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2013年7月9日 第128回労働政策審議会雇用均等分科会の議事録について

雇用均等・児童家庭局雇用均等政策課

○日時

平成25年7月9日(火)13時00分〜15時00分


○場所

中央労働委員会 講堂(7階)


○出席者

公益代表委員

田島分科会長、奥田委員、武石委員、山川委員

労働者代表委員

齊藤委員、關委員、中島委員、半沢委員、松田委員

使用者代表委員

川崎委員、中西委員、布山委員、渡辺委員
(川崎委員の「崎」の字は正しくは委員名簿のとおり)

厚生労働省

石井雇用均等・児童家庭局長、定塚総務課長、成田雇用均等政策課長
中井職業家庭両立課長、田中短時間・在宅労働課長、安藤均等業務指導室長

○議題

1 男女雇用機会均等対策について
2 その他

○配布資料

配付資料 No.1 各論点に関連する主な意見
参考資料 参考No.1 コース別雇用管理及びポジティブ・アクションのデータについて(補足)
参考No.2 性差別に係る諸外国の実効性確保措置の概要【未定稿】(修正版)
参考No.3 ポジティブ・アクション関連資料
参考No.4 最近の女性の活躍促進に関する動き等について(第127回労働政策審議会雇用均等分科会提出資料)

○議事

○田島会長
 定刻になりましたので、ただ今から、「第128回労働政策審議会雇用均等分科会」を開催いたします。本日は、権丈委員、中窪委員、瀬戸委員が御欠席です。
 本日の議題に入る前に、事務局において人事異動がありましたので御報告いただきたいと思います。

○安藤均等業務指導室長
 この度、人事異動で均等業務指導室長を拝命いたしました安藤です。どうぞ、よろしくお願いします。

○田島会長
 それでは、議事に入りたいと思います。議題1は男女雇用均等対策についてです。まず、事務局から資料の御説明をお願いいたします。

○成田雇用均等政策課長
 資料について御説明します。本日の資料は、資料1と参考No.1から4までです。順に御説明させていただきたいと思います。
 まず資料1です。これは、前回6月24日の分科会において、資料2としてお出しした資料に、前回の分科会でお出しいただいた新しい御発言を太字下線付きで追加したものです。新たに追加した部分について、御説明させていただきます。
 まず、6条関係です。労働者側からは、パート法やパート法についての建議を引用しつつ、待遇の決定に当たって考慮した事項の説明義務、説明を求めたことを理由とする不利益取扱いの禁止についての規定を均等法に定めることが、不合理な格差を解消していくためには有効という御発言がありました。使用者側からは、男女別の雇用管理をしていないので、男女別には説明をしようがない、企業の立場から、全従業員に対して昇格の理由の有無を求めるのは適切ではないという御意見、公益委員からは、短時間労働者の場合は、処遇の決まり方が多様なので説明責任はあるという気がするが、均等法では同じ雇用管理区分の中での違いを説明してくれと言ってもどれだけ効果があるのか、今の苦情、紛争解決の仕組み、均等室の助言・指導がある中で何か不十分なことがあるのか、労働契約法第20条ができたために、企業にとって全般的に説明責任の要請は重くなりつつあるとの御意見がありました。
 間接差別の関係では、労働者側からは限定列挙を例示列挙とすること、前回の研究会報告書の7項目も間接差別とすること、将来的に間接差別に関する法理を導入するという考え方は、現行も持っているものの、少なくとも今回の見直しにおいて、現行の3つの要件についての見直しを行うべきとの御発言がありました。
 また、転勤要件について、労働者側から、総合職の限定を削除すべきとの御意見がありました。これについて、公益委員からは昇進についての転勤は相談事例も出てきているが、現行の施行規則で定められている類型と横並びにする形で議論ができるかどうかという点と、合理的な理由があればよいとのことなので、その点をどう考えるかという点も検討してはよいのではないか、募集・採用について、現在の総合職の転勤要件について現状で問題があるのかどうかも検討してもよいのではないかという御意見がありました。
 続いて、世帯主についてです。労働者側からは、世帯主は自由に変えられるという指摘について通念上非現実的で、結果的に事実上の男女格差が生じているとの御意見がありました。公益側委員からは、世帯主であることによって、何に差が出る場合を想定しているのかという議論が必要との御意見がありました。
 コース別雇用管理についてです。労働者側委員から、コース別雇用管理制度自体が悪いという立場に立つものではないが、均等法の指針が法違反の判断を雇用管理区分ごとに行うとしている限り、コース別雇用管理制度自体が女性差別だと言われてもしかたがないのではないか、厚生労働省が示している「コース等で区分した雇用管理についての留意事項」について、労使の認識、指導が十分とは言えず、これを指針に格上げして内容の徹底を図るなどの取組が必要との御意見がありました。公益委員からは、雇用管理ごとに判断をするのは、今の日本の雇用管理の現状を見ると合理的なのではないか、今、ジョブ型とか、勤務地限定という議論が出てきており、コース別雇用管理制度ができたときと社会的な状況も相当変わり、制度の中身も変わっているので、ここでもう一度、指針でもいいが、整理をすることが必要との御意見がありました。
 妊娠、出産等を理由とする不利益取扱いの禁止についてです。労働者側からは、連合の調査でも制度が十分に周知されていないこと等が明らかになったので、より一層の行政指導、啓発周知の取組を徹底してほしい、労使もそれぞれの立場で周知徹底を図っていきたいということで、合意形成できればいいとの御意見がありました。
 セクシュアルハラスメントについてです。まずセクシュアルハラスメントの概念については、労働者側からは、今回の見直しでは、セクシュアルハラスメントを防止するために、セクシュアルハラスメントの背景には、固定的な役割分担意識など、いわゆるジェンダーハラスメントがあること、これをなくしていくことが、セクシュアルハラスメントの防止にもつながること、セクハラに準ずる行為も併せて防止措置を講ずる対象とすることなどを、できれば法律に、無理であれば指針に盛り込むべきとの御意見があります。
 次に、セクシュアルハラスメントを受けた労働者に対する措置については、相談対応、事後措置において、被害者保護の観点を明確にしておく必要があり、加害者・被害者への対応を指針の中で明確に分けて記載し、メンタル不調に追い込まれた被害者への配慮についても記載すべきとの御意見がありました。
前回の御意見の御紹介は以上です。
次に、参考No.1です。7月4日に、平成24年度の雇用均等基本調査の結果を公表しました。これに伴い、コース別雇用管理制度とポジティブ・アクションについて、これまでお出しした資料に新しい数字を入れた資料を御用意しています。内容を簡単に御紹介します。
 まず、コース別雇用管理については、2ページからです。平成24年度ですが、左側の規模計で見ると、コース別雇用管理制度のある企業の割合が、11.2%と前回より0.4ポイント減少しています。企業規模別に見ると、制度のある企業の割合は規模の大きいほど高くなっていますが、5,000人以上の規模と1,000人〜4,999人規模では、割合が減少しています。
 3ページで、産業別に見ると、平成24年度では「金融業,保険業」34.4%、「教育,学習支援業」19.1%、「不動産業,物品賃貸業」17.6%などの割合が高くなっています。
 5ページが、コース別の採用状況別企業割合です。これは、選択肢が異なっていますので、比較が難しくなっていますが、平成24年度では、いわゆる総合職で全国的規模の転勤のあるコースでは、「男性が80%以上」が72.0%、「男女同程度」が13.7%などとなっています。総合職で、「転居を伴う転勤がない又は一定地域内のみの転勤があるコース」は、2つに分かれていて、「※1」の、「処遇は全国的規模の転勤のあるコースに相当」するでは、「男性が80%以上」が56.8%、「男女同程度」が27.4%です。「※2」は、「処遇は全国的規模の転勤のあるコースとは別に規定」しているものですが、「女性が80%以上」が64.1%、「男性が80%以上」が21.3%です。一般職では、「女性が80%以上」が59.2%などとなっています。
 7ページは、過去3年間にコース別雇用管理制度の見直しをした企業割合です。全体で見ると20.5%です。これは、前回の平成22年度よりは増加しています。産業別では、「医療,福祉」や「情報通信業」などで多くなっています。規模別で見ると、30人〜99人を除いて規模が大きいほど見直しをした企業の割合が高くなっています。
 9ページ、コース別雇用管理制度の見直し内容です。平成24年度では、「職務内容、職務レベルの見直し」が46.8%と最も多く、次いで「職務内容、職務レベルの高低に合わせたコース区分の見直し」が31.7%、「各コースの処遇の見直し」が24.9%などとなっています。
 10ページ、コース転換制度のある企業割合です。ありとする企業の割合が66.4%で、前回の調査よりも上昇しています。規模別に見ると、規模が大きくなるほど、コース転換制度ありとする企業の割合が高くなっています。
 14ページからポジティブ・アクションの関係です。ポジティブ・アクションに取り組んでいる企業の割合ですが、平成24年度は32.5%と前年度より0.8ポイント上昇しています。
 15ページ、取組状況を規模別に見たものです。規模が大きいほど、取り組んでいる企業の割合が高いという傾向に変更はありませんが、5,000人以上の規模と、30〜99人規模で減少しています。
 18ページから21ページまでが、「ポジティブ・アクションに今のところ取り組む予定はない」と回答した企業に対して、取り組まない理由を聞いたものです。平成24年度で見ると、「既に女性は十分に活躍していると思うため」が、47.6%と最も多く、前年度の調査よりも増加しています。
 22ページは、女性の活躍を推進する上で、取組として必要と考えていることを伺ったものです。「女性の継続就業に関する支援」が64.6%、「公平・透明な人事管理制度、評価制度の構築」が37.6%、「女性のモチベーションや職業意識を高めるための研修機会の付与」が37.3%などとなっています。
 次に、参考No.2です。3月の第125回の分科会にお出しした資料について、そのときに修正したほうがいいのではないかという御指摘を何点かいただきましたので、修正したものです。例えば、アメリカについて、州の機関やOFCCPという機関についても言及すべきではないかという御指摘を受け、追加しています。また、各国の記述の平仄を取ったほうがいいのではないかとの御指摘をいただいて、少し修正をしています。
 もう1点、アメリカのポスター掲示の義務づけについて御紹介してはどうかという御指摘をいただいたので、4ページから追加しています。アメリカの公民権法で、この法律の規定や、不満の訴えに関する情報を提供するEEOCが作成した貼り紙(notice)を掲示する義務が使用者に課されているとのことで、実際にEEOCのホームページに掲載されているポスターの和訳の抜粋を5ページと6ページに付けています。参考No.2は以上です。
 ポジティブ・アクション関連資料として、参考No.3では資料を2つ御用意しています。1ページからは、2月4日の分科会でも御紹介していますが、女性の活躍状況の資本市場における「見える化」に関する検討会の報告の概要です。内閣府に、昨年9月に設置されたこの検討会において、12月に報告が取りまとめられたもので、その概要を付けています。この内容として、例えば、3ページに、女性の活躍促進に取り組む意義、次のページで、女性の活躍状況の「見える化」に取り組む意義、5ページで、情報開示のあり方などの項目があります。
 8ページから、これも参考ですが、経済産業省が2月に公表した「なでしこ銘柄」の資料を付けています。経済産業省が東京証券取引所と共同で、女性活躍促進に優れた上場企業を「なでしこ銘柄」として選定して発表したときの資料です。
 参考No.4は女性の活躍促進に関する閣議決定などの内容を御紹介したものです。前回お示しした資料と同じものです。
 資料の御説明は以上です。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○田島会長
 ありがとうございました。ただ今の事務局の御説明について、委員の皆様から御質問、御意見等がありましたら御発言願いたいと思います。均等法の議論は2巡目を迎えていますので、前回と同様、事務局におまとめいただいた各論点に関連する主な意見を前提に御議論をいただきたいと思います。御議論は、論点ごとに行っていただくようにお願いします。
 前回、3のセクシュアルハラスメント対策についてまで御議論をいただいたので、まずは4のポジティブ・アクションの効果的推進方策について、御議論をいただきたいと思います。御意見、御質問はいかがでしょうか。

○松田委員
 ポジティブ・アクションについてです。事業主に男女間格差解消のための一般的な努力義務を課した上で、募集・採用、配置・昇進・教育訓練、福利厚生、退職などの取扱いにおける男女の割合や賃金格差などのデータの集計、作成、保管、開示を努力義務に、それからポジティブ・アクションの計画策定、実施状況の開示を措置義務に、また、格差の要因について説明や協議を求められたときは、これに応じることを義務化するべきであることを、これまでの議論の中で労側は求めてきました。これを踏まえて、実効的に問題を解決するために集計したデータに格差があった場合は、事業主は数値目標を設定し、格差解消に取り組むことも義務化をしてはどうかと考えます。

○田島会長
 ありがとうございます。ほかにはございませんか。

○中島委員
 関連しての発言になります。政府は今、女性の活躍促進に非常に力を入れていると思いますが、女性を実際に登用していくためには、かなり積極的なポジティブ・アクションが必要になると思います。例えば、ある企業の例ですが、2,000人規模の会社で、男性の管理職が約600名、女性はたった1名というデータが手元にありますが、そのような状況なので、採用から含めて、雇用のステージにおいて、それぞれ計画的に母数も増やしていくような努力をしていただかないと、なかなか女性の管理職が実際に増えていくことはないのではないかと思います。基礎的なところから、基本的なポジティブ・アクションを行動計画のような形で作っていっていただけると、一歩、一歩着実に効果が出ていくのではないかと思います。以上です。

○田島会長
 いかがでしょうか、この論点については、そのほかに御意見はありませんか。

○松田委員
 参考資料1のデータで、ポジティブ・アクションに関するコース別雇用管理及びポジティブ・アクションに関するデータが出てますので、この中からよろしいでしょうか。5ページなどにコース別採用状況別企業割合データが出ていますが、ある直近の調査では、総合職に占める女性の割合は5.6%だそうです。均等法が施行されてから30年近くたってますが、実際には総合職は男性、一般職が女性という実態がまだまだあります。
だからこそ、ポジティブ・アクションを進めていかなければいけないということではありますが、総合職に占める女性の割合が5.6%という数値を考えたときに、今、政府が指導的地位に占める女性の割合を3割にしようと目標を立てて進めていると思いますが、そもそも総合職に1割も女性がいないみたいな状況の中で進めていっても難しいというのは、中島委員からも申し上げたとおりです。
 前回にも申し上げたことになってしまうかもしれませんが、均等法が指針で同一の雇用管理区分においてしか、性別による差別を禁止をしていない。この「同一の雇用管理区分において」という一言があるために、均等法が、この法律の目的である雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保という所に、ほとんど機能をしてないのではないかということを私は強く感じています。
 これに対して、使用者側からは、コース別というのは総合職、一般職という単純なコース別ではなくなっているというようなお話や、公益の先生からも昔とは変わってきているとのお話がありましたが、だからこそ、そのように複雑になっているのに、同一の雇用管理区分の中でしか、性差別を問えないということでは、この均等法は本当に何の意味もない法律になってしまうのではないかと、私は非常に危惧をしています。この審議会に出席をした一人としては、そこは改めて意見表明をしておかなければいけないと思いましたので、ポジティブ・アクションの所でこの資料に絡めて発言をさせていただきました。

○田島会長
 そのほかに御意見はございませんか。この論点については、これくらいでよろしいでしょうか。よろしければ、次に法の履行確保について(行政指導、紛争解決の援助、調停)について御議論をいただきたいと思います。

○關委員
 法の履行確保について意見を述べさせていただきたいと思いますが、以前この9条の関係での、法の履行確保の観点で議論を行った際には、労使でこの法の趣旨を周知し、徹底する必要性といった観点では、これは行労使で見解が一致したかなと記憶をしております。その観点では、今日、参考資料2の4ページで御提示いただいております、このアメリカの貼り紙掲示義務に関する規定は非常に具体的な手法という観点では、非常に参考になるんではないかなと思っておりますし、我が国においても同様にこの均等法の趣旨というものを周知する手法として、非常に有効なのではないかと、このように考えるところであります。我々、労側としましては、前回のときも申し上げましたけれども事業主の義務とするべきという意見もございますけれども、それが直ちに難しいようであれば、少なくとも労使及び行政が協力をした上で積極的に、自主的にこの周知に向けて取り組んでいくという必要があるのではないかと、このように思っています。
 ですので、そのような視点に立ちまして、行政のほうもポスターの現物配布でありますとか、あとはホームページにおけるそのダウンロードデータの整備とか、そういった観点で積極的な取組をお願いしておきたいなと思います。以上です。

○田島会長
 ありがとうございます。

○中島委員
 私もこのポスターというのは非常に可視的なツールとして役に立つと思いました。できる範囲でできることを具体的に考えていかないといけないということで、周知徹底をするのに現場で使えるという意味で、労使で確認し合うという意味でも、ビジュアルなデータとして掲示していただけるといいと思いました。もっともここにあるように、均等法の情報を列挙してもあまり皆さん読まれないと思いますので、具体的には男女平等月間のポスターのように、できるだけビジュアルなものを掲示をして、そこから必要な資料に行っていただけるような、そういう示唆の仕方がいいと思いますけれども、ともかくその可視的なツールという意味では非常に参考になりました。
 それからもう1つ、例えば法律は違いますけれども今、母子手帳に女性の就労条件、就業上の権利について、自治体の任意ですが一定の情報を入れていくということができますよね。この母子手帳、妊娠・出産するときに必ず女性が全員もらう母子手帳に、できれば義務的にこうした情報を全部添付していくようなことができないか、そういう働き掛けもしていただけたらありがたいと思います。もし、母子手帳が厚くなってしまうという自治体があるとすれば、差し込み式の情報提供のツールを作って、それを入れ込むということでもいいかと思います。母子手帳というのは、必ず働くお母さんたちが妊娠したときにもらいますので効果的ではないかと思いました。以上でございます。

○布山委員
 昨年度から、3年計画で厚生労働省本省と各均等室が各企業に回って営業をするという活動があるかと思うのですが、その際に、その訪問した企業で、均等法の趣旨でありますとか、その内容でありますとか、あるいはパンフレットなどを差し上げて、ある程度の説明をしているというような状況はあるんでしょうか。

○成田雇用均等政策課長
 今、布山委員から御指摘がありましたとおり、昨年6月から厚生労働省本省と、都道府県労働局で個別に企業を訪問して、ポジティブ・アクションに取り組んでいただきたいということと、その取組の状況について厚生労働省のポータルサイト等を通じて開示していただきたいというお願いに回っております。実際には均等法の報告徴収をやっておりますので、そういったものと絡めて、この法律が守られているのかどうかということも含めて、回っているというケースもあると思っております。
 それから先ほどの中島委員の御指摘の中で、都道府県労働局によっては自治体と協力をして母子手帳と一緒に広報資料を配付していただくようにお願いをしているというような例もあると聞いておりますので、その点についても併せて御報告したいと思います。

○布山委員
 周知に関してはいろいろなやり方があると思っていて、その中で今、そのような活動をやっていらっしゃるということだと思いますが、今まで議論していた相談の案件を見ても、労使ともに均等法を御存じないからっていう上での御相談事もあったのではないかと思っています。で、確か3年でかなりの数を回られるという予定を立てられていると伺っておりますので、訪問時の周知活動も同時にしていただければと思います。

○山川委員
 周知に関しては、今後、いろいろ検討していく際には何を周知するのかという点と、それからどのように周知するかという点と、それから誰がその周知の主な対象になるのかという、いろんな観点を考慮して、それから周知自体が実効性確保に役立つんですが、そのこと自体をどのように進めていくかといういくつかの考慮があると思います。これまで伺った話では比較的、企業トップとか、人事担当組織ではよく分かっているけれども、そこと現場の労使との間で乖離がある場合もあるのではないかというようなことがありましたので、その現場での周知みたいなものも、さっきの対象者との関係ですけれども、考慮していくと一層、いわば現実レベルでの遵守が促進されるのかなと、まあ、そういう意味で支援的な要素になるのかもしれませんが、そういうふうに感じております。

○田島会長
 ありがとうございます。ほかに御意見はございませんか。

○半沢委員
 今の論点とはまたちょっと別のお話になりますが、法の履行確保という観点ですけれども、これまで労働者側としては調停に関して打ち切られたケースの内容を見てみると、事業主が出席しないことを理由としているという現状があった。これが重大な問題であるということを指摘してまいりました。その内容は資料1の26ページに労側の意見として記録をしていただいているわけなのですが、この中で調停の出席に関して一つの案のような言い方にちょっとなっているのですけれども、改めまして労働側としまして、今回の見直しでこれをきちんと義務とするということが必要であると考えているということを申し上げたいと思います。以上です。

○中島委員
 法の履行確保についてなんですが、例えばセクハラの被害者などの場合、均等法を盾に、自分の身を守ってなお且つ権利を主張するっていうのは、大変難しいんですね。で、均等法が行政指導の法律という性格があるために、実際には均等法を根拠に裁判はできないわけで、刑法なり民法なりを根拠にして裁判を起こして、自分の身を守ることと、その権利の確保をしていくわけです。その場合にも例えば、報復があるかもしれないとか、そういう恐れも持ちながらやるわけですけれども、裁判に行く前に調停なり、その指導、勧告の中で使用者側と何らかの解決、歩み寄りの場を見出して欲しいと私たちは思っております。ですから、ここでありますように、少なくともその調停が打ち切られるなんてことがないように、出席義務を課すということぐらいは具体的に均等法の中に入れていただきたいなと思います。以上でございます。

○田島会長
 論点5については、このぐらいでよろしいですか。

○奥田委員
 今の御発言の趣旨ですが、不明な点があったので、その点のみ質問させていただきたいんですけれども、一番最後に中島委員がおっしゃったところで、その出席義務を課すという結論は分かったんですが、一番最初のところで、均等法は行政指導の法律なのでっておっしゃったと思うんですが、私は決して均等法は行政指導の法律ではないと思うんですけども、ちょっとその辺り、どういう御趣旨でおっしゃったのか確認だけさせていただけますか。

○中島委員
 私は均等法はもちろん、裁判の規範には使えるというふうに理解をしておりますけれども、基本的に行政指導の法律だと理解をしておりましたので、そういう発言をいたしました。

○奥田委員
 分かりました。ありがとうございました。

○松田委員
 今のところで、法律の専門家ではないんでうまい説明じゃないかもしれないんですが、要はセクハラがあったときに、均等法ではセクハラの禁止という規定がされているわけではないというところです。そのため、セクハラがあったときにセクハラを受けた人が裁判に訴えるとしたら民法で訴えることになります。実際、セクハラを訴えた裁判でセクハラ的な行為の事実関係は認められたものの、それが金銭の払いをもって謝罪すべき精神的損害を発生させるほどのものとは認められないというような判決なども出ています。しかも、このケースにつきましてはそのあと、会社側がセクハラを訴えた女性社員に逆に7,200万円の損害賠償を請求しているということです。セクハラをされたときにどこかに訴えていきたいとなっても、均等法は直接的にセクハラを禁止しているものではないし、逆にそのように会社から訴えられてしまうというようなケースまで出ているということは、労働者にとっては、もうどうしていいか分からないということになってしまうということを事例として御紹介をさせていただきたいと思います。

○奥田委員
 セクハラについてということでしたら分かりますので、ありがとうございます。

○布山委員
 今のところで確認ですが、雇用の各ステージにおける性差別禁止については事業主の行為なので、当然禁止だとか、というような書き振りはできるかもしれませんが、セクハラに関しては行為主体が従業員となることが少なくないので、事業主に直接禁止することはできなくて、企業としてできるのは事業主が講ずべき措置という形の書き方になっているというふうに理解をしてたのですが、そういうことではないのでしょうか。

○成田雇用均等政策課長
 現行の均等法上では事業主に対する義務という形になっているので、個々のセクハラ行為を行う労働者に対する規定はございません。

○田島会長
 ほかに御意見はございませんか。それでは次に、6のその他も含めて全ての論点について、ほかに御意見等があれば発言いただきたいと思います。

○齊藤委員
 その他のところの職務評価に関する調査研究について、一言申し上げたいと思います。男女間賃金格差の是正には、職務評価の手法が有効であると考えていまして、そのため厚生労働大臣が行う調査研究について定めた28条に職務評価、職業能力評価について調査、研究、資料を整備し、事業主等に提供することを明記するように以前から労側は主張してまいりました。
 そこで使用者側は現行法でも解釈できると申されておりましたが、実際の職務評価の研究と普及度合いは、まだ十分とは言い難いため、職務評価の取組を特に促すためにも、法律に明記することが望ましいと考えております。
 また、現行法にはない事業主への提供も、重要な課題であることから、このことも法律に明記することが必要であるということを、改めてここで主張させていただきたいと考えています。

○田島会長
 ほかに御意見はございませんか。

○中島委員
 今後の課題ということも含めて問題意識をお話させていただきたいと思います。まず、仕事と生活の調和ということを随分議論していただきましたが、余り前向きな議論にはならなかったように思います。労働側としては仕事と生活の調和というのを法の理念の中に明記することが、今回の見直しでは不可欠であることを、改めて強調しておきたいと思っております。
 その中で、女性又は男性が育児に専念した結果として、特に圧倒的に女性にその育児休業取得が集中する中で、あくまでも結果としてということなのですが、雇用における差別が、再生産されているという構造的な問題は、今後の課題として解消していないということは残っています。
 特に育児・介護休業法というのは確かに整備されてきましたが、育児休業なり介護休業をより取りやすくして、不利益取扱いを禁止するということは育児・介護休業法に記載はされていますが、それ自体は雇用における差別を禁止するという規定を含みませんので、均等法と育児・介護休業法と考えたときに、法律は別々で労働法体系としては女性労働法として1本のものですという考え方があるにしても、何か落とし穴があるような気がします。そして、両立支援制度の利用の実態的な格差が結果として、男女間格差なり処遇の格差に結び付いている現実について、これが格差の固定化に結びつきかねないということで、どうしていくか考えていかないと、女性の活用という観点、雇用における男女平等という観点からも、不十分なような気がいたします。
 もう1つ、言い方を変えますと、育児・介護休業法については、かなり企業の中でも議論が進んできていて、取りやすくする環境を作ろうということで取組をしていただいていると思いますが、企業の雇用管理の中で、本来の目的である女性の就業継続と活用という、正に今、政権がおっしゃっている女性の活用促進、人材確保なり戦力の活用について、女性をターゲットとする考え方が、ちょっと脇に置かれて、育児休業取得そのものが目的化しているのではないかという気がしています。均等法も両立支援制度も政策全体は男女双方をターゲットにしているのですが、女性の活用の視点が非常に全体として見えにくくなっているような気がします。
 今後、女性の活用の拡大というポジティブ・アクションの部分と育児休業との両立支援制度等の取組との政策的な相互関係なり政策効果について、きちんとした議論が必要ではないかと思っております。これは私の問題意識なので、聞き置いていただければ結構ですが、そのように思っています。
 もう1つ、今まで発言をしてこなかったことで1つだけ問題意識として申し上げておきたいのですが、職場には性的マイノリティ、LGBTと言われる方たちがたくさんいらっしゃいまして、かなり雇用差別を受けているという現実があります。この方たちの課題というのは男女の格差という意味では当然男女の中に包含されますので、均等法で今後焦点にしていくというか、均等法の中で課題にしていく必要があるのではないかという問題意識を私は持っています。

○田島会長
 どの論点についてでも結構ですが、御発言があればお願いいたします。

○山川委員
 先ほど中島委員の最初におっしゃったことにも関連するのですが、男女の雇用機会の均等と両立支援の関係というようなお話でしたが、ポジティブ・アクションの中で、いわば事実上の支障を解消するために両立支援的な要素を盛り込んでいく。これは諸外国でもそういう傾向が出ていると思いましたが、日本の現行の制度といいますか、枠組みの中ではそれは可能、あるいは促進されているというような状況なのか、その辺をお伺いしたいと思います。

○田島会長
 事務局どうぞ。

○成田雇用均等政策課長
 今、山川委員の御指摘のあったとおり、ポジティブ・アクションの取組の中には、例えば、出産を機に辞められる女性が多いという場合に、両立支援の取組をやっていただくというのも含まれていますし、これまでにも御紹介した均等調査の中でも、そういったようなことに取り組んでいる企業の割合の数字もお出しして、御紹介をしているところです。

○山川委員
 そうしますと、そこはある意味では共通の要素があって、接点みたいなこと、結果的にかもしれませんが、現状のところでは、そういう位置付けになっているという理解でよろしいでしょうか。

○成田雇用均等政策課長
 今、申し忘れましたが、パンフレット等でもそういうようなものも含まれますということで、ポジティブ・アクションの中の1つの取組としてあるということを、私どもも周知をして取組をお願いしているところです。

○田島会長
 このくらいでよろしいでしょうか。

○中西委員
 参考資料No.1の「コース別雇用管理及びポジティブ・アクションに関するデータ」について、質問させていただきます。18・19ページの「ポジティブ・アクションに取り組まない理由別企業割合」では、なぜ取り組まないのかという理由に、「既に十分に女性が能力を発揮し、活躍しているため」というのがいずれの年度も1位に上げられているわけですが、2位に常に「その他」があがっています。もし「その他」についての詳細な回答があるようでしたらお教えいただきたいのですが、お願い申し上げます。

○成田雇用均等政策課長
 事実として、「その他」のところは今の段階で詳細を集計はしていません。ただ、調査票を見ますと具体的理由を書く欄がありますので、個別の個票に当たればできるかもしれませんが、そこは確認させていただきたいと思います。

○中西委員
 中小企業においては、非常に多様性がある企業が存在しています。そういう観点から考えまして、詳細について知るということは、今後の参考になるばかりではなく、多様性のある中小企業に対するいろいろな対処の方法が見えてくるのではないかと思いますので、是非よろしくお願いしたいと思います。ちなみに、項目としてまた新たに何か付け加えられるという予定はおありなのでしょうか。

○成田雇用均等政策課長
 調査の選択肢を増やす場合には一定の手続が必要となってきますので、そこはできるかどうか、持ち帰らせていただきたいと思います。

○中西委員
 よろしくお願いいたします。ありがとうございました。

○中島委員
 今の御質問に触発されてもう少しお聞きしたいと思います。例えば、既に十分に女性が能力を発揮して活躍していると回答された企業のうちの、どの程度が女性の登用をどの程度しているのかという、データについて見落していたら申し訳ないのですが、どこかにあるでしょうか。というのは、以前に確か公益の先生が自己申告では十分に活用していると言っているが、実際には1人、2人を登用してそれで済ませているというところも多いのではないか、というようなことをたしか御指摘いただいていたように思うのですが、何か内訳が分かるようなデータがあれば、示していただきたいと思います。

○成田雇用均等政策課長
 以前分科会にお出しした資料で、女性が十分活躍していると思うためと回答された所について、少し詳しく集計している資料がお手元の過去の分科会資料にございます。123回、2月4日の資料1の20ページです。これを見ていただきますと、ポジティブ・アクションに取り組んでいる企業に比べて、「既に女性は十分活躍していると思うため」という理由で今のところ取り組む予定はないと回答された企業のほうが、管理職比率が高く、課長級以上でも、係長級以上でも高くなっているというデータになっています。
 一方で、女性の管理職がいないという企業も一定程度はあるというところを、公益委員の先生が御指摘をされたのだと思います。あいにく今回の平成24年度の調査については、管理職の比率を取っていません。ポジティブ・アクションに取り組んでいるかどうかと、取り組まない理由しか聞いておりませんので、同じような形での集計ができないということを御理解いただければと思います。

○松田委員
 今のデータのところは20ページですね。改めて言うまでもないかもしれないのですが、既に女性が活躍をしていると思うと回答した企業でも、例えば課長相当職以上の女性管理職割合が12.2%で、確かに合計の6.8%に比べれば高い割合なので、周りの日本の企業と比べるとうちは進んでいるということなのかもしれないのですが、決してこれで女性は十分に活躍しているとは到底言えないというのは、この12.2という数字を見れば明らかだと思います。ここで既に女性は十分に活躍していると回答している企業というのは意識が低いということの裏返しだと思いますので、その辺のところを変えていかないといけないのではないかと思います。

○田島会長
 その他の論点でも結構ですが、御意見はございませんか。よろしいですか。それでは御意見が出尽したようですので、本日の議題はこれで終了いたします。次回以降はこれまでに出されました御意見を踏まえて一定の取りまとめに向け議論を深めていきたいと思います。最後に本日の署名委員は労働者代表は關委員、使用者代表は中西委員にお願いいたします。それでは本日の分科会をこれにて終了いたします。皆様、お忙しい中、また大変お暑い中をお集まりいただきましてありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省雇用均等・児童家庭局
雇用均等政策課
〒100−8916 東京都千代田区霞が関1−2−2

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