2022年9月2日 令和4年度第2回医薬品の成分本質に関するワーキンググループ議事概要

医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課

日時

令和4年9月2日(金)14時00分~16時00分

場所

厚生労働省 仮設第1会議室(仮設会議室棟1階)

出席者

○構成員(敬称略・五十音順)
 伊藤 美千穂 (国立医薬品食品衛生研究所生薬部長)
 内山 奈穂子 (国立医薬品食品衛生研究所生薬部第2室室長)
 梅垣 敬三 (昭和女子大学食健康科学部食安全マネジメント学科教授)
 大塚 英昭(安田女子大学薬学部教授)
 小川 久美子 (国立医薬品食品衛生研究所安全性生物試験研究センター病理部長)
 合田 幸広 (国立医薬品食品衛生研究所所長)
 佐々木 伸大(大阪公立大学大学院農学研究科応用生物専攻教授)
 関野 祐子  (東京大学大学院農学生命科学研究科獣医学専攻獣医衛生学教室特任研究員)
 西川 秋佳(名古屋徳洲会総合病院病理診断科顧問)
 袴塚 高志(日本薬科大学薬学部薬学科社会薬学分野教授)



○監視指導・麻薬対策課
 佐藤 大作(監視指導・麻薬対策課長)
 木村 剛一郎(監視指導室長)
 藤井 大資(課長補佐)
 三宅 晴子(危害情報管理専門官)
 猪野 翔一朗(薬事監視第一係長)


 

議題

(1)新規成分本質(原材料)の審議について
(2)その他
 

議事

 
昭和46年6月1日付け薬発第476号厚生省薬務局長通知「無承認無許可医薬品の指導取締りについて」の別紙「医薬品の範囲に関する基準」の別添1の「食薬区分における成分本質(原材料)の取扱いについて」(注)に基づき審議した。
 
(1)新規成分本質(原材料)の審議について
○コウトウスギ(ウンナンコウトウスギ)(心材)
 令和3年度第3回医薬品の成分本質に関するワーキンググループ(令和4年2月22日。以下「令和3年度第3回WG」という。)の審議において、「コウトウスギ」の樹皮・葉・心材を「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)」(以下「専ら医」という。)とすることが妥当とされ、その改定案に関するパブリックコメント(3月23日~4月21日)に寄せられた意見を踏まえ、議論した。
 本WGにおいて、パブリックコメントでコウトウスギの心材は茶やエキス粒として一定の期間(25年)販売・利用しているという意見はあったものの、健康食品における限られた食経験であり、十分な食経験があるとは言えないこと、また、医薬品として使用されている化合物であるpaclitaxelを含有することから、令和3年度第3回WGに引き続き、コウトウスギ(ウンナンコウトウスギ)の心材は専ら医とすることが妥当とされた。
 
○イチイ(全草)
 現在、イチイの枝、心材及び葉は専ら医、果実は「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質」とされているが、上記の部位だけでなく他の部位にもpaclitaxelを含有しており、含有成分であるpaclitaxelは医薬品として使用されている化合物であり、極めて強い毒性を有するため、イチイの全草を専ら医とすることが妥当とされた。
 
N-フェニルプロポキシフェニルカルボデナフィル
 N-フェニルプロポキシフェニルカルボデナフィルは国内外で承認されている勃起不全改善薬シルデナフィルと類似の化学構造を持ち、シルデナフィルより強いPDE5阻害活性を有することから、専ら医とすることが妥当とされた。
 
 
(注)「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト」の考え方
(1)専ら医薬品としての使用実態のある物
解熱鎮痛消炎剤、ホルモン、抗生物質、消化酵素等専ら医薬品として使用される物
 
(2)(1)以外の動植物由来物(抽出物を含む。)、化学的合成品等であって、次のいずれかに該当する物。ただし、一般に食品として飲食に供されている物を除く。
①毒性の強いアルカロイド、毒性タンパク等、その他毒劇薬指定成分に相当する成分を含む物(ただし、食品衛生法で規制される食品等に起因して中毒を起こす植物性自然毒、動物性自然毒等を除く)
②麻薬、向精神薬及び覚せい剤様作用がある物(当該成分及びその構造類似物(当該成分と同様の作用が合理的に予測される物に限る)並びにこれらの原料植物) 
③処方せん医薬品に相当する成分を含む物であって、保健衛生上の観点から医薬品として規制する必要性がある物
 

照会先

厚生労働省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課

03-5253-1111(内線2767)