小宮山大臣閣議後記者会見概要

H23.10.04(火) 10:44 ~11:03 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
すみません、大変お持たせしました。今日は閣議が終わった後、連合の第11回定期大会に総理大臣とともに行きまして挨拶して戻ってきました。冒頭は私からは4点お伝えしたいことがあります。 一つは、社会保障制度の改革。これはしっかりとビジョンを示して工程表も作ってやっていきたいと申し上げてきましたが、厚生労働省の中でそれをしっかりと進めていくために、厚生労働省社会保障改革推進本部をつくります。これは、私が本部長をいたしまして、そして皆さまのお手元に図表がお配りしてあるかと思いますけれども、ちょうど5月に厚労省案をまとめるために検討本部を設けましたが、今回は成案を受けてそれを実際に進めるために、推進本部という名前にいたしまして、推進本部長が私で、本部長代理に2人の副大臣と政務官、そして副本部長に事務4役、それから構成員として担当の局長という形でやりたいと思っています。そして以前も検討の時は大塚副大臣が検討チームをやってましたが、今回、辻副大臣に、推進チームこれを引き継いでもらいまして改革の全体像、進捗状況を管理しないと、ご承知のように、年金、医療、介護、そして子育てとかみんなそれぞれの部局がやってますので、それをなるべく次の通常国会に多くの法案をまとめて出せるよう、そして申し上げているように、ビジョンをちゃんと分かりやすく示せるように、スケジュール管理をしながらしっかりとここで責任を持って示せるように、推進本部をつくるということです。この推進本部の第1回の会合は10月7日金曜日11時10分から省議室で開催することを予定しています。再三申し上げているように、ビジョンをしっかりとお示しをし、工程表もお示しをした上で、国民の皆さまに納得してご負担をいただく、そういう形で進めていくための仕組みとご理解いただければと思います。これが1点です。 それから2点目は、厚生労働省としまして、緊急時避難準備区域が解除された福島県の相双地域に、医療従事者確保支援センターを設置するということです。日曜日に現地を訪れました細野大臣からお話があったかと思いますけれども、先週金曜日30日の原子力災害対策本部で、私の方から申し上げたことです。その後設置する場所も決まりましたので、今日、正式に私の方から皆さまにお伝えをしたいと思っています。ご承知のように、避難準備区域の皆さまは、帰られてもそこの医療が非常に疲弊をした状況だと、生活にお困りになるということで、私も就任以来とにかく県民の健康、国民の健康はもっと厚生労働省が前に出てしっかりと守るべきだということを再三言ってまいりまして、特に、ここの地域の皆さまが戻られるに際しては、ちゃんと厚労省が前に出て皆さまの健康を守ると、このことを示すための仕組みの一つと思っていただければいいと思います。具体的には、南相馬市、相馬市、相馬郡、それから双葉郡の2市7町3村、これを相双地域と言いますけれども、この福島県相双保健福祉事務所、ここに厚生労働省相双地域医療従事者確保支援センターを設置します。厚生労働省からは、医系の職員1名と、事務系職員1名を派遣しまして、6ヶ月を目途にそこに常駐させる予定にしています。そこでの業務としては、現地でのニーズの把握、それから全国の医療関係団体で構成する被災者健康支援連絡協議会、また、県に設置予定の福島県地域医療支援センターとの連携、そして国立病院機構、国立高度専門医療研究センターなどからの医師などの派遣などを行いまして、結局、医療従事者をしっかり確保するためのコーディネーター機能を、現地に人が常駐することでしっかりとやっていきたいと思っています。これはもう10月に入りましたけれども、10月上旬を目途に設置ということで1日も早く設置出来るように、今、県の方と調整しているところです。これが2点目です。 そして3点目は不活化ポリオワクチンの話なのですけれども、不活化ポリオワクチンに対する皆さんの期待が大変高いことも分かっておりますし、こちらも1日も早くしっかり使えるようにしたいと思いますが、これから導入されるという話で、生ポリオワクチンの接種を見合わせる方が出て来られているということです。不活化ポリオワクチンの導入は可能な限り迅速に行うように取り組んでいますけれども、導入出来るには平成24年度の終わり頃になる予定なのです。海外では今もポリオの流行が起きている国がありますし、最近ではお隣の中国でも感染者が発生しています。そういう意味で、不活化ポリオワクチンの導入までポリオ生ワクチンの接種を待つこと、これはお勧め出来ませんので、導入までは現在の生ポリオワクチンの接種を受けていただくよう呼びかけて行きたいと思っています。その呼びかけのリーフレット、皆さんのお手元にお配りしていますので、ぜひ広報の方にもご協力いただければと思っています。 それから最後、4点目ですけれども、衆議院の予算委員会で小泉議員からご指摘をいただいた、被災地域で休業中にボランティアをした場合に、失業給付の取り扱いをどうするのかということで、野田総理からもこれは積極的に検討するとご返事いただいたものです。これは9月27日火曜日の衆議院予算委員会で、小泉議員から、失業給付を受給しながら、企業の再建支援をボランティアとして行う場合の取り扱いについてもっとしっかり対応、配慮すべきだというご質問をいただきました。これを受けまして、被災地域で、休業中の事業所から作業依頼を受けた場合であってもボランティアとして取り扱う場合をしっかりと明確にすることにしました。具体的には、休業中の方がボランティアをした場合の失業給付の取り扱いの明確化というテーマで、ボランティアに該当する場合、休業事業所が作業を依頼した場合でも、作業が有償無償を問わず、次に該当するボランティアであれば失業給付を支給。?作業依頼を拒否することが出来る、?作業時間、休憩、帰宅等の時間を自由に決められる、?有償の場合でも交通費等の実費弁償、一定額以下の謝礼のみであること。ボランティアかどうかの判断は、受給者の申告に基づき、ハローワークで柔軟に行う。有償ボランティアであっても、実費弁償や少額の謝礼のみであれば失業給付は満額受給可能、具体的な例として、日額1,200円のボランティアに1ヶ月25日間従事、交通費は片道400円の場合を計算して5万円ということで、このような場合は大丈夫と言うことです。上記の取り扱いを、ホームページ、リーフレット、窓口によって積極的に周知するということです。こういう1枚の紙ですので、後ほど皆さんにお配りしたいと思います。 私の方からは以上4点、今日は多めになりましたけれども、お伝えしました。

質疑

記者:
厚生年金基金の加入記録の誤りについてですが、支給漏れや過払いに支払われている案件が今でも出ている問題にどのように対応していくのでしょうか。
大臣:
ご指摘いただきましたのは、各紙で報道されている、厚生年金基金の代行部分の2重給付の話だと思いますが、受給者の方に国が支給していた重複分の年金と同額の年金が基金から支給されている。それで、他の事務処理誤りと同様にその重複分を減額していきたいと思います。ただ、この場合は減額をしても1階、2階の公的年金部分は確保されますので、無年金や低年金は生じないということで、これは全体の記録の誤りが260万件あるわけですが、その中で、2重に記録されている方、あるいは全く記録されていなくて支給されていない方が、今回16万件余りあるということが報道されていると思いますので、これについてはしっかりと対応していきたいと考えています。
記者:
民主党がマニフェストで掲げた年金通帳の件ですが、これは消えた年金問題を解決するためにマニフェストに盛り込まれていましたが、一部報道で導入を断念するという話が出てましたが、大臣のお考えをお聞かせ下さい。
大臣:
年金通帳については、選挙のときのマニフェストでお示しをして、見本をお見せして、皆様にこういう形で預金通帳と同じように自分の年金を分かりやすくしますと申し上げたものです。これは、現在、「年金定期便・ねんきんネット・年金通帳等に関する検討会」で検討しておりまして、11月を目途に報告書をまとめる予定です。この報告を踏まえて対応するということで、なぜこういう報道が出たのか分かりませんが、断念したという事実はございません。
記者:
朝霞住宅の件ですが、野田首相は建設推進の立場から一転して凍結に踏み切りました。首相の判断が、ぶれたという印象も否めませんが、大臣はどうお考えでしょうか。それから、朝霞住宅の建設についてはどのようにお考えかお聞かせ下さい。
大臣:
今の時点として、適切な判断を総理がされたと思っています。総理も話されているように昨年判断をして、その後3.11(の大震災)があったわけですから、その状況に合わせて的確に判断されたと思っています。
記者:
大臣自身は朝霞住宅の建設についてはどのようにお考えでしょうか。
大臣:
予算委員会の中でも全国で多くのものが空いているというような話もありましたが、朝霞住宅が他のものを廃止した後に、そこに集約化をしたという事実関係の背景になるものを私の方は承知していませんので、コメントは避けたいと思います。
記者:
先程の、被災地でのボランティア中の失業手当の件ですが、これは、法令改正が必要なことだったのか、それとも解釈をあらためて示したものでしょうか。
大臣:
特に省令ではないです。解釈というか、裁量の範囲内で可能ということで、やらせていただきたいと思います。
記者:
公務員の人事院勧告の扱いをめぐって給与関係閣僚会議が開かれたと思うのですが、どういう議論だったのでしょうか。
大臣:
ここでは、総務省の方から人事院勧告の中身の説明があった後、各省からそれぞれ発言がありました。私の方からは、人事院勧告制度は、労働基本権制約の代償措置であり尊重することが基本ですが、今年は、自律的労使関係制度を措置するための法案と職員団体との話し合いを経た上での臨時特例法案が、6月3日に提出されているという、これまでとは異なる事情があります。従って、今年度の人事院勧告の取り扱いは、このような事情を考慮して検討を行う必要があると考えますという発言をいたしました。関係閣僚からは、今出してある法案の方が削減幅が大きく、人事院勧告の方が幅が狭いわけです。ただ、人事院勧告は今申し上げたように労働基本権の制約の代償措置ということで、守らなければいけないものですが、政権としては、新しい法案を出しているので、そこをどうするかということを話をいたしました。それについて、今日、結論は出ていませんので、またいろんな事情を踏まえて、国会の中で提出している法案の扱いをきちんとする必要があるわけですが、そうしたことも踏まえまして、次回はまた関係閣僚の日程を調整の上、開くということになりました。
記者:
ポリオワクチンの接種についてお伺いします。特に現状のワクチンを変えたわけではないと思いますが、あらためて、もし副作用が出た場合の補償の制度について特に変更があったわけではないと思いますが、国民の方もご心配があると思いますので、救済制度について国としてはどう考えているかをあらためてお願いします。
大臣:
生ポリオのワクチンについての救済制度については、何の変更もないので、副作用がない不活化ポリオワクチンへの期待が強いことは分かっているので、委員会などでもなるべく早くという答弁をしていますが、今は、製造をしてそれが安全なものだと承認をし、製薬メーカーに、これは3種混合に加えて4種でやるという形で進めようとしていますので、そうした製造工程なども含めて、まだ時間がかかると。早くても来年度の末ということなので、だいぶ不活化ポリオワクチンに期待をして皆さんも報道していただいているので、すぐに手に入るのかと思って、今年、そして来年の初めに受けなければいけないお子さんも受けないで待っていると、さっき申し上げたように中国をはじめ流行っているところがありますので、今受けなければいけない方は、是非、生ポリオの方で受けていただきたいというのが今日申し上げた趣旨です。何かが変わったわけではありません。

(了)