田村大臣閣議後記者会見概要

H25.3.22(金)8:26 ~ 8:40 ぶら下がり

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。本日私の方からは御報告はございませんので、御質問を頂きたいと思います。

質疑

記者:
今日から、違法薬物の包括指定が初めて施行されるのですが、初めて施行されることについての受け止めと、改めてとなりますが、違法薬物の包括指定の意味と、今後の厚労省の違法薬物への取組について伺いたいと思います。
大臣:
まず、化学構造が似通ったものを包括指定するということで、772物質に対して、包括指定を行ったということです。非常に、脱法ドラッグ、社会の中にまん延してきているということでして、ある意味、覚せい剤等々よりも安価に手に入るというような傾向があるようですので、そのような意味からしまして、やはり、しっかりとまず元をどうやって絶っていくか。なかなか難しいのですが、これをやっていかなければいけないという中においての、指定薬物という形での今回の指定になったわけでありますから、この包括的な指定において、いうなれば、今までは戦力を逐一割いておったのですが、これをまとめて今回包括指定ができるということになったので、かなりこちらも戦略的に、脱法ドラッグを取り締まっていく上において、武器を持ったのではないのかなというような、そんなふうに受け止めています。なお、次から次へと、もぐら叩きではないかというような話もありますが、今申し上げましたとおり、1物質ずつこうやっているよりかは、包括で指定できるようになった方が、グループでこれを叩けますので、これから色々な意味でも、また新しいものが出てくれば、また新しく包括でこれを指定していくという形が取れますから、かなり今までよりかは、取締り等々やりやすくなるのではないかと期待しています。
記者:
行政評価局調査の件でお尋ねなのですが、ジェネリック薬の推進とか、デバイスラグ、ドラッグラグの問題で、総務省から勧告が出たと思うのですが、それについての受け止めと、今後の取組についてお聞かせください。
大臣:
今までも言われてきている部分で、問題意識としては我々も持っていました。正直申し上げまして、ドラッグラグ、デバイスラグに関しては、法改正も含めて、色々な議論をこれからさせていただくことになっていますし、ある意味、再生医療製品等々に関しても、関連の法律を出す予定ですので、そういう部分にしっかり対応していかなきゃならんと思います。それから、治験体制等々も、臨床研究に関して、色々と整備をしていこうという方向ですから、こちらの方も、色々と頂いた御意見を基に、これから整備していきたいと思っています。ジェネリックは、なかなか問題点も出てきているわけですので、とりあえず、目標に向かって、これが実現ができたかできていないか、多分、無理だったというふうに思うのですが、これ更なる目標をもう作らなければいけませんし、そういう意味では、生活保護の方々のジェネリックの推進も含めて、これからしっかりと取り組んでいきたいと思います。あと、薬の安全の問題は、一番根幹の問題ですから、これに関しては、これからもしっかりと取り組んでいくという方向性を示していかなければいけないと思っています。いずれにしましても、頂きました御意見等々を、しっかりと我々も中身を読ませていただきながら、これはある意味、ちゃんとやれよという、そういう激励の言葉もあると思いますので、従わせていただくべく、色々な問題がありますが、半年位をめどに色々なことを進めていきたいと思っています。
記者:
包括指定の件で追加なのですが、指定薬物の使用や、使用目的の所持についての規制については。
大臣:
そうですね、所持自体を罰するというのは、一つの考え方だと思いますが、一方で、所持していただけで、罪の対象にするということ自体に対しての色々な御意見もあるとお聞きしていますので、そこら辺のところをこれからどうしていくか、慎重に検討はしていきたいと思います。ただ、これから更に、こういうような包括指定をしても、この問題が広がっていくような話になってくれば、それは世論からまた色々な声が出てくると思いますから、そういう声も含めて勘案をさせていただきたいと思います。
記者:
昨日の規制改革会議で、議員の方々から、2年間で待機児童ゼロで、更に設置基準について、特例的、時限的に緩和するべきではないかという提言がなされたと思いますが、改めて大臣のお考えを教えてください。
大臣:
待機児童ゼロというのは象徴的な話になるのですが、潜在待機児童数というのは、これ完全に我々も把握できていないですよね。待機児童を減らしてくると、また顕在化してきて、数が戻ってくるということを、ここ数年間繰り返していますから、若干減っているこの数年と言いながらも、全体から見れば、ごくごく僅かな減り方しかしていないわけでありまして、何をもってしてゼロとするかというのは、なかなか難しいところです。だけれども、一定の目標を持って、それに向かって整備していくということはできるので、現状、どの数値目標というような話にするかという部分だと思います。それを、象徴的に待機児童ゼロというふうにおっしゃっておられるのだろうなというふうには思います。色々な、設置基準の問題は、一方で、質の問題等々、これは心配されるお声が、昨今東京を中心に色々なところから上がってきているということも認識をしています。それぞれお子さんをお預けになられている親御さんの方から、やはり一定の水準等々もちゃんと担保してくださいねというようなお声を頂いていることも、我々も承知しています。そんな中において、どうやってこの二つの問題点といいますか、これを調和させていくのかという知恵を出さなきゃいけないのかなというふうに思っていますので、ちょっとこれからそういうお話が出てきて、いよいよそういう方針だということになってくれば、それに対してこの二つの課題を両立できるような、そんな方策を難しいですけれども、検討していかなきゃならないのだろうなと思います。これからの議論ですね。
記者:
関連なのですが、月曜日に幼児教育の無償化の党の協議会が始まると思うのですが、今ちょうど認可の二次募集が終わった時期で、4月に保育所に入れないことが決まったお母さん方とかのお話を聞いていると、やはり優先順位はそっちなのではないかなというふうな考えもあると思うのですが。
大臣:
優先順位はそっちですね。今やっていますからもちろん。ですから待機児童をどう解消していくかという問題と幼児教育の無償化というのは両立する話ですので。
記者:
財源とかそういった面はどうするのでしょうか。
大臣:
財源はこれからどうするかということで、幼児教育の方は財源をちゃんと確保した上でという話です。ただ、待機児童の解消というのは財源だけの問題ではないんです。実際問題保育士の方々をどう確保していくかという問題があったりだとか、そういう問題を解決しないと、お金だけ付ければ待機児童解消という話にはならないので、そういう意味からすれば両立はしていくのであろうと思いますし、財源の問題は今申し上げましたけれども、待機児童の方はしっかりと確保する道筋があるわけです。一定程度の。それは消費税というものも含めてでありますけれども、ですが一方で幼児教育の方は、まだ財源をどうするかという議論にこれから入るわけでありますので、そういう意味からしますと、幼児教育の無償化の問題はこれから、月曜日からいよいよキックオフになって議論が始まるというふうに御理解いただければいいと思います。
記者:
関連ですが、規制改革会議の中で、委員の方がおっしゃってらっしゃったのが、横浜ですとか大阪ですとかの例を見ると、首長のイニシアティブに待機児童問題が非常に左右されるというお話だったのですが、まだ全国の中ではあまり熱心ではない首長さんもいらっしゃる気もしますが、国として首長の意識を高めるためにできることは何かあるのでしょうか。
大臣:
ある意味、いろんな自治体の考え方があられるというのは私も理解をしているところでありますけれども、やはり認可保育所を作って欲しいという声が非常に大きいわけでありますから、そういうものに向かってそれぞれの自治体の長の方々が御理解をいただきながら、保育所をお作りいただく、認可をいただくということが大事だと思います。認可という意味では今は都道府県という話になりますが、都道府県の首長さん、知事さんらが御理解をいただきながら、併せてもちろんそれぞれの自治体、市町村長もそういう意味ではちゃんと御理解いただけてないと上がっていかないわけでありますから、そういう意味では協力をいただくという意味からしまして、一つの考え方ですけれども、新制度に向かって民間の特に株式会社やNPOの保育所の開設に関しましても、要件というのを明確化したわけです。ですから、そういう認可要件というものを明確化した上で、そうなれば当然認可をしなければいけないわけでありますから、認可をいただくというふうなことの基準を前倒しして、こういうような方針ですからということをお伝えするということは一つかも分かりませんね。決して整備できないというような制度にはなっていませんので。認可はできるようになっていますから。そういうものをより地方自治体の方に明確にお知らせをするということは一つかも分かりませんね。
記者:
もうひとつ、会議の議論の中で、東京の認証保育園は保育士の数が、認可保育所に比べて少ないのですが、評価は非常に高いというようなお話があって、必ずしも保育士さんの数、割合だけでは質は決まらないのではないか、というような議論があったという話なのですが、これについては。
大臣:
そうなのですか。私は聞いていませんが、そういうことも色々と議論する中で今お母さん方が、いろんな活動をされておられると思いますので、そういうお声もあるかも分かりませんけれども、やはり十分な保育士資格を持った方々が配置されているべきだというようなお声も大きいわけですので、それはいろんな見方はあると思いますが、やはり預けておられる親御さんの御意見というのが一番重要なんじゃないですかね。それから、実際問題そこで育っている子どもたちの声というものが私は重要なのではないのかなというふうに思います。ちなみに、その認証保育園も今は大体6割7割ぐらいの基準だと思いますけれども、ちゃんと認可と同じような配置をこれからしていかれるべく、御努力したところに対しては国の方から助成が出るというふうになっているのですが、東京はいろんな事情があって、それがなかなか出ない。23区は補助金が一般財源化したものですから、それを上乗せできないというような話でして、これは、どうするべきかなというような私どもも頭を抱えているところではあるのですが、東京の中でも他の地域は、認可を目指されるところに対しての我々は応援していきたいと思っていますし、また、保育士さんを目指す方々、今は実際に現場で働かれていて、資格は持っていないけれどもという方々に対して、その方々が保育資格を取ることに関しては支援策を設けておりますから、そういうものをお使いになりながら、資格を取っていただいてしっかりと認可になっていただければ、国の方の運営費の方もしっかり出るわけでありますから、そういうことも御利用いただければありがたいなというふうに思います。
記者:
子ども・子育て会議がいよいよ本格始動ですけれども、これについての期待といいますか保育の質に向けてどう期待されているのでしょうか。
大臣:
子ども・子育て会議ということで、動き出して、全体のこれから細かい制度設計、運用の在り方というものが決まってくるわけなので、そういう意味では、しっかりとした質を担保するための単価ということも考えていかなければなりません。短時間保育というものに対して、どのような単価設定をするか、これもなかなか難しい話なのですよね。時間だけで割ったのでは、たぶん共通的な経費が持たないという部分もあります。それから実際問題保育士さんらが、今までの配置と変わるわけですよね。短時間保育が入ってくるから。短時間保育を一つとってもいろんなことをこれから御議論をいただかなければならないと思いますし、そもそも、これから本当の潜在的な待機児童をどう把握するか、把握する方法は何なのかということも実は大きな問題で考えていかなければならない。そういうことも御議論をいただきたいなというふうには思っているのですが、ある意味これからそれぞれ地方で子ども・子育て会議の地方版が立ち上がっていただかなければいけないわけでありまして、そういうものに対しての一つの見本となるような形で、どう動いていくかというところに我々注目しておりますので、是非とも民間の委員の方々には、御協力いただいて、良い議論をさせていただきたいなと思っています。

(了)