小宮山大臣閣議後記者会見概要

H24.7.10(火) 8:33 ~ 8:42 ぶら下がり

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
冒頭、私の方から1件、胆管がんに関する一斉点検結果についてです。印刷事業場での胆管がんの発生については、6月中に全国561の印刷事業場を対象として、一斉点検を実施し、今日その結果を取りまとめて公表します。561事業場のうち胆管がんの発症を確認できたのは、3事業場3人で、大阪、宮城の事業場以外に複数の胆管がんの発症が確認された事例はありませんでした。あわせて、点検結果を基に現行法令の遵守の徹底等の予防的な対策も公表します。詳細につきましては後ほど事務方から説明をいたしますからよろしくお願いします。 私の方からは以上です。

質疑

記者:
この561事業場のうち新たに分かったのが3事業場という数についてはどのように受け止めていらっしゃいますか。
大臣:
あまり多くの広がりがなかったということはよかったと思います。ただ、事務方から発表しますけれども、色々と今の法令が守られていないという部分もありますので、そこのところは徹底していきたいと思っています。
記者:
ということは、事業場の状態が影響しているということですか。
大臣:
そうですね。ですから、今回、発端になった所は地下室で非常に密閉された空間だったということもあるのではないかと。ただ、これは疫学的にきちんと専門家が検討しないと因果関係というのは分かりませんので、そうしたことも含めて後ほど事務方から公表したいと思います。
記者:
昨日から、新しい在留管理制度が始まって、外国人登録が廃止されたことで、オーバーステイの方でもこれまで受けられた予防接種や母子手帳の交付などを住民登録が無いということで取りやめるような自治体も出てきておりますが、厚労省としてのお考えはいかがですか。
大臣:
予防接種法に基づく予防接種は、市町村の区域内に居住する人を対象にして実施しているので、外国人に対する予防接種についてもこれまでは外国人登録票によって居住の事実を確認して実施してきました。そして、今年の7月9日つまり昨日から外国人登録法が廃止されるとともに住民基本台帳法の一部が改正されました。今後、市町村が住民基本台帳などによって、外国人の居住を確認して予防接種を実施することになります。厚労省としては、今年6月14日に各都道府県に宛てに事務連絡を出していまして、引き続き市町村が新たな制度の下で外国人に対する予防接種もしっかり実施するようにということで周知を図っているところです。
記者:
ただ、特にオーバーステイの場合は、自治体への登録が公的に無いということで、実態把握が自治体側には難しい現状がありますが、そういう方達にどういうふうに具体的に把握し、対応していけばいいかというあたりは。
大臣:
不法滞在と言われる人が6万7000人余りと言われていますが、その中で被仮放免者については、地方入国管理局から、市町村に対して住居等に関する通知がされるということで、市町村は被仮放免者に予防接種を実施できること、この周知も図りたいと思っています。ただ、これまでも不法滞在の人達がどれだけ予防接種できていたかというのは、実態が把握できていないです。そういう意味で可能な範囲で、なるべく外国人の方もしっかり受けられるようにということをしていきたいと思っています。
記者:
胆管がんに関して三つ質問があるのですが、まず、一つ目が新たに見つかった東京、石川、静岡の3人はまだ生きているのかということと、3人が確認された3事業場というのは、括弧3の地下室と同視できるような空間で作業を行っている事業場の9か所に含まれているのかということ。あと、今後の対応策の産業医学の専門家チームの編成というのはいつ頃されるのかという三つお願いします。
大臣:
専門家チームの編成はなるべく早くしたいと思っています。あとの詳細については、事務方から詳しく発表したいと思っています。
記者:
胆管がんについてなのですが、今後相談窓口を設置されて、更に広がって行くということもまだ考えられると思うのですが、これについては、いかが受け止めていますか。
大臣:
いろいろ御心配もあるだろうからということで、厚労省の中に専用ダイヤルで相談窓口を設置したいと思っています。ただ、今回560余りの事業場を検査した結果、そんな大きな広がりがあるということではないということが分かりましたので、また色々とそういう実態の調査もまた必要があればということですが、今これだけした中でまた窓口を作ったり色々な対応をしていきますので、そんなにこれから大きな広がりがあるということではないのではないかとは思っています。
記者:
黒い雨の問題ですが、昨日有識者検討会がありまして、広島市とかが求める地域拡大に否定的な一方で、黒い雨を体験したと訴える方には健康不安を取り除くための相談事業が有用ではないかという報告書を取りまとめましたが、今後省内ではどういう方向性で対策については検討される予定ですか。
大臣:
(報告書で)言われたとおりです。今回のことをもって、地域的な広がりを認定するということは科学的合理的な根拠がある場合には当たらないということなので、難しいと。ただ、黒い雨を体験したと言われている方たちが、精神的にも健康の不安を訴えていらっしゃるので、それに対しては不安軽減のための相談などの取組が有用であるという可能性があるという提言がありましたので、そうしたことに対応していきたいと考えています。
記者:
厚生労働省としても、地域拡大はもう難しいという御認識なのでしょうか。
大臣:
今回のこの件については。
記者:
厚労省としての結論はいつ頃出されるのですか。
大臣:
これは報告書を受けて、今回はこの報告書を受けた点については、黒い雨検討会としてはこれで結論を出したということです。
記者:
省としての結論は、国としての対応というのはいつ頃決められるのでしょうか。
大臣:
厚労省としましては、今回の報告書の色々な提言を受けまして、十分に検討した上でできるだけ速やかに対応していきたいと考えています。
記者:
昨日、公的年金加入者の所得実態などが出ましたが、年金については依然と厳しい状態が続いていますが、改めて、年金の格差というか世代間の格差について大臣のお考えをお聞かせください。
大臣:
これは今回の社会保障と税の一体改革の中でも、やはり若い人たちに信頼感を持っていただける年金制度にするために、民主党としては新しい年金制度ということを提案をしていました。ただ、自公の皆さんは、今の制度を拡充していけばいいというお考えなので、今回将来の年金制度については、三党合意を基に、国民会議で合意を得ていくということになりましたから、これは政権が代わっても年金は特に継続しなければいけないので、そうした中でまた若い方たちにも納得していただける制度をどう作ったらいいか、知恵を出し合っていきたいと思っています。

(了)