長妻大臣閣議後記者会見概要

H22.4.27(火) 8:58 ~ 9:15 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
閣議と閣僚懇談会を終えてこちらに参りました。私からは三点ございます。会計検査院からの改善要求を受けて、同趣旨の補助金交付をして、その後精算の前提となる交付額の確定が完了していないものを省庁内に徹底して調査をさせまして、結局、1,930件がまだ精算していないということになりました。これは職務の怠慢と言われても仕方がないことでありますので、今後こういうことがないように我々としてはきちんと対応していきたいということであります。これについては、補助金というのは一旦概算をお渡しして、年度末に余ったお金、あるいは余っていない部分であればそれを確認するという、そういう事務作業を経て、余った場合は請求をしてお返しいただくと、こういう一連の作業で完結するわけでありますが、それが途中である意味では放置していたと言われても仕方がないような状況が1,930件あったということであります。今後の対応としては、各局及び会計課による進捗管理の徹底をしていく。あるいはADAMS、これは全省庁に渡る官庁会計システムでありますが、これの概算払に係るデータとの突合などにより補助金等の額の確定手続の進捗状況を網羅的に把握・管理する体制を整備する等々によって再発防止に努めていきたいと思います。これについては、出来る限りでありますが、急いで事務処理をして6月に金額を確定させて、その後夏頃までに余ったものはお返しいただくと、実際に特定の口座に振り込んでいただくと、こういう形で作業をしていこうと考えております。返還額は補助金の確定をしてみないとわかりませんが、これまでの実績値を推計すると、総額では3億円から5億円程度になるのではないかと考えております。怠りなきようやっていきたいと思います。 もう一点目でありますが、介護処遇改善に取り組む事業者に処遇改善交付金を交付させていただいておりますが、これについて事業者の申請率が約80%から82%に、今現在プラス2%になりました。これは3月末時点の申請率であります。都道府県別では最高が91%で山形県、島根県。最低が72%で宮崎県となっております。また、障害福祉の現場で働く介護職員を対象として実施している福祉・介護人材の処遇改善事業助成金については、3月末時点の申請率は12月末時点の約69%から約70%、プラス1%となりました。都道府県別では、最高が83%の京都府、最低が岐阜県の52%ということであります。 三点目でありますが、大阪市の生活保護受給者がうつ病等の病気を装って、医療機関から向精神薬を大量に入手して転売しているという報道がありました。生活保護の不正受給は国民の信頼を揺るがす問題であり厳正な対処が必要だと考えております。今回の事案と同じようなケースが他の自治体でも発生していないかどうか把握するために、本日付けで各自治体に通知を出させていただいて、緊急のサンプル調査を実施することと致しましたので、結果が出次第御報告を申しあげたいと思います。本年の5月末日までに厚生労働省に報告をいただいて、不適切なものがあった場合は、改善状況は今年の7月末までに報告をいただくというようなこととしております。

質疑

記者:
会計検査院の件ですが、「職員の怠慢と思われても仕方がない」というような御発言がありましたが、内容を精査してからでしょうが、今後職員や幹部の方の処分というところまで検討されるのでしょうか。
大臣:
中身を全て精査をして、どういう事情でこういうことが起こったのかということについても詳細に調査をして、きちんと御報告をするということにしております。その中で職員の処分ということについても、原因が確定すればそれも一つの検討課題になると考えております。
記者:
閣議もしくは閣僚懇談会で国家公務員の定員に関して原口大臣からお話はあったのでしょうか。
大臣:
本日、国家公務員の新規採用について一定の考えで抑制をしていきたいという話がありました。個別の省庁の事情もあるのでそれは話合いをしますと、こういうような趣旨の発言がありました。
記者:
関連してですが、景気動向が主な原因ではないと思いますが、これだけ雇用が難しいという中で、政府が採用を減らしてしまうということが民間の雇用状況にどういった影響を与えるのか、この辺を雇用を担当している大臣としてどのようにお考えでしょうか。
大臣:
その一方で人件費というのは国民の皆様が払った税金によって賄われます。民間企業はもちろん税金ではありません。その企業の努力で稼いだお金の中から人件費が払われるわけですが、公務員は税金で賄われるということで、景気状況がまだ回復していない中で税金の使い方についても厳しい御指摘があるところでありますので、基本的には原口大臣の方針を了解するということであります。ただ、厚生労働省分野で言いますと、例えば日本年金機構の国家プロジェクトで消えた年金問題に取り組むということで、ここでは職員の方の採用を今も続けておりまして、今後も多くの人材が必要となるわけでありますので、そういう意味では決して減らす一方ではなくて、必要不可欠な人材については今申し上げた部分などで採用はさせていただくということになると思います。
記者:
基本的には民間の雇用に対する影響はさほどないのではないかという御見解でしょうか。
大臣:
新規採用ということでありますので、限定的だと思います。
記者:
子ども手当についてですが、仙谷大臣が「全て現金で支給するのか、一部現物給付にするのか自治体が選択出来るような制度を検討すべきではないか。」というような発言をされたのですが、これについては大臣はどのようにお考えですか。
大臣:
これはまだ決まっているものではありませんが、ちょうど本日も「子ども・子育て新システム検討会議」というものが内閣府でありますが、そこで閣僚間では第1回目の議論が始まるということになるわけでありまして、子育てに関する予算を地方自治体とどう役割分担していくかと、幼保一体化という議論もありますので、この中の議論としてそういう問題提起がなされるかどうかも含めて個々で子育てに関する予算の在り方、あるいは平成23年度については幼保一体化の法案も提出をしようと考えておりますので、そういう議論の中で全体の姿を作り上げるということです。まだ今は過程であります。
記者:
仙谷大臣の発言を念頭に、一部現物給付という意見も政府内、民主党で出ておりますが、大臣としてのお考えを改めてお聞かせください。
大臣:
これについては、我々はマニフェストに掲げて総選挙を戦っておりますし三党合意もあります。私としては平成23年度はマニフェスト通りにやって行く努力をして行くということです。
記者:
会計検査院の指摘を受けての補助金の返還ですが、推計で3億円から5億円ということですが、局別の数字があれば教えてください。3億円から5億円というのはどういう評価をされているのでしょうか。
大臣:
お配りしている資料の最後の方に付けさせていただいておりますが、ここで局別の件数があります。ただ、この件数すべてが返還してもらう件数ではありません。この中ではきちんと適正に使い切ってゼロになったというものもありますが、ゼロになったという事務手続きがなされなければ行けません。この中の一定のものが今の段階で分からないわけですが、お返しいただかなればならないということです。 先ほどの金額については、これまでの実績で年間どのくらい余ったかということを推計して、今回のケースでは3億円から5億円程度ではないかと申し上げたわけです。これをすべて精査した時に、そういう金額できちんと収まるかどうかは今の時点ではまだ分かりませんが、いずれにしても、非常に大きい金額だと思いますのであってはならないことです。これについては、再発防止を含めてきちんと見直しをして行きたいと思います。
記者:
20日の委員会の中で足立政務官がいわゆる医療事故調査委員会について、国民的な会議体を作る準備をしているという発言があったのですが、これは具体的にはいつ頃設定されるのかということと、準備を進めているがあと一歩のところで公表という形になっていないという発言もあったのですが、そのネックとなっている最大の要因は何があるのでしょうか。
大臣:
そういう国民会議体を作って、いろいろな分野の方が参加して御議論いただくということです。その中で、もう一方では少子高齢社会の日本モデルというビジョンを作ろうということですので、それとの整合性も含めて今検討中ということです。
記者:
昨日、介護職員の研修の600時間について意見募集の調査結果が出て、やはり現場からは「600時間は多いのではないか」という意見があると思いますが、これは民主党は野党時代とはいえ法律で決まっていることなのですが、これを変更するということをお考えでしょうか。
大臣:
これはいろいろな御意見がありますので、我々は前から申し上げているようにこの分野にかかわらず現状把握をきちんとして行くということが重要だということで、常に改善マインドを持つというアフターサービスの考え方を申し上げております。そういう意味で、現状どういう御意見があるのかを調査して昨日公表させていただきました。その意見をよく精査して考えて行きたいと思います。
記者:
先週末に大臣級でB型肝炎についての協議をしたと思いますが、それについて進捗状況をお願いいたします。
大臣:
B型肝炎については政府を挙げて取り組む最重要問題の一つということで、総理をトップとして以前も関係閣僚と会合を持ちました。その中で事務方が省庁間で連日情報共有、検討をしております。また、閣僚も一定の段階で何度かお会いして協議をするということを続けております。いずれにしても来月半ばに期日が来ますので、それに向けてどういう対応をするのか誠心誠意協議をしているという段階です。
記者:
それに関していろいろと調整はあると思いますが、大臣としては和解の協議のテーブルに着くという方向で検討を進めたいとお考えでしょうか。
大臣:
今、これまでの裁判の経緯なども見させていただいた上で協議を続けておりますので、今の段階では確定的なことは申し上げられません。目的としてはこれだけ大変重要な問題ですので、皆様方が一定程度御納得いただくことが何よりも重要だと考えております。その目的を達成するためにはどうしたらいいかということで協議をしております。いずれにしても来月の期日までに我々としては一つの方向性を出したいと思っております。

(了)