田村大臣閣議後記者会見概要

H25.3.12(火)8:40 ~ 8:54 ぶら下がり

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
本日、私の方から1件、御報告させていただきます。昨年、厚生労働省からも検討をお願いをしておったのですが、母体血を用いた新しい出生前遺伝学的検査に関しまして、3月9日に、日本産婦人科学会の指針が決定をされたということでして、関係5団体からの共同声明が発表されましたが、共同声明と指針の概要でありますが、一つは専門家による十分な遺伝カウンセリング等々によりまして、検査の意義や限界等々、これをしっかりと御認識いただくということ。それからもう一つは、検査対象者について一定の要件を課すということでして、こういう中において、全ての関係者の皆様方にも、この指針等々をしっかりと尊重していただいて、御対応をお願いをしたいと思います。また、厚生労働省としましては、正しく御理解をいただきますように、必要な情報提供を進めてまいりたいと思っています。いずれにしましても、実態把握、それから遺伝カウンセリング等々の体制の充実等々に関しまして、厚生労働省としましても、しっかりと対応してまいりたいということです。 以上です。

質疑

記者:
まず、この新たな出生前検査に関してなのですが、学会が示した指針には、法的拘束力がないということなのですが、国として、4月にも新たな検査が実施されるというような見通しの中で、何かしら対策を講ずるという考えはあるのでしょうか。
大臣:
今申し上げましたとおり、指針をお出しいただいたということですので、これに基づいて関係者の方々、これは学会のみならず、日医等々も通じてですね、それぞれ医療機関等々含めて全体的にこれはお守りいただきたいということでお願いをされておられるし、我々もそういう方向でお願いをさせていただきたいというふうに思っています。ですから、学会関係者だけという話ではないので、全体として、これを踏まえた上で対応をお願いしたいということを申し上げたいと思っています。
記者:
現状、法制化ということに関しては視野にはないということですか。
大臣:
なかなか、法制化という話になりますと、難しいですよ。何をどう縛るのか対象は何なのかということも含めて、法制化に馴染むのか馴染まないのかということも含めて、これは対応をしなければならない。何よりも、保険診療でもないわけでありまして、自由な医療行為の中でやられておられることでありますし、場合によっては、国内のみならず海外まで関わってくる話でありますので、なかなか法制化というものに、そぐうのかどうかということも含めて対応しなければいけないと思っています。なかなか難しいと思います。
記者:
またこの検査に関してなのですが、先月国内の業者が、アメリカでの検査の仲介をするということをホームページで謳っている業者がありましたが、この業者に対する調査の進捗というのはいかがでしょうか。
大臣:
今随時行っている最中ですので、個別の企業の話ですから、どこまで開示できるかという問題もありますが、結果がまとまり次第対応してまいりたいと思っています。
記者:
もう1点別件なのですが、原発の作業員の賃金のピンハネ問題に関して、先日経産大臣の方から、労働条件なので厚労省の方と相談したいという話があったのですが、例えば除染手当のように、危険手当的なものを国が基準を示したとかですね、そういったような対策を講ずるお考えはあるのでしょうか。
大臣:
事実関係を全て確認したわけではないのですが、東電さんが危険手当なるものを上乗せをして発注をされておるということであるならば、その趣旨が十分に元請、下請まで伝わっていないということですので、それに対しては、十分の御配慮をいただきたいという思いはあります。合わせて、上乗せをして発注をされているということであるならば、まとめて、分割してといいますか、これが危険手当分だということで発注をされていないとすれば、上乗せされているならばそういうような、これは危険手当分なのだということを明確に分かるような形で元請等々に発注をしていただければ、意思は伝わっていくわけでありますので、そういう形になるようなことを、これは厚生労働省はあくまでも働く方々の労働環境、条件が担当でありますから、直接なかなか言うわけにはいかないので、当然ここは経産省と協力をさせていただいて、そのような趣旨が伝わるように、お伝えさせていただければなというふうに思っています。ただ、ちゃんと危険手当というものを乗せて発注いただいていることが前提ですけれどもね。
記者:
新型出生前診断についてなのですが、新型だけでなく出生前診断全般について件数などの調査に乗り出すということなのですが、国が関与するのは10年以上していなかったのですが、今回新型以外の全ての出生前診断について調査するという理由はなんでしょうか。
大臣:
今回、こういうような形で、ちょっと以前のものと比べていくつか違う点もあるのです。今回の新しい遺伝学的な検査というものが、全て100%ではないですよね。そういう意味の中において年齢においても検査の正確度が違うみたいなことがあるので、それはそれで一方で十分に認識を国民の皆様方にしていただかなければいけないということがあるんですが、一方で全体でこういうような出生前検査というものに対しての国民の皆様方の理解度をどう考えるということも含めてそういう全般のことを、そろそろ一定の範囲の中で検討する時期に来ているんだろうなということで、そこはしっかりとそういう部分に関して調査をしてみればどういう結果が生まれてくるかということがある程度分かるということです。
記者:
今回調査を4月からということですが、一方で母体血清マーカーの検査というのは平成11年に厚労省の見解が出されていまして、それ以降出生前診断に対しての見解は出ていません。今回調査を踏まえて結果次第では、更に見解を審議会の議論等を踏まえて改正していくようなお考えはありますか。
大臣:
これは、どういうような結果が出てくるかということを踏まえての話になると思います。いずれにいたしましても非常に議論を呼ぶ話であることは間違いないと思っています。ですから、誤解のないように十分に国民の皆様方に調査の結果等々踏まえて主旨が伝わるような形にしませんとね。とにかくいろんな検査が出てきております。精度もそれぞれ違います。そういうことも踏まえた検討をしなければならないと思っていますので、全て一律に同じ検査だという話ではないので、そこら辺のところも踏まえながら今の現状に合わせた基での判断みたいなものを検討していく話になると思います。
記者:
遺伝カウンセリングについては、保険適用を求める声もありますけれども、その点についてはどのようにお考えでしょうか。
大臣:
そうですか。保険適用はちょっと保険の趣旨からは外れますので、保険の趣旨はあくまでも診療・治療でございますから、それ以外のものに対して保険適用される例というのは、私の記憶する限りは無いと思います。それに関してはなかなか我々としては了解するわけにはいかないという話になると思います。
記者:
出生前診断というのは、人工妊娠中絶と切り離せないと思うのですが、今回調査を行うことでその先の出生前診断の後の人工妊娠中絶についても調査を行うお考えはありますか。
大臣:
これは、なかなか調査が難しいですね。実態として中絶というものに対してのセンシティブな対応みたいなものがありますから、なかなか調査をして実態が分かるたぐいのものではないと思いますので、そこまでは踏み込むつもりはございません。いずれにいたしましても母体保護法の中において一定の条件があるわけでありまして、そことの関係は非常に微妙なことでございますので、そこまで踏み込むつもりはございません。
記者:
子宮頸がんワクチンの副反応について伺いたいのですが、杉並区が独自救済の方針を出したのですが、副反応を認定して、それについての大臣の受け止めを伺ってもよろしいですか。
大臣:
これは、地方の事業という形になっておりますので、それに対しての対応ということを考えていただいたのだと思います。これは、いよいよ定期接種になってくるわけでございまして、そういう意味では副反応等々に対しては万全の対応をして行かなければならないというふうに思っています。杉並の対応に関しては非常に真摯な対応をされたという認識です。
記者:
子どもたちをめぐっては、同じように重篤な症状になりながらもほとんどのケースで補償を受けていないということで、そういう現状は大臣どのように認識していますか。
大臣:
定期接種化になりますから、その後の対応はしっかりとやっていかなきゃならんと思います。
記者:
あと、ワクチンを受けて重篤化したときに、原因不明で病院をたらい回しにされるケースもいくつかあるようなのですが、そういった副反応の検証体制とか病院への周知とか、そういうものは厚労省として十分だとお考えですか。
大臣:
全体として今回予防接種法の改正で、副反応に対する報告義務を課すわけでありまして、そういう中においていろんな症例みたいなものが出てまいりますから、それを含めて周知徹底をしていかなきゃならんと思っていますし、いずれにいたしましても、このワクチンというものは一定の効果には一定の副反応というものがどうしても出てくる部分もございますから、これからもそういう副反応のいろんな問題が起こったときに、ちゃんと報告体制が組めるように指導していかなきゃならんと思っています。
記者:
改めて、生活保護費の不正受給に関してなのですが、件数・金額が過去最悪ですが、大臣の受け止めと今後の対策を。
大臣:
今後の対策は、これから生活保護法の改正の中で、罰金等々を増やすだとか、それから、本人の同意の下で保護費の中から、これを徴収していくだとか、それからあまりにも保護を出入りする方々に対しては十分に状況を考え場合によっては厳しい対応を取っていくだとか、いろんなことやらせていただくつもりです。法改正において。ただ、今回のことは急に増えたということではなくて、各自治体が厳格に対応をした中において、今までは不正だという認識がなかったものが、厳格に対応してみると、やはりこれも不正だねということで増えてきたわけでありまして、急にみんなが不真面目になったというよりかは、厳格にやったことによって、今まで隠れていたものが出てきたということでございますから、引き続き各自治体に対しましては、この生活保護費に対しては適正な対応をしていただく中で、不正受給、適正じゃないと言った方がいいのかも分かりませんが、受給があった場合にはこれにしっかり対応していただきたいということですね。

(了)