田村大臣会見概要(平成25年度予算編成大臣折衝後)

H25.01.27(日) ぶら下がり

広報室

会見の詳細

質疑

記者:
大臣折衝の結果ですね、それぞれの項目についてはどのような形になりましたでしょうか。
大臣:
我が省の要望のとおり合意を頂きました。まず2点、総務大臣と合意を得るもの、それから財務大臣だけのものがあったんですけれども、まず財務大臣だけのものでは、生活保護、これの生活扶助費でありますけれども、これの基準、これに関しまして、基準の歪みというものと、それから物価を反映させるということで適正化をするということ。それから、それに関してはほぼ3年間の経過措置を講じるということですね。あわせてですね、生活保護制度の見直し、更には生活保護にまだ陥っておられない方も含めて、生活困窮者に対しての対策、これをしっかりとしてまいるということで合意いたしました。それからもう1点は協会けんぽの方でありますけれども、総報酬割制度の3分の1、これを継続をする。22年度から24年度までやってまいりましたけれども、これを26年度まで、国庫負担の16.4%でありますけれども、これを延長するということを合意をいたしました。お手元に資料で生活保護はいってますかね。詳しいことは事務方の方から中身は説明があると思います。それからもう1点は、年少扶養控除の見直しに伴います地方財政の追加増収分ですね、これに関しましてですけれども、まず特定疾患治療研究事業の方でありますが、これに関しましては、いろいろと今まで足らなかった部分がございまして、こういうものをしっかりと対応していかなきゃならんということで、25年度に関しましては、不足額が24年度を下回るようにということで、しっかりと国庫補助費の方を対応いただくということ。それからもう1点は26年度予算に向かってでありますけれども、なかなかこれ穴が空いている部分がありますので、これが安定的に財政的に対応できるようにということで、法制化、それから必要な措置も講じていくということに対してこれから調整を各省していくということで一致を、合意を得たということであります。それからもう一つは、これと併せてなんですけれども、妊婦健診と、それから例のワクチンですね、子宮頸がん予防ワクチンにヒブワクチン、それから小児用肺炎球菌ワクチンですね、この3事業を今まで補正予算で対応してまいりましたけれども、これもこれから一般財源というような形の中で対応していくということでございまして、これに関しては当然法制化をしなければなりませんから、今国会で法律改正をしていきたいなというふうに思っております。
記者:
生活保護に関しては今年の8月から3年間かけてという御説明でしたが、3年間でのその国費の影響額と今年度はどの程度の効果があるんですか。
大臣:
確か3年間で生活扶助が670億、それから期末一時扶助、これが70億でありますので、両方合わせると740億ですかね。それと今年度だけですと、二つ合わせて221億円という形になると思います。
記者:
それの削減効果があると。
大臣:
削減効果といいますか、適正化の中でそれだけ財政的に削減効果が出てくるのかもしれないですね。
記者:
引下げに関してはやはり慎重であるべきだという意見が最後まであるかと思いますが、この基準で下げますという形になった理由というのを改めて教えてください。
大臣:
適正化ですから、そういう意味からしますと、下げるのありきというよりかは、一般の低所得者の方々の消費動向、これと比べてですね、結果的にこういう形になったと。もちろんその中にはですね、先ほども言いましたけれども、物価分があります。この数年間物価が下がってますから、それを反映をするというのは、これは年金等々でも同じようなことをしておりますし、いろんな部分で同じようなことをしておりますので、これは適当・合理的ではあるのではないのかなというふうに思っています。それを合わせますと、今回のような結果になったわけでありますので、ただそれだけでは駄目でありますから、生活保護制度自体をですね、やはりこれ見直さなきゃいけないなと。あわせて、やはり全体的に生活困窮者の方々に対して、これは生活保護を含めてなんですけれども、いろんな対策をしていかなきゃならんと思っております。そういうことを考えて今回のような形になったと。すごく下がったようなイメージがありますけれども、全体的にやっぱり物価でそれぞれの賃金も下がってますし、そういうものの影響もあるんだと思いますので、そういう意味ではこれからアベノミクス等々でですね、景気が良くなっていって国民の所得を増やすということが一つ我々の眼目でありますから、そうなってくれば当然今回また違った形になると次の基準見直しの時には変わるんじゃないのかなというふうには思っています。
記者:
大臣がおっしゃってますその生活保護制度の中のですね、例えば不正受給対策とかだと思うんですが、或いは後は就労支援とかですね、そういう部分はこれいつぐらいまでに全体像をおまとめになるのかなんですが。
大臣:
もうなるべく早くやらなきゃならないと思っております。もちろん制度改正、法律改正のルールもございます。法律改正は今国会非常に厳しい日程で、スタートもこれだいぶ遅れてきておりますし、併せて会期末の方も制約もあるということでございますので、今国会に出せるかどうかというのは非常に厳しい状況であるのは確かでありますけれども、法改正できない部分でもやらない部分でもある。ない部分でもやれる部分はありますので、そういうものも含めてですね、早急に検討して対応してまいりたいというふうに思います。
記者:
難病支援なんですけれども、26年度法制化ということは、先般専門家委員会で提言がまとまりましたが、新しい難病支援制度は26年度からスタートするというふうに理解してよろしいでしょうか。
大臣:
それを目指してですね、今委員会の方で検討いただいておりますので、何とかそれに間に合わすべくですね、我々対応してまいりたいというふうに思います。
記者:
それは財務省と総務省が合意したということで、課題となった財源が一定のめどがつくということかと思うんですけれども、そういうふうに理解してよろしいでしょうか。
大臣:
それも含めてこれから調整をということでございますので、一応今日の合意文書はですね、お手元にあるかどうか分かりませんが、法制化、また必要な措置、これに向かって調整をしていくということでございますから、調整を図ってまいりたいというふうに思っています。
記者:
生活保護なんですけれども、先ほど削減額をいただいたんですが、3年間で生活扶助何%かということと、あと初年度何%かということを。
大臣:
3年間で6.5%でありますが、初年度私もいまちょっと計算していないんで何とも言えないです。後でちょっと事務方の方から細かいことは。
記者:
生活保護なんですけれど、この間も伺いましたが、生活保護受給者以外の低所得者ですが、他の制度にはねると言われていますけども、その方たちへの影響と対応についてもう一度お願いします。
大臣:
住民税非課税の一つの基準であるのは確かですけれども、ただこれはですね、そうしなきゃならないという話ではございませんので、これから税制改正をしていく中で、ちょっと色々と我々もですね、いろんなことを検討させていただきたいなと思いますし、最終的には我々が決める話ではないんですけれども、当然ですね、与党の方もそこのところは一定の緩和をした税制改正を行われるようではないのかなというふうには思います。ちなみに住民税でありますので、これはまだ来年度ではございませんが、再来年度に関わってくる部分でございますので、来年度の税制改正の中で再来年度に向かってどうしていくかということを検討いただくという話になってくると思います。それから他の部分、例えば就学援助なんかもですね、そうしなきゃならないというわけではないので、そういうことも含めてちょっとこれから関係省庁とですね、いろいろと話合いをさせていただきたいと思います。とにかくこの生活保護の基準の見直しによってですね、いろんな影響が出てくるものをなるべく影響を緩めていくと言いますか、弱めていく、そういうような努力は我々はしなきゃいけないと思っておりますので、実際これによってですね、関係のない方々までお困りになられるということはですね、これは避けたいというふうに思っております。「生活保護基準」という意味での今回は適正化でありますから、そこに関わる部分に関しては当然影響を受けますが、そこに本来関わらない、何らかの一つの指標でそれを使ってきたという部分に関してはなるべく影響のないように一生懸命これから諸努力をしてまいりたいというふうに思います。
記者:
物価が上がった場合についてなんですけれども、来年度以降生活保護についてはどういう扱いになるんでしょうか。
大臣:
これは最終民間消費ですね、これに合わせて毎年調整はしてきているんですね。ですから、本来物価が上がると消費支出は増えるわけでね、民間の。民間消費支出が増えればそれに合わせて調整をするという話になりますから、物価が上がれば基本的には上がるんであろうなというふうに思います。なんでじゃあこういうふうになったかというと、やはりデフレというのはあんまり想定した制度になってないんですよね。デフレの時に自動的に引き下げられればいいんですけれども、デフレのときでもやっぱりなかなか生活保護の家庭の皆様方、本当に水準・基準というものがそれでいいのかどうなのかというのが分からない部分もあったので、たぶん前政権ではなかなかそれに対して引き下げて来なかったということはあるんだと思いますが、その影響が今回あったということなんだろうと思いますので、そこは適正化という意味では合理的に説明はつくのかなというふうには思いますけれども。ですから物価が上がるという意味では毎年消費支出が増えていきますから、民間の。そういう意味ではそれに合わせて上げていくと。それに合わせてというか、それを勘案して機械的にはそういう話ではありませんが、総合的に勘案して、それを一つの指標として見直すという話になると思います。
記者:
3年間で670億っていうのは物価が上がった場合は減るという理解でいいんでしょうか。
大臣:
それに応じて上がっていけばそういう話ですね。もっと言いますと、やはりアベノミクス等々というのはですね、デフレを止めてその上で景気を良くして国民の所得を増やそうというのが一つ大きな目標でありますから、国民の皆さんの所得が上がっていけば当然賃金が上がるわけでありますから、消費も増えるわけでありまして、そうなれば生活保護の基準金額というのも上がっていくという話になると思いますので、そうふうにしていかなきゃならないというふうに思ってます。
記者:
難病ですけれども、超過負担分についてですね、結局あの今年度下回らないようにするということなんですけれども、実際どれぐらい増やせる見通しなのか。あとそれと法制化していくのはさらに予算が必要になるのかどうなのか、その辺りについての見通しをお願いします。
大臣:
いま大体350億ぐらいだったと思いますけれども、90億ぐらい増えると思います。440億ぐらいになると思います。それから制度化・法制化した時にどうなんだという話ありますけれども、そういうようなですね、超過負担が起きないような制度にしようと。不足分が生じないような制度にしようということでありますから、まだお金がかかると思います。そこはどれぐらいなのかも含めて、それから制度全体をどうするか、制度設計によっても変わってきますので、そういうことも含めてこれから色々と委員会の御報告を頂きながら進めてまいりたい。各省の調整をしていきたいというふうに思ってます。
記者:
協会けんぽを2年間現行措置の延長ということなんですけれども、その後の展望について大臣のお考えを。
大臣:
これ26年度までですかね、協会けんぽ何とか10%の保険料率で赤字にならずに何とか持つというお話を頂いております。そういうことも勘案して今回2年延長という話でありますが、それ以降に関してはちょっと国民会議の方でもいろんな御議論があると思います。そういうことを踏まえてどのような手当をするのか、制度設計自体見直すとかも含めて考えなければならないと思いますので、国民会議の方のいろんな御意見を踏まえながら対応してまいるということになろうと思います。
記者:
協会けんぽでもう一つお聞きしたいんですけども、予算の規模とですね、それから当然予算関連法案として提出されることになると思うんですけれども、年度内の予算が難しい中で、一度今の補正とか24年度末に切れるので、また加入者割に戻ってしまうんですが、その辺りはどういうふうに対応されるんですか。協会けんぽの特例措置は24年度末で切れますよね。
大臣:
それも含めて法制度化をしなきゃいけませんので、今国会に法案を当然提出をするということになると思います。
記者:
予算がですね、年度内に成立が難しいと言われている中で。
大臣:
年度内に成立しなかった場合ですか。これはちょっと具体的な私も手続がどうなるか確認してませんが、困らないような措置をしなければならないというふうに思いますので、後ほど遡及適用できるのかどうか分かりませんけれども、多分そういうような形を書き込まざるを得ないんじゃないのかなというふうに思いますね。法律改正の時に。
記者:
生活保護なんですが、引下げを8月からとした理由を教えてください。これは政局的なもの、参院選の影響とかもあるんでしょうか。
大臣:
いろんな御意見を頂く中でこういう話になったんですけれども、一つは窓口がシステムの変更なんかで時間がかかって、すぐにはとてもじゃないですけれどもできないと。そうするとなるべく時間を置いた方がやはりこれ現場は自治体ですからね。自治体がやっぱり現場で対応していただかなきゃならないので、時間的余裕があった方がいろんな意味で対応し易いであろうということがあったと思っています。現場は大変なんですね、本当にこれ。この基準額を見ながら、一方ですね、今まで生活保護であった方々がこの基準額の中で生活保護から外れる場合においてもですね、実際問題安定的に長期間に渡って本当に生活保護世帯にもう1回帰って来られないかどうかというのを良く見た上で、本当に大丈夫かどうかということを現場現場で対応していただく必要があると思うんですよ。一時的に何か費用が生じることにまた生活保護に陥るということもありますから、そういうふうにならないようにするためにやっぱり現場の方でいろんなことを対応の準備をしていただかなきゃいけないということもありますから、そういう現場のことを考えますと、やはり8月ぐらい、半年ぐらい時間を置いた方が十分に対応いただけるんじゃないのかなというのが我々の基本的な考え方であります。
記者:
参院選とかそういうことは全くお考えではない、踏まえずという。
大臣:
参議院選挙、我が省としては踏まえているわけではありませんので。
記者:
部会の報告書ですと、これを基にすると見直しによって基準額が上がる人もいるし下がる人もいるというようなお話だったと思うんですが、それぞれの上げ幅下げ幅の最大を教えてください。最大で何%まで下がるかという。
大臣:
最大はですから10%というのを一つですね、目安に置いてやってきましたので、それ以上やはり下がりますと、やはり生活に影響が出られるだろうということで、最大10%。上がるのが最大どこかはちょっと。両方とも上限10%っていう話でありましたけれども、上がる方が本当に10%まで上がる方がおられるかどうかというのは、ちょっとこちら分かりません。
記者:
予防接種の3ワクチンについて、合わせて公費負担の範囲を見直すと言っているんですけれども、いま現在3ワクチンの基金事業公費負担9割になっているんですが、それと同様にいま定期接種になっているワクチンも9割を公費負担という。
大臣:
すいません、それを申し上げるのを忘れていました。お手元の資料には書いてありますかね。一類疾病に関してですね、これも今の既存の定期接種の部分でありますけれども、9割公費負担ということに合わせてなります。そういう意味ではまあまあ、総務省頑張っていただいたと。
記者:
その財源は地方交付税措置とかになるんですか。
大臣:
そうですね、はい。
記者:
生活保護で生活扶助の見直し750億円ぐらいとさっきおっしゃってたと思うんですが、不正受給対策ですとか、後発医薬品の原則化の医療扶助の適正化などですね、これの見直しによる財政効果というのはどのぐらい。
大臣:
450億円ぐらいですね、国費ベースで。
記者:
それは3年間でという。
大臣:
これは25年度だけですね。単年度です。そういうことになると思います。

(了)