健康・医療希少疾病用医薬品・希少疾病用医療機器・希少疾病用再生医療等製品の指定制度の概要

指定制度について

希少疾病用医薬品・希少疾病用医療機器・希少疾病用再生医療等製品は、医薬品医療機器法第77条の2に基づき、対象患者数が本邦において5万人未満であること、医療上特にその必要性が高いものなどの条件に合致するものとして、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて厚生労働大臣が指定するものです。
なお、希少疾病用医薬品・希少疾病用医療機器・希少疾病用再生医療等製品の指定が、直ちに医薬品・医療機器・再生医療等製品の製造販売承認に結びつくものではありません。
本指定制度の制定された背景、具体的な指定基準及び指定された場合に受けられる支援措置について以下に示します。

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制度の背景について

希少疾病用医薬品・希少疾病用医療機器の指定制度が制定される以前は、難病、エイズ等を対象とする医薬品や医療機器は、医療上の必要性が高いにもかかわらず、患者数が少ないことにより、本邦では十分にその研究開発が進んでいない状況にありました。また、医療をめぐる国民のニーズの多様化等に対応して、安全かつ良質な医薬品・医療機器を一日も早く医療の現場に提供することが求められていました。このため、こうした国民の期待の高まりや、医薬品・医療機器の研究開発をとりまく状況の変化等を踏まえ、希少疾病用医薬品・希少疾病用医療機器の試験研究を促進するための特別の支援措置を講ずることとしたものです。また、平成25年の薬事法等の一部を改正する法律(平成25年法律第84号)により、医薬品医療機器法上に新たに再生医療等製品が定義され、あわせて、希少疾病用再生医療等製品の制度についても創設されました。

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指定基準について

指定基準

厚生労働大臣は、企業からの希少疾病用医薬品・希少疾病用医療機器・希少疾病用再生医療等製品の指定の申請に基づき、次の指定基準に合致するものを希少疾病用医薬品・希少疾病用医療機器・希少疾病用再生医療等製品として指定することができることとされています。

1対象者数

当該医薬品、医療機器又は再生医療等製品の用途に係る対象者の数が、本邦において5万人未満であること。
ただし、その用途が指定難病の場合は、難病の患者に対する医療等に関する法律(難病法)第5条第1項に規定する人数(人口のおおむね千分の一程度)までの対象者数の範囲とする。

  • 当該医薬品等の用途が指定難病以外の場合は、厚生労働科学研究事業や信頼すべき学会の調査結果等を利用して患者数を推定する必要があります。しかし、患者数にかかる調査が十分ではなく、確実な人数を示すことができない場合が多くあります。そこで、数種類の統計データ等を用いて推計して、その結果をもって推定患者数が5万人未満であることを示すことが一般的です。複数の手法による推計結果が提出されることが望ましいものです。
  • 当該医薬品等の用途が指定難病の場合は、対象者数については要件を満たしているものと見なしますので、指定難病に指定されている旨の記載を以て患者数を推定する資料の提出に替えることができます。
  • 特定の患者数に関して、医薬薬学上の明確な理由なしに、「重篤な」等の接頭語あるいは、ただし書きを追加することによって、患者数を5万人未満として計算するいわゆる「輪切り申請」については、原則として認められません。
  • 平成18年度より、指定申請時点でその用途に使用すると見込まれる者が5万人未満であれば、次のような新医薬品についても指定を受けることが可能となりました。
    -国内では発生がまれな、又は海外でのみ発生している感染症の疾病であって、その発生が流行地域への訪問者等、特定の集団に限定されているものの予防の用途に用いるワクチン
    -遺伝子の突然変異などにより新たに発生する又は再興する可能性が否定できない感染症の疾病であって、一旦発生すれば国民の生命、健康に重大な影響を与えるおそれがあるものの、その発生時期、流行規模等が不明であり、申請時点では発生していないものの予防の用途に用いるワクチン

2医療上の必要性

重篤な疾病を対象とするとともに、次のいずれかに該当するなど、特に医療上の必要性が高いものであること。

  • 代替する適切な医薬品・医療機器・再生医療等製品又は治療法がないこと。
  • 既存の医薬品・医療機器・再生医療等製品と比較して著しく高い有効性又は安全性が期待されること。

3開発の可能性

対象疾病に対して当該医薬品、医療機器又は再生医療等製品を使用する理論的根拠があるとともに、その開発に係る計画が妥当であると認められること。

参考リンク

国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 - 希少疾病用医薬品・希少疾病用医療機器等の研究開発促進制度とは

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支援措置について

支援措置の内容

1助成金の交付

希少疾病用医薬品・希少疾病用医療機器・希少疾病用再生医療等製品の開発に係る経費の負担を軽減するため、医薬基盤・健康・栄養研究所を通じて助成金の交付を受けることができます。

2指導・助言

希少疾病用医薬品・希少疾病用医療機器・希少疾病用再生医療等製品に関する試験研究について厚生労働省、医薬品医療機器総合機構(PMDA)及び医薬基盤・健康・栄養研究所による指導・助言を受けることができます。
なお、PMDAでは希少疾病用医薬品・希少疾病用医療機器・希少疾病用再生医療等製品を対象とした優先対面助言制度があります。また、希少疾病用医薬品に指定された場合は、通常品目に比べて治験相談の手数料が減額されます。

優先対面助言の流れ[PDF形式:143KB]

3税制措置

医薬基盤・健康・栄養研究所からの助成金の交付対象期間に行う試験研究に係る費用のうち、希少疾病用医薬品・希少疾病用医療機器・希少疾病用再生医療等製品に係る試験研究費総額(医薬基盤・基盤・栄養研究所の助成金を除く。)の20%を税額控除額として算定できます。

4優先審査

希少疾病用医薬品・希少疾病用医療機器・希少疾病用再生医療等製品に指定されたものについては、できるだけ早く医療の現場に提供できるよう、他の医薬品・医療機器・再生医療等製品に優先して承認審査がなされます。希少疾病用医薬品に指定された場合は、通常品目に比べて承認審査に係る手数料が減額されます。

5再審査期間の延長

希少疾病用医薬品・希少疾病用再生医療等製品に指定され、承認された医薬品・再生医療等製品は、再審査期間が最長10年間に延長されます。

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希少疾病用医薬品・希少疾病用医療機器・希少疾病用再生医療等製品の指定手続について

指定手続

希少疾病用医薬品・希少疾病用医療機器・希少疾病用再生医療等製品の指定申請は、常時受け付けています。指定申請を受け付けた後、薬事・食品衛生審議会の審議を経て指定を行います。

指定手続き

指定相談の事前準備について

1相談の申し込み

  • 希少疾病用医薬品・希少疾病用医療機器・希少疾病用再生医療等製品の指定を希望する企業等(以下「相談者」という)からの相談の申込みについては、随時受付けを行っています。
  • 相談は、厚生労働省医薬局医薬品審査管理課又は医療機器審査管理課の指定業務担当者に申し込んでください。
  • 申込みについては、電子メール※、郵送、FAX等で行ってください。
    申込み様式 Word[DOC形式:39KB] PDFファイルへのリンク[PDF形式:110KB]
  • ※医薬品に関してはorphan_drug@mhlw.go.jpにご連絡下さい。
  •  医療機器・再生医療等製品に関してはkikikashinsa@mhlw.go.jpにご連絡下さい。
  • 相談の申込みは日本語により行ってください。

2相談日の決定

相談日は、相談の申込みが行われ、資料が提出された後、指定業務担当者より電話、電子メール又はFAXにより連絡されます。

指定相談の実施について

1相談の実施方法

  • 指定相談は指定申請を行う前に行います。
  • 指定相談は厚生労働省医薬局医薬品審査管理課又は医療機器審査管理課にて行います。
  • 相談時間は原則として30分から1時間程度としてください。
  • 相談人数の制限については特に規定しませんが、内容に応じた適切な人数としてください。

2相談時の注意事項

  • 指定申請に必要な資料の案又は指定申請を行う品目について説明が可能な資料を事前に準備してください。指定資料案については、平成27年4月1日付け薬食発0401第11号厚生労働省医薬食品局長通知を参考にしてください。
  • 必要に応じ、資料に参考文献等を添付してください。
  • 部数は指定業務担当者に事前に確認してください。
  • 指定業務担当者の指示に従い、資料の事前送付等に対応してください。

指定申請に関する事項について

  1. 1.指定相談実施後、特段の問題がなければ、指定業務担当者の指示に従い、指定申請書を提出してください。指定申請書作成時には適宜、以下の参考資料も参照してください。
    参考資料PDFファイルへのリンク[PDF形式:279KB]
  2. 2.厚生労働省で指定申請書を受理した後、PMDAにおける事前評価を踏まえ、希少疾病用医薬品、希少疾病用医療機器又は希少疾病用再生医療等製品としての指定の可否について審査を行います。
  3. 3.審査の結果、指定して差し支えないとの判断がなされた場合には、薬事・食品衛生審議会に諮問を行います。
  4. 4.薬事・食品衛生審議会での審議で、指定しても差し支えないとの答申が得られた場合には、指定を行います。
  5. 5.諸手続が終了後、指定書を申請者に郵送します。

指定申請資料について

指定申請書

指定申請資料の添付資料

  1. 1.対象者数に関する資料
    わが国における当該医薬品、医療機器又は再生医療等製品の用途に係る対象患者数に関する客観的な統計資料
  2. 2.医療上の必要性に関する資料
    • 病因、症状等対象疾病に関する資料
    • 類似の医薬品又は医療機器の有無、治療方法の有無など医療の現状に関する資料
  3. 3.当該医薬品又は医療機器を使用する理論的根拠となる資料
    承認申請資料(案)のうち、希少疾病用医薬品、希少疾病用医療機器又は希少疾病用再生医療等製品の指定申請時に入手可能な資料
  4. 4.開発計画(開発の可能性を判断するための資料)
    現在までの開発状況、予定している試験項目、試験期間など開発計画の概要を説明する資料
  5. 5.希少疾病用医薬品、希少疾病用医療機器又は希少疾病用再生医療等製品の概要
    部会説明用資料及び公表用資料として、次に掲げる様式に従い、概要を作成してください。

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希少疾病用医薬品・希少疾病用医療機器・希少疾病用再生医療等製品の指定の取消しについて

試験研究等の中止の届出について

希少疾病用医薬品、希少疾病用医療機器又は希少疾病用再生医療等製品の指定を受けた者が、当該指定に係る希少疾病用医薬品・希少疾病用医療機器・希少疾病用再生医療等製品の試験研究又は製造販売若しくは製造を中止しようとするときは、速やかに厚生労働大臣に届け出なければなりません。
なお、中止届書の提出にあたっては、事前に厚生労働省医薬局医薬品審査管理課又は医療機器審査管理課の指定業務担当者及び医薬基盤研究所に連絡をしてください。
厚生労働省で中止届書を受理した後、薬事・食品衛生審議会に報告のうえ、希少疾病用医薬品・希少疾病用医療機器・希少疾病用再生医療等製品の指定の取消しが通知されることとなります。

中止届書

様式第108 希少疾病用医薬品・希少疾病用医療機器・希少疾病用再生医療等製品の試験研究・製造販売・製造中止届書PDFファイルへのリンク[DOC形式:40KB]Word[PDF形式:49KB]

指定の取り消しについて

次のいずれかに該当するときは、指定を取り消すことがあります。

  • 「対象患者数」の要件を欠くと認められるとき。
  • 他の医薬品等が承認されたことなどにより、「医療上の必要性」の要件を欠くと認められるとき。
  • 指定申請書の虚偽記載等不正があったと認められるとき。
  • 正当な理由なく希少疾病用医薬品等の試験研究又は製造販売が行われないとき。
  • 指定を受けた者について薬事に関する法令又はこれに基づく処分に違反する行為があったとき。

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承継の取扱い

指定者から、他の者(以下「承継者」という。)に本邦での開発権を譲渡する場合、指定者は、以下の資料を提出してください。ただし、指定者が当該指定を受けた時点から、変更が生じている場合には、変更部分について、承継時点でも指定要件を充足することを示す資料もあわせて提出してください。なお、承継は、指定者宛に発出する指定取消書、承継者宛に発出する指定書を以て認めるものとします。なお、承継を検討している指定者は事前に医薬品審査管理課又は医療機器審査管理課の指定業務担当者へ相談してください。

  1. (1)指定者及び承継者の連名で提出する資料
    • 承継の経緯等が把握できる資料
  2. (2)指定者が提出する資料
    • 希少疾病用医薬品・希少疾病用医療機器・希少疾病用再生医療等製品の試験研究・製造販売・製造中止届書
    • 指定書の写し
  3. (3)承継者が提出する資料

情報公開

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希少疾病用再生医療等製品

リンク集

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