 賃金ですが、現金給与総額の前年同月比でみたものです。今年3月を除きプラスになっております。

 労働時間ですが、今年3月はパートタイム労働者の所定外労働時間を除きマイナスとなっております。4-5月はパートタイム労働者の所定内労働時間を除きプラスとなっております。

 次のページは経済成長率の動向でございます。名目経済成長率の動向については、2011年度は−1.4%、2012年度は+0.3%、2013年度の1-3月期は+0.6%、年率換算で2.2%と推移しております。

 なお、経済見通しについては内閣府年央試算がまだ公表されていませんが、日本銀行政策委員の大勢見通しについては、2013年度は+2.53.0%、政策委員見通しの中央値は2.8%とされています。

 次のページは、前回小委員会で武石委員からお求めのあった消費者物価の見通しについてでございます。今年2月28日に閣議決定された経済見通しと財政運営の基本的態度では、消費者物価指数(総合)について、前年度比で+0.5%程度と見込んでいます。

 また、先ほど同じ日本銀行の政策委員の大勢見通しでは、消費者物価指数、生鮮食品を除く総合、いわゆるコアCPI2013年は政策委員見通しの中央値では+0.6%、2014年度には3.3%、2015年度には2.6%となっています。なお、消費税率引上げの影響を除くケースでは2014年度は1.3%、2015年度は1.9%となっています。

 資料No.6については以上でございます。

 続きまして資料No.7の東日本大震災関係資料についてでございます。

 この資料の説明に入る前に1点、御報告がございます。

 去る6月11日、12日に公益委員、労働者委員、使用者委員の御参加いただける方で福島県の視察に行っていただきました。福島の現状について現地でヒアリングを行うとともに、福島地方最低賃金審議会の公労使それぞれの委員の皆様からの意見を伺うなどしてまいりました。日程上、参加いただけなかった方もいらしたため、この場をお借りして御報告をさせていただきます。

 以下、復興庁で7月2日に取りまとめております被災地の復興状況、また、現状についてこの資料に沿って御説明をさせていただきます。

 この資料は震災の被害状況や被災者の支援、インフラ、産業、雇用、原子力災害等の概要と、復旧・復興関連の諸施策の概要をまとめていますが、枚数の多い資料になりますので、このうちインフラ、産業、雇用の3点の状況に絞って御説明いたします。

 まずインフラの復旧状況について、資料No.7の7ページを御覧ください。1ページ当たり2枚の資料が入っておりますが、右下に振られているページ番号ですと13ページ、14ページに相当いたします。

2-6 公共インフラの本格復旧・復興の進捗状況1を御覧いただきたいと思います。主なライフライン、公共サービス等の応急的な復旧については、家屋等流出地域、原発警戒区域等を除き、平成23年半ばまでにほぼ復旧しています。

 公共インフラは応急復旧段階から本格復旧・復興段階へ移行し、復興の事業計画及び工程表に基づき着実に整備を推進しております。

 以下、個別にみていきますと7ページ目の下半分、本格復旧・復興の進捗状況2では、安全・安心のための基盤整備関係について取りまとめており、海岸対策の着工が進んでいますが、完了の割合は低くなっております。

 8ページ目の上半分、交通関係についてですが、直轄国道、鉄道はほぼ完了していますが、復興道路、復興支援道路、港湾については完了の割合が低くなっております。

 8ページ下半分の公営住宅・まちづくりについては、医療・学校施設等についてはほぼ完了していますが、復興住宅や防災集団移転については完了の割合が低くなっています。

14ページ目で産業の復興状況について御覧いただきたいと思います。

 右下のページで言いますと28ページに相当するところでございます。「2-12 産業の復興状況1」を御覧ください。全体として被災地の鉱工業生産能力は震災前の水準にほぼ回復しましたが、業況は経済活動の影響を受けていると評価されております。被災地域の鉱工業生産指数は平成17年を100とした場合、平成25年3月分は94.2となっており、震災前の水準にほぼ回復しております。また、津波が浸水した地域に所在する事業所の鉱工業生産額の試算値をみると、震災後の平成23年5月には前年同月比で−99%であったのが、平成25年3月では−14%と大幅な回復がみられます。

 被害が甚大だった3県の鉱工業生産指数ですが、震災後は回復している状況です。

 最後に、雇用の状況についてです。資料の19ページ上半分、右下に振られているページ番号ですと37ページを御覧ください。「2-16 雇用の状況」でございます。3県の雇用情勢は全体として落ち着いているものの、沿岸部については震災前の水準まで回復していないとされております。詳しくみますと労働力の需給の状況は改善しており、有効求人数約13万件に対し、有効求職者数約11万人となっております。

 就職についても平成23年4月から本年4月までで31.3万人が就職していますが、建設業求人が増えている一方で、未経験者が就職困難になっているミスマッチなどの解消が課題となっております。

37ページの右下、雇用保険被保険者数の推移を御覧いただきますと、被保険者数ということは雇用されて雇用保険の被保険者となっておられる方の数ということですが、今年5月時点で前年同月比で2.2%増となっておりますが、沿岸部では震災前の水準まで回復していない地域がみられます。

 資料No.7の御説明は以上でございます。

 最後から2枚目が最低賃金の履行確保を主眼とする監督指導結果で、これは1回目にお配りしたものに25年の数値を追加したものですので御参照ください。

 また、一番最後のページに前回の小委員会で御指摘のありました雇用戦略対話を参考資料として配付させていただいております。

 資料については以上でございます。


○仁田委員長
 どうもありがとうございました。

 それでは、ただ今の説明について御質問等ございましたらお願いしたいと思います。


○里見参事官
 すみません、追加で御説明すべきところ、先般第1回の目安に関する小委員会で勝委員から御質問をいただいた、毎月勤労統計調査の関係で1点御説明させていただいてもよろしいでしょうか。


○仁田委員長
 どうぞ。


○里見参事官
 7月2日開催の第1回の目安に関する小委員会で、勝委員より資料No.1主要統計資料8〜9ページの平成251-3月の所定内労働時間の減少の要因について御質問いただきまして、事務局の宿題として預からせていただいておりました。

 こちらの結果につきましては、平成24年2月がうるう年だったことも影響し、平日数の減少によって出勤日数が減っており、それに伴って所定内労働時間もあわせて減少したと考えられます。

 回答については以上でございます。


○仁田委員長
 ありがとうございました。他にはいかがでしょうか。

 では、1点だけ。資料No.6で経済指標の動向等について御説明をいただきましたけれども、一番最後のページで日銀政策委員の大勢見通し、消費者物価についての見通しなのですが、この読み方なのですけれども、よくわからないところがあったので、つまり2015年度あるいは2014年度でもそうですが、消費税率引上げの影響を除くケースで2014年度では1.3%となっており、2015年度では1.9%となっておるのですけれども、これは2013年度末に消費税が上げられたと仮定すると3.3%になって、2014年度の消費者物価上昇率が3.3%になってというふうな話なのですか。2015年度はその影響がなくなるということなのでしょうか。ちょっと説明していただけますでしょうか。


○小泉室長補佐
 直接のお答えになっているかどうか分かりませんが、注書きのところにあるように、消費税率が2014年4月に8%、2015年に10%引上げられることを前提としてこの数値が出ています。


○仁田委員長
 201510月に10%だから、影響はその半分なのでという話なのですか。仮に2%消費税が上がったとしても、その影響は年度内には全部は出ないということでしょうか。


○小泉室長補佐
 そうだと思います。


○仁田委員長
 他にはよろしいでしょうか。

 それでは、本日最後の議題でございますけれども、前回委員の皆様にお願いいたしましたが、目安についての基本的な考え方を表明いただきたいと考えます。

 まず初めに、労働者側委員からお願いしたいと思います。


○須田委員
 第1回目、それから、本日と様々な資料を提出いただきまして、そうした数値も踏まえた上で今年の審議に臨むに当たっての基本的な考え方あるいは視点について申し上げたいと思います。

 まず1点目ですが、基本的な態度について申し上げたいと思います。7月2日にこの諮問がなされました。田村厚生労働大臣から経済財政運営と改革の基本方針、日本再興戦略に配意した調査審議を求められた。御挨拶の中では今後の経済成長、物価上昇も見据えて、成長戦略の一環としての最低賃金の引上げに配慮してほしいという旨の挨拶もあった。

 労働側としてはこれを受けとめつつ、2011年2月の目安制度のあり方に関する全員協議会で確認しましたとおり、この審議会、公労使三者が真摯な話し合いを通じて総合的に審議を行うという基本的な態度については、今年も堅持をさせていただきたいというのをまず基本的な態度として申し上げさせていただきたいと思います。

 その上で今、勤労者というか働く者がどういう状況に置かれているのかという現状の認識について、申し上げさせていただきたいと思います。

 今日も御説明がありましたけれども、経済成長につきましては20124-6期の−0.5%を底にして穏やかな上昇傾向にあり、足下の1-3月期については+0.6%、年率換算で2.2%、企業収益も経常利益、売上高経常利益率とも前年度比プラスを維持している。

 物価につきましてもCPIでみますと4月以降、0.2%程度ではありますが、プラスに転じている。閣議決定されました基本態度では0.5%程度、また、今日もありました日銀の政策委員の大勢見通しでは0.50.8%と、いずれも今後上昇するという見方にございます。

 労働側として問題意識を持っていますのは、CPIはマーケットバスケット方式ですので、所得階層別の物価上昇の影響というのが統計上ない。ただ、一般論で申し上げればエンゲル係数が高い低所得者層ほど、直近で言えば小麦が上がっているとか乳製品が上がっている等々のCPIの数字にあらわれない物価上昇の影響が生活に重くのしかかっていると認識しております。

 残念ながら、今年の春闘結果をみますと賃上げの状況は賃金カーブ維持分といいますか、定昇相当分といいますか、昨年と同等の数字ということで、所得の改善には至っていないというのが残念ながら今年の状況にございます。

 したがいまして、働くことに生きがいを感じる、あるいは働くことに喜びを感じるような状況にはなくて、日々の生活に追われている状況がふえてしまっている。加えて、いわゆる非正規と言われる雇用形態の方が2,000万人を超え、全体の勤労者の38%を超えるまでになってしまった。年収につきましても、いわゆるワーキングプアと言われている200万以下の労働者が1,000万人を超えてしまい、企業所得者全体の25%を超える状況になっております。

 厚生労働省が調べております国民生活基礎調査でみますと、生活意識で大変苦しいと感じている世帯数は6割を超えてしまっている。また、生活保護の受給者は2013年3月の数字ですが、2161,053人ということで過去最高を更新してしまいました。

 我々連合は5月20日以降、6月26日まで約1カ月間にわたりまして、全国で街宣行動をやってまいりましたけれども、それぞれの地方で道行く人たちから言われている声は、財布の中身はふえずに、生活必需品の値上げで生活が苦しくなっている。将来不安を解消してほしいという声が寄せられているというのが、今の働いている人たちの状況にあると認識をしております。

 そうした状況の中で、地域別最低賃金の意義と役割の重要性が従来以上に増大していると認識をしております。

 格差、貧困問題が深刻化している中にあって、我々の生活を支える最大の柱である賃金、特にセーフティネットである最低賃金制度の役割はさらに重要度が増しております。最低賃金の引上げによって賃金全体の底上げをして、安心して暮らしていけるような社会をつくっていくことが一層高まっていると認識してございます。したがいまして、この最低賃金がその役割を十分発揮するためには、高卒初任給あるいは我々連合リビングウェイジということで、マーケットバスケット方式で集計しておりますが、今年4月の高卒初任給全国平均は157,900円です。これを所定外労働時間込みの実労働時間数、毎月勤労統計調査でみた165時間で割りますと957円、連合のリビングウェイジでみると920円という数字が出ております。こうした水準まで早く到達させなければならないと思っております。

2010年に連合として働くことを軸とする安心社会ということを確認してきておりますけれども、一生懸命働いている人、この人たちが報われる。働くことに価値を生み出す社会でなければならないと思っております。

 労働力の再生産の源泉、それから、我々は労働者でもあり消費者でもあるわけですけれども、その賃金のアップ分を消費に回すことで内需の拡大、経済成長も促されるという好循環の社会を構築していくことが必要だというのが、この席に入って毎年の春闘方針で申し上げておりますけれども、そうしたことをこの最低賃金の中でもやっていかなければいけないと認識しております。

 そうした前提のもとで、今年の審議に当たっては3点、特に主張をさせていただきたいと思います。

 1つ目です。地域における労働者の生計費、賃金水準を重視したいということです。

 2つ目には、物価上昇について配慮をしなければいけないだろうと思っております。先ほどから申し上げていますように、所得階級別のCPIの影響というのは統計上、確たる数字はないわけですけれども、ここは何らかの配慮が必要ではないかと思っております。

 3点目は言うまでもないといいますか、原点に立ち返って健康で文化的な生活が営める水準。要は憲法第25条、最低賃金法第1条、労働基準法第1条、それぞれの目的を記載されているわけですけれども、そのことも十分考えて議論しなければいけないと思います。

 昨年も申し上げましたけれども、これまでの目安制度のあり方に関する全員協議会等々で全国を各ランクごとに区分して、ランクごとの引上げを議論しましょう。そのこと自身否定するものではありません。ただ、今、日本の中の一番低い最低賃金は652円で、この652という水準が果たして生活できる水準なのかという思いが相当ございます。したがいまして、ランク区分を否定するということではなくて、この650円台というCランク、Dランク、ここの本来あるべき水準はどうあるべきなのかということの絶対値も加味した目安を考えていくべきではないか。これは昨年と基本的なスタンスは変わってございません。そのことを基本的に3つ置かせていただいて、審議に臨んでいきたいと思っております。

 生活保護については田村委員から申し上げたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。


○田村委員
 生活保護水準との整合性の確保について、私から申し上げたいと思います。

 今日御説明いただきましたけれども、昨年の審議の結果、6つの都道府県でまだ乖離解消ができていないという結果でございましたが、今日のデータで御説明いただいたとおり、5府県で新たにまた発生したということで、合計11都道府県での逆転現象が起きてしまったということでございます。新たに発生した乖離額の解消については、これまでの労使で議論は進めてきたところでございますけれども、最低賃金法第9条第3項の指針に従って、この乖離額については全額本年解消すべきだということを基本的に考えてございます。

 これまで最新のデータをもとにして、各都道府県の加重平均額を法改正の趣旨に沿って整合性の配慮ということで当面の水準としてきましたけれども、以下6点申し上げたいと思います。

 1つは水準そのものについては、これまで労働者側は少なくとも各都道府県の加重平均ではなく、県庁所在地をみるべきだということについては変わりない主張をしていきたいと思っています。

 2点目は、最低賃金はこれまで審議の基礎としてきた生活保護水準を下回らなければよいという水準ではなく、労働の対価として先ほど須田からありました絶対額ということも重視し、相当程度上回っていなければならないのではないかという考え方を持っている。

 3点目は、都道府県の最低賃金の優位性の額が生活保護費との間で縮小してきている。最低賃金が上がってきたということがありますけれども、縮小していることについて我々は非常に懸念を持っているということを申し上げたいと思います。

 4点目は、生活保護費等の優位性がゼロまたは著しく接近している都道府県は、最新のデータを出せば出すほど逆転現象がまた起きてしまうことが常に発生することについて、これも懸念をしていることを申し上げたいと思います。毎回これは出てきてしまうのではないか。早めに解消する必要があるのではないかと思ってございます。

 5点目は、法改正から6年が経過しました。いまだに生活保護費との整合性について最低賃金と比較しなければならないことについては、非常に遺憾に思っています。

 6点目は、目安審議において生活保護水準との逆転解消については、強いメッセージを出していく必要があるのではないかということを考えていることを6点申し上げておきたいと思います。

 以上です。


○仁田委員長
 どうもありがとうございました。

 それでは、引き続いて使用者側委員からお願いをしたいと思います。


○小林委員
 それでは、私どもから説明させていただきます。

 初めに、我が国経済の現状について申し上げたいと思います。我が国は東日本大震災からの復興を加速させるとともに、デフレからの早期脱却と経済再生の実現に向けて邁進しているところであります。アベノミクスの影響は各種政策が打ち出されて実行される中、円安の状況が続き、輸出が持ち直し、株高が企業収益の改善をもたらし、今後は家計所得の増加や投資の増加につながり、景気回復へと向かうことが期待されています。

 しかし、経済の状況1つみても、言わば光と影があり、円安による影響が燃料、原材料価格の上昇をもたらし、価格転嫁ができなければ企業収益を圧迫するというマイナス要因も出ています。一方、世界経済に目を転じると、欧州債務問題は何ら解決されておらず、米国の経済動向などのリスク要因なども含め、日本経済をめぐる不確実性は引き続き大きいと言わざるを得ません。

 次に、中小企業の置かれている経営状況について申し上げたいと思います。中小企業の経営環境は依然として厳しいものと認識しております。中小企業庁が6月28日に発表した今年4-6月期の中小企業景況調査では、全産業の業況判断DIはマイナス幅が縮小しているものの、原材料、商品の仕入れ価格DIはプラス幅が拡大しております。これは円安による原材料価格等の高騰が要因であり、こうした動きは今後も続くものと思います。

 また、日本銀行が7月1日に発表した短観では、大企業には経済政策の効果が広がっているものの、中小企業や地方はその恩恵に預かっていない現状を如実に示しています。多くの中小企業、特に地方の中小企業は円安や株高によるメリットを受けておらず、依然として景気回復の実感は得られていません。逆に原材料高、燃料高などのコスト増加要因によるデメリットが顕在化し、価格転嫁ができないことによる一層の収益悪化が生じております。

 厚生労働省が7月2日に発表した毎月勤労統計調査では、基本給などの所定内給与は前年同月比で12カ月連続で減少しており、内閣府が7月8日に発表した景気ウォッチャー調査では、基調判断を8カ月ぶりに下方修正しました。6月の景気の現状を示す指数は3カ月連続で低下し、製造業などで円安による原材料の値上げが見込まれることや、梅雨入りして飲食などの販売が鈍化していくことなどが低下の要因となっており、景気の先行きを示す指数も政策効果への期待がみられるものの、株価や為替の先行き不透明感から2カ月連続で低下しております。

 このように依然として厳しい経営環境に置かれている中小企業の現状にかんがみれば、実態にそぐわない最低賃金の大幅な引上げは中小企業の存続自体を脅かし、雇用や地域経済にも悪影響を及ぼすことになります。

 以上のような認識に基づき、今年度の目安審議における使用者側の基本的な考え方を申し上げたいと存じます。

 最低賃金の決定については、最低賃金法第9条において地域における労働者の生計費及び賃金、通常の事業の賃金支払い能力の3要素を考慮して定めなければならないと規定されているところであります。

 従来から目安審議及び地方の最低賃金審議会での審議は、各種統計データでの調査審議を基本として行われてきました。本年度の最低賃金の目安審議においても同様であり、とりわけ賃金改定状況調査結果の第4表のデータを重視することが大切だと考えております。

 生活保護水準との乖離解消については、これまでの目安審議でのルールに則って乖離解消に努めることが基本だと考えています。

 先般の中央最低賃金審議会において、田村厚生労働大臣から仁田会長に諮問文が手交されました。その諮問文は政府の経済財政運営と改革の基本方針、いわゆる骨太の方針及び日本再興戦略に配意して議論するよう求めております。骨太の方針及び日本再興戦略は閣議決定されたものであり、相応の重みがあるものと認識しております。

 一方で、平成23年2月の中央最低賃金審議会目安制度のあり方に関する全員協議会では、目安の審議については公労使三者が話し合いを通じて法の原則及び目安制度を基にするとともに、それらの趣旨や経緯を踏まえ、時々の事情を総合的に勘案して行うというあり方の重要性について合意しております。

 今回の骨太の方針及び日本再興戦略に配意するということは、言わば時々の事情として捉えるべきものであると考えています。

 最低賃金の目安審議に当たって、時々の事情を踏まえる際には、実績値のデータを基に議論をすることが最も重要だと考えております。近年の目安審議では時々の事情として成長力底上げ戦略推進円卓会議、雇用戦略対話の合意などを勘案する際に、政府が掲げる目標値を基に大幅な引上げが繰り返されてきたところです。それらの目標値は結果として実態が伴わず、前提条件となる経済成長率も達成されず、中小企業の生産性も向上せず、さらに中小企業支援策の成果もみられず、最低賃金だけが大幅に引上げられてきました。

 政府が掲げる経済成長率などの目標値を重視し過ぎる審議は、中央及び地方の審議会に混乱を招いてきただけです。したがって、今年度の目安審議に当たっては法の原則を中心としながら、時々の事情である骨太の方針及び日本再興戦略へ配慮しつつ、これらを重視し過ぎることなく一定程度の配慮にとどめるのが妥当だと思います。

 以上を踏まえて、今年の目安審議のあり方について申し上げます。

 最低賃金の引上げは、企業において人件費増に結びつきます。とりわけ経営基盤の弱い中小・小規模企業にとっては、経営体質を強化できる支援策の拡充がないままで、大幅な引上げは困難であります。引上げによって企業が人件費抑制に動き、人員削減や採用抑制など、雇用に悪影響を及ぼす可能性もあることを十分考慮する必要があります。厳しい国内経済情勢、とりわけ中小・小規模企業を取り巻く経営環境を踏まえると、賃金改定状況調査結果、とりわけ第4表のデータを十分に踏まえた議論を行うべきであり、このデータを大幅に上回る引上げは困難であると言わざるを得ません。

 生活保護水準との乖離解消については、法改正以降、着実にその解消に努めてきましたが、昨年度に乖離額が解消したにもかかわらず、地域で再び乖離額が生じています。乖離額を解消しても、再び乖離が生じる逃げ水のような生活保護水準の引上げ状況が数年間にわたって続いています。しかし、生活保護水準との乖離解消は法の要請に基づくものでありますので、従来のルールに則って乖離解消に当たるべきだと考えます。

 ただし、昨年に乖離解消が果たせず、依然として大幅な乖離が生じている地域、特に北海道などについては解消年度を延長するなど、柔軟な対応が必要であると考えます。なお、生活保護制度の見直しによって、生活保護支給額の段階的な引下げが来月から開始されます。今後はその引下げ水準を視野に入れて、解消方法を議論する必要があることを申し添えます。

 以上が今年度の目安審議における使用者側の見解であります。


○仁田委員長
 どうもありがとうございました。

 それでは、ただ今の双方の御主張について御質問等ございましたら、お願いしたいと思います。


○萩原委員
 2点ほど申し上げさせていただきたいと思います。

 1点目は最低賃金なのですが、これは労使ともに発言したとおり、この最低賃金を決めるに当たっては地域における労働者の生計費及び賃金水準をもって決める、これをもって検討を行うことになっていると思います。

 これについては、労側はこれまでも一貫していわゆる根っこからの水準、引上げ額ではなく水準を重視するべきだということを主張させていただいております。

 こうなるのであれば、やはりこれまでどおり我々としては何らかの水準、目指すべき水準ということをもって主張させていただきたいと思っています。とりわけ生計費につきましては、連合が示しておりますリビングウェイジといったものを、我々としては早期にそこに追いつくべき水準として考えているということでございますので、引上げ額、変化率にとらわれず、水準を重視した取組をぜひともやっていきたいと思っております。

 もう一つ、今ほど使用者側からございましたが、生活保護の関係が引下げになることに対して配慮すべきだということですが、これも我々としては生活保護というものもいわゆる生計費の1つのものであって、それが絶対であるとは我々は考えていません。ということは、その生計費という要素を考えるに当たって生活保護も考える要素ですから、オートマチックにそこが下がったから引下げを念頭に置くべきというような要素として生活保護は考えるべきではないと考えております。

 以上でございます。


○仁田委員長
 どうもありがとうございました。

 他にはいかがでございましょうか。


○須田委員
 1点は意見で、1点は質問なのですけれども、意見の方というか、認識がそれぞれあると思いますが、政府の成長の目標値という言い方をされましたけれども、今回の閣議決定した内容は、その成長を実現するための政策の1つとして賃金の引上げを記載されていると私は認識しておりまして、成長成果の結果の配分ではなくて、成長していくための政策の1つだと、我々はいいとか悪いとかではなくて、そういうふうに書いていると私は読み込んでいるのですが、目標と実態が乖離するから目標を重く余りしないようにという趣旨に聞こえたわけですけれども、あえて言わせていただくと、成長戦略を実現するためにこの審議会が課されている、審議する意義とかいう意味では納得できないというか、わからないなというのが1点。

 もう一つは今、萩原からも言いましたけれども、生活保護の引下げの影響については、私の聞きとりが間違っていたら指摘してほしいのですが、そういう意味で質問ですけれども、今後議論しましょうというと、今後というのは今年ではなくて来年以降だと私の耳にはそう聞こえたのですけれども、今年は従来のルールで淡々と議論しましょう。8月以降の引下げの部分については来年以降どうするか議論しましょうというふうに聞こえたのですが、私の耳が悪いのかどうか教えていただきたいと思います。


○小林委員
 まず1点目の目標値というところの捉え方でございますけれども、まず骨太の方針内、政府が抱えている今の日本再興戦略、幾つか指標値をもとに例えばインフレ率が3%、2%とか数字が出ていますが、そういう目標値を掲げながら、今後いろんな戦略を立てていきましょうというところのまだ戦略が煮詰まっていない状況と私は認識しています。

 今までアベノミクスの言葉によるいろんな政策を打ち出して、それの経済効果として今、円安、株価の上昇というのがあるのですけれども、これは事実に基づくものではなくて、期待値を持ってという状況で、先ほど申し上げたように先々わからない。

 これから重要なことというのは、政府の打ち出す戦略をしっかりとした形で打ち出すことが大切だと認識しておりまして、その辺がまだ明確になっていない以上、果たしていかがなものか。政府の関係者自体も秋口以降にいろんな形で地方とか中小企業に影響が出てくるだろうという認識の段階で、果たして最低賃金、法律に基づく最低賃金を決める議論の中でどれだけ考慮するものがあるのかというのは、先ほども申し上げた非常に難しいものがあるのではないかということでございます。

 生活保護のことについては、まさしく須田委員がおっしゃったように、今年度についてはしっかりとした形で、旧来どおりの考え方に基づいて解消していくことが必要。先ほど申し上げましたけれども、北海道を初め大幅に上がっているところの配慮を前提にしながら従来どおり考えていく必要がある。生活保護の支給額が下がっていくのは、今年8月から3年間段階的にということでございますので、そういう動向もみながら今後この目安審議が終わった後、その辺は来年と捉えた方がいいのか、終わった後というふうに捉えた方がいいのか、慎重に考えていく必要があると考えております。


○仁田委員長
 よろしいですか。さらに追加して相互質問、意見等、この段階でございますでしょうか。


○横山委員
 資料についてお尋ねします。

 最低賃金の履行確保を主眼とする監督指導結果で、16年から25年の経年変化が出されておりますが、監督実施事業場の数が19年、20年の2万社前後から、23年以降には1万4,000社前後へとかなり減っています。その内容がわかりましたら教えていただきたいと思います。

 あわせて、対象労働者数もおよそ30万人から18万人とか19万人へと減少していますので、この理由がわかれば教えていただきたいということが質問の第1点です。

 第2点は、この対象の事業場について、中小規模かなと私は思ったのですが、そうでないとすれば属性はどのようになっているのでしょうか。あわせて中小規模と言われる事業場は一応の規定がございますので、中小規模の総事業場数をこの資料の内容に対応する部分で教えていただきたい。監督実施をした事業場と総事業場は別だと思うので、厚生労働省の資料になければ、経済産業省の資料でも結構ですので、総事業場数を経年変化で教えていただければと思います。


○仁田委員長
 事務局、お願いします。


○辻主任中央賃金指導官
 今の御質問に対しましてお答えをさせていただきます。

 まず平成19年、20年が約2万件あるいは1万9,000件で非常に多いという御質問でございますが、平成20年は最低賃金法改正が、その前年は成長力底上げ戦略推進円卓会議等がございまして、そういった動きの中で可能な限りできるだけ多く監督指導を実施していこうといったことによって件数が増えているものでございます。24年、25年が1万3,000件程度になっておりますが、これは1〜3月の最低賃金の集中監督となるわけですけれども、例年ベースでの業務量を投入して実施した結果がこうなったということでございます。

 それから、監督実施事業場の労働者数がピークの31万人から19万人に減っているということでございます。これも監督件数が多いということとの関連で全体の数がこういう形になっていると考えておりまして、特に対象事業場規模を当時と今とで変えているということではないと御理解いただければと思います。

 では、どういったところを対象にしているのかというのは、次の1枚おめくりいただきまして業種別にございますけれども、要するにどの業種をどのように監督するかにつきましては、できるだけ監督指導、限られた主体的能力の中で最低賃金違反を効果的に改善するため、監督署に寄せられる情報とか投書、その他届出書類等を総合的に勘案しまして監督指導対象を選定しているということで、25年の1-3月の集合監督ではこういった業種が対象になっていると御理解いただければと思います。

 最後の質問は、監督指導の全数がどれくらいということでしょうか。


○横山委員
 監督指導の全数ではなくて、事業場そのものの全数です。例えば経済産業省の資料では、中小企業の製造業について、10年前は30万社だったのが20万社になったといった、他の資料をお願いしたいのです。


○辻主任中央賃金指導官
 経済センサスによる事業場の数が全体になるというふうに御理解いただければと。


○横山委員
 総数の中の何社がサンプリングの対象になったかということもありますが、総数がどういうふうに変移してきているのかを知りたいのです。


○辻主任中央賃金指導官
 事業場の数ですか。


○横山委員
 そうです。絶対値です。


○辻主任中央賃金指導官
 それはよろしければ、次回に出させていただきます。


○仁田委員長
 確認ですけれども、それは総事業所数ということなのですか。それともプロペンシティの高い中小企業とか規模別にみたということなのでしょうか。


○横山委員
 全体でもちろん結構です。その中で大規模、中規模、小規模という統計上の区分があるはずですので、それを出していただいて全事業場数がわかれば結構です。


○仁田委員長
 今の御説明で、この監督指導結果ですが、業種別のブレークダウンはあるのですけれども、事業所規模別のブレークダウンというのは、もともとあるのですかないのですか。


○辻主任中央賃金指導官
 もともとございません。いろんな情報総合的に勘案して、法令違反が懸念される事業場ということでございまして、これが中規模の事業所であるのか、あるいは小規模ばかりをやっているのかということは、必ずしも限らないわけでございます。


○仁田委員長
 わかりました。

 他にはいかがでございましょうか。よろしいでしょうか。

 それでは、目安に関する小委員会、熱心な御審議をいただいて、結論に向かって進み始めたところかと思いますが、当然でありますけれども、お伺いしている限りでは労使の御主張にはかなりの開きがあると考えられます。目安をまとめていくという観点から、双方歩み寄りをしていただくことが必要となろうかと思います。

 その点については次回の目安に関する小委員会が予定されておりますので、それまでに相手の主張を踏まえた上で御検討をお願いしたいと思います。

 それでは、最後に本日用意していただいた資料を含めて何かございましたらお願いしたいと思います。よろしいでしょうか。

 それでは、事務局から次回に向けた事務連絡をお願いいたしたいと思います。


○里見参事官
 次回の第3回目安に関する小委員会は、7月30日火曜日の17時から、厚生労働省22階専用第14会議室で開催いたしますので、よろしくお願いいたします。


○仁田委員長
 よろしいですね。

 それでは、本日の小委員会はこれにて終了といたします。議事録の署名ですけれども、田村委員と高橋委員にお願いしたいと思います。皆様どうもお疲れ様でございました。


(了)
<照会先>

労働基準局労働条件政策課賃金時間室
最低賃金係(内線:5532)

代表: 03-5253-1111

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