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2013年6月27日 第89回労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会議事録

職業安定局雇用保険課

○日時

平成25年6月27日(木) 10:00〜12:00


○場所

KKRホテル東京 11F白鳥


○議題

・雇用保険制度について
・その他

○議事

○岩村部会長 定刻よりは早いですが、取りあえず、いらっしゃる方は皆様お揃いということでございます。それでは、ただいまから、第89回雇用保険部会を開催することにいたします。皆様、お忙しい中をお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。本日の出欠状況ですが、浅見委員が御欠席と承っております。なお、亀崎委員は遅れて御出席になるということでございます。
 それでは早速、議事に移りたいと思います。カメラの頭撮りはここまでですので、よろしくお願いいたします。
 本日の議題は、お手元の議事次第にありますように、雇用保険制度についてでございます。事務局のほうで資料を御用意いただいておりますので、最初にそれについての御説明をいただき、その後、質疑を行うという順序で進めてまいりたいと思います。まず、今日御用意いただいている資料で、資料1というのがありますが、労働移動・学び直しの支援措置に関して、事務局のほうから御説明をいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○土肥雇用保険課調査官 雇用保険課の土肥でございます。よろしくお願いいたします。資料1「労働移動・学び直しの支援措置」です。めくっていただいて、目次がありますが、更にめくって、「日本再興戦略・骨太の方針等」ということで、中身は3ページ目からです。成長戦略につきましては、1月から12回にわたって産業競争力会議で議論されてきましたが、6月14日(金)、「日本再興戦略」という名前でまとまりました。この中には3つのプランがありまして、その中に、「日本産業再興プラン〜ヒト、モノ、カネを活性化する〜」というところに、雇用制度改革・人材力の強化ということで雇用関係の項目が立てられています。
 この中に項目が8項目ありますが、そのうち4項目について、学び直しの関係、雇用保険制度の関係が触れられています。1つは、行き過ぎた雇用維持型から労働移動支援型への政策転換(失業なき労働移動の実現)というところでして、このテキストに、「社会人の学び直しを促進するために雇用保険制度を見直す」と記述されています。併せまして、「従業員の学び直しプログラムの受講を支援する事業主への経費助成による支援策を講ずる」とされています。社会人の学び直しにつきましては、4女性の活躍推進、5若者・高齢者等の活躍推進、7グローバル化等に対応する人材力の強化という、3つの項目においても触れられています。日本再興戦略の関係部分については参考資料として付けておりますので、御覧になっていただければと思います。
 続きまして、4ページです。「経済・財政運営と改革の基本方針」、いわゆる骨太の方針ですが、ここにおいても社会人の学び直しについて触れられております。あと、「若者・女性活躍推進フォーラム提言」ということで、これは5月19日にまとめられたものですが、ここにおいても社会人の学び直しに触れられております。以上のような背景があります。
 5、6ページは、模式図です。5ページにつきましては、社会人の学び直し支援ということで、これは4月23日に、田村厚生労働大臣が産業競争力会議で説明した資料ですが、社会人の学び直しということで、離職者、在職者について、雇用保険制度の見直しを通じて支援をしていくことと、企業が在職者に向けてする学び直しプログラム、訓練について、経費助成を行っていくことによってスキルアップ、スキルチェンジを図っていく図式です。
 6ページ目、これは「若者・女性活躍推進フォーラム提言」に付いている資料です。右側のほうが厚生労働省でして、社会人への支援、企業への支援を先ほど申し上げたとおりにやっていくということです。左側の図が文部科学省のほうですが、オーダーメイド型学び直しプログラムの開発・実施ということで、大学院等、大学・短大・高専・専門学校といったところが、企業なり地域なりのニーズを踏まえた上でプログラムを作っていくと。そういったものを活用しながら学び直しをしていくのが基本的な枠組みになろうかと思います。
 続きまして、「訓練及びその経済的支援について」で、8ページです。訓練につきましては、今までも各種の施策を講じていて、全体像を整理したのが8ページです。対象者は、離職者、在職者、左側のほうで分けておりまして、それぞれについて、訓練、本人の訓練費用、本人の生活費用ということで分けています。離職者につきましては、訓練としては、公共職業訓練、求職者支援訓練があります。これらについては訓練費用は無料です。公共職業訓練につきましては、基本的に雇用保険を受けている方が受けられるので、生活費用としても基本手当が支給されます。それで足りない場合は訓練延長給付が支給されます。雇用保険が受けられない方につきましては、求職者支援訓練と職業訓練受講給付金という形で、訓練なり生活費用の補助がされます。
 3番目が教育訓練給付ですが、指定講座を8,000ほど指定しておりまして、本人が自発的にそれらを受けられた場合に教育訓練給付を支給することであり、2割で上限10万円という形になっております。在職者につきましては、また、企業によって、OJT、OFFJTが行われています。その中に、認定職業訓練として公的職業訓練に準じたような形のもの、雇用型訓練としてOJTとOFFJTを一体的に実施するというような枠組みもあります。これらにつきまして、基本的には企業が負担して行われているのですが、助成制度がありまして、1〜4の、キャリア形成促進助成金、キャリアアップ助成金、若者チャレンジ奨励金、日本再生人材育成支援事業というのがあり、全体像になっています。
 続きまして、個々の項目について説明します。1番目が公共職業訓練(離職者訓練)の概要ということでして、雇用保険が必要になって、離職者の方に対して公が訓練を行うもので、実施主体としては、高齢・障害・求職者雇用支援機構、都道府県、民間教育訓練機関に委託する委託訓練、という3つのカテゴリーがあります。高齢・障害・求職者雇用支援機構のものはものづくりを中心とした職業訓練であり、訓練期間6か月、主な訓練コースは、そこに書いてあるような技術系の、ものづくりのものが多いです。都道府県においては、地域の実情に応じて様々な訓練をされておりまして、訓練期間は6か月から1年程度です。民間教育訓練機関におきましては、3〜6か月程度で、介護サービス、情報処理、経理、販売といったようなものをやられています。平成24年度の実績ですが、合わせて約15万人の方々が受講されております。就職率は、施設外訓練と委託訓練とで若干違いますが、70%前後となっています。
 続きまして、10ページです。公共職業訓練を受けている方に関して、雇用保険を受けている方は基本手当が出るのですが、所定給付日数に限りがあるので、それで足りないという方には、訓練が終わるまでという形で、最長2年の訓練延長給付があります。支給実績としましては、平成20年度から平成24年度で、10万人から7万人の間ぐらいという形になっておりまして、支給金額はトータルで約300億円程度となっています。
 続きまして、11ページです。「求職者支援訓練」でして、これは雇用保険を受給できない求職者の方に訓練をしていただくという制度でして、訓練期間は3〜6か月です。訓練コースは基礎コースと実践コースに分かれておりまして、基礎コースは基礎的能力を習得する訓練で、余り仕事をきちんとしたことがないという方に対して基礎的訓練をするものです。実践コースは実践的能力を習得するということで、具体的な議論の習得をするものです。平成24年度の実績につきまして、受講者数は、基礎コース、実践コース、合わせて10万人弱と、就職率に関しては大体80%弱となっています。
 12ページが「職業訓練受講給付金の概要」でして、求職者支援訓練を受けている間の生活の保障ということで、職業訓練受講手当、通所手当がありまして、職業訓練受講手当については1か月10万円となっております。これについては支給要件がありまして、収入が一定程度以下ということと、世帯所得がそれほど多くない、金融資産が300万円以下といったような要件を課しています。実際に受給されている方々ですが、平成24年度で申し上げると、初回受給者が5万8,000人ぐらい、給付総額が約250億円となっています。
 続きまして、「教育訓練給付の概要」です。先ほど申し上げたとおり、自発的に指定講座を受けていただいて、それに要した費用の20%相当額(上限10万円)を支給する仕組みです。支給要件期間は3年が原則ですが、初回の場合は1年でもよいという仕組みになっています。支給実績に関しては、受給者は平成24年度で13万人程度で、平均支給額は3.5万円で、一応10万円までは出るのですが、若干低い形になっています。支給金額に関しては45、46億円程度でして、過去、平成15年度に関しては900億円弱出ておりましたので、大分少なくなってきている状況です。
 14ページが「教育訓練給付に係る主な制度変遷」です。平成10年12月にこの制度ができましたが、平成15年改正以前は、給付率が80%、上限額が30万円という形だったのですが、平成15年改正で見直しをしまして、給付率を引き下げ、平成19年に更に引き下げて、現在、給付率が20%、上限が10万円という形になっている経緯があります。
 17ページが「教育訓練給付の指定講座の指定基準の考え方」です。基本的考え方としましては、公的職業資格又は修士等の取得を訓練目標とするもの、又はそれに準じたようなものを基本としています。趣味的、教養的、入門的又は基礎的水準のものは指定の対象としないという方針でやっています。訓練期間に関しては、通学制と通信制で若干違いますが、1年以内であり、ただ、大学院修士・博士過程といったものについては3年以内となっています。
 下の指定基準等の変更です。過去、教育訓練給付はたくさん給付していた経緯がありまして、それに応じて給付率、上限額なども見直しをしておりますが、指定基準についても見直しをしております。具体的に申し上げますと、○の2つ目ですが、平成13年には、英語の講座見直しということでレベルを引き上げている。平成14年に関しては、マイクロソフトオフィススペシャリストという資格があるのですが、これも一般から上級以上へということでグレードを引き上げている。平成18年度には英語以外の語学講座もレベルを引き上げるというような、順次引上げを行っています。
 16ページ、「教育訓練給付の指定講座」ですが、現在、指定講座が8,500余りあります。一番多いのが輸送・機械運転関係でして、これが4,061講座で、半分弱を占めております。その他、医療・社会福祉、保健衛生関係(社会福祉士、保育士等)、専門的サービス関係(社会保険労務士、税理士、公認会計士等)、事務、情報、営業・販売・サービス、技術、製造といったものがありまして、その他として、大学院修士課程等は今でも指定講座として入っています。その下のグラフが指定講座数と施設数の推移でして、平成13年10月は2万2,000講座が指定され、これがピークでして、その後、指定基準の適正化を図りまして、平成20年ぐらいには5,000講座程度に下がって、現在、若干増えて、8,000講座ぐらい、というような推移をたどっています。
 ここまでは教育訓練給付です。次から、企業による訓練のところに入っていくわけです。まず、公共職業訓練の在職者訓練です。公共職業訓練は、主として離職者訓練がメインなのですが、在職者向けにも訓練を行っております。実施主体としては、高・障・求機構、都道府県でやっており、訓練期間はおおむね2〜5日という、割と短い訓練でして、技術のキャッチアップ、スキルアップを中心とした訓練を実施していて、平成24年度の受講者数は10万人程度となっています。
 18ページ、「認定職業訓練の概要」です。事業主の行う職業訓練のうち、今申し上げた、公共職業訓練の在職者向けのものに準じた内容のものにつきましては、国、都道府県がその費用を補助するような仕組みを設けております。技術系のものが多く、建設業などが代表的なものだと思いますが、中小企業が共同で訓練施設を設置して運営しているケースが多いです。それらの場合につきまして、運営費など、施設がある場合は施設整備費などについて国、都道府県が補助する仕組みがありまして、平成24年度の交付実績としては8億円程度です。
 19ページ、「雇用型訓練の概要」です。これはOJTとOFFJTを一体的に実施するという訓練システムで、ジョブ・カードとともに一体的に実施しているというカテゴリーです。カテゴリーが3つありまして、有期実習型訓練、実践型人材養成システム、若者チャレンジ訓練という3つのカテゴリーがあります。有期実習型訓練は非正規の労働者を対象としたものでして、訓練期間は3〜6か月で、訓練を通じて正社員への転換を図るものです。実践型人材養成システムというのは、これは15〜45歳ですが、6か月から2年と、訓練期間が若干長いです。これにつきましては、現場の中核人材の育成を図ることを目的としていて、若干ハイグレードなものになっております。それと、若者チャレンジ訓練というカテゴリーがありますが、これについては後で説明します。一番下の「参考」にありますが、この3つの訓練について、各種助成金、奨励金によって企業の実施を支援している形になっています。
 20ページから、4つの助成金の説明をしています。1つは、代表格である「キャリア形成促進助成金」で、中小企業の事業主の方々が訓練をする場合、その訓練経費や訓練中の賃金を助成するものです。カテゴリーが大きく2つに分かれておりまして、政策課題対応型訓練ということで、若者や成長分野、グローバル人材の育成、熟練技能育成・承継といったような、必要度の高い政策課題に対応するようなものに関しては、助成額を比較的厚めに配置しています。それ以外のものについては一般型訓練で、政策課題対応型以外ということでして、これらは企業がやられるものについて助成するものですが、賃金助成なり経費助成の率を若干下げています。支給実績としては、平成24年度で87億円程度です。
 続きまして、「キャリアアップ助成金」です。これは平成25年度からできた助成金です。有期契約の方、短時間の方、派遣の方といったような、非正規雇用の労働者の企業内のキャリアアップを促進する目的でできたもので、各種メニューがある、包括的な助成金のシステムです。下のほうにメニューがありまして、正規雇用等転換、人材育成、処遇改善、健康管理等のメニューがあります。黒い太線で囲ってある部分が人材育成の部分で、有期契約労働者等の方々に、一般職業訓練又は有期実習型訓練、OFFJT、OJTを組み合わせた職業訓練をされるという場合につきましては、OFFJT、OJT、それぞれについて賃金助成、経費助成を行うようなメニューがこの中にも入っています。
 続きまして、「若者チャレンジ奨励金」です。これは昨年度の補正予算で組まれたものであり、事業規模が728億円で、かなり大きな規模で実施しています。対象につきましては、若年非正規労働者(35歳未満)の方を対象に、その対象者の方々に対して実践的な職業訓練を実施する事業主を支援する仕組みです。助成額につきましては、月額15万円、1年後に定着した場合は50万円、2年後に定着した場合は50万円という仕組みで、OFFJTとOJTを組み合わせて、訓練することにより定着化を図っていくことを目的とした助成金です。
 助成金の最後が、「日本再生人材育成支援事業」です。これは、健康、環境、農林漁業分野といったような、いわゆる成長分野での人材育成を目的とするもので、こういった分野の事業主が訓練等を行った場合には助成を行う仕組みです。左が「正規雇用労働者への訓練等の実施」で、OFFJTに対する、一般的な助成をする仕組みもありますし、海外進出支援奨励金というように、国外留学、又は海外拠点で訓練を行う場合に助成をするようなシステムがあります。右側が「非正規労働者育成支援奨励金」で、OFFJT、OJTに対する助成の仕組みがあります。この「日本再生人材育成支援事業」と、先ほどありました「若者チャレンジ奨励金」については、一般会計で行っておりまして、今年度限りの措置となります。以上、資料の説明をいたしました。
 「論点」といたしましては、これまで行ってきた様々な職業訓練の意義、いろいろやってきておりますが、こういったものを踏まえつつ、若者が更に学び直しをしながら、キャリアアップ・キャリアチェンジを行っていくために、どういった訓練を行っていくことが必要とされているかということと、訓練費用などについてどう考えるかといった点について、御議論いただければと思います。
 26ページ以降に参考資料を付けていますけれども、26ページが、ジョブ・カードです。28ページから、統計的な資料ですが、28〜30ページが「若者・女性活躍推進に関するアンケート」で、総数が219で、母数が若干少ないのですが、国政モニターアンケートということで、「学び直し」についての認識などについてアンケートを行っています。31〜34ページが、「教育訓練給付指定講座」の修了者のアンケートです。35ページ以降に、「平成24年度能力開発基本調査」で各種調査をしておりますので、それも付けてあります。
 最後に、49ページ、これは阿部先生に座長をしていただいた検討会の報告書ですが、「非正規雇用労働者の能力開発抜本強化に関する検討会報告書」で、昨年12月にまとまった報告書の概要について付けさせていただいております。資料の説明については以上でございます。
○岩村部会長 ありがとうございました。それでは、ただいま御説明いただきましたことにつきまして御意見あるいは御質問がありましたらお願いしたいと思います。
 なお、今、説明を頂いた「労働移動・学び直しの支援措置」に関しましては、当然のことではありますが職業訓練との関係も深いということがありますので、職業能力開発分科会でも併せて御議論を頂く予定であると聞いておりますので、そのことを付け加えさせていただきたいと思います。では古川委員、どうぞ。
○古川委員 学び直しについてです。資料の29ページを見ますと、大学院や大学などで学びたいというニーズがあるということは調査結果に出ています。高額な授業料の一部を助成するということは検討に値すると思うのですが、やはり、雇用保険の財源を使う以上は本人のキャリアアップや雇用の安定に資するものでなければいけないのではないかと思います。教育訓練給付金は私も1回受けたことがあるのですが、入口は結構緩めなのです。領収書を持っていって、あと、8割以上出席の証明書をもらうと割と簡単に出てしまう。こうした教育訓練給付の現状を踏まえ、今般新たに学び直し支援を検討するにあたっては、支給要件として、企業における人材育成プログラムの策定、ハローワークなどによるキャリア・コンサルティングの実施を義務づけるなどして、濫給を防止しなければいけないのではないかと思います。やはり、実効性のある学び直しに対して支援を行う制度設計にするべきではないかと思います。
 それからもう1つ、転職を見据えて学び直しをしたいという在職者の方もいると思いますので、学び直しすることによって現在勤めている職場から不利益な取扱いを受けることがないようにしなければいけないと思います。以上のような観点から、もう少しいろいろ検討が必要ではないかと思っています。
○岩村部会長 ありがとうございます。
○遠藤委員 資料1の後半に、今回、いろいろとアンケート調査の結果を頂いております。それに関連して幾つかお尋ねさせていただければと思います。
 ただ今、教育訓練給付のお話がございましたが、講座修了者のアンケート調査が資料1の31ページ以降にあります。このアンケート自体は、点線囲みに書いてあるとおり、年度ごとにアンケートを行う対象分野を変更しているということですので、平成24年7月より前のものがいつ行われており、これはどの程度の間隔で継続的に行っているアンケートなのかということをまずお尋ねさせてください。
○岩村部会長 では、事務局のほうでお願いできますでしょうか。
○田尻職業能力開発局育成支援課長補佐 アンケートにつきましては、分野別のアンケートを平成23年度から実施しております。平成23年度は、情報通信、営業・販売・サービス関係。平成24年度、今回、資料に掲載しておりますものは事務関係、語学なども含めてですが、そちらと医療介護、福祉・保健衛生関係。あと、専門的サービス、大学、大学院、今回、議論の主な対象になるかもしれませんが、そちらのほうを今年度のアンケートでは予定しております。平成26年度につきましては、輸送・機械運転関係、製造・技術関係、こういったところを予定しております。
○岩村部会長 では遠藤委員、どうぞ。
○遠藤委員 ありがとうございます。そうしますと、今日頂いた調査結果についてもお尋ねさせていただくのですが、過去のものとの比較について某かの数字の変動があるということであれば、それも付け加えてお答えいただければと思います。
 まず32ページです。「目標資格の取得状況」を拝見しますと、「資格を取得した」という方々が相当数いらっしゃる一方で、「受験したが、取得できなかった」、あるいは「受験していない」という方々も一定割合います。そもそも論として、この講座を受講した方が資格を取れなかった、あるいは、受験をしていない場合でも教育訓練給付が支給されているのかどうか、これが1点目です。
 2点目ですが、次のページに、受けてみて効果がどうであったかというアンケート結果です。分類を見てみますと、「趣味・教養に役立つ」あるいは「特に効果はない」といった回答も見受けられます。そうなりますと、もともと講座を指定するにあっての基本的な考え方として、趣味や教養、入門的又は基礎的水準のものは指定の対象とはならない、あるいは当該教育訓練に十分な効果があると認められるものとする、このような御説明があったかと思うのですが、このアンケート結果を見たときに率直にどう捉えていらっしゃるのか。平成23年度分との数字の変動があれば教えてください。これが2つ目です。
 それから3点目です。34ページは「受講開始後の就職の有無」についてです。就職された方々が相当数いらっしゃる一方で、就職していないという方々がやはり一定割合いらっしゃいます。そうなりますと、この割合がどう変動しているのか、就職していない方々に対する対策として何か想定されているものがもしあるのであれば教えてください。
○岩村部会長 ありがとうございました。それでは、大きく言うとお尋ねは2つだったと思いますが、事務局のほうで御回答を頂ければと思いますが。ではよろしくお願いします。
○田尻職業能力開発局育成支援課長補佐 まず、御質問いただきました1点目は給付の要件ということになると思いますが、教育訓練給付の給付につきましては、資格が取れなかったとか受験をしなかったといった場合であっても、その講座を修了したということであれば受給はできるということになっております。
 2点目ですが、趣味・教養につきまして、これはおっしゃるとおり、一定の割合で存在するということです。私どもとしましては、講座の指定に当たりましてはもちろん趣味・教養や基礎的教養といったものが含まれないようにといったことで、先ほどの資料にもありましたとおり、例えば語学のレベルを引き上げるとか、あと、例えば個別の資格につきましても、趣味・教養と思われるものについては外すとか、就業経験何年とか、そういったものを要件にしているかとか、そういったものを確認しながらやっております。
 ただ、そこは目標資格単位で趣味・教養かどうかというのを判断しておりますので、趣味・教養がちょっとでもあれば全部駄目ということにはなかなかしづらいのかなとも考えております。そこは逆に、講座の指定に当たりましては全体として判断を、確かに趣味・教養は11%ということであるのですが、処遇の向上に役立つスキルとか、配置転換その他、プラスの評価を頂いている部分も多々ありますので、そういったところも含めて判断したいと考えております。
○青山職業能力開発局能力開発課企画官 アンケート調査の過去のものの状況です。今回お出ししているものの前の年に、先ほど申しましたように情報通信と営業・販売・サービスをやっておりますが、今おっしゃった項目についての結果です。恐縮ですが、今、情報通信と営業・販売・サービスの混ざったものしか手元にないので両方を合わせたもので御説明いたしますが、資格の取得状況で受験していないという数字は14.6%です。情報通信と営業・販売・サービスの合計のアンケートです。あと、例えば趣味・教養に役立つとの項目につきましては、就業していた人については16.9%、就業していなかった人については17.7%となっております。
○遠藤委員 そうしますと、先ほど古川委員からの御指摘もございました。今後の議論が教育訓練給付の拡充の方向で進んでいくのではないかと思われるのですが、是非、その効果を見ていくという意味で言えば、講座修了後の絵姿みたいなものについては十分議論していく必要があると思っています。
 アンケートというのは個人の主観によるのでしょうけれども、過去2回のデータを見ても数字としてまとまったものが出てきているのだとすると、やはり講座の指定基準そのものの見直しも検討対象に入ってくるのではないかと思っています。
 次に34ページにある、受講開始後の就職の有無についてです。教育訓練給付を受けて一定程度の知識や技能を習得したけれども就職していないという方々については、ハローワークとの連携をどういう形で図っていくのか。求職者支援制度が効果を上げているのはハローワークとの密接な連携があって実現したということですので、離職して教育訓練給付を受ける場合については、某かのハローワークとの関わりみたいな仕組みを模索していくことはできないのかと考えているところです。
○岩村部会長 ありがとうございます。私のほうで基礎的なことをちょっと。数字からすると恐らくそうだろうと思うのですが、参考資料の33ページなど、あるいはそれ以下でもそうなのですが、ここで挙がってきている、例えば33ページの(3)の「受講の効果」のこの回答というか、これはアンケートの方式がシングルアンサーですね、マルティプルではなくシングルですね。
○高島雇用保険課長補佐 はい、単一の、1つの選択肢を選んでいただくということです。
○岩村部会長 ありがとうございます。では事務局、どうぞ。
○吉永雇用保険課長 遠藤委員から御指摘いただいた点ですが。教育訓練給付は基本的には被保険者を対象としたものですが、離職後1年以内であれば教育訓練給付を受けられるというスキームになっています。その上で、今回のアンケート結果で見ますと、有効回答数1,121のうち190名の方が受講開始時に就業していなかったという形で、離職後の受給だったということです。1割強の方がそういう形で使っていただいていたという状況です。現時点において教育訓練給付は自己啓発という形で、その受講の結果、あるいは就業との関係という形でハローワークで特段指導しているという状況ではありませんので、この方々がどういう求職活動をしているのかというところについて現時点で把握できておりませんが、求職をしていただければ、当然に様々な形で紹介をするなりの対応をしているということだと思います。
 ただ、いずれにしましても、今後、また見直し系の議論を進めていくに当たりましては、離職した後の方々については学び直しをどうするのかというものも1つ大きな論点です。そうした方が学び直しをして結果として就職に役立つ、あるいはキャリアアップに役立つというようなスキームにしていく必要があるというものは当然のことですので、その辺りにつきましては、どういうスキームが必要かということにつきまして積極的な御意見を頂ければ有り難いと思っております。
○岩村部会長 ありがとうございます。1点だけ。しばしば聞くのは、こういう講座とか何かというのも、あるいは例えば大学院などもそうなのですが、特に会社に黙ってやっているという話はよく聞くのです。この受講者の方々についてそういう形でのデータは取っているのか、つまり、会社に届け出るなり断って受けているのか、それとも会社には全く黙ってやっているのか、ということについてのデータは特に取っていないのでしょうか。
○田尻職業能力開発局育成支援課長補佐 申しわけございません、そちらはそういったデータは取っておりません。
○岩村部会長 もしほかのところで何かそういうデータがあると、制度設計などというか、方向を考える上での1つの参考になるのかなという気もします。多分ないのでしょうけれども、ちょっと探してみてもらえればと思います。
○新谷委員 労働者の能力開発と雇用保険というシステムとの関係で、今回の雇用保険制度の見直しの中では、学び直し支援措置は大きな柱の1つだと私どもも考えております。ただし、先ほど古川委員が申し上げたように、雇用保険の財源を使う上ではやはり雇用の安定に資すると、労働者が能力を付けることによって雇用保障の程度が高まるとか、セーフティネット機能が高まるとか、そういうものにつながるような制度にするべきであると考えています。
 今日は今ある各種制度なり、アンケート調査のデータを御報告いただいておりますので、私どもとしましても、どういった訓練を誰がやって、例えば、今、岩村部会長からもありましたように、ハローワークを関与させるのか会社経由とするのか等々、どの経路で申込みをしていくのか、それに対する助成金をどうするのかといったことにつきまして、今、鋭意検討中です。今日はそこを開陳するまで中身が詰まっておりませんが、この点は非常に重要なテーマだと思っておりますので、今後、私どもとしても真摯に検討してまいりたいと思っております。
 ただ、今日頂いた資料の気になる所が、タイトルに「労働移動」と入っているのです。安倍政権が「日本再興戦略」という成長戦略を取りまとめをされているわけですが、この学び直しを労働移動を前提とするかなど、今後、どういう扱いでしていくのかというのは論議をしておく必要があります。これが前提であるということであれば、私どもとしては、これはなかなか乗りにくい話になるのではないかと思っておりますので、「労働移動」という言葉を、今後いつまでどういう形でこの場で使っていくのかということについても、論議をしておいたほうがいいのではないかと感じております。
 また、1点、各論といいますか、個別の政策の中で気になる所がありまして、22ページに記載のある非正規の若者を中心にした若者チャレンジ奨励金です。この事業目的自体は、今、問題になっている非正規労働者の正規転換という課題に着目したところとして非常にいい着眼点だと思っているのです。ただ、これが、先ほど事務局からも御報告があったように、金額が飛び抜けて多いのです。これは、1年間の厚労省の通常の能力開発行政の予算が確か1,600億円強しかないと思っておりますが、この1つの事業だけで728億円を投入するわけです。これは安倍政権が発足したときに10兆円の補正予算を組んだことに基づき開始された事業であると思いますが、単独の事業として非常に突出感があります。
 実は非常に残念なことに、今、ネット上で社労士さんたちがこれを盛んにアピールしています。いわゆる「アベノミクス助成金」の目玉だということで社労士さんがネット上で営業活動をしておりまして、具体的には、奨励金の申請手続きなどを一括パッケージで引き受けて、社長さんの横に座らせておいたら、1人雇うと160万円くれるんですというような形の宣伝をしているようです。助成金の制度目的自体は非常によろしいかと思うのですが、これこそ濫給、ばらまきにつながらないようにしていただきたいと思います。お金に色が付いていないとは言いますが、この助成金は、使用者負担の雇用保険二事業の財源を使っているのではなく、全部一般会計、我々国民が納めた税金からの財源投入ですので、こういったものがばらまきにつながるということにならないようにすべきです。予算額も728億円と多額で、平均すると国民1人当たり600円程度負担するわけですから、是非、事業目的に合致した内容となるように、濫給にならないように、運用サイドにおいても厳格な運用をお願いしたいと思います。
○岩村部会長 ありがとうございました。では事務局、お願いします。
○青山職業能力開発局能力開発課企画官 厳格に運用するというのはそのとおりです。これは特にOJTも入っているので、OJTとOFFJTを組み合わせて計画的にしっかりやっていただくということを前提とした制度です。OJTとOFFJTの組合せの計画を作ってもらったり、修了後の評価項目を作ってもらったり、訓練指導者を選任する、訓練日誌の作成、ジョブ・カード等々の要件を定めて、それを確認しながら支給する形になっております。もちろん、不正受給が疑われる場合につきましても実地調査を行って確認したり、訓練期間が長い場合とかOFFJTの割合が著しく高い場合にも実地調査を行うという形になっているので、そのようにきちんと監視しながら支給事務をやっていきたいと思っております。
○新谷委員 よろしくお願いしたいと思います。多分、不正受給というよりも、この制度自体に緩さがあるのではないか。資料にOFFJTとOJTの絵が描いてありますが、OFFJTが1割の範囲ということですので9割がOJTということですから、1ヵ月の就労日数が20日間あると、2日間だけはOFFJTをして、あと18日間はOJTでいいという仕組みですので、要件としてはかなり緩いと思います。
 それと、これもかつてない規模の助成金になっていまして、1人あたり毎月15万円が1社当たり60人月支払われる訓練奨励金と、別途支払われる正社員雇用奨励金があり、最高20人で計算しますと、1社当たり最高で2,900万円の助成金が入ってくるという金額になろうかと思います。ですから、不正などということではなくて、もともとこの制度の作り方が非常に、緩いと言ってはあれですが、応募しやすい内容になっていますし、若者を訓練して正社員に採用するという企業活動として当たり前のことに対して助成金を2,900万円付けるという仕組みなのです。制度運用にあたっては、本来の目的にあるように、この制度がなければ若者の正規雇用が増えなかっただろうというところに、本来、この事業が目指した目的に合致するような運用を是非お願いしたいということを重ねて申し上げたいと思います。
○岩村部会長 ありがとうございます。よろしいですか。ほかにいかがでしょうか。
○遠藤委員 教育訓練給付に戻ってしまって恐縮ですが、資料1の13ページを改めて見ておりまして、まず仕組みとしてお尋ねさせていただきたいのです。教育訓練給付における支給要件期間についてです。これは要するに、1度受給して、その後、被保険者期間が3年間あれば繰り返し受給ができるという枠組みだと理解してよろしいのでしょうか。
○高島雇用保険課長補佐 御指摘のとおりです。教育訓練給付自体が、原則、3年以上の被保険者期間が必要で、ただし、初回だけは1年でよいと。初回の場合は1年の被保険者期間で受講して、それが終わった後は3年間の被保険者期間が必要であると。ただし、もちろん、その期間さえ満たせば複数回の受講も可能であるというものです。
○遠藤委員 受給を繰り返しされている方がどの程度の割合なのか、調査した経緯はあるのでしょうか。
○岩村部会長 では事務局、お願いします。
○高島雇用保険課長補佐 今、遠藤委員が御指摘の点ですが、申し訳ございません、データがありませんで、把握ができるかどうかも難しいところです。
○遠藤委員 分かりました。
○岩村部会長 名寄せをしなければいけないので。
○遠藤委員 難しいということですね。
○岩村部会長 雇用保険番号とか何かでやれるかですね。
○高島雇用保険課長補佐 はい。基本的には、その都度、被保険者期間がどれだけあるか、満たせる期間があるかどうかということで確認をしているので、何回受けられているかどうかが分かるかどうかというのは確認が必要です。
○岩村部会長 すぐにはできなさそうな感じですね。
○遠藤委員 難しいということは十分理解しました。その上で14ページを見ますと、過去に、改正が行われており、支給要件期間そのものも短くなっているという状況があります。したがって、今後の議論ということになりますが、1回目はともかくとして、例えば2回目以降という縛りをかけるような形で支給要件期間をもう少し長くしていくことも1つの議論になってくるのではないかと思っています。
 さらに、意見ですが、教育訓練給付については、かかった費用の一定割合を給付していく、一定割合の上限額もあるという、現行の枠組み自体は維持すべきであり、では、水準はどうするのか、今後、議論していきたいと思っています。教育訓練給付の効果を考えますと、受け身というよりも、やはり自助努力的な枠組みは要素としてしっかり押さえておくことが重要ではないかと考えています。
○岩村部会長 ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。
○遠藤委員 助成金関連の御説明をいただいたのですが、20ページと21ページの2つの助成金の対象を見ますと、一方は中小企業事業主に限定していて、もう一方は大企業も対象になっています。キャリア形成促進助成金については、制度発足時から中小企業限定というものであったのでしょうか。
○田尻職業能力開発局育成支援課長補佐 キャリア形成促進助成金は、発足当初は大企業も対象になっておりました。それが、ちょうど2年前だったかと思いますが、ちょうど事業仕分とか諸々、事業の見直しがあった際に併せて見直しをして、中小企業だけということに見直されております。
○遠藤委員 そういう状況がある中でキャリアアップ助成金は大企業も含めてきたことを考えますと、今後は、企業側が本助成金を使って教育訓練の機会を提供し、受講される労働者の数も増やしていくことを考えなければならないので、助成金の対象は、企業規模を問わない形での新たな枠組みも必要ではないかと考えています。これは意見です。
○岩村部会長 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。
○青山委員 1つ、質問です。資料1・11ページの「求職者支援訓練の概要」の一番下に平成24年度の実績が載っています。そもそも本制度は、緊急的にセーフティネットを整備する必要があったため、雇用保険の付帯事業として創設されたと伺っています。なおかつ、求職者の方々を就職させ、雇用保険に加入させるという目的があったとも聞いております。就職率は8割弱ぐらいということで非常に良いと思うのですが、就職した方々は全て雇用保険に加入しておられるのかどうかは分かるのでしょうか。
○青山職業能力開発局能力開発課企画官 雇用保険に加入しているかどうかというのは、完全にはきちんとしたデータはないかと思います。ちなみに、今、細かいデータはないのですが、就職者の中で期間の定めのない雇用として就職した方の割合であれば、6、7割はあったかと思います。実は、2つのコースのうち実践コースのほうは、雇用保険に加入する形で就職した人の割合に応じて奨励金を追加で出しています。そちらのほうはその数字で分かると思うのですが、全般的にはなかなか難しくなっております。
○青山委員 それでは、是非ともそういうデータを、分かるのでしたら出していただきたいと思います。そもそもこの措置は緊急避難的な措置だと認識しております。本制度は、雇用保険の未加入者が対象になっていますから、本来は一般会計で面倒をみるべきだと我々は思っており、法律の付帯にも、3年後に見直すとなっていますので、しっかりフォローしていただきたいと思いますし、そういうデータも整備していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○岩村部会長 では新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 関連して、今、青山委員から御発言があったのは、私どもも全くそのとおりだと思っております。もともと求職者支援制度を作っている段階では、無拠出の給付ですので、全額国庫負担、一般会計で負担して作る、そういう設計であったものが、急遽、3大臣合意がなされ、結局は72.5%が雇用保険の会計からで労使で負担するという制度になってしまっているわけです。だからこれは早く全額、一般会計で負担してほしいという思いはありますし、仮に雇用保険で今の負担を続けるというのであれば、青山委員から御指摘があったように、この制度の利用者の前歴が一体どういう構成になっているのかというのが、我々の納得感という面でも大事だと思っているのです。
 この制度を設計する際の基礎データとして、確かこの制度の前身である基金訓練の検討の際に、どういう経歴でこの基金訓練にたどりついたかという調査をされたデータがあったと思うのです。制度が出来て1年半たちますので、前回か前々回に申し上げたように、一度、そういった利用者の経歴の調査をやっていただきたいと思っているのです。今回、受講されている方が10万人おられて、かつて雇用保険の被保険者であった方々がどれぐらいいて、そうでなかった方々がどのくらいいたか。また、雇用保険の被保険者でなかった方々の中にも自営業の方もおられれば、もともと雇用保険の対象外になる国家公務員、地方公務員の方も求職者支援制度を使われているかもしれないので、そういった経歴の調査をしていただきたいのです。今のまま、ずっと72.5%を労使で負担し続けよというのは納得感の問題から言ってもなかなか難しいものがあるのではないかと思いますので、是非、データの収集について工夫をしていただきたいと思います。
○岩村部会長 ありがとうございます。貴重な御指摘だと思いますので、いろいろ工夫が必要かとは思いますが、事務局のほうで御検討いただければと思います。ほかにいかがでしょうか。
○野川委員 私から2点質問させていただきます。1点は、幾つかの様々な給付は非正規の方々を正規に移すということをサポートするということになっておりますが、例えば、分かりやすいのは21ページのキャリアアップ助成金、これは今年度からのものですので分かりやすいと思いますが、御案内のとおり、正規、非正規という概念は法的な概念ではありません。実は、使っている企業によっても微妙に違いがあります。この非正規から正規へという区分けを、例えば、この人は非正規だから助成金がもらえると、あるいは、この人は正規なのだから要らないというような使い方をするとなると、その区分けが非常に難しくなる場合があるのではないかと思うのです。
 例えばキャリアアップ助成金では、有期契約労働者、短時間労働者、派遣労働者といって、いわゆる非正規雇用の労働者と最初にありますが、その下のほうの表に短時間正社員という概念があります。「労働者を短時間正社員に転換・新規雇入れした場合に助成」とあります。現在でもパートタイマーで期間の定めのない労働者はたくさんおられるわけです。では、そういう方々はどちらに入るのか。あるいは今の、これも御案内のとおり、規制改革会議のワーキンググループの部会ではジョブ型正社員という概念を言っていますが、現在でもジョブ型だったり地域限定型だったりの正社員というものを採用し、あるいは、育成している企業はどんどん増えてきているという報道もあります。そうなると、正規、非正規で分けて、非正規から正規へということでそのサポートをしていくというやり方が今後どれぐらい機能していくのかという問題があると思いますので、そういう点をどうお考えかということが1つです。
 もう1つは、特に若者の、転職というよりも、取り分け初発の入職のためのサポートに当たっては、実はいろいろなNPOがそれなりの役割を果たしているということも御承知の方は多いと思います。私、つい最近まで東京都のしごとセンターで幾つかの委員をしておりました。その中では、若者、高齢者、女性に関する入職のための様々な訓練をNPOに委託して、いろいろなNPOが手を挙げて、そこから選択をしていくというような対応をしておりました。実は、これはいいことばかりではありません、NPOは企業と違っていろいろな色が伴ってもいますので。こういった訓練機関、担い手としての、学校あるいは企業ではなくNPOのような存在についてどのような対応を考えておられるのかと、今日の御報告の中で余りその点が出てまいりませんでしたので。その2点をお伺いしたいと思います。
○岩村部会長 では事務局、お願いします。
○宮川派遣・有期労働対策部長 2点ございました。まず非正規、今、特にキャリアアップ助成金を中心として非正規労働対策を行っているのですが、どういう方向を目指しているのか、あるいは現にやりつつあるのかということについてのお尋ねかと思います。
 もともとキャリアアップ助成金の源になるような、正社員化、パートタイム、派遣労働者向けのもの、様々な助成金が既にありました。そのような助成金をキャリアアップ助成金という形で非正規労働者対策の助成金として総合化し、統一化していこうというのが平成25年度から始まりましたキャリアアップ助成金の1つの目的です。その中でいわゆる正規と非正規という、よく言われる二極分化されている中で、これは、今日の資料の最後にもありました非正規労働者の能力開発抜本強化に関する検討会の中の議論でもあったのですが。まず1つは、いわゆる不本意非正規です。本来自分は、非正規労働者ではなく正規労働者として働きたいのだけれども、非正規で今働かざるを得ない、というような方々に正規労働者への道をどうやって作っていくのか、その際に能力開発がどういう役割を果たすのかというのが非常に重要な点ではなかろうかと。
 ただ、その中で議論になりましたのは、みんながみんな非正規から正規に移る必要もないし、非正規という形で働きたい、ただ、今の非正規がいいかどうかは様々な議論があるでしょうと。その議論の一端が、今後進めることであろういわゆる多様な正社員、様々な正社員の形、その中の1つとして短時間正社員という形もあるでしょうと。
 もともと、短時間正社員を進めていく施策は従来からあったものです。このキャリアアップ助成金は、そういう意味で言えば非正規から正規に単純にみんな進めていこうというわけではなくて、様々な働き方に対応していく中で、いわゆる不本意な非正規の方々には非正規の職場をできるだけ与えられるような仕組みをサポートしていく、一方で、短時間正社員のような形で働きたいという方々にも短時間正社員という形で受け入れていただくよう事業主にお願いできるような仕組みと。そういう様々な、ある意味盛りだくさんの内容になっておりますので、必ずしもこれを見ただけで、どこに進んでいくのかというのが分かりにくいところがあるかもしれませんが、いわゆる非正規雇用者の企業内でのキャリアアップ、キャリアアップというのは何かというと、言うなれば、能力開発その他の様々な方法を通じて処遇の改善が図られるような形でのいろいろな移動、移動というのは企業内移動も含めてですが。
 そういう意味で言えば、非正規社員が正規社員になるとか、あるいは、正規社員の中でも様々な形の正規社員になるということもあるでしょうし、あるいは、非正規のままでいるけれども、専門性を発揮してより高い処遇なり何なりを獲得していくと。そういうこともあるでしょうと。話が長くなりましたが、今、そういう様々な取組をやっている、その1つのものとしてキャリアアップ助成金があるというように御理解いただきたいと思います。
 それから、NPOの関係です。若者の就職、特にいわゆるニートと呼ばれているような方々を中心として、そのような方々にいわば濃密な、伴走型のものも含めた様々な応援をしていく上で、NPOの方々の様々な実績は、私どもも評価させていただいているところです。1つ、能力開発局で行っております若者サポートステーション、いわゆるサポステですが、そういう所にはNPOの方々に入っていただいて取り組んでいただいているという状況です。もちろん、今後の雇用労働政策の中でNPOの方々が更に活躍できる場面が今後ともあるだろうとは思っております。そういう意味で、非正規対策も含めて、NPOを含めて民間の活力をどのように使っていくのかというのが我々の行政としての今後の1つの課題でもあり、着眼点でもあると考えております。
○岩村部会長 ありがとうございました。野川委員、よろしいでしょうか。
○野川委員 最初の点ですが。例えば労働契約法の改正で、第18条は5年を過ぎた後の無期転換権行使ができるとなっておりますが、労働条件は、期間の定め以外は変わらなくていいとなっていますね。そうすると、ここで言う非正規から正規への転換というのも、期間の定めだけの問題なのかが問題となります。要するに、今までパートタイマーがいて有期だったという場合、ほかは全く変わらないけれども取りあえず期間の定めのないものにすると、それでここで言う短時間正社員になったということになるのかということです。つまり、非正規の中で非正規のままでいたくない人にサポートをするというのはよく分かるのですが、どうなれば正規になって、今、どういう状態なら非正規であるかという、「非正規観」についてそんなにクリアなのかということなのです。今回の非正規から正規へという方針はお金の支給が問題になっていますから、それが必ずしも明確ではないのは不都合だと思いますが、その点について何か対応があるのでしょうか。
○宮川派遣・有期労働対策部長 御説明させていただきます。もともと正規の概念というのは、野川先生がおっしゃるように各社によって様々ですが、基本的には、その会社で正規社員として扱っているかどうかというのが着眼点です。そのために単に有期労働者を無期労働者にしただけでは、例えば正規雇用転換の助成金の中では有期を正規にしたとは評価できない、という形で一応整理させていただいております。ただし、その中で様々な企業の取扱いがあるのではなかろうかということはありますが、単に無期化したから正規ですという意味合いではないということは御理解いただきたいと思います。
○岩村部会長 よろしいでしょうか。それでは、資料1についてはここまでとさせていただきます。今日は更に事務局のほうで資料2、資料3、資料4を御用意いただいているところですので、これらについても御説明を頂きたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○土肥雇用保険課調査官 資料2、資料3、資料4について御説明いたします。資料2は「高齢者関係資料」です。1ページは「経緯」ですが、昭和59年の雇用保険法改正より前については、高齢者に関して特段、別の取扱いはなく、一律に被保険者として入っていただき、給付も行う仕組みでした。昭和59年に雇用保険法が改正されて、65歳以降、新たにフルタイムの普通勤務に就いて、その後再びフルタイムの雇用に就くための求職活動を行う例が極めて少ないことから、高年齢求職者給付金制度が作られまして、併せて、65歳に達した以降に雇用される方については、法の適用除外とされています。
 平成6年に高年齢雇用継続給付制度ができて、「失業」に準じた職業生活上の事故と捉えて、高年齢になって給与が下がった場合については給付を行う制度ができました。2ページについては、3ページ以降で御説明いたしますので省略します。
 4ページは「高年齢求職者給付金の概要」です。65歳以上は適用除外となっておりますが、65歳になる前から同一の事業主の適用事業に引き続いて雇用されている方については、高年齢継続被保険者ということで、引き続き被保険者になる仕組みです。高年齢継続被保険者が失業した場合にどうするかについては、離職の日前1年間に被保険者期間が6か月以上ある場合については、基本手当日額の一定日数分の一時金が給付されるということで、基本手当は出ないのですが一時金は出るということで、被保険者であった期間が1年未満の方については30日分、1年以上の方については50日分という形になっております。
 5ページ、「高年齢求職者給付金の支給状況」については、平成24年度は約18万人の方が受けており、トータルで390億円程度の支給がされている状況です。
 7ページ、「高年雇用継続給付の概要」については、1回目で簡単に御説明していると思います。60〜65歳の間で、60歳時点の賃金額の75%未満、25%以上下がった場合、60歳以後の各月の賃金の15%を給付する仕組みです。平成15年改正以前については、60歳時賃金の15%以上下がった場合に賃金の25%を給付する仕組みでした。平成15年改正で25%減った場合には、賃金の15%という仕組みに改正されております。
 8ページは支給実績です。平成24年度の初回受給者が19万人弱で、支給金額は1,745億円です。初回受給者数に関しては、団塊の世代の方がだいぶ高齢化されているということで、若干、最近下がっている傾向です。
 9ページは支給状況の続きです。一番上の表の右の方に一か月の一人当たりの平均受給額があり、おおむね毎月2万5,000円程度受け取られている方が平均です。最高額は4万1,000円程度、最低額はかなり少なく1,857円です。その下の55〜59歳と60〜64歳層の賃金比較は賃金構造基本統計調査のデータです。平成20年〜平成24年のデータでは、やはり60〜64歳になると一定程度下がるということで、おおむね25%下がっております。60歳以上で賃金の75%程度を受け取っている方が平均的ということです。
 10ページの給付の支給分布については、かなりばらばらで散らばってはおりますが、おおむね2万円〜3万5,000円ぐらいの所がボリュームゾーンになっております。
 11ページは年金の話です。年金の支給開始年齢はだんだん上がってきております。現在の段階で言いますと、厚生年金については、定額部分の引き上げが男性は終わりまして、二階の報酬比例部分について今引き上げが始まっており、報酬比例部分の支給開始年齢が、2013年の段階では60歳から61歳に上がっております。これも順を追って、62歳、63歳、64歳と男性の支給開始年齢が上がっていくと同時に、それから5年遅れて女性についても上がっていく状況です。
 12ページの「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律」については、昨年の8月に成立して、いわゆる高齢法の一部改正法で今年の4月に施行されております。希望すれば65歳まで働けるような仕組みを入れることで改正されて、4月から施行されております。
 13ページは、「雇用保険部会報告書」で、平成24年1月6日にまとまったものです。65歳以上への対処ということで、65歳以上の方を雇用保険の中に入れるのか、入れないのかということに関しては、今後の雇用失業情勢や社会経済情勢等を勘案しつつ、中長期的な観点から議論というまとめになっております。高年齢雇用継続給付については、平成19年雇用保険部会報告において、「原則として平成24年度までの措置」とされましたが、平成21年12月の報告におきましては、「60歳代前半層の雇用状況を踏まえ、平成25年度以降のあり方を改めて検討すべき」ということでした。高年齢雇用継続給付については、制度の存在意義を問う意見がある一方で、制度の拡充等を図るべきという意見もありました。その結果として、実態として労使間で広く定着しており、高年齢者の雇用促進の重要な役割を果たしているという意見もあり、当面の間は存置ということで、今後の高齢者雇用の動向を見つつ、在り方については改めて再検証する、というのが平成24年1月の報告書です。
 「論点」としては、これらは65歳以上への対処の高年齢雇用継続給付は中長期的に考えるという話になっておりますが、これについてはどう考えるかというのが論点です。以降は参考でデータを付けております。16ページが「年齢階級別雇用者の年次推移」です。17ページは「就業率の国際比較」ということで、日本、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、スウェーデン、韓国の比較をしており、諸外国と同程度か、少し高い水準です。これは雇用率ではなく就業率で自営業者を含んだ数字ですが、諸外国と同じか、若干高い水準に推移しております。
 18ページは「高年齢者の就業理由」です。これはJILPTで行った調査ですが、60〜64歳と65〜69歳の男女に分けて聞いております。男女とも60〜64歳については、やはり、生活の糧を得るために働くという理由が最も多くなっております。65〜69歳については、65歳から年金が出るということで、生活の糧の比重がだいぶ下がり、「健康にいいから」「いきがい、社会参加のため」という所が上がってくるという特徴があります。
 19ページの「高齢者の就業意欲」については、非常に日本の高齢者の方々は就業意欲が高い。働けるうちはいつまでも働きたいという方、70歳以上まで働きたいという方が、それぞれ3割ということで、かなりの方が70歳以上まで働きたいという希望を持たれている方が多い状況です。
 次は資料3について御説明いたします。資料3は、「育児休業給付」についてです。1ページは「概要」です。育児休業給付の支給対象は、労働者が1歳未満の子を養育するための育児休業を行う場合に支給するものです。保育所が見つからない場合については、1歳6か月まで育児休業を行う場合には支給するものです。その下の※が「パパ・ママ育休プラス」というものです。配偶者も併せて休業する場合は1歳2か月まで支給される形になっております。
 支給要件については、休業を開始した日前2年間に、いわゆる被保険者期間のようなものが12か月以上あるということが要件になっております。給付額については、休業開始前の賃金の50%相当ということで、現在、本則では40%になっておりますが、当分の間の措置として50%に上げています。賃金を頂いている場合は賃金と給付の合計額が80%を超える場合は、超える部分を減額する仕組みになっております。給付の要件については、支給単位期間(1月)の間に、就業している日が10日以下であることが条件です。国庫負担については1/8ですが、当分の間は1/8の55%ということで7%程度です。
 2ページの「育児休業給付に係る主な制度変遷」についてです。給付率に関しては上の表のとおりです。当初、基本給付金が20%、復帰給付金が5%という形でしたが、12年改正で40%に引上げしています。基本給付金が30%、職場復帰給付金が10%です。平成19年改正でそれを更に10%引き上げて、給付金が30%、復帰給付金が20%とありました。平成21年改正で職場復帰給付金をやめて、全額休業期間中に支給する仕組みに改めました。給付率自体は50%で同様です。下の方に給付率等々の経緯はありますが、平成17年4月に、1歳までが原則ですが、一定の場合は1歳6か月までの延長ができるという仕組みを、一番最後に平成22年6月に、いわゆるパパ・ママ育休プラスということで、配偶者も併せて休業する場合については、1歳2か月に改正されております。
 3ページ、「育児休業給付の支給状況」です。初回受給者数、平均受給月額、平均給付期間、給付総額と並んでおります。平成24年度で申し上げますと、23万7,000人余りの方が初回受給されております。平均受給月額は11万2,000円程度です。平均給付期間が9.7か月。給付総額は2,566億円程度です。男女別のデータも出しており、初回受給者数は、女性と男性では2桁違う状況です。男性の育児休業給付の受給者が非常に少ないということです。平均受給月額に関しては、給与は男性が高いということで、3万円程度高くなっております。平均給付期間については、男性は3か月程度、女性は9.8か月です。産休の期間もありますので、ほぼ1年フルに取っている方が多いのが現状です。
 4ページ、育児休業給付を受けた方の職場復帰率については、受給された方がどれぐらい職場に復帰されたかというもので、おおむね85%前後で推移しており、残り15%の方は職場に復帰されていない。当初からそのつもりだったかどうかは分かりませんが、結果として、なかなか復帰するのは難しかった方もかなりの程度含んでいるかと思っております。
 5ページ、「諸外国の育児休業給付」については、未定稿ということで、我々としても、余りこれについては正直なところ自信がないのですが、今分かっている範囲で御説明いたします。フランス、ドイツ、スウェーデン、アメリカで、アメリカに関しては特にありませんので御説明することもないのですが、フランス、ドイツ、スウェーデン、イギリスということで、給付率に関しては、フランスは、これはユーロで書いてありますが、これを円勘案すると7万円前後の給付がされているということです。ドイツに関しては、従前手取り賃金の67%ということで、日本の給付率は手取りというより税とか社会保険料を引く前の50%ですので、どちらが高いのか若干微妙なところです。
 スウェーデンについては給付率80%が原則ですが、ただ、課税されると聞いておりますので、これも我が国と比べてどちらが高いのか、若干微妙な感じかと思っております。イギリスについては、ポンドで書いてありますが、円勘算するとおおむね7万円程度になります。期間については、フランスは1人の場合は6か月、2人以上は3年という形です。ドイツは生後12か月間、スウェーデンは若干長くて390プラス90ということで480日です。財源構成については、一般会計でやられている所が多いです。
 6ページの「論点」については、今までの給付率の引上げなど、制度改正を行っておりますが、その効果についてどういうふうに考えるかということと、今後の在り方について、どのように考えるかという点について御議論を頂ければと思います。
 以下は参考資料です。8ページの「育児休業取得率の推移」については、左側が女性、右側が男性でスケールが違います。女性については、平成8年から調査をやっているようですが、50%前後だったものが、今は大体9割程度まで引き上がっているという感じです。男性については、このグラフだけを見るとすごく上がったような感じもするのですが、スケールが小さいのでそう見えるのですが、平成23年度でも2.63%ということで非常に低い水準にとどまっています。
 9ページは育児休業関係のアンケートです。末子の妊娠時の就業形態別で、男性の正社員、女性の正社員、女性の非正社員に分けられています。育児休業を取得しなかった理由は様々ありますが、「職場が制度を取得しにくい雰囲気だった」「業務が繁忙だった」「職場や同僚に迷惑をかけると思った」という理由と並んで、「収入が減り、経済的に苦しくなると思った」という理由も主たる理由として挙げられている状況です。育児休業給付については以上です。
 資料4は、前回の部会の際に、委員からお求めがあった長期失業者のデータ的なもので、今出せる範囲で出しております。1ページ、「失業期間が1年以上の完全失業者数の年次推移」については、下のグラフの上の方が、労働力調査による完全失業者数です。下の方が失業期間が1年以上の者です。完全失業者数は、リーマンショックの際にガッと上がるような形になっておりますが、おおむねこの10年ぐらい300万人前後で推移しております。失業期間が1年以上の者については、リーマンショック後は多少上がっておりますが、おおむね100万人前後で推移しております。
 2〜4ページは、前回、基本手当の検証の資料で出したもので、右側に未就職者を追加したグラフです。左側の黒い線までが、基本手当の支給終了までに就職された方です。真ん中のゾーンが、支給終了後に就職された方です。一番端が未就職者です。これは特定受給資格者、特定受給資格者以外の両方を足したもので、おおむね3分の1ずつです。注3の「未就職者」については、完全に何もされていないかというのは、雇用保険データ上は実はよく分からないところがあり、自営業者になった方とか、当初は働く気はあったのですが、結果として、年を召して年金が支給されたとか、リタイアされた方など、要は雇用保険の被保険者番号がもう1回出てこなければ全部未就職者に分類されるので、要するに不本意に未就職かどうかというのは、このデータからは完全には分からないのですが、おおむね3等分されるというデータです。
 3ページは、特定受給資格者、解雇、倒産の場合の離職者の方です。4ページは、それ以外の方になっておりますが、若干のトレンドの違いはありますが、おおむね3分の1ずつです。事務局からの説明は以上です。
○岩村部会長 今、御説明を頂いた資料2〜資料4について、御意見、御質問がありましたらお願いします。
○山本委員 資料2の13、14ページに、高齢者関係について、この間の議論経過を含めて説明を頂いて、論点を提示いただいています。基本的な労側のスタンスはそう変わっていないのですが、論点で示されていますので少し意見として伝えておきます。まず、65歳以上の対応に関しては、この4月からの年金の支給年齢の開始が始まって、2025年にかけて無年金期間が65歳までいくことを踏まえれば、まずは65歳までの雇用の確保を着実に図っていくことが先決と思っております。
もう1つの「高年齢雇用継続給付」については、この4月からの法改正によって、希望者全員が65歳までの雇用確保は図れることになりましたが、多くの企業では残念ながら60歳以降の賃金水準は、定年前の賃金水準から一定程度減額されるケースが非常に多い形になっています。 そうした中で、高年齢の継続給付については、厚生年金の支給年齢が引き上げられている中で、60歳以降の生計を支える公的給付の役割を担っていると思います。ただ、この給付自体が企業における60歳以降の賃金に影響を与え、結果的に労使合意に基づく賃金水準をゆがめていることもあるので、高齢者への給付については、今後多面的な議論が必要ではないかと思っておりますので、意見として申し添えておきます。以上です。
○岩村部会長 ほかにいかがでしょうか。
○井上委員 育児休業給付の論点に関して、意見と質問を述べさせていただきます。「今までの制度改正の効果についてどのように考えるか」というところですが、私も制度導入の前から取り組んできた経験がありますので、そういう意味では支給対象であるとか、支給範囲が広がってきたことに関しては、この間の法改正の中で非常に良かった点ではないかと思っております。そうは言っても、女性については、就業者の半数以上が雇用の不安定な非正規労働者で雇用されていることがあるかと思います。そういう意味では、育児休業の直前の雇用期間が短く、制度の対象とならない方もいることから、多くの方が利用しやすい制度となるような支給要件の緩和について検討することも重要ではないかと考えています。
 また質問ですが、「育児休業給付の今後の在り方についてどのように考えるか」については、安倍政権が6月14日に閣議決定した成長戦略の中で、子供が3歳になるまでは希望する男女が育児休業や短時間勤務を選択しやすいよう、職場環境の整備を働きかけるとともに、育児休業中や復職後の能力アップに取り組む企業への助成制度を創設することを打ち出したと思います。この成長戦略における育児休業3年の奨励や、企業への助成制度の創設と、今回の育児休業給付のあり方議論との関係について、事務局で現段階で何か考えていらっしゃることがあれば伺いたいと思います。
○岩村部会長 事務局、お願いします。
○吉永雇用保険課長 育児休業給付の在り方と成長戦略の関係について御質問がありました。成長戦略については、委員が御指摘のとおりの記載になっております。そういう意味で、成長戦略の中で育児休業給付そのものをどうするか、どう改善すべきかという方向性が出ているものではないと理解しております。成長戦略自体、あるいは育児休業3年の議論についても、多様な選択肢を用意するという形で、最終的な整理になっていると考えております。その上で、育児休業をめぐる議論、あるいはそれに伴う給付の議論については様々な御意見がありますので、現状についてどういう形で認識し、どういう形で対応すべきかということについて、現在事務局として案を持っているものではありませんが、全体としての少子化傾向の中で育児休業給付が果たしている役割も大きいと思いますので、そういう意味でもしその制度を見直すべき点があれば、それについても今回の制度の見直しの中で議論すべきではないかということで、今回データ的な面を提示しましたので積極的に御意見を頂戴できれば有り難いと考えている状況です。
○岩村部会長 井上委員、よろしいでしょうか。ほかにいかがでしょうか。
○古川委員 前回の部会でデータの提供をお願いしたところ、早速事務局に御対応を頂きましてどうもありがとうございます。感謝申し上げます。今回お示ししていただいた資料によって、基本手当の受給者のうち3割強の方が何らかの理由で再就職していない実態が浮き彫りになったと思います。
 1つ質問させていただきます。未就職者の割合が平成19年度以降は増加傾向にあって、特に資料4の4ページ、特定受給資格者以外、自己都合退職者については、特定退職者と比べると未就職者の割合が高まっていると思うのですが、この要因としてどんなことが考えられるか、事務局のお考えをお聞したいのですが。
○岩村部会長 事務局、いかがでしょうか。
○高島雇用保険課長補佐 御質問の点ですが、前回の部会で資料を提示させていただいた際は、2パターンの資料を用意させていただきました。その2パターンというのはどこが違ったかというと、給付が終了したあと1年超の人たちの就職率があり、このデータの限界の部分があるのですが、受給資格決定をいつ受けたかというところがある一方で、就職をした時点を、平成24年7月の時点で一律に取っておりますので、どうしても昔、受給資格決定した人たちの方が就職率が高くなりがちな傾向があります。未就職者数の後半で少し膨らんでいる所は、1つにはそういったデータ上の限界の部分があろうかと考えております。ただ、平成20年度、平成21年度の近辺は、雇用失業情勢がなかなか厳しい年でしたので、就職支援はこれからも続けていく必要があるかと考えております。
○岩村部会長 よろしいでしょうか。そのほかいかがでしょうか。
○遠藤委員 資料4に関連して、求職期間が長くなっていく場合、ハローワークの対応が変わっていくのかどうか、何かお話を頂けることがあれば教えてください。
○岩村部会長 事務局、いかがでしょうか。
○高島雇用保険課長補佐 現在、ハローワークの就職支援については、こちらはちょうど雇用保険受給者の方のデータですので、雇用保険受給者の方の支援を例にとって申し上げます。特に近年厚生労働省として力を入れているのは、給付と紹介の一体的な実施ということで、雇用保険で給付の認定で4週間に1遍いらっしゃいます。当然、その4週間でどのような求職活動をされてきたか確認はするのですが、確認だけにとどまらず、求職活動の確認や今後の志望なども確認した上で、ちょうどハローワークの中で給付も紹介も同じ所でやっているものですから、紹介の窓口に誘導する、あるいはその場で紹介なども一緒に行う。そういう形で特に力を入れながら、就職支援を行っております。長期失業者の方が一定程度いらっしゃるのはデータのとおりで、長期失業者の方々の就職支援についても一部民間の人材サービス、ビジネスの力も借りながら、一部委託などもしながら、できるだけ求職期間が長くなったとしても就職につなげるような取組を様々な形で行っております。
○遠藤委員 例えばそういう中で、長期がどの程度の期間から切り替わるのか、難しい部分があるのですが、本人が不本意な形で求職活動を長く続けていくのは、本人もそうですが、社会にとっても大きな損失であると思っています。例えば局面を打開するという意味では、能力開発に大きくシフトしていくという選択肢もあると思います。
 求職者支援制度がかなりの成果を上げているので、1つのターゲットになってくると思います。もちろん財源の問題は今後議論をしていかなければならないのですが、機能しているということで言えば、1つの選択肢であるかと思います。これは意見です。
○井上委員 もう一度育児休業に戻り、質問です。資料の8ページに育児休業取得率の推移のデータを出していただいておりますが、これは正社員だけの数字なのか、あるいは非正規も雇用保険の受給対象であれば、育児休業を取得できる対象範囲に入っていると思いますので、それが入っているかどうか。もしなければ、非正規だけで取り出したデータがあるかどうか教えていただければと思います。
○土肥雇用保険課調査官 これは雇用均等基本調査のデータで、育児休業給付の取得率ではなくて、育児休業の取得率なので、特に育児休業の対象となる方、いわゆる正規の方も非正規の方も両方混ざっていると思いますが、それを混ぜ込んだようなデータになっており、特に分類はしていないと思います。分類できるかどうかについても、この場ではお答えしかねますが確認してみます。
○井上委員 難しいかもしれませんが、育児休業給付のところで非正規の方たちがどのぐらい取得をされているのか、そういうデータがもしあればお願いします。もしなければ、今後、その辺の数字は課題になってくるところかと思いますので御検討を頂ければと思います。
○岩村部会長 福田委員、どうぞ。
○福田委員 育児休業関連の資料に関して、先ほど育児休業をどう考えていくか論点に上がっていたかと思います。資料3の3ページに育児休業給付の支給状況が出ております。最近の数年間を見ておりますと、大体2,500〜2,600億円の給付総額となっております。今日の資料には出ていないようですが、平成25年度の予算では育児休業給付が3,355億円になっており、この数字はかなり増額されているかと思いますが、何か見込みや考え方で給付が増えることを想定されているのであれば少しお聞かせ願えればと思います。
○岩村部会長 よろしいでしょうか。それでは事務局にお願いします。
○高島雇用保険課長補佐 こちらの育児休業給付も含めた失業等給付の予算については、雇用保険の保険料から出される部分と、国庫負担も当然見込んだ上で予算を出しますので、年度の途中で給付が仮にできなくなると、雇用保険の運営上は問題になりますので、もともと失業等給付費の予算設計自体は多少幅を織り込んだ予算設計になっております。
 育児休業給付に関して申し上げますと、 近時給付率の変更なども様々あったのですが、初回受給者の数が順調に増えておりますので、この伸びの傾向なども踏まえながら、万が一のときに足りなくならないように、少し幅を見た形で予算の積算をした上で予算要求をしており、そこで実績調査で多少の差が生まれております。
○岩村部会長 福田委員、よろしいでしょうか。
○遠藤委員 ただ今の関連で言うと、育児休業給付は増額しており、高年齢雇用継続給付は減額しています。高年齢雇用継続給付については、実数ベースに合う形で予算を立てていますが、4月から改正法が施行になった関係から、継続雇用を希望される方々が増えてくるのではないかと思います。高年齢雇用継続給付は減額して実数ベースに合わせてきているのに、なぜ育児休業給付は増額になっているのか、ただ今の説明では理解が進まないので、もう少し何かあれば教えてください。
○岩村部会長 事務局、いかがでしょうか。
○吉永雇用保険課長 高齢者の継続給付については、確かに高齢法の改正の要因があるわけです。一方で団塊の世代が65歳を超えた状態になっておりますので、対象人員はそもそも60〜65歳までの対象人員が大きく減少する。この点は人口学的に決まってきますので、そういう意味で全体的な予算を積算しております。
 一方で育児休業については、平成22年から平成23年では2万人とか、平成23年から平成24年では1万人という形で増えております。最近とみに男性の育休なども増えている状況も見て、若干の余裕を見て積算しております。いずれにしても、両者とも現行の予算の中で何とか対応できる予算立てになっているのではないかと考えております。
○岩村部会長 そのほかいかがでしょうか。私から1点だけ。先ほど育児休業のところで制度の変遷の御説明を頂いて、もちろんこの部会でも議論しましたが、平成21年改正で職場復帰給付金を全部基本給付金に繰り込む改正を行って、これが平成22年4月から施行になって、これによって、受給者の行動に変化があったかどうか私は興味があるのです。今日のデータでは4ページに数値がありますが、これは特に職場復帰との関係でどういうインパクトを及ぼしたとの観点で興味深いです。これはデータが男女別で出てないので、もちろん男性の取得者は非常に低いのですが、ひょっとすると男性と女性とで職場復帰に関する行動が違う可能性もないわけではない気がするので、もし可能であれば、男女別のデータがあれば教えてください。
○吉永雇用保険課長 御指摘の点については、男女別で見ても、やはり男性の数が圧倒的に少ないことと、男性は期間が短いこともありますので、そういう意味で影響をどう考えるかということはあります。男女別に見ると、男性は91.9%が復帰している。一方で女性だけで見ても85.0%ですので、85.1〜85.0と微減ですが、余り影響はないだろうと考えております。
 もともと育児休業給付そのものが育児休業に伴う失業を予防するという考え方から導入して、戻ってこない可能性があるのではないかということで職場復帰金を設けていたわけです。平成22年度は平成21年度より1.数ポイントは低下しておりますが、ただ、これは昨年の9月末現在の状況で、まだ復帰数が明らかにならない方が5,000人ぐらいいらっしゃる。この5,000人が仮に85%の形で復帰されると、平成21年度の数字を上回る状況になります。全体として初回受給者の数も増えてますし、職場復帰率についてはやや緩やかですが上昇している状況ではないかと思っております。
○岩村部会長 ありがとうございました。そのほかいかがでしょうか。資料2〜資料4までよろしいでしょうか。それでは予定していた議事は以上です。今日はこれをもちまして終了とさせていただきます。本日の署名委員は、雇用主代表については遠藤委員、労働者代表については山本委員にそれぞれお願いします。次回の日程については、事務局から改めて各委員に御連絡がありますのでよろしくお願いします。今日は委員の皆様方、お忙しい中を本当にありがとうございました。これで終了とさせていただきます。


(了)
<照会先>

厚生労働省職業安定局雇用保険課企画係
(TEL)03-5253-1111(内線5763)

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