田村大臣閣議後記者会見概要

H25.3.26(火) 9:20 ~ 9:45 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。まず、本日私の方から1件御報告をさせていただきます。閣議で本日、独立行政法人の長の人事について了解をされました。厚生労働省所管の法人では、まず、独立行政法人国立健康・栄養研究所の理事長に古野純典さん、独立行政法人重度知的障害者総合施設のぞみの園の理事長に遠藤浩さん、独立行政法人医薬基盤研究所の理事長に米田悦啓さん、そして独立行政法人労働政策研究・研修機構の理事長に菅野和夫さん、この4名を4月1日付けで任命をしますということでして、私からは以上です。

質疑

記者:
2点お伺いします。まず1点、昨日、看護師の国家試験の結果が発表になりまして、EPAに基づく外国人看護師の合格率が、昨年よりも更に低く止まるということになりましたが、それについての大臣の受け止めをお願いします。
大臣:
要因はいくつかあるのかも分かりませんが、まず全体として、全体の合格率が下がっているのですよね、1.数%、2%弱ですかね。それに合わせて、やはりEPAの関係の方々も、外国の方々もやはり下がっているということで、やはり2%弱くらい下がっているということなので、全体が難しかったということなのかも分かりません。分析はしていません。ただ、一方で、低いのは事実で、10%を割り込んでいますので、以前からやはり日本語の語学力、この問題が大きいのだと思うのです。今、本国でまず日本語をしっかりと学んでいただくようにしていますので、だいぶ日本語力は上がりつつありますから、その方々が、受験ということになれば、もう少しパーセンテージは上がってくるのではないかなという期待はしています。今回、不合格で帰国される方々も、また来年短期滞在ということで、こちらの方で試験は受けられますので、向こうに帰るとなかなか日本語の語学力を維持していただくのは難しいのかも分かりませんが、頑張ってお越しをいただける方には、再度チャレンジをいただきたいと思います。
記者:
もう1点ですが、やはり昨日、北里大学の方で、厚生科学研究費の補助金の不正受給が発覚したという報道がありましたが、厚労省の方で、たくさん色々な研究に対して付けられていると思いますが、そういうチェック体制というか、その辺について何か見直す考えとかはあるのでしょうか。
大臣:
研究者が、委託したところが、十分な成果を出さずに返してきたということに対して、まだ正確にそれに対してちゃんとした発表と言いますか、研究発表をしていただければ、それはそれで、十分じゃないところに委託したのが悪いという話だったのでしょうが、それを、ちゃんと研究ができましたみたいな形で報告を頂いて、研究費用が使われたわけでありますから、そういう意味では、やはりそこのところは正直に出していただかないと、本来の研究費の意味合いというのがなくなってしまうわけでありまして、そういう意味で、これからしっかりとした指導をしていかなければいけないなと思います。 一方で、公表をなぜしなかったのだという話もありますが、元々、悪質なものをということで、私的流用等々を前提に考えていたところがありまして、平成18年の総合科学技術会議でありますとか、昨年も、24年も、関係各省が競争的資金等々で、申合せをしていまして、そういう意味では、今回はそういう対象じゃないということで、こちらは公表しなかったわけでありますが、ただ、これからこういうものが他の省でもあったというような話をお聞きをしていますので、どうするか、公表に関して。ちょっとこれまた検討しなければいけないなと思っています。いずれにしましても、せっかくこれから研究という、日本の国において経済的な発展のための創出みたいなところで、非常に期待される分野でありますから、使われている研究費がちゃんと使われていないというのは、信頼性の問題でもありますので、しっかりとした指導をしていかなきゃならないと思っています。これは、我が省だけの話ではなくて、多分、関係省庁全体でそういうような話になるとは思うのですが、しっかりと検討しなければいけないと思っています。
記者:
今ほどの北里大の関係で、当時は公表しなかったという御判断ですが、その御判断について今、大臣としてはやはり適切ではなかったというふうな御理解なのでしょうか。今、これから考えていかなければいけないという御発言もあったのですが。
大臣:
ちょっと色々な例が出てくると、やはり不適切であったことは不適切なのですね。悪質であったかどうかが別にして。不適切であったわけで、そういうものに対して、あまりこういう事例が重なってくるとなると、こういうことをしても、要は公表されないという話になると、それが悪い方向に働くとは言いませんが、あまり事例が重なってくるようですと、やはり考えないといけないという話になりますので、今回の事例を公表するかどうかは別にして、悪質というものの判断がどういう定義なのかということについて、考えていかなければいけないなという部分もあると思います。
記者:
時期的なめどがあれば教えてください。
大臣:
まだ、そこまで、めどまでは考えていません。今回のことを受けてというとこもありますので。
記者:
北里の問題の件なのですが、大学は大臣がおっしゃったとおり、私的流用はなかったと結論付けていますが、その中に、やはり研究者自身が理事を勤めるNPО法人を介していたりですね、不透明であるわけですが、その点について再調査をするなどのお考えは、現時点でありますか。
大臣:
いや、うちの方はもうとりあえず、返還をしていただいている話なので、再調査をするつもりはありません。それは大学の方でしっかりとやっていただいて、信頼回復をしていただく問題だと思いますね。やられた方がいいんじゃないですか。
記者:
国としては、現状では、悪質の定義は私的流用があったと認められたものというふうな理解でよろしいでしょうか。
大臣:
いや、その定義がはっきりしていないのですよ。ですから、私的流用ならば完全に悪質だという話でありますが、それも含めて、悪質というものはどういうものだということを一応整理しなければいけないということで、先ほどから申し上げているという話であります。
記者:
今週、依存症の検討会が取りまとまりますが、依存症に特化した初めての検討会ということで去年始まりまして、今後厚労省はこれにどういう取組をされていきますか。
大臣:
28日でしたっけね、報告が出てくるという話ですが、今まであまりやったことないのですが、依存症ってすごく幅が広いので、アルコールもあれば薬物もありますし、ギャンブル等々の依存症、そういうものを幅広く議論いただいて、報告を頂くということですから、これから行政、それから関係団体の方々もそうでありますし、色々なところと連携して、多分医療機関というものは、治療するという意味からすれば、大変重要なところであると思いますので、色々なところと連携して、どういう治療法があるのかというようなこと、どういうようなバックアップ体制と言いますか、フォロー体制が組めるのかということも含めて、頂いた報告書を基に、検討を進めていくという話であると思いますね。
記者:
今後の施策に。
大臣:
なかなか難しいですけど、依存症も幅が広いですからね。薬物だったら多分、化学的な療法だとかってありますが、ギャンブルだとかって話だと、精神的な治療になるのですかね。そういうところも専門家から色々と御意見も頂かなきゃいけないと思いますので。これから、医療施策にどう反映していくかということも含めて、検討させていただくことになると思います。
記者:
待機児童問題について伺いたいのですが、各地で認可保育園の入所を希望する申し立てがなされていますが、自治体の方は、認可外というか認証のところで整備していこうというところで、保護者の希望と、実際の対策がちょっとギャップがあるような面もあると思うのですが、待機児童対策について改めて、厚労省としては、どういうふうな整備を。
大臣:
厚労省としては、基本的に国が運営費を出しているのは、認可保育園ですので、認可保育園を中心に整備を進めていただきたいと思っています。なぜできないのかと、認可保育園じゃだめなのかということも含めて、御相談をいただければ、色々な解決方法等々は、我々がお伝えできる範囲でお伝えさせていただきたいと思いますが、お金の問題なのか、場所の問題なのか、それとも人の問題なのか、色々な議論はあろうと思いますので、事細かく相談をいただく中で、分析して御回答をさせていただかなきゃならんとは思いますが、どうなんですかね、我々もお金の問題と言われても、今の認証保育園もそれぞれ自治体は、国からお金をもらわずにやられているわけですから、そう思うと、認可を受けられた方が得なのではないのかなと思いますが、ただ、逆に認可の方に、かなり手厚い支援を自治体がやっているようなところもあります。すると、無認可を作った方が安く上がるということもあるのかも分かりません。そういうところ、ちょっと我々もしっかり分析していないので、そういうとこを分析しなきゃいけないとは思うのですが、いずれにしましても、子ども・子育て新制度は、認可保育園、それからあと幼稚園と言いますか、幼保連携型の認定こども園、こういうものを中心に、待機児童解消というものを図ろうということで、法律を作って、これからいよいよ27年度スタートということを念頭に置いておりますので、やはり中心は認可保育園。質というものを担保しながら、待機児童対策をしていきたいと思っていますから、そういう意味では、そちらの方につながるような。なんでつながるようなという話をするかというと、例えば今の認証保育園にしても、将来認可保育園を目指していただくのならば、それに対して一定の補助をしようというような、そういう便宜も作っているわけなので、やはり認可保育園を目指していただくような方向の中で、しっかりと待機児童を解消を図っていただきたいというのが、我々厚生労働省の思いであるということは御理解いただきたいと思います。
記者:
除染手当の監督のことなのですが、昨年11月に監督に入るときに所長が、事前にゼネコン側に日時と中身を伝えたために現場で口止めされて、作業員が本当のことを言えなかったという事案が明らかになりました。これについて、大臣の受け止め方と対応策について教えてください。
大臣:
これに関しては、どういうような経緯であったかというのは、担当の方から聞きました。もう新聞で流れていた案件で報道されていたので、そういう意味ではあらかじめ資料を用意させた方がスムーズに調査ができるというような考え方の下で、それを用意しろというようなことを言ったと。ただ、結果として口止めというようなことが起こっているというような報道があるわけでありまして、これは思っていたことと違う方向にはねているので、そのやり方は良くないだろうと、特にこのような事業者に対しては良くないだろうということで、その後抜き打ちに完全に調査方法を変えているようでありまして、そういう意味からすれば最初のやり方というものは、やはり反省と言いますかちょっと失敗だったなという意識は持っております。ですから、もう変えたということでございます。 なお、相手側の調査を受けた企業の資料に、弁当8個だとか何か書いてあったといいますが、注文したこともなければ、便宜供与を受けたこともないということでございますので、たぶん書いてあるペーパーまで写真で載ってましたので、向こうが来た場合の対応でそんなことを準備のために書かれたのであろうというふうに推測いたします。こちらの方からそういうことをお願いしたことは一切ないということでございます。
記者:
社会保険病院の会計の問題についてなのですが、先日発表があって、社会保険病院の9割で決算修正が必要で、総額が30億円を超えるということでかなり大きな額かと思うのですが、改めて厚労省のこの問題についての対応と、それから問題の責任の在り方について大臣はどうお考えですか。
大臣:
以前に、会計を明朗にしなさいということで、いろんなお願いをしてきたわけであって、他の病院、厚年病院でありますとか、ちゃんと対応いただいているんです。各病院ごとに会計に関しては透明性をちゃんと担保していただいているわけで、それが今回社会保険病院に関しましては、病院ごとにやっていないということで、どんぶり勘定なことをずっとやってきたつけが今回出てきたと。ですから、私的流用ではないとは思いますが御報告どおり。しかし、これは分からない話ですけれども、今のところそういう報告は受けていないので、ただ、非常に不明朗な中で未だに何に使われたか判明できていない部分もあると。かなりの部分は判明してきましたけれども。これは、元々の経緯からすれば、社会保険の中でやっている病院等々、もっと言うといろんな施設がございました。それを売却してくる中で病院等々に関しては、地域の医療に関して非常にニーズがあると、要望があるということで、売却をすることをせずに、もちろん売却できるところは売却していただいた所もありますが、多くの病院をそのままの形で存続いただいて、しかもRFO(独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構)という機関の下で運営いただくという話で、そこから委託をするわけでありますが、こういう形を取ってきたわけでありまして、やはりちゃんと今までの体質から生まれ変わっていただくという機会、チャンスはあったわけでありまして、そのチャンスを活かさずにずっと昔のまま引きずってきた不明朗な会計が露呈してしまったということでございます。ですから私は国民に対しての説明責任をしっかりとしていただかなければ困ると同時に、併せて責任の所在も国民の皆様方に御理解いただけるような責任の取り方というものをしていただかなければならないと思っております。かなり大きな問題だというふうに認識いたしております。
記者:
風しんのことについてお尋ねします。風しんが大流行しておりまして、患者の7割が20代以上の定期接種から漏れているところが中心だと見られていますけれども、その中で、流行を抑えるために東京都など一部の自治体では接種費を助成するという動きもありますが、大臣の現状の風しんへの認識と、今後国としてもそういった助成をするような御予定はないのかどうかお聞かせいただけますか。
大臣:
なかなか助成という意味からしますと、他にもいろんなワクチンの定期接種化も含めての議論がありまして、財源的に今すぐそれだけのものを準備できるかどうかというと、今のところまだめどは立っていないという状況であります。なお、一時期風しんに関しては、女児だけが受けるという中で、男の子が受けていなかったという、そういう歴史的な経緯があり、それからその後男女共に受ける中においても、なかなか接種率が低かったという経緯があり、今の20代から40代、ちょうど私の世代なんかもそうなのですが、しっかりと免疫を持っていない方々がおられるということがありまして、この問題で特に今年は風しんが例年に比べてはやっているので、問題があるということでございますから、妊婦の皆様にもし旦那様からうつると胎児に対して影響があるという話でございますので、注意喚起をしっかりやっていかなければいけないということで、今またポスターを作るということで、注意喚起のためのポスターを作って、特に自治体、学会等々を通じて、産婦人科医ですね。こういうところに貼り出しながら、また、産婦人科の先生方に相談に来られた妊婦さんに対して、しっかりとこういう危険性があるから、御主人がもし風しんに対しての予防接種をしていないならば、受けていただくようにというような注意喚起をしていただいて、自らのお子さんの健康を守っていただきたいと思います。
記者:
ポスターはいつぐらいの時期に。
大臣:
ポスターはもう作っているので、もうやがてだと思います。
記者:
除染手当の関係で、口止めがあったということで報道されたのですが、実態把握について、口止めをした元請けの企業、それから下請けの企業とか、実際虚偽の話をしてしまった労働者の方とか、色々と当事者が出てくるかと思うのですが、その辺を厚労省として実態把握の調査という意味ではどういうふうにされていますか。
大臣:
まず、企業からちゃんと聞き取りをしなければいけませんし、その中において、全く私も現場での調査状況を事細かく知っているわけではありませんが、もし報道されているようなことがあれば、それはしっかりと事実確認に入っていくわけですし、そういうようなことがないという話であれば、それはいろんな方々から話を聞いていかないと、報道ではそういう報道があるのに当事者の元請けからはないだとかという話になると、それはそれでいろんな問題がありますから、下請け、場合によっては対象者を見つけるのは大変難しいのですが、対象の労働者の方々からも話をお聞きしなければいけないというふうに思います。
記者:
これからやっていかれるのですか。
大臣:
今やっている最中です。既にやっています。1回目の調査がそういう話で、ちょっと色々と隠されたというような話がありましたので、現在調査をしておる最中であります。調査の内容はまだ報告できませんので、結果がまとまったらまた御報告する話であります。
記者:
昨日、幼児教育無償化の政府・与党の会合がありまして、その後に森まさこさんから、対象の範囲として認可外保育施設も対象範囲となっていることを前提に検討を進めたいという発言がありまして、一方文科省の試算では認可保育所と幼稚園のみを試算となっていますが、大臣としてはどこまで対象範囲を広められるのかお考えをお願いします。
大臣:
森さんはそうやって言われましたか。認可外も含めてと。
記者:
認可外保育施設も対象範囲となることを前提として更に検討を進めたいと。
大臣:
排除していないという意味ですよね。これから検討するという意味でしょう。というのは昨日出ていた議論では、全体ですよねという議論はあったのですよ。子どもたち全員に対して何らかの対応をしなければいけない。漏れる意味からすると、家で英才教育されているようなところも、それはそれでちゃんと幼児教育をやっておられるのでいいのですが、所得制限どうするんだという議論もありましたし、いろんな議論があったのですが、無認可の場合問題なのは、政府としてなかなかグリップできないわけです。もちろん都道府県には届出はいただいているとは思いますが。そうすると幼児教育の無償化と言いながら一定レベルの幼児教育をどう担保できるかという問題が出てきますよね。幼稚園、保育所に関して言えば、それは政府がそこにおいて、例えば保育園なら保育士、幼稚園なら指導要綱なんかを作っていますから、それでやれると思うのですが、無認可の子ども預かり施設だと、そういう物がないわけでして、すると幼児教育の質というものをどう担保するかという問題になりますから、色々と知恵を出さないと難しい部分があると思います。そういう意味からして、無償化する限りは幼児教育の質を上げなければいけないという議論も昨日あったわけでありまして、ただ単に安くなるだけじゃなくて、ちゃんとした幼児教育をやらなければいけないということから考えますと、そこにおいての無認可子ども預かり施設等々に対する対応はどうするのかというのは、なかなか難しい課題かもわかりません。しかし、それも含めて幅広に議論をしていって、早い時期ですからもう6月ぐらいにはもう結論が出ていないといけないので、結論を出していくという話になってくると思います。
記者:
親御さんが親の方針で、私は無認可のところが良いというふう選んで入っているのだったら対象にならなくても仕方ないのかなと思うのですが、先ほど質問もあったように子どもが認可保育所に入れなくて、無認可に入っているという現状が非常に多いので、そこで無認可の保育施設を対象外にしてしまうと・・・。
大臣:
無認可の施設が、ちゃんとした幼児教育をやっていただいているならば対象になる可能性はあると思いますし、ただ、今回の場合は預かりの無償化ではないんです。子どもを預かっているところの無償化ではなくて、幼児教育の無償化なので、やはり一定レベルの幼児教育をやっていただくということが前提にならないと、ただ単に子どもを預かることの無償化みたいな話になってしまうので、それはまた違う話になってきますから、まだ何も決まっていませんが、例えばの例で、無認可の中でも一定レベルのちゃんとした幼児教育を一定のライン以上を超えていれば対象にするということはあるのかもわからないということで、まだ何も決まっていませんから、今のところも含めてどうするのかということです。今おっしゃった議論はまさに問題点として上がっているんです。無認可の子どもたちに対して幼児教育の無償化というものの恩恵が全くないというのは問題あるよねと、これをどうするんだと、一方でかといって幼児教育の無償化という話なので、幼児教育としての質もある程度担保されなければいけないねというのもあって、お互いの点からそれぞれ議論がある中で、これからどうしようかという話をしていかなければならないということであって、おっしゃっている問題意識というものが、まさに昨日も議論されたということであります。

(了)