細川大臣閣議後記者会見概要

H23.03.15(火) 11:05 ~ 11:31  省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
先ほど閣議、閣僚懇談会が終わりましてこちらにまいりました。閣議では総理の方から、今度の日本の歴史にとってもかつてないような大きな困難に対して、閣僚一致してこれにあたってもらいたいということ。さらに今後、どのような事態になるか分からないような憂慮すべき事態であるということ。これについても、各閣僚それぞれの分野で対応するようにという話がありました。以上が閣議、閣僚懇談会の主な内容です。特に厚生労働省関係の指示はございませんでした。以上でございますが、今回の地震で多くの方が被災され、かつてない多数の方が亡くなられました。そして被害に遭われたということで、亡くなられた方に対しての心からのご冥福と、被害に遭われた方に心からのお見舞いを申し上げる次第です。厚生労働省としては、被災者の皆さまに対しての救援・支援をしっかりやっていかなければいけません。そういう意味では水とか食料とか、あるいは医療とか保健、さらには亡くなられた方の埋葬について、省をあげてしっかり取り組んでいるところです。省内にも対策本部を作りまして、職員の皆さまが徹夜でこれに当たっていただいおります。昨日は、岡本政務官が現地に入りまして、視察、厚生労働省としての出来ることをしっかり検討していただきました。その岡本政務官の報告も受けまして、今後早急に対策を打っていきたいと思っております。今後、いろいろな大きな問題が出てくると思いますが、特に厚生労働省関係では避難生活がこれから続いてまいります。その人たちに対する支援をどのようにしていくか、いろいろ避難生活では問題が起こってまいります。食料の問題とかも含め、メンタルの問題、介護をしなければならない人だとか、そういう様々な問題が起こってまいりますので、きちんと対応していかなければならないと思っております。 また、計画停電の問題ですが、昨日は急な事態でありましたから、大変私も心配をいたしました。報告によりますと昨日は特に問題になったようなことは報告がありませんでしたので、本当にほっといたしましたところです。しかし、今日も停電がありますから不測の事態が起こらないような、それに向けての万全の体制を取るようにということで、一昨日の夜の8時に東京電力から計画停電が行われるという発表がありましたので、これには本当に夜を徹して対応に臨んできたところです。そういう意味でこれからも、いろいろとどういうことが起こるか分かりませんので、これには対応していきたいと思います。 あともう一つ、募金の問題でございます。本日からボランティア、NPO団体への支援を目的とした寄付金を、中央共同募金会が募集いたします。罹災された方達に対する、全国のボランティア、NPO団体の皆さまがいろいろとご支援をされますが、国民の皆様も同様に寄付をもって支援の手を差し伸べていただきたいというお願いをしたいと思います。また、寄付金については財務大臣の指定を受けた指定寄付金でありまして、寄付者にとっては税制上の優遇が受けられるということになっております。是非、国民の皆さまは被災者の皆さま方に対するご支援を、ご寄付という形でお願いしたいと思います。私からは以上です。

質疑

記者:
お話と若干重複する部分があるのですが、今回の震災でこれまでを振り返って、現時点での大臣の所感をお聞かせください。もう一つですが被災地以外でもひっ迫しておりますが、これをどう乗り切っていくのかお考えがあればお聞かせください。
大臣:
今回の地震による被害というのは、本当にかつてない大きな被害でございます。本当に亡くなられた皆様には心からのお悔やみを申し上げ、被害に遭われた方には心からのお見舞いを申し上げます。被害に遭われた皆様をどう支援していくか、この原発の被害に対する危険性、さらには電力の継続的な停電がどのように経済に影響するか、これは本当に予測も出来なような影響が出ると思われます。したがって、この危機を乗り越えるということは、厚生労働省だけではなくて本当に全国民が一致してこの危機を乗り越えるということが、今の日本にとってももっとも大事なことです。ここは皆で協力をし合うということが最も大事だと思っております。したがってこの危機を乗り越えるために、国民の皆さまもがんばっていただきますように、その先頭に立ってこの危機を乗り越えるためにがんばってまいりたいと思っております。今日は地震発生から5日目だということで、かつてない大型の地震でありまして、その被害も未曾有の被害でありますから、初期の段階を乗り越えてそしてさらに、これから想像されるいろいろな大きな問題に私達も一致団結してがんばっていかなければと思っております。国民の皆さまの生活が根本から脅かされるような問題に、最大限の力を発揮してがんばってまいりたいと思います。
記者:
一昨日の計画停電の決定が政府でされた際に、大臣は政府の緊急災害対策本部で「事態を回避出来ないか」という発言をされていると思います。東京電力や政府の中で医療への検討や配慮がどのようにされたのか、大臣の発言に対する政府の反応はどうのようだったのでしょうか。
大臣:
当日私の方から対策本部で停電ということが医療関係に大変な影響があると、とりわけご自宅で療養されている方、人工呼吸器などを使っている方に対しての影響が心配だということで、私の立場からは「そういうところの停電はしないように」ということを申し上げました。そのことについては、対策本部の中でいろいろ検討されたようです。官房長官などもそのことを非常に心配されて、どう対応したらいいかいろいろと検討されたようです。しかし、そういう形の例外を作るのではなくて、全体的に停電をするという苦渋の決断だということで、計画的停電を決められたと聞いております。医療関係を担当いたします私としては、このことについては心配をし、回避をしたいと思っておりましたが、ご承知のとおりとなりました。幸いにも昨日は報告によればそういうところの事故の報告はございませんでしたので、その点についてはとりあえずよかったと思っております。しかし、そのことについては十分に対応していかなければと思っております。
記者:
細川さんが最終的に計画停電を実施するとお聞きになったのは何時なのでしょうか。
大臣:
私が知ったのは、夜8時頃だったでしょうか、東京電力の社長さんが計画的な停電をされるという記者会見で知ったと思います。
記者:
そうすると厚生労働省から「いろいろなところに気をつけてください」といういろいろな通知を出されたと思いますが、それは最も早くてあの時間だったということでしょうか。
大臣:
正確には覚えておりませんが、そういうことになるのではないかということで準備は進めていたと思います。
記者:
準備は進めていたけれども実際に影響を受けるかもしれない人たちに対する注意喚起というのはあるかもしれないということで、もう少し早くやろうという意思決定などは省内ではなされなかったのでしょうか。
大臣:
省内ではそういう決定があればすぐに対応出来るような準備は進めておりました。
記者:
決定があればということですか。なければやらないと。
大臣:
それは決まらないとどういう対応になるかわかりませんので、そこは決定があればすぐに対応が出来るような準備をしてまいりました。
記者:
その関連なのですが、事務方は午後10時に通知を出したというふうに、計画停電の実施前日の会見で発言しているのですが、8時に分かって10時に通知を出すということは、翌日の午前6時20分から計画停電も始まる可能性もあって、やはりそのことについては、人体に大きな影響を与えることなので、午前中から大臣がメッセージを発信した時点で、もう少し早く各自治体に通知をしたりとか、そういった対応を本来ならば人の生命の安全を担う厚生労働省としては取るべきではなかったのでしょうか。
大臣:
私としてはどのような電力受給についての決定がなされるか、それは分かりませんでしたので、停電ということがあればそれはそういうふうに対応するということで準備を進めるということにさせていただいておりました。
記者:
10時の通知は妥当であったということでよろしいでしょうか。
大臣:
私としては準備をさせて、もっと早く出来ればよかったのですが、夜の8時ということで、それもどういう形になるかということが分かりませんでした。そもそも計画的なものになるかどうか、私達としてはそうならないようにということを願って、ずっとその段階までいろいろなところに交渉をしておりましたので、そういうことになったいうことです。
記者:
東京電力の対応のずさんさもあると思いますが、計画停電や原発の対応について東京電力との連携がうまくいっているのかどうかということについては、どのようなご認識を持っておりますでしょうか。
大臣:
東京電力の今回のこの問題への対応というのは、私は非常にちぐはぐというか、しっかりした対応が取れてこなかったのではないかと思っております。計画的な停電ということであれば、もっと早くからきちんとやっていただければ、私どももそういう決定に沿っていろいろな対応が出来たと思います。前日の夜8時ということで、しかも、翌日停電があるかと言えばそれもなかったりとかちぐはぐな対応であったと思っております。全体的にも東京電力と対策本部はもう少し連携を密にして、国民の皆さまにもよく分かるようなことが政府と東京電力の間で統一しながら発表していただければと思った点もあります。今日、閣僚懇談会だったと思いますが、東京電力と政府の方で統合本部が出来たという報告を受けております。
記者:
福島原発の被害に関して、今後大規模なメルトダウン、大量被爆者が出るのではないかという可能性も出てきており、まさに今官房長官がおっしゃられていたと思いますが、大量の被爆者が出た場合、もしくは首都圏まで放射能が運ばれた場合に、厚生労働省としてこういう事態を想定されていたかどうか、国民に対して被ばくに対しての医療は提供出来る状態なのでしょうか。
大臣:
本当に想定外の事故のことを仮定でおしゃっておりますから、それについてはなかなか答えにくいところはありますが、もし、そういうことが起こるということがあれば、厚生労働省としてどうするかということも一つの検討課題だと思っております。
記者:
現段階でこういう想定はなされていないということでしょうか。
大臣:
今のところは厚生労働省として、それに対しての対策ということはまだ考えておりません。ただし、準備はしなければいけないのではないかと思っております。
記者:
関連ですが、今も被害が拡大している状況だと思いますが、経済産業省もしくは文部科学省から応援の医療体制の人員要請とか、そういったものはまだ現段階では厚生労働省にきていないのでしょうか。
大臣:
そうです。これは要請があればそれに応えるような準備はこちらでしているということです。

(了)