長妻大臣閣議後記者会見概要

H22.4.20(火) 8:54 ~ 9:08 ぶら下がり

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
閣議と閣僚懇談会を終ってこちらに参りました。皆様に配られていると思いますが、厚生労働省の組織目標を確定致しまして、それに基づいて局毎にもなるべく数値目標も入った目標ということで出てまいりましたので今日公表をしたいと思っております。これまで厚生労働省は省の目標も取り立てて立てておらず、あるいは局の目標も立てていないということでありました。そもそもこの議論は人事評価の検討委員会の中で出てきたものでありまして、今、半期毎に個人の目標を書いてもらってそれを評価すると、そういう人事評価、新しい基準もつくってやってもらっているのですが、4月から新しい半期の目標を自分で立てるということになりますので、その時に自分が所属する課の目標はあるのかどうか、これはないということで、では自分が勝手に目標を6ヶ月分立てて良いのか否かという議論になりました。そうであれば課の目標を作ろうと、それに沿った職務をしなくてはならない。そうすると局の目標はというと局の目標もないので、局の目標も作らなければならない。あるいは省の目標も作らなければならない。民間企業でも当たり前の話ですが、そういうものがありませんでしたので、局の中でもそれぞれ議論をして半期の局の目標を作ったというのは初めてだということを聞きましたので、こういう目標を公表して、今は課毎の目標も平行して作っておりますので、それに沿って職員一人一人の半期毎の目標も立ててもらうということです。この目標というのは本日厚生労働省の全職員に省の目標と局の目標はメールでお送りします。独法の職員にも全て、地方部局の方にもお送りするということで、その中に仕事の心構えというものも添付して全職員に送っていこうと思います。これまでも所信表明演説も全職員に送って御意見を聞いたりしておりますので、そういうあまり今までなかったコミュニケーションが重要だと考えています。

質疑

記者:
大臣に就任されてから半年経ちますが、省内は変わってきていると思われますか。
大臣:
今、毎週の朝礼で今週の改善とか、あるいは問題点の指摘というのがある程度あがってくるようになってきたということで、役所文化は変わりつつあると思います。視察や現場の御意見をきく意見交換会もかなり以前よりは増えて来ていると思っております。この省の目標にも7つの不足する能力ということを繰り返し色々なところでも言っておりますので、それがある程度踏まえた仕事が出来ていると思いますが、まだまだ私の感覚では民間企業のような機動性とか、あるいは責任体制の明確化とか、縦割りを排するとか、そういうところは不十分ですので、これからも役所文化を変える取り組みは必要だと思います。
記者:
広報に重点を置かれるということですが、「ナショナルミニマム」や「ポジティブ・ウェルフェア」とか横文字が多いと思うのですが、わかりにくいという指摘もあるかと思いますがその点についてはどう思われますか。
大臣:
ナショナルミニマム、最低限度の生活ということなのですが、これまでの概念とは違う基準を作ろうと思っておりまして、その意味ではその言葉自体も浸透していくように我々も広報をしていきたいと思います。従来の言葉だとどうしても従来のイメージになりましょうが、新しい発想であるということで、極力横文字は使わないようにしているのですが、一部は新しい概念であるということを強調したいということでそういうものも使わせてもらって、きちんと説明はしていきたいと思います。
記者:
子ども手当についてですが、一部報道で民主党の方で残りの半額をバウチャーで検討するという報道があるのですが、厚生労働省として事実確認をされているのかということと、もしバウチャーになった場合に当初の理念に反さないかどうか教えて下さい。
大臣:
これはまだ私もどういう話なのか報道で聞いているだけですので、私としてはマニフェスト通りに平成23年度は現金で、マニフェストを尊重するという立場ですから。
記者:
省の目標についてですが、全体の御感想と「驕り」の一掃として4項目上げておりますが、その狙いについて教えてください。
大臣:
まず、厚生労働省の目標を一言で言うと、前から言っておりますが生活者の立場に立った信用出来る厚生労働省を目指すということです。個別具体的な目標としては、「少子高齢社会の日本モデル」を策定して国民と共有するという趣旨です。その中で、現状把握能力ということについて何度も口を酸っぱく申し上げて、統計データを見ると「実態はこうだ」と霞が関の中心で思うのですが、現場に行くと全く違うことが起こっていることが往々にしてあります。現状把握が非常に重要だということで、今昼休みを利用して有識者と意見交換をしている局も出て来ておりますし、現場を見る集中期間として現場に若手職員を多く行かせたりしております。また、年金局でも年金事務所で実習させるということをやっておりますし、そういう現状把握ということが、何度言っても言い過ぎではないほど重要だということです。私自身も気を付けないといけないことですが、現状把握をしようとする時に障害になるのが「驕り」だということです。聞かなくても「大体こういうことだ」と分かった気持ちになってしまうと、いろいろな批判がある時にそれを避けてしまうというか「批判する方がおかしいのではないか」という発想になってしまうということです。驕りがないと思っている人ほど驕りがあるということもありますので、そこは自戒を込めて厚生労働省内にもそういう雰囲気が漂っておりますので見直していかないといけません。現状把握を間違ってしまうという思いで策定したということです。
記者:
厚生労働省の目標の中で「少子高齢社会の日本モデル」について、6月までに策定するということになっておりますが、その中身ですが例えば、ナショナルミニマムについては基準の設定と書いてありますが、それは6月に策定する中でナショナルミニマムの基準の設定をするということなのでしょうか。
大臣:
これは第2弾という考え方で、ナショナルミニマムについても一定の中間報告的な取りまとめは早めに出して行きたいと思っております。ただ、この目標は平成22年度のものですので、最終的には平成22年度の中で考えて行くということになります。
記者:
6月に出るのは中間的なものということでしょうか。
大臣:
そうです。中間的な取りまとめという形になると思います。
記者:
そうすると、子ども手当について雇用均等・児童家庭局の目標で、9月までに平成23年度以降のことについて定めるというようなことが書いてあると思いますが、中期財政フレームですとか、概算要求とか、年末の予算編成とかいずれの時期とも違う9月というのはどういう意味合いがあるのか教えていただけませんでしょうか。
大臣:
9月というのは平成23年度の支払いの制度設計の骨格ということでありますので、財源をどこから捻出するかということについては、平成23年度の予算編成の中で決定するということになると思います。
記者:
9月までに出すというのは、何を出すということなのでしょうか。
大臣:
これは支払い方法ですとか、国会でも指摘されたいろいろな懸案事項がありましたが、例えば、給食費の天引きはどう考えるのか、あるいは外国人のお子さんのところはどう考えるのか制度の論点をまとめて行くということです。
記者:
財源の負担割合、地方、企業のことを含めてということでしょうか。
大臣:
そこは9月という期限よりも、予算編成の4大臣合意もありますので、予算編成の中で議論することになろうかと思います。
記者:
大阪で生活保護を悪用し向精神薬を集め、それをネットで売るという事件があったのですが、生活保護、向精神薬、あと医療費の問題にも関わってきますが、こういった問題について、事業仕分けの時に生活保護受給者の受給が問題になりましたがどのように防いで行こうとお考えでしょうか。
大臣:
事実関係をまだ厚生労働省として把握していないと思いますが、これについては他に事例があってはならないと思いますので、事実関係を確認してそれを防止する対策を検討して行くということになります。いずれにしても一般論としては生活保護などの不正は、きちんと要件に基づいて受給されている方が本当に迷惑する話ですので、これについては今後とも不正や、問題がないように取り組むということです。
記者:
B型肝炎訴訟についてですが、今日もまた2回目の座り込みを行われるのですが、閣僚間の協議を含めて現在の状況を改めて教えていただけますか。
大臣:
閣僚間でも協議をし、事務方同士でも今精力的に協議をさせていただております。これは期限のあることですのでそれまで十分に協議をして行くということで、責任のあるお話が出来る時にお会いしてお話をするということです。
記者:
省の目標に関連してですが、ナショナルミニマムについて現行の生活保護の8つの扶助を変えることを超えて、ベーシックインカム、所得保障や、年金を含めたもっと幅広いものを示すことになるのでしょうか。
大臣:
まずは、ナショナルミニマムという基準を作っておりますので、基準を示したあとにどうするかという議論がある思います。前政権での母子加算見直しの時にもいろいろな数字が出て来ましたが、そういう数字の判断が本当にいいのかどうかという基準作りが先になると思いますので、まだ具体的にどうするかというのはまだ先の話だと思います。
記者:
今後の生活扶助なり、最低生活費の見直しは前提としてあるのでしょうか。
大臣:
まず、最低水準は何かの基準を決めるということで、現行がそれに合っているか合っていないかはその後基準に基づいて検証がなされるということになると思いますので、直ちにそれが変わるか、変わらないかということではないと思います。まずは基準を作って行くということです。
記者:
基準の数字的なものもある程度ということでしょうか。
大臣:
考え方ということが基本になると思いますが。
記者:
内閣支持率ですが、各紙の世論調査で3割前後と当初にくらべて半減しているのですが、大臣としてはここまで支持率がこの半年で落ちた原因をどのように見ていらっしゃるのか、また今後の対応について改めてお伺い出来ますでしょうか。
大臣:
原因というのは私もすべて言えるわけではありませんが、一つは政権交代をして「政と官」の在り方、また、「与党と政府」の在り方に対して今までとはガラッと違うやり方を取っているわけです。その中で一部試行錯誤という面がまだ7ヶ月ということであろうかと思いまして、それについて国民の皆様の御不満があるということもあると思います。あとは個別の問題がいろいろ影響しているのではないかと思いますが、いずれにしても我々はいろいろなものについて仕込みをしているつもりですので、それの実績が出てくる時に国民の皆様の期待に応えられるようにして行くということです。今月は予算の執行が4月から始まりますので、それについても国民の皆様にいろいろな変わった施策について広報して行くことが重要だと思います。

(了)