細川大臣閣議後記者会見概要

H23.04.08(金) 11:04 ~ 11:27 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
定例の閣議と閣僚懇が終わりましたのでご報告をいたします。今日の閣議で私の方から、今回の災害に遭われた被災者の皆さんに対して全国から義援金が集まっており、その義援金の配分などについて閣議でご報告をいたしました。被災者生活支援対策本部から要請を受けまして、これまで厚生労働省の方で調整を行ってまいりましたが、今回の震災の義援金の配分促進のための「義援金配分割合決定委員会」が本日発足をし、第1回の会合が開催されることになりました。そのご報告を閣議でいたしました。この委員会の検討が順調に進みますと、義援金の当面の配分が自治体に対して行われることになりますが、自治体に義援金が配分されても、被災者のお手元に届くには、実務を担っていただく自治体、この自治体が事務処理体制が大変ですが、こういう体制が回復をしなくてはいけないということ。あるいは被災者の方で県外などへ避難をしている人への周知の問題。あるいは行方不明者の方がまだたくさんおられて確認できていないことなど様々な問題がございます。したがって、私の方から閣僚の皆さんに対して、被災者の方々に義援金が速やかに届くように協力をお願いしたところでございます。 それから、閣議と閣僚懇で特に発言をしたわけではありませんが、震災によりまして新卒者に対する内定取消し、入社の繰下げ等が行われていますので、私の方からご報告をいたしたいと思います。4月6日現在で、内定取消しが173人と、前回発表から40パーセント増えております。入社時期の繰下げが1,051人と、前回発表の時から約50パーセント、大幅に増えておりまして、震災による新卒者の就職に大きな影響が出ているところでございます。3月22日に私と高木文部科学大臣と連名で主要な経済団体に対して、被災された学生・生徒の積極的な採用を要請をお願いいたしました。すでに震災により内定取消しにあった学生・生徒を積極的に採用をするというような企業も出てきているところでございます。厚生労働省としては企業の動きを後押しをするために、既卒者を採用する企業へ奨励金の拡充、被災した3年以内の既卒者を採用する場合の助成額の増額や要件緩和を行うということにしたところでございます。こういう奨励金なども活用していただいて、被災された新卒者の積極採用をお願いしたいと考えているところでございます。また、新卒者以外につきましても、『「日本はひとつ」しごとプロジェクト』のとりまとめを受けまして、関係省庁から主要経済団体に対して被災者等の積極的な雇用と、ハローワークの求人提出をお願いいたしたところでございます。また、来週には私の方から経済団体の皆さんに直接、今回の新卒の方の問題も含め、計画停電の問題など、いろいろな問題で、雇用の問題について、雇用の維持・確保についてお願いをしたいと考えております。

質疑

記者:
昨夜、震度6強の地震が宮城県でありました。その地震で消防庁によりますと、2人の方が亡くなられていまして、その内、山形の63歳の女性は酸素吸入器を付けて寝ていらっしゃったところ、朝になって死亡しているのが見付かったと、消防では、停電の影響で酸素吸入器が止まったのではないかとみて調べているのですが、計画停電のいろいろな対応もありましたが、そういう風に見られることの受け止めと、改めて注意喚起など対応をとられる予定があるかお伺いします。
大臣:
この点については、まだ私の方では情報を収集中でございます。今までに判明していることは、酸素濃縮器を付けておられたということでございます。そして、酸素濃縮器のほかに、人工呼吸器も併用していた患者ではないかと、これははっきりはしていませんが、そういう状況しかまだわかっておりませんので、今回の余震と停電と、患者さんが亡くなられたことについての因果関係とか、状況については調査をさせまして、いろいろと対応は考えていきたいと思っております。
記者:
因果関係のところもあると思いますが、計画停電が決まった時に訪問看護ステーションなどを通じて確認であったり、メーカーを通じての確認であったり、注意喚起がありましたが、こういう大きな余震がありますと、計画停電の対象地域でないところでも停電になって危険な状況になるところもありますが、注意喚起などをやっていきたいというお考えはありますか。
大臣:
具体的な状況は調査をしてからになると思いますが、余震の問題は今後とも十分考えられますので、この調査結果を踏まえましてどのように対応していったらよいか検討をさせたいと思っています。
記者:
震災の復旧・復興に向けた補正予算の検討が進められていますが、その中で基礎年金の国庫負担分を震災の復興に充てるべきではないかという意見が政府内でも出ていると聞いていますが、大臣としてはこの2兆5千億円をあてることはどのように思われていますか。
大臣:
報道べースではそういうような話も出ておりますが、私の方にはそれについて直接相談を受けた事実はございません。この問題については、震災による復興をどのようにしていくか、これがこれからの日本にとって最大の課題であると考えております。その復興内容がどのような内容になっていくのか、あるいは復興に要する財源の規模とか全体像がどうなっていくのかということと関係が非常にあると思います。その中に国民年金の2分の1の財源を充てるということは、今申し上げたようなことと、それから年金制度に対して、国民年金の2分の1が維持できなくなると、国民生活の基盤である公的年金制度の安定的な運用にどのような影響を与えるかという大変重要な問題でもあるし、これも考慮しなくてはいけません。双方の要請を総合的に考えて決めていかなくてはいけない問題だと思います。厚生労働省としては年金の問題というのは非常に重要な問題なので慎重に考えたいと思っております。
記者:
民主党内からも、やはり取り崩すことについては、安定した社会保障制度の運営のためには国の負担分を持っていくべきではないという考えも出ていますが、大臣としてもそこの思いというのはありますか。
大臣:
担当大臣としてはそのように思います。しかし、今は日本のいわば非常事態といいますか、復興については国家的な最大の課題でもございますから、そこは総合的に判断をしていくということしか、私の立場でもそう言うしかないと思います。
記者:
余震が今後も続くことが予想されますが、因果関係などはこれから調べてからということですが、在宅で呼吸器を使う患者さんへのバッテリーの整備ですとか、停電時にどのようなケアをするか、具体的に今後どのようにしていくのでしょうか。
大臣:
震災がおきて、計画停電、電気が通電しなかった時に医療機関でのトラブル、在宅での人工呼吸器などを使用されている方についての問題というのも、これを何とか避けなくてはいけないということで、当初から取り組んでまいりまして、幸いというか、停電の関係でトラブルの報告が来ていない状況です。これについては一安心していたところでありますが、今回の山形での酸素吸入器を付けた方がなくなられたということで、これは調査をしなくてはいけないと思います。もしそういうことで亡くなられているのならば、あってはならないと思いますので、具体的対応も含めて検討をしていきたいと思っています。
記者:
内定取消しの件ですが、173人と先週より増という数字について、これは実態を反映しているとお考えであるかということと、今後の見通しについてどのように見ていらっしゃるでしょうか。
大臣:
実態と上がってきている数字と乖離があるかどうか、この点については私どもとしても上がってきていない事例があるのではないかということを踏まえて、注視していかなくてはいけないと思っております。この問題を解決するには、先ほども申し上げましたように、いろいろな企業に対して、この際、被災をされた新卒者の皆さんに対して、被災者に限って採用をしていただくというようなお願いをしておりまして、すでに企業からそういう方を採用したいというような申し出が出てきております。こういう災害に遭われた新卒者の皆さんをオールジャパンで守っていくと、こういうことでの企業の取組みもさらに増えていくのではないかと期待もしておりまして、いろいろな経済団体の方にさらにお願いを強めていきたいと思っております。
記者:
年金財源の2.5兆円を補正予算に転用する問題ですが、仮に転用になった場合に2分の1を維持するために積立金を取り崩すとかそういうことは考えておられるでしょうか。
大臣:
先ほども申し上げたように、私自身も報道でそういう年金の2分の1の財源を復興財源に充てるというようなことを知ったという状況であります。そういう風に決まればいろいろと検討をしなければと思いますが、今の段階では決まっているわけでもなくて、総合的な判断がなされるだろうと、こういうことでしか申し上げられなかったわけですから、そのことについても今はまだ決まったわけではないのでここでは申し上げられないということでございます。

(了)