小宮山大臣閣議後記者会見概要

H23.11.29(火)8:58 ~ 9:08 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。今日は閣議で私から報告したことを1点お伝えをします。本日公表の雇用情勢についてです。10月の完全失業率は0.4ポイント悪化して4.5%、有効求人倍率は前月と同水準の0.67倍です。現在の雇用情勢は一部に持ち直しの動きがみられるものの、依然として厳しい状況にあると認識しています。今後とも、東日本大震災に加えて急激な円高の継続による雇用への影響について注視していく必要があると認識をしています。東日本大震災に対応した雇用対策としては、これまでも「日本はひとつ」しごとプロジェクトの実施に全力をあげてきましたが、1つは、短期間の仕事が中心のつなぎ雇用が多くて安定的な雇用に結びつきにくかった、またもう1つは、被災者の希望する仕事と求人の多い仕事との間にミスマッチがあることなどの課題があったと考えています。今後の復興段階では、当面のつなぎ雇用の支援に加えて、被災地での本格的な安定雇用の創出のため、「日本はひとつ」しごとプロジェクトのフェーズ3によりまして、被災地の産業復興と一体になった雇用機会の創出への支援、また高齢者から若者への技能伝承、女性・障害者の活用などといった雇用モデルの創造のための事業の創設、ここに1,510億円を積んでいます。また震災や円高の影響による失業者の雇用機会創出への支援に2,000億円を積んでいます。また新卒者等の就職支援などの震災や円高の影響を受けた方々への就職支援、そして被災地の復旧・復興に資する産業分野や環境・エネルギー分野などの成長分野での人材育成のための公的職業訓練の訓練規模の拡充などを盛り込んでいるところです。21日に第3次補正予算が成立しましたので、こうした施策を早期に全力をあげて推進していきたいと、そのように考えています。 私の方からは以上です。

質疑

記者:
年金のことについて、短時間労働者に対する厚生年金の適用範囲を拡げようとしていらっしゃいますが、それによってシングルマザーとか喜ばれる方もいる一方で、企業側の不安というのは根強く残ってますが、その対策について大臣としては何が必要だとお考えですか。具体的に何かあれば。
大臣:
そうですね。この短時間労働者への社会保険の適用は、今回の社会保障の一体改革で多様な働き方をしっかりと支援をするということで、厚生労働省が取り組む中で、ここはしっかりとやらなければいけないという認識を持っています。そういう意味で、いま女性だけではなくて、若者も中心に全体の3分の1が非正規になっている中で、そこにきちんとした社会保険を適用していくということは確かに負担もありますけれども、これから本当に超少子高齢社会の中で必要な質の良い労働力を確保していくという意味からいくと、企業にも目先のことだけではなくて、将来に向けて必ず企業にとってのメリットもあると、そういうことを企業の方に分かっていただけるように誠心誠意お話をし説得をしていくということだと思うのですね。確かに企業負担分の社会保険料が企業にとっては増えますけれども、そのことによってパート労働者にもっと長い期間、安定してレベルもアップして働き続けてもらえるということと、それからやはりずっと言われているように、年末の忙しいときに就業調整をするとか、そういうことも無くなるというふうに思ってますので、これはこれからの日本の雇用の姿を考えるときに、もちろん正規雇用をきちっと確保するということも必要ですけれども、多様な働き方を支援するということを社会保障の6つの重点的な分野の1つにあげていて、そこを下支えするものですので、そこはしっかりと企業の方にもお話をしていきたいというふうに思っています。ただ、今までやっている中でも、中小企業の皆さんにはある程度の経過措置を設けたりということもしていますので、そういうことは配慮できるのではないかと、そういうふうに考えています。
記者:
社会保障改革の中でも、窓口での受診時定額負担について来年度からの導入を見送りという報道がありましたが、大臣のお考えは。
大臣:
そうですね。党の方のワーキングチームで、今かなり急ピッチで議論が進んでいる中で受診時定額負担についてはやはり受診抑制につながるのではないかという意見ですとか、病気の人の負担によって他の病気の人を支えるのはおかしいというような議論があるというふうに聞いていますので、これはまた年末に向けて調整をしていく中で、党の方のご意見としては受け止めてやっていきたいというふうに思っています。
記者:
今日、国と地方の協議で、子ども手当に代わる手当について地方側と話し合いをされると思うのですが、地方に対して、どのように理解を求めていくお考えかというのと、地方側はやはり住民税の増収分は固有の財源であるという意見が根強いようですが、この辺どのように理解を求めていくお考えですか。
大臣:
そうですね。それは丁寧に理解を求めていかないといけないと思います。一部報道の中で、私がこれを決定し送りつけたというような報道が今朝の朝刊に出てましたが、それは違います。たしかに、会って渡した方がいいですが、叩き台として早めにお渡しした方がいいということで、私が6団体の首長(・議長)さんに直接お電話して、文書で申し訳ありませんが、叩き台がないと、とにかく話が進まないので、そういう意味でお送りしましたのご検討ください、と言ったのが事実で、実際には国と地方の協議の場で、また直接バイでやることもありますが、しっかりと協議していきましょうという提案を私からしたということなのです。このところは間違いなくお願いしたいと思います。今日は国と地方の協議の場がありますが、その前にも地方6団体とは一度やっていますが、もともとこれは控除から手当へというのが民主党の基本的な考え方で、その地方の分の年少扶養控除である住民税の、そこの分のプラスが地方にとって出るものは、これは子どもに対する手当に充てていただくということが、まあ地方の方では政府部内の4大臣5大臣で合意をしても地方は入っていないというご主張があるのは分かりますが、これは政府与党として決定しているというかその方針でありますので、そういう意味では地方にご理解いただくように丁寧に説明していくということだと思っています。
記者:
雇用情勢ですが、最近改善していた傾向が0.4ポイント悪化と、急激に悪化したように思えます。震災からも月日がある程度経ち、震災の影響ではなく違う影響だと思うのですが、その辺りはどのようにお考えですか。
大臣:
そうですね。やはり円高ですとか世界的な景気の情勢もありますし、またタイの洪水による生産調整の影響ということもあって、製造業の一部に雇用調整の動きがみられるということと、また、求人が増加したことによって、これまで求職活動を諦めていたか、していなかった方が求職活動をされてきたと。だから、先月まで全体がこう抑えられているのも、求職を実は諦めている方がいらっしゃるという潜在的な問題があるというふうに認識していましたので、それがある程度顕在化してきたのかなという気はしています。ただ、あくまでこれは今月の動きですので、先行指標である新規の求人数は前月比2.5%増と改善する動きもありますので、今後の動きもみながらしっかりと情勢判断していきたいと思っています。
記者:
政府与党内で一体改革、消費税増税について施行期日を明記しないプログラム法案にするとの考えが一部に出ているようですが、大臣はそれについてどうお考えでしょうか。
大臣:
そんなことはあり得ないと私は思います。しっかりと年内に社会保障の改革も責任もってまとめたいと思っていますし、それは再三申し上げているように、財源の裏打ちがなければできない訳ですから、それは総理も強い決意をもって臨まれると私も聞いていますので、年内にしっかりと明記したものとして社会保障と税の一体改革の案を作り上げるべきだと私は思っています。

(了)