田村大臣閣議後記者会見概要

H25.5.10(金)9:05 ~ 9:35 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。冒頭3点ほど御報告をいたします。まず、一般用医薬品のインターネット販売に関する報道がいろいろと流れております。昨日は1社からですね、厚生労働省が一般用医薬品1類も含めてすべて、テレビ電話のような形で解禁を決めたというような報道があり、本日また別の1社からですね、2類以下は全部ネットでというような報道がございましたけど、全く厚生労働省は決めておりません。本日9時からですね、検討会がありまして、そこにもそのような提案をするつもりはございません。本日ただですね、そこに一応ですね、1類、2類の主な種類についてということで、一般用医薬品としての安全性評価が確立されておらず、リスクが不明なもの、それから日常に支障を来す副作用の恐れがあり、特に注意が必要なもの。それから2類の方で、日常生活に支障を来す副作用の恐れがあるもの、いうような形で中身が分類されている資料はお出しをするようでありますけれども、そこでですね、厚生労働省案でありますとか、座長案でありますとか、そういうような話が出てくるということは、お聞きをしておりませんし、厚生労働省から出すつもりはないということでございますし、引き続き、検討をお続けいただくということでございます。それからですね、今週火曜日の会見でですね、医療国際展開戦略室の話をいたしました。いつ設置するんですか、というようなことでございましたけれども、いよいよこれを設置をいたしますので。医政局長の伺い定め室と、伺い定めという形で、とりあえず。本格的の室はですね、予算の関係もございますね。とりあえず、そういう形の中で室を立ち上げるということでございますので、思ったよりも早い形の中で対応をさせていただくという形になるというふうに思います。それからですね、車座ふるさとトークでありますが、これは5月18日土曜日、岐阜県の方に私お伺いしまして、若年者雇用をテーマにですね、このふるさとトークを開催させていただきたいと思っております。地元の社会人でありますとか、就職活動中の大学生、また、就職活動支援をされておられる方々、こういう方々から直接生の声をお聞かせいただきたいというふうに思っております。併せてですね、厚生労働省と岐阜県が連携してですね、生活相談から職業紹介まで、若者のですね、若年者も含め、幅広い層の求職者を総合的に支援する岐阜県総合人材チャレンジセンター「サテライトぎふ」、就労支援施設でありますけど、ここの視察をさせていただきたいというふうに思っております。私からは以上でございます。何かご質問がございますれば。

質疑

記者:
2点ほどお願いします。まず、一般用医薬品のネット販売に関してなんですけれども、大臣としての基本的なものの考えとしてですね、すべての一般用医薬品を規制から外すことを前提としたすべてのものの考え方にしているのか、それとも1類ないし2類の中で線引きをしたうえでその中でどこまで進むのかというどちらの方のお考えですか。
大臣:
それを含めて、今、御議論をいただいているわけなので、私がですね、何か予断のあることを申し上げると影響が、今まさに9時から(検討会が)行われておりますので影響が出るといけませんので、あえて思いはありますけど、申し上げるわけにはいかないと思います。ただ、前から言っておりますとおり、薬の安全性というもの、これは十分確保していかなきゃいけないわけでありますから、一般用医薬品を売る場合にその安全性が確保していける、そういう売り方でなければならないというふうには思っております。
記者:
もう1点はですね、医療国際展開戦略室なんですけれども、これについては今後具体的にはいつ頃を目処にどんなものを打ち出していく、もしくは取りまとめなりとか、方法も含めてお願いします。
大臣:
これはですね、メディカル・エクセレント・ジャパン、MEJ(エム・イー・ジェー)、こことも連携をしながらですね、これやることとしては同じことやると思うんです。例えばこの間も申し上げましたけれども、他国のですね、薬等々のいろんな規制ありますよね、そういうものの研究をしなきゃいけませんし、そもそも商売上のいろんな慣行もあるでありましょうから、そういうようなものをしっかりと調査した上でですね、こちらからいろんな形で医療技術や医薬品や医療機器でありますとか、サービス、こういうものの国際展開をする中においてでですね、うまくそれができるような形でこちらの方でお手伝いをしていくような環境を作らなきゃいけないと。 他には、前も申し上げましたけれども、認証制度でですね、そもそも外国人の方々を今自由診療の中でみることは、別段問題ないわけでありまして、そのなかにおいてどれがどれぐらいの質が担保されているかとか、そういう問題がある中においてですね、認証制度の中で一定の医療機関としての質を担保するような形で、認証制度みたいな形でですね、外国人の方々を国外でみるような医療機関を認証しているようなわけなんですけれども、まあそういうものに関してもですね、本当にすばらしい医療サービスや医療技術、こういうものをわかっていただいて、またそれぞれの自国に戻っていただいた後にですね、日本ってすばらしい技術を持ってるよというようなことを宣伝をしていただかかなきゃなりませんから、こういうものに対してもいろいろなアプローチをしていかなきゃならないと思いますが、ただ、医師等々がですね、もともと日本の国は医師だけじゃないんですけれども、看護師を含めてですね、人材が不足しがちな状況でございますから、そこに影響が出ないようにしっかり考えていかなきゃならないというふうには思っております。それから向こうからですね、海外からいろんな医療人材の方々をお迎えしてですね、日本の医療機器でありますとか、そういうものに対して馴染んでいただくといいますかね、いろいろと学んで勉強していただくといいますか、まあ勉強とまではいいませんけれども、いろんなものを吸収いただいてですね、日本のすばらしい医療の技術やサービス、また、機械というものをですね、御理解をいただいた上で、また海外展開するのに役立てていくとか。まあ、いろんなそういう部分の中身を精査しながらですね、国際展開に向かってのお手伝いをしていくような、後方支援をしていくような、そういうような室になろうかというふうに思います
記者:
インターネット上の医薬品の販売についてなんですが、これは厚労省としてはいつまでにやらなければいけないというお考えなのかということと、それから検討会の中で意見が対立する人たちがいる中で、どのようなプロセスでまとめていく必要があるとお考えですか。
大臣:
話し合いをする中で一定のお互いの理解をしていただけるものとは思っておりまして、まあそういうことで、かなり離れている意見からスタートしているわけでありますけれども、それぞれの御意見を聞く中でですね、お互いのそれぞれの立場の方々が一定方向の考え方をまとめていただけるというふうに思っておりますが、期間的にはいつまでという話がございましたけれども、以前からなるべく早くということでございます。できれば、夏までにはもちろん何らかの方向性を示さなきゃならんなというふうに思っております。前もおっしゃられたとおりですね、なかなか意見がまとまってこない部分もございますので、この1か月ぐらいの間にさらに頻度を増やすなりしてですね、取りまとめに向かって御努力をいただければというふうに思っております。
記者:
以前、5月中旬、下旬までには何らかの方向性をというお話だったと思うんですが、それが少し伸びたと考えてよろしいんでしょうか
大臣:
伸びているわけではないんですが、1か月と言ったのは、5月いっぱいということも含めて、中旬か下旬ですか、中旬といってももう中旬になっちゃいますんで。何とか今月中ぐらいには意見がまとまればありがたいなというふうに思っておりますが、これなかなかそう簡単にですね、私が「まとめてください」と言ってすぐまとまるのならばそんなに皆さんに御苦労をいただいていないと思いますんで、そういう意味ではそういう私の思いというものを御理解をいただきながらですね、まとめをいただければなというに、御努力いただければなというふうな思いでございます。
記者:
性同一性障害の方の基礎年金番号に特定の番号を振っていたという問題について2点お伺いします。昨日の内閣委員会で年管審(年金管理審議官)が見直しを検討するという答弁をされましたが、その見直しの目途がいつなのかということと、もう一つ、元々がシステム改修などが難しいので番号を付けることで対応したというような経緯のようですが、見直しの方向性としては、番号を付けない方法を考えるという見直しなのか、若しくは、システム改修が難しいからなかなか難しいという意味での見直しなのか、方向性が決まっていれば教えてください。
大臣:
これはマニュアルをですね、その開示をしたわけでして、それがインターネット上に流れてですね、個人の方々の番号が流れたわけではないんですけれども、そういうマニュアルの中でいろいろとある情報でですね、もし個人の方の番号を見た場合にそれが分かってしまうという話ですから、個人の方々のものがインターネットに流れたというわけではないわけでありますけれども、この番号自体はもうそういう形で分かっておりますので、新たな番号にまず切り替えるということですね。これはもう早急に4月よりやっているわけでありますから、しかしそれだけではなくて、そもそもそういう番号自体が分からないような形にしなきゃいけませんので、そういう意味ではですね、システム改修も含めて機構(日本年金機構)に今検討をお願いをいたしております。ただちょっと時間はですね、システムを作り替えなきゃいけない部分がありますので、すぐにというわけにはいかないので、検討段階からいろいろな計画を作っていただいてですね、できるだけ早くとはお願いいたしておりますけれども、それからの話になると思いますから、とりあえず今番号を変えましたので、そういう意味ではその方の番号を見ればどうか分かるというような状況は応急的に避けておるという状況でございます。
記者:
そうしますと番号を振らない方法を考えるというスタンスの検討という意味でしょうか。
大臣:
そうですね。番号が表(おもて)に出ない方法と言った方がいいんですかね。
記者:
振ることをやめるわけではない。
大臣:
振ることというか、要するにそこは分からないとですね、いろんな年金の支給等々、特に、例えば離婚した後の分与の問題とかそういうところで事実が分からないとそれはできないわけでありますから、そこは分かるようにならざるを得ないんですが、それが表に出ないようにシステムの中での番号の割り振りみたいな形になるわけなんで、表に出ないと。表に出ない中での、システムの中でのその判別ができるような状況にすることであって、表には出ないという形になるということでございます。
記者:
今の関連ですけれども、同じ話なんですけど、つまり利用者の方に示されるのは番号一つで、ただ例えば内部のコンピューターの中での処理として例えば二つ番号があると、そのような形でそれが表に見えないようにするっていうようなことですか。
大臣:
私もシステム上の細かいことまでは分からないんですが、要するに判別ができないと処理ができないわけですよね。当然必要ですから一応判別せざるを得ないわけですよね。その方にとっての年金のいろいろな給付等々、必要なことですから、ですからそれは分かるようにはしてあるわけですけれども、それが表に出ちゃうとプライバシーの問題が出ますから、表に出ない、つまり外から見ても番号では分からないという状況にするということでございます。
記者:
その固定番号の関係で、反発の方が、共通の固定番号が振られることで性別変更をした方から反発の声も上がっておりましたが、大臣のその所感を聞かせてください。
大臣:
もうこれは本当に申し訳ない話でございまして、要は全くそういうことに対してですね、もう少し神経質になってもらわないと、要するに個人のプライバシーが分かっちゃうことなので、それそのものを出してるわけではないといってもですね、それから類推していけば分かってしまうことでありますから、そのようなキーになる番号がですね、表に出てしまったということ自体ですね、大変申し訳ない話だというふうに思います。お詫びを申し上げたいと思います。とにかくこういうことがないようにですね、この間からいくつかの問題、ずっとこの年金絡みでございました。そういう意味からいたしますと、さらにですね、それぞれの担当者の方々が気を引き締めていただいて、とにかく国民の皆様方の重要な情報を扱っているということと同時に、併せて、それに則った重要な権利を扱っているわけでございますので、こういうことが、もう何度も何度も申し上げて恐縮なんですけれども、二度と起こらないようにですね、もう一度省内それから機構の方もそうなんですけれども併せてですね、意志を徹底していくようにですね、こちらの方で指示してまいりたいというふうに思っております。
記者:
それは黒塗りをせずに情報開示してしまったことについてなのか、それとも、そもそもそういう番号を割り振っていたことなのか、どちらでしょうか。
大臣:
番号を割り振っていたものがですね、本来これ表に出なければ分からない話だったわけなので、まずその黒塗りをしなかったこと自体はもう言語同断の話なんですよね。それに則って、とはいいながらも、より個人情報を守ろうという話になればですね、このような外で見て何らか違いが分かるような番号というようなものよりかは、それが分からないように中で内部処理してですね、必要な時に必要な情報が得られるようにした方がそれはよりプライバシーを守れるわけでございますから、今回のことの反省に立ってですね、そういう形で対応させていただきたいということでございます。
記者:
労働関係でちょっとお尋ねしたいと思うんですけれども、昨日ですね、規制改革会議の雇用ワーキンググループがありまして、企画業務型の裁量労働制についての議論があったわけですが、その中で厚生労働省の方からですね、1万社規模の労働時間の実態調査をするという話があったんですが、改めて伺いたいのは、この調査のねらいとですね、労働時間の規制を見直すとなると、労政審(労働政策審議会)にかけることに確実になってくるかと思うんですが、裁量労働制をですね、広げるということについて、懸念ですとか、あるいはメリットですとか、どういったお考えを持っているか教えていただけないでしょうか。
大臣:
なかなか難しいですね、裁量労働制というもの自体を全て否定するつもりもございませんが、使い方を誤ればですね、これは労働者にとっては過度な労働になるわけであります。一方でうまく使えばですね、より効率的な働き方になるわけでありまして、その意味で調査をした上で、果たして今現状がどういう状況なのかということをですね、把握した上で、どうあるべきかということを考えていかなきゃならんのだというふうに思います。実態がですね、本当に裁量労働制というものを使うことが企業にとってはメリットがあるのかも分かりませんけれども、労働者にとって過重な働き方になったのではですね、意味がないわけでありまして、場合によってはそれこそ本来得るべき賃金を得ないという話にもなるわけであります。ただ一方で裁量労働制が労働者にとってもうまく回ればですね、より効率的で短時間で済む、仕事が短時間で済んで時間がですね、その分だけ自由に使えるという話にもなるわけでありますから、そこら辺のところの実態をまず調査しないことにはなかなかこれを広げていくということが適当であるのかどうかというような判断がつかないということでございますので、そういう話であったんだというふうに思います。
記者:
細かい話なんですけど、調査についてなんですけれども、1万社規模で半年を目途にという話が昨日あったようなんですが、半年といいますと秋にはですね、労政審にかけたいという思いを持っていらっしゃるのか、そこら辺をちょっと何か。
大臣:
まだそこまでではありませんし、そもそもまだそこまで本格的に決まってきた話でもないんだと思うんで、規制改革会議の方で一定の結論が出てくるんだと思いますよね。どういう状況になるのかというのは、それを見ながらという話になると思います。
記者:
今日あの重要広範の厚生年金基金が審議入り、それでなんか民主党はやっぱり修正含めて考えているようですけれども、与野党の修正協議の日程を含めてまずどのような審議をしていきたいか。
大臣:
基金の方ですか。
記者:
基金見直し法案。それから来週には生活保護関連2法と、今月中に再生と薬事を出されるかと思うんですけれども、この見通しをちょっとまた改めて。
大臣:
見通しと、それは委員会の皆様方にお聞きをいただく方がいいのかなというふうに思います。我が方としては、出す法案全てですね、今国会中に成立をしていただければありがたいという思いでございますが、基金に関しましてはですね、これは現状考えますと、今財政的にですね、それぞれの基金、それは基金によってかなり違いがあるとはいえどもですね、若干なりともこの株高でありますとか、それから為替レートの関係でありますとか、いろんなこと等々で財政的には上向きのところが多いというふうに思います。そう考えると、今本当にこの喫緊がですね、解散時だというふうに思われておられる基金が結構あるんではないのかなというふうに推測をさせていただくわけでありまして、なるべく早くですね、やはり解散をしたいといわれる基金が結構あるのは事実でございますので、この法案をですね、早く成立をいただいた上ですね、厚生年金の部分にリスクをずっとかけていくわけにもいきませんから、そういう意味で早くその部分に関してですね、決着を付けていただきたいというふうに思っておりますので、今国会いろいろと与野党ともに、特に野党の皆様方はお考えいろいろあるようでございますけれども、与野党間で話し合いをしていただく中でですね、うまくこの法律が成立に向かって進んでいただければありがたいなというふうに思いますし、我々厚生労働省といたしましても、十分に御理解いただけるような説明をこれからも委員会等々を通じてですね、今日本会議あるわけでありますから、本会議でも御答弁させていただくことになろうと思いますけれども、そのような努力はいたしてまいりたいというふうに思います。
記者:
熊本県の熊本医科大学、今の熊本大学ですが、そこで国立療養所に入所されていたハンセン病患者の骨格標本を作製していたことが明らかになりましたが、大臣の受け止め方を、どう受け止められているか教えてください。それと入所者からですね、その骨格標本を作製した経緯について詳細な調査を求められていますが、国立療養所を所管される厚労省としてどのような働きかけをするか教えてください。
大臣:
私もですね、このことをお聞きをいたしましてですね、かなり以前のことだとはいえですね、これが事実なら大変申し訳ない話だなというふうには思います。事実関係をしっかりとですね、御報告をするようにということで、菊池恵楓園(きくちけいふうえん)に対してですね、入所者の自治会の方からそのような要請があったということでございますので、これに対してはですね、真摯に対応させていただきたいというふうに思っております。

(了)