細川大臣閣議後記者会見概要

H23.07.29(金)9:58~10:20 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
閣議・閣僚懇が終わりまして厚生労働委員会がございましたので、そちらの方に出て、こちらに参りました。 今日、まず1つ目にご報告をいたしますのは、B型肝炎訴訟の全体解決の枠組みの基本方針が本日の閣議で決定したことです。これは6月28日に基本合意書が締結され、同時に表明されました政府の基本方針に基づいて、本件の全体解決に向けた枠組みの構築をしていく検討をしてきたものが、本日、閣議決定をしたところです。本日の閣議決定は、集団予防接種によりますB型肝炎ウイルスに持続感染をいたしました、今訴訟を起こしている訴訟提起者だけでなく、未提訴者も含む本件被害者の方々に対して、確実に給付金等をお支払いする為に必要な法案のスキーム、財源などを盛り込んだもので、本件の全面解決に向けた1つのステップであります。本件は、かつて例のない非常に大きな広がりを持つものでありまして費用も多額に上りますが、被害を受けた方々の給付を確実にする為には、給付に見合った財源を確保する必要があります。その際、本件の原因が集団予防接種であることを踏まえて、国民全体で広く分かち合う観点に立ちまして、今般その費用を税負担によってまかなうことをお願いすることになります。ぜひとも、国民のみなさんのご理解、ご協力をよろしくお願いする次第であります。私といたしましては、集団予防接種によりますB型肝炎ウイルスの被害に苦しむ方々への給付に万全を期すことが出来るように、引き続き本件の全面解決に向けて所要の法案の成立を目指してまいる所存でございます。 2つ目に、雇用情勢についてのご報告でございます。6月の完全失業率が、0.1ポイント悪化をいたしまして4.6パーセント、有効求人倍率は、0.02ポイント改善をいたしましたが、0.63倍でございまして、現在の雇用情勢は依然として厳しい状況にあると認識しています。今後とも引き続き、東日本大震災への雇用への影響につきまして注意が必要と考えております。東日本大震災の雇用対策につきましては、4月5日にとりまとめました、「日本はひとつ仕事プロジェクト」フェーズ1に続きまして、4月27日にフェーズ2をとりまとめ、その実施に全力で取り組んでいるところです。具体的には、これまでにも申し上げてまいりましたけれども、復旧事業や重点分野雇用創造事業の積み増しによる雇用の創造、被災された方を雇い入れた場合には企業への助成、あるいは出張相談、求人開拓等の就職支援、また、雇用調整助成金の拡充や雇用保険の延長給付、このようにいろいろ行いまして、雇用の維持と生活の安定に取り組んでいるところです。今後、取りまとめられます政府の復興基本方針も踏まえまして、被災された方々への雇用の創出に万全を期してまいりたいと考えています。 3つ目のご報告は、来年の春に卒業される、特に高校生の新規の就職についてです。来春卒業の新規高卒者の就職環境が厳しいところでして、特に東日本大震災の被災地で求人が大幅に減少しており、県外への就職希望者が増えているところです。被災地の新規卒業者の就職のために、本人の希望も踏まえまして、県外の企業へも求人開拓を行って受け皿を確保してくことが重要だと考えています。そのため、本日全国の労働局に対して、集中的な求人開拓の指示をしました。特に、生徒の方の希望が多い首都圏の労働局長に対しては、私の名前で指示文書を発出して、求人の開拓の徹底を指示したところです。また、?木文科大臣と連名で257の経済団体等にも要請書を送付いたしまして、新規学卒者、特に被災地の新規高卒者の採用拡大を要請しました。更に、主要な団体には、当省小林政務官と文科省の笠政務官お二人で訪問をしていただいて、直接要請を行う予定であります。各企業のみなさまにおかれても、将来の日本を支える新卒者でありますから、その新卒者のために採用枠の拡大、あるいは追加の求人枠の提出を検討いただいて、ひとりでも多くの方を採用していただけるようにお願いしたところです。

質疑

記者:
汚染わらを食べた牛の流出問題で、福島県に続いて昨日宮城県でも出荷制限がかかったと聞きましたけれども、今後、岩手県ですとか栃木県などへの出荷制限について、どのようにお考えでしょうか。
大臣:
宮城県産牛肉より暫定規制値を超えましたセシウムが検出をされたということでありまして、厚生労働省では、まず近隣の3県に対して牛肉のモニタリングの強化を要請したところです。宮城県に対しては、ご承知のように昨日、原子力災害対策特別措置法に基づいて、出荷制限を指示したところです。そこで、適切な飼料管理を徹底することを前提にして、今後、宮城県内で飼料管理に問題のあった農家については全頭検査を実施し、暫定規制値を下回ったものだけ出荷を認めると、これ以外の農家につきましては全戸調査をしまして、暫定規制値を下回ったもののみ出荷を認め、その後も定期的な検査を行うという管理を求めたところです。出荷制限の指示をした宮城県、福島県以外のところについても、必要な場合には同じような措置をとるということになると思います。今ご質問のありました岩手県においても、セシウムが検出された牛が出ているということで、今、検討をしているところです。
記者:
栃木県の方は、まだ検討という段階ではないということですか。
大臣:
まだそこまではいっていないと思いますが、日々状況が変わっていきますから、それに応じた対策をとることになっていくと思います。
記者:
食品安全委員会の方で、生涯に受ける被ばく量について100ミリシーベルトが限度という見解が示されましたが、今後そういったものを参考に、食品に対する規制値を改めるということになると思うんですが、生涯で100ミリシーベルトという1つの見解について、大臣はどのようにお考えですか。
大臣:
100ミリシーベルトという基準値、これは体内被ばくと体外被ばくを合わせてということで、食品の場合は内部被ばくの方ですから、そこをどういう風に規制値の設定をしていくかについては、なかなか難しい問題があるのではないかと思っています。ですが、食品安全委員会であのような答申が出されましたので、後は厚生労働省でどういうふうになっていくかということだと思いますが、食品安全委員会の答申についてパブリックコメントなどをし、いろいろな国民のみなさまからのご意見などを聞きながら、食品安全委員会の方で最終的なとりまとめがされるものだと思っています。 そのような最終的なものが食品安全委員会で出された後、厚生労働省としても本格的な検討に入ることになると思います。
記者:
B型肝炎についてお伺いしたいのですが、7000億を増税で確保するということですが、広く国民の理解を得ながらということですが、こういった増税方針に国民の理解は得られると大臣はお考えでしょうか。
大臣:
私は、このB型肝炎訴訟の問題については、これは予防接種で注射器の連続打ちなどそういうことでこういう被害が発生したわけです。多くの方は国が行ってまいりました予防接種によりまして、病気にならずに健康でいられ、そして仕事もできたということでありますけれども、残念ながら一部の方がB型肝炎にかかったということを考えますと、この予防接種のおかげで健康な方々によって、被害に遭われたみなさんの賠償問題について国民みんなで分かち合うということが大事なことだと思っております。国民のみなさんに負担を求めていくことは、私はご理解をいただけるのではないかと思っております。
記者:
関連なのですが、増税の前例としては、酒税やたばこ税がありますが、広く国民に負担を求めるという観点からこういった税目が意味に合うかどうかということについては、大臣はどうお考えですか。
大臣:
これは、これから決めていきます。税制調査会の方で議論していただいて、どのような税目でいくかということなどは、調査会の議論でいろんな観点から議論をされるのではないかと思います。
記者:
この1000億について厚労省の遊休資産の売却等により運用で対応するということなのですが、厚労省で捻出する理由と、具体的に1000億という多額ですが、より具体的な方法があるのかどうかをお聞かせ下さい。
大臣:
これは、5大臣会合などでも国の方の歳出削減などをしてこれに充てるべきだと、とりわけ所管の厚生労働省でも努力してほしいという議論を出されまして、厚生労働省としてはできる限りのことを検討いたしまして、この0.1兆円という数字で協力するということにいたしました。財源などにつきましては、いろいろ考えましたが、厚生労働省が財源を捻出することについて、厚生労働省が担当している社会保障の部分を削減してそれに回すということがあってはならないという観点から工夫して努力いたしまして、私どもとしたら基金の剰余金であるとか、あるいは遊休資産の売却などを行って5年間で1000億円を何とか捻出したいと考えているところでございます。
記者:
確認なのですが、1000億について社会保障からは絶対に削減して充てないということでよろしいでしょうか。
大臣:
私の考えは、そういう考えであります。

(了)