田村大臣閣議後記者会見概要

H25.5.21(火)8:40 ~ 8:52 ぶら下がり

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。今日は私の方からはございませんので、御質問がございますれば、お受けをいたしたいと思います。

質疑

記者:
産科医療補償制度の掛金の問題で、余剰金が年間200億円ある。それで、申立てをするということなんですが、それに対する受け止めと、今後の対応についてお聞かせください。
大臣:
対象者がですね、当初予想しておるよりも、少ないということで、それ自体は非常に良いことというか、それだけ、障害をお持ちのお子さん等々が出ていないということでありますから、それ自体はですね、良いことであったりするわけでありますけど。やはり、こういう状況なので、これ5年間目途って話でございますから、(平成)27年中にですね、見直し期間が来るわけなので、それに向かって、検討を今させていただいておるということでございます。いずれにいたしましても、大切なお金を預かって運用していただきながら、補償制度ということでございますから、それぞれ納得いくような形にしていかなきゃならない、というふうに思っておりますので、見直し時期に向かって検討をさせていただくということになろうというふうに思います。
記者:
見直し時期に向かって検討されていくということなんですけど、見直し時期を前倒しにするお考えというのは。
大臣:
これは、全体5年間でですね、どれぐらいかということで、いうなれば、制度設計をするもんですから、急にね、これから残りの年数で爆発的に増えてもらっちゃ困るんですけれども、しかし、5年間ということなので、何が起こるかわからないので、とりあえず5年間の中で次の計画に向かって見直しをさせていただくと。とはいいながらも、検討始めないと間に合いませんので、今の現状の数字を見ながら、次の期限に向かって検討をさせていただきたいというわけであります。
記者:
風しんについてですね、風しんについて国会で話題になっているんですが、改めて伺いたいことがあるんですけれども、去年に比べてかなり高いペースで患者が増えてるんですが、地方からですね、助成の対策について度々声が上がっていると思うんですが、改めて国としての助成をどのように取り組んでいくかっていうことがあれば。
大臣:
そうですね、こういうような啓発をするためのですね、資料を作って配らせていただいたりなんかはしておるんですけれども、あとは土日、夕方っていいますか夜ですね、地域の医師会等々でいろんな御議論をさせていただいて、予防接種していただくような形でですね、お願いもしておりまして、サラリーマンの方々がですね、なるべく接種しやすい環境を作るようには努力しております。その財源の方なんですけれども、なかなか財源という問題考えますと、今までもですね、おたふく、それから水ぼうそう、こういうものに対してもまだ予算措置ができていない状況です。それで、風しんも大変な問題でして、もう6,000人を超えて来る中でですね、昨年と比べれば多くの方々がという話なんですが、そもそもその例えばおたふくだとか水ぼうそうは、年間やはり10名だとか亡くなられてたりなんかするわけですね。感染者もですね、100万人ぐらいあったりなんかするわけなので、ちょっと資料を見ますと、おたふくは大体年間40万人から130万人、水ぼうそう100万人というようなことでございます。それから死者に関しましても、おたふくはこれ推計ですけれども5人から10人、それから水ぼうそう年間20人ぐらいと。非常に重篤な障害が残るというような方々、お子さんもおられるわけでございまして、どちらかというとやはりお子さんが対象となる感染症でございます。 ですから、もちろん風しんによって母体に感染をされて、それからお子さんに障害が残られるという問題は大きな問題なんですけれども、しかし他のこのような形での感染症と比べてもですね、そちらの方も大変な状況で、これ風しん予防接種全員という話になれば、当然全員分の、大体対象者4,700万人ぐらいおられるという話でありますから、4,700億くらいかかりますよね。4,800ですか。かかるわけですね。一方で、出産等々の対象という方々だけでもやっぱり200億円ぐらいかかるという話でありますから、そう思うとですね、他の感染症との関係というのもありまして、財政的にですね、余裕ができたとしても他の感染症とのバランスどう考えるかという問題もありまして、なかなか風しん、確かに今年は去年と比べてかなり増えているということは認識いたしているんですが、そもそも他の感染症は毎年の話でございますから、そこら辺との兼ね合いというものを慎重に考えなきゃいけないということでございまして、財源というものが確保、今できていない中においてですね、なかなか風しんに向かってということが難しいということは御理解をいただく中において、そうはいえどもですね、十分に啓発はしていかなきゃいけないというふうに思っておりますので、危険性の問題、それからワクチンの接種の問題、ただしワクチンの接種の場合は十分にですね、その効果と、それから当然副反応ということもございますので、一定の確率では副反応は出ます。ですからそういうことも含めてですね、十分に御理解をいただく中においてですね、自主的に接種をしていただきたいというように思っております。
記者:
先週の16日に野田総務会長のところにですね、先天性の症候群で子どもを亡くした方がですね、申入れに行って、その後野田さんの方からですね、大臣とお話した時に、思いに応えられるようにしていきたいと大臣が仰っていたという紹介がありまして、今もいろいろと方策は御紹介いただいていたんですが、その思いに応えていきたいというのはどういうことを指してるんでしょうか。
大臣:
一つはですね、まず皆さんに分かっていただかないと、つまり予防接種を打てば一定の確率で風しんになることを防げるわけですよね。ですからそういうようなこともまず御理解をいただかないことには、仮にこれ助成をしてもですね、100%皆さん受けられるというわけではないわけですよね。ですからそういう意味では、まずはこの子どもさんを産む予定の御家族に関してはお子さんに風しんという病気でですね、障害等々が残ったりだとか命を落とされる可能性もあるわけでありますから、そういうことを御理解いただく中において、自主的に予防接種を打っていただきたいというようなことを分かっていただくということがやっぱり一番大事な話なので、そこが分からないとですね、前に進んでいかないわけでありますから、ただ何度も申し上げますけれども、ワクチンというものは一定の確率でですね、副作用というもの、副反応というものがあるということは御理解をいただく中において、自主的にお選びというか、選択をいただきたいというふうに思っています。
記者:
産科医療補償制度の話に戻るんですが、今後見直すということなんですが、掛金の引下げ等検討されますでしょうか。
大臣:
それも含めてですよね、どうするかということを検討を始めるということでございます。
記者:
毎年200億ずつぐらい余剰金といいますか、貯まってしまっていて、もう800億、900億近いお金がそういう形になっているんですが、その返還というものについては。
大臣:
返還の仕方がどうだ、という御議論も色々あると思います。そもそもですね、出産一時金の中での上乗せでございますから、それをどう位置付けるかということも考えなきゃいけませんから、全体として使い道をどうするのか。返還というお話もありましたけど、返還がいいのかどうかということも含めて、検討の中で御議論いただくという話になると思います。
記者:
そもそもこの制度は法律で何か枠組みがあるわけではなくて、民間の医療保険といいますか、民間会社を利用しようということで始まった制度で、これに対して医療保険部会なんかでもすごく厳しい意見が出てるんですが、どういうふうに厚労省がこの制度についてかんでいくのかというのが、法的な位置付けがないんですけれども、どういうふうになるんですか。
大臣:
もともとですね、これ御承知のとおりですね、医療の事故等々の中で、産科に関しては昔からですね、一定の確率でですね、事故、無過失の事故が起こると。過失が起こった場合には民間の保険等々で対応できたけれども、無過失のものに対してはそういうものがなかったという中において、何とかそういうものに対応できるような制度を作っていただけないかという現場の声というものを反映して作った制度でありますから、そういう意味では、民間、いろんな議論があったんです、当時は。しかし、民間の保険会社を利用させていただいて作るのが一番簡単に制度設計を、簡単にと言ったら変ですけれども、早い対応で制度設計できるじゃないかと。ノウハウもお持ちだろうということでスタートしたものであります。ただ、このような形で十分に始め予想していたよりもそのような対象者が出てこなかったこと自体はいいことなんですけれども、制度設計の中において若干のやはり議論をする部分があるであろうということでございますから、我々も関与する中において、どういうような制度設計にしていくかということも御議論をさせていただかなきゃならんなということで検討しなきゃならないということであります。
記者:
甘利大臣が日曜日のテレビでですね、労働者の賃金引上げに向けて、経済界、政府含めた3者の会議体を作りたいというお話をされました。安倍総理とも相談されたということなんですが、労働行政を預かる大臣としてですね、そういった3者構成の会議を作ることについてどのようなお考えをもってらっしゃるでしょうか。
大臣:
いずれにしましてもですね、これは賃金の話、もしくは労働条件の話というのはですね、これは労使が入っていただくというのが前提だと思います。そういう意味では、労使で御議論いただくという中において政労使という形でですね、そこに政府が入ってくるというのは中立な立場の中において、それぞれの御意見を踏まえながらそこで一定の方向性が出せるかどうか分かりませんけれども、そういうような形で進められるというのは、お互いに労使の御理解をいただく中で、そういうものができることに関しましては、私も賛成するところでございますから、厚生労働省がその中でどういう役割をしていくかというのはこれからなんですけれども、いろんなお手伝いができればとはというふうに思っております。
記者:
昨日経団連の会見などではですね、労使の自治だということで、むしろ警戒心、反発の声が強くあったようなんですが、そうしますと、そういう労使の声で嫌がる声があるんだったらあえて制度を変えることはないというか。
大臣:
そもそも(労使が)両方ともが嫌だと言っていたら成り立たないですよね。だって、お声かけしても来られなかったら、そういう会議は成り立たないわけでありますから。あくまでも労使が一定程度の理解をされる中において、そういう会議体もしくはそのような話合いの場というものに参加をされる中において、政府もその中において一定の役割を果たせればということでおっしゃられたというふうに思いますので、そこは理解の中でそういうような話合いがもたれるというのが前提になるというふうに思いますね。
記者:
冒頭の、その中で厚労省がどういう役割を果たせるかという話がありましたけれども、厚労省が特にイニシアティブをとって、そういった厚労省が主導するというようなことは。
大臣:
これはですね、甘利大臣が総理とお話しになられたというような報道が流れております。私はまだ詳しい話は十分に存じ上げていない部分があるんですけれども、一厚労省というよりかは、政府というようなお立場でのお話だと思いますから、政府という構成の中には厚生労働省も入るわけでありますので、リーダーシップをとれというか、どのようなこれから総理の方から、また、甘利大臣の方からお話があるか分かりませんけれども、それによった役割というものを厚生労働省も担わさせていただくという形になろうというふうに思います。

(了)