長妻大臣閣議後記者会見概要

H22.6.11(金) 10:07 ~ 10:30 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
閣議と閣僚懇談会、そして口蹄疫対策本部を終えてこちらに参りました。まず、いわゆる自殺白書というものが閣議決定をされました。依然として大変厳しい、先進7カ国で自殺率は日本は最も高く、20代、30代の死因のトップが自殺であると、先進国ではそういう国はございません。これに関して、昨年9月の政権交代から見ますと、前年同月比で昨年9月からずっと自殺者の数がマイナスになっているところでありまして、直近は5月でありますが、5月も前年同月比マイナスであります。菅政権におきましても引き続き自殺・うつ対策に力を入れていきたいということで、「睡眠キャンペーン」なども精力的に取り組んで参っているところであります。あるいは雇用、非正規雇用対策、あるいはハローワークでの保健師による相談体制、あるいは昨日も開催を致しましたが精神疾患に対するアウトリーチ等の取り組みなどを通じて自殺対策に力を入れていきたいと考えております。 もう一点でありますが、本日、口蹄疫対策本部が開かれたわけであります。厚生労働省としても口蹄疫に関しては、口蹄疫被害に関わる社会保険料及び労働保険料の納付の猶予等の実施をするということにしておりますし、雇用調整助成金、あるいは中小企業緊急雇用安定助成金についても支給要件の緩和を実施しております。そして、雇用調整助成金につきましては、事前の計画届けを提出をして、生産指標減少の見込みがあれば移動制限解除後直ちに制度の利用を可能とするというようなことも実行させていただいておりまして、今申し上げた3つはすでに発表をさせていただいておりますが、対策本部で改めて私の方から申し上げました。明日菅大臣が宮崎県に行かれると聞いております。 もう一点ですが、議員立法でございますが、肝炎対策基本法に基づく肝炎対策推進協議会というものが規定をされております。肝炎対策の基本方針を決めるものでございます。この第1回を6月17日に開催をさせていただくということで今後とも肝炎全体に対する対策というのは強化をしていきたいと、当事者の方のお話も聞いて強化をしていきたいということで、メンバーに加わっていただいているところであります。

質疑

記者:
国民新党代表の亀井大臣が郵政改革法案の今国会成立が図られないということを理由に辞任をしました。これについての受け止めをお伺いします。
大臣:
国会の会期については、言うまでもなく参議院選挙が控えておりますので、延長をするにしても一定の制約があるという中で、その期限でどういうことが出来るのかということを、民主党あるいは国対中心に議論が成され、こういう結論が出たということだと思います。本日、所信表明演説があるというような日程となったわけでありまして、国民新党として色々な協議をされたのだと思いますが、その御判断の中で亀井大臣が辞意を表明され、連立離脱ではないと聞いておりますので、これは国民新党の御判断でもあると思います。我々としても郵政に対する考え方というのは今後きちんと国民の皆さんに説明をし続けていくということが必要だと思います。
記者:
「大臣は辞任するけれども連立は離脱しない」と、理解しづらいのではないかとの御指摘もあるのですが、大臣は亀井大臣が辞任をするということについてはどのように思われますか。
大臣:
政治家の出処進退は御本人の判断でありますので、これは御本人が強い意志で御判断されたということでありましょうから、私が特にそれについてコメントする立場にはないと思います。
記者:
社民党が連立を離脱して、国民新党は連立を離脱しないというものの党首が閣内から去るということですが、政権運営への影響はどのようにお感じでしょうか。
大臣:
これについては、国民新党との協議というのは今後もしていくわけでありますので、緊密な連絡協議を続けていくということで、国民の皆さんにも説明をすれば、どういう事情なのかということを御理解をいただくということで、国民の皆様方の期待に反しない、そういう政権運営が出来るのではないかと思います。
記者:
荒井国家戦略担当大臣の事務所費を巡る問題が報道されていますが、これについての大臣としての見解、どのようにお感じでしょうか。
大臣:
党としても領収書も含め公開をして調査をしたと聞いております。その中で違法性がないという判断がなされたと聞きました。ただ、当然、大臣でありますので、日々記者の方に囲まれて色々な質問を受ける。それはもちろん国民の皆さんの疑問が背景にあって記者の方は質問をされるわけですので、それについて一つ一つ懇切丁寧に答えていくということで国民の皆さんの御理解を得ていくと、こういう不断の努力が、全ての閣僚に言えることですが、必要と思います。
記者:
会期がほとんど延長しないという形になって、厚生労働省で出している法案がまだいくつか残っていると思います。派遣法、独立行政法人の病院の話、その辺は今後どういう風にされていくのでしょうか。
大臣:
私としては閣議決定をして国会に出したものでありますので、成立をお願いしたいというのは基本的考え方でありますが、物理的制約の中で、社会保険病院の法案、あるいは派遣法の法案、予防接種法等々について、派遣法は非常に難しい状況ではないかと思いますが、何とか一つでも多くの法案を通してもらうように我々としても連絡調整をしていくということで今も色々な協議を政務三役、各方面とさせていただいているところであります。まだ明確にどれがどうなるということが確定的に申し上げられる段階ではありません。
記者:
NTTの企業年金の減額訴訟で最高裁の判決が出たわけですが、その中で、経営が著しく悪化しているという状況でないと減額が認められないという厚労省の判断について、経済界からは「厳しすぎる」とか「判断基準を明確にして欲しい」という声が挙がっていますが、これについては今後対応については何かお考えでしょうか。
大臣:
これは現行の法制度、考え方、ルールの中で最高裁の判断がなされたということでありますので、これについては我々も企業サイドも基本的にそれを尊重するという考え方は当然だと思います。その中で我々も判決文を詳細に分析をして、改善すべき点があれば改善をしていくと、これは行政としてもそういう考え方というのは当然だと思います。今の所、直ちにどうするということの考え方がまとまっているわけではありませんが、判決文、その影響なども子細に分析をした上で改善すべき点があれば改善をしていくと、こういう考え方です。
記者:
肝炎対策推進協議会ですが、6月に第1回目の開催ということですが、このタイミングでの開催についてどういう理由があったのかということと、これからどのように政策に反映させていくのかというところを教えて下さい。
大臣:
幅広く当事者の方も含めたメンバー選定もさせていただき、開催についての基本的な考え方の整理にも多少時間がかかりました。特に何かこの時期を狙って開催したというわけではございません。色々な準備などについてそれが整ったということで第1回目を6月17日の15時から開催させていただくということになったわけであります。
記者:
内閣府行政刷新会議の規制・制度改革に関する分科会で第1次案がまとまったのですが、その中で介護施設の参酌標準を撤廃するということで大塚副大臣から大きな判断をしてくれたと評価するコメントがあったのですが、これまで在宅と施設のバランスを保つために意義あるものとしてきた参酌基準を、厚生労働省として廃止すると判断した理由をお聞かせください。
大臣:
これに関しては、やはり地方自治体が最低限度の安全性とか、最低限度の居住性とかについては基本的にお考えいただけるという話もございました。それと同時に、施設に対するニーズが非常に高まっているということで、地方自治体が自由度をもった一定の判断が出来るようにというようなことを、いろいろな角度から議論をいたしましてそういうような判断にしたわけです。もちろん参酌というのは「全く自由に何でも良い」ということではありません。やはり、きちんとした自治体なりの説明が住民の皆様になされた上で、自治体がそういう御判断で責任を持って決断を下して行くということですので、その点についてはそういう御回答を申し上げたわけです。
記者:
日本年金機構の突合作業の入札で、事前に情報漏洩があった件ですが、私どもが入札に参加した17社にアンケートをしたところ、回答のあった12社のうち10社が「漏らされた情報が重要なものであって、入札が不公平であった」と答えているのですが、日本年金機構としては漏らされた情報自体は重要なものではなかった認識を示しているのですが、その溝についてはどうお考えでしょうか。
大臣:
今おっしゃったような結果が出たということで、その報道については拝見をいたしました。先日発表いたしましたのは、今の時点で判明しているという情報を前提にした発表でありまして、その時にも申し上げたと思いますが、私としてもその背景や、動機、具体的な状況をもう少し調べて判断する必要があるのではないかということです。昨日も事務次官に指示をいたしまして、かなり重要度の高いレベルで調査をして欲しいということを申し上げ、間違いのない調査の結果が出ましたら速やかに皆様に発表をして、処分等についても我々の考え方を申し上げて行きたいと思います。
記者:
担当職員の処分についてもそうなのですが、入札に参加した企業からは改めて入札をやり直すべきという声も多かったようなのですが、再入札を行うお考えはありますでしょうか。
大臣:
今の我々が掴んでいる情報がすべて間違いのないものだとすれば、再入札ということはなかなか考えにくいと思います。ただ、先ほど申し上げたように、今の情報というのは、職員の自己申告の話を前提として発表させていただいておりますので、その背景や中身が事実と違うようなことが出てくるとその判断も変わってくる可能性はあると思います。国民の皆様の税金を使った非常に大きなプロジェクトでもありますので、我々としてはきちんと速やかに調査をして判断をして行くということです。
記者:
今の件ですが、先日は日本年金機構の中のコンプライアンスの部署で調査をするということだったのですが、事務次官に指示をされたということは厚生労働省として調査をされるという意味なのでしょうか。
大臣:
これも今議論をしておりますが、第一義的には日本年金機構のコンプライアンス担当の部署で調査をするということですが、それについて仮に不十分であれば、もう少し別のレベルでも調査をする必要が出てくるのではないかと考えておりますが、現時点ではコンプライアンスの担当部署があるわけですので、そこできちんと調査をし、我々厚生労働省としても大きな関心を持ってきちんとした調査がなされるように指導していくということが前提です。
記者:
東北厚生局で、情報公開法で開示した文書が改ざんされていた問題ですが、これについての大臣の受け止めと、今後の処分を含めた対応についてお聞かせください。
大臣:
これも早速今朝指示をいたしましたが、報道のとおりだとすれば問題であると考えております。まず事実関係、あるいはそれが事実だとしたらどういう動機なのか背景を調査するように指示いたしまして、遅くとも今月中に結果を発表してどういう対応を取るべきなのかお示ししたいと考えております。
記者:
先ほど派遣法の絡みで、「今国会での成立は難しいのではないか」という話も出ましたが、この間2回しか厚生労働委員会で審議されていないということで、特に労働者側から抜け穴ではないかとか、当事者の声を聞いて欲しいという声、日弁連の声明などもありますが、そう言った流れの中でどのような姿勢で取り組んで行かれたいかということと、どこが審議が不十分とお考えなのかということをお聞きしたいのですが。
大臣:
当事者の御意見を聞いてないということですが、すべての当事者の御意見を聞くことは物理的に難しいわけですが、先日も大臣室に派遣労働者の方をお呼びして詳細なお話もお伺いさせていただきました。国会審議については厚生労働省が全部コントロール出来るようなものではございません。国会でお話をし、国対間、与野党間で話し合って審議時間や、日程を確保することになります。そういう中で物理的な時間の制約が出てきたとなっているということです。法案の中身については、両方からの御批判、つまり厳しすぎるという御批判もあります一方で、今おっしゃっていただいたような甘すぎるという御批判もありますが、私としては日本の行き過ぎた労働の規制緩和、一番最後に非常に慎重にやらなければならない労働の分野を、日雇い派遣が出来るまでの行き過ぎた規制緩和をしてしまったという前の政権の反省に立って、その部分をきちんと労働者の皆様の権利を保護して行く第一歩の法案だと考えております。この法案は自信を持ってお出ししているものですので、今回物理的に制約があるということですが、なんとか別の国会で成立して行きたいと考えております。
記者:
今のは臨時国会でという意味でしょうか。
大臣:
私としては、そこでの成立を目指して行きたいと思います。

(了)