年金[年金制度の仕組みと考え方]
第16 年金事業運営
1.年金事業運営の概要
(1)日本年金機構の概要
2010年1月1日、旧社会保険庁が廃止され、政府が管掌する公的年金事業の運営を担う非公務員型の公法人である日本年金機構が設立された。
日本年金機構は、公的年金事業及び公的年金制度に対する国民の信頼の確保を図り、もって国民生活の安定に寄与することを目的として、厚生労働大臣の監督の下、国と密接な連携を図りながら公的年金事業に関する業務運営を行っている。
具体的には、厚生労働省が定めた中期目標に基づき、日本年金機構は中期計画及び各年度の年度計画を策定し、これらに基づいて計画的に業務を行っており、日本年金機構は事業年度ごとの業務の実績について報告し、厚生労働大臣が評価を行っている。また、社会保障審議会年金事業管理部会において、中期目標及び業務の実績評価を諮問している。
(2)日本年金機構の業務
日本年金機構においては、国民の生活をしっかり支えていくために、主に5つの業務を行っている。
(1)公正公平に年金制度に加入していただくための適用業務
(2)個人の方、事業主の方ともにきちんと保険料を納付していただくための徴収業務
(3)年金を正確かつ迅速に支払うための給付業務
(4)年金記録の正確な管理や、ご自身の年金記録を確認することができる仕組みを提供する記録管理業務
(5)年金に関する質問や相談に対応する相談業務
2010年1月1日、旧社会保険庁が廃止され、政府が管掌する公的年金事業の運営を担う非公務員型の公法人である日本年金機構が設立された。
日本年金機構は、公的年金事業及び公的年金制度に対する国民の信頼の確保を図り、もって国民生活の安定に寄与することを目的として、厚生労働大臣の監督の下、国と密接な連携を図りながら公的年金事業に関する業務運営を行っている。
具体的には、厚生労働省が定めた中期目標に基づき、日本年金機構は中期計画及び各年度の年度計画を策定し、これらに基づいて計画的に業務を行っており、日本年金機構は事業年度ごとの業務の実績について報告し、厚生労働大臣が評価を行っている。また、社会保障審議会年金事業管理部会において、中期目標及び業務の実績評価を諮問している。
(2)日本年金機構の業務
日本年金機構においては、国民の生活をしっかり支えていくために、主に5つの業務を行っている。
(1)公正公平に年金制度に加入していただくための適用業務
(2)個人の方、事業主の方ともにきちんと保険料を納付していただくための徴収業務
(3)年金を正確かつ迅速に支払うための給付業務
(4)年金記録の正確な管理や、ご自身の年金記録を確認することができる仕組みを提供する記録管理業務
(5)年金に関する質問や相談に対応する相談業務
2.年金制度の安定的な実施(適用、徴収、給付等に係る取組み)
国民皆年金制度が実効性を持った制度として安定的にその機能を果たしていくためには、加入義務のある方に制度を確実に適用し、負担能力に応じた保険料を着実に徴収した上で、受給権者に対して正確に給付を行っていく必要があることから、日本年金機構においては、次の(1)から(5)までの取組を実施している。
(1)国民年金の適用促進
国民年金は、日本国内に住所がある20歳以上60歳未満のすべての方に加入義務があることから、その適用促進に向けて様々な取組を行っている。
① 確実な適用の実施
・ 20歳到達者については、地方公共団体情報システム機構(以下「J-LIS」という。)から提供される情報に基づき、国民年金第1号被保険者となることが把握できた全ての方の加入手続を速やかに実施(2021年度実績…99.2万人)。
・ J-LISから提供される情報により把握した34歳、44歳及び54歳到達者については、基礎年金番号が付番されていない方等に対し国民年金加入の届出勧奨を実施した上で、届出がない場合にも国民年金第1号被保険者としての加入手続を実施。
・ 退職者及びその被扶養配偶者に対して、国民年金第1号被保険者への種別変更の届出を自主的に行うよう、届出事由の発生時から2ヶ月後に届出勧奨を実施(勧奨後もなお届出がなかった場合も、国民年金第1号被保険者としての加入手続を実施。)。
・ 市町村に対し定期的な情報提供及び研修会の開催等を通じて連携を図り、適正な事務を促進。
② 無年金及び低年金の防止に向けた取組
・ 強制加入期間内(20歳以上60歳未満)で受給資格期間(120か月)を満たすことができない方に対して、任意加入制度(60歳以上)の勧奨を実施。
・ 保険料免除等の承認後2年目、9年目の追納可能期間を有する方等に、追納勧奨を実施(承認後10年以内であれば追納することができる)。
(2)国民年金保険料の納付率向上
公的年金制度が十分な機能を果たすためには、国民年金保険料の未納者を減らし、納付率[1]向上を図ることが肝要であるところ、継続的な取組によって納付率は年々向上している(2021年度実績…現年度納付率73.9%(2021年度分保険料)、最終納付率78.0%(2019年度分保険料))。
① 保険料を納めやすい環境づくりの推進
・ 現金で保険料を納めている方への口座振替及びクレジットカードによる納付について勧奨を実施(2021年度の口座振替及びクレジットカード納付実施率(利用者数の割合)…40.8%)。
・ コンビニエンスストアやインターネットバンキング、クレジットカードによる納付を可能とするとともに、その利用を促進(これらの方法による2021年度の納付件数…2,121万件)。
② 若年者への対応
・ 20歳到達による資格取得時期や学生納付特例期間終了時期をとらえた口座振替などの届出勧奨を実施。
・ 未納者には、20歳到達による資格取得後や学生納付特例期間終了後の時期の納付状況に応じた催告文書を送付。
③ 免除等の周知・勧奨
・ 免除や学生納付特例(学生の間の保険料納付を猶予し、後で納付できる仕組み)の周知・勧奨を着実に実施し、年金受給権確保と年金額増額を図る。
④ 長期未納者への対応
・ 受給要件満了間近(50歳台かつ受給資格期間60月以上120月未満)の24か月未納者に対し、受給資格を得るまでの期間を明示した納付勧奨を実施。
・ 厚生年金保険適用の可能性がある国民年金第1号被保険者の解消を図るため、一定の所得がある長期未納者に対し就労状況調査を実施。
⑤ 強制徴収の着実な実施
・ 控除後所得が300万円以上かつ7か月以上保険料を滞納している方について、納付の状況などを踏まえつつ最終催告状を送付。
・ 最終催告状を送付しても自主的に納付しない方については、督促状を送付して滞納処分を実施。
(3)厚生年金保険等の適用促進
厚生年金保険・健康保険は、原則として法人の全事業所と、従業員数が常時5人以上の個人事業所(一定の業種を除く)に加入義務があるところ、将来的な無年金・低年金の発生防止や事業主の負担の公平性を確保するため、適用すべき被保険者がいる事業所への計画的な適用促進対策を実施している。
① 未適用事業所の適用促進
・ 国税源泉徴収義務者情報及び雇用保険被保険者情報を活用した加入指導に加え、法人登記簿情報などを活用した新設法人への早期の加入指導の実施により、未適用事業所のさらなる解消を実施。
・ 加入勧奨などによっても事業主から応答がないといった、実態確認が必要な法人事業所については、実態確認を実施。
② 事業所調査による適用の適正化
・ 優先度を踏まえた対象事業所の選定を行い、臨場、呼出、郵送等の手法を組み合わせ、事業所調査を実施。
・ 雇用保険被保険者情報の提供を受け、厚生年金保険の適用の可能性がある方を特定し、その情報に基づき効果的・効率的な事業所調査を実施。
・ 法務省から提供される外国人情報により判明した未適用の外国人労働者を雇用する事業所に対して、順次事業所調査を実施。
③ 届出にかかる事務処理の迅速化
・ 資格取得届などの処理に最優先で取り組むとともに、電子申請による届出処理の迅速化に向けたシステム改修を実施(2020年4月と2021年4月とを比較すると「資格取得届」「被扶養者異動届」に係る平均処理日数が約1日程度減少)。
・ 手続きの簡素化を推進する観点から、手続きの見直し(住所変更届等の原則廃止)、添付書類の省略・廃止等を推進し、電子申請を利用しやすい環境を構築。
(4)厚年年金保険料等の納付率向上
厚生年金保険料・健康保険料の徴収については、公正・公平な保険料収納の確保に向けた取組を継続的に実施しており、日本年金機構設立以来、毎年高い実績を挙げている。
① 口座振替の利用促進
・ 口座振替を利用していない事業所に口座振替の利用案内を送付し、新規適用事業所に口座振替の利用促進を必ず行うとともに、申請書の提出がない事業所には電話勧奨を行うなど、口座振替の申請勧奨を継続的に実施。
② 滞納事業所に対する納付指導、換価の猶予および滞納処分
・ 滞納事業所から納付困難との申出があった場合は、事業所の財務状況や資金繰り計画等を丁寧に聴き取った上で、法定猶予制度の案内を徹底するなど、事業所の個々の実情に応じて、適切に対応。
・ 適正な納付計画の策定にむけた納付協議に応じず法定猶予制度の適用がない事業所に対しては、財産調査や財産の差押等の滞納処分を実施。[2]
③ 徴収が困難である事業所に対する徴収対策の徹底
・ 困難性が高く、滞納期間が長期となっている事業所の滞納対策として、2021年4月に日本年金機構本部・特別徴収対策部を設置し、徴収体制を強化。
・ 財産の隠蔽を図る等の悪質な滞納事業所については、国税庁との連携協力により滞納処分等の権限を国税庁に委任する仕組みを活用。
(5)正確な年金給付等の実現
複雑な年金制度を適正に運用し、年金給付の正確性の確保とお客様サービスの向上を促進するため、様々な取組を行っている。
① 正確な給付の実現
・ 老齢年金の請求漏れを防止するため、受給開始年齢到達時に、年金加入記録等を記載した年金請求書を送付。
・ 老齢年金の請求漏れを防止するため、従来の請求勧奨に加え、未請求の老齢年金がある70歳以上の人に対する個別勧奨を実施(2021年度までに、約5.2万人に対し請求勧奨を行い、約4.8万人から請求を受理)。
② お客様サービスの向上
・ 年金繰下げ請求などの多様な受給方法の案内を強化(66歳以上で未請求の老齢年金がある方に対し、繰下げ請求した場合の年金見込額を毎年お知らせするとともに、75歳到達時に請求書を送付)。
・ 各サービススタンダード[3]の達成率90%以上を維持。
③ 障害年金の事務処理改善
・ 障害認定の公正性を一層確保するため、認定医の医学的な総合判断を特に要する事例については、複数の認定医が関与する仕組みを構築(2019年7月~)。
・ 不利益処分の理由付記文書の作成・送付を実施し、認定結果に対する理解を促進。
・ 視覚障害のある受給者に対応して、障害状態確認届の送付用封筒に音声コードを付与(2020年11月~)。
④ ご自身による年金記録確認の推進
・ ご自身の年金記録などをパソコンやスマートフォンで24時間いつでも手軽に確認できる「ねんきんネット」のサービスの提供(2011年2月~)。
・ 国民年金・厚生年金の全ての現役加入者へ毎年誕生月に「ねんきん定期便」を送付しており、記載内容を見やすく分かりやすくする等の改善を随時行っている(2009年4月~)。
(1)国民年金の適用促進
国民年金は、日本国内に住所がある20歳以上60歳未満のすべての方に加入義務があることから、その適用促進に向けて様々な取組を行っている。
① 確実な適用の実施
・ 20歳到達者については、地方公共団体情報システム機構(以下「J-LIS」という。)から提供される情報に基づき、国民年金第1号被保険者となることが把握できた全ての方の加入手続を速やかに実施(2021年度実績…99.2万人)。
・ J-LISから提供される情報により把握した34歳、44歳及び54歳到達者については、基礎年金番号が付番されていない方等に対し国民年金加入の届出勧奨を実施した上で、届出がない場合にも国民年金第1号被保険者としての加入手続を実施。
・ 退職者及びその被扶養配偶者に対して、国民年金第1号被保険者への種別変更の届出を自主的に行うよう、届出事由の発生時から2ヶ月後に届出勧奨を実施(勧奨後もなお届出がなかった場合も、国民年金第1号被保険者としての加入手続を実施。)。
・ 市町村に対し定期的な情報提供及び研修会の開催等を通じて連携を図り、適正な事務を促進。
② 無年金及び低年金の防止に向けた取組
・ 強制加入期間内(20歳以上60歳未満)で受給資格期間(120か月)を満たすことができない方に対して、任意加入制度(60歳以上)の勧奨を実施。
・ 保険料免除等の承認後2年目、9年目の追納可能期間を有する方等に、追納勧奨を実施(承認後10年以内であれば追納することができる)。
(2)国民年金保険料の納付率向上
公的年金制度が十分な機能を果たすためには、国民年金保険料の未納者を減らし、納付率[1]向上を図ることが肝要であるところ、継続的な取組によって納付率は年々向上している(2021年度実績…現年度納付率73.9%(2021年度分保険料)、最終納付率78.0%(2019年度分保険料))。
① 保険料を納めやすい環境づくりの推進
・ 現金で保険料を納めている方への口座振替及びクレジットカードによる納付について勧奨を実施(2021年度の口座振替及びクレジットカード納付実施率(利用者数の割合)…40.8%)。
・ コンビニエンスストアやインターネットバンキング、クレジットカードによる納付を可能とするとともに、その利用を促進(これらの方法による2021年度の納付件数…2,121万件)。
② 若年者への対応
・ 20歳到達による資格取得時期や学生納付特例期間終了時期をとらえた口座振替などの届出勧奨を実施。
・ 未納者には、20歳到達による資格取得後や学生納付特例期間終了後の時期の納付状況に応じた催告文書を送付。
③ 免除等の周知・勧奨
・ 免除や学生納付特例(学生の間の保険料納付を猶予し、後で納付できる仕組み)の周知・勧奨を着実に実施し、年金受給権確保と年金額増額を図る。
④ 長期未納者への対応
・ 受給要件満了間近(50歳台かつ受給資格期間60月以上120月未満)の24か月未納者に対し、受給資格を得るまでの期間を明示した納付勧奨を実施。
・ 厚生年金保険適用の可能性がある国民年金第1号被保険者の解消を図るため、一定の所得がある長期未納者に対し就労状況調査を実施。
⑤ 強制徴収の着実な実施
・ 控除後所得が300万円以上かつ7か月以上保険料を滞納している方について、納付の状況などを踏まえつつ最終催告状を送付。
・ 最終催告状を送付しても自主的に納付しない方については、督促状を送付して滞納処分を実施。
(3)厚生年金保険等の適用促進
厚生年金保険・健康保険は、原則として法人の全事業所と、従業員数が常時5人以上の個人事業所(一定の業種を除く)に加入義務があるところ、将来的な無年金・低年金の発生防止や事業主の負担の公平性を確保するため、適用すべき被保険者がいる事業所への計画的な適用促進対策を実施している。
① 未適用事業所の適用促進
・ 国税源泉徴収義務者情報及び雇用保険被保険者情報を活用した加入指導に加え、法人登記簿情報などを活用した新設法人への早期の加入指導の実施により、未適用事業所のさらなる解消を実施。
・ 加入勧奨などによっても事業主から応答がないといった、実態確認が必要な法人事業所については、実態確認を実施。
② 事業所調査による適用の適正化
・ 優先度を踏まえた対象事業所の選定を行い、臨場、呼出、郵送等の手法を組み合わせ、事業所調査を実施。
・ 雇用保険被保険者情報の提供を受け、厚生年金保険の適用の可能性がある方を特定し、その情報に基づき効果的・効率的な事業所調査を実施。
・ 法務省から提供される外国人情報により判明した未適用の外国人労働者を雇用する事業所に対して、順次事業所調査を実施。
③ 届出にかかる事務処理の迅速化
・ 資格取得届などの処理に最優先で取り組むとともに、電子申請による届出処理の迅速化に向けたシステム改修を実施(2020年4月と2021年4月とを比較すると「資格取得届」「被扶養者異動届」に係る平均処理日数が約1日程度減少)。
・ 手続きの簡素化を推進する観点から、手続きの見直し(住所変更届等の原則廃止)、添付書類の省略・廃止等を推進し、電子申請を利用しやすい環境を構築。
(4)厚年年金保険料等の納付率向上
厚生年金保険料・健康保険料の徴収については、公正・公平な保険料収納の確保に向けた取組を継続的に実施しており、日本年金機構設立以来、毎年高い実績を挙げている。
① 口座振替の利用促進
・ 口座振替を利用していない事業所に口座振替の利用案内を送付し、新規適用事業所に口座振替の利用促進を必ず行うとともに、申請書の提出がない事業所には電話勧奨を行うなど、口座振替の申請勧奨を継続的に実施。
② 滞納事業所に対する納付指導、換価の猶予および滞納処分
・ 滞納事業所から納付困難との申出があった場合は、事業所の財務状況や資金繰り計画等を丁寧に聴き取った上で、法定猶予制度の案内を徹底するなど、事業所の個々の実情に応じて、適切に対応。
・ 適正な納付計画の策定にむけた納付協議に応じず法定猶予制度の適用がない事業所に対しては、財産調査や財産の差押等の滞納処分を実施。[2]
③ 徴収が困難である事業所に対する徴収対策の徹底
・ 困難性が高く、滞納期間が長期となっている事業所の滞納対策として、2021年4月に日本年金機構本部・特別徴収対策部を設置し、徴収体制を強化。
・ 財産の隠蔽を図る等の悪質な滞納事業所については、国税庁との連携協力により滞納処分等の権限を国税庁に委任する仕組みを活用。
(5)正確な年金給付等の実現
複雑な年金制度を適正に運用し、年金給付の正確性の確保とお客様サービスの向上を促進するため、様々な取組を行っている。
① 正確な給付の実現
・ 老齢年金の請求漏れを防止するため、受給開始年齢到達時に、年金加入記録等を記載した年金請求書を送付。
・ 老齢年金の請求漏れを防止するため、従来の請求勧奨に加え、未請求の老齢年金がある70歳以上の人に対する個別勧奨を実施(2021年度までに、約5.2万人に対し請求勧奨を行い、約4.8万人から請求を受理)。
② お客様サービスの向上
・ 年金繰下げ請求などの多様な受給方法の案内を強化(66歳以上で未請求の老齢年金がある方に対し、繰下げ請求した場合の年金見込額を毎年お知らせするとともに、75歳到達時に請求書を送付)。
・ 各サービススタンダード[3]の達成率90%以上を維持。
③ 障害年金の事務処理改善
・ 障害認定の公正性を一層確保するため、認定医の医学的な総合判断を特に要する事例については、複数の認定医が関与する仕組みを構築(2019年7月~)。
・ 不利益処分の理由付記文書の作成・送付を実施し、認定結果に対する理解を促進。
・ 視覚障害のある受給者に対応して、障害状態確認届の送付用封筒に音声コードを付与(2020年11月~)。
④ ご自身による年金記録確認の推進
・ ご自身の年金記録などをパソコンやスマートフォンで24時間いつでも手軽に確認できる「ねんきんネット」のサービスの提供(2011年2月~)。
・ 国民年金・厚生年金の全ての現役加入者へ毎年誕生月に「ねんきん定期便」を送付しており、記載内容を見やすく分かりやすくする等の改善を随時行っている(2009年4月~)。
[1] 納付率は、国民年金第1号被保険者について、納付義務がどれだけ果たされているかという納付状況を見るための指標であり、納付対象月数に対する納付月数の割合。「最終納付率」は未納分を遡って納付できる過去2年分を集計したものであり、「現年度納付率」は途中経過を示している。なお、2021年度末の公的年金全体の加入者数は6,725 万人となっており、このうち、国民年金の未納者数は106万人(約1.6%)となっている。
[2] 納付が困難である事業所については法定猶予制度を柔軟に適用。
[3] 年金の請求を受けてから、年金を決定し年金証書をお届けするまでにかかる標準的な所要日数。老齢年金、遺族年金は1か月以内(加入状況の再確認を要する場合は2か月以内)、障害年金は3か月以内としている。
3.サービスの質の向上等
(1)年金相談の充実
日本年金機構においては、お客様の立場に立った正確かつ安定した年金相談サービスを提供できるよう、年金事務所及び街角の年金相談センター[4]における年金相談窓口及びコールセンターの整備を行うとともに、お客様に満足していただける年金相談の充実に取り組んでいる。
① 年金事務所及び街角の年金相談センターでの相談
全国312箇所の年金事務所及び全国80箇所の街角の年金相談センターに年金相談窓口[5]を設け、お客様の来訪相談に対応している。
また、年金事務所等がない離島地域(新潟県佐渡市、長崎県五島市及び壱岐市)においては、市庁舎にテレビ電話相談の窓口を設置し、離島地域のお客様の年金相談に対応している。
窓口における相談については、予約制を導入し、予約時に相談内容を確認することにより、待ち時間の短縮と円滑な相談対応の実施に努めている(2021年度末時点の予約率は98.0%)。一方、年金相談ブースでの対応を要しない各種証明書の再交付等については、予約を要しないこととし、簡易な相談を専門的に行う窓口を設置して対応している。
窓口における年金相談の予約については、予約専用ダイヤルでの受付のほかに、2021年5月より、インターネットからの予約[6]を受け付けるサービスを導入し、受給開始年齢到達時に送付する老齢年金請求書(事前送付用)に関する予約を対象として開始し、2022年3月から老齢年金請求書に関する相談全般についてインターネット予約の受付を開始している。
なお、新型コロナウイルス感染症への対応として、年金相談に来訪するお客様と職員の健康を守るため、職員の体調管理をはじめ、窓口や設備の清掃・消毒の強化や、飛沫感染対策、待合スペースの椅子の削減など、新型コロナウイルス感染症対策を徹底して相談に対応している。
② コールセンターでの相談
日本年金機構は、お客様の属性別・相談内容別のコールセンターを設置[7]して、電話による年金相談に対応している。具体的には、①ねんきんダイヤル(年金相談に関する一般的なお問い合わせ)、②予約受付専用電話(年金給付に関する来訪相談のご予約)、③ねんきん定期便・ねんきんネット専用番号(「ねんきん定期便」「ねんきんネット」に関するお問い合わせ)、④ねんきん加入者ダイヤル(年金の加入に関する一般的なお問い合わせ)について、それぞれコールセンターを設置している。これらのコールセンターでは、2021年度は約696万件の相談に対応している。
年金相談においては、外国語による対応が必要なお客様のために、電話を利用した通訳「マルチランゲージサービス」を提供している。このサービスでは10カ国語(英語、中国語、韓国語、スペイン語、ポルトガル語、ベトナム語、タガログ語、タイ語、インドネシア語、ネパール語)に対応しており、2021年度は4,866件の利用があった。
(2)公的年金制度に対する理解促進
全国の年金事務所が主体となり、公的年金制度への理解促進と普及に向け、地域、企業、教育などの関係機関と連携・協力のもと、地域に根ざした活動を行う「地域年金展開事業」の取組を進めている。
具体的には、大学や高校等の学生・生徒を対象として年金セミナーや自治会や企業等を対象とした年金制度説明会を開催している。新型コロナウイルス感染症への対応としてWeb会議ツールを全ての年金事務所に配備し、従来からの対面形式に加え、非対面型による実施やDVDによる動画の提供なども取り入れ、2021年度においては、年金セミナーを3,077回、制度説明会を4,417回開催した。
そのほか、公的年金に関する国民の理解を高めるための啓発を行い、被保険者等からの相談に応じる年金委員[8](2021年度末現在、職域型119,411名、地域型6,570名)が厚生労働大臣により委嘱されているが、日本年金機構ではその年金委員に対して、全国年金委員研修の実施、都道府県単位の地域型年金委員連絡会、年金事務所単位の地区連絡会などの機会を通じて、年金委員の活動支援に取り組んでいる。
また、日本年金機構では、「ねんきん月間」(11月)、「年金の日」[9](11月30日(いいみらい))に合わせ、積極的な周知広報を展開している。具体的には、全国の年金事務所において、年金セミナーや年金制度説明会、出張相談会などを集中的に行うほか、公的年金の大切さや意義を考えていくための「わたしと年金」をテーマにしたエッセイの募集[10]や年金セミナー用動画の機構ホームページへの掲載、Twitterの活用などにより、年金制度の基本事項について積極的に情報発信を行っている。
(3)お客様サービスの向上
日本年金機構においては、お客様サービスの向上に向けた取組を実施している。
2010年1月の設立時より、お客様サービスの基本方針として「お客様へのお約束10か条」[11]を作成し、業務の実施状況をお客様にチェックしていただく意味も込めて、各年金事務所でポスターを作成し、目立つ場所に掲示している。
各年金事務所に設置した「ご意見箱」や、ホームページ上の「日本年金機構へのご意見・ご要望」のコーナーなどから、「お客様の声」の収集に努め、管理・分析を行うとともに、必要な改善策について検討し、ホームページの掲載内容やお客様にお送りする文書内容をわかりやすくするなどの改善を行っている。
全国の年金事務所及び街角の年金相談センターに来訪されたお客様に「お客様満満足度アンケート」を実施している。2022年2月・3月に実施したアンケートでは「来訪された際の全体の満足度」について、「満足」「ほぼ満足」の合計が93.6%、「やや不満」「不満」の合計は0.9%と、約9割のお客様にご満足いただいている。また、この調査結果において、ご満足いただけなかった点の把握・分析を行い、さらなるお客様サービスの向上に取り組んでいる。
日本年金機構においては、お客様の立場に立った正確かつ安定した年金相談サービスを提供できるよう、年金事務所及び街角の年金相談センター[4]における年金相談窓口及びコールセンターの整備を行うとともに、お客様に満足していただける年金相談の充実に取り組んでいる。
① 年金事務所及び街角の年金相談センターでの相談
全国312箇所の年金事務所及び全国80箇所の街角の年金相談センターに年金相談窓口[5]を設け、お客様の来訪相談に対応している。
また、年金事務所等がない離島地域(新潟県佐渡市、長崎県五島市及び壱岐市)においては、市庁舎にテレビ電話相談の窓口を設置し、離島地域のお客様の年金相談に対応している。
窓口における相談については、予約制を導入し、予約時に相談内容を確認することにより、待ち時間の短縮と円滑な相談対応の実施に努めている(2021年度末時点の予約率は98.0%)。一方、年金相談ブースでの対応を要しない各種証明書の再交付等については、予約を要しないこととし、簡易な相談を専門的に行う窓口を設置して対応している。
窓口における年金相談の予約については、予約専用ダイヤルでの受付のほかに、2021年5月より、インターネットからの予約[6]を受け付けるサービスを導入し、受給開始年齢到達時に送付する老齢年金請求書(事前送付用)に関する予約を対象として開始し、2022年3月から老齢年金請求書に関する相談全般についてインターネット予約の受付を開始している。
なお、新型コロナウイルス感染症への対応として、年金相談に来訪するお客様と職員の健康を守るため、職員の体調管理をはじめ、窓口や設備の清掃・消毒の強化や、飛沫感染対策、待合スペースの椅子の削減など、新型コロナウイルス感染症対策を徹底して相談に対応している。
② コールセンターでの相談
日本年金機構は、お客様の属性別・相談内容別のコールセンターを設置[7]して、電話による年金相談に対応している。具体的には、①ねんきんダイヤル(年金相談に関する一般的なお問い合わせ)、②予約受付専用電話(年金給付に関する来訪相談のご予約)、③ねんきん定期便・ねんきんネット専用番号(「ねんきん定期便」「ねんきんネット」に関するお問い合わせ)、④ねんきん加入者ダイヤル(年金の加入に関する一般的なお問い合わせ)について、それぞれコールセンターを設置している。これらのコールセンターでは、2021年度は約696万件の相談に対応している。
年金相談においては、外国語による対応が必要なお客様のために、電話を利用した通訳「マルチランゲージサービス」を提供している。このサービスでは10カ国語(英語、中国語、韓国語、スペイン語、ポルトガル語、ベトナム語、タガログ語、タイ語、インドネシア語、ネパール語)に対応しており、2021年度は4,866件の利用があった。
(2)公的年金制度に対する理解促進
全国の年金事務所が主体となり、公的年金制度への理解促進と普及に向け、地域、企業、教育などの関係機関と連携・協力のもと、地域に根ざした活動を行う「地域年金展開事業」の取組を進めている。
具体的には、大学や高校等の学生・生徒を対象として年金セミナーや自治会や企業等を対象とした年金制度説明会を開催している。新型コロナウイルス感染症への対応としてWeb会議ツールを全ての年金事務所に配備し、従来からの対面形式に加え、非対面型による実施やDVDによる動画の提供なども取り入れ、2021年度においては、年金セミナーを3,077回、制度説明会を4,417回開催した。
そのほか、公的年金に関する国民の理解を高めるための啓発を行い、被保険者等からの相談に応じる年金委員[8](2021年度末現在、職域型119,411名、地域型6,570名)が厚生労働大臣により委嘱されているが、日本年金機構ではその年金委員に対して、全国年金委員研修の実施、都道府県単位の地域型年金委員連絡会、年金事務所単位の地区連絡会などの機会を通じて、年金委員の活動支援に取り組んでいる。
また、日本年金機構では、「ねんきん月間」(11月)、「年金の日」[9](11月30日(いいみらい))に合わせ、積極的な周知広報を展開している。具体的には、全国の年金事務所において、年金セミナーや年金制度説明会、出張相談会などを集中的に行うほか、公的年金の大切さや意義を考えていくための「わたしと年金」をテーマにしたエッセイの募集[10]や年金セミナー用動画の機構ホームページへの掲載、Twitterの活用などにより、年金制度の基本事項について積極的に情報発信を行っている。
(3)お客様サービスの向上
日本年金機構においては、お客様サービスの向上に向けた取組を実施している。
2010年1月の設立時より、お客様サービスの基本方針として「お客様へのお約束10か条」[11]を作成し、業務の実施状況をお客様にチェックしていただく意味も込めて、各年金事務所でポスターを作成し、目立つ場所に掲示している。
各年金事務所に設置した「ご意見箱」や、ホームページ上の「日本年金機構へのご意見・ご要望」のコーナーなどから、「お客様の声」の収集に努め、管理・分析を行うとともに、必要な改善策について検討し、ホームページの掲載内容やお客様にお送りする文書内容をわかりやすくするなどの改善を行っている。
全国の年金事務所及び街角の年金相談センターに来訪されたお客様に「お客様満満足度アンケート」を実施している。2022年2月・3月に実施したアンケートでは「来訪された際の全体の満足度」について、「満足」「ほぼ満足」の合計が93.6%、「やや不満」「不満」の合計は0.9%と、約9割のお客様にご満足いただいている。また、この調査結果において、ご満足いただけなかった点の把握・分析を行い、さらなるお客様サービスの向上に取り組んでいる。
[4] 「街角の年金相談センター」は、全国社会保険労務士会連合会が運営する年金相談窓口
[5] 全国の年金相談窓口 https://www.nenkin.go.jp/section/soudan/index.html
年金相談窓口は、原則、平日8時30分から17時15分までであるが、月曜日は19時00分まで延長、第2土曜日は 9時30分~16時00分まで対応している。月曜日が祝日の場合は翌営業日に19時00分まで延長している。
年金相談窓口は、原則、平日8時30分から17時15分までであるが、月曜日は19時00分まで延長、第2土曜日は 9時30分~16時00分まで対応している。月曜日が祝日の場合は翌営業日に19時00分まで延長している。
[6] 年金相談のインターネット予約 https://www.yoyaku.nenkin.go.jp/soyo/RA01/W_RA0101SCR
[7] コールセンターの電話番号及び受付時間等 https://www.nenkin.go.jp/section/tel/index.html
[8] 年金委員は、厚生労働大臣からの委嘱を受けて、政府が管掌する年金事業について、会社や地域において啓発、相談、助言などの活動を行う方々である。年金委員は、活動する領域により「職域型」と「地域型」の2種類に区分されており、「職域型」は主にお勤めの会社(厚生年金保険の適用事業所)内で、「地域型」は主に自治会などの地域において活動している。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/nenkin/nenkin/nenkiniin/index.html
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/nenkin/nenkin/nenkiniin/index.html
[9] 厚生労働省と日本年金機構では、2014年から「11月30日」(「いいみらい」の語呂合わせ)を「年金の日」と定め、その趣旨に賛同いただいた団体等と協働した取組みにより、「ねんきんネット」等を利用して年金記録や年金受給見込額を確認していただき、高齢期に備え、その生活設計に思いを巡らせていただくことを呼びかけている。
[10] 「わたしと年金」をテーマにしたエッセイの募集、表彰https://www.nenkin.go.jp/info/torikumi/nenkingekkan/nenkin-essay/20161117.html
[11] お客様へのお約束10か条 https://www.nenkin.go.jp/info/houshin/oyakusoku10.html
2022年2月に、国際社会保障協会(ISSA)のアジア・太平洋地域フォーラムのグッドプラクティス賞コンテストにおいて、「お客様へのお約束10か条」に基づくこれまでの取り組みと成果が特別優秀賞を受賞し、表彰された。https://www.nenkin.go.jp/oshirase/press/2022/202203/0322.html
2022年2月に、国際社会保障協会(ISSA)のアジア・太平洋地域フォーラムのグッドプラクティス賞コンテストにおいて、「お客様へのお約束10か条」に基づくこれまでの取り組みと成果が特別優秀賞を受賞し、表彰された。https://www.nenkin.go.jp/oshirase/press/2022/202203/0322.html
4.業務のデジタル化に向けた諸対応
(1)年金手続におけるオンライン化への対応
政府全体として行政のデジタル化に取り組む中で、年金事業運営においても、日本年金機構やデジタル庁などの関係省庁とともにサービスのオンライン化に取り組んでいる。
① 事業所の申請手続のオンライン化
年金手続のうち事業所に係る申請手続については、事業所の負担軽減、利便性向上、正確・迅速・効率的業務の実現を推進するため、電子申請の利用勧奨や環境整備の取組を実施している。
2020年4月から、資本金1億円超えの大規模法人等の届出(算定基礎届、月額変更届、賞与支払届)の電子申請の義務化を開始するとともに、GビズID[12] を利用した電子申請が可能となった。2020年11月から、社会保険・税手続オンライン・ワンストップサービス[13] により、複数手続をまとめた電子申請も可能となった。
こうした取組とともに電子申請の利用勧奨を積極的に実施した結果、主要7届書[14] のオンライン利用率は、被保険者数ベースで、2019年度末の23.9%から2021年度末には57.7%まで大幅に上昇した。引き続き、事業所の特性やニーズに応じた利用勧奨等を進めていくこととしている。
② 個人の申請手続のオンライン化
年金手続のうち個人に係る申請手続については、2022年5月よりマイナポータルを利用した国民年金関係手続(資格取得(種別変更)の届出、保険料免除・納付猶予申請、学生納付特例申請)の電子申請が可能となった。
また、申請が必要な手続について日本年金機構からマイナポータルを通じて案内を送付し、その案内から簡易的に申請を行うことも可能となる。
今後は、この仕組みの活用により、公的年金等の受給者の扶養親族等申告書など他の個人に係る手続についても、簡易な電子申請を可能とする環境整備に向けた検討を進めていく。
③ 紙の送付物の電子的な提供
これまで事業所や被保険者・受給者に紙で送付していた帳票などを電子的に提供できるよう、手続がオンラインで完結できる環境整備を進めている。
個人向けには、マイナポータル経由で電子的に提供する環境を構築し、2022年10月から「社会保険料(国民年金保険料)控除証明書」、2023年1月から「公的年金等の源泉徴収票」についてサービスを開始する。
事業所向けには、e-Govの電子送達サービスを活用して電子的に情報を提供し、オンライン上の確認を可能とする「オンライン事業所年金情報サービス(仮称)」の環境を構築し、2022年度中にサービスを開始する。まずは、事業所からの要望が多い当月の保険料に係る増減内訳などの情報や届書作成に活用できる被保険者情報等について電子的に提供する予定である。これらの仕組みの利用促進についても取組を進めていく。
(2)マイナンバー制度への対応
2016年11月に「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律附則第三条の二の政令で定める日を定める政令(平成28年政令第347号)」が公布・施行されたことに伴い、日本年金機構では、マイナンバー(個人番号)を利用して事務を行っている。
具体的には、2017年1月から、マイナンバーによる年金相談・照会を受け付けており、基礎年金番号が分からない場合であっても、マイナンバーカード(個人番号カード)を提示することで、相談を行うことを可能としている。
2018年3月5日からは、これまで基礎年金番号で行っていた各種届出・申請についてもマイナンバーで行えるようになったほか、住所変更届や氏名変更届の届出が原則省略できるようになった。
また、マイナンバーによる行政機関間の情報連携の仕組みを活用し、これまで各種届出・申請時に必要としていた課税証明書などの添付書類等の省略を段階的に進めている。2019年4月15日より日本年金機構から地方公共団体等への情報照会の試行運用を開始し、年金給付関係等の事務手続きについては2019年7月1日より本格運用に移行し、添付書類の省略等を可能としている。
また、国民年金関係等の一部の事務手続きについては2019年10月30日より本格運用に移行し、市区町村等における所得等の確認が不要となっている。
※ 情報連携の対象となる手続きや添付が省略できる書類一覧
⇒「情報連携を行う届書等一覧(PDF 201KB)」
なお、マイナンバーの利用に当たっては、日本年金機構では情報セキュリティの抜本的強化に取り組んでおり、お客様のマイナンバーの適切な保管・管理に万全を期している。
政府全体として行政のデジタル化に取り組む中で、年金事業運営においても、日本年金機構やデジタル庁などの関係省庁とともにサービスのオンライン化に取り組んでいる。
① 事業所の申請手続のオンライン化
年金手続のうち事業所に係る申請手続については、事業所の負担軽減、利便性向上、正確・迅速・効率的業務の実現を推進するため、電子申請の利用勧奨や環境整備の取組を実施している。
2020年4月から、資本金1億円超えの大規模法人等の届出(算定基礎届、月額変更届、賞与支払届)の電子申請の義務化を開始するとともに、GビズID[12] を利用した電子申請が可能となった。2020年11月から、社会保険・税手続オンライン・ワンストップサービス[13] により、複数手続をまとめた電子申請も可能となった。
こうした取組とともに電子申請の利用勧奨を積極的に実施した結果、主要7届書[14] のオンライン利用率は、被保険者数ベースで、2019年度末の23.9%から2021年度末には57.7%まで大幅に上昇した。引き続き、事業所の特性やニーズに応じた利用勧奨等を進めていくこととしている。
② 個人の申請手続のオンライン化
年金手続のうち個人に係る申請手続については、2022年5月よりマイナポータルを利用した国民年金関係手続(資格取得(種別変更)の届出、保険料免除・納付猶予申請、学生納付特例申請)の電子申請が可能となった。
また、申請が必要な手続について日本年金機構からマイナポータルを通じて案内を送付し、その案内から簡易的に申請を行うことも可能となる。
今後は、この仕組みの活用により、公的年金等の受給者の扶養親族等申告書など他の個人に係る手続についても、簡易な電子申請を可能とする環境整備に向けた検討を進めていく。
③ 紙の送付物の電子的な提供
これまで事業所や被保険者・受給者に紙で送付していた帳票などを電子的に提供できるよう、手続がオンラインで完結できる環境整備を進めている。
個人向けには、マイナポータル経由で電子的に提供する環境を構築し、2022年10月から「社会保険料(国民年金保険料)控除証明書」、2023年1月から「公的年金等の源泉徴収票」についてサービスを開始する。
事業所向けには、e-Govの電子送達サービスを活用して電子的に情報を提供し、オンライン上の確認を可能とする「オンライン事業所年金情報サービス(仮称)」の環境を構築し、2022年度中にサービスを開始する。まずは、事業所からの要望が多い当月の保険料に係る増減内訳などの情報や届書作成に活用できる被保険者情報等について電子的に提供する予定である。これらの仕組みの利用促進についても取組を進めていく。
(2)マイナンバー制度への対応
2016年11月に「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律附則第三条の二の政令で定める日を定める政令(平成28年政令第347号)」が公布・施行されたことに伴い、日本年金機構では、マイナンバー(個人番号)を利用して事務を行っている。
具体的には、2017年1月から、マイナンバーによる年金相談・照会を受け付けており、基礎年金番号が分からない場合であっても、マイナンバーカード(個人番号カード)を提示することで、相談を行うことを可能としている。
2018年3月5日からは、これまで基礎年金番号で行っていた各種届出・申請についてもマイナンバーで行えるようになったほか、住所変更届や氏名変更届の届出が原則省略できるようになった。
また、マイナンバーによる行政機関間の情報連携の仕組みを活用し、これまで各種届出・申請時に必要としていた課税証明書などの添付書類等の省略を段階的に進めている。2019年4月15日より日本年金機構から地方公共団体等への情報照会の試行運用を開始し、年金給付関係等の事務手続きについては2019年7月1日より本格運用に移行し、添付書類の省略等を可能としている。
また、国民年金関係等の一部の事務手続きについては2019年10月30日より本格運用に移行し、市区町村等における所得等の確認が不要となっている。
※ 情報連携の対象となる手続きや添付が省略できる書類一覧
⇒「情報連携を行う届書等一覧(PDF 201KB)」
なお、マイナンバーの利用に当たっては、日本年金機構では情報セキュリティの抜本的強化に取り組んでおり、お客様のマイナンバーの適切な保管・管理に万全を期している。
5.社会保険オンラインシステムの刷新に向けた諸対応
日本年金機構が公的年金業務に使用する社会保険オンラインシステムは、主に「記録管理システム」、「基礎年金番号管理システム」及び「年金給付システム」の3つの情報システムから構成されており、全国の年金事務所や事務センター等とネットワークで接続し、被保険者及び受給権者の記録を長期間にわたり管理するとともに、数多くの外部機関(市区町村、金融機関等)とも連携している。
社会保険オンラインシステムは、多年にわたり運用され、極めて大規模なものとなっているが、データベース等の構成が制度別・年金事務所単位となっていることや、紙や手作業等が前提でありデジタルファーストに対応しにくいなどといった課題が生じていた。
このため、業務の見直しと併せて段階的な情報システムの見直しに取り組んでいる。具体的には、現在「記録管理システム・基礎年金番号管理システム」の刷新について2段階で取り組んでおり、2017年からフェーズ1として、マイナンバーによる情報連携などを含む各種届書の事務処理機能のデジタル化を段階的に実施し稼働させるとともに、フェーズ2として、新たなデータベースの構築等による現行システムの課題の解消に取り組み、業務の一層の改善を図ることとしている。
これらの取組等により、
① 公的年金業務として提供するサービスの質の向上(デジタルファースト等への対応)
② 業務運営の効率化や公正性の確保(デジタル化を前提とした業務プロセスの構築等)
③ ガバナンスの確立等(過度の事業者依存からの脱却等)
という目標を実現することとしている。
社会保険オンラインシステムは、多年にわたり運用され、極めて大規模なものとなっているが、データベース等の構成が制度別・年金事務所単位となっていることや、紙や手作業等が前提でありデジタルファーストに対応しにくいなどといった課題が生じていた。
このため、業務の見直しと併せて段階的な情報システムの見直しに取り組んでいる。具体的には、現在「記録管理システム・基礎年金番号管理システム」の刷新について2段階で取り組んでおり、2017年からフェーズ1として、マイナンバーによる情報連携などを含む各種届書の事務処理機能のデジタル化を段階的に実施し稼働させるとともに、フェーズ2として、新たなデータベースの構築等による現行システムの課題の解消に取り組み、業務の一層の改善を図ることとしている。
これらの取組等により、
① 公的年金業務として提供するサービスの質の向上(デジタルファースト等への対応)
② 業務運営の効率化や公正性の確保(デジタル化を前提とした業務プロセスの構築等)
③ ガバナンスの確立等(過度の事業者依存からの脱却等)
という目標を実現することとしている。
6.年金記録問題への取組み
厚生年金保険、国民年金と制度別に管理されていた年金記録は、1997年から、国民一人につき一つの番号(基礎年金番号)で管理されることとなったが、その後、どの基礎年金番号にも結びつかない5,095万件の年金記録があることが判明した(2007年に政府が国会に報告書を提出)。2007年7月に年金業務刷新に関する政府・与党連絡協議会で決定した「年金記録に対する信頼の回復と新たな年金記録管理体制の確立について」を踏まえ、日本年金機構と密接に連携しながら、以下のような様々な取組を進めている。その結果、未統合記録5,095万件のうち、2022年3月時点で、解明された年金記録は約3,321万件、未解明となっている年金記録は約1,773万件となっている。
(1)年金記録問題への取組み
年金記録問題に対する取組みは、主に次の①から④である。
① 未統合記録の解明
5,095万件の持ち主が分からない未統合記録とオンライン上の基礎年金番号に結び付いている記録との名寄せを行い、すべての年金受給者及び被保険者に「ねんきん特別便」を送付し、ご自身の年金記録に「もれ」や「誤り」がないかを確認していただいた。また、「未統合記録の氏名、生年月日、住所などの情報」と「基礎年金番号や住基ネットの情報」と名寄せを行い、同一人の可能性の高い方に年金記録をお送りして、確認していただく作業が行われた。
② オンライン記録の正確性の問題
「ねんきん特別便」等[15]により、国民の方々から申出をいただくことで年金記録の回復を進める取組と並行して、紙台帳等とコンピュータ記録を突き合わせて、年金記録の「もれ」や「誤り」を国の側で見つけ出して、国民の方々にお知らせするという取組を実施した。全国の年金事務所や市町村が保有している紙台帳等を電子画像データとして取り込んだ「紙台帳検索システム」を使用して、コンピュータ記録と本人の基礎年金番号に結び付いた約6億件(7,900万人分)の紙台帳等を突き合わせ、記載内容の一致・不一致を確認する作業を行った。
③ 未解明記録の解明のための取組みとご自身による年金記録確認の推進
年金記録については、国(日本年金機構)側で正確に管理すべきであるが、ご本人自身にも確認いただき、なるべく早い時点で記録の「もれ」や「誤り」を申し出ていただくことも重要であるため、2009年4月から国民年金・厚生年金保険の全ての現役加入者の方に対し毎年誕生月に「ねんきん定期便」を送付しており、ご本人に年金記録をチェックしていただいている。
また、2011年2月から、ご自身の年金記録をパソコンやスマートフォンで24時間いつでも手軽に確認できるサービスとして「ねんきんネット」を実施している。加えて、更なる解明に向けて、日本年金機構では、「名寄せ特別便」等の未回答者に対するお知らせの再送付等を行っている。
④ 年金記録の訂正手続
2007年からの年金記録確認第三者委員会(総務省)におけるあっせんの仕組みに代わり、新たに年金制度の手続として年金記録の訂正を請求する仕組みが法改正により創設され、2015年1月に社会保障審議会の下に年金記録訂正分科会を設置し、記録訂正の可否に係る判断基準等に関して答申を行った。この判断基準等を踏まえ、年金記録の訂正請求がされた場合には、厚生労働省(地方厚生(支)局長)は、様々な関連資料や周辺事情を収集・調査し、最終的に、国民の立場に立って、公平・公正な判断を行う地方審議会の審議結果に基づき、訂正、不訂正等の決定を行っている。
(2)再発防止及び年金記録の適正な管理の実施
日本年金機構では、年金記録問題の再発防止の観点から、基礎年金番号とマイナンバーの紐付けを行う取組みなどによって、年金記録の適正な管理を実施している。2021年度は、市町村、事業主及びご本人に対して基礎年金番号とマイナンバーの紐付け協力を求めることや、個人番号等登録届の提出勧奨を実施する等の取組みを実施した結果、年金受給者及び被保険者等の紐付け率は99.76%となった。
(1)年金記録問題への取組み
年金記録問題に対する取組みは、主に次の①から④である。
① 未統合記録の解明
5,095万件の持ち主が分からない未統合記録とオンライン上の基礎年金番号に結び付いている記録との名寄せを行い、すべての年金受給者及び被保険者に「ねんきん特別便」を送付し、ご自身の年金記録に「もれ」や「誤り」がないかを確認していただいた。また、「未統合記録の氏名、生年月日、住所などの情報」と「基礎年金番号や住基ネットの情報」と名寄せを行い、同一人の可能性の高い方に年金記録をお送りして、確認していただく作業が行われた。
② オンライン記録の正確性の問題
「ねんきん特別便」等[15]により、国民の方々から申出をいただくことで年金記録の回復を進める取組と並行して、紙台帳等とコンピュータ記録を突き合わせて、年金記録の「もれ」や「誤り」を国の側で見つけ出して、国民の方々にお知らせするという取組を実施した。全国の年金事務所や市町村が保有している紙台帳等を電子画像データとして取り込んだ「紙台帳検索システム」を使用して、コンピュータ記録と本人の基礎年金番号に結び付いた約6億件(7,900万人分)の紙台帳等を突き合わせ、記載内容の一致・不一致を確認する作業を行った。
③ 未解明記録の解明のための取組みとご自身による年金記録確認の推進
年金記録については、国(日本年金機構)側で正確に管理すべきであるが、ご本人自身にも確認いただき、なるべく早い時点で記録の「もれ」や「誤り」を申し出ていただくことも重要であるため、2009年4月から国民年金・厚生年金保険の全ての現役加入者の方に対し毎年誕生月に「ねんきん定期便」を送付しており、ご本人に年金記録をチェックしていただいている。
また、2011年2月から、ご自身の年金記録をパソコンやスマートフォンで24時間いつでも手軽に確認できるサービスとして「ねんきんネット」を実施している。加えて、更なる解明に向けて、日本年金機構では、「名寄せ特別便」等の未回答者に対するお知らせの再送付等を行っている。
④ 年金記録の訂正手続
2007年からの年金記録確認第三者委員会(総務省)におけるあっせんの仕組みに代わり、新たに年金制度の手続として年金記録の訂正を請求する仕組みが法改正により創設され、2015年1月に社会保障審議会の下に年金記録訂正分科会を設置し、記録訂正の可否に係る判断基準等に関して答申を行った。この判断基準等を踏まえ、年金記録の訂正請求がされた場合には、厚生労働省(地方厚生(支)局長)は、様々な関連資料や周辺事情を収集・調査し、最終的に、国民の立場に立って、公平・公正な判断を行う地方審議会の審議結果に基づき、訂正、不訂正等の決定を行っている。
(2)再発防止及び年金記録の適正な管理の実施
日本年金機構では、年金記録問題の再発防止の観点から、基礎年金番号とマイナンバーの紐付けを行う取組みなどによって、年金記録の適正な管理を実施している。2021年度は、市町村、事業主及びご本人に対して基礎年金番号とマイナンバーの紐付け協力を求めることや、個人番号等登録届の提出勧奨を実施する等の取組みを実施した結果、年金受給者及び被保険者等の紐付け率は99.76%となった。
[15] 「ねんきん特別便」には「名寄せ特別便」と「全員特別便」の2種類がある。「名寄せ特別便」は、名寄せの結果、基礎年金番号に統合される可能性の高い未統合記録を有していると考えられる方に対して、ご本人の加入記録を確認していただくためのお知らせ。「全員特別便」は、名寄せ特別便の対象とならなかった方に対して、ご本人の年金加入記録を送付し、その記録に「もれや誤り」が無いかどうか確認していただくためのお知らせ。