小宮山大臣閣議後記者会見概要

H24.1.24(火) 9:40 ~ 9:59  省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。思わぬ雪で、皆さんは出勤大丈夫だったでしょうか。うちの方は結構氷になっていました。今日は、私の方から冒頭一つだけ申し上げます。昨日、皆様のところにもお知らせしましたが、応急仮設住宅で空いているところの利用についてです。建設されたプレハブ型の仮設住宅の空き住戸について、被災地では復旧復興に従事される行政職員、これは他の市町村からの行政職員も含めてですけれども、その行政職員やボランティアの方々のための宿泊施設が不足しているので使わせて欲しい、ということが、被災自治体から強い希望が出ていました。このため、関係省庁とも協議しまして、仮設住宅の空き住戸について、被災者が入居されるまでの間の一時的な使用という形で、被災地で復旧復興に従事される行政職員やボランティアの方々の宿泊を認める旨の通知を昨日出しましたので、御報告いたします。 私の方からは以上です。

質疑

記者:
一体改革に関してなのですが、今日から通常国会が招集されましたが、現時点で与野党協議に関してはまだ話が進んでおりませんが、大臣のお考えをお願いします。
大臣:
そうですね。再三申し上げているように、この社会保障と税の一体改革は、前の政権もずっと懸案としてきていたところですし、どこの政党が政権を担っても、やらなければいけない課題です。必ずしも政府与党の案に同意するということでなくても、少なくとも、野党の皆さんからも、それぞれのお考えを示していただいて、建設的な議論を1日も早くしていただきたいというふうに思っています。マニフェストにないからとか、色々な手続面のことをおっしゃっているかと思いますが、マニフェストどおり実行できないことがあった点については、お詫びを申し上げながら、それでもやらなければいけないということで。待ったなし、後世につけは先送りできないということで、今回案を作っていますので、衆参ねじれていますが、そうした中で何とか答えを出すことを、色々な環境整備もさせていただきますから、野党の皆様にも協議に乗っていただきたい。これは政府与党が一番責任ありますが、野党の皆さんの知恵も出していただいて。ねじれていても答えを出さないと、これはもう今の政治自体が、国民の皆さんから見放されることになるのではないかと思いますので、是非建設的な議論を知恵を出し合ってやっていきたいと、心からお願いしたいと思っています。
記者:
公明党の方から、与野党協議に応じる前に、年金の抜本改革案に関しての提示を求められていますが、その件に関しては。
大臣:
そうですね、これは昨年末にまとめました素案の中でも、平成25年に年金の抜本改革一元化の法案を国会に出すと。提出を検討ではなくて、提出をするというふうに書かせていただいていますので、今党の方で急ピッチで検討を進めていると聞いています。何とかして法案を出して、協議をできる環境を作っていきたいと。これは党が主体でされるので、厚労省からは数字の提供とかの協力はしていますが、出せるような環境を作るというように政調会長なども言われていますし、幹事長も言われていますので、そういう運びになるだろうというふうに思っています。
記者:
昨日、国民の健康、次期健康作り運動の中で、喫煙率の数値目標を設定、了承されたのですが、今後5年間のがん対策についても数値目標を設定するということが明らかになったわけですけれども、実は、大臣御存知だと思うのですが、2000年、健康日本21の策定、作っている時に、喫煙率半減という意見があったのですが撤回されて。前回、現計画で、がんの対策の計画の中でも、結局、喫煙率半減という意見があったけれども、今回もう一度、今回はちょっと半減とは違って、喫煙をやめたい人をやめさせるという方向ですけれども、昨日の委員の中でも、個人の嗜好を妨げるものではないという話はあったのですが、がんの対策の基本計画に関して閣議決定もあるわけなのですが、それも踏まえて、今後専門家の中では、喫煙率の数値目標については画期的な政策だと言っているのですが、大臣のこれについての意見というか、そういう部分についてお伺いできればなと。
大臣:
私がたばこのことで発言すると、また色々と皆さん関心を更に強くされるかと思うのですが、これは私であるかどうかではなく、厚生労働省としては、今記者さんの方からも言われたように、がん対策の計画の時も、健康日本21の時にも、何度か数値目標を盛り込む努力はしてきましたが、これまでは実現してこなかったと。今回は、これも今言われたように、喫煙者の中で禁煙したいと思っている方の数字を目標値にしましたので、そこは無理のない数字ではないかと思っています。これは、タバコ規制枠組み条約という国際条約も批准しているわけですし、国際的な感覚から言っても、それから健康をお預かりする厚労省としても、これは盛り込むべき数字だと思っていますので、昨日(審議会に)かけさせていただいて、そういう方向で各省庁とも調整をしていきたいと考えています。
記者:
診療報酬なのですけれども、岡田副総理の方からですね、仕分け、提案型仕分けで二つ結果どおりにならなかったものの一つとして、診療報酬が挙げられ、改定の際にはその中身をきちっと分析できるように、示すように、というお話がありましたが、その中の意味する一つは、やはり開業医と、病院と開業医への配分がいくらかということを示すことがですね、民主党のマニフェストでも病院に手厚くするという診療報酬改定ということでまとめられておりましたし、求められているのかなというふうに思って。再びなのですが、大臣としてどのようにお考えか、少し要望でもあるのですけど、示していただくことはできないか、という点、お願いいたします。
大臣:
診療報酬のごく僅かのプラス改定について、岡田副総理の方から、そういう御質問もありましたので、こちらの局長が行って説明して、そこは理解をいただいたというふうに私は承知をしています。診療報酬の改定の、どういうふうに配分するかについては、今中医協で御検討いただいているので、遠くないうちに結論は出ると思っていますが、その基本は、財務大臣と厚労大臣の間で、診療報酬と介護報酬の改定のときに合意をしている文書があります。そこに3点盛り込まれていることが、あくまでも原則です。1点目は、小児科、産科、そして救急外科などの診療の偏在、診療科の偏在を引き続き正していくということ、それと併せて病院勤務医の方の労働環境を良くしていく、負担を少なくしていくということも書いてあり、あくまで重点的に取り組むことです。2つ目には、在宅医療を含めた地域医療の充実ということ、そして三つ目に、がんや認知症など新しい治療について力を入れると。その3点ですので、今言われた点からすると、勤務医の労働環境の改善ということがきちんとそこの重点項目に盛り込まれていますので、その方向はしっかり守っていきたいと思っています。
記者:
先程のたばこの件ですが、おっしゃっていたように、これまで導入しようと思っていたけどできなかったということで、大臣はその理由についてどのようにお考えなのかということ。今回3度目、4度目になるんですが、それを打開する方策がありましたらお聞かせください。
大臣:
これまで数値目標が盛り込めなかったのは、先程、記者さんも言われたように、あくまで喫煙というのは個人の嗜好で、そこに踏み込むのかということがあります。それから、たばこ農家、たばこの小売の皆さん、たばこ会社などたばこ関係の方々がそこは数値を入れるべきでないとおっしゃり、それを受けた委員や議員の主張の方が強かったのだと思います。今回は先程も申し上げたように、数字を先に出すというのではなくて、きちんと調査をして今喫煙をしている方のうちどれだけの方が止めたいと思っているか、それに基づいた数値にしてあるので、これまでよりは無理のない、御理解いただける数値ではないかと考えています。
記者:
「子ども・子育て新システム」について金曜日に大きな方向性が見えてきたと思うのですが、いわゆる幼保一体のところで、一体ではないという意見があるかもしれないのですが、大臣はどうお考えですか。
大臣:
昨年までは、厚労省副大臣としてこの問題をずっとやってきました。党にいたときからずっと「子ども・子育て新システム」での幼保一体化を中心とする就学前の子どもの居場所づくりに力を入れてきました。その立場からしても大きく一歩を踏み出す施策だと考えています。皆様の中には、全部一遍に総合こども園になるというようなことにならないので、後退だとおっしゃっている方がいますが、決して後退ではありません。最初の時に5案を示したときに5案のうち1案は全部をする案でしたけれども、これは現実的に難しいと分かった上で出しました。御承知のように1年半以上かけて内閣府の三つのワーキングチームで関係者の皆様も募って精力的に議論をした結果ですので、これは幼稚園をやってらっしゃる方も保育園をやってらっしゃる方も、それぞれ今まで自分たちがやってきたことに非常に誇りを持っていらっしゃるので、最初は一緒にすることにいろんな問題提起がありましたが、色々話した結果、子どもたちのためにそうした方がいいということでまとまった案です。当面は消費税を上げた2015年から3年間かけて、保育所の部分は0・1・2歳のごく一部を除いて、9割以上が総合こども園という学校教育も保育も両方やるところになりますし、幼稚園の中でも、お受験幼稚園というかブランド型のものと、宗教法人など入れる人にウェイトを置かなければいけないという所を除いては、インセンティブをかけたいと思っています。今回の社会保障の充実の部分の先頭を走る政策ですので、しっかりと実現して、総合こども園になることのインセンティブをかけたいと思っています。例えば配置基準とか、そこで働く、今は保育士と幼稚園教諭がありますが、保育教諭という言い方にワーキングチームの中ではなっていると思いますが、その方々の処遇をできれば上げていきたいということも考えています。手上げ方式で募っていきますが、幼稚園としても、なった方がプラスだというような仕組みにしていきたいので、必ず両方やるところが圧倒的多数になると思っています。それから、「子ども家庭省」は一度にはできないので、それは所管が三元化だという言い方もされていますが、多くの所が総合こども園になれば内閣府の中できちんと統括してやると。それから残る0・1・2歳の保育園、さっき申し上げたような残る幼稚園についても統括する仕組みを内閣府で持ちますので、そういう意味では幼保一体型の総合こども園に向けて必ず前進していくと考えております。
記者:
消費増税5%の内訳についての説明が、先日修正されたと思うのですが、今まで成案や素案を決定した時点でのその時に御説明していた内容と異なったわけですが、それについてどうしてそういう事態に陥ったのか厚生労働大臣としてのお考えをお聞かせください。
大臣:
「そういう事態に陥った」というとそういうふうにしたことが良くないというような価値判断があるような気がしますが。何故そうしたかというと、今回社会保障・税一体改革の担当になられた岡田大臣から「これはもっと分かりやすく説明をするべきだ」という話があり、そもそも消費税が上がったことによる国や地方自治体の負担になる部分1%は、全ての公的支出についての部分ですが、戦車にも充てるのかとか公共事業のところにも使うのかという御指摘があった中で、財務大臣も問題意識を持っておられたと私は認識しています。今の厳しい経済状況の中、社会保障の方も切り込みが少ないと言われながら、年金も特例水準を切り下げたり、色々と痛みを伴うことをやる。そういう中で、国民の皆様に納得をしていただかなければ消費税は増税できないわけですので、分かりやすく納得していただき易いように公的な経費も社会保障に関するものだけにしたと。それを合わせて1%の社会保障の充実と4%は後世につけ回しをしないと。世界でも良い水準にある社会保障を色々な意味で改革をした上で、更に安定して次の世代に引き継げるよう安定化のために4%を使うという説明にしたことは私は良かったと思っています。ですから、前に違う説明をしていた部分がありますので、これから5大臣会合でも統一した見解にいたしましたので、そのことで分かりやすく皆様に御説明したいと思っています。
記者:
「子ども・子育て新システム」について確認なのですが、御発言の中で2015年から3年間かけて事実上実施するということですが、現段階の方向では増税時から本格実施すると言われているのですが、時期についてはまだ明確になっていなかったのですが。
大臣:
増税時というのは、10%になるのは2015年ですので、そういう意味で言いました。その前に、2013年から試行をするというお約束をしています。多くの所に手を挙げて総合こども園になっていただいくようなインセンティブをかけるようなことは、増税をしないとできませんから本格実施はそこからという意味です。その前に2013年からそれぞれの自治体でどれだけのニーズがあるかというニーズ調査とか、有識者や関係者の方に入っていただく「子ども・子育て会議」を中央とそれぞれの地域・地方に作ることにしていますので、そういう大きな財源が無くてもできるところは進めていく。0.7兆円というのはそこを財源にしていますで、本格実施は消費税が上がった後で、そこから大体5年計画を作りますので、その真ん中ぐらいの時点までには保育所でいけるところはそうしたいということがあったので、それでいくと大体2015年から3年ぐらいかけてということだと申し上げました。
記者:
消費税を一旦上げるのは2014年なんですが。
大臣:
それは、できるところは徐々にもちろんやっていきます。ただ、新システムに盛り込んだことが全てきちんと本格的に動き出すのは、2015年からと認識しているということです。

(了)