細川大臣閣議後記者会見概要

H22.10.26(火) 9:00 ~ 9:26 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
先程閣議が終了致しましたので、その御報告をしたいと思います。今日は、平成22年度の補正予算の概算が閣議で決定をされました。これは10月8日に策定をされました「円高・デフレ対応のための緊急総合経済対策」を踏まえ決定をされたところです。厚生労働省関係の経済対策の主な項目は、「雇用・人材育成」と「子育て、医療・介護・福祉等の強化による安心の確保」でありまして、1兆4,322億円を計上を致しております。執行見込額が予定を下回ったこと等によります修正減少額もありまして、差し引きでは1兆3,931億円ということになっております。 今回の補正予算に盛り込みました事項の主なものについて御説明をしたいと思います。「雇用・人材育成」につきましては、新卒者・若年者支援の強化に500億円、雇用調整助成金等による雇用下支えと生活支援に157億円、重点分野雇用創造事業の拡充など、雇用創造・人材育成に2,513億円を盛り込んだところでございます。また、「子育て、医療・介護・福祉等の強化による安心の確保」につきましては、保育サービス等の基盤の整備と児童虐待の防止などに1,079億円、地域医療の再生と医療機関等への機能強化などに6,701億円、地域密着サービスの基盤整備など、介護サービスの充実等に1,506億円、生活困窮者対策に600億円などが盛り込まれているところでございます。この他に水道施設の耐震化等による安心・安全な居住・生活環境の整備に330億円、生活衛生融資を活用した中小企業の資金繰り支援に2.2億円、遺骨帰還事業の推進に6.4億円が盛り込まれたところでございます。私としては、この予算の概算が閣議決定されましたので、29日に正式に予算案が閣議決定されまして国会に提案をされますが、この予算案を早期に成立をさせていただきまして、着実に予算案が実行されて国民の皆さんが安心をして暮らしていけるように全力でがんばっていきたいと思っております。具体的な数字等につきましては事務方の方で説明をします。閣議では今日の主な議題は補正予算の概算の決定ということでございました。

質疑

記者:
昨日、検討会で高齢者医療制度の厚労省案が提示されました、委員の皆さんからは70歳から74歳までの自己負担2割にも反対が出ましたし、さらに現役世代の負担も大きすぎるという反対意見が各方面から出ました。さらに、国会にもし提出されたとしても野党の反対が予想される中、厚労省としてはどのように進めていこうと考えていらっしゃいますか。
大臣:
私も昨日の会議に出席をさせていただきまして、委員の皆さんのご意見を拝聴致しました。厚生労働省としてのどのように高齢者の医療費が増えていくかという試算も出しまして御検討いただいたわけでありまして、色々なご意見が確かに出たと思います。それぞれの立場からご意見が出ておりまして、それはそれで議論そのものが活発になされていることについては良いことではないかと思っております。今後は4回程度としておりますが、会議をしまして、年内にはおまとめいただけたらと思っております。昨日は、後期高齢者医療制度の改革について、高齢者の医療費が増えていく、その増えた分を誰がどのように負担をするかという、一番大事で大きな論点のところでございまして、さらに、活発な議論がなされていって、年末には取りまとめていただければと思います。
記者:
同じ医療制度で、公的負担、特に委員の中から国の財政的な負担の割合が数年に一度見直すということになっていますが、それ以上に将来の見通しがないということで、それこそ政治主導で国の負担割合を増やすという決断をしてもらえないかという声もあったと思いますが、政治主導としてはどのようにお考えでしょうか。
大臣:
昨日の提案でも公費負担については50%ということで、これまでよりは増やした形での御提案もさせていただいておりますが、いずれにしても先程申し上げたように、誰が増え続ける高齢者の医療費について負担をするかということでございますから、公費も含めて色々と議論をしていただくということで、公費負担についてはこれはこれで当然そこでの議論もしていただけたらと思っています。
記者:
今日、B型肝炎の和解協議があります。既に国が示されている案について原告側の反応が出てくると思いますが、既に原告も会見などもされているわけですが、年内解決ということを大臣はおっしゃっていますが、非常にまだ溝が深いままです。今後、和解協議にどういう風に臨まれるのでしょうか。
大臣:
これは先だって10月12日に国の方からの和解金額について御提案をさせていただきました。それに対する原告団の方からの回答といいますか考えが今日示されるということで、それについて示された原告のお考えを聞きまして検討もさせていただきたいと思います。私の基本的な考えは、原告の皆さんの立場を考えれば早期にB型肝炎の訴訟については終結をしてきちんと解決をすべきだと思っておりまして、出来れば年内に基本的な合意には持っていきたいと思っているところです。今後も国としては誠意を持って積極的に和解協議を進めていきたいと思っております。
記者:
「誠意を持って」という中には、例えば示されている支払い額をある程度修正する可能性があるのでしょうか。
大臣:
これは前回の12日に提案を致しましたことは、厚生労働省だけの考えではなくて、国全体、四大臣の会合で国の方針として精一杯の回答だということで取りまとめて提案をさせていただいたところでございますから、今後については四大臣で色々と話合って、国としての対応を考えていきたいと思っております。
記者:
明日から始まる事業仕分けで、年金特会について、前大臣の長妻さんなどが非常に熱心に取り組もうとしたコンピューターの記録の突合ですとかコールセンターや特別便など色々なものが入っていますが、これが仕分けされることについてどのように受け止めていらっしゃるか教えて下さい。
大臣:
このあいだの厚生労働委員会でも議論がされたところでありますが、この年金記録でのコンピュータ記録と紙台帳との突き合わせ作業は非常に大事なことでありまして、これまでの年金特別便とか年金定期便などでは国民の皆さんには「こういう記録になっているけれどもどうでしょうか」というような通知でありまして、そこで国民の皆さんの方から「間違っているから直して欲しい」と、こういう通知が年金機構に来ましたらそれを調べて訂正すべきは訂正していくと、こういうことでありました。今度のコンピューター記録と紙台帳の突合というのは、年金機構の方で、基礎年金番号できちんと記録されていることが合っているかどうかということを調べるわけでありまして、そこに間違いがあったならば国の方からその人に「調べたらここが間違っているけれどもどうですか」と、そういう確認をします。今と全然違う形でやるわけでありまして、本当に年金記録を最終的に解決するために大事な突き合わせでありますから、そういうことは仕分けに入りましても大切さ、大事さ、そして国民の皆さんにお約束をした年金記録の解消に向けて平成22年、23年で集中的に、いわば国家的なプロジェクトとして進めていくと、こういうことでありますから、仕分け人の皆さんにも御理解をいただけるものと私は思っています。
記者:
関連してですが、全件照合がされまして原簿の紙台帳とコンピューター記録の食い違いが分かりましたが、どちらが正しいのか本人に確認しないと分かりません。先の話ですが記録を回復して正しい年金を受け取っていただくために、食い違いがあった後にどうするか本人に確認してもらえるか等、解決すべきことがあると思いますが。
大臣:
国の方でコンピューターと紙台帳の違いがはっきりし、それを機構で調べたらこういう間違いがあったということを御本人に確認していただいて、御本人がそこで間違いだということで確認されれば、御本人から国の方に訂正の要求をしていただくことになりますので、先はそういう形で進んでいくということです。
記者:
なかなか本人から返事が返ってこなかったりすると思いますが。
大臣:
いままでは「国の記録がこうなっている」ということだけを御本人に通知をしたのがこれまでの年金特別便とか年金定期便なのですが、今度は国の方で紙台帳と突合して国の方で調べたら、「あなたの年金記録については、こういう間違いがあったのだ」という具体的なところを指摘して、国から御本人に通知をするわけです。御本人の方も「確かに間違いだ」ということで訂正されるか、それは年金記録のコンピューター記録どおりで結構という方は、「そのまま訂正の申し入れはしない」ということになるかと思います。そこはきちんと整理されていくと思います。
記者:
今の件ですが、紙台帳とコンピュータの記録に違いがあったとしても、紙台帳の記録が正しいのか、コンピュータの記録に移し替えた時に正しい方に訂正したのか、どちらが違っているかが分からないのではないかという意味も含まれているのですが。つまり、記録が違うということが直ちに間違いと言えるかどうか。
大臣:
紙台帳との突き合わせで記録が間違ってますと、そうすると御本人に機構から御連絡します。そこは御本人が記憶を辿っていただいたり、御本人の持っておられる記録を照合させていただいて、御本人がそういう御連絡をいただいたけれどもコンピュータの記録どおりですと御判断されるのか、やはり、自分の記憶、記録から見ても間違いであったということで訂正を申し込まれるか御本人次第だと思います。
記者:
子ども手当についてですが、厚生労働省の政務三役の中には、来年度は2千円から3千円くらいの上積みが望ましいとおっしゃっている方もいらっしゃいますが、大臣も以前インタビュー等で現金で上積みを目指すという話があったと思いますが、大臣としてはいくら程度の上積みが望ましいとお考えでしょうか。
大臣:
これについては、まだ決まっているわけではありません。ただ、政務三役の副大臣で具体的な数字を挙げていろいろお話をされておりますが、彼女はこれまで男女共同参画推進会議の議長を民主党の中でされていて、子ども手当についてはいろいろと構想の時から携わってきておられる方です。そういう意味では、副大臣のお気持ちを個人的にお話されたのではないかと思います。政務三役でこのことについての具体的話は一切しておりませんし、政府全体としてもこれについてどうかということは一切決まっておりません。これは12月の末になると思いますが、予算編成過程において決めていくということになっておりますので、これは昨年の4大臣会合でそのようなことになっておりますのでそこで決定していくということになります。
記者:
大臣は年末までにとおっしゃられましたが、地方6団体などからなるべく早く示して欲しいと、そうしないと地方としての意見が言えないという話もあるのですが、大臣としては政府としての考えをいつ頃までに示したいとお考えでしょうか。
大臣:
厚生労働省だけで決めるということはなかなか難しいところです。財務省など関連する省庁などと整合性といいますか、そちらの方でもしっかりとした打ち合わせをしてからのことになりますので、厚生労働省でどうかということは難しいと思います。
記者:
関連ですが、所得制限について財務省と厚生労働省の副大臣の間では、意見が食い違っているところがありますが、大臣御本人の今の御認識としては子ども手当の所得制限についてはどのようにお考えでしょうか。
大臣:
それも含めて予算編成過程で協議をしていこうということになっておりまして、今私が具体的に申し上げる段階でないと思っております。そういう具体的な話が始まったところでは申し上げたいと思いますが、今の段階で私の立場では申し上げることは出来ないということです。
記者:
泉南アスベスト訴訟についてですが、来月控訴審が予定されておりますが、原告団の方が和解を強く求めているということで、裁判所の方で和解勧告が出た場合にはどういった対応をされるのか、控訴審に臨む厚生労働省の姿勢はどういうものが教えていただけますでしょうか。
大臣:
泉南のアスベスト訴訟につきましては、第1回目も開かれていない状況でして私どもの方は一審判決に対しては控訴という国の決定で控訴したわけです。第1回目で控訴した理由について裁判所でそれを申し上げるということが現状です。そこでたぶん被害者の皆様からの意見も出てくると思いますから、そういうことを併せて対応するということになります。この場で私からどう対応するかということについては具体的には申し上げられないということです。

(了)