令和3年12月24日 第74回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和3年度第25回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)議事録

日時

令和3年12月24日(金) 13:00~15:00

場所

WEB会議(厚生労働省 専用第21会議室(17階))

議事

○事務局 定刻になりましたので、ただいまより第74回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会及び令和3年度第25回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会の合同会議を開催いたします。
委員の皆様におかれましては、お忙しい中、御出席いただきありがとうございます。
まず、ウェブ会議を開催するに当たり、既にお送りさせていただいておりますが、会議の進め方について御連絡させていただきます。
御発言される場合は、まずお名前をおっしゃっていただき、座長から御指名されてから御発言をお願いいたします。なお、ウェブ会議ですのでタイムラグが生じますが、御了承願います。会議の途中で長時間音声が聞こえない等のトラブルが生じた場合は、インスタントメッセージ、またはあらかじめお知らせしている番号までお電話をお願いいたします。
続きまして、本日の委員の出欠状況について御報告します。
現在、副反応検討部会委員9名のうち6名、安全対策調査会委員6名のうち6名の委員に御出席をいただいておりますので、厚生科学審議会及び薬事・食品衛生審議会の規定により、本日の会議は成立したことを御報告します。
なお、全ての委員において、関係企業の役員、職員等でない旨を申告いただいております。
また、長谷川委員、宮川委員、山縣委員から少々遅れているとの御連絡をいただいております。
申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましては、ここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
(報道関係者退室)
○事務局 本日の審議の前に、傍聴に関しまして留意事項を申し上げます。開催案内の「傍聴への留意事項」を必ず守っていただきますよう、お願いいたします。
留意事項に反した場合は、退場していただきます。
また、今回、座長及び事務局職員の指示に従わなかった方や会議中に退場となった方については、次回以降の当会議の傍聴は認められませんので、御留意願います。
本日の座長につきましては、岡安全対策調査会長にお願いしたいと思います。
それでは、ここからの進行をよろしくお願いいたします。
○岡座長 それでは、事務局から審議参加に関する遵守事項について、報告をお願いいたします。
○事務局 審議参加について御報告いたします。
本日御出席をされた委員の方々の過去3年度における関連企業からの寄附金・契約金などの受け取り状況について、これまでと同様に申告いただきました。
本日の議題において審議される品目は新型コロナワクチンであり、その製造販売業者はファイザー株式会社、武田薬品工業株式会社、アストラゼネカ株式会社であり、事前に各委員に申告をいただいております。各委員からの申告内容については事前に配付しておりますので、御確認いただければと思います。
本日の出席委員の寄附金等の受け取り状況から、全ての委員においてファイザー株式会社、アストラゼネカ株式会社より50万円を超える受け取りはございませんでした。宮川委員が武田薬品工業株式会社から50万円を超えて500万円以下の受け取りがあるため、意見を述べることができますが、議決に参加いただけませんことを御報告いたします。
なお、本日の審議対象ワクチンの製造販売業者ではございませんが、現在開発中の新型コロナワクチンも含め、関連する製造販売業者からの寄附金・契約金等の受け取り状況について各委員より申告いただいておりますので、この場で御報告いたします。
石井委員、宮川委員は第一三共株式会社から50万円を超えて500万以下の受け取り、柿崎委員は塩野義製薬から50万円を超えて500万以下の受け取りがございました。
引き続き、各委員におかれましては講演料等の受け取りについて、通帳や源泉徴収票などの書類も確認いただくことにより正しい内容を申告いただきますようお願いいたします。
以上でございます。
○岡座長 次に、事務局から本日の配付資料の確認をお願いいたします。
○事務局 本日の資料としましては、議事次第、委員名簿、座席表、資料一覧、資料1-1-1から1-8、資料2、多屋委員提出資料、参考資料1から14になります。不備等がございましたら事務局にお申し出ください。
○岡座長 それでは、審議を始めたいと思います。
まず、本日の審議の進め方について少し御説明したいと思います。これまでは議題の1と議題の2、議題の2というのは伊藤澄信委員のコホート調査の議題を分けて審議を行っておりましたけれども、お互いに関連する内容でもございますので、本日から議題の1と2を合わせて1つの議題として審議を行っていきたいと思います。つまり、まず事務局と伊藤澄信委員から全ての資料の説明を行っていただいた後で、委員の皆様には、それら全ての情報を踏まえて新型コロナワクチンの安全性評価の御審議を行っていただきたいと思っております。したがいまして、本日から別途議題2としてコホート調査に関する議論の時間は取りませんので、この議題の審議時間において御質問をしていただくように御協力をいただければと思います。
以上です。
それでは、事務局のほうから資料1-1-1から1-6について御説明をお願いします。
○事務局 資料の説明に入る前に、前回の御議論におきまして、今後は焦点を絞った審議の進め方や資料の構成としていく必要があると御意見をいただいておりましたので、本日からは資料説明についても効率的に行っていきたいと思います。今後の資料の構成案につきましては資料1-8として御用意しておりますので、後ほど御審議をお願いしたいと思います。
事務局による資料説明のやり方ですが、座長とも御相談させていただきまして、委員には事前に資料を配付し、また、御説明をさせていただいておりますので、この場での説明は死亡事例や動向に変化が見られる点についてポイントを絞った説明をさせていただきたいと思います。データ自体はこれまで同様、各資料においてお示ししております。
まず、資料1-1-1と1-2-1につきましては、今回の集計対象期間は12月5日までとなっておりますが、副反応疑い事例の全体的な報告傾向に大きな変更はありませんでしたので、説明は省略したいと思います。
ロット別の報告件数の資料も御用意しておりますが、こちらも3ワクチンとも何か顕著な報告状況を示したロットはないという状況でございました。
また、今回の集計対象期間から3回目接種が始まっておりますが、対象期間中に3回目接種での副反応疑い事例の報告はありませんでしたので、本日の説明では省略いたします。
また、12月6日より心筋炎、心膜炎を報告基準に追加するとともに、ブライトン分類による評価も始めております。今回の集計対象期間は5日分となりますので資料はまだ御用意しておりませんが、次回以降、心筋炎の専門家評価の結果についてお示ししていきたいと思います。
それでは、資料1-3-1、新型コロナワクチン接種後の死亡として報告された事例のコミナティでございます。
1ページ目の「1.報告状況」でございます。前回の集計対象期間以降、コミナティ筋注の副反応疑い報告におきまして、医療機関または製造販売業者から死亡として報告された事例が新たに28件あり、接種開始以降、12月5日までに報告された事例は計1,343件となっております。
2つ目の○に進みまして、上記に加えまして集計対象期間外となりますが、12月6日から17日までに新たに報告された事例が22件あるという状況でございます。
「2.専門家の評価」でございまして、12月5日までに報告されました1,343件を対象にしまして因果関係評価を実施しておりまして、結果としましてはβが8件、γが1,335件となってございます。なお、心筋炎に関連しまして、10代、20代男性の死亡事例の中で死因の一つとして心筋炎を報告した事例はございませんでした。
続きまして、資料1-3-2、新型コロナワクチン接種後の死亡として報告された事例のスパイクバックス筋注をご覧ください。スパイクバックスの死亡事例について御報告いたします。
1ページ目の「1.報告状況」でございます。前回の集計対象期間以降、新たに報告された事例が6件ございまして、12月5日までに報告された事例は計59件となっております。なお、集計対象期間外となりますが、12月6日から17日までに追加で6件報告されているという状況となります。
次の○でスパイクバックスの使用見合わせロットにおける死亡報告の状況を記載しておりますが、後ほど資料1-6にて御報告いたします。
「2.専門家評価」でございます。59事例を対象に専門家の評価を行っておりまして、βが1件、γが58件となっております。
また、心筋炎に関連しまして、10代、20代の男性死亡事例のうち心筋炎を死因として報告されたものはありませんでした。
続きまして、資料1-3-3、新型コロナワクチン接種後の死亡として報告された事例のバキスゼブリア筋注をご覧ください。バキスゼブリアの死亡事例について御報告いたします。
1ページ目の「1.報告状況」でございまして、2つ目の○の部分でございます。集計対象期間外でございましたが、13日から17日までの期間に1件報告がございました。
具体的な事例につきましては2ページ目をご覧ください。57歳男性の事例でございます。基礎疾患等の欄でございますが、基礎疾患等としまして大動脈弁狭窄、また、既往歴として上行大動脈解離が報告されております。2回目接種の約3時間後、自転車走行中に突然倒れ、目撃者により救急要請、心肺停止状態であることが確認されまして、搬送されたという状況が報告されております。血液検査やCTなどが行われておりますが、死因は不明として報告されておりました。
「2.専門家の評価」でございます。専門家評価対象期間後に報告された事例でございましたが、状況を踏まえまして、専門家の評価を実施しております。因果関係はγ、死因は不明であり、患者背景や経過の詳細も得られておらず、ワクチン接種と死亡の因果関係は評価できないとコメントされております。
続いては、アナフィラキシー疑い事例になりますが、報告頻度やブライトン分類1から3の報告頻度に大きな変化はありませんでしたので、資料1-4の説明は本日省略したいと思います。
続いての資料が1-5-1、新型コロナワクチン接種後の血小板減少を伴う血栓症事例のコミナティ筋注でございます。
発生動向自体に大きな変化はございませんでしたが、1点補足したいことがございましたので御紹介させていただきます。
1ページ目の「1.報告状況」の注で記載した部分でございますが、コミナティ筋注のTTS疑い事例の報告件数が前回から減少しております。理由を注にまとめておりますが、令和3年9月にMedDRAのバージョン24.1が実装されまして、血小板減少症を伴う血栓症という用語が新たに定義・追加されております。これに伴いまして過去報告されましたTTS疑い事例について、製造販売業者が再度内容を医療機関に確認の上、血小板減少症を伴う血栓症という用語にて追加報告が実施されておりますが、その際に、医療機関からTTS疑い事例であるとされなかった事例がありましたので、結果として件数が減少しております。
いずれにしましても報告頻度などに大きな変化はありませんので、以降の1-5-1と1-5-2の説明は本日省略いたします。
続いて、資料1-5-3、新型コロナワクチン接種後の血小板減少症を伴う血栓症、バキスゼブリア筋注をご覧ください。
7ページで、バキスゼブリアにつきまして2例目のTTS疑い事例の報告がございましたので御説明いたします。70歳男性の事例でございまして「専門家の意見」の項をご覧ください。臨床の経過をまとめていただいておりますので、そちらで御報告いたします。
1回目接種39日後に腹痛、嘔吐、下痢、血便、40日後に心肺停止、造影CTで上腸間膜動脈閉塞症、小腸~右側結腸壊死、腎梗塞、脾梗塞、左心室内血栓、緊急手術を行い自発呼吸再開が得られましたが意識障害が蔓延、抗PF4抗体(ELISA法)で陽性、経過中D-dimerが最高で60、血小板は最低で5.1万であったと報告されておりまして、TTSを発症した蓋然性が高いと考えられる。HITや抗リン脂質抗体症候群は除外できている。ワクチン接種後に発症したTMA等の鑑別疾患を除外できているわけではなく、接種後30日以上を経過してからの発症であるが、リスク因子は喫煙のみ。抗PF4抗体陽性も踏まえると因果関係はありと考えるとされておりまして、因果関係はα、ブライトン分類は1とされております。
参考情報としまして、バキスゼブリアの接種数の推移を口頭で補足いたしますと、前々回の合同部会時が約6.5万回接種、前回合同部会時が約10万回接種、今回の合同部会時が約11万接種となっておりますので、最近のバキスゼブリアの接種数の伸びは低下してきている状況でございました。
最後に資料1-6、スパイクバックス筋注使用見合わせロットに係る副反応疑い報告(死亡の状況)をご覧ください。
「1.副反応疑い報告状況」でございます。前回の集計対象期間以降、使用見合わせ等の対応が行われておりますスパイクバックス筋注の3つのロットの副反応疑い報告において、新たに死亡として報告された事例が2件ございました。つきましては、昨日までに3つのロットのうち異物の混入が報告されたロットにおいて1件の死亡事例、異物の混入は報告されていないものの異物混入ロットと同じ設備で製造されたロットの1つにおいて4件の死亡事例、ロット情報が不明なロットで2件の死亡事例が報告されたという状況ですが、ロット情報が不明という点についてはこの後で説明いたします。
新規事例について御紹介いたします。9ページの事例6でございます。こちらの報告ですが、製造販売業者のコールセンターを通じました一般の方からの報告内容に基づくものでございます。報告された情報の中に2例の死亡事例の情報が含まれておりましたので、本資料においては事例6、7と2例に分けて症例を記載しております。
次のページの「概要」の項でございまして、症例の概要ですが、ニュースでモデルナ筋注で異物の混入が報告されており、該当ロットを接種した30代男性の2人が亡くなったこと、因果関係が不明であり調査中であることを見たと報告されております。本資料における1例目と2例目を指している可能性がありますが、一般の方から製造販売業者のコールセンターに寄せられた情報でありまして、報告者の情報が得られておりませんので症例の特定が難しく、資料上は新規症例の6、7と本日記載させていただいております。専門家の評価対象期間後の報告でしたので、専門家による評価は次回お示しいたします。
資料の説明は以上となります。
○岡座長 引き続き、資料1-7-1から1-7-3について、事務局から御説明をお願いします。
○事務局 まず、前回の合同部会におきまして、先生方に今後の3回目接種は小児に対する接種等、傾向を把握すべき事項について焦点を絞って審議を進めていく、あるいは資料の構成としていく旨の御意見を頂戴いたしました。そこでまず、今回は3回目接種及び5歳、11歳の小児への接種の状況についてごく簡単に御説明いたします。
まず、3回目のワクチンの接種につきましては、諸外国の状況や有効性・安全性に係る科学的知見、あるいは国内における薬事承認を踏まえまして、1回目、2回目に用いましたワクチンの種類にかかわらず、18歳以上の者に対して11月15日のワクチン分科会でファイザー社ワクチンについて、また、12月16日の分科会でモデルナワクチンを用いることがそれぞれ適当であると御判断いただきまして、ファイザー社ワクチンについては12月1日より、モデルナについては12月17日より接種開始となっているところでございます。
また、5歳から11歳の小児の接種につきましては、現在ファイザー社より薬事申請が行われ、審査が行われているところですが、昨日23日のワクチン分科会においても引き続き小児に対して、新型コロナワクチンの接種の機会を提供することについて御議論いただいているところでございます。
こうした状況を踏まえまして、今回の資料1-7-1のパワーポイントの資料につきましても要点について把握しやすくなるよう、資料構成を改変しております。
それでは、2ページ目をご覧ください。ご覧のように死亡、心筋炎、3回目接種の要点に絞った項目立てとしております。また、3回目接種の最新の情報につきましては、後ほど伊藤澄信先生より、また、5歳、11歳の接種につきまして多屋先生より御解説いただく予定でございます。
続きまして、3ページ目をご覧ください。こちらは以前よりお示ししております初回免疫時、2回目接種までの副反応疑い報告の概要でございまして、内容については割愛させていただきますが、1点、前回の審議会の資料1-7-1におきまして、武田/モデルナ社ワクチンの製造販売業者報告のうち、死亡報告について67件と記載しておりましたが、正しくは53件でございました。おわびして訂正申し上げます。
続きまして、4ページ目をご覧ください。こちらは初回免疫時の死亡として報告された事例の概要をお示ししております。ファイザー社ワクチン、モデルナ社ワクチンにおきましては大きな変化はございませんでしたが、アストラゼネカ社ワクチンにつきましては、データロック外の12日以降に1件の報告がございました。
5ページ目をご覧ください。こちらはファイザー社ワクチンにおいて死亡として報告された1,343事例について、報告書に記載のあった死因に関する症状名等をまとめたスライドでございます。
今回も1%を超えた13例以上をお示ししておりまして、報告数上位の疾患については前回と変わりはございません。
また、心筋炎関連事象につきましては前回から65歳未満の2事例の追加報告がございましたので、右側の4段目におきまして18例、うち65歳未満9例として掲載してございます。
続いて6ページ目でございます。こちらはモデルナ社ワクチンにおいて死亡として報告された59例につきまして同様に死因等を示したものでございます。前回と大きな傾向には変化がなく、心筋炎関連事象については今回新規の御報告はなく、4件のままとなってございます。
また、注の4に記載しておりますが、死因等について1例の報告が増えてまいりましたため、今回より2例以上の死因等について掲載しております。1例の報告等につきましては、※1に記載のように資料1-3-2別紙2も御参照ください。
7ページ目から9ページ目におきましては、死亡について国内外を比較できるように資料としてまとめたものでございますので御参照ください。
続きまして、10ページ目以降をご覧ください。まず、11ページ目でございますけれども、前回の審議会におきまして心筋炎、心膜炎はそれぞれ副反応報告基準として定めることについてお認めいただきましたことから、今回より心筋炎、心膜炎、それぞれの製造販売業者からの報告状況につきまして、年齢・性別別の報告件数及び報告頻度を11ページから15ページ目にわたりましてお示ししております。心筋炎、心膜炎はそれぞれ解析した場合におきましても、両疾病、両mRNAワクチンのいずれにおきましても、10代及び20代の男性の報告頻度が多い状況に変わりはございませんでした。なお、アストラゼネカ社ワクチンにつきましては、引き続き心筋炎、心膜炎を疑う報告はございませんでした。
続きまして、18ページ目以降をご覧ください。18ページ目につきましては前回同様一般人口における心筋炎関連事象による年齢別の死亡数の統計を示しております。
19ページ目、20ページ目をご覧ください。こちらは前回同様ファイザー社、モデルナ社それぞれのワクチン接種後に心筋炎関連事象疑いとして報告され、死亡として報告された事例の報告頻度について、一般人口と比較できるよう示した資料でございます。状況といたしましては、今回ファイザー社ワクチンにつきまして、10歳から39歳及び40歳から64歳につきまして、それぞれ1例の追加報告がございましたことを受け、最新値として掲載してございますけれども、前回と状況に変化はございませんでした。
続きまして、21ページ目、22ページ目をご覧ください。こちらは以前、先生方よりお尋ねいただきました劇症型心筋炎の状況についてまとめております。21ページ目におきましてはNDBを用いまして、非ワクチン接種者における劇症型心筋炎の発生率について急性心筋炎と比較できるよう、年齢・性別別で患者数を集計した結果を示しております。劇症型心筋炎については、50代から70代の男性についてやや多い傾向がありますが、その他の年齢や男女差については大きな偏りが見られないのではないかと考えております。
なお、※1にありますとおり、一部10人を下回る部分につきましては、NDBの公開規定に基づき秘匿処理を行っておりますので御了承くださいませ。
続いて、22ページ目をご覧ください。こちらは製造販売業者より新型コロナワクチン接種後に心筋炎を発症したとして報告された事例のうち、劇症型心筋炎が疑われた事例の報告状況をまとめており、ファイザー社ワクチン13件、武田/モデルナ社ワクチン7件の報告がございました。非常に少数の報告ではございますが、傾向を分析するために、表1につきまして、年齢・性別別の報告件数、表2に接種回数別の報告件数、表3におきまして接種から発症までの日数をまとめております。
状況をまとめますと、新型コロナワクチン接種後に劇症型心筋炎が疑われた事例は極めてまれであり、年齢・性別、接種回数、接種から発症日までの日数について一定の傾向は見られず、21ページの非ワクチン接種者におけるデータも考慮いたしますと、非接種者群における劇症型心筋炎の発症頻度との比較におきまして、接種後の報告率はおおむね同等以下であると考えられましたので、御参考になれば幸いでございます。
続きまして、23ページ目から25ページ目におきましては海外主要当局の状況、新型コロナワクチン接種の心筋炎関連事象についてまとめてございますので、御参照いただければと存じます。
26ページ目におきましては、前回の審議会の最新の情報につきましてQ&Aでお示ししているということで御参照いただければと存じます。
続きまして、27ページ目以降をご覧ください。こちらからは3回目接種等についてでございます。
28ページ目に記載がございますけれども、3回目接種開始の12月1日より、今回の審議会のデータロック、12月5日時点までにおきましては、3回目接種後に係る副反応疑い報告の事例はございませんでした。
一方、3回目接種に係る年齢・性別別の推定接種回数につきましては以下のとおりということで、参考としてお示ししているものでございます。
続きまして、29ページ目から34ページ目におきましては参考資料でございますけれども、ワクチン分科会におきまして、審査報告書や海外の報告状況を用いまして、3回目接種に係る安全性についての資料を参考としてお載せしておりますので、御参照いただければと存じます。
また、35ページ目、36ページ目におきましては、伊藤先生にお願いしております健康状況に係る調査の概要ということで、36ページ目の真ん中の列、ファイザー、ファイザー、モデルナのところにおきまして、今後の予定ということでアップデートしてございますので、御参照いただければと存じます。
最後にまとめでございます。38ページ目でございますけれども、死亡例に関する状況については、現時点で大きな傾向に変化はございませんので、死亡に関する論点のまとめとしましては、今後3回目接種の状況についても含めて、集団として引き続きデータを系統的に検討していくということでまとめさせていただいております。
また、39ページ目、40ページ目のまとめでございますけれども、こちらは今回心筋炎、心膜炎それぞれ年齢・性別別に解析しても、その大きな状況に変化はございません。また、劇症型心筋炎についてもまとめさせていただきましたが、現時点でワクチン接種と大きな関係がありそうというデータではございませんでしたので、そちらを39ページ目にまとめさせていただいた上で、40ページ目、引き続き、心筋炎、心膜炎に係るこれまでの検討結果を踏まえても、若年男性も含めてワクチン接種体制に影響を与えるほどの重大な懸念を認められないと考えてよいかということで、御審議いただきたいと考えております。
また、41ページ目におきましては、上段に3回目接種についてのまとめということでございまして、こちらは後ほどの伊藤先生からの御報告も踏まえた上で、国内外の報告によると、現時点では3回目接種の副反応は初回免疫時と同等程度とされているというような状況を踏まえまして、全体のまとめとして、ワクチン接種の継続としてよいかとお諮りするスライドとなってございますので、伊藤先生からの御報告につきましても含めまして御審議いただきたいと考えております。
42ページ目以降につきましては、参考資料として推定接種回数のものを載せてございます。資料1-7-2及び1-7-3につきましては、これまで同様心筋炎のラインリストを示してございます。
また今回、参考資料9及び10におきまして、直近のワクチン分科会2回分の資料を参考としてお載せしております。
また、ワクチンのベネフィットを考えるに当たりまして、参考資料14といたしまして、11月15日のワクチン分科会におきまして鈴木先生より御提出いただきました資料をお載せしておりますので、こちらも御参照いただければと存じます。
以上でございます。
○岡座長 ありがとうございます。
そうしましたら、先ほど申し上げたように議題2に続けて進みたいと思います。副反応疑いの報告状況と関連しておりますので、資料2の新型コロナワクチンの投与開始初期の重点的調査(コホート調査)、健康観察日誌集計の中間報告、これは18回目になりますけれども、伊藤委員から御説明をお願いいたします。
○伊藤(澄)委員 今回は主に12月1日から始まりましたファイザー社のコミナティ筋注の追加接種について報告させていただきます。
アストラゼネカ社のバキスゼブリア筋注については2ページから24ページに示しておりますが、主に2回目接種後の日誌1の症例数が267から414に増えていて、2回目接種後の最終観察までの日誌が231人回収できておりますけれども、データのリバイスがほとんどですので、説明は省略をさせていただきます。
25ページからが、12月1日から始まりましたファイザー社コミナティ筋注3回目接種のデータです。一昨日の12月22日の朝にデータを抽出して整理しておりますので、委員の皆様方にも初見の状況で説明させていただいておりますが、御容赦いただければと思います。
コミナティ筋注3回目接種の調査対象者は、原則として今年の2月17日から接種した先行コホート対象者で、2回目接種後の日誌データを提供していただいた医療従事者1万8582人を主な調査対象者として実施しています。そのときは100施設で実施しておりますが、今回は国立病院機構の東京医療、北海道がんセンター、函館病院、京都医療、大阪医療、岡山医療、広島西医療センター、JCHOの中京病院、四日市羽津医療センター、諫早総合病院、熊本総合病院の合わせて11病院で約3,000人を対象にして安全性の調査をしていて、そのうち500人の方に血清抗体価の調査をしています。22日までに、2,248人の方が3回目接種としてコミナティ筋注を接種されています。
31ページからは、発熱などの特定有害事象の結果を示しておりますが、今回は3回目に注目があるので、上段に3回目接種のデータ、下段に2回目接種後のデータを表示しています。2回目接種時のデータは3回目接種された方のデータだけを抽出していますので、今まで提示させていただいた2回目接種のデータのサブセットになっております。3回目接種単独の方は実は5人だけです。31ページをご覧になると分かりますが、ほとんど同じパターンになっています。
32ページ、33ページは接種部位反応、34ページは倦怠感、頭痛、鼻水ですが、ほぼ同様の頻度になっています。
35ページから38ページは年齢階級別の発熱、局所の疼痛、全身倦怠感、頭痛です。同じ人の年齢階級別で見ていますけれども、2回目と3回目で著しい違いがないということが分かります。
39ページに2回目と3回目の発熱の状況をクロス表にしています。同じ方の2回目と3回目の結果をクロスにしておりますが、ご覧になって分かりますように、2回目に発熱のなかった人46.5%が3回目も発熱はありませんでした。2回目に発熱がなかった人が75%の割合で熱が出ていないという状況になっています。3回目に38度以上の発熱が出た人の半分の51%は2回目も38度の発熱が出るというパターンだということが分かろうかと思います。McNemar testをご覧いただいて分かるとおりで、1回目と2回目で基本的に差がないということです。
40ページは重篤な有害事象ですが、今のところ報告はありません。日誌に記載された個別の症状をMedDRAの24.1でコホートした結果を41ページに示していますが、腋窩痛が約5%、腋窩を中心としたリンパ節腫脹が1.3%、リンパ節痛が0.8%、これは表記の仕方によって分かれておりますが、基本的に同じものを見ていると思いますが、MedDRAの分類ですのでこういった表記になっていますが、2回目接種の1.3%、0.95%、0.48%に比べて明らかに高い。ここは違うということが分かります。
それから、3回目の病休者は10.3%で、2回目のときは8%でした。同じ人たちのうち1回目が10%、2回目が8%お休みになられていたということです。
解熱剤などの使用量は43ページに記載をしております。
今回から抗体価の測定をしています。抗体価は27ページに説明が書いてありますが、抗S抗体が、抗スパイクタンパク質抗体、抗N抗体というのは抗ヌクレオカプシドタンパク質抗体なのですが、ここに示してありますのはワクチンの抗体価を示す抗スパイクタンパク質抗体です。抗N抗体が陽性の方というのは、ウイルスにどこかで感染をされた方ということです。縦軸は対数変換していますので、10倍、100倍、1,000倍となっていますので御注意いただければと思いますが。ワクチン接種8か月程度時間がたっている状況の抗体価です。2回接種後の抗S抗体の抗体価を測っているわけではないので、どの程度減衰しているのか分かりませんが、これから1か月後に抗S抗体を測定しますので、コミナティ筋注のブースター効果については御報告ができると思います。
右上に相関図をつけておりますが、年齢が高い人の抗体価が低くなっている。線形回帰で年齢と性別を投入してみましたけれども、年齢のみが有意で、COVID-19の感染既往も独立変数として入れてみましたけれども、有意ではありませんでした。今回は3月に2回目接種を受けた医療従事者239人のデータですが、最終的に500人近くの測定結果になると思いますが、ロシュの抗S抗体の中央値が535ユニットパーミリリットルでした。
国立宇都宮病院が雑誌のワクチンに出しているデータがあるのですが、同じロシュの抗体価で378人の3か月後の中央値が764、365人の6か月後の中央値が539と出ております。雑誌J. Infect Disに丁度、掲載された、3つのワクチンを比較したマサチューセッツ総合病院の論文では、50人のデータではありますが、ファイザー社の2回目接種後で、同じロシュ社の抗体価で2,455が中央値というデータが出ております。抗体価の減衰のシミュレーションが多少難しいなと思っておりますが、今後は3回目接種後1か月、3か月、6か月、12か月でフォローいたしますので、500人の集団の報告ができると思っております。
なお、御説明がありましたけれども、ファイザー社の初回接種を行った同じ集団、医療従事者に対してモデルナ筋注を12月17日、1週間前から開始しております。安全性の部分に関しては、発熱などを見ますと、ファイザー社のものとほぼ変わらないのかなと思っております。これについても抗体価の測定をいたしますので、同じ先行コホート調査対象者で2~3週間遅れでモデルナ社とファイザー社を接種された方の抗体価の推移を調査しますので、どれぐらい抗体価に違いが出るのかという点についても御報告できるようにします。
最後にまとめを書いておりますが、コミナティ筋注3回目接種は2回目接種とほぼ同じような副反応が起きています。リンパ節腫脹や腋窩痛というのが特に頻度が高くなっているという点が著しく違うということが分かってきております。
報告は以上でございます。
○岡座長 ありがとうございました。
引き続き、多屋委員から資料の提出をいただいておりますので、多屋委員から御説明をお願いできますでしょうか。
○多屋委員 多屋です。よろしくお願いいたします。
国立感染症研究所では、毎月おおむね1回、「新型コロナワクチンについて」というタイトルで、そのときどきのトピックスをまとめております。今月は、その中で5歳から11歳の小児に対するワクチン接種ということにつきまして、主に海外の情報をまとめましたので御紹介したいと思います。
資料1がそちらのほうです。まず、10代の子供の感染者の割合ですけれども、国内の状況を紹介しました。絶対数は少ないですが、全報告数に占める10代以下の割合が23.4%となっており、1月が10.7%であったことと比べますと割合としては多くなっています。
一方、小児の患者は、約半数が無症状という報告があったり、成人より排泄ウイルス量が多いという報告があったり、学校でのアウトブレイクが報告されたりしています。そのため、小児に対するワクチン接種の必要性が議論されてまいりました。
海外の論文ですけれども、米国で行われた研究でThe New England Journal of Medicineに掲載された論文を紹介しているのが次のパラグラフとなります。まず、ファイザー製ワクチンを10、20、30マイクログラムの投与群に割り振りまして、その安全性と免疫原性が最初に評価されています。この結果から10マイクログラムという量が選定されました。
次に、21日間隔で2回接種が年齢中央値8.2歳のお子さんに接種されました。追跡期間は中央値が2.3か月で、両群とも最も多かった局所反応が接種部位の疼痛、そして、ワクチン群では1回目が74%、2回目が71%という結果が紹介されています。
次に、全身反応として最も多かったのが疲労感で、ワクチン接種群で1回目、2回目ともに30%台の頻度が報告されています。これは成人用として使われている30マイクログラムの投与量が用いられた16歳から25歳の報告頻度より低いという傾向でした。観察期間中には重篤な副反応、死亡は認められていません。
次に免疫原性です。2回接種から1か月後に測定された中和抗体について、16歳から25歳群の結果と比較すると、幾何平均抗体価の比は1.04で、事前に規定した成功基準を満たしていたという報告でした。2回目接種から4日以降たった後のCOVID-19の発症予防効果は90.7%、95%信頼区間67.4~98.3と報告されています。この方々は、これから2年間追跡調査が行われる予定のようです。ただ、この人数では非常にまれな副反応は検出することはできませんので、今後は市販後調査の結果が待たれるかと思います。
諸外国の情報としては、米国につきましては11月2日のACIPで、5歳から11歳の接種が推奨、決定されまして、翌日から接種が始まっています。イスラエルでは11月23日から接種が始まっています。欧州医薬品庁からは11月25日に5歳から11歳への接種を推奨する声明が発表されています。イタリアでは12月1日から使用を追加承認されています。日本では11月10日にファイザー社から小児用ワクチンの薬事申請がなされて多分現在審査中と思います。
この年代への接種体制の整備について、厚生労働省から事務連絡が発出されて、来年2月頃から始まる可能性があるということで地方自治体では準備がなされていると思います。注意しなければいけないのは、5歳から11歳用と12歳以上用のワクチンは全く異なるワクチンとなっております。接種をするに当たって生理食塩水でファイザー社製ワクチンは希釈しますが、その希釈量も1.8ミリリットルと1.3ミリリットルと違いますし、接種量も0.3ミリリットルと0.2ミリリットルと違っていますので、これらは非常に注意する必要があると思います。
次に資料2を御紹介したいと思います。これは12月16日に米国でACIPが開かれまして、そのときに紹介された5歳から11歳の小児に対する新型コロナワクチン接種後の有害事象に関する情報をまとめたものとなります。
接種対象回数としてはファイザー社製ワクチンが714万回接種となっています。米国ではv-safeというスマートフォンベースの自主的な監視プログラムとVAERSというワクチン有害事象報告システム、あとVSD、この主に3つの有害事象をモニタリングする制度があります。その中でv-safeにつきましては、ほとんどの副反応は軽症から中等症で、接種の翌日に頻度が最も高く、1回目より2回目のほうがわずかにその頻度が高く、一過性であったと報告されました。
一方、学校を欠席するようなお子さんは1割以下とまれで、病院を受診した方はほとんどいなくて、約1%という結果が紹介されました。局所反応や全身反応は治験の結果とほぼ同等ということでした。
次にVAERSです。これがこの部会で紹介されている副反応疑い報告と同じものになると思いますけれども、11月2日から始まって12月10日までに3,233件の5歳から11歳の小児の報告がありました。年齢中央値が9歳、男女差はなく、人種としては、ヒスパニック系の白人の方と人種・民族不明の方の報告が多かったようです。非重篤と報告された方の中で最も多かったのが、誤った接種量というのが非常に驚きの部分ではありました。重篤と報告された中で最多が発熱の26%でした。症状発症の中央値は接種当日、四分位範囲も0~1日となっていました。
ただ、97%の報告は非重症、重症ではないと報告されているようでした。複雑な既往歴があるお二人のお子さんの死亡報告が記載されていました。
14件の心筋炎報告がありましたが5件はフォローアップ中で、9件中8件につきましては、心筋炎の症例定義は満たしていたものの、臨床経過は良好、軽症であったと報告されました。
VSDにつきましては、0~7日、0~21日間のリスク期間内の心筋炎の報告はなかったとまとめられていました。
簡単ですが、報告は以上です。ありがとうございました。
○岡座長 多屋委員、ありがとうございました。
私たちも次回以降から、もしかしたら今後検討する必要があると思われる5~11歳についての情報をいただいたところです。
続きまして、この部会の資料等に関しまして、副反応疑いの報告状況に関連して、資料の1-8について事務局から御説明お願いします。
○事務局 資料1-8、新型コロナワクチンに係る合同部会資料の構成についてご覧ください。
「1.経緯」でございます。新型コロナワクチンに係る副反応疑い事例の評価におきましては、2月17日以降、本合同部会において検討を行ってきております。評価の開始から直近の集計対象期間までコミナティ筋注に加えましてスパイクバックス、バキスゼブリアが臨時接種で使われるようになっておりまして、3社合わせて計約2億回の接種が行われております。
また、副反応疑い事例につきましては、医療機関、製造販売業者、合わせまして計約5万件が報告されておりまして、継続的にデータが蓄積されているという状況でございます。
また、副反応疑い報告基準につきましては、接種開始時から設定しておりましたアナフィラキシーに加えまして、これまでにTTSや心筋炎、心膜炎が追加されたという状況でございます。このように評価するワクチンや症状の数が増えておりまして、さらに、副反応疑い事例につきましても継続的に報告されておりますので、これらの変化に伴いまして、合同部会におきましては論点や資料の量の増加が続いておりまして、当初設定しました審議時間を超過する状況が続いているという状況でございます。
この状況を受けまして、前回の合同部会におきましては、今後3回目接種や小児に対する接種、交互接種などのしっかりした傾向を把握すべき事項について、焦点を絞った審議の進め方や資料の構成としていく必要があるとおまとめていただいたというのが、これまでの経緯でございます。
「2.資料構成案」でございます。この経緯を踏まえまして、新型コロナワクチンに係る定例の評価資料につきましては、検討が必要な事項に焦点を絞りまして、これまでの議論を踏まえた科学的合理性に基づく議論とするということを念頭に置きまして、次回以降の資料の構成案を検討しております。
具体的な変更内容につきましては2ページ目をご覧ください。両座長とも相談の上、案をまとめております。各資料に沿って順番に御説明していきたいと思います。資料の変更がある箇所に下線と取り消し線を引いております。
まず、資料1-1の変更案から御説明したいと思います。
マル2医療機関から関連ありと報告されたもの、マル3医療機関から関連なし、または評価不能として報告されたものに取り消し線を引いております。これまでは医療機関からの申告に基づきまして、ワクチンとの関連あり・なしの分類表もつけておりました。当初は必要かなと思っておりましたが、別途専門家による中立的な評価を行っておりますし、また、あるいはOE解析などの数的な評価を行う場合には、報告者の見解によらず解析に含めておりますので、効率的な審議を行っていくという観点から落としてはどうかと考えております。
続いて、マル6年齢別の報告件数でございます。小児用製剤が承認された場合は、表に参考として小児用製剤の内数の集計を追加したいと思います。
マル7症状別の報告件数の部分でございますが、これまでは1回目と2回目の合算のみをお示ししておりました。今後はこの1回目と2回目の合算に加えまして、3回目だけ接種を集計したもの、小児用製剤を集計したものに表を分割しまして、それぞれ特徴的な症状がないかを見られるようにしてはどうかと考えております。
細かい変更点としまして、これまで症状はグルーピングしたものとMedDRAの症状名を括弧づけにして2つつけておりましたが、その後、多屋委員に重点的に評価すべき症状を取りまとめていただきまして、また、発症までの日数も、関連症状をまとめてお示しいただけるようになっておりますので、このタイミングでMedDRAの症状名だけに変更しようかなと考えております。
マル8の接種回数別報告件数でございまして、こちらは集計を強化しようと思います。これまでは1回目、2回目それぞれに報告件数の表だけをおつけしておりましたが、新たに接種回数別に性別・年齢別の報告状況が見られるようにしてはどうかと考えております。
3ページ目の中段の1-1-2でございます。こちらは医療機関からの報告内容をラインリストにしたものでございます。
変更点につきましては2点ございまして、1つ目のポツの部分でございますが、ラインリストについて全例から評価期間中に新たに報告があった症例のみに限定するように変更してはどうかと考えております。現在全例でやっておりますので、毎回約数万件の症例を出しておりますが、かえって見にくくなっておると思いますので、動向の把握をしていくという観点からは新規報告に絞ってはどうかと考えております。
2点目、小児用製剤でございますが、こちらは承認されましたらラインリストを抜粋していく必要があるかなと考えております。
1-2-1に関しましては1-1-1と同様ですので、説明は省略いたします。
続いて、5ページ目でございます。1-2-2、製造販売業者から報告があったものをラインリストにしたものでございます。1つ目のポツと2つ目のポツは先ほど1-1-2で御説明したものと同じ内容でございます。3つ目のポツでございますが、企業からの報告では企業にも御協力いただきまして、交互接種の情報が得られますので、交互接種のラインリストも追加していきたいと思っております。
関連して※の部分になるのですけれども、現状3種のワクチンが複数回接種されておりますので、多数のワクチンの組み合わせの副反応報告が想定されます。現状で3回目接種が2ワクチンで認められておりますので、3掛ける3掛ける2で計18パターンの接種があり得ますが、18パターンに報告状況を分けて毎回見ていくというのも現実的ではありませんので、当面は報告症例一覧としてラインリストで評価を実施して、報告状況を踏まえつつ、適切な集計方法も検討していってはどうかと考えております。
注:専門家による因果関係評価の対象事象についての部分でございます。専門家による因果関係評価については、現状発熱も含めて全ての事象について実施しておりますが、今後は以下の方針としてはどうかと考えております。個々のワクチン後に生じる有害事象の因果関係の評価に当たっては、個々の事例の丁寧な情報収集及び評価は重要であるが、個々の事象において因果関係の有無を特定できないことも多く、報告数が増加しつつある現状におきましては、個々の事例について専門家の評価を行っていくとともに、属性等に留意しつつも集団としてのデータを系統的に検討していくのが現在の方針でございます。
今後の因果関係の評価につきましては、既に国内外において一定の副反応疑い事例が蓄積されておりますので、集団としてのデータの評価を基本としまして、厚生労働省及びPMDAにおいて継続的に安全性のシグナルの検知を行いまして、検討すべきシグナルが検出された場合には、速やかに合同部会に報告させていただこうと思います。
また、迅速な評価・検証が必要なマル1からマル4の事象を対象にしまして、専門家による個別症例の因果関係評価も継続的に実施いたしまして、個別症例単位での評価と集団としてのデータの評価を組み合わせた安全性の評価を実施するという体制としてはどうかと考えております。なお、具体的なシグナル検知の流れにつきましては、本日参考資料12という形でおつけさせていただきました。
資料1-2-3は各症例の概要をまとめた資料でございますが、1-2-2の症例の一覧と資料構成を対応させていただきました。
最後に資料1-3から1-6でございます。死亡事例と報告基準に定められた症状につきまして、報告状況と専門家評価の結果をまとめた資料でございます。基本的にはこれまでどおりお出ししていくことを考えておりますが、3回目と小児用製剤がもし承認された場合には、別途集計を追加する必要があるのではないかと考えております。
また最後に、バキスゼブリアのアナフィラキシー事例につきましては、当初は医療機関のデータで実施しまして状況を見つつ、製造販売業者のほうにデータを切り換えていくという方針と当初からしておりましたが、このタイミングで合わせて切り換えてはどうかと考えております。
資料の説明は以上です。
○岡座長 ありがとうございました。
ただいまこれまでの副反応疑い報告の状況について御説明をいただきました。
本日の会議の進め方ですけれども、先ほどから事務局からも御説明がありましたように前回の議論において資料の量や論点の増加傾向にあることを踏まえて、今後、ある程度焦点を絞った審議の進め方をしていく必要があるとまとめられていたかと思います。これまでは想定される全ての論点を取り上げて順に議論をしておりましたが、十分なデータ、これまでの解析の結果もまとまっておりますので、会議資料については事務局から委員へ事前送付されており、また、資料の説明をしていただいておりますので、今回からこの場においては死亡事例や発生動向の変化があった副反応などに論点を絞って、効率的に安全性の評価を行えるようにしていきたいと思います。
それによって、むしろ重要な論点につきましては、これまでよりも十分に必要な審議が行えるのではないかと思っております。御協力をお願いしたいと思います。
そのような観点から、本日の新型コロナワクチンの安全性評価について、1番として死亡事例について、2番としてTTSの疑いの事例について、3番、今後の会議資料の構成について、4番、そのほかとしてコホート調査などのその他の論点についてといったような順で議論を進めさせていただければと思います。よろしいでしょうか。
そうしましたら、死亡報告についてからいきたいと思いますけれども、死亡報告については、先ほど今回の報告の中でスパイクバックスの回収ロットにおける新規の死亡事例の報告もございました。あまり十分な情報ではなかったようですけれども、資料1-7-1の38ページにおいて事務局から論点が取り上げられております。どう考えるか、何か委員の皆様から御意見・御質問はございますでしょうか。お願いいたします。
よろしいでしょうか。まず、スパイクバックスの回収ロットに関しては情報量が不十分であるということもありますので、特段現時点で問題であると考えなくてもよろしいのかなと思っております。そのほかはいかがでしょうか。今回、3回目は結局、まだ副反応報告が出てきていないということですので、従来の御審議いただくのと内容としては同じ枠組みになろうかと思いますけれども、よろしいでしょうか。
ありがとうございます。そうしましたら、次に進めさせていただきたいと思います。
続きまして、今度はTTSについてですけれども、TTS疑い事例、今回、バキスゼブリアの筋注接種後の事例の御報告、新規の疑い事例の御報告がございました。症状としては典型的ともいえるような症状が出ていて、血清的なマーカーも陽性になったというようなことかと思いますけれども、何か御意見・御質問等はございますでしょうか。
濱田委員、お願いします。
○濱田委員 今回で2例目ということで報告され、御高齢の方ではないかと思うのですが、先ほど10万人が打っていらっしゃるということだったと思うのです。10万人で2例のTTSの症例ということなのですけれども、これは欧米でアストラゼネカが承認されている国で、今までのデータからして、頻度として妥当な数なのでしょうか。もちろん40歳未満のほうがそれは多いのですけれども、40以上でこの2例というのは、頻度としてどうかということをもし分かれば教えていただければと思います。
○岡座長 事務局からお願いいたします。
○事務局 御指摘ありがとうございます。
資料1-5-3の部分にブライトン1から3に関する報告頻度のデータをおつけしておりまして、100万回当たり9件という形になっておりますが、今回、集計対象期間外に1件ございますので、そこまで踏まえますと、100万回当たり18件というのが現在の状況でございます。今回、資料としてお示ししておりませんでしたが、前回までTTSの海外の報告状況もおつけしておりまして、米国のヤンセンのワクチンですと100万回当たりが3.3、英国のバキスゼブリアですと1回目が15.2で2回目が2、欧州のバキスゼブリアですと8.2でございますので、顕著に高いというわけではございませんが、低いわけでもございませんので、やはり引き続き状況の注視が必要かなと思います。
○濱田委員 どうもありがとうございます。
○岡座長 ありがとうございます。大事な御指摘かなと思います。
そのほかはいかがでしょうか。
この点については、引き続き丁寧に見ていただくということでお願いできればと思います。よろしいでしょうか。
そうしましたら、今後の資料構成について、先ほど論点を今後整理していく上で、特に3回目の接種と交互接種というのが一体どのような副反応上の意味を持つのかというのはなかなかやってみないと分からないということもありますので、その点も含めて、あと、先ほど多屋委員からお話もありましたように、小児用の製剤がもし承認をされた場合、それを先生方には見ていただく必要がこれからあるわけですけれども、それを踏まえての資料の作成の御提案というようなことがございましたけれども、何か御意見はございますか。3回目のほうがどういったような形で資料が出てきて、それが見やすいのか、私も見てみないと本当に分からないと思っている次第ですけれども、また、それを見て御判断いただくということで、今回のように資料としては出すけれども、ここでは変化がなくて御説明しないという会議の進め方プラス一部資料を割愛する部分、追加されるものがかなり、3回目接種等があるというような御説明かと思いますけれども、よろしいでしょうか。
ありがとうございます。また気づいたことがありましたら、御意見を寄せていただければと思います。
佐藤委員、どうぞ。
○佐藤委員 先ほど多屋先生のお話で、小児用の製剤と大人用の製剤で打つまでの準備などの調製方法が大分違うことが原因で副作用が出ているというご指摘がありました。それを副作用と言っていいのかどうかというのも難しいところかなと思うのですけれども、用法的な部分での何らかのアドバースエフェクトというものが出てきたときに、この会で例えばSOPを整備しましょうという話になるのでしょうか。
○岡座長 ありがとうございます。
確かにACIPでは、多屋先生がおっしゃったように副反応の中に書き込まれているわけですけれども、ここで議論すべきかどうかという点については、ちょっと私自身も少し違うのかなと思っているのですけれども、何か厚労省のほうからその辺りはございますか。
○事務局 前提としまして、まだ承認されているわけでもございませんので、なかなか今この場で議論ができないということと、今、座長から御指摘いただいたとおり、この場での所掌ではないかなと思いますが、いずれにしましても企業もよくこの状況を把握していると思いますので、よく情報提供していくことになるかなと今の段階では思っております。
○佐藤委員 分かりました。
ということは、報告基準が海外とは異なる可能性もあるということですか。
○岡座長 ACIPの場合には報告をされていますので、ただ少し、今回この部会に上げてくる内容とはまたちょっと違うのかなと考えております。
○佐藤委員 分かりました。長期的なお話になると思いますのでまた改めて、引き続きお願いできればと思います。ありがとうございます。
○事務局 先生の御指摘は、いろいろな報告が上がってくると思いますけれども、それでいろいろな使用方法とか、いろいろな論点があると思いますが、それらへの対応だと理解しております。もし、特記的な事項があれば、それはここで議論するかどうか別にして、我々としてはそれをちゃんと企業にも相談をし、必要な対応を取ることになります。そういう意味で、何らかのリターンはさせていただきたいと思っております。
○岡座長 ありがとうございます。
佐藤委員もおっしゃるとおり、どのように扱っていいのかというのも御指摘のとおりかと思いますけれども、それは少し、この部会の本質としては、やはり副反応が科学的にどのように起こってくるのかというところを資料から見極めるということ、我々としてはほかの部会ではできないことですので、そこはやはり責任を持って集中してやっていきたいと思いますけれども、多屋先生もおっしゃるとおり、あのACIPのデータを私も見たときに目を疑って、本当に注意しなければと思ったので、ここで共有していただいてありがとうございました。
そのほかいかがでしょうか。
森尾委員、お願いします。
○森尾委員 取りまとめ、ありがとうございます。
資料1-8の5ページ目に書いてある専門家による因果関係評価の対象事象について、これまでもそれぞれ報告していただいたものを専門家の方に評価していただいていたのですけれども、今回、本当にきれいにめり張りをきかせて取りまとめていただいてありがたいと思っております。特に小児用製剤は承認された場合、副反応疑い事例を全て評価していただくとありがたいなと思っています。
その中で、厚生労働省とPMDAで安全性のシグナル検知を行っていらっしゃるということで、今回、参考資料12を示していただいていますけれども、これが出てくるのは初めてでしょうか。ちょっと記憶になくて、これは非常に重要な部分なので、こちらの内容について簡単に御紹介いただけると理解が進むのかなと思っておりますが、いかがでしょうか。
○事務局 こちらの工程自体はこれまでもやっておりましたが、きちんと御紹介するのは初めてですので、改めて御説明したいと思います。参考資料12でございます。
参考資料12に関しまして、添付文書の改訂をどのような形で行っているかをまとめたものになるのですが、最後の9ページをご覧いただければと思います。フローをつけておりますのでこちらの流れで御説明したいと思います。
一番右上の部分に国内副作用症例報告、感染症症例報告、措置報告、研究報告というのがございますが、国内副作用症例報告というのが、まさに先ほど御紹介したような副反応疑い報告でございまして、ほかにも感染症の症例の報告や海外の措置状況、あるいは重要な研究といったものをデータベースに格納いたしまして、データマイニングの手法なども使いましてスクリーニングを行っております。そこでシグナルが検出されたものにつきましては企業の照会も踏まえつつ、シグナルの検証と評価を行っておりまして、そこで安全対策の対応が必要と考えられた場合は、専門家協議と書いておりますが、外部の専門家の意見も踏まえつつ、最終的な対応案を検討しまして、最終的には添付文書の改訂につなげていくといった流れを想定しております。
このような流れは日常的に行っておりますので、こういったものや、あるいはOE解析の結果もこれまでもお示ししておりますが、こういったものでシグナルが上がってきましたら、速やかにこの合同部会に報告していって議論をお願いしたいと今考えております。
○森尾委員 バックグラウンドでこうやってしっかり見ていただいているということ、改めてありがとうございます。
○岡座長 ありがとうございました。
宮川委員、お願いいたします。
○宮川委員 今、森尾委員が大切なことを私たちに教えてくださったのだと思います。臨床現場においてもこのようなことが逐次行われて、それで詳細にわたって報告されているということがあるのですが、それを見る側がしっかりとそれを注視していないということも問題なのではないでしょうか。そのことに対しても広く皆さんに広報するというか、お知らせしていくことが非常に重要なことかと考えております。
以上でございます。
○岡座長 ありがとうございました。
こういう意味で言いますと、シグナルが出てきたのは心筋炎が、そういう意味では海外と同様に我が国でも治験の後に出てきたシグナルということになるのかと思います。それに関して、今回も資料の中にございまして、前回とあまり大きな傾向の変化はないのかなと私自身は判断しておりますけれども、そういったようなことを確認しながら、この作業を進めていくのかなと思います。よろしいでしょうか。
ありがとうございます。私も勉強になりました。
そうしましたら、最後に、そのほかの副反応やコホート調査、先ほど伊藤澄信委員から3回目のデータもお示しいただきましたけれども、御意見・御質問等をいただければと思います。よろしくお願いします。
濱田委員、お願いします。
○濱田委員 伊藤先生の調査、どうもありがとうございます。非常に参考になる結果だと思います。2点だけお聞きしたいのです。
リンパ節症が3回目のファイザーで結構高いと、モデルナも確か3回目で高いというのが、海外の文献でも出ているのですが、多分、免疫反応が強く出ているということの解釈なのでしょうか。それから、ほかのワクチンでも同じようなリンパ節症というのが、このぐらいの頻度で出るのかということが1点です。
もう1点が、抗体を測ってらっしゃるというデータを今回出していただいたのですけれども、大ざっぱに見て、副反応との関係というのは何か先生のデータから言えるのですか。抗体が高い場合、副反応で局所反応が多い、あるいは全身反応がよく出る方で抗体がかなり上がっているとか、何かそんな関係がもし先生のデータ、ないしは海外のデータで言えるのであれば教えていただきたいと思います。
○岡座長 伊藤委員、お願いいたします。
○伊藤(澄)委員 リンパ節の腫脹がこれだけ高頻度に出るというのは、私自身は新型インフルエンザ、鳥インフルエンザとか、インフルエンザのワクチンの開発をずっとやっておりますが、これだけ高頻度のものは経験としてはございません。ですので、免疫を高める作用が大変強いワクチンなので、そういったことが関係しているのかと思っておりますが、今後の抗体価の推移で少しは分かってくるのではないかと思っています。
2点目ですが、濱田先生だけでなくて個人的には興味を持っていて、実は今回の抗体価、9か月後の抗体価の高い人は2回目の接種のときの副反応はどうかというのは線形回帰をやりました。残念ながら出ませんでした。今回、打っておりますので、3回目の接種と抗体価の推移については次回御報告させていただきますが、発熱があった人は抗体価が高く残っているのではないかという仮説は今のところ崩れております。
以上です。
○濱田委員 どうもありがとうございました。
○岡座長 ありがとうございました。
私も周りの方に慰めとしてそういうようなことを軽々しく言ったりもしておりましたけれども、そういうことは非科学的ということになろうかと思います。引き続き3回目について解析いただけるということで、教えていただければと思います。
森尾委員、お願いいたします。
○森尾委員 資料1-7-1の副反応疑い報告の状況についてで、21ページ目のところでNDBによるレセプトの集計の概要ということで、今回も劇症型心筋炎の発生状況についてまとめていただいて本当にありがとうございます。
その中で、下の段のほうに急性心筋炎というまとめがございまして、ちょっとこれはコメントなのですが、10代から70代の男性に、やはり女性と比べると多い傾向があるのかなというところ、あと、やはり年齢ごとの人口分布を考えても20代の男性がちょっと多いなという気がしております。これはバックグラウンドのデータとして非常に重要だと思うのですけれども、何か専門の方から御意見があればと思ってコメントをさせていただきました。いかがでしょうか。
○岡座長 事務局のほうから追加の御発言はございますか。
○事務局 森尾先生、ありがとうございます。
今回、この資料は劇症型心筋炎と急性心筋炎を比べるという意味でお示ししたものであり、急性心筋炎に関しての傾向については特にコメントしておりませんでしたけれども、御指摘のとおり今回急性心筋炎ということでまとめますと、男性の20代のところに緩やかなボリュームゾーンがあるのかなというところで、ワクチン接種後の心筋炎に比べると、緩やかではあるけれども、確かにワクチン接種後の心筋炎についても、こうしたバックグラウンドの紛れ込みが一定程度含まれている可能性があるのではないかなと読み取れるデータかと考えています。
ただ、こちらに対して解析を行っておりませんので、あくまでもそのような可能性があるのではないか、といったところかと存じます。
以上でございます。
○森尾委員 ありがとうございました。
○岡座長 伊藤清美委員、お願いいたします。
○伊藤(清)委員 伊藤澄信先生にお伺いしたいのですけれども、先ほどの話のような内容に戻ってしまって申し訳ないです。2回目、今までワクチンを接種して、副反応が強かったのでもう接種したくないといったような人も結構いるのですけれども、先生の解析ですと、39ページ、発熱に関しましては傾向としては2回目に発熱していても3回目にはあまりしなかった人が割と多いと読めるのか、あるいは逆に2回目に発熱していなくて、3回目のほうが発熱が高かったという人は割と少ないのかなとも読めるのですけれども、ほかの副反応に関しましても、このような解析というのは今後お願いできるものでしょうか。
○岡座長 お願いします。
○伊藤(澄)委員 ありがとうございます。
今回のほうがどちらかというと、統計学的には2回目と3回目はほぼ同じ反応を示すというデータだと思っております。ですので、1回目に熱が出なかった人は2回目も出ない可能性のほうが高いと思っています。
ほかの反応に関してもクロス表をつくることは可能なのでやってみます。全部当たるのは少し手間がかかりますので、まだ今回は発熱だけでデータを提示させていただいておりますが、ある程度データが集計できた段階で、2回目と3回目の副反応がどんな関係になるのかというのは提示させていただきます。
○伊藤(清)委員 ありがとうございます。
それと、1回目と2回目の接種間隔というのは比較的皆さん、ファイザーのほうで3週間、モデルナのほうで4週間と大体一定だったと思うのですが、今回、この3回目の接種というのは結構2回目からの間隔に個人差が出てしまうことになるかと思うのです。伊藤先生の調査は、ほぼその期間というのは一定になっていたということでしょうか。
○伊藤(澄)委員 御指摘のとおりで、2月17日から25日の間に1回目の接種をされた人で、2回目は多少ずれている可能性はありますが、3週間ぐらい後で2回目を打たれた人から約9か月で、ほぼ12月1日から10日ぐらいまでの間に打たれていますので、期間としてはほぼ一定と御理解いただければと思います。
間隔がずれているものについては、全部調べることもできますので、ずれがあるかどうかについては、また提示させていただきますが、今の段階ではほぼ一定の集団でこういった状況が見られたということで御理解いただければと思います。
○伊藤(清)委員 ありがとうございます。
このコホート調査ですと難しいのかもしれませんけれども、もし今後、接種間隔による副反応の違いみたいなデータがあるようでしたら参考になるかなと思いましたので、よろしくお願いいたします。
以上です。
○岡座長 ありがとうございました。
倉根委員、お願いいたします。
○倉根委員 資料1-7-1の12、13ページ辺り、心筋炎と心膜炎の質問なのですけれども、この委員会のどこかでこの議論が既に出ていたかもしれないので、もしそうであれば申し訳ありませんが、再度お答えいただければと思うのです。心筋炎と心膜炎、1人の患者さんで両方が報告されてくるような例はありますでしょうか。そうすると、数としては心筋炎にも含まれるし心膜炎にも含まれるというような形になるのでしょうか。
○岡座長 事務局、お願いいたします。
○事務局 御指摘のとおりでございまして、報告書の中では心筋炎と心膜炎の両方が書き込まれている事例もございます。このため、資料の説明といたしましては、11~15ページ目におきましては件数、とお考えいただければよく、単純にこれを足し合わせたものが心筋炎関連事象の合計の人数とはならないという状況でございます。
また前回、調査票のお話がございましたけれども、調査票におきましても臨床の先生が両方併発していると考えられる場合におきましては、両方の調査票をお出しくださいということでお示ししておりますので、今後はそういった形での情報の蓄積がされてくるものと承知してございます。
以上でございます。
○倉根委員 ありがとうございます。
もう一つ、それとちょっと関連してなのですが、モデルナ、あるいはファイザーそれぞれ心筋炎も心膜炎も報告ありますが、モデルナに多い。これは発症メカニズムとしては似たようなメカニズムで、心筋炎が非常に強く出る場合、あるいは心膜炎という症状として出る場合、あるいは両方がオーバーラップして出る場合があり、それは個人によって違う、そういう理解になっているのでしょうか。いかがでしょうか。
○岡座長 事務局、よろしいですか。
○事務局 事務局でもメカニズムについては引き続き何らかの情報がないかということで見ておりますけれども、まだ一定の見解というのはなかなか論文ベースでも示されていない状況です。考察の部分で幾つか記載のあるものはあるのですが、そこについては今後議論されるところかと感じております。
データにつきましては、今回の資料も、以前の心筋炎関連事象としてまとめたものについても同じですけれども、あくまでも疑い報告であって、こちらに関しては今後、多屋先生にも御協力いただきましてつくらせていただいた調査票で、より心筋炎として、あるいは心膜炎として確からしいものについて報告件数が上がっていく中で、その傾向等も見えてくるものと思います。また、その調査票の中で出てきたデータも含めて、今後少し科学的なメカニズム等についても切り込んでいく可能性があるのではないかなと感じております。よって、現時点では、お載せしているものはあくまで疑い報告としての件数でございますので、引き続き情報の評価分析が必要なのではないかと感じております。
以上でございます。
○倉根委員 ありがとうございます。
○岡座長 ありがとうございます。
海外の論文でもその辺りは機序も十分分かっておりませんので、今後、資料がまた出てくると思いますので、そういうのを見ながら検討していければと思います。
そのほかはいかがでしょうか。
○事務局 先ほどリンパ節症について少し話題になっておりましたので補足いたしますが、11月10日に公開されておりますファイザー社追加接種に係る審査報告書の記載でございます。ここでこの副反応に関しまして、企業の申請内容としましての説明でございますが、この第2、第3パートでファイザー社ワクチンの追加接種後、1か月までの有害事象について述べられておりまして、リンパ節症が5.2%であったと、306例中16例であるということでございまして、これは初回免疫後の発現割合0.4%よりも高いということでございます。
一方で、このリンパ節症の発現割合の増加は、追加接種後に2回接種後を上回る高い中和抗体価が認められたことに関連すると考えるが、ほとんどの場合が軽度で治療を要さずに回復したことから、追加接種の実施を妨げるものではないと考えると説明がなされております。
以上でございます。
○岡座長 ありがとうございました。
先ほどの御質問に関連した情報を提供していただきました。
そのほか、御質問等はございますか。いかがでしょうか。全体を通じてでもよろしいですが、よろしいでしょうか。
そうしましたら、これまで御議論いただいた内容をまとめたいと思いますので、御一緒によろしくお願いをいたします。
まず、副反応の疑い報告の傾向としてでございますが、対象期間における新型コロナワクチンの副反応疑い報告について、副反応疑い事例全体の報告状況や年齢・性別の報告状況、ロット別の報告状況、アナフィラキシー及び心筋炎疑い事例における報告状況や専門家評価の結果、これらについて動向の大きな変化はない。
なお、コミナティについては12月1日から3回目接種が開始されたが、今回の集計対象期間中に副反応疑い事例の報告はなかったとまとめさせていただきました。
続きまして、死亡事例についてですけれども、死亡事例の報告状況を整理すると、コミナティについては前回の集計対象期間から12月5日までに新たに28件の死亡事例の報告があった。専門家による評価では接種開始以降報告された1,343例については、1,335件がγ、8件がβと評価された。また、12月6日から12月17までには、さらに22件の報告があった。
スパイクバックスについては、前回の集計対象期間から12月5日までに新たに6件の死亡事例の報告あった。専門家による評価では接種開始以降報告された59件については、58件がγ、1件がβと評価された。12月6日から12月17日までには、さらに6件の報告があった。
また、回収対象ロットについては、報告済みの症例と重複している可能性があるが、12月23日までに新たに2件の死亡事例の報告があった。
バキスゼブリアについては接種開始以降、集計対象期間までに死亡事例の報告はなかったが、12月6日から12月17日までに1件の報告があった。この1件の報告について専門家による評価を実施しγと評価された。
以上に基づいてですけれども、死亡例の報告に関しては、被接種者の属性や海外の報告状況も鑑みても、現時点において引き続きワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないとまとめさせていただきました。
続いて、TTSについてでございますけれども、TTS疑い事例の報告では、コミナティ及びスパイクバックスについては、報告状況や専門家評価の結果に動向の大きな変化はない。バキスゼブリアについては、接種開始以降、集計対象期間までに新たな疑い事例の報告はなかったが、12月6日から12月17日までに新たに1件の報告があった。専門家による評価では、接種開始以降報告された2件については、いずれの事例もブライトン分類レベル1、因果関係評価はαとなっております。
引き続き、国内の接種状況を踏まえつつ、国内外における報告状況を注視していくとともに、最新の情報の周知及び注意喚起を行っていくという従来の方針を続けるということにさせていただきました。
そして、現時点において、ワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないと考えているとさせていただきました。
最後に今後の会議資料等についてでございますが、会議資料については本日の議論を踏まえ、次回以降、事務局にて対応をお願いするということにしたいと思います。
また、今後議論が効率的かつ効果的に進むよう、委員、事務局においては、資料の事前送付や事前確認、論点の整理など、引き続き御協力をお願いしたいと思います。委員の先生方も事前に資料を多数目を通すのに、本当にお時間が大変かと思いますけれども、どうか御協力をお願いして、できるだけここで本当に大事な点について御議論を十分に御一緒できればと思います。
以上、このようなまとめ方でよろしいでしょうか。
(委員首肯)
○岡座長 ありがとうございます。皆さんうなずいていただいているということで進めさせていただきます。
以上、今回の報告のあった具体的な事例を踏まえ、3種類の新型コロナワクチンについて、現状の取扱いを変更する必要があるかどうか、御意見はございますでしょうか。特に御意見がなければ、御審議いただいたワクチンについては、これまでの副反応報告によって、その安全性において重大な懸念は認められないという評価でよろしいでしょうか。
(委員首肯)
○岡座長 ありがとうございます。それでは、そのような審議をいただいたということにさせていただきます。
そのほか、全体を通じて御質問・御意見はございますでしょうか。
山縣委員、お願いします。
○山縣委員 参加が遅れましてすみません。
これまでのことに関しまして、むしろ御礼なのですが、それぞれ臨床の現場の先生方が副反応等の情報を真摯に出していただいたので、こういう評価ができているということに深謝しますとともに、加えて、今回、NDBのデータベース、すなわち、レセプトと特定健診等の情報データベースが本当に活用できていて、そういう意味では、これまでの国の情報データベースとその活用について、こういう場でも生かされているということに関して、精力的にそれを含めて解析していただいた先生方にも御礼を申し上げたいと思います。
以上です。
○岡座長 確かに大事な御指摘かと思います。バックグラウンドデータをこういう形で出していただけるというのは本当にありがたいことだなと思います。
そのほかはよろしいでしょうか。事務局から何かありますか。
○事務局 本日は、長時間にわたりまして活発に御議論いただきまして、ありがとうございました。
次回の開催につきましては日程調整の上、日時について御連絡をさし上げます。
○岡座長 それでは、本日の会議はこれで終了といたします。活発な御議論をありがとうございました。