細川大臣閣議後記者会見概要

H22.10.29(金) 10:05 ~ 10:39 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
閣議が終了致しましたので御報告をしたいと思います。今日の閣議では、まず、平成22年度の補正予算が今日正式に決定を致しまして国会に提出をするということになりました。 それから、今日は総務大臣の方から失業率などの御報告がございました。私の方からは有効求人倍率が季節調整値で0.55倍となりまして、前月を0.01ポイントを上回りました。有効求人は季節調整値でありますが、前月に比べて1.9%の増加となりました。有効求職者は0.4%の増加ということになりました。失業率が前月よりも0.1ポイント下がりまして5%になったということでございまして、これは雇用失業状況は持ち直しの動きが見られるけれども、依然として厳しい状況にあるということでございまして、私としては、先だって政府の方で「円高・デフレ対応のための緊急総合経済対策」に盛り込まれました雇用対策、予備費を活用した緊急的な雇用対策ということで、今日提出をすることになります補正予算、これらの早期の国会での可決をいただいて、それを実行するということによって雇用失業情勢を良い形に持っていくようにということを、閣議の中で申し上げたところでございます。 次に、私の方からは来月は「児童虐待防止推進月間」ということで、このことについて閣議で発言をさせていただきました。毎年11月を「児童虐待防止推進月間」と位置付けまして、国民一人ひとりが児童虐待問題への理解を一層深めて、その未然防止や早期発見などに取り組むことが社会全体で進められるよう、集中的な広報・啓発活動を実施をしておりまして、本年度も、民間団体・地方公共団体と連携して、オレンジリボン・キャンペーンを推進をしていることを閣議で申し上げました。児童虐待防止については、その強化を図っているところですが、依然として、虐待により死亡に至るといった悲惨な事件が続いておりまして、児童虐待防止は社会全体で取り組むべき最重要課題であり、各大臣におかれても、積極的に御協力をお願いしたいということを申し上げたところでございます。そして、着けてきたのですが、「オレンジリボン・バッジ」を各閣僚の皆さんにお配りを致しまして、御協力をお願いしたいということを申し上げて参りました。児童虐待につきましては、各閣僚から色々なご意見が出まして、例えば総務省、あるいは文部科学省、あるいは警察の関係、色々な大臣から御発言がありまして、連携をしてしっかりと取り組むことが大事だということで、私からも連携についてはしっかりとやっていただくようお願いをしたところでございます。 資産公開については、資料をお配りしていると思いますが、政務三役の資産公開でございます。ただ、私と藤村副大臣につきましては前回の平成22年7月16日に公開を致しておりますので、今回は公開の対象外ということになっております。

質疑

記者:
資産公開についてお伺いします。留任の場合は公開されないということでしょうか。
大臣:
はい。
記者:
それは理由としてはどういうことでしょうか。
大臣:
政府の政務三役に入った時の資産がいくらで、それから退く時に資産がいくらかと、そういうことを公表することによって在任中に資産が増えたり減ったり、その資産状況を国民の皆さんの前にしっかり公開をすることによって、政府の中にいることによって財産が増減するようなことについて、国民の皆さんに監視をしていただくということだと思います。私どもはそういう意味では継続しているということで公開にならないということだと思います。
記者:
岡本政務官がたくさん株をお持ちのようで、その中で中外製薬の株を400株持っていて、政務官になられる前に買われたのかはわかりませんが、関連企業の株を持っていることについて大臣はどのように思っていますか。
大臣:
あらかじめ政務官になられるということは分かっていないし、政治家も色々な株をお持ちの方もおられると思いますが、その株を公表して、どういう株をお持ちかということがはっきりすれば変な形の政治が行われないようにということで、オープンにすることが大事だと思います。製薬会社でしょうか、詳しいことは分かりませんが、特にそれが問題になるということはないと思います。
記者:
7月の時点から現在に至るまで大きく変動した部分はあるのでしょうか。
大臣:
私はないです。
記者:
資産について大臣の率直な御感想をお願いします。
大臣:
普通の財産ではないかと思います。そんなにたくさん持っているわけではないし、かといってまったくないわけではないですから。普通の財産を持っているかなという程度です。
記者:
資産公開の意義についてお願いします。
大臣:
これは政治家が色々な政策を実現する上において、多くの予算などにも関与しますし、あるいは関連の企業や利害関係者とも場合によっては影響を与えるということで、そういうところから、政治家の地位を利用して蓄財をすることがあってはいけないというようなことから資産の公開ということでありますから、これはこれで私は制度としては良い制度であると思っております。
記者:
昨日の事業仕分けで長妻前大臣の強いリーダーシップで始まった年金記録問題の紙台帳とコンピューターの突合の2割削減ですとか、前政務三役の非常に強い指示で始まった政策について、予算削減ということが出たのですが、今後、来年度予算の概算要求も出ている中でどのように見直していくということになりますでしょうか。
大臣:
年金記録の問題については前大臣の長妻さんが特に熱心に取り組まれてきたことでありますし、そのこと自体は私も良く理解をしておりまして、そのことについては積極的に前大臣の考えを引き継いでやっていこうと、このように思っています。昨日の仕分けについては、第三者といいますか客観的に記録問題について、特にコンピューターと紙台帳との突き合わせの作業などについて色々ご意見があったということは、第三者的に色々な御批判もいただいたり意見もいただくということは、それはそれで深く受け止めなければいけないと思っております。しかし、必要性については非常に重要なことでありますから、これはこれで推進をしていきたいと思っています。
記者:
例えばやり方を変えるですとか、場所を29カ所から減らすですとか色々と削減の方法があると思いますが。
大臣:
これは昨日の仕分けの中で、どういう理由でそういう結論になったのか、仔細に検討を致しまして、それに基づいてこちらも対応をしていきたいと思っています。
記者:
やり方そのものは変えていくということでしょうか。
大臣:
やり方を含めて検討になると思いますが、変えるということをここで申し上げているわけではありません。検討していきたいとは思います。
記者:
大臣が力を入れていらっしゃる雇用についても、ジョブ・カード制度の意義は認めるということですがジョブ・カードそのものは廃止ということで、今後どうされているお考えでしょうか。
大臣:
小林政務官もいろいろとジョブ・カードの必要性と意義については説明していただいて、そのことは伝わったと思っております。ジョブ・カードは今非正規労働者がたくさん増えて、職業訓練の機会も正規の労働者に比べると少ないという中で、いかに非正規の方々、特にフリーターの方がたくさんおられます。そういう人達が正規の労働者に移っていただくためには、職業訓練をしっかりしないといけませんので、そのための大きな手段というか方法がジョブ・カードでございます。成長戦略の中でも非常に有効な方策だということで、これを300万人にしようという目標を立てているところですので、是非とも推進させていただきたいと考えております。仕分けの方でそういう御判断をいただき、どういう理由で、どういうところがおかしいのかという指摘もあったと思いますので、それも踏まえて意義については理解していただいたところですから、どういう形で進めていくかについてはまた検討させていただきたいと思います。
記者:
今おっしゃられたように、政府としてやると決めているものについて、同じ党にいらっしゃる方から廃止ということについて、矛盾しているというか分かりにくい面があると思いますが、それを大臣はどうお考えでしょうか。
大臣:
一つの政策を進めていく時に、いろいろな方面からそのことについて御意見をいただくということについては、それはそれでいいのではないかと思っております。「与党だから絶対に何もものも言わない」ということではなくて、与党の皆様でも御意見として言うことは、各方面から御意見をいただくことの一つだと考えております。
記者:
昨日、官邸で社会保障と税の在り方会議が始まりました。厚生労働省は社会保障で介護、年金、高齢者医療でも非常にお金が増えていくということで、厚生労働省としては消費税の引き上げを含めてどういうスタンスで臨まれていくのでしょうか。
大臣:
今の社会保障制度というのは大体50年前に作られたということで、その時の社会状況と今とでは変わって来ています。社会状況が変わっているにもかかわらず、制度そのものの骨格は50年前に作られ、その時の社会状況を前提に作られているということで、各制度が現在の社会状況に対応出来ていないようになっております。したがって、トータル的にこの社会保障制度を変えていかなければならないということで、それをどういう形の社会保障制度に変えていくかということを、トータルで検討していく会議です。したがって、それを検討する中で社会保障に係る費用について給付と負担の関係をどうするかということになっております。今御質問にありました消費税という個別の税ではなく、どういう公費で負担するかということについて税制についても当然話は出てくると思っております。
記者:
先ほどの事業仕分けで特に紙台帳記録とコンピュータ記録との全件照合は、変わらずやるということでよろしいでしょうか。
大臣:
これまで前長妻大臣のときからの方針でございまして、4年間で最後まで突き合わせをするという方針でやっております。
記者:
今後の入札の中で価格競争にするという指摘もございましたが。
大臣:
それは当然のご指摘だと思います。これは入札などについても公平に、そして、出来るだけ低廉な価格で行えるような形でやっていかなければと思っております。我々としては効率性の問題で、徹底的に努力をしなければいけないと思っております。そういうご指摘については謙虚に受け止めていかなければと思っております。
記者:
これまでは、各社が提案した内容も加味して総合評価方式だったのですが、価格競争に基本的には変えるということでしょうか。
大臣:
もちろん、価格についての問題も効率性に関わってくると思いますが、これは考えていきたいと思います。
記者:
年金ネットやコールセンターなどについて、いずれも削減目標が2割なり3割なり提示されましたが、それを加味して概算には反映させるのでしょうか。
大臣:
どういうところが効率性が良くないと、もっと効率性を良くせよという結論だけは聞いたのですが、どういう議論でそうなったかということも検討しまして、それについても来年度予算にどう反映するかもこれから検討したいと思います。
記者:
根本的なところで、年金記録の解決とは何なのか、事業仕分けでは効率性ということが盛んに言われたのですが、ゴールは何なのかというところから逆算して、今どうすべきなのかについてどうお考えでしょうか。
大臣:
5000万件の宙に浮いた年金記録を象徴するように、国民の皆様から年金に対して信頼を失ったと、その信頼を回復するということが今の私どもにとっては一番大事な第1の目標だと思っております。まずは、国民の皆様がお支払いした年金保険料についてしっかり国、年金機構の方で記録が基礎年金番号にきちんと記録されて、将来ずっと年金が正確にもらえるということをまず行わなければならないと思っておりますから、それが最優先です。しかし、当然効率性の問題も考えなくてはいけないと思っております。そこは当然指摘される効率性については考えていかなくてはなりません。
記者:
今日の閣議で児童虐待の話が出たということですが、具体的に厚生労働省に各省の大臣からどういった要望が寄せられたのかお聞かせください。
大臣:
特に、厚生労働省に要望があったというよりも、例えば、総務大臣などは自らの知事をされていた時の具体的なお話で「非常に児童虐待は悲惨なものだ」と、「これは徹底的にやるべきだ」と、「何とかしなければ国としても責任が果たせないのではないか」ということ。それから例えば、児童相談所にしても「人員が足りないのではない」か、「もっと増やすべきではないか」という御意見も出ました。それから、「児童相談所、学校、警察、地域の人達との連携をしっかりやっていってそこから児童虐待を無くすようにしないと」という積極的な意見をお聞きしました。具体的に厚生労働省に「こうしろ、ああしろ、こうしてもらいたい」とかいう意見はありませんでした。各大臣が連携してやりましょうという話がありました。
記者:
子ども手当なのですが、先日小宮山副大臣が、地方には今年の児童手当分の負担はしてもらうという発言があったのですが、大臣御自身も来年度予算を決めていく中で、地方の負担はしていただくというお考えでよろしいでしょうか。
大臣:
私は前から申し上げているのですが、子ども手当について2009年マニフェスト、そして、今年の参議院選挙のマニフェストで1万3千から上乗せをするということで決まっております。ただ、どういう形をとっていくかについてはまだ結論が出ているわけではなく、これから予算編成で決めていくということです。これは厚生労働省だけで決められる問題ではなくて、地方負担であれば総務省も関係もありますし、いろいろな関係での協議で最終的には決まっていくことです。私としてはそういう地方の負担についての結論が出ているわけではありません。大事なことは国が決める前に、地方の団体の皆様の御意見をお聞きして、最終的にどういう形にするかということを決めていかなければいけないと思っております。
記者:
地域主権戦略について、総理からも前回の各省の方針についてもの足りないということで再回答することとなっておりますが、厚生労働省として特にハローワークについて前回の方針から何か変更、修正する考えはございますでしょうか。
大臣:
御承知の様に総理からも重ねてもっと地方に移管出来るような方策がないか指示があり、今検討して11月のはじめに報告しないといけませんから、今最終的なところを検討しているところです。前よりは変えるよう努力しているところです。
記者:
全く同じではないということでしょうか。
大臣:
ないです。
記者:
原爆症認定制度について検討する有識者会議を10月にも立ち上げると前大臣がおっしゃっていたのですが、10月も終わってしまいますが見通しについては。
大臣:
これについては、今月中には立ち上げることが出来ませんでしたので、来月には立ち上げたいと思い、準備をいたしているところです。

(了)