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小宮山大臣閣議後記者会見概要

(H23.10.28(金) 8:55 〜 9:20   省内会見室)

【広報室】

《閣議等について》

(大臣)

 閣議が終わりましたので、今日は冒頭3点、私の方から申し上げたいと思います。
 1つは、法案の閣議決定についてです。今日は、「特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法案」と、今年2月に国会に提出しました「国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案の修正」が閣議決定されました。「特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法案」は、集団予防接種等の際の注射器の連続使用によってB型肝炎ウイルスに感染された方とその相続人に対し、給付金等の支給を行うものです。また、年金法改正法案の修正は、東日本大震災の復興費用に転用された「平成23年度の基礎年金国庫負担2分の1の維持に要する費用2.5兆円」を3次補正で復興債により補てんすることにしたことに対応するものです。両法案とも非常に重要な法案ですので、この国会で速やかに審議をし成立をさせていただけるようお願いをしていきたいと考えています。
 そして2点目は、本日公表の雇用情勢についてです。9月の完全失業率は4.1%、有効求人倍率は0.01ポイント改善して0.67倍であり、現在の雇用情勢は一部に持ち直しの動きが見られるものの依然として厳しい状況にあると認識しています。今後とも東日本大震災に加え、急激な円高の継続による雇用への影響について注視していく必要があると認識をしています。東日本大震災に対応した雇用対策としては、これまでも「日本はひとつ」しごとプロジェクトの実施に全力で取り組んできましたが、今後の復興段階では当面のつなぎ雇用の支援に加え、被災地での本格的な安定雇用の創出に取り組む必要があると強く感じています。先日、第3次補正予算案等を基に取りまとめた「日本はひとつ」しごとプロジェクトフェーズ3では、主に1つは被災地の本格的な雇用復興のための産業政策と一体になった雇用機会創出への支援や高齢者から若者への技能伝承、女性、障害者の活用などといった雇用モデルの創造のための事業の創設に1,510億円、震災及び円高の影響による失業者の雇用機会創出への支援に2,000億円、新卒者等の就職支援などの震災や円高の影響を受けた方々への就職支援に242億円、被災地の復旧復興に資する産業分野や環境エネルギー分野等の成長分野での人材育成のための公的職業訓練の訓練規模の拡充等に156億円などを盛り込んでいます。的確なしっかりとした雇用対策の実施に万全を期していきたいと思っています。
 そして3点目ですけれども、今日の閣僚懇で閣僚の皆様にもお示しをしたんですが、食品中の放射性物質の規制値の設定についてです。食品の規制値の問題については、先週の閣議後の記者会見で食品安全委員会の評価書が示された段階で国際的な基準に照らし、専門家のご意見も伺いながら、厚生労働省としての基本的な考え方を示したいと申し上げました。そこで、昨日の食品安全委員会の評価書を受けて、今日の閣僚懇談会で、お手元の資料の通り、今後、薬事・食品衛生審議会で検討を進めるに当たっての基本的な考え方を示し、関係大臣に食品の生産・流通管理の徹底、消費者への適切な情報提供等の協力を求めました。現在の暫定規制値は、食品から許容することのできる線量を、放射性セシウムでは年間5ミリシーベルトとした上で設定をしています。この暫定規制値に適合している食品は健康への影響はないと一般的に評価され、安全は確保されています。厚生労働省といたしましては、より一層、食品の安全と安心を確保するため、来年4月を目途に一定の経過措置を設けた上で、許容できる線量を年間1ミリシーベルトに引き下げることを基本として検討していただくことといたしました。今後こうした考え方を基本として、子どもへの影響に対し具体的にどのような配慮を行うかなどの様々な課題について審議会で科学的知見に基づく検討を精力的に進めていただき、多くの国民の皆様に納得していただける新たな規制値を設定し、円滑に実行に移していきたいと考えています。
 以上です。

《質疑》

(記者)

 5ミリシーベルトを1ミリシーベルトに引き下げるということですが、このことについての大臣の受け止めを聞かせてください。

(大臣)

 私の受け止めというか、私がそのように判断をし、先週もご質問にお答えしたように、別に専門家の方々のこれからの審議会での議論を妨げるというつもりは全くありませんが、昨日の評価書を受けて、やはり厚生労働省として議論をしていただく基の数値をお示しをする必要があると思いまして、そういう意味で様々な見地から専門家のご意見も十分に伺った上で現在の5ミリシーベルトを、規制値としては1ミリシーベルトというふうに下げたいと、それは一層の安全・安心を確保するためであり、このことを基にして、いま5つの分野に5ミリシーベルトを割り振っているわけですけれども、その分野の割り振りをどうするのかとか、子どもに対してどうするのか様々な見地からこれから審議会でしっかりと専門家の方にご審議をいただきたいと思っています。

(記者)

 厳しくすることによって出荷制限がさらにかかるという可能性も高くなると思いますが、そのことについてはどう思われますか。

(大臣)

 今日の閣僚懇の中でも申し上げたのですが、この1ミリシーベルトとする根拠といいましょうか理由として、1つは食品の国際規格を策定しているコーデックス委員会の現在の指標では年間1ミリシーベルトを超えないように設定をされているということ。2つ目が、モニタリング検査の結果を確認しますと、食品中の放射性セシウムの検出濃度は多くの食品では時間の経過とともに相当程度低下傾向にある、こういうことからいろいろな角度から、農水省とか関係省庁とも検討してきていますけれども、もちろんこれからいろいろと生産者の皆様、消費者の皆様にもしっかりとご説明をしながら、4月を目途に、いつも申し上げているように文科省の審議会、WTOへの通報、パブリックコメントの実施、リスクコミュニケーションの実施など必要な段階を経て、規制値案の告示の公布をし、規制値の施行を来年4月に予定をしたいと。ただ、その後一定の経過措置を設けた上で、それを施行したいというふうに思っているんですね。実際の実施をするには経過措置をおきたいというふうに考えていますので、そういう意味では、いま値が実際にかなり下がってきているので該当する食品はそんなに多くはないと思っています。ただ、これから検討していただくテーマの1つとしては、例の生茶か荒茶かということも含めて、口に入るものと乾燥させると5倍ぐらいの濃度になる、それをどう考えるのかとか、乾燥のシイタケなどもありますけれど、そういうものの取扱いとか個別に該当するであろうものについては、これから十分に専門家のご意見を聞き、また関係省庁とも連絡をしながら、生産者の皆様にも、特に消費者の皆様に安心していただけるような態勢になるように全力を上げて調整をしていきたいというふうに思います。

(記者)

 経過措置というのは具体的にどういうものをお考えですか。

(大臣)

 それはどういう設定になるかにもよりますので、今どれくらいの期間ということは申し上げられませんが、4月に施行をしても一定の経過措置はおきたいというふうに思っています。

(事務方)

 今のお話に若干補足しますと、既に流通しているものについては今の暫定規制値を適用させるという意味での経過措置を設けるということです。それ以降に作られる食品については、直ちに新しい規制値が適用されるということです。

(大臣)

 説明の仕方として、例えば、お米をとりますと、次の新米が出るまでは今の暫定規制値のものが流通をしているわけですよね。そういうものについては、いきなり4月から切り替えると新米が出るまで食べられるお米がもしも無くなったりしたら困りますので、そういう意味で新たに4月以降に作られるもの、それについてはこの規制値を適用するけれども、適用する品目によるわけですけれども、さらに見る必要があるものについては、一定の期間の経過措置をおきたいということです。そうした中身についてもこれから審議の中で議論をしていくことになると思います。

(記者)

 今の話で確認させていただきたいのですが、1ミリシーベルトという値、今の暫定規制値はたしか4つの核種に設定していると思うのですが、それをすべて1ミリシーベルトに置き換える、という理解でよろしいでしょうか。つまり、例えばヨウ素だと何シーベルトですとか、それぞれセシウム以外の値もあると思うのですが、その扱いはどうなるのでしょうか。

(大臣)

 それはきちんと科学的に説明した方がいいので、事務方から説明をさせます。

(事務方)

 お配りしております閣僚懇の資料をご覧いただきますとお分かりのように、放射性セシウムの場合に、今の5ミリシーベルトから1ミリシーベルトに下げるということです。その他の核種をどうするかということにつきましては、この閣僚懇の資料にありますように、これからの検討課題として、放射性セシウム以外の放射性元素についても専門的な見地から検討したいという扱いです。

(記者)

 文科省が前回の審議会か何かで、ICRPが1から20で出来るだけ低くという意見を言ってましたが、それは今回の1ミリの何か影響しているのですか。

(大臣)

 それは全体にいろいろな専門家のご意見、それからパブリックコメントでも消費者の皆さまから3000通の声をいただいていましたので、全体的なことを考えてやりましたので、それは20から1ミリのなるべく低い範囲でということは、文科省に言われるまでもなくこういう判断の中に入っていると考えています。

(記者)

 個別の食品ごとに見ていきますと、たとえばお茶ですとかキノコの類ですとか、あるいはこれから福島で水産物を水揚げした場合にどうなのかという問題もあると思いますが、その場合もあくまでこの安全を担保するという意味で、この1ミリシーベルトの考えに沿って個別の食品を割り切っていくのか、それともそれは現実に汚染されている状況と、安全との、いわゆる警戒線を含めて総合的にもう少しそこは別の判断があり得るのですか。

(大臣)

 それは規制値をつくったら別の判断というのはないです。先ほど申し上げた経過措置ということがありますし、一つの課題としては、生茶か荒茶かを含めた、乾燥したものと実際に口に入る時の濃度が違うものをどう扱うかということは論点だと思っていますが、規制値に例外を設けたら規制値の意味を成さないと思います。

(記者)

 改めて確認ですが、たとえば水産の関係についてはもしかしたら1ミリシーベルトという厳しい値を設定すると、規制値にひっかかってしまうものも出てくるかもしれないですが、そこは政府として補償していくという考えでよろしいですか。

(大臣)

 そこはしっかりと対応させていただきたいと思います。

(記者)

 子どもへの配慮は現時点で考えていますか。

(大臣)

 そうですね、委員会の質疑でもお答えしているように、子どもへの配慮というのは、EUでは、乳幼児食品、ですからベビーフードや粉ミルクについて低い値を設けています。そこをどうするのかということは検討をしていくテーマだと思っていますが、全体に、1ミリシーベルトというのは、当然のことながら、子どもへの安心を配慮した数字だと私は考えています。そうしないと、一般的な食品の中に大人の数値と子どもの数値とがあったら、どうやって出荷制限とかをかけるのかと、非常に現実的でないです。ですから、より安全な子どもにとっての安全を配慮して1ミリシーベルトという判断をしました。ただ、その中で、一層子どもだけが食べる、EUが対応しているような乳幼児の食品、ベビーフードとか粉ミルクについてはまたさらに厳しいというか、さらに安全なものを考える必要があるのかどうか、これも審議会などで専門家にご検討いただきたいと思っています。

(記者)

 大臣は先ほど、今の5ミリはもちろん安心なんだが、さらに安心のためにとおっしゃいましたが、ただ、もう引き下がると分かった時点で、ポリオの問題ではないですが先が見えてくると、今ではやっぱりだめだったのではないかというような心配もあるかと思うのですが。

(大臣)

 昨日も委員会の質疑でお答えしましたが、これは緊急時だったわけですね、緊急時だから暫定規制値という意味で、これも十分に安全なICRPの基準などをもとに、日本に基準がなかったので、設定しました。だから、これは当面の緊急時の対応として、安全な基準であって、それで食べていたもので危険になるというものではありませんが、先程の、なるべく下げるようにということもありまして、より安全を確保するために、新たな規制値としてはさらに低いものをということなので、今流通しているものを召し上がって、なにか影響があるということではないと考えています。ですから、その辺の情報が混乱しないように、こちらとしてもしっかり情報提供したいと思いますので、メディアの皆さま方にもその辺はぜひよろしくお願いします。

(記者)

 何度もすみません、もう1点だけ細かいところ。先ほど、核種の質問でですね、つまりセシウムだけ先行して1ミリシーベルトという風にして、他の核種はこれから検討するということで、そう判断を分けた理由というのは。

(大臣)

 もともとが今セシウムで割り振っている訳ですよね。それをもとにして今、今度下げるということだったので、その他の核種についてどういう検討が必要なのかということは改めてやりたいと思います。今の5ミリシーベルトもセシウムを割り振っている訳ですから。ということでいいですか、何かあれば。

(事務方)

 ご案内のように、今もっとも放出されて、いちばんの課題になっているのがセシウムでありますが、これはもうほとんどセシウムの問題がかなりの部分を占めていると考えていただいていいと思います。それ以外のストロンチウムとかウランとかどうするかというのは、これからさらに専門家の判断も含めてご意見を伺うということです。

(記者)

 中央社会医療協議会の件なのですが、先日邊見先生が委員をお辞めになりまして、委員の人事というのは既に定まっているのでしょうか。

(大臣)

 昨日、10月27日付けで任命しました。全国公私病院連盟副会長の邊見委員が、10月26日水曜日をもって任期3期を満了しました。後任として、医療現場に精通し、広く医師を代表していただける委員として、万代恭嗣さん、日本病院会常任理事を、10月27日木曜日付けで任命しました。

(記者)

 関連してなのですが、他の方も推薦されていたと思うのですが、万代先生を選ばれた理由というのがもしあれば。

(大臣)

 万代さんは、日本病院会の常任理事を務めていらっしゃるので、医療現場に精通していらっしゃいまして、広く医師の意見を代表していただける方であることなど、そうしたことを総合的に勘案して任命しました。

(記者)

 昨日の国会審議でも話に出ましたTPPに関する情報公開についてお伺いしたのですが、9月にアメリカのUSTRが、TPP交渉で参加国に求める目標という資料を出しまして、その中で、公的医療保険制度の運用の中で、交渉参加国に公平性と透明性を求めるという風に明記されています。一方で、日本政府が今月発表した資料によりますと、国民向けの説明で、TPP交渉で公的医療保険制度は、議論の対象になっていないというような説明がありました。こういう説明をされた背景をご説明願います。

(大臣)

 昨日の委員会でも質疑をした件だと思いますが、もともとアメリカは運用上の透明性や手続きの公正ということは、これまでもずっと押してきたことです。ですから新しい話はないと思っていまして、この医薬品の保険適用に関する手続きの透明性の確保が論議の対象となる可能性につきましては、内閣官房などが作成しました分厚い説明資料のTPP協定交渉の分野別状況でも、米豪FTAの例を引きながら、きちんとご説明してきました。ご指摘の公的医療保険制度は、TPP協定交渉の議論の対象となっていないという説明を私どもがしている点については、今検討している金融サ−ビス分野で、公的医療保険制度は適用除外とされていまして、制度の在り方そのものが議論の対象になっていないという趣旨ですので、今までご説明してきたことと齟齬はないと考えています。

(記者)

 今のご説明ですと、TPP交渉の金融サービスの分野では制度そのものは対象になっていないと。ただし、市場アクセスの分野で自由化を求められる可能性は否定しないということだと思えるのですが、これは例えば外務省の交渉担当官とか詳しい方にはそれで理解できる話かもしれませんが、一般国民にとって、たとえば薬価制度とか検査費用をいくらにするかという公的医療制度の入り口論にある運用の中で極めて重要なファクターであると思うのですが、これについて見直しを迫られる可能性があるということは、一般国民にとってその説明が誤解を招きかねない可能性が私はあると思うのですが、その辺については。

(大臣)

 それは私だけでなくて、政府全体として今手に入っている情報を分かりやすく判断材料としてお示しする必要は今まで以上にあるということは私も感じています。ただ、再三ここでもご説明しているように、具体的な交渉で何を議論するかの詳細は、交渉の中に参加してみないと分かりません。今、交渉の中で枠組み作りを各国が主張し合ってやっている最中ですので、私としては交渉には参加し、しっかりと情報を手に入れた上で、その枠組み作りにも日本の考え方を反映させる必要があると思っています。そして今の医療保険制度、あるいは医療、食品の安全、また外国人労働者の問題など厚生労働省が管轄するところで、日本の国民の皆さまにとって、望ましくないということがあれば、そこはしっかりと主張し、そこが受け入れられなければ交渉に参加した上で実際にそこには入らないという判断もあり得ると私は考えていますので、そういう意味では、厚生労働省がきちんと守らなければいけない社会的規制、安心安全に関わるところについては、交渉の中できちんと主張し、受け入れられなければ、そこは入らないという判断を、厚生労働省としてしたいと思っています。

(記者)

 最後に確認なのですが、情報公開を分かりやすくというお話でしたが、今現状の資料では、非常に概略版のペーパーと、これ以外には70ページ以上に渡る極めて詳細な資料と、両極端の2つしかないので、厚労省として、分かりやすい説明資料を作る用意はありますか。

(大臣)

 厚労省としての部分だけ抜き出して作るということがどう可能なのかということは、検討させていただきたいと思いますが、再三申し上げていますように、詳細な交渉の中での材料というのは参加しないと手に入りませんので、私は、参加して必要な材料を手に入れて判断すべきと申し上げています。

(了)

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