小宮山大臣閣議後記者会見概要

H24.1.31(火) 8:38 ~ 8:47  ぶら下がり

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
今日は私の方から本日公表の雇用情勢について、まず申し上げます。 12月の完全失業率は0.1ポイント悪化して4.6%、有効求人倍率は0.02ポイント改善して0.71倍で、現在の雇用情勢は一部に持ち直しの動きが見られるものの、依然として厳しい状況にあると認識しています。今後とも、東日本大震災に加え円高の継続による雇用への影響について注視していく必要があると考えています。東日本大震災についての雇用対策としては、これまでも『「日本はひとつ」しごとプロジェクト』の実施に全力で取り組んできましたが、これまで短期間のつなぎの雇用が多くてなかなか安定的な雇用に結び付かないということ、それから被災者の希望する仕事と求人の多い仕事との間にミスマッチがあることなど課題がたくさんありました。今後は、いつも申し上げているように、『「日本はひとつ」しごとプロジェクト』によって地域経済の再生復興のための産業政策の推進を図るということ、産業政策や復旧復興事業で生じる求人をハローワークで開拓し確保をして、一方で求職者にはそれぞれの人に応じたきめ細かな職業相談の実施、釜石に行ったときにも1人が10人ぐらい担当制でとにかく仕事が見つかるまでフォローしていくということで、きめ細かな職業相談の実施、それから職業訓練への誘導、こうしたことをやっていきたいと思っています。また、被災地の強みである農林漁業、水産加工業、医療福祉業などの産業支援策と一体となった雇用面での支援を行う事業である事業復興型雇用創出事業に一層力を入れるということと、女性ですとか高齢者、障害をもった方の雇用モデル創造のための事業の推進、これは生涯現役・全員参加・世代継承型雇用創出事業、この二つの事業を基金を県に積んで全力を挙げてやっていきたい、一人でも多くの方が早く仕事にきちんと就けるように全力を挙げてやっていきたいと思っています。 私の方からは以上です。

質疑

記者:
将来人口推計が昨日出されましたが、出生率に関して改善の兆しがあったわけですけれども、相変わらず少子高齢化の傾向は続いているということで、社会保障と税の一体改革に与える影響というのをどういうふうにお考えでしょうか。
大臣:
出生率は、5年前の推計の1.26よりは上がりましたが1.35ということ、それで超少子高齢社会の傾向というのはそのまま続いていくということなので、そういう意味で現在行っている社会保障と税の一体改革の中で子ども・子育てですとか、若者の雇用とか全世代型にして、持ちたい人が子どもを持てるようにということに全力を挙げていくと、この必要性が更に増したと思っています。高齢化に対応する部分についても、今回まだ足りないと言われていますけれども一部は盛り込んでいます。一層の社会保障改革の必要性、これまで高齢者にほとんどいっていたものを子どもとかそちらの方にもしっかりと予算を付けていくことの必要性、そういう意味で今の社会保障改革で進めようとしている方向性を更に力強くやっていかなくてはいけないという思いを持っています。
記者:
年金の試算の関係ですけれども、政府・民主党として当面は数値等は非公表という方針を示しましたが、この受け止めと国会運営に与える影響というのをどのようにお考えでしょうか。
大臣:
昨年の前半に党の調査会の方で一定の前提を置いて試算をしてくれということで厚労省の方で実務として試算をしたものです。ただこれは、調査会の中で検討する材料として提供したものなので、全体像というより材料の一部なわけですね。ですから、そこの数字の読み方とかどう使うかということは党の中でも党の見解として合意がされたものでも何でもないわけなので、それで公表されていないということだと思います。ですから、これがあたかもこれからの年金設計の基になるものだと、これが全てというような取られ方にしているのは私はちょっと違うと思っていまして、あくまでも党がこういう前提をおいてというかなり大胆な前提を置いた試算なので、検討材料の一つだと思っています。だからそういう意味では、確かに素案の中には「来年に一体改革の法案を出す」ということは書いてあるので、これは一体改革の中に入っていますが、民主党の方で判断されることなので、厚労省は実務をやっただけなので私が何かコメントをする立場にはないと思っています。数字が一人歩きをして、その前提で全部試算されるのだというふうに考えられる。2015年の今回の一体改革で議論をしていただこうとしているものと、それから2016年から始めてもそこで全部その仕組みになる方は例えば65歳が支給開始年齢だとすると相当先にそれによる大きな必要性が出てくる。あたかも2015年に10%に上げた直後にまた7%必要だと、その7%もどこから引っ張ってきた数字か分からないのですが、そういう数字が一人歩きをして今お願いをしようとしている社会保障の改革に混乱を来すのを避けるためにということで党の方では今の時点では公表しないという判断をされたと思っています。これはあくまで党の方で判断される問題だと思っています。
記者:
野党の反発は強いですが、国会運営は。
大臣:
そこは、今私が申し上げたように一つの素材であってということをきちんと御説明をして、それで各党で試算をされるならされてですね、建設的な議論を是非していただきたいというふうに思っています。
記者:
インドネシア人介護福祉士候補生の試験が一昨日ありましたが、去年3月の閣議決定で、一定の条件を満たす場合は在留期間の延長もという話があったと思いますが、その辺りの基準というのは、どういうふうに決まっていきそうなのでしょうか。
大臣:
そうですね。もう試験は終えているわけですけれども、看護の場合についても、以前に、これは日本語が難し過ぎてというのもあって、せっかく志のある方が、日本語の壁で閉ざされてしまうことの無いように、英語に置き換えたりなど色々してきたわけですけれど、介護についても、これは日本人が見ても難しいというのがありますので、そこのところは何とか英語の壁、日本語の壁によって、志のある方が、帰国しなければいけないというわけにならないように、これは私の方でしっかりと、そこのところはチェックしてやっていきたいというふうに思っています。一定の成績を取られた方は、在留期間を延長するというふうな形にしていると思いますので、その一定の基準というのをあまり高いところにしないようにというのを、私の方から指示をしています。
記者:
今日、子ども・子育て支援システム、順調に行けば取りまとめになるので、改めてになりますが、重要性とか支援システムを導入した場合の効果ですとか、ポイントを教えていただきたいのですが。それと、0~2歳児の受け入れが義務付けになっていないなどがありますが、待機児童解消の効果、どのように果たされるかを教えてください。
大臣:
そうですね、子ども・子育て新システム、幼保一体化を中心にして、もちろん待機児さんの解消も入りますが、就学前の全ての子どもに、親が働いているかどうかに関わらず、これは学校教育、幼児の学校教育と保育を全ての子どもに提供するという、そういう意味で、やはり今回の人口推計でも分かっているように、持ちたくても持てない人に対して、安心して子どもが育ち、子育てができる環境を整えるという意味で、大変意味のあることだと思いますので、これは是非国会で早急に審議をしていただいて、法案を通していただきたいと思っています。待機児さんの問題については、総合こども園と呼んでいる、両方やる施設についてですね、今から3年置いて2015年に消費税が10%程度になったら、そこから7000億程度をこの子ども子育てに充てる財源にしたいと。他のものも合わせて、1兆円超というのを確保していますので、総合こども園という両方やってもらうところへのインセンティブをかけていきたいと思っています。たとえば3歳児のところの職員の配置基準を上げるとか、保育教諭という言い方を今していますけど、そこで働く人の処遇を上げるとか、手上げ方式で、やりたいと思えるようなインセンティブをかけていきますので、2015年から3年後位には、かなりの保育園は、0、1、2歳をやる一部のところを除いては総合こども園になりますし、幼稚園についても今の預かり保育などがしっかり手厚く保障されることになりますので、今幼稚園は3割空きがある状態ですから、多くのところが手を挙げていただけるものと思っています。そのことと、0、1、2歳を義務付けていないことですが、こども園給付の他に地域型保育の給付も作っていまして、それは今までよりも小規模な20人位の保育をちゃんと認めるとか、あるいは保育ママさん、家庭的保育とか、それから訪問型の保育、事業所内保育、こうしたところに指定の基準を満たしたら、今までより手厚い財政支援をしてですね、ちゃんとやっていきたいと。それからNPOのやる子育ての事業なども支援していくので、そういう意味では待機児解消ということにも役立つと思っていますし、専業主婦の方が何か必要な時に一時的に預けられる、そういうことも充実させたいと思っていますし、いろいろな意味で効果はしっかり出てくると思っています。
記者:
先ほどの、インドネシア人の一定の基準をあまり高くならないようにということですが、これは試験の結果を見て判断するということでよろしいでしょうか。
大臣:
今、成績の良い人たちは残っていいという言い方をしていますけれど、今回介護福祉士については初めてですよね、海外から来られた方については。だから、それは看護の方でやってきたいろいろな経験も活かして、少なくとも志のある方はちゃんと残れるようにということを私の方は言っています。

(了)